JP2024040951A - アンドロゲン受容体アンタゴニストの固体分散体を含む薬学的組成物 - Google Patents

アンドロゲン受容体アンタゴニストの固体分散体を含む薬学的組成物 Download PDF

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雅志 千々石
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Abstract

【課題】本発明は、患者のバイオアベイラビリティーやコンプライアンス向上のために、溶解性の改善された、種々のポリマー等および界面活性剤を含むアンドロゲン受容体アンタゴニストの固体分散体を含む薬学的組成物、その製造方法、およびアンドロゲン受容体アンタゴニストの溶解方法を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、エンザルタミドまたはアパルタミド、およびポリマー等、またはこれらと界面活性剤とを含有する固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、アンドロゲン受容体アンタゴニストであるエンザルタミドおよびアパルタミドの固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物、その製造方法、およびアンドロゲン受容体アンタゴニストの溶解方法に関する。前記薬学的組成物は前立腺癌の治療において有用である。
エンザルタミドおよびアパルタミドは、アンドロゲン受容体アンタゴニストである。エンザルタミドの化学名は、4-{3-[4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5,5-ジメチル-4-オキソ-2-スルファニリデンイミダゾリジン-1-イル}-2-フルオロ-N-メチルベンズアミドである。構造式は、
である(特許文献1:国際公開2006/124118号)。
アパルタミドの化学名は、化学名:4-[7-[6-シアノ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]-8-オキソ-6-チオキソ-5,7-ジアザスピロ[3.4]オクタン-5-イル]-2-フルオロ-N-メチルベンズアミドである。構造式は、
である(特許文献2:国際公開2007/126765)。
エンザルタミドおよびアパルタミドは、難溶性であり、特に、これらは無水エタノールには僅かにしか溶解せず、pH1~11の水には実際不溶性である。これらはアセトン及びN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に可溶性である。更に、これらは生理学的pH範囲でイオン化されないままである非吸湿性結晶質固体である。これらは生物薬剤学分類システムを用いてクラス2薬物に属している。しかしながら、乏しい薬物溶解性は溶出の障害を生じ、薬物バイオアベイラビリティーに決定的な影響を与える。
これらの欠点を克服する手段として、特許文献3(国際公開2014/043208号)には、エンザルタミドにセルロース系ポリマーを加えたアモルファスの固体分散体の薬学的組成物が記載されている。
また、特許文献4(国際公開2015/118015号)には、エンザルタミドおよびアパルタミドにポリマーと界面活性剤を加えた固体分散体の固体医薬組成物が記載されている。
しかし、これらの組成物は、ポリマーおよび界面活性剤が限定されており、その配合量も上限および下限が制限されることから、製剤化に制約がある。またこれらのポリマーおよび界面活性剤は、安全性の面で必ずしも十分なデータが揃っていない問題点も存在する。
特許文献5(国際公開2020/234448号)には、ポリマーと界面活性剤を含有するエンザルタミドの微粒子結晶が開示されている。
しかし、エンザルタミド結晶は、固体分散体に比べて溶解度が低くバイオアベイラビリティーの面で不利であることが知られている。
したがって、患者のバイオアベイラビリティーやコンプライアンス向上のために、溶解性の改善された、種々のポリマーおよび界面活性剤を含有する固体分散体を含む薬学的組成物の他の選択肢が必要とされている。
国際公開2006/124118号 国際公開2007/126765号 国際公開2014/043208号 国際公開2015/118015号 国際公開2020/234448号
本発明は、患者のバイオアベイラビリティーやコンプライアンス向上のために、溶解性の改善された、種々のポリマー等および界面活性剤を含むアンドロゲン受容体アンタゴニストの固体分散体を含む薬学的組成物、その製造方法、およびアンドロゲン受容体アンタゴニストの溶解方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、エンザルタミドおよびアパルタミドと、種々のポリマー等および界面活性剤を使用して、エンザルタミドおよびアパルタミドの固体分散体を作成し、その水溶液中での溶解度を検討したところ、特定のポリマー等、または特定のポリマー等と界面活性剤との新規な組み合わせにおいて、従来の固体分散体と同等またはそれ以上の溶解度を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に関する。
[1]
エンザルタミドまたはアパルタミドと、ポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンと、界面活性剤とを含有する固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
[2]
(i)エンザルタミドまたはアパルタミド、ならびに
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース、メタクリル酸コポリマー、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマー、ポビドン、コポリビドン、およびポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体、からなる群から選択される少なくとも1種のポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジン、
を含有する固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
[3]
エンザルタミドまたはアパルタミドが、水溶液に溶解時のエンザルタミドまたはアパルタミドの最大溶解度が、60μg/mL以上であるように調整された、[1]に記載の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
[4]
エンザルタミドまたはアパルタミドが、水溶液に溶解時のエンザルタミドまたはアパルタミドの最大溶解度が、60μg/mL以上であるように調整された、[2]に記載の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
[5]
さらに、
(iii)界面活性剤
を含む、[2]に記載の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
[6]
(iii)の界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムまたはポリソルベート80である、[5]に記載の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
[7]
(ii)のポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンが、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体、糖転移ヘスペリジン、メチルヘスペリジン、またはコポリビドンであり、(iii)の界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムまたはポリソルベート80である、[6]に記載の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
[8]
エンザルタミドまたはアパルタミド、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体、およびラウリル硫酸ナトリウムを含有する固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
[9]
界面活性剤が、エンザルタミドまたはアパルタミド100重量部に対して、10重量部以上である、[1]、[3]、および[5]~[8]のいずれか一項に記載の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
[10]
エンザルタミドまたはアパルタミドと、ポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンとの重量比が、1:1以上である、[1]~[8]のいずれか一項に記載の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
[11]
顆粒、錠剤、ペレット、またはカプセル剤である、[1]~[8]のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
[12]
a)エンザルタミドまたはアパルタミドを、溶媒中に溶解し;
b)a)の溶液に[1]または[2]に記載のポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンを溶解し;
c)b)の溶液から、エンザルタミドまたはアパルタミドの固体分散体を調製し;
d)任意に、顆粒化、圧縮、錠剤化、ペレット化及びカプセル化、コーティングから選択される追加の工程を実施する;
ことを含む、エンザルタミドまたはアパルタミドを含有する固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物の製造方法。
[13]
界面活性剤をステップa)~c)のいずれか1つで添加する、[12]に記載の製造方法。
[14]
溶媒が、アセトンであり、乾燥が噴霧乾燥である、[12]に記載の製造方法。
[15]
界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムまたはポリソルベート80である、[13]に記載の製造方法。
[16]
ポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンが、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体、糖転移ヘスペリジン、メチルヘスペリジン、またはコポリビドンであり、界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムまたはポリソルベート80である、[13]に記載の製造方法。
[17]
a)エンザルタミドまたはアパルタミドを、溶媒中に溶解し;
b)a)の溶液に[1]または[2]に記載のポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンを溶解し、
c)b)の溶液から、エンザルタミドまたはアパルタミドの固体分散体を調製し、
d)c)の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物を、水溶液中で溶解する、
ことを含み、
ここでエンザルタミドまたはアパルタミドの水中での最大溶解度が、60μg/mL以上である、
エンザルタミドまたはアパルタミドの溶解方法。
[18]
界面活性剤をステップa)~c)のいずれか1つで添加する、[17]に記載の溶解方法。
[19]
界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムまたはポリソルベート80である、[18]に記載の溶解方法。
[20]
ポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンが、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体、糖転移ヘスペリジン、メチルヘスペリジン、またはコポリビドンであり、界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムまたはポリソルベート80である、[18]に記載の溶解方法。
[21]
溶媒がアセトンである、[17]一項に記載の溶解方法。
[22]
過剰増殖性障害を有する患者を処置するための組成物であって、[1]~[8]のいずれか一項に記載の固体分散体または固体分散体を含む薬学的組成物を含む、組成物。
[23]
過剰増殖性障害が、良性前立腺肥大症、前立腺がん、乳がん、および卵巣がんからなる群より選択される、[22]に記載の組成物。
[24]
過剰増殖性障害が、前立腺がんであり、前記前立腺がんが、ホルモン不応性前立腺がんおよびホルモン感受性前立腺がんからなる群より選択される、[23]に記載の組成物。
また、本発明は、以下にも関する。
[1]
エンザルタミドまたはアパルタミドと、ポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンと、界面活性剤とを含有する固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
[2]
(i)エンザルタミドまたはアパルタミド、ならびに
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース、メタクリル酸コポリマー、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマー、ポビドン、コポリビドン、およびポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体、からなる群から選択される少なくとも1種のポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジン、
を含有する固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
[3]
エンザルタミドまたはアパルタミドが、水溶液に溶解時のエンザルタミドまたはアパルタミドの最大溶解度が、60μg/mL以上であるように調整された、[1]または[2]に記載の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
[4]
さらに、
(iii)界面活性剤
を含む、[2]または[3]に記載の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
[5]
(iii)の界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムまたはポリソルベート80である、[4]に記載の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
[6]
(ii)のポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンが、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体、糖転移ヘスペリジン、メチルヘスペリジン、またはコポリビドンであり、(iii)の界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムまたはポリソルベート80である、[4]または[5]に記載の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
[7]
エンザルタミドまたはアパルタミド、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体、およびラウリル硫酸ナトリウムを含有する固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
[8]
界面活性剤が、エンザルタミドまたはアパルタミド100重量部に対して、10重量部以上である、[1]、および[3]~[7]のいずれか一項に記載の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
[9]
エンザルタミドまたはアパルタミドとポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンとの重量比が、1:1以上である、[1]~[8]のいずれか一項に記載の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
[10]
顆粒、錠剤、ペレット、またはカプセル剤である、[1]~[9]のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
[11]
a)エンザルタミドまたはアパルタミドを、溶媒中に溶解し;
b)a)の溶液に[1]または[2]に記載のポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンを溶解し;
c)b)の溶液から、エンザルタミドまたはアパルタミドの固体分散体を調製し;
d)任意に、顆粒化、圧縮、錠剤化、ペレット化及びカプセル化、コーティングから選択される追加の工程を実施する;
ことを含む、エンザルタミドまたはアパルタミドを含有する固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物の製造方法。
[12]
界面活性剤をステップa)~c)のいずれか1つで添加する、[11]に記載の製造方法。
[13]
溶媒が、アセトンであり、乾燥が噴霧乾燥である、[11]または[12]に記載の製造方法。
[14]
界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムまたはポリソルベート80である、[12]または[13]に記載の製造方法。
[15]
ポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンが、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体、糖転移ヘスペリジン、メチルヘスペリジン、またはコポリビドンであり、界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムまたはポリソルベート80である、[12]~[14]のいずれか一項に記載の製造方法。
[16]
a)エンザルタミドまたはアパルタミドを、溶媒中に溶解し;
b)a)の溶液に[1]または[2]に記載のポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンを溶解し、
c)b)の溶液から、エンザルタミドまたはアパルタミドの固体分散体を調製し、
d)c)の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物を、水溶液中で溶解する、
ことを含み、
ここでエンザルタミドまたはアパルタミドの水中での最大溶解度が、60μg/mL以上である、
エンザルタミドまたはアパルタミドの溶解方法。
[17]
界面活性剤をステップa)~c)のいずれか1つで添加する、[16]に記載の溶解方法。
[18]
界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムまたはポリソルベート80である、[17]に記載の溶解方法。
[19]
ポリマー、糖転移メチルヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンが、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体、メチルヘスペリジン、またはコポリビドンであり、界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムまたはポリソルベート80である、[17]または[18]に記載の溶解方法。
[20]
溶媒がアセトンである、[16]~[19]のいずれか一項に記載の溶解方法。
[21]
過剰増殖性障害を有する患者を処置するための組成物であって、[1]~[10]のいずれか一項に記載の固体分散体または固体分散体を含む薬学的組成物を含む、組成物。
[22]
過剰増殖性障害が、良性前立腺肥大症、前立腺がん、乳がん、および卵巣がんからなる群より選択される、[21]に記載の組成物。
[23]
過剰増殖性障害が、前立腺がんであり、前記前立腺がんが、ホルモン不応性前立腺がんおよびホルモン感受性前立腺がんからなる群より選択される、[22]に記載の組成物。
本発明の固体分散体を含む薬学的組成物は、従来の固体分散体を含む薬学的組成物とは異なる組成を有する、水中での溶解度に優れ、患者のバイオアベイラビリティーおよびコンプライアンスの向上が期待できる新たな選択肢を提供することができる。
図1は、溶出性試験(試験例1)での実施例1~3(検体(1)~(3))、参考例1(検体(6))、比較例1(検体(8))及び比較例2の溶解度を示す。 図2は、溶出性試験(試験例2)での比較例1(検体(8))及び実施例1~2(検体(1)~(2))の溶解度を示す。 図3は、溶出試験(試験例3)での比較例1(検体(8))及び実施例1~2(検体(1)~(2))の溶解度を示す。 図4は、溶出試験(試験例4)での実施例4~5(検体(4)~(5))、参考例2(検体(7))及び比較例3の溶解度を示す。
本明細書において別様に定義されない限り、本明細書で用いる全ての技術用語および科学用語は、当業者が通常理解しているものと同じ意味を有する。本明細書中で参照する全ての特許、出願および他の出版物や情報は、その全体を参照により本明細書に援用する。
本発明の一側面において、本発明は、
(i)エンザルタミドまたはアパルタミド、ならびに
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース、メタクリル酸コポリマー(たとえばメタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS)、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマー、ポビドン、コポリビドン、およびポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体からなる群から選択される少なくとも1種のポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルへスペルジン、
を含有する固体分散体または固体分散体を含む薬学的組成物であって、
ここで、エンザルタミドまたはアパルタミドが、水溶液に溶解時のエンザルタミドまたはアパルタミドの最大溶解度が、60μg/mL以上であるように調整された、固体分散体または固体分散体を含む薬学的組成物、
を提供する。
本発明におけるエンザルタミドまたはアパルタミドは、エンザルタミドまたはアパルタミド、並びにアンドロゲン受容体アンタゴニストとしての活性を含めた同一の特性を有すると予想される非常に密接に関連している化合物を含む。活性化合物は本明細書において「API」または「API化合物」とも称され得る。
好ましくは、本明細書中に開示されているすべての態様、実施形態及び説明においてエンザルタミドは、次式:
で表され、
またはアパルタミドは、次式:
で表される。
本発明のいくつかの形態において、ポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスぺリジンは、特に限定されないが、親水性ポリマー、好ましくは水溶性ポリマーから選択される。好ましいポリマーは、エンザルタミドまたはアパルタミドを主に、好ましくは本質的に、最も好ましくは完全に固体分散体で存在させ、有利にはその形態を長時間保つことができるものである。例として、ヒドロキシプロピルセルロース、メタクリル酸コポリマー(例としてメタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS)、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマー、ポビドン、コポリビドン、およびポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体からなる群から選択される少なくとも1種のポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスぺリジンでもよい。好ましくはポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体(Solplus)、メチルヘスペリジン、またはコポリビドンであり、さらに好ましくは、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体(Solplus)である。
本発明の別の形態において、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ヒプロメロースアセテートサクシネート(HPMC-AS)、ポリアクリケート、アラビアガム、キサンタンガム、トラガカント、アカシア、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、ペクチン、アルギネート及びその混合物からなる群から選択される少なくとも1つのポリマーを用いて形成される場合もある。
本発明のいくつかの形態において、エンザルタミドまたはアパルタミドは、固体分散体の形態で、本発明の薬学的組成物に含まれる。
本発明において、「分散体」は、分散相である1種の物質が、第2の物質(連続相又は媒体)中に、区別されたユニットとして分散している分散系を言う。分散相の大きさは、大幅に異なりうる(例えば、ナノメートル容積のコロイド粒子から、数ミクロンサイズまで)。一般には、分散相は、固体、液体又は気体でありうる。固体分散体である場合には、分散相及び連続相はいずれも固体である。薬学的な適用においては、固体分散体はアモルファスポリマー(連続相)中の結晶性の薬物(分散相)、あるいはアモルファスポリマー(連続相)中のアモルファスの薬物(分散相)を含むことができる。ある実施態様としては、固体分散体は、分散相を構成するポリマー及び連続層を構成する薬物を含む。ある実施態様においては、分散体はアモルファス化合物又は実質的にアモルファスの化合物を含む。
本発明において「アモルファス」は、一般的な意味で用いられ、固体内の原子は互いに強く結合しており、かつ不規則に並んでいる状態をいう。また一部に結晶を含んでいても良い。
本明細書で使用している「アモルファス」の語は、その分子の位置に長距離秩序をもたない固体物質をいう。アモルファス固体は、一般的には、分子がランダムな形で配置されているため、明確な配列、例えば分子パッキングが存在せず、長距離秩序が無い過冷却液体である。アモルファス固体は一般に等方性であり、すなわち全方向で類似特性を呈し、明確な融点をもたない。例えば、アモルファス物質は、そのX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて鋭い特有の結晶ピーク(複数も可)をもたない(すなわち、XRPDにより測定される結晶性ではない)固体物質である。その代わりとして、1つまたは幾つかの
広いピーク(例えば、ハロ)がそのXRPDパターンで現れる。
本発明において、「固体分散体のエンザルタミドまたはアパルタミド」は、水性使用環境、例えば、インビトロの溶解試験の水性溶解媒体(例えば、リン酸緩衝食塩水またはモデル絶食時十二指腸液もしくは模擬胃液)またはインビボの胃もしくは小腸の環境における結晶性エンザルタミドより急速におよびより大きな程度まで溶解する。この増強された溶解は、結晶性薬物と比較してより高いエンザルタミドの経口バイオアベイラビリティーをもたらす。
いくつかの実施形態において、エンザルタミドまたはアパルタミドの固体分散体中には、結晶が含まれていてもよい。
アモルファスのエンザルタミドは、噴霧乾燥、熱溶融押出、および非溶媒を加えることによる溶液からの沈殿等を含めた任意の公知の手段によって調製し得る。
本発明のいくつかの実施形態において、エンザルタミドまたはアパルタミド/ポリマー溶液を乾燥するための溶媒は、アセトン、エタノール、メタノール、これらの混合物、および水との混合物である。
本発明の一形態において、エンザルタミドまたはアパルタミド/ポリマー溶液を乾燥するための溶媒は、アセトンである。
本発明の一形態において、溶媒が、アセトンであり、乾燥が噴霧乾燥である。
噴霧乾燥は、公知の方法に従えばよいが、たとえば以下の方法が挙げられる。
1つの例において、1種以上のポリマーおよびエンザルタミドまたはアパルタミドを1種以上の溶媒(例えば、アセトン)と混合して、約4%(w/w)~約15%(w/w)の総固体量を有する溶液を形成する。総固体量のパーセンテージ(w/w)は、化合物および1種以上のポリマーの合計質量を、エンザルタミドまたはアパルタミド、1種以上のポリマー、および1種以上の溶媒の合計質量で割ることにより決定される。次に、溶液を噴霧乾燥して固体分散体を形成することができ、これに場合によりさらなる乾燥工程を加えることもできる。
本発明において、「薬学的組成物」は、特に限定されず、患者に投与された場合に、何らかの薬理作用を発現する組成物一般について用いられ、「医薬組成物」を含む概念であり、薬理作用を発現すれば、医薬品に限定されない。
本発明のいくつかの形態において、本発明の「薬学的組成物」は、エンザルタミドまたはアパルタミドの水溶液中の最大溶解度が、60μg/mL以上であるように調製された、薬学的組成物である。
本発明の一つの側面において、エンザルタミドまたはアパルタミドの水溶液中の最大溶解度が、60μg/mL以上であるように調製された、薬学的組成物は、製剤化によって、良好なバイオアベイラビリティーおよびコンプライアンスを投与された患者にもたらす新たな選択肢を提供する。
最大溶解度が、60μg/mL以上であるように調製するには、ポリマーおよびまたは界面活性剤の特定によって、エンザルタミドまたはアパルタミドとの配合比、固体分散体の作成条件等を適宜調製して行う。
さらに、ポリマーおよび/または界面活性剤の特定によって、エンザルタミドまたはアパルタミドとの配合比、固体分散体の作成条件等を適宜調製して最大溶解度を調製することにより以下の最大溶解度を得ることも可能である。
本発明の一つの側面において、エンザルタミドまたはアパルタミドの水溶液中の最大溶解度が、70μg/mL以上であるように調製された、薬学的組成物は、製剤化によって、良好なバイオアベイラビリティーおよびコンプライアンスを投与された患者にもたらす選択肢を提供する。
本発明の一つの側面において、エンザルタミドまたはアパルタミドの水溶液中の最大溶解度が、80μg/mL以上であるように調製された、薬学的組成物は、製剤化によって、良好なバイオアベイラビリティーおよびコンプライアンスを投与された患者にもたらす選択肢を提供する。
本発明の一つの側面において、エンザルタミドまたはアパルタミドの水溶液中の最大溶解度が、90μg/mL以上であるように調製された、薬学的組成物は、製剤化によって、良好なバイオアベイラビリティーおよびコンプライアンスを投与された患者にもたらす選択肢を提供する。
本発明の一つの側面において、エンザルタミドまたはアパルタミドの水溶液中の最大溶解度が、100μg/mL以上であるように調製された、薬学的組成物は、製剤化によって、良好なバイオアベイラビリティーおよびコンプライアンスを投与された患者にもたらす選択肢を提供する。
本発明の一つの側面において、エンザルタミドまたはアパルタミドの水溶液中の最大溶解度が110μg/mL以上であるように調製された、薬学的組成物は、製剤化によって、良好なバイオアベイラビリティーおよびコンプライアンスを投与された患者にもたらす選択肢を提供する。
本発明の一つの側面において、エンザルタミドまたはアパルタミドの水溶液中の最大溶解度が120μg/mL以上であるように調製された、薬学的組成物は、製剤化によって、良好なバイオアベイラビリティーおよびコンプライアンスを投与された患者にもたらす選択肢を提供する。
本発明の一つの側面において、エンザルタミドまたはアパルタミドの水溶液中の最大溶解度が、130μg/mL以上であるように調製された、薬学的組成物は、製剤化によって、良好なバイオアベイラビリティーおよびコンプライアンスを投与された患者にもたらす選択肢を提供する。
本発明の一つの側面において、エンザルタミドまたはアパルタミドの水溶液中の最大溶解度が、140μg/mL以上であるように調製された、薬学的組成物は、製剤化によって、良好なバイオアベイラビリティーおよびコンプライアンスを投与された患者にもたらす選択肢を提供する。
本発明の一つの側面において、エンザルタミドまたはアパルタミドの水溶液中の最大溶解度が、150μg/mL以上であるように調製された、薬学的組成物は、製剤化によって、良好なバイオアベイラビリティーおよびコンプライアンスを投与された患者にもたらす選択肢を提供する。
本発明の一つの側面において、エンザルタミドまたはアパルタミドの水溶液中の最大溶解度が、160μg/mL以上であるように調製された、薬学的組成物は、製剤化によって、良好なバイオアベイラビリティーおよびコンプライアンスを投与された患者にもたらす選択肢を提供する。
本発明において、用語「水溶液」は、水を含有する溶液であれば特に限定されず、水そのものである場合もあるが、たとえば人工胃液または腸液のよう
な生物関連媒体をも含む概念である。また、例えば、インビトロの溶解試験の水性溶解媒体(例えば、リン酸緩衝食塩水、日本薬局方溶出試験第2液、またはモデル絶食時十二指腸液もしくは模擬胃液)またはインビボの胃液もしくは小腸液等の生体の体液でもよい。
本発明の別の態様において、本発明の薬学的組成物はさらに、界面活性剤を含んでもよい。
本発明に使用される界面活性剤は、特に限定されないが、当業者が一般的に理解しているように、それ自体2つの液体間または液体と固体間の表面張力(または、界面張力)を下げることができる物質である。好ましくは、本明細書中で使用されている用語「界面活性剤」は、湿潤剤として、乳化剤として、洗浄剤として、及び分散剤として作用し得る物質、より好ましくは湿潤剤として作用し得る物質を意味する。界面活性剤である物質の一般的機能は典型的には当業者により予め公知であり得る。より具体的には、使用しようとする界面活性剤の上記能力は、所与組成物または処方物中のエンザルタミドまたはアパルタミドの溶出が溶出媒体、温度及び攪拌条件のような同一規定条件下で界面活性剤を含有していない以外同一の組成物または処方物と比べて強化され得るかどうかの簡単な測定により、例えばUSP装置2(パドル法)を用いて100rpmで空腹時人工腸液(FaSSIF)pH6.5媒体中45分間の本発明において好ましい溶出試験を用いて調べられ得る。
本発明に使用される界面活性剤としては、特に限定されないが、アニオン性界面活性剤、好ましくはラウリル硫酸ナトリウム;ポリエチレングリコール(PEG)、好ましくは約2000~10000の範囲の分子量を有するPEG、より好ましくはPEG 3350、PEG 4000、PEG 6000、PEG 8000;ポリソルベート、好ましくはトゥイーン20、トゥイーン80またはスパン80;脂肪酸エステル、好ましくはプロピレングリコールカプリレート、例えばカプムルPG-8、カプリオール90;グリセロールと脂肪酸のエステル、好ましくはグリセロールオレエート及びカプリレート(カプムルMCM);ポリエチレングリコールと脂肪酸のエステル、例えばラブラゾル及びソルトール;ヒマシ油エトキシレート(グリセロールポリエチレングリコールリシノレエート)、例えばクレモフォールEL及びクレモフォールRH 40からなる群から選択され得る。より好ましくは、界面活性剤はラウリル硫酸ナトリウム;PEG 3350、PEG 4000、PEG 6000またはPEG 8000、好ましくはPEG 6000;トゥイーン20またはトゥイーン80;及びポリエチレングリコールと脂肪酸のエステルからなる群から選択され、最も好ましくはラウリル硫酸ナトリウム及びトゥイーン80であり、特にラウリル硫酸ナトリウムである。
いくつかの態様において、本発明の薬学的組成物は、ポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンが、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体、メチルヘスペリジン、またはコポリビドンであり、界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムまたはポリソルベート80である。
本発明の別の側面において、本発明の薬学的組成物は、エンザルタミド、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体、およびラウリル硫酸ナトリウムを含有する固体分散体を含む薬学的組成物である。
本発明のいくつかの態様において、界面活性剤とエンザルタミドまたはアパルタミドの配合比は特に限定されないが、たとえばエンザルタミドまたはアパルタミド100重量部に対して、300重量部以下、200重量部以下、150重量部以下、100重量部以下、50重量部以下、40重量部以下、30重量部以下、20重量部以下であってもよい。好ましくは150重量部以下である。また、界面活性剤の種類によってその物性も異なることからこれらに限定されない。
本発明の別の側面において、界面活性剤とエンザルタミドまたはアパルタミドの配合比は、たとえばエンザルタミドまたはアパルタミド100重量部に対して、10重量部以上、20重量部以上、30重量部以上、40重量部以上、50重量部以上、60重量部以上、70重量部以上、80重量部以上、90重量部以上、100重量部以上、110重量部以上、120重量部以上、130重量部以上、140重量部以上、および150重量部以上であってもよい。好ましくは、50重量部以上である。
本発明の別の側面において、界面活性剤とエンザルタミドまたはアパルタミドの配合比は、たとえばエンザルタミドまたはアパルタミド100重量部に対して、10~300重量部、20~200重量部、好ましくは50~150重量部である。
本発明の別の側面において、界面活性剤とエンザルタミドまたはアパルタミドの配合比は、たとえば重量比で1:0.1以上、1:0.2以上、1:0.5以上、1:0.1~1:3、好ましくは1:0.2~1:2、より好ましくは1:0.5~1:1.5である。
一般に、界面活性剤の比率が低ければ低いほど、製剤の服用量が減って患者の負担の面でコンプライアンスが改善され、高ければ高いほど、その溶解度が改善される。本発明において、上記比率は、本発明者らが、鋭意検討の結果、界面活性剤の特性に合わせて調整して見出したものである。
本発明のいくつかの側面において、エンザルタミドまたはアパルタミドとポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンの配合比は、たとえば重量比で、1:20以下、1:10以下、1:7以下、好ましくは1:5~1:1である。
本発明のいくつかの側面において、エンザルタミドまたはアパルタミドとポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンの配合比は、たとえばエンザルタミドまたはアパルタミド100重量部に対して、2000重量部以下、1000重量部以下、700重量部以下、好ましくは500~100重量部である。
本発明のいくつかの形態において、本発明の薬学的組成物中に他の賦形剤を含むことができる。これらの賦形剤は、薬学的組成物を錠剤、カプセル剤、懸濁剤、懸濁のための散剤、クリーム剤、経皮パッチ剤、デポー剤などに製剤するために、エンザルタミドまたはアパルタミドおよびポリマー組成物と共に利用し得る。エンザルタミドまたはアパルタミドおよびポリマーの組成物は、エンザルタミドまたはアパルタミドまたは実質的に変化させない本質的に任意の様式で、他の剤形成分に加えることができる。賦形剤は、分散体と物理的に混合し、かつ/または分散体内に含まれ得る。
エンザルタミドまたはアパルタミドおよびポリマーを含む固体分散体を、1種または複数種の薬学的に許容される添加物とさらに混合し、薬学的組成物を調製する。
添加物は、これらが薬学的に許容されるものである限り、特に限定されない。添加物の例には、充填剤、結合剤、崩壊剤(disintegrator)、酸味剤、発泡剤、人工甘味剤、矯味矯臭剤、滑沢剤、着色剤、安定化剤、緩衝剤、抗酸化剤、流動促進剤などが含まれる。
充填剤は、例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、リン酸水素カルシウム水和物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、精製したスクロース、グルコースなどから選択され得る。
結合剤は、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、アラビアゴムなどから選択され得る。
崩壊剤は、例えば、デンプン、結晶セルロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸(light anhydrous silicic acid)、ケイ酸カルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、部分的にアルファ化されたデンプン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、寒天粉末、クロスポビドン、合成ケイ酸アルミニウム、スクロース脂肪酸エステル、ラクトース水和物、D-マンニトール、無水クエン酸などから選択され得る。
酸味剤は、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などから選択され得る。
発泡剤は、例えば、炭酸水素ナトリウムなどから選択され得る。
人工甘味剤は、例えば、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテーム、ステビア、タウマチンなどから選択され得る。
矯味矯臭剤は、例えば、レモン、レモンライム、オレンジ、メントールなどから選択され得る。
滑沢剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、スクロース脂肪酸エステル、ステアリルフマル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸などから選択され得る。
着色剤は、例えば、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、食用黄色4号、食用黄色5号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用青色3号などから選択され得る。
緩衝剤は、例えば、クエン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、アスコルビン酸、またはその塩;グルタミン酸、グルタミン、グリシン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン、またはその塩;酸化マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸、ホウ酸、またはこれらの塩などから選択され得る。
抗酸化剤は、例えば、アスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピルなどから選択され得る。
流動促進剤は、例えば、軽質無水ケイ酸、酸化チタン、ステアリン酸、コロイド状シリカ、コロイド状20二酸化ケイ素、ヒュームドシリカ、CAB-O-SIL(登録商標)M-5P、AEROSIL(登録商標)、タルク、デンプン、およびケイ酸アルミニウムマグネシウムなどから選択され得る。
これらの添加物は、適当な量で単独で、または適当な量で2種以上のこれらの組合せとして加え得る。
本発明の薬学的組成物は、好ましくは圧縮または非圧縮剤形である。好ましくは、本発明の薬学的組成物は、顆粒剤、顆粒を充填したカプセル剤のようなカプセル剤、サッシェ剤、ペレット剤、糖衣錠、薬用キャンディー、トローチ錠、香錠、または非コーティング錠、コーティング錠、発泡錠、可溶性錠剤、分散性錠剤、または押出物のような錠剤である。より好ましい剤形はエンザルタミドまたはアパルタミド含有顆粒を充填したカプセル剤、または錠剤のような圧縮剤形である。錠剤は均一容量の粒子、粒子凝集物、または好ましくは顆粒化方法により生成される顆粒を圧縮することにより製造され得る。
本発明の一形態において、本発明の薬学的組成物は、以下の方法で製造される。
a)エンザルタミドまたはアパルタミドを、溶媒中に溶解し;
b)a)の溶液にポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンを溶解し、
c)b)の溶液から、エンザルタミドまたはアパルタミドの固体分散体を、水溶液に溶解時のエンザルタミドまたはアパルタミドの最大溶解度が、60μg/mL以上であるように調製し;
d)任意に、顆粒化、圧縮、錠剤化、ペレット化及びカプセル化、コーティングから選択される追加の工程を実施する;
ことを含む、製造方法。
本発明のいくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、界面活性剤をステップa)~c)のいずれか1つでさらに添加する製造方法である。
本発明のいくつかの形態において、エンザルタミドまたはアパルタミドを溶解する溶媒は、特に限定されないが、エンザルタミドまたはアパルタミドおよびポリマーが相互に可溶性である任意の有機化合物でよい。いくつかの実施形態において、溶媒はまた、150℃以下の沸点を伴い揮発性である。さらに、溶媒は、比較的毒性が低く、International Committee on Harmonization(ICH)のガイドラインによって許容されるレベルまで分散体から除去されるべきである。このレベルまでの溶媒の除去は、加工ステップ、例えば、噴霧乾燥または噴霧コーティング工程に続くトレイ乾燥を必要とし得る。溶媒には、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、およびブタノール;ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン;エステル、例えば、酢酸エチルおよび酢酸プロピル;ならびに様々な他の溶媒、例えば、アセトニトリル、塩化メチレン、トルエン、および1,1,1-トリクロロエタンが含まれる。より低い揮発性の溶媒、例えば、ジメチルアセトアミドまたはジメチルスルホキシドをまた使用することができる。噴霧乾燥工程を実行可能なものとするためにポリマーおよびエンザルタミドが十分に可溶性である限り、水との混合物と同様に、溶媒の混合物、例えば、50%のメタノールおよび50%のアセトンをまた使用することができる。一般に、エンザルタミドまたはアパルタミドの疎水性の性質によって、非水性溶媒が使用される。非水性溶媒は、約10重量%未満の水、いくつかの実施形態において、1重量%未満の水を含む。
本発明のいくつかの実施形態において、エンザルタミドまたはアパルタミド/ポリマー溶液を乾燥するための溶媒は、アセトン、エタノール、メタノール、これらの混合物、および水との混合物である。
本発明の一形態において、エンザルタミドまたはアパルタミド/ポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジン溶液を乾燥するための溶媒は、アセトンである。
本発明の一形態において、溶媒が、アセトンであり、乾燥が噴霧乾燥である。
噴霧乾燥は、公知の方法に従えばよいが、たとえば以下の方法が挙げられる。
1つの例において、1種以上のポリマーおよびエンザルタミドまたはアパルタミドを1種以上の溶媒(例えば、アセトン)と混合して、約50%(w/w)の総固体量を有する溶液を形成する。総固体量のパーセンテージ(w/w)は、化合物および1種以上のポリマーの合計質量を、エンザルタミドまたはアパルタミド、1種以上のポリマー、および1種以上の溶媒の合計質量で割ることにより決定される。次に、溶液を噴霧乾燥して固体分散体を形成することができ、これに場合によりさらなる乾燥工程を加えることもできる。
本発明に係る製造方法に使用されるポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンとしては、特に限定されないが、親水性ポリマー、好ましくは水溶性ポリマーから選択される。好ましいポリマーは、エンザルタミドまたはアパルタミドを主に、好ましくは本質的に、最も好ましくは完全に固体分散体で存在させ、有利にはその形態を長時間保つことができるものである。例として、ヒドロキシプロピルセルロース、メタクリル酸コポリマー(例としてメタクリル酸コポリマーLD)、メタクリル酸コポリマーS、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマー、ポビドン、コポリビドン、およびポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体(Solplus)からなる群から選択される少なくとも1種のポリマー、またはメチルヘスペリジンでもよい。好ましくはポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体(Solplus)、メチルヘスペリジン、またはコポリビドンであり、さらに好ましくは、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体(Solplus)である。
本発明の別の形態において、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ヒプロメロースアセテートサクシネート(HPMC-AS)、ポリアクリケート、アラビアガム、キサンタンガム、トラガカント、アカシア、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、ペクチン、アルギネート及びその混合物からなる群から選択される少なくとも1つのポリマーを用いて製造される場合もある。
本発明に係る製造方法に使用される界面活性剤としては、特に限定されないが、アニオン性界面活性剤、好ましくはラウリル硫酸ナトリウム;ポリエチレングリコール(PEG)、好ましくは約2000~10000の範囲の分子量を有するPEG、より好ましくはPEG 3350、PEG 4000、PEG 6000、PEG 8000;ポリソルベート、好ましくはトゥイーン20、トゥイーン80またはスパン80;脂肪酸エステル、好ましくはプロピレングリコールカプリレート、例えばカプムルPG-8、カプリオール90;グリセロールと脂肪酸のエステル、好ましくはグリセロールオレエート及びカプリレート(カプムルMCM);ポリエチレングリコールと脂肪酸のエステル、例えばラブラゾル及びソルトール;ヒマシ油エトキシレート(グリセロールポリエチレングリコールリシノレエート)、例えばクレモフォールEL及びクレモフォールRH 40からなる群から選択され得る。より好ましくは、界面活性剤はラウリル硫酸ナトリウム;PEG 3350、PEG 4000、PEG 6000またはPEG 8000、好ましくはPEG 6000;トゥイーン20またはトゥイーン80;及びポリエチレングリコールと脂肪酸のエステルからなる群から選択され、最も好ましくはラウリル硫酸ナトリウム及びトゥイーン80であり、特にラウリル硫酸ナトリウムである。
本発明の一形態において、本発明に係る製造方法は、d)任意に、顆粒化、圧縮、錠剤化、ペレット化及びカプセル化、コーティングから選択される追加の工程を実施する;ことを含む。
本発明に係る製造方法において、顆粒化、圧縮、錠剤化、ペレット化及びカプセル化、コーティングは、周知の方法で加工され得る。
本発明の一形態において、本発明は、以下のエンザルタミドまたはアパルタミドの溶解方法に関する。
a)エンザルタミドまたはアパルタミドを、溶媒中に溶解し;
b)a)の溶液にポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンを溶解し、
c)b)の溶液から、エンザルタミドまたはアパルタミドの固体分散体を、エンザルタミドまたはアパルタミドが、水溶液に溶解時のエンザルタミドまたはアパルタミドの最大溶解度が、60μg/mL以上であるように調製し、
d)c)の固体分散体を、水溶液中で溶解する、
ことを含む、
エンザルタミドまたはアパルタミドの溶解方法。
本発明のいくつかの実施形態において、本発明の溶解方法は、界面活性剤をステップa)~c)のいずれか1つでさらに添加する溶解方法である。
本発明のいくつかの形態において、エンザルタミドまたはアパルタミドを溶解する溶媒は、特に限定されないが、エンザルタミドまたはアパルタミドおよびポリマーが相互に可溶性である任意の有機化合物でよい。いくつかの実施形態において、溶媒はまた、150℃以下の沸点を伴い揮発性である。さらに、溶媒は、比較的毒性が低く、International Committee on Harmonization(ICH)のガイドラインによって許容されるレベルまで分散体から除去されるべきである。このレベルまでの溶媒の除去は、加工ステップ、例えば、噴霧乾燥または噴霧コーティング工程に続くトレイ乾燥を必要とし得る。溶媒には、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、およびブタノール;ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン;エステル、例えば、酢酸エチルおよび酢酸プロピル;ならびに様々な他の溶媒、例えば、アセトニトリル、塩化メチレン、トルエン、および1,1,1-トリクロロエタンが含まれる。より低い揮発性の溶媒、例えば、ジメチルアセトアミドまたはジメチルスルホキシドをまた使用することができる。噴霧乾燥工程を実行可能なものとするためにポリマーおよびエンザルタミドまたはアパルタミドが十分に可溶性である限り、水との混合物と同様に、溶媒の混合物、例えば、50%のメタノールおよび50%のアセトンをまた使用することができる。一般に、エンザルタミドの疎水性の性質によって、非水性溶媒が使用される。非水性溶媒は、約10重量%未満の水、いくつかの実施形態において、1重量%未満の水を含む。
本発明のいくつかの実施形態において、エンザルタミドまたはアパルタミド/ポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジン溶液を乾燥するための溶媒は、アセトン、エタノール、メタノール、これらの混合物、および水との混合物である。
本発明の一形態において、エンザルタミドまたはアパルタミド/ポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジン溶液を乾燥するための溶媒は、アセトンである。
本発明に係る溶解方法に使用されるポリマーとしては、特に限定されないが、親水性ポリマー、好ましくは水溶性ポリマーから選択される。好ましいポリマーは、エンザルタミドまたはアパルタミドを主に、好ましくは本質的に、最も好ましくは完全に固体分散体で存在させ、有利にはその形態を長時間保つことができるものである。例として、ヒドロキシプロピルセルロース、メタクリル酸コポリマー(例としてメタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS)、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマー、ポビドン、コポリビドン、およびポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体(Solplus)、からなる群から選択される少なくとも1種のポリマーまたはポリマーではないものとして糖転移ヘスペリジンまたはメチルヘスペリジンでもよい。好ましくはポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体(Solplus)、メチルヘスペリジンまたはコポリビドンであり、さらに好ましくは、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体(Solplus)である。
本発明の別の形態において、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ヒプロメロースアセテートサクシネート(HPMC-AS)、ポリアクリケート、アラビアガム、キサンタンガム、トラガカント、アカシア、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、ペクチン、アルギネート及びその混合物からなる群から選択される少なくとも1つのポリマーを用いて溶解される場合もある。
本発明に係る溶解方法に使用される界面活性剤としては、特に限定されないが、アニオン性界面活性剤、好ましくはラウリル硫酸ナトリウム;ポリエチレングリコール(PEG)、好ましくは約2000~10000の範囲の分子量を有するPEG、より好ましくはPEG 3350、PEG 4000、PEG 6000、PEG 8000;ポリソルベート、好ましくはトゥイーン20、トゥイーン80またはスパン80;脂肪酸エステル、好ましくはプロピレングリコールカプリレート、例えばカプムルPG-8、カプリオール90;グリセロールと脂肪酸のエステル、好ましくはグリセロールオレエート及びカプリレート(カプムルMCM);ポリエチレングリコールと脂肪酸のエステル、例えばラブラゾル及びソルトール;ヒマシ油エトキシレート(グリセロールポリエチレングリコールリシノレエート)、例えばクレモフォールEL及びクレモフォールRH 40からなる群から選択され得る。より好ましくは、界面活性剤はラウリル硫酸ナトリウム;PEG 3350、PEG 4000、PEG 6000またはPEG 8000、好ましくはPEG 6000;トゥイーン20またはトゥイーン80;及びポリエチレングリコールと脂肪酸のエステルからなる群から選択され、最も好ましくはラウリル硫酸ナトリウム及びトゥイーン80であり、特にラウリル硫酸ナトリウムである。
本発明のいくつかの形態において、本発明は、過剰増殖性障害を有する患者を処置するための組成物であって、本発明の薬学的組成物を含む、組成物に関する。
本発明における過剰増殖性障害は、これに限定されないが、良性前立腺肥大症、前立腺がん、乳がん、および卵巣がんからなる群より選択される場合があり、好ましくは前立腺がんであり、前記前立腺がんが、ホルモン不応性前立腺がんおよびホルモン感受性前立腺がんからなる群より選択されてもよい。
実施例1:噴霧乾燥法によるエンザルタミド固体分散体の作製(検体(1))
エンザルタミド5g、ポリビニルカプロラクタム・ポリビニル酢酸・ポリエチレングリコールグラフトコポリマー(「Soluplus」BASF社製)25gをアセトン375gに溶解させ、ミニスプレードライヤーB-290(BUCHI社製)にて噴霧乾燥して、エンザルタミドを16.67質量%含有する固体分散体粉末を得た。
実施例2:噴霧乾燥法によるエンザルタミド固体分散体の作製(検体(2))
エンザルタミド5g、メチルヘスペリジン(アルプス薬品工業社製)25gをアセトン375gに溶解させ、ミニスプレードライヤーB-290(BUCHI社製)にて噴霧乾燥して、エンザルタミドを16.67質量%含有する固体分散体粉末を得た。
実施例3:噴霧乾燥法によるエンザルタミド固体分散体の作製(検体(3))
エンザルタミド5g、ポリビニルカプロラクタム・ポリビニル酢酸・ポリエチレングリコールグラフトコポリマー(「Soluplus」BASF社製)25g、ラウリル硫酸ナトリウム(「SLS-P」日本サーファクタント工業社製)5gをアセトン375gに溶解させ、ミニスプレードライヤーB-290(BUCHI社製)にて噴霧乾燥して、エンザルタミドを14.29質量%含有する固体分散体粉末を得た。
実施例4:噴霧乾燥法によるアパルタミド固体分散体の作製(検体(4))
アパルタミド5g、ポリビニルカプロラクタム・ポリビニル酢酸・ポリエチレングリコールグラフトコポリマー(「Soluplus」BASF社製)15gをアセトン230gに溶解させ、ミニスプレードライヤーB-290(BUCHI社製)にて噴霧乾燥して、アパルタミドを25質量%含有する固体分散体粉末を得た。
実施例5:噴霧乾燥法によるアパルタミド固体分散体の作製(検体(5))
アパルタミド5g、ポリビニルカプロラクタム・ポリビニル酢酸・ポリエチレングリコールグラフトコポリマー(「Soluplus」BASF社製)15g、ラウリル硫酸ナトリウム(「SLS-P」日本サーファクタント工業社製)5gをアセトン287.5gに溶解させ、ミニスプレードライヤーB-290(BUCHI社製)にて噴霧乾燥して、アパルタミドを20質量%含有する固体分散体粉末を得た。
参考例1:噴霧乾燥法によるエンザルタミド固体分散体の作製(検体(6))
エンザルタミド5g、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(「Shin-Etsu AQOAT-MG」信越化学社製)25gをアセトン375gに溶解させ、ミニスプレードライヤーB-290(BUCHI社製)にて噴霧乾燥して、エンザルタミドを16.67質量%含有する固体分散体粉末を得た。
参考例2:噴霧乾燥法によるアパルタミド固体分散体の作製(検体(7))
アパルタミド5g、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(「Shin-Etsu AQOAT-LG」信越化学社製)15gをアセトン230gに溶解させ、ミニスプレードライヤーB-290(BUCHI社製)にて噴霧乾燥して、アパルタミドを25質量%含有する固体分散体粉末を得た。
比較例1:噴霧乾燥法によるエンザルタミド固体分散体の作製(検体(8))
エンザルタミド5g、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマー(「オイドラギットRL100」Evonic社製)25gをアセトン375gに溶解させ、ミニスプレードライヤーB-290(BUCHI社製)にて噴霧乾燥して、エンザルタミドを16.67質量%含有する固体分散体粉末を得た。

比較例2:結晶性のエンザルタミド原薬

比較例3:結晶性のアパルタミド原薬
試験例1: 溶出性試験
試験液に日本薬局方溶出試験第2液(pH6.8)を用いた。37±0.5℃に加温した試験液200mL中に、エンザルタミド40mg相当量の固体分散体粉末又はエンザルタミド原薬を入れ、パドルを200rpmで回転させ、5、15、30、60、及び360分後に7mLを採取し、孔径0.45μmのメンブランフィルターで濾過した。初めの濾液5mL以上を除き、次の濾液1mLを正確に量り、試験液3mL及び水/アセトニトリル混液(1:1)4mLを加えて試料液とした。
別途、エンザルタミド約25mgを精密に量り、水/アセトニトリル混液(1:1)を加えて総量を50mLに正確に調整した。この液4mLを量り取り、水/アセトニトリル混液(1:1)を加えて総量を20mLに調整した。この液5mLに試験液5mLを加えて標準液とした。
試料液と標準液10μLずつを、以下の条件の液体クロマトグラフィーで分析し、エンザルタミドを定量した。
分析装置:「高速液体クロマトグラフ」島津製作所社製、Waters社製
検出器:「紫外吸光光度計」島津製作所社製、Waters社製
カラム:L-column2 C8、4.6mm×50mm、5μm
検出波長:235nm
流速:1.2mL/min
サンプルクーラー温度:25℃
カラム温度:約50℃
移動相:薄めたリン酸(1→1000)/アセトニトリル混液(13:7)
試験例2:溶出性試験
試験液に1%のポリソルベート80を含む日本薬局方溶出試験第2液(pH6.8)を用いた。37±0.5℃に加温した試験液200mL中に、エンザルタミド40mg相当量の固体分散体粉末を入れ、パドルを200rpmで回転させ、5、15、30、60、及び360分後に7mLを採取し、孔径0.45μmのメンブランフィルターで濾過した。初めの濾液5mL以上を除き、次の濾液1mLを正確に量り、試験液3mL及び水/アセトニトリル混液(1:1)4mLを加えて試料液とした。
別途、エンザルタミド約25mgを精密に量り、水/アセトニトリル混液(1:1)を加えて総量を50mLに正確に調整した。この液4mLを量り取り、水/アセトニトリル混液(1:1)を加えて総量を20mLに調整した。この液5mLに試験液5mLを加えて標準液とした。
試料液と標準液10μLずつを、以下の条件の液体クロマトグラフィーで分析し、エンザルタミドを定量した。
分析装置:「高速液体クロマトグラフ」島津製作所社製、Waters社製
検出器:「紫外吸光光度計」島津製作所社製、Waters社製
カラム:L-column2 C8、4.6mm×50mm、5μm
検出波長:235nm
流速:1.2mL/min
サンプルクーラー温度:25℃
カラム温度:約50℃
移動相:薄めたリン酸(1→1000)/アセトニトリル混液(13:7)
試験例3:溶出性試験
試験液に日本薬局方溶出試験第2液(pH6.8)の試験液200mL中にラウリル硫酸ナトリウム(「SLS-P」日本サーファクタント工業社製)75mgを溶解させたものを用いた。37±0.5℃に加温した試験液200mL中にエンザルタミド40mg相当量の固体分散体粉末を入れ、パドルを200rpmで回転させ、5、15、30、60、及び360分後に7mLを採取し、孔径0.45μmのメンブランフィルターで濾過した。初めの濾液5mL以上を除き、次の濾液1mLを正確に量り、試験液3mL及び水/アセトニトリル混液(1:1)4mLを加えて試料液とした。
別途、エンザルタミド約25mgを精密に量り、水/アセトニトリル混液(1:1)を加えて総量を50mLに正確に調整した。この液4mLを量り取り、水/アセトニトリル混液(1:1)を加えて総量を20mLに調整した。この液5mLに試験液5mLを加えて標準液とした。
試料液と標準液10μLずつを、以下の条件の液体クロマトグラフィーで分析し、エンザルタミドを定量した。
分析装置:「高速液体クロマトグラフ」島津製作所社製、Waters社製
検出器:「紫外吸光光度計」島津製作所社製、Waters社製
カラム:L-column2 C8、4.6mm×50mm、5μm
検出波長:235nm
流速:1.2mL/min
サンプルクーラー温度:25℃
カラム温度:約50℃
移動相:薄めたリン酸(1→1000)/アセトニトリル混液(13:7)
(固体分散体中のエンザルタミドのX線回折測定)
作製した実施例1~3の固体分散体粉末、参考例1、比較例1の固体分散体粉末の結晶形をX線回折(XRD)により解析した。
試験例4:溶出性試験
試験液に日本薬局方溶出試験第2液(pH6.8)を用いた。37±0.5℃に加温した試験液200mL中に、アパルタミド60mg相当量の固体分散体粉末又はアパルタミド原薬を入れ、パドルを200rpmで回転させ、5、15、30、60、及び360分後に7mLを採取し、孔径0.45μmのメンブランフィルターで濾過した。初めの濾液5mL以上を除き、次の濾液1mLを正確に量り、試験液9mL及び水/アセトニトリル混液(1:1)10mLを加えて試料液とした。
別途、アパルタミド約25mgを精密に量り、水/アセトニトリル混液(1:1)を加えて総量を50mLに正確に調整した。この液5mLを量り取り、水/アセトニトリル混液(1:1)を加えて総量を50mLに調整した。この液1mLに試験液1mLを加えて標準液とした。
試料液と標準液10μLずつを、以下の条件の液体クロマトグラフィーで分析し、アパルタミドを定量した。
分析装置:「高速液体クロマトグラフ」島津製作所社製、Waters社製
検出器:「紫外吸光光度計」島津製作所社製、Waters社製
カラム:InertSustain C18, 4.6×100mm, 5μm
検出波長:270nm
流速:1.0mL/min
サンプルクーラー温度:15℃
カラム温度:約30℃
移動相:酢酸を加えてpH4.5とした20mM酢酸アンモニウム/アセトニトリル混液(1:1)

Claims (18)

  1. エンザルタミドまたはアパルタミドと、ポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンと、界面活性剤とを含有する固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
  2. (i)エンザルタミドまたはアパルタミド、ならびに
    (ii)ヒドロキシプロピルセルロース、メタクリル酸コポリマー、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマー、ポビドン、コポリビドン、およびポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体からなる群から選択される少なくとも1種のポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジン、
    を含有する固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
  3. エンザルタミドまたはアパルタミドが、水溶液に溶解時のエンザルタミドまたはアパルタミドの最大溶解度が、60μg/mL以上であるように調整された、請求項1に記載の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
  4. エンザルタミドまたはアパルタミドが、水溶液に溶解時のエンザルタミドまたはアパルタミドの最大溶解度が、60μg/mL以上であるように調整された、請求項2に記載の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
  5. さらに、
    (iii)界面活性剤
    を含む、請求項2に記載の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
  6. (iii)の界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムまたはポリソルベート80である、請求項5に記載の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
  7. (ii)のポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンが、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体、糖転移ヘスペリジン、メチルヘスペリジン、またはコポリビドンであり、(iii)の界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムまたはポリソルベート80である、請求項6に記載の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
  8. エンザルタミドまたはアパルタミド、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体、およびラウリル硫酸ナトリウムを含有する固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
  9. 界面活性剤が、エンザルタミドまたはアパルタミド100重量部に対して、10重量部以上である、請求項1、3、および5~8のいずれか一項に記載の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
  10. エンザルタミドまたはアパルタミドと、ポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンとの重量比が、1:1以上である、請求項1~8のいずれか一項に記載の固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物。
  11. 顆粒、錠剤、ペレット、またはカプセル剤である、請求項1~8のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  12. a)エンザルタミドまたはアパルタミドを、溶媒中に溶解し、
    b)a)の溶液に請求項1または2に記載のポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンを溶解し、
    c)b)の溶液から、エンザルタミドまたはアパルタミドの固体分散体を調製し;
    d)任意に、顆粒化、圧縮、錠剤化、ペレット化及びカプセル化、コーティングから選択される追加の工程を実施する;
    ことを含む、エンザルタミドまたはアパルタミドを含有する固体分散体またはその固体分散体を含む薬学的組成物の製造方法。
  13. 界面活性剤をステップa)からc)のいずれか1つでさらに添加する、請求項12に記載の製造方法。
  14. 界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムまたはポリソルベート80である、請求項13に記載の製造方法。
  15. ポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンが、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体、糖転移ヘスペリジン、メチルヘスペリジン、またはコポリビドンであり、界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムまたはポリソルベート80である、請求項13に記載の製造方法。
  16. a)エンザルタミドまたはアパルタミドを、溶媒中に溶解し;
    b)a)の溶液に請求項1または2に記載のポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンを溶解し、
    c)b)の溶液から、エンザルタミドまたはアパルタミドの固体分散体を調製し、
    d)c)の固体分散体または固体分散体を含む薬学的組成物を、水溶液中で溶解する、
    ことを含み、
    ここでエンザルタミドまたはアパルタミドの水中での最大溶解度が、60μg/mL以上である、
    エンザルタミドまたはアパルタミドの溶解方法。
  17. 界面活性剤をステップa)~c)のいずれか1つで添加する、請求項16に記載の溶解方法。
  18. ポリマー、糖転移ヘスペリジン、またはメチルヘスペリジンが、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフト共重合体、糖転移ヘスペリジン、メチルヘスペリジンまたはコポリビドンであり、界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムまたはポリソルベート80である、請求項17に記載の溶解方法。
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