JP2024025758A - 表面処理剤 - Google Patents

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真奈美 片岡
Manami Kataoka
真人 内藤
Masato Naito
大貴 久保田
Hiroki Kubota
真也 高野
Shinya Takano
元志 松井
Motoshi Matsui
史彦 山口
Fumihiko Yamaguchi
孝史 野村
Takashi Nomura
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Abstract

【課題】摩擦耐久性と指紋拭き取り性の両方を備えた表面処理層を形成することができる表面処理剤の提供。【解決手段】(成分A)長鎖アルキル構造を含むシランカップリング剤と、(成分B)シロキサン構造を含むシランカップリング剤と、を含む、組成物。【選択図】なし

Description

本開示は、表面処理剤に関する。
ある種のシラン化合物は、基材の表面処理に用いると、優れた撥水撥油性を提供し得ることが知られている(特許文献1)。
特開2019-44179号公報
本開示は、摩擦耐久性と指紋拭き取り性の両方を備えた表面処理層を形成することができる表面処理剤を提供することを目的とする。
本開示は、下記の態様を含む。
[1](成分A)長鎖アルキル構造を含むシランカップリング剤と、
(成分B)シロキサン構造を含むシランカップリング剤と、
を含む、組成物。
[2] 成分Aは、下記式(1A):
Figure 2024025758000001
[式中:
は、直鎖の炭素数7以上のアルキル基であり、
は、2価の基であり、
Siは、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子を含む1価の基である。]
で表される化合物、又は、式(1B):
Figure 2024025758000002
[式中:
は、水酸基又は加水分解性基が直接結合していないSi原子を1つ以上含む1価の基であり、
は、炭素数7以上のアルキレン基を含む2価の有機基であり、
Siは、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子を含む1価の基である。]
で表される化合物である、上記[1]に記載の組成物。
[3] 成分Bは、下記式(1B):
Figure 2024025758000003
[式中:
は、水酸基又は加水分解性基が直接結合していないSi原子を1つ以上含む1価の基であり、
は、炭素数7以上のアルキレン基を含む2価の有機基であり、
Siは、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子を含む1価の基である。]
で表される化合物、又は
下記式(1C)又は(2C):
Figure 2024025758000004
[式中:
SO1はそれぞれ独立して、R-RSO-SiR -であり、
SO2は、-RSO-SiR -であり、
SOは、それぞれ独立して、下記式:
Figure 2024025758000005
(式中:
は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、-R-O-R-、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-であり、
は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、-R-O-R-、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-であり、
は、それぞれ独立して、C1-6アルキレン基であり、
は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアリーレン基であり、
は、それぞれ独立して、単結合、又はC1-6アルキレン基であり、
は、それぞれ独立して、単結合、又は酸素原子であり、
は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、
xは、0~200の整数であり、
yは、0~200の整数であり、
zは、0~200の整数であり、
x+y+zは、1以上であり、
x、y、又はzを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。)
で表される基であり、
は、炭化水素基であり、
は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、
Siは、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子を含む1価の基であり、
は、それぞれ独立して、2~10価の有機基であり、
αは、1~9の整数であり、
βは、1~9の整数であり、
γは、それぞれ独立して、1~9の整数である。]
で表される化合物である、上記[1]~[3]のいずれか1項に記載の組成物。
[4] Rは、下記の基:
43-(SiR44 O)-SiR44
[式中:
43は、C1-12アルキル基、又はA基:
Figure 2024025758000006
[式中:
51は、それぞれ独立して、-(R54-OSiR53 ma-R53で表される基であり、
54は、それぞれ独立して、酸素原子、又はC1-6アルキレン基であり、
53は、それぞれ独立して、炭化水素基またはR1’であり、
51’は、R51と同意義であり、
maは、それぞれ独立して、1~5の整数であり、
ただし、R51中、R51’の数は20以下であり、
52は、それぞれ独立して、又は炭化水素基であり、
naは、1~3であり、
zは、0又は1である。]
で表される基であり、
44は、それぞれ独立して、C1-12アルキル基であり、
nは、0~1500である。]
で表される基である、上記[2]又は[3]に記載の組成物。
[5] Rは、A基:
Figure 2024025758000007
[式中:
51は、それぞれ独立して、-(R54-OSiR53 ma-R53で表される基であり、
54は、それぞれ独立して、酸素原子、又はC1-6アルキレン基であり、
53は、それぞれ独立して、炭化水素基またはR1’であり、
51’は、R51と同意義であり、
maは、それぞれ独立して、1~5の整数であり、
ただし、R51中、R51’の数は20以下であり、
52は、それぞれ独立して、又は炭化水素基であり、
naは、1~3であり、
zは、0又は1である。]
で表される基である、上記[2]又は[3]に記載の組成物。
[6] RSiは、下記式(S1)、(S2)、(S3)、(S4)、又は(S5):
Figure 2024025758000008
[式中:
11は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
12は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
n1は、(SiR11 n112 3-n1)単位毎にそれぞれ独立して、0~3の整数であり、
11は、それぞれ独立して、単結合又は2価の有機基であり、
13は、それぞれ独立して、水素原子又は1価の有機基であり、
tは、それぞれ独立して、2以上の整数であり、
14は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又は-X11-SiR11 n112 3-n1であり、
15は、それぞれ独立して、単結合、酸素原子、炭素数1~6のアルキレン基又は炭素数1~6のアルキレンオキシ基であり、
a1は、それぞれ独立して、-Z-SiR21 p122 q123 r1であり;
は、それぞれ独立して、2価の有機基であり、
21は、それぞれ独立して、-Z1’-SiR21’ p1’22’ q1’23’ r1’であり;
22は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
23は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
p1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
q1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
r1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
1’は、それぞれ独立して、2価の有機基であり、
21’は、それぞれ独立して、-Z1”-SiR22” q1”23” r1”であり;
22’は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
23’は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
p1’は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
q1’は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
r1’は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
1”は、それぞれ独立して、2価の有機基であり、
22”は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
23”は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
q1”は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
r1”は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
b1は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
c1は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
k1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
l1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
m1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
ただし、式(S3)中、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子が少なくとも2つ存在し、
d1は、それぞれ独立して、-Z-CR31 p232 q233 r2であり、
は、それぞれ独立して、単結合、酸素原子又は2価の有機基であり、
31は、それぞれ独立して、-Z2’-CR32’ q2’33’ r2’であり、
32は、それぞれ独立して、-Z-SiR34 n235 3-n2であり、
33は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基又は1価の有機基であり、
p2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
q2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
r2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
2’は、それぞれ独立して、単結合、酸素原子又は2価の有機基であり、
32’は、それぞれ独立して、-Z-SiR34 n235 3-n2であり、
33’は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基又は1価の有機基であり、
q2’は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
r2’は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
は、それぞれ独立して、単結合、酸素原子又は2価の有機基であり;
34は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
35は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
n2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
e1は、それぞれ独立して、-Z-SiR34 n235 3-n2であり、
f1は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基又は1価の有機基であり、
k2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
l2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
m2は、それぞれ独立して、0~3の整数である。
ただし、式(S4)中、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子が少なくとも2つ存在し、
g1及びRh1は、それぞれ独立して、-Z-SiR11 n112 3-n1、-Z-SiRa1 k1b1 l1c1 m1、又は-Z-CRd1 k2e1 l2f1 m2であり、
は、それぞれ独立して、単結合、酸素原子又は2価の有機基であり、
ただし、式(S5)中、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子が少なくとも2つ存在する。]
で表される基である、上記[2]~[5]のいずれか1項に記載の組成物。
[7] Xは、単結合、又は、-CO-、-COO-、-NR41-、-CONR41-、-OCONR41-、-NR41-CO-NR41-、-O-もしくは-S-を含む2価の基であり、
41は、水素原子又はC1-6アルキル基である、
上記[2]又は[4]に記載の組成物。
[8] Xは、さらに、-CO-、-COO-、-NR41-、-CONR41-、-OCONR41-、-NR41-CO-NR41-、-O-もしくは-S-を含む2価の有機基である、上記[2]~[6]のいずれか1項に記載の組成物。
[9] 式(1B)におけるX中のアルキレン基の炭素原子の数は、R中のSi原子の数よりも多い、上記[2]~[6]のいずれか1項に記載の組成物。
[10] 式(1B)におけるX中のアルキレン基の炭素原子の数は、R中のSi原子の数の2.5倍以上である、上記[2]~[6]のいずれか1項に記載の組成物。
[11] 式(1B)におけるX中のアルキレン基の炭素原子の数は、R中の主鎖の原子の数よりも多い、上記[2]~[6]のいずれか1項に記載の組成物。
[12] 式(1B)におけるX中のアルキレン基の炭素原子の数は、R中の主鎖の原子の数の2.0倍以上である、上記[2]~[6]のいずれか1項に記載の組成物。
[13] Xは、下記式:
-(R51p5-(X51q5
[式中:
51は、-(CHs5-又はo-、m-もしくはp-フェニレン基であり、
s5は、1~20の整数であり、
51は、-(X52l5-であり、
52は、それぞれ独立して、-O-、-S-、o-、m-もしくはp-フェニレン基、-CO-、-C(O)O-、-CONR54-、-O-CONR54-、-NR54-及び-(CHn5-からなる群から選択される基であり、
54は、それぞれ独立して、水素原子、又は1価の有機基であり、
n5は、それぞれ独立して、1~20の整数であり、
l5は、1~10の整数であり、
p5は、0又は1であり、
q5は、0又は1であり、
ここに、p5及びq5の少なくとも一方は1であり、p5又はq5を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は任意である。]
で表される2価の有機基である、上記[5]又は[6]に記載の組成物。
[14] 成分AにおけるX又はXと、成分BにおけるX又はXが同一の構造を有する、上記[5]~[13]のいずれか1項に記載の組成物。
[15] X、X、及びXは、アミド結合を含む、上記[4]~[14]のいずれか1項に記載の組成物。
[16] 成分Aと成分Bの混合比は、質量比で、1:99~99:1である、上記[4]~[15]のいずれか1項に記載の組成物。
[17] 成分A及び成分Bの少なくとも一方は、長鎖アルキル構造又はシロキサン構造の一方のみを含む、上記[1]~[16]のいずれか1項に記載の組成物。
[18] さらに、R81OR82、R83 n86-n8、R848586Si-(O-SiR8788m8-R89、及び(OSiR8788m9
[式中
81~R89は、それぞれ独立して、炭素数1~10個の一価の有機基であり、
m8は、1~6の整数であり、
m9は、3~8の整数であり、
n8は、0~6の整数である。]
で表される化合物から選択される溶媒を含む、上記[1]~[16]のいずれか1項に記載の組成物。
[19] 前記溶媒は、R848586Si-(O-SiR8788m8-R89である、上記[18]に記載の組成物。
[20] 前記溶媒は、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、又はデカメチルシクロペンタシロキサンである、上記[19]又は[20]に記載の組成物。
[21] 上記[1]~[21]のいずれか1項に記載の組成物を含む表面処理剤。
[22] さらに成分A又は成分Bの化合物の縮合体を含む、上記[22]に記載の表面処理剤。
[23] 真空蒸着用である、上記[22]又は[23]に記載の表面処理剤。
[24] 湿潤被覆用である、上記[22]又は[23]に記載の表面処理剤。
[25] 上記[22]~[24]のいずれか1項に記載の表面処理剤を含有するペレット。
[26] 基材と、該基材上に、上記[21]~[24]のいずれか1項に記載の表面処理剤から形成された層とを含む物品。
[27] 前記基材と前記層との間に酸化ケイ素を含む中間層を含む、上記[26]に記載の物品。
[28] 前記中間層は、アルカリ金属原子を含む、上記[27]に記載の物品。
[29] 前記アルカリ金属原子の少なくとも一部がナトリウム原子である、上記[28]に記載の物品。
[30] 光学部材である、上記[26]~[29]のいずれか1項に記載の物品。
[31] ディスプレイである、上記[26]~[29]のいずれか1項に記載の物品。
本開示によれば、摩擦耐久性と指紋拭き取り性の両方を備えた表面処理層を形成することができる表面処理剤を提供できる。
本明細書において用いられる場合、「1価の有機基」とは、炭素を含有する1価の基を意味する。1価の有機基としては、特に限定されないが、炭化水素基又はその誘導体であり得る。炭化水素基の誘導体とは、炭化水素基の末端又は分子鎖中に、1つ又はそれ以上のN、O、S、Si、アミド、スルホニル、シロキサン、カルボニル、カルボニルオキシ等を有している基を意味する。尚、単に「有機基」と示す場合、1価の有機基を意味する。また、「2価の有機基」とは、炭素を含有する2価の基を意味する。かかる2価の有機基としては、例えば、有機基からさらに1個の水素原子を脱離させた2価の基が挙げられる。3価以上の有機基も同様に、有機基から所定の数の水素原子を脱離させた基を意味する。
本明細書において用いられる場合、「炭化水素基」とは、炭素及び水素を含む基であって、炭化水素から水素原子を脱離させた基を意味する。かかる炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、C1-20炭化水素基、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。上記「脂肪族炭化水素基」は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれであってもよく、飽和又は不飽和のいずれであってもよい。また、炭化水素基は、1つ又はそれ以上の環構造を含んでいてもよい。炭化水素基は、1つ又はそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
本明細書において用いられる場合、「炭化水素基」の置換基としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、1個又はそれ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10不飽和シクロアルキル基、5~10員環のヘテロシクリル基、5~10員環の不飽和ヘテロシクリル基、C6-10アリール基及び5~10員環のヘテロアリール基から選択される1個又はそれ以上の基が挙げられる。
本明細書において用いられる場合、「加水分解性基」とは、加水分解反応を受け得る基を意味し、すなわち、加水分解反応により、化合物の主骨格から脱離し得る基を意味する。加水分解性基の例としては、-OR、-OCOR、-O-N=CR 、-NR 、-NHR、-NCO、ハロゲン(これら式中、Rは、置換または非置換の炭素数1~4のアルキル基を示す)などが挙げられ、好ましくは-OR(即ち、アルコキシ基)である。Rの例には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基などの非置換アルキル基;クロロメチル基などの置換アルキル基が含まれる。それらの中でも、アルキル基、特に非置換アルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
(組成物)
本開示の組成物は、
(成分A)長鎖アルキル構造を含むシランカップリング剤と、
(成分B)シロキサン構造を含むシランカップリング剤と、
を含む。
(成分A)
本開示の組成物に含まれる成分Aは、長鎖アルキル構造を含むシランカップリング剤である。
本明細書において、シランカップリング剤とは、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子を有する化合物を意味する。
上記長鎖アルキル構造は、炭素数が7以上のアルキル基又はアルキレン基を意味する。長鎖アルキル構造は、シランカップリング剤分子のいずれの箇所に存在してもよい。
成分Aのシランカップリング剤は、長鎖アルキル構造以外のいずれの構造を含んでいてもよい。
一の態様において、成分Aは、下記式(1A):
Figure 2024025758000009
[式中:
は、直鎖の炭素数7以上のアルキル基であり、
は、2価の基であり、
Siは、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子を含む1価の基である。]
で表される化合物、又は、式(1B):
Figure 2024025758000010
[式中:
は、水酸基又は加水分解性基が直接結合していないSi原子を1つ以上含む1価の基であり、
は、炭素数7以上のアルキレン基を含む2価の有機基であり、
Siは、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子を含む1価の基である。]
で表される化合物である。
(式(1A)で表される化合物)
式(1A):
Figure 2024025758000011
[式中:
は、直鎖の炭素数7以上のアルキル基であり、
は、2価の基であり、
Siは、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子を含む1価の基である。]
は、直鎖の炭素数7以上のアルキル基である。
一の態様において、XにおいてRに結合する原子が炭素原子以外の原子である場合、Rの炭素数の下限は、好ましくは10、より好ましくは16、さらに好ましくは19、例えば21、又は23であり得る。炭素数の上限は、好ましくは32、より好ましくは28、例えば26又は23であり得る。Rは、好ましくは直鎖のC10-32アルキル基、より好ましくはC16-22アルキル基であり得る。
一の態様において、XにおいてRに結合する原子が炭素原子である場合、Rの炭素数の下限は、好ましくは9、より好ましくは15、さらに好ましくは18、例えば20、又は22であり得る。炭素数の上限は、好ましくは31、より好ましくは27、例えば25又は22であり得る。Rは、好ましくは直鎖のC9-31アルキル基、より好ましくはC15-21アルキル基であり得る。
は、主に撥水性等の機能を提供するアルキル部(R)と基材との結合能を提供するシラン部(RSi)とを連結するリンカーと解される。従って、Xは、式(1A)で表される化合物が安定に存在し得るものであれば、特に限定されない。
は、単結合、又は、-CO-、-COO-、-NR41-、-CONR41-、-OCONR41-、-NR41-CO-NR41-、-O-もしくは-S-を含む2価の基であり、R41は、水素原子又はC1-6アルキル基である。
41におけるC1-6アルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。一の態様において、上記C1-6アルキル基は、直鎖である。別の態様において、上記C1-6アルキル基は、分枝鎖である。上記C1-6アルキル基は、好ましくはC1-4アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基、さらに好ましくはメチル基又はエチル基、特に好ましくはメチル基である。
一の態様において、R41は、水素原子である。
一の態様において、Xは、単結合である。
別の態様において、Xは、-CO-、-NR41-、-COO-、-CONR41-、-OCONR41-、-NR41-CO-NR41-、-O-もしくは-S-を含む2価の基である。
上記2価の基は、好ましくは下記式:
-X11A-X12A
[式中:
11Aは、-CO-、-COO-、-NR41-、-CONR41-、-OCONR41-、-NR41-CO-NR41-、-O-又は-S-であり、
41は、水素原子又はC1-6アルキル基であり、
12Aは、単結合、又はC1-6アルキレン基である。]
で表される基である。
11Aは、好ましくは-CO-、-CONR41-、又は-OCONR41-である。R41は、好ましくは水素原子である。
一の態様において、X12Aは、単結合である。
別の態様において、X12Aは、又はC1-6アルキレン基である。
12Aにおける又はC1-6アルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。一の態様において、上記C1-6アルキレン基は、直鎖である。別の態様において、上記C1-6アルキレン基は、分枝鎖である。上記C1-6アルキレン基は、好ましくはC1-4アルキレン基、より好ましくはC1-3アルキレン基である。
-X11A-X12A-は、好ましくは-CO-、-CONR41-X12A-である。R41は、好ましくは水素原子である。X12Aは、好ましくはC1-6アルキレン基である。
Siは、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子を含む1価の基である。
好ましい態様において、RSiは、下記式(S1)、(S2)、(S3)、(S4)又は(S5):
Figure 2024025758000012
[式中:
11は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
12は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
n1は、(SiR11 n112 3-n1)単位毎にそれぞれ独立して、0~3の整数であり、
11は、それぞれ独立して、単結合又は2価の有機基であり、
13は、それぞれ独立して、水素原子又は1価の有機基であり、
tは、それぞれ独立して、2以上の整数であり、
14は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又は-X11-SiR11 n112 3-n1であり、
15は、それぞれ独立して、単結合、酸素原子、炭素数1~6のアルキレン基又は炭素数1~6のアルキレンオキシ基であり、
a1は、それぞれ独立して、-Z-SiR21 p122 q123 r1であり;
は、それぞれ独立して、2価の有機基であり、
21は、それぞれ独立して、-Z1’-SiR21’ p1’22’ q1’23’ r1’であり;
22は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
23は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
p1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
q1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
r1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
1’は、それぞれ独立して、2価の有機基であり、
21’は、それぞれ独立して、-Z1”-SiR22” q1”23” r1”であり;
22’は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
23’は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
p1’は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
q1’は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
r1’は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
1”は、それぞれ独立して、2価の有機基であり、
22”は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
23”は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
q1”は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
r1”は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
b1は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
c1は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
k1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
l1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
m1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
ただし、式(S3)中、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子が少なくとも2つ存在し、
d1は、それぞれ独立して、-Z-CR31 p232 q233 r2であり、
は、それぞれ独立して、単結合、酸素原子又は2価の有機基であり、
31は、それぞれ独立して、-Z2’-CR32’ q2’33’ r2’であり、
32は、それぞれ独立して、-Z-SiR34 n235 3-n2であり、
33は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基又は1価の有機基であり、
p2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
q2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
r2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
2’は、それぞれ独立して、単結合、酸素原子又は2価の有機基であり、
32’は、それぞれ独立して、-Z-SiR34 n235 3-n2であり、
33’は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基又は1価の有機基であり、
q2’は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
r2’は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
は、それぞれ独立して、単結合、酸素原子又は2価の有機基であり;
34は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
35は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
n2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
e1は、それぞれ独立して、-Z-SiR34 n235 3-n2であり、
f1は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基又は1価の有機基であり、
k2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
l2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
m2は、それぞれ独立して、0~3の整数である。
ただし、式(S4)中、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子が少なくとも2つ存在し、
g1及びRh1は、それぞれ独立して、-Z-SiR11 n112 3-n1、-Z-SiRa1 k1b1 l1c1 m1、又は-Z-CRd1 k2e1 l2f1 m2であり、
は、それぞれ独立して、単結合、酸素原子又は2価の有機基であり、
ただし、式(S5)中、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子が少なくとも2つ存在する。]
で表される基である。
上記式中、R11は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基である。
11は、好ましくは、それぞれ独立して、加水分解性基である。
11は、好ましくは、それぞれ独立して、-OR、-OCOR、-O-N=CR 、-NR 、-NHR、-NCO、又はハロゲン(これら式中、Rは、置換又は非置換のC1-4アルキル基を示す)であり、より好ましくは-OR(即ち、アルコキシ基)である。Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基などの非置換アルキル基;クロロメチル基などの置換アルキル基が挙げられる。それらの中でも、アルキル基、特に非置換アルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。一の態様において、Rは、メチル基であり、別の態様において、Rは、エチル基である。
上記式中、R12は、それぞれ独立して、1価の有機基である。かかる1価の有機基は、上記加水分解性基を除く1価の有機基である。
12において、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
上記式中、n1は、(SiR11 n112 3-n1)単位毎にそれぞれ独立して、0~3の整数である。ただし、式(S1)において、n1が1~3である(SiR11 n112 3-n1)単位が少なくとも2つ存在する。換言すれば、式(S1)において、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子が少なくとも2つ存在する。
n1は、(SiR11 n112 3-n1)単位毎にそれぞれ独立して、好ましくは1~3の整数であり、より好ましくは2~3、さらに好ましくは3である。
上記式中、X11は、それぞれ独立して、単結合又は2価の有機基である。かかる2価の有機基は、好ましくは-R28-O-R29-(式中、R28及びR29は、それぞれ独立して、単結合又はC1-20アルキレン基であり、xは0又は1である。)である。かかるC1-20アルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。かかるC1-20アルキレン基は、好ましくはC1-10アルキレン基、より好ましくはC1-6アルキレン基、さらに好ましくはC1-3アルキレン基である。
一の態様において、X11は、それぞれ独立して、-C1-6アルキレン-O-C1-6アルキレン-又は-O-C1-6アルキレン-である。
好ましい態様において、X11は、それぞれ独立して、単結合又は直鎖のC1-6アルキレン基であり、好ましくは単結合又は直鎖のC1-3アルキレン基、より好ましくは単結合又は直鎖のC1-2アルキレン基であり、さらに好ましくは直鎖のC1-2アルキレン基である。
上記式中、R13は、それぞれ独立して、水素原子又は1価の有機基である。かかる1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基である。
好ましい態様において、R13は、それぞれ独立して、水素原子又は直鎖のC1-6アルキル基であり、好ましくは水素原子又は直鎖のC1-3アルキル基、好ましくは水素原子又はメチル基である。
上記式中、R15は、それぞれ独立して、単結合、酸素原子、炭素数1~6のアルキレン基又は炭素数1~6のアルキレンオキシ基である。
一の態様において、R15は、それぞれ独立して、酸素原子、炭素数1~6のアルキレン基又は炭素数1~6のアルキレンオキシ基である。
好ましい態様において、R15は、単結合である。
上記式中、tは、それぞれ独立して、2以上の整数である。
好ましい態様において、tは、それぞれ独立して、2~10の整数、好ましくは2~6の整数である。
上記式中、R14は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又は-X11-SiR11 n112 3-n1である。かかるハロゲン原子は、好ましくはヨウ素原子、塩素原子又はフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。好ましい態様において、R14は、水素原子である。
一の態様において、式(S1)は、下記式(S1-a)である。
Figure 2024025758000013
[式中、
11、R12、R13、X11、及びn1は、上記式(S1)の記載と同意義であり、
t1及びt2は、それぞれ独立して、1以上の整数、好ましくは1~10の整数、より好ましくは2~10の整数、例えば1~5の整数又は2~5の整数であり、
t1及びt2を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。]
好ましい態様において、式(S1)は、下記式(S1-b)である。
Figure 2024025758000014
[式中、R11、R12、R13、X11、n1及びtは、上記式(S1)の記載と同意義である]
a1は、それぞれ独立して、-Z-SiR21 p122 q123 r1である。
は、それぞれ独立して、酸素原子又は2価の有機基である。尚、以下Zとして記載する構造は、右側が(SiR21 p122 q123 r1)に結合する。
好ましい態様において、Zは、2価の有機基である。
好ましい態様において、Zは、Zが結合しているSi原子とシロキサン結合を形成するものを含まない。好ましくは、式(S2)において、(Si-Z-Si)は、シロキサン結合を含まない。
は、好ましくは、C1-6アルキレン基、-(CHz1-O-(CHz2-(式中、z1は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z2は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)又は、-(CHz3-フェニレン-(CHz4-(式中、z3は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z4は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)である。かかるC1-6アルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、及びC2-6アルキニル基から選択される1個又はそれ以上の置換基により置換されていてもよいが、好ましくは非置換である。
好ましい態様において、Zは、C1-6アルキレン基又は-(CHz3-フェニレン-(CHz4-、好ましくは-フェニレン-(CHz4-である。
別の好ましい態様において、Zは、C1-3アルキレン基である。一の態様において、Zは、-CHCHCH-であり得る。別の態様において、Zは、-CHCH-であり得る。
21は、それぞれ独立して、-Z1’-SiR21’ p1’22’ q1’23’ r1’である。
1’は、それぞれ独立して、酸素原子又は2価の有機基である。尚、以下Z1’として記載する構造は、右側が(SiR21’ p1’22’ q1’23’ r1’)に結合する。
好ましい態様において、Z1’は、2価の有機基である。
好ましい態様において、Z1’は、Z1’が結合しているSi原子とシロキサン結合を形成するものを含まない。好ましくは、式(S2)において、(Si-Z1’-Si)は、シロキサン結合を含まない。
1’は、好ましくは、C1-6アルキレン基、-(CHz1’-O-(CHz2’-(式中、z1’は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z2’は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)又は、-(CHz3’-フェニレン-(CHz4’-(式中、z3’は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z4’は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)である。かかるC1-6アルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、及びC2-6アルキニル基から選択される1個又はそれ以上の置換基により置換されていてもよいが、好ましくは非置換である。
好ましい態様において、Z1’は、C1-6アルキレン基又は-(CHz3’-フェニレン-(CHz4’-、好ましくは-フェニレン-(CHz4’-である。
別の好ましい態様において、Z1’は、C1-3アルキレン基である。一の態様において、Z1’は、-CHCHCH-であり得る。別の態様において、Z1’は、-CHCH-であり得る。
上記R21’は、それぞれ独立して、-Z1”-SiR22” q1”23” r1”である。
上記Z1”は、それぞれ独立して、酸素原子又は2価の有機基である。尚、以下Z1”として記載する構造は、右側が(SiR22” q1”23” r1”)に結合する。
好ましい態様において、Z1”は、2価の有機基である。
好ましい態様において、Z1”は、Z1”が結合しているSi原子とシロキサン結合を形成するものを含まない。好ましくは、式(S2)において、(Si-Z1”-Si)は、シロキサン結合を含まない。
1”は、好ましくは、C1-6アルキレン基、-(CHz1”-O-(CHz2”-(式中、z1”は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z2”は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)又は、-(CHz3”-フェニレン-(CHz4”-(式中、z3”は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z4”は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)である。かかるC1-6アルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、及びC2-6アルキニル基から選択される1個又はそれ以上の置換基により置換されていてもよいが、好ましくは非置換である。
好ましい態様において、Z1”は、C1-6アルキレン基又は-(CHz3”-フェニレン-(CHz4”-、好ましくは-フェニレン-(CHz4”-である。Z1”がかかる基である場合、光耐性、特に紫外線耐性がより高くなり得る。
別の好ましい態様において、Z1”は、C1-3アルキレン基である。一の態様において、Z1”は、-CHCHCH-であり得る。別の態様において、Z1”は、-CHCH-であり得る。
上記R22”は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基である。
上記R22”は、好ましくは、それぞれ独立して、加水分解性基である。
上記R22”は、好ましくは、それぞれ独立して、-OR、-OCOR、-O-N=CR 、-NR 、-NHR、又は-NCO(これら式中、Rは、置換又は非置換のC1-4アルキル基を示す)であり、より好ましくは-OR(即ち、アルコキシ基)である。Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基などの非置換アルキル基;クロロメチル基などの置換アルキル基が挙げられる。それらの中でも、アルキル基、特に非置換アルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。一の態様において、Rは、メチル基であり、別の態様において、Rは、エチル基である。
23”は、それぞれ独立して、1価の有機基である。かかる1価の有機基は、上記加水分解性基を除く1価の有機基である。
23”において、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
q1”は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、上記r1”は、それぞれ独立して、0~3の整数である。尚、q1”とr1”の合計は、(SiR22” q1”23” r1”)単位において、3である。
q1”は、(SiR22” q1”23” r1”)単位毎にそれぞれ独立して、好ましくは1~3の整数であり、より好ましくは2~3、さらに好ましくは3である。
22’は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基である。
22’は、好ましくは、それぞれ独立して、加水分解性基である。
22’は、好ましくは、それぞれ独立して、-OR、-OCOR、-O-N=CR 、-NR 、-NHR、又は-NCO(これら式中、Rは、置換又は非置換のC1-4アルキル基を示す)であり、より好ましくは-OR(即ち、アルコキシ基)である。Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基などの非置換アルキル基;クロロメチル基などの置換アルキル基が挙げられる。それらの中でも、アルキル基、特に非置換アルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。一の態様において、Rは、メチル基であり、別の態様において、Rは、エチル基である。
23’は、それぞれ独立して、1価の有機基である。かかる1価の有機基は、上記加水分解性基を除く1価の有機基である。
23’において、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
p1’は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、q1’は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、r1’は、それぞれ独立して、0~3の整数である。尚、p’、q1’及びr1’の合計は、(SiR21’ p1’22’ q1’23’ r1’)単位において、3である。
一の態様において、p1’は、0である。
一の態様において、p1’は、(SiR21’ p1’22’ q1’23’ r1’)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数、2~3の整数、又は3であってもよい。好ましい態様において、p1’は、3である。
一の態様において、q1’は、(SiR21’ p1’22’ q1’23’ r1’)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり、好ましくは2~3の整数、より好ましくは3である。
一の態様において、p1’は0であり、q1’は、(SiR21’ p1’22’ q1’23’ r1’)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり、好ましくは2~3の整数、さらに好ましくは3である。
22は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基である。
22は、好ましくは、それぞれ独立して、加水分解性基である。
22は、好ましくは、それぞれ独立して、-OR、-OCOR、-O-N=CR 、-NR 、-NHR、又は-NCO(これら式中、Rは、置換又は非置換のC1-4アルキル基を示す)であり、より好ましくは-OR(即ち、アルコキシ基)である。Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基などの非置換アルキル基;クロロメチル基などの置換アルキル基が挙げられる。それらの中でも、アルキル基、特に非置換アルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。一の態様において、Rは、メチル基であり、別の態様において、Rは、エチル基である。
上記R23は、それぞれ独立して、1価の有機基である。かかる1価の有機基は、上記加水分解性基を除く1価の有機基である。
23において、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
上記p1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、q1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、r1は、それぞれ独立して、0~3の整数である。尚、p1、q1とr1の合計は、(SiR21 p122 q123 r1)単位において、3である。
一の態様において、p1は、0である。
一の態様において、p1は、(SiR21 p122 q123 r1)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数、2~3の整数、又は3であってもよい。好ましい態様において、p1は、3である。
一の態様において、q1は、(SiR21 p122 q123 r1)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり、好ましくは2~3の整数、より好ましくは3である。
一の態様において、p1は0であり、q1は、(SiR21 p122 q123 r1)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり、好ましくは2~3の整数、さらに好ましくは3である。
式中、Rb1は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基である。
b1は、好ましくは、それぞれ独立して、加水分解性基である。
b1は、好ましくは、それぞれ独立して、-OR、-OCOR、-O-N=CR 、-NR 、-NHR、又は-NCO(これら式中、Rは、置換又は非置換のC1-4アルキル基を示す)であり、より好ましくは-OR(即ち、アルコキシ基)である。Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基などの非置換アルキル基;クロロメチル基などの置換アルキル基が挙げられる。それらの中でも、アルキル基、特に非置換アルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。一の態様において、Rは、メチル基であり、別の態様において、Rは、エチル基である。
式中、Rc1は、それぞれ独立して、1価の有機基である。かかる1価の有機基は、上記加水分解性基を除く1価の有機基である。
c1において、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
k1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、l1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、m1は、それぞれ独立して、0~3の整数である。尚、k1、l1とm1の合計は、(SiRa1 k1b1 l1c1 m1)単位において、3である。
一の態様において、k1は、(SiRa1 k1b1 l1c1 m1)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり、好ましくは2又は3、より好ましくは3である。好ましい態様において、k1は、3である。
式(S2)において、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子が少なくとも2つ存在する。
好ましい態様において、式(S2)の末端部分において、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子が少なくとも2つ存在する。
好ましい態様において、式(S2)で表される基は、-Z-SiR22 q123 r1(式中、q1は、1~3の整数であり、好ましくは2又は3、より好ましくは3であり、r1は、0~2の整数である。)、-Z1’-SiR22’ q1’23’ r1’(式中、q1’は、1~3の整数であり、好ましくは2又は3、より好ましくは3であり、r1’は、0~2の整数である。)、又は-Z1”-SiR22” q1”23” r1”(式中、q1”は、1~3の整数であり、好ましくは2又は3、より好ましくは3であり、r1”は、0~2の整数である。)のいずれか1つを有する。Z、Z1’、Z1”、R22、R23、R22’、R23’、R22”、及びR23”は、上記と同意義である。
好ましい態様において、式(S2)において、R21’が存在する場合、少なくとも1つの、好ましくは全てのR21’において、q1”は、1~3の整数であり、好ましくは2又は3、より好ましくは3である。
好ましい態様において、式(S2)において、R21が存在する場合、少なくとも1つの、好ましくは全てのR21において、p1’は、0であり、q1’は、1~3の整数であり、好ましくは2又は3、より好ましくは3である。
好ましい態様において、式(S2)において、Ra1が存在する場合、少なくとも1つの、好ましくは全てのRa1において、p1は、0であり、q1は、1~3の整数であり、好ましくは2又は3、より好ましくは3である。
好ましい態様において、式(S2)において、k1は2又は3、好ましくは3であり、p1は0であり、q1は2又は3、好ましくは3である。
d1は、それぞれ独立して、-Z-CR31 p232 q233 r2である。
は、それぞれ独立して、単結合、酸素原子又は2価の有機基である。尚、以下Zとして記載する構造は、右側が(CR31 p232 q233 r2)に結合する。
好ましい態様において、Zは、2価の有機基である。
好ましい態様において、Zは、シロキサン結合を含まない。
は、好ましくは、C1-6アルキレン基、-(CHz5-O-(CHz6-(式中、z5は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z6は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)又は、-(CHz7-フェニレン-(CHz8-(式中、z7は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z8は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)である。かかるC1-6アルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、及びC2-6アルキニル基から選択される1個又はそれ以上の置換基により置換されていてもよいが、好ましくは非置換である。
好ましい態様において、Zは、C1-6アルキレン基又は-(CHz7-フェニレン-(CHz8-、好ましくは-フェニレン-(CHz8-である。Zがかかる基である場合、光耐性、特に紫外線耐性がより高くなり得る。
別の好ましい態様において、上記Zは、C1-3アルキレン基である。一の態様において、Zは、-CHCHCH-であり得る。別の態様において、Zは、-CHCH-であり得る。
31は、それぞれ独立して、-Z2’-CR32’ q2’33’ r2’である。
2’は、それぞれ独立して、単結合、酸素原子又は2価の有機基である。尚、以下Z2’として記載する構造は、右側が(CR32’ q2’33’ r2’)に結合する。
好ましい態様において、Z2’は、シロキサン結合を含まない。
2’は、好ましくは、C1-6アルキレン基、-(CHz5’-O-(CHz6’-(式中、z5’は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z6’は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)又は、-(CHz7’-フェニレン-(CHz8’-(式中、z7’は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z8’は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)である。かかるC1-6アルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、及びC2-6アルキニル基から選択される1個又はそれ以上の置換基により置換されていてもよいが、好ましくは非置換である。
好ましい態様において、Z2’は、C1-6アルキレン基又は-(CHz7’-フェニレン-(CHz8’-、好ましくは-フェニレン-(CHz8’-である。Z2’がかかる基である場合、光耐性、特に紫外線耐性がより高くなり得る。
別の好ましい態様において、上記Z2’は、C1-3アルキレン基である。一の態様において、Z2’は、-CHCHCH-であり得る。別の態様において、Z2’は、-CHCH-であり得る。
32’は、それぞれ独立して、-Z-SiR34 n235 3-n2である。
は、それぞれ独立して、単結合、酸素原子又は2価の有機基である。尚、以下Zとして記載する構造は、右側が(SiR34 n235 3-n2)に結合する。
一の態様において、Zは酸素原子である。
一の態様において、Zは2価の有機基である。
好ましい態様において、Zは、シロキサン結合を含まない。
は、好ましくは、C1-6アルキレン基、-(CHz5”-O-(CHz6”-(式中、z5”は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z6”は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)又は、-(CHz7”-フェニレン-(CHz8”-(式中、z7”は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z8”は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)である。かかるC1-6アルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、及びC2-6アルキニル基から選択される1個又はそれ以上の置換基により置換されていてもよいが、好ましくは非置換である。
好ましい態様において、Zは、C1-6アルキレン基又は-(CHz7”-フェニレン-(CHz8”-、好ましくは-フェニレン-(CHz8”-である。Zがかかる基である場合、光耐性、特に紫外線耐性がより高くなり得る。
別の好ましい態様において、上記Zは、C1-3アルキレン基である。一の態様において、Zは、-CHCHCH-であり得る。別の態様において、Zは、-CHCH-であり得る。
34は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基である。
34は、好ましくは、それぞれ独立して、加水分解性基である。
34は、好ましくは、それぞれ独立して、-OR、-OCOR、-O-N=CR 、-NR 、-NHR、-NCO、又はハロゲン(これら式中、Rは、置換又は非置換のC1-4アルキル基を示す)であり、より好ましくは-OR(即ち、アルコキシ基)である。Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基などの非置換アルキル基;クロロメチル基などの置換アルキル基が挙げられる。それらの中でも、アルキル基、特に非置換アルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。一の態様において、Rは、メチル基であり、別の態様において、Rは、エチル基である。
35は、それぞれ独立して、1価の有機基である。かかる1価の有機基は、上記加水分解性基を除く1価の有機基である。
35において、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
n2は、(SiR34 n235 3-n2)単位毎にそれぞれ独立して、0~3の整数である。ただし、式(S3)の末端部分においては、n2が1~3である(SiR34 n235 3-n2)単位が少なくとも2つ存在する。換言すれば、式(S3)の末端部分において、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子が少なくとも2つ存在する。
n2は、(SiR34 n235 3-n2)単位毎にそれぞれ独立して、好ましくは1~3の整数であり、より好ましくは2~3、さらに好ましくは3である。
33’は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基又は1価の有機基である。かかる1価の有機基は、上記加水分解性基を除く1価の有機基である。
33’において、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基又は-(C2st1-(O-C2st2(式中、sは、1~6の整数、好ましくは2~4の整数であり、t1は1又は0、好ましくは0であり、t2は、1~20の整数、好ましくは2~10の整数、より好ましくは2~6の整数である。)であり、より好ましくはC1-20アルキル基、さらに好ましくはC1-6アルキル基、特に好ましくはメチル基である。
一の態様において、R33’は、水酸基である。
別の態様において、R33’は、1価の有機基、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基である。
上記q2’は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、上記r2’は、それぞれ独立して、0~3の整数である。尚、q2’とr2’の合計は、(CR32’ q2’33’ r2’)単位において、3である。
q2’は、(CR32’ q2’33’ r2’)単位毎にそれぞれ独立して、好ましくは1~3の整数であり、より好ましくは2~3、さらに好ましくは3である。
32は、それぞれ独立して、-Z-SiR34 n235 3-n2である。かかる-Z-SiR34 n235 3-n2は、上記R32’における記載と同意義である。
33は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基又は1価の有機基である。かかる1価の有機基は、上記加水分解性基を除く1価の有機基である。
33において、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基又は-(C2st1-(O-C2st2(式中、sは、1~6の整数、好ましくは2~4の整数であり、t1は1又は0、好ましくは0であり、t2は、1~20の整数、好ましくは2~10の整数、より好ましくは2~6の整数である。)であり、より好ましくはC1-20アルキル基、さらに好ましくはC1-6アルキル基、特に好ましくはメチル基である。
一の態様において、R33は、水酸基である。
別の態様において、R33は、1価の有機基、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基である。
p2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、q2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、r2は、それぞれ独立して、0~3の整数である。尚、p2、q2及びr2の合計は、(CR31 p232 q233 r2)単位において、3である。
一の態様において、p2は、0である。
一の態様において、p2は、(CR31 p232 q233 r2)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数、2~3の整数、又は3であってもよい。好ましい態様において、p2は、3である。
一の態様において、q2は、(CR31 p232 q233 r2)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり、好ましくは2~3の整数、より好ましくは3である。
一の態様において、p2は0であり、q2は、(CR31 p232 q233 r2)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり、好ましくは2~3の整数、さらに好ましくは3である。
e1は、それぞれ独立して、-Z-SiR34 n235 3-n2である。かかる-Z-SiR34 n235 3-n2は、上記R32’における記載と同意義である。
f1は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基又は1価の有機基である。かかる1価の有機基は、上記加水分解性基を除く1価の有機基である。
f1において、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基又は-(C2st1-(O-C2st2(式中、sは、1~6の整数、好ましくは2~4の整数であり、t1は1又は0、好ましくは0であり、t2は、1~20の整数、好ましくは2~10の整数、より好ましくは2~6の整数である。)であり、より好ましくはC1-20アルキル基、さらに好ましくはC1-6アルキル基、特に好ましくはメチル基である。
一の態様において、Rf1は、水酸基である。
別の態様において、Rf1は、1価の有機基、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基である。
k2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、l2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、m2は、それぞれ独立して、0~3の整数である。尚、k2、l2及びm2の合計は、(CRd1 k2e1 l2f1 m2)単位において、3である。
一の態様において、n2が1~3、好ましくは2又は3、より好ましくは3である(SiR34 n235 3-n2)単位は、式(S3)の各末端部分において、2個以上、例えば2~27個、好ましくは2~9個、より好ましくは2~6個、さらに好ましくは2~3個、特に好ましくは3個存在する。
好ましい態様において、式(S3)において、R32’が存在する場合、少なくとも1つの、好ましくは全てのR32’において、n2は、1~3の整数であり、好ましくは2又は3、より好ましくは3である。
好ましい態様において、式(S3)において、R32が存在する場合、少なくとも1つの、好ましくは全てのR32において、n2は、1~3の整数であり、好ましくは2又は3、より好ましくは3である。
好ましい態様において、式(S3)において、Re1が存在する場合、少なくとも1つの、好ましくは全てのRa1において、n2は、1~3の整数であり、好ましくは2又は3、より好ましくは3である。
好ましい態様において、式(S3)において、k2は0であり、l2は2又は3、好ましくは3であり、n2は、2又は3、好ましくは3である。
g1及びRh1は、それぞれ独立して、-Z-SiR11 n112 3-n1、-Z-SiRa1 k1b1 l1c1 m1、-Z-CRd1 k2e1 l2f1 m2である。ここに、R11、R12、Ra1、Rb2、Rc1、Rd1、Re1、Rf1、n1、k1、l1、m1、k2、l2、及びm2は、上記と同意義である。
好ましい態様において、Rg1及びRh1は、それぞれ独立して、-Z-SiR11 n112 3-n1である。
上記Zは、それぞれ独立して、単結合、酸素原子又は2価の有機基である。尚、以下Zとして記載する構造は、右側が(SiR11 n112 3-n1)に結合する。
一の態様において、Zは酸素原子である。
一の態様において、Zは2価の有機基である。
好ましい態様において、Zは、シロキサン結合を含まない。
は、好ましくは、C1-6アルキレン基、-(CHz5”-O-(CHz6”-(式中、z5”は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z6”は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)又は、-(CHz7”-フェニレン-(CHz8”-(式中、z7”は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z8”は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)である。かかるC1-6アルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、及びC2-6アルキニル基から選択される1個又はそれ以上の置換基により置換されていてもよいが、好ましくは非置換である。
好ましい態様において、Zは、C1-6アルキレン基又は-(CHz7”-フェニレン-(CHz8”-、好ましくは-フェニレン-(CHz8”-である。Zがかかる基である場合、光耐性、特に紫外線耐性がより高くなり得る。
別の好ましい態様において、上記Zは、C1-3アルキレン基である。一の態様において、Zは、-CHCHCH-であり得る。別の態様において、Zは、-CHCH-であり得る。
一の態様において、式(S1)、(S2)、(S3)、及び(S4)は、シロキサン結合を含まない。
一の態様において、RSiは、式(S2)、(S3)、又は(S4)で表される基である。
一の態様において、RSiは、式(S3)、(S4)又は(S5)で表される基である。
一の態様において、RSiは、式(S1)で表される基である。好ましい態様において、n1は1~3、好ましくは2~3、さらに好ましくは3である。
一の態様において、RSiは、式(S2)で表される基である。好ましい態様において、式(S2)は、-SiRa1 c1、又は-SiRa1 であり、Ra1は、-Z-SiR22 q123 r1であり、Zは、C1-6アルキレン基、-(CHz1-O-(CHz2-(式中、z1は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z2は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)、又は、-(CHz3-フェニレン-(CHz4-(式中、z3は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z4は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)、好ましくはC1-6アルキレン基であり、q1は1~3、好ましくは2~3、さらに好ましくは3である。
一の態様において、RSiは、式(S3)で表される基である。好ましい態様において、式(S3)は、-CRe1 f1、又は-CRe1 であり、Re1は、-Z-SiR34 n235 3-n2であり、Zは、C1-6アルキレン基、-(CHz5”-O-(CHz6”-(式中、z5”は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z6”は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)又は、-(CHz7”-フェニレン-(CHz8”-(式中、z7”は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z8”は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)、好ましくはC1-6アルキレン基であり、n2は1~3、好ましくは2~3、さらに好ましくは3である。
一の態様において、RSiは、式(S4)で表される基である。好ましい態様において、Rg1及びRh1は、-Z-SiR11 n112 3-n1であり、Zは、C1-6アルキレン基、-(CHz5”-O-(CHz6”-(式中、z5”は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z6”は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)又は、-(CHz7”-フェニレン-(CHz8”-(式中、z7”は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z8”は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)、好ましくはC1-6アルキレン基であり、n1は1~3、好ましくは2~3、さらに好ましくは3である。
式(1A)で表される化合物は、例えば、下記式(1Aa)
-XAa-R
[式中:
は、直鎖の炭素数7以上のアルキル基であり、
Aaは、2価の有機基であり、
は、-R61、-CONR61 、-SiR61 、又は-CR61 であり、
61は、末端に二重結合を有するC2-6アルケニル基である。]
で表される化合物を、下記式(1Ab)
HSiR63 64 3-m (1Ab)
[式中、
63は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
64は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
mは、1~3である。]
で表される化合物と反応させることにより得ることができる。
別法として、上記式(1Aa)で表される化合物を、下記式(1Ac)
HSiCl64 (3-m) 式(1Ac)
[式中、
64は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
mは、1~3である。]
で表される化合物と反応させた後、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等)を反応させて得ることができる。
(式(1B)で表される化合物)
式(1B):
Figure 2024025758000015
[式中:
は、水酸基又は加水分解性基が直接結合していないSi原子を1つ以上含む1価の基であり、
は、炭素数7以上のアルキレン基を含む2価の有機基であり、
Siは、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子を含む1価の基である。]
は、水酸基又は加水分解性基が直接結合していないSi原子を1つ以上含む1価の基である。
水酸基又は加水分解性基が直接結合していないSi原子を1つ以上含む1価の基は、水酸基又は加水分解性基が直接結合したSi原子を含んでいてもよい。
一の態様において、水酸基又は加水分解性基が直接結合していないSi原子を1つ以上含む1価の基は、水酸基又は加水分解性基が直接結合したSi原子を含まない。
別の態様において、水酸基又は加水分解性基が直接結合していないSi原子を1つ以上含む1価の基は、水酸基又は加水分解性基が直接結合したSi原子を1つ以上含む。
一の態様において、Rは、下記の基:
43-(SiR44 O)-SiR44
[式中:
43は、C1-12アルキル基、又はA基:
Figure 2024025758000016
[式中:
51は、それぞれ独立して、-(R54-OSiR53 ma-R53で表される基であり、
54は、それぞれ独立して、酸素原子、又はC1-6アルキレン基であり、
53は、それぞれ独立して、炭化水素基またはR1’であり、
51’は、R51と同意義であり、
maは、それぞれ独立して、1~5の整数であり、
ただし、R51中、R51’の数は20以下であり、
52は、それぞれ独立して、又は炭化水素基であり、
naは、1~3であり、
zは、0又は1である。]
で表される基であり、
44は、それぞれ独立して、C1-12アルキル基であり、
nは、0~1500である。]
で表される基である。
43におけるC1-12アルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。一の態様において、上記C1-12アルキル基は、直鎖である。別の態様において、上記C1-12アルキル基は、分枝鎖である。上記C1-12アルキル基は、好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基、さらに好ましくはメチル基又はエチル基、特に好ましくはメチル基である。
A基におけるR51は、それぞれ独立して、-(R54-SiR53 ma-R53で表される基である。
54は、それぞれ独立して、酸素原子、又はC1-6アルキレン基である。
54におけるC1-6アルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。上記C1-6アルキレン基は、好ましくはC1-4アルキレン基、より好ましくはC2-4アルキレン基であり得る。
一の態様において、R54は、Oである。
一の態様において、一部のR54はOであり、他のR54はC1-6アルキレン基である。
53は、それぞれ独立して、炭化水素基またはR1’である。
53における上記炭化水素基は、好ましくはアルキル基またはアリール基であり得る。
上記アルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。上記アルキル基は、好ましくは炭素数1~6のアルキル基、より好ましくは炭素数1~4のアルキル基である。上記アルキル基は、特に好ましくはメチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、又はtert-ブチル基である。
上記アリール基は、単環式であっても多環式であってもよい。上記アリールは、好ましくは炭素数6~20のアリール基、より好ましくは炭素数6~10のアリール基である。上記アリール基は、特に好ましくはフェニル基である。
53は、好ましくはアルキル基、より好ましくは炭素数1~4のアルキル基である。
51’は、R51と同意義である。即ち、R51’は、-(R54-SiR53 ma-R53である。ただし、R51中、R51’の数は20以下、好ましくは10以下、より好ましくは6以下、さらに好ましくは3以下である。
一の態様において、R53は、それぞれ独立して、炭化水素基またはR1’である。
好ましい態様において、R53は、それぞれ独立して、炭化水素基である。
一の態様において、R53は-(R54’-SiR53’ ma’-R53’
[式中:
53’は、それぞれ独立して、炭化水素基または-(R54-SiR53 ma-R53であり、
少なくとも1つのR53’は、-(R54-SiR53 ma-R53であり、
53は、それぞれ独立して、または炭化水素基であり、
54は、それぞれ独立して、酸素原子、又はC1-6アルキレン基であり、
maは、それぞれ独立して、1~5の整数であり、
54’は、それぞれ独立して、酸素原子、又はC1-6アルキレン基であり、
ma’は、それぞれ独立して、1~5の整数である。]
である。
別の態様において、一の態様において、R53は-(R54’-SiR53’ ma’-R53’
[式中:
53’は、それぞれ独立して、炭化水素基または-(R54”-SiR54” ma”-R53”であり、
少なくとも1つのR53’は、-(R54”-SiR53” ma”-R53”であり、
53”は、それぞれ独立して、炭化水素基または-(R54-SiR53 ma-R53であり、
少なくとも1つのR53”は、-(R54-SiR53 ma-R53であり、
53は、それぞれ独立して、または炭化水素基であり、
54は、それぞれ独立して、酸素原子、又はC1-6アルキレン基であり、
maは、それぞれ独立して、1~5の整数であり、
54”は、それぞれ独立して、酸素原子、又はC1-6アルキレン基であり、
ma”は、それぞれ独立して、1~5の整数であり、
54’は、それぞれ独立して、酸素原子、又はC1-6アルキレン基であり、
ma’は、それぞれ独立して、1~5の整数である。]
である。
maは、それぞれ独立して、1~5の整数、好ましくは1又は2である。
52は、それぞれ独立して、炭化水素基である。
52における上記炭化水素基は、好ましくはアルキル基またはアリール基であり得る。
上記アルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。上記アルキル基は、好ましくは炭素数1~6のアルキル基、より好ましくは炭素数1~4のアルキル基である。上記アルキル基は、特に好ましくはメチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、又はtert-ブチル基である。
上記アリール基は、単環式であっても多環式であってもよい。上記アリールは、好ましくは炭素数6~20のアリール基、より好ましくは炭素数6~10のアリール基である。上記アリール基は、特に好ましくはフェニル基である。
52は、好ましくはアルキル基、より好ましくは炭素数1~4のアルキル基である。
naは、1~3である。一の態様において、naは、2である。別の態様において、naは、3である。なお、R51’が存在する場合、naは、(R54-SiR53 ma毎に独立して選択される。
zは、0又は1である。一の態様において、zは0である。別の態様においてzは1である。
51中、Si-O結合は、2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上、さらに好ましくは6つ以上、例えば8以上、9以上、10以上、12以上存在する。
好ましい態様において、A基において、
51は、それぞれ独立して、-(R54-SiR53 ma-R53で表される基であり、
54は、それぞれ独立して、酸素原子、又はC1-6アルキレン基であり、
53は、それぞれ独立して、炭化水素基(好ましくは炭素数1~4のアルキル基)、またはR51’であり、好ましくは炭化水素基(好ましくは炭素数1~4のアルキル基)であり、
51’は、R51と同意義であり、
maは、1または2であり、
52は、それぞれ独立して、炭化水素基、好ましくは炭素数1~4のアルキル基であり、
naは、1~3である。
A基の例としては、限定するものではないが、下記の基が挙げられる。
Figure 2024025758000017
Figure 2024025758000018
Figure 2024025758000019
44におけるC1-12アルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。一の態様において、上記C1-12アルキル基は、直鎖である。別の態様において、上記C1-12アルキル基は、分枝鎖である。上記C1-12アルキル基は、好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基、さらに好ましくはメチル基又はエチル基、特に好ましくはメチル基である。
成分Aとして利用する場合には、nは、好ましくは0~1500、より好ましくは0~500、さらに好ましくは0~10であってもよい。例えば、nは、好ましくは1~1500、より好ましくは1~500、さらに好ましくは1~10であってもよい。さらにより好ましくは、nは、0、1又は2である。
好ましい態様において、R43はメチルであり、R44はメチルであり、nは1又は2である。
一の態様において、Rは、水酸基又は加水分解性基が直接結合していないSi原子を1つ以上含み、かつ、シロキサン結合を含まない1価の有機基であり得る。
一の態様において、Rは、下記式:
-SiR45
[式中:
45は、それぞれ独立して、C1-6アルキル基、又は-SiR46 であり、
46は、それぞれ独立して、C1-6アルキル基である。]
で表される基である。
45におけるC1-6アルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。一の態様において、上記C1-6アルキル基は、直鎖である。別の態様において、上記C1-6アルキル基は、分枝鎖である。上記C1-6アルキル基は、好ましくはC1-4アルキル基である。
46におけるC1-12アルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。一の態様において、上記C1-12アルキル基は、直鎖である。別の態様において、上記C1-12アルキル基は、分枝鎖である。上記C1-12アルキル基は、好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基、さらに好ましくはメチル基又はエチル基、特に好ましくはメチル基である。
上記SiR45 は、好ましくは、-Si(CH、-Si(CHCH、-Si(CH(CH、-Si(CH)(CH)(C(CH))、-Si(Si(CH、又は-Si(Si(CHCHであり得る。
一の態様において、Rは、A基である。
は、炭素数11以上のアルキレン基を含む2価の有機基である。
は、炭素数11以上のアルキレン基に加え、さらに-CO-、-COO-、-NR41-、-CONR41-、-OCONR41-、-NR41-CO-NR41-、-O-、-S-、-O-(CH-CONR41-、又は-O-(CH-CO-を含む2価の有機基であり、R41は、水素原子又はC1-6アルキル基であり、xは、1~20の整数である。
は、好ましくは下記式:
-X10B-X11B-X12B
[式中:
10Bは、炭素数11以上のアルキレン基であり、
11Bは、単結合、-CO-、-COO-、-NR41-、-CONR41-、-OCONR41-、-NR41-CO-NR41-、-O-、-S-、-O-(CH-CONR41-、又は-O-(CH-CO-であり、
41は、水素原子又はC1-6アルキル基であり、
xは、1~20の整数であり、
12Bは、単結合、又はC1-6アルキレン基である。]
で表される基である。
及びX10Bにおけるアルキレン基の炭素数は、好ましくは12以上、より好ましくは16以上、さらに好ましくは18以上、さらにより好ましくは22以上であり得る。X及びX10Bにおけるアルキレン基の炭素数は、好ましくは60以下、より好ましくは40以下、さらに好ましくは30以下、さらにより好ましくは24以下であり得る。X及びX10Bにおけるアルキレン基の炭素数は、好ましくは11~60、より好ましくは12~40、さらに好ましくは18~30であり得る。
及びX10Bにおけるアルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。上記アルキレン基は、好ましくは直鎖である。
10Bは、好ましくは-CO-、-COO-、-NR41-、-CONR41-、-OCONR41-、-NR41-CO-NR41-、-O-、-S-、-O-(CH-CONR41-、又は-O-(CH-CO-であり、より好ましくは-CO-、-CONR41-、又は-OCONR41-、より好ましくは-CONR41-である。R41は、好ましくは水素原子であり、xは、1~20の整数である。
一の態様において、X12Bは、単結合である。
別の態様において、X12Bは、又はC1-6アルキレン基である。
12Bにおける又はC1-6アルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。一の態様において、上記C1-6アルキレン基は、直鎖である。別の態様において、上記C1-6アルキレン基は、分枝鎖である。上記C1-6アルキレン基は、好ましくはC1-4アルキレン基、より好ましくはC1-3アルキレン基である。
一の態様において、X中のアルキレン基の炭素原子の数は、R中のSi原子の数よりも多い。X中のアルキレン基の炭素原子の数を、R中のSi原子の数よりも多くすることにより、得られる表面処理層の摩擦耐久性をより高くすることができる。
好ましい態様において、X中のアルキレン基の炭素原子の数は、R中のSi原子の数の2.5倍以上、好ましくは3.0倍以上、さらに好ましくは3.5倍以上であり得る。また、X中のアルキレン基の炭素原子の数は、R中のSi原子の数の、好ましくは50倍以下、例えば30倍以下、20倍以下、又は10倍以下であってもよい。
一の態様において、X中のアルキレン基の炭素原子の数は、R中の主鎖の原子の数よりも多い。X中のアルキレン基の炭素原子の数を、R中の主鎖の原子の数よりも多くすることにより、得られる表面処理層の摩擦耐久性をより高くすることができる。
好ましい態様において、X中のアルキレン基の炭素原子の数は、R中の主鎖の原子の数の2.0倍以上、好ましくは2.5倍以上、より好ましくは3.0倍以上、さらに好ましくは4.0倍以上であり得る。また、X中のアルキレン基の炭素原子の数は、R中の主鎖の原子の数の、好ましくは30倍以下、例えば20倍以下、10倍以下、6.0倍以下であってもよい。
ここに、R中の主鎖とは、Xに結合するR中のSi原子から最も原子(ただし、水素原子は除く)の数が多くなる原子鎖を意味する。例えば、R中の主鎖の原子の数は、Si(CHOSi(CH-の場合は4個であり、R中の主鎖の原子の数は、Si(CHOSi(CHOSi(CH-の場合は6個であり、Si(Si(CH-の場合は3個である。
式(1B)中、RSiは、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子を含む1価の基である。RSiは、式(1A)に関するRSiと同意義である。
式(1B)で表される化合物は、例えば、下記の方法により製造することができる。
まず、不飽和カルボン酸、又は不飽和カルボン酸エステル、例えば、式:
CH=CH-R71-COOR72
[式中、
71は、炭素数9以上のアルキレン基であり、
72は、水素原子、又はC1-3アルキル基である。]
で表される化合物と、シラン化合物、例えば、式:
-(SiR O)-SiR -H
[式中:
は、C1-12アルキル基であり、
は、それぞれ独立して、C1-12アルキル基であり、
nは、0~1500である。]
で表される化合物と反応させ、式:
-(SiR O)-SiR -CHCH-R71-COOR72
で表される化合物を得る。次いで、得られた化合物と、末端に炭素-炭素二重結合を有するアミン誘導体、例えば、式:
NH-R73
[式中、
73は、-R74-CH=CH、又は-R75(-R74-CH=CHであり、
74は、単結合又はC1-6アルキレン基であり、
75は、-R76-Cであり、
74は、単結合又はC1-6アルキレン基である。]
で表される化合物とを反応させ、
-(SiR O)-SiR -CHCH-R71-CONH-R74-CH=CH、又は
-(SiR O)-SiR -CHCH-R71-CONH-R75(-R74-CH=CH
で表される化合物を得る。最後に、上記で得られた化合物と、例えば、式:
HSi(R76
[式中、R76は、加水分解性基えある。]
で表される化合物とを反応させることにより、式(1B)で表される化合物を得ることができる。
(成分B)
本開示の組成物に含まれる成分Bは、シロキサン構造を含むシランカップリング剤である。
上記シロキサン構造は、酸素を介して2つのケイ素が結合した構造(-Si-O-Si-)を意味する。シロキサン構造は、シランカップリング剤分子のいずれの箇所に存在してもよい。
成分Bのシランカップリング剤は、シロキサン構造以外のいずれの構造を含んでいてもよい。
一の態様において、成分Bは、下記式(1B):
Figure 2024025758000020
[式中:
は、水酸基又は加水分解性基が直接結合していないSi原子を1つ以上含む1価の基であり、
は、炭素数7以上のアルキレン基を含む2価の有機基であり、
Siは、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子を含む1価の基である。]
で表される化合物、又は
下記式(1C)又は(2C):
Figure 2024025758000021
[式中:
SO1はそれぞれ独立して、R-RSO-SiR -であり、
SO2は、-RSO-SiR -であり、
SOは、それぞれ独立して、下記式:
Figure 2024025758000022
(式中:
は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、-R-O-R-、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-であり、
は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、-R-O-R-、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-であり、
は、それぞれ独立して、C1-6アルキレン基であり、
は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアリーレン基であり、
は、それぞれ独立して、単結合、又はC1-6アルキレン基であり、
は、それぞれ独立して、単結合、又は酸素原子であり、
は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、
xは、0~200の整数であり、
yは、0~200の整数であり、
zは、0~200の整数であり、
x+y+zは、1以上であり、
x、y、又はzを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。)
で表される基であり、
は、炭化水素基であり、
は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、
Siは、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子を含む1価の基であり、
は、それぞれ独立して、2~10価の有機基であり、
αは、1~9の整数であり、
βは、1~9の整数であり、
γは、それぞれ独立して、1~9の整数である。]
で表される化合物である。
上記式(1B)については、成分Aで記載した式(1B)と同意義である。
ただし、成分Bとして利用する場合には、式(1B)におけるnは10~500、より好ましくは10~100である。
(式(1C)又は(2C)で表される化合物)
式(1C)又は(2C):
Figure 2024025758000023
SO1は、それぞれ独立して、R-RSO-SiR -であり、
SO2は、-RSO-SiR -である。
SOは、それぞれ独立して、下記式:
Figure 2024025758000024
[式中:
は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、-R-O-R-、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-であり、
は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、-R-O-R-、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-であり、
は、それぞれ独立して、C1-6アルキレン基であり、
は、それぞれ独立して、置換されていてもよい、フェニレン基、又はナフチレン基であり、
は、それぞれ独立して、単結合、又はC1-6アルキレン基であり、
は、それぞれ独立して、単結合、又は酸素原子であり、
は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、
xは、0~200の整数であり、
yは、0~200の整数であり、
zは、0~200の整数であり、
x+y+zは、1以上であり、
x、y、又はzを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。]
で表される基である。
は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、-R-O-R-、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-であり、好ましくは、C1-12アルキレン基、又は-R-O-R-である。
は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、-R-O-R-、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-である。
一の態様において、Rは、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、又は-R-O-R-である。
別の態様において、Rは、それぞれ独立して、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-である。
一の態様において、Rは、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、又は-R-O-R-であり、Rは、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、又は-R-O-R-である。
別の態様において、Rは、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、又は-R-O-R-であり、Rは、それぞれ独立して、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-である。
上記C1-12アルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。C1-12アルキレン基は、好ましくは、直鎖である。
上記C1-12アルキレン基は、好ましくはC2-8アルキレン基、より好ましくはC2-6アルキレン基である。
は、それぞれ独立して、C1-6アルキレン基である。上記C1-6アルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。C1-6アルキレン基は、好ましくは、直鎖である。
上記C1-6アルキレン基は、好ましくはC2-4アルキレン基、より好ましくはC2-3アルキレン基である。
好ましい態様において、複数のRを含む基において、すべてのRは、同じ基である。
は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアリーレン基である。
一の態様において、Rは、それぞれ独立して、
Figure 2024025758000025
である。
一の態様において、Rは、フェニレン基である。
別の態様において、Rは、ナフチレン基である。
上記アリーレン基は、置換基を有していてもよい。置換基の数は、特に限定されず、例えば1~4個、好ましくは1又は2個である。
一の態様において、上記フェニレン基及びナフチレン基は、置換基を有していてもよい。置換基の数は、特に限定されず、例えば1~4個、好ましくは1又は2個である。置換されているフェニレン基としては、2,5-置換フェニレンが好ましい。
上記アリーレン基に関する置換基は、それぞれ独立して、-R41-R42である。
41は、単結合、酸素原子、又は硫黄原子であり、好ましくは単結合又は酸素原子であり、より好ましくは酸素原子である。
42は、ハロゲンにより置換されていてもよいC1-12アルキル基、-(O-R43、-R44-R45、-R44-OR46である。
上記ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素であり、好ましくはフッ素である。
42におけるC1-12アルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。
43は、C1-6アルキレン基、好ましくはC2-4アルキレン基である。かかるアルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。
44は、C1-12アルキレン基、好ましくはC1-6アルキレン基である。かかるアルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。
45は、-CH=CH、又は-OCOCH=CHである。
46は、水素原子、又はC1-6アルキル基である。かかるアルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。C1-6アルキル基は、好ましくはC1-3アルキル基、より好ましくはC1-2アルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
は、それぞれ独立して、単結合、又はC1-6アルキレン基である。かかるC1-6アルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい
一の態様において、Rは、単結合である。
別の態様において、Rは、C1-6アルキレン基である。
は、それぞれ独立して、単結合、又は酸素原子である。
一の態様において、Rは、単結合である。
別の態様において、Rは、酸素原子である。
は、それぞれ独立して、炭化水素基である。かかる炭化水素基は、置換されていてもよい。
は、それぞれ独立して、好ましくは非置換炭化水素基、又はハロゲン原子により置換されている炭化水素基である。かかるハロゲン原子は、好ましくはフッ素原子である。
は、それぞれ独立して、好ましくはハロゲン原子により置換されていてもよいC1-18アルキル基又はアリール基、より好ましくはC1-18アルキル基又はアリール基である。
上記C1-18アルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。C1-18アルキル基は、好ましくはC1-10アルキル基、より好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはC1-4アルキル基、さらにより好ましくはメチル基である。
上記アリール基は、好ましくはフェニル基である。
一の態様において、Rは、それぞれ独立して、C1-6アルキル基、好ましくはC1-4アルキル基、より好ましくはメチル基である。
別の態様において、Rは、フェニル基である。
別の態様において、Rは、それぞれ独立して、メチル基又はフェニル基、好ましくはメチル基である。
xは、0~200の整数、好ましくは0~100の整数、より好ましくは1~100の整数、さらに好ましくは5~50の整数、さらにより好ましくは10~30の整数である。
一の態様において、xは0である。
一の態様において、xは1~200、好ましくは1~100の整数、より好ましくは5~50の整数、さらに好ましくは10~30の整数である。
yは、0~200の整数、好ましくは0~100の整数、より好ましくは1~100の整数、さらに好ましくは5~50の整数、さらにより好ましくは10~30の整数である。
一の態様において、yは0である。
一の態様において、yは1~200、好ましくは1~100の整数、より好ましくは5~50の整数、さらに好ましくは10~30の整数である。
zは、0~200の整数、好ましくは0~100の整数、より好ましくは1~100の整数、さらに好ましくは5~50の整数、さらにより好ましくは10~30の整数である。
一の態様において、zは0である。
一の態様において、zは1~200、好ましくは1~100の整数、より好ましくは5~50の整数、さらに好ましくは10~30の整数である。
一の態様において、yは0であり、zは0である。
SOは、ランダムポリマーであっても、ブロックポリマーであってもよい。
は、炭化水素基、又はA基である。A基は、上記Rについて記載したA基と同意義である。
は、それぞれ独立して、炭化水素基である。
及びRにおける炭化水素基は、置換されていてもよい。
及びRは、それぞれ独立して、好ましくは非置換炭化水素基、又はハロゲン原子により置換されている炭化水素基である。かかるハロゲン原子は、好ましくはフッ素原子である。
及びRは、それぞれ独立して、好ましくはハロゲン原子により置換されていてもよいC1-18アルキル基又はアリール基、より好ましくはC1-18アルキル基又はアリール基である。
上記C1-18アルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。C1-18アルキル基は、好ましくはC1-10アルキル基、より好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはC1-4アルキル基、さらにより好ましくはメチル基である。
上記アリール基は、好ましくはフェニル基である。
一の態様において、R及びRは、それぞれ独立して、C1-6アルキル基、好ましくはC1-4アルキル基、より好ましくはメチル基である。
別の態様において、R及びRは、フェニル基である。
別の態様において、R及びRは、それぞれ独立して、メチル基又はフェニル基、好ましくはメチル基である。
式(1C)中、RSiは、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子を含む1価の基である。RSiは、式(1A)に関するRSiと同意義である。
は、主に撥水性等の機能を提供するシロキサン部又はシルアルキレン部(RSO1又はRSO2)と基材との結合能を提供するシラン部(RSi)とを連結するリンカーと解される。従って、当該Xは、式(1C)及び(2C)で表される化合物が安定に存在し得るものであれば、いずれの基であってもよい。
式(1C)において、αは1~9の整数であり、βは1~9の整数である。これらα及びβは、Xの価数に応じて変化し得る。α及びβの和は、Xの価数と同じである。例えば、Xが10価の有機基である場合、α及びβの和は10であり、例えばαが9かつβが1、αが5かつβが5、又はαが1かつβが9となり得る。また、Xが2価の有機基である場合、α及びβは1である。
式(2C)において、γは1~9の整数である。γは、Xの価数に応じて変化し得る。即ち、γは、Xの価数から1を引いた値である。
は、それぞれ独立して、単結合又は2~10価の有機基である。
における2~10価の有機基は、好ましくは2~8価の有機基である。一の態様において、かかる2~10価の有機基は、好ましくは2~4価の有機基であり、より好ましくは2価の有機基である。別の態様において、かかる2~10価の有機基は、好ましくは3~8価の有機基、より好ましくは3~6価の有機基である。
一の態様において、Xは、単結合又は2価の有機基であり、α、β、及びγは1である。
一の態様において、Xは3~6価の有機基であり、αは1であり、βは2~5であり、γは2~5である。
一の態様において、Xは、3価の有機基であり、αは1であり、βは2である。
が、単結合又は2価の有機基である場合、式(1C)及び(2C)は、下記式(1C’)及び(2C’)で表される。
Figure 2024025758000026
一の態様において、Xは2価の有機基である。
一の態様において、Xとしては、例えば、下記式:
-(R51p5-(X51q5
[式中:
51は、単結合、-(CHs5-又はo-、m-もしくはp-フェニレン基であり、好ましくは-(CHs5-であり、
s5は、1~20の整数、好ましくは1~15の整数、より好ましくは1~10の整数、さらにより好ましくは1~6の整数、例えば1~3の整数であり、あるいは、1~20の整数、好ましくは4~15の整数、より好ましくは7~13の整数であり、
51は、-(X52l5-であり、
52は、それぞれ独立して、-O-、-S-、o-、m-もしくはp-フェニレン基、-CO-、-C(O)O-、-CONR54-、-O-CONR54-、-NR54-及び-(CHn5-からなる群から選択される基であり、
54は、それぞれ独立して、水素原子、又は1価の有機基であり、好ましくは水素原子、フェニル基、C1-6アルキル基(好ましくはメチル基)又は炭素数1~10のオキシアルキレン含有基であり、
n5は、それぞれ独立して、1~20の整数、好ましくは1~15の整数、より好ましくは1~10の整数、さらにより好ましくは1~6の整数、例えば1~3の整数であり、
l5は、1~10の整数、好ましくは1~5の整数、より好ましくは1~3の整数であり、
p5は、0又は1であり、
q5は、0又は1であり、
ここに、p5及びq5の少なくとも一方は1であり、p5又はq5を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は任意である]
で表される2価の有機基が挙げられる。ここに、X(典型的にはXの水素原子)は、フッ素原子、C1-3アルキル基及びC1-3フルオロアルキル基から選択される1個又はそれ以上の置換基により置換されていてもよい。好ましい態様において、Xは、これらの基により置換されていない。
上記炭素数1~10のオキシアルキレン含有基は、-O-C1-10アルキレン-を含む基であり、例えば、-R55-(-O-C1-10アルキレン)-R56(式中、R55は、単結合又は2価の有機基、好ましくはC1-6アルキレン基であり、nは任意の整数、好ましくは2~10の整数であり、R56は、水素原子又は1価の有機基、好ましくはC1-6アルキル基である。)である。上記アルキレン基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。
好ましい態様において、Xは、それぞれ独立して、-(R51p5-(X51q5-R52-である。R52は、単結合、-(CHt5-又はo-、m-もしくはp-フェニレン基であり、好ましくは-(CHt5-である。t5は、1~20の整数、好ましくは2~6の整数、より好ましくは2~3の整数である。ここに、R52(典型的にはR52の水素原子)は、フッ素原子、C1-3アルキル基及びC1-3フルオロアルキル基から選択される1個又はそれ以上の置換基により置換されていてもよい。好ましい態様において、R56は、これらの基により置換されていない。
好ましくは、Xは、それぞれ独立して、
1-20アルキレン基、
-R51-X53-R52-、又は
[式中、R51及びR52は、上記と同意義であり、
53は、
-O-、
-S-、
-CO-、
-C(O)O-、
-CONR54-、
-O-CONR54-、
-O-(CHu5-CONR54-、
-O-(CHu5-CO-、又は
-CONR54-(CHu5-N(R54)-、
(式中、R54は、上記と同意義であり、
u5は1~20の整数、好ましくは2~6の整数、より好ましくは2~3の整数である。)である。]
であり得る。
より好ましくは、Xは、それぞれ独立して、
1-20アルキレン基、
-(CHs5-X53-、
-X53-(CHt5-、又は
-(CHs5-X53-(CHt5
[式中、X53、s5及びt5は、上記と同意義である。]
である。
好ましい態様において、Xは、それぞれ独立して、
1-20アルキレン基、
-(CHs5-X53-、
-X53-(CHt5-又は
-(CHs5-X53-(CHt5
[式中、
53は、-O-、-CO-、-CONR54-、-O-CONR54-、-O-(CHu5-CONR54-、又は-O-(CHu5-CO-であり、
54は、それぞれ独立して、水素原子、フェニル基、C1-6アルキル基(好ましくはメチル基)又は炭素数1~10のオキシアルキレン含有基であり、
s5、t5、及びu5は、上記と同意義である。]
であり得る。
好ましい態様において、Xは、それぞれ独立して、
-(CHs5-O-(CHt5-、
-(CHs5-CONR54-(CHt5-、
-(CHs5-O-(CHu5-CO-、又は
-(CHs5-O-(CHu5-CONR54-(CHt5
[式中、
54は、それぞれ独立して、水素原子、フェニル基、C1-6アルキル基(好ましくはメチル基)又は炭素数1~10のオキシアルキレン含有基であり、
s5、t5、及びu5は、上記と同意義である。]
であり得る。
好ましい態様において、Xは、C1-20アルキレン基、又は-(CHs5-CONH-(CHt5-である。
一の態様において、Xは、C1-20アルキレン基である。
別の態様において、Xは、-(CHs5-CONH-(CHt5-である。
は、それぞれ独立して、フッ素原子、C1-3アルキル基及びC1-3フルオロアルキル基(好ましくは、C1-3パーフルオロアルキル基)から選択される1個又はそれ以上の置換基により置換されていてもよい。一の態様において、Xは、非置換である。
尚、上記Xは、各式の左側がRS1又はRS2に結合し、右側がRに結合する。
一の態様において、本開示のシラン化合物は、式(1C)で表されるシラン化合物である。
一の態様において、本開示のシラン化合物は、式(2C)で表されるシラン化合物である。
上記式(1C)又は(2C)で表されるシラン化合物は、特に限定されるものではないが、5×10~1×10の数平均分子量を有し得る。上記式(1C)又は(2C)で表されるシラン化合物は、好ましくは1,000~30,000、より好ましくは1,500~10,000の数平均分子量を有することが、摩耗耐久性の観点から好ましい。なお、かかる「数平均分子量」は、H-NMRにより測定される値とする。
上記シラン化合物は、例えば、シロキサン又はシルアルキレン構造を有する化合物と、加水分解性シラン基を有する化合物とを反応させることにより得ることができる。
ポリシルアルキレンの合成は、例えば、シラシクロブタンの開環重合による方法が知られている(特開2015-54945号公報)。
上記合成に用いられるモノマーとしては、シラシクロアルカン(環状シルアルキレン)を用いることができる。例えば、1,1-ジメチルシラシクロブタン、1,1-ジメチルシラシクロペンタン、1,1-ジメチルシラシクロヘキサン、4,4-ジメチル-1-オキサ-4-シラシクロヘキサン、1-エチル-1-メチルシラシクロブタン、1-メチル-1-プロピルシラシクロブタン、1-ブチル-1-メチルシラシクロブタン、1-ヘキシル-1-メチルシラシクロブタン、1-メチル-1-オクチルシラシクロブタン等が挙げられる。
ポリシルアルキレンシロキサンの合成は、例えば、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンの重縮合、あるいは、2,2,5,5-テトラメチル-2,5-ジシラ-1-オキサシクロペンタンの開環重合による方法が知られている(Org. Lett., Vol. 8, No. 21, 2006, 4683)。
上記の重縮合に用いられるモノマーとしては、ジクロロシラン化合物またはジアルコキシシラン化合物を用いることができる。例えば、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタン、1,3-ビス(クロロジメチルシリル)プロパン、1,6-ビス(クロロジメチルシリル)ヘキサン、1,8-ビス(クロロジメチルシリル)オクタン、1,2-ビス(メトキシジメチルシリル)エタン、1,3-ビス(メトキシジメチルシリル)プロパン、1,6-ビス(メトキシジメチルシリル)ヘキサン、1,8-ビス(メトキシジメチルシリル)オクタン等が挙げられる。
上記の開環重合に用いるモノマーとしては、環状シルアルキレンシロキサン化合物を用いることができる。例えば、2,2,5,5-テトラメチル-2,5-ジシラ-1-オキサシクロペンタン、2,2,6,6-テトラメチル-2,6-ジシラ-1-オキサシクロヘキサン、2,2,4,4,6,6,8,8-オクタメチル-2,4,6,8-テトラシラ-1,5-ジオキサシクロオクタン等が挙げられる。
上記開環重合、又は重縮合の後に、得られたポリシルアルキレン、またはポリシルアルキレンシロキサンを、反応性シラン基を有する化合物と反応させることにより、シルアルキレン構造を有する化合物の末端にオレフィンを導入することができる。反応性シラン基を有する化合物としては、モノクロロシラン化合物を用いることができる。
上記モノクロロシラン化合物としては、例えば、下記に示すような、末端にオレフィン構造を有するモノクロロシラン化合物が挙げられる。
Figure 2024025758000027
次いで、下記式(1Ca-1)又は(2Ca-1):
S1-R61-CH=CH (1Ca-1)
CH=CH-R61-RS2-R61-CH=CH (2Ca-1)
[式中、
S1及びRS2は、式(1C)及び(2C)におけるRS1及びRS2と同意義であり、
61は、単結合、又は二価の有機基である。]
で表される化合物と、式(4C):
HSiR60 (4C)
[式中、R60は、それぞれ独立して、ハロゲン原子(例えば、I、Br、Cl、F等)またはC1-6アルコキシ基である。]
で表される化合物と反応させて、下記式(1Ca-2)又は(2Ca-2):
S1-R61-CHCH-SiR60 (1Ca-2)
60 Si-CHCH-R61-RS2-R61-CHCH-SiR60 (2Ca-2)
[式中、各記号は、上記と同意義である。]
で表される化合物を得る。次いで、式(1Ca-2)又は(2Ca-2)で表される化合物と、下記式(5C):
Hal-J-R62-CH=CH (5C)
[式中:
Halは、ハロゲン原子(例えば、I、Br、Cl、F等)であり、
Jは、Mg、Cu、PdまたはZnであり、
62は、結合、又はC1-12アルキレン基である。]
で表される化合物と反応させることにより、下記式(1Ca-3)又は(2Ca-3):
S1-R61’-Si(R62-CH=CH (1Ca-3)
(CH=CH-R62Si-R61’-RS2-R61’-Si(R62-CH=CH (2Ca-3)
[式中、
61’は、二価の有機基であり、
他の記号は、上記と同意義である。]
で表される化合物を得る。次いで、式(1Ca-3)又は(2Ca-3)で表される化合物と、下記式(6C):
HSiR63 64 3-m (6C)
[式中、
63は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
64は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
mは、1~3である。]
で表される化合物と反応させることにより、式(1C-1)又は(2C-1):
S1-R61’-Si(R62’-SiR63 64 3-m (1C-1)
(R63 64 3-mSi-R62’Si-R61’-RS2-R61’-Si(R62’-SiR63 64 3-m (2C-2)
[式中、
62’は、C2-14アルキレン基であり、
他の記号は、上記と同意義である。]
で表されるシラン化合物を得ることができる。
別の方法として、上記で得られたポリシルアルキレン、またはポリシルアルキレンシロキサンを、反応性シラン基を有する化合物と反応させることにより、シルアルキレン構造を有する化合物の末端にカルボニル基を導入することができる。
反応性シラン基を有する化合物は、例えば、式:
74Si(R71-R72-COOR73
[式中:
71は、それぞれ独立して、ハロゲン原子に置換されていてもよい、C1-12アルキル基、好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基、さらに好ましくはメチル基であり、
72は、ハロゲン原子に置換されていてもよい、C2-12アルキレン基、好ましくはC3-5アルキレン基であり、
73は、水素原子、又はハロゲン原子に置換されていてもよい、C1-3アルキル基、好ましくはメチル基、又はエチル基であり、より好ましくはメチル基であり、
74は、ハロゲン原子、水酸基、又は加水分解性基、好ましくはハロゲン原子、又は水酸基、より好ましくは塩素原子、又は水酸基である。]
で表される化合物である。上記アルキル基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。上記アルキル基は、好ましくは非置換である。上記アルキレン基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。上記アルキレン基は、好ましくは非置換である。上記ハロゲン原子は、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子であり、好ましくは塩素原子である。
具体的には、上記反応性シラン基を有する化合物としては、下記に示すような、末端にエステル構造を有するモノクロロシランを有する化合物が挙げられる。
Figure 2024025758000028
次いで、下記式(1Cb-1)又は(2Cb-1):
S1-R61-COOR65 (1Cb-1)
65OCO-R61-RS2-R61-COOR65 (2Cb-1)
[式中、
S1及びRS2は、式(1C)及び(2C)におけるRS1及びRS2と同意義であり、
61は、単結合、又は二価の有機基であり、
65は、水素原子、又はC1-6アルキル基である。]
で表される化合物と、式(7C):
NH-R66-C(R62-CH=CH (7C)
[式中、
62は、単結合、又はC1-12アルキレン基であり、
66は、単結合、又はC1-12アルキレン基である。]
で表される化合物と反応させて、下記式(1Cb-2)又は(2Cb-2):
S1-R61-CONH-R66-C(R62-CH=CH (1Cb-2)
(CH=CH-R62C-R66-NHCO-R61-RS2-R61-CONH-R66-C(R62-CH=CH (2Cb-2)
[式中、各記号は、上記と同意義である。]
で表される化合物を得る。次いで、式(1Cb-2)又は(2Cb-2)で表される化合物と、下記式(6C):
HSiR63 64 3-m (6C)
[式中、
63は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
64は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
mは、1~3である。]
で表される化合物と反応させることにより、式(1C-2)又は(2C-2):
S1-R61-CONH-R66-C(R62’-SiR63 64 3-m (1C-2)
(R63 64 3-mSi-R62’C-R66-NHCO-R61-RS2-R61-CONH-R66-C(R62’-SiR63 64 3-m (2C-2)
[式中、
62’は、C2-14アルキレン基であり、
他の記号は、上記と同意義である。]
で表されるシラン化合物を得ることができる。
別の方法として、下記式(1Cb-1)又は(2Cb-1):
S1-R61-COOR65 (1Cb-1)
65OCO-R61-RS2-R61-COOR65 (2Cb-1)
[式中、
S1及びRS2は、式(1C)及び(2C)におけるRS1及びRS2と同意義であり、
61は、C1-12アルキレン基であり、
65は、水素原子、又はC1-6アルキル基である。]
で表される化合物と、式(8C):
HN(R62-CH=CH (8C)
[式中、
62は、C1-12アルキレン基である。]
で表される化合物と反応させて、下記式(1Cc-2)又は(2Cc-2):
S1-R61-CON(R62-CH=CH (1Cc-2)
(CH=CH-R62NCO-R61-RS2-R61-CON(R62-CH=CH (2Cc-2)
[式中、各記号は、上記と同意義である。]
で表される化合物を得る。次いで、式(1Cc-2)又は(2c-2)で表される化合物と、下記式(6C):
HSiR63 64 3-m (6C)
[式中、
63は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
64は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
mは、1~3である。]
で表される化合物と反応させることにより、式(1C-3)又は(2C-3):
S1-R61-CON(R62’-SiR63 64 3-m (1C-3)
(R63 64 3-mSi-R62’NCO-R61-RS2-R61-CON(R62’-SiR63 64 3-m (2C-3)
[式中、
62’は、C2-14アルキレン基であり、
他の記号は、上記と同意義である。]
で表されるシラン化合物を得ることができる。
別の方法として、下記式(1Cb-1)又は(2Cb-1):
S1-R61-COOR65 (1b-1)
65OCO-R61-RS2-R61-COOR65 (2Cb-1)
[式中、
S1及びRS2は、式(1C)及び(2C)におけるRS1及びRS2と同意義であり、
61は、C1-12アルキレン基であり、
65は、水素原子、又はC1-6アルキル基である。]
で表される化合物を、
M-R62-CH=CH
[式中:
Mは、金属含有基、例えばLi、ハロゲン-Mg、又はZnであり、
62は、C1-12アルキレン基である。]
で表される化合物と反応させて、下記式(1Cd-2)又は(2Cd-2):
S1-R61-C(OH)(R62-CH=CH (1Cd-2)
(CH=CH-R62(OH)C-R61-RS2-R61-C(OH)(R62-CH=CH (2Cd-2)
[式中、各記号は、上記と同意義である。]
で表される化合物を得る。次いで、式(1Cd-2)又は(2Cd-2)で表される化合物と、下記式(6C):
HSiR63 64 3-m (6C)
[式中、
63は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
64は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
mは、1~3である。]
で表される化合物と反応させることにより、式(1C-4)又は(2C-4):
S1-R61-C(OH)(R62’-SiR63 64 3-m (1C-4)
(R63 64 3-mSi-R62’(OH)C-R61-RS2-R61-C(OH)(R62’-SiR63 64 3-m (2C-4)
[式中、
62’は、C2-14アルキレン基であり、
他の各記号は、上記と同意義である。]
で表されるシラン化合物を得ることができる。
別の方法として、下記式(1Cd-2)又は(2Cd-2):
S1-R61-C(OH)(R62-CH=CH (1Cd-2)
(CH=CH-R62(OH)C-R61-RS2-R61-C(OH)(R62-CH=CH (2Cd-2)
[式中、各記号は、上記と同意義である。]
で表される化合物を、オレフィン化材、例えば、
69-R68-CH=CH
[式中、
68は、C1-12アルキレン基であり、
69は、ハロゲン原子、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子であり、好ましくは臭素原子である。]
で表される化合物と反応させて、下記式(1Ce-1)又は(2Ce-1):
S1-R61-C(OR68-CH=CH)(R62-CH=CH (1Ce-1)
(CH=CH-R62(CH=CH-R68O)C-R61-RS2-R61-C(OR68-CH=CH)(R62-CH=CH (2Ce-1)
[式中、各記号は、上記と同意義である。]
で表される化合物を得る。次いで、式(1Ce-1)又は(2Ce-1)で表される化合物と、下記式(6C):
HSiR63 64 3-m (6C)
[式中、
63は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
64は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
mは、1~3である。]
で表される化合物と反応させることにより、式(1C-5)又は(2C-5):
S1-R61-C(OR62’-SiR63 64 3-m)(R62’-SiR63 64 3-m (1C-5)
(R63 64 3-mSi-R62’(SiR63 64 3-m-R62’O)C-R61-RS2-R61-C(OR62’-SiR63 64 3-m)(R62’-SiR63 64 3-m (2C-5)
[式中、
62’は、それぞれ独立して、C2-14アルキレン基であり、
他の各記号は、上記と同意義である。]
で表されるシラン化合物を得ることができる。
別の方法として、下記式(1Cd-2)又は(2Cd-2):
S1-R61-C(OH)(R62-CH=CH (1Cd-2)
(CH=CH-R62(OH)C-R61-RS2-R61-C(OH)(R62-CH=CH (2Cd-2)
[式中、各記号は、上記と同意義である。]
で表される化合物を、ポリエーテル基導入剤、例えば
78-R75-(OR76-R77
[式中、
75は、C1-6アルキレン基であり、
76は、C1-6アルキレン基であり、
77は、水素原子、水酸基、又はC1-6アルキル基であり、
78は、ハロゲン原子、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子であり、好ましくは塩素原子であり、
xは、0~20の整数である。]
で表される化合物と反応させて、下記式(1Cf-1)又は(2Cf-1):
S1-R61-C(OR79)(R62-CH=CH (1Cf-2)
(CH=CH-R62(R79O)C-R61-RS2-R61-C(OR79)(R62-CH=CH (2Cf-2)
[式中:
79は、-R75-(OR76-R77であり、
他の各記号は、上記と同意義である。]
で表される化合物を得る。次いで、式(1Cf-1)又は(2Cf-1)で表される化合物と、下記式(6C):
HSiR63 64 3-m (6C)
[式中、
63は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
64は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
mは、1~3である。]
で表される化合物と反応させることにより、式(1C-6)又は(2C-6):
S1-R61-C(OR79)(R62’-SiR63 64 3-m (1C-6)
(R63 64 3-mSi-R62’(R79O)C-R61-RS2-R61-C(OR79)(R62’-SiR63 64 3-m (2C-6)
[式中、
62’は、それぞれ独立して、C2-14アルキレン基であり、
他の各記号は、上記と同意義である。]
で表されるシラン化合物を得ることができる。
本開示は、式(1C)又は(2C)で表される少なくとも1種のシラン化合物の製造中間体として下記を提供する。なお、下記式中、式(1C)及び(2C)と同じ記号は、式(1C)及び(2C)におけるものと同じものを示し、同様の態様を有する。
式(1Ca-3)又は(2Ca-3):
S1-R61’-Si(R62-CH=CH (1Ca-3)
(CH=CH-R62Si-R61’-RS2-R61’-Si(R62-CH=CH (2Ca-3)
[式中、
S1は、それぞれ独立して、R-R-SiR -であり、
S2は、-R-SiR -であり、
は、それぞれ独立して、下記式:
Figure 2024025758000029
(式中:
は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、-R-O-R-、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-であり、
は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、-R-O-R-、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-であり、
は、それぞれ独立して、C1-6アルキレン基であり、
は、それぞれ独立して、置換されていてもよい、フェニレン基、又はナフチレン基であり、
は、それぞれ独立して、単結合、又はC1-6アルキレン基であり、
は、それぞれ独立して、単結合、又は酸素原子であり、
は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、
xは、0~200の整数であり、
yは、0~200の整数であり、
zは、0~200の整数であり、
y+zは、1以上であり、
x、y、又はzを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。)
で表される基であり、
は、炭化水素基であり、
は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、
62は、単結合、又はC1-12アルキレン基であり、
61’は、二価の有機基である。]
で表される化合物。
式(1Cb-1)又は(2Cb-1):
S1-R61-COOR65 (1Cb-1)
65OCO-R61-RS2-R61-COOR65 (2Cb-1)
[式中、
S1は、それぞれ独立して、R-R-SiR -であり、
S2は、-R-SiR -であり、
は、それぞれ独立して、下記式:
Figure 2024025758000030
(式中:
は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、-R-O-R-、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-であり、
は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、-R-O-R-、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-であり、
は、それぞれ独立して、C1-6アルキレン基であり、
は、それぞれ独立して、置換されていてもよい、フェニレン基、又はナフチレン基であり、
は、それぞれ独立して、単結合、又はC1-6アルキレン基であり、
は、それぞれ独立して、単結合、又は酸素原子であり、
は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、
xは、0~200の整数であり、
yは、0~200の整数であり、
zは、0~200の整数であり、
y+zは、1以上であり、
x、y、又はzを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。)
で表される基であり、
は、炭化水素基であり、
は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、
61は、単結合、又は二価の有機基であり、
65は、水素原子、又はC1-6アルキル基である。]
で表される化合物。
式(1Cb-2)又は(2Cb-2):
S1-R61-CONR67-R66-C(R62-CH=CH (1Cb-2)
(CH=CH-R62C-R66-NR67CO-R61-RS2-R61-CONR67-R66-C(R62-CH=CH (2Cb-2)
[式中、
S1は、それぞれ独立して、R-R-SiR -であり、
S2は、-R-SiR -であり、
は、それぞれ独立して、下記式:
Figure 2024025758000031
(式中:
は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、-R-O-R-、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-であり、
は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、-R-O-R-、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-であり、
は、それぞれ独立して、C1-6アルキレン基であり、
は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアリーレン基であり、
は、それぞれ独立して、単結合、又はC1-6アルキレン基であり、
は、それぞれ独立して、単結合、又は酸素原子であり、
は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、
xは、0~200の整数であり、
yは、0~200の整数であり、
zは、0~200の整数であり、
y+zは、1以上であり、
x、y、又はzを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。)
で表される基であり、
は、炭化水素基であり、
は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、
61は、単結合、又は二価の有機基(好ましくは、C1-12アルキレン基)であり、
62は、単結合、又はC1-12アルキレン基であり、
66は、単結合、又はC1-12アルキレン基であり、
67は、水素原子、C1-18アルキル基、アリール基、又はポリエーテル基である。]
で表される化合物。
式(1Cc-2)又は(2Cc-2):
S1-R61-CON(R62-CH=CH (1Cc-2)
(CH=CH-R62NCO-R61-RS2-R61-CON(R62-CH=CH (2Cc-2)
[式中、
S1は、それぞれ独立して、R-R-SiR -であり、
S2は、-R-SiR -であり、
は、それぞれ独立して、下記式:
Figure 2024025758000032
(式中:
は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、-R-O-R-、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-であり、
は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、-R-O-R-、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-であり、
は、それぞれ独立して、C1-6アルキレン基であり、
は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアリーレン基であり、
は、それぞれ独立して、単結合、又はC1-6アルキレン基であり、
は、それぞれ独立して、単結合、又は酸素原子であり、
は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、
xは、0~200の整数であり、
yは、0~200の整数であり、
zは、0~200の整数であり、
y+zは、1以上であり、
x、y、又はzを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。)
で表される基であり、
は、炭化水素基であり、
は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、
61は、単結合、又は二価の有機基(好ましくは、C1-12アルキレン基)であり、
62は、単結合、又はC1-12アルキレン基である。]
で表される化合物。
式(1Cd-2)又は(2Cd-2):
S1-R61-C(OH)(R62-CH=CH (1Cd-2)
(CH=CH-R62(OH)C-R61-RS2-R61-C(OH)(R62-CH=CH (2Cd-2)
[式中、
S1は、それぞれ独立して、R-R-SiR -であり、
S2は、-R-SiR -であり、
は、それぞれ独立して、下記式:
Figure 2024025758000033
(式中:
は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、-R-O-R-、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-であり、
は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、-R-O-R-、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-であり、
は、それぞれ独立して、C1-6アルキレン基であり、
は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアリーレン基であり、
は、それぞれ独立して、単結合、又はC1-6アルキレン基であり、
は、それぞれ独立して、単結合、又は酸素原子であり、
は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、
xは、0~200の整数であり、
yは、0~200の整数であり、
zは、0~200の整数であり、
y+zは、1以上であり、
x、y、又はzを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。)
で表される基であり、
は、炭化水素基であり、
は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、
61は、単結合、又は二価の有機基(好ましくは、C1-12アルキレン基)であり、
62は、単結合、又はC1-12アルキレン基である。]
で表される化合物。
上記式中、R61は、二価の有機基である。一の態様において、R61は、単結合である。別の態様において、R61は、二価の有機基である。上記二価の有機基としては、好ましくは、C0-12アルキレン基-CONH-C0-12アルキレン基、又はC1-12アルキレン基である。
上記式中、R61’は、二価の有機基である。一の態様において、R61’は、C0-12アルキレン基-CONH-C2-14アルキレン基、又はC2-14アルキレン基である。
上記式中、R62は、単結合、又はC1-12アルキレン基である。
上記式中、R65は、水素原子、又はC1-6アルキル基である。
上記式中、R66は、水素原子、又はC1-6アルキル基である。
67は、水素原子、C1-18アルキル基、アリール基、又はポリエーテル基である。
本発明の組成物について説明する。
一の態様において、本開示の組成物は、式(1C)又は(2C)で表される少なくとも1種のシラン化合物を含有する。
一の態様において、本開示の組成物中、シラン化合物は、式(1C)で表される化合物である。
別の態様において、本開示の組成物中、シラン化合物は、式(2C)で表される化合物である。
別の態様において、本開示の組成物中、シラン化合物は、式(1C)で表される化合物及び式(2C)で表される化合物である。
本開示の組成物中、式(1C)で表される化合物と式(2C)で表される化合物との合計に対して、式(2C)で表される化合物が、好ましくは0.1モル%以上35モル%以下である。式(1C)で表される化合物と式(2C)で表される化合物との合計に対する式(2C)で表される化合物の含有量の下限は、好ましくは0.1モル%、より好ましくは0.2モル%、さらに好ましくは0.5モル%、さらにより好ましくは1モル%、特に好ましくは2モル%、特別には5モル%であり得る。式(1C)で表される化合物と式(2C)で表される化合物との合計に対する式(2C)で表される化合物の含有量の上限は、好ましくは35モル%、より好ましくは30モル%、さらに好ましくは20モル%、さらにより好ましくは15モル%又は10モル%であり得る。式(1C)で表される化合物と式(2C)で表される化合物との合計に対する式(2C)で表される化合物は、好ましくは0.1モル%以上30モル%以下、より好ましくは0.1モル%以上20モル%以下、さらに好ましくは0.2モル%以上10モル%以下、さらにより好ましくは0.5モル%以上10モル%以下、特に好ましくは1モル%以上10モル%以下、例えば2モル%以上10モル%以下又は5モル%以上10モル%以下である。
一の態様において、上記の式(1C)又は(2C)で表される化合物の含有量は、組成物全体に対して、好ましくは0.1~99.0質量%、より好ましくは1.0~80.0質量%、さらに好ましくは5.0~60.0質量%、特に好ましくは10.0~50.0質量%、例えば10.0~30.0質量%、又は10.0~30.0質量%であり得る。
別の態様において、上記の式(1C)又は(2C)で表される化合物の含有量は、組成物全体に対して、好ましくは0.001~30質量%、より好ましくは0.01~10質量%、さらに好ましくは0.05~5質量%、特に好ましくは0.05~2質量%であり得る。
一の態様において、本開示の組成物は、本開示のシラン化合物、及び本開示のシラン化合物の少なくとも一部が縮合した縮合体の少なくとも1つを含有する。
一の態様において、成分AにおけるX又はXと、成分BにおけるX又はXが同一の構造を有する。好ましい態様において、X、X、及びXは、アミド結合を含む同一の構造を有する。
本開示の組成物において、成分Aと成分Bの質量比(成分A:成分B)は、好ましくは1:99~99:1、より好ましくは10:90~90:10、さらに好ましくは20:80~80:20、例えば50:50~80:20であり得る。
一の態様において、成分Aは式(1A)で表される化合物、成分Bは式(1B)で表される化合物の組み合わせが好ましい。
一の態様において、成分Aは式(1A)で表される化合物、成分Bは式(1C)で表される化合物の組み合わせが好ましい。
一の態様において、成分Aは式(1A)で表される化合物、成分Bは式(2C)で表される化合物の組み合わせが好ましい。
一の態様において、成分Aは式(1B)で表される化合物、成分Bは式(1B)で表される化合物の組み合わせが好ましい。
一の態様において、成分Aは式(1B)で表される化合物、成分Bは式(1C)で表される化合物の組み合わせが好ましい。
一の態様において、成分Aは式(1B)で表される化合物、成分Bは式(2C)で表される化合物の組み合わせが好ましい。
本開示の組成物に含まれる成分Aと成分Bにおいて、末端のRSiは、同じであっても、異なっていてもいい。
本開示の組成物は、2種以上の成分Aを含んでいてもよい。また、本開示の組成物は、2種以上の成分Bを含んでいてもよい。本開示の組成物は、2種以上の成分Aと2種以上の成分Bを含んでいてもよく、いずれか一方が2種以上で、いずれか一方が1種であってもよい。
一の態様において、本開示の組成物において、質量基準で、成分Aの含有量は、成分Bの含有量よりも大きい。成分Aを成分Bよりも多くすることにより、得られる表面処理層の耐久性がより向上する。
別の態様において、本開示の組成物において、質量基準で、成分Bの含有量は、成分Aの含有量よりも大きい。成分Bを成分Aよりも多くすることにより、得られる表面処理層の指紋拭き取り性がより向上する。
本開示の組成物は、溶媒、シリコーンオイルとして理解され得る(非反応性の)シリコーン化合物(以下、「シリコーンオイル」と言う)、アミン化合物、アルコール類、触媒、界面活性剤、重合禁止剤、増感剤等を含み得る。
一の態様において、本開示の表面処理剤は、R90-OHで表される化合物を含む。
90は1価の有機基であり、好ましくはC1-20アルキル基又はC3-20アルキレン基であり、これらの基は1以上の置換基により置換されていてもよい。置換基としては、例えば、水酸基、-OR91(ここで、R91はC1-10アルキル基、好ましくはC1-3アルキル基、例えばメチル基)を挙げることができる。
一の態様において、本開示の表面処理剤は、R81OR82、R83 n86-n8、R848586Si-(O-SiR8788m8-R89、及び(OSiR8788m9
[式中
81~R89は、それぞれ独立して、炭素数1~10個の一価の有機基であり、
m8は、1~6の整数であり、
m9は、3~8の整数であり、
n8は、0~6の整数である。]
で表される化合物から選択される溶媒を含み得る。
上記炭素数1~10個の一価の有機基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、さらに環状構造を含んでいてもよい。
一の態様において、上記炭素数1~10個の一価の有機基は、酸素原子、窒素原子、又はハロゲン原子を含んでいてもよい。
別の態様において、上記炭素数1~10個の一価の有機基は、ハロゲン原子を含まない。
好ましい態様において、上記炭素数1~10個の一価の有機基は、ハロゲンにより置換されていてもよい炭化水素基、好ましくはハロゲンにより置換されていない炭化水素基である。
一の態様において、上記炭化水素基は、直鎖である。
別の態様において、上記炭化水素基は、分枝鎖である。
別の態様において、上記炭化水素基は、環状構造を含む。
一の態様において、上記溶媒は、R81OR82である。
81及びR82は、それぞれ独立して、好ましくは炭素数1~8の炭化水素基、より好ましくはC1-6のアルキル基、又はC5-8のシクロアルキル基であり得る。
一の態様において、上記溶媒は、R83 n86-n8である。
6-n8は、n8価のベンゼン環である。即ち、R83 n86-n8は、n8個のR83により置換されたベンゼンである。
83は、それぞれ独立して、ハロゲン、又はハロゲンにより置換されていてもよいC1-6のアルキル基であり得る。
n8は、好ましくは1~3の整数である。
一の態様において、上記溶媒は、R848586Si-(O-SiR8788m8-R89である。
一の態様において、上記溶媒は、(OSiR8788m9である。(OSiR8788m9は、複数のOSiR8788単位が環状に結合することにより形成される環状シロキサンである。
84~R89は、それぞれ独立して、水素原子、又はC1-6のアルキル基、好ましくはC1-6のアルキル基、より好ましくはC1-3のアルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
m8は、好ましくは1~6の整数、より好ましくは1~5の整数であり、さらに好ましくは1~2であ。
m9は、好ましくは3~6の整数、より好ましくは3~5の整数である。
一の態様において、上記溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸セロソルブ、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、酢酸カルビトール、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル-2-ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、酢酸アミル、乳酸メチル、乳酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、2-ヒドロキシイソ酪酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2-ヘキサノン、シクロヘキサノン、メチルアミノケトン、2-ヘプタノン等のケトン類;エチルセルソルブ、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテル等のグリコールエーテル類;メタノール、エタノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、sec-ブタノール、3-ペンタノール、オクチルアルコール、3-メチル-3-メトキシブタノール、tert-アミルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等の環状エーテル類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド類;メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテルアルコール類;ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート;シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類;ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン等のシロキサン類;1,1,2-トリクロロ-1,2,2-トリフルオロエタン、1,2-ジクロロ-1,1,2,2-テトラフルオロエタン、ジメチルスルホキシド、1,1-ジクロロ-1,2,2,3,3-ペンタフルオロプロパン(HCFC225)、ゼオローラH、1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、HFE7100、HFE7200、HFE7300、CFCHOH、CFCFCHOH、(CFCHOH等のフッ素含有溶媒等が挙げられる。あるいはこれらの2種以上の混合溶媒等が挙げられる。なかでも、脂肪族炭化水素類、エステル類、グリコールエーテル類、アルコール類、エーテルアルコール類、シロキサン類が好ましい。例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、ミネラルスピリット、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、メタノール、エタノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、sec-ブタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサンオクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロペンタシロキサンが好ましい。
シリコーンオイルとしては、特に限定されるものではないが、例えば、以下の一般式(3a):
1a-(SiR3a -O)a1-SiR3a -R1a ・・・(3a)
[式中:
1aは、それぞれ独立して、水素原子又は炭化水素基であり、
3aは、それぞれ独立して、水素原子又は炭化水素基であり、
a1は、2~3000である。]
で表される化合物が挙げられる。
上記R3aは、それぞれ独立して、水素原子又は炭化水素基である。かかる炭化水素基は、置換されていてもよい。
3aは、それぞれ独立して、好ましくは非置換炭化水素基、又はハロゲン原子により置換されている炭化水素基である。かかるハロゲン原子は、好ましくはフッ素原子である。
3aは、それぞれ独立して、好ましくはハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基又はアリール基、より好ましくはC1-6アルキル基又はアリール基である。
上記C1-6アルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖
である。C1-6アルキル基は、好ましくはC1-3アルキル基、より好ましくはメチル基である。
上記アリール基は、好ましくはフェニル基である。
一の態様において、R3aは、それぞれ独立して、C1-6アルキル基、好ましくはC1-3アルキル基、より好ましくはメチル基である。
別の態様において、R3aは、フェニル基である。
別の態様において、R3aは、メチル基又はフェニル基、好ましくはメチル基である。
上記R1aは、それぞれ独立して、水素原子又は炭化水素基であり、上記R3aと同意義である。
1aは、それぞれ独立して、好ましくはハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基又はアリール基、より好ましくはC1-6アルキル基又はアリール基である。
一の態様において、R1aは、それぞれ独立して、C1-6アルキル基、好ましくはC1-3アルキル基、より好ましくはメチル基である。
別の態様において、R1aは、フェニル基である。
別の態様において、R1aは、メチル基又はフェニル基、好ましくはメチル基である。
上記a1は、2~1500である。a1は、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、さらに好ましくは15以上、例えば30以上、又は50以上であり得る。a1は、好ましくは1000以下、より好ましくは500以下、さらに好ましくは200以下、さらにより好ましくは150以下、例えば100以下、又は80以下であり得る。
a1は、好ましくは5~1000、より好ましくは10~500、さらに好ましくは15~200、さらにより好ましくは15~150であり得る。
別のシリコーンオイルとしては、下記(3b):
1a-RS2-R3a ・・・(3b)
[式中:
1aは、それぞれ独立して、炭化水素基であり、
3aは、それぞれ独立して、炭化水素基であり、
S2は、式(2)の記載と同意義である。]
で表される化合物が挙げられる。
上記シリコーンオイルは、500~1000000、好ましくは1000~100000の平均分子量を有していてよい。シリコーンオイルの分子量は、GPCを用いて測定し得る。
上記シリコーンオイルとしては、例えば-(SiR3a -O)a1―のa1が30以下の直鎖状又は環状のシリコーンオイルを用い得ることができる。直鎖状のシリコーンオイルは、いわゆるストレートシリコーンオイル及び変性シリコーンオイルであってよい。ストレートシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルが挙げられる。変性シリコーンオイルとしては、ストレートシリコーンオイルを、アルキル、アラルキル、ポリエーテル、高級脂肪酸エステル、フルオロアルキル、アミノ、エポキシ、カルボキシル、アルコールなどにより変性したものが挙げられる。環状のシリコーンオイルは、例えば環状ジメチルシロキサンオイルなどが挙げられる。
上記シリコーンオイルは、本開示の組成物に対して、例えば0~50質量%、好ましくは0.001~30質量%、より好ましくは0.1~5質量%含まれ得る。
本開示の組成物中、かかるシリコーンオイルは、上記本開示の化合物の合計100質量部(2種以上の場合にはこれらの合計、以下も同様)に対して、例えば0~300質量部、好ましくは0~100質量部、より好ましくは0~50質量部、更に好ましくは0~10質量部で含まれ得る。
シリコーンオイルは、表面処理層の表面滑り性を向上させるのに寄与する。
上記アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、sec-ブタノール、3-ペンタノール、オクチルアルコール、3-メチル-3-メトキシブタノール、tert-アミルアルコールが挙げられる。これらのアルコール類を組成物に添加することにより、組成物の安定性を向上させる。
上記触媒としては、酸(例えば酢酸、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、スルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等)、塩基(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、トリエチルアミン、ジエチルアミン等)、遷移金属(例えばTi、Ni、Sn、Zr、Al、B、Si、Ta、Nb、Mo、W、Cr、Hf、V等)、分子構造内に非共有電子対を有する含硫黄化合物、または含窒素化合物(例えばスルホキシド化合物、脂肪族アミン化合物、芳香族アミン化合物、リン酸アミド化合物、アミド化合物、尿素化合物)等が挙げられる。
上記脂肪族アミン化合物としては、例えば、ジエチルアミン、トリエチルアミン等を挙げることができる。上記芳香族アミン化合物としては、例えば、アニリン、ピリジン等を挙げることができる。
好ましい態様において、上記遷移金属は、M-R(式中、Mは、遷移金属原子であり、Rは加水分解性基である。)で表される遷移金属化合物として含まれる。遷移金属化合物を、遷移金属と加水分解性基とが結合した化合物とすることにより、より効率的に遷移金属原子を表面処理層に含ませることができ、表面処理層の摩擦耐久性および耐薬品性をさらに向上させることができる。
上記加水分解性基とは、上記化合物に関する加水分解性基と同様に、加水分解反応を受け得る基を意味し、すなわち、加水分解反応により、遷移金属原子から脱離し得る基を意味する。加水分解性基の例としては、-OR、-OCOR、-O-N=CR 、-NR 、-NHR、-NCO、ハロゲン(これら式中、Rは、置換または非置換のC1-4アルキル基を示す)などが挙げられる。
好ましい態様において、上記加水分解性基とは、-ORであり、好ましくはメトキシまたはエトキシである。加水分解性基としてアルコキシ基を用いることにより、より効率的に遷移金属原子を表面処理層に含ませることができ、表面処理層の摩擦耐久性および耐薬品性をさらに向上させることができる。
一の態様において、上記加水分解性基は、上記した化合物に含まれる加水分解性基と同じであってもよい。化合物と遷移金属化合物における加水分解性基を同じ基とすることにより、かかる加水分解性基が相互に交換された場合であっても、その影響を小さくすることができる。
別の態様において、上記加水分解性基は、上記した化合物に含まれる加水分解性基と異なっていてもよい。化合物と遷移金属化合物における加水分解性基を異なるものとすることにより、加水分解の反応性を制御することができる。
一の態様において、上記加水分解性基と、上記化合物に含まれる加水分解性基は、組成物中において、相互に入れ替わっていてもよい。
好ましい態様において、上記遷移金属化合物は、Ta(OR(式中、Rは置換または非置換のC1-4アルキル基である。)であり、好ましくはTa(OCHCH、又はSi(OR1-m1m’ m1(式中、Rは置換または非置換のC1-4アルキル基であり、Rm’は、C1-4アルキル基であり、m1は、0又は1である。)、好ましくはテトラエトキシシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、又はジメチルジメトキシシランであり得る。
上記触媒は、組成物全体に対して、例えば、0.0002質量%以上含まれ得る。上記触媒は、組成物全体に対して、0.02質量%以上含まれることが好ましく、0.04質量%以上含まれることがより好ましい。上記触媒は、組成物全体に対して、例えば、10質量%以下含まれてもよく、特に1質量%以下含まれる。本開示の組成物は、上記触媒が、上記のような濃度含むことによって、より耐久性の良好な表面処理層の形成に寄与し得る。
上記触媒の含有量は、本開示の化合物に対して0~10質量%が好ましく、0~5質量%がより好ましく、0~1質量%が特に好ましい。
触媒は、本開示の化合物の加水分解及び脱水縮合を促進し、本開示の組成物により形成される層の形成を促進する。
他の成分としては、上記以外に、例えば、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン等も挙げられる。
本開示の組成物は、上記した成分に加え、不純物として、例えばPt、Rh、Ru、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン、トリフェニルホスフィン、NaCl、KCl、シランの縮合物などを微量含み得る。
一の態様において、本開示の組成物は、乾燥被覆法、好ましくは真空蒸着用である。
一の態様において、本開示の組成物は、湿潤被覆法、好ましくは浸漬コーティング用である。
本開示の組成物は、多孔質物質、例えば多孔質のセラミック材料、金属繊維、例えばスチールウールを綿状に固めたものに含浸させて、ペレットとすることができる。当該ペレットは、例えば、真空蒸着に用いることができる。
本開示の組成物は、好ましくは表面処理剤として、又は表面処理剤の成分として用いられる。
以下、本開示の物品について説明する。
本開示の物品は、基材と、該基材表面に本開示の表面処理剤より形成された層(表面処理層)とを含む。
本開示において使用可能な基材は、例えば、ガラス、樹脂(天然又は合成樹脂、例えば一般的なプラスチック材料であってよい)、金属、セラミックス、半導体(シリコン、ゲルマニウム等)、繊維(織物、不織布等)、毛皮、皮革、木材、陶磁器、石材等、建築部材等、衛生用品、任意の適切な材料で構成され得る。
例えば、製造すべき物品が光学部材である場合、基材の表面を構成する材料は、光学部材用材料、例えばガラス又は透明プラスチックなどであってよい。また、製造すべき物品が光学部材である場合、基材の表面(最外層)に何らかの層(又は膜)、例えばハードコート層や反射防止層などが形成されていてもよい。反射防止層には、単層反射防止層及び多層反射防止層のいずれを使用してもよい。反射防止層に使用可能な無機物の例としては、SiO、SiO、ZrO、TiO、TiO、Ti、Ti、Al、Ta、Ta,Nb、HfO、Si、CeO、MgO、Y、SnO、MgF、WOなどが挙げられる。これらの無機物は、単独で、又はこれらの2種以上を組み合わせて(例えば混合物として)使用してもよい。多層反射防止層とする場合、その最外層にはSiO及び/又はSiOを用いることが好ましい。製造すべき物品が、タッチパネル用の光学ガラス部品である場合、透明電極、例えば酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛などを用いた薄膜を、基材(ガラス)の表面の一部に有していてもよい。また、基材は、その具体的仕様等に応じて、絶縁層、粘着層、保護層、装飾枠層(I-CON)、霧化膜層、ハードコーティング膜層、偏光フィルム、相位差フィルム、及び液晶表示モジュールなどを有していてもよい。
上記基材の形状は、特に限定されず、例えば、板状、フィルム、その他の形態であってよい。また、表面処理層を形成すべき基材の表面領域は、基材表面の少なくとも一部であればよく、製造すべき物品の用途及び具体的仕様等に応じて適宜決定され得る。
一の態様において、かかる基材としては、少なくともその表面部分が、水酸基を元々有する材料から成るものであってよい。かかる材料としては、ガラスが挙げられ、また、表面に自然酸化膜又は熱酸化膜が形成される金属(特に卑金属)、セラミックス、半導体等が挙げられる。あるいは、樹脂等のように、水酸基を有していても十分でない場合や、水酸基を元々有していない場合には、基材に何らかの前処理を施すことにより、基材の表面に水酸基を導入したり、増加させたりすることができる。かかる前処理の例としては、プラズマ処理(例えばコロナ放電)や、イオンビーム照射が挙げられる。プラズマ処理は、基材表面に水酸基を導入又は増加させ得ると共に、基材表面を清浄化する(異物等を除去する)ためにも好適に利用され得る。また、かかる前処理の別の例としては、炭素-炭素不飽和結合基を有する界面吸着剤をLB法(ラングミュア-ブロジェット法)や化学吸着法等によって、基材表面に予め単分子膜の形態で形成し、その後、酸素や窒素等を含む雰囲気下にて不飽和結合を開裂する方法が挙げられる。
別の態様において、かかる基材としては、少なくともその表面部分が、別の反応性基、例えばSi-H基を1つ以上有するシリコーン化合物や、アルコキシシランを含む材料から成るものであってもよい。
好ましい態様において、上記基材はガラスである。かかるガラスとしては、サファイアガラス、ソーダライムガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス、クリスタルガラス、石英ガラスが好ましく、化学強化したソーダライムガラス、化学強化したアルカリアルミノケイ酸塩ガラス、及び化学結合したホウ珪酸ガラスが特に好ましい。
一の態様において、本開示の物品は、ガラスと表面処理層との間に、酸化ケイ素を含む中間層を含んでいてもよい。かかる中間層を設けることにより、ガラスと表面処理層との密着性が向上し、耐久性が向上する。
好ましい態様において、上記中間層は、酸化ケイ素に加え、アルカリ金属を含んでいてもよい。
上記アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。上記アルカリ金属は、好ましくはナトリウムである。
中間層の厚さは、特に限定されないが、1~200nmが好ましく、1~20nmが特に好ましい。中間層の厚さを上記範囲の下限値以上とすることにより、中間層による接着性の向上効果がより大きくなる。
中間層におけるアルカリ金属原子濃度は各種表面分析装置、たとえばTOF-SIMS、XPS、XRFなどで測定できる。
中間層全体の全原子に占めるアルカリ金属原子の割合は、イオンスパッタリングによるXPS深さ方向分析で得ることができ、XPSによる測定とXPS装置に内蔵されたイオン銃を用いたイオンスパッタリングによる表面のエッチングとを交互に繰り返すことによって行われる。
中間層において、表面処理層と接する面からの深さが1nm以下の領域におけるアルカリ金属の濃度の平均値は、イオンスパッタリングによるTOF-SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法)深さ方向分析により、アルカリ金属原子の濃度の深さ方向プロファイルを得た後、該プロファイルにおけるアルカリ金属原子濃度の平均値を算出することによって求められる。イオンスパッタリングによるTOF-SIMS深さ方向分析は、TOF-SIMSによる測定とTOF-SIMS装置に内蔵されたイオン銃を用いたイオンスパッタリングによる表面のエッチングとを交互に繰り返すことによって行われる。
本開示の物品は、上記基材の表面に、上記の本開示の表面処理剤の層を形成し、この層を必要に応じて後処理し、これにより、本開示の表面処理剤から層を形成することにより製造することができる。
本開示の表面処理剤の層形成は、上記表面処理剤を基材の表面に対して、該表面を被覆するように適用することによって実施できる。被覆方法は、特に限定されない。例えば、湿潤被覆法及び乾燥被覆法を使用できる。
湿潤被覆法の例としては、浸漬コーティング、スピンコーティング、フローコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、ワイプコーティング、スキージーコート法、ダイコート、インクジェット、キャスト法、ラングミュア・ブロジェット法及び類似の方法が挙げられる。
乾燥被覆法の例としては、蒸着(通常、真空蒸着)、スパッタリング、CVD及び類似の方法が挙げられる。蒸着法(通常、真空蒸着法)の具体例としては、抵抗加熱、電子ビーム、マイクロ波等を用いた高周波加熱、イオンビーム及び類似の方法が挙げられる。CVD方法の具体例としては、プラズマ-CVD、光学CVD、熱CVD及び類似の方法が挙げられる。
更に、常圧プラズマ法による被覆も可能である。
湿潤被覆法を使用する場合、本開示の表面処理剤は、溶媒で希釈されてから基材表面に適用され得る。本開示の組成物の安定性及び溶媒の揮発性の観点から、次の溶媒が好ましく使用される:ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸セロソルブ、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、酢酸カルビトール、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル-2-ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、酢酸アミル、乳酸メチル、乳酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、2-ヒドロキシイソ酪酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2-ヘキサノン、シクロヘキサノン、メチルアミノケトン、2-ヘプタノン等のケトン類;エチルセルソルブ、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテル等のグリコールエーテル類;メタノール、エタノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、sec-ブタノール、3-ペンタノール、オクチルアルコール、3-メチル-3-メトキシブタノール、tert-アミルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等の環状エーテル類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド類;メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテルアルコール類;ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート;ポリフルオロ芳香族炭化水素(例えば、1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン);ポリフルオロ脂肪族炭化水素(例えば、C13CHCH(例えば、旭硝子株式会社製のアサヒクリン(登録商標)AC-6000)、1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタン(例えば、日本ゼオン株式会社製のゼオローラ(登録商標)H);ヒドロフルオロエーテル(HFE)(例えば、パーフルオロプロピルメチルエーテル(COCH)(例えば、住友スリーエム株式会社製のNovec(商標)7000)、パーフルオロブチルメチルエーテル(COCH)(例えば、住友スリーエム株式会社製のNovec(商標)7100)、パーフルオロブチルエチルエーテル(COC)(例えば、住友スリーエム株式会社製のNovec(商標)7200)、パーフルオロヘキシルメチルエーテル(CCF(OCH)C)(例えば、住友スリーエム株式会社製のNovec(商標)7300)などのアルキルパーフルオロアルキルエーテル(パーフルオロアルキル基及びアルキル基は直鎖又は分枝状であってよい)、あるいはCFCHOCFCHF(例えば、旭硝子株式会社製のアサヒクリン(登録商標)AE-3000))、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテルアルコール類;ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン等のシロキサン類など。これらの溶媒は、単独で、又は、2種以上の混合物として用いることができる。なかでも、脂肪族炭化水素類、エステル類、グリコールエーテル類、アルコール類、エーテルアルコール類、シロキサン類が好ましい。例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、ミネラルスピリット、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、メタノール、エタノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、sec-ブタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサンオクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロペンタシロキサンが特に好ましい。
乾燥被覆法を使用する場合、本開示の表面処理剤は、そのまま乾燥被覆法に付してもよく、又は、上記した溶媒で希釈してから乾燥被覆法に付してもよい。
表面処理剤の層形成は、層中で本開示の表面処理剤が、加水分解及び脱水縮合のための触媒と共に存在するように実施することが好ましい。簡便には、湿潤被覆法による場合、本開示の表面処理剤を溶媒で希釈した後、基材表面に適用する直前に、本開示の表面処理剤の希釈液に触媒を添加してよい。乾燥被覆法による場合には、触媒添加した本開示の表面処理剤をそのまま蒸着(通常、真空蒸着)処理するか、あるいは鉄や銅などの金属多孔体に、触媒添加した本開示の表面処理剤を含浸させたペレット状物質を用いて蒸着(通常、真空蒸着)処理をしてもよい。
触媒には、任意の適切な酸又は塩基、遷移金属(例えばTi、Ni、Sn、Zr、Al、B等)、分子構造内に非共有電子対を有する含硫黄化合物、または含窒素化合物(例えばスルホキシド化合物、脂肪族アミン化合物、芳香族アミン化合物、リン酸アミド化合物、アミド化合物、尿素化合物)等を使用できる。酸触媒としては、例えば、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などを使用できる。また、塩基触媒としては、例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン等の有機アミン類などを使用できる。遷移金属、脂肪族アミン化合物、及び芳香族アミン化合物は、上記と同様のものが挙げられる。
本開示の物品に含まれる表面処理層は、高い摩耗耐久性と指紋拭き取り性の双方を有する。また、上記表面処理層は、高い摩耗耐久性に加えて、使用する表面処理剤の組成にもよるが、撥水性、撥油性、防汚性(例えば指紋等の汚れの付着を防止する)、防水性(電子部品等への水の浸入を防止する)、表面滑り性(又は潤滑性、例えば指紋等の汚れの拭き取り性や、指に対する優れた触感)、耐薬品性などを有し得、機能性薄膜として好適に利用され得る。
従って、本開示はさらに、上記表面処理層を最外層に有する光学材料にも関する。
光学材料としては、後記に例示するようなディスプレイ等に関する光学材料のほか、多種多様な光学材料が好ましく挙げられる:例えば、陰極線管(CRT;例えば、パソコンモニター)、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機薄膜ELドットマトリクスディスプレイ、背面投写型ディスプレイ、蛍光表示管(VFD)、電界放出ディスプレイ(FED;Field Emission Display)などのディスプレイ又はそれらのディスプレイの保護板、又はそれらの表面に反射防止膜処理を施したもの。
本開示の物品は、特に限定されるものではないが、光学部材であり得る。光学部材の例には、次のものが挙げられる:眼鏡などのレンズ;PDP、LCDなどのディスプレイの前面保護板、反射防止板、偏光板、アンチグレア板;携帯電話、携帯情報端末などの機器のタッチパネルシート;ブルーレイ(Blu-ray(登録商標))ディスク、DVDディスク、CD-R、MOなどの光ディスクのディスク面;光ファイバー;時計の表示面など。
また、本開示の物品は、医療機器又は医療材料であってもよい。また、本開示によって得られる層を有する物品は、自動車内外装部材であってもよい。外装材の例には、次のものが挙げられる:ウィンドウ、ライトカバー、車外カメラカバー。内装材の例には、次のものが挙げられる:インパネカバー、ナビゲーションシステムタッチパネル、加飾内装材。
上記層の厚さは、特に限定されない。光学部材の場合、光学性能、摩耗耐久性及び防汚性の点から、上記層の厚さは、例えば1~50nm、好ましくは1~30nm、より好ましくは1~15nmの範囲であり得る。
表面処理層の原子組成および構成原子の比率を測定するためのX線光電子分光分析法を行う装置としては、XPS,アルバック・ファイ社製 PHI5000VersaProbeIIを使用することができる。XPS分析の測定条件としては、X線源に単色化AlKα線を25W、光電子検出面積を1400μm×300μm,光電子検出角を20度~90度の範囲(例えば20度、45度、90度)、パスエネルギーを23.5eVなどとし、スパッタリングにはガスクラスターイオンビーム、Arイオンなどを用いることが可能である。上記装置、測定条件により、C1s、O1s、Si2pのピーク面積を観測し、炭素、酸素、ケイ素の原子比を算出することにより表面処理層および中間層の組成を求めることができる。
また、深さ方向の分析を実施することも可能である。XPS分析の測定条件としては、X線源に単色化AlKα線を25Wで用い、光電子検出面積を1400μm×300μm,光電子検出角を、20度~90度の範囲(例えば20度、45度、90度)、パスエネルギーを23.5eVなどとし、スパッタイオンにはArイオン、ガスクラスターイオン、C60イオンなどを用いることができる。スパッタリングによって1~100nmエッチングし、それぞれのエッチング後の深さにおいける塗膜中の組成を得ることもできる。
上記のXPS分析の光電子検出角を調整することにより、検出深さを適宜調整することができる。例えば、20度に近い浅い角度とすることにより、検出深さを3nm程度とすることができ、一方、90度に近い深い角度にすることにより、検出深さを10数nm程度とすることができる。
上記した酸化ケイ素を含む中間層は、酸化ケイ素前駆体を基材の表面に適用することにより形成することができる。中間層がアルカリ金属を含む場合、上記中間層は、酸化ケイ素前駆体とアルカリ金属源を含む組成物を基材の表面に適用することにより形成することができる。
上記酸化ケイ素前駆体としては、ケイ酸、ケイ酸の部分縮合物、アルカリ金属ケイ酸塩、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有するシラン化合物、該シラン化合物の部分加水分解縮合物等が挙げられる。ケイ酸やその部分縮合物は脱水縮合させて酸化ケイ素とすることができ、アルカリ金属ケイ酸塩は酸や陽イオン交換樹脂によりケイ酸やその部分縮合物とし、生成したケイ酸やその部分縮合物を脱水縮合させて酸化ケイ素とすることができる。ケイ素原子に結合した加水分解性基を有するシラン化合物における加水分解性基としては、アルコキシ基、塩素原子等が挙げられる。該シラン化合物の加水分解性基を加水分解させて水酸基とし、生成するシラノール化合物を脱水縮合させて酸化ケイ素とすることができる。ケイ素原子に結合した加水分解性基を有するシラン化合物としては、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン等のアルコキシシランやテトラクロロシラン等が挙げられる。
上記アルカリ金属源としては、アルカリ金属水酸化物、水溶性アルカリ金属塩等が挙げられる。水溶性アルカリ金属塩としては、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属塩酸塩、アルカリ金属硝酸塩等が挙げられる。アルカリ金属源としては、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ金属炭酸塩が好ましい。
尚、アルカリ金属ケイ酸塩は酸化ケイ素前駆体かつアルカリ金属源として用いることができる。アルカリ金属ケイ酸塩はケイ酸を経て酸化ケイ素とすることができるが、その際に少量のアルカリ金属が生成する酸化ケイ素中に残留し得る。従って、残留するアルカリ金属の量を調整して、所定量のアルカリ金属原子を含む酸化ケイ素を得ることができる。
上記中間層の厚さは、特に限定されないが、例えば、1~50nm、好ましくは1~30nm、より好ましくは2~15nm、さらに好ましくは3~10nmの範囲である。
以上、本開示の化合物、組成物、及び物品について詳述した。なお、本開示の化合物、組成物、及び物品などは、上記で例示したものに限定されない。
以下、本開示について、実施例において説明するが、本開示は以下の実施例に限定されるものではない。
合成例1
ステアロイルクロライド(5g)、アリルアミン(2.5mL)、およびジクロロメタン(15mL)を混合し、室温で終夜撹拌した。ジクロロメタンで希釈し、塩酸および水で洗浄した後、減圧濃縮することで、C1735-CONHCHCH=CH(5.0g)を得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.85-0.88 (m, 3H), 1.23-27 (m, 28H), 1.60-1.70 (m, 2H), 2.15-2.22 (m, 2H), 3.85-3.89 (m,2H), 5.01-5.15 (m, 2H), 5.78-5.86 (m, 1H).
1735-CONHCHCH=CH(5g)、トルエン(70mL)、カールシュテッド触媒のキシレン溶液(2%、3.5mL)、アニリン(0.5g)、およびトリメトキシシラン(5.9mL)を混合し、室温で終夜撹拌した後、減圧濃縮することで、C1735-CONH-CHCHCHSi(OCH(化合物a-1,6.3g)を得た。
化合物a-1
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.53-0.65 (m, 2H) 0.85-0.91 (m, 3H), 1.24-27 (m, 28H), 1.60-1.648 (m, 4H), 2.12-2.24 (m, 2H), 3.21-3.26 (m, 2H) 3.56-3.60 (m, 9H)
合成例2
ステアロイルクロライド(5g)、ジアリルアミン(3.2g)、およびジクロロメタン(15mL)を混合し、室温で終夜撹拌した。ジクロロメタンで希釈し、塩酸および水で洗浄した後、減圧濃縮することで、C1735-CON(CHCH=CH(4.8g)を得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.81-0.83 (m, 3H), 1.21-24 (m, 28H), 1.54-1.60 (m, 2H), 2.24-2.27 (m, 2H), 3.82-3.94 (m,4H), 5.05-5.23 (m, 4H), 5.68-5.84 (m, 2H)
1735-CON(CHCH=CH(3g)、トルエン(20mL)、カールシュテッド触媒のキシレン溶液(2%、1.8mL)、アニリン(0.3g)、およびトリメトキシシラン(6.3mL)を混合し、室温で終夜撹拌した後、減圧濃縮することで、C1735-CON{CHCHCHSi(OCH(化合物a-2,5.2g)を得た。
化合物a-2
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.52-0.67 (m, 4H), 0.83-0.92 (m, 3H), 1.22-26 (m, 28H), 1.56-1.65 (m, 6H), 2.20-2.26(m, 2H), 3.15-3.27 (m,4H), 3.53-3.67 (m, 18H),
合成例3
ステアロイルクロライド(5g)、2,2-ジアリル-4-ペンテン-1-アミン(5.5g)、およびジクロロメタン(15mL)を混合し、室温で終夜撹拌した。ジクロロメタンで希釈し、塩酸および水で洗浄した後、減圧濃縮することで、C1735-CONHCH(CHCH=CH(7.0g)を得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.84-0.88 (m, 3H), 1.23-27 (m, 28H), 1.57-59 (m, 2H), 2.24-2.27 (m, 2H), 3.82-3.94 (m,4H) 5.05-5.14 (m, 6H), 5.51-5.60 (m, 1H), 5.80-5.93 (m, 3H)
1735-CONHCH(CHCH=CH(3.5g)、トルエン(40mL)、カールシュテッド触媒のキシレン溶液(2%、1.8mL)、アニリン(0.3mL)、及びトリメトキシシラン(2.1mL)を混合した。混合物を、室温で終夜撹拌した後、減圧濃縮することにより、C1735-CONH-CHC{CHCHCHSi(OCH(化合物a-3,7g)を得た。
化合物a-3
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.43-0.6 (m, 6H),0.83-0.85 (m, 3H), 1.24-27 (m, 28H), 1.59-1.648 (m, 8H), 2.11-2.32 (m, 2H), 3.08-3.19 (m, 6H) 3.53-3.56 (m, 9H)
合成例4
トリコサン酸(2.16g)、アリルアミン(1.47g)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(1.85g)、4-ジメチルアミノピリジン(83.2mg)、およびジクロロメタン(21.6g)を混合し、室温で終夜撹拌した。ジクロロメタンで希釈し、塩酸および水で洗浄した後、減圧濃縮することで、CH(CH21CONHCHCH=CH(1.39g)を得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.86-0.90 (m), 1.25-1.29 (m), 1.62-1.67 (m), 2.17-2.21 (m), 3.87-3.91 (m) 3.87-3.91 (m) , 5.12-5.21 (m), 5.44 (m), 5.79-5.89 (m)
上記で得られたCH(CH21CONHCHCH=CHを1.0g、トルエンを3.0g、ピリジンを0.1mL、カールシュテッド触媒のキシレン溶液(2%、0.3mL)、それぞれ加えた後、トリメトキシシランを1.0mL仕込み、室温で終夜撹拌した。その後、精製を行うことにより、末端にトリメトキシシリル基を有するCH(CH21CONHCHCHCHSi(OCH(化合物a-4,1.10g)を得た。
化合物a-4
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.014-0.146 (m), 0.49-0.59 (m), 0.63-0.69 (m), 0.86-0.95 (m), 1.16-1.40 (m), 1.47-1.67 (m) , 2.12-2.17 (m), 3.19-3.27 (m), 3.57-3.64 (m)
合成例5
ステアリルアミン(2.02g)、(3-イソシアナトプロピル)トリメトキシシラン(1.70mL)、およびジクロロメタン(14.8mL)を混合し、室温で終夜撹拌した。その後、減圧濃縮することで、CH(CH17NHCONHCHCHCHSi(OCH(化合物a-5,3.3g)を得た。
化合物a-5
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.62-0.71 (m), 0.86-0.89 (t), 1.21-1.28 (m), 1.46-1.49 (m), 1.54-1.65 (m), 3.13-3.15 (m) , 3.48-3.58 (m)
合成例6
ステアリルアルコール(2.00g)、(3-イソシアナトプロピル)トリメトキシシラン(1.70mL)、ジラウリン酸ジブチルスズ(58.9mg)、およびジクロロメタン(14.8mL)を混合し、室温で終夜撹拌した。その後、減圧濃縮し、ヘキサメチルジシロキサンで洗浄することで、CH(CH17OCONHCHCHCHSi(OCH(化合物a-6,3.0g)を得た。
化合物a-6
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.61-0.70 (m), 0.85-0.88 (t), 1.21-1.28 (m), 1.56-1.64 (m), 3.10-3.16 (m), 3.47-3.73 (m) , 4.00-4.03 (t)
合成例7
2-ヘキサデシルオクタデカン酸(1g)に塩化チオニル(2.8g)とジメチルホルムアミド(1滴)を加え、60℃で2時間撹拌したのち、減圧濃縮した。残渣にトルエン(10mL)、トリエチルアミン(0.22g)、ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミン(0.74g)を加え、18時間撹拌した。クロロホルムを加え、水で3回洗浄を行なったのち、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮して、{CH(CH15CCONHCHCHCHSi(OCH(化合物a-7、1.44g、無色液体)を得た。
化合物a-7
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.56-0.62 (m, 4H), 0.88 (t, 6H, J = 6.9 Hz), 1.24-1.32 (m, 56H), 1.59-1.74 (m, 8H), 2.47-2.54 (m, 1H), 3.23 (t, 2H, J = 7.8 Hz), 3.30 (t, 2H, J = 7.5 Hz), 3.55 (s, 9H), 3.58 (s, 9H)
合成例8
R-COOH(7.2g)、アリルアミン(0.4g)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(1.36g)、4-ジメチルアミノピリジン(60mg)、およびジクロロメタン(30mL)を混合し、室温で終夜撹拌した。ジクロロメタンで希釈し、塩酸および水で洗浄した後、減圧濃縮することで、R-CONHCHCH=CH(7.0g)を得た。なお、Rは、(CHSi-(OSi(CH-(CH10-である。繰り返し単位数nの平均値は、19である。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: -0.01-0.30 (m), 0.49-0.53 (m, 2H), 1.20-1.40 (m, 14H), 1.55-1.68 (m, 2H), 2.13-2.35 (m, 2H) 3.86-3.89 (m, 2H), 5.05-5.23 (m, 2H), 5.68-5.84 (m, 1H).
R-CONHCHCH=CH(5g)、トルエン(20mL)、カールシュテッド触媒のキシレン溶液(2%、0.7mL)、アニリン(0.12g)、およびトリメトキシシラン(1.20mL)を混合し、室温で終夜撹拌した後、減圧濃縮することで、R-CONH-CHCHCHSi(OCH(化合物b-1,4.7g)を得た。なお、Rは、(CHSi-(OSi(CH-(CH10-である。繰り返し単位数nの平均値は、19である。
化合物b-1
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: -0.01-0.30 (m), 0.509-0.55 (m, 2H), 1.23-1.44 (m, 14H), 1.49-1.60 (m, 4H), 2.13-2.35 (m, 2H), 3.17-3.25 (m, 2H), 3.55-59 (m, 9H).
合成例9
R-COOH(10g)、ジアリルアミン(2.01g)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(1.98g)、4-ジメチルアミノピリジン(84mg)、およびジクロロメタン(30mL)を混合し、室温で終夜撹拌した。ジクロロメタンで希釈し、塩酸および水で洗浄した後、減圧濃縮することで、R-CON(CHCH=CH(9.00g)を得た。なお、Rは、(CHSi-(OSi(CH-(CH10-である。繰り返し単位数nの平均値は、19である。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: -0.25-0.30 (m), 1.45-1.59 (m, 2H), 1.20-1.40(m, 14H), 1.55-1.68 (m, 2H), 2.30 (t, 2H, 7.2Hz), 3.86 (d, 2H, 5.2Hz), 3.98 (d,2H, 6.0Hz), 5.05-5.23 (m, 4H), 5.68-5.84 (m, 2H).
13C NMR (CDCl3, 133 MHz) δ[ppm]: 0.2, 1.0, 1.8, 18.3, 23.2, 25.4, 29.4, 29.5, 29.6, 33.1, 33.5, 47.8, 49.1, 116.5, 117.0, 133.0, 133.5, 173.2.
R-CON(CHCH=CH(2g)、トルエン(10mL)、カールシュテッド触媒のキシレン溶液(2%、0.20mL)、アニリン(32mg)、およびトリメトキシシラン(1.00mL)を混合し、室温で終夜撹拌した後、減圧濃縮することで、R-CON{CHCHCHSi(OCH(化合物b-2,2.23g)を得た。なお、Rは、(CHSi-(OSi(CH-(CH10-である。繰り返し単位数nの平均値は、19である。
化合物b-2
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: -0.20-0.31 (m), 0.42-0.65 (m, 6H), 1.10-1.40(m, 14H), 1.63-1.71 (m, 6H), 2.26 (t, 2H, 7.2 Hz), 3.19 (t, 2H, 7.6 Hz), 3.27(t, 2H, 7.6 Hz), 3.45-3.65 (m, 18H).
13C NMR (CDCl3, 133 MHz) δ[ppm]:0.2, 1.0, 1.7, 6.3, 6.4, 18.2, 20.8, 22.3, 23.2, 25.6, 29.4, 29.5, 29.6, 33.2, 33.4, 48.2, 50.2, 50.48, 50.53, 172.8
合成例10
R-COOH(10g)、2,2-ジアリル-4-ペンテン-1-アミン(1.71g)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(1.98g)、4-ジメチルアミノピリジン(84mg)、及びジクロロメタン(30mL)を混合し、室温で終夜撹拌した。混合液をジクロロメタンで希釈し、塩酸及び水で洗浄した後、減圧濃縮することにより、R-CONHCHC(CHCH=CH(8.88g)を得た。なお、Rは、(CHSi-(OSi(CH-(CH10-である。繰り返し単位数nの平均値は、19である。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: -0.20-0.25 (m), 1.45-1.59 (m, 2H), 1.20-1.48(m, 14H), 1.53-1.65 (m, 2H), 2.03 (d, 2H, 7.6Hz), 2.16 (t, 2H, 7.6Hz), 3.20 (d,2H, 6.4Hz), 5.05-5.14 (m, 6H), 5.51-5.60 (m, 1H), 5.80-5.93 (m, 3H).
13C NMR (CDCl3, 133 MHz) δ[ppm]: 0.2, 1.0, 1.8, 18.3, 23.2, 29.3, 29.4, 29.6, 30.3, 33.5, 37.1, 40.0, 40.1, 45.0, 118.1, 134.2, 172.9.
R-CONH-CHC(CHCH=CH(2g)、トルエン(10mL)、カールシュテッド触媒のキシレン溶液(2%、0.29mL)、アニリン(46mg)、及びトリメトキシシラン(1.43mL)を混合した。混合物を、室温で終夜撹拌した後、減圧濃縮することにより、R-CONH-CHC{CHCHCHSi(OCH(化合物b-3,2.21g)を得た。なお、Rは、(CHSi-(OSi(CH-(CH10-である。繰り返し単位数nの平均値は、19である。
化合物b-3
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: -0.2-0.21 (m), 0.41-0.65 (m, 8H), 1.10-1.50 (m,26H), 1.55-1.65 (m, 2H), 2.14 (t, 2H, 7.2 Hz), 3.09 (d, 2H, 6.0 Hz), 3.45-3.62(m, 27H), 5.67-5.75 (m, 1H)
13C NMR (CDCl3, 133 MHz) δ[ppm]: 0.1, 1.0, 1.7, 9.5, 16.1, 18.2, 23.2, 26.0, 29.4, 29.4, 29.6, 30.2, 33.4, 37.0, 38.1, 39.1, 43.6, 50.4, 173.0.
合成例11
10-メチルウンデセン酸メチルを0.21g、トルエンを0.96g、ピリジンを0.1mL、カールシュテッド触媒のキシレン溶液(2%、0.2mL)、それぞれ加えた後、CHCHCHCH(Si(CHO)Si(CHHを8.33g仕込み、室温で終夜攪拌した。その後、精製を行うことにより、ポリジメチルシロキサン基含有化合物CHCHCHCH(Si(CHO)Si(CH(CH10COOMe(8.18g)を得た。繰り返し単位数nの平均値は、60である。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: -0.10-0.31 (m), 0.51-0.57 (m), 0.87-0.91 (t), 1.24-1.36 (m), 1.61-1.65 (m), 2.29-2.32 (t)
上記で得られたCHCHCHCH(Si(CHO)Si(CH(CH10COOMeを2.50g、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エンを0.24g、アリルアミンを1.06g混合し、80℃で4時間撹拌した。その後、塩酸および水で洗浄した後、減圧濃縮することで、CHCHCHCH(Si(CHO)Si(CH(CH10CONHCHCH=CH(2.24g)を得た。繰り返し単位数nの平均値は、60である。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: -0.08-0.22 (m), 0.52-0.56 (m), 0.87-0.90 (t), 1.23-1.32 (m), 1.59-1.72 (m), 2.17-2.21 (t), 3.88-3.91 (t), 5.12-5.20 (m), 5.80-5.89 (m)
上記で得られたCHCHCHCH(Si(CHO)Si(CH(CH10CONHCHCH=CHを2.0g、トルエンを2.0g、ピリジンを0.1mL、カールシュテッド触媒のキシレン溶液(2%、0.2mL)、それぞれ加えた後、トリメトキシシランを0.5mL仕込み、室温で終夜撹拌した。その後、精製を行うことにより、末端にトリメトキシシリル基を有するCHCHCHCH(Si(CHO)Si(CH(CH10CONHCHCHCHSi(CH(化合物b-4,1.93g)を得た。繰り返し単位数nの平均値は、60である。
化合物b-4
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: -0.11-0.22 (m), 0.52-0.59 (m), 0.63-0.67 (m), 0.87-0.90 (t), 1.26-1.33 (m), 1.62 (m), 2.13-2.17 (t), 3.54-3.62 (m)
合成例12
R-CHOH(201g,信越化学社、X-22-170DX)、アセトン(400mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)を混合し、氷水で0℃に冷却した。混合液を0℃で撹拌しながら、臭化カリウム(1.02g)、TEMPO(0.210g)を加えた。10分撹拌後トリクロロイソシアヌル酸(19.9g)を加えた。なりゆきで室温まで昇温し終夜撹拌した。混合液にイソプロピルアルコール(200mL)を加え、揮発成分を減圧濃縮した。濃縮液に水(300mL)を加え、ジクロロメタンで抽出し、乾燥したのちに溶媒を減圧留去することで、R-COOH(180g)を得た。
Rは、CHCHCHCHSi(CH-(OSi(CH-(CH-OCH-である。繰り返し単位数nの平均値は、57である。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: -0.11-0.27 (m) , 0.52-0.58 (m, 4H), 0.89 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.28-1.33 (m, 4H), 1.66-1.70 (m, 2H), 3.54 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 4.11 (s, 2H)
上記で得られたR-COOH(2.04g)、アリルアミン(0.11mL)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.30g)、4-ジメチルアミノピリジン(6mg)、及びジクロロメタン(4.0g)を混合し、室温で終夜撹拌した。混合液をジクロロメタンで希釈し、塩酸及び水で洗浄した後、減圧濃縮することにより、R-CONHCHCHCH=CH(1.50g)を得た。なお、Rは、CHCHCHCHSi(CH-(OSi(CH-(CH-OCH-であり、繰り返し単位数nの平均値は、57である。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: -0.01-0.22 (m), 0.52-0.89 (m), 0.86 (t), 1.25-1.33 (m), 1.60-1.69 (m), 3.46-3.49 (t), 3.91-3.95 (m), 5.14-5.23 (m), 5.80-5.91 (m), 6.65 (brs)
得られたR-CONHCHCHCH=CH(1.4g)、トルエン(1.4g)、カールシュテッド触媒のキシレン溶液(2%、0.2mL)、ピリジン(0.1mL)、及びトリメトキシシラン(0.13mL)を混合した。混合物を、室温で終夜撹拌した後、減圧濃縮することにより、R-CONH-CHCHCHSi(OCH(化合物b-5,1.52g)を得た。なお、Rは、CHCHCHCHSi(CH(OSi(CH-(CH-OCH-であり、繰り返し単位数nの平均値は、57である。
化合物b-5
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: -0.01-0.22 (m), 0.51-0.59 (m), 0.88 (t), 1.25-1.34 (m), 1.55-1.68 (m), 3.54-3.64 (m)
合成例13
合成例12で得られたR-COOH(2.11g)、ジアリルアミン(0.18mL)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.14g)、4-ジメチルアミノピリジン(6mg)、及びジクロロメタン(4.0g)を混合し、室温で終夜撹拌した。混合液をジクロロメタンで希釈し、塩酸及び水で洗浄した後、減圧濃縮することにより、R-CON(CHCH=CH(1.88g)を得た。なお、Rは、CHCHCHCHSi(CH-(OSi(CH-(CH-OCH-であり、繰り返し単位数nの平均値は、57である。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: -0.08-0.30 (m), 0.51-0.56 (m), 0.88 (t), 1.25-1.35 (m), 1.61-1.67 (m), 3.47 (t), 3.91-3.99 (m), 4.14 (s), 5.12-5.21 (m), 5.71-5.81 (m)
得られたR-CON(CHCH=CH(1.70g)、トルエン(1.70g)、カールシュテッド触媒のキシレン溶液(2%、0.2mL)、ピリジン(0.1mL)、及びトリメトキシシラン(0.32mL)を混合した。混合物を、室温で終夜撹拌した後、減圧濃縮することにより、R-CON{CHCHCHSi(OCH(化合物b-6,1.97g)を得た。なお、Rは、CHCHCHCHSi(CH(OSi(CH-(CH-OCH-であり、繰り返し単位数nの平均値は、57である。
化合物b-6
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: -0.11-0.22 (m), 0.49-0.62 (m), 0.88 (t), 1.25-1.37 (m), 1.62-1.66 (m), 3.54-3.62 (m)
合成例14
上記で得られたR-COOH(10g)、2,2-ジアリル-4-ペンテン-1-アミン(1.71g)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(1.98g)、4-ジメチルアミノピリジン(84mg)、及びジクロロメタン(30mL)を混合し、室温で終夜撹拌した。混合液をジクロロメタンで希釈し、塩酸及び水で洗浄した後、減圧濃縮することにより、R-CONH-CHC(CHCH=CH(8.88g)を得た。なお、Rは、CHCHCHCHSi(CH-(OSi(CH-(CH-OCH-であり、繰り返し単位数nの平均値は、57である。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: -0.10-0.30 (m), 0.52-0.59 (m, 4H), 0.88 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.26-1.33 (m, 4H), 1.61-1.69 (m, 2H), 2.05 (d, J = 7.3 Hz, 6H), 3.22 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 3.47 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.93 (s, 2H), 5.08-5.13 (m, 6H), 5.82-5.92 (m, 3H), 6.75 (brs, 1H)
得られたR-CONH-CHC(CHCH=CH(5g)、トルエン(5mL)、カールシュテッド触媒のキシレン溶液(2%、0.24mL)、アニリン(38mg)、及びトリメトキシシラン(1.19mL)を混合した。混合物を、室温で終夜撹拌した後、減圧濃縮することにより、R-CONH-CHC{CHCHCHSi(OCH(化合物b-7,4.8g)を得た。なお、Rは、CHCHCHCHSi(CH(OSi(CH-(CH-OCH-であり、繰り返し単位数nの平均値は、57である。
化合物b-7
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: -0.13-0.32 (m), 0.54-0.63 (m, 10H), 0.90 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.23-1.37 (m, 16H), 1.62-1.69 (m, 2H), 3.17 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 3.47-3.50 (m, 2H), 3.56-3.63 (m, 27H), 3.94 (s, 2H), 6.54 (brs, 1H)
合成例15
22-トリコセン酸を3.02g、トルエンを26mL、メタノールを17mL、それぞれ加えた後、トリメチルシリルジアゾメタンを20mL滴下し、室温で3時間攪拌した。その後、減圧濃縮することでCH=CH(CH20COOMe3.11gを得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 1.249-1.649 (m), 2.005-2.061 (m), 2.279-2.316 (t), 1.567-1.622 (m), 3.662 (s), 4.904-5.015 (m), 5.760-5.862 (m)
上記で得られた化合物CH=CH(CH20COOMeを0.897g、トルエンを5.0mL、カールシュテッド触媒のキシレン溶液を0.158g加えた後、氷浴で冷却し、1,1,1,3,3-ペンタメチルジシロキサンを0.7mL滴下した。60℃で7時間攪拌した後、精製を行うことにより、Si(CHOSi(CH(CH22COOMe1.17gを得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.028-0.120 (m), 0.483-0.522 (t), 1.229-1.258 (m), 1.256-1.285 (m), 1.601-1.638 (m), 2.267-2.322 (t), 3.667 (s)
上記で得られた化合物Si(CHOSi(CH(CH22COOMeを0.86g、トルエンを1.0mL、アリルアミンを0.60g、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エンを0.252g、それぞれ加えた後、75℃で6時間攪拌した。その後、塩酸水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水処理し、減圧濃縮することでSi(CHOSi(CH(CH22CONHCHCH=CH(0.79g)を得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.011-0.123 (m), 0.478-0.517 (m), 1.203-1.368 (m), 1.598-1.671 (m), 2.168-2.206 (t), 3.872-3.901 (t), 5.115-5.205(m), 5.479(s), 5.792-5.889 (m)
上記で得られた化合物Si(CHOSi(CH(CH22CONHCHCH=CHを0.79g、トルエンを15.0mL、ピリジンを0.05mL、カールシュテッド触媒のキシレン溶液を0.6mL、それぞれ加えた後、トリメトキシシランを1.0mL仕込み、室温で終夜撹拌した。その後、精製を行うことにより、末端にトリメトキシシリル基を有するSi(CH3)OSi(CH(CH22CONHCHCHCHSi(OCH(化合物b-8,0.91g)を得た。
化合物b-8
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.005-0.202 (m), 0.472-0.591 (m), 0.623-0.664 (m), 1.245-1.282 (m), 1.576-1.669 (m), 2.119-2.158 (t), 3.216-3.265 (m), 3.534-3.614 (m)
合成例16
トリエチルシラノールを0.84g、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エンを0.22g、テトラヒドロフランを50mL、それぞれ加えた後、2、2,5,5-テトラメチル-1,2,5-オキサジシロラン23.5mLを仕込み、30℃で3時間攪拌した。ピリジンを2.96gと5-(クロロジメチルシリル)ペンタン酸メチルを5.21g加え、室温で12時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、シリカゲルカラムにより精製を行うことにより(CHCHSiO(Si(CHCHCHSi(CHO)Si(CHCHCHCHCHCOOMe(3.35g)を得た。繰り返し単位数nの平均値は、20である。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]:-0.04-0.19 (m), 0.36-0.44 (m), 0.47-0.59 (m), 0.90-94 (t), 1.30-1.44 (m), 1.61-1.69 (m), 2.29-2.34 (m), 3.66-3.67 (m)
上記で得られた(CHCHSiO(Si(CHCHCHSi(CHO)Si(CHCHCHCHCHCOOMeを3.0g、テトラヒドロフランを6g、水を25g、水酸化リチウムを混合し、50℃で終夜撹拌した。その後、塩酸で洗浄し、減圧濃縮することで、(CHCHSiO(Si(CHCHCHSi(CHO)Si(CHCHCHCHCHCOOHを得た。続いて4-[2,2-ジ(2-プロピレニル)]ペンテニルアミンを1.28g、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩を1.49g、ジクロロメタンを6.5g、それぞれ混合し、室温で終夜攪拌した。その後、精製を行うことにより、(CHCHSiO(Si(CHCHCHSi(CHO)Si(CHCHCHCHCHCONHCHC(CHCH=CH(3.23g)を得た。繰り返し単位数nの平均値は、60である。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]:-0.05-0.05 (m), 0.34-0.40 (m), 0.43-0.51 (m), 0.87-0.90 (t), 1.07-1.15 (m), 1.18-1.35 (m), 1.58-1.77 (m), 2.14-2.20 (m), 2.24-2.32 (m), 5.01-5.08 (m), 5.74-5.88 (m)
上記で得られた化合物(CHCHSiO(Si(CHCHCHSi(CHO)Si(CHCHCHCHCHCONHCHC(CHCH=CHを1.01g、トルエンを1、74g、ピリジンを0.05mL、カールシュテッド触媒のキシレン溶液を0.10g、それぞれ加えた後、トリメトキシシランを0.4mL仕込み、室温で終夜撹拌した。その後、精製を行うことにより、末端にトリメトキシシリル基を有する(CHCHSiO(Si(CHCHCHSi(CHO)Si(CHCHCHCHCHCONHCHC(CHCHCHSi(OCH(化合物c―1,1.08g)を得た。
化合物c―1
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]:-0.06-0.18 (m), 0.36-0.47 (m), 0.49-0.62 (m), 0.90-0.94 (t), 1.15-1.40 (m), 1.62-1.80 (m), 2.14-2.23 (m), 3.48-3.62 (m)
合成例17
22-トリコセン酸を3.02g、トルエンを26mL、メタノールを17mL、それぞれ加えた後、トリメチルシリルジアゾメタンを20mL滴下し、室温で3時間攪拌した。その後、減圧濃縮することで下記の化合物3.11gを得た。
Figure 2024025758000034
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 1.249-1.649 (m), 2.005-2.061 (m), 2.279-2.316(t), 1.567-1.622 (m), 3.662 (s), 4.904-5.015 (m), 5.760-5.862 (m)
上記で得られた化合物を0.50g、トルエンを10.0mL、ピリジンを0.05mL、及び1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンのPt錯体を2%含むキシレン溶液を0.3mL、それぞれ加えた後、1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサンを1.2mL滴下した。室温で17時間攪拌した後、精製を行うことにより、下記の化合物0.87gを得た。
Figure 2024025758000035
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.033-0.241 (m), 0.438-0.550 (m), 1.191-1.413(m), 1.607-1.642 (m), 2.242-2.325 (m), 3.669 (s)
上記で得られた化合物を0.86g、アリルアミンを5.0mL、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エンを0.20g、それぞれ加えた後、75℃で3時間攪拌した。その後、塩酸水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水処理し、減圧濃縮することで下記の化合物0.72gを得た。
Figure 2024025758000036
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.076-0.128 (m), 0.413-0.465 (t), 1.183-1.1.404(m), 1.604-1.677 (m), 2.173-2.248 (t), 3.841-3.942(m), 5.122-5.210(m), 5.809-5.877 (m)
上記で得られた化合物を0.72g、トルエンを6.0mL、ピリジンを0.04mL、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンのPt錯体を2%含むキシレン溶液を0.26mL、それぞれ加えた後、トリメトキシシランを1.4mL仕込み、室温で終夜撹拌した。その後、精製を行うことにより、末端にトリメトキシシリル基を有する下記の化合物(b-9, 0.48g)を得た。
Figure 2024025758000037
化合物b-9
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.054-0.149 (m), 0.425-0.464 (t), 0.628-0.681 (m), 1.181-1.402 (m), 1.544-1.768(m), 2.125-2.164 (t), 3.558-3.646 (m)
合成例18
22-トリコセン酸を3.02g、トルエンを26mL、メタノールを17mL、それぞれ加えた後、トリメチルシリルジアゾメタンを20mL滴下し、室温で3時間攪拌した。その後、減圧濃縮することで下記の化合物3.11gを得た。
Figure 2024025758000038
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 1.249-1.649 (m), 2.005-2.061 (m), 2.279-2.316(t), 1.567-1.622 (m), 3.662 (s), 4.904-5.015 (m), 5.760-5.862 (m)
上記で得られた化合物を0.50g、トルエンを10.0mL、ピリジンを0.05mL、及び1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンのPt錯体を2%含むキシレン溶液を0.3mL、それぞれ加えた後、1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサンを1.2mL滴下した。室温で17時間攪拌した後、精製を行うことにより、下記の化合物を0.87g得た。
Figure 2024025758000039
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.033-0.241 (m), 0.438-0.550 (m), 1.191-1.413(m), 1.607-1.642 (m), 2.242-2.325 (m), 3.669 (s)
上記で得られた化合物を1.8g、2-アリルペント-4-エン-1-アミンを2.01mL、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エンを0.43g、それぞれ加えた後、75℃で3時間攪拌した。その後、塩酸水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水処理し、減圧濃縮することで下記化合物を1.92g得た。
Figure 2024025758000040
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.076-0.128 (m), 0.413-0.465 (t), 1.183-1.1.404(m), 1.604-1.677 (m),1.704-1.769 (m), 1.994-2.093 (m), 2.103-2.285 (m), 3.161-3.328(t), 4.997-5.195(m), 5.397-5.595 (s) , 5.708-5.975 (m)
上記で得られた化合物を0.47g、トルエンを3.5mL、ピリジンを0.014mL、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンのPt錯体を2%含むキシレン溶液を0.1mL、それぞれ加えた後、トリメトキシシランを0.52mL仕込み、室温で3時間撹拌した。その後、精製を行うことにより、末端にトリメトキシシリル基を有する下記の化合物(化合物b-10、0.48g)を得た。
Figure 2024025758000041
化合物b-10
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.054-0.149 (m), 0.425-0.464 (t), 0.628-0.681(t), 1.181-1.402 (m), 1.544-1.768(m), 2.125-2.164 (t), 3.135-3.203 (t) , 3.558-3.646 (m), 5.449-5.528 (s)
合成例19
トリコサン酸(2.16g)、ジアリルアミン(1.47g)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(1.85g)、4-ジメチルアミノピリジン(83.2mg)、およびジクロロメタン(21.6g)を混合し、室温で終夜撹拌した。ジクロロメタンで希釈し、塩酸および水で洗浄した後、減圧濃縮することで、CH(CH21-CON(CHCH=CH(1.39g)を得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.86-0.90 (m), 1.25-1.29 (m), 1.62-1.67 (m), 2.17-2.21 (m),3.87-3.91 (m) 3.87-3.91 (m) , 5.12-5.21 (m), 5.44 (m), 5.79-5.89 (m)
CH(CH21-CON(CHCH=CH(3g)、トルエン(20mL)、カールシュテッド触媒のキシレン溶液(2%、1.8mL)、アニリン(0.3g)、およびトリメトキシシラン(6.3mL)を混合し、室温で終夜撹拌した後、減圧濃縮することで、CH(CH21-CON{CHCHCHSi(OCH(化合物a-10,5.2g)を得た。
化合物a-9
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 0.83-0.92 (m, 3H), 1.22-26 (m, 28H), 1.56-1.65 (m, 6H), 2.20-2.26(m, 2H), 3.15-3.27 (m,4H), 3.53-3.67 (m, 18H),
<表面処理剤の調製>
表1に示すとおり、化合物A、化合物B及び溶媒を混合して、固形分濃度20wt%の表面処理剤1~34を調製した。一部完全に溶解しないものも存在するが、懸濁液として使用した。
Figure 2024025758000042
<Na入り中間層形成材料>
水酸化ナトリウム(富士フィルム和光純薬株式会社製)の2.2gを、蒸留水24gに溶解して、8.4質量%の水酸化ナトリウム水溶液を得た。この8.4質量%の水酸化ナトリウム水溶液の24gとMSゲル(M.S.GEL D-100-60A(AGCエスアイテック社製))の20gとを混合して、水酸化ナトリウム水溶液をMSゲル中に吸収させた。水酸化ナトリウム水溶液を吸収したMSゲルを25℃で8時間乾燥した後、錠剤成形機(4MPaで1分)で成形し、1,000℃で1時間焼成して成形体1(ペレット)を得た。
<表面処理層の形成>
(SiO中間層)
上記で調製した表面処理剤を、化学強化ガラス(コーニング社製、ゴリラガラス、厚さ0.7mm)上に真空蒸着した。具体的には、真空蒸着装置内のモリブデン製ボートに表面処理剤0.1gを充填し、真空蒸着装置内を圧力3.0×10-3Pa以下に排気した。その後、7nmの厚さの二酸化ケイ素膜を形成し、続いて抵抗加熱方式によりボートを加熱することで表面処理層を形成した。その後、オーブンで150℃、2時間の加熱処理を行うことにより、表面処理層を得た。
(Na含有SiO中間層)
上記で調製した表面処理剤を、化学強化ガラス(コーニング社製、ゴリラガラス、厚さ0.7mm)上に真空蒸着した。具体的には、真空蒸着装置内のモリブデン製ボートに表面処理剤0.1gを充填し、真空蒸着装置内を圧力3.0×10-3Pa以下に排気した。その後、成形体1を用いて電子線蒸着方式により蒸着させて、7nmの厚さのNaを含む二酸化ケイ素膜を形成し、続いて抵抗加熱方式によりボートを加熱することで表面処理層を形成した。その後、オーブンで150℃、2時間の加熱処理を行うことにより、表面処理層を得た。
<評価>
[耐摩耗性評価]
(接触角測定)
接触角の測定は、25℃環境下において、全自動接触角計DropMaster700(協和界面科学社製)を用いた。具体的には、測定対象の表面処理層を有する基材を水平に静置し、その表面にマイクロシリンジから水を滴下し、滴下1秒後の静止画をビデオマイクロスコープで撮影することにより静的接触角を測定した。静的接触角は、基材の表面処理層の異なる5点において測定し、その平均値を算出した値を用いた。
(耐摩耗性試験後の評価)
形成された表面処理層に対して、下記の摩擦子を接触させ、その上に5Nの荷重を付与し、荷重を加えた状態で摩擦子を40mm/秒の速度で往復させた。摩擦回数400回時点での水の静的接触角(°)を測定した。測定基準は下記に示す。
90°以上:◎ (優良)
70°以上90°未満:〇(良好)
50°以上70°未満:△(可)
50°未満:×(不良)
・摩擦子
下記に示すシリコーンゴム加工品の表面を、下記に示す組成の人工汗に浸漬したコットンで覆ったものを摩擦子として用いた。
人工汗の組成:
無水リン酸水素二ナトリウム:2g
塩化ナトリウム:20g
85%乳酸:2g
ヒスチジン塩酸塩:5g
蒸留水:1Kg
シリコーンゴム加工品:
タイガースポリマー製、シリコーンゴム栓SR-51を、直径1cm、厚さ1cmの円柱状に加工したもの。
[インク除去性評価]
表面処理層の形成後、表面上の余剰分を拭き上げて評価サンプルとした。評価サンプルの表面層に油性のフェルトペン(マッキー極太黒色:製品名、ゼブラ社製)で線を引いた後、ベンコットM-3IIを摩耗子として、移動速度:70rpm、荷重:100g/3cm2の条件で10回摩耗したのち、油性インク(線)の付着状態を目視で観察し、インク除去性(初期のインク除去性)を以下の基準にしたがって評価した。
◎(優良):油性インクの除去率が90%以上である。
○(良好):油性インクの除去率が60%以上90%未満である。
△(可) :油性インクの除去率が30%以上60%未満である。
×(不良):油性インクの除去率が30%未満である。
Figure 2024025758000043
本開示の表面処理剤は、種々多様な用途に好適に利用され得る。

Claims (31)

  1. (成分A)長鎖アルキル構造を含むシランカップリング剤と、
    (成分B)シロキサン構造を含むシランカップリング剤と、
    を含む、組成物。
  2. 成分Aは、下記式(1A):
    Figure 2024025758000044
    [式中:
    は、直鎖の炭素数7以上のアルキル基であり、
    は、2価の基であり、
    Siは、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子を含む1価の基である。]
    で表される化合物、又は、式(1B):
    Figure 2024025758000045
    [式中:
    は、水酸基又は加水分解性基が直接結合していないSi原子を1つ以上含む1価の基であり、
    は、炭素数7以上のアルキレン基を含む2価の有機基であり、
    Siは、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子を含む1価の基である。]
    で表される化合物である、請求項1に記載の組成物。
  3. 成分Bは、下記式(1B):
    Figure 2024025758000046
    [式中:
    は、水酸基又は加水分解性基が直接結合していないSi原子を1つ以上含む1価の基であり、
    は、炭素数7以上のアルキレン基を含む2価の有機基であり、
    Siは、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子を含む1価の基である。]
    で表される化合物、又は
    下記式(1C)又は(2C):
    Figure 2024025758000047
    [式中:
    SO1はそれぞれ独立して、R-RSO-SiR -であり、
    SO2は、-RSO-SiR -であり、
    SOは、それぞれ独立して、下記式:
    Figure 2024025758000048
    (式中:
    は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、-R-O-R-、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-であり、
    は、それぞれ独立して、C1-12アルキレン基、-R-O-R-、-R-R-R-、-R-R-R-R-R-、-R-R-R-R-R-R-R-、又は-R-R-R-R-R-R-R-であり、
    は、それぞれ独立して、C1-6アルキレン基であり、
    は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアリーレン基であり、
    は、それぞれ独立して、単結合、又はC1-6アルキレン基であり、
    は、それぞれ独立して、単結合、又は酸素原子であり、
    は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、
    xは、0~200の整数であり、
    yは、0~200の整数であり、
    zは、0~200の整数であり、
    x+y+zは、1以上であり、
    x、y、又はzを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。)
    で表される基であり、
    は、炭化水素基であり、
    は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、
    Siは、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子を含む1価の基であり、
    は、それぞれ独立して、2~10価の有機基であり、
    αは、1~9の整数であり、
    βは、1~9の整数であり、
    γは、それぞれ独立して、1~9の整数である。]
    で表される化合物である、請求項1に記載の組成物。
  4. は、下記の基:
    43-(SiR44 O)-SiR44
    [式中:
    43は、C1-12アルキル基、又はA基:
    Figure 2024025758000049
    [式中:
    51は、それぞれ独立して、-(R54-OSiR53 ma-R53で表される基であり、
    54は、それぞれ独立して、酸素原子、又はC1-6アルキレン基であり、
    53は、それぞれ独立して、炭化水素基またはR1’であり、
    51’は、R51と同意義であり、
    maは、それぞれ独立して、1~5の整数であり、
    ただし、R51中、R51’の数は20以下であり、
    52は、それぞれ独立して、又は炭化水素基であり、
    naは、1~3であり、
    zは、0又は1である。]
    で表される基であり、
    44は、それぞれ独立して、C1-12アルキル基であり、
    nは、0~1500である。]
    で表される基である、請求項2又は3に記載の組成物。
  5. は、A基:
    Figure 2024025758000050
    [式中:
    51は、それぞれ独立して、-(R54-OSiR53 ma-R53で表される基であり、
    54は、それぞれ独立して、酸素原子、又はC1-6アルキレン基であり、
    53は、それぞれ独立して、炭化水素基またはR1’であり、
    51’は、R51と同意義であり、
    maは、それぞれ独立して、1~5の整数であり、
    ただし、R51中、R51’の数は20以下であり、
    52は、それぞれ独立して、又は炭化水素基であり、
    naは、1~3であり、
    zは、0又は1である。]
    で表される基である、請求項2又は3に記載の組成物。
  6. Siは、下記式(S1)、(S2)、(S3)、(S4)、又は(S5):
    Figure 2024025758000051
    [式中:
    11は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
    12は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
    n1は、(SiR11 n112 3-n1)単位毎にそれぞれ独立して、0~3の整数であり、
    11は、それぞれ独立して、単結合又は2価の有機基であり、
    13は、それぞれ独立して、水素原子又は1価の有機基であり、
    tは、それぞれ独立して、2以上の整数であり、
    14は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又は-X11-SiR11 n112 3-n1であり、
    15は、それぞれ独立して、単結合、酸素原子、炭素数1~6のアルキレン基又は炭素数1~6のアルキレンオキシ基であり、
    a1は、それぞれ独立して、-Z-SiR21 p122 q123 r1であり;
    は、それぞれ独立して、2価の有機基であり、
    21は、それぞれ独立して、-Z1’-SiR21’ p1’22’ q1’23’ r1’であり;
    22は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
    23は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
    p1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
    q1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
    r1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
    1’は、それぞれ独立して、2価の有機基であり、
    21’は、それぞれ独立して、-Z1”-SiR22” q1”23” r1”であり;
    22’は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
    23’は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
    p1’は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
    q1’は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
    r1’は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
    1”は、それぞれ独立して、2価の有機基であり、
    22”は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
    23”は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
    q1”は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
    r1”は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
    b1は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
    c1は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
    k1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
    l1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
    m1は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
    ただし、式(S3)中、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子が少なくとも2つ存在し、
    d1は、それぞれ独立して、-Z-CR31 p232 q233 r2であり、
    は、それぞれ独立して、単結合、酸素原子又は2価の有機基であり、
    31は、それぞれ独立して、-Z2’-CR32’ q2’33’ r2’であり、
    32は、それぞれ独立して、-Z-SiR34 n235 3-n2であり、
    33は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基又は1価の有機基であり、
    p2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
    q2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
    r2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
    2’は、それぞれ独立して、単結合、酸素原子又は2価の有機基であり、
    32’は、それぞれ独立して、-Z-SiR34 n235 3-n2であり、
    33’は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基又は1価の有機基であり、
    q2’は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
    r2’は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
    は、それぞれ独立して、単結合、酸素原子又は2価の有機基であり;
    34は、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基であり、
    35は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、
    n2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
    e1は、それぞれ独立して、-Z-SiR34 n235 3-n2であり、
    f1は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基又は1価の有機基であり、
    k2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
    l2は、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
    m2は、それぞれ独立して、0~3の整数である。
    ただし、式(S4)中、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子が少なくとも2つ存在し、
    g1及びRh1は、それぞれ独立して、-Z-SiR11 n112 3-n1、-Z-SiRa1 k1b1 l1c1 m1、又は-Z-CRd1 k2e1 l2f1 m2であり、
    は、それぞれ独立して、単結合、酸素原子又は2価の有機基であり、
    ただし、式(S5)中、水酸基又は加水分解性基が結合したSi原子が少なくとも2つ存在する。]
    で表される基である、請求項2又は3に記載の組成物。
  7. は、単結合、又は、-CO-、-COO-、-NR41-、-CONR41-、-OCONR41-、-NR41-CO-NR41-、-O-もしくは-S-を含む2価の基であり、
    41は、水素原子又はC1-6アルキル基である、
    請求項2記載の組成物。
  8. は、さらに、-CO-、-COO-、-NR41-、-CONR41-、-OCONR41-、-NR41-CO-NR41-、-O-もしくは-S-を含む2価の有機基である、請求項2又は3に記載の組成物。
  9. 式(1B)におけるX中のアルキレン基の炭素原子の数は、R中のSi原子の数よりも多い、請求項2又は3に記載の組成物。
  10. 式(1B)におけるX中のアルキレン基の炭素原子の数は、R中のSi原子の数の2.5倍以上である、請求項2又は3に記載の組成物。
  11. 式(1B)におけるX中のアルキレン基の炭素原子の数は、R中の主鎖の原子の数よりも多い、請求項2又は3に記載の組成物。
  12. 式(1B)におけるX中のアルキレン基の炭素原子の数は、R中の主鎖の原子の数の2.0倍以上である、請求項2又は3に記載の組成物。
  13. は、下記式:
    -(R51p5-(X51q5
    [式中:
    51は、-(CHs5-又はo-、m-もしくはp-フェニレン基であり、
    s5は、1~20の整数であり、
    51は、-(X52l5-であり、
    52は、それぞれ独立して、-O-、-S-、o-、m-もしくはp-フェニレン基、-CO-、-C(O)O-、-CONR54-、-O-CONR54-、-NR54-及び-(CHn5-からなる群から選択される基であり、
    54は、それぞれ独立して、水素原子、又は1価の有機基であり、
    n5は、それぞれ独立して、1~20の整数であり、
    l5は、1~10の整数であり、
    p5は、0又は1であり、
    q5は、0又は1であり、
    ここに、p5及びq5の少なくとも一方は1であり、p5又はq5を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は任意である。]
    で表される2価の有機基である、請求項3に記載の組成物。
  14. 成分AにおけるX又はXと、成分BにおけるX又はXが同一の構造を有する、請求項3に記載の組成物。
  15. 、X、及びXは、アミド結合を含む、請求項14に記載の組成物。
  16. 成分Aと成分Bの混合比は、質量比で、1:99~99:1である、請求項1に記載の組成物。
  17. 成分A及び成分Bの少なくとも一方は、長鎖アルキル構造又はシロキサン構造の一方のみを含む、請求項1に記載の組成物。
  18. さらに、R81OR82、R83 n86-n8、R848586Si-(O-SiR8788m8-R89、及び(OSiR8788m9
    [式中
    81~R89は、それぞれ独立して、炭素数1~10個の一価の有機基であり、
    m8は、1~6の整数であり、
    m9は、3~8の整数であり、
    n8は、0~6の整数である。]
    で表される化合物から選択される溶媒を含む、請求項1に記載の組成物。
  19. 前記溶媒は、R848586Si-(O-SiR8788m8-R89である、請求項18に記載の組成物。
  20. 前記溶媒は、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、又はデカメチルシクロペンタシロキサンである、請求項18に記載の組成物。
  21. 請求項1に記載の組成物を含む表面処理剤。
  22. さらに成分A又は成分Bの化合物の縮合体を含む、請求項21に記載の表面処理剤。
  23. 真空蒸着用である、請求項21に記載の表面処理剤。
  24. 湿潤被覆用である、請求項21に記載の表面処理剤。
  25. 請求項21に記載の表面処理剤を含有するペレット。
  26. 基材と、該基材上に、請求項21に記載の表面処理剤から形成された層とを含む物品。
  27. 前記基材と前記層との間に酸化ケイ素を含む中間層を含む、請求項26に記載の物品。
  28. 前記中間層は、アルカリ金属原子を含む、請求項27に記載の物品。
  29. 前記アルカリ金属原子の少なくとも一部がナトリウム原子である、請求項28に記載の物品。
  30. 光学部材である、請求項26に記載の物品。
  31. ディスプレイである、請求項26に記載の物品。
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