JP2024023383A - 社会的機能障害の治療方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】社会的機能障害を治療するための方法および組成物を提供する。【解決手段】式I:TIFF2024023383000062.tif54164の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を、必要な対象に投与することを特徴とする治療または予防方法とする。【選択図】図1-1

Description

関連出願の相互参照
本願は米国仮出願第62/761,253号(2018年2月16日出願)の優先権を主張し、その全体が引用によって本明細書に援用される。
本願は一般に、本明細書に開示される化合物を投与することを特徴とする、社会的機能障害の治療のための方法および組成物に関する。
神経発達障害、強迫性障害および破壊的、衝動制御、および素行障害などの社会的機能障害は、個人が社会的にどのように機能するかを損ないうる。例えば、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition (DSM-5)を参照されたい。治療上有効な医薬組成物の開発は、社会的機能障害またはその症状の軽減、排除、または予防に役立ちうる。そのため、神経発達障害、強迫性障害または破壊的、衝動制御、および素行障害などの社会的機能障害を治療または予防する、治療的に有効であり、化学的に安定な医薬化合物が望ましい。
治療上の有効量の

またはその薬学的に許容可能な塩を必要な対象に投与することを特徴とする、社会的機能障害の治療または予防方法が、本明細書において提供される。
いくつかの実施態様において、社会的機能障害は、神経発達障害、強迫性障害、または破壊的、衝動制御、および素行障害である。
いくつかの実施態様において、社会的機能障害は、言語障害、語音障害、小児期発症流暢症(吃音症)、社会的コミュニケーション障害、発達性協調運動障害、常同運動障害、チック障害、トゥレット障害、永続性(慢性)運動または音声チック障害、暫定的チック障害、他の特定のチック障害、非特定のチック障害、強迫性障害、または衝動制御障害である。
いくつかの実施態様において、社会的機能障害は、言語障害、語音障害、小児期発症流暢症(吃音症)、社会的コミュニケーション障害、発達性協調運動障害、常同運動障害、チック障害、トゥレット障害、永続性(慢性)運動または音声チック障害、暫定的チック障害、他の特定のチック障害、または非特定のチック障害である。
いくつかの実施態様において、社会的機能障害は、言語障害、語音障害、小児期発症流暢症(吃音症)、または社会的コミュニケーション障害である。
いくつかの実施態様において、社会的機能障害は、言語障害、小児期発症流暢症(吃音症)、社会的コミュニケーション障害、発達性協調運動障害、常同運動障害、永続性(慢性)運動または音声チック障害、暫定的チック障害、他の特定のチック障害、または非特定のチック障害である。
いくつかの実施態様において、
(a)25mgから125mgの以下の式:

の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩;
(b)1つ以上の増量剤;
(c)1つ以上の崩壊剤;および
(d)1つ以上の滑沢剤
を含む医薬組成物を必要な対象に投与することを特徴とする、社会的機能障害の治療または予防方法が提供される。
いくつかの実施態様において、1つ以上の増量剤は、微結晶セルロース、マンニトール、およびキシリトールのうちの任意の1つ以上である。
いくつかの実施態様において、1つ以上の崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムである。
いくつかの実施態様において、1つ以上の滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。
いくつかの実施態様において、
(a)30から125mgの(S)-式I HCl 形態A;
(b)100から250mgの微結晶セルロース;
(c)25から100mgのマンニトール;
(d)5から10mgのデンプングリコール酸ナトリウム;および
(e)0.75から2mgのステアリン酸マグネシウム
を含む医薬組成物を必要な対象に投与することを特徴とする、神経発達障害、強迫性障害、または破壊的、衝動制御、および素行障害の治療または予防方法が提供される。
添付の図面(例えば、図1A、図1Bなど)において、一致する参照番号は、様々な図面における同様の要素および特徴を示す。明確化のために、全ての要素が全ての図面においてラベル付けされているとは限らない。さらに、文章を参照せずに見た場合、図面は必ずしも完全ではない。
本明細書において以下の略語が用いられる。略語DSCは示差走査熱量測定を示し;略語XRDはX線回折を示し;略語XRPDはX線粉末回折を示し;略語NMRは核磁気共鳴を示し;略語DVSは動的蒸気収着を示し;略語FBRMは収束ビーム反射測定法を示し;略語HPLCは高速液体クロマトグラフィーを示し;略語GCはガスクロマトグラフィーを示し;略語PSDは粒径分布を示し;略語D4,3およびD(4,3)は、体積パーセントPSDの体積平均直径を示し;略語D50は、母集団の半分がこの値より上にあり、半分が下にある分布の中央値を示し;略語D10は、母集団の10%がこの値よりも下である分布上の点を示し;略語D90は、母集団の90%がこの値よりも下である分布上の点を示し;略語PVMは粒子の見え方および測定(particle vision and measurement)を示す。本明細書に明確に記載されていない他の略語は、当技術分野における通常の意味を有する。
図1A、図1B、図1C、および図1Dは、結晶(S)-1-(4,7-ジヒドロ-5H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)-N-メチルメタンアミン ヒドロクロライド(「(S)-式I HCl」):結晶(S)-式I HCl 形態A(図1Aおよび図1B)および結晶(S)-式I HCl 形態B(図1Cおよび図1D)SEM画像を表す。 図2Aおよび図2Bは、(S)-式I HCl 形態AのXRPDパターンを表し;図2Aはトランスミッションモードにおいて測定したXRPDであり、図2Bはリフレクションモードにおいて測定したXRPDである。図2Cは(S)-式I HCl 形態Bについてリフレクションモードにおいて測定したXRPDパターンを表す。 図3Aは(S)-式I HCl 形態AのDSCサーモグラムである。図3Bおよび図3Cは、(S)-式I HCl 形態BのDSCサーモグラムである。 図4A、図4B、図4C、図4D、および図4Eは、(S)-式I HCl 形態Aおよび形態Bについての様々な種類のラマンスペクトルを表し;ここで、図4Aは、形態Aのラマンスペクトルを表し;ここで、図4Bは、形態Bのラマンスペクトルを表し;ここで、図4Cは、形態A(下の線)および形態B(上の線)の両方のラマンスペクトルを表し;図4Dは、1089cm-1(波数)における形態Aピークのテラヘルツ(THz)ラマンスペクトルを表し;図4Eは、1162cm-1(波数)における形態Bピークのテラヘルツ(THz)ラマンスペクトルを表す。 図5は、(S)-式I HCl 形態AのDVS水分収着等温線である。 図6Aおよび図6Bは、(S)-式I HCl 形態Aについての実施例2の様々なHCl用量プロファイルデータを表す。 図7Aおよび図7Bは、(S)-式I HCl 形態Aについての実施例2の様々なPSD(粒径分布)データを表す。 図8A、図8B、および図8Cは、(S)-式I HCl 形態Aについての実施例2の様々なPSD(粒径分布)データを表す。 図9Aは、(S)-式I HCl 形態Aについての実施例2の様々なPSD(粒径分布)データを表す。図9Bおよび図9Cは、(S)-式I HCl 形態A結晶のSEM画像を表す。 図10は、(S)-式I HCl 形態AのH NMRスペクトルである。
発明の詳細な説明
本明細書の記載は、本開示は請求される主題の例示として考慮されるべきであり、付属の特許請求の範囲を、例示された特定の実施態様に限定することを意図するものではないという理解によって行われる。本開示を通して用いられる見出しは、便宜上提供され、決して特許請求の範囲を限定すると解釈されるべきではない。任意の見出しの下に記載される実施態様は、任意の他の見出しの下に示される実施態様と組み合わせてもよい。
本明細書において引用される全ての公開文献は、その全体が参照によって本明細書に援用される。
定義
他に定義されていない限り、本明細書において用いられる全ての技術および科学用語は、当業者に通常理解されるものと同じ意味を有する。
本明細書で用いられる用語「含む」および「など」またはその文法的な変形は、言及される特徴、整数、ステップ、または要素を特定すると理解されるべきであるが、1つ以上のさらなる特徴、整数、ステップ、要素、またはそれらの群を追加すると解釈されるべきではない。この用語は、用語「~から成る」および「実質的に~から成る」を含む。用語「実質的に~から成る」またはその文法的な変形は、本明細書で用いられた場合、言及される特徴、整数、ステップ、または要素を特定すると理解されるべきであるが、1つ以上のさらなる特徴、整数、ステップ、要素、またはそれらの群を追加すると解釈されるべきではなく、しかし、さらなる特徴、整数、ステップ、要素、またはそれらの群が、請求される組成物または方法の、基本的なおよび新規の特徴を実質的に変更しない場合に限る。
本明細書で用いられる単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈からそうでないことが明らかに示されていない限り、複数形も含むことが意図される。さらに、用語「含む(comprise)」(および、「含む」および「含んでいる」などのcompriseの任意の形態)、「有する(have)」(および、「持つ」および「有している」などのhaveの任意の形態)、「含む(include)」(および、「含む」および「含んでいる」などのincludeの任意の形態)、および「含む(contain)」(および、「含む」および「含んでいる」などのcontainの任意の形態)は、オープンエンドな連結動詞であることが理解される。その結果、1つ以上のステップまたは要素を「含む(comprise)」、「有する(have)」、「含む(include)」、または「含む(contain)」方法は、その1つ以上のステップまたは要素を有するが、これらの1つ以上のステップまたは要素のみを有することに限定されない。
「立体異性体」は、同じ結合によって結合された同じ原子から構成されるが、相互変換可能な異なる三次元構造を有する化合物をいう。本開示は、様々な立体異性体およびその混合物を考慮し、分子が互いに重ね合わせることができない鏡像体である2つの立体異性体を指す「エナンチオマー」を含む。
「互変異性体」は、分子のある原子から同じ分子の他の原子へのプロトンシフトをいう。本開示は任意の前記化合物の互変異性体を含む。
「溶媒和物」は、溶媒および化合物の相互作用によって形成される。本明細書に記載された化合物の塩の溶媒和物もまた提供される。本明細書に記載される化合物の水和物もまた提供される。
「プロドラッグ」は、例えばプロドラッグの代謝プロセスによって、対象に投与された時に本明細書に記載される化合物になる任意の化合物を含む。
本明細書で用いられる、投与が考慮される用語「対象」としては、限定されないが、ヒト(すなわち、任意の年齢群の男性または女性、例えば、小児対象(例えば、乳児、幼児、思春期)または成人対象(例えば、若年成人、中年成人、または老年成人))および/または他の霊長類(例えば、カニクイサル、アカゲサル);哺乳動物、例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、および/またはイヌなどの商業関連の哺乳動物;および/またはニワトリ、アヒル、ガチョウ、ウズラ、および/またはシチメンチョウなどの商業関連のトリなどの鳥類が挙げられる。「対象」は、本明細書において定義される障害を有すると独立して診断され、現在障害に関連する症状を経験している、または診断がされていなくても、過去に症状を経験していた、障害を発症するリスクがある、または障害の1つ以上の症状が報告されている場合がある。
本明細書で用いられる用語「治療上の有効量」または「有効量」は、障害の治療のために対象に投与される場合、そのような障害の治療を有効にするのに十分な化合物の分量などの、目的の生物学的または医学的応答を引き起こすのに十分な分量をいう。有効量は、化合物、障害、およびその重症度、治療される対象の年齢、体重などに応じて変化するであろう。有効量は1回以上の用量でありうる(例えば、単一用量または複数回用量が、目的の治療の終点を達成するのに必要でありうる)。有効量は、1つ以上の他の薬剤と組み合わせて、目的のまたは有用な結果が得られうる、または得られる場合、有効量が与えられると考えられうる。任意の共投与される化合物の適切な用量は、化合物の併用作用、相加作用、または相乗作用によって、適宜低下しうる。
「薬学的に許容可能な」または「生理学的に許容可能な」は、獣医学的またはヒトの製薬的使用に適切な医薬組成物の合成に有用な、化合物、塩、組成物、投与形態、および他の物質をいう。
本明細書で用いられる用語「薬学的に許容可能な賦形剤」としては、限定されないが、ヒトまたは家畜動物における使用について許容可能であることが、米国食品医薬品局によって承認されている、任意の結合剤、増量剤、アジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、防腐剤、色素/着色剤、調味料、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、安定化剤、等張化剤、溶媒、乳化剤、固化防止剤、香味料、乾燥剤、可塑化剤、ビヒクル、崩壊剤、または滑沢剤が挙げられる。
いくつかの実施態様において、賦形剤の限定されない例としては、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、または他のデンプン、ゼラチン、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末トラガカント、グアーガムなどの、天然および合成ゴム、セルロースおよびその誘導体(例えば、エチルセルロース、セルロースアセテート、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、(例えば、2208番、2906番、2910番)、微結晶セルロース、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、炭酸ナトリウム、微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、寒天-寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、他のデンプン、アルファ化デンプン、他のデンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ガム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水添植物油(例えば、ピーナツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、およびダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、シロイド(syloid)シリカゲル(AEROSIL200、W.R. Grace Co. of Baltimore, MDによって製造)、合成シリカの凝固エアロゾル(Degussa Co. of Plano, TX によって販売)、CAB-O-SIL(発熱性二酸化ケイ素生成物、Cabot Co. of Boston, MAによって販売)、およびそれらの混合物が挙げられる。
本明細書で用いられる用語「治療」または「治療する」は、同義で用いられる。これらの用語は、限定されないが、治療上の利益などの有益な、または目的の結果を得るためのアプローチをいう。治療上の利益としては、治療している基礎疾患の根絶および/または改善が挙げられ;また、対象において改善が示されるが、対象が未だに基礎疾患を患っている可能性があるような基礎疾患に関連する、1つ以上の症状の根絶および/または改善が挙げられる。いくつかの実施態様において、「治療」または「治療する」は以下の1つ以上を含む:(a)障害を阻害すること(例えば、障害に起因する1つ以上の症状を軽減すること、および/または障害の程度を軽減すること);(b)障害に関連する1つ以上の症状の進行を遅延または抑止すること(例えば、障害の安定化、および/または障害の悪化もしくは進行の遅延);および/または(c)障害を緩和すること(例えば、臨床的症状の退縮を引き起こすこと、障害の寛解、障害の進行の遅延、および/またはクオリティ・オブ・ライフの増加)。
本明細書で用いられる用語「障害」、または本明細書に開示される特定の障害(例えば、神経発達障害、強迫性障害、破壊的、衝動制御、および素行障害)は、神経障害の診断および統計マニュアル、第5版(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition, DSM-5)において定義される障害をいう。
本明細書で用いられる用語「社会的機能障害」は、対象の機能に社会的な影響を与えうる、神経障害の診断および統計マニュアル、第5版(DSM-5)において定義される任意の障害をいう(例えば、社会的機能障害は、例えば、会話を妨害すること、衝動の発生、または自己制御の制限によって、対象が他者とコミュニケーションをとる能力を損ないうる)。いくつかの実施態様において、用語、社会的機能障害は、神経障害の診断および統計マニュアル、第5版(DSM-5)のセクションIIにおいて定義される、「神経発達障害」、「強迫性障害」、または「破壊的、衝動制御、および素行障害」をいう。DSM-5は、神経発達障害を発達期間に発生する症状の一群として定義し、一般に発達初期、しばしば子供が小学校に入る前に現れ、個人的、社会的、学問的、または職業的機能の機能障害を生じる発達障害によって特徴づけられる。本明細書で用いられる「社会的機能障害」は神経発達障害を含む。DSM-5は、強迫性障害を、強迫性障害(OCD)、身体醜形障害、ホールディング障害、トリコチロマニー(抜毛症)、表皮剥離症(皮膚むしり症)、物質/薬物療法誘発性強迫性障害および関連障害、他の病状による強迫性障害および関連障害、並びに他の特定の強迫性障害および関連障害、並びに不特定の強迫性障害および関連障害(例えば、身体集中反復行動障害、強迫的嫉妬)として定義する。本明細書で用いられる「社会的機能障害」は強迫性障害を含む。DSM-5は、破壊的、衝動制御、および行動障害を、他者の権利を侵害する行動(例えば、攻撃、財産の破壊)において顕在化し、および/または個人を社会的規範または権威者と著しく衝突させる問題として定義する。本明細書で用いられる「社会的機能障害」は、破壊的、衝動制御、および行動障害を含む。
本明細書で用いられる、障害の進行を「遅延させる」は、障害の進行を遅延させ、阻害し、遅くし、安定化し、および/または延期させることを意味する。遅延は、疾患の病歴および/または治療される個人に応じて、様々な時間の長さでありうる。
本明細書で用いられる「予防」または「予防すること」は、治療がない場合よりも、障害の臨床的症状が少ない程度で進行するような、障害の発症を保護するレジメンをいう。したがって「予防」は、本明細書に開示される化合物を、疾患の徴候が対象において検出可能となる前に、対象に投与することなど、治療の投与に関する(例えば、本明細書に開示される化合物を、障害の検出可能な症候群のない対象に投与すること)。対象は障害を発症するリスクのある個人でありうる。
本明細書で用いられる「リスクのある」個人は、治療すべき障害が進行するリスクのある個人である。これは、例えば、障害の発症と相関し、当技術分野において既知の測定可能なパラメーターである、1つ以上の危険因子によって示されうる。
本明細書で用いられる用語「多形体」は、特定の化学物質によって得られる、異なる結晶構造をいう。本明細書で用いられる用語「溶媒和物」は、溶媒または溶媒の混合物の化学量論量または非化学量論量は結晶構造に組み込まれた結晶形態をいう。同様に、用語「水和物」は、水の化学量論量または非化学量論量が結晶構造に組み込まれた結晶形態をいう。
結晶多形体は、元素または化合物が異なる結晶相に結晶化する能力である。用語、結晶多型は1つより多い形態を意味するが、当該用語は当技術分野および本明細書において依然として用いられ、現在1つの結晶相しか知られていない場合でも、化合物の結晶構造を多形体という。したがって、多形体は、他の多形体および非晶質(非結晶)相と同じ分子式を有する別個の固体であるが、任意の固体の性質はその構造に依存するから、多形体はしばしば、他のそれぞれの多形体および非晶質物質とは異なる溶解度特性、異なる融点、異なる溶解特性、異なる熱安定性、異なる光安定性、異なる吸湿性、異なる貯蔵寿命、異なる懸濁特性、および異なる生理的吸収率などの、異なる物理的性質を示す。結晶固体に溶媒を包含させることによって溶媒和物が生じ、溶媒が水の場合、しばしば非溶媒和および非水和(例えば無水)結晶形態とは明らかに異なる1つ以上の物理的性質を有する、異なる結晶形態が生じる。
PSDについて言及される場合に本明細書で用いられる用語「スパン」は、以下のように評価される:スパン=[(D90-D10)/D50]、PDS分布のD値は体積に基づく。
XRPDの文脈において本明細書で用いられる用語「顕著なピーク」は、約15%より大きな相対強度を有するピークを意味する。XRPDの文脈において本明細書で用いられる用語「わずかなピーク」は、約2%未満の相対強度を有するピークを意味する。
本明細書で用いられる用語「多形純度」は、特定の多形形態である重量%をいう。例えば、結晶化合物(例えば形態A)が、95%を超える多形体純度を有すると特性評価されている場合、物質の95重量%より多くが結晶化合物の形態Aであり、任意の他の多形体(例えば形態B)または結晶化合物の非晶質形態が5重量%未満であることが意味される。
本明細書で用いられる用語「キラル純度」および「エナンチオマー純度」は同義で用いられ、特定のエナンチオマーの重量%をいう。例えば、エナンチオマー含有物質(化合物または結晶など)が、90%を超えるキラル純度を有していると特性評価された場合、物質の95重量%より多くが特定のエナンチオマーであり、任意の他のエナンチオマー形態の5重量%未満であることを意味する。
本明細書で用いられる用語「化学純度」は、特定のエナンチオマーまたは多形形態などの、特定の化学物質である重量%をいう。例えば、結晶形態(例えば形態A)が95%を超える化学純度を有していると特性評価された場合、95重量%を超える物質が結晶形態(例えば形態A)であり、他のエナンチオマーおよび多形体などの任意の他の化合物が5重量%未満であることを意味する。
本明細書で医薬組成物に関して用いられる「化学的に安定な」は、空気、熱、光、圧力、または湿度などの自然条件に一定期間晒された時に、分解に耐える医薬組成物をいう。いくつかの実施態様において、一定期間は1週間より長い、または2週間より長い、または3週間より長い、または4週間より長い、または1ヶ月より長い、または2ヶ月より長い、または3ヶ月より長い、または4ヶ月より長い、または5ヶ月より長い、または6ヶ月より長くあってもよい。いくつかの限定されない例において、化学的に安定な医薬組成物は、1週間より長く、または2週間より長く、または3週間より長く、または4週間より長く、または1ヶ月より長く、または2ヶ月より長く、または3ヶ月より長く、または4ヶ月より長く、または5ヶ月より長く、または6ヶ月より長く、空気、熱、光、圧力、または湿度に晒された時に、分解に耐える。
化合物
本開示は式I:

の化合物を提供する。
当業者は、化合物の命名法が異なる場合があることを理解するであろう。式Iの化合物は、1-(4,7-ジヒドロ-5H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)-N-メチルメタンアミンのIUPAC名を有する。式Iの化合物は、CAS登録番号1310426-29-9を有する。
式Iの化合物の合成は、PCT公開番号WO2011069063の、例えば143ページ、実施例89において見つけることができ、これはその全体が本明細書に援用される。
「式Iの化合物」は立体異性体を含む(例えば、式Iの化合物としては、限定されないが、ラセミ体およびそれぞれの立体異性体が挙げられる)。
いくつかの実施態様において、式Iの化合物は立体異性体、(S)-1-(4,7-ジヒドロ-5H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)-N-メチルメタンアミン(「(S)-式I」):

である。
化合物(S)-式Iの合成は、PCT公開番号WO2011069063の、例えば151ページ、実施例129において見つけることができ、これはその全体が本明細書に援用される。
いくつかの実施態様において、式Iの化合物は立体異性体、(R)-1-(4,7-ジヒドロ-5H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)-N-メチルメタンアミン(「(R)-式I」):

である。
化合物(R)-式Iの合成は、PCT公開番号WO2011069063の、例えば151ページ、実施例128において見つけることができ、これはその全体が本明細書に援用される。
本明細書に記載される式Iの化合物の分量は、特に定義されていない限り、遊離塩基として計算した分量である。使用される塩形態に応じて用量を調整することができる。例えば、118.6mgの式Iの化合物の塩酸塩は、100mgの遊離塩基に相当する。
本明細書に記載される化合物の薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、互変異性体形態、多形体、およびプロドラッグもまた提供される。
本明細書に記載される化合物は、薬学的に許容可能な塩として合成、および/または製剤化されうる。
例えば、式Iの化合物の薬学的に許容可能な塩としては、

[式中、Xは任意の対イオンである。]
が挙げられる。いくつかの実施態様において、Xは薬学的に許容可能な酸の共役塩基である。
薬学的に許容可能な塩は、遊離塩基の目的の薬理学的活性を有する化合物の遊離塩基形態の非毒性の塩である。これらの塩は、無機または有機酸または塩基に由来しうる。例えば、塩基性窒素を含む化合物は、化合物を無機または有機酸と接触させることによって、薬学的に許容可能な塩として製造されうる。薬学的に許容可能な塩の限定されない例としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-ジオエート、ヘキシン-1,6-ジオエート、ベンゾエート、クロロベンゾエート、メチルベンゾエート、ジニトロベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、メトキシベンゾエート、フタル酸塩、スルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、プロピルスルホン酸塩、ベシル酸塩、キシレンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホネート、ナフタレン-2-スルホネート、フェニルアセテート、フェニルプロピオネート、フェニルブチレート、クエン酸塩、乳酸塩、ガンマ-ヒドロキシブチレート、グリコール酸塩、酒石酸塩、およびマンデル酸塩が挙げられる。他の適切な薬学的に許容可能な塩の一覧は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21.sup.st Edition, Lippincott Williams and Wilkins, Philadelphia, Pa., 2006に存在する。
本明細書に開示される化合物の「薬学的に許容可能な塩」の例としてはまた、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、アンモニウムおよびNX (式中、XはC-Cアルキルである)などの適切な塩基に由来する塩が挙げられる。ナトリウムまたはカリウム塩などの塩基付加塩もまた挙げられる。
炭素原子に結合する1~n個の水素原子が、重水素原子またはDによって置き換えられていてもよく、nが分子中の水素原子の数である、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、異性体、または混合物もまた提供される。当技術分野で知られているように、重水素原子は水素原子の非放射性同位体である。そのような化合物は、代謝に対する耐性が増加していてもよく、そのため、哺乳動物に投与した場合、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、異性体、またはそれらの混合物の半減期の増加に有用でありうる。例えば、Foster, 「Deuterium Isotope Effects in Studies of Drug Metabolism」, Trends Pharmacol. Sci., 5(12):524-527 (1984)を参照されたい。そのような化合物は、当技術分野において周知の方法によって、例えば1つ以上の水素原子が重水素によって置き換えられた出発物質を用いることによって、合成される。
本開示の化合物に組み込むことができる同位体の例としてはまた、それぞれH、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123I、および125Iなどの、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素、およびヨウ素の同位体が挙げられる。11C、18F、15O、および13Nなどの陽電子放出同位体による置換は、基質受容体占有率を調査するための陽電子放射断層撮影(PET)試験に有用でありうる。同位体標識した式Iの化合物は一般に、当業者に既知の従来の技術によって、または以前用いた非標識試薬の代わりに、適切に同位体標識した試薬を用いて、以下に記載される実施例に記載されるものと類似の方法によって、合成することができる。
本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、1つ以上の不斉中心を含んでもよく、そのため、(R)-もしくは(S)-、またはアミノ酸について(D)-もしくは(L)-などの絶対的な立体化学の観点から定義されうる、エナンチオマー、ジアステレオマー、および他の立体異性体が生じうる。本開示は、全てのそのような可能な異性体、並びにそれらのラセミ体、および光学的に純粋な形態を含むことが意図される。光学活性(+)および(-)、(R)-および(S)-、または(D)-および(L)-異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を用いて合成してもよく、あるいは従来の技術、例えばクロマトグラフィーおよび分別結晶を用いて、分割してもよい。個々のエナンチオマーの合成/単離のための従来の技術としては、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、または例えば、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いたラセミ体(またはラセミ体の塩または誘導体)の分割が挙げられる。あるいは、全ての互変異性体形態もまた含まれることが意図される。
結晶形態
本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、結晶形態で存在しうる。本明細書において開示されるように、化合物(S)-式I HClは多形体であり、2つの結晶形態、(S)-式I HCl形態Aおよび(S)-式I HCl形態Bで存在する。形態Aは熱力学的に安定であり、他の多形体または非晶質形態に実質的に変換しないことが分かった。形態Bの形成は、形態Aよりも動力学的に有利であることが分かったが、しかし熱力学的に形態Aよりも安定でなく;形態Bがスラリーとして保持されており、わずかに加熱されている時、形態Bが形態Aに変換されることも分かった。
(S)-式Iおよび(S)-式I HClの結晶形態、および本開示のものなどの他の塩、水和物、および溶媒和物の結晶形態は、限定されないが、X線粉末回折(XRPD)パターン、核磁気共鳴(NMR)スペクトル、ラマンスペクトル、赤外(IR)吸収スペクトル、動的蒸気収着(DVS)、示差走査熱量測定(DSC)、および融点などの様々な従来の分析技術を用いて、特性評価および区別されうる。化学純度は、様々な従来の分析技術、限定されないが、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)およびガスクロマトグラフィー(GC)などを用いて、特性評価されうる。キラル純度(エナンチオマー純度としても知られている)は、様々な従来の分析技術、限定されないが、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などを用いて、特性評価されうる。
いくつかの実施態様において、(S)-式I HClの結晶形態は、X線粉末回折(XRPD)によって特性評価される。XRPDは、物質によるX線回折を測定することにより、物質の粉末サンプルの特性評価を行う技術である。XRPD実験の結果は、回折パターンである。それぞれの結晶固体は、散乱角2-θ(2-シータ)の関数として鋭いピークを含む特徴的な回折パターンを生じる。回折パターンのピークの位置(格子間隔に対応)および相対強度のいずれも、特定の相および物質を示す。これは、他の物質との比較のための「フィンガープリント」を提供する。一連の鋭いピークを含む結晶パターンと比較して、非晶質物質(液体、ガラスなど)は、回折パターンに幅広いバックグラウンドシグナルを生じる。
当技術分野における当業者は、XRPDパターンの取得に関係するいくつかのパラメーター(例えば、用いる装置、湿度、温度、粉末結晶の配向など)が、回折パターンにおける線の外見、強度、および位置にいくらか変動性をもたらしうることを理解するであろう。本明細書に提供される図(例えば図2A)のXRPDパターンと「実質的に一致する」XRPDパターンは、当該図のXRPDパターンを提供する化合物と同じ結晶形態を有する化合物を表していると当業者に考えられる、XRPDパターンである。つまり、XRPDパターンは、図のパターンと同一である場合もあれば、いくらか異なっている場合である可能性もある。そのようなXRPDパターンは、必ずしも本明細書に提示された回折パターンのそれぞれの線を示しているとは限らず、および/またはデータの取得に関連する条件の違いに起因する前記線の位置の外見、強度、または位置のずれにおけるわずかな変化を示す場合がある。当業者は、これらのXRPDパターンを比較することによって、結晶化合物のサンプルが、本明細書に開示される形態と同じ形態であるか、異なる形態であるかを決定することができる。
例えば、当業者は、HPLCを用いて、式I HClの化合物を含むサンプルのエナンチオマー純度を決定することができ、および例えば、サンプルが(S)-式I HClであると特定された場合、当業者は当該サンプルのXRPDパターンを、図2Aおよび/または図2Bと重ね合わせて、専門知識と当技術分野における知識を用いて、当該サンプルのXRPDパターンが、図2Aに示される(S)-式I HCl 形態Aの結晶のXRPDパターン、または図2Bに示される(S)-式I HCl 形態Bと実質的に一致するかどうか、またはいずれでもないかを容易に決定することができる。例えば、HPLCによってサンプルが(S)-式I HClであると特定され、サンプルXRPDパターンが図2Aと実質的に一致する場合、当該サンプルは(S)-式I HCl 形態Aであると容易に、および正確に特定することができる。
様々な実施態様において、(S)-式I HClの結晶形態は、ラマン分光法およびテラヘルツラマン分光法によって特性評価される。ピークの位置および相対強度は、化合物の振動および他の低周波相を示し、他の化合物との比較のための「フィンガープリント」を提供することができる。テラヘルツラマン分光法は、範囲をストークスおよび抗ストークスシグナルの両方のテラヘルツ周波数領域に拡大することによって、「フィンガープリント」情報をさらに提供し、一般にテラヘルツラマン分光法は、ラマン分光法よりも多形体間の区別など、より多くの構造情報を提供する。
いくつかの実施態様において、(S)-式I HClの結晶形態は、融点によって特性評価される。融点は、キャピラリーチューブなどの従来の方法で決定し、完全な融解が生じるまでの範囲、または単一の数値の場合は、その温度±1℃の融点を示しうる。
いくつかの実施態様において、(S)-式I HClの結晶形態は、示差走査熱量測定(DSC)によって特性評価される。DSCは、サンプルおよび対照の温度を上昇させるのに必要な熱量の差を温度関数として測定する、熱分析技術である。サンプルおよび対照の両方は、実験を通して実質的に同じ温度で維持される。DSC実験の結果は、DSCサーモグラムと呼ばれる、熱流量対温度の曲線である。
いくつかの実施態様において、(S)-式I HClの結晶形態の吸湿性は、動的蒸気収着(DVS)によって特性評価される。DVSは、サンプルの周囲の蒸気濃度(例えば、相対湿度)を変化させることによって、サンプルによって溶媒がどれだけ吸着したかを測定する重量分析技術であり、質量の変化を測定する。本願において、DVSは水分収着等温線を生成するために用いられ、これは、吸着した蒸気の平衡量を、一定温度での定常状態での相対蒸気圧の関数として表す。
本明細書で用いられる用語「実質的に非吸湿性」は、動的蒸気収着(DVS)によって測定して、0~90%の相対湿度で25℃においてスキャンして、水分収着等温線において1%未満の最大質量変化を示す化合物をいう。
いくつかの実施態様において、本開示は(S)-式I HCl(例えば形態Aおよび形態B)の新たな結晶形態に関する。形態Aは、明確に異なる構造およびXRPDパターン、並びに異なるテラヘルツラマンスペクトルを有する、形態Bとは異なる多形体であることがわかっている。
図1Aおよび図1Bは、(S)-式I HCl 形態A結晶のSEMイメージを表し、図1Cおよび図1Dは、(S)-式I HCl 形態B結晶のSEMイメージを表す。形態Aは、板状結晶を形成することが観測され、XRPDによって単斜晶系を有することが決定され、一方で形態Bは、中空の針状結晶を形成することが観測され、XRPDによって斜方晶系を有することが決定された。従来の合成または塩変換から分離すると、(S)-式I HClは一般に形態AおよびBの混合物として現れる。
形態Bは形態Aよりも熱力学的安定性が低いことが決定され、固相変換によって形態Aに変換することができる。多形体B針状から多形体Aブロック状への固相変換は、X線回折によってモニターすることができ、驚くべきことに、結晶格子は形態Aに変化するが、目に見える形態は針形状を維持することが発見された。
X線粉末回折(XRPD)
図2AのXRPDパターンは、Mythen1K検出器を備えたStoe Stadi P (G.52.SYS.S072)によるトランスミッションモードで、Cu Kα放射線を用いて;トランスミッションモード;40kVおよび40mAのチューブ電源;曲線上のGeモノクロメーター検出器;0.02° 20ステップ幅、12秒ステップ幅、および1.5-50.5°20走査範囲で測定して得た。検出モードは、1° 20検出ステップによるステップ走査に設定し、サンプル調製は、2つのアセテートホイルの間に設置され、Stoe透過サンプルホルダーに固定した、10~20mgのサンプルであった。測定の間、サンプルを回転させた。
図2Bおよび図2CのXRPDパターンは、Bruker 08 Advance、Cu Kα放射線(λ=1.54180Å)、反射モード;40kV/40mAチューブ電源;LynxEye検出器、20において0.02°ステップ幅、37秒/ステップ、および2.5°-50° 20の走査範囲による測定によって得た。サンプルは、1.0mmの深さを有するシリコン単結晶サンプルホルダーに調整し、カプトンホイルで覆った。測定の間、サンプルを回転させた。
結晶データおよび結晶学的データ収集パラメーターのさらなる詳細は表1にまとめており、図2AのXRPDのピークの一覧は表2Aに列挙し、図2BのXRPDのピークは表2Bに列挙し、図2CのXRPDのピークは表2Cに列挙する。
ラマンおよびテラヘルツラマンスペクトル
ラマンおよびテラヘルツラマンスペクトル解析は、785nmのレーザー波長、ラマンスペクトルについては+100cm-1から+1875cm-1のスペクトル範囲、およびテラヘルツラマンスペクトルについては-200cm-1から+200cm-1のスペクトル範囲の、カイザーラマンRXN-Hybrid-785システムを用いて行い;スペクトル分割は4cm-1であった。図4A、図4B、および図4Cのラマンスペクトルを、通常の液浸ラマンプローブで回収し、図4Dおよび図4Eのテラヘルツラマンスペクトルを、テラヘルツラマン(商標登録)プローブで回収した。
図4Aおよび図4Cについて、(S)-式I HCl 形態Aの結晶は粉末として用い、スペクトルは暗室で取得した。図4Bおよび図4Cについて、(S)-式I HCl 形態Bの結晶は、形態Aの結晶をイソプロパノールに溶解させ、次いで溶媒を回転蒸発させることによって新たに生成し、次いで形態Bの結晶を粉末として用い、スペクトルは暗所で取得した。図4Aのスペクトルにおける様々なピークの一覧を表3Aに示し、図4Bのスペクトルにおける様々なピークの一覧を表3Bに示す。
図4Dについて、(S)-式I HCl 形態Aの結晶を室温においてイソプロパノール中に懸濁させ、懸濁液中のスペクトルを取得するために、テラヘルツラマン(登録商標)プローブを用いた。図4Eについて、(S)-式I HCl 形態Bの結晶は、HCl溶液に遊離塩基(S)-式Iをリバースダンピング添加することによって生成し、テラヘルツラマン(登録商標)プローブを速やかに用いて懸濁液中のスペクトルを取得した。
ラマンスペクトルおよびテラヘルツラマンスペクトルのいずれも、(a)宇宙線のフィルター、および(b)必要に応じて、解釈可能なデータを得るためのベースライン補正および平滑化を用いることによって得て;テラヘルツラマンスペクトルのバックグラウンドは、同じ条件で回収したIPAで満たしたウェルの引き算によって得た。

図4Dおよび図4Eについて、2つの形態のテラヘルツラマンスペクトルは、明らかに異なっている。例えば、様々な実施態様において、1162cm-1における形態Bのラマンピークのテラヘルツラマンスペクトル、および1089cm-1における形態Aのラマンピークのテラヘルツラマンスペクトルを用いて、これらの多形体を区別することができる。
結晶(S)-式I HCl 形態Aおよび(S)-式I HCl 形態Bは、異なる性質および異なる「フィンガープリント」を示す。これらの多形体において、本明細書で提示される様々な測定は、表4にまとめる。
いくつかの実施態様において、2シータが9.6±0.2°、14.9±0.2°、20.5±0.2°、および25.1±0.2°におけるピークを含むXRPDパターン、および214±2℃におけるピークを有するDSCサーモグラムによって特徴付けられる、(S)-式I HClの結晶形態が提供される。
いくつかの実施態様において、2シータが9.6±0.2°、14.9±0.2°、20.5±0.2°、および25.1±0.2°におけるピークを含むXRPDパターン、および実質的に図3Aに一致する示差走査熱量測定サーモグラムによって特徴付けられる、(S)-式I HClの結晶形態が提供される。
いくつかの実施態様において、2シータが9.6±0.2°、14.9±0.2°、20.5±0.2°、および25.1±0.2°におけるピークを含むXRPDパターン、および実質的に図4Aに一致するラマンスペクトル、および/または実質的に図4Dに一致するテラヘルツラマンスペクトルによって特徴付けられる、(S)-式I HClの結晶形態が提供される。
いくつかの実施態様において、2シータが8.6±0.2°、17.2±0.2°、および25.9±0.2°におけるピークを含むXRPDパターン、および215±2℃におけるピークを有するDSCサーモグラムによって特徴付けられる、(S)-式I HClの結晶形態が提供される。
いくつかの実施態様において、2シータが8.6±0.2°、17.2±0.2°、および25.9±0.2°におけるピークを含むXRPDパターン、および実質的に図3Bまたは図3Cと一致する示差走査熱量測定サーモグラムによって特徴付けられる、(S)-式I HClの結晶形態が提供される。
いくつかの実施態様において、2シータが8.6±0.2°、17.2±0.2°、および25.9±0.2°におけるピークを含むXRPDパターン、および実質的に図4Bと一致するラマンスペクトル、および/または実質的に図4Eと一致するテラヘルツラマンスペクトルによって特徴付けられる、(S)-式I HClの結晶形態が提供される。
いくつかの実施態様において、実質的に非吸湿性である(S)-式I HClの結晶形態が提供される。様々な実施態様において、本発明は、25℃において0~90%の相対湿度でスキャンした動的蒸気収着(DVS)で測定した水分収着等温線において、約1%未満、約0.5%未満、約0.3%未満、約0.2%未満、または約0.1%未満の最大体積変化を有する、(S)-式I HClの形態Aの結晶を提供する。
図5および表5は、(S)-式I HClの形態A結晶のDVS水分収着等温線を表す。水分収着等温線は、VTI SGA-100動的蒸気収着分析機を用いて得た。サンプルを分析前に25℃で乾燥させ、5分または最大180分において、0.0000重量%の変化という平衡基準を満たした。等温平衡基準は、各相対湿度(RH)ステップにおいて、5分または180分において、0.01重量%未満の変化であった。温度を25℃に固定し、相対湿度ステップ(5%から95%から5%)を5%ずつ増加させた。初期サンプルサイズは41から47mgの範囲であった。
図5は、結晶(S)-式I HClの形態Aの2つの異なるロットからのDVS水吸着を示し、表5は図5にプロットされたデータを示す。示されるように、結晶(S)-式I HClの形態Aは実質的に非吸湿性であり、95%相対湿度(RH)において0.2%のみ最大質量変化が示され、90%以下のRHにおいて0.1%未満の質量変化が示される。
いくつかの実施態様において、2シータが9.6±0.2°、14.9±0.2°、20.5±0.2°、および25.1±0.2°におけるピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる(S)-式I HClの結晶形態が提供され;いくつかの実施態様において、20.2±0.2°および20.8±0.2°におけるピークによってさらに特徴付けられ;いくつかの実施態様において、2シータが17.9±0.2°、24.8±0.2°および27.1±0.2°におけるピークから選択されるXRPDパターンにおける、2つ以上の顕著なピークによってさらに特徴付けられる。いくつかの実施態様において、実質的に図2Bと一致するXRPDパターンによって特徴付けられる(S)-式I HClの結晶形態が提供される。
いくつかの実施態様において、以下の性質:2シータが9.6±0.2°、14.9±0.2°、20.5±0.2°、および25.1±0.2°におけるピークを含むXRPDパターン、214±2℃の融点、約99%より大きいキラル純度、約99%より大きい化学純度、約8000ppm未満の残留溶媒量によって特徴付けられ、実質的に非吸湿性である、(S)-式I HClの形態Aの結晶形態が提供される。
いくつかの実施態様において、以下の性質:2シータが9.6±0.2°、14.9±0.2°、20.5±0.2°、および25.1±0.2°におけるピークを含むXRPDパターン、および1つ以上の以下:
(a)2シータが20.2±0.2°および20.8±0.2°におけるピークをさらに含む、粉末X線回折パターン;
(b)2シータが17.9±0.2°、24.8±0.2°および27.1±0.2°におけるさらに2つの顕著なピークをさらに含む、粉末X線回折パターン;
(c)214±2℃の融点;
(d)214±2℃におけるピークを含む示差走査熱量測定サーモグラム;
(e)実質的に図3Aと一致する示差走査熱量測定サーモグラム;
(f)実質的に図4Aと一致するラマンスペクトル、実質的に図4Dと一致するテラヘルツラマンスペクトル、または両方;
(g)約(i)90%、(ii)95%、(iii)97%、(iv)99%、(v)99.5%、(vi)99.7%、または(vii)99.9%より大きいキラル純度;
(h)約(i)80%、(ii)90%、(iii)95%、(iv)97%、(v)99%、(vi)99.5%、(vii)99.7%、または(viii)99.9%より大きい化学純度;
(i)約(i)8000ppm、(ii)6000ppm、(iii)4000ppm、(iv)2000ppm、(v)1000ppm、(vi)800ppm、または500ppm未満の分量で存在する残留溶媒;
(j)25℃において、0~95%の相対湿度でスキャンした動的蒸気収着(DVS)によって測定して、約(i)2%、(ii)1%、(iii)0.5%、(iv)0.4%、(v)0.3%、(vi)0.2%、または(vii)0.1%未満の水分収着等温線の最大質量変化;および
(k)25℃において、0~90%の相対湿度でスキャンした動的蒸気収着(DVS)によって測定して、約(i)1%、(ii)0.5%、(iii)0.4%、(iv)0.3%、(v)0.2%、または(vi)0.1%未満;好ましくは約0.2%未満の水分吸着等温線の最大質量変化
によって特徴付けられる、(S)-式I HClの結晶形態が提供される。
いくつかの実施態様において、2シータが8.6±0.2°、17.2±0.2°、および25.9±0.2°におけるピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる(S)-式I HClの結晶形態が提供され;いくつかの実施態様において、2シータが23.2±0.2°、および31.5±0.2°から選択されるXRPDパターンにおけるピークによってさらに特徴付けられる。いくつかの実施態様において、実質的に図2Cと一致するXRPDパターンによって特徴付けられる(S)-式I HCl結晶形態が提供される。
いくつかの実施態様において、以下の性質、2シータが8.6±0.2°、17.2±0.2°、および25.9±0.2°におけるピークを含むXRPDパターン、および215±2℃の融点によって特徴付けられる、(S)-式I HClの形態Bの結晶形態が提供される。
いくつかの実施態様において、以下の性質、2シータが8.6±0.2°、17.2±0.2°、および25.9±0.2°におけるピークを含むXRPDパターン、および以下の1つ以上:
(a)2シータが23.2±0.2°、および31.5±0.2°におけるピークをさらに含む、粉末X線回折パターン;
(b)215±2℃の融点;
(c)215±2℃におけるピークを含む示差走査熱量測定サーモグラム;
(d)実質的に図3Bまたは3Cと一致する示差走査熱量測定サーモグラム;
(e)実質的に図4Bと一致するラマンスペクトル、実質的に図4Eと一致するテラヘルツラマンスペクトル、または両方;
(f)約(i)90%、(ii)95%、(iii)97%、(iv)99%、(v)99.5%、(vi)99.7%、または(vii)99.9%より大きいキラル純度;
(g)約(i)80%、(ii)90%、(iii)95%、(iv)97%、(v)99%、(vi)99.5%、(vii)99.7%、または(viii)99.9%より大きい化学純度;および
(h)約(i)8000ppm、(ii)6000ppm、(iii)4000ppm、(iv)2000ppm、(v)1000ppm、(vi)800ppm、または500ppm未満で存在する残留溶媒
によって特徴付けられる(S)-式I HClの結晶形態が提供される。
いくつかの実施態様において、(S)-式I HClを結晶形態Aとして製造する方法が提供される。いくつかの実施態様において、結晶(S)-式I HCl形態Aの製造方法は、(S)-式Iから開始する。いくつかの実施態様において、結晶(S)-式I HCl形態Aの製造方法は、実質的にラセミ体の式Iから開始する。
いくつかの実施態様において、様々な粒径分布を有する結晶(S)-式I HCl形態Aの製造方法が提供される。
実施例1は、(S)-式I HCl形態Aの製造方法の様々な実施態様を提供し、説明する。実施例2は、様々な粒径分布の(S)-式I HCl形態Aの製造方法の様々な実施態様を提供し、説明する。
ラセミ体の式I:

の合成は、米国特許第8,710,245号において開示され、これはその全体が参照によって本明細書に援用される。米国特許第8,710,245号において、ラセミ体はカラムクロマトグラフィーによって、単一の(R)および(S)エナンチオマー:

に分離される。(S)-式Iの遊離塩基は黄色の油状物であり、空気に晒された場合、時間経過により分解する。
本明細書において開示される方法のいくつかの実施態様において、結晶形態Aおよび形態Bの平衡は、20℃から60℃の間の温度、好ましくは約40℃で、(S)-式I遊離塩基のイソプロパノール溶液に、約5%から約10%のHClのイソプロパノール溶液を制御して添加することによって、実質的に純粋な結晶形態Aに偏る。いくつかの実施態様において、制御した添加は、対数様添加として行われ、ここで、HCl溶液が最初にゆっくりと添加され、速度が着実に増加する。HCl添加速度は、様々な実施態様において、10%のHCl溶液を、約10分から約90分の間の最初の期間にわたって添加し、30%のHCl溶液を、約10分から約90分の間の第二の期間にわたって添加し、残りのHCl溶液を、約10分から約90分の間の第三の期間にわたって添加する。
いくつかの実施態様において、対数様添加プロファイル(例えば、限定されないが、Mullin-Nyvlt型の添加プロファイルが挙げられる、例えば、J.W. Mullin and J. Nyvlt, Chem Eng Sci. 1971; 26:3, 369-377を参照されたい)による、酸溶液のゆっくりとした添加(例えば、より遅い過飽和速度)、より高い動作温度、開始時の遊離塩基溶液のより低い濃度、および結晶化混合物のより高い水分含有量によって、(S)-式I HCl形態Aの大きな結晶の生成が有利になり;一方で、より低い動作温度、開始時の遊離塩基溶液のより高い濃度、および結晶化混合物のより低い水分含有量によって、(S)-式I HCl形態Aのより小さな結晶の生成が有利になる。平均、平均値、および/または中央値の粒子径は一般に、望ましいPSDの唯一の決定要因ではなく、むしろPSDの幅がしばしば重要であることが理解されるべきである。
粒径分布(PSD)
いくつかの実施態様において、結晶(S)-式I HCl、および特に、結晶(S)-式I HCl 形態Aの粒径分布を望ましい範囲、例えば、圧縮錠剤に都合のよいPSD、および/または良好な溶解動態を提供するPSDに調節する方法が提供される。いくつかの実施態様において、(S)-式I HClの粒径分布は、(i)(S)-式I HClの生成(例えば、スキーム4におけるステップ4b)の間のHCl添加速度;(ii)HCl添加前の、(S)-式I遊離塩基の溶液中の濃度(例えば、スキーム4におけるステップ4aおよび4bの間の化合物Fの濃度);(iii)HCl添加間の溶液の温度;(iv)結晶化混合物の水分含有量;および(v)反応過程によって調節することができる。
図7A、図7B、図8A、図8B、図8C、および図9Aについて、実施例2でさらに記載される様々な条件下で得られる、(S)-式I HCl 形態Aの様々なPSDデータが提示される。図7A、図7B、図8A、図8B、および図8CのPSDデータは、Malvern Mastersizer 2000分析機器を用いたレーザー回折粒子サイズ技術によって得て、図9AのPSDデータは、Horiba LA-920機器を用いたレーザー回折粒子サイズ技術によって得て、全てのデータは粒子径の関数として体積%で表される。
いくつかの実施態様において、結晶(S)-式I HCl 形態AのPSDは、過飽和生成速度(例えば、スキーム4のステップ4bにおけるHCl溶液の用量プロファイルによって制御される)、操作温度、水含有量、および反応過程(例えば、混合、超音波など)によって影響されうる。例えば、いくつかの実施態様において、(S)-式I HClを形成するために、HClの添加の間の超音波処理(例えば、スキーム4のステップ4b)によって、HCl添加の過程で核形成が促進されることによって、最終的な(S)-式I HCl形態A結晶サイズが大幅に減少しうる(例えば、D50=20から30μm)。
(S)-式I HClの反応晶析のいくつかの実施態様において、過飽和生成速度は、HCl溶液添加速度によって直接制御することができ;添加(HCl添加)が速いほど、より小さな結晶の生成が有利になり、添加が遅いほど、より大きな生成が有利になる。しかしながら、より速い添加によって、より幅広いPSD分布が生じる。
いくつかの実施態様において、操作温度は、核生成、結晶成長、並びに溶解度の動力学的挙動に影響を与えるために用いられうる。より高い温度は、結晶サイズの平均値およびPSDの幅を増加させる。
いくつかの実施態様において、反応性再結晶化の前の、開始(S)-(-)-式I 遊離塩基濃度は、核生成および結晶成長の動力学的挙動に影響を与えるために用いられうる。いくつかの実施態様において、より高い開始(S)-(-)-式I 遊離塩基濃度は、粒子径の中央値およびPSDの幅の両方を減少させる。
いくつかの実施態様において、4個以下の炭素のアルキルアルコール、例えば、限定されないが、n-プロパノール、イソプロパノール、およびn-ブタノールを用いることができる。
いくつかの実施態様において、(S)-式I遊離塩基は、90%から100%イソプロパノールを含む溶媒系に溶解する。いくつかの実施態様において、溶媒系は90%から99%イソプロパノールであり、残りは水である。いくつかの実施態様において、溶媒系は93%から97%のイソプロパノールであり、残りは水である。いくつかの実施態様において、溶媒系は>99%イソプロパノールである。いくつかの実施態様において、最大で約5%の水の存在によって(S)-式I HCl多形体Aの結晶が生じ、これは形態が六角形よりもむしろ立方体である。いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法は、立方体形態が増加した結晶(S)-式I HCl形態Aを提供する。本明細書に開示される組成物、医薬、および製剤のいくつかの実施態様において、立方体形態が増加した結晶(S)-式I HCl形態Aは、六角形形態よりも流動性があり、特定の固形経口剤形の生成(例えば、特定の錠剤化操作)において利点を有するので、好ましい。
実施例1において、イソプロパノール中の塩化水素は6重量%で調製したが、他の濃度においても用いることができ;例えば、いくつかの実施態様において、約4%から約10%である。いくつかの実施態様において、4個以下の炭素を有するアルキルアルコール、例えばイソプロパノール中のHClは、(S)-式I中のアミンに基づいて、1.0対1、最大で1.2対1の化学量論比で添加することができる。
4個以下の炭素のアルキルアルコール、例えばイソプロパノール中の(S)-式I遊離塩基の濃度は、幅広い範囲で利用可能であることが観察された。いくつかの実施態様において、(S)-式Iの遊離塩基溶液の濃度は、重量%で約5.0%から25.0%の間、好ましくは約10%から約15%の間である。いくつかの実施態様において、(S)-式I遊離塩基溶液の濃度は、重量%で約10.0%、約11.0%、約13.0%、または約15.0%である。
(S)-式Iの遊離塩基の非常に希釈された溶液は、4個以下の炭素のアルキルアルコール、例えばイソプロパノール中の(S)-式I HClの溶解度が有限であるため、より低い収率を生じる可能性が高いことを、当業者は理解するであろう。
結晶(S)-式I HCl形態Aの粒径分布は、反応物添加速度、局所的および全体的な過飽和、物質移動、および結晶表面積のバランスによって制御することができる。例えば、Mullin-Nyvlt様添加プロファイルによる、酸溶液のゆっくりとした添加、より高い操作温度、開始時の遊離塩基溶液のより低い濃度、溶媒系における水の存在、シード化によって、より大きな結晶(S)-式I HCl 形態A結晶の生成が有利になり、過飽和の間の超音波処理によって、より小さな結晶(S)-式I HCl 形態A結晶の生成が有利になる。
いくつかの実施態様において、約15μmから約30μmの間の中央値(D50)、約10μmより大きいD10、および約40μmより小さいD90;および好ましくは約20μmから約30μmの間のD50を有する粒径分布(レーザー回折によって測定した場合、例えば、実施例2において記載される)を有する、(S)-式I HCl 形態A結晶を含む化合物が提供される。
いくつかの実施態様において、約15μmから約30μmの間(好ましくは、約20μmから約30μmの間)の中央値(D50)、および約1.75未満、約1.5未満、約1未満、または約0.8未満のスパンを有する粒径分布(レーザー回折によって測定した場合、実施例2において記載される)を有する、(S)-式I HCl 形態A結晶を含む化合物が提供される。
いくつかの実施態様において、約100μmから約135μmの間の中央値(D50)(好ましくは約100μmから約110μmの間のD50)、約60μmより大きいD10、および約165μm未満のD90;および好ましくは、約70μmより大きいD10、および約150μm未満のD90を有する粒径分布(レーザー回折によって測定した場合、例えば、実施例2において記載される)を有する、(S)-式I HCl 形態A結晶を含む化合物が提供される。
いくつかの実施態様において、約100μmから約135μmの間の中央値(D50)(および好ましくは約100μmから約110μmの間のD50)、および約1.75未満、約1.5未満、約1未満、約0.8未満のスパンを有する粒径分布(レーザー回折によって測定した場合、例えば、実施例2に記載される)を有する、(S)-式I HCl 形態A結晶を含む化合物が提供される。
いくつかの実施態様において、約135μmから約180μmの間の中央値(D50)(および好ましくは約160μmから約170μmの間のD50)、約100μmより大きいD10、および約250μm未満のD90;および好ましくは約110μmより大きいD10、および約230μm未満のD90を有する、粒径分布(レーザー回折によって測定した場合、例えば、実施例2に記載される)を有する(S)-式I HCl 形態A結晶を含む化合物が提供される。
いくつかの実施態様において、約135μmから約180μmの間の中央値(D50)(および好ましくは、約160μmから約170μmの間のD50)、および約1.75未満、約1.5未満、約1未満、または約0.8未満のスパンを有する粒径分布(レーザー回折によって測定した場合、例えば、実施例2に記載される)を有する(S)-式I HCl 形態A結晶を含む化合物が提供される。
いくつかの実施態様において、約180μmから約230μmの間の中央値(D50)(および好ましくは、約190μmから約220μmの間のD50)、約110μmより大きいD10、および約350μm未満のD90;および好ましくは約120μmより大きいD10、および約340μm未満のD90を有する粒径分布(レーザー回折によって測定した場合、例えば、実施例2に記載される)を有する(S)-式I HCl 形態A結晶を含む化合物が提供される。
いくつかの実施態様において、約180μmから約230μmの間の中央値(D50)(および好ましくは、約190μmから約220μmの間のD50)、および約1.75未満、約1.5未満、約1未満、または約0.8未満のスパンを有する粒径分布(レーザー回折によって測定した場合、例えば、実施例2に記載される)を有する(S)-式I HCl 形態A結晶を含む化合物が提供される。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示された方法は、約15μmから約30μmの間の中央値(D50)、約10μmより大きいD10、および約40μm未満のD90;および好ましくは、約20μmから約30μmの間のD50、約10μmより大きいD10、および約40μm未満のD90を有する、PSD(レーザー回折によって測定した場合、例えば、実施例2に記載される)を有する、(S)-式I HCl 形態A結晶を提供し;ここで、当該方法は、(S)-式I HClを生成するために、(S)-式Iの遊離塩基溶液の過飽和ステップの間に超音波処理を含む。
様々な実施態様において、本明細書に開示された方法は、いくつかの実施態様において、約100μmから約230μmの間、約100μmから約135μmの間、約135μmから約180μmの間、または約180μmから約230μmの間の中央値(D50)を有するPSD(レーザー回折によって測定した場合、例えば、実施例2に記載される)を有し;および約1.75未満、約1.5未満、約1未満、または約0.8未満のスパンを有する、(S)-式I HCl 形態A結晶を提供し;ここで、当該方法は、(S)-式I HClを生成するために、(S)-式Iの反応性再結晶化の間、HClの対数様添加を用いることを含む。いくつかの実施態様において、対数様添加は、第一の期間にわたり約10%から約15%のHCl溶液を添加すること、第一の期間の後の第二の期間にわたり約30%から約40%のHCl溶液を添加すること、および第二の期間の後の第三の期間にわたり残りのHCl溶液(約45%から約60%の間)を添加することを含む。様々な実施態様において、第一、第二、および第三の期間は独立して、約10分から約90分の間の範囲である。様々な実施態様において、第一、第二、および第三の期間はそれぞれ、±10%以内で実質的に同じである。
実施例1:結晶(S)-1-(4,7-ジヒドロ-5H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)-N-メチルメタンアミン ヒドロクロライド(「(S)-式I HCl」)形態Aの合成
スキーム1:1-(4,7-ジヒドロ-5H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)-N-メチルメタンアミン(式I)トリフラートの合成
77gの3-チオフェンエタノール(化合物A)を、595ml(508g)の2-メチルテトラヒドロフラン(THF)中の、69gのN-メチルアミノアセトアルデヒド ジメチルアセタールの溶液に加えた。約5分間撹拌した後、99g(58.2ml)のトリフルオロメタンスルホン酸を加えた。反応液を約1時間還流して加熱した(80±2℃)。反応液を次いで約大気圧で蒸留し、副生成物のメタノールを留去し、約4~8時間にわたり、反応体積を460mlの目的の体積に減少させた。サンプルHPLC解析によって、約1.0%以下(対象のピーク、化合物A、B、およびCのHPLCピーク面積%)の化合物1Bが残留した場合、反応が完了したと判断した。
化合物Bの分量が約1%以上であった場合、適切な分量の2-メチル THFを加え、目的の体積まで蒸留を継続した。反応が完了する前(約4時間)に、目的の体積に達した場合、300mlの2-メチル THFを反応液に加えて蒸留を継続した。反応が完了した後、反応液を約40-50℃に冷却し、真空蒸留下で325mlの目的の体積に濃縮した。218g(325ml)のトルエンを次いで、約15分にわたり加え、生成した反応スラリーを次いで、約1時間、約50±2℃で撹拌し、次いで撹拌しながら、約1時間45分にわたり約20±2℃に直線的に冷却した。スラリーを濾過し、生成物ケーキを、2-メチル THFおよびトルエンの混合物(1:1 体積/体積)で洗浄した。湿ったケーキを約40±5℃において真空で一定の重量まで乾燥させ、ラセミ体の式Iトリフラート(化合物C)を得た。
スキーム2:(S)-(-)-式I(R)-マンデル酸の合成
いくつかの実施態様において、ジ-p-トルオイル-D-酒石酸(D-DTTA)を光学分割剤として用いて、(S)-式I-D-DTTA塩を生成し、本発明者らは、D-DTTAの使用により動力学的に分割されることを発見した。しかしながら、本開示の実施例のスキーム2は、(R)-マンデル酸の使用について提供するが、本発明者らは、(R)-マンデル酸によるジアステレオマー異性体結晶化が、動力学的な分離であることを発見した。
1668mlのメチル tert-ブチルエーテル(MTBE)中の、555.3gの式Iのトリフラート(化合物1C)の懸濁液に、1076gの1.77N KOH水溶液を加えた。約10分間撹拌した後、pHを確認し、pHが約13未満である場合、pHが13以上になるまで少量の1.77N KOHを加えた。水層および有機層を静置し、分離させ、別々に回収した。MTBE(上部)の有機層を、さらなる処理のために保持した。水層(低層)をMTBEで2回(最初は835mlで、二回目は150mlで)抽出し、それぞれ有機(MBTE)層を回収した。MTBE層(有機層)を合わせて、20%NaCl水溶液(492.9g)で撹拌して洗浄し、層を約10分間静置した。水層を除去し、残ったMTBE有機層を大気圧で蒸留し、反応体積を1.9Lの目的の量に減少させた。完了した後、プロセス流を約45℃に冷却し、温度を約35-45℃に維持しながら減圧蒸留下で890mlの目的の体積に減少させた。減圧蒸留後の水含有量は、約0.37重量%であることが分かった。次いで濾過を行って、204mlのMTBEの洗浄を用いて、不溶性物質を除去し、プロセス流(濾液)を清潔な反応容器に移した。2512mlのアセトニトリルを加え、約35-45℃における減圧蒸留によって、800mlの目的の体積まで溶媒交換を行い、反応容器を150mlのアセトニトリルで洗浄し、プロセス流に加えた。次いで、必要に応じてアセトニトリルを式Iの遊離塩基(化合物D)のアセトニトリル溶液に加え、約33重量%の化合物Dを得た。
250.3gの(R)-マンデル酸の、1828mlのアセトン中の溶液を、48±2℃に昇温させた。アセトニトリル中の式Iの遊離塩基溶液(アセトニトリル中の302.1gの化合物Dの917.7gの溶液)を次いで、反応温度を約51℃以下に維持する速度で添加した。約48±2℃で約10分間撹拌した後、プロセス流を約45±2℃に冷却し、1.5gの(S)-式Iの(R)-マンデル酸の種結晶を加えた。プロセス流を約45±2℃で約30分間撹拌し、約90分にわたり約21±2℃に直線的に冷却した。約30分間にわたり約45±2℃で保持した後、プロセス流を約45分にわたり約10±2℃に直線的に冷却した。反応スラリーを次いで約60分間にわたり約10±2℃で撹拌し、濾過し、生成物ケーキをアセトン/CHCN混合物(2.3:1 重量/重量)で洗浄した。湿ったケーキを40±2℃で一定の重量まで真空で乾燥させ、粗製の(S)-式Iの(R)-マンデル酸(化合物E)を得た。
スキーム3:(S)-式Iの(R)-マンデル酸の再結晶化
スキーム3は、(S)-1-(4,7-ジヒドロ-5H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)-N-メチルメタンアミン (R)マンデラート(「(S)-式Iの(R)-マンデル酸」)の再結晶化のプロセスを表す。様々な他の再結晶溶媒を用いることができることが理解されるべきである。本開示の実施例のスキーム3は、アセトンの使用を提供し、アセトンが十分に高い収率と主要な不純物の効果的な排除の組み合わせを提供することができることを本発明者らは発見した。様々な実施態様において、アセトンの量は、還流温度におけるアセトンへの(S)-式Iの(R)-マンデル酸の溶解度に基づいて選択され、好ましくは、還流における粗製の(S)-式Iの(R)-マンデル酸の溶解に必要なアセトンの最小量が用いられた。いくつかの実施態様において、スキーム3は種誘導結晶化であり、約90分にわたり、約47±2℃から約21±2℃に直線的に冷却し、次いで約30分にわたり約21±2℃で保持し、次いで約45分にわたり約10±2℃に直線的に冷却し、好ましくは最小で約1時間にわたり約10±2℃で保持することによって行われる。
4205mlのアセトン中の、スキーム2からの粗製(S)-式Iの(R)-マンデル酸(化合物E)(200.1g)のスラリーを、約56℃に昇温させ、透明な溶液が得られるまで撹拌した。溶液を約20分にわたり約47±2℃に冷却した後、(S)-式Iの(R)-マンデル酸の種結晶を加えた。プロセス流を約30分にわたり約47±2℃で撹拌させ、約90分にわたり約21±2℃に直線的に冷却した。約30分にわたり約21±2℃で保持した後、スラリーを約45分にわたり約10±2℃に直線的に冷却し、次いで約1時間にわたり約10±2℃で撹拌し、濾過し、生成物ケーキをアセトンで洗浄した(それぞれ401mlで2回)。湿ったケーキを約40±2℃で一定の重量まで真空で乾燥させ、(S)-式Iの(R)-マンデル酸(精製した化合物E)を得た。
スキーム4:結晶(S)-(-)-式I HCl 形態Aの生成
本開示の実施例のスキーム4は、(S)-(-)-式I HClを結晶形態Aとして反応性結晶化することを提供する。新規かつ固有の結晶形態に加えて、(S)-式I HClは(S)-式Iの新規かつ発明性のある塩であるとも本発明者らは考えている。(S)-式I HClが結晶化すると、2つの異なる形態(多形体)を示し、第一の形態はブロック様結晶(形態A)であり、第二の形態は針様結晶(形態B)であることを、本発明者らは発見した。本明細書に記載される単一の結晶X線回折研究に基づいて、形態Aは単斜晶系を有し、一方で形態Bは斜方晶系を有する。形態Aは本開示の実施例の条件下において安定な形態であることを本発明者らは発見し、形態Bの生成をどのように回避するかを本発明者らは発見した。いくつかの実施態様において、(S)-式I (R)-マンデル酸は最初に遊離塩基に変換され、HClを加えてスラリーを形成する。
305mlのMTBE中の、スキーム3からの(S)-式I (R)-マンデル酸塩(化合物E)(100g)の懸濁液に、172.5mlの10%のKOH水溶液を加えた。約20±2℃で約10分間撹拌した後、水層および有機層を分離した。有機性MTBE(上部)層をさらなる処理のために保持した。水層のpHが13未満であった場合、少量の19%のKOH溶液を加えて、pHを13に上昇させた。水(下部)層をMTBE(最初は208mlのMTBE、二回目は155mlのMTBE)で2回逆抽出し、さらなる処理のためにそれぞれ有機層を回収した。保持していた有機層を合わせて、合わせた有機層を共沸蒸留に付して水を除去し、大気圧で目的の体積の140mlまで蒸留した。プロセス流を次いで濾過し、不溶性物質(例えば、水の除去による塩沈殿)を除去し、濾液を清潔な反応器に移した。775mlのイソプロパノールを加え(約1030mlの総プロセス流体積が生じた)を加え、45℃未満の真空蒸留によって溶媒交換を行い、イソプロパノール中の(S)-式Iの10%-15%溶液を得た。
いくつかの実施態様において、イソプロパノールの量は、遊離塩基(化合物F)の重量%濃度を6-7%に調整するように選択した。反応混合物を20±2℃に冷却し、濾過し、濾紙を78mlのイソプロパノールで洗浄し、濾液を新たな反応器に移した。次いで、イソプロパノール中の6% HCl(w/w)溶液の201.6gを、約20±2℃において約45分にわたり反応器に加えた。いくつかの実施態様において、HClの目的の量は約10%であり、遊離塩基(化合物F)モル等量に対して過剰量であることが理解されるべきである。HClを以下のように加えた、最初の10%を約15分にわたり加え、次の30%を約15分にわたり加え、残りを次いで約15分にわたり加えた。5Lスケールの反応器において、約740mlのプロセス流体積を、160rpmから270rpmにおいてリトリート・カーブ・インペラーを用いて、妥当な大きさの粒子、および明らかに観察される凝集のない粒子分布が生じた。生成したスラリーを約20分にわたり、約40±2℃に直線的に昇温させて、約30分間にわたり約40±2℃で保持した。次いで、約20分にわたり約20±2℃に直線的に冷却した。約30分にわたり約20±2℃で撹拌した後、スラリーを濾過し、生成物ケーキをイソプロパノール(最初に86ml、二回目に92ml)で洗浄した。ケーキを真空下、40±2℃で一定の重量まで乾燥させ、(S)-(-)-式I HCl(化合物G)を得た。
スキーム4のステップ4bにおいて、ゆっくりとした添加によって、過飽和生成速度が低くなり、目的のブロック状(S)-(-)-式I HCl 形態Aの生成が有利になり、望ましくない針(形態B)の生成が減少する。より高い温度はまた、形態Bよりも、形態A結晶などのブロックの形成に有利である。
実施例1において得られた(S)-(-)-式I HCl(化合物G)のH NMRスペクトルを図10に示し、以下の特徴を有する:1H NMR (300 MHz, DMSO-d6); δ (ppm): 2.53 (s, 3 H, -CH3); 2.5-2.8 (m, 2 H, -CH2-); 3.15-3.37 (2dd, 2 H, CH2-NH); 3.77 and 4.13 (2ddd, 2 H, CH2-O); 5.19 (dd, 1 H, O-CH-C=); 6.95 (d, J = 5 Hz, 1 H, HC=); 7.49 (dd, J = 5 Hz, 1 H, HC=); 9.12 (br, 2 H, NH2 +).
実施例2:(S)-式I HCl 形態A 結晶の粒径分布制御
一連の実験は、方法を開発し、(S)-(-)-式I HCl 形態A 結晶の様々な粒径分布を提供するために、反応性再結晶の様々な局面(例えば、実施例1におけるスキーム4)において行った。反応条件は、この実施例2に記載される変更を除いて、スキーム4に関して実施例1において記載されたものと実質的に同じであった。
この実施例2のPSDデータは、溶媒中に分散したサンプルのレーザー回折粒子サイズ分析を用いて得た。図7A、図7B、図8A、図8B、および図8Cのデータは、Malvern Mastersizer 2000分析器を用いて得て、図9AのデータはHoriba LA-920レーザー回折粒子径分析器を用いて得た。全ての粒子径、およびD(4,3)、D10、D50、D90などの値はマイクロメートル(μm)であり、全ての分布は粒子径の関数として体積%で表される。
(S)-式I HClサンプルは、Span(登録商標)-85(ソルビタントリオレエート)およびヘキサンの溶液に分散させた。この実施例において、分散溶液は1リットルのヘキサン中の2gのSpan(登録商標)-85であり、0.2%(w/v)Span(登録商標)-85のヘキサン溶液を生成した。全てのサンプルを分散溶液に添加する前に、#30メッシュスクリーンで穏やかにふるいにかけた。
約5mlの0.2%Span(登録商標)-85のヘキサン中の分散溶液を、1.5から3グラムのふるいにかけた(S)-式I HCl サンプルに添加することによって、分析のための懸濁液溶液を調製し、全ての固体が湿るまで溶液を穏やかに撹拌した。次いで、35mlの0.2%Span(登録商標)-85のヘキサン分散溶液を加えて、測定前に少なくとも1分間、インペラを500rpmに設定して溶液を混合し、懸濁液を調製した。分散溶液に加えた実際の(S)-式I HCl サンプルの分量は実験的に決定し、2から3mlの得られた懸濁液が、用いた機器によって測定して10%から20%の間のレーザー吸光度(laser obscuration)を生じるように調節した。
測定の前に、機器を配置し、バックグラウンドを測定し、2-3mLの懸濁液を測定のための機器のサンプルセルに移した。
図7A、図7B、図8A、図8B、および図8Cのデータは、Malvern Mastersizer 2000分析器を用いて得て、表6はこの実施例に用いたMalvern Mastersizer 2000分析器のさらに詳細な機器設定を提供する。対応する同様の設定を、図9Aのデータを得るのに用いたHoriba LA-920 レーザー回折粒子径分析器に用いた。
過飽和生成率の調節
結晶化を生じる過飽和(S)-(-)-式I HClを生成するために、HCl/イソプロパノール(IPA)を添加することによって、(S)-(-)-式I 遊離塩基含有溶液(例えば、スキーム4における化合物Fの溶液)を、(S)-(-)-式I HCl塩の結晶形態として反応性再結晶化させた。図6Aおよび図6Bは、IPA添加プロファイルにおける様々な6%HClを示し、これは表7においてもまとめられている。図6Aおよび図6Bの添加プロファイルについて測定した結果のPSDは、それぞれ図7Aおよび図7Bに示す。表8は、図7Aおよび図7Bに提示されるPSDデータの様々なPSDパラメーターを提供する。
過飽和の原因となる、試薬(IPA中のHCl)の対数様添加は、形態A結晶の生成に有利であり、遅い添加速度は、大きな粒子径の中央値およびPSDの低いスパンをもたらすことが発見された。

温度による調節
(S)-(-)-式I遊離塩基含有溶液(例えば、スキーム4において化合物Fの溶液)を、2つの異なる温度、25℃および40℃で、イソプロパノール(IPA)中のHClを加えることによって、(S)-(-)-式I HCl塩の結晶形態として、反応性再結晶化させた。表9は、これらの2つの温度において測定したPSDデータの様々なPSDパラメーターを提供する。
温度の上昇により、(S)-(-)-式I HClの形態A結晶の粒子径の中央値および平均値を増加させるが、温度の上昇はPSDのスパンもまた増加させることが発見された。
遊離塩基濃度による調節
(S)-(-)-式I遊離塩基の3つの異なる開始濃度、10.8%、13.0%および15.2%から、イソプロパノール(IPA)中のHClを添加することによって、(S)-(-)-式I遊離塩基含有溶液(例えば、スキーム4における化合物Fの溶液)を、(S)-(-)-式I HCl塩の結晶形態として反応性再結晶化させた。表10は、図8A、図8B、および図8Cにおいて示される、測定されたPSDデータの様々なPSDパラメーターを提供し;図8Aは15.2%の(S)-(-)-式I遊離塩基濃度についてのPSDデータを示し、図8Bは13.0%の(S)-(-)-式I遊離塩基濃度についてのPSDデータを示し、図8Cは10.8%の(S)-(-)-式I遊離塩基濃度についてのPSDデータを示す。
開始時の(S)-(-)-式I遊離塩基濃度を上昇させると、粒子径中央値およびPSDスパンの両方が減少し、開始時の(S)-(-)-式I遊離塩基濃度を減少させると、粒子径中央値およびPSDスパンの両方が増加することが発見された。
水含有量による調節
2%-5.5%の範囲の異なる水含有量(すなわち、核生成前の水含有量)を有する(S)-(-)-式I遊離塩基の溶液から、イソプロパノール(IPA)中のHClを添加することによって、(S)-(-)-式I遊離塩基含有溶液(例えば、スキーム4における化合物Fの溶液)を、(S)-(-)-式I HCl塩の結晶形態として反応性再結晶化させた。表11は、示された水含有量について測定したPSDデータの様々なPSDパラメーターを提供する。
水含有量が増加すると、一般に粒子径中央値が増加するが、PSDスパンが減少することが発見された。
反応プロセスによる調節
反応性再結晶化は、2つの異なるプロセス、(i)核生成の間(例えば、スキーム4のステップ4bの間)反応混合物に加えた超音波によるプラグ流反応器(PFR)プロセスを用いた、プロセス1;および(ii)多段階混合懸濁液および混合生成物除去(MSMPR)プロセスの、プロセス2によって行われた。
プロセス1およびプロセス2下の反応性再結晶化において用いた化学、例えば、化学物質、濃度、および化学量論は、実施例1と実質的に同じであり、ここでプロセス1およびプロセス2は様々な濃度の実施例1におけるスキーム4の(S)-(-)-式I 遊離塩基溶液(化合物F)から開始した。
プロセス1下での反応性再結晶化は、以下のように行った。(S)-(-)-式I遊離塩基溶液およびHCl/IPA溶液を、制御温度(例えば、40℃)および滞留時間で、蠕動ポンプを用いて別の供給流としてくみ上げて、Tミキサーを介して管晶析装置に移し、スキーム4のステップ4bを行った。Tにおける接触後、プロセス流がチューブを介して通過すると、結晶化が生じた。N注入系を両方の供給流に統合し、ガスの周期的な導入を可能にした。出力溶液、ミキサー後のTは、所定の滞留時間に応じて所定の長さの管状コイル(1/8”PFAチューブ)を介して通過した。約2.5分の滞留時間について、3.5mのコイル長を用い、約5分の滞留時間について、7mのコイル長を用いた。コイルの温度制御は水浴を用いて行い、ここで、約10cmのそれぞれの入力流チューブであるTとコイルは浸され、超音波処理はプロセス流中の水浴を超音波処理することによって行った。
プロセス2における反応性再結晶化は以下のように行った。マルチセージMSMPRプロセスは、第一反応容器に出発物質を継続的に送り出すプロセス流(第一段階結晶化)、第一反応容器から第二反応容器に生成物を継続的に送り出すプロセス流(第二段階結晶化)、第二反応容器から第三反応容器に生成物を継続的に送り出すプロセス流(第三段階結晶化)、および第三反応容器から生成物受け取り容器に生成物を継続的に送り出すプロセス流によって、3つの段階を用いた。プロセスの間、操作体積および反応条件を一定状態に維持し、それぞれの反応容器を撹拌した。
開始時の(S)-(-)-式I遊離塩基のイソプロパノール溶液および13%のHClイソプロパノール溶液を、それぞれの段階において滞留時間およびHClに対する(S)-(-)-式I遊離塩基の比を制御するために設定した流速において、第一段階に送り出した。第一段階晶析装置からの懸濁液を第二段階結晶化に移し、37%のHClイソプロパノール溶液を第二段階晶析装置に送り出した。第二段階晶析装置からの懸濁液を第三段階晶析装置に移し、残り(50%)のHClイソプロパノール溶液を第三段階晶析装置に送り出した。くみ上げは周期的なくみ上げによって行った。それぞれの段階における様々な流量および他の条件を表12にまとめる。
表13は、図9Aに示される測定したPSDデータの様々なPSDパラメーターを提供し;図9Bおよび図9Cはプロセス2(図9B)およびプロセス1(図9C)によって得られた結晶(S)-(-)-式I HCl 形態AのSEM画像を表す。
過飽和のステップの間の超音波処理によって、小さい粒子径中央値を有するPSD、および許容可能なPSDスパンが生じることが発見された。さらに、過飽和のステップの間の超音波処理は、(S)-(-)-式I HClのブロック様結晶形態(形態A)の初期核形成を有利にし、針形態(形態B)の回避を促進することが発見された。
いくつかの実施態様において、本発明の結晶形態はいくつかの有利な物理的性質を有する。例えば、結晶(S)-式I HCl形態Aは実質的に非吸湿性であり、いくつかの実施態様において、0から90%の相対湿度で25℃においてスキャンした動的蒸気収着(DVS)によって測定して、水分収着等温線において約0.2%未満、および好ましくは約0.1%未満の最大質量変化を示す(例えば、図5を参照されたい)。
いくつかの実施態様は、高いキラル純度および高い化学純度において、結晶(S)-式I HCl 形態Aを提供することが理解されるべきである。
いくつかの実施態様において、本発明は(S)-式I HCl 形態Aの実質的にエナンチオマー的に純粋な結晶形態を提供する。例えば、いくつかの実施態様において、本発明は約90%より多い(S)-式I HClおよび約10%未満の(R)-式I HCl、約95%より多い(S)-式I HClおよび約5%未満の(R)-式I HCl、約97%より多い(S)-式I HClおよび約3%未満の(R)-式I HCl、約99%より多い(S)-式I HClおよび約1%未満の(R)-式I HCl、約99.5%より多い(S)-式I HClおよび約0.5%未満の(R)-式I HCl、約99.7%より多い(S)-式I HClおよび約0.3%未満の(R)-式I HCl、約99.9%より多い(S)-式I HClおよび約0.1%未満の(R)-式I HClを含む、式I HClの結晶形態を提供する。
いくつかの実施態様において、(S)-式I HCl 形態Aは実質的に化学的に純粋な結晶形態が提供される。いくつかの実施態様において、約80%より大きい化学純度、約90%より大きい化学純度、約95%より大きい化学純度、約97%より大きい化学純度、約99%より大きい化学純度、約99.5%より大きい化学純度、約99.7%より大きい化学純度、または約99.9%より大きい化学純度を有する、結晶(S)-式I HCl 形態Aが提供される。いくつかの実施態様において、約8000ppm未満の残留溶媒、約6000ppm未満の残留溶媒、約4000ppm未満の残留溶媒、約2000ppm未満の残留溶媒、約1000ppm未満の残留溶媒、約800ppm未満の残留溶媒、または約500ppm未満の残留溶媒を含む、結晶(S)-式I HCl 形態Aが提供される。
組成物
いくつかの実施態様において、本開示は、本開示の化合物(例えば、式Iの化合物またはその異性体)、またはその薬学的に許容可能な塩、および本明細書に定義される薬学的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。いくつかの実施態様において、本開示は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、および1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
本明細書に開示される化合物を含む医薬組成物、またはその薬学的に許容可能な塩は、通常の慣習に従って選択される1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤と共に製造されうる。
いくつかの実施態様において、組成物は、既知の確立された慣習に一致する、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤と共に製剤化される。そのため、様々な実施態様において、組成物は、例えば、液体、粉末、エリキシル剤、注入可能な溶液、または懸濁液として製剤化される。経口使用のための製剤が好ましく、例えば、錠剤、カプレット、またはカプセルとして提供されてもよく、ここで、薬学的に活性な成分が不活性固体希釈剤とともに混合されている。錠剤はまた、造粒剤および崩壊剤を含んでもよく、コーティングされていてもコーティングされていなくてもよい。局所的使用のための製剤は、例えば、局所溶液、ローション、クリーム、軟膏、ゲル、泡、パッチ、散剤、固体、スポンジ、テープ、蒸気、ペースト、またはチンキとして提供されうる。
本明細書に開示される医薬組成物としては、様々な投与経路、例えば、経腸、非経口、および/または局所投与に適切なものが挙げられる。本明細書に開示される医薬組成物は、経口、非経口、吸引、局所、直腸内、経鼻、口腔内、舌下、経膣投与されてもよく、あるいは移植された容器を介して投与されてもよい。本明細書で用いられる用語「非経口」は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、肝臓内、病巣内および頭蓋内注入または注射技術を含む。いくつかの実施態様において、組成物は、経口、腹腔内、または静脈内投与される。本発明の組成物の無菌注入可能な形態は、水性または油性懸濁液でありうる。これらの懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤、および懸濁化剤を用いて、当技術分野において既知の技術によって製剤化されうる。無菌注入可能な製剤はまた、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液などの、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中の、無菌注入可能な溶液または懸濁液でありうる。使用されうる許容可能なビヒクルおよび溶媒としては、限定されないが、水、リンガー溶液、および等張塩化ナトリウム溶液が挙げられる。さらに、無菌不揮発性油は、溶媒または懸濁媒体として従来から用いられている。本発明の薬学的に許容可能な組成物は、カプセル、錠剤、水性懸濁液または溶液などの、任意の経口的に許容可能な剤形において経口投与されうる。
組成物は単位剤形で提供されてもよく、製薬分野において周知の任意の方法によって製造されてもよい。そのような方法は、活性成分(例えば、本開示の化合物またはその薬学的に許容可能な塩)を、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤と組み合わせるステップを含む。組成物は活性成分を液体賦形剤または微細に分割した固体賦形剤、またはその両方と均一かつ綿密に組み合わせて、次いで必要に応じて生成物を成形することによって製造されうる。技術および製剤化は一般に、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21.sup.st Edition, Lippincott Williams and Wilkins, Philadelphia, Pa., 2006に存在する。いくつかの実施態様において、組成物は液体、粉末、エリキシル、注射用溶液、または懸濁液として製剤化される。いくつかの実施態様において、錠剤、カプレット、またはカプセルとして経口使用のための製剤が提供され、ここで、薬学的に活性な成分は不活性固体希釈剤と混合される。錠剤はまた、造粒剤および崩壊剤を含んでもよく、コーティングされていてもコーティングされていなくてもよい。局所使用のための製剤は、例えば、局所溶液、ローション、クリーム、軟膏、ゲル、泡、パッチ、散剤、固体、スポンジ、テープ、蒸気、ペースト、またはチンキとして提供されうる。
経口投与に適切な、本明細書に記載される組成物は、限定されないが、トローチ、ロゼンジ、水性または油性懸濁液、分散性粉末または顆粒、エマルジョン、硬または軟カプセル、カシュ剤、シロップ、エリキシル、または錠剤などの個別の単位(単位剤形)として提供され、それぞれは所定の分量の活性成分を含む。いくつかの実施態様において、医薬組成物は固体経口剤形である。いくつかの実施態様において、医薬組成物は錠剤である。
本明細書に記載される組成物は、単一の単位剤形、例えば、単一の錠剤、カプセルなどにおいて提供される必要はない。いくつかの実施態様において、医薬組成物は、2つの単位剤形が、式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な塩の目的の量の投与をもたらすような単位剤形において提供される。
本明細書に開示される医薬組成物は、本明細書に開示される1つ以上の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を、薬学的に許容可能な賦形剤および適宜他の治療剤と共に含む。活性成分を含む医薬組成物は、目的の投与方法に適切な任意の形態でありうる。経口使用に用いられる場合、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性または油性懸濁液、分散性粉末または顆粒、エマルジョン、硬または軟カプセル、シロップまたはエリキシルが製造されうる。経口使用を目的とする組成物は、医薬組成物の製造のための技術分野において既知の任意の方法に従って製造されてもよく、そのような組成物は、口当たりの良い製剤を提供するために、1つ以上の賦形剤、例えば、甘味剤、風味剤、着色剤および防腐剤を含んでもよい。
活性成分を含む錠剤を、錠剤の製造に適切な非毒性の薬学的に許容可能な賦形剤と混合することは、許容可能である。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウムまたはナトリウム、ラクトース、ラクトース一水和物、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、リン酸カルシウムまたはナトリウムなどの、不活性希釈剤;コーンスターチ、またはアルギン酸などの、造粒剤および崩壊剤;セルロース、微結晶セルロース、デンプン、ゼラチン、またはアカシアなどの、結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクなどの、滑沢剤でありうる。錠剤はコーティングされていなくてもよく、消化管における崩壊および吸収を遅延させて、長期間にわたる持続的な活性を提供するために、マイクロカプセル化などの既知の技術によってコーティングされていてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延物質を単体で、またはワックスと共に用いてもよい。
剤形を製造するために不活性成分と組み合わされうる活性成分の量は、目的の治療対象および特定の投与形態に応じて変化しうる。例えば、いくつかの実施態様において、ヒトに経口投与するための剤形は、薬学的に許容可能な賦形剤の適切で便利な量とともに製剤化された、約0.1から1000mgの活性物質を含みうる。いくつかの実施態様において、薬学的に許容可能な賦形剤は、全組成物の約5から約95%まで変化する(重量:重量)。
いくつかの実施態様において、本開示の化合物、例えば、式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物は、あるバリエーションにおいて、活性成分が代謝される速度に影響する薬剤を含まない。したがって、本開示の化合物を含む組成物は、ある局面において、本開示の化合物、または本開示の化合物と別個に、順次、または同時に投与される任意の他の活性成分の代謝に影響する(例えば、遅くする、阻害する、または遅延させる)薬剤を含まないことが理解される。本明細書に詳細に記載される任意の方法、キット、製品などは、ある局面において、本開示の化合物、または本開示の化合物と別個に、順次、または同時に投与される任意の他の活性成分の代謝に影響しうる(例えば、遅くする、阻害する、または遅延させる)薬剤を含まないこともまた理解される。
本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物は、制御放出手段によって、または当業者に周知の送達デバイスによって投与することができる。例としては、限定されないが、米国特許第3,845,770;3,916,899;3,536,809;3,598,123;および4,008,719、5,674,533、5,059,595、5,591,767、5,120,548、5,073,543、5,639,476、5,354,556、および5,733,566号に記載されるものが挙げられる。例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、透過膜、浸透圧システム、多層コーティング、微粒子、リポソーム、マイクロスフェア、またはそれらの組み合わせは、様々な比率で目的の放出プロファイルを提供する。当業者に既知の適切な制御放出製剤は、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と共に使用するために、容易に選択することができる。
非経口投与のための本明細書において開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物は、水性および非水性無菌注入溶液を含み、これは抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、および製剤を目的の需要者の血液と等張にする溶質を含みうる。非経口投与はまた、水性および非水性無菌懸濁液を含み、これは懸濁化剤および濃化剤を含みうる。本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物は、複数回用量を含む容器の単位剤形、例えば、密閉されたアンプルおよびバイアルにおいて提供されてもよく、使用直前に、無菌液体担体、例えば、食塩水、リン酸緩衝液整理食塩水(PBS)などの添加のみを必要とする、凍結乾燥形態において保存されてもよい。即時注射溶液および懸濁液は、前記の種類の無菌散剤、顆粒、および錠剤から製造されうる。
いくつかの実施態様において、組成物は、約1mgから1,000mgの式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施態様において、組成物は、約1mgから150mgの式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施態様において、組成物は、約30mgから120mgの式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施態様において、組成物は約30mgから90mgの式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。
いくつかの実施態様において、式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、および/またはその結晶形態、および1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施態様において、約1mgから1,000mgの式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、および/またはその結晶形態、および1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施態様において、約1mgから150mgの式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、および/またはその結晶形態、および1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施態様において、約30mgから120mgの式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、および/またはその結晶形態、および1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施態様において、約30mgから90mgの式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、および/またはその結晶形態、および1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
いくつかの実施態様において、(S)-式I、またはその薬学的に許容可能な塩、および/またはその結晶形態、および1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施態様において、約1mgから1,000mgの(S)-式I、またはその薬学的に許容可能な塩、および/またはその結晶形態、および1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施態様において、約1mgから150mgの(S)-式I、またはその薬学的に許容可能な塩、および/またはその結晶形態、および1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施態様において、約30mgから120mgの(S)-式I、またはその薬学的に許容可能な塩、および/またはその結晶形態、および1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施態様において、約30mgから90mgの(S)-式I、またはその薬学的に許容可能な塩、および/またはその結晶形態、および1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
いくつかの実施態様において、(R)-式I、またはその薬学的に許容可能な塩、および/またはその結晶形態、および1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施態様において、約1mgから1,000mgの(R)-式I、またはその薬学的に許容可能な塩、および/またはその結晶形態、および1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施態様において、約1mgから150mgの(R)-式I、またはその薬学的に許容可能な塩、および/またはその結晶形態、および1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施態様において、約30mgから120mgの(R)-式I、またはその薬学的に許容可能な塩、および/またはその結晶形態、および1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施態様において、約30mgから90mgの(R)-式I、またはその薬学的に許容可能な塩、および/またはその結晶形態、および1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
いくつかの実施態様において、(S)-式I HCl、および/またはその結晶形態、および1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
いくつかの実施態様において、約2.4%w/wから約60%w/wの式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施態様において、約2.4%w/wから約60%w/wの式I HClの化合物を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施態様において、約10% w/wから約40% w/wの式I HClの化合物を含む医薬組成物が提供される。
いくつかの実施態様において、約2.4%w/wから約60%w/wの(S)-式I、またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施態様において、約2.4%w/wから約60%w/wの(S)-式I HClを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施態様において、約10%w/wから約40%w/wの(S)-式I HClを含む医薬組成物が提供される。
いくつかの実施態様において、約2.4%w/wから約60%w/wの(R)-式I、またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施態様において、約2.4%w/wから約60%w/wの(R)-式I HClを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施態様において、約10%w/wから約40%w/wの(R)-式I HClを含む医薬組成物が提供される。
いくつかの実施態様において、式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、並びに充填剤、崩壊剤、および滑沢剤から成る群から選択される1つ以上の賦形剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施態様において、式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、並びに充填剤、崩壊剤、および滑沢剤から成る群から選択される1つ以上の賦形剤を含む医薬組成物が提供され、ここで、増量剤は微結晶セルロースおよびマンニトールであり、崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムであり、滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。いくつかの実施態様において、式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、並びに充填剤、崩壊剤、および滑沢剤から成る群から選択される1つ以上の賦形剤を含む医薬組成物が提供され、ここで、増量剤は微結晶セルロースであり、崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムであり、滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。
いくつかの実施態様において、20mgから150mgの式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、50mgから100mgの第一の増量剤、150から250mgの第二の増量剤、5mgから15mgの崩壊剤、および0.5mgから3.0mgの滑沢剤を含む医薬組成物が提供される。
いくつかの実施態様において、以下を含む錠剤が提供される:
(a)(i)約2.4%w/wから約60%w/wの式I HClの化合物;(ii)増量剤として、微結晶セルロースおよびマンニトール;(iii)崩壊剤として、デンプングリコール酸ナトリウム;(iv)滑沢剤として、ステアリン酸マグネシウム;および適宜(v)流動促進剤として、コロイド状二酸化ケイ素(必要に応じて)を含む核;並びに
(b)(i)ポリマーコーティング系として、(ヒドロキシプロピル)メチルセルロース(HPMC)/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)マトリックス;および適宜1つ以上の(ii)乳白剤および着色剤として、酸化チタン、(iii)研磨剤として、カルナウバロウ、および(iv)例えば、市場ニーズのための様々な錠剤の色を提供する、他の着色剤を含むコーティング。
いくつかの実施態様において、それぞれの成分の濃度は、短期および長期条件における保存後の粉末流動性、錠剤化能、錠剤安定性に基づいて選択される。
実施例3:医薬組成物の実施例
(S)-式I HClを含む錠剤の限定されない例を製造した。
25mgの(S)-式I HClを含む錠剤を、乾燥、直接打錠によって製造した。25mgの錠剤の構成成分は、表14にまとめる。
50mg、75mg、および100mgの(S)-式I HClを含む錠剤を、乾式造粒によって製造した。50mg、75mg、および100mgの錠剤の構成成分を、表15にまとめた。
遊離塩基(すなわち(S)-式I)の量に基づく25mgの投与強度について、(S)-式I HCl、微結晶セルロース、マンニトール、およびデンプングリコール酸ナトリウムをそれぞれ、#30メッシュスクリーンでふるいにかけ、低せん断ブレンダーに投入した。混合物を最大500回転で混合した。ステアリン酸マグネシウムを#60メッシュスクリーンでふるいにかけ、ブレンダーに投入し、混合物をさらに75回転混合した。次いで、混合物を錠剤に圧縮して、300mgの目的の錠剤重量にした。錠剤を次いで、オパドライ20A120006黄色、オパドライ20A18407白色、またはオパドライ20A110008緑色(ヒドロキシプロピルメチルセルロース/ヒドロキシプロピルセルロース)でコーティングし、乾燥後、カルナウバロウを錠剤に添加した。
遊離塩基(すなわち(S)-式I)の量に基づく25mgより多い投与強度について、粒内混合は(S)-式I HCl、微結晶セルロース、およびデンプングリコール酸ナトリウムを含み、これをそれぞれ#30メッシュスクリーンでふるいにかけ、低せん断ブレンダーに投入した。混合物を最大500回転で混合した。ステアリン酸マグネシウムを#60メッシュスクリーンでふるいにかけ、ブレンダーに導入し、混合物をさらに75回転混合した。粒内混合物を次いで、乾式造粒によってリボン状にし、顆粒に粉砕した。乾式造粒の後、顆粒およびさらなる顆粒賦形剤を圧縮の前に混合した。最終混合物は、(S)-式I HCl顆粒、微結晶セルロース、マンニトール、デンプングリコール酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素(75および100mgのみ)およびステアリン酸マグネシウムを含む。微結晶セルロース、マンニトール、デンプングリコール酸ナトリウム、およびコロイド状ニ酸化ケイ素をそれぞれふるいにかけ、あるいは#30メッシュスクリーンを介して微結晶セルロース(コロイド状二酸化ケイ素についてのみ)と共にふるいにかけ、混合のために(S)-式I ヒドロクロライド顆粒と共に低せん断ブレンダーに投入した。混合物を250回転混合した。さらなる顆粒ステアリン酸マグネシウムを#60メッシュスクリーンでふるいにかけ、ブレンダーに導入した。次いで、混合物を75回転で混合し、次いで錠剤に圧縮して、300mgの目的の錠剤重量にした。錠剤を次いで、オパドライ20A120006黄色、オパドライ20A18407白色、またはオパドライ20A110008緑色(ヒドロキシプロピルメチルセルロース/ヒドロキシプロピルセルロース)でコーティングし、乾燥後、カルナウバロウを錠剤に添加した。

方法
精神障害の診断と統計マニュアル、第5版(以下、「DSM-5」)は、2013年にアメリカ精神医学会によって出版され、引用によって本明細書に援用され、様々な疾患および障害の診断のための、当業者が信頼する標準的な診断システムを提供する。
本開示は、中枢神経系障害を治療する、または予防する方法を提供する。いくつかの実施態様において、中枢神経系障害は社会的機能障害である。本開示は、治療上の有効量の式I:

の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を、必要な対象に投与することを特徴とする、社会的機能障害の治療または予防方法を提供する。
本開示は、治療上の有効量の式I:

の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を、必要とする対象に投与することを特徴とする、社会的機能障害の治療または予防方法を提供し、ここで、式Iの化合物は、

または

である。
いくつかの実施態様において、社会的機能障害は、神経発達障害、強迫性障害、または破壊的、衝動制御、および素行障害である。いくつかの実施態様において、社会的機能障害は、神経発達障害である。いくつかの実施態様において、社会的機能障害は、強迫性障害である。いくつかの実施態様において、社会的機能障害は、破壊的、衝動制御、および素行障害である。
いくつかの実施態様において、社会的機能障害は、言語障害、語音障害、小児期発症流暢症(吃音症)、社会的コミュニケーション障害、発達性協調運動障害、常同運動障害、チック障害、トゥレット障害、永続性(慢性)運動または音声チック障害、暫定的チック障害、他の特定のチック障害、非特定のチック障害、強迫性障害、または衝動制御障害である。
いくつかの実施態様において、社会的機能障害は、神経発達障害である。いくつかの実施態様において、神経発達障害は、言語障害、語音障害、小児期発症流暢症(吃音症)、または社会的コミュニケーション障害である。
いくつかの実施態様において、社会的機能障害は、強迫性障害である。
いくつかの実施態様において、社会的機能障害は、破壊的、衝動制御、および素行障害である。いくつかの実施態様において、破壊的、衝動制御、および素行障害は、衝動制御障害である。
いくつかの実施態様において、社会的機能障害は、言語障害、小児期発症流暢症(吃音症)、社会的コミュニケーション障害、発達性協調運動障害、常同運動障害、永続性(慢性)運動または音声チック障害、暫定的チック障害、他の特定のチック障害、または非特定のチック障害である。いくつかの実施態様において、社会的機能障害は、小児期発症流暢症(吃音症)である。
いくつかの実施態様において、治療上の有効量の(S)-式I:

、またはその薬学的に許容可能な塩を、必要な対象に投与することを特徴とする、神経発達障害、強迫性障害、または破壊的、衝動制御、および素行障害の治療または予防方法が提供される。
いくつかの実施態様において、治療上の有効量の(S)-式I:

、またはその薬学的に許容可能な塩を、必要な対象に投与することを特徴とする、神経発達障害、強迫性障害、または破壊的、衝動制御、および素行障害の治療方法が提供される。
いくつかの実施態様において、治療上の有効量の(S)-式I:

またはその薬学的に許容可能な塩を、必要な対象に投与することを特徴とする、神経発達障害、強迫性障害、または破壊的、衝動制御、および素行障害の治療方法が提供され、ここで、薬学的に許容可能な塩は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸、ブチン-1,4-ジオエート、ヘキシン-1,6-ジオエート、安息香酸塩、クロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、プロピルスルホン酸塩、ベシル酸塩、キシレンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フェニルアセテート、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸、クエン酸塩、乳酸、ガンマ-ヒドロキシ酪酸、グリコール酸塩、酒石酸、またはマンデル酸塩である。いくつかの実施態様において、薬学的に許容可能な塩は、HClである。
いくつかの実施態様において、治療上の有効量の(S)-式I:

またはその薬学的に許容可能な塩を、必要な対象に投与することを特徴とする、言語障害、語音障害、小児期発症流暢症(吃音症)、社会的コミュニケーション障害、発達性協調運動障害、常同運動障害、チック障害、トゥレット障害、永続性(慢性)運動または音声チック障害、暫定的チック障害、他の特定のチック障害、非特定のチック障害、強迫性障害、または衝動制御障害の治療方法が提供される。
いくつかの実施態様において、治療上の有効量の(S)-式I:

、またはその薬学的に許容可能な塩を、必要な対象に投与することを特徴とする、言語障害、語音障害、小児期発症流暢症(吃音症)、または社会的コミュニケーション障害の治療方法が提供される。
いくつかの実施態様において、治療上の有効量の(S)-式I:

またはその薬学的に許容可能な塩を、必要な対象に投与することを特徴とする、小児期発症流暢症(吃音症)障害の治療方法が提供される。
いくつかの実施態様において、治療上の有効量の(S)-式I:

またはその薬学的に許容可能な塩を、必要な対象に投与することを特徴とする、強迫性障害の治療方法が提供される。
いくつかの実施態様において、治療上の有効量の(S)-式I HCl:

を、必要な対象に投与することを特徴とする、神経発達障害、強迫性障害、または破壊的、衝動制御、および素行障害の治療または予防方法が提供される。
いくつかの実施態様において、治療上の有効量の(S)-式I HCl:

を、必要な対象に投与することを特徴とする、神経発達障害、強迫性障害、または破壊的、衝動制御、および素行障害の治療方法が提供される。
いくつかの実施態様において、治療上の有効量の(S)-式I HCl:

を、必要な対象に投与することを特徴とする、言語障害、語音障害、小児期発症流暢症(吃音症)、社会的コミュニケーション障害、発達性協調運動障害、常同運動障害、チック障害、トゥレット障害、永続性(慢性)運動または音声チック障害、暫定的チック障害、他の特定のチック障害、非特定のチック障害、強迫性障害、または衝動制御障害の治療方法が提供される。
いくつかの実施態様において、治療上の有効量の(S)-式I HCl:

を、必要な対象に投与することを特徴とする、言語障害、語音障害、小児期発症流暢症(吃音症)、または社会的コミュニケーション障害の治療方法が提供される。
いくつかの実施態様において、治療上の有効量の(S)-式I HCl:

を、必要な対象に投与することを特徴とする、小児期発症流暢症(吃音症)障害の治療方法が提供される。
いくつかの実施態様において、治療上の有効量の(S)-式I HCl:

を、必要な対象に投与することを特徴とする、強迫性障害の治療方法が提供される。
いくつかの実施態様において、治療上の有効量の結晶(S)-式I HCl 形態A:

を、必要な対象に投与することを特徴とする、神経発達障害、強迫性障害、または破壊的、衝動制御、および素行障害の治療または予防方法が提供される。
いくつかの実施態様において、治療上の有効量の結晶(S)-式I HCl 形態A:

を、必要な対象に投与することを特徴とする、神経発達障害、強迫性障害、または破壊的、衝動制御、および素行障害の治療方法が提供される。
いくつかの実施態様において、治療上の有効量の結晶(S)-式I HCl 形態A:

を、必要な対象に投与することを特徴とする、言語障害、語音障害、小児期発症流暢症(吃音症)、社会的コミュニケーション障害、発達性協調運動障害、常同運動障害、チック障害、トゥレット障害、永続性(慢性)運動または音声チック障害、暫定的チック障害、他の特定のチック障害、非特定のチック障害、強迫性障害、または衝動制御障害の治療方法が提供される。
いくつかの実施態様において、治療上の有効量の結晶 (S)-式I HCl 形態A:

を、必要な対象に投与することを特徴とする、言語障害、語音障害、小児期発症流暢症(吃音症)、または社会的コミュニケーション障害の治療方法が提供される。
いくつかの実施態様において、治療上の有効量の結晶(S)-式I HCl 形態A:

を、必要な対象に投与することを特徴とする、小児期発症流暢症(吃音症)障害の治療方法が提供される。
いくつかの実施態様において、治療上の有効量の結晶(S)-式I HCl 形態A:

を、必要な対象に投与することを特徴とする、強迫性障害の治療方法が提供される。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される医薬組成物を必要な対象に投与することを特徴とする、神経発達障害、強迫性障害、または破壊的、衝動制御、および素行障害の治療または予防方法が提供される。
いくつかの実施態様において、以下:
(a)30から125mgの(S)-式I HCl;
(b)100から250mgの微結晶セルロース;
(c)25から100mgのマンニトール;
(d)5から10mgのデンプングリコール酸ナトリウム;および
(e)0.75の2mgステアリン酸マグネシウム
を含む医薬組成物を、必要な対象に投与することを特徴とする、神経発達障害、強迫性障害、または破壊的、衝動制御、および素行障害の治療または予防方法が提供される。
いくつかの実施態様において、以下:
(a)30から125mgの(S)-式I HCl 形態A;
(b)100から250mgの微結晶セルロース;
(c)25から100mgのマンニトール;
(d)5から10mgのデンプングリコール酸ナトリウム;および
(e)0.75から2mgのステアリン酸マグネシウム
を含む医薬組成物を、必要な対象に投与することを特徴とする、神経発達障害、強迫性障害または破壊的、衝動制御、および素行障害の治療または予防方法が提供される。
いくつかの実施態様において、以下:

を含む医薬組成物を、必要な対象に投与することを特徴とする、神経発達障害、強迫性障害、または破壊的、衝動制御、および素行障害の治療または予防方法が提供される。
いくつかの実施態様において、以下:

を含む医薬組成物を、必要な対象に投与することを特徴とする、神経発達障害、強迫性障害、または破壊的、衝動制御、および素行障害の治療または予防方法が提供される。
いくつかの実施態様において、以下:

を含む医薬組成物を、必要とする対象に投与することを特徴とする、神経発達障害、強迫性障害または破壊的、衝動制御、および素行障害の治療または予防方法が提供される。
いくつかの実施態様において、以下:

を含む医薬組成物を、必要とする対象に投与することを特徴とする、神経発達障害、強迫性障害、または破壊的、衝動制御、および素行障害の治療または予防方法が提供される。
いくつかの実施態様において、治療上の有効量の(S)-式I:

またはその薬学的に許容可能な塩を、必要とする対象に投与することを特徴とする、衝動制御障害の治療方法が提供される。本開示は、Dおよび/またはD受容体の調節に対する応答性の障害を治療する方法を提供する。いずれかの理論に束縛されることを望まないが、現在開示されている化合物は、被膜のD:D比を上昇させるか、あるいはD密度を低下させるように、Dおよび/またはD受容体を調節すると考えられている。
いくつかの実施態様において、本開示の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩をヒトに投与することを特徴とする、Dおよび/またはD-受容体の密度を調節する方法が提供される。
いくつかの実施態様において、本開示の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を、社会的機能障害を患っている対象に投与することを特徴とする、Dおよび/またはD受容体の密度を調節する方法が提供される。
実施例
当業者は、社会的機能障害の治療において化合物の有効性を試験する多くの方法が存在することを認識するであろう。以下の限定されない実施例は、小児期発症流暢症(吃音症)などの、社会的機能障害の治療において、式Iの化合物の有効性を測定するための試験デザインを提供する。それぞれの試験デザインは、その全体が参照によって援用される。
試験デザイン1.2012年にカルフォルニア大学、アーヴィンによって提供された、「A Randomized, Placebo-Controlled Study to Evaluate the Efficacy and Tolerability of Asenapine With Flexible Dosing From 5mg to 20mg in Adults With Developmental Stuttering」と題された、臨床試験NCT01684657において記載されているプロトコルを使用。
2.5から10mgの間のアセナピン、または同等のプラセボを含む医薬組成物を、一般に5から20mg/日を超えずに、32人の対象に毎日投与した。有効性の結果は、Stuttering Severity Instrument(SSI)を用いて客観的に測定し、ここで、2つの5分間の会話サンプル(会話および一節の読み)を採取し、評価した。さらに、研究者は臨床全般印象尺度を用いて、対象が改善したか、同じままか、または試験を通して悪化したかどうかを評価する。
対象は、吃音症のDSM-IV基準を満たすと含まれ、吃音症の性質は、10歳より前に発症したものに由来する発達性である必要性があり、対象はStuttering Severity Instrument-4(SSI-IV;またはSSI-4)において中程度以上のスコアを有している必要がある。
試験デザイン2.2009年にEndo Pharmaceuticalsによって提供された、「A Study to Assess the Efficacy and Safety of Pagoclone for Adults With Stuttering」と題された、臨床試験NCT00830154において記載されているプロトコルを使用。
0.30mgまたは0.60mgのパゴクロン、または同等のプラセボを含む医薬組成物を、321人の対象に1日2回投与し、8週、16週、24週において評価した。臨床全般印象-改善度(Clinical Global Impressions-Improvement)(CGI-I)度、吃音症の患者による包括的評価(Patient Global Assessment of Stuttering)(PGS-S)、およびリーボヴィッツ社交不安尺度(Liebowitz Social Anxiety Scale)(LSAS)スコアを用いるなどによって、有効性の結果を測定した。
対象は、8歳より前に発症した吃音症の病歴を示すと含まれ、吃音症の重症度は、スクリーニングにおける読みおよび会話のタスクにおいて3音節より多い吃音について顕著であり、少なくとも2%が会話および読みのタスクから個別に寄与されていなければならない。
試験デザイン3.2005年にPharmacology Research Instituteによって提供された、「Safety and Efficacy Study of the Investigational Drug Pagoclone, in the Treatment of Persistent Developmental Stuttering (PDS)」と題された、臨床試験NCT00239915において記載されたプロトコルを使用。
パゴクロンを含む医薬組成物を対象に投与し、8週において評価し、次いで52週間非盲検長期試験を行った。
対象は、DSM-IV-TRに記載された基準を満たす、持続性の発達吃音症(Persistent Developmental Stuttering, PDS)を示すと含まれ;症状は8歳より前に発症し;Stuttering Severity Instrument-3 (SSI-3)において18-36の合計スコアを有し;少なくとも8年生の教育を受けた英語を話し;支援を受けて試験要件を理解し、協力することができる。
試験デザイン4.2005年にEndo Pharmaceuticalsによって提供された、「EXPRESS: Examining Pagoclone for Persistent Developmental Stuttering Study」と題された、臨床試験NCT00216255において記載されたプロトコルを使用。
さらに6週間にわたり、1日2回(BID)投与する0.15mgパゴクロンから、2週間の滴定において、1日2回投与する0.30mgパゴクロンの可動な用量漸増レジメン、または同等のプラセボを120人の対象に投与し、8週間の期間にわたり、18から65歳の患者において、永続性の発達吃音症(PDS)を試験し、次いで53週に非盲検長期期間治療を行った。有効性の結果は、Stuttering Severity Instrument-3 (SSI-3)の頻度および持続時間のサブスコア、吃音症の主観的スクリーニング(SSS)重症度サブスコア、および治療と8週目の訪問を用いて、客観的に測定した。
対象は、DSM-IV-TRにおいて記載された基準を満たす、永続性の発達吃音症を示すと含まれ;症状は8歳より前に発症し;Stuttering Severity Instrument-3 (SSI-3)において18-36の合計スコアを有し;少なくとも8年生の教育を受けた英語を話し;支援を受けて試験要件を理解し、協力することができる。
試験デザイン5.2016年にGerald Maguire, MDによって提供された、「Efficacy and Tolerability of Ecopipam in Adults With Childhood Onset Fluency Disorder (Stuttering)」と題された、臨床試験NCT02909088に開示されるプロトコルを使用。
50から100mgのエコピパムを含む医薬組成物を、10人の対象に投与した。最初に、対象は50mgのエコピパムから開始し、14日後に改善が見られない場合、用量を100mgのエコピパムに上昇させた。有効性の結果を、Stuttering Severity Instrument-4 (SSI-IV); Clinical Global Impression Scale-Severity (CGI-S); Subjective Stuttering Scale (SSS); Overall Assessment of the Speaker's Experience of Stuttering (OASES); Montgomery Asberg Depression Rating Scale (MADRS); Barnes Akathisia Scale (BAS); Abnormal Involuntary Movement Scale (AIMS); Columbia-Suicide Severity Rating Scale (C-SSRS); およびSimpson Angus Scale (SAS)を用いて測定した。
対象は、DSM-IVにおいて記載された基準を満たす、小児期発症流暢症(吃音症)を示すと含まれ;症状は10歳より前に発症し;Stuttering Severity Instrument-4 (SSI-4)において中程度以上のスコアを有し;13のMADRSスコア(通常の気分)を有する。
試験デザイン6.Clinical Linguistics & Phonetics, Volume 27, Issue 12, pages 853-861, 2013 and written by Jani, L et al.において出版された、「Procedures Used for Assessment of Stuttering Frequency and Stuttering Duration」に記載されるプロトコルを使用。
Jani, L.らは、リアルタイムの判断のための機器などの、吃音症を評価する方法を記載する。吃音症を評価する方法としては、音節に基づく分析(例えば、Stuttering Severity Instrument-3 (SSI-3); Stuttering Severity Instrument-4 (SSI-4));非流暢性に基づく分析(例えば、吃音症の頻度および期間の測定)、Systematic Disfluency Analysis (SDA)、Lidcombeによって用いられるTrueTalk、Stuttering Severity version 2 (CSSS-2.0)のコンピューターによるスコア、Stuttering Measurement System (SMS)、および電話応答(例えば、Smarty Ears-The Disfluency Index Counter; The Duo Counter)を用いた、文書に基づく実演の手順が挙げられる。
SSI-3は、(1)診断評価の一部として、(2)治療中および治療後の重症度の変化を追跡するため、(3)吃音者を含む実験グループにおいて、重症度の分布を説明するため、(4)他の吃音症測定を検証するため、(5)吃音である8歳の子供が10代までに持続するか、回復するかについての統計的リスクを推定するため、および(6)吃音の子供を、流暢な子供と区別するために、用いることができる。
さらなる試験デザインは、例えば、以下において見つけることができる:
試験デザイン7.Annals of Pharmacotherapy, Volume 49, Issue 10, pages 1096-1104, 2015において出版された、「Influence of Methylphenidate on the Frequency of Stuttering: A Randomized Controlled Trial」に記載されるプロトコルを使用。
試験デザイン8.Journal of Clinical Psychopharmacology, Volume 20, Issue 4, pages 479-482, 2000において出版された、「Risperidone for the treatment of stuttering」において記載されるプロトコルを使用。
試験デザイン9.Journal of Clinical Psychopharmacology, Volume 31, Issue 6, pages 740-744, 2011において出版された、「Pharmacological agents for developmental stuttering in children and adolescents: a systematic review」において記載されるプロトコルを使用。
本明細書において言及される、全ての米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許刊行物は、本明細書の記載と矛盾しない範囲で、その全体が引用によって本明細書に援用される。

Claims (11)

  1. 治療上の有効量の
    Figure 2024023383000060

    またはその薬学的に許容可能な塩を、必要な対象に投与することを特徴とする、社会的機能障害の治療または予防方法。
  2. 社会的機能障害が、神経発達障害、強迫性障害、または破壊的、衝動制御、および素行障害である、請求項1に記載の方法。
  3. 社会的機能障害が、言語障害、語音障害、小児期発症流暢症(吃音症)、社会的コミュニケーション障害、発達性協調運動障害、常同運動障害、チック障害、トゥレット障害、永続性(慢性)運動または音声チック障害、暫定的チック障害、他の特定のチック障害、非特定のチック障害、強迫性障害、または衝動制御障害である、請求項1に記載の方法。
  4. 社会的機能障害が、言語障害、語音障害、小児期発症流暢症(吃音症)、社会的コミュニケーション障害、発達性協調運動障害、常同運動障害、チック障害、トゥレット障害、永続性(慢性)運動または音声チック障害、暫定的チック障害、他の特定のチック障害、または非特定のチック障害である、請求項3に記載の方法。
  5. 社会的機能障害が、言語障害、語音障害、小児期発症流暢症(吃音症)、または社会的コミュニケーション障害である、請求項4に記載の方法。
  6. 社会的機能障害が、言語障害、小児期発症流暢症(吃音症)、社会的コミュニケーション障害、発達性協調運動障害、常同運動障害、永続性(慢性)運動または音声チック障害、暫定的チック障害、他の特定のチック障害、または非特定のチック障害である、請求項1に記載の方法。
  7. (a)25mgから125mgの以下の式:
    Figure 2024023383000061

    の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩;
    (b)1つ以上の増量剤;
    (c)1つ以上の崩壊剤;および
    (d)1つ以上の滑沢剤
    を含む医薬組成物を必要な対象に投与することを特徴とする、社会的機能障害の治療または予防方法。
  8. 1つ以上の増量剤が微結晶セルロース、マンニトール、およびキシリトールのうちの任意の1つ以上である、請求項7に記載の方法。
  9. 1つ以上の崩壊剤がデンプングリコール酸ナトリウムである、請求項7に記載の方法。
  10. 1つ以上の滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである、請求項7に記載の方法。
  11. (a)30から125mgの(S)-式I HCl 形態A;
    (b)100から250mgの微結晶セルロース;
    (c)25から100mgのマンニトール;
    (d)5から10mgのデンプングリコール酸ナトリウム;および
    (e)0.75から2mgのステアリン酸マグネシウム
    を含む医薬組成物を必要な対象に投与することを特徴とする、神経発達障害、強迫性障害、または破壊的、衝動制御、および素行障害の治療または予防方法。
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