JP2024025192A - アンテナ装置、及び、アンテナ付ディスプレイ装置 - Google Patents

アンテナ装置、及び、アンテナ付ディスプレイ装置 Download PDF

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翔 熊谷
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Abstract

【課題】アンテナ特性を向上させたアンテナ装置、及び、アンテナ付ディスプレイ装置を提供する。【解決手段】アンテナ装置は、第1主面及び第2主面を有する基体と、前記第1主面に設けられる金属層と、平面視で前記金属層と重なる位置において、前記第2主面に設けられるグランド層とを含み、前記金属層は、コプレーナ導波路と、前記コプレーナ導波路に接続されるスロットアンテナと、前記スロットアンテナの延在方向に沿って延在する端辺と、前記スロットアンテナと前記端辺との間に設けられる無給電スロットとを有する。【選択図】図4A

Description

本開示は、アンテナ装置、及び、アンテナ付ディスプレイ装置に関する。
従来より、第1及び第2の面を有する誘電体層と、該誘電体層の前記第1の面に形成されており、線路導体と該線路導体の端部を取り囲む接地導体層で構成される高周波線路と、前記誘電体層の前記第1の面に、前記線路導体に交差して形成されており、前記線路導体と電磁的に結合されたスロットと、前記誘電体層の内部に形成されており、平面透視において前記線路導体の前記端部及び前記スロットを取り囲む複数のシールド導体とを備え、前記複数のシールド導体のうち、前記線路導体の延長方向に配置されたシールド導体同士の間隔が、他のシールド導体同士の間隔より狭いことを特徴とする開口面アンテナ(アンテナ装置)がある。この開口面アンテナ(アンテナ装置)は、誘電体層の第2の面に、下部接地導体層を有する(例えば、特許文献1参照)。
特開2007-266836号公報
ところで、従来のアンテナ装置のように、誘電体層の上下の面(第1及び第2の面)に導体層がある場合に、誘電体層の厚さを薄くすると、平行平板モードのような不要伝送モードが生じ、指向性利得又は放射効率が低下する場合がある。指向性利得又は放射効率が低下することは、アンテナ特性が低下することである。
そこで、アンテナ特性を向上させたアンテナ装置、及び、アンテナ付ディスプレイ装置を提供することを目的とする。
本開示の実施形態のアンテナ装置は、第1主面及び第2主面を有する基体と、前記第1主面に設けられる金属層と、平面視で前記金属層と重なる位置において、前記第2主面に設けられるグランド層とを含み、前記金属層は、コプレーナ導波路と、前記コプレーナ導波路に接続されるスロットアンテナと、前記スロットアンテナの延在方向に沿って延在する端辺と、前記スロットアンテナと前記端辺との間に設けられる無給電スロットとを有する。
アンテナ特性を向上させたアンテナ装置、及び、アンテナ付ディスプレイ装置を提供できる。
ディスプレイモジュールを搭載した実施形態の電子機器におけるアンテナ装置の位置の一例を示す全体図である。 図1の電子機器のA-A矢視断面の構成の一例を示す図である。 金属メッシュの構成の一例を示す平面図である。 実施形態のアンテナ装置の構成の一例を示す図である。 実施形態のアンテナ装置の構成の一例を示す図である。 実施形態のアンテナ装置の構成の一例を示す図である。 図4AにおけるC1-C1矢視断面のうちの線路の部分を拡大して示す断面図である。 図4AにおけるC2-C2矢視断面のうちのループスロットアンテナの部分を拡大して示す断面図である。 図4AのB-B矢視断面を示す図である。 シミュレーション結果の一例を示す図である。
以下、本開示のアンテナ装置及びアンテナ付ディスプレイ装置を適用した実施形態について説明する。以下では、同一の要素に同一の号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
以下では、XYZ座標系を定義して説明する。平行、直角、直交、水平、垂直、上下、左右等の方向には、実施の形態における開示の効果を損なわない程度のずれが許容される。また、X方向、Y方向、Z方向は、それぞれ、X軸に平行な方向、Y軸に平行な方向、Z軸に平行な方向を表す。X方向とY方向とZ方向は、互いに直交する。XY平面、YZ平面、ZX平面は、それぞれ、X方向及びY方向に平行な仮想平面、Y方向及びZ方向に平行な仮想平面、Z方向及びX方向に平行な仮想平面を表す。また、以下では、+Z方向側を上側、-Z方向側を下側とする上下方向と、上下方向に対する横方向(側方)とを用いて説明するが、普遍的な上下方向と横方向を表すものではない。また、平面視とは+Z方向側からXY面視することをいう。また、以下では構成が分かりやすくなるように各部の長さ、太さ、厚さ等を誇張して示す場合がある。
また、以下の説明で、「電波」とは電磁波の一種であり、一般的に、3THz以下の電磁波は電波と呼ばれている。以下では、屋外の基地局又は中継局から放射された電磁波を「電波」と呼び、電磁波一般について言及するときは「電磁波」と呼ぶ。また、以下では、「ミリ波」又は「ミリ波帯」というときは、30GHz~300GHzの周波数帯域に加えて、24GHz~30GHzの準ミリ波帯も含むものとする。
実施形態のアンテナ装置及びアンテナ付ディスプレイ装置が送信又は受信する電波は、第五世代移動通信システム(5G)等のミリ波帯や、Sub-6を含む1GHz~30GHzの周波数帯域の電波であると好適である。また、実施形態のアンテナ装置及びアンテナ付ディスプレイ装置が送信又は受信する電波は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、又はUMB(Ultra Mobile Broadband)であってもよい。また、実施形態のアンテナ装置及びアンテナ付ディスプレイ装置が送信又は受信する電波は、IEEE802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE802.20、UWB(Ultra-Wideband)、Bluetooth(登録商標)、又はLPWA(Low Power Wide Area)等であってもよい。実施形態のアンテナ装置及びアンテナ付ディスプレイ装置は、比較的高い周波数を扱う通信に、より好適である。以下では、特に断らない限り、一例としてミリ波帯とSub-6の電波を用いて説明する。
<実施形態>
<電子機器200の構成>
図1及び図2を用いて実施形態のアンテナ装置100を含むディスプレイモジュールDが搭載される通信装置の一例である電子機器200の構成について説明する。図1は、ディスプレイモジュールDを搭載した電子機器200におけるアンテナ装置100の位置の一例を示す全体図である。図2は、図1の電子機器200のA-A矢視断面の構成の一例を示す図である。
電子機器200は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ノートブック型PC(Personal Computer)等の情報処理端末機である。また、電子機器200は、これらに限られず、例えば、柱や壁等の構造物、デジタルサイネージ、電車内のディスプレイパネルを含む電子機器、又は、車両の中の様々なディスプレイパネルを含む電子機器等であってもよい。
図1及び図2に示すように、電子機器200の上面全体、または上面の少なくとも一部は表示機能を実行可能なディスプレイモジュールDが配置されている。アンテナ装置100は、ディスプレイパネル220上のタッチパネル230の上側に配置されている。アンテナ装置100は、透明カバー240を介して電子機器200の外から見えており、アンテナ装置100を介して外側からディスプレイパネル220を視認可能になるように、透明である。ディスプレイパネル220は、表示装置の一例である。ディスプレイパネル220の表示面は、ディスプレイパネル220の+Z方向側の表面である。
電子機器200は、アンテナ装置100、筐体210、ディスプレイパネル220、タッチパネル230、透明カバー240、配線基板250、電子部品260A、260B、260C、260D、及びバッテリー270等を含む。このような電子機器200のうち、アンテナ装置100、ディスプレイパネル220、タッチパネル230、及び透明カバー240は、ディスプレイモジュールDを構成する。ディスプレイモジュールDは、アンテナ付ディスプレイ装置の一例である。
なお、ここでは、一例として、アンテナ装置100が透明であって、電子機器200に含まれ、ディスプレイモジュールDの一部である形態について説明する。しかしながら、アンテナ装置100は、透明ではなくてもよい。アンテナ装置100は、表示装置の表示面側に設けられない場合には、透明でなくてよい。
筐体210は、例えば金属製及び/又は樹脂製のケースであり、電子機器200の下面側及び側面側を覆っている。筐体210は、側壁の上端に開口端211を有し、開口端211には、透明カバー240が取り付けられている。筐体210は、開口端211に連通する内部空間である収容部212を有する。筐体210及び透明カバー240で囲まれる内部空間には、配線基板250、電子部品260A~260D及びバッテリー270等が収容されている。
ディスプレイパネル220は、例えば、液晶ディスプレイパネル、有機EL(Electro-luminescence)、又は、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイパネルであり、いずれの構成でも、ディスプレイモジュールDの最も下側に配置される。
タッチパネル230は、ディスプレイパネル220の表示面側(+Z方向側)に設けられている。タッチパネル230は、静電容量式の位置検出装置であり、透明カバー240の表面に接触する利用者の指先等の座標を検出する。
透明カバー240は、最上面に設けられる透明なガラス板であり、平面視で筐体210の開口端211に合わせられたサイズを有する。透明カバー240は、本例では、大半が平面で、横方向(±Y方向)の両端部が緩やかに下側に湾曲した形状のガラス板である例を示すが、横方向において平板状のガラス板であってもよい。あるいは、透明カバー240は、電子機器200の縦方向(±X方向)においても両端部が緩やかに下側に湾曲した形状であってもよい。ここでは、透明カバー240がガラス製である形態について説明するが、透明カバー240は、樹脂製であってもよい。
透明カバー240が筐体210の開口端211に取り付けられることにより、筐体210の収容部212は封止される。
透明カバー240の上面は、透明カバー240の外表面の一例であり、透明カバー240の下面は、透明カバー240の内表面の一例である。透明カバー240の内表面側には、アンテナ装置100及びタッチパネル230が設けられる。透明カバー240は透明であるため、電子機器200の外部からは、透明カバー240を介して内部に設けられるタッチパネル230及びディスプレイパネル220が見える。
配線基板250には、電子部品260A~260Cが実装される。配線基板250には、図2において破線で示す給電線路等が接続される。給電線路等は、アンテナ装置100と配線基板250を接続している。配線基板250とアンテナ装置100とを接続する給電線路等は、コネクタやACF(Anisotropic Conductive Film)等を用いて接続されていてもよく、その他の構成要素を用いて接続されていてもよい。
電子部品260Aは、一例として、配線基板250の配線と給電線路等(破線参照)を介してアンテナ装置100に接続されており、アンテナ装置100を介して送信又は受信する信号の処理を行う通信モジュールである。また、中央の電子部品260Bは、例えば、カメラである。
電子部品260C、260Dは、一例として、電子機器200の動作に関連する情報処理等を行う部品であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、入出力インターフェース、及び内部バス等を含むコンピュータによって実現される。
バッテリー270は、充電可能な二次電池であり、ディスプレイモジュールD、及び電子部品260A~260D等の動作に必要な電力を供給する。
<アンテナ装置100に用いる金属メッシュ>
図3は、金属メッシュ30の構成の一例を示す平面図である。アンテナ装置100の構成について説明する前に、ここでは、アンテナ装置100の金属層及びグランド層として利用可能な金属メッシュ30について説明する。
金属メッシュ30は、透明導体であり、透明基板10の上面10Aに形成されている。金属メッシュ30は、人間の視力では確認が難しいほど光透過性が高い導体である。金属メッシュ30は、アンテナ装置100の金属層及びグランド層として利用可能である。アンテナ装置100の金属層は、スロット型の放射素子を有する。ここでは、一例として、透明基板10の上面10Aに形成されている金属メッシュ30について説明する。
金属メッシュ30は、光透過性を高くするために、一例としてメッシュ状に形成されている金属細線層であり、透明導体である。金属メッシュ30は、一方の方向に延在する複数の金属細線31と、他方の方向に延在する複数の金属細線32が交差するように設けられて、網目状の隙間(目開き)である開口部(透孔)33が形成されている。
金属メッシュ30の開口部33は方形であってもよく、菱形であってもよい。開口部33を方形に形成する場合、メッシュの目は正方形が好ましく、意匠性が良い。また、メッシュの開口部33は、自己組織化法によるランダム形状でもよく、そうすることでモアレを抑制できる。金属細線31、32それぞれの線幅w31、w32は、1μm~10μmが好ましく、1μm~5μmがより好ましく、1μm~3μmがさらに好ましい。また、複数の金属細線31同士の間、及び、複数の金属細線32同士の間の線間隔(目開き又はピッチともいう)p31、p32は、300μm~500μmが好ましい。
金属メッシュ30の全体に対する開口部33の面積の割合である開口率は、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。金属メッシュ30の開口率を大きくするほど、可視光透過率を高くできる。
金属メッシュ30の厚さは、1μm~40μmであってよい。メッシュ状に形成されることにより、金属メッシュ30が厚くても、可視光透過率を高くできる。金属メッシュ30の厚さは、5μm以上がより好ましく、8μm以上がさらに好ましい。また、金属メッシュ30の厚さは、30μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましく、15μm以下が特に好ましい。
なお、金属メッシュ30において、金属細線31、32の線幅(導体幅)w31、w32よりも、導体厚は小さく設定される。アスペクト比(導体厚/導体幅)が1を超えると、構造的にアンバランスになり、壊れやすく、また製造も困難なためである。ただし、導体厚が厚いほどシート抵抗値を小さくできるため、導体厚が厚い方がスロット型の放射素子の放射効率は良好になる。このため、導体厚は導体幅より小さく、かつなるべく大きい値が好適である。
なお、金属メッシュ30の金属細線31、32の導体材料としては銅が挙げられるが、他にも、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、金、白金、錫、鉄、等の金属材料を使用でき、また、これらの材料に限られない。
このような金属メッシュ30は、透明であり、人間の視力では確認が難しいほど光透過性が高く、かつ透明導体として機能できる。また、金属メッシュ30の面抵抗は、例えば5Ω/sq以下である。より好ましくは、1Ω/sq以下であり、さらに好ましくは0.5Ω/sq前後である。
<アンテナ装置100の構成>
図4A、図4B、及び図4Cは、アンテナ装置100の構成の一例を示す図である。図4Aは平面図であり、図4Bは、図4AのB-B矢視断面を示す図であり、図4Cは、アンテナ装置100の底面側を示す図である。
アンテナ装置100は、透明基板101、金属層110、及びグランド層120を含む。透明基板101は、基体の一例である。金属層110は、端辺111、コプレーナ導波路130、ループスロットアンテナ140、及び無給電スロット150を有する。ループスロットアンテナ140は、スロットアンテナの一例である。
透明基板101は、上面101A及び下面101Bを有する。上面101Aは第1主面の一例であり、下面101Bは第2主面の一例である。上面101Aには金属層110が設けられ、下面101Bにはグランド層120が設けられる。
透明基板101は、一例として、PET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)又はCOP(シクロオレフィンポリマー)であり、折り曲げ可能なフレキシブル基板である。「透明」とは、可視光透過率が少なくとも40%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上であることをいう。アンテナ装置100が無色透明であることを担保するために、透明基板101の可視光透過率は、80%以上であると好適である。また、一例として、透明基板101の28GHzにおける誘電率は、3.2である。
また、透明基板101の厚さは、25μm~400μmであることが好ましい。本実施形態では、一例として、透明基板101の厚さは100μmである。上面101A及び下面101Bに金属層110及びグランド層120がそれぞれ設けられる透明基板101は、特に厚さがλ/32以下の場合に、不要伝送モードである平行平板モードが生じる。アンテナ装置100は、本来が放射に寄与しない平行平板モードの電波を放射に寄与させるため、透明基板101の厚さは、平行平板モードが生じやすい厚さであることが好ましい。なお、λは、ループスロットアンテナ140の共振周波数における1波長の長さである。
金属層110及びグランド層120は、透明基板101の上面101A及び下面101Bにそれぞれ形成される。全体の構造を分かりやすくするために、図4A乃至図4Cでは、金属層110及びグランド層120を平面状に形成された金属箔として示すが、金属層110及びグランド層120は、実際には、図3に示す金属メッシュ30で構成される。ここでは、金属層110、及びグランド層120、コプレーナ導波路130、ループスロットアンテナ140、及び無給電スロット150の構成について説明する。
<金属層110>
金属層110は、一例として、透明基板101の上面101Aのうちの-Y方向側の約半分の部分に形成されている。金属層110は、平面視で矩形状であり、+Y方向側でX方向に延在する端辺111を有する。端辺111は、アンテナ装置100の指向性利得及び放射効率を改善するために、平面視において、グランド層120のY方向の長さの略中央に位置し、X方向に延在している。すなわち、端辺111は、グランド層120のY方向の長さの途中に配置される。金属層110の外縁の四辺のうち、端辺111以外の3辺は、透明基板101の外縁に沿って配置されている。一例として、金属層110のX方向の長さは15mm、Y方向の長さは11.8mmである。
金属層110は、コプレーナ導波路130、ループスロットアンテナ140、及び無給電スロット150を有する。コプレーナ導波路130、ループスロットアンテナ140、及び無給電スロット150は、金属層110の-Y方向側から+Y方向側にかけて、この順番で設けられている。
なお、ここでは、端辺111がグランド層120のY方向の長さの略中央に位置する構成について説明するが、端辺111のY方向における位置は、さらに+Y方向側であってもよく、さらに-Y方向側であってもよい。
また、金属層110は、一例として、実際には、図3に示す金属メッシュ30で構成されるため、一例として、金属細線31及び32は、X軸及びY軸に対して45度の方向に延在する。この場合に、端辺111に相当する金属層110の+Y方向側の外縁においても、金属細線31及び32がX軸及びY軸に対して45度の方向に延在する場合には、端辺111は微視的には金属細線31及び32によってX軸に対してジグザグな形状を有することになる。このような場合には、金属層110の+Y方向側の外縁に位置する金属細線31及び32に接してX方向に延在する仮想的な直線を端辺111として扱えばよい。
また、例えば、金属層110の+Y方向側の外縁に、X軸に平行な直線状の金属細線を設けることで、端辺111がX軸に平行な直線状の金属細線によって構成されていてもよい。この場合には、端辺111には、X軸に平行な直線状の金属細線と、金属細線31及び32とによって囲まれる二等辺三角形状の開口が設けられることになる。
<グランド層120>
グランド層120は、一例として、透明基板101の下面101Bの略全面に形成されている。グランド層120は、アンテナ装置100の-Z方向側に配置されるディスプレイパネル220にアンテナ装置100が放射する電波が伝搬しないようにするとともに、ディスプレイパネル220が発生する電波をアンテナ装置100側で遮蔽するために設けられている。また、透明基板101の-Z方向側にグランド層120を設けることで、アンテナ装置100から-Z方向に放射される電波を+Z方向に反射できる。
グランド層120は、平面視で金属層110と重なる第1領域121と、平面視で端辺111に対して第1領域121とは反対側に位置し金属層110とは重ならない第2領域122とにわたって設けられている。平面視において、第1領域121と第2領域122との境界には、金属層110の端辺111が位置する。なお、一例として、グランド層120のX方向の長さは15mm、第1領域121のY方向の長さは11.8mm、第2領域122のY方向の長さは12.2mmである。
ここでは、グランド層120が透明基板101の下面101Bの略全面に形成されていて、金属層110が透明基板101の上面101Aのうちの-Y方向側の約半分の部分に形成されている形態について説明する。しかしながら、本実施形態では、金属層110がグランド層120よりも小さく、金属層110がグランド層120と重なっていて、グランド層120と重なる部分に端辺111を有していればよい。端辺111と無給電スロット150との位置関係等については、後述する。
なお、グランド層120は、金属層110と重なり、ともに図3に示す金属メッシュ30で構成される。金属層110として用いる金属メッシュ30の金属細線31、金属細線32、及び開口部33と、グランド層120として用いる金属メッシュ30の金属細線31、金属細線32、及び開口部33との位置が一致していることが好ましい。金属層110及びグランド層120は、透明基板101を挟んで重ね合わされるため、互いの金属細線31、金属細線32、及び開口部33の位置がずれていると、モアレが生じるからである。一例として、同一のフォトマスクを利用したリソグラフィ工程を利用して透明基板101の上面101A及び下面101Bに金属メッシュ30を形成することで、上面101A及び下面101Bの金属メッシュ30の金属細線31、金属細線32、及び開口部33の位置を合わせることができ、モアレを抑制でき、見栄えも良好になる。
<コプレーナ導波路130>
コプレーナ導波路130は、+X方向側と-X方向側に隣接する金属層110の間に設けられ、Y方向に延在する線路131を有する。線路131は、一例として、金属層110の-Y方向側の端で金属層110のX方向における中央に位置する端部131Aと、ループスロットアンテナ140に接続される端部131Bとを有する。このような線路131と、線路131の+X方向側と-X方向側に隣接する金属層110とによって、コプレーナ導波路130が実現される。また、コプレーナ導波路130は、平面視においてグランド層120と重なっているため、GCPW(Grounded Coplanar Waveguide)を構成する。
コプレーナ導波路130は、端部131Aに電源が接続され、ループスロットアンテナ140に給電する給電線路として機能する。なお、線路131の端部131A及び131Bの間の長さは、一例として、3.75mmである。
<ループスロットアンテナ140>
ループスロットアンテナ140は、一例として、矩形状でループ状のスロットアンテナである。ループスロットアンテナ140のループ長は、共振周波数における波長の電気長λeである。ここでは、一例として、ループスロットアンテナ140の共振周波数は、28GHzである形態について説明するが、ループスロットアンテナ140の共振周波数は、Sub-6帯域又はミリ波帯域の周波数であればよい。
図4Aには、一例として28GHz用に調整したループ長を有するループスロットアンテナ140を示すため、ループスロットアンテナ140のX方向の長さは2.83mmであり、Y方向の長さは2.55mmである。X方向及びY方向の長さは、ループスロットアンテナ140の幅の中心同士の間の長さである。また、ループスロットアンテナ140の幅は、一例として、0.65mmである。ループスロットアンテナ140の幅とは、平面視で矩形状に延在するループスロットアンテナ140の延在方向に垂直な方向の幅である。
4辺に相当する4本の直線状のスロットを繋いだ構成で実現されるループスロットアンテナ140のうちの-Y方向側でX方向に延在するスロットのX方向における長さの中心に、コプレーナ導波路130の線路131の端部131Bが接続されている。ループスロットアンテナ140は、コプレーナ導波路130を介して給電される。線路131の端部131Bは、ループスロットアンテナ140の給電点である。また、ループスロットアンテナ140は、無給電スロット150と電磁界的に結合しており、ループスロットアンテナ140から無給電スロット150に電力が供給される。
また、ループスロットアンテナ140の4本のスロットのうちのX方向に延在する2本のスロットは、金属層110の端辺111に平行に延在している。換言すれば、端辺111は、ループスロットアンテナ140の4本のスロットのうちのX方向に延在する2本のスロットに平行に延在している。
また、ループスロットアンテナ140の4本のスロットのうちのX方向に延在する2本のスロットは、無給電スロット150と平行である。ループスロットアンテナ140の4本のスロットのうちのX方向に延在する2本のスロットは、ループスロットアンテナ140の4辺のうち、無給電スロット150と平行な辺に相当する。すなわち、ループスロットアンテナ140は、無給電スロット150と平行な辺を有する。
なお、ここでは、図4Aに示すように、-Y方向側からコプレーナ導波路130が接続されるループスロットアンテナ140に対して、無給電スロット150及び端辺111が+Y方向側に位置する構成について説明した。しかしながら、無給電スロット150及び端辺111は、ループスロットアンテナ140の+X方向側又は-X方向側に設けられていてもよい。このような場合に、ループスロットアンテナ140の4本のスロットのうち、無給電スロット150及び端辺111と最も近い1本のスロットと、無給電スロット150及び端辺111との位置関係を、図4Aに示す位置関係と等しくすればよい。
また、ここでは、アンテナ装置100がループスロットアンテナ140を含む形態について説明するが、ループスロットアンテナ140以外のスロットアンテナを用いてもよい。ループスロットアンテナ140以外のスロットアンテナは、例えば、無給電スロット150と平行にX方向に延在するスロットダイポールアンテナであってもよい。X方向に延在するスロットダイポールアンテナの両端間の長さは、一例として、共振周波数における波長の電気長λeの半分(λe/2)である。
アンテナ装置100のスロットアンテナは、金属層110の端辺111の延在方向に沿って延在していればよく、厳密に平行ではなくてもよい。延在方向に沿うとは、延在方向と平行である場合に加えて、無給電スロット150との電磁界的な結合が損なわない程度にずれている場合が含まれる意味である。ループスロットアンテナ140以外のスロットアンテナは、上述したスロットダイポールアンテナの他に、例えば、X方向に延在しつつ、X方向に対して湾曲しているような形状のスロットアンテナであってもよい。
<無給電スロット150>
無給電スロット150は、ループスロットアンテナ140と端辺111との間に設けられている。無給電スロット150は、直線状のスロットであり、端辺111と平行にX方向に延在している。また、無給電スロット150は、ループスロットアンテナ140の4本のスロットのうちのX方向に延在する2本のスロットと平行にX方向に延在している。
無給電スロット150のX方向の長さをLとする。無給電スロット150は、一例として、長さLの中心が、ループスロットアンテナ140の4本のスロットのうちのX方向に延在する2本のスロットのX方向の長さの中心と一致するように形成されている。長さLは、一例として、8.43mmである。また、無給電スロット150のY方向の幅は、一例として、0.65mmであり、一例として、ループスロットアンテナ140の幅と等しい。なお、無給電スロット150のY方向の幅は、ループスロットアンテナ140の幅と等しくなくてもよいが、等しいことが好ましい。
また、ループスロットアンテナ140の4本のスロットのうちの+Y方向側でX方向に延在するスロットのY方向の幅の中心と、無給電スロット150のY方向の幅の中心との間の距離をd1とする。また、無給電スロット150のY方向の幅の中心と、端辺111との間の距離をd2とする。距離d1は、一例として2.00mmであり、距離d2は、一例として2.42mmである。
ここで、ループスロットアンテナ140の4本のスロットのうちの+Y方向側でX方向に延在するスロットは、ループスロットアンテナ140のうちの無給電スロット150に最も近い辺に相当する部分である。ループスロットアンテナ140のうちの無給電スロット150に最も近い辺に相当するスロットの長さに対する、無給電スロット150の長さLの比は、0.5~12であることが好ましい。図4Aでは、一例として、ループスロットアンテナ140のうちの無給電スロット150に最も近い辺に相当するスロットの長さは2.55mmである。なお、0.5~12の比は、無給電スロット150の長さLは、λe/8≦L≦3λeであることが好ましい。λeは、ループスロットアンテナ140の共振周波数における波長の電気長である。
また、距離d1と、距離d2との合計の距離dは、λe/4≦d≦2λeを満たすことが好ましい。λeは、ループスロットアンテナ140の共振周波数における波長の電気長である。また、距離d1及び距離d2は、略等しいことが好ましい。また、距離dは、無給電スロット150を挟んで配置されるループスロットアンテナ140及び端辺111の間の距離である。ループスロットアンテナ140、無給電スロット150、及び端辺111の各々の長さがλe/4のn/2(nは1以上の整数)倍であり、かつ、距離d1及びd2がλe/4のn/2倍である場合に、共振条件が満たされ、ループスロットアンテナ140及び無給電スロット150の強力な電磁界結合と、無給電スロット150及び端辺111の強力な電磁界結合とが得られる。特に、nが1~8の範囲が好ましいため、距離dは、λe/4≦d≦2λeを満たすことが好ましい。
また、無給電スロット150の長さLは、λe/8≦L≦3λeを満たすことが好ましく、λe以上であることがより好ましく、1.5λe以上であることがさらに好ましい。
以上のような構成のアンテナ装置100は、特に、ディスプレイパネル220の表示面側に配置する場合には、透明基板101を用いるとともに、金属層110及びグランド層120を金属メッシュ30で構成することになる。
この場合に、グランド層120は、アンテナ装置100とディスプレイパネル220との間において、電波やノイズを双方向で遮蔽するために設けられるため、透明基板101の下面101Bの全面に設けられることになる。
また、透明基板101の+Z方向側に設けられる金属層110は、電子機器200の透明カバー240の真裏に配置されるため、外部から見えやすい。このような場合に、線路131の+X方向側と-X方向側の金属層110を省き、コプレーナ導波路130の代わりに、線路131とグランド層120とによって実現されるマイクロストリップラインを給電線路として用いることが考えられる。また、ループスロットアンテナ140の代わりに、パッチアンテナ等を用いることで、ループスロットアンテナ140の周囲の金属層110を省くことも考えられる。
しかしながら、コプレーナ導波路130の代わりにマイクロストリップラインを給電線路として用いる場合や、ループスロットアンテナ140の代わりに、パッチアンテナ等を用いると、金属メッシュ30の面積が小さくなる。そして、透明基板101の上面101A上において、金属メッシュ30がある部分と、金属メッシュ30がない部分とで可視光透過率の差による明るさの差が生じることでムラが生じる。
このような理由から、特に、ディスプレイパネル220の表示面側に配置する場合には、可視光透過率の差によるムラを抑制するために、透明基板101の上面101A上に、より広い範囲に金属メッシュ30を配置したいという要求がある。このような要求を実現するために、コプレーナ導波路130及びループスロットアンテナ140を採用している。
<平行平板モードの電界>
次に、コプレーナ導波路130によって伝搬される電波の準TEMモードの電界と、透明基板101内で生じる平行平板モードの電界とについて説明する。コプレーナ導波路130の線路131の端部131Aに給電が行われると、コプレーナ導波路130、によって準TEMモードの電界が生じる。
また、透明基板101の上面101Aにコプレーナ導波路130を有する金属層110が設けられるとともに、下面101Bにグランド層120が設けられているため、金属層110とグランド層120との間の透明基板101内で平行平板モードの電界が生じる。平行平板モードの電界は、透明基板101の厚さが薄くなるほど顕著に生じる。ここでは、図5A、図5B、及び図5Cを用いて、透明基板101内に生じる電界について説明する。
図5Aは、図4AにおけるC1-C1矢視断面のうちの線路131の部分を拡大して示す断面図である。C1-C1矢視断面は、Y方向において、コプレーナ導波路130がある区間に含まれる。図5Bは、図4AにおけるC2-C2矢視断面のうちのループスロットアンテナ140の部分を拡大して示す断面図である。C2-C2矢視断面は、Y方向において、ループスロットアンテナ140がある区間に含まれる。図5Cは、図4AのB-B矢視断面を示す図である。図5Cでは、ループスロットアンテナ140及び無給電スロット150を誇張して大きく示す。
図5Aには、ある瞬間において、コプレーナ導波路130によって生じる準TEMモードの電界を実線の矢印で示す。準TEMモードの電界は、線路131の+Z方向と、線路131とX方向の両側にある金属層110との間と、線路131とグランド層120との間とに生じている。図5Aに示す瞬間とは位相が180度異なる瞬間では、準TEMモードの電界の向きを表す実線の矢印の方向は逆になる。
また、図5Aには、ある瞬間において、コプレーナ導波路130を有する金属層110と、グランド層120との間に生じる平行平板モードの電界を破線の矢印で示す。平行平板モードの電界は、コプレーナ導波路130による電波の伝送に寄与しない不要モードである。図5Aに示す瞬間とは位相が180度異なる瞬間では、平行平板モードの電界の向きを表す破線の矢印の方向は逆になる。
図5Aに示すように、コプレーナ導波路130とグランド層120との間には、準TEMモードの電界(実線)に加えて、平行平板モードの電界(破線)が生じる。このため、コプレーナ導波路130によってループスロットアンテナ140に伝搬される準TEMモードの電界は、平行平板モードの電界(破線)が生じる分だけ低減される。また、平行平板モードの電波は、透明基板101の内部をループスロットアンテナ140に向かって伝搬する。
また、図5Bには、ある瞬間において、ループスロットアンテナ140の内側と外側の金属層110同士に挟まれたループスロットアンテナ140に生じる電界を実線の矢印で示す。また、平行平板モードの電波は、透明基板101の内部をループスロットアンテナ140に向かって伝搬するため、図5Bに示すように、ループスロットアンテナ140を含む断面においても、平行平板モードの電界(破線)が生じる。図5Aに示す瞬間とは位相が180度異なる瞬間では、ループスロットアンテナ140に生じる電界の向きを表す矢印(実線)は逆になり、平行平板モードの電界の向きを表す矢印(破線)の方向も逆になる。
<端辺111及び無給電スロット150を設けた理由>
図5Bに示すように、ループスロットアンテナ140を含む断面では、ループスロットアンテナ140に生じる電界に加えて、透明基板101の内部で平行平板モードの電界が生じる。このため、ループスロットアンテナ140に生じる電界は、平行平板モードの電界(破線)が生じる分だけ低減される。
仮に、アンテナ装置100が無給電スロット150を含まずに、金属層110の端辺111が図4A及び図4Bに示す位置ではなく、透明基板101の+Y方向側の端部に位置していれば、平行平板モードの電波は、透明基板101の内部を+Y方向側の端部まで伝搬することになる。
このような平行平板モードの電波の発生を抑制することは、現実的には困難である。そこで、アンテナ装置100は、図5Cに示すように、金属層110をグランド層120よりも小さくして端辺111をグランド層120のY方向の長さの途中に配置し、かつ、端辺111及びループスロットアンテナ140の間に無給電スロット150を設けることで、平行平板モードの電波がアンテナ装置100による電波の放射に寄与するように改善した。
図5Cには、ある瞬間における平行平板モードの電界を破線の矢印で示す。また、矢印の長は電界の強さを表し、矢印が長いほど電界が強いことを表す。なお、図5Cに示す瞬間とは位相が180度異なる瞬間では、平行平板モードの電界の向きを表す矢印(破線)の方向は逆になる。
平行平板モードの電波が透明基板101の内部を-Y方向側から+Y方向側に伝搬すると、端辺111よりも+Y方向側では透明基板101の上面101A上に金属層110が存在しないため、不要伝送モードの電界は、端辺111を過ぎた部分で透明基板101の+Z方向側に開放される。
このときに、ループスロットアンテナ140、無給電スロット150、及び端辺111の電磁界結合によって、平行平板モードの電波の伝搬方向(図5Cにおける+Y方向)における端辺111の直前で特に電界が強くなるため、端辺111よりも+Y方向側では、端辺111に近いほど+Z方向に放射される平行平板モードの電波の電界が大きくなる。端辺111よりも+Y方向側において、+Z方向に放射される平行平板モードの電波は、アンテナ装置100から+Z方向に放射される電波に寄与する。このため、グランド層120の+Y方向側の端部よりも手前側に端辺111を設けるとともに、ループスロットアンテナ140、無給電スロット150、及び端辺111の電磁界結合を利用することで、アンテナ装置100が放射する電波の利得を増大させることができる。
なお、金属層110をグランド層120よりも小さくすることにより、アンテナ装置100は、グランド層120の第1領域121と第2領域122とでは、金属層110の有無によって明るさが異なる。しかしながら、アンテナ装置100の明るさは、透明基板101のY方向における中央部でX方向に平行に直線状に延在する端辺111を境界として異なることになり、明るさの境界が1つで直線であるため、ムラを生じにくくすることができる。
また、本実施形態では、端辺111が平面視でグランド層120のY方向の長さの略中央に位置している。しかしながら、アンテナ装置100の指向性利得及び放射効率を改善できるのであれば、端辺111は、グランド層120の+Y方向側でX方向に延在する端辺と重なる位置であってもよい。この場合には、金属層110及びグランド層120の平面視でのサイズが等しく、四辺同士の位置がすべて一致することになる。
<シミュレーション結果>
図6は、アンテナ装置100、変形例のアンテナ装置、及び比較用のアンテナ装置1及び2についてのシミュレーション結果の一例を示す図である。ここでは、アンテナ特性として指向性利得及び放射効率を計算した結果について説明する。変形例のアンテナ装置は、アンテナ装置100の一部を変形した構成を有し、実施形態の変形例のアンテナ装置である。
比較用のアンテナ装置1は、アンテナ装置100から無給電スロット150を省くとともに、端辺111を透明基板101の+Y方向側の端部に移動させた構成を有する。比較用のアンテナ装置1では、金属層110は、透明基板101の上面101Aの全体に設けられている。この場合には、端辺111が透明基板101の上面101Aの中央部分に存在しないことから、図6には端辺なしと記す。
比較用のアンテナ装置2は、アンテナ装置100から無給電スロット150を省いた構成を有する。すなわち、比較用のアンテナ装置2は、端辺111の位置は、アンテナ装置100と同一であり、金属層110の大きさもアンテナ装置100と同一であるが、金属層110は無給電スロット150を有しない。端辺111の位置は、アンテナ装置100と同一であるため、端辺ありと記す。
変形例のアンテナ装置は、アンテナ装置100を端辺なしの構成に変更したアンテナ装置である。すなわち、変形例のアンテナ装置は、無給電スロット150を含み、端辺111は透明基板101の+Y方向側の端部に移動され、金属層110は、透明基板101の上面101Aの全体に設けられている。平面視において、金属層110のサイズは、グランド層120のサイズと等しく、金属層110及びグランド層120は位置を合わせて重ねられている。
なお、アンテナ装置100については、無給電スロットあり、端辺ありと記す。
このような比較用のアンテナ装置1及び2、変形例のアンテナ装置、及びアンテナ装置100について、アンテナ特性として指向性利得と放射効率を計算するシミュレーションを行った。指向性利得(dBi)は、各アンテナ装置から+Z方向側に放射される電波の利得の3次元での最大値を表す。
また、シミュレーションの条件は、次の通りである。線路131の端部131A及び131Bの間の長さは、3.75mmである。ループスロットアンテナ140のX方向の長さは2.83mmであり、Y方向の長さは2.55mmである。ループスロットアンテナ140の幅は、0.65mmである。無給電スロットありの場合、無給電スロット150の長さLは、8.43mmであり、幅は、0.65mmである。無給電スロットありの場合、距離d1は、一例として2.00mmであり、距離d2は、一例として2.42mmである。端辺ありの場合、金属層110のX方向の長さは15mm、Y方向の長さは11.8mm、グランド層120のX方向の長さは15mm、第2領域122のY方向の長さは12.2mmである。端辺なしの場合、金属層110のX方向の長さは15mm、Y方向の長さは24.0mmであり、グランド層120のX方向及びY方向の長さは、金属層110のX方向及びY方向の長さとそれぞれ同一である。
図6に示すように、指向性利得については、比較用のアンテナ装置1が5.67dBi、比較用のアンテナ装置2が5.94dBi、変形例のアンテナ装置が5.93dBi、アンテナ装置100が9.28dBiであった。比較用のアンテナ装置1の指向性利得が最も低く、比較用のアンテナ装置2と変形例のアンテナ装置との指向性利得は略等しかったが、比較用のアンテナ装置1の指向性利得よりも約0.3dB高い値が得られた。これは、無給電スロット150を設けたことによる効果であると考えられる。アンテナ装置100の指向性利得は、比較用のアンテナ装置2と変形例のアンテナ装置との指向性利得に対して3.3dB以上大きい値を示した。
また、放射効率については、比較用のアンテナ装置1が-5.77dB、比較用のアンテナ装置2が-4.75dB、変形例のアンテナ装置が-4.04dB、アンテナ装置100が-3.97dBであった。比較用のアンテナ装置1及び2(無給電スロットなし)の放射効率に比べて、変形例のアンテナ装置(無給電スロットあり)及びアンテナ装置100(無給電スロットあり)の放射効率の方が約0.7dB以上改善されていたため、ループスロットアンテナ140と無給電スロット150との電磁界結合が放射効率の改善に有用であったと考えられる。また、変形例のアンテナ装置と、アンテナ装置100との放射効率は、略同一の値であった。
以上より、指向性利得については、変形例のアンテナ装置の値が、比較用のアンテナ装置1の値よりも約0.3dB高かったことから、ループスロットアンテナ140と端辺111との間に無給電スロット150を設けたことによって指向性利得が改善することを確認できた。アンテナ装置100の指向性利得は、変形例のアンテナ装置よりも3.3dB以上大きい値を示したことから、端辺111をグランド層120のY方向の長さの途中に設けることによって、指向性利得が改善することを確認できた。
なお、変形例のアンテナ装置の指向性利得と、比較用のアンテナ装置2の指向性利得とが同等の値であったことから、比較用のアンテナ装置1に対して無給電スロット150を追加することと、比較用のアンテナ装置1に対して端辺ありの構成に変更することの効果が同程度であることを確認できた。
また、放射効率については、比較用のアンテナ装置1及び2(無給電スロットなし)の放射効率に比べて、変形例のアンテナ装置(無給電スロットあり)及びアンテナ装置100(無給電スロットあり)の放射効率の方が約0.7dB以上大きい値を示したことから、無給電スロット150とループスロットアンテナ140との電磁界結合によって放射効率が改善することを確認できた。
上述のシミュレーションを通じて、アンテナ装置100及び変形例のアンテナ装置では、アンテナ特性としての指向性利得及び放射効率を改善できることを確認できた。
<効果>
アンテナ装置100は、上面101A及び下面101Bを有する基体(一例として透明基板101)と、上面101Aに設けられる金属層110と、平面視で金属層110と重なる位置において、下面101Bに設けられるグランド層120とを含む。金属層110は、コプレーナ導波路130と、コプレーナ導波路130に接続されるスロットアンテナ(一例として、ループスロットアンテナ140)と、スロットアンテナの延在方向に沿って延在する端辺111と、ループスロットアンテナと端辺111との間に設けられる無給電スロット150とを有する。このように、スロットアンテナ(一例として、ループスロットアンテナ140)と端辺111との間に無給電スロット150を設けたことによって指向性利得が改善できるとともに、無給電スロット150とスロットアンテナとの電磁界結合によって放射効率を改善できる。指向性利得及び放射効率は、アンテナ特性である。
したがって、アンテナ特性を向上させたアンテナ装置100を提供できる。
また、グランド層120は、金属層110と重なる第1領域121と、端辺111に対して第1領域121とは反対側に位置し金属層110とは重ならない第2領域122とにわたって設けられている。
金属層110をグランド層120よりも小さくして端辺111をグランド層120のY方向の長さの途中に配置し、かつ、端辺111及びループスロットアンテナ140の間に無給電スロット150を設けることで、平行平板モードの電波がアンテナ装置100による電波の放射に寄与するように改善できる。
したがって、アンテナ特性をさらに向上させたアンテナ装置100を提供できる。このような構成により、アンテナ特性のうちの指向性利得を特に改善できる。
また、スロットアンテナ(一例として、ループスロットアンテナ140)のうちの無給電スロット150に最も近い辺の長さに対する、無給電スロット150の長さの比は、0.5~12であるので、スロットアンテナと無給電スロット150との十分な電磁界結合が得られ、アンテナ特性を改善できる。
スロットアンテナ(一例として、ループスロットアンテナ140)と無給電スロット150との間の距離d1(第1距離の一例)と、無給電スロット150と端辺111との間の距離d2(第2距離の一例)との合計の距離dは、スロットアンテナの共振周波数における波長の電気長をλeとすると、λe/4≦d≦2λeを満たす。このため、距離d1及びd2によって、スロットアンテナ及び無給電スロット150の電磁界結合と、無給電スロット150及び端辺111の電磁界結合とを最適化でき、アンテナ特性を改善できる。
また、無給電スロット150の長さLは、スロットアンテナ(一例として、ループスロットアンテナ140)の共振周波数における波長の電気長をλeとすると、λe/8≦L≦3λeである。このため、無給電スロット150の長さLによって、スロットアンテナ及び無給電スロット150の電磁界結合と、無給電スロット150及び端辺111の電磁界結合とを最適化でき、アンテナ特性を改善できる。
また、スロットアンテナ(一例として、ループスロットアンテナ140)は、無給電スロット150と平行な辺を有するので、スロットアンテナ及び無給電スロット150の良好な電磁界結合が得られ、アンテナ特性を改善できる。
無給電スロット150は、端辺111と平行であるので、無給電スロット150及び端辺111の電磁界結合の良好な電磁界結合が得られ、アンテナ特性を改善できる。
また、基体(一例として、透明基板101)は、透明であり、金属層110及びグランド層120は、金属メッシュ30で形成されているので、可視光透過率の差によるムラを抑制しつつ、アンテナ特性を向上させたアンテナ装置100を提供できる。特に、アンテナ装置100をディスプレイパネル220の表示面側に配置する場合には、可視光透過率の差によるムラを抑制するために、透明基板101の上面101A上に、より広い範囲に金属メッシュ30を配置しているので、可視光透過率の差によるムラを抑制できることは、見栄えを良好にする観点から非常に有意義である。
また、基体(一例として、透明基板101)の厚さは、25μm~400μmであるので、透明基板101が薄いことによって平行平板モードが生じやすい構成において、アンテナ特性を向上させたアンテナ装置100を提供できる。
スロットアンテナ(一例として、ループスロットアンテナ140)の共振周波数は、Sub-6帯域又はミリ波帯域であるので、Sub-6帯域又はミリ波帯域の電波を放射するアンテナ特性を向上させたアンテナ装置100を提供できる。
スロットアンテナは、ループスロットアンテナ140であるので、アンテナ特性をさらに向上させたアンテナ装置100を提供できる。
また、ディスプレイモジュールDは、アンテナ装置100と、アンテナ装置100のグランド層120側に重ねて配置される表示面を有するディスプレイパネル220とを含む。したがって、アンテナ特性を向上させたアンテナ装置100を含むディスプレイモジュールDを提供できる。
以上、本開示の例示的なアンテナ装置、及び、アンテナ付ディスプレイ装置について説明したが、本開示は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
第1主面及び第2主面を有する基体と、
前記第1主面に設けられる金属層と、
平面視で前記金属層と重なる位置において、前記第2主面に設けられるグランド層と
を含み、
前記金属層は、
コプレーナ導波路と、
前記コプレーナ導波路に接続されるスロットアンテナと、
前記スロットアンテナの延在方向に沿って延在する端辺と、
前記スロットアンテナと前記端辺との間に設けられる無給電スロットと
を有する、アンテナ装置。
(付記2)
前記グランド層は、前記金属層と重なる第1領域と、前記端辺に対して前記第1領域とは反対側に位置し前記金属層とは重ならない第2領域とにわたって設けられている、付記1に記載のアンテナ装置。
(付記3)
前記スロットアンテナのうちの前記無給電スロットに最も近い辺の長さに対する、前記無給電スロットの長さの比は、0.5~12である、付記1又は2に記載のアンテナ装置。
(付記4)
前記スロットアンテナと前記無給電スロットとの間の第1距離と、前記無給電スロットと前記端辺との間の第2距離との合計の距離dは、前記スロットアンテナの共振周波数における波長の電気長をλeとすると、λe/4≦d≦2λeを満たす、付記1乃至3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
(付記5)
前記無給電スロットの長さLは、前記スロットアンテナの共振周波数における波長の電気長をλeとすると、λe/8≦L≦3λeである、付記1乃至4のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
(付記6)
前記スロットアンテナは、前記無給電スロットと平行な辺を有する、付記1乃至4のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
(付記7)
前記無給電スロットは、前記端辺と平行である、付記1乃至6のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
(付記8)
前記基体は透明であり、
前記金属層及び前記グランド層は、金属メッシュで形成されている、付記1乃至7のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
(付記9)
前記基体の厚さは、25μm~400μmである、付記1乃至8のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
(付記10)
前記スロットアンテナの共振周波数は、Sub-6帯域又はミリ波帯域である、付記1乃至9のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
(付記11)
前記スロットアンテナは、ループスロットアンテナである、付記1乃至10のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
(付記12)
付記1乃至11のいずれか1項に記載のアンテナ装置と、
前記アンテナ装置の前記グランド層側に重ねて配置される表示面を有する表示装置と
を含む、アンテナ付ディスプレイ装置。
110 金属層
111 端辺
120 グランド層
121 第1領域
122 第2領域
130 コプレーナ導波路
131 線路
140 ループスロットアンテナ(スロットアンテナの一例)
150 無給電スロット
200 電子機器
220 ディスプレイパネル(表示装置の一例)

Claims (12)

  1. 第1主面及び第2主面を有する基体と、
    前記第1主面に設けられる金属層と、
    平面視で前記金属層と重なる位置において、前記第2主面に設けられるグランド層と
    を含み、
    前記金属層は、
    コプレーナ導波路と、
    前記コプレーナ導波路に接続されるスロットアンテナと、
    前記スロットアンテナの延在方向に沿って延在する端辺と、
    前記スロットアンテナと前記端辺との間に設けられる無給電スロットと
    を有する、アンテナ装置。
  2. 前記グランド層は、前記金属層と重なる第1領域と、前記端辺に対して前記第1領域とは反対側に位置し前記金属層とは重ならない第2領域とにわたって設けられている、請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記スロットアンテナのうちの前記無給電スロットに最も近い辺の長さに対する、前記無給電スロットの長さの比は、0.5~12である、請求項1に記載のアンテナ装置。
  4. 前記スロットアンテナと前記無給電スロットとの間の第1距離と、前記無給電スロットと前記端辺との間の第2距離との合計の距離dは、前記スロットアンテナの共振周波数における波長の電気長をλeとすると、λe/4≦d≦2λeを満たす、請求項1に記載のアンテナ装置。
  5. 前記無給電スロットの長さLは、前記スロットアンテナの共振周波数における波長の電気長をλeとすると、λe/8≦L≦3λeである、請求項1に記載のアンテナ装置。
  6. 前記スロットアンテナは、前記無給電スロットと平行な辺を有する、請求項1に記載のアンテナ装置。
  7. 前記無給電スロットは、前記端辺と平行である、請求項1に記載のアンテナ装置。
  8. 前記基体は透明であり、
    前記金属層及び前記グランド層は、金属メッシュで形成されている、請求項1に記載のアンテナ装置。
  9. 前記基体の厚さは、25μm~400μmである、請求項1に記載のアンテナ装置。
  10. 前記スロットアンテナの共振周波数は、Sub-6帯域又はミリ波帯域である、請求項1に記載のアンテナ装置。
  11. 前記スロットアンテナは、ループスロットアンテナである、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  12. 請求項1に記載のアンテナ装置と、
    前記アンテナ装置の前記グランド層側に重ねて配置される表示面を有する表示装置と
    を含む、アンテナ付ディスプレイ装置。
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