JP2024017435A - 偽造防止用印刷物、その製造方法、その認証方法及び認証用ソフトウェア - Google Patents

偽造防止用印刷物、その製造方法、その認証方法及び認証用ソフトウェア Download PDF

Info

Publication number
JP2024017435A
JP2024017435A JP2022120066A JP2022120066A JP2024017435A JP 2024017435 A JP2024017435 A JP 2024017435A JP 2022120066 A JP2022120066 A JP 2022120066A JP 2022120066 A JP2022120066 A JP 2022120066A JP 2024017435 A JP2024017435 A JP 2024017435A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
line
information
invisible
printed matter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022120066A
Other languages
English (en)
Inventor
正人 木内
Masato Kiuchi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Printing Bureau
Original Assignee
National Printing Bureau
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Printing Bureau filed Critical National Printing Bureau
Priority to JP2022120066A priority Critical patent/JP2024017435A/ja
Publication of JP2024017435A publication Critical patent/JP2024017435A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)
  • Printing Methods (AREA)

Abstract

【課題】より高度な認証を簡便に行うことが可能な偽造防止用印刷物、その製造方法、その認証方法及び認証用ソフトウェアを提供する。【解決手段】本発明の偽造防止用印刷物は、可変情報を格納したICメモリ11と、可変情報と関連付けられた可視画像12と、可変情報と関連付けられた不可視画像13とを備え、ICメモリ11と、可視画像12と、不可視画像13とは、偽造防止用印刷物10における同一の基材表面に形成されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、運転免許証やマイナンバーカード等のICメモリを含むカード、旅券等のICメモリを含む冊子等、ICメモリを搭載し個人情報等の可変情報の認証を必要とし、偽造や変造の防止が求められる偽造防止用印刷物、その製造方法、その認証方法及び認証用ソフトウェアに関するものである。
運転免許証、マイナンバーカード、旅券等、ICメモリを搭載し個人情報等の可変情報の認証を必要とする偽造防止用印刷物では、偽造や変造を防ぐことが重要である。
ここで、ICメモリには、個人情報等の可変情報と関連付けられた顔画像等の情報が格納されている。
また、偽造防止用印刷物の基材表面には、顔画像等の可視情報が形成されている。そして、IC情報と可視情報とを照合する技術は幅広く用いられている。
一方で、偽造防止用印刷物の基材表面に、可変情報と関連付けられた不可視情報が形成されたものがある。このような不可視情報を照合する技術として、例えば繊維情報(特許文献1)を用いたもの、顔画像が埋め込まれた二次元コード(特許文献2)を用いたもの、不可視インキ(特許文献3、特許文献4、特許文献5)を用いたもの、透かしインキ(特許文献6)を用いたもの、透過濃度の差(特許文献7)を用いたもの、ホログラムに施された隠しパターン(特許文献8)を用いたもの、顔画像への認証情報の埋込を行ったもの(特許文献9)等がある。さらに、本願と同一出願人による不可視情報を施した旅券冊子とその製造方法(特許文献10)が提案されている。
特開2017-50643号公報 特開2005-141626号公報 特開平11-198573号公報 特許第5919741号公報 特開2004-213253号公報 特開2009-193111号公報 特開2004-213259号公報 特開2004-269065号公報 特開2001-126046号公報 特開2020-157527号公報
しかしながら、従来技術においては、ICメモリや顔画像等の可視情報と同一の基材表面に施された不可視情報を、ICメモリに格納された情報あるいは可視情報と照合する技術は存在しなかった。例えば、本願と同一出願人により提案されたセキュリティ冊子及びその作成方法(特許文献10)では、ID頁とは別頁に不可視情報を形成しているため、同一の基材表面に施された不可視情報を照合するものではなかった。
上述したように、従来は、ICメモリや顔画像等の可視情報と同一の基材表面に施された不可視情報を、ICメモリに格納された情報あるいは可視情報と照合する技術は存在せず、より高度な認証を簡便に行うことができる技術に対する要望が高まっていた。
本発明は、上記課題の解決を目的とするものであり、偽造や変造を確実に防止するためより高度な認証を簡便に行うことが可能な偽造防止用印刷物、その製造方法、その認証方法及び認証用ソフトウェアを提供することを目的とする。
本発明の偽造防止用印刷物は、可変情報を格納したICメモリと、前記可変情報と関連付けられた可視情報と、前記可変情報と関連付けられた不可視情報と、を備え、前記ICメモリと、前記可視情報と、前記不可視情報とは、前記偽造防止用印刷物における同一の基材表面に形成されていることを特徴とする。
前記不可視情報は、前記可変情報と関連付けられた基画像が不可視化されて生成されたものであり、前記基画像は少なくとも第1の色成分画像と第2の色成分画像とを有し、前記不可視情報が形成された領域には、前記第1の色成分画像に対応して形成された第1の潜像画線を含む第1のユニットと、前記第2の色成分画像に対応して形成された第2の潜像画線を含む第2のユニットが所定間隔で複数配置されているものであってもよい。
前記不可視情報は、通常の可視光下で肉眼により観察した場合に、前記第1の潜像画線と前記第2の潜像画線とが一様の濃度として視認され、前記第1の潜像画線と前記第2の潜像画線が抽出されて、前記第1の潜像画線が含まれる前記第1のユニットが前記第1の色成分画像に置き替えられ、前記第2の潜像画線が含まれる前記第2のユニットを前記第2の色成分画像に置き替えられると前記不可視情報が通常の可視光下で肉眼により視認されるものであってもよい。
本発明の偽造防止用印刷物の認証用ソフトウェアは、上記偽造防止用印刷物の認証方法を多機能端末又はコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明の偽造防止用印刷物、その製造方法、その認証方法及び認証用ソフトウェアによれば、偽造や変造を確実に防止するためより高度な認証を簡便に行うことが可能である。
本発明の一実施の形態による偽造防止用印刷物の構成を示す平面図。 本発明の一実施の形態による偽造防止用印刷物の製造方法を示すフローチャート。 本発明の一実施の形態による偽造防止用印刷物の認証に用いることが可能な多機能端末の構成を示すブロック図。 本発明の一実施の形態による偽造防止用印刷物の認証方法を示すフローチャート。 多機能端末を用いて、図1に示された偽造防止用印刷物のICメモリ、可視画像、不可視画像から可変情報を取得し照合することを示す説明図。 図4に示された認証方法に加えて、さらに外部記憶装置から可変情報を取得して認証する方法を示すフローチャート。 図6に示された方法により、多機能端末を用いて、図1に示された偽造防止用印刷物のICメモリ、可視画像、不可視画像のそれぞれから可変情報を取得し、さらに外部記憶装置から可変情報を取得して照合することを示す説明図。 図1に示された偽造防止用印刷物における不可視画像を構成する一ユニットの画線構成の第1の例を示す説明図。 同第1の例による画線構成を有する偽造防止用印刷物を製造する方法を示すフローチャート。 同第1の例による画線構成を有する偽造防止用印刷物における不可視画像から可視画像を取得する方法を示すフローチャート。 同第1の例による画線構成を有する不可視画像から抽出された3種類の潜像画線のそれぞれを白色、黒色及び橙色の画素領域に置き替えて可視画像を生成することを示した説明図。 図1に示された偽造防止用印刷物における不可視画像を構成する一ユニットの画線構成の第2の例を示す説明図。 図1に示された偽造防止用印刷物における不可視画像を構成する一ユニットの画線構成の第3の例において、不可視画像を肉眼で視認した状態を示す説明図。 同第3の例による画線構成を有する不可視画像を複写機で複写した状態を示す説明図。 同第3の例における画線構成を示す説明図。 図1に示された偽造防止用印刷物における不可視画像を構成する一ユニットの画線構成の第4の例を示す説明図。 同第4の例において、図16に示されたユニットがマトリクス状に配置された状態を示す説明図。 同第4の例において、真偽判別具としてのレンチキュラーレンズを偽造防止用印刷物上に配置して観察する状態を示す斜視図。 同第4の例において、レンチキュラーレンズを一方向に沿って偽造防止用印刷物上に配置したときの画線の配置とレンチキュラーレンズの方向性との関係、及び拡大される画線を示した説明図。 同第4の例において、レンチキュラーレンズを一方向に沿って偽造防止用印刷物上に配置したときの画線の配置とレンチキュラーレンズの方向性との関係、及び拡大される画線を示し、図19に示された画線とはネガ・ポジ関係が反転された状態を示す説明図。 図19に示された状態で視認される不可視画像と、図20に示された状態で視認されるネガ・ポジ関係が反転された不可視画像とを示した説明図。 同第4の例において、レンチキュラーレンズを同一方向に直交する他の方向に沿って偽造防止用印刷物上に配置したときの画線の配置とレンチキュラーレンズの方向性との関係、及び拡大される画線を示した説明図。 同第4の例において、レンチキュラーレンズを同他の方向に沿って偽造防止用印刷物上に配置したときの画線の配置とレンチキュラーレンズの方向性との関係及び拡大される画線を示し、図22に示された画線とはネガ・ポジ関係が反転された状態を示す説明図。 図22に示された状態で視認される不可視画像と、図23に示された状態で視認されるネガ・ポジ関係が反転された不可視画像とを示した説明図。
本発明の一実施の形態による偽造防止用印刷物、その製造方法、その認証方法及び認証用ソフトウェアについて、図面を参照して説明する。
本発明の一実施の形態による偽造防止用印刷物の構成を図1に示す。
偽造防止用印刷物10は、ICメモリ11、可視画像12、不可視画像13を、カード等であればプラスティック等の基材の同一券面又は同一面、冊子等であれば紙等の基材の同一面又は同一頁に備えている。
ICメモリ11は、顔画像、生年月日、性別、住所等の個人情報等、個々に異なる可変情報を格納する。可視画像12は、ICメモリ11に格納された可変情報と関連付けられた顔画像等の可変情報を可視化した可視画像である。不可視画像13は、ICメモリ11に格納された可変情報と関連付けられた顔画像等の可変情報を、通常の可視光下において肉眼で視認することができないように不可視化した不可視画像である。顔画像等の可視画像を不可視化する具体的な手法については、後述する。ICメモリ11は、基材の同一面に備えていれば、端子等の一部が露出する構成でも良い。
なお、ここでいう「可変情報」とは基材に一旦付与したICメモリ、可視画像、不可視画像を更に変更することが可能な意味での「可変」ではなく、個人情報等の個別情報が印刷物ごとに変更された情報が付与されることを意味するものである。
本発明の一実施の形態による偽造防止用印刷物の製造方法について、図2を参照して説明する。
ステップS11として、個人情報等の可変情報を格納した図示されていない記憶装置から、図示されてない製造装置が可変情報を取得する。ステップS12として、可変情報をICメモリ11に格納する。ステップS13として、可変情報を用いて、顔画像等、可視化した可視画像を作成する。ステップS14として、作成した可視画像を、ICメモリ11が形成された同一の基材表面に印刷技術等を用いて形成する。ステップS15として、可変情報を用いて、顔画像等、不可視化した不可視画像を作成する。ステップS16として、作成した不可視画像をICメモリ11、可視画像が形成された同一の基材表面に印刷技術等を用いて形成する。
本発明の一実施の形態による偽造防止用印刷物の認証方法について説明する。
図3を参照し、認証に用いるスマートフォン等の多機能端末20について説明する。多機能端末20は、撮像部21、ICメモリ読取部22、無線ネットワーク接続部23、演算部24、画像表示部25、音声入出力部26を備えている。
撮像部21は、偽造防止用印刷物10における可視画像12、不可視画像13を撮影して画像情報を取得する。ICメモリ読取部22は、ICメモリ11に格納されている顔画像等を含む個人情報等の可変情報を無線で読み取る。無線ネットワーク接続部23は、ネットワークに接続された図示されていない外部記憶装置等と無線で接続する。演算部24は、撮像部21、ICメモリ読取部22、無線ネットワーク接続部23と接続し、それぞれの動作を制御すると共に、後述する認証に必要な動作を行う。画像表示部25は、演算部24が生成した認証結果等の画像情報を表示する。音声入出力部26は、必要に応じて音声情報を入力して演算部24に出力し、あるいは演算部24から音声情報を与えられて出力する。
本発明の一実施の形態による偽造防止用印刷物の認証方法は、このような多機能端末20を用いて、図4に示された手順で認証を行う。
ステップS21として、偽造防止用印刷物10におけるICメモリ11に格納されている可変情報をICメモリ読取部22によって無線で読み取り、演算部24によって第1の可視画像を生成する。
ステップS22として、ICメモリ11と同一の基材表面に形成された不可視画像13が撮像部21によって撮像され、演算部24によって第2の可視画像が生成される。
ステップS23として、ICメモリ11、不可視画像13と同一の基材表面に形成された可視画像12が撮像部21によって撮像され、演算部24によって第3の可視画像が生成される。ここで、図5に示されたように、演算部24から第1の可視画像25Aと第2の可視画像25Bが画像表示部25に与えられて、多機能端末20における画像表示部25において画像表示される。あるいは、第1の可視画像25A及び第2の可視画像25Bに加えて、さらに第3の可視画像を画像表示してもよい。
ステップS24として、演算部24において第1の可視画像と第2の可視画像とを比較照合して両者は同一の可変情報であるか否かを判断し、偽造防止用印刷物10の認証を行う。あるいは、第1の可視画像25Aと第2の可視画像25Bとの照合に加えて、さらに第1の可視画像25Aと第3の可視画像とを照合して認証を行う。
ステップS25として、演算部24が生成した第1の認証結果が画像表示部25に与えられて画像表示され、必要に応じて音声入出力部26に与えられて音声出力される。
図6に示された本発明の他の実施の形態による偽造防止用印刷物の認証方法では、図4に示された認証方法における偽造防止用印刷物10の同一の基材表面に形成されたICメモリ11、可視画像12、不可視画像13を用いた自己完結型の照合に加えて、多機能端末20と無線によるネットワーク接続が可能な外部記憶装置に格納された可変情報を用いて照合を行う。
ステップS31~S34における動作は図4に示されたステップS21~S24と同様であり、これにより第1の認証結果を出力する。
さらにステップS35において、図7に示されたように、多機能端末20における無線ネットワーク接続部23とネットワーク接続された外部記憶装置40から可変情報を取得し、演算部24に出力する。演算部24は、この可変情報を用いて第4の可視画像を生成する。ここで、演算部24から第1の可視画像と第4の可視画像が画像表示部25に与えられて、多機能端末20における画像表示部25において画像表示される。あるいは、第1の可視画像及び第4の可視画像に加えて、さらに第2の可視画像、第3の可視画像を画像表示してもよい。このように、偽造防止用印刷物10と多機能端末20とで自己完結的に閉じられた空間30のみならず、外部記憶装置40に格納された可変情報を用いることで、より高精度な認証を行うことができる。
ステップS36において、演算部24により第1の可視画像と第4の可視画像とを照合し、偽造防止用印刷物10に形成された可変情報と外部記憶装置に格納された可変情報とが同一か否かを判断して第2の認証結果を出力する。この第2の認証結果は画像表示部25により画像表示され、必要に応じて音声入出力部26により音声出力される。
a)不可視画像の第1の例
偽造防止用印刷物10に形成された不可視画像13の第1の例について説明する。この不可視画像の技術は、本願と同一出願人による特許第6976527号公報で記載された技術に関連するものである。
偽造防止用印刷物10は、図1に示されたように基材の少なくとも一部に不可視画像13を形成するための印刷領域を有し、この印刷領域には以下に説明する画線構成を有するユニットが所定間隔で複数規則的に配置されている。
図8(a)、(b)及び(c)に不可視画像13の画線構成を示し、図8(a)に示された第3のユニット101は潜像画線111を有し、図8(b)に示された第2のユニット102は潜像画線112を有し、図8(c)に示された第1のユニット103は潜像画線113を有する。第3のユニット101、第2のユニット102、第1のユニット103は同一の形状と大きさを有し、縦横の寸法uは、0.18mm乃至0.50mmの範囲内にある。縦横の寸法uが0.50mmを超えると視認されやすくなり不可視画像の秘匿性が低くなり、0.18mmより小さいとプリンタ等による潜像画線の形成が困難となる。また、プリンタの描画性能を考慮して縦横ともに5画素以上で構成するのが好ましい。
第3のユニット101、第2のユニット102、第1のユニット103にそれぞれ設けられた潜像画線111、112、113の幅vは、ユニットの寸法uの1/5~1/10の範囲内が望ましい。例えば、ユニットの寸法uが0.423mmの場合、潜像画線111、112、113の幅vは0.40~0.85mmとなる。潜像画線111、112、113の幅vがユニットの寸法uの1/5より太い場合、不可視画像が視認されやすくなる。潜像画線111、112、113の幅vがユニットの寸法uの1/10より細いと、潜像画線111、112、113を読み取って不可視画像を再現することが困難となる。なお、潜像画線111、112、113は、形状及び大きさが同一であり配置される角度が相互に異なる。
なお、上述したユニットの縦横寸法、画素数、潜像画線の幅等は、現在の一般的な技術範囲であり、技術の進歩によって変化することは言うまでもなく、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図9に、可視画像から、第3のユニット101、第2のユニット102、第1のユニット103を有する不可視画像を生成する手順を示す。
ステップS41として、不可視画像の基画像データ121を用意し、図示されないコンピュータ等の製造装置に入力された基画像データ121を色分解する。
例えば、基画像データ121として、記憶装置に格納された顔画像の24bitRGB画像データである基画像データ121を用意する。本実施の形態では、図9に示されたように顔画像データを用いているが顔画像には限定されず、可変情報として設定された記号、数字、イラスト、風景等、あらゆる画像を用いることができる。
また、本実施の形態では、一例として、基画像データ121を特色分解により橙色成分画像データ131と黒色成分画像データ132とに分解している。しかしながら、特色分解には限定されず、RGB色分解やCMY色分解等、任意の複数の色に分解することができる。
ステップS42として、ステップS41で得られた橙色成分画像データ131及び黒色成分画像データ132を、画像解像度60dpiに変換し、更に、誤差拡散ディザにより2階調化した橙色成分階調画像データ141と黒色成分階調画像データ142とを生成する。これにより、橙色成分階調画像データ141と黒色成分階調画像データ142は、それぞれ8bitから1bitに変換される。なお、この画像解像度を60dpiに変換する理由は、ステップS44において後述する。また、変換する画像解像度については、比較的粗い解像度に変換できればよく、60dpiには限定されない。
ステップS43として、橙色成分階調画像データ141を橙色に着色し黒色成分階調画像データ142を黒色に着色して、橙色成分画像データ151、黒色成分画像データ152を生成する。また、得られた橙色成分画像データ151、黒色成分画像データ152の画像解像度を600dpiに変換する。また、600dpiに変換して得られた橙色成分画像データ151及び黒色成分画像データ152を合成して、図9に示されたような疑似的にカラー画像を表現している疑似カラー画像データ161を得る。
ステップS43では橙色成分画像データ151及び黒色成分画像データ152を600dpiに変換した後に二つのデータを合成しているが、二つのデータを合成した後に600dpiに変換してもよい。また、橙色成分画像データ151及び黒色成分画像データ152の画像解像度の変換については、600dpiには限定されず、ステップS42における解像度より細かい解像度であれば任意の解像度でよい。
また、ステップS42において、画像解像度を一旦60dpiに変換して2階調化を行い、ステップS43において再度600dpiに変換する理由は、不可視画像として図9に示された写真のような滑らかな階調表現の画像から、画素の粗密が荒く、いわゆるモザイク状の多階調化された画像を得るためである。
ステップS44として、疑似カラー画像データ161における白色成分画像211に第3のユニット102を適用する。ここで、第3のユニット101、第2のユニット102、第1のユニット103は、上述したようにそれぞれ角度が異なる潜像画線を有し、臨界値配列画像の1つの単位に相当する。なお、臨界値配列画像とは、印刷用の網点を創出する基本パターンであり、Adobe(登録商標)社のPostScript(登録商標)リファレンスマニュアルにて定義されている連続階調表現方法の一つである。
なお、ここでは第3のユニット101、第2のユニット102、第1のユニット103の形状を正方形として説明しているが、第3のユニット101、第2のユニット102、第1のユニット103の形状は、長方形、六角形あるいはその他の多角形でもよい。例えば四角形とした場合、縦横マトリックス状に隙間なく配置されてもよく、あるいはレンガ状に隙間なく配置されてもよい。
ここで、潜像画線111~113を上記のように構成したのは、多機能端末20による読み取り効率を高めるためである。すなわち偽造防止用印刷物10における不可視画像13を読み取り対象として、多機能端末20における撮像部21により不可視画像13を読み取って可視化させる際に、潜像画線111、112、113の抽出を簡易且つ確実に行う必要がある。上述のように潜像画線111、112、113を読み取り易く構成することで、多機能端末20による読み取り効率を高めることができる。
なお、上記偽造防止用印刷物10ではユニットを3種類の第3のユニット101、第2のユニット102、第1のユニット103で構成しているがユニット数は限定されず、2種類あるいは4種類以上のユニットで構成してもよい。
ここで、疑似カラー画像データ161への第3のユニット101、第2のユニット102、第1のユニット103の適用について説明する。疑似カラー画像データ161に含まれる三色のうちの白色画素領域に対して第3のユニット101を適用させて第1の疑似カラー画像データを生成する。
次に、第1の疑似カラー画像データに含まれる黒色画素領域に対して第2のユニット102を適用させて第2の疑似カラー画像データを生成する。さらに、第2の疑似カラー画像データに含まれる橙色画素領域に対して第1のユニット103を適用させて臨界値配列画像データ171を生成する。
このように、白色、黒色及び橙色の画素領域を含む疑似カラー画像データ161に対し各々の色の画素領域をそれぞれ対応する第3のユニット101、第2のユニット102、第1のユニット103に置き替えることで、図9に示されたような臨界値配列画像データ171を生成する。
なお、図9におけるステップS44において示された臨界値配列画像161aは、疑似カラー画像データ161に含まれる白色の画素領域に第3のユニット101を適用した画像データであり、臨界値配列画像161aは、疑似カラー画像データ161に含まれる黒色の画素領域に第2のユニット102を適用した画像データであり、臨界値配列画像161cは、疑似カラー画像データ161に含まれる橙色の画素領域に第1のユニット103を適用した画像データに相当する。
すなわち、第3のユニット101、第2のユニット102、第1のユニット103は、疑似カラー画像データ161に含まれる三色のそれぞれに適用する画像であり、疑似カラー画像データ161の各色が第3のユニット101、第2のユニット102、第1のユニット103に置き換わった画像データ、言い換えれば第3のユニット101、第2のユニット102、第1のユニット103を合成した画像データが臨界値配列画像データ171に相当する。
生成された臨界値配列画像データ171を印刷した偽造防止用印刷物10には不可視画像13が形成されており、偽造防止用印刷物10を目視で視認しても不可視画像13は視認されない。後述するように、多機能端末20により偽造防止用印刷物10の画像情報を取得して不可視画像13を構成する構成要素に相当する第3のユニット101、第2のユニット102、第1のユニット103を抽出して着色することで、不可視画像13を可視化させることができる。
不可視画像13を可視化して可視画像を生成する手順について、図10を参照して説明する。
ステップS51として、不可視画像13を構成する潜像画線111~113の局所的特徴としてエッジを検出して抽出する。
ステップS52として、抽出した潜像画線111~113を着色する。すなわち、潜像画線111~113のいずれかを含んでいるユニット101~103を、図11に示されたそれぞれ対応する白色成分画像211、黒色成分画像212、橙色成分画像213のいずれかに置き換えて着色し3つの画像を生成する。
ステップS53として、3つの画像を合成して可視画像を生成する。ここで、潜像画線111~113の特異点すなわち局所的特徴の抽出には、潜像画線111~113の局所的特徴として一方のエッジを強調することができる微分フィルタを用いる。
なお、微分フィルタには、例えば、プレヴィットフィルタやソーベルフィルタを利用してもよい。また、カーネルサイズは、各々のユニットの縦横のピクセル数や多機能端末20のカメラやスキャナ等の機能の性能等によって適正なサイズを決定することが望ましい。
本実施の形態における偽造防止用印刷物10には、例えば顔画像を基画像とする不可視画像13が形成されている。このような不可視画像13に含まれている潜像画線111~113の抽出には、例えば以下の数式1で表される微分フィルタを用いる。
Figure 2024017435000002
上述したように、図10におけるステップS51として、偽造防止用印刷物10を多機能端末20の撮像部21によって読み取る際に、潜像画線111~113のそれぞれの上側のエッジを抽出する。図10に示されたように、上述した微分フィルタを用いて潜像画線111~113の上側のエッジを検出する。
潜像画線111の読み取りには、例えば以下の数式2で表される微分フィルタを用いる。
Figure 2024017435000003
潜像画線112の読み取りには、例えば以下の数式3で表される微分フィルタを用いる。
Figure 2024017435000004
潜像画線113の読み取りには、例えば以下の数式4で表される微分フィルタを用いる。
Figure 2024017435000005
なお、本実施の形態ではエッジ検出のために微分フィルタを用いているが、微分フィルタには限定されず、画線が抽出できればよい。また、画線の読取の際には、多機能端末20の撮像部21を用いる場合に、カメラ機能としての動画モード、静止画モードのいずれで読取ってもよい。
上述したように、潜像画線111を抽出することによって画像181が生成され、潜像画線112を抽出することによって画像182が生成され、潜像画線113を抽出することによって画像183が生成される。
そして、ステップS52として、抽出された潜像画線111を含むユニット101を白色成分画像211に変換することで画像191が生成され、抽出された潜像画線112を含むユニット102を黒色成分画像212に変換することで画像192が生成され、潜像画線113を含むユニット103を橙色成分画像213に変換することで画像193が生成される。
図10におけるステップS53、また拡大して示す図11において、画像191、192を合成して、不可視画像13が生成される。
ここで、潜像画線111~113のエッジを検出することで潜像画線111~113を抽出する意義について説明する。潜像画線111~113の上側のエッジのみを検出し、他の領域、例えば下側のエッジを敢えて検出しないことにより、潜像画線111~113以外の領域に存在する例えば印刷よごれ等の何らかのノイズに影響されずに、確実に潜像画線111~113を抽出して可視化することが可能となる。
b)不可視画像の第2の例
偽造防止用印刷物10に形成された不可視画像13の第2の例について説明する。この技術は、本願と同一出願人による特許第3544536号公報により提案されたものである。
上述したように、偽造防止用印刷物10は、図1に示されたように基材の少なくとも一部に不可視画像13を形成するための印刷領域を有し、この印刷領域には以下に示す複数のユニットが所定間隔で規則的に配置されている。
図12に示されたように、各々のユニットは1つの第1の領域301と、この第1の領域301に隣接する1つの第2の領域302とを有する。第1の領域301は、第2の領域302よりも面積が大きく設定されている。第1の領域301は、赤外線吸収性色素を含まないシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各インキが用いられて形成されており、例えば画像P1のような可視画像12を構成する。
第2の領域302は、赤外線吸収性色素を含むブラックインキを用いて形成された第2aの領域302aと、赤外線吸収性色素を含まない黒色系インキを用いて形成された第2aの領域302aとを有する。例えば、第2aの領域302aは、カーボンを含むブラックインキ(Bk)が用いられて形成され、第2bの領域302bは、カーボンを含まないシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインキが用いられて形成される。
そして、第2aの領域302aと第2bの領域302bの面積比率に応じて、第2aの領域302aによって階調性を有する、例えば画像P2のような不可視画像13を構成することができる。第2aの領域302aにより構成される不可視画像13は、赤外線を用いる赤外線カメラ(IRカメラ)を用いることで、階調性を有する画像として視認することができる。通常の可視光下で肉眼により観察した場合は、第2aの領域302aと第2bの領域302bとはほぼ同一の黒色で視認されるため両者の区別がつかず、第2aの領域302aにより構成される不可視画像13は視認されない。
c)不可視画像の第3の例
偽造防止用印刷物10に形成された不可視画像13の第3の例について説明する。この技術は、本願と同一出願人による特許第6394975号公報により提案され、複写機により不正に複写した場合に、通常の可視光下で肉眼では視認されたかった不可視画像が複写物上に現れて容易に複写物であることが判別されるものであり、このような技術を本発明の不可視画像13の形成に用いることができる。
上述したように、偽造防止用印刷物10は、図1に示されたように基材の少なくとも一部に不可視画像13を形成するための印刷領域を有する。この印刷領域には、図15を用いて後述する画線構成を有するユニットが所定間隔で規則的に配置されている。
図13に示されたように、偽造防止用印刷物10の基材上に不可視画像を含む印刷模様402が形成されている。この印刷模様402には、複写時に再生が可能な寸法を有する第1の画線403と、第1の画線より小さく、複写時に再生が不可能な寸法を有する第2の画線404とが形成されている。
第1の画線403は、規則的に一定ピッチで形成された万線パターンを有し、不可視画像13を形成する濃淡画像に合わせて第1の画線403の画線幅を形成することで不可視画像13が形成される。
第2の画線404は、規則的に一定ピッチで形成された第1の画線403に近接する位置に配置された複数の画線によって形成され、所定の領域(後述するユニットU)において第1の画線403と第2の画線404とを合計した画線面積率が一定になるように、不可視画像13の階調を表現する第1の画線403の画線幅の増減に応じて画線面積率を変化させて形成される。
すなわち、任意の領域において、第1の画線403の画線幅が小さい場合はこの第1の画線403に近接する第2の画線404の画線幅が大きく形成され、第1の画線403の画線幅が大きい場合はこの第1の画線403に近接する第2の画線404の画線幅が大きく形成される。
第2の画線404は、複写機により再生が不可能な画線として形成される必要がある。このため各々の画線の間隔を一定距離以上離して規則的に形成されることが望ましい。これは、第2の画線404の間隔が一定距離に満たない場合には、複写機により隣接する第2の画線404を複写した場合に二つ離れて形成された第2の画線404として検出されず、二つの第2の画線404の合計面積率を有する1本の画線として検出されることとなる。この結果、第2の画線404を再生不可能な画線とすることができなくなるためである。
図14に、偽造防止用印刷物10を複写した複写物406を示す。複写物406における複写模様405において、第1の画線403の画線幅の増減により形成された不可視画像13が可視化される。これは、複写機により再生されない寸法で形成された第2の画線404が複写物406では消失するため、特定の領域内において通常の可視光下において肉眼では同一濃度で観察されていた状態が維持されなくなり、不可視画像13の濃淡を表現する第1の画線403の濃度差がそのまま再現されて、複写模様405が可視化されることにある。なお、図14において第2の画線404が点線で示されているが、実際の複写物406では第2の画線404は消失し、第1の画線403のみが再現される。
図15を参照し、この第3の例における画線ユニットUにおける画線構成について説明する。各々のユニットUにおいて、一対の関係で形成される、第1の画線403が配置される潜像領域Aと、第2の画線404が配置されるカムフラージュ領域Bとを有し、全てのユニットUにおいて、第1の画線403と第2の画線404の画線面積の合計値が同一となるように形成されている。これにより、全てのユニットUにおける濃度が一定となり、印刷模様402の濃度が一定となり不可視画像13を隠蔽することができる。
なお、当該例においては複写機により不正に複写した場合に、通常の可視光下で肉眼では視認されたかった不可視画像が複写物上に現れる例を示したが、多機能端末による読取が可能である。
d)不可視画像の第4の例
偽造防止用印刷物10に形成された不可視画像13の第4の例について説明する。この技術は、本願と同一出願人による特許第4635160号公報や特許第6016167号公報により提案され、レンチキュラーレンズを用いて不可視画像13を可視化させるものである。本明細書中においては、特許第4635160号公報の構成についてのみ説明する。
図16に、不可視画像13に含まれる一ユニットの画線構成を部分的に拡大して示す。縦横の寸法Sは、例えば340μmというように1mm以下の大きさである。このようなユニットがマトリクス状に規則的に配置されている。
画線Aと画線A’とは対を成しており、相互にネガ・ポジの関係にある。すなわち、一方が黒(オン)のときは他方は白(オフ)、一方が有着色のときは他方は無着色であって、双方がともに例えば黒(オン)、あるいは双方とも白(オフ)であることはない。
そして、画線Aと画線A’とは面積が同一であり、このような画線AとA’とが存在することによって通常の可視光下において肉眼で視認されず、レンチキュラーレンズを用いると画線Aのみが拡大されて一方の不可視画像(ネガ又はポジ)、画線A’のみが拡大されて他方の不可視画像(ポジ又はネガ)が視認される。
なお、画線Cはデザイン性を持たせるための可視画像を構成するものであり、通常の可視光下において肉眼により視認される。しかし、必ずしも設ける必要はない。
また、画線Aと画線A’、画線Bと画線B’とは、図16の四角形内において、縦軸方向に沿って円形の画線Aと画線A’とを長さSの約半分の長さを有するように配置しており、横軸方向に沿って円形の画線Bと画線B’とを長さSの約半分の長さを有するように配置している。
このような画線構成を有するユニットがマトリクス状に隙間なく、連続的かつ規則的に配置すると図17に示されるようである。画線Aの総画線面積と画線A’の総画線面積とが等しく、それぞれ対になっているもの同士がネガ・ポジの関係にあり、同様に画線Bの総画線面積と画線B’の総画線面積とが等しく、それぞれ対になっているもの同士がネガ・ポジの関係にあることによって、不可視画像が通常の可視光下において肉眼で視認されない状態になっている。
このような画線構成を有する不可視画像に対して、図18に示されるようにレンチキュラーレンズ502を載置して目視により観察すると、そのレンチキュラーレンズ502の各レンズの方向性と、後述する画線A、A’、B、B’の4つの方向性のいずれかが一致した場合に、画線A及びA’から成る不可視画像、又は画線B及びBから成る不可視画像が可視化される。以下に、不可視画像のネガ・ポジが反転するスイッチ効果の原理について説明する。
図16に示されたように、ユニットには、画線Aの中心を通過する横方向の線L1、画線A’の中心を通過する横方向の線L2、画線Bの中心を通過する縦方向の線L3,画線B’の中心を通過する縦方向の線L4が存在する。
図19(a)に示されたように、レンチキュラーレンズ502の各レンズの中心線507が画線Aの中心である線L1に一致するように載置した場合、図19(b)に示されたように画線Aが拡大され、図21(a)に示されたように画線Aにより構成された不可視画像が視認される。
図20(a)に示されたように、レンチキュラーレンズ502の各レンズの中心線507が画線A’の中心である線L2に一致するようにレンチキュラーレンズ502を縦軸方向に沿って移動させて載置した場合、図20(b)に示されたように、画線A’が拡大され、図21(b)に示されたように画線A’により構成された不可視画像が視認される。この場合、図21(a)、(b)に示されたように、ネガ・ポジが反転されて不可視画像が視認される。
同様に、図22(a)に示されたように、レンチキュラーレンズ502の各々のレンズの中心線507が画線Bの中心である線L3に一致するように載置した場合、図22(b)に示されたように画線Bが拡大され、図24(a)に示されたように画線Bにより構成された不可視画像が視認される。
図23(a)に示されたように、レンチキュラーレンズ502の各々のレンズの中心線507が画線B’の中心である線L4に一致するようにレンチキュラーレンズ502を横軸方向に沿って移動させて載置した場合、図23(b)に示されたように画線B’が拡大され、図24(b)に示されたように画線B’により構成された不可視画像が視認される。この場合、図24(a)、(b)に示されたように、ネガ・ポジが反転されて視認される。
このように、通常の可視光下では肉眼により視認されないが、レンチキュラーレンズ502の載置方向並びに載置位置に応じて、画線Aにより構成された不可視画像、画線A’により構成された不可視画像、画線Bにより構成された不可視画像、画線B’により構成された不可視画像のいずれかが可視化される。
なお、当該例においてはレンチキュラーレンズを用いて不可視画像13を可視化させる例を示したが、多機能端末による読取が可能である。
上述した本発明の実施の形態による偽造防止用印刷物、その製造方法、その認証方法及び認証用ソフトウェアによれば、変造、偽造を防止できるより高度な認証を簡便に行うことが可能である。
また、可視画像あるいはICメモリに格納された可変情報よりも変造が困難な不可視画像と、可視画像より変造が困難なICメモリに格納された可変情報とを照合することにより、巧妙な変造、偽造、なりすまし等に対してもより信頼性の高い認証を行うことができる。
前述のような本発明の偽造防止用印刷物の認証方法は、上述したように多機能端末、又は多機能端末に限定されず、撮像機能を有するあるいは撮像された画像を取得し得るコンピュータにより実行されるソフトウェアで具現化され、コンピュータで読出し可能な形態で記録媒体(CD-ROM、 RAM 、 ROM、フロッピーディスク、ハードディスク、光磁気ディスクなど)に保存され得る。このような過程は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるため、これ以上の説明は省略する。
本発明の一実施の形態について説明したが、この実施の形態は一例として提示したものであり、発明の技術的範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施の形態やその変形は、発明の技術的範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、ICメモリ11は、偽造防止印刷物10の内部に埋め込む構成とすることも可能である。また、上記実施の形態における第1の例による不可視画像では、橙色成分、黒色成分、白色成分の三色に色分解しているが、分解する色成分の数は限定されず2色以上に分解したものであればよい。さらには、この不可視画像を構成する少なくとも2つ以上の臨界値配列画像は全て同一色であることが不可視画像の秘匿性の観点から望ましいが、必ずしも同一色には限られない。
10 偽造防止用印刷物
11 ICメモリ
12 可視画像
13 不可視画像
20 多機能端末
21 撮像部
22 ICメモリ読取部
23 無線ネットワーク接続部
24 演算部
25 画像表示部
25A 第1の可視画像
25B 第2の可視画像
26 音声入出力部
40 外部記憶装置
101 第1のユニット
102 第2のユニット
103 第3のユニット
111、112、113 潜像画線
121 基画像データ
131 橙色成分画像データ
132 黒色成分画像データ
141 橙色成分階調画像データ
142 黒色成分階調画像データ
151 橙色成分画像データ
152 黒色成分画像データ
161 疑似カラー画像データ
161a、161b、161c 臨界値配列画像
171 臨界値配列画像データ
181、182、183、191、192、193、201 画像
211 白色成分画像
212 黒色成分画像
213 橙色成分画像
301 第1の領域
302 第2の領域
302a 第2aの領域
302b 第2bの領域
402 印刷模様
403 第1の画線
404 第2の画線
405 複写模様
406 複写物

Claims (12)

  1. 偽造防止用印刷物であって、
    可変情報を格納したICメモリと、
    前記可変情報と関連付けられた可視情報と、
    前記可変情報と関連付けられた不可視情報と、
    を備え、
    前記ICメモリと、前記可視情報と、前記不可視情報とは、前記偽造防止用印刷物における同一の基材表面に形成されていることを特徴とする偽造防止用印刷物。
  2. 前記不可視情報は、前記可変情報と関連付けられた基画像が不可視化されて生成されたものであり、前記基画像は少なくとも第1の色成分画像と第2の色成分画像とを有し、
    前記不可視情報が形成された領域には、前記第1の色成分画像に対応して形成された第1の潜像画線を含む第1のユニットと、前記第2の色成分画像に対応して形成された第2の潜像画線を含む第2のユニットとが所定間隔で複数配置され、前記第1のユニット、前記第2のユニットは、それぞれ少なくとも1本の線から成る前記第1の潜像画線、前記第2の潜像画線を有し、前記第1の潜像画線と前記第2の潜像画線とは、一つのユニット内における画線面積率が同一でありかつ角度又は形状が相互に異なることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止用印刷物。
  3. 前記不可視情報が形成された領域には、1つの第1の領域と、前記第1の領域に隣接する1つの第2の領域とが複数組配置され、
    各々の前記第2の領域の周囲が複数の前記第1の領域により囲まれ、前記第1の領域は前記第2の領域より面積が大きく、
    前記第2の領域は、赤外線吸収性色素を含むインキを用いて構成された黒色系の第2aの領域と、赤外線吸収性色素を含まないインキを用いて構成された黒色系の第2bの領域とを有し、
    各々の前記第2の領域における前記第2aの領域と前記第2bの領域との比率に応じて、複数の前記第2の領域における前記第2aの領域により階調画像が構成されていることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止用印刷物。
  4. 前記不可視情報が形成された領域には、潜像領域とカムフラージュ領域とを有するユニットが所定間隔で複数配置されており、
    前記潜像領域には、第1の画線が形成されており、
    前記カムフラージュ領域には、前記第1の画線よりも寸法が小さく、前記第1の画線よりも読み取りあるいは複製が困難である第2の画線が形成されており、
    各々の前記ユニットに形成された前記第1の画線と前記第2の画線の合計面積が、各々の前記ユニットにおいて同一となるように形成されており、
    前記潜像領域に形成された前記第1の画線の面積の大小に応じて連続階調を有する前記不可視情報が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の偽造防止用印刷物。
  5. 前記不可視情報が形成された領域には、第1の方向に沿って、中心を境に対向するように配置された第1の画線及び第2の画線と、
    前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って、前記中心を境に対向するように配置された第3の画線及び第4の画線と、
    を有するユニットが所定間隔で複数配置されており、
    各々の前記ユニットにおける前記第1の画線と前記第2の画線とはネガ・ポジの関係にあり、かつ面積が同一であり、前記第1の画線により第1の不可視画像のポジ画像又はネガ画像が形成され、前記第2の画線により前記第1の不可視画像のネガ画像又はポジ画像が形成され、
    各々の前記ユニットにおける前記第3の画線と前記第4の画線とはネガ・ポジの関係にあり、かつ面積が同一であり、前記第3の画線により第2の不可視画像のポジ画像又はネガ画像が形成され、前記第4の画線により前記第2の不可視画像のネガ画像又はポジ画像が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の偽造防止用印刷物。
  6. 偽造防止用印刷物の製造方法であって、
    可変情報を取得するステップと、
    前記可変情報をICメモリに格納するステップと、
    前記ICメモリを、前記偽造防止用印刷物の基材表面に形成するステップと、
    前記可変情報と関連付けられた可視情報を、前記偽造防止用印刷物の基材表面に形成するステップと、
    前記可変情報と関連付けられた不可視情報を、前記偽造防止用印刷物の基材表面に形成するステップと、
    を備え、
    前記ICメモリと、前記可視情報と、前記不可視情報とは、前記偽造防止用印刷物における同一の基材表面に形成されることを特徴とする偽造防止用印刷物の製造方法。
  7. 前記不可視情報を作成するため、前記可変情報と関連付けられた基画像を取得するステップと、
    前記基画像を少なくとも第1の色成分と第2の色成分とに色分解を行い、第1の色成分画像と第2の色成分画像とを生成するステップと、
    前記第1の色成分画像と前記第2の色成分画像とに誤差拡散ディザを行い、2階調化した第1の階調画像と第2の階調画像とを生成するステップと、
    前記第1の階調画像を前記第1の色成分で着色し、前記第2の階調画像を前記第2の色成分で着色して合成し、疑似カラー画像を生成するステップと、
    前記疑似カラー画像に対し、前記第1の色成分を第1の潜像画線を含む第1の臨界値配列画像に置き換え、前記第2の色成分を第2の潜像画線を含む第2の臨界値配列画像に置き換えて、前記不可視情報を生成するステップと、
    を備え、
    前記第1の臨界値配列画像、前記第2の臨界値配列画像のいずれか一つをそれぞれ含む複数のユニットが所定間隔で配置され、
    前記第1の潜像画線と前記第2の潜像画線とは、形状及び大きさが同一であり、かつ配置される角度が相互に異なることを特徴とする請求項6に記載の偽造防止用印刷物の製造方法。
  8. 請求項1に記載された偽造防止用印刷物の認証方法であって、
    多機能端末により、前記不可視情報から前記可変情報と関連付けられた情報を読み取るステップと、
    前記多機能端末により、前記可視情報から前記可変情報と関連付けられた情報と前記ICメモリに格納されている前記可変情報との少なくともいずれか一方を読み取るステップと、
    多機能端末により、前記不可視情報から読み取った前記可変情報と関連付けられた情報と、前記ICメモリから読み取った前記可変情報と前記可視情報から読み取った前記可変情報と関連付けられた情報との少なくともいずれか一方とを照合するステップと、
    を備えることを特徴とする偽造防止用印刷物の認証方法。
  9. 前記不可視情報から前記可変情報と関連付けられた情報を読み取るステップと、前記可視情報から前記可変情報と関連付けられた情報と前記ICメモリに格納されている前記可変情報との少なくともいずれか一方を読み取るステップは、前記偽造防止用印刷物における前記同一の基材表面に対し、前記多機能端末を用いて行うことを特徴とする請求項8に記載の偽造防止用印刷物の認証方法。
  10. 前記多機能端末により、前記多機能端末とネットワーク接続が可能な記憶装置に格納された情報と、前記ICメモリから読み取った前記可変情報と、前記可視情報から読み取った前記可変情報と関連付けられた情報とのうち少なくともいずれか一方とを照合するステップをさらに備えることを特徴とする請求項8又は9に記載の偽造防止用印刷物の認証方法。
  11. 前記不可視情報は、前記可変情報と関連付けられた基画像が不可視化されて生成されたものであり、少なくとも第1の色成分画像と第2の色成分画像とを有し、
    前記不可視情報が形成された領域には、前記第1の色成分画像に対応して形成された第1の潜像画線を含む第1のユニットと、前記第2の色成分画像に対応して形成された第2の潜像画線を含む第2のユニットとが所定間隔で複数配置されており、
    前記第1の潜像画線と前記第2の潜像画線とは、形状及び大きさが同一であり、かつ配置される角度が相互に異なり、
    前記偽造防止用印刷物の認証方法は、
    前記偽造防止用印刷物に配置された前記第1のユニットに含まれる前記第1の潜像画線と前記第2のユニットに含まれる前記第2の潜像画線とを検出するステップと、
    検出した前記第1の潜像画線を有する前記ユニットを前記第1の色成分画像に置き換え、検出した前記第2の潜像画線を有する前記ユニットを前記第2の色成分画像に置き換えて合成することで前記不可視情報を可視化して、前記可変情報と関連付けられた情報を読み取るステップと、
    を備えることを特徴とする請求項8又は9に記載の偽造防止用印刷物の認証方法。
  12. 偽造防止用印刷物の認証用ソフトウェアであって、
    請求項8又は9に記載の偽造防止用印刷物の認証方法を多機能端末又はコンピュータに実行させることを特徴とする偽造防止用印刷物の認証用ソフトウェア。
JP2022120066A 2022-07-28 2022-07-28 偽造防止用印刷物、その製造方法、その認証方法及び認証用ソフトウェア Pending JP2024017435A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022120066A JP2024017435A (ja) 2022-07-28 2022-07-28 偽造防止用印刷物、その製造方法、その認証方法及び認証用ソフトウェア

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022120066A JP2024017435A (ja) 2022-07-28 2022-07-28 偽造防止用印刷物、その製造方法、その認証方法及び認証用ソフトウェア

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024017435A true JP2024017435A (ja) 2024-02-08

Family

ID=89806936

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022120066A Pending JP2024017435A (ja) 2022-07-28 2022-07-28 偽造防止用印刷物、その製造方法、その認証方法及び認証用ソフトウェア

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024017435A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5285642B2 (ja) 高解像度のスケール変更可能なグロス効果
JP3544536B2 (ja) 網点印刷物及びその印刷方法
EP1959387B1 (en) Glossmark image simultation
ES2203060T3 (es) Procedimiento y aparato de proteccion contra las falsificaciones, utilizando un tramado digital.
US8985634B2 (en) Anti-counterfeit printed matter, method of manufacturing the same, and recording medium storing halftone dot data creation software
US20090129592A1 (en) Method of forming a securitized image
WO2006106677A1 (ja) 印刷物、該印刷物の検知方法及び検知装置、並びに認証方法及び認証装置
JP2022174860A (ja) 潜像印刷物
JP6991514B2 (ja) 偽造防止印刷物及び偽造防止印刷物用データの作成方法
JP5799425B2 (ja) 真偽判別可能な印刷物、その作製装置及びその作製方法並びに真偽判別可能な印刷物の認証装置及びその認証方法
JP7284950B2 (ja) 潜像印刷物の読取装置、読取方法及び読取用ソフトウェア
JP4352168B2 (ja) 網点画像データの認証用プログラム、網点印刷物の認証システム及び網点画像データの認証システム
JP5768236B2 (ja) 偽造防止用印刷物、偽造防止用印刷物の作製装置及び偽造防止用印刷物の作製方法
JP5709132B2 (ja) 偽造防止用印刷物、偽造防止用印刷物の作成方法及び偽造防止用印刷物の作成システム
JP5990791B2 (ja) 偽造防止用印刷物
JP2024017435A (ja) 偽造防止用印刷物、その製造方法、その認証方法及び認証用ソフトウェア
JP6274663B2 (ja) 偽造防止媒体及びその作製方法
JP5678364B2 (ja) 真偽判別可能な印刷物、その作製装置及びその作製方法並びに真偽判別可能な印刷物の認証装置及びその認証方法
JP7323112B2 (ja) 潜像印刷物、その作成方法及びその作成用ソフトウェア
JP4829164B2 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
JP7164855B1 (ja) 偽造防止印刷物
JP7024979B1 (ja) 偽造防止印刷物、偽造防止印刷物用データの作成方法及びその作成装置
JP2024017568A (ja) 潜像印刷物及びその作成方法
JP4250291B2 (ja) 画像処理装置及び画像処理方法及び記憶媒体
JP2023063337A (ja) 潜像印刷物、潜像印刷物用データの作成方法及びその作成用ソフトウェア