JP2024033211A - 積層体と車両用天井材 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材と、基材に積層、接着された無機繊維層との接着性を高め、剥離強度を向上させた積層体とその積層体を備える車両用天井材を得る。【解決手段】基材11と、基材11に積層、接着された無機繊維層21、25とを有する積層体10において、基材11は、ポリオール、触媒、発泡剤を含むポリウレタンフォーム原料用組成物と、ポリイソシアネートとで構成されるポリウレタンフォーム原料から形成されたポリウレタンフォームであり、ポリオールには、ポリエステルポリオールが含まれ、積層体の剥離強度は、1.1N以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、基材と無機繊維層が積層、接着された積層体とその積層体を備える車両用天井材に関する。
従来、基材に無機繊維層が積層、接着された積層体は、種々の製品に使用されている。例えば、車両内装の天井材には、基材に無機繊維層が積層、接着された積層体に裏面材と表面材が積層、接着された車両用天井材が用いられている(特許文献1)。
特開2002-46545号公報
しかし、積層体には、基材と無機繊維層の接着性を高め、剥離強度を向上させることが求められている。
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、基材と無機繊維層の接着性を高め、剥離強度を向上させた積層体とその積層体を備える車両用天井材の提供を目的とする。
第1の発明の態様は、基材と、前記基材に積層、接着された無機繊維層とを有する積層体において、前記基材は、ポリオール、触媒、発泡剤を含むポリウレタンフォーム原料用組成物と、ポリイソシアネートとで構成されるポリウレタンフォーム原料から形成されたポリウレタンフォームであり、前記ポリオールには、ポリエステルポリオールが含まれ、積層体の剥離強度は、1.1N以上であることを特徴とする。
第2の発明の態様は、第1の発明の態様において、前記ポリオールには、ポリエステルポリオールがポリオール全体100重量%に対して15~75重量%含まれる。
第3の発明の態様は、第1の発明の態様において、前記ポリオールには、ポリエステルポリオールがポリオール全体100重量%に対して35~75重量%含まれる。
第4の発明の態様は、第1~第3の発明の態様の何れか一の態様の積層体を備える車両用天井材である。
本発明によれば、基材と無機繊維層の接着性を高め、剥離強度を向上させた積層体と、その積層体を備える車両用天井材が得られる。
本発明の一実施形態に係る積層体の断面図である。 積層前の成形前積層体の構成を示す断面図である。 成形前積層体の加熱プレスを示す断面図である。 剥離試験時のサンプルの状態を示す概略図である。 実施例と比較例の配合及び物性等を示す表である。
図1に示す積層体10は、車両用天井材等として使用されるものであり、基材11の両面に無機繊維層21、25と裏面材31及び表面材35が積層、接着されている。
基材11は、ポリレタンフォーム原料用組成物とポリイソシアネートとで構成されるポリウレタンフォーム原料から形成されたポリウレタンフォームである。
ポリウレタンフォーム原料用組成物は、ポリオール、触媒、発泡剤を含み、その他適宜の助剤を含む。
ポリオールは、一つの分子内に水酸基を二つ以上持つ化合物の総称であり、官能基数を2以上有するアルコール(多価アルコール)、又は、これらを開始剤としてエチレンオキサイドやプロピレオキサイドを付加重合して製造されるものである。
ポリオールには、メインポリオールと、必要に応じて添加される架橋用ポリオールが含まれる。
メインポリオールとしては、ポリウレタンフォーム用のポリオールを使用することができ、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール等の何れでもよく、それらの一種類あるいは複数種類を使用してもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコール、及び、これらの多価アルコールにエチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールを挙げることができる。
ポリエステルポリオールとしては、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸やフタル酸等の芳香族カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の脂肪族グリコール等とから重縮合して得られたポリエステルポリオールを挙げることできる。
また、ポリエーテルエステルポリオールとしては、ポリエーテルポリオールと多塩基酸を反応させてポリエステル化したもの、あるいは1分子内にポリエーテルとポリエステルの両セグメントを有するものを挙げることができる。
ポリエステルポリオールの量は、例えば、ポリオール全体(メインポリオールと架橋用ポリオールの合計)100重量%中に、下限値としては、15重量%以上含まれるのが好ましく、25重量%以上がより好ましく、30重量%以上がさらに好ましく、35重量%以上含まれるのが特に好ましい。ポリエステルポリオールの上限値は、例えば、ポリオール全体(メインポリオールと架橋用ポリオールの合計)100重量%中に、75重量%以下含まれるのが好ましく、70重量%以下がより好ましく、65重量%以下がさらに好ましい。ポリエステルポリオールの量が少な過ぎたり多過ぎたりすると、積層体の剥離強度が低下する。
メインポリオールは、例えば、水酸基価(OHV)が10~700mgKOH/g、官能基数が2~4、分子量が200~10000のポリオールが好ましく、水酸基価(OHV)は、20~600mgKOH/gがより好ましく、30~500mgKOH/gがさらに好ましい。分子量は、300~7000がより好ましく、300~6000のポリオールがさらに好ましい。
架橋用ポリオールは、主にポリウレタンフォームの物性向上に使用される。架橋用ポリオールとしては、例えば、水酸基価(OHV)が500~2000mgKOH/g、600~2000mgKOH/g、700~2000mgKOH/g、官能基数は2~3、分子量が60~800、60~300、60~200のものが挙げられる。官能基数が2の架橋剤として、エチレングリコール(水酸基価1810mgKOH/g、分子量62)、1.4-ブタンジオール(水酸基価1247mgKOH/g、分子量90)等が挙げられ、官能基数が3の架橋剤として、グリセリン(水酸基価1829mgKOH/g、分子量92)、トリメチロールプロパン(水酸基価1256mgKOH/g、分子量134)等を挙げることができる。
触媒としては、ポリウレタンフォーム用として公知のものを用いることができる。例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルフォリン、N-エチルモルホリン、テトラメチルグアニジン等のアミン触媒や、スタナスオクトエートやジブチルチンジラウレート等のスズ触媒やフェニル水銀プロピオン酸塩あるいはオクテン酸鉛等の金属触媒(有機金属触媒とも称される。)を挙げることができる。
発泡剤としては、水、炭化水素等を挙げることができ、これらの中から1種類でもよく、又2種類以上でもよい。炭化水素としては、シクロペンタン、イソペンタン、ノルマルペンタン等を挙げることができる。これらの中でも発泡剤として水が特に好適である。発泡剤(水)の量は、ポリオール100重量部に対して3~10重量部が好ましい。
その他の適宜添加される助剤としては、整泡剤、難燃剤等を挙げることができる。
整泡剤としては、ポリウレタンフォーム用として公知のものを使用することができる。例えば、シリコーン系整泡剤、フッ素系整泡剤および公知の界面活性剤を挙げることができる。
難燃剤としては、ポリ塩化ビニル、クロロプレンゴム、塩素化ポリエチレンなどのハロゲン化ポリマー、リン酸エステルやハロゲン化リン酸エステル化合物、あるいはメラミン樹脂やウレア樹脂などの有機系難燃剤、酸化アンチモンや水酸化アルミニウムなどの無機系難燃剤等を挙げることができる。
ポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を2以上有する脂肪族系または芳香族系ポリイソシアネート、それらの混合物、およびそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネートを使用することができる。
脂肪族系ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキサメタンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香族系ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメリックMDI(クルードMDI)等を挙げることができる。なお、その他プレポリマーも使用することができる。
イソシアネートインデックス(INDEX)は75~140が好ましく、80~130、90~120とすることができる。イソシアネートインデックスは、[(ポリウレタンフォーム原料中のイソシアネート基の当量/ポリウレタンフォーム原料中の活性水素基の当量)×100]で計算される。
ポリウレタンフォームの製造は、ポリウレタンフォーム原料を撹拌、混合して発泡させることにより行うことができる。
基材11として使用されるポリウレタンフォームの密度(JIS K7222)は、例えば、15~50kg/mが好ましく、20~40kg/mがより好ましく、20~35kg/mがさらに好ましい。
無機繊維層21、25は、積層体10の剛性を高めるためのものであり、炭素繊維、ガラス繊維、ロックウール、金属繊維などの層が挙げられる。特にガラス繊維は、安価で剛性が高く、好ましいものである。無機繊維層21、25がガラス繊維層の場合、ガラス繊維のチョップ(ロービングガラスをカットしたもの)を堆積して層状としたもの、あるいはガラス繊維マット、ガラス繊維クロス等を使用することができる。
裏面材31は、積層体10の裏面保護や、積層体10に対する作業時の裏面滑り性を向上させる部材であり、不織布やプラスチックシート等が、適宜使用される。
表面材35は、積層体10の装飾性向上等を目的とする部材であり、ポリエステル不織布等の不織布、織布(ニット表布)、ポリエステル繊維等のファブリック、TPO(ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー)やPVC(ポリ塩化ビニル)等のプラスチックシート等が、適宜使用される。
基材11と無機繊維層21、25と裏面材31及び表面材35は、無機繊維層21、25に含浸または塗布されたバインダー(接着剤)によって接着されている。
バインダーは、安価で、かつ、基材である発泡体と良好な接着性が得られる液状ポリイソシアネートが好適である。
バインダーとして使用される液状ポリイソシアネートは、湿分硬化型であり、熱及び反応促進剤の存在下で水(空気中の湿分の場合もある)との反応により反応硬化し、その硬化によってバインダーとして機能する。
反応促進剤は、アミン等の触媒と水との混合液である触媒水溶液が好ましい。
液状ポリイソシアネートの例として、芳香族系のTDI(トルエンジイソシアネート)、ポリメリックMDI(4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート)、NDI(1,5-ナフタレンジイソシアネート)、TODI(トリジンジイソシアネート)、PPDI(パラフェニレンジイソシアネート)、XDI(キシリレンジイソシアネート)、TMXDI(テトラメチルキシレンジイソシアネート)及びそれらの変成体等が挙げられる。好ましくは、ポリメリックMDI、ウレタン変成、アロファネート変性、ビューレット変性、カルボイミド/ウレトニミン変性等種々の変性がなされた変性TDI、変性MDI等や、それらの混合物の使用が適している。
積層体10の製造について図2、図3を用いて説明する。
図2に示すように、ポリオールにポリエステルポリオールが含まれるポリウレタンフォーム原料から形成された発泡体で構成された基材11と、無機繊維層21、25と、裏面材31及び表面材35を用意する。
基材11の厚みは、積層体10の用途等に応じて適宜決定されるが、例として3~10mmを挙げる。
無機繊維層21、25の目付量は、積層体10の用途や無機繊維層21、25の材質等に応じて決定されるが、無機繊維層21、25がガラス繊維の場合の一例として60~150kg/mを挙げる。
無機繊維層21、25には、少なくとも基材11との接着予定面に、バインダー27、29を含浸または塗布して付着させ、一方、基材11の両面には、バインダー27、29に対する反応促進剤13、15を塗布し、図3に示すように、基材11の両面に無機繊維層21、25を積層して成形前積層体10Aを形成する。
なお、バインダー27、29は、基材11と無機繊維層21、25の両方に塗布してもよく、それによってバインダー27、29による接着強度をさらに高めることができる。
無機繊維層21、25に対するバインダー27、29の含浸は、無機繊維層21、25を液状のバインダー27、29が収容されたバインダー槽に漬けたり、無機繊維層21、25にバインダー27、29を吹き付けたりすること等によって行うことができる。また、無機繊維層21、25に対するバインダー27、29の塗布は、無機繊維層21、25の表面に刷毛やスプレー等を用いて行ったり、ロールコータ等の塗布装置を使用したりして行うことができる。バインダー27、29の含浸量や塗布量は、無機繊維層21の厚み、目付量等によって異なるが、一例として10~40g/mを挙げる。
反応促進剤13、15は、バインダー27、29の反応を促進させるものであり、バインダー27、29が液状ポリイソシアネートの場合、アミン触媒水溶液を例示する。反応促進剤13、15は、基材11の両面に、あるいは基材11の両面と無機繊維層21との両方に、スプレー等によって塗布される。反応促進剤13、15の塗布量は適宜の量とされ、例として20~70g/mを挙げる。
成形前積層体10Aを、プレス型41、45で加熱プレスする。加熱プレス時、成形前積層体10Aが圧縮されることにより、バインダー27、29が、無機繊維層21、25と基材13との積層面(界面)及び、無機繊維層21、25と裏面材31と表面材35との積層面(界面)に滲出し、反応硬化してそれらを接着して一体化し、積層体10を形成する。
加熱プレスには、コールドプレス法とホットプレス法があり、何れでもよい。
コールドプレス法は、成形前積層体10Aを所定温度に加熱した後、常温のプレス型で加圧する方法である。
一方、ホットプレス法は、常温の成形前積層体10Aを、所定温度に加熱したプレス型で加圧する方法である。
加熱温度は、バインダーの反応硬化を可能とする温度であり、例として70~220℃を挙げる。
成形前積層体10Aを加圧するプレス型41、45の型面形状は、平面に限られず、積層体10の用途等に応じた形状、例えば車両用天井に応じた凹凸形状や曲面形状等にされるのが好ましい。
積層体10は、剥離強度が1.1N以上である。剥離強度の測定は、平面サイズ150×25mmにカットした積層体10の試験サンプルを用い、図4に示すように、基材11の表面材35側について、無機繊維層25と表面材35を長さ方向の一端Aから80mmの範囲で基材11から剥がし、剥がされて残った基材11側(基材11と無機繊維層21と裏面材31)の端Aと剥がした表面材35側の無機繊維層25と表面材35の端Bをそれぞれ引張試験機に取り付け、速度200mm/minでさらに剥がし、その際の平均荷重を剥離強度とした。
積層体10の製造は、連続成形によって行ってもよい。例えば、基材11と無機繊維層21、25を連続的に供給し、その供給途中で基材11に反応促進剤13、15を塗布し、一方無機繊維層21、25にはバインダー27、29を含浸または塗布し、その後に基材11の両面に無機繊維層21、25を積層し、さらに無機繊維層21、25には裏面材31と表面材35を積層して、それらを加熱プレスしてバインダー27、29を反応硬化させ、積層体10を連続的に形成してもよい。
以下の原料を用いて図5の実施例、比較例の配合からなるポリウレタンフォーム原料用組成物を作製し、ポリイソシアネートと混合・撹拌して270mm角の箱中で、上部がオープンの状態で発泡させることにより、ポリウレタンフォームを形成した。ポリウレタンフォームの上部、下部及び側面を裁断して、コア部を250×250×厚み8mmのサイズに整えて基材を形成した。
・ポリエーテルポリオール1:分子量2000、官能基数2、水酸基価56mgKOH/g、品番;D2000、三井化学株式会社製
・ポリエーテルポリオール2:分子量400、官能基数3、水酸基価420mgKOH/g、品番;GP400、三洋化成工業株式会社製
・ポリエステルポリオール1:芳香族系ポリエステルポリオール、分子量330、官能基数2、水酸基価315mgKOH/g、品番;マキシモール RDK133、川崎化成工業株式会社製
・ポリエステルポリオール2:分子量700、官能基数2、水酸基価160mgKOH/g、品番;TA22-599、日立化成ポリマー株式会社製
・ポリエステルポリオール3:分子量3000、官能基数3、水酸基価56mgKOH/g、品番;ODX-2518、大日本インキ化学工業株式会社製
・架橋用ポリオール:グリセリン、分子量92、官能基数3、水酸基価1830mgKOH/g
・樹脂化触媒:アミン触媒、品番;DABCO 33LSI、エボニックジャパン株式会社製
・泡化触媒:アミン触媒、品番;DABCO BL-11、エボニックジャパン株式会社製
・整泡剤:シリコーン系整泡剤、品番;SRX280A(20℃粘度650mPa・s)、東レ・ダウコーニング株式会社製
・発泡剤:水
・ポリイソシアネート:ポリメリックMDI、NCO%;31.5%、粘度55mPa・s
基材の両面に反応促進剤を塗布し、無機繊維層の基材との接着予定面にはバインダーを塗布する。バインダー塗布後の無機繊維層を、反応促進剤塗布後の基材の両面に積層し、さらに一方の無機繊維層には裏面材を積層し、また他方の無機繊維層には表面材を積層して成形前積層体を形成した。
反応促進剤は、濃度4%のアミン触媒水を用い、基材の両面にスプレー塗布した。アミン触媒としてはジメチルエタノールアミンを用いた。塗布量はそれぞれ片面に32g/mであった。
無機繊維層は、ガラスマット、目付80g/m、品番;GM80-1430、日本電気硝子社製を用いた。
バインダーは、ポリメリックMDI、NCO%;31.5%、粘度200mPa・sを用い、無機繊維層の基材との接着予定面にそれぞれ塗布量16g/mでスプレー塗布した。
裏面材は、ポリエチレンテレフタレート繊維とポリプロピレン繊維とからなる不織布、目付45g/m、品番;BCP1220-1500、キラックス社製を用いた。
表面材は、ポリエチレンテレフタレート繊維からなるニードルパンチ不織布、目付160g/m、品番;2RG145YR416L、ダイニック社製を用いた。
成形前積層体を、プレス型で挟み、加熱プレスした。プレス型の型面は平面であり、加熱はプレス型を110℃に加熱し、プレス圧力5MPaで30秒間、加圧圧縮した。その際、積層前積層体を、加熱プレス前の厚み10.5mmから9.5mm(圧縮量1mm)にした。
各実施例及び各比較例について、加熱プレス前のポリウレタンフォームの密度、セル径、3点曲げ最大荷重、引張強度、引張伸び率と、加熱プレス後の積層体の剥離強度と3点曲げ最大荷重を測定した。測定結果は図5に示す。
ポリウレタンフォームの密度(JIS K7222)は、100×50×厚み10mmにカットした試験サンプルについて、重量と正確な寸法を測定し、ポリウレタンフォームの密度を算出した。
セル径は、ポリウレタンフォームの表面のセルについて、マイクロスコープで50倍に拡大してランダムに10ヵ所計測し、その平均値を算出した。
3点曲げ最大荷重は、100×50mm×厚み10mmにカットしたポリウレタンフォームのサンプルを、支点間距離を50mmにした支持台上にセットし、サンプルの長さ方向中央部を50mm/minで加圧し、応力を測定した。加圧子と支点はR=5である。
引張強度と引張伸び率(JIS K6400-5)は、一号ダンベル(ダンベル長120mm、標線間距離40mm)でポリウレタンフォームを打ち抜いた厚み10mmのサンプルについて測定した。
積層体の剥離強度は、平面サイズ150×25mmにカットした試験サンプルを用い、基材の表面材側について、無機繊維層と表面材を長さ方向の一端から80mmの範囲で基材から剥がし、剥がされて残った基材側(基材と無機繊維層と裏面材)の端と、剥がした表面材側の無機繊維層と表面材の端をそれぞれ引張試験機に取り付け、速度200mm/minでさらに剥がし、その際の平均荷重を剥離強度とした。使用した引張試験機は、品番;オートグラフAG―IS 1KN、島津製作所社製である。
積層体の3点曲げ最大荷重は、150×50mm×厚み9.5mmにカットした積層体のサンプルを、支点間距離を100mmにした支持台上にセットし、サンプルの中央部を50mm/minで加圧し、応力を測定した。加圧子と支点はR=5である。
・実施例1~3
実施例1~3は、ポリエーテルポリオール1、2とポリエステルポリオール1を使用し、ポリオールの全体100重量%に含まれるポリエステルポリオール1の量を、19.7~59.0重量%の間で変化させてポリウレタンフォームを形成し、無機繊維層のみにバインダーを塗布して積層体を形成した例である。
実施例1~3のポリウレタンフォームは、密度24.8~26.8kg/m、セル径259~402μm、3点曲げ最大荷重12.9~14.3N、引張強度20.4~22.1N/cm、引張伸び率8.8~12.0%である。
実施例1~3の積層体の剥離強度は1.21~1.87Nである。ポリオールの全体100重量%に含まれるポリエステルポリオールの量が0重量%である比較例1の積層体の剥離強度を、基準の100%にして、実施例1~3の積層体における剥離強度の上昇率を算出すると112~173%になり、ポリオール全体の100重量%にポリエステルポリオール1を19.7~59.0重量%含むことによって剥離強度が上昇した。
実施例1~3の積層体の3点曲げ最大荷重は19.9~21.7Nであり、実施例1~3の積層体は剛性が高いものであり、車両用天井材として好適である。
・実施例4
実施例4は、実施例2におけるポリエステルポリオール1に代えてポリエステルポリオール2を使用した例である。
実施例4のポリウレタンフォームは、密度25.6kg/m、セル径348μm、3点曲げ最大荷重8.9N、引張強度16.3N/cm、引張伸び率14.0%である。
実施例4の積層体は、剥離強度が1.47Nであり、比較例1の積層体の剥離強度に対する上昇率が136%、3点曲げ最大荷重は18.9Nであり、実施例2と同等の剥離強度及び3点曲げ最大荷重を有し、車両用天井材として好適である。
・実施例5
実施例5は、ポリエーテルポリオール2とポリエステルポリオール3を使用し、ポリオールの全体100重量%に含まれるポリエステルポリオール3の量を27.8重量%にしてポリウレタンフォームを形成し、無機繊維層のみにバインダーを塗布して積層体を形成した例である。
実施例5のポリウレタンフォームは、密度27kg/m、セル径338μm、3点曲げ最大荷重10.3N、引張強度18.5N/cm、引張伸び率10.1%である。
実施例5の積層体は、剥離強度が1.32Nであり、比較例1の積層体の剥離強度に対して上昇率が122%、3点曲げ最大荷重19.9Nであり、実施例1~4と同等の剥離強度及び3点曲げ最大荷重を有し、車両用天井材として好適である。
・比較例1
比較例1は、ポリエーテルポリオール1、2を使用し、ポリエステルポリオールについては使用せずにポリウレタンフォームを形成し、無機繊維層のみにバインダーを塗布して積層体を形成した例である。
比較例1のポリウレタンフォームは、密度26.4kg/m、セル径477μm、3点曲げ最大荷重13.2N、引張強度18.2N/cm、引張伸び率6.9%である。
比較例1の積層体の剥離強度は1.08N、3点曲げ最大荷重は19.2Nであり、ポリオールにポリエステルポリオールを含む実施例1~5と比べ、剥離強度が低くなっている。
・比較例2
比較例2は、ポリエーテルポリオール1とポリエステルポリオール3を使用し、ポリオールの全体100重量%に含まれるポリエステルポリオール3の量を78.7重量%にしてポリウレタンフォームを形成し、無機繊維層のみにバインダーを塗布して積層体を形成した例である。
比較例2のポリウレタンフォームは、密度26.1kg/m、セル径868μm、3点曲げ最大荷重11.0N、引張強度12.1N/cm、引張伸び率7.0%である。
比較例2の積層体は、剥離強度が1.02Nであり、剥離強度が本発明の積層体よりも低いものである。
比較例2は、ポリオールの全体100重量%に含まれるポリエステルポリオールの量が、好ましい範囲である15~75重量%を超えて多すぎることにより、積層体の剥離強度が、ポリエステルポリオールが配合されていない比較例1の積層体の剥離強度100%に対して94%に低下する結果となった。
このように、本発明によれば、基材と無機繊維層の接着性を高め、剥離強度を向上させた積層体が得られ、車両用天井材として好適である。
なお、本発明は実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
10 積層体
11 基材
13、15 バインダー
21、25 無機繊維層
27、29 反応促進剤
31 裏面材
35 表面材

Claims (4)

  1. 基材と、前記基材に積層、接着された無機繊維層とを有する積層体において、
    前記基材は、ポリオール、触媒、発泡剤を含むポリウレタンフォーム原料用組成物と、ポリイソシアネートとで構成されるポリウレタンフォーム原料から形成されたポリウレタンフォームであり、
    前記ポリオールには、ポリエステルポリオールが含まれ、
    積層体の剥離強度は、1.1N以上であることを特徴とする積層体。
  2. 前記ポリオールには、ポリエステルポリオールがポリオール全体100重量%に対して15~75重量%含まれる、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記ポリオールには、ポリエステルポリオールがポリオール全体100重量%に対して35~75重量%含まれる、請求項1に記載の積層体。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の積層体を備える車両用天井材。
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