JP2024008161A - バンプ形成装置、バンプ形成方法、ハンダボールリペア装置、及び、ハンダボールリペア方法 - Google Patents

バンプ形成装置、バンプ形成方法、ハンダボールリペア装置、及び、ハンダボールリペア方法 Download PDF

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量介 水鳥
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Abstract

【課題】極微細はんだバンプ形成において、信頼性の高いはんだ付け装置及びバンプ形成方法を提供する。【解決手段】バンプ形成装置は、基板215上に形成された電極パッドにハンダボール24を搭載し、ハンダボール24を溶融して電極パッド上にバンプを形成する装置であって、電極パッドの酸化膜を除去するプラズマを照射するプラズマユニット306と、プラズマユニットによって酸化膜を除去した電極パッドに第1のフラックスを塗布する第1のフラックス塗布手段と、第1のフラックス塗布手段によりフラックスを塗布した電極パッドにハンダボール24を搭載するハンダボール搭載手段と、搭載されたハンダボールに、第2のフラックスを塗布する第2のフラックス塗布手段と、第2のフラックス塗布手段によりフラックスを塗布したハンダボール24を溶融するレーザーユニット305と、を備える。【選択図】図19

Description

本発明は、半導体装置に使用されるパッケージ基板の電極製造工程において、基板上にハンダボールを搭載するバンプ形成装置及びバンプ形成方法、そして、形成される電極を検査して欠陥部分を補修(リペア)するハンダボールリペア装置及びハンダボールリペア方法に関する。
近年、半導体装置の電気的接続に、はんだを使用するバンプ形成技術が使用されている。例えば、高精度スクリーン印刷装置を使用し、基板の電極上にクリームはんだを印刷してリフローすることにより、150~180μmピッチで直径80~100μmのはんだバンプ電極を形成するクリームはんだ印刷法がある。
また、半導体装置の小型化・高性能化による電極微細化に伴い、微細な穴を高精度に加工した冶具にハンダボールを振込んで所定のピッチで整列させ、直接基板上に搭載してからリフローすることにより、ハンダバンプ電極を形成するボール振込み法がある。
こうした背景技術において、特開2000-049183号公報(特許文献1)には、マスク上にエアーノズルからハンダボールを供給し、マスクを揺動及び振動させながら、所定の開口部にハンダボールを充填し、更に、ブラシやスキージの併進運動によって充填してから加熱する方法が開示されている。しかし、すべてのハンダボールが各バンプ形成位置に正しく搭載されるとは限らず、場合によっては搭載不良が発生することがある。
そこで、特開2003-309139号公報(特許文献2)には、ハンダボールのリペア装置を設置し、不良ハンダボールを管部材で吸引し、除去した後、管部材に新たな良品ハンダボールを吸着させてから欠陥のあった部分に搬送及び再搭載して、レーザー光照射部により、管部材の内側からレーザー光を照射してハンダボールを溶融させて仮止めする技術が開示されている。
また、特開2008-288515号公報(特許文献3)及び特開2009-177015号公報(特許文献4)には、ハンダボールの印刷された基板の状態を検査し、不良状態に応じて補修を行う検査・リペア部からなるハンダボール印刷装置が開示されている。
また、特開2010-010565号公報(特許文献5)には、基板の電極パッド上に搭載されたハンダボールの状態を検査して、欠陥が検出された電極パッドにハンダボールを供給する修復用ディスペンサを備えたハンダボール検査リペア装置が開示されている。
又はンダボールを加熱するものとして、特許第3173338号(特許文献6)、特許第3822834号(特許文献7)、特許第5098648号(特許文献8)があり、プラズマを使用し酸化膜を除去するものとして、特開2015-103688号公報(特許文献9)があり、加熱溶融をレーザーで行うものとして、特開2003-309139号公報(特許文献10)がある。
また、ガスの吹き付けとともに、レーザービームにより加熱するものとして、特開2002-76043号公報(特許文献11)がある。
また、焦点位置上のスポット径及びレイリー長の変更を簡単な構成で行えるレーザー加工機について、国際公開第2012/157355号公報(特許文献12)に開示されている。
特開2000-049183号公報 特開2003-309139号公報 特開2008-288515号公報 特開2009-177015号公報 特開2010-010565号公報 特許第3173338号 特許第3822834号 特許第5098648号 特開2015-103688号公報 特開2003-309139号公報 特開2002-76043号公報 国際公開第2012/157355号公報
現在、5G(第5世代移動通信システム)対応技術の実用化が始まっている。また、バンプ電極形成に用いられる、ハンダボール直径も70~80μmから、30~50μm以下等へと極小サイズ化が進んでいる。5Gに使用される半導体装置の小型化・高速化・大容量化によるバンプ電極の極微細化に伴い、上記した特許文献で開示された技術や装置によりリフローを行った場合であっても、はんだ濡れ性や金属間化合物(IMC)層などの問題から、はんだ付け欠陥や割れなど、はんだ接合界面の信頼性の低下やはんだバンプ電極における欠陥発生などが問題となっている。
特許文献2に開示されている技術では、リペア後に残存フラックスの量が少なくなっている確率が高く、リフロー時に、はんだ濡れ性が悪い場合、ハンダボールが溶けたときに電極パッド部に対するはんだ付けが不完全となる濡れ不良が発生する恐れがある。
また、特許文献3~5に開示されているハンダボール印刷装置におけるハンダボール検査リペア装置、及び、特許文献6~10に開示されている技術では、リフロー後に再検査し、ハンダボールを搭載し、リペアを実施した場合、新たに再供給するハンダボールにフラックスを塗布してあっても、先行して行われたリフロー工程の酸化作用により電極パッド部がダメージ(影響)を受けているため、はんだ付け欠陥が発生する確率が高い。また、通常のはんだ付けに比較すると、はんだ付け信頼性に問題が発生する可能性があった。
また、特許文献11に開示されているバンプ形成装置における酸化還元ガスの利用については、溶融はんだ滴をパッドに吐出する工程の前に、あらかじめ電極の表面洗浄を行うか、或は、酸化還元ガスの吹き付けとともにレーザービームにより急速加熱し、バンプ形成する点については開示されているが、この場合、溶融はんだ滴を吐出している状態では酸化還元することが出来ないため、はんだ付け信頼性に問題が発生する可能性があった。
また、特許文献12に開示されているレーザー加工機については、ワーク品種に応じて、レーザースポット径およびレイリー長の変更が必要で、装置が高価かつ調整ポイントが複数あり、メンテナンス等の課題が出てくる可能性があった。
そこで、本発明は、基板の電極パッド上に発生したバンプ欠陥を検査して、欠陥電極部にハンダボールを再供給・リペアを行い、はんだ付けする装置を提供することを目的とする。また、極微細はんだバンプにおいて、リフロー後のバンプ電極の欠陥部位へのリペア・はんだ付けとして、信頼性の高いリペアはんだ付け装置及び方法を提供することを目的とする。また、極微細はんだバンプ形成において、信頼性の高いはんだ付け装置及び方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するため、本発明のバンプ形成装置は、基板上に形成された電極パッドにハンダボールを搭載し、前記ハンダボールを溶融して前記電極パッドの上にバンプを形成するバンプ形成装置において、前記電極パッドにプラズマを照射し、前記電極パッドの酸化膜を除去するプラズマ照射手段と、前記プラズマ照射手段によって酸化膜を除去した前記電極パッドに第1のフラックスを塗布する第1のフラックス塗布手段と、前記第1のフラックス塗布手段によりフラックスを塗布した前記電極パッドにハンダボールを搭載するハンダボール搭載手段と、前記ハンダボール搭載手段により搭載したハンダボールに、前記第1のフラックス塗布手段により塗布したフラックスよりも粘度の低い第2のフラックスを塗布する第2のフラックス塗布手段と、前記第2のフラックス塗布手段によりフラックスを塗布した前記ハンダボールを溶融するハンダボール溶融手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明のバンプ形成方法は、基板上に形成された電極パッドにハンダボールを搭載し、前記ハンダボールを溶融して前記電極パッドの上にバンプを形成するバンプ形成方法において、前記基板上に形成された前記電極パッドにプラズマを照射して、前記電極パッドの酸化膜を除去し、酸化膜を除去した前記電極パッドに第1のフラックスを塗布し、ハンダボールを吸着した修復用ディスペンサにより当該ハンダボールを前記第1のフラックスを塗布した前記電極パッドに搭載し、前記電極パッドに搭載した前記ハンダボールに上方から前記第1のフラックスよりも粘度の低い第2のフラックスを塗布し、その後、前記第2のフラックスを塗布した前記ハンダボールを溶融して前記電極パッドの上にバンプを形成することを特徴とする。
また、本発明のハンダボールリペア装置は、基板の電極パッド上に形成されたハンダバンプの状態を検査し、欠陥が検出された電極パッドにハンダボールを供給して溶融するハンダボールリペア装置において、前記電極パッドにプラズマを照射し、前記電極パッドの酸化膜を除去するプラズマ照射手段と、前記プラズマ照射手段によって酸化膜を除去した前記電極パッドに第1のフラックスを塗布する第1のフラックス塗布手段と、前記第1のフラックス塗布手段によりフラックスを塗布した前記電極パッドにハンダボールを搭載するハンダボール搭載手段と、前記ハンダボール搭載手段により搭載したハンダボールに、前記第1のフラックス塗布手段により塗布したフラックスよりも粘度の低い第2のフラックスを塗布する第2のフラックス塗布手段と、前記第2のフラックス塗布手段によりフラックスを塗布した前記ハンダボールを溶融するハンダボール溶融手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明のハンダボールリペア方法は、基板の電極パッド上に形成されたハンダバンプの状態を検査し、欠陥が検出された電極パッドにハンダボールを供給して溶融するハンダボールリペア方法において、前記基板の上に形成された前記電極パッドにプラズマを照射して、前記電極パッドの酸化膜を除去し、酸化膜を除去した前記電極パッドに第1のフラックスを塗布し、ハンダボールを吸着した修復用ディスペンサにより前記ハンダボールを前記第1のフラックスを塗布した前記電極パッドに搭載し、前記電極パッドに搭載した前記ハンダボールに上方から前記第1のフラックスよりも粘度の低い第2のフラックスを塗布し、その後、前記第2のフラックスを塗布した前記ハンダボールを溶融して前記電極パッド上にバンプを形成することを特徴とする。
また、本発明のバンプ形成装置は、一端がレーザー光を透過する光透過部材で封緘され、側方にプラズマを生成するガスを供給するガス供給口を有し、前記ガス供給口から供給された前記ガスを基板に搭載されたハンダボールに照射するよう導く直線状に形成したガス案内路と、前記ガス案内路から前記ハンダボールに至る前記ガスの流通経路の一部を包囲し、前記ガスに高圧・高周波電源を印加して当該ガスをプラズマ化するプラズマ生成手段と、生成したレーザー光を、前記光透過部材を透過し、前記ガスの流通経路及びプラズマ生成領域の中央部を通して前記ハンダボールに照射するレーザー発生手段と、を備え、前記プラズマで前記ハンダボールの酸化膜を除去すると共に、前記レーザー光で前記ハンダボールを溶融してバンプを形成することを特徴とする。
また、本発明の他のバンプ形成装置は、基板上に形成された電極パッド上に、ハンダボールを供給し、前記ハンダボールを溶融してバンプを形成するバンプ形成装置において、電極パッドに供給された特定のハンダボールにプラズマを照射し、前記ハンダボールの酸化膜を除去するプラズマユニットと、前記特定のハンダボールにレーザーを照射し、前記ハンダボールを溶融するレーザーユニットとを、前記各ユニットの照射方向が前記特定のハンダボールを照射するよう固定したユニット固定部材と、前記ユニット固定部材を前記各ユニットの照射方向が前記特定のハンダボールを照射するよう位置決め駆動する駆動手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明のハンダボールリペア装置は、基板上に形成された電極パッド上に供給されたハンダボールにレーザーを照射し、前記ハンダボールを溶融し、前記電極パッドにハンダバンプを形成するハンダボールリペア装置において、前記レーザーの照射径が前記ハンダボール直径の略2.4倍から略3.1倍となる様にデフォーカス量を調整する焦点深度調整手段(焦点調整機構)を備えたことを特徴とする。
また、本発明の他のハンダボールリペア装置は、前記基板上に形成された電極パッド上に供給された前記ハンダボールにプラズマを照射し、前記ハンダボールの酸化膜を除去するプラズマ発生装置を備え、レーザーの照射よりもプラズマの照射を時間的に先立って行い、互いに照射している時間をオーバラップさせ、前記プラズマ発生装置により前記ハンダボールに前記プラズマを照射して、前記ハンダボールの酸化膜を除去すると共に、前記レーザー発生装置により前記ハンダボールに前記レーザーを照射して、前記ハンダボールを溶融し、前記電極パッドにハンダバンプを形成することを特徴とする。
また、本発明の他のハンダボールリペア装置は、前記レーザーの出力値、及び、焦点径を測定・検査するレーザー出力測定手段と、予めレーザー出力目標値、レーザー焦点目標径及び対象ワークの条件を記憶するレシピ記憶手段と、前記レシピ記憶手段から対象ワークの条件に対応した制御量情報を用い、レーザー出力、焦点及びデフォーカス量の補正を行うレーザー制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明により、基板の電極パッド上に発生したバンプ欠陥を検査して、欠陥電極部にハンダボールを再供給・リペアを行い、はんだ付けする装置を提供することができる。また、極微細はんだバンプにおいて、リフロー後のバンプ電極の欠陥部位へのリペア・はんだ付けとして、信頼性の高いリペアはんだ付け装置及び方法を提供することができる。また、極微細はんだバンプ形成において、信頼性の高いはんだ付け装置及び方法を提供することができる。
なお、上記した以外の課題、構成及び効果については、実施例の説明により明らかにされる。
フラックス印刷及びハンダボール搭載・印刷工程を示す概略図である。 フラックス印刷からハンダボール検査リペアまでの工程を説明する概略図である。 バンプ形成の工程を示すフローチャートである。 ハンダボール供給ヘッドの全体構造を示す側面図である。 ハンダボール搭載・印刷動作を説明する概略図である。 ハンダボール搭載・印刷後の基板の状態例を示す平面図である。 ハンダボール搭載・印刷後の代表的な欠陥例を示す概略図である。 ハンダボール搭載・印刷後のリペア作業について説明する概略図である。 検査リペア装置の概略構成について説明する平面図である。 修復用ディスペンサの構成を示す側面図である。 修復用ディスペンサの先端部におけるハンダボールの吸着分離動作を説明する拡大図である。 本発明の実施例であるプラズマレーザーリペアシステムを示す外観図である。 プラズマレーザーリペア装置を説明する説明図である。 プラズマレーザーリペアヘッド部を説明する説明図である。 プラズマレーザーリペア動作を示すフローチャートである。 実施例2のプラズマレーザーヘッド部を説明する説明図である。 実施例2のプラズマレーザーヘッド部の原理を説明する説明図である。 実施例2のプラズマレーザーヘッド部の構成を説明する説明図である。 実施例2におけるパルス照射を説明する説明図である。 他のプラズマレーザーリペア動作を示すフローチャートである。 他のプラズマレーザーリペア装置の概略構成について説明する平面図である。 第1のフラックスピン転写ユニットの構成を示す側面図である。 第1のフラックスを塗布する動作を説明する説明図である。 第2のフラックスピン転写ユニットの構成を示す側面図である。 第2のフラックスを塗布する動作を説明する説明図である。 図21のプラズマレーザーリペア装置の変形例の概略構成について説明する平面図である。 図26のプラズマレーザーリペア装置の変形例の概略構成について説明する平面図である。 図26のプラズマレーザーリペア装置の更に他の変形例の概略構成について説明する平面図である。 複合操作部の各々に対応配置する複合保持部の拡大図である。 他の実施例を示す斜視図である。 図30の部分拡大図である。 図30及び図31の部分拡大図である。 デフォーカス量(DF)の定義を示す図である。 焦点時のスポット断面でのレーザー出力分布を示す図である。 各レーザースポット断面での出力分布を比較した図である。 バンプ形成の一実施例を説明する図である。 レーザーユニット205の焦点調整操作を示す図である。 レーザーユニット205の焦点調整操作のフローチャートを示す図である。 レーザーユニット205のレーザー出力調整操作を示す図である。 レーザーユニット205のレーザー出力調整操作のフローチャートを示す図である。 レーザーユニット205のデフォーカス量調整操作を示す図である。 レーザーユニット205のデフォーカス量調整操作のフローチャートを示す図である。 レシピ記憶部の内容を示す図である。
以下、図面を使用して、本発明の実施例による装置及び方法の好適な実施の形態について説明する。
図1に、フラックス印刷及びハンダボール搭載・印刷工程の概要を示す。
図1(a)に示すように、まず、基板21の電極パッド22上に所定量のフラックス23をスクリーン印刷法により転写する。本実施例では、スクリーン20には高精度なパターン位置精度を保障できるように、アディティブ法で製作したメタルスクリーンを使用している。スキージ3としては角スキージ、剣スキージ、及び平スキージの何れを用いても良い。まず、フラックス23の粘度・チクソ性に応じたスクリーンギャップ、印圧、及びスキージ速度等の条件を設定する。そして、設定された条件でフラックスの印刷を実行する。
印刷されたフラックス23の量が少ない場合、ハンダボール充填時にハンダボールを電極パッド22上に付着することができない恐れがある。またリフロー時のハンダ濡れ不良の要因となり、綺麗な形状のバンプが形成できず、バンプ高さ不良やハンダ接続強度不足の要因ともなる。
反対にフラックスの量が多過ぎる場合、ハンダボール搭載・印刷時にスクリーンの開口部に余分なフラックスが付着すると、ハンダボールがスクリーンの開口部に付着してしまい、ハンダボールが基板上に転写できなくなる。このようにフラックス印刷は、ハンダボール搭載における品質を維持するために非常に重要なファクターである。
次に、図1(b)に示すように、フラックス23が印刷された基板21の電極パッド22上にハンダボール24を搭載・印刷する。本実施例では、直径約30μmのハンダボールを使用する。なお、ハンダボールは半導体装置の小型化・高速化・大容量化によるバンプ電極の極微細化に伴い、その直径も25μm~30μmと、極小サイズ化が進んでいる。ハンダボール24の搭載において使用するスクリーン20bには、高精度なパターン位置精度を保障できるようにアディティブ法で製作したメタルスクリーンを使用する。
スクリーン20bの材質にはたとえばニッケルのような磁性体材料を使用する。それによって、スクリーン20bは、ステージ10に設けてある磁石10sから磁力で吸引され、基板21とスクリーン20bとの間のギャップをゼロにすることができる。したがって、ハンダボール24が基板21とスクリーン20bの間に潜り込み余剰ボールを発生させるという不良を防止できる。
また、スクリーン20bの裏面には樹脂製又は金属製の微小な支柱20aを設けている。これにより、フラックス23がにじんだ場合の逃げ部を構成している。したがって、フラックス23を印刷した基板21がスクリーン20bに密着した時に、フラックス23のにじみがスクリーンの開口部内に付着するのを防止できる。
基板21のコーナー4点には位置決めマーク(図示せず)が設けてある。基板21上の位置決めマークとスクリーン20b側の位置決めマーク(図示せず)をカメラ15f(図2参照)により視覚認識し、高精度に位置合わせする。それにより、所定の電極パッド22上にハンダボール24を高精度に供給することが可能になる。
スクリーン20b上に示したスリット状体63は、ハンダボールを供給するための充填ユニット(図4参照)を構成する一要素である。スリット状体63を揺動させながら充填ユニットが矢印60V方向に移動することによって、ハンダボール24が押し転がされ、スクリーン20bの開口部20dへ次々と充填されていく。
図2は、フラックス印刷からハンダボール検査リペアまでの工程の一実施例を示す概略図である。
図2に示す装置は、フラックス印刷部101、ハンダボール搭載・印刷部103、及び検査・リペア部104を一体として構成したものである。各部はベルトコンベア25で連結され、そのベルトコンベア25により基板が搬送される。フラックス印刷部101及びハンダボール搭載・印刷部103には、作業のためのテーブル10f、テーブル10bが設けてある。このテーブル10f、テーブル10bを上下移動して基板の受け渡しと受け取りを行う。テーブル10f、テーブル10bは水平方向(XYθ方向)にも移動可能に構成してある。また、カメラ15f、カメラ15bでスクリーン20、スクリーン20bと基板の位置合わせマーク(図示せず)を撮像することによって、スクリーン20、スクリーン20bと基板との位置合わせが行えるように構成してある。検査・リペア部104を通過した基板は次段の工程の図示しないリフロー部に送られ、加熱することにより、搭載されたハンダボールは溶融され、電極パッド上にはんだ付けされ、バンプが形成されることになる。
図3に、本実施例におけるバンプ形成工程のフローチャートを示す。
まず基板をフラックス印刷部に搬入する(STEP1)。その後、電極パッド上に所定量のフラックスを印刷する(STEP2)。次に、フラックス印刷後のスクリーン開口状況を検査する(STEP3)。検査の結果NG(不良)の場合、印刷装置内に備えた版下清掃装置にて自動的にスクリーン清掃を実施し、必要に応じフラックスを供給補充する。またNGとなった基板は、ハンダボール印刷以降の工程を実施しないように、NG信号と共に後工程のコンベア上で待機させライン外へ排出する。インラインのNG基板ストッカー等を使用することによりマガジン一括で排出しても良い。NG基板はライン外の工程で洗浄実施後、再度フラックス印刷に使用可能となる(STEP4)。
良品基板に対してはハンダボール搭載・印刷を実施する(STEP5)。ハンダボール搭載・印刷が終了すると、版離れさせる前に、スクリーンの上方からスクリーン開口内におけるハンダボールの充填状況を検査する(STEP6)。その結果、充填不足の箇所があった場合、再度ハンダボール搭載・印刷動作を実行する(STEP7)。これにより、ハンダボールの充填率を向上させることができる。
STEP6の検査でOKとなったら、版離れを実施し(STEP8)、検査・リペア装置にてハンダボールの搭載状況を検査する(STEP9)。ハンダボール搭載状況の検査によりNGの場合は、フラックスを供給してから、不良箇所の電極パッド部にハンダボールを再供給する(STEP10)。搭載状況の検査によりOKの場合、次段の工程に配置した図示しないリフロー装置にてハンダボールを溶融し(STEP11)、ハンダバンプが完成する。
図4は、ハンダボール供給ヘッドの全体構造を示す側面図であり、ハンダボール搭載・印刷部における、ハンダボールを基板上に搭載するためのハンダボール供給ヘッド(充填ユニット)の構成を示す図である。
ハンダボール供給ヘッド60は、筐体61と蓋64とシブ状体62で形成される空間にハンダボール24を収納するボールケースと、シブ状体62の下方に間隔をあけて設けられたスリット状体63とを備えている。シブ状体62は、供給対象のハンダボール24の直径に適合するように、網目状の開口或は連続した長方形状のスリット部等の開口を有する極薄の金属板で形成してある。シブ状体62の下方には、スリット状体63を配置し、スリット状体63がスクリーン20bと面接触するように構成してある。
また、蓋64の上方に設けられた印刷ヘッド昇降機構4により、スクリーン20bに対するスリット状体63の接触度合い・ギャップを微調整することができる。スリット状体63は磁性材料からなる極薄の金属板で形成してある。磁性材料を使用することで、磁石を設けたステージ10からの磁力により、磁性材料で形成されたスクリーン20bに対してスリット状体63が吸着可能としたものである。スリット状体63は、対象のハンダボール24の直径及びスクリーン20bの開口部20dの寸法に適合するように、たとえば網目状の開口或は連続した長方形状のスリット部を有する。
さらに、ハンダボール供給ヘッド60は、ボールケースに設けてあるシブ状体62を水平方向に加振する水平振動機構を備えている。水平振動機構は、ボールケースの側面に対して平行な位置に形成した部材に加振手段65を取り付け、その部材を取り付けた支持部材70を蓋64の上面に設けることにより構成した。この構成により、ボールケースをその側面側から加振手段65により加振することで、シブ状体62を振動させることができる。シブ状体62を振動させることで、シブ状体62に設けてあるスリット状の開口がハンダボール24の直径より大きく開くことができる。これにより、ボールケースに収納したハンダボール24が、シブ状体62のスリット部からスリット状体63上に落下する。スリット状体63上に落下させるハンダボール24の数量、すなわちハンダボール24の供給量は加振手段65による加振エネルギーを制御することで調整できる。
加振手段65は、エアーロータリー式バイブレータを用い、圧縮エアー圧力をデジタル制御により微調整することで振動数を制御できるものである。或は、圧縮エアー流量を制御して振動数を可変してもよい。加振手段65により、シブ状体62及びボールケースは、ボールケース内に収容されたハンダボール24に振動を与え、ハンダボール24間に働くファンデスワールス力による吸引力を相殺し分散させる。その分散効果によって、ハンダボール24の材料や生産環境における温度・湿度の影響によりハンダボール供給量が変化することを防止できる。したがって、生産効率を考慮した調整が可能となる。
又はンダボール供給ヘッド60には、ボールケースを水平方向に揺動するための水平揺動機構が設けてある。水平揺動機構は次のように構成されている。支持部材70の上部にリニアガイド67を設け、リニアガイド67が移動できるようにリニアレールを設けた充填ヘッド支持部材71が設けてある。この充填ヘッド支持部材71には駆動用モータ68が設けてあり、この駆動用モータ68の軸に偏芯カム66が取り付けられている。偏芯カム66が回転すると支持部材70が水平方向に移動(揺動)する構成となっている。充填ヘッド支持部材71はモータ支持部材2に支持されており、モータ支持部材2に対して左右方向には移動しないように構成してある。
すなわち、水平揺動機構は、駆動用モータ68により偏芯カム66を回転させることにより、任意のストローク量にてスリット状体63に対して水平方向に揺動動作を与えるものである。スリット状体63は、磁力によりスクリーン20bに吸着された状態で揺動動作するので、スリット状体63とスクリーン20bの間には隙間が空かずに確実にハンダボール24を転がすことが可能である。また、スリット状体63の開口サイズにより、ハンダボール24を確実にスリット状体63の開口に補充しながら効率の良い充填動作が可能である。スクリーン20bと揺動動作のサイクル速度は、駆動用モータ68の速度を制御することで任意に可変でき、ラインバランスを考慮したハンダボール24の充填タクトを設定することができる。又はンダボール24の材料の種類、スクリーン20bの開口、及び環境条件に適合したサイクル速度を調整することで充填率を制御可能とした。
さらに、ハンダボール供給ヘッド60にはヘラ状体69を設けてある。ハンダボール供給ヘッド60により基板21上にハンダボール24を供給した後に、スクリーン20bを基板21面から離す時、すなわち版離れを実施して基板上へハンダボールを転写する時に、スクリーン20bの版面上にハンダボール24の残りがあると、スクリーン20bの開口部20dを通してハンダボール24が基板21上に落下し、過剰ハンダボールが供給されてしまう原因となる。そのため、本実施例ではハンダボール供給ヘッド60の進行方向にボールケースから間隔を空けて、ヘラ状体69をスリット状体63と略同じ高さに設けてある。ヘラ状体69の先端は極薄で平坦精度の高い状態に研磨してあり、スクリーン20bに密着した状態で、ハンダボール24をハンダボール供給ヘッド60の外部にはみ出さないようにしている。
また、ヘラ状体69には磁性体材料を用い、スリット状体63と同様に磁力でスクリーン20bに密着するので、ハンダボール24がハンダボール供給ヘッド60の外部へはみ出してしまうことを防止できる。なお、ヘラ状体69をボールケースの外周部全領域に設けるように構成してもよい。ヘラ状体69によってスクリーン20bの版面上のボール残りは極力少なくすることができる。
しかしながら、スクリーン20bの版面の微小変位によるボール残りの影響はまだ考えられる。そこで、本実施例では、過剰ハンダボールによる不良をさらに少なくするために、ハンダボール供給ヘッド60に、エアーカーテンを形成するための送風機構75を設けた。
すなわち、印刷ヘッド昇降機構4を支持するモータ支持部材2に送風機構75を設けて、充填ユニットの周囲にエアーカーテンを形成するようにしたものである。この送風機構75には図示しない圧縮空気供給源から圧縮空気が供給されるように構成してある。送風機構75を使用すると、ハンダボール供給ヘッド60が基板端面方向へ移動する時に、はみ出たハンダボールを圧縮エアーによりハンダボール供給ヘッド60の移動方向側へ押し転がす。したがって、版面上のハンダボール残りを防止できる。
次に、ハンダボールを基板上に搭載・印刷する動作について説明する。
図5はハンダボール搭載・印刷動作を説明する概略図である。ハンダボール搭載・印刷動作には、主にハンダボール供給ヘッド60とスイーパ130が使用される。
まず、(1)に示すように、ハンダボール供給ヘッド60は、基板21の長手方向に移動しながら、水平振動機構によりボールケースを振動させ、スクリーン20bの開口部にハンダボールを充填する。また、(2)に示すように、ハンダボール供給ヘッド60は、水平揺動機構による揺動動作も併用して、ハンダボールを転がして確実に開口部に充填しながら、水平方向(矢印A方向)に往復移動する。
スクリーン開口部へのハンダボール充填動作が終わると、ハンダボール供給ヘッド60は(3)の矢印Bに示すように上昇する。その後、(4)の矢印Cに示すように基板21の上方を長手方向に移動し、元の位置に戻ったら矢印Dに示すようにスクリーン20bに接する位置まで下降して停止する。
次に、スイーパ130によるスイープ動作について説明する。
スイーパ130は、上記充填動作後に意図せずスクリーン上に残ってしまったハンダボールを履き集めるためのものである。スイーパ130の底部には、図5に示すように、複数のスキージ131が形成されている。スキージ131は、スイーパ130の動作進行方向とは逆方向に一定角度傾けて取り付けられている(細部は図示せず)。スキージ131がスクリーン上を移動しその表面をなでることによって、スクリーン上のハンダボールをほうきのように掃いて集めることができる。
ハンダボール供給ヘッド60による充填動作が終了すると、(5)に示すように、スイーパ130がスクリーン20bに接した状態で矢印Eに示す水平方向に移動する。すなわち、スイーパ130の底部に取り付けられた複数のスキージ131が、スクリーン20bの上面に沿って水平方向に進行する。このとき、スクリーン20b上に残っているハンダボールが掃き集められて、スクリーン20bの空いている開口部へ落とし込まれる。これによって、後述する図6、7に示すようなボール無し不良をなくすことができる。さらに、スクリーン20b上のハンダボールをすべて掃き出して、最終的にスクリーン20b上に余剰ハンダボールが残っていない状態にする。
スイーパ130は、スクリーン20bにおける開口部の存在する端部付近まで移動すると、矢印Fに示すように一旦上昇する。その後、(6)の矢印Gに示すように基板21の上方を長手方向に戻り、矢印Hに示すように再びスクリーン20bに接する位置まで下降する。その後さらに同様なスイープ動作を繰り返す。このスイープ動作は、スクリーン20b上のハンダボールが完全に一掃されるまで数回にわたって実行される。また、場合によっては、(7)の矢印Iに示すように、スクリーン20b上の一部分に限定したスイープ動作を他の部分に移動しながら連続して実行してもよい。
以上のスイープ動作により、空いているすべての開口部へハンダボールを充填することができるので、ボール無し不良をなくすことが可能になる。また、最終的にスクリーン20b上の余剰ハンダボールがすべて残らず掃き出されるので、スクリーン20bを基板21から分離するときに、スクリーン20bの開口部に余剰ハンダボールが入り込んでしまうことを防止できる。したがって、後述する図6、7に示すようなダブルボール不良をなくすことができる。
図6に、ハンダボール搭載・印刷後における、基板上のハンダボール充填状況の例を示す。
基板21をカメラで撮像した場合、ハンダボールが全ての電極部に対して良好に充填されると、(a)に示すような状態を観察することができる。(b)は、ハンダボールの一部の充填が不完全な状態(ボール無し不良)を示す。(c)は、ハンダボール同士が吸着したダブルボール状態、及び余剰ハンダボールが電極部からはみ出している状態を示す。
図7はハンダボール搭載・印刷後の代表的な欠陥例を示している。図7に示すように、ハンダボール充填不良の例として、たとえば、ハンダボールが充填されていない「ボール無しの状態」、近接するハンダボール同士が重なった「ダブルボールの状態」、及びハンダボールが電極部のフラックス塗布位置からずれた「位置ずれボールの状態」を挙げることができる。
これらの状態で基板を後工程(リフロー工程)に流してしまうと、不合格品が生産されることになる。そこで基板上の充填状況を検査し、前記の充填ユニット(ハンダボール供給ヘッド)により搭載・印刷動作をリトライすることで、不良品を良品に修正することが可能になる。この検出には、良品モデルと比較するパターンマッチングにて判定が可能である。ハンダボール搭載・印刷後に、充填ユニットに取り付けたラインセンサカメラ(図示せず)にてエリア単位で一括認識を行う。もしNGであれば再度ハンダボール搭載・印刷を実行する。合格であれば、版離れ動作を実行し、基板を後工程へ排出する。
図8は、ハンダボール搭載・印刷後の検査・リペア部でのリペア作業について説明する図である。
検査・リペア部では、まず、ハンダボール搭載・印刷が完了した後、基板上の充填状況をCCD(Charge Coupled Device)カメラで確認する。そして、不良が検出されると、不良箇所の位置座標を求める。ダブルボール、位置ずれボール、過剰ボールなどの不良の場合は、(1)に示すように、除去用ディスペンサである吸引用の真空吸着ノズル86が、不良ハンダボール24xの位置へ移動する。そして、不良ハンダボール24xを真空吸着し、不良ボール廃棄ステーション(図示せず)へ移動させる。不良ボール廃棄ステーションでは、廃棄ボックス83(図9参照)にボールを真空遮断により落下・廃棄する。
ハンダボール24が供給されていない電極パッド部を検出した場合や、真空吸着ノズル86で不良ハンダボールを取り除いた場合は、(2)に示すように、ハンダボール収納部84に収納されている正常なハンダボール24を、修復用ディスペンサ87を用いて負圧により吸着する。そして(3)に示すように、正常なハンダボール24を吸着した修復用ディスペンサ87は、ハンダボール収納部84からフラックス供給部85に移動する。(4)に示すように、フラックス供給部85に蓄えられているフラックス23に、ハンダボール24を吸着した修復用ディスペンサ87を移動して、ハンダボール24をフラックス23に浸漬する(又は、ハンダボール24にフラックス23を付着する)ことで、ハンダボール24にフラックス23を添加する。その後、(5)に示すように、ハンダボール24を吸着した修復用ディスペンサ87を、基板上の欠陥のあった箇所に移動する。最後に(6)に示すように、欠陥部にハンダボール24を供給する。上記の(1)~(6)の工程でリペア作業が完了する。
上記工程で、除去用ディスペンサをフラックス供給用ディスペンサとして兼用できるようにして、不良ハンダボールを除去した後に、欠陥部分にフラックスを供給する方法も実施できる。この場合、新規のハンダボールを供給時に、フラックスを付着させる工程を行なわなくてよい。
なお、前述の検査で、位置ずれボールなどの不良ボールを取り除いた場合は、上述のリペア作業で正常なハンダボールを正しい位置に補給して欠陥を修復することが可能である。
図9は、検査リペア装置の概略構成について説明する図であり、検査・リペア部を1つの独立した装置として上から見た平面図である。
図9に示すように、搬入コンベア81から検査対象の基板21が搬入されると、検査部コンベア82上に受け渡され、矢印J方向に搬送される。検査部コンベア82の上部には門型フレーム80が設けてある。門型フレーム80の搬入コンベア81側には、基板搬送方向(矢印J方向)に対して直角方向にラインセンサ79が配置してある。このラインセンサ79によって、基板21上の電極パッド22に印刷したハンダボール24の状態を検出する。なお、ここでは、ハンダボールの状態検出器としてラインセンサ79を設けた構成にしたが、撮像用カメラを設けて、門型フレーム80の長手方向に移動し、ハンダボールの状態を撮像して欠陥を検出する構成としてもよい。
門型フレーム80を支持する一方の足側には、正常なハンダボールを収納したハンダボール収納部84と、フラックス供給部85が設けてある。また他方の足側には、廃棄ボックス83が設けてある。門型フレーム80には、不良ハンダボールを吸引除去するための除去用ディスペンサである真空吸着ノズル86と、基板上の欠陥を補修するための修復用ディスペンサ87とが、リニアモータにより水平方向(矢印K方向)に移動可能に設けてある。
検査部コンベア82は、矢印J方向及びその逆方向に往復動できるように構成されており、基板21の欠陥位置に応じて、修復用ディスペンサ87や真空吸着ノズル86の位置に欠陥位置を合わせることができるように構成してある。検査・リペアの終了した基板21は搬出コンベア88によって搬出され、リフロー装置に送られる。上述の構成により、図8で説明した動作で検査リペアを行うことが可能となる。
図10はハンダボール搭載手段としての修復用ディスペンサの構成を示す側面図であり、図11は修復用ディスペンサの先端部におけるハンダボールの吸着分離動作を説明する拡大図である。
図10に示すように、修復用ディスペンサ87には、ハンダボールを保持して移動させるためのたとえばプラスチック製の吸着ノズル90が形成されている(ただし材質はプラスチック製に限定されるわけではない)。吸着ノズル90は先端部98から上方に向かってテーパー状に施されている。すなわち、吸着ノズル90は先端部98から基端部99に向かって幅が拡大していく形状になっている。吸着ノズル90内には貫通穴92が形成されている。
図11に示すように、貫通穴92もまた(吸着ノズル90の形状ほどではないが)上方に向かってテーパー状に形成されている。すなわち、貫通穴92は上部になるほど太く、下部になるほど細くなるように形成されている。なお詳細には、貫通穴92の下端に設けた開口端部92aの内径が、後述の心棒91の外径と略同一になるように、貫通穴92を形成する。貫通穴92の内部空間には、図示しない負圧印加機構により負圧が施されるようになっている。
吸着ノズル90はノズル支持枠94にボルト等により固定されている。ノズル支持枠94は駆動部96に連結されている。そのため、吸着ノズル90は駆動部96とともに上下方向に自在に移動できるようになっている。
吸着ノズル90内の貫通穴92には、心棒91がシール部材(図示せず)を介して挿入、保持されている。心棒91は、たとえば直径約10μmの円柱状の金属製の棒であり、強度が大きく帯電しにくい材質からなる(ただし心棒91の形状(直径)と材質は上記に限定されず、ハンダボール24の直径よりも小さいことが好ましい)。貫通穴92の開口端部92aの部分を除いて、心棒91の外径は貫通穴92の内径よりも小さく、心棒91は吸着ノズル90の軸方向に自在に上下動できるようになっている。心棒91の上端部91aは支持部材93に固定されている。支持部材93はモータ95に連結しており、心棒91とともに上下方向に自在に移動できるようになっている。
支持部材93と駆動部96とはリニアレール97を介して接続されているので、支持部材93と駆動部96とはそれぞれ独立して上下動できるようになっている。すなわち、支持部材93に取り付けられた心棒91と、駆動部96に連結した吸着ノズル90はそれぞれ独立して上下動が可能である。
このように、上記の支持部材93、ノズル支持枠94、モータ95、駆動部96、リニアレール97等で駆動機構を構成している。
支持部材93が下降、又は吸着ノズル90が上昇すると、図10(b)に示すように支持部材93の下端面と吸着ノズル90の上端面とが当接する。この当接状態で、心棒91の下端部91bが吸着ノズル90の先端部98から下方向に突出する。上記機能を実現するために、心棒91の全長Aは吸着ノズル90の全長Bよりも長くなるように構成されている。
なお、図11に拡大して示すように、吸着ノズル90の先端部98はハンダボール24を保持しやすいように、テーパー溝の形状に加工されている。吸着ノズル90の先端部98がテーパー溝の形状に加工されていることにより、ハンダボール24を真空吸着したときに、ハンダボール24がテーパー溝内にぴったりと良好にフィットし、ハンダボール24が先端部98から容易にはずれにくくなる。なお、先端部98の溝部の形状を、ハンダボール24の形状と同様な球状とすることにより、さらに良好な吸着が可能になる。しかしながら、先端部98の形状は上記に限定されるものではない。
次に、上記のように構成された修復用ディスペンサによるハンダボールの欠陥リペア動作を説明する。
最初に、修復用ディスペンサ87の吸着ノズル90で、補修するための新規ハンダボール24(直径約30μm)を吸着する。このとき、吸着ノズル90内には貫通穴92を介して負圧が供給されるので、ハンダボール24は吸着ノズル90の先端部98に真空吸着される。図示はしないが、心棒91が挿入されている貫通穴92の上部から負圧が洩れないような構造が施されている。またこのとき、図10(a)に示すように、心棒91は吸着ノズル90の先端部98から内側(上方)に引っ込んでいる状態になっている。
この吸着状態で、ハンダボール24を欠陥箇所の電極パッド120上方に搬送し、修復用ディスペンサ87を電極パッド120方向に降下させて、図11(a)に示すように、電極パッド120上のフラックス121内にハンダボール24を載置する。
次に、モータ95を駆動して、心棒91の下端部91bがハンダボール24に当接するまで、心棒91を吸着ノズル90の貫通穴92を通って降下させる。それによって、図11(b)に示すように、心棒91がハンダボール24を電極パッド120に対して押し付けることになる。前記のように心棒91の外径と貫通穴92の開口端部92aの内径とは略同一なので、心棒91の移動過程において、心棒91が貫通穴92の開口端部92aをふさぐ状態になる。そのために、貫通穴92内の隙間が狭少状態になり、負圧力が作用していても、それによる真空吸着(負圧)力が小さくなり、ハンダボール24は吸着ノズル90から分離自在になる。
したがって、上記構成によれば負圧を遮断するための真空ポンプ弁を別途設ける必要がなく、コスト削減につながる。
次に、図10(b)に示すように心棒91でハンダボール24を電極パッド120に押さえ付けた状態で、図11(b)に示すように吸着ノズル90を上昇させてハンダボール24から分離する。
最後に、モータ95を駆動して、心棒91を再び上昇させてハンダボール24から分離する。このとき、心棒91とハンダボール24との接触面積は非常に小さいので、たとえ静電気が発生しても無視できるほどに小さいため、心棒91とハンダボール24の分離は問題なくスムーズにおこなわれる。
以上のように、本発明の実施例によるハンダボール検査リペア装置(以下、ハンダボールリペア装置と称する場合がある)は、補修用ディスペンサ87内に上下動できる心棒91を設けて、ハンダボール24を欠陥のあった部分に供給するときに、ハンダボール24を心棒91で物理的に電極パッド120側に押し付けながら、吸着ノズル91を引き上げてハンダボール24から引き離すようにしたことにより、ハンダボールを電極パッド上に効率よく確実に搭載できる。
又はンダボール搭載のためにたとえばレーザー光照射装置のような高価な装置を使用することなく、シンプルな構成で上述の機能を実現したので、装置の製造コストを低く抑えることが可能になる。
次に、本発明の実施例であるプラズマレーザーリペアシステムを説明する。図12は、本発明の実施例であるプラズマレーザーリペアシステムを示す外観図である。
半導体装置の小型化・高速化・大容量化によるバンプ電極の極微細化に伴い、例えば、図2で示す検査・リペア部104により、はんだバンプ電極における欠陥などを検査し、修復した場合であり、そのリフロー後であっても、図7に示すような、ハンダボール充填不良、たとえば、ハンダボールが充填されていない「ボール無しの状態」、近接するハンダボール同士が重なった「ダブルボールの状態」、及びハンダボールが電極部のフラックス塗布位置からずれた「位置ずれボールの状態」が存在する場合がある。
これらの状態は、例え、ハンダボール充填不良が1つの場合であっても、不合格品であることから、そこで基板上の充填状況を再度(2回目)検査し、充填ユニット(ハンダボール供給ヘッド)により搭載動作を再々トライすることにより、不良品を良品に修復することが可能になる。この検出には、良品モデルと比較するパターンマッチングにて判定が可能である。
そこで、本実施例に示すプラズマレーザーリペアシステムは、リフロー装置を通過した基板を再度検査し、基板の電極パッド上に発生したバンプに欠陥がある欠陥電極部にハンダボールを再供給・再リペアを行い、はんだ付けする。そして、このような極微細はんだバンプにおいて、本実施例に示すプラズマレーザーリペアシステムは、リフロー後のバンプ電極の欠陥部位をリペア・はんだ付けする信頼性の高いリペアはんだ付け装置である。
本実施例に示すプラズマレーザーリペアシステムは、図2で示す検査・リペア部104の後工程、及び図示されないリフロー装置の後工程に設置される。なお、このプラズマレーザーリペアシステムは、図2で示す検査・リペア部104の後工程やリフロー装置の後工程に設置されることに限定されず、このシステム単体で設置してもよい。なお、このプラズマレーザーリペアシステムを、オフライン等にて、システム単体で設置する場合を、便宜上、バンプ形成装置と呼称し、この装置を使用し、バンプを形成する方法を、便宜上、バンプ形成方法と称する場合がある。なお、バンプ形成装置は、基板に形成される複数の電極パッドの各々にハンダボールを搭載し、ハンダボールをリフローすることにより、電極パッド上にバンプを形成するものである。
なお、本実施例では、一例として、図2に示す検査・リペア部104の後工程に位置するリフロー部の次段の工程に設置されるものとして説明する。この際、プラズマレーザーリペアシステムの設置に際しては、オンラインであっても、オフラインであってもよい。つまり、リフロー後に欠陥部位が検出されたバンプ電極が存在する基板を、オンラインでこのプラズマレーザーリペアシステムに流通させても良く、また、リフロー後に欠陥部位が検出されたバンプ電極が存在する基板を、ストックし、オフラインでこのプラズマレーザーリペアシステムに流通させても良い。なお、本実施例では、オフラインの場合を説明する。
なお、プラズマレーザーリペアシステムが図2で示す検査・リペア部104の後工程に位置するリフロー部の次段の工程にされる、すなわちオンラインの場合、欠陥部位が検出されない基板は、このプラズマレーザーリペアシステムを単に通過するよう各部を制御するようにしてもよい。この場合、装置の一連の、いわゆる製造ライン構成を単純化することができる。
プラズマレーザーリペアシステムは、基板(リフロー後に欠陥部位が検出されたバンプ電極が存在する基板)を搬入する搬入ステージ(BF(LD))と、リフロー後の基板に対して検査・リペア作業を実行する検査・リペアユニット(IR)と、リペアされたハンダボールを電極バッドに固着(はんだ付けや溶着)するレーザーリペアユニット(LR)と、修復された基板を搬出する搬出ステージ(BF(ULD))と、を有する。制御ユニット(制御部(以下、CON)又は制御手段)は、これら搬入ステージ(BF(LD))、検査・リペアユニット(IR)、レーザーリペアユニット(LR)及び搬出ステージ(BF(ULD))の全体を所定の状態に制御する制御ユニットである。
なお、図2に示す装置、すなわちフラックス印刷部101、ハンダボール搭載・印刷部103、及び検査・リペア部104も同様に図3で示すような一連の制御フローで制御されるが、この一連の制御フローとCONとは、個別の制御装置を、専用の通信手段等で接続し連携を取ってもよいが、一体の制御装置として構成してもよい。(一連のシステムの構成図の図12を参照)。勿論、図2に示すフラックス印刷部101、ハンダボール搭載・印刷部103、及び検査・リペア部104、次段の工程に配置される図示しないリフロー部、及び図12に示す搬入ステージ(BF(LD))、検査・リペアユニット(IR)、レーザーリペアユニット(LR)、搬出ステージ(BF(ULD))を一連のシステムとして構成する場合には、これら全体を1つの制御装置で制御するようにしてもよい。
検査・リペアユニット(IR)は、例えば、図2で示す検査・リペア部104のようなハンダボールの状態を検査するハンダボール検査装置の機能も有し、ハンダボールの搭載状況を検査した結果、ハンダボール搭載状況の検査によりNGの場合(欠陥が検出された場合)は、ハンダボールにフラックスを供給してから、不良箇所の電極パッド部に、例えば、図10に記載するような修復用ディスペンサを使用し、ハンダボールを再供給する。
そして、基本的な一例としては、図8に示す(1)~(6)の工程でリペア作業が実施される。また、装置構成としても、基本的な一例としては、図9及び図10に示す装置構成が適用される。なお、この際、ハンダボールを再供給した位置データが取得され、この位置データは、検査・リペアユニット(IR)や、レーザーリペアユニット(LR)に専用の通信手段等で送信される等で、連携を取ってもよい。
次に、図13を使用し、レーザーリペアユニット(LR)であるプラズマレーザーリペア装置を説明する。
プラズマレーザーリペア装置は、プラズマレーザーリペアヘッド部200と、基板215を設置するアラインメントステージ216と、アラインメントステージ216を水平方向(XYθ方向)に移動させるステージ移動軸218と、を有する。なお、プラズマレーザーリペアヘッド部200は、水平方向(XYθ方向)に移動可能としても良い。これにより、リペアされたハンダボール(ハンダボール位置)に、ピンポイント(局所的)に、プラズマとレーザーとを照射することができる。なお、プラズマにあっては、放出、放射とも表現することができるが、本実施例では、これらを含め、照射と称することとする。
そして、プラズマレーザーリペア装置は、検査・リペアユニット(IR)から送信される位置データに基づいて、アラインメントステージ216を水平方向(XYθ方向)に移動させる。また、この位置データに基づいて、プラズマレーザーリペアヘッド部200も移動させてもよい。
なお、実施例においてはアラインメントステージ216を水平方向(XYθ方向)に移動させる場合について説明するが、プラズマレーザーリペアヘッド部200をX方向、Y方向に移動可能に構成し、アラインメントステージ216をθ方向に移動可能に構成してもよい。もしくはリペアヘッドが基板215を設置するステージと相対的にX方向、Y方向、θ方向に移動するよう構成してもよい。
次に、図14を使用し、プラズマレーザーリペアヘッド部200を説明する。
プラズマレーザーリペアヘッド部(バンプ形成装置として意味合いも有する)200は、リペアされたハンダボール位置に移動し、このハンダボールに対してピンポイントでスポット的に予熱をかけ、このハンダボールに対してプラズマを照射してハンダボールの酸化膜(例えば、厚さが数nmから数μm程度)を除去(酸化還元)し、酸化膜(酸化被膜)を除去した後、レーザー(レーザー光)を照射して、局所的にリフローする。
プラズマレーザーリペアヘッド部200は、ハンダボールに対してスポット的にレーザーを照射し、ハンダボールを加熱、溶融するレーザー照射手段としてのレーザーユニット(レーザーヘッドやレーザー発生装置(レーザー照射手段の意味)と称する場合がある)205と、ハンダボールに対してスポット的にプラズマを照射するプラズマ照射手段としてのプラズマユニット(マイクロプラズマヘッドやプラズマ発生装置(プラズマ照射手段の意味)とも称する場合がある)220と、ハンダボール(ハンダボールが配置された基板や電極パッド(例えば、銅パッド))に対してスポット的に予熱をかけるスポットヒータ210と、を有する。そして、少なくともレーザーユニット205とプラズマユニット220とを固定するユニット固定板219を有する。ユニット固定板219は少なくともレーザーユニット205とプラズマユニット220とを、そのレーザーの照射方向とプラズマの照射方向とが搭載された特定のハンダボールに合致させることができるよう固定する。なお、ユニット固定板219には、スポットヒータ210を、その照射方向を、搭載された特定のハンダボールに合致させることができるよう固定してもよい。ユニット固定板219は、これらレーザーユニット205とプラズマユニット220と必要によりスポットヒータ210を固定できるものであれば、その形状は任意であり、以下ではユニット固定部材と称する。
なお、本実施例では、例えば、赤外線などを使用するスポットヒータ210を使用し、スポット的に予熱をかけるが、基板215を事前に温め、所定の温度(例えば、150~180℃程度)までプレヒートするホットプレートを使用してもよい。
また、スポットヒータ210の代わりに、デフォーカスレーザーを使用し、ハンダボールの周辺に対して予熱をかけてもよい。デフォーカスレーザーは、設定によっては、ハンダボールの周辺を加熱することも可能であり、デフォーカスレーザーには、例えば、赤外線レーザーを使用することができる。なお、デフォーカスレーザー使用時の焦点(デフォーカス時のレーザースポット径)は、レーザーユニット205から照射されるレーザーの焦点(ジャストフォーカス時のレーザースポット径)よりも、大きいことが好ましい。
また、レーザーユニット205から照射されるレーザーは、パルス的(15~25KHz、例えば、マイクロウエーブ)に照射されることが好ましい。ハンダボールにレーザーをパルス的に照射することにより、ハンダボールの酸化膜を効率的に除去することができる。これは、レーザーをパルス的に照射し、熱音響効果を使用し、その衝撃により、ハンダボールの表面に形成される酸化膜に効率的にひびを入れることができるためである。
また、プラズマレーザーリペアヘッド部200は、ユニット固定板219を上下方向(Z軸方向)に移動するためのアクチュエータ202と、アクチュエータ202を駆動するモータ201と、を有する。これにより、少なくともレーザーユニット205とプラズマユニット220とは、上下方向に移動し、レーザーの照射方向とプラズマの照射方向とを搭載されたハンダボールに合致させることができる。そして、アクチュエータ202は、ヘッドフレーム203に固定される。
プラズマユニット220は、プラズマを発生させる高周波電圧を印加するプラズマ電極213と、高周波電圧が印加され、電界を発生させるプラズマアンテナ211と、ガスが導入され、プラズマ放電管であるプラズマキャピラリ212と、発生するプラズマを射出するプラズマノズル214と、を有する。これにより、ハンダボールに対してスポット的にプラズマを照射することができる。なお、本実施例においては、プラズマ電極213と、プラズマアンテナ211と、プラズマキャピラリ212と、プラズマノズル214と、は、直線状に配置される。なお、これらの配置は任意であり、要はハンダボールに対してスポット的にプラズマを照射できる配置であれば、その限定はない。
そして、媒体ガスを使用してプラズマを発生させ、プラズマとなるガスとしては、本実施例では、重量%にて、アルゴン97~97.5%、水素3~2.5%の混合気体が使用される。なお、これらガスの種類、混合比率は任意であり、装置構成、或は照射対象となる電極パッド又はハンダボールによって、ガスの種類及びその混合比率は適正に選択すればよい。このガスは、プラズマ電極213側からプラズマキャピラリ212に導入される。なお、プラズマユニット220は、電極パッド及び/又はハンダボールに対して、アルゴンガスを有するプラズマを照射することが好ましい。また、媒体ガスは、重量%にて、1~4%の水素成分を含むアルゴンガスであることが好ましい。
なお、この場合は、水素がラジカル化し、活性化され、ハンダボールの表面に形成される酸化膜を除去する。原理としては、酸化膜の酸素とこの水素とが結合し、水蒸気として、酸化膜が除去される。
また、レーザーユニット205は、ハンダボールの状態を観察する観察カメラ206と、レーザー光を導入するレーザー導光口207と、レーザー光の平行光を得るために収差補正するコリメートレンズ208と、平行光のレーザー光を集光する集光レンズ209と、を有する。なお、本実施例においては、観察カメラ206と集光レンズ209とは、直線状に配置され、レーザー導光口207とコリメートレンズ208と、観察カメラ206と集光レンズ209との直線状の軸に対して、垂直に配置される。
つまり、ハンダボールの状態を観察カメラ206により直線状に観察し、レーザー光は90°屈折され、ハンダボールに照射される。これにより、ハンダボールに対してスポット的にレーザーを照射することができる。なお、この装置構成は一例であり、これらの配置構成に限定はない。また、装置構成として、観察カメラ206は、必ずしも必須ではない。
そして、プラズマユニット220の直線状の軸と、レーザーユニット205の直線状の軸と、スポットヒータ210の軸とは、1つのハンダボールに向かうように、1点に集中することが好ましい。つまり、プラズマユニット220のプラズマ照射軸(プラズマユニットの直線状の軸)とレーザーユニット205のレーザー照射軸(レーザーユニット205の直線状の軸)との交点(焦点)が、ハンダボールの略中心となる位置になるように、プラズマユニット220とレーザーユニット205を配置し、また、この交点に、修復するハンダボールが配置されるように、基板の配置位置を制御する。勿論、基板配置位置の制御は相対的であり、プラズマレーザーヘッドを所定の位置となるよう移動制御してもよい。すなわち、基板215の配置位置とプラズマレーザーユニット230とは、特定のハンダボール24に、プラズマ照射軸(プラズマユニットの直線状の軸)とレーザーユニット205のレーザー照射軸(レーザーユニット205の直線状の軸)との交点(焦点)が、ハンダボールの略中心となるように相対的に位置決めされる位置決め駆動手段を備えていればよい。
レーザーユニット205のレーザー照射軸とプラズマユニット220のプラズマ照射軸とのなす角度は、特に限定はないが修復するハンダボールに対してレーザー、プラズマを照射可能であればよく、装置構成或は修復するハンダボールの状態にもよるが、概ね0~180度で調整されることが好ましい。つまり、この角度が0度の場合は、レーザー照射軸とプラズマ照射軸とは同じ方向であり、例えば、レーザーとプラズマとが上方からハンダボールに照射されることを意味し、この角度が180度の場合は、レーザー照射軸とプラズマ照射軸とが対向し、例えば、ハンダボールに対して、左右方向からレーザーとプラズマとがそれぞれ照射されることを意味する。なお、本実施例では、プラズマユニット220の直線状の軸と、レーザーユニット205の直線状の軸と、スポットヒータ210の軸とは、それぞれ、Z軸に対して、所定の角度を有して配置され、それぞれが90°の角度をもって配置される。つまり、プラズマユニット、レーザーユニット205は、電極パッドに供給されたハンダボールに対して、略中心にプラズマやレーザーを照射する。
また、プラズマユニット220、レーザーユニット205は、電極パッドに供給されたハンダボールの略上半分部分に、プラズマやレーザーを照射することが好ましい。つまり、プラズマやレーザーを、ハンダボールに対して、上方から照射することが好ましい。
なお、プラズマユニット220の直線状の軸と、レーザーユニット205の直線状の軸と、スポットヒータ210の軸とは、必ずしもZ軸に対して、所定の角度を有して配置されなくても良く、例えば、レーザーユニット205の直線状の軸をZ軸と平行(Z軸と同軸)にし、これに対して、プラズマユニット220の直線状の軸とスポットヒータ210の軸とを所定の角度を有して配置させてもよい。また、プラズマユニット220の直線状の軸やスポットヒータ210の軸もZ軸と平行にしてもよい。また、レーザーユニット205の軸と、プラズマユニットの軸とは、平行であっても良く、また、これら軸が同軸であってもよい。
更に、プラズマレーザーリペアヘッド部200は、レーザーユニット205の先端(基板側)から基板までの高さ(GAP高さ)を測定する基板高さ変位計204や基板におけるハンダボール充填不良を観測するアラインメントカメラ217が設置されてもよい。なお、基板高さ変位計204やアラインメントカメラ217は、ユニット固定板219に固定されてもよく、スポットヒータ210もユニット固定板219に固定されてもよい。
これにより、アラインメントステージ216上に設置される基板215や基板215に配置されたハンダボールに対して、スポット的にレーザーを照射し、スポット的にプラズマを照射し、スポット的に予熱をかけることができる。
また、スポットヒータ210を使用し、スポット的に予熱をかけることにより、基板全体を予熱する必要がなく、基板に対する熱ダメージを抑制することができる。また、レーザーユニット205を使用し、スポット的にレーザーを照射することにより、基板全体に対してリフローする必要がなく、基板や健全なハンダボールに対する熱ダメージを抑制することができる。
つまり、本実施例は、ハンダボールにレーザーを照射するレーザーユニット205とハンダボールにプラズマを照射するプラズマユニット220とを備えるハンダボールリペア装置やバンプ形成装置であり、プラズマとレーザーとを特定のハンダボールに共に又は同時に照射するものである。ここで、「共に」又は「同時に」照射とは、レーザー照射に対し、時間的に先立ってプラズマを照射することを含み、互いに照射している時間がオーバラップしていることである。
つまり、プラズマを照射してハンダボールの酸化膜を除去し、その後、レーザーを照射したのでは、プラズマによりハンダボールが活性化しているため、この時間差により、レーザーを照射するまでの間に、ハンダボールに酸化膜が形成されてしまうが、これらを共に又は同時に照射することにより、こうしたハンダボールに対する酸化膜の発生を抑制することができる。したがって、必ずしも、ハンダボールの酸化膜の除去処理は、窒素ガスなどの不活性ガスを処理室内に充満させ、不活性ガス雰囲気下で行う必要はない。本実施例では、プラズマレーザーリペア装置が設置される環境は、大気環境である。なお、本実施例は、プラズマレーザーリペア装置を覆い、覆われた内部を窒素環境とすることを妨げるものではない。
なお、プラズマレーザーリペアシステムは、ハンダボールに照射するプラズマユニット220からのプラズマとハンダボールに照射するレーザーユニットからのレーザーとを同時に照射するよう制御ユニット(CON)で制御する。また、このCONは、修復用ディスペンサによって供給されたハンダボールへのレーザー照射に先立って、ハンダボールにプラズマを照射するよう制御する。また、このCONは、プラズマ照射とレーザー照射とに先立って、ハンダボールを予熱するスポットヒータ210により、ハンダボールを予熱するよう制御する。
また、CONは、バンプ形成においても、プラズマユニット220によるプラズマの照射とレーザーユニットによるレーザーの照射とを制御する制御ユニットであり、プラズマユニット220によるプラズマの照射とレーザーユニットによるレーザーの照射とが同時に照射される時間帯を確保する(時間帯が存在する)よう制御する。また、CONは、バンプ形成においても、レーザーユニットによるレーザーの照射に先立って、プラズマユニット220によるプラズマの照射が行われるように制御する。更に、CONは、バンプ形成においても、プラズマ照射とレーザー照射とに先立って、ハンダボールやハンダボールの周辺を予熱するよう制御する。
図15に、プラズマレーザーリペア動作のフローチャートを示す。CONは各部をこの動作のフローチャートに沿って適正に制御する。
まず、基板215をプラズマレーザーリペア装置の搬入ステージに搬入する(STEP1)。その後、位置データを検査・リペアユニット(IR)から受信する(STEP2)。そして、基板215をアラインメントステージ216上に配置する(STEP3)。受信した位置データに基づいて、例えば、アラインメントステージ216を移動させ、基板215を所定の位置に配置する(STEP4)。 その後、配置が完了すると、モータ201を駆動し、アクチュエータ202を下方向(Z軸方向)に移動させ、レーザーユニット205の先端が、設定されているGAP高さ(間隙高さ)になるように移動させる(STEP5)。このGAP高さを基板高さ変位計204にて確認する(STEP6)。このGAP高さに問題がない場合(OKの場合)は、次のSTEPに進む。このGAP高さに問題がある場合には、アクチュエータ202を下方向に移動させ、レーザーユニット205の先端が設定されているGAP高さ(間隙高さ)になるように移動させ、再度、このGAP高さを基板高さ変位計204にて確認する。
GAP高さを基板高さ変位計204にて確認し、問題がない場合には、スポットヒータ210により、ハンダボール(ハンダボールが配置された基板215や電極パッド)に対してスポット的に例えば150~180℃程度まで予熱をかける(STEP7)。そして、ハンダボール(ハンダボールが配置された基板215や電極パッド)の温度が、特に、基板215の温度が、設定される温度に到達しているか否かを、例えば図示していない温度計などにより確認する(STEP8)。なお、この温度が設定温度に到達している場合には、次のSTEPに進む。この温度が設定温度に到達していない場合には、スポットヒータ210により予熱し続ける。又は、スポットヒータ210の出力を増加し、温度上昇を促進する。そして、この温度が設定温度に到達したか否かを再度確認する。
また、GAP高さを基板高さ変位計204にて確認し、問題がない場合には、プラズマユニット220により、ハンダボールに対してスポット的にプラズマを照射する(STEP9)。そして、ハンダボール及び/又は電極パッドが、酸化還元(ハンダボールの表面に形成される酸化膜が除去)されているか否かを、例えば、観察カメラ206によりか確認する(STEP10)。この場合、ハンダボールの表面に形成される酸化膜が除去されるとハンダボールが紫色に輝いて見える。このことから、酸化膜が除去されていることを確認することもできる。なお、酸化還元が完了している場合には、次のSTEPに進む。酸化還元が完了していない場合には、プラズマを照射し続ける。そして、酸化還元が完了したか否かを再度確認する。なお、ここでは、電極パッドの酸化膜を除去し、その後、ハンダボールの酸化膜を除去する場合も含む。なお、観察カメラ206が設置されない場合には、酸化還元が完了する時間を予め設定し、その設定時間に基づいて、次のSTEPに進んでもよい。
基板215の温度が設定される温度に到達していること、及び、ハンダボールが酸化還元されていることを確認した後、レーザーユニット205により、ハンダボールにレーザーを照射し、ハンダボールの温度を例えば250℃程度まで2秒程度で上昇させ、ハンダボールを溶融し、電極パッドに固着(はんだ付けや溶着)する(STEP11)。これにより、ハンダボール充填不良をなくすことができる。
この後、修復され、ハンダボール充填不良がなくなった基板215を搬出ステージから搬出する(STEP12)。
このように、プラズマユニット220が、ハンダボールに対して、プラズマを照射するプラズマ照射タイミングは、レーザーユニット205がハンダボールに対して、レーザーを照射するレーザー照射タイミングよりも早く、プラズマは、レーザーが照射されている間は、照射し続けられていることが好ましい。つまり、プラズマとレーザーとは共に又は同時に照射されている時間帯があることが好ましい。また、スポットヒータ210が、ハンダボールに対して、予熱をかける予熱タイミングは、レーザーユニット205がハンダボールに対して、レーザーを照射するレーザー照射タイミングよりも早く、予熱は、レーザーが照射されている間は、かけ続けられていることが好ましい。
つまり、共に又は同時に、ハンダボールにプラズマを照射し、ハンダボールにレーザーを照射し、ハンダボールの酸化膜を除去し、ハンダボールを溶融してハンダボールを電極パッドにハンダ付けする。なお、共に又は同時に、ハンダボールを予熱し、ハンダボールにプラズマを照射し、ハンダボールにレーザーを照射し、ハンダボールの酸化膜を除去し、ハンダボールを溶融してハンダボールを電極パッドにハンダ付けしてもよい。つまり、共に又は同時にとは、重なる時間帯を有することを意味する。
又はンダボールを設置する前に、電極パッドにプラズマを照射し、電極パッドの酸化膜を除去し、その後に、ハンダボールを設置し、ハンダボールにプラズマを照射し、ハンダボールの酸化膜を除去と、同時に、ハンダボールにレーザーを照射し、ハンダボールを溶融してハンダボールを電極パッドにハンダ付けしてもよい。
このように、本実施例に記載するハンダボールリペア方法又はバンプ形成方法は、基板215の電極パッド上に形成されたハンダバンプの状態をハンダボール検査工程によって検査し、ハンダボール検査工程によって欠陥が検出された電極パッドに修復用ディスペンサによってハンダボールを供給する方法である。
そして、ハンダボールリペア方法又はバンプ形成方法は、修復用ディスペンサによって欠陥が検出された電極パッドにハンダボールを供給後、ハンダボールにプラズマを照射すると共に、レーザーを照射し、ハンダボールの酸化膜を除去すると同時に、ハンダボールを溶融して、ハンダボールを電極パッドにハンダ付けする。又はンダボールリペア方法又はバンプ形成方法は、修復用ディスペンサによって欠陥が検出された電極パッドにプラズマを照射して電極パッドの酸化膜を除去し、その後、この電極パッドにハンダボールを供給し、ハンダボールにプラズマとレーザーとを照射して、ハンダボールの酸化膜を除去しつつ、ハンダボールを溶融し、ハンダボールを電極パッドに固着(はんだ付けや溶着)する。
なお、バンプ形成装置又はバンプ形成方法は、基板21上に形成された電極パッド22上に、ハンダボール24を供給すると考えることもできる。
これにより、基板の電極パッド上に発生したバンプ欠陥を検査して、欠陥電極部にハンダボールを再供給・リペアを行い、はんだ付けすることができる。また、極微細はんだバンプにおいて、リフロー後のバンプ電極の欠陥部位へのリペア・はんだ付けとして、信頼性の高いリペアはんだ付けを実施することができる。
このように、本実施例に記載するハンダボールリペア装置又はバンプ形成装置は、基板215の電極パッド22上のハンダボールをターゲットとするものであり、基板215の電極パッド22上に形成されたハンダバンプの状態を検査して、欠陥が検出された電極パッドにハンダボールを供給する修復用ディスペンサを備える。
そして、ハンダボールリペア装置又はバンプ形成装置は、修復用ディスペンサによって供給されたハンダボールにプラズマを照射し、ハンダボールの酸化膜を除去するプラズマユニット(プラズマ発生装置)220と、ハンダボールにレーザーを照射し、ハンダボールを溶融するレーザーユニット(レーザー発生装置)205と、を備え、ハンダボールの酸化膜を除去すると共に又は同時に、ハンダボールを溶融し、電極パッドにハンダバンプを形成する(ハンダボールを電極パッドにはんだ付けする)。
また、ハンダボールリペア装置又はバンプ形成装置は、欠陥が検出された電極パッドにプラズマを照射し、酸化膜を除去すると共に、修復用ディスペンサによって供給されたハンダボールにプラズマを照射し、ハンダボールの酸化膜を除去するプラズマユニット(プラズマ発生装置)220と、ハンダボールにレーザーを照射し、ハンダボールを溶融するレーザーユニット(レーザー発生装置)205と、を備え、欠陥が検出された電極パッドの酸化膜を除去し、ハンダボールの酸化膜を除去すると共に又は同時に、ハンダボールを溶融し、電極パッドにハンダボールをはんだ付けする(電極パッドにハンダバンプを形成する)。
また、レーザーユニット205は、電極パッドに供給されたハンダボールの上部にレーザーを照射することが好ましい。また、レーザーユニット205は、電極パッドに供給されたハンダボールの表面に対して、略垂直にレーザーを照射することが好ましい。また、レーザーユニット205は、ハンダボール直径に適したスポット径でレーザーを照射することが好ましく、このスポット径は、ハンダボール直径と略同一又はハンダボール直径よりも小さいことが好ましい。
また、プラズマユニット220は、電極パッドに対してハンダボール直径又は電極パッド直径より広い範囲でプラズマを照射することが好ましい。これにより、効率よく酸化膜を除去することができる。
以上の説明において、プラズマ照射によりハンダボールの酸化膜を除去すると共に又は同時に、レーザー照射によりハンダボールを溶融するとは、同期間、同時間帯にわたり、プラズマ照射とレーザー照射とを同時に行うことは勿論、少なくとも同時に照射する期間を有する、或は少なくとも同時に照射する時間帯を有することを意味する。したがって、プラズマ照射をレーザー照射に先立って行ってもよく、レーザー照射を行っている間にプラズマ照射を停止してもよく、またこの逆であってもよい。
また、仮に、プラズマ照射とレーザー照射とを瞬時に、或は短時間に切り替えるにしても、プラズマ照射による酸化膜の除去が、レーザー照射による溶融に問題の無い程度である短時間の差であれば、少なくとも同時に照射する期間を有する、或は少なくとも同時に照射する時間帯を有することを意味する。
また、プラズマユニット220が、電極パッド又は/及びハンダボールに対して、プラズマを照射するプラズマ照射タイミングは、レーザーユニット205がハンダボールに対して、レーザーを照射するレーザー照射タイミングよりも早く、プラズマは、レーザーが照射されている間は、照射し続けられていることが好ましい。つまり、プラズマとレーザーとは同時に照射されている時間帯があることが好ましい。
特に、プラズマが照射されたハンダボールは、その表面が活性化されているため、酸化されやすく、プラズマの照射を停止するとすぐに酸化されてしまう。そこで、プラズマを照射しつつ、レーザーを照射することが重要である。
このように、本実施例に記載するハンダボールリペア装置では、基板215の電極パッド上に供給されたハンダボール及び/又は電極パッドに対して、プラズマを照射しつつ、ハンダボールにレーザーを照射する。
また、本実施例に記載するハンダボールリペア装置では、スポットヒータ210を備えた場合について説明したが、これは、製品の品種や材料などの状況によっては、必ずしも必要なものでは無く、省略してもよい場合があるが、このスポットヒータ210を備え、これを実施例のように制御すれば、レーザーの出力をより小さくできる。
本実施例によれば、ハンダボールを電極パッド上にはんだ付けダメージが少なく、効率よく確実にリペア、はんだ付けをすることができる。
また、本実施例によれば、欠陥の発生した部位のみに、レーザーを照射し、プラズマを照射するため、はんだ付けにかかる時間が短く、一括リフロー工程を用いることなく、シンプルなライン構成でリペアを完結できるため、装置の製造コストを低く抑えることが可能になる。
また、本実施例によれば、欠陥の発生した電極パッド部のみをレーザー&プラズマにてリペアし、はんだ付けが可能なため、再はんだ付けにかかるエネルギーが少なくて済み、大量の熱を発生させないため、省エネルギーかつ環境に良いシステム提供が可能となる。
また、本実施例によれば、欠陥の発生した部位のみをレーザー&プラズマにてリペアし、はんだ付けが可能なため、再はんだ付けの範囲が狭く、リフローはんだ付け済みの良品部位に熱履歴を加えないため、信頼性が高いリペアし、はんだ付けが可能になる。
次に、図16を使用し、実施例2のプラズマレーザーヘッド部300を説明する。なお、実施例2を説明するにあたり、実施例1との相違部分について説明する。
プラズマレーザーリペアヘッド部300は、ハンダボール位置に移動し、このハンダボール24に対してピンポイントでスポット的に予熱をかけ、このハンダボール24に対してプラズマを照射してハンダボール24の酸化膜を除去し、酸化膜を除去した後、レーザーを照射して、局所的にリフロー又はバンプ形成する。
プラズマレーザーリペアヘッド部300は、ハンダボール24に対してスポット的にレーザーを照射し、ハンダボールを加熱、溶融するレーザーユニット(レーザー発生装置(レーザー照射手段の意味))305と、ハンダボール24に対してスポット的にプラズマを照射するプラズマユニット(プラズマ発生装置(プラズマ照射手段の意味))306と、ハンダボール34に対してスポット的に予熱をかけるスポットヒータ210と、を有する。そして、少なくともレーザーユニット305とプラズマユニット306とを固定するユニット固定板219を有し、このレーザーユニット305とプラズマユニット306とユニット固定部材219はプラズマレーザーユニット301を構成する。
実施例2では、レーザーユニット305のレーザー照射軸とプラズマユニット306のプラズマ照射軸とは、ハンダボール24の近傍で同軸であり、プラズマやレーザーを、ハンダボール24に対して、上方(真上)から照射する。なお、スポットヒータ210の軸は、プラズマやレーザーが照射される1つのハンダボール24に向かうように、設定される。これにより、レーザーユニット305のレーザー照射軸、プラズマユニット306のプラズマ照射軸、スポットヒータ210の軸は、1つのハンダボール24に集中する。
次に、図17を使用し、実施例2のプラズマレーザーヘッド部300の原理を説明する。
実施例2では、レーザーユニット305から照射されるレーザーは、水平方向に導入され、ハーフミラー309により、鉛直方向に反射し、ハンダボール24の上方から、ハンダボール24に照射される。
また、実施例2では、プラズマユニット306から照射されるプラズマも、ハンダボール24の上方から、ハンダボール24に照射される。
プラズマユニット306は、ホローカソード放電を使用し、高密度のプラズマを発生させるものであり、プラズマを発生させる高周波電圧を印加するプラズマ電極313を有する。なお、プラズマを発生させる高周波電圧は、プラズマ電極313に高周波電圧を供給する電極電源314から供給され、プラズマとなるガスは、ガス供給部315から供給され、プラズマ発生領域でプラズマが発生する。特に、実施例2では、ガスは、レーザーの導入方向と同一となるように、水平方向から供給される。つまり、レーザーの導入方向とガスの供給方向とが同一となる。これにより、プラズマレーザーヘッド部300をコンパクト化することができる。
そして、このように、実施例2では、レーザーがプラズマ発生領域を貫通し、プラズマとレーザーとが、同時にハンダボール24に照射される。これにより、効率的に、同時に、プラズマとレーザーとをハンダボール24に照射することができる。
また、レーザーユニット305のレーザー照射軸とプラズマユニット306のプラズマ照射軸とを同軸にすることにより、レーザーユニット305のレーザー照射軸とプラズマユニット306のプラズマ照射軸との軸合わせをする必要がなく、効率的に、プラズマとレーザーとをハンダボール24に照射することができる。
また、実施例2でも、例えば、マイクロスコープなどの観察カメラ206が設置される。観察カメラ206は、ハーフミラー309を透して、上方(真上)から、ハンダボール24の状態を観察する。ただし、装置構成として、観察カメラ206は、必ずしも必須ではない。
なお、観察カメラ206が設置されない場合には、ハーフミラー309を設置せず、レーザーユニット305をハンダボール24の上方(真上)に設置し、レーザーを、直接、ハンダボール24に照射することができる。
また、実施例2でも、ハンダボール34に対してスポット的に予熱をかけるスポットヒータ210を使用するが、スポットヒータ210の代わりに、デフォーカスレーザーを使用し、ハンダボールの周辺に対して予熱をかけてもよい。
特に、観察カメラ206が設置されない場合には、デフォーカスレーザーを、ハーフミラー309を透して、ハンダボール24の上方(真上)から、ハンダボール24に照射することもできる。つまり、デフォーカスレーザーの照射軸を、レーザーユニット305のレーザー照射軸とプラズマユニット306のプラズマ照射軸と、ハンダボール24の近傍で同軸とする。これにより、効率的にハンダボール24の周辺を予熱することができる。
次に、図18を使用し、実施例2のプラズマレーザーヘッド部300の構成、特に、プラズマユニット306の構成を説明する。
ハンダボール24に対してスポット的にプラズマを照射するプラズマユニット306は、ホローカソード放電を使用し、高密度のプラズマを発生させるものである。
図18において、部材330は、ガス案内路を構成する案内路構成部材であり、略円筒形に形成される。この部材330には、軸方向にガス案内路331が適宜ドリル加工などにより直線状に穿設されている。
このガス案内路331は、上端が広く開口し、下端は狭まってノズル形状となって開放している。ガス案内路331の側方には、ガス供給口332が穿設され、ガス供給部315からガス案内路331にプラズマとなるガスが供給される。
ガス案内路331の開口した一端には、この開口部を塞ぐよう部材320を設置する。部材320は、ガス案内路331の一端を封緘し、後記するレーザー光を透過する部材であれば特に限定はないが、一般的には石英ガラスが使用される(以下、部材320は石英ガラス板と称する。)。
この石英ガラス板320は、部材330との間にOリング321を挟み、その上方には中央部を開口した蓋体316を、部材330に螺合する。これにより、石英ガラス板320は、Oリング321側に押し付けられ、ガス案内路331の一端は密閉されることになる。(なお、石英ガラス板320が密閉される方法であれば、特に螺合方式に限定するものではない。)
この構成により、ガス供給部315からガス導入部317及びガス供給口332を通して案内されたガスは、ガス案内路331によって案内され、ガス案内路331の下端に形成したノズルから下方に照射される。
ガス案内路331のノズル形状となって開放している下端にも石英ガラス板322を設置する。上記と同様な構成により、この下端に配置した石英ガラス板322は、Oリング323、蓋体324により、石英ガラス板322がOリング323側に押し付けられ、ガス案内路331の一端は(以下に説明する第1孔部を除き)密閉されることになる。
下部に設置した石英ガラス板322の上部面及び下部面には、ガスを励起してプラズマを生成する高周波電圧を印加するタングステンからなるプラズマ電極313を設置する。そして、プラズマ電極313には、電極電源314から高圧、高周波電圧を供給するための電極電源線を接続する。
下部の石英ガラス板322には、ガス案内路331の下端に構成したノズル形状となって開放しているノズル先端と同様の直径0.5~0.8mm程度の第1孔部を形成する。更に、下部の石英ガラス板322の上部面及び下部面に設置したプラズマ電極313にも第2孔部が形成される。第2孔部の直径は、第1孔部の直径よりも大きいか、又は、第1孔部の直径とほぼ同等である。
プラズマは、電極電源314から高圧、高周波電圧をプラズマ電極313に供給することにより、プラズマ電極313の周辺(第2孔部の近傍)で生成され、ここがプラズマ発生領域318となる。そして、この生成されたプラズマは蓋体324に形成される下部の開口部から、下方に位置するハンダボール24に向けて照射される。
この照射は、ガス供給部315からのガスの供給圧力によって調整することができる。ガス供給部315からのガスの供給圧力は、ガス圧により基板に搭載したハンダボール24が飛び散らない、或は所定の電極上から移動(位置ズレ)しない適正な圧力とする。
なお、蓋体324の下部の開口部の直径は、第1孔部の直径とほぼ同等であるか、又は、第1孔部の直径よりも大きくすることが望ましい。
レーザーユニット305から照射されるレーザーは、水平方向に導入され、ハーフミラー309により、鉛直方向に反射し、蓋体316の上部の開口部を通過し、部材330に設置される上部の石英ガラス板320を透過し、ガス案内路331を通って、第1孔部、第2孔部、蓋体324の下部の開口部を通過し、ハンダボール24の上方から、ハンダボール24に照射される。
また、実施例1と同様に、ガス(媒体ガス)は、重量%にて、1~4%の水素成分を含むアルゴンガスであることが好ましい。この場合も、高周波電源(例えば、5kV、50Hz)であるプラズマ電極313により、ガスが励起され、ガスがラジカル化し、ガスがプラズマ化する。
これにより、レーザーユニット305のレーザー照射軸とプラズマユニット306のプラズマ照射軸とは、ハンダボール24の近傍で同軸となると共に、レーザーがプラズマ発生領域318を貫通し、プラズマとレーザーとが、同時にハンダボール24に照射される。これにより、効率的に、同時に、プラズマとレーザーとをハンダボール24に照射することができる。
なお、実施例2では、ホローカソード放電を使用し、高密度のプラズマを発生させるプラズマの発生方式を使用したが、プラズマの発生方式はこれに限定されるものではなく、例えば、ガスを高周波コイルによって励起する構成のものであってもよい。
また、実施例2では、ホローカソード放電を使用し、ガス案内路331のガス出口側にプラズマ電極を設け、プラズマを生成するようしたが、プラズマ電極の位置は、実施例のガス出口側に限らず、ガス流通経路の任意の一部に設けるようにしてもよい。
以上、実施例2のようにすれば、一端がレーザー光を透過する光透過部材(例えば、石英ガラス板320)で封緘された側方にプラズマを生成するガスを供給するガス供給口332を有し、このガス供給口332から供給されたガスを基板に搭載されたハンダボールに照射するよう導く直線状に形成したガス案内路331と、このガス案内路331からハンダボールに至る流通経路の一部を包囲し、ガスに高圧・高周波電源を印加してガスをプラズマ化するプラズマ生成手段(例えば、プラズマ電極313)と、生成したレーザー光を、光透過部材を透過し、ガスの流通経路及びプラズマ生成領域の中央部を通してハンダボールに照射するレーザー発生手段(例えば、レーザーユニット305)と、を備え、プラズマでハンダボールの酸化膜を除去すると共に、レーザー光でハンダボールを溶融してバンプを形成するバンプ形成装置を得ることができる。
次に、図19を使用し、実施例2を応用したレーザーのパルス照射について説明する。
レーザーユニット305から照射されるレーザーは、パルス的(15~25kHz)に照射されることが好ましい。ハンダボール24にレーザーをパルス的に照射することにより、ハンダボールの酸化膜を効率的に除去することができる。これは、レーザーをパルス的に照射し、熱音響効果を使用し、その衝撃により、ハンダボールの表面に形成される酸化膜に効率的にひびを入れることができるためである。
このように、実施例2によれば、レーザー&プラズマにてはんだ付けが可能なため、はんだ付けの範囲が狭く、極微細はんだバンプ形成において、信頼性が高いはんだ付けが可能になる。
図20は、より確実に基板215上の欠陥箇所の電極パッド120にハンダボール24を載置し、これを溶融してバンプを形成することができる他の実施例の動作工程を示すフローチャートであり、図12における検査リペアユニットIRと、レーザーリペアユニットLRの一連の動作工程を示すフローチャートである。
本実施例の特徴とするところは、特に、STEP9、STEP12、STEP13、STEP14、STEP16にある。すなわち、STEP9で電極パッド120にプラズマを照射して、この電極パッド120の酸化膜を除去する。STEP12で電極パッド120にフラックスを転写して塗布し、STEP13でハンダボール24の下部にフラックス23をディップする。(図8)STEP14で電極パッド120にハンダボール24を搭載する。続いて、STEP16で電極パッド120に搭載したハンダボール24に、その上方から、先のSTEP12で電極パッド120に転写して塗布したフラックスよりも粘度の低いフラックスを転写して塗布する。その後、このハンダボールを溶融して電極パッド120上にバンプを形成する。
以後、STEP12で電極パッド120に転写して塗布したフラックスを第1のフラックス23aと称し、STEP16で電極パッド120に搭載したハンダボール24に、その上方から、先のSTEP10で電極パッド120に転写して塗布した第1のフラックスよりも粘度の低いフラックスを第2のフラックス23bと称する。
本実施例の場合、高粘度のフラックス、すなわち第1のフラックス23aの粘度は概ね100~300cps、望ましくは200cpsとし、低い粘度のフラックス、すなわち第2のフラックス23bの粘度は概ね20~60cps、望ましくは30cpsとしている。ハンダボール24の下部にディップする際のフラックス23の粘度は、概ね100~200cps、望ましくは150cpsとしている。
図20の動作工程を説明するにあたり、これを実現する検査・リペアユニットIRとレーザーリペアユニットLRの概略構成について説明する。図21は検査・リペアユニットIRとレーザーリペアユニットLRを1つの独立した装置として上から見た平面図であり、検査・リペアユニットIRとして概略は図9と同様で、図9と同一符号は同一部分を示す。すなわち、図9と同様、搬入コンベア81から検査対象の基板215が搬入されると、検査部コンベア82上に受け渡され、矢印J方向に搬送される。検査部コンベア82の上部には門型フレーム80が設けてある。門型フレーム80の搬入コンベア81側には、基板搬送方向(矢印J方向)に対して直角方向にラインセンサ79が配置してある。このラインセンサ79によって、基板215上の電極パッド120に印刷したハンダボール24の状態を検出する。
なお、ここでは、ハンダボールの状態検出器としてラインセンサ79を設けた構成にしたが、撮像用カメラを設けて、門型フレーム80の長手方向に移動し、ハンダボールの状態を撮像して欠陥を検出する構成としてもよい。
門型フレーム80には、正常なハンダボールを収納したハンダボール収納部84を設けてある。そして、門型フレーム80には新たにフラックス供給部85として、粘度の高い第1のフラックス23aを供給する第1のフラックス供給部85aと、この第1のフラックスよりも粘度の低い第2のフラックス23bを供給する第2のフラックス供給部85bを設ける。更には、不良ハンダボールを廃棄する廃棄ボックス83が設けてある。門型フレーム80には、不良ハンダボールを吸引除去するための除去用ディスペンサである真空吸着ノズル86と、基板上の欠陥を補修するための修復用ディスペンサ87とが、リニアモータにより水平方向(矢印K方向)に移動可能に設けてある。
更に、図21においては、門型フレーム80に、新たに、欠陥箇所の電極パッド120に第1のフラックス供給部85aに収容した第1のフラックス23aを転写して塗布する第1のフラックス塗布手段としての第1のフラックス転写ピンユニット401と、この電極パッド120に搭載したハンダボール24の上方から第2のフラックス供給部85bに収容した第2のフラックス23bを転写して塗布する第2のフラックス塗布手段としての第2のフラックスピン転写ユニット402とを設ける。第1のフラックス転写ピンユニット401と第2のフラックス転写ピンユニット402も、リニアモータにより水平方向(矢印K方向)に移動可能に設けてある。
ここで、ハンダボール収納部84、第1のフラックス供給部85a、第2のフラックス供給部85bは、対応する修復用ディスペンサ87、第1のフラックス転写ピンユニット401、第2のフラックスピン転写ユニット402の下方側、すなわち基板215側に位置し、通常時は矢印(L方向)で示すように門型フレーム80側に後退し、必要な場合には前進し、修復用ディスペンサ87、第1のフラックス転写ピンユニット401、第2のフラックスピン転写ユニット402とハンダボール、フラックスの受け渡しを可能とした構成となっている。
検査部コンベア82は、矢印J方向およびその逆方向に往復動できるように構成されており、基板215の欠陥位置に応じて、修復用ディスペンサ87や真空吸着ノズル86の位置に欠陥位置を合わせることができるように構成してある。更に、第1のフラックスピン転写ユニット401、第1のフラックスピン転写ユニット402についても、基板215の欠陥位置に応じて、フラックスを転写して塗布する位置に欠陥位置を合わせることができるように構成してある。
図22は第1のフラックスピン転写ユニット401の構成を示す側面図であり、図22(a)、図22(b)、図22(c)、図22(d)は電極パッド120への第1のフラックスピン転写ユニット401によるフラックスの転写、塗布動作を説明するための側面図である。
図22に示すように、第1のフラックスピン転写ユニット401には、フラックスをその先端に付着させて保持し、電極パッド120に転写して塗布するフラックスピン411を備えている。フラックスピン411は先端部412から上方に向かってテーパー状に形成されている。すなわち、フラックスピン411は先端部412から基端部413に向かって幅が拡大していく形状になっている。なお、フラックスピン411の形状は、テーパー状に形成されていなくても、例えば円筒状でストレートな形状でも良く、効率よくフラックスが転写できる形状であればよい。
フラックスピン411はピン支持枠414にボルト等により固定されている。ピン支持枠414は駆動部415に連結されている。そのため、フラックスピン411は駆動部415と共に上下方向に自在に移動できるよう構成される。そして、駆動部415は門型フレーム80に対して上下動自在に連結されている。
次に、上記のように構成された第1のフラックスピン転写ユニット401による電極パッド120への第1のフラックスの転写、塗布動作を説明する。まず、第1のフラックスピン転写ユニット401を門型フレーム80に沿って移動駆動し、フラックスピン411を第1のフラックス供給部85aの上方位置まで搬送する。そして、フラックスピン411を駆動部415により下降させ、フラックスピン411の先端部412を、第1のフラックス供給部85aに収容した第1のフラックス23aに浸漬し(図22(a))、フラックスピン411を上昇して先端部412に第1のフラックス23aを付着する(図22(b))。ここで、フラックス23aを付着するボリュームについては、上下方向に自在に移動可能な駆動部415にて所定のフラックスピン浸漬高さに制御され適切な量を付着することができる。
次に、付着したフラックス23aを欠陥箇所の電極パッド120上に搬送し(図22(c))、フラックスピン411を駆動部415により下降させて、図22(d)に示すように、電極パッド120内に第1のフラックス23aを転写して塗布する。その後、第1のフラックスピン転写ユニット401は上昇し、初期の位置に戻る。
図23は基板215の電極パッド120に第1のフラックス23aを塗布する状態を拡大して示した拡大図であり、図23(a)は第1のフラックス23aを電極パッド120に塗布する寸前の状態を示し、図23(b)は第1のフラックス23aを電極パッド120に塗布している状態を示す。
続いて、図8に示すように、修復用ディスペンサ87により、第1のフラックス23aを転写して塗布した電極パッド120の上方に、フラックス23をディップしたハンダボール24を搬送し、修復用ディスペンサ87を電極パッド120方向に降下させて、電極パッド120上の第1のフラックス23a内にハンダボール24を載置するのであるが、これについては図10、図11と同様であるので、説明を省略する。なお、フラックス23をディップし、付着するボリュームについては、上下方向に自在に移動可能な駆動部96にて、修復用ディスペンサ87を所定の下降高さに制御することで適切な量を付着することができる。
次に、本実施例の場合、修復用ディスペンサ87により電極パッド120上に載置したハンダボール24の上方から第2のフラックス23bを、第2のフラックスピン転写ユニット402で転写して塗布する。図24は第2のフラックスピン転写ユニット402の構成を示す側面図であり、図24(a)、図24(b)、図24(c)、図24(d)は電極パッド120への第2のフラックスピン転写ユニット402によるフラックスの転写、塗布動作を説明するための側面図である。
この第2のフラックスピン転写ユニット402は前記した第1のフラックスピン転写ユニット401と同一構成であり、図24(a)、図24(b)、図24(c)、図24(d)は電極パッド120へ載置したハンダボール24の上方から第2のフラックス23bを第2のフラックスピン転写ユニット402により転写、塗布する動作を説明するための側面図である。
図24に示すように、第2のフラックスピン転写ユニット402は、フラックスをその先端に付着させて保持し、電極パッド120に転写して塗布するフラックスピン421を備えている。フラックスピン421は先端部422から上方に向かってテーパー状に形成されている。すなわち、フラックスピン421は先端部422から基端部423に向かって幅が拡大していく形状になっている。
フラックスピン421はピン支持枠424にボルト等により固定されている。ピン支持枠424は駆動部425に連結されている。そのため、フラックスピン421は駆動部425と共に上下方向に自在に移動できるよう構成される。そして、駆動部425は門型フレーム80に対して上下動自在に連結されている。
フラックスピン421はピン支持枠424にボルト等により固定されている。ピン支持枠424は駆動部425に連結されている。そのため、フラックスピン421は駆動部425と共に上下方向に自在に移動できるよう構成される。そして、駆動部425は門型フレーム80に対して上下動自在に連結されている。
フラックスピン421はピン支持枠424にボルト等により固定されている。ピン支持枠424は駆動部425に連結されている。そのため、フラックスピン421は駆動部425と共に上下方向に自在に移動できるよう構成される。そして、駆動部425は門型フレーム80に対して上下動自在に連結されている。
図25は基板215の電極パッド120に載置したハンダボール24の上方から第2のフラックス23bを塗布する状態を拡大して示した拡大図であり、図25(a)は第2のフラックス23bをハンダボール24に塗布する寸前の状態を示し、図25(b)は第2のフラックス23bをハンダボール24の上方から塗布している状態を示す。
本実施例の場合、第1のフラックス23aに対し、第2のフラックス23bの粘度は前記したように低いため、第2のフラックス23bをハンダボール24の上方から塗布し、フラックスピン421を上昇しても、第1のフラックス23aの粘着力が、第2のフラックス23bの粘着力を上回るので、ハンダボール24は電極パッド120上に安定してとどまる。また、フラックスが低粘度であることで、フラックスがより広がり易くなるため、フラックスを塗布(滴下)した際、球状体であるはんだボールの表面に、まんべんなく塗布でき、はんだ付けの際の酸化を抑制し、良好なはんだ付けを可能とする利点がある。
なお、図示していないが、第1フラックスピン転写ユニット401、第2のフラックスピン転写ユニット402は、フラックスを転写するたびごと、又は、レシピに設定した所定の回数毎にフラックスピン411,421の先端部412,422を洗浄する図示しない洗浄ユニットを備える。一般的に、洗浄ユニットはブラシを回転し、その中にフラックスピン411,421の先端部412,422を差し入れることにより行う。修復用ディスペンサ87についても、同様の構成にて、吸着ノズル90の先端部98及び心棒91を洗浄する図示しない洗浄ユニットを備える。
また、第1フラックスピン転写ユニット401、第2のフラックスピン転写ユニット402は図22、図24からも明らかなように、同一構成である。装置全体のタクトタイムの短縮が要求される場合、これらは別々に設けても良いが、装置のタクトタイムが比較的緩い場合、両ユニット401,402は1台で共用してもよい。すなわち、一例として、第1フラックスピン転写ユニット401を第2フラックスピン転写ユニット402として使用する場合、第1フラックスピン転写ユニット401によって上記のように第1のフラックス23aを塗布し、その後第1フラックスピン転写ユニット401のフラックスピン411を洗浄する。次に第1フラックスピン転写ユニット401を第2フラックスピン転写ユニット402として使用し、上記のように第2のフラックス23bをハンダボール24の上から塗布するようにすればよい。
更に、第1フラックスピン転写ユニット401、第2のフラックスピン転写ユニット402は、フラックスピン411,421によりフラックスを転写する場合について説明したが、これはインクジェット方式を利用し、これによりフラックスを非接触塗布(滴下)してもよく、また、ジェットディスペンサ方式などの他の方式のものであってもよい。要は、フラックスを塗布可能なフラックス塗布手段であれば塗布方式については、特に限定するものではない。また、特に非接触塗布(滴下)方式でフラックス塗布する場合については、第1のフラックス23aと第2のフラックス23bとに粘度差を設け粘着力に違いをつける様にしても良いが、非接触方式であるため特にその様な限定は必要が無い。
また、本実施例の場合、門型フレーム80には、レーザーリペアユニットLRとしての、図13、図14に示すレーザーユニット205とプラズマユニット220を備えたプラズマレーザーユニット230が、アクチュエータ202,モータ201を介して上下方向(Z軸方向)に移動可能に取り付けてある。なお、プラズマレーザーユニット230としては図16に示すプラズマレーザーユニット301であってもよいことは言うまでもない。
図20に戻り、検査リペアユニットIRと、レーザーリペアユニットLRの一連の動作工程を示すフローチャートの詳細を説明する。この動作の制御は制御ユニットCON(図12参照)で行い、制御ユニットCONは各部をこの動作のフローチャートに沿って適正に制御する。
まず、基板215をシステムの搬入ステージBF(LD)に搬入し、検査部コンベア82で搬送する(STEP1)。その後、ラインセンサ79からの欠陥部の位置データを受信する(STEP2)。そして、基板215をアラインメントステージ216上に配置する(STEP3)。受信した位置データに基づいて、アラインメントステージ216を移動させ、基板215を所定の位置に配置する(STEP4)。
その後、配置が完了すると、モータ201を駆動し、アクチュエータ202を下方向(Z軸方向)に移動させ(図14参照)、レーザーユニット205及びプラズマユニット220の先端が、設定されているGAP高さ(間隙高さ)になるように移動制御する(STEP5)。このGAP高さを基板高さ変位計204にて確認する(STEP6)。このGAP高さに問題がない場合(OKの場合)は、次のステップに進む。このGAP高さに問題がある場合には、アクチュエータ202を上下方向に移動制御し、レーザーユニット205の先端が設定されているGAP高さ(間隙高さ)になるように移動させ、再度、このGAP高さを基板高さ変位計204にて確認する。
なお、この動作を示す図20のフローチャートにおいて、STEP7,STEP11,STEP15では記載された動作の有効、無効を判断しているが、これは制御ユニットCONに対し、予め記載された動作を有効にするか、無効にするかの設定が可能となっているためであり、説明に当たっては全てが有効と設定されている場合について説明する。
GAP高さを基板高さ変位計204にて確認し、問題がない場合には、続くSTEP8で、欠陥が検出された、すなわちハンダボールが搭載されていない電極パッド120に、プラズマユニット220でプラズマを照射する位置に基板215を移動する。そして、STEP9で電極パッド120に対し、プラズマユニット220によりプラズマを照射し、電極パッド120の表面の酸化物を除去する。
続いて、STEP10で、第1のフラックス23aを塗布する位置まで基板215を移動する。STEP11では電極パッド120へのフラックス塗布が有効とされているので、STEP12で第1のフラックス転写ピンユニット401により、第1のフラックス供給部85aから第1のフラックス23aを付着し、電極パッド120に第1のフラックス23aをピン転写して塗布する(図22参照)。
次に、修復用ディスペンサ87を作動し、ハンダボール24を図10に示すように真空吸着し、STEP13で図8に示すようハンダボール24をフラックス23にディップし、このハンダボール24をSTEP14で電極パッド120に載置する。STEP15ではハンダボール24へのフラックス塗布が有効となっているので、STEP16で第2のフラックス転写ピンユニット402により、第2のフラックス供給部85bから第2のフラックス23bを付着し、ハンダボール24に第2のフラックス23bをピン転写して塗布する(図24参照)。続く、STEP17で、このハンダボール24を溶融する位置まで基板215を移動する。
続いて、プラズマレーザーユニット230により、このハンダボール24に、スポットヒータ210で予熱を加え(STEP18)、プラズマユニット220でプラズマを照射して(STEP19)、ハンダボール24の酸化膜を除去し、ハンダボール溶融手段としてのレーザーユニット205でハンダボール24を加熱して溶融する(STEP20)。これにより、電極パッド120にバンプが形成される。
なお、第2のフラックス23b塗布後、レーザー照射(STEP20)する際に、プラズマ照射を行う(STEP19)ことで、高い酸化還元力を持つ水素ラジカルにより、より綺麗なはんだ付けが可能となるため、より形状バラツキがなくコプラナリティの高いバンプ形成が可能となる。理由としては、プラズマ照射があることで、レーザー照射によりフラックスが蒸発してしまった部位でも、プラズマ照射によって酸化膜が形成されることを抑止し、はんだと電極との接合面の濡れ性を改善できるからである。
なお、プラズマ照射を行う(STEP19)としても、第2のフラックス23b塗布を行った方が、不良率が低減され生産性向上が可能となる。理由としては、プラズマ照射しても球状体のボールでプラズマ照射があたらなかった部位でも、フラックがまんべんなく塗布されていれば、より良品率が向上できるからである。
この後、修復され、ハンダボール充填不良がなくなった基板215をSTEP21で搬出ステージBF(ULD)に搬送し、基板215は搬出ステージBF(ULD)から搬出される(STEP22)。
以上の実施例においては、基板215や電極パッド120、ハンダボール24の予熱に係わる説明は省略、或いは簡略したが、これらについては図15と同様に行うため、詳細な説明は省略した。また、ハンダボール24のスポットヒータ210による予熱のタイミング、プラズマユニット220によるハンダボール24へのプラズマの照射タイミング、及びレーザーユニット205によるハンダボール24へのレーザーの照射タイミングは上述の通りであり、その説明は省略する。
図26は、図21に示した検査リペアユニットIRと、レーザーリペアユニットLRの変形例であり、検査、修復部を搭載する架台240をコンベア82の搬送方向の側方に拡大し、門型フレーム80をコンベア82と平行に配置したものである。そして、基板215を搭載するアライメントステージ216は水平方向(X,Y,θ)で、一点鎖線で示した位置は勿論、基板サイズに合わせてハンダボール搭載領域又は電極パッド検査領域のほぼ全領域に移動、位置決め可能なように構成してある。なお、図21と同符号のものは同部分を示す。
ここで、ハンダボール収納部84、第1のフラックス供給部85a、第2のフラックス供給部85bは、対応する修復用ディスペンサ87、第1のフラックス転写ピンユニット401、第2のフラックスピン転写ユニット402の下方側、すなわち基板215を搭載するアライメントステージ216側に位置し、通常時は矢印(L方向)で示すように門型フレーム80側に後退し、必要な場合には前進し、修復用ディスペンサ87、第1のフラックス転写ピンユニット401、第2のフラックスピン転写ユニット402とハンダボール、フラックスの受け渡しを可能とした構成となっている。
図27は、図26に更に基板215におけるハンダボールの状態検出器としてハンダボールの状態を撮像して欠陥を検出する撮像用のカメラ79aを備えたものである。図26の場合、前工程で検査された欠陥部の位置データを受信することを前提としているため、撮像用のカメラ79aは設けていない。但し、図27のように、撮像用のカメラ79aを備えておけば、前工程からの位置データの再確認、或いは独自に欠陥部の位置データを検出することが可能となる。
なお、搬入部81は基板215をアライメントステージ216に移載する前に予熱可能な予熱部381を備え、通常は、アライメントステージ216に備えるテーブルヒーター(図44管理No.13)と同一の温度設定を行う。基板品種によっては、熱容量に差異があるため、個別に温度設定を行い生産待ち時間が生じないようタクトタイムを最適化することが出来る。また、搬出部88は冷却部388を備え、熱容量が大きく、冷えにくい基板に対して冷却待ち時間が生じないようにタクトタイムを最適化することが出来る。
図28は、図26の、更に他の変形例を示したものである。図10に示した修復用ディスペンサ87と、図22に示した第1フラックスピン転写ユニット401と、図24に示した第2のフラックスピン転写ユニット402とは構造的には類似している。すなわち、図10に示した修復用ディスペンサ87において、心棒91を吸着ノズル90の先端で停止させれば、図22に示した第1フラックスピン転写ユニット401と、図24に示した第2のフラックスピン転写ユニット402と同様の構成になる。更に又、前記したように、修復用ディスペンサ87は吸着ノズル90を備えており、欠陥部のハンダボールを取り除く真空吸着ノズル86と兼用することもできる。
そこで、図28は、修復用ディスペンサ87を、第1フラックスピン転写ユニット401と、図24に示した第2のフラックスピン転写ユニット402、及び真空吸着ノズル86として兼用し、87a,87b,87cと3セット具備した場合における各部の配置を示した図である。
ここで、修復用ディスペンサ87を、第1フラックスピン転写ユニット401と、図24に示した第2のフラックスピン転写ユニット402、及び真空吸着ノズル86として使用した場合における修復用ディスペンサを便宜上、複合操作部と称する。87a,87b,87cはこの複合操作部であり、各複合操作部87a,87b,87cの各々に対し、ハンダボール収納部84a,84b,84cとフラックス供給部85a,85b,85cと、洗浄ユニット430a,430b,430cを具備した場合について示してある。例えば、87aの組(87a,84a,85a,430a)を主に利用するとした場合、複合操作部87bの組(87b,84b,85b,430b)、もしくは、87cの組(87c,84c,85c,430c)は予備用とし取り扱ってもよい。
すなわち、上記の構成から容易に理解可能であるが、1つの複合操作部87aにハンダボール収納部84aと第1のフラックス供給部85aと第1のフラックス供給部85aと、更に洗浄ユニット430aを対応配置すれば、1つの複合操作部87aでハンダボールの吸着除去、第1、第2のフラックス転写からノズル洗浄まで可能とすることができる。従って、これを複数組設ければ、複数個所の欠陥部の同時補修動作、あるいはハンダボールの大きさの違いにより各組を対応させ段取り時間の削減化を図る等、その組み合わせや用途の自由度は高いものとなる。
図29は、各複合操作部87a、87b、87cの各々に対応配置する複合保持部450を拡大して示した例であり、図29(a)はハンダボール供給部84a、フラックス供給部85a、洗浄ユニット430aを保持する例を示し、図29(b)は、更にハンダボール供給部84b、フラックス供給部85b、洗浄ユニット430bを追加保持する例を一点鎖線で示す。なお、この配置は任意であり、その配置は自由である。
以上の通り、本実施例によれば、電極パッド21にプラズマを照射して、電極パッド21の酸化膜を除去し、この電極パッドに21第1のフラックス23aを塗布し、この上にハンダボールを搭載し、更にこのハンダボールの上方から第2のフラックス23bを塗布し、このハンダボールを溶融すれば、ハンダボールの全体にフラックスが付着する。これにより、このハンダボールの溶融によりハンダの濡れ性が良好となり、より確実なバンプを形成することができ、微小バンプ形成時の大幅な信頼性向上や良品率の向上に寄与する。
次に、レーザー照射によるハンダボール24の溶融について説明する。一般的にはレーザー照射でハンダボール24を溶融する場合、レーザー照射手段によるレーザーの焦点をハンダボール24の中心、若しくはハンダボール24の表面に当てることが考えられる。しかし、この場合、ハンダボール24に焦点を当てると、中心出力が高いため、ハンダボール24の変形やコゲ、更には基板215にダメージが生じ、フラックス成分の蒸発により濡れ性が悪くなり、はんだ付け強度を確保したはんだ付けが出来ない場合があり、良好なバンプの形成は望めない。
そこで、図30、図31、図32に示す実施例は、この点を考慮したものである。すなわち、図30はレーザーユニット205によるレーザー光LBの照射状態を示したものである。レーザーユニット205から照射されたレーザー光LBは丸印で示した焦点Fで収束し、この焦点Fを過ぎると再び拡散する。
図31は図30におけるレーザー光LBの焦点F付近を拡大して示した側面図である。図31に示すLS1,LS2は、図32に示した部分におけるレーザー光LBの光の径、すなわちレーザースポットLSである。このレーザースポットLSの径はレーザースポットLS1,LS2が焦点Fに近づくに連れてその径が縮小し、焦点Fを過ぎると再びその径は拡大する。
図32は基板215に搭載したハンダボール24とレーザー光LBのデフォーカス量との関係を示した図であり、中央はハンダボール24をレーザー光LBの焦点Fにその中心を合わせた場合、上方はハンダボール24下面までデフォーカスさせた場合について示し(DF=-100)、更に下方に示したハンダボール24はレーザー光LBのレーザースポットL Sが焦点で収束後にスポット径が拡大した位置へデフォーカスさせた場合について示してある。
図33は、デフォーカス量(DF)の定義を示す。ハンダボールの中心にレーザー焦点(ジャストフォーカス)を合せた場合をDF=0とする。ハンダボールの下面より下方向に焦点を設定すると、デフォーカス量はマイナスとなる(DF=-30)。
逆にハンダボールの上面より上方向に焦点を設定すると、デフォーカス量はプラスの報告となる(DF=30)。
図34は、レーザーが焦点(ジャストフォーカス)時の、レーザースポット断面におけるレーザービームの出力分布を示す。図示の通り、ビームスポット中心近傍におけるレーザー照射の出力曲線が急峻な形状となっている。すなわち、このことはレーザースポット中心におけるレーザー照射出力がピンポイント的に高くなることを示すものである。
図示した破線の円はハンダボールを模式的に示したものである。デフォーカス量がゼロ(DF=0)の場合、図示の様にハンダボールに伝わるレーザー出力が、中心に近いほど強く伝わることを示している。
図35は、焦点(ジャストフォーカス:DF=0)の場合と、デフォーカス量マイナス100(DF=-100)に設定した場合の、各レーザースポット断面におけるレーザー出力分布を、それぞれ示したものである。
両者を比較し易い様に、同じスケールで示してある。
図36は、各種ハンダボール、バンプ径に対するデフォーカス量の実績値を示すと共に、バンプ形成の一実施例を示す。
この実施例では、レーザースポットLSを上方に示したハンダボール24の位置へデフォーカス量を設定する。このようにすれば、ハンダボール24の全体に略均一にレーザー光LBを照射でき、ハンダボール24を略均一に加熱することができ、より均一にハンダボールを溶融でき、強いては良好なバンプを形成することが可能となる。言い方を変えれば、レーザースポットLSをハンダボール24の中心にフォーカスするのではなく、焦点Fを外し、レーザースポットLSをハンダボール24の下面にデフォーカスするのである。
すなわち、レーザー光LBは、レーザースポットLSの径が小さくなるほどエネルギー密度が高くなる。そのため照射径が最小となる焦点(ジャストフォーカス)位置の場合はエネルギー密度が最も高くなる上、レーザースポットLSの中心に近くなるほどレーザー出力が急激に高くなる(図34)。そのため、ボールへの熱伝達ボリュームがハンダボールの中央部、トップ近傍に偏り、特定部分での加熱過多が起こること等ではんだ表面凹凸が生じるため、良好なはんだ付けには適さない。
そこで、デフォーカス量を設定し、例えばDF=-100に設定した場合、はんだボール全体に対し、略均一に熱量が伝わりやすく、濡れ性が均一に作用し易くなるので、綺麗なはんだ付けが可能となる(図35)。
なお、レーザースポットLSをハンダボール24に対しデフォーカスさせると説明したが、ハンダボール径との関係に対しては、レーザースポットLSをハンダボール24の径よりも多少大きくすることが良い。
本実施例の場合、レーザースポットLSをハンダボール24の下面にデフォーカスさせるためには、レーザーユニット205のレーザー光LBの焦点Fが固定の場合、レーザーユニット205と基板215に搭載したハンダボール24との距離を相対的に近づける、或いは遠ざければよい。このためには、図示していないが、レーザーユニット205を図14に示すように、モータ201,アクチュエータ202と同様な構成で、ユニット固定板219に、レーザー光LBの光軸方向に進退自在に取り付ければよい。あるいはヘッドフレーム203、あるいは門型フレーム80に取付けるようにしてもよい。また、基板215を搭載するアライメントステージ216にZ方向、すなわち垂直方向の駆動手段を設け、基板215をレーザーユニット205方向に進退自在に構成してもよい。勿論、レーザーユニット205とアライメントステージ216が接近、離間するように構成してもよい。
また、上記ではハンダボール24とレーザーユニット205との距離の調整によりハンダボール24に照射するレーザー光LBのレーザースポットLSを調整したが、レーザーユニット205に備えた集光レンズ209を調整することによりハンダボール24に照射するレーザー光LBのレーザースポットLSを直接的に調整するようにしてもよい。
この意味からすれば、ハンダボール24に照射するレーザー光LBの焦点を調整する焦点調整機構を備えればよい。また、この焦点調整機構の制御に当たっては、少なくともハンダボール24の直径に対する望ましい焦点深度(デフォーカス量DF)を予め記憶部に記憶し、ハンダボール24の直径を入力することにより焦点深度(デフォーカス量DF)を調整するよう焦点調整機構を作動するようにしてもよい。
図36に示すバンプ形成の一実施例の様に、ハンダボール直径60μm、バンプ直径60μm、バンプピッチ70μmに対する実績例のとおり、デフォーカス量をマイナス100μm(DF=-100)と設定した際のレーザースポット径は146.6μmであり、はんだ付け結果は良好であった。また、デフォーカス量をマイナス300μm(DF=-300)と設定した際のレーザースポット径は190μmであり、はんだ付け結果は良好であった。
すなわち、ハンダボールの直径が60μmの場合、デフォーカス量(DF)は、ハンダボール直径の約2.44倍から、約3.16倍のスポット径として、良好なバンプ形成が行うことができた。
以上の通り本実施例によれば、基板に設けた電極にハンダボールを搭載し、当該ハンダボールを溶融して前記電極にバンプを形成するバンプ形成装置において、前記電極に搭載した前記ハンダボールにレーザー光を照射するレーザー照射手段と、当該レーザー照射手段から照射されるレーザー光のレーザースポット径を少なくともハンダボールの径の略2.4倍から略3.1倍に合致させるよう前記レーザー照射手段の焦点を調整する焦点調整手段を設けることで、プラズマ照射の効果と相まって、微小ハンダボールの検査リペアにおいて信頼性の高いリペア装置の提供に寄与する。
次に、レーザーユニット205の各種調整操作について説明する。
図37、図38はレーザーユニット205の焦点調整操作、図39、図40はレーザーユニット205のレーザー出力調整操作、図41、図42はレーザーユニット205のデフォーカス量調整操作を示す。
図37はレーザーユニット205の焦点調整操作を示す図であり、レーザーユニット205については、その先端部を示し、209は前記した集光レンズである。レーザーユニット205の焦点調整にあたっては、実際の製品基板215ではなく。ダミープレートDPを調整用として使用する。レーザーユニット205は前記した制御ユニットCONによって制御操作される。501~505はレーザーユニット205を調整操作する各種の制御機能部を示し、各制御機能部は制御プログラムとして制御ユニットCON内部の記憶部に記憶され、制御ユニットCONによって所定の操作が成される。レシピ記憶部501は、一例として図43に示すように、ワーク名称、この場合、製造する基板を特定する情報、そして使用するハンダボール径、バンプ径、バンプピッチ、レーザー出力、レーザー焦点径、デフォーカス量、レーザーのスポット径、パワーメーター測定位置、焦点確認位置、プラズマ出力、プラズマ流量、テーブルヒーター、スポットヒーター等のデータを、予め試験等により抽出し、良好なデータをレシピとして複数組記憶保持しておく。この実施例の場合、ハンダボール径、バンプ径及びバンプピッチの入力により、対応する1組の各種のデータがこのレシピ記憶部501から読み出される。なお、図43には一例として3組のレシピが登録されている場合について示してあるが、この組数に制限はなく、幅広く使用する場合にはその数は制限されるものではない。また、図43の使用目的の欄は、実際には記憶部に記憶されているものではなく、説明のために設けたものである。
レーザー制御部502は、ハンダボール径、バンプ径及びバンプピッチの入力により選択されたレシピによりレーザーユニット205のレーザー出力を決定する。レーザー照射駆動部503はレーザー制御部502によって設定された状態でレーザーユニット205を照射駆動し、レーザー光LBを照射する。焦点調整部504は図38のフローチャートに沿って各部を駆動操作し、レーザーユニット205の焦点を調整する。すなわち、図38において、まず、STEP1で基板215を搭載するステージ216を移動し、続くSTEP2でレーザー光LBのスポット径を測定する。このスポット径は上述の観察カメラ206によりスポット径を測定し、最もその径が小さくなるように焦点調整部504によりレーザーユニット205の取り付け高さを上下方向に制御することで、焦点調整を行い、この焦点をスポット径確認部505で確認する。
なお、観察カメラ206の代わりに検査ユニット79aをスポット径確認のために用いる構成としても良い。また、焦点調整部504では、レーザーユニット205の取り付け高さを制御する事例を説明したが、レーザーユニット205の集光レンズ209により、焦点高さの調整によって、焦点調整をすることでも良い。
次に、図39から図40に示すレーザー出力調整について説明する。なお、図37と同符号部分は同部分を示し、説明は省略する。PMはレーザー光LBの出力状態を測定するパワーメーターであり、レーザー光LBを直接当てるためのヘッド部を備え、その測定値を出力する一般的な構成のものである。この実施例の場合、このパワーメーターPMは装置架台240の所定位置に設置する。
レーザー照射駆動部503でレーザー光LBを照射した後、レーザー出力測定位置調整部506では、図40に示すように、まず、STEP1で、アライメントステージ216を退避させ、続くSTEP2で、レーザーユニット205の照射位置までパワーメーターPMを上昇する。このパワーメーターPMの上昇制御については、レシピ記憶部501から読み出たレーザー出力測定位置となる様に、パワーメーターPMを位置制御する。続く、STEP3でパワーメーターPMによりレーザー出力の測定を行う。
なお、パワーメーターPMの設置位置は、アライメントステージ216の所定位置に設置しても良い。この場合、パワーメーターPMを上昇させる代わりに、アライメントステージ216を所定位置に移動した後に、レーザー出力測定位置調整部506によりパワーメーターPMを位置制御し、レーザー出力測定部507により、レーザーの出力を測定するようにしてもよい。
そして、STEP4で、測定したレーザー出力測定結果を確認後、STEP5で、予めレシピ記憶部501に登録されたワーク名称もしくはハンダボール径、バンプ径及びバンプピッチから選定されるレシピNo.によって決定されるレーザー出力目標値との偏差情報を比較し、STEP6で、図示していない補正量テーブルから補正量を決定し、STEP7で、レーザー出力の調整を行う。
次に、図41から図42に示すデフォーカス量調整操作について説明する。ここでは、先に図37で説明した構成との相違点についてのみ説明し、重複する説明を省略する。図41と図37の主たる相違点は、焦点調整部504が、デフォーカス量調整となる点である。そのため、図37で焦点調整部504であった点が、図41では焦点深度調整部508となっている。焦点深度調整部508では、焦点におけるレーザービームの最小スポット径は変えずに、レーザーユニット205の高さ調整により、図42に示す手順で焦点深度の調整を行うものである。
すなわち、図42に示すように、まず、STEP1でアライメントステージ216を退避させ、続くSTEP2で、デフォーカス量目標設定を行う。このデフォーカス量目標値は、予めレシピ記憶部501(図43参照)に登録されたワーク名称若しくはハンダボール径、バンプ径及びバンプピッチから選定されるレシピNo.によって決定される。続く、STEP3でレーザー照射を行い、STEP4で観察カメラ206によりレーザー光LBのレーザースポット径を測定し、STEP5でこの測定結果を確認する。続く、STEP6で目標値との偏差情報比較を行い、STEP7で補正量を決定し、STEP8でデフォーカス量の調整を行う。
なお、以上説明した、焦点調整操作、レーザー出力調整操作、デフォーカス量調整操作の頻度・順番は任意に変更可能である。また、これら各種操作をシリーズに全自動化することも可能である。また、特に高価な基板のリペアに使用する際は、これら操作の頻度を高め歩留まりを重視するので、タクトタイムについての優先度を下げる様にすればよい。そして、大量生産する品種の様に比較的安価な基板のリペアに使用する際は、タクトタイムを優先するので、始業時のみ、或は、1週間に1度等、任意に頻度を少なく変更し、生産量を増加する様に設定することが可能である。また、その頻度を記憶・制御する図示しないスケジュール機能を備えることも可能である。
以上の通り本実施例によれば、プラズマレーザーユニット230のレーザー照射、及び、デフォーカス量設定が正しく行なわれているか、或はデフォーカス量、レーザースポット径の調整状態について、機械的・光学的・電気的等のシステムセッティングに問題が生じていないか、また、高価な基板に対するプラズマレーザーリペア動作に対し、万が一のレーザー出力ダウンなどの不具合が無いか、実動作の直前で検証することで、確実にレーザーリペアを行うことが可能となり、微小ハンダボールの検査リペアにおいて信頼性の高いリペア装置の提供に寄与する。
また、実施例においては、レシピ記憶部501に種々の設定値、目標値を予め記憶し、これらを読み出すことによって装置各部の設定、および動作を規定できるため、基板の変更等により作業者がその度ごとに各種設定等を調整する必要がなく、これにより作業工数を大幅に減少できる。更に、レシピ記憶部501からの任意の1組のレシピを読み出すに当たっては、ハンダボール径、バンプ径及びバンプピッチから任意の1組のレシピが選定されるようにしている。バンプ形成装置、ハンダボールリペア装置の構成に当たっては、これらハンダボール径、バンプ径及びバンプピッチは重要な要素であり、これによりレシピを構成することは、繊細なこの種の装置を構成するに当たっては極めて重要な要素である。なお、ハンダボール径、バンプ径及びバンプピッチに他の要素を加えるようにしても良いが、少なくともこの3要素を使用することは重要である。
以上のように、本実施例により、バンプ形成装置、バンプ形成方法、ハンダボールリペア装置、ハンダボールリペア方法を好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施例によって限定的に解釈されるものではない。すなわち、本発明はその趣旨、主要な特徴から逸脱しない範囲において、種々の変更及び様々な形態での実施が可能である。
1…印刷装置、2…印刷ヘッド、3…スキージ、4…モータ、10…印刷テーブル、15…カメラ、20、20b…スクリーン、20d…開口部、21…基板、22…電極パッド、23…フラックス、24…ハンダボール、60…ハンダボール供給ヘッド、79…ラインセンサ、79a…検査ユニット(カメラ&照明)、80…門型フレーム、81…搬入コンベア(搬入部)、82…検査部コンベア、83…廃棄ボックス、84…ハンダボール収納部(ハンダボール供給部、85…フラックス供給部、85a…第1のフラックス供給部(高粘度フラックス供給部(トレイA))、85b…第2のフラックス供給部(低粘度フラックス供給部(トレイB))、86…真空吸着ノズル、87…修復用ディスペンサ、87a…修復用ディスペンサ&フラックス転写ピンユニット&真空吸着ノズルA、87b…修復用ディスペンサ&フラックス転写ピンユニット&真空吸着ノズルB、87c…修復用ディスペンサ&フラックス転写ピンユニット&真空吸着ノズルC、88…搬出コンベア(搬出部)、90…吸着ノズル、91…心棒、91a…上端部、91b…下端部、92…貫通穴、92a…開口端部、93…支持部材、94…ノズル支持枠、95…モータ、96…駆動部、97…リニアレール、98…先端部、99…基端部、120…電極パッド、121…フラックス、130…スイーパ、131…スキージ、200…プラズマレーザーリペアヘッド部、201…モータ、202…アクチュエータ、203…ヘッドフレーム、204…基板高さ変位計、205…レーザーユニット、206…観察カメラ、207…レーザー導光口、208…コリメートレンズ、209…集光レンズ、210…スポットヒータ、211…プラズマアンテナ、212…プラズマキャピラリ、213…プラズマ電極、214…プラズマノズル、215…基板、216…アラインメントステージ(検査ステージ(XYθステージ))、217…アラインメントカメラ、218…ステージ移動軸、219…ユニット固定板、220…プラズマユニット(プラズマ発生装置)、230…プラズマレーザーユニット(レーザーリペアユニット(プラズマ&レーザー))、240…架台、300…プラズマレーザーヘッド部、305…レーザーユニット、306…プラズマユニット、309…ハーフミラー、313…プラズマ電極、314…電極電源、315…ガス供給部、316…蓋体、317…ガス導入部、318…プラズマ発生領域、320…部材、石英ガラス板、321…Oリング、322…石英ガラス板、323…Oリング、324…蓋体、330…部材、331…ガス案内路、332…ガス供給口、381…予熱部、388…冷却部、401…第1のフラックスピン転写ユニット(フラックス転写ピンユニットA)、402…第2のフラックスピン転写ユニット(フラックス転写ピンユニットB)、411…フラックスピン、412…先端部、413…基端部、414…ピン支持枠、415…駆動部、421…フラックスピン、422…先端部、423…基端部、424…ピン支持枠、425…駆動部、430…洗浄ユニット、450…複合保持部、501…レシピ記憶部、502…レーザー制御部、503…レーザー照射駆動部、504…焦点調整部、505…スポット径確認部、506…レーザー出力測定位置調整部、507…レーザー出力測定部、508…焦点深度調整部(ヘッド高さ調整)、509…スポット径確認部、LB…レーザー光、LS…レーザースポット

Claims (9)

  1. 基板上に形成された電極パッドにハンダボールを搭載し、前記ハンダボールを溶融して前記電極パッドの上にバンプを形成するバンプ形成装置において、
    前記電極パッドにプラズマを照射し、前記電極パッドの酸化膜を除去するプラズマ照射手段と、
    前記プラズマ照射手段によって酸化膜を除去した前記電極パッドに第1のフラックスを塗布する第1のフラックス塗布手段と、
    前記第1のフラックス塗布手段によりフラックスを塗布した前記電極パッドにハンダボールを搭載するハンダボール搭載手段と、
    前記ハンダボール搭載手段により搭載したハンダボールに、第2のフラックスを塗布する第2のフラックス塗布手段と、
    前記第2のフラックス塗布手段によりフラックスを塗布した前記ハンダボールを溶融するハンダボール溶融手段と、を備えることを特徴とするバンプ形成装置。
  2. 基板上に形成された電極パッドにハンダボールを搭載し、前記ハンダボールを溶融して前記電極パッドの上にバンプを形成するバンプ形成方法において、
    前記基板上に形成された前記電極パッドにプラズマを照射して、前記電極パッドの酸化膜を除去し、
    酸化膜を除去した前記電極パッドに第1のフラックスを塗布し、
    ハンダボールを吸着した修復用ディスペンサにより前記ハンダボールを前記第1のフラックスを塗布した前記電極パッドに搭載し、
    前記電極パッドに搭載した前記ハンダボールに上方から第2のフラックスを塗布し、
    その後、前記第2のフラックスを塗布した前記ハンダボールを溶融して前記電極パッドの上にバンプを形成することを特徴とするバンプ形成方法。
  3. 基板の電極パッド上に形成されたハンダバンプの状態を検査し、欠陥が検出された電極パッドにハンダボールを供給して溶融するハンダボールリペア装置において、
    前記電極パッドにプラズマを照射し、当該電極パッドの酸化膜を除去するプラズマ照射手段と、
    前記プラズマ照射手段によって酸化膜を除去した前記電極パッドに第1のフラックスを塗布する第1のフラックス塗布手段と、
    前記第1のフラックス塗布手段によりフラックスを塗布した前記電極パッドにハンダボールを搭載するハンダボール搭載手段と、
    前記ハンダボール搭載手段により搭載したハンダボールに、第2のフラックスを塗布する第2のフラックス塗布手段と、
    前記第2のフラックス塗布手段によりフラックスを塗布した前記ハンダボールを溶融するハンダボール溶融手段と、を備えることを特徴とするハンダボールリペア装置。
  4. 基板の電極パッド上に形成されたハンダバンプの状態を検査し、欠陥が検出された電極パッドにハンダボールを供給して溶融するハンダボールリペア方法において、
    前記基板の上に形成された前記電極パッドにプラズマを照射して、前記電極パッドの酸化膜を除去し、
    酸化膜を除去した前記電極パッドに第1のフラックスを塗布し、
    ハンダボールを吸着した修復用ディスペンサにより前記ハンダボールを前記第1のフラックスを塗布した前記電極パッドに搭載し、
    前記電極パッドに搭載した前記ハンダボールに上方から第2のフラックスを塗布し、
    その後、前記第2のフラックスを塗布した前記ハンダボールを溶融して前記電極パッド上にバンプを形成することを特徴とするハンダボールリペア方法。
  5. 一端がレーザー光を透過する光透過部材で封緘され、側方にプラズマを生成するガスを供給するガス供給口を有し、前記ガス供給口から供給された前記ガスを基板に搭載されたハンダボールに照射するよう導く直線状に形成したガス案内路と、
    前記ガス案内路から前記ハンダボールに至る前記ガスの流通経路の一部を包囲し、前記ガスに高圧・高周波電源を印加して当該ガスをプラズマ化するプラズマ生成手段と、
    生成したレーザー光を、前記光透過部材を透過し、前記ガスの流通経路及びプラズマ生成領域の中央部を通して前記ハンダボールに照射するレーザー発生手段と、を備え、
    前記プラズマで前記ハンダボールの酸化膜を除去すると共に、前記レーザー光で前記ハンダボールを溶融してバンプを形成するバンプ形成装置。
  6. 基板上に形成された電極パッド上に、ハンダボールを供給し、前記ハンダボールを溶融してバンプを形成するバンプ形成装置において、
    電極パッドに供給された特定のハンダボールにプラズマを照射し、前記ハンダボールの酸化膜を除去するプラズマユニットと、前記特定のハンダボールにレーザーを照射し、前記ハンダボールを溶融するレーザーユニットとを、前記各ユニットの照射方向が前記特定のハンダボールを照射するよう固定したユニット固定部材と、
    前記ユニット固定部材を前記各ユニットの照射方向が前記特定のハンダボールを照射するよう位置決め駆動する駆動手段と、を備えることを特徴とするバンプ形成装置。
  7. 基板上に形成された電極パッド上に供給されたハンダボールにレーザーを照射し、前記ハンダボールを溶融し、前記電極パッドにハンダバンプを形成するハンダボールリペア装置において、
    前記レーザーの照射径が前記ハンダボール直径の略2.4倍から略3.1倍となる様にデフォーカス量を調整する焦点深度調整手段(焦点調整機構)を備えることを特徴とする、ハンダボールリペア装置。
  8. 請求項7に記載のハンダボールリペア装置において、
    前記基板上に形成された電極パッド上に供給された前記ハンダボールにプラズマを照射し、前記ハンダボールの酸化膜を除去するプラズマ発生装置を備え、
    レーザーの照射よりもプラズマの照射を時間的に先立って行い、互いに照射している時間をオーバラップさせ、前記プラズマ発生装置により前記ハンダボールに前記プラズマを照射して、前記ハンダボールの酸化膜を除去すると共に、前記レーザー発生装置により前記ハンダボールに前記レーザーを照射して、前記ハンダボールを溶融し、前記電極パッドにハンダバンプを形成することを特徴とするハンダボールリペア装置。
  9. 請求項7に記載のハンダボールリペア装置において、
    前記レーザーの出力値、及び、焦点径を測定・検査するレーザー出力測定手段と、予めレーザー出力目標値、レーザー焦点目標径及び対象ワークの条件を記憶するレシピ記憶手段と、前記レシピ記憶手段から対象ワークの条件に対応した制御量情報を用い、レーザー出力、焦点及びデフォーカス量の補正を行うレーザー制御手段とを備えることを特徴とすハンダボールリペア装置。
JP2022109787A 2022-07-07 2022-07-07 バンプ形成装置、バンプ形成方法、ハンダボールリペア装置、及び、ハンダボールリペア方法 Pending JP2024008161A (ja)

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