JP2024019872A - ドライフィルム、発光型電子部品、及び発光型電子部品の製造方法 - Google Patents

ドライフィルム、発光型電子部品、及び発光型電子部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発光素子間に充填される充分な追従性を確保しながら、硬化後の外観不良が抑制され、さらには、後工程でエッチング処理を行う場合にも支障が生じにくいドライフィルム、このドライフィルムを用いた発光型電子部品及び発光型電子部品の製造方法を提供する。【解決手段】基板11に複数の発光素子12~14が配置された素子付き基板10の光素子の間を埋めるために、複数の発光素子が配置された面に圧着されるドライフィルム1であって、圧着時に素子付き基板10に接して配置される追従層3と、反対側の表面層2とを備え、100℃と150℃において表面層2の貯蔵弾性率が追従層3の貯蔵弾性率より大きいドライフィルム。【選択図】図2

Description

本発明は、ドライフィルム、発光型電子部品、及び発光型電子部品の製造方法に関する。
近年、極小の発光ダイオードを用いた、ミニLED、マイクロLEDと呼ばれるディスプレイ技術が注目されている。
ミニLED、マイクロLEDは、二種類の使用方法がある。一方は、基板上に配置された多数のLEDにより液晶のバックライトを構成することにより、バックライトの輝度を局所的に制御することを可能とする技術である。
もう一方は、画素を構成するR(赤)、G(緑)、B(青)を、それぞれの色のLEDで発光させ、各色のLEDが発光した高純度な色がそのまま目に届く仕組みである。
ミニLED、マイクロLEDでは、基板上に複数の発光素子が配置された電子部品が使用される。斯かる電子部品には、複数の発光素子の間を樹脂で埋めるために、ドライフィルムが使用されている(特許文献1)。
ドライフィルムは、熱硬化性樹脂組成物をキャリアフィルム上に塗布乾燥させて得られる樹脂フィルムであり、これを基板の発光素子が配置された面に圧着して発光素子間に充填した後、硬化させることが行われている。
特開2022-22562号公報
ミニLEDやマイクロLEDを構成する基板には、極小の発光ダイオードが高い密度で配置されている。そのため、基板の発光素子が配置された面に圧着する際のドライフィルムには、微小な凹凸に追従して発光素子間に充填される高い流動性が求められる。そこで、流動性を高めるため、ドライフィルムにおける溶剤等の液体成分や低軟化点成分の配合量を増やすことが考えられる。
しかし、溶剤が多く残留したドライフィルムとすると、硬化と残留溶剤の揮発のために高い硬化温度が必要となり、基板へのダメージが大きい。ダメージを軽減するために硬化温度を150度程度に下げると、硬化時間を長くとる必要があり、生産コストを増大するうえに、エネルギー消費が大きく、環境負荷が大きくなる。
また、残留溶剤を除去したドライフィルムは発光素子間を埋める際の熱圧着での段差への追従性が低下した。そのため、充分な追従性を確保するために液体、あるいは低軟化点の成分を配合して流動性を高めると、硬化後の外観において気泡やハジキのような外観不良が発生し、その結果、後工程のエッチング処理で、発光素子上の余計な樹脂を充分に除去できない問題も発生することがわかった。
本発明は上記事情に鑑みて、低い硬化温度で短い硬化時間であっても、発光素子間に充填される充分な追従性を確保しながら、硬化後の外観不良が抑制され、後工程でエッチング処理を行う場合にも支障が生じにくいドライフィルム、このドライフィルムを用いた発光型電子部品及び発光型電子部品の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題を達成するために誠意研究を重ねた結果、ドライフィルムに、圧着時に素子付き基板に接して配置される追従層と、追従層の素子付き基板と反対側に積層された表面層とを設け、前記表面層の貯蔵弾性率を、前記追従層の貯蔵弾性率より大きくすることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、下記の態様を包含するものである。
[1]基板に複数の発光素子が配置された素子付き基板の前記複数の発光素子の間を埋めるために、前記素子付き基板の前記複数の発光素子が配置された面に圧着されるドライフィルムであって、前記圧着時に前記素子付き基板に接して配置される追従層と、前記追従層の前記素子付き基板と反対側に積層された表面層とを備え、前記表面層の貯蔵弾性率が前記追従層の貯蔵弾性率より大きいことを特徴とするドライフィルム。
[2]100℃において、前記表面層の貯蔵弾性率が前記追従層の貯蔵弾性率より大きく、かつ、150℃において、前記表面層の貯蔵弾性率が前記追従層の貯蔵弾性率より大きい、[1]に記載のドライフィルム。
[3]前記追従層の貯蔵弾性率が、100℃において1.0×10Pa以下である、[1]または[2]に記載のドライフィルム。
[4]前記表面層の貯蔵弾性率が、100℃において1.0×10Pa以下である、[1]~[3]のいずれかに記載のドライフィルム。
[5]前記表面層の貯蔵弾性率が、150℃において1.0×10Pa以上である、[1]~[4]のいずれかに記載のドライフィルム。
[6]前記追従層及び前記表面層の少なくとも一方が、エポキシ樹脂を含む[1]~[5]のいずれかに記載のドライフィルム。
[7]前記追従層が、エポキシ樹脂を含む[1]~[6]のいずれかに記載のドライフィルム。
[8]前記表面層が、エポキシ樹脂を含む[1]~[7]のいずれかに記載のドライフィルム。
[9]前記追従層及び前記表面層の少なくとも一方が、エポキシ基と反応可能な官能基を有する変性エラストマーを含む、[6]に記載のドライフィルム。
[10]前記追従層が、エポキシ基と反応可能な官能基を有する変性エラストマーを含む、[7]に記載のドライフィルム。
[11]前記表面層が、エポキシ基と反応可能な官能基を有する変性エラストマーを含む、[8]に記載のドライフィルム。
[12]前記エポキシ基と反応可能な官能基を有する変性エラストマーが、酸変性エラストマーである、[9]~[11]のいずれかに記載のドライフィルム。
[13]前記エポキシ基と反応可能な官能基を有する変性エラストマーが、アクリロニトリルブタジエンゴムである、[9]~[11]のいずれかに記載のドライフィルム。
[14]少なくとも前記追従層がカーボンブラックを含有する、[1]~[13]のいずれかに記載のドライフィルム。
[15]前記カーボンブラックが、ガスブラックである、[14]に記載のドライフィルム。
[16]前記追従層は、カーボンブラック以外の無機フィラーを含まない[1]~[15]のいずれかに記載のドライフィルム。
[17]前記表面層は、カーボンブラック以外の無機フィラーを含まない[1]~[16]のいずれかに記載のドライフィルム。
[18][1]~[17]のいずれかに記載のドライフィルムを硬化させた硬化物。
[19]基板と、前記基板上に配置された複数の発光素子と、前記複数の発光素子の間に充填された[18]に記載の硬化物とを備えることを特徴とする発光型電子部品。
[20]基板に複数の発光素子が配置された素子付き基板の前記複数の発光素子が配置された面に、[1]~[17]のいずれかに記載のドライフィルムを前記追従層が接するように配置し、80~120℃でプレス圧着して前記複数の発光素子の間にドライフィルムを充填し、100~160℃で加熱して、前記ドライフィルムを硬化させる、発光型電子部品の製造方法。
[21]前記追従層の前記圧着前の厚さが前記発光素子の高さに対して10~90%であ
る、[20]に記載の発光型電子部品の製造方法。
[22]前記表面層の前記圧着前の厚さが前記発光素子の高さに対して10~150%である、[20]または[21]に記載の発光型電子部品の製造方法。
[23]前記追従層と前記表面層の前記圧着前の合計厚さが前記発光素子の高さに対して100~160%である、[20]~[22]のいずれかに記載の発光型電子部品の製造方法。
本発明のドライフィルムは、発光素子間に充填される充分な追従性を備えている。また、硬化後の外観不良が抑制され、さらには、後工程でエッチング処理を行う場合にも支障が生じにくい。
また、本発明のドライフィルムの硬化物は、発光素子間に充分に充填されていながら、外観不良も抑制されている。また、エッチング処理も支障なく行うことが可能である。
また、本発明の発光型電子部品及び発光型電子部品の製造方法によれば、発光素子間が充分に樹脂で充填されていながら、外観不良も抑制されている発光型電子部品とすることができる。
本発明の一実施形態に係るドライフィルムの模式断面図である。 本発明の一実施形態に係る発光型電子部品の製造方法の概略説明図である。 本発明の一実施形態に係る発光型電子部品の製造方法の概略説明図である。 本発明の一実施形態に係る発光型電子部品の製造方法の概略説明図である。 本発明の一実施形態に係る発光型電子部品の製造方法の概略説明図である。 本発明の一実施形態に係る発光型電子部品の製造方法の概略説明図である。 本発明の一実施形態に係る発光型電子部品の製造方法の概略説明図である。 本発明の一実施形態に係る発光型電子部品の製造方法の概略説明図である。
本明細書及び特許請求の範囲において、「主成分」とは、組成物全体の全固形分に対して、50質量%以上を占める成分を意味する。また、「総樹脂固形分」は、樹脂とエラストマーの合計固形分質量を意味し、エラストマー以外に硬化剤を配合した場合は、当該硬化剤の固形分質量も含む。「~」で表される数値範囲は、~の前後の数値を下限値及び上限値とする数値範囲を意味する。
<ドライフィルム>
図1、2を用いて、本発明の一態様に係るドライフィルム1について説明する。図1に示すように、ドライフィルム1は表面層2と追従層3とが積層されたものである。また、ドライフィルム1は、取り扱いの便宜のため、第1のキャリアフィルム4と第2のキャリアフィルム5に挟まれて形成されている。具体的には、第1のキャリアフィルム4に、表面層2、追従層3、第2のキャリアフィルム5が順次積層されている。
図2に示すように、ドライフィルム1は、基板11に複数の発光素子(発光素子12、発光素子13、発光素子14)が配置された素子付き基板10の複数の発光素子の間を埋めるために使用される。素子付き基板10の詳細については後述する。
ドライフィルム1は、圧着時において、図2に示すように、追従層3が素子付き基板10に接し、表面層2は、追従層3の素子付き基板10と反対側となるように配置される。
表面層2と追従層3は貯蔵弾性率が異なるため、素子付き基板10へのドライフィルム1の圧着における流動性と、硬化後の外観不良の抑制とを両立できる。その結果、低い硬化温度で短い硬化時間であっても、素子付き基板10の複数の発光素子の間を十分に充填し、支障なくエッチング処理を行える発光型電子部品を製造できる。
ドライフィルム1を素子付き基板10に圧着して発光型電子部品を得る具体的方法については後述する。
<追従層>
追従層3は、熱圧着工程において、素子付き基板10に配置された複数の発光素子の間を十分に充填し、熱硬化工程での不充填空隙の膨張による外観不良や、後工程での外的要因による発光素子へのダメージを防止するための層である。
[貯蔵弾性率]
追従層3の貯蔵弾性率は、100℃において1.0×10Pa以下であることが好ましく、1.0×10Pa~1.0×10Paであることが好ましく、5.0×10Pa~1.0×10Paであることがより好ましい。
追従層3の100℃における貯蔵弾性率が好ましい上限値以下であることにより、素子付き基板10への圧着時に充分な流動性が得られ、複数の発光素子による素子付き基板10の凹凸に追従して、複数の発光素子の間を充分に埋めることができる。追従層3の100℃における貯蔵弾性率が好ましい下限値以上であることにより、熱圧着時の圧力偏重を防ぐことができ、均一な外観を保つことができる。また、範囲外への樹脂の流出を防止でき、圧着後の膜厚を確保できる。
[熱硬化性樹脂組成物]
追従層3は、熱硬化性樹脂組成物で構成されていることが好ましい。熱硬化性樹脂組成物としては、エポキシ樹脂組成物、アミド樹脂組成物、フェノール樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物、マレイミド樹脂組成物、シアネート樹脂組成物、オキサジン樹脂組成物が挙げられる。
中でも、低温での熱硬化性を実現でき、耐熱性、信頼性に優れることから、エポキシ樹脂組成物であることが好ましい。
本明細書において、エポキシ樹脂組成物とは、エポキシ樹脂を主成分として含む組成物、あるいはエポキシ樹脂とエラストマーとを主成分として含む組成物である。
(エポキシ樹脂)
本明細書及び特許請求の範囲において、エポキシ樹脂とは、分子中にエポキシ基をもつ化合物である。本発明に用いるエポキシ樹脂としては、一分子中に2つ以上のエポキシ基を有するものが好ましい。エポキシ樹脂同士の重合反応やエポキシ樹脂とエポキシ基と反応可能な官能基を有する変性エラストマーとの反応で架橋構造を形成し、硬化物に高い耐熱性を発現させることができるからである。また、エポキシ基が2つ以上のエポキシ樹脂を用いた場合、エポキシ基と反応可能な官能基を有する変性エラストマーとの架橋度が十分であり、硬化物に十分な耐熱性が得られる。
エポキシ樹脂としては、分子中にエポキシ基を2つ有する2官能エポキシ樹脂、分子中にエポキシ基を3つ以上有する多官能エポキシ樹脂、重量平均分子量が10,000以上の高分子量エポキシ樹脂等が挙げられる。また、それらに水素添加されたエポキシ樹脂であってもよい。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、高分子量エポキシ樹脂は、分子中のエポキシ基の数に関わらず、2官能エポキシ樹脂や多官能エポキシ基に分類せず、高分子量エポキシ樹脂に分類する。
エポキシ樹脂の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算の分子量である。
エポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、又はそれらを高分子量化したフェノキシ型エポキシ樹脂、それらの水素添加したもの;フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、p-ヒドロキシ安息香酸グリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル等のグリシジルエステル系エポキシ樹脂;エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、テトラフェニルグリシジルエーテルエタン、トリフェニルグリシジルエーテルエタン、ソルビトールのポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールのポリグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等のグリシジルアミン系エポキシ樹脂;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等の線状脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定するものではない。また、キシレン構造含有ノボラックエポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、o-クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂も用いることができる。
更に、エポキシ樹脂の例として臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、フッ素含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ターシャリーブチルカテコール型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等を用いることができる。
高分子量エポキシ樹脂としては、フェノキシ型エポキシ樹脂、エポキシ変性ポリブタジエン、グリシジルメタクリレートとメチルメタクリレートの共重合体、その他の樹脂をエポキシ変性した変性ポリマー等を用いることができる。
これらのエポキシ樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記エポキシ樹脂の中でも、追従層3に用いられるエポキシ樹脂としては、硬化後の架橋密度を高められる観点から、多官能エポキシ樹脂であることが好ましい。
多官能エポキシ樹脂の中でも、特に、ノボラック型のエポキシ樹脂は、適度に柔軟骨格を導入でき、柔軟性や軟化点の調整が可能なエポキシ樹脂のため、硬化物が脆性破壊を起こしづらくなり、エポキシ樹脂組成物の硬化物の長期使用に対する性能の安定性が向上し、架橋密度を高められ、耐熱性も向上するため、より好ましい。
ノボラック型のエポキシ樹脂の具体例としては、例えば、三菱ケミカル株式会社製の「YX7700」、日本化薬株式会社製の「NC7000L」「XD1000」「EOCN-1020」、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製の「ESN485」、DIC株式会社製の「N-690」「N-695」「HP-7200H」等が挙げられる。
追従層3における、多官能エポキシ樹脂の配合量は、追従層3の総樹脂固形分100質量%に対して、10~99質量%であることが好ましく、40~95質量%であることがより好ましく、60~90質量%であることがさらに好ましい。上記下限値以上であると、架橋密度を高めて耐薬品性や耐熱性を付与できる。また、上記上限値以下であると、熱圧着時の貯蔵弾性率を調整でき、追従層3の流動性を確保できる。
熱圧着時の十分な流動性を確保する観点から、追従層3には、軟化点または融点が、100℃以下のエポキシ樹脂が含まれることが好ましい。ハンドリング性や硬化物の耐熱性の観点から、軟化点または融点が、50~95℃のエポキシ樹脂が含まれることがより好ましい。上記範囲内の軟化点または融点を有するエポキシ樹脂を含むことで、貯蔵弾性率の制御が可能になる。
追従層3における、エポキシ樹脂全体の配合量は、追従層3の総樹脂固形分100質量%に対して、10~100質量%であることが好ましく、20~99質量%であることがより好ましく、35~95質量%であることがさらに好ましい。上記範囲内であると、貯蔵弾性率の制御が可能であり、熱圧着時の適当な流動性を確保できる。また、上記下限値以上であると、硬化後の耐熱性を向上できる。
(エラストマー)
追従層3は、エポキシ樹脂等の樹脂に加えて、エラストマーを含むことが好ましい。エラストマーを含むことにより貯蔵弾性率の制御、すなわち、流動性の制御が容易となる。
エラストマーとしては、優れた耐熱性が得られることから、一般に「ゴム」と呼ばれる熱硬化性エラストマーが好ましい。熱硬化性エラストマーとしては、ブタジエンとアクリロニトリルのランダム共重合体であるアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム、スチレンブタジエンゴム、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。中でもエポキシ樹脂との相溶性が良好で、追従層3の100℃付近での流動性の制御が可能であり、表面層2や素子付き基板10との密着性が良好であることから、NBRが好ましい。
エラストマーの重量平均分子量は、100,000~1,000,000であることが好ましく、120,000~500,000であることがより好ましく、150,000~300,000であることがさらに好ましい。エラストマーの重量平均分子量が上記範囲であれば、追従層3の貯蔵弾性率を制御でき、熱圧着時の流動性を確保できる。エラストマーの重量平均分子量が上記上限値以下であれば、エポキシ樹脂との相溶性が向上して熱硬化時の流動をより効果的に制御できる。
特に追従層3がエポキシ樹脂組成物で構成される場合、エポキシ基と反応可能な官能基を有する変性エラストマーを含むことが好ましい。エポキシ基と反応可能な官能基を有する変性エラストマーあれば、エポキシ樹脂の硬化剤としても作用する。また、エポキシ樹脂と反応し結合できるため、耐熱性と熱衝撃への信頼性が向上する。さらに、エポキシ樹脂と反応可能な官能基と樹脂骨格の極性の違いが分散性に良好に作用し、追従層3にカーボンブラックを含有させる場合に良好な分散性が得られる。
エポキシ基と反応可能な官能基としては、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、リン酸基等の酸基、及びこれらの酸無水物基、水酸基、アミノ基等が挙げられる。中でも低温での硬化が可能で、可使時間を確保できることから、酸基または酸無水物基が好ましく、カルボキシ基またはカルボン酸無水物基が特に好ましい。
すなわち、追従層3は、エポキシ樹脂組成物で構成される場合、酸基または酸無水物基を有する酸変性エラストマーを含有することが好ましく、カルボキシ基を有する酸変性エラストマーを含有することがより好ましい。カルボキシ基を有する変性NBRを含有することが特に好ましい。
カルボキシ基を有する変性NBRとしては、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等を導入したカルボキシル化アクリロニトリルゴムが好ましい。カルボキシル化アクリロニトリルゴムの市販品としては、日本ゼオン株式会社製Nipol(登録商標)NX775、Nipol 1072CGJが挙げられる。
エポキシ基と反応可能な官能基を有する変性エラストマーは2種以上を併用してもよい。
追従層3のエラストマーの配合量は、追従層3の総樹脂固形分100質量%に対して、0.01~90質量%であることが好ましく、1~80質量%であることがより好ましく、5~65質量%であることがさらに好ましい。上記範囲内であると、貯蔵弾性率の制御が可能であり、熱圧着時の適当な流動性を確保できる。また、上記下限値以上であると、カーボンブラックの分散性が良好になる。さらに、成膜性が向上し、エポキシ樹脂組成物を塗工して成膜する際の膜厚の分布を狭くできる。
(硬化剤)
追従層3がエポキシ樹脂組成物で構成される場合、エポキシ基と反応可能な官能基を有する変性エラストマー以外のその他のエポキシ樹脂用の硬化剤を含んでいてもよい。その他の硬化剤としては、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤等の公知の硬化剤が挙げられる。
その他の硬化剤は2種以上を併用してもよい。
(硬化触媒)
追従層3がエポキシ樹脂組成物で構成される場合、エポキシ樹脂の硬化反応を促進する硬化触媒を含んでもよい。
硬化触媒としては、イミダゾール系、第三級アミン系、リン化合物系等が挙げられる。中でもエポキシ樹脂と相溶性がよく、黄変の原因になりづらいことから、イミダゾール系が好ましい。
イミダゾール系の硬化触媒の中でも、シアノエチル基を有するものがエポキシ樹脂に溶けやすいことから、特に好ましい。
硬化触媒の配合量は、追従層3の総樹脂固形分100質量部に対して0.01~5質量部であることが好ましく、0.05~4質量部であることがより好ましく、0.1~3質量部であることがさらに好ましい。上記範囲内であると、硬化を十分に進められ、ドライフィルム1の可使時間を確保できる。
硬化触媒は2種以上を併用してもよい。
(カーボンブラック)
追従層3は、黒色に着色されていることが好ましく、着色のためにカーボンブラックを含有してもよい。カーボンブラックを含有することにより、素子付き基板10の複数の発光素子の間の遮光性を発現でき、光拡散防止性が得られる。
カーボンブラックの粒子径は10~500nmであるのが好ましく、10~300nmがより好ましく、10~100nmが特に好ましい。なお、粒子径は、平均粒子径のことを言い、動的光散乱法による測定装置により求めることができる。動的光散乱法による測定装置としては、マイクロトラック・ベル社製のNanotracWave II UT151が挙げられる。
カーボンブラックとしては、ガスブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、ランプブラック等の公知のカーボンブラックの1種または2種以上を用いることができる。また、樹脂被覆カーボンブラックを使用してもよい。さらに、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブを使用してもよい。
中でもガスブラックは、表面官能基の量が多く、分散性が高く、少量添加で十分な光拡散防止機能を発揮する点で好ましい。また、追従層3にエポキシ樹脂と反応可能な官能基を有する変性エラストマーを含む場合、ガスブラックの表面官能基とエポキシ樹脂と反応可能な官能基を有する変性エラストマーの官能基との相互作用により、分散性がさらに高まり、良好な光拡散防止性と塗液安定性とを確保できる。
カーボンブラックの配合量は、追従層3の総樹脂固形分100質量部に対して、0.1~15質量部であることが好ましく、1.0~10質量部であることがより好ましい。カーボンブラックの配合量が上記下限値以上であると十分な遮光性が得られる。カーボンブラックの配合量が上記上限値を超えると、追従層3のチキソ性が高まり、熱圧着時の流動性が低下して、素子付き基板10の複数の発光素子の間を十分に充填できなくなる。
(その他の成分)
追従層3は、難燃性や耐熱性の向上、屈折率の調整のために、無機フィラーを含むことができるが、チキソ性が高まり、熱圧着時の流動性が低下して、素子付き基板10の複数の発光素子の間を十分に充填できなくなる観点から、カーボンブラック以外の無機フィラーを含まないことが好ましい。
追従層3は、さらに必要に応じて、エポキシ樹脂とエラストマー以外の樹脂、増粘剤、消泡剤及び/またはレベリング剤、カップリング剤等の密着性付与剤、難燃剤を用いることができる。
<表面層>
表面層2は、熱圧着工程において、素子付き基板10に配置された複数の発光素子の間に追従層3を十分に押し込むための層である。また、熱硬化工程において、気泡やハジキのような外観不良を防止して、後工程でエッチング処理を行う場合にも支障が生じにくくすることができる。
[貯蔵弾性率]
表面層2の貯蔵弾性率は、100℃から150℃において、追従層3の貯蔵弾性率より大きい。
なお、100℃と150℃において、表面層2の貯蔵弾性率が追従層3の貯蔵弾性率より大きい場合、通常100℃~150℃の全範囲において、表面層2の貯蔵弾性率が追従層3の貯蔵弾性率より大きい。
表面層2の貯蔵弾性率は、100℃において1.0×10Pa以下であることが好ましく、1.0×10Pa~1.0×10Paであることが好ましく、5.0×10Pa~5.0×10Paであることがより好ましい。
表面層2の100℃における貯蔵弾性率が好ましい範囲内であることにより、素子付き基板10への圧着時に追従層3の流動を妨げない充分な流動性が得られ、複数の発光素子による素子付き基板10の凹凸に追従して、複数の発光素子の間を充分に埋めることができる。表面層2の100℃における貯蔵弾性率が好ましい上限値を超えると、表面層2の流動性が足りず、追従層3を複数の発光素子の間を充分に押し込むことができなくなるうえ、熱圧着時に表面層2にクラックが発生することで、ヒビ様欠点が発生しやすくなる。表面層2の100℃における貯蔵弾性率が好ましい下限値を下回ると、表面層2の流動性が高すぎるため、熱圧着後に第1のキャリアフィルム4を剥離した際に発光素子に合わせて表面層2の表面が凹凸形状になってしまい、外観不良になるうえ、熱硬化時にハジキのような外観不良が発生しやすくなる。
表面層2の貯蔵弾性率は、150℃において1.0×10Pa以上であることが好ましく、1.0×10Pa~5.0×10Paであることが好ましく、1.0×10Pa~5.0×10Paであることがより好ましい。
表面層2の150℃における貯蔵弾性率が好ましい上限値を超えると、熱硬化時に硬化収縮によるクラックが発生しやすくなる。表面層2の150℃における貯蔵弾性率が好ましい下限値以上であることにより、熱硬化時の流動を抑制でき、ハジキのような硬化後の外観不良が抑制され、さらには、後工程でエッチング処理を行う場合にも支障が生じにくい。
100℃における表面層2の貯蔵弾性率は、追従層3の貯蔵弾性率に対して10~1000倍が好ましく、30~500倍がより好ましい。150℃における表面層2の貯蔵弾性率は、追従層3の貯蔵弾性率の5~10000倍が好ましく、10~1000倍がより好ましい。
なお、100℃と150℃において、表面層2の貯蔵弾性率が追従層3の貯蔵弾性率より大きい場合、通常100℃~150℃の全範囲において、表面層2の貯蔵弾性率が追従層3の貯蔵弾性率より大きい。
[熱硬化性樹脂組成物]
表面層2は、熱硬化性樹脂組成物で構成されていることが好ましい。熱硬化性樹脂組成物としては、追従層3と同様の種類が挙げられる。中でも、低温での熱硬化性を実現でき、耐熱性、信頼性に優れることから、エポキシ樹脂組成物であることが好ましい。
(エポキシ樹脂)
表面層2に用いられるエポキシ樹脂の例としては、追従層3と同様の種類が挙げられる。
表面層2に適度な圧着時粘度を付与できる観点から、表面層2は、高分子量エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
表面層2に含まれる高分子量エポキシ樹脂の重量平均分子量は、10,000~100,000であることが好ましい。これにより、表面層2に適度な圧着時粘度を付与でき、熱圧着時に追従層3を十分に押し込むことができる。また、熱硬化時の流動を抑制でき、ハジキのような硬化後の外観不良が抑制され、さらには、後工程でエッチング処理を行う場合にも支障が生じにくくできる。
他の樹脂成分との相溶性が良好で、乾燥後もドライフィルムに残る可能性のある沸点の高い溶剤を混合しなくても溶解できる観点から、重量平均分子量が10,000~35,000のエポキシ樹脂を含むことがより好ましい。
表面層2に用いられるエポキシ樹脂として重量平均分子量が10,000~100,000の高分子量エポキシ樹脂を含むことにより、加熱時に適度な粘度を有するため、表面層2の100℃~150℃の範囲の貯蔵弾性率を好ましい範囲に調整できる。
表面層2に用いられる高分子量エポキシ樹脂は、他のエポキシ樹脂との相溶性が良好であることから、フェノキシ型エポキシ樹脂が好ましい。
フェノキシ型エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂の中でも比較的に分子量が大きく、加熱時に適度な粘度を有するため、表面層2の100℃~150℃の範囲の貯蔵弾性率を好ましい範囲に調整できる。また、フェノキシ型エポキシ樹脂は、ポリエステル等の他の熱可塑性樹脂と異なり、エポキシ樹脂としての硬化が可能なため、架橋密度を高めることができ、硬化物の耐熱性や長期使用に対する性能の信頼性を損なわない。
熱圧着時に追従層3を押し込む貯蔵弾性率を確保する観点から、表面層2に用いられるフェノキシ型エポキシ樹脂のガラス転移温度は、100℃以上であることが好ましい。
フェノキシ型エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、三菱ケミカル株式会社製の「1256」「YX7200」「YX8100」「YX7180」、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製の「YP-50」「YP-50S」「YP-70」、DIC株式会社製の「N-690」、DIC株式会社製の「H-157」「EXA-192」等が挙げられる。
表面層2における、高分子量エポキシ樹脂の配合量は、表面層2の総樹脂固形分100質量%に対して、30~80質量%であることが好ましく、40~70質量%であることがより好ましく、45~60質量%であることがさらに好ましい。
上記範囲内であると、貯蔵弾性率の制御が可能であり、熱圧着時の追従層3を押し込む貯蔵弾性率を確保できる。また、熱硬化時の流動を抑制でき、ハジキのような硬化後の外観不良が抑制され、さらには、後工程でエッチング処理を行う場合にも支障が生じにくい。また、靭性が向上し、熱圧着時にヒビ様欠点が発生しづらくなる。
また、上記上限値以下であると、表面層2の硬化物の架橋密度を高め、耐熱性や耐薬品性を向上できる。
さらに、表面層2に用いられるエポキシ樹脂として、多官能エポキシ樹脂が含まれることが好ましい。
多官能エポキシ樹脂は、架橋密度を高められることで、エポキシ樹脂組成物の硬化物の長期使用に対する性能の安定性がさらに向上し、耐熱性も向上する。また、フェノキシ型エポキシ樹脂よりも100℃~150℃の範囲の粘度が低いため、フェノキシ型エポキシ樹脂と組み合わせることで、表面層2の貯蔵弾性率を調整できる。
多官能エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、三菱ケミカル株式会社製の「YX7700」「157S70」「1032S60」、日本化薬株式会社製の「NC7000L」「XD1000」「EOCN-1020」、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製の「ESN485」、DIC株式会社製の「N-690」、「N-695」「HP-7200H」等が挙げられる。
表面層2における、多官能エポキシ樹脂の配合量は、表面層2の総樹脂固形分100質量%に対して、90質量%以下であることが好ましく、10~80質量%であることがより好ましく、35~70質量%であることがさらに好ましい。上記範囲内であれば、表面層2の熱圧着時の貯蔵弾性率を制御でき、かつ、硬化物に耐熱性や耐薬品性を付与できる。
熱圧着時の十分な流動性を確保する観点から、表面層2には、軟化点または融点が、120℃以下のエポキシ樹脂が含まれることが好ましい。ハンドリング性や硬化物の耐熱性の観点から、軟化点または融点が、50~105℃のエポキシ樹脂が含まれることがより好ましい。上記範囲内の軟化点または融点を有するエポキシ樹脂を含むことで、貯蔵弾性率の制御が可能になる。
表面層2における、エポキシ樹脂全体の配合量は、表面層2の総樹脂固形分100質量%に対して、10~100質量%であることが好ましく、30~99質量%であることがより好ましく、50~95質量%であることがさらに好ましい。上記範囲内であると、貯蔵弾性率の制御が可能であり、熱圧着時の追従層を押し込む貯蔵弾性率を確保できる。また、熱硬化時の流動を抑制でき、ハジキのような硬化後の外観不良が抑制され、さらには、後工程でエッチング処理を行う場合にも支障が生じにくい。また、上記下限値以上であると、硬化後の耐熱性を向上できる。
(エラストマー)
表面層2は、エポキシ樹脂等の樹脂に加えて、エラストマーを含むことが好ましい。エラストマーを含むことにより、貯蔵弾性率の制御が容易となる。
エラストマーとしては、追従層3と同様の種類が挙げられる。中でもエポキシ樹脂との相溶性が良好で、表面層2の150℃付近での貯蔵弾性率を高められ、追従層3との密着性が良好であることから、NBRが好ましい。エラストマーの好ましい重量平均分子量も追従層3と同様である。
特に表面層2がエポキシ樹脂組成物で構成される場合、エポキシ基と反応可能な官能基を有する変性エラストマーを含むことが好ましい。エポキシ基と反応可能な官能基を有する変性エラストマーあれば、エポキシ樹脂の硬化剤としても作用する。また、エポキシ樹脂と反応し結合できるため、耐熱性と熱衝撃への信頼性が向上する。さらに、エポキシ樹脂と反応可能な官能基と樹脂骨格の極性の違いが分散性に良好に作用し、表面層2にカーボンブラックを含有させる場合に良好な分散性が得られる。
エポキシ基と反応可能な官能基としては、追従層3と同様の種類が挙げられる。中でも低温での硬化が可能で、可使時間を確保できることから、酸基または酸無水物基が好ましく、カルボキシ基またはカルボン酸無水物基が特に好ましい。
表面層2は、エポキシ樹脂組成物で構成される場合、カルボキシ基を有する変性NBRを含有することが特に好ましい。
カルボキシ基を有する変性NBRとしては、追従層3と同様の種類が挙げられる。
エポキシ基と反応可能な官能基を有する変性エラストマーは2種以上を併用してもよい。
表面層2のエラストマーの配合量は、表面層2の総樹脂固形分100質量%に対して、0~70質量%であることが好ましく、1~50質量%であることがより好ましく、5~50質量%であることがさらに好ましい。上記範囲内であると、貯蔵弾性率の制御が可能である。また、上記上限値以下であると、熱圧着時の追従層3を押し込む貯蔵弾性率を確保できる。また、熱硬化時の流動を抑制でき、ハジキのような硬化後の外観不良が抑制され、さらには、後工程でエッチング処理を行う場合にも支障が生じにくい。また、上記下限値以上であると、カーボンブラックの分散性が良好になる。さらに、成膜性が向上し、エポキシ樹脂組成物を塗工して成膜する際の膜厚の分布を狭くできる。
(硬化剤)
表面層2がエポキシ樹脂組成物で構成される場合、エポキシ基と反応可能な官能基を有する変性エラストマー以外のその他のエポキシ樹脂用の硬化剤を含んでいてもよい。その他の硬化剤としては、追従層3と同様の硬化剤が挙げられる。その他の硬化剤は2種以上を併用してもよい。
(硬化触媒)
表面層2がエポキシ樹脂組成物で構成される場合、エポキシ樹脂の硬化反応を促進する硬化触媒を含んでもよい。
硬化触媒としては、追従層3と同様の硬化触媒が挙げられ、好ましい態様も同様である。
硬化触媒の配合量は、表面層2の総樹脂固形分100質量部に対して、0.01~5質量部であることが好ましく、0.05~4質量部であることがより好ましく、0.1~3質量部であることがさらに好ましい。上記範囲内であると、硬化を十分に進められ、ドライフィルム1の可使時間を確保できる。
硬化触媒は2種以上を併用してもよい。
(カーボンブラック)
表面層2は、黒色に着色されていてもよく、着色のためにカーボンブラックを含有してもよい。カーボンブラックを含有することにより、素子付き基板10の複数の発光素子の間の遮光性を発現でき、光拡散防止性が得られる。
カーボンブラックとしては追従層3におけるものと同様のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
カーボンブラックの配合量は、表面層2の総樹脂固形分100質量部に対して、0.1~15質量部であることが好ましく、1.0~10質量部であることがより好ましい。カーボンブラックの配合量が上記下限値以上であると十分な遮光性が得られる。カーボンブラックの配合量が上記上限値を超えると、表面層2のチキソ性が高まり、熱圧着時の流動性が低下して、素子付き基板10の複数の発光素子の間を十分に充填できなくなる。
(その他の成分)
表面層2は、追従層3と同様の理由から無機フィラーを含むことができるが、追従層3と同様の理由からカーボンブラック以外の無機フィラーを含まないことが好ましい。
表面層2は、さらに必要に応じて、エポキシ樹脂とエラストマー以外の樹脂、増粘剤、消泡剤及び/またはレベリング剤、カップリング剤等の密着性付与剤、難燃剤を用いることができる。
<キャリアフィルム>
第1のキャリアフィルム4及び第2のキャリアフィルム5(以下第1のキャリアフィルム4及び第2のキャリアフィルム5を総称して単に「キャリアフィルム」という場合がある。)は、ドライフィルム1を保護する役割を有するものであり、ドライフィルム1を形成する際には、熱硬化性樹脂組成物の塗液が塗布されるフィルムである。
キャリアフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の熱可塑性樹脂からなるフィルム、及び、表面処理した紙等を用いることができる。
これらの中でも、耐熱性、機械的強度、取扱性等の観点から、ポリエステルフィルムを好適に使用することができる。キャリアフィルムの厚さは、特に制限されるものではないが概ね10~150μmの範囲で用途に応じて適宜選択される。キャリアフィルムの樹脂層を設ける面には、離型処理が施されていてもよい。
<ドライフィルムの製造方法>
ドライフィルム1は、第1のキャリアフィルム4に表面層2用の熱硬化性樹脂組成物の塗液を塗布乾燥したものと、第2のキャリアフィルム5に追従層3用の熱硬化性樹脂組成物の塗液を塗布乾燥したものを用意し、これらを、表面層2と追従層3が接するようにして重ね、ラミネートすることにより得られる。
各々の塗液は、塗布を支障なく行える粘度となる量の有機溶剤を含有することが好ましい。
有機溶剤としては、特に制限はないが、例えば、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などを挙げることができる。具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、2-メトキシプロパノール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等の他、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラクロロエチレン、テレビン油等が挙げられる。
なお、カーボンブラックを塗液に配合する際は、カーボンブラック粉末を加えてもよいし、カーボンブラック分散液を加えてもよい。
塗布方法としては、例えば、ダイコーター、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファウンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等の各種コーターが挙げられる。
乾燥温度は、60~160℃が好ましく、80~130℃が好ましく、90~120℃がさらに好ましい。
ラミネート時の温度は、20~120℃が好ましく、30~100℃がより好ましく、40~80℃がさらに好ましい。ラミネート時における温度を好ましい下限値以上とすることにより、表面層2と追従層3との間に未硬化でもハンドリング可能な密着力を確保できる。また、ラミネート時における温度を好ましい上限値以下とすることにより、気泡の挟み込みや皴の発生を防止できる。
ラミネートは、ロールラミネーター、プレス機、真空プレス機等を用いて行うことができる。
ラミネートすることにより、図1に示すように、第1のキャリアフィルム4と第2のキャリアフィルム5で挟まれたドライフィルム1が得られる。
<素子付き基板>
素子付き基板10は、図2に示すように、基板11上に複数の発光素子が配置されたものである。図2等では、模式的に、3つの発光素子(発光素子12、発光素子13、発光素子14)が配置された部分を示している。
基板11の材質に限定はないが、公知のプリント基板を好適に使用できる。公知のプリント基板としては、ガラスエポキシ基板、フッ素樹脂基板、セラミックス基板等が挙げられる。
発光素子は、典型的には、発光ダイオードである。本発明は、発光素子が極小の場合に特に好適に適用できる。
例えば、高さが1000nm~200μm、1辺が0.001~0.5mmの発光ダイオードを使用することができる。
ミニLEDやマイクロLEDを得るための素子付き基板10としては、発光素子として、R、G、Bの3色の発光ダイオードを、あるいは発光素子として、青色発光ダイオードを用いることができる。
<発光型電子部品の製造方法>
本発明の発光型電子部品の製造方法は、基板に複数の発光素子が配置された素子付き基板の前記複数の発光素子が配置された面に、本発明のドライフィルムを、その追従層が接するように配置し、90~110℃でプレス圧着して前記複数の発光素子の間にドライフィルムを充填し、100~160℃で加熱して、前記ドライフィルムを硬化させる方法である。
以下、図2~8を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る発光型電子部品の製造方法について説明する。
本実施形態の製造方法では、まず、図2に示すように、素子付き基板10の発光素子12、発光素子13、発光素子14が配置された面に、第2のキャリアフィルム5を剥離して追従層3が露出したドライフィルム1を、その追従層3が接するように配置する。
このとき、すなわち、圧着前において、追従層3の厚さは、発光素子の高さに対して10~90%であることが好ましい。上記下限値は、15%以上であることがより好ましく、30%以上であることがさらに好ましい。また、上記上限値は、65%以下であることがより好ましく、55%以下であることがさらに好ましい。
追従層3の厚さが発光素子の高さに対して10%未満であると、発光素子間に樹脂が十分に充填されない。追従層3の厚さが発光素子の高さに対して15%未満であると、表面層の流動性が不十分で表面にヒビ様欠点が発生することがある。追従層3の厚さが発光素子の高さに対して30%以上であると、追従層3の流動性を活かして、ドライフィルム1を発光素子間に適当に充填できる。
追従層3の厚さが発光素子の高さに対して90%以下であれば、熱圧着時の追従層の外部への漏れ出しを防止でき、膜厚を確保できる。追従層3の厚さが発光素子の高さに対して65%を超えると、プレス後に流動した追従層3の膜厚のブレにより黒色の濃淡が見られることがある。追従層3の厚さが発光素子の高さに対して55%以下であれば、追従層3の流動性を活かして、ドライフィルム1を発光素子間に適当に充填できる。
表面層2の圧着前の厚さは、発光素子の高さに対して10~150%であることが好ましい。上記下限値は、40%以上であることがより好ましく、50%以上であることがさらに好ましい。また、上記上限値は、130%以下であることがより好ましく、110%以下であることがさらに好ましい。
表面層2の厚さが発光素子の高さに対して10%未満であると、熱硬化の際に追従層3と共に流動してしまい、表面に外観不良が発生することがある。表面層2の厚さが発光素子の高さに対して40%未満であると、表面層2の流動を許容できる範囲が不十分で表面にヒビ様欠点が発生することがある。表面層2の厚さが発光素子の高さに対して50%以上であると、追従層3を十分に押し込むことができる。
表面層2の厚さが発光素子の高さに対して上記上限値であれば、後工程のエッチング処理を短縮できる。
表面層2と追従層3の圧着前の合計厚さは、発光素子の高さに対して80~200%であることが好ましく、90~160%であることが好ましく、100~130%であることがより好ましい。
表面層2と追従層3の合計厚さが発光素子の高さに対して上記下限値以上であれば、発光素子の間に充分にドライフィルム1を埋め込むことができる。表面層2と追従層3の合計厚さが発光素子の高さに対して上記上限値以下であれば、後工程のエッチング処理を短縮できる。
表面層2と追従層3の圧着前の合計厚さに対する追従層3の圧着前の厚さの割合は、10~90%であることが好ましく、15~70%であることがより好ましく、20~50%であることがさらに好ましい。
表面層2と追従層3の合計厚さに対する追従層3の圧着前の厚さの割合が上記下限値以上であれば、表面層2が十分に追従層3を押し込み、発光素子間に樹脂を十分に充填できる。上記上限値以下であれば、熱圧着の際に表面層2が流れず、熱硬化時の流動を抑制でき、ハジキのような硬化後の外観不良が抑制され、さらには、後工程でエッチング処理を行う場合にも支障が生じにくい。
この図2の状態で熱圧着して、ドライフィルム1を、図3に示すように発光素子間に埋め込む。
このとき、追従層3は貯蔵弾性率が比較的低く流動性が確保されているため、発光素子による凹凸に追従して、発光素子間に充填されやすい。
熱圧着における温度は、80~120℃であり、90~110℃がより好ましい。熱圧着における温度を80℃以上とすることにより、ドライフィルム1の流動性を確保しやすい。また、熱圧着における温度を120℃以下とすることにより、発光素子にダメージを与えにくい。熱圧着における温度を90~110℃にすることにより、より精密に流動性を制御でき、ムラやヒビ様欠点の発生を抑制できる。
熱圧着における圧力は、0.05~1.0MPaが好ましく、0.1~0.5MPaがより好ましい。熱圧着における圧力を好ましい下限値以上とすることにより、ドライフィルム1を発光素子間に充填することができる。好ましい上限値以下とすることにより、発光素子にダメージを与えにくい。
熱圧着は、真空状態で成形が可能な真空プレス機を用いて行うことが好ましい。これにより、得られる発光型電子部品に空気が混入することによる不良を回避しやすい。
圧着後、図4に示すように第1のキャリアフィルム4を剥離してから、熱硬化させ、図5に示すように、ドライフィルム1を硬化物21とする。図5において、表面層硬化物22は、表面層2の硬化物、追従層硬化物23は追従層3の硬化物である。
硬化温度は、100~160℃であり、120~150℃が好ましい。硬化温度を100℃以上とすることにより、ドライフィルム1を硬化することができる。硬化温度を120℃以上とすることにより、ドライフィルム1の硬化時間を短縮できる。また、硬化温度を上記上限温度以下とすることにより、発光素子にダメージを与えにくい。
硬化時間は、硬化温度にもよるが、30~360分間が好ましく、45~180分間がより好ましい。
硬化温度において、表面層2は貯蔵弾性率が比較的高く、流動性が抑制されているため、硬化後の外観不良が抑制され、さらには、後工程でエッチング処理を行う場合にも支障が生じにくい。
その後、図6に示すようにエッチングを行い、図7に示すように、発光素子の高さまで発光素子上の表面層硬化物22を取り除く、または、薄膜化する。発光素子の高さまで表面層硬化物22を取り除くことによって、発光面の輝度を高くし、発光時の視認性を確保できる。このとき、発光素子上から表面層硬化物22を完全に除去することは技術的に難しいことから、実質的に取り除けていればよく、多少の薄膜が残存した状態でもよい。また、発光素子上の表面層硬化物22が極めて薄膜、または表面層硬化物22の透過率が高く、十分な輝度が確保できる場合は、エッチング処理を省略できる。
エッチングとしては、プラズマ処理などの物理的エッチングでも化学的エッチングでもよい。エッチングの条件としては、例えば、異方性プラズマ装置にて、CF/O/Nの混合ガスを用い、出力1500~3000W、180~600秒の条件でドライエッチングすればよい。
この際、CFのガス供給量としては、例えば50~100sccmであり、Oのガス供給量としては、例えば500~1000sccm、Nのガス供給量としては、例えば50~100sccmとすればよい。
最後に、図8に示すように、発光素子を封止材31で覆うことによって、発光型電子部品30が得られる。
封止材31で覆う方法は特に限定されず、例えば、封止材組成物を塗布してもよく、ドライフィルム化した封止材フィルムをラミネートしてもよい。
なお、表面層硬化物22の透明度が確保されていれば、発光素子上の表面層硬化物22を取り除くことなく、これをそのまま封止材として機能させてもよい。
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
<原料>
各実施例、比較例で使用した原材料の詳細は次の通りである。
[エポキシ樹脂]
・HP-7200H:DIC社製、シクロペンタジエンノボラック型多官能エポキシ樹脂(固形)、軟化点82℃、エポキシ当量227g/eq.。
・jER YX7200B35:三菱ケミカル社製、フェノキシ型エポキシ樹脂(MEK溶液、固形分35質量%)、ガラス転移温度150℃、エポキシ当量8781g/eq.、重量平均分子量30,000。
・jER 828EL:三菱ケミカル社製、ビスフェノールA型2官能エポキシ樹脂(液状)、エポキシ当量186g/eq.。
・NC-3000H:日本化薬社製、ビスフェニルノボラック型多官能エポキシ樹脂(固形)、軟化点71℃、エポキシ当量290g/eq.。
[エラストマー]
・NX775:日本ゼオン社製、カルボキシ変性ニトリルゴム、重量平均分子量208,000。
・テイサンレジンSG-80H:ナガセケムテックス社製、アクリル酸エステル共重合樹脂(官能基:エポキシ基、アミド基)、MEKカット品、固形分18質量%、重量平均分子量850,000。
[樹脂]
・HF-1M:明和化成社製HF-1M、フェノールノボラック樹脂。
[硬化触媒]
・2PZ-CN:四国化成社製、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール。
・2E4MZ:四国化成社製、2-エチル-4-メチルイミダゾール。
[カーボンブラック]
・Special Black4:ORION ENGINEERED CARBONS社製、ガスブラック。
[添加剤]
・KBM-403:信越シリコーン社製、エポキシシランカップリング剤。
[溶剤]
・MEK:純正化学社製、メチルエチルケトン。
・PGM:純正化学社製、プロピレングリコールモノメチルエーテル。
<ドライフィルム用塗液の調製>
表1に示す配合(固形分換算)の原料をMEK/PGM=80/20の溶剤に混合し、固形分濃度25質量%の塗液を調製した。すなわち、表1に示す配合の原料の合計配合量(固形分換算)を、得られる塗液全体に対して25質量%とした。
<単層シートの調製と評価>
離形PET 1-TRE(ニッパ株式会社製、50μm)の離形面上に、バーコーターを用いて各塗液を乾燥膜厚が40μmとなるように塗布し、120℃で5分間乾燥し、各塗液による塗膜が離形PETに支持された単層シートを得た。
得られた単層シートにおける塗膜の100℃と150℃における貯蔵弾性率を、粘弾性測定装置(TA Instruments社製RSA-G2)を用い、測定周波数1Hz、昇温速度5℃/minの条件下でJIS K7244に従い、測定した。結果を表1に示す。
Figure 2024019872000002
<実施例>
離形PET 1-TRE(ニッパ株式会社製、50μm)の離形面上に、バーコーターを用いて各塗液を乾燥膜厚が表2に示す厚さとなるように塗布し、120℃で5分間乾燥し、表面層が離形PETに支持された表面層用単層シートと追従層が離形PETに支持された追従層用単層シートを得た。
各々の単層シートを、表面層と追従層とが接するように重ね、60℃のロールラミネーターでラミネートし、離形PET、表面層、追従層、離形PETが順次積層されたドライフィルム積層体を作製した。
<比較例>
離形PET 1-TRE(ニッパ株式会社製、50μm)の離形面上に、バーコーターを用いて塗液を乾燥膜厚が表2に示す厚さとなるように塗布し、120℃で5分間乾燥し、単層のドライフィルムが離形PETに支持された比較用単層シートを得た。
<評価用素子付き基板>
エポキシガラス基板上に0.1×0.2mmで高さが65μmのLED発光素子が複数配置されたものを、評価用の素子付き基板とした。
<実施例のドライフィルムの評価>
ドライフィルム積層体の追従層に接している離形PETを剥離して、追従層がLED発光素子と接するように配置した。
その後真空プレス機にて、真空度100hPa、100℃、0.36MPa、3分間の条件で発光素子の間にドライフィルムを充填し、表面層に接している離形PETを剥離した後、150℃のオーブンで1時間加熱して熱硬化させた。
[追従性]
真空プレス機にてドライフィルムを充填した際の表面を観察し、以下の基準により評価した。結果を表2に示す。
◎:LED発光素子の上に少量の樹脂が残る程度。
○:LED発光素子の上に樹脂が見られる。
△:LED発光素子の上に多量の樹脂が見られる。
×:LED発光素子の上の樹脂がフィルムのまま変形せずに残っている。
[気泡様欠点]
硬化後の表面を観察し、以下の基準により評価した。結果を表2に示す。
○:気泡様欠点やハジキのような欠点が見られない。
△:少量の気泡様欠点が見られる。
×:樹脂の流動によるハジキのような欠点が見られる。
[ひび様欠点]
硬化後の表面を観察し、以下の基準により評価した。結果を表2に示す。
○:樹脂のひび割れのような欠点が見られない。
△:樹脂のひび割れは見られないが微細なひび割れによる白化が見られる。
×:樹脂のひび割れのような欠点が見られる。
<比較例のドライフィルムの評価>
比較用単層シートを、単層のドライフィルムがLED発光素子と接するように配置した。
その後真空プレス機にて、真空度100hPa、100℃、0.36MPa、3分間の条件で発光素子の間にドライフィルムを充填し、離形PETを剥離した後、150℃のオーブンで1時間加熱して熱硬化させた。
実施例と同様に、真空プレス機にてドライフィルムを充填した際の表面を観察し、追従性を評価した。また、実施例と同様に、硬化後の表面を観察し、気泡様欠点とひび様欠点の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2024019872000003
表2に示すとおり、本発明に係る2層構成ドライフィルムは、追従性に優れ、硬化後の気泡様欠点が見られなかった。これに対して、1層構成の比較例のドライフィルムは、追従性充分でないか、気泡様やハジキのような欠点が硬化後に見られた。
1 ドライフィルム
2 表面層
3 追従層
4 第1のキャリアフィルム
5 第2のキャリアフィルム
10 素子付き基板
11 基板
12 発光素子
13 発光素子
14 発光素子
21 硬化物
22 表面層硬化物
23 追従層硬化物
30 発光型電子部品
31 封止材

Claims (10)

  1. 基板に複数の発光素子が配置された素子付き基板の前記複数の発光素子の間を埋めるために、前記素子付き基板の前記複数の発光素子が配置された面に圧着されるドライフィルムであって、
    前記圧着時に前記素子付き基板に接して配置される追従層と、前記追従層の前記素子付き基板と反対側に積層された表面層とを備え、
    前記表面層の貯蔵弾性率が前記追従層の貯蔵弾性率より大きいことを特徴とするドライフィルム。
  2. 100℃において、前記表面層の貯蔵弾性率が前記追従層の貯蔵弾性率より大きく、
    かつ、150℃において、前記表面層の貯蔵弾性率が前記追従層の貯蔵弾性率より大きい、請求項1に記載のドライフィルム。
  3. 前記追従層の貯蔵弾性率が、100℃において1.0×10Pa以下である、請求項1または2に記載のドライフィルム。
  4. 前記表面層の貯蔵弾性率が、100℃において1.0×10Pa以下である、請求項1または2に記載のドライフィルム。
  5. 前記追従層及び前記表面層の少なくとも一方が、エポキシ樹脂を含む請求項1または2に記載のドライフィルム。
  6. 前記追従層及び前記表面層の少なくとも一方が、エポキシ基と反応可能な官能基を有する変性エラストマーを含む、請求項5に記載のドライフィルム。
  7. 少なくとも前記追従層がカーボンブラックを含有する、請求項1または2に記載のドライフィルム。
  8. 基板と、前記基板上に配置された複数の発光素子と、前記複数の発光素子の間に充填された請求項1または2に記載のドライフィルムの硬化物とを備えることを特徴とする発光型電子部品。
  9. 基板に複数の発光素子が配置された素子付き基板の前記複数の発光素子が配置された面に、請求項1または2に記載のドライフィルムを前記追従層が接するように配置し、
    80~120℃でプレス圧着して前記複数の発光素子の間にドライフィルムを充填し、
    100~160℃で加熱して、前記ドライフィルムを硬化させる、発光型電子部品の製造方法。
  10. 前記追従層の前記圧着前の厚さが前記発光素子の高さに対して10~90%であり、
    前記追従層と前記表面層の前記圧着前の合計厚さが前記発光素子の高さに対して80~200%である、請求項9に記載の発光型電子部品の製造方法。
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