JP2024025540A - 液体吐出ヘッド及び記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 振動板に適正な変位量を得るための駆動電圧を低減することが可能になると共に、液体の吸引やワイプ動作に適した液体ヘッドを提供する。【解決手段】 液体吐出ヘッド100は、第1基板2と第2基板3とを備える。第1基板2の平坦な第1面5aには、液体を吐出するための吐出口6が設けられている。また、第基板2の第2面には、駆動素子が設けられている。第2基板3は、第1基板2の第2面5bに接合され、液体が供給されるように構成された圧力室8を形成している。第1基板2は、圧力室8を形成する部分が振動板7を形成し、振動板7が変位することで圧力室8内の液体が吐出口6から吐出する。第1基板2の第2面5bは、駆動素子を含む凹凸形状を有する。また、振動板7は、吐出口6が設けられている第1領域の剛性に比べ、第1領域を取り囲む第2領域の剛性が低くなっている。【選択図】 図4

Description

本開示は、インクなどの液体吐出可能な液体吐出ヘッド及び記録装置に関する。
近年、インクジェット記録装置では、画像の高精細化や高速記録の要求から、吐出口が高密度に配置された液体吐出ヘッドが求められている。このような要求に対し、圧電素子を用いた液体吐出ヘッドの中でも、圧電素子を高密度かつ高精度に配列することが比較的容易であることから、ベンドモード型の液体吐出ヘッドが広く用いられている。ベンドモード型の液体吐出ヘッドは、圧電素子と振動板からなる積層構造によって圧力室の内壁を構成し、電圧を印加することで圧電素子を面内方向に変形させて、振動板を面外方向に変形(曲げ変形)させることで、圧力室内に圧力を発生させるものである。
特許文献1及び特許文献2には、ベンドモード型の液体吐出ヘッドが開示されている。特許文献1に開示の液体吐出ヘッドでは、吐出口(ノズル)が形成された基板が圧力室を塞ぐように配置され、圧力室の壁で固定されていない基板の領域が振動板となる。この振動板を構成する基板の表面には電極及び圧電素子が形成されており、圧電素子の変形によって液体が吐出口から吐出される。
また、特許文献2には、吐出口(ノズル)が形成された基板において、基板上に第1電極と圧電素子と第2電極が形成されており、さらに第2電極の上に基板全体を覆うように金属材料を形成したノズルプレートが示されている。このノズルプレートの金属材料側の面と、圧力室となる開口が設けられた基材の片側を接合することで、ベンドモード型の液体吐出ヘッドを形成している。
特開2014-172323号公報 特開2012-71587号公報
特許文献1の構成では、ノズルが形成された圧力室と反対側の面に電極や圧電素子が形成されることにより、基板の表面に凹凸が生じる。このため、この凹凸を埋めるように、保護膜や撥水膜を形成し、基板の表面を平坦な面形状に形成している。これにより、キャップ部材を基板の表面に密接させることが可能になり、基板の表面側からインクを吸引する吸引動作が可能になる。また、基板の表面に付着したインクや塵埃をワイパによって払拭するワイプ動作も適正に行うことが可能になる。しかしながら、振動板表面に保護膜や撥水膜を形成すると振動板が厚くなって振動板が変位しにくくなる。一方、特許文献2には、振動板表面に凹凸は生じないが、振動板全体を金属材料で覆うため、振動板が硬くなり変位量が小さくなる。
このように特許文献1及び2に記載の技術では、振動板が変位し難い構成となっており、振動板に十分な変位量を得るためには、圧電素子に大きな駆動電圧を印加することが必要となる。
本開示は、振動板に適正な変位量を得るための駆動電圧を低減することが可能になると共に、液体の吸引やワイプ動作に適した液体ヘッド及びこれを用いた記録装置の提供を目的とする。
本開示は、液体を吐出するための吐出口が平坦な第1面に設けられ、かつ、前記第1面とは反対側の第2面に駆動素子が設けられた第1基板と、前記第1基板の前記第2面と接合し、かつ、前記第1基板の前記第2面との間に、液体が供給されるように構成された圧力室を形成する第2基板と、を有し、前記第1基板の前記圧力室を形成する部分は、前記駆動素子によって変位する振動板を形成し、前記振動板が変位することで前記圧力室内の液体が前記吐出口から吐出するように構成された液体吐出ヘッドであって、前記第1基板の前記第2面は、前記駆動素子を含む凹凸形状を有し、前記振動板は、前記吐出口が設けられている第1領域の剛性に比べ、前記第1領域を取り囲む第2領域の剛性が低いことを特徴とする。
本開示によれば、振動板に適正な変位量を得るための駆動電圧を低減することが可能になると共に、液体の吸引やワイプ動作に適した液体ヘッド、及びこれを備えた記録装置を提供することが可能になる。
インクジェット記録装置の模式図及び制御構成を示すブロック図である。 実施形態における液体吐出ヘッドの全体構成を示す斜視図である。 液体吐出ヘッドの基板の一部を拡大して示す分解斜視図である。 図3のIVa-IVa線断面図及び図3に示す領域Fの平面図である。 第1比較例における基板の一部を拡大して示す断面図である。 第2比較例における基板の一部を拡大して示す断面図である。 第1実施形態の変形例における基板の一部を拡大して示す断面図である。 図4~図7の各基板の単位電圧あたりの圧縮室の変位体積を示す図である。 第2実施形態における基板の一部を拡大して示す分解斜視図である。 図9のX-X線断面図である。 第2実施形態の変形例における基板の一部を拡大して示す断面図である。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものではなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本開示の解決手段に必須のものとは限らない。また、以下では液体吐出ヘッドの中でも液体としてインクを吐出して画像を形成するインクジェットヘッドについて説明するが、本開示の液体吐出ヘッドは、インク以外の液体を吐出するものにも適用可能である。
(第1実施形態)
図1(a)は、本実施形態におけるインクジェット記録装置700(以下、単に記録装置700ともいう)の概略構成図である。図1(a)に示すように、シート状の記録媒体703は搬送手段702によってX方向に搬送され、記録部701の下方を所定の速度で通過する。記録部701は、主として後述する液体吐出ヘッド100により構成される。液体吐出ヘッド100には、色材を含んだ液体であるインクを滴として吐出する複数の吐出口が、記録媒体の搬送方向と交差(本実施形態では直交)する方向(Y方向)に沿って記録媒体の幅に対応する範囲に配列されている。記録媒体703が液体吐出ヘッド100の下方を通過する際、液体吐出ヘッド100の各吐出口に対応して設けられた後述の吐出素子が吐出データに従って駆動され、吐出口から記録媒体に向けてZ方向にインクを吐出し、画像を記録する。このように、本実施形態における記録装置700は、記録媒体703を連続的に搬送しつつ、記録媒体703の幅方向(Y方向)に沿って配列された吐出口列からインクを吐出して記録を行う、フルライン型の記録装置となっている。
図1(b)は、本実施形態及び後述の第2実施形態における記録装置の制御構成を示すブロック図である。記録装置700は、CPU500、ROM501、RAM502を備える。CPU500は、ROM501に記憶されているプログラムに従いRAM502をワークエリアとして使用しながら、記録装置700の各部を統括的に制御する。例えば、CPU500は、外部に接続されたホスト装置600から受信した画像データに対し、ROM501に記憶されているプログラム及びパラメータに従って所定の画像処理を施し、液体吐出ヘッド100の駆動素子を駆動するための吐出データを生成する。CPU500は、吐出データに従って液体吐出ヘッド100を駆動し、所定の周波数でインクを吐出させる。また、CPU500は、液体吐出ヘッド100による吐出動作の吐出周波数に対応した速度で搬送手段702に設けられた搬送モータ503を駆動し、記録媒体703をX方向に搬送する。これにより、記録媒体703には、ホスト装置600より受信した画像データに応じた画像が記録される。
また、送液ユニット504は、液体吐出ヘッド100に対して液体(インク)を供給するためのユニットである。送液ユニット504は、CPU500の管理のもと、内部に備わる圧力制御ユニットや切替え機構などを制御し、液体吐出ヘッド100を含むインクの流動経路におけるインクの流れを制御する。送液ユニット504は、液体吐出ヘッド100へのインクの供給を行う液体供給ユニットとして機能するものであってもよいし、液体吐出ヘッド100を含むインク循環経路においてインクを循環させる液体循環ユニットとしての機能を有するものであってもよい。送液ユニット504が液体循環ユニット(循環手段)としての機能を有するものである場合、送液ユニット504は、液体吐出ヘッド100へのインクの供給と、液体吐出ヘッド100からのインクの回収を行う。
また、回復ユニット505は、液体吐出ヘッド100における液体(インク)の吐出性能の維持・回復を行うための処理を行うユニットであり、CPU500によって制御される。回復ユニット505には、液体吐出ヘッド100の液体を吐出する吐出口から液体を強制的に吸引する吸引手段と、液体吐出ヘッド100の表面に付着した微小な液滴や粉塵などの異物を払拭するためのワイプ動作を行う払拭手段とを備える。吸引手段は、液体吐出ヘッドの表面に密接、離間可能に設けられたキャップ部材と、キャップ部材に接続された負圧発生手段とを備える。キャップ部材を吐出ヘッド100の表面に密着させた状態で、負圧発生手段を駆動することにより、液体吐出ヘッド100内の気体及び液体を吐出口から強制的に吸引する吸引動作を行うことができる。この吸引動作は、液体吐出ヘッド100の圧力室及び吐出口に液体を充填させる充填動作や、吐出口内に生じた増粘した液体(インク)等を排出し、吐出に適した液体(インク)に置換するような吸引回復動作等において実行される。また、払拭手段は、液体吐出ヘッド100の表面に当接しつつ移動するワイパと、その移動を行うワイパ駆動手段によって構成される。ワイパ駆動手段によってワイパを液体吐出ヘッド100の表面に当接させつつ移動させることにより、液体吐出ヘッド100の表面に付着した異物を払拭することが可能になる。
図2は、液体吐出ヘッド100の全体構成を示す斜視図である。液体吐出ヘッド100は、基板1と、フレキシブル配線基板101を介して基板1に電気的に接続される電気配線基板102と、インク(液体)の吐出制御のための電力供給端子103と、制御信号等が入力される入力端子104と、を含む。液体吐出ヘッド100に対するインクの供給方式としては、例えば、毛細管現象もしくはポンプを用いて、液体吐出ヘッド100の上流側に設けられたインクタンクから液体吐出ヘッド100内の圧力室へとインクを供給する方式がある。また、液体吐出ヘッド100の上流側の流路と下流側の流路のそれぞれにインクタンクを設け、一方のインクタンクから他方のインクタンクへとインクを流動させることにより、液体吐出ヘッド100の圧力室内にインクを供給する方式等もある。
液体吐出ヘッド100には、複数の基板1がY方向に沿って配列されている。各基板1には複数の吐出口が高密度に配列されており、それらの吐出口によってY方向に20mmの記録幅が得られるように構成されている。本実施形態における液体吐出ヘッド100は、A4サイズ等の記録媒体に対応するように、複数の基板1がY方向に沿って配列された長尺なフルライン型のインクジェットヘッドである。複数の基板1を配列することにより、液体吐出ヘッド100には、Y方向に沿ってA4サイズの記録媒体の幅より長尺な吐出口列が形成される。
ここで、図3及び図4に基づき本実施形態における液体吐出ヘッド100を構成する基板1の構成を説明する。図3は、液体吐出ヘッド100を構成する基板1の一部を拡大して示す分解斜視図である。また、図4(a)は図3に示す基板1のIVa-IVa線断面図であり、図4(b)は図3(a)の基板において一点鎖線で囲った領域Fを第1基板2の表面5a(第1面)から見た平面図である。尚、図4(b)では、図示の都合上、図4(a)に示す基板1のうちベース基板15を除いた平面形状を示している。
図3では簡略化のため、基板1に5つの吐出口6がY方向に沿って配置された構成を示している。しかし、実際には、吐出口6はY方向に150dpi(169.3um)間隔で120個配列され、それらの吐出口からなる吐出口列がX方向に1000um間隔をもって8列配置されている。8列の吐出口列のうち各吐出口列をY方向に1200dpi(21.2um)ずつずらすことにより、吐出口6をY方向において高密度に配置することができる。尚、吐出口6の配置はこれに限定されるものではない。
図3及び図4を参照しつつ、基板1の構成について説明する。基板1は、第1基板2と、第2基板3と、第3基板4とを備える。これら3枚の基板2、3、4は、図4に示すように、順次重ねた状態で接着剤10により接合されている。なお、図3及び図4において、各基板2、3、4の上面を表面、下面を裏面ともいう。
図3に示すように、第1基板2には、当該基板2を貫通するように吐出口6が形成されている。第2基板3には、各吐出口6に対応する位置に圧力室8(図4参照)を形成するための凹部(第1凹部)8aが形成され、凹部8aには、第2基板3を貫通するように第1開口(圧力室開口)9が形成されている。この第2基板3の表面と第1基板2の裏面とを接着剤10で接合することにより、図4(a)に示すように、第1基板2と第2基板3との間に空間が形成され、この空間が圧力室8となる。図3及び図4に示す例では、第1基板2に5つの吐出口6が形成されているため、各吐出口6に対応して5つの圧力室8が形成されており、各圧力室8は各吐出口6に連通している。また、第1基板2と第2基板3とが接合された部分が圧力室8の隔壁となり、この隔壁で囲まれた内側の領域、即ち圧力室8の上側の内壁を構成する領域が変位可能な振動板7を構成する。
第3基板4には、第2基板3の各凹部8aに形成された第1開口9に連通可能な第1共通流路50(図4参照)を形成するための凹部(第2凹部)50aが形成されている。この第3基板4の表面と第2基板の裏面とを接着剤10で接合することにより、図4に示すように、第2基板3に形成されている全ての第1開口に連通する第1共通流路(第1流路)50が形成される。また、凹部50aの一端部には第2開口(第1流路開口)51が、他端部には第3開口(第2流路開口)52が、それぞれ流路開口として第3基板4を貫通するように形成されている。第2開口51と第3開口52は、外部の送液ユニット504に接続され、送液ユニット504から供給されたインクが、第2開口51及び第3開口52を介して第1共通流路50に供給される。
ここで、図4(a)の断面図及び図4(b)の平面図を参照しつつ、基板1の断面構造および平面形状について説明する。図4(a)に示すように、第1基板2は、第1電極16、圧電膜17、第2電極18、第1絶縁膜19、第1保護膜20、及びベース基板15を有している。さらに、第1基板2には、当該基板2を貫通する吐出口6と、吐出口6を囲む環状の凹部によって吐出口6と連通する段差27が形成されている。
ベース基板15は、シリコン13と、シリコン13の表面に設けられた絶縁膜12と、シリコン13の表面とは反対側の裏面に設けられた絶縁膜14と、から形成されている。ベース基板15の絶縁膜12の表面、即ち、吐出口の開口縁部(吐出口6のインク吐出方向前方の端縁部)が形成されている面は、第1基板2の表面5a(第1面)を形成している。第1基板2の表面5aは、平坦な面形状を有している。ベース基板15の表面5aは液体や外気にさらされるため、絶縁膜12、14は、シリコン13と外部との絶縁が保たれる膜にすることが好ましい。但し、水系の溶液を使用しない場合や、外気に曝されない場合には、ベース基板15を、絶縁膜12を有さない構成としてもよい。また、ベース基板15の裏面側(図4(a)の-Z方向側)には、第1電極16が形成されるため、ベース基板15には絶縁膜14を形成することが好ましい。尚、本実施形態のベース基板15は、SiOの絶縁膜12、14の間にシリコン13を挟んだ構成としているが、絶縁膜12、14のみでベース基板15を構成してもよい。また、ベース基板15は、SiO、Al、HfO、DLCなど他の材料を用いて形成してもよい。絶縁膜14は、第1電極16を形成する際のエッチングストップ層として使用することもできるためベース基板15に含めることが好ましい。所望の特性や所望の製法に応じたベース基板15を用いることが好ましい。
ベース基板15の裏面側(下面側)には、共通電極である第1電極16が形成されている。この第1電極16にはPtを用いている。第1電極16の下側には、チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電膜17が形成されている。圧電膜17を形成する際には、高温で焼結を実施するため、鉛が周囲の膜に拡散することがある。鉛の拡散防止のために、絶縁膜14と第1電極16の間に鉛拡散防止膜としてZrOやTiO膜を形成することが好ましく、TiO膜を形成する場合、第1電極16との間にTi膜を密着向上層として形成してもよい。また圧電膜17には、チタン酸鉛、酸化亜鉛、窒化アルミニウムなど他の材料を用いてもよい。
圧電膜17の裏面側(下面側)には個別電極であるTiWからなる第2電極18が形成されている。第2電極18の材料は、Pt、Ru、Ir、等の他の材料でも構わない。第2電極18となるTiWを成膜した後に、レジスト塗布とフォトリソグラフによるパターニング及びエッチングを実施することで、第2電極18と圧電膜17とを所望の形状に形成することができる。その後、レジスト塗布とフォトリソグラフとによるパターニング及びエッチングを実施することで第1電極16を所望の形状にすることができる。同様の工程を繰り返すことで、吐出口6を形成することができる。第2電極18の裏面側(下側)には、第1電極16と第2電極18を絶縁するために、SiOからなる第1絶縁膜19が形成されている。第1絶縁膜19は、AlやSiN等の他の材料を用いてもよく、圧電膜17や吐出口6の表面保護膜としても機能する。
また第1絶縁膜19の一部には、第1電極16と第2電極18とを電気的に接続する電気配線を接続するための第1コンタクトホール21及び第2コンタクトホール22が形成されている。第1絶縁膜19の裏面側(下面側)には、AlCuからなる電気配線層が形成される。電気配線層には、第1電気配線23と、第2電気配線24と、第1電極PAD25(図4(b))と、第2電極PAD26とが形成されている。第1電気配線23は、第1コンタクトホール21を介して第1電極16と第1電極PAD25とを電気的に接続する。第2電気配線24は、第2コンタクトホール22を介して第2電極18と第2電極PAD26とを電気的に接続する。第1絶縁膜19と電気配線層との間に、密着力向上のためにTi膜を形成してもよい。また、電気配線層を他の材料によって形成してもよい。
電気配線層の裏面側(下面側)には、SiN膜からなる第1保護膜20が形成されている。第1保護膜20は、電気配線層の絶縁性と防湿性を保つ材料であれば、SiO、Al2O、HfO、DLC等の他の材料を用いて形成してもよい。但し、水系の溶液を使用しない場合や、外気に曝されることがない場合には第1保護膜20を有さない構成としてもよいし、振動板7の一部のみに第1保護膜20を形成して振動板7が変形しやすい構成としてもよい。以上のように構成された第1基板2において、振動板7の下面側に設けられている、第1電極16と圧電膜17と第2電極18をまとめて駆動素子と称す。この駆動素子を含む第1基板2の裏面5b(第2面)は、凹凸形状を有している。そして、この第1基板2の裏面5bは、圧力室8の内壁を形成する。
前述のように、第1基板2には、吐出口6に連通する段差27が形成されている。この段差27は、図4(b)に示すように、XY平面から見た時に吐出口6の周囲を囲むように、吐出口6の直径よりも大きいサイズの領域に形成されている。図4(b)に示す例では、段差27の平面形状は矩形形状となっているが、これに限定されない。段差27の平面形状は、円形でも多角形でも構わない。例えば、X方向の長さを吐出口6の直径の2倍、Y方向の長さを吐出口6の直径の4倍程度にして、吐出口6が段差27の平面形状の中心になるように形成してもよい。
第2基板3はSi基板によって形成されている。この第2基板3の表面側(図における上面側)には、前述のように、第1基板2との間で圧力室8を形成するための凹部8aが形成されている。この凹部8a内には、第2基板3の凹部8aを貫通するように第1開口9が形成されている。凹部8a及び第1開口9は、レジスト塗布とフォトリソグラフによるパターニング及びエッチングを実施することによって形成することができる。第2基板3の材料は、セラミックスや樹脂、金属など他の材料を用いてもよい。この第2基板3の表面と第1基板2の表面(第2面)とを接着剤10によって接合することにより圧力室8が形成される。そして、第1基板2と第2基板3との接合面より内側の第1基板2の領域が、圧力室8の内壁の一部(図4における上壁)を構成する振動板7となる。尚、本実施形態では、接着剤10としてBCBを用いているが、エポキシ系やシリコン系ポリマー系など他の材料を用いてもよいし、Siの直接接合を用いてもよい。水系の溶液を使用する場合、接着剤10には耐水性のある材料を用いることが好ましい。
本実施形態において、第2基板3は、第1基板2の中の厚さの小さい部分に接合されている。前述のように第1基板2の裏面5bは、駆動素子によって凹凸形状をなし、駆動素子が形成されている部分の厚さは、それ以外の部分の厚さより大きくなっている。以下、駆動素子が形成されている領域(第1領域)を厚肉部、駆動素子が形成されていない領域を薄肉部と称す。第2基板3は、この第1基板2の薄肉部に接合されている。従って、振動板7においては、第1基板2と第2基板3との接合部から駆動素子に至る環状の外周部28(第2領域)が薄肉部となっている。薄肉部は、厚肉部に比べての剛性(弾性係数)が低い。このため、本実施形態のように、振動板7の外周部28を薄肉部とした場合には、振動板7の外周部を厚肉部とした場合に比べ、振動板7の変位量を大きくすることが可能になる。
第3基板4はSi基板によって形成されている。この第3基板4の表面側(図3、図4(a)における上面側)には、第1共通流路50を形成するための凹部50aが形成されている。この凹部50aの内部には、第3基板4の凹部50aを貫通するように第2開口51及び第3開口52(図3参照)が形成されている。凹部50a、第2開口51、及び第3開口52は、第2基板3の凹部8a及び第1開口9と同様に、レジスト塗布とフォトリソグラフによるパターニング及びエッチングを実施することによって形成することができる。また、第3基板4の材料は、セラミックスや樹脂、金属など他の材料を用いてもよい。第2基板3の圧力室8が形成された面とは逆側の面(図4(a)における下面)と、第3基板4の凹部50aが形成された面(図4(a)における上面)とを接着剤10で接合することにより、第1共通流路50を形成することができる。
第1共通流路50に形成されている第2開口51と第3開口52のそれぞれは、送液ユニット504(図3参照)に接続される。本実施形態では、送液ユニット504は、液体吐出ヘッド100に対して液体を供給する液体供給ユニット(液体供給手段)として機能する。このため、第1共通流路50と送液ユニット504とを接続することにより、送液ユニット504から基板1へと液体を供給することができる。
尚、第1基板2に形成された第1電極PAD25及び第2電極PAD26は、フレキシブル配線基板101に(図2参照)に接続される。これにより、記録装置700から送られた、液体の吐出に必要な電気信号及び電力を基板1に供給することができる。また、第2基板3及び第3基板4において、水系の溶液を使用する場合には、溶液と接する壁面に、SiC、Al、SiN、SiOなどの表面保護層を設けることが好ましい。
ここで、上記構成を有する基板1における液体(インク)の供給及び吐出について説明する。送液ユニット504から第2開口51及び第3開口52に液体が供給されると、第1共通流路(流路)50を介してそれぞれの第1開口9からそれぞれの圧力室8に液体が供給される。ここで、各圧力室8に供給された液体を各吐出口6に充填するための吸引動作を行う。吸引動作は、記録装置700に設けられている吸引手段を用いて行う。吸引手段は、液体吐出ヘッド100の第1基板2の表面に密接可能なキャプ部材と、キャップ部材に接続された負圧発生手段とにより構成される。キャップ部材を基板1の表面に密接させ、キャップ部材に接続されている負圧発生手段によってキャップ部材と基板1の表面とで形成される空間内に負圧を印加することによって吐出口6や圧力室8内の気体及びインクを吸引する。これにより、圧力室8の液体が段差27を経て吐出口6へと吸引され、吐出口6内にインクが充填される。ここで、負圧発生手段の駆動を停止させて液体の吸引を停止すると、液体の表面張力により吐出口6にメニスカスが形成され、液体吐出ヘッド100は、液体を吐出することが可能な状態となる。この吸引動作において、基板1の表面5aに凹凸があると、キャップ部材が基板1の表面5aに密接せず、表面5aの凹凸から外部の空気が入り込み、吐出口6や圧力室8内の空気や液体を十分に吸引することができない。本実施形態の構成では基板1の表面5aが平坦であるため、吐出口6や圧力室8内の空気や液体を適正に吸引することができる。
上記の吸引動作の後、第2電極18に電圧を印加して圧電膜17を駆動すると、振動板7が圧力室8の内方に向けて撓むように変形し、圧力室8の容積が変化(減少)する。この容積変化によって発生した圧力により、圧力室8内に供給されている液体及び吐出口6に充填されている液体が外部へと吐出される。この後、圧力室8の内方に撓んだ振動板7が元の状態に戻ることで、第2開口51及び第3開口52から液体が供給され、吐出口6にメニスカスを形成することができる。
圧電膜17の駆動は、印加する電圧の方向と大きさによって制御することができる。例えば、始めに振動板7を圧力室8の容積を拡大する方向に撓ませ、次に圧力室8の容積が縮小する方向に撓ませると、圧力室8の容積を大きく変化させることができ、吐出のための圧力変化を大きくすることができる。このようにして、圧力室8の容積変化を制御することにより液体の吐出量や吐出速度を制御することができる。
液体の吐出を継続すると、基板1の表面5aに、微小な液滴や粉塵などの異物が付着し、吐出口6から正常な吐出ができなくなることがある。このため、記録装置700では、前述のキャップ部材を用いた液体の吸引動作に加え、記録装置700に設けられた払拭手段としてのワイパによって液滴や粉塵を払拭するワイプ動作を実施する。この際、基板1の表面に凹凸があると、十分なワイプ動作を実施することができないことがある。しかし、本実施形態における基板1は、表面5aが平坦に形成されているため、液滴や粉塵などの異物を適正に払拭することができる。
また本実施形態の基板1は、第1基板2の下面(第2面)に吐出口6に連通する段差27が形成されている。段差27が形成されていることにより、圧力室8が収縮したときに発生した圧力が、段差27の方向に逃げやすくなるため、吐出する液体の直進性が向上する。
さらに、本実施形態の基板1は、振動板7の厚さが局所的に薄肉化した構成を有している。即ち、基板1の外周部28が、その内側に位置する駆動素子が形成されている領域より薄肉に形成されている。このように、振動板7の外周部28が薄肉部によって形成することにより、外周部28は他の部分に比べて低剛性となり、圧電膜17の駆動によって振動板7が変位しやすくなる。このため、圧電膜17に対して低い印加電圧を加えることで振動板7の変位量を十分に確保することが可能になり、吐出口から適正なインク量の吐出を行うことが可能になる。
尚、本実施形態では、送液ユニット504によって第2開口51と第3開口52の両方から液体を供給する場合について述べたが、これに限定されない。第2開口51と第3開口52のうち、いずれか一方の開口を液体供給口とし、他方の開口を液体回収口とすることも可能である。この場合、送液ユニット504としては、液体吐出ヘッド100に対して液体の供給を供給する液体供給手段としての機能及び液体吐出ヘッド100から液体を回収する液体回収手段としての機能を有する循環ユニットを用いる。そして、循環ユニットのインク供給側を一方の開口に接続し、インク回収側を他方の開口に接続する。これにより、第1共通流路50の一方の開口から他方の開口へとインクを流動させながら、吐出口6へのインクの供給うことができる。即ち、送液ユニット504と液体吐出ヘッド100との間でインクを循環させつつ、液体吐出ヘッド100による吐出動作を行うことが可能になる。このようなインクの循環を行うことにより、圧力室8や第1共通流路50内に存在する気泡などを除去することが可能になり、液体吐出ヘッド100の吐出性能をより適正な状態に保つことが可能になる。
ここで、本実施形態における基板1の具体的構成に基づき振動板7の剛性を平板のたわみとして近似計算した例を示す。また、特許文献1のように基板の表面に膜が形成された構成を有する第1比較例についても同様の近似計算を行い、本実施形態における基板1と第1比較例との比較を行う。
式1は基板の中立面の位置λを求める近似式であり、式2は振動板の見かけのヤング率Eの算出式であり、式3は振動板の撓み量uの近似式である。各式において、Eiは各層のヤング率、tiは各層の厚さ、Wは振動板7の幅、hiは基板の表面5aを0とした時の厚さ方向の距離、hは振動板7の厚さ、pは振動板にかかる圧力をそれぞれ示している。
基板1を構成する第1基板2の膜厚とヤング率は以下の通りである。SiOからなる絶縁膜12の厚さは1umであり、ヤング率は70GPaである。シリコン13の厚さは2umであり、ヤング率は210GPaである。SiOからなる絶縁膜14の厚さは0.5umであり、ヤング率は70GPaである。また、Ptからなる第1電極16の厚さは0.13umであり、ヤング率は168GPaである。絶縁膜14と第1電極16の間のTiO2からなる鉛拡散防止膜の厚さは0.05umであり、ヤング率は168GPaである。鉛拡散防止膜と第1電極16との間のTiからなる密着向上層の厚さは0.05umであり、ヤング率は116GPaである。圧電膜17の厚さは2umであり、ヤング率は53GPaである。TiWからなる第2電極18の厚さは0.1umであり、ヤング率は345GPaである。SiOからなる第1絶縁膜19の厚さは0.4umであり、ヤング率は70GPaである。SiNからなる第1保護膜20の厚さは0.2umであり、ヤング率は270GPaである。また、振動板7のサイズは、幅90um、長さ500umである。
一方、図5は、本実施形態の第1比較例における基板1Aの構成を示している。この第1比較例における基板1Aは、特許文献1と同様に基板の表面に形成された凹凸を覆うようにポリイミドからなる保護膜32を形成した構成を有する。第1比較例における基板1Aは、本実施形態と同様に、第1基板2A、第2基板3、第3基板4を備える。第1基板2Aの積層構造は、保護膜32が設けられている点を除き、本実施形態の第1基板2と同様である。但し、第1比較例では、第1基板2Aの表面及び裏面の向きが、第1実施形態における第1基板2の表面及び裏面の向きとは逆になっている。即ち、第1比較例の第1基板2Aは、ベース基板15の外面15aが圧力室8の内壁を構成し、駆動素子を含む凹凸形状を有する面が基板1Aの表面側(図5の上面側)に位置している。そして、この第1基板2Aの表面側に形成されている凹凸形状をポリイミドにより形成される保護膜32によって覆い、第1基板2Aにおける表面5aを平坦な面形状に形成している。ポリイミドにより形成される保護膜32の厚さは4um、ヤング率は4GPaである。
ここで、基板1及び基板1Aのそれぞれの中立面の位置λと、圧電膜17との距離を計算する。尚、中立面の位置λ及び圧電膜17の位置は、ベース基板15の外面(図4(a)における上面)をZ方向における基準位置(Z=0)としたときの、外面からのZ方向における距離を示している。基板1及び1Aにおいて、基準位置であるベース基板15の外面から圧電膜17までの距離は、いずれも3.73umとなっている。また、各基板1及び基板1Aそれぞれの中立面の位置λは、式1によって求めることができる。式1による計算の結果、本実施形態における基板1における中立面の位置λは、-2.98umとなる。よって中立面と圧電膜17とのZ方向における距離は0.75umとなり、基板1における振動板7の見かけの厚さは、5.96um(=2.98um×2)となる。これに対し、第1比較例の基板1Aの中立面は-3.08umとなり、中立面と圧電膜とのZ方向における距離は0.64umとなり、基板1Aにおける振動板7の見かけの厚さは6.16um(=3.08um×2)となる。このように、本実施形態における基板1の方が、見かけの振動板7の厚さは薄くなり、撓みやすくなる。尚、各基板1及び1Aそれぞれの振動板7の剛性を示す見かけのヤング率Eは、式1によって求めた中立面の位置λと振動板7の厚さh等を用いて式2により算出することができる。
次に、基板1及び1Aそれぞれの振動板7の撓み量uを計算する。この撓み量uは、振動板7の厚さhと、式2によって求めた見かけのヤング率Eと、振動板7にかかる圧力pとを用いて、式3により計算する。振動板7にかかる圧力pが1MPaの場合、本実施形態の基板1における振動板7の撓み量は、絶対値で65.7umとなる。これに対し、第1比較の基板1Aにおける振動板7Aの撓み量は、絶対値で54.8umとなる。従って、本実施形態における振動板7の方が第1比較例における振動板7Aの撓み量より大きくなるため好ましい。第1比較例の基板1Aによって本実施形態の基板1と同じ撓み量を得るためには、駆動電圧を大きくしたり、振動板7の幅や長さを大きくしたりする必要がある。駆動電圧を大きくすると駆動回路への負荷が増すため好ましくない。また振動板7の幅や長さを大きくすると、形成される画像の解像度の低下や基板1Aのサイズの増大などが生じ、記録装置としての性能低下や製造コストの増大、設計自由度の低下などが生じる。
以上のように、本実施形態における基板1は、表面5aがベース基板15によって平坦に形成されているため、基板1の表面5aを平坦にするための保護膜を設けなくとも、液体の吸引やワイプ動作を適正に実施することが可能になる。また、より低い駆動電圧で振動板7を適正に変位させることが可能になる。
次に、基板1について、振動板7の外周部28を薄肉に形成したことによる効果を、本実施形態の比較例との対比において説明する。尚、図5は前述の第1比較例を示し、図6は第2比較例を示し、図7は第3比較例を示している。
図5に示す第1比較例の基板1Aは、前述のように、本実施形態の第1基板2の構成を元にポリイミドの保護膜32を追加して基板1Aの表面5aを平坦に形成したものであり、特許文献1の構成を模擬した構成の振動板7Aを有する。図6に示す第2比較例の基板1Bは、本実施形態と同様のベース基板15と、本実施形態と同様の圧電膜17、第1電極16及び第2電極18を有する振動板7Bを備える。但し、第2比較例の第1基板2Bは以下の点が、本実施形態の第1基板2と異なる。即ち、第2比較例の第1基板2Bを形成する際には、吐出口6を形成した後に第1絶縁膜19が成膜され、第2電極18の一部が露出するようにレジスト塗布とフォトリソグラフによるパターニング及びエッチングが実施される。その後、第2電気配線24を形成され、さらに、電鋳法によって第2電極18及び第2電気配線24を覆うようにNi膜33が形成される。Ni膜の厚さは0.2um、ヤング率は199GPaである。このように、第2比較例に示す基板1Bの振動板7Bには、圧電膜17の下面側にNi膜が形成された構成となっており、特許文献2に示す基板を模擬した構成を有している。
また、図7に示す第3比較例に示す基板1Cは、本実施形態の駆動素子と同一の層構造を有する駆動素子を、ベース基板15の裏面(図7における下面)の全域に設けた構成を有している。即ち、第3比較例に示す基板1Cにおける第1基板2Cの振動板7Cには、本実施形態の基板1のような薄肉の外周部28を有していない構成となっている。
これらの基板1、1A、1B、1Cそれぞれの3次元モデル構造を作成し、第1電極16と第2電極18に電圧を印加し、有限要素法にて構造解析を実施した。計算後、単位電圧あたりの圧力室8の変位体積(pL/V)を求め、図4に示す本実施形態の基板1の構成で規格化した値を図8に示す。単位電圧あたりの圧力室8の変位体積(pL/V)の値は吐出量に比例するため、圧力室8の変位体積の大きい方が低い電圧で同じ吐出量を得られ、好ましい。
図8に示すように、図4に示す本実施形態の基板1における圧力室8の変位体積を「1」としたとき、図5に示す特許文献1を模擬した基板1Aの圧力室8の変位体積の比は0.43となる。よって、基板1Aによって基板1と同一の吐出量を得るためには、2倍以上の駆動電圧を印加する必要があることが分かる。また図6に示す特許文献2を模擬した基板1Bの圧力室8の変位体積の比は0.03となる。さらに、振動板7Cの外周部28を薄くしていない図7に示す基板1Cにおける圧力室8の変位体積の比は0.09となる。従って、基板1B、1Cにおいても、基板1Aより高い駆動電圧を印加することが必要であることが分かる。このように、振動板の外周部28を薄肉部によって形成した本実施形態の第1基板2によれば、より低い駆動電圧で振動板7を駆動することが可能になる。
以上説明したように、本実施形態の基板1では、表面5aが平坦に形成されているため、十分な液体の吸引やワイプ動作を実施することができる。さらに、振動板7が撓み易い構成を有しているため、低い電圧で振動板7の適正な変位量を得ることが可能になる。
(第2実施形態)
次に、本開示の第2実施形態を説明する。図9は、本実施形態における液体吐出ヘッドを構成する基板11の一部を拡大した模式図であり、図10は図9のX-X線断面図である。図9では簡略化のため、基板11吐出口6が5つY方向に沿って配置された構成を示している。
図9に示すように、本実施形態における基板11は、第1基板2と、第2基板31と、第3基板41とから構成され、これらの基板2、31、41は、前述の第1実施形態で示したものと同等の材料と方法で作成されている。第1実施形態と異なる箇所は、第2基板31と第3基板41の構造であり、第1基板2は第1実施形態に示したものと同様である。尚、図9及び図10において、第1実施形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付す。
第2基板31には、圧力室8と第1開口(第1圧力室開口)9に加え、第4開口(第2圧力室開口)29が圧力室8を形成するための凹部(第1凹部)8aに第2基板31を貫通するように形成されている。また、第3基板41には、第1共通流路(第1流路)50を形成するための凹部50aと、この凹部50a内に第3基板41を貫通する第2開口(第1流路開口)51とが形成されている。更に、第3基板41には、第2共通流路(第2流路)53を形成するための凹部(第3凹部)53aと、凹部53a内に第3基板41を貫通する第5開口(第2流路開口)54と、が形成されている。そして、第2基板31の裏面(図9及び図10における下面)と第3基板41の表面(図9及び図10における上面)とを接着剤10で接合することにより、第1共通流路50と第2共通流路53とが形成されている。
上記構成を有する本実施形態の基板11において、第3基板41に形成された第2開口51と第5開口54は、送液ユニットとしての液体循環ユニット504に接続する。即ち、第2開口51と第5開口54のいずれか一方を、液体循環ユニット504の供給口に接続し、他方を液体循環ユニット504の回収口に接続する。本例では、液体循環ユニット504の液体供給口に第2開口51が接続され、液体循環ユニット504の液体回収口に第5開口54が接続されている。これにより、液体循環ユニット504から基板11への液体の供給、基板11からの液体の回収を行うことが可能になる。尚、第2基板31と第3基板41において、水系の溶液を使用する場合には、溶液と接する壁面に、SiC、Al2O、SiN、SiOなどの表面保護層を設けることが好ましい。尚、第1基板2に形成された第1電極PAD25(図4(b)参照)と第2電極PAD26は、フレキシブル配線基板101に接続されることで、基板1に液体の吐出に必要な電気信号を印加することができる。
ここで、本実施形態における液体(インク)の供給及び吐出について説明する。液体循環ユニット504から第2開口51に液体が供給されると、第1共通流路50を介してそれぞれの第1開口9からそれぞれの圧力室8に液体が供給される。そして、圧力室8に流入した液体(インク)は、第4開口29を介して第2共通流路53へと流入した後、第5開口54から基板1の外部へと流出し、液体循環ユニット504に回収される。次いで、基板11の平坦な表面に前述のキャップ部材を密接させ、キャップ部材の内部に負圧発生手段による負圧を印加すると、圧力室8に供給された液体が段差27を介して吐出口6へと移動し、吐出口6内にインクが充填される。ここで液体の吸引を停止すると、液体の表面張力により吐出口6にメニスカスが形成される。この状態で第1電極16と第2電極18との間に電圧を印加して圧電膜17を駆動すると、第1実施形態と同様に圧力室の容積変化が生じ、吐出口6の液体の吐出、吐出口6へのインクの充填、及びメニスカスの形成が順次行われる。
以上のように本実施形態においては、液体循環ユニット504と基板11との間で液体が循環し、圧力室8内の液体は第1開口9から第4開口29へと絶えず流動している。但し、圧力室8の内壁を構成する第1基板2の振動板7には、吐出口6を囲む範囲に段差27が形成されている。このため、圧力室8内を流動する液体は段差27が形成されている領域に入り込み、さらに吐出口6のメニスカス形成位置付近まで侵入した後、圧力室8へと流出する、所謂吐出口内循環が行われる。
一方、インクの循環を行わないインクジェット記録装置では、インクの吐出を行わない待機時間において吐出口6から溶剤成分の蒸発が進み、液体に含まれる顔料や染料やその他の成分が吐出口6の内壁や表面に固着しやすくなる。このため、吐出を再開したときに、インクの増粘によって吐出液のヨレや不吐出等の吐出不良が生じやすい。これに対し、本実施形態では、吐出を行わない待機時間であっても、液体吐出ヘッド100と液体循環ユニット504との間で液体の循環を行い、圧力室8内を流動する液体を段差27によって吐出口6のメニスカス形成位置付近まで液体を流動させる。このため、液体の粘度上昇などが生じにくく、吐出不良の発生を抑制することが可能になる。また第1実施形態において述べたように、本実施形態においても、段差27により吐出液体の直進性を向上させることができ、長期に亘り良好な吐出性能を維持することが可能になる。
尚、吐出口6の吐出方向の厚さは、所望の液滴量となるように吐出口6の大きさとのバランスを調整しながら厚さを変えることが好ましい。本実施形態では、第1基板2のうち、ベース基板15以外の部分に形成した環状の凹部によって段差27を形成しているが、吐出口6の厚さを厚くする場合には、第1基板2におけるベース基板15以外の層を含めて吐出口6を形成してもよい。以下、図11を用いて具体的に説明する。
図11は、本実施形態の変形例における基板11Aを示す断面図である。図11に示す基板11Aの吐出口6は、ベース基板15、第1電極16、圧電膜17、第2電極18、第1絶縁膜19、及び第1保護膜20を貫通している。第1保護膜20は水系の溶液でない場合には不要である。第1保護膜20の圧力室8側の面(図11において下面)には、樹脂などの低ヤング率の材料、例えばポリイミドによって環状の凸部が形成され、これによって吐出口6に連通する段差55が形成されている。この段差55により、吐出口6の厚さを厚くする場合でも、吐出した液滴の直進性を向上させることができると共に、圧力室8内を流動する液体を吐出口6へと導き、吐出口内循環を実現することが可能になる。さらに、段差55は、振動板7に局所的に設けられているため、この段差55を形成することによる振動板7の変位の変化はごく微小であり、問題にならない。
以上のように、本実施形態及び変形例によれば、上記第1実施形態と同様に、液体の吸引動作及びワイプ動作を適正に行うことが可能になると共に、振動板の適正な変位量を得ることができる。さらに、本実施形態及び変形例によれば、圧力室8に対する液体の供給、回収をスムーズに行いつつ、段差27及び55によって液体のノズル内循環を適正に行うことが可能になる。このため、吐出口6からのインクの溶剤成分の蒸発による吐出不良の発生を抑制することが可能になると共に、段差27または55による吐出液体の直進性を向上することが可能になり、長期に亘り良好な液体吐出性能を維持することができる。
[他の実施形態]
上記実施形態では、フルライン型の記録装置及びこれに適用する液体吐出ヘッドを例に採り説明したが、本開示はこれに限定されない。本開示は、液体吐出ヘッドを主走査方向へと移動させつつ記録を行うシリアル型の記録装置及びこれに用いる液体吐出ヘッドにも適用可能である。
尚、本開示は以下の構成を含む。
(構成1)
液体を吐出するための吐出口が平坦な第1面に設けられ、かつ、前記第1面とは反対側の第2面に駆動素子が設けられた第1基板と、
前記第1基板の前記第2面と接合し、かつ、前記第1基板の前記第2面との間に、液体が供給されるように構成された圧力室を形成する第2基板と、を有し、
前記第1基板の前記圧力室を形成する部分は、前記駆動素子によって変位する振動板を形成し、前記振動板が変位することで前記圧力室内の液体が前記吐出口から吐出するように構成された液体吐出ヘッドであって、
前記第1基板の前記第2面は、前記駆動素子を含む凹凸形状を有し、
前記振動板は、前記吐出口が設けられている第1領域の剛性に比べ、前記第1領域を取り囲む第2領域の剛性が低いことを特徴とする液体吐出ヘッド。
(構成2)
前記第2領域は、前記第1領域より薄い膜厚に形成されていることを特徴とする構成1に記載の液体吐出ヘッド。
(構成3)
前記第1基板は、前記第1面を形成するベース基板と、前記ベース基板に設けられた駆動素子とにより構成されていることを特徴とする構成1または2に記載の液体吐出ヘッド。
(構成4)
前記第1領域は、前記ベース基板を含み形成され、
前記第2領域は、前記ベース基板と前記駆動素子とを含み形成されていることを特徴とする構成3に記載の液体吐出ヘッド。
(構成5)
前記駆動素子は、圧電膜と、前記圧電膜の一方の面に設けられた第1電極と、前記圧電膜の前記一方の面とは反対側の他方の面に設けられた第2電極と、前記第2電極に設けられた絶縁膜とを有することを特徴とする構成1ないし4のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
(構成6)
前記第2基板の一方の面には、前記圧力室を形成するための第1凹部が形成され、
前記第2基板の前記一方の面と前記第1基板の前記第2面との接合により、前記第1凹部と前記振動板とによって前記圧力室が形成されていることを特徴とする構成1ないし5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
(構成7)
前記第2基板には、当該第2基板を貫通し且つ前記圧力室に連通する圧力室開口が形成されていることを特徴とする構成6に記載の液体吐出ヘッド。
(構成8)
前記第2基板の前記一方の面とは反対側の他方の面に接合された第3基板を更に備え、
前記第3基板と前記第2基板との間には、前記圧力室開口と連通する流路が形成され、
前記第3基板には、当該第3基板を貫通し且つ前記流路と連通する流路開口が形成されていることを特徴とする構成7に記載の液体吐出ヘッド。
(構成9)
前記流路開口は、液体供給手段に接続される第1流路開口及び第2流路開口を含み、
前記第1流路開口及び第2流路開口から前記流路に供給された液体は、前記圧力室開口から前記圧力室及び前記吐出口に供給されることを特徴とする構成8に記載の液体吐出ヘッド。
(構成10)
前記流路開口は、液体供給手段に接続される第1流路開口と液体回収手段に接続される第2流路開口とを含み、
前記第1流路開口から前記流路に供給された液体は、前記第2流路開口に供給される一方、前記圧力室開口から前記圧力室を経て前記吐出口に供給され、
前記第2流路開口に供給された液体は、前記液体回収手段へと流出することを特徴とする構成8に記載の液体吐出ヘッド。
(構成11)
前記圧力室開口は、第1圧力室開口と第2圧力室開口とを含み、
前記流路は、前記第1圧力室開口に連通する第1流路と、前記第2圧力室開口に連通する第2流路とを含み、
前記流路開口は、前記第1流路に連通すると共に液体供給手段に接続される第1流路開口と、前記第2流路に連通すると共に液体回収手段に接続される第2流路開口とを含み、
前記第1流路開口から前記第1流路に供給された液体は、前記第1圧力室開口を経て前記圧力室に供給された後、前記第2圧力室開口に供給される一方、前記吐出口を経て前記第2圧力室開口に供給され、
前記第2圧力室開口に供給された液体は、前記第2流路を経て前記第2流路開口から前記液体回収手段へと流出することを特徴とする構成8に記載の液体吐出ヘッド。
(構成12)
第3基板の一方の面には、第1流路を形成するための第2凹部が形成され、
前記第2基板の前記他方の面と、前記第3基板の前記一方の面との接合により前記第1流路が形成され、
前記第2凹部には、前記第3基板を貫通する前記第1流路開口及び前記第2流路開口が形成されていることを特徴とする構成9または10に記載の液体吐出ヘッド。
(構成13)
前記第3基板の一方の面には、前記第1流路を形成するための第2凹部と、前記第2流路を形成するための第3凹部とが形成され、
前記第2基板の前記他方の面と、前記第3基板の前記一方の面との接合により前記第1流路と前記第2流路とが形成され、
前記第2凹部には、前記第3基板を貫通する前記第1流路開口が形成され、
前記第3凹部には、前記第3基板を貫通する前記第2流路開口が形成されていることを特徴とする構成11に記載の液体吐出ヘッド。
(構成14)
前記第1基板は、前記第2面において前記吐出口の周りを囲むように前記吐出口と連通する段差が形成され、
前記段差は、前記駆動素子が形成されている領域より小さい領域に形成されていることを特徴とする構成1ないし13のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
(構成15)
前記段差は、前記第2面に形成された環状の凹部によって形成されていることを特徴とする構成14に記載の液体吐出ヘッド。
(構成16)
前記段差は、前記第2面に形成された環状の凸部によって形成されていることを特徴とする構成14に記載の液体吐出ヘッド。
(構成17)
液体または外気と接する部分に、保護膜が形成されていることを特徴とする構成1ないし16のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
(構成18)
構成1ないし17のいずれかに記載の液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドに対して記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記液体吐出ヘッドに液体を供給する液体供給手段と、を備え、
前記液体供給手段から供給された液体を前記液体吐出ヘッドの吐出口から前記記録媒体に吐出することによって前記記録媒体に画像を形成することを特徴とする記録装置。
(構成19)
前記液体吐出ヘッドに供給された液体を回収する液体回収手段を更に備えることを特徴とする構成18に記載の記録装置。
1 基板
2 第1基板
3 第2基板
5a 表面
5b 裏面
6 吐出口
7 振動板
8 圧力室
15 ベース基板
100 液体吐出ヘッド
700 記録装置
第2基板3はSi基板によって形成されている。この第2基板3の表面側(図における上面側)には、前述のように、第1基板2との間で圧力室8を形成するための凹部8aが形成されている。この凹部8a内には、第2基板3の凹部8aを貫通するように第1開口9が形成されている。凹部8a及び第1開口9は、レジスト塗布とフォトリソグラフによるパターニング及びエッチングを実施することによって形成することができる。第2基板3の材料は、セラミックスや樹脂、金属など他の材料を用いてもよい。この第2基板3の裏面と第1基板2の表面(第2面)とを接着剤10によって接合することにより圧力室8が形成される。そして、第1基板2と第2基板3との接合面より内側の第1基板2の領域が、圧力室8の内壁の一部(図4における上壁)を構成する振動板7となる。尚、本実施形態では、接着剤10としてBCBを用いているが、エポキシ系やシリコン系ポリマー系など他の材料を用いてもよいし、Siの直接接合を用いてもよい。水系の溶液を使用する場合、接着剤10には耐水性のある材料を用いることが好ましい。

Claims (21)

  1. 液体を吐出するための吐出口が平坦な第1面に設けられ、かつ、前記第1面とは反対側の第2面に駆動素子が設けられた第1基板と、
    前記第1基板の前記第2面と接合し、かつ、前記第1基板の前記第2面との間に、液体が供給されるように構成された圧力室を形成する第2基板と、を有し、
    前記第1基板の前記圧力室を形成する部分は、前記駆動素子によって変位する振動板を形成し、前記振動板が変位することで前記圧力室内の液体が前記吐出口から吐出するように構成された液体吐出ヘッドであって、
    前記第1基板の前記第2面は、前記駆動素子を含む凹凸形状を有し、
    前記振動板は、前記吐出口が設けられている第1領域の剛性に比べ、前記第1領域を取り囲む第2領域の剛性が低いことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記第2領域は、前記第1領域より薄い膜厚に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記第1基板は、前記第1面を形成するベース基板と、前記ベース基板に設けられた駆動素子とにより構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記第1領域は、前記ベース基板を含み形成され、
    前記第2領域は、前記ベース基板と前記駆動素子とを含み形成されていることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記駆動素子は、圧電膜と、前記圧電膜の一方の面に設けられた第1電極と、前記圧電膜の前記一方の面とは反対側の他方の面に設けられた第2電極と、前記第2電極に設けられた絶縁膜とを有することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記第2基板の一方の面には、前記圧力室を形成するための第1凹部が形成され、
    前記第2基板の前記一方の面と前記第1基板の前記第2面との接合により、前記第1凹部と前記振動板とによって前記圧力室が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記第2基板には、当該第2基板を貫通し且つ前記圧力室に連通する圧力室開口が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記第2基板の前記一方の面とは反対側の他方の面に接合された第3基板を更に備え、
    前記第3基板と前記第2基板との間には、前記圧力室開口と連通する流路が形成され、
    前記第3基板には、当該第3基板を貫通し且つ前記流路と連通する流路開口が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記流路開口は、液体供給手段に接続される第1流路開口及び第2流路開口を含み、
    前記第1流路開口及び第2流路開口から前記流路に供給された液体は、前記圧力室開口から前記圧力室及び前記吐出口に供給されることを特徴とする請求項8に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 前記流路開口は、液体供給手段に接続される第1流路開口と液体回収手段に接続される第2流路開口とを含み、
    前記第1流路開口から前記流路に供給された液体は、前記第2流路開口に供給される一方、前記圧力室開口から前記圧力室を経て前記吐出口に供給され、
    前記第2流路開口に供給された液体は、前記液体回収手段へと流出することを特徴とする請求項8に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 前記圧力室開口は、第1圧力室開口と第2圧力室開口とを含み、
    前記流路は、前記第1圧力室開口に連通する第1流路と、前記第2圧力室開口に連通する第2流路とを含み、
    前記流路開口は、前記第1流路に連通すると共に液体供給手段に接続される第1流路開口と、前記第2流路に連通すると共に液体回収手段に接続される第2流路開口とを含み、
    前記第1流路開口から前記第1流路に供給された液体は、前記第1圧力室開口を経て前記圧力室に供給された後、前記第2圧力室開口に供給される一方、前記吐出口を経て前記第2圧力室開口に供給され、
    前記第2圧力室開口に供給された液体は、前記第2流路を経て前記第2流路開口から前記液体回収手段へと流出することを特徴とする請求項8に記載の液体吐出ヘッド。
  12. 第3基板の一方の面には、第1流路を形成するための第2凹部が形成され、
    前記第2基板の前記他方の面と、前記第3基板の前記一方の面との接合により前記第1流路が形成され、
    前記第2凹部には、前記第3基板を貫通する前記第1流路開口及び前記第2流路開口が形成されていることを特徴とする請求項9または10に記載の液体吐出ヘッド。
  13. 前記第3基板の一方の面には、前記第1流路を形成するための第2凹部と、前記第2流路を形成するための第3凹部とが形成され、
    前記第2基板の前記他方の面と、前記第3基板の前記一方の面との接合により前記第1流路と前記第2流路とが形成され、
    前記第2凹部には、前記第3基板を貫通する前記第1流路開口が形成され、
    前記第3凹部には、前記第3基板を貫通する前記第2流路開口が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の液体吐出ヘッド。
  14. 前記第1基板は、前記第2面において前記吐出口の周りを囲むように前記吐出口と連通する段差が形成され、
    前記段差は、前記駆動素子が形成されている領域より小さい領域に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  15. 前記段差は、前記第2面に形成された環状の凹部によって形成されていることを特徴とする請求項14に記載の液体吐出ヘッド。
  16. 前記段差は、前記第2面に形成された環状の凸部によって形成されていることを特徴とする請求項14に記載の液体吐出ヘッド。
  17. 液体または外気と接する部分に、保護膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  18. 請求項1に記載の液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドに対して記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記液体吐出ヘッドに液体を供給する液体供給手段と、を備え、
    前記液体供給手段から供給された液体を前記液体吐出ヘッドの吐出口から前記記録媒体に吐出することによって前記記録媒体に画像を形成することを特徴とする記録装置。
  19. 前記液体吐出ヘッドに供給された液体を回収する液体回収手段を更に備えることを特徴とする請求項18に記載の記録装置。
  20. 前記液体供給手段及び前記液体回収手段は、循環手段により構成され、
    前記循環手段と前記液体吐出ヘッドとの間で液体の循環を行うことを特徴とする請求項19に記載の記録装置。
  21. 前記液体吐出ヘッドの前記第1基板の第1面に密接し、前記吐出口から液体を吸引する吸引手段と、
    前記液体吐出ヘッドの前記第1基板の前記第1面を払拭する払拭手段と、を備えることを特徴とする請求項18ないし20のいずれか1項に記載の記録装置。
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