JP2024022789A - 乗物用シート - Google Patents

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Masahiro Kaneda
佑治 中野
Yuji Nakano
智 深津
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Abstract

【課題】シートの見栄えを維持するために、土手部のシートカバーの意図しない箇所にシワが生じることを極力回避することにある。【解決手段】シートパッド6Pのシート幅方向外側の外面には、土手部(11)の外面を形成するように着座側に延びる土手外面部51と、土手外面部51から着座側とは反対側に延びる一般外面部52とが設けられており、土手外面部51とシートカバー6S(SP2)との間に補強部材30が配設されることで補強部61が形成されていると共に、補強部61よりも一般外面部52側に位置する土手部部分に、シートカバー6Sに対するシートパッド6Pの一体化を規制する規制部材40が配設されている。【選択図】図4

Description

本発明は、シートパッドとシートカバーとを一体で備えると共に、シート幅方向外側で着座側に向けて盛り上がる土手部を有している乗物用シートに関する。
この種の乗物用シートとして特許文献1に開示の乗物用シートが公知である。この乗物用シートでは、座面となるシートクッションが、発泡樹脂製のシートパッドと、このシートパッドを覆うシートカバーとを一体で有している。そしてシートクッションには、乗員を支持する略平坦な着座部がシート幅方向中央に設けられていると共に、この着座部のシート幅方向外側に、シート上側に向けて盛り上がる土手部が設けられている。
そして上記した土手部では、そのシート幅方向内側の面(天板サイド部)を構成するシートパッドとシートカバーとの間に補強部材が配設されている。この補強部材は、フェルト製の面材であり、シートカバーの裏面に接着して固定されている。そして公知技術では、シートパッドの成形型内にシートカバーを予め配置した状態でシートパッドを成形する。このときシートパッドの樹脂材料がシートカバーに含浸して固化することにより、シートパッドを成形すると同時にシートカバーに一体化することができる。また土手部の天板サイド部では、シートパッドの樹脂材料が補強部材に含浸して固化することで、この補強部材を介してシートパッドとシートカバーとが一体化される。そして土手部は、その天板サイド部が補強部材で補強されることにより、適度な剛性を備えるようになる。
特許第6812902号公報
ところで上記した乗物用シートでは、その土手部に対してシート外向きの荷重が加えられることがあり、その際にもシートの優れた見栄えを極力維持できることが望まれている。しかしシートパッドとシートカバーとが一体となって相対移動できない場合、シート外向きの荷重が土手部に加えられることでシートカバーが外向きに押し曲げられ易くなる。そして土手部のシート幅方向外側の外面において、シートカバーの一部が座屈するように曲がり変形することで、土手部の意図しない箇所にシワが生じてシートの見栄えが損なわれるおそれがあった。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、シートの見栄えを維持するために、土手部のシートカバーの意図しない箇所にシワが生じることを極力回避することにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の乗物用シートは、乗員を弾性的に支持可能なシートパッドと、シートパッドを被覆するシートカバーとを一体で備えると共に、シート幅方向外側で着座側に向けて盛り上がる土手部を有している。この種のシート構成では、シートの見栄えを維持するために、土手部のシートカバーの意図しない箇所にシワが生じることを極力回避できることが望ましい。そして本発明では、シートパッドのシート幅方向外側の外面には、土手部の外面を形成するように着座側に延びる土手外面部と、土手外面部から着座側とは反対側に延びる一般外面部とが設けられている。そこで本発明では、土手外面部とシートカバーとの間に補強部材が配設されることで補強部が形成されていると共に、補強部よりも一般外面部側に位置する土手部部分に、シートカバーに対するシートパッドの一体化を規制する規制部材が配設されている。本発明の土手部は、そのシート幅方向外側の外面に設けられた補強部にてシート外向きの荷重に対する剛性が高められている。またシートカバーに対するシートパッドの一体化(樹脂材料の含浸等)が規制部材の働きで規制されることにより、補強部よりも一般外面部側の部分に相当する土手部の根元側が比較的柔軟で曲がり易くなっている。これにより、シート外向きの荷重が加えられた土手部では、その形状を極力維持しつつ根元側で曲げられるようになることで、シートカバーの意図しない箇所にシワが生じることを極力回避できるようになる。
第2発明の乗物用シートは、第1発明の乗物用シートにおいて、シートパッドのシート幅方向外側の外面を覆うシートカバー部分は、複数の表皮ピースを縫合することで形成されている。そして補強部よりも一般外面部側に位置する土手部部分には、隣合う表皮ピース同士が縫合されている縫合箇所が設けられていると共に、規制部材は、縫合箇所をシートパッド側から覆うように配設されている。本発明のシートカバーでは、隣合う表皮ピース同士の縫合箇所が意匠線となって外部に現れている。そして規制部材が縫合箇所を覆うように配設されることで、土手部の曲げ基点となる根元側(縫合箇所付近)のシートカバーにシワが生じたとしても、このシワが意匠線によって極力目立たなくなる。
第3発明の乗物用シートは、第1発明又は第2発明の乗物用シートにおいて、一般外面部とシートカバーとが一体化されることで別の補強部が形成されていると共に、規制部材は、補強部と別の補強部の間に配設されている。本発明では、補強部と別の補強部の間に規制部材を配設したことで、この規制部材の配設された土手部の外面部分が、その他の外面部分よりも柔軟で曲がり易くなる。これにより、シート外向きの荷重が加えられた土手部を、その根元側でより確実に曲げられるようになる。
本発明に係る第1発明によれば、シートの見栄えを維持するために、土手部のシートカバーの意図しない箇所にシワが生じることを極力回避することができる。また第2発明によれば、シートの見栄えをより確実に維持することができる。そして第3発明によれば、シートカバーの意図しない箇所にシワが生じることをより確実に回避することができる。
乗物用シートの設置位置を示す乗物室内の概略平面図である。 乗物用シートの概略斜視図である。 土手部を示す乗物用シートの概略拡大側面図である。 土手部を示す乗物用シートの概略断面図である。 表皮ピースと補強部材の概略平面図である。 荷重の加えられた土手部を示す乗物用シートの概略断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1~図6を参照して説明する。各図には、乗物室内及び乗物用シートの前後方向と上下方向と左右方向を示す矢線を適宜図示する。また図1では、便宜上、本実施例の構成が適用された乗物用シート(2)を実線で図示し、その他の乗物用シート(2X,2Y,2Z)を二点破線で図示する。そして図3では、便宜上、補強部材と規制部材にハッチをつけて図示する。
図1に示す乗物室内には、複数の乗物用シート(2,2X~2Z)が前後左右に列をなして設置されており、本実施例の構成が適用された乗物用シート2が乗物室内の右前側に設置されている。この乗物用シート2は、そのシート構成部材として、シートクッション4と、シートバック6と、ヘッドレスト8を有している。また図2を参照して、これらシート構成部材(4,6,8)は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F,8F)と、乗員を弾性的に支持可能なシートパッド(4P,6P,8P)と、シートパッドを被覆するシートカバー(4S,6S,8S)を有している。そしてシートクッション4の後部にはシートバック6(詳細後述)の下部が起倒可能に連結されていると共に、シートバック6の上部中央にはヘッドレスト8が配設されている。
ここで図2に示すシートバック6は、乗員の背凭れとなる正面視で略矩形の部材であり、そのシート幅方向の中央に乗員を支持する着座部10が形成されている。また着座部10のシート幅方向の両側には左側の土手部11と右側の土手部12とが形成されており、左右の土手部11,12によってシートバック6の肩口部分が形成されている。これら各土手部11,12は、着座側となるシート前側に突出しており、乗物走行時などに乗員の肩付近を支持できるように構成されている。そして図3及び図4を参照して、各土手部11,12を含むシートバック6の意匠面はシートカバー6Sで構成されていると共に、そのシートカバー6Sの裏側にはシートパッド6Pが固定されて一体化されている(一体化の手法は後述)。
そして図1に示す乗物用シート2では、シートバック6の各土手部11,12に対してシート外向きの荷重Fが加えられることがある。例えば乗物用シート2の後左側に荷物101がある場合、着座した乗員100が左側の土手部11を押しやりながら後方に振り返って荷物101を取ろうとする。このような構成の乗物用シート2では、シートの見栄えを確保する観点から、シート外向きの荷重F(振向き荷重など)が加えられた際に、シートカバー6Sの意図しない箇所にシワが発生することを極力回避することが望まれる。そこで本実施例では、図3及び図4に示す構成(補強部材30,規制部材40)を適所に配設することによって、土手部(11等)のシートカバー6Sの意図しない箇所にシワが生じることを極力回避することとした。以下、左側の土手部11を一例として、土手部の各構成を、シートパッド6P、シートカバー6S(縫合箇所20)、補強部材30、規制部材40の順に詳述する。
[シートパッド]
先ず、図4に示すシートパッド6Pは、シート外形を構成する部材であり、乗員を弾性的に支持可能な各種の素材で形成することができる。この種の素材として、例えばポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3~60kg/m3)又はこれに類する発泡樹脂を好適に使用できる。そしてシートパッド6Pは、そのシート幅方向の左端部が着座側に盛り上げられることで、上記した左側の土手部11の外形を構成している。ここで左側の土手部11を形成するシートパッド6Pは、着座側(図4の前側)に山なりに盛り上がっており、そのシート幅方向内側の面が傾斜面部50となっている。この傾斜面部50は、シート幅方向外側に向かうにつれて次第に着座側(前側)に傾斜しており、その傾斜面部50の外端側が左側の土手部11の頂点を形成している。またシートパッド6Pのシート幅方向外側(図4の左側)の外面には、左側の土手部11の外面を形成するように着座側に延びる土手外面部51と、土手外面部51から着座側とは反対側(図4の後側)に延びる一般外面部52とが設けられている。そして土手外面部51は、左側の土手部11の頂部からシート幅方向外側に張出しつつシート後側に延びるように設けられている。また土手外面部51の根元部分には一般外面部52が連続しており、この一般外面部52がシート後側に向けて延びるように設けられている。
[シートカバー]
次に、図2に示すシートカバー6Sは、シートの意匠面を構成する面材であり、複数の表皮ピースを縫合することで形成することができる。例えば図3及び図4を参照して、左側の土手部11を覆うシートカバー6S部分は、シートパッド6Pの内側の傾斜面部50を覆う第一表皮ピースSP1と、外側の土手外面部51を覆う第二表皮ピースSP2及び第三表皮ピースSP3とから形成されている。なお第二表皮ピースSP2のシート下側には他の表皮ピースSPXが配置されている。また土手外面部51につながる一般外面部52には、第四表皮ピースSP4と第五表皮ピースSP5が配置されている。そして各表皮ピースSP1~SP5等の材質として、例えば布帛(織物,編物,不織布)や皮革(天然皮革,合成皮革)を用いることができる。また各表皮ピースSP1~SP5等の裏面には、図4に示すようにウレタンラミなどのパッド材PMを取付けることができ、さらに不織布などの裏基布(図示省略)を適宜取付けることもできる。
[縫合箇所]
また図2に示すシートカバー6Sでは、隣合う表皮ピースの縁同士が中表状に縫合されている。例えば図3及び図4を参照して、第二表皮ピースSP2は、左側の土手部11の頂点側から根元側に向けて配置されており、第三表皮ピースSP3は、第二表皮ピースSP2のシート後側に隣接配置されている。そして左側の土手部11の外面には、第二表皮ピースSP2と第三表皮ピースSP3とがインステッチISで中表状に縫合されることで、これらの縫合箇所20がシート上下方向に延びるように形成されている。また縫合箇所20(両表皮ピースの境目)によって意匠線が形成されていると共に、この意匠線が、第二表皮ピースSP2の後側に隣接するように外部に現れている。また第三表皮ピースSP3とそのシート後方に隣接する第四表皮ピースSP4も中表状に縫合されており、これら両表皮ピースSP3,SP4を縫合する別の縫合箇所20Aがシート上下方向に延びるように形成されている。この別の縫合箇所20Aは、エアバック(図示省略)の飛出し箇所となっており、エアバッグ膨張時に開裂するように構成されている。そして図3及び図4に示すように、他の隣合う表皮ピース同士(SP1とSP2同士、SP4とSP5同士、SP2とSPX同士等)も同様の手法で縫合されている(各図では、便宜上、他の表皮ピースの縫合箇所に共通の符号20Xを付す)。なお第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2の縫合箇所20Xは左側の土手部11の頂点部分に配置されている。
[補強部材]
そして図3及び図4を参照して、左側の土手部11の外面では、第二表皮ピースSP2とシートパッド6Pの土手外面部51の間に補強部材30が配設されている。この補強部材30は、図4に示すように第二表皮ピースSP2と土手外面部51の間に配置可能な面状の部材であり、左側の土手部11の外面を補強できるように適度な剛性を備えている。この種の補強部材30の素材は、適度な剛性と可撓性を備えている限り特に限定しないが、対応する表皮ピース(SP2等)よりも剛性に優れる素材であることが好ましく、パッド材PMと比較してシートパッド6Pの樹脂材料が含浸しにくい素材であることが更に好ましい。例えば補強部材30の素材として、フェルトなどの繊維積層体、対応する表皮ピースよりも厚手の布帛や皮革、パッド材よりも高密度とされたマット状の発泡樹脂体、シート状の軟質樹脂体を例示できる。
そして補強部材30は、図3及び図5に示すように第二表皮ピースSP2(縫い代を除く本体部分)と概ね同形同寸に形成されており、第二表皮ピースSP2の略全面を覆うように接着して固定されている。これにより、第二表皮ピースSP2の略全面が補強部材30にて一様に補強されるようになり、後述するように左側の土手部11のどこに荷重が入力されたとしても、第二表皮ピースSP2の剛性を確保できるようになる。なお補強部材30は、第二表皮ピースSP2の一部に固定することもできる。その場合には、補強部材30の配置箇所と非配置箇所の剛性差によって、これら両箇所の荷重入力時の撓み具合に極度の差異が出ないように配慮する必要がある。なお左側の土手部11では、図4に示すように、その第一表皮ピースSP1の裏側にも別の補強部材30Xが接着して固定されている。こうして左側の土手部11は、そのシート内面側とシート外面側の双方に対応する補強部材30,30Xが固定されて補強されることで全体的に変形し難くされている。
[規制部材]
また図3及び図4を参照して、左側の土手部11の外面では、第二表皮ピースSP2と第三表皮ピースSP3の縫合箇所20に規制部材40が配設されている。この規制部材40は、シートカバー6Sに対するシートパッド6Pの一体化(後述する樹脂材料の含浸等による樹脂化)を規制する面状の部材である。この種の規制部材40の構成は特に限定しないが、例えば低含浸部とバリア部と接着部とを積層して一体化する構成を例示できる。そして低含浸部は、小量の樹脂材料が含浸して固化している部位であり、規制部材40の最も表層側に設けられている。この低含浸部は、例えば補強部材30で例示の素材(不織布など)で構成できる。またバリア部は、専らシートパッド6Pの樹脂材料の含浸を規制(制限又は阻止)する部位であり、低含浸部の裏側に配置されている。このバリア部は、例えばフィルム状の樹脂体や、低通気性の発泡樹脂体(通気度:0cc/cm2・sec~10cc/cm2・sec)や、繊維を密に交絡させた面材で構成できる。そして接着部は、規制部材40の最も裏層側に設けられて縫合箇所20に接着して固定される部分であり、ケイ素系やカルシウム系などの無機系の接着成分、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などの樹脂系の接着成分で構成できる。
そして本実施例では、図4に示す規制部材40を、上記した縫合箇所20のシートパッド6P側を被覆するように固定しておく。こうして縫合箇所20に規制部材40を配設して、この縫合箇所20に対するシートパッド6Pの一体化(樹脂化)を規制することにより、後述するように縫合箇所20が曲がり易くなるように柔軟にしておくことができる。なお本実施例では、第三表皮ピースSP3と第四表皮ピースSP4を縫合する別の縫合箇所20Aにも、別の規制部材40を固定しておくことができる。この別の縫合箇所20Aは、上記したように、エアバッグ(図示省略)が外部に膨出する際の飛出し箇所となっている。そして別の縫合箇所20Aは、別の規制部材40の働きでシートパッド6Pと一体化していないため、膨張するエアバッグの圧力及び力布(図示省略)の引張力等で比較的容易に開裂できるようになっている。
[シートパッドとシートカバーの一体化の手法]
図4に示すシートカバー6Sは、一体成形などの手法によって、シートパッド6Pの成形と同時に一体化することができる。ここでシートパッド6Pは、図示しない成形装置のキャビティ内で、シートパッド6Pの樹脂材料を発泡させることで成形される。そこで本実施例では、各補強部材30,30X及び各規制部材40,40Xを予め固定したシートカバー6Sを、キャビティを構成する成形装置の内壁の適所に配置し、各補強部材30,30X及び各規制部材40,40Xをキャビティの内方に向けておく。この状態でキャビティ内に樹脂材料を射出したのち、この樹脂材料を発泡させてシートパッド6Pを成形する。そして樹脂材料が発泡しつつ表皮ピースのパッド材PMに含浸して固化する。こうしてシートパッド6Pの樹脂がパッド材PMに入り込んで固化することで、シートカバー6Sがシートパッド6Pに一体化されるようになる。
[補強部の形成]
また上記した手法によると、図4に示す左側の土手部11では、各補強部材30,30Xを介してシートカバー6Sとシートパッド6Pが一体化されるようになる。例えば第二表皮ピースSP2は、その裏側に固定された補強部材30に樹脂材料が入り込んで固化することにより、この補強部材30を介してシートパッド6Pの土手外面部51に一体化される。そして左側の土手部11の外面には、その土手外面部51と第二表皮ピースSP2とが補強部材30で補強されることにより、シート外向きの荷重Fに対する適度な剛性を備えた補強部61が形成されるようになる(図6参照)。さらに左側の土手部11では、その内側の傾斜面部50と第一表皮ピースSP1も別の補強部材30Xで補強されるため、その左側の土手部11のシート内外面の剛性が高められるようになっている。
また上記した手法によると、図4に示すシートパッド6Pの外面を構成する一般外面部52が、第四表皮ピースSP4と第五表皮ピースSP5に直に一体化される。即ち、両表皮ピースSP4,SP5のパッド材PMにシートパッド6Pが入り込んで固化することにより、当該部分の剛性が確保されて別の補強部62が形成されるようになる。
[シートパッドとシートカバーとが一体化されていない箇所の形成]
そして図4に示す左側の土手部11の外面では、規制部材40で覆われた縫合箇所20に樹脂材料が含浸し難くなっている。こうして縫合箇所20は、規制部材40の働きでシートパッド6Pと一体化されない状態とされて柔軟性が維持されるようになり、上記した補強部61に比して曲がり易くなっている。そして縫合箇所20は、補強部61よりも一般外面部52側の土手部部分、即ち、補強部61よりも左側の土手部11の根元側に設けられている。このため、シート外向きの荷重Fが加えられた左側の土手部11は、その根元側で相対的に曲がり易くなるように構成されることとなる(図6参照)。更に規制部材40が補強部61と別の補強部62の間に配置されることで、この規制部材40の配設された左側の土手部11の外面部分は、各補強部61,62(その他の外面部分)に比して柔軟で曲がり易い箇所となる。
[シート外向きの荷重の加えられた土手部の挙動]
図1に示す乗物用シート2では、上記したように、シートバック6の左側の土手部11に対してシート外向きの荷重Fが加えられることがある。このとき乗物用シート2では、シートの見栄えを確保する観点から、左側の土手部11の意図しない箇所にシワが発生することを極力回避することが望まれる。そこで本実施例の左側の土手部11では、図4に示すように、シートパッド6Pの土手外面部51とシートカバー6Sとの間に、面状の補強部材30が配設されることで補強部61が形成されていると共に、補強部61よりも一般外面部52側に位置する土手部部分に、シートカバー6Sに対するシートパッド6Pの一体化を阻止する規制部材40が配設されている。上記した構成によれば、シート外向きの荷重Fが加えられた左側の土手部11は、その形状を極力維持しつつ根元側で曲げられるようになる(図6参照)。そこで以下に、適所に設けられた補強部61(補強部材30)と規制部材40の働きを、左側の土手部11の挙動と共により具体的に説明する。
先ず、図4及び図6を参照して、左側の土手部11では、その頂点側から根元側付近までの外面に補強部61が設けられることで、シート外向きの荷重Fに対する剛性が高められている。このため補強部61に設けられたシートパッド6P(土手外面部51)とシートカバー6S(第二表皮ピースSP2)は補強部61の働きで変形し難くなっている。また、左側の土手部11では、その補強部61よりも一般外面部52側に位置する土手部部分(根元側)に規制部材40が配設されている。このため左側の土手部11の根元側は、シートカバー6Sに対するシートパッド6Pの一体化が規制部材40の働きで規制されることにより、比較的柔軟で曲がり易くなっている。これにより、図6に示すようにシート外向きの荷重Fが加えられた左側の土手部11は、その形状を極力維持しつつ根元側で曲げられるようになる。そして左側の土手部11の根元側の曲げで荷重Fを吸収する(いなす)ことで、土手外面部51と第二表皮ピースSP2に加えられる荷重Fが低減され、シワの発生原因となる第二表皮ピースSP2の曲がり変形を極力回避できるようになる。
更に図4及び図6に示す左側の土手部11の外面では、その根元側に設けられた縫合箇所20に規制部材40が配設されていると共に、この縫合箇所20が意匠線となって外部に現れている。これにより、左側の土手部11では、その土手部の曲げ基点となる根元側(縫合箇所20付近)のシートカバー6Sにシワが生じたとしても、このシワが意匠線によって極力目立たなくなる。そして左側の土手部11では、その規制部材40が補強部61と別の補強部62の間に配置されており、この規制部材40の配設された土手部の外面部分が、その他の外面部分よりも柔軟になっている。このため左側の土手部11は、その根元側でより確実に曲げられるようになり、シートパッド6Pの土手外面部51や一般外面部52(意図しない箇所)を覆うシートカバー6S部分にシワが生じることをより確実に回避できる。
以上説明した通り、本実施例の土手部(11等)は、そのシート幅方向外側の外面に設けられた補強部61にてシート外向きの荷重Fに対する剛性が高められている。またシートカバー6Sに対するシートパッド6Pの一体化が規制部材40の働きで規制されることにより、補強部61よりも一般外面部52側の部分に相当する土手部(11等)の根元側が比較的柔軟で曲がり易くなっている。これにより、シート外向きの荷重Fが加えられた土手部(11等)では、その形状を極力維持しつつ根元側で曲げられるようになることで、シートカバー6Sの意図しない箇所にシワが生じることを極力回避できるようになる。このため本実施例によれば、シートの見栄えを維持するために、土手部(11等)のシートカバー6Sの意図しない箇所にシワが生じることを極力回避することができる。
さらに本実施例のシートカバー6Sでは、隣合う表皮ピース同士の縫合箇所20等が意匠線となって外部に現れている。そして規制部材40が縫合箇所20を覆うように配設されることで、土手部(11等)の曲げ基点となる根元側(縫合箇所20付近)にシワが生じたとしても、このシワが意匠線によって極力目立たなくなる。そして本実施例では、補強部61と別の補強部62の間に規制部材40を配設したことで、この規制部材40の配設された土手部の外面部分が、その他の外面部分よりも柔軟で曲がり易くなる。これにより、シート外向きの荷重Fが加えられた土手部(11等)を、その根元側でより確実に曲げられるようになる。
本実施形態の乗物用シートは、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。例えば本実施例では、補強部材と規制部材の構成を例示したが、各部材の構成は、シートカバーとシートパッドの構成に応じて適宜変更することができる。また規制部材の配設位置は、縫合箇所に限られず、シートカバーの適宜の位置(例えば図4に示す第三表皮ピースの裏面等)に設定できる。また一枚物のシートカバーで土手部を被覆する場合、規制部材は、シートカバー裏面の適宜の位置に配設することができる。また規制部材は、補強部よりも一般外面部側に位置する土手部の外面部分に配設すればよく、必ずしも補強部と別の補強部の間に設ける必要はない。即ち、土手部には、必ずしも別の補強部を設ける必要はない。またシートカバーとシートパッドの一体化の手法も、一体成形に限定されず、シートパッドにシートカバーを接着又は融着で一体化するなどの各種の手法を採用できる。また乗物用シートでは、別の補強部材と別の規制部材の少なくとも一方を省略することもできる。
また本実施形態では、シートバックを一例に本実施例の構成を説明したが、本実施例の構成は、シートクッションなどの各種シート構成部材に適用できる。そして本実施例の構成は、右側の土手部と左側の土手部の少なくとも一方に適用することができる。また本実施例では、乗物用シートの構成を例示したが、乗物用シートの構成も適宜変更可能であり、乗物室内の適宜の位置に設置された乗物用シートに本実施例の構成を適用でき、また複数人用の乗物用シートに本実施例の構成を適用できる。そして本実施例の構成は、車両や航空機や電車や船舶などの乗物用シート全般に適用できる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
6F シートフレーム
6P シートパッド
6S シートカバー
10 着座部
11 左側の土手部(本発明の土手部)
12 右側の土手部
20 縫合箇所
20A 別の縫合箇所
20X 他の縫合箇所
30 補強部材
30X 別の補強部材
40 規制部材
40X 別の規制部材
50 傾斜面部
51 土手外面部
52 一般外面部
61 補強部
62 別の補強部
100 乗員
101 荷物
SP1 第一表皮ピース
SP2 第二表皮ピース
SP3 第三表皮ピース
SP4 第四表皮ピース
SP5 第五表皮ピース
SPX 他の表皮ピース
IS インステッチ
PM パッド材
2X,2Y,2Z その他の乗物用シート

Claims (3)

  1. 乗員を弾性的に支持可能なシートパッドと、前記シートパッドを被覆するシートカバーとを一体で備えると共に、シート幅方向外側で着座側に向けて盛り上がる土手部を有している乗物用シートにおいて、
    前記シートパッドのシート幅方向外側の外面には、前記土手部の外面を形成するように着座側に延びる土手外面部と、前記土手外面部から着座側とは反対側に延びる一般外面部とが設けられており、
    前記土手外面部と前記シートカバーとの間に補強部材が配設されることで補強部が形成されていると共に、前記補強部よりも一般外面部側に位置する土手部部分に、前記シートカバーに対する前記シートパッドの一体化を規制する規制部材が配設されている乗物用シート。
  2. 前記シートパッドのシート幅方向外側の外面を覆うシートカバー部分は、複数の表皮ピースを縫合することで形成されており、
    前記補強部よりも一般外面部側に位置する土手部部分には、隣合う表皮ピース同士が縫合されている縫合箇所が設けられていると共に、前記規制部材は、前記縫合箇所をシートパッド側から覆うように配設されている請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 前記一般外面部と前記シートカバーとが一体化されることで別の補強部が形成されていると共に、
    前記規制部材は、前記補強部と前記別の補強部の間に配設されている請求項1又は2に記載の乗物用シート。
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