JP2024007897A - 基板処理装置、および温度調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の基板同士における膜厚の面間均一性を図ることが可能な温度を効率的に設定できる技術を提供する。【解決手段】基板処理装置は、処理容器と、温調部と、制御部と、を備える。温調部は、処理容器を天井から加熱する天井ヒータと、処理容器よりも下側部分を加熱する下部ヒータとのうち少なくとも一方を有する。制御部は、保有している上部温度モデルおよび/または下部温度モデルを用いて基板処理における複数の基板同士の膜厚を均一化するための複数のゾーン毎の温度条件を算出し、算出した温度条件により基板処理を実施した場合の複数の基板の膜厚を取得し、取得した膜厚と目標膜厚とを比較し、当該取得した膜厚が目標膜厚の許容範囲外にある場合に、比較に基づき複数の基板において基板処理に適用するプロセス領域を設定する。【選択図】図6

Description

本開示は、基板処理装置、および温度調整方法に関する。
特許文献1には、処理容器内において複数の基板(ウエハ)を加熱しながら処理ガスを供給することにより、基板の表面に所望の膜を成膜する基板処理装置が開示されている。この基板処理装置は、処理容器の側方に位置する側方ヒータにより複数の基板を加熱すると共に、処理容器の上方に設置された天井ヒータにより基板を加熱する構成としている。また特許文献2に開示されているように、基板処理装置は、処理容器を支持するマニホールドも下部ヒータにより加熱する場合がある。
この種の基板処理装置は、複数の基板同士の膜厚を詳細に測定すると、複数の基板同士の間で膜厚(面間均一性)がばらついている場合がある。
特開2003-59837号公報 特開2020-47911号公報
本開示は、複数の基板同士における膜厚の面間均一性を図ることが可能な温度を効率的に設定できる技術を提供する。
本開示の一態様によれば、複数の基板に膜を成膜する基板処理を行う処理容器と、前記処理容器の内部に収容された前記複数の基板を、予め設定された複数のゾーン毎に温調する温調部と、前記温調部の動作を制御する制御部と、を備える基板処理装置であって、前記温調部は、前記処理容器を天井から加熱する天井ヒータと、前記処理容器の下部または前記処理容器よりも下側部分を加熱する下部ヒータとのうち、少なくとも一方を有し、前記制御部は、前記温調部が有する前記天井ヒータおよび前記下部ヒータに対応して、前記天井ヒータの温度の変化に基づく膜厚変化量の上部温度モデル、および前記下部ヒータの温度の変化に基づく膜厚変化量の下部温度モデルのうち少なくとも一方を保有しており、保有している前記上部温度モデルおよび/または前記下部温度モデルを用いて前記基板処理における前記複数の基板同士の膜厚を均一化するための前記複数のゾーン毎の温度条件を算出し、算出した前記温度条件により前記基板処理を実施した場合の前記複数の基板の膜厚を取得し、取得した膜厚と目標膜厚とを比較し、当該取得した膜厚が前記目標膜厚の許容範囲外にある場合に、比較に基づき前記複数の基板において前記基板処理に適用するプロセス領域を設定する、基板処理装置が提供される。
一態様によれば、複数の基板同士における膜厚の面間均一性を図ることが可能な温度を効率的に設定できる。
一実施形態に係る基板処理装置の全体構成を示す概略説明図である。 図2(A)は、天井ヒータおよび下部ヒータにより基板の温度が影響を受ける状態を示す概略説明図である。図2(B)は、目標膜厚に対するモデル用の基板の膜厚のずれを示すグラフである。 第1実施形態に係る制御部の機能ブロックを示すブロック図である。 熱モデルを使用した場合の面間均一性調整および面内均一性調整による温度条件の算出を例示する説明図である。 図5(A)は、最適化処理において使用する評価関数を示す説明図である。図5(B)は、天板比率の上部温度モデルを示す表である。図5(C)は、下部温度の下部温度モデルを示す表である。 第1実施形態に係る温度調整方法を示すフローチャートである。 図7(A)は、第2実施形態に係る制御部の機能ブロックを示すブロック図である。図7(B)は、第2実施形態に係る温度調整方法を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る温度条件のモデルを示す表である。
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
一実施形態に係る基板処理装置1は、図1に示すように、複数の基板Wを鉛直方向(上下方向)に並べて配置し、基板Wの表面に所定の膜の成膜する基板処理を行う縦型の成膜装置に構成されている。基板Wは、例えば、シリコンウエハ、もしくは化合物半導体ウエハ等の半導体基板、またはガラス基板があげられる。
基板処理装置1は、複数の基板Wを収容する処理容器10と、処理容器10の周囲に配置される温調部50と、を有する。また、基板処理装置1は、当該基板処理装置1の各構成の動作を制御する制御部90を備える。
処理容器10は、鉛直方向に延在する筒状に形成されている。処理容器10の内部には、複数の基板Wを鉛直方向に並べて配置できる内部空間ISが形成されている。処理容器10は、例えば、上端(天井)および下端が開放された円筒状の内筒11と、この内筒11の外側に配置され天井を有する一方で下端が開放された円筒状の外筒12と、を含んで構成される。内筒11および外筒12は、石英等の耐熱性材料により形成され、互いに同軸上に配置された2重構造を呈している。なお、処理容器10は、2重構造に限らず、単筒構造でもよく、あるいは3以上の筒からなる多重構造でもよい。
内筒11は、各基板Wの直径よりも大きな直径を有し、また各基板Wを収容可能な(例えば、各基板Wの配置高さ以上の)軸方向長さを有する。内筒11の内部には、収容された各基板Wにガスを吐出して基板処理を行う処理空間(内部空間ISの一部)が形成されている。内筒11の上端には、処理空間に連通して、内筒11と外筒12の間の流通空間(内部空間ISの他部)にガスを流出させる開口15が設けられている。
さらに、内筒11の所定の周方向位置には、ガスノズル31を収容する収容部13が鉛直方向に沿って形成されている。一例として、収容部13は、内筒11の側壁の一部を径方向外側に突出させた凸部14の内側に設けられる。なお、内筒11は、上端の開口15に代えて、周壁の所定位置(例えば、中心軸を挟んだ収容部13の反対側)に鉛直方向に長い開口(不図示)を備えてもよい。
外筒12は、内筒11よりも大きな直径を有して内筒11を非接触に覆っており、処理容器10の外形を構成している。内筒11と外筒12との間の流通空間は、内筒11の上方と側方とに形成され、上方に移動したガスを鉛直方向下側に流通させる。
処理容器10の下端は、ステンレス鋼により形成された円筒状のマニホールド17に支持されている。例えば、マニホールド17は、マニホールド側フランジ17fを上端に有する。マニホールド側フランジ17fは、外筒12の下端に形成された外筒側フランジ12fを固定および支持している。外筒側フランジ12fとマニホールド側フランジ17fとの間には、外筒12およびマニホールド17を気密にシールするシール部材19が設けられている。
また、マニホールド17は、環状の支持部17iを上部側の内壁に有する。支持部17iは、径方向内側に突出して内筒11の下端を固定および支持している。マニホールド17の下端開口17oには、蓋体21が離脱可能に装着される。
さらに、マニホールド17の側方には、当該マニホールド17の内側を加熱する下部ヒータ20が設けられている。下部ヒータ20は、例えば、半円筒状の部材が2つ用意されて、ガスノズル31を避けながらマニホールド17の外周面全周を覆うように配置される。なお図1では、マニホールド17に下部ヒータ20が接触した状態を図示しているが、下部ヒータ20は、マニホールド17から間隔をあけて配置されてもよい。下部ヒータ20は、例えば、フレキシブルヒータ、半円筒状の部材に棒状カートリッジヒータを埋め込んだもの、ジャケットヒータ、リボンヒータ等を適用することができる。下部ヒータ20またはその周囲には、図示しない温度センサが設けられてもよい。この下部ヒータ20は、図示しない温調ドライバに接続され、制御部90による温調ドライバの制御下に電力が給電されることで、加熱が制御される。下部ヒータ20は、基板処理時に、後記の側方ヒータ52aおよび天井ヒータ52bと連動して動作するため、温調部50のヒータ52の一部を構成していると言える。
蓋体21は、各基板Wを保持するウエハボート16を処理容器10内に配置する基板配置ユニット22の一部となっている。蓋体21は、例えば、ステンレス鋼により形成され、円板状を呈している。蓋体21は、各基板Wを内部空間ISに配置した状態で、マニホールド17の下端に設けられたシール部材18を介して、マニホールド17の下端開口17oを気密に塞ぐ。
蓋体21の中心側には、磁性流体シール部23を介してウエハボート16を回転自在に支持する回転軸24が貫通している。回転軸24の下部は、ボートエレベータ等により構成される昇降機構25のアーム25Aに支持されている。基板処理装置1は、昇降機構25のアーム25Aを昇降することで、蓋体21とウエハボート16と一体に上下動させ、処理容器10内に対してウエハボート16を挿入および離脱させることができる。
回転軸24の上端には、回転プレート26が設けられている。各基板Wを保持するウエハボート16は、この回転プレート26上に断熱ユニット27を介して支持される。ウエハボート16は、鉛直方向に沿って所定間隔毎に基板Wを保持可能な棚として構成されている。ウエハボート16による各基板Wの保持状態で、各基板Wの表面は、相互に水平方向に延在している。
ガス供給部30は、マニホールド17を介して処理容器10の内部に挿入されている。ガス供給部30は、処理ガス、パージガス、クリーニングガス等のガスを内筒11の内部空間ISに導入する。ガス供給部30は、処理ガス、パージガス、クリーンガス等を導入するガスノズル31を有する。なお、図1中では、1つのガスノズル31のみを図示しているが、ガス供給部30は、複数のガスノズル31を備えてもよい。例えば、複数のガスノズル31は、処理ガス、パージガス、クリーンガス等の種類毎に設けられてもよい。
ガスノズル31は、石英製のインジェクタ管であり、内筒11内を鉛直方向に沿って延びると共に、下端においてL字状に屈曲してマニホールド17の内外を貫通するように設けられる。また、ガスノズル31は、マニホールド17に固定および支持されている。ガスノズル31は、鉛直方向に沿って所定の間隔毎に複数のガス孔31hを備えており、各ガス孔31hを介して水平方向にガスを吐出する。各ガス孔31hの間隔は、例えば、ウエハボート16に支持される各基板Wの間隔と同じになるように設定される。また、各ガス孔31hの鉛直方向の位置は、鉛直方向に隣り合う基板W同士の中間に位置するように設定されている。これにより、各ガス孔31hは、各基板Wの間の隙間にガスを円滑に流通できる。
ガス供給部30は、処理容器10の外部において流量を制御しながら処理ガス、パージガス、クリーニングガス等を処理容器10内のガスノズル31に供給する。処理ガスは、基板Wに成膜する膜種に応じて適宜のものが選択されるとよい。一例として、シリコン酸化膜を形成する場合、処理ガスとしては、例えば、ジクロロシラン(DCS)ガス等のシリコン含有ガスと、オゾン(O)ガス等の酸化ガスを利用できる。パージガスは、例えば、窒素(N)ガス、アルゴン(Ar)ガスを利用できる。
ガス排気部40は、処理容器10内のガスを外部に排気する。ガス供給部30により供給されたガスは、内筒11の処理空間から流通空間に移動した後、ガス出口41を介して排気される。ガス出口41は、マニホールド17において支持部17iの上方に形成されている。ガス出口41には、ガス排気部40の排気路42が接続されている。ガス排気部40は、排気路42の上流から下流に向かって順に、圧力調整弁43、真空ポンプ44を備える。ガス排気部40は、処理容器10内のガスを真空ポンプ44により吸引すると共に、圧力調整弁43により排気するガスの流量を調整することで、処理容器10内の圧力を調整する。
また、処理容器10の内部空間IS(例えば、内筒11の処理空間)には、処理容器10内の温度を検出する温度センサ80が設けられている。温度センサ80は、複数(本実施形態では5つ)の測温子81~85を鉛直方向の異なる位置に有する。複数の測温子81~85は、熱電対、測温抵抗体等を適用し得る。各測温子81~85は、処理容器10の鉛直方向に沿って設定された後記の複数のゾーンにそれぞれ対応する位置に設けられている。温度センサ80は、複数の測温子81~85毎に検出した温度を、制御部90にそれぞれ送信する。
一方、温調部50は、処理容器10全体を覆う筒状に形成され、処理容器10に収容された各基板Wを加熱および冷却する。具体的には、温調部50は、天井を有する円筒状の筐体51と、筐体51の内側に設けられるヒータ52と、を有する。
筐体51は、処理容器10よりも大きく形成され、その中心軸が処理容器10の中心軸と略同じ位置に設置される。例えば、筐体51は、外筒側フランジ12fが固定されるベースプレート54の上面に取り付けられる。筐体51は、処理容器10の外周面に対して間隔をあけて設置されることで、処理容器10の外周面と当該筐体51の内周面との間に温調空間53を形成している。温調空間53は、処理容器10の側方および上方を連続するように設けられる。
筐体51は、天井部を有して処理容器10全体を覆う断熱部51aと、断熱部51aの外周側において断熱部51aを補強する補強部51bと、を含む。すなわち、筐体51の側壁は、断熱部51aと補強部51bとの積層構造を呈している。断熱部51aは、例えば、シリカ、アルミナ等を主成分として形成され、当該断熱部51a内での熱伝達を抑制する。補強部51bは、ステンレス鋼等の金属により形成されている。また、温調部50の外部への熱影響を抑制するために、補強部51bの外周側は、図示しない水冷ジャケットで覆われている。
温調部50のヒータ52は、処理容器10の側方に配置される側方ヒータ52aと、処理容器10の上方に配置される天井ヒータ52bと、を含む。この種のヒータ52には、処理容器10内の複数の基板Wを加熱可能な適宜の構成を採用することができる。例えば、側方ヒータ52aとしては、赤外線を放射して処理容器10を加熱する赤外線ヒータを用いるとよい。この場合、側方ヒータ52aは、線状に形成され、図示しない保持手段を介して、螺旋状、環状、円弧状、シャンク形状または蛇行するように断熱部51aの内周面に保持される。
また、側方ヒータ52aは、温調部50の鉛直方向に沿って複数(本実施形態では5つ)に分割され、それぞれに温調ドライバ55が接続されている。各温調ドライバ55は、制御部90に接続されており、制御部90の制御下に調整した電力を、接続されている各側方ヒータ52aに給電して、各側方ヒータ52aを加熱させる。これにより、基板処理装置1は、複数の側方ヒータ52aが設けられている複数のゾーン毎に独立して処理容器10の温度を調整することができる。以下、処理容器10に設定した複数のゾーンを、上方から下方に向かって順に「TOP」、「C-T」、「CTR」、「C-B」および「BTM」ともいう。
一方、天井ヒータ52bは、円板状に形成され、面全体を加熱可能なプレートヒータ、シートヒータ等が適用される。この天井ヒータ52bも、温調ドライバ55を介して制御部90に接続されている。制御部90は、TOPのゾーンを加熱する側方ヒータ52aと、天井ヒータ52bとに給電する電力量の比率(天板比率)を算出し、この天板比率に基づき温調ドライバ55を制御して天井ヒータ52bに給電を行い、天井ヒータ52bを加熱させる。
さらに、温調部50は、基板処理時に処理容器10を冷却するために、温調空間53に冷却ガス(エア、不活性ガス)を流通させる外部流通部60を備える。具体的には、外部流通部60は、温調部50の外部に設けられる外部供給経路61および流量調整器62と、補強部51bに設けられる供給流路63と、断熱部51aに設けられる供給孔64と、を有する。また、外部供給経路61には、温調空間53に流入するエアの温度を調整するために温度調整部(熱交換器、ラジエータ等)が設けられてもよい。
外部供給経路61は、図示しないブロアに接続されており、このブロアが温調部50に向けてエアを供給する。外部供給経路61は、途中位置で複数の分岐経路61aに分岐している。流量調整器62は、複数の分岐経路61a毎に設けられ、各分岐経路61aを流通するエアの流量を調整する。複数の流量調整器62は、制御部90の制御下に、相互に独立してエアの流量を変えることができる。供給流路63は、補強部51bの軸方向(鉛直方向)に沿って複数箇所に形成され、円筒状の補強部51b内を周方向に沿って環状に延在している。各供給孔64は、断熱部51aを貫通するように形成されて各供給流路63と連通し、各供給流路63に導入されたエアを温調空間53の複数のゾーン毎に噴出する。
また、外部流通部60は、温調空間53内に供給されたエアを排出する排気孔65を筐体51の天井に備える。排気孔65は、筐体51の外部に設けられた外部排気経路66に接続されている。外部排気経路66は、適宜の廃棄部に向けて温調空間53のエアを排気する。あるいは、外部流通部60は、外部排気経路66を外部供給経路61に接続することで、温調空間53で使用したエアを循環させる構成でもよい。
基板処理装置1の制御部90は、プロセッサ91、メモリ92、図示しない入出力インタフェース等を有するコンピュータを適用することができる。プロセッサ91は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、複数のディスクリート半導体からなる回路等のうち1つまたは複数を組み合わせたものである。メモリ92は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ(例えば、コンパクトディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、ハードディスク、フラッシュメモリ等)を適宜組み合わせたものである。
メモリ92は、基板処理装置1を動作させるプログラムおよび基板処理のプロセス条件等のレシピを記憶している。プロセッサ91は、メモリ92のプログラムを読み出して実行することで、基板処理装置1の各構成を制御する。なお、制御部90は、ネットワークを介して情報通信するホストコンピュータまたは複数のクライアントコンピュータにより構成されてもよい。
また、制御部90には、入出力インタフェースを介してユーザインタフェース95が接続されている。ユーザインタフェース95としては、タッチパネル(入出力装置)、モニタ、キーボード、マウス、スピーカ、マイク等があげられる。制御部90は、ユーザインタフェース95を介してユーザが入力した基板処理装置1のレシピを受信し、このレシピに基づき基板処理装置1の各構成を制御する。また、制御部90は、基板処理等において各構成から情報を受信すると、ユーザインタフェース95に介して基板処理の情報(状況、エラー等)を適宜報知する。
次に、以上の基板処理装置1による基板処理において、複数の基板W同士の間に生じる膜厚のずれの原理について、図2を参照しながら説明する。
図2(A)に示すように、基板処理装置1は、基板処理時に、側方ヒータ52a、天井ヒータ52bおよび下部ヒータ20の各々を加熱して、処理容器10内の各基板Wの温度を調整する。この際、処理容器10の側方に配置された側方ヒータ52aは、鉛直方向に並ぶ各基板W全体の温度に影響を与える。この側方ヒータ52aは、上記したように複数のゾーン(TOP、C-T、CTR、C-B、BTM)に分割されていることで、各基板W同士の温度をゾーン毎に調整することが可能である。
一方、天井ヒータ52bは、鉛直方向に並ぶ各基板Wにおいて、主に上側に配置された各基板Wの温度に影響を与える。また、下部ヒータ20は、鉛直方向に並ぶ各基板Wにおいて、主に下側に配置された各基板Wの温度に影響を与える。
制御部90は、側方ヒータ52a、天井ヒータ52bおよび下部ヒータ20の各々の温度を調整することにより、各基板W同士の膜厚の均一化を図る面間均一性調整を行う。しかしながら例えば、膜厚をモニタする基板Wを複数のゾーンの各々から取り出して、各基板Wの膜厚を詳細に測定すると、膜厚にばらつきが生じることがある。なお、以下では、サンプリングする基板Wについて、上方から下方に向かって順に、基板Ws1~Ws5ともいう。基板Ws1は、TOPのゾーンに位置するモニタ用の基板Wである。基板Ws2は、T-Cのゾーンに位置するモニタ用の基板Wである。基板Ws3は、CNTのゾーンに位置するモニタ用の基板Wである。基板Ws4は、B-Cのゾーンに位置するモニタ用の基板Wである。基板Ws5は、BTMのゾーンに位置するモニタ用の基板Wである。
モニタ用の基板Ws1~Ws5における膜厚は、例えば図2(B)に示すように、TOPに位置する基板Ws1やBTMに位置する基板Ws5において大きなずれが生じる。基板Ws1における膜厚のずれは天井ヒータ52bの影響が一因として考えられ、基板Ws5における膜厚のずれは下部ヒータ20の影響が一因として考えられる。仮に、膜厚のずれが大きい領域に、基板Wを投入した場合には、一部の基板Wの面間均一性が得られないことで、その基板Wが無駄になる可能性がある。
ただし、天井ヒータ52bの温度や下部ヒータ20の温度を単純に調整すると、処理容器10(各基板W)全体の温度にも影響が及ぶことになる。このことから、基板処理装置1は、天井ヒータ52bの温度変化および/または下部ヒータ20の温度変化を加味した膜厚分布の変化をモデル化することにより、基板処理時の膜厚を予測し、各基板Wのプロセス領域を設定する。
〔第1実施形態〕
具体的には、第1実施形態に係る制御部90は、図3に示すように、基板処理を行うための温度調整方法において、初期最適化演算部100、判定処理部101、上部温度最適化部102、下部温度最適化部103、プロセス領域最適化部104を形成する。
初期最適化演算部100は、各ゾーンにおける各基板W同士の膜厚の均一化を図る面間均一性調整、および各基板Wの面内の膜厚の均一化を図る面内均一性調整を行うことで、初期の温度条件を算出する。すなわち、初期最適化演算部100は、温度調整方法の最初に、各基板Wの温度を最適化した温度条件を算出する機能ブロックである。
初期最適化演算部100は、例えば実験やシミュレーション等により予め設定された各ゾーンの温度比率に関する情報を有し、面間均一性調整において、基板処理のレシピから目標温度を抽出すると、目標温度に対する各ゾーンの相対的な温度条件を算出する。一例として、制御部90は、レシピの目標温度に対して、各ゾーンの温度を相対的に0℃~±5℃程度の範囲でずらす調整を行う。これにより、基板処理時には、各ゾーンの温度が異なるように調整され、各基板Wに成膜される膜の膜厚の均一化が促される。
また、初期最適化演算部100は、面内均一性調整において、基板処理で温度を変化させる複数のステップを設定して、各基板Wの面内温度分布を調整する。例えば、初期最適化演算部100は、成膜の準備段階に設定温度まで昇温(または降温)させる変温工程(TVS1)、設定温度のまま所定期間待機させる待機工程(TVS2)、成膜時に降温(または昇温)させながら処理ガスを供給する成膜工程(TVS3)を設定する。図4に示すように、TVS1~TVS3の温度条件は、TVS1の各ゾーンの設定温度、TVS2の各ゾーンの設定温度、TVS3の各ゾーンの設定温度、およびTVS1の期間、TVS2の期間、TVS3の期間等のパラメータとして個別に設定される。
TVS1~TVS3の温度条件は、レシピ上でユーザが設定した目標温度と、熱モデルとを使用して最適化計算により算出する。面内均一性調整の熱モデルは、TVS1の熱モデル、TVS2の熱モデルおよびTVS3の熱モデルとして、複数のゾーン毎にそれぞれ作成される。各熱モデルは、TVS1~TVS3の各工程において設定温度を1℃~3℃の範囲で変化させた場合(図4の上図)に、TVS3の目標温度に対して変化した温度をシミュレーションすることで得られたもの(図4の下図)である。なお、図4の下図は、TOPからBTMまでの各ゾーンのうち所定のゾーンにおけるTVS1~TVS3の温度の変化量を例示したグラフである。
各熱モデルは、基板処理装置1の製造時に実験やシミュレーション等を行うことで、複数のゾーン毎に設定温度と基板Wの温度変化量とを対応付けたマップ情報(テーブル)として作成されて、メモリ92に記憶される。詳細には、TVS1の熱モデルは、TVS1の設定温度を1℃~3℃の範囲で変化させた場合における(TVS1の単位温度変化量に対する)TVS3の平均温度の変化量を調べることで作成される。同様に、TVS2の熱モデルは、TVS2の温度を1℃~3℃の範囲で変化させた場合における(TVS2の単位温度変化量に対する)TVS3の平均温度の変化量を調べることで作成される。TVS3の熱モデルは、TVS3の温度を1℃~3℃の範囲で変化させた場合における(TVS3の単位温度変化量に対する)当該TVS3の平均温度の変化量を調べることで作成される。制御部90は、この熱モデルに基づき各ゾーンのTVS1~TVS3の設定温度および期間を算出することで、各基板Wに成膜される膜の膜厚分布の均一化を図ることができる。
そして、制御部90は、初期最適化演算部100により算出した各ゾーンの温度条件に基づき基板処理を行う。その後、ユーザは、ゾーン毎の各基板W(モデル用の基板Ws1~Ws5)の膜厚を測定し、測定した実測膜厚を制御部90に入力する。なお、制御部90は、算出した温度条件に基づく基板処理をシミュレーションして、各ゾーンの基板Wの膜厚を予測する構成でもよい。
判定処理部101は、測定された各ゾーンの基板Wの実測膜厚を初期最適化演算部100から受信すると、基板Wの目標膜厚と各ゾーンの実測膜厚とを比較して、膜厚のずれ(膜厚変化量)を監視する。そして、判定処理部101は、例えばTOPのゾーンの実測膜厚が目標膜厚から所定の許容範囲(図2(B)も参照)以上離れている場合、TOPの各基板Wの温度を最適化する必要性があることを判定する。この判定に伴い、判定処理部101は、温度最適化の処理を上部温度最適化部102に指令する。また、判定処理部101は、例えばBTMのゾーンの実測膜厚が目標膜厚から所定の許容範囲以上離れている場合、BTMの各基板Wの温度を最適化する必要性があることを判定する。この判定に伴い、判定処理部101は、温度最適化の処理を下部温度最適化部103に指令する。
上部温度最適化部102は、上部側の温度最適化の指令に基づき動作して、最適化の計算を行う。本実施形態において、上部温度最適化部102は、TOPのゾーンの側方ヒータ52aに給電する電力に対する天井ヒータ52bに給電する電力の比率(天板比率)を算出して、この天板比率の最適化を計算する。上記したように、制御部90は、基板Wの加熱時に、天板比率に基づきTOPのゾーンの側方ヒータ52aおよび天井ヒータ52bに給電する電力を制御しているからである。そして、TOPのゾーンの側方ヒータ52aおよび天井ヒータ52bが、上部側の各基板W同士の面間均一性に大きな影響を与える。
具体的には、上部温度最適化部102は、図5(A)に示す評価関数Jを用いて天板比率の最適化を計算する。評価関数Jを算出する右辺の複数のパラメータのうち、目標膜厚との残差、モデル、微修正係数は、計算前に決定されるパラメータである。一方、調整ノブ変化量は、評価関数Jの計算において変動可能なパラメータである。天板比率の最適化の計算では、評価関数Jが最小となる調整ノブ変化量を二次計画法により算出する。
評価関数Jのパラメータのうち「目標膜厚との残差」とは、初期最適化演算部100において算出した実測膜厚と、目標膜厚との差分である。この目標膜厚との残差は、各ゾーン(TOP、T-C、CNT、T-B、BTM)におけるそれぞれの実測膜厚を用いてもよく、TOPのゾーンのみの実測膜厚を用いてもよい。また、評価関数Jのパラメータのうち「微修正係数」は、変動する調整ノブ変化量のパラメータに対して、変動しない決定係数である。
また、評価関数Jのパラメータのうち「モデル」とは、天板比率の最適化を計算するために、実験やシミュレーション等を行うことで事前に設定されたものである。天板比率のモデルは、この天板比率を変化した場合における各基板Wの膜厚変化量(または温度変化量)の関係を示す上部温度モデルである。このモデルによって、膜厚がずれるゾーンおよびずれ度合が分かるようになる。例えば、図5(B)に示すように、天板比率のモデルは、天板比率が0.1倍変化した場合における各ゾーンの基板Wの膜厚変化量を示すマップ情報としてメモリ92に記憶される。
上部温度最適化部102は、以上の事前に設定されたパラメータを用いて二次計画法の適宜のアルゴリズムによって評価関数Jを解く。これにより、評価関数Jが最小となる調整ノブ変化量を決定することができる。このように得られた調整ノブ変化量は、天板比率を変えた場合に各ゾーンの基板W同士の温度(または膜厚)の差が最も小さくなる値(温度条件)を示す。したがって、上部温度最適化部102は、得られた調整ノブ変化量から、最適化した天板比率に基づく予測膜厚をさらに算出することができる。予測膜厚の算出は、例えば、予め記憶した基板Wの温度と膜厚との関係を示すプロセスモデルを用いる、温度条件に基づきシミュレーションを行う等があげられる。
また、下部温度最適化部103も、下部側の温度最適化の指令に基づき動作して、上部温度最適化部102と同様の最適化の計算を行う。この際、下部温度最適化部103は、BTMのゾーンの側方ヒータ52aの電力に対する下部ヒータ20の電力の比率ではなく、下部ヒータ20の温度(下部温度)そのものを変えた場合の最適化を計算する。制御部90は、BTMのゾーンの側方ヒータ52aとは別に、下部ヒータ20の温度を制御するためである。
下部温度最適化部103は、図5(A)に示す評価関数Jを用いて下部温度の最適化を計算する。評価関数Jのパラメータのうち「目標膜厚との残差」については、先に上部温度最適化部102の演算を行うことで予測膜厚を算出している場合、その予測膜厚と目標膜厚の差分を用いる。あるいは、目標膜厚との残差については、初期最適化演算部100において算出した予測膜厚と目標膜厚の差分を用いてもよい。BTM側の各基板Wの温度は、TOPのゾーンの側方ヒータ52aまたは天井ヒータ52bの加熱の影響を殆ど受けないからである。
一方、評価関数Jのパラメータのうち「モデル」は、下部ヒータ20の温度を変えた場合における基板Wの膜厚分布(または温度分布)の関係を示す下部温度モデルである。例えば、図5(C)に示すように、下部温度のモデルは、下部温度が1℃変化した場合における各ゾーンの基板Wの膜厚変化量を示すマップ情報としてメモリ92に記憶される。なお、下部温度のモデルの作成時には、下部温度だけを変化させて各ゾーンの基板Wの膜厚変化量を測定することが好ましく、また天板比率のモデル作成時には、天板比率だけ変化させて各基板Wの膜厚変化量を測定することが好ましい。ただし、天板比率と下部温度は、互いに離れた領域の温度を調整するため、一度の基板処理において天板比率および下部温度の両方を変えて、その膜厚変化量を測定してもよい。
下部温度最適化部103は、これらのパラメータを用いて二次計画法の適宜のアルゴリズムによって評価関数Jを解くことで、評価関数Jが最小となる調整ノブ変化量を決定することができる。そして、この調整ノブ変化量は、下部温度を変えた場合に各ゾーンの基板W同士の温度(または膜厚)の差が最も小さくなる値(温度条件)を示す。したがって、下部温度最適化部103は、得られた調整ノブ変化量から、最適化した下部温度に基づく予測膜厚をさらに算出することができる。
図3に戻り、判定処理部101は、上部温度最適化部102において温度最適化を行った場合に、上部温度最適化部102で算出された各ゾーンの基板Wの予測膜厚と、基板Wの目標膜厚とを比較する。同様に、判定処理部101は、下部温度最適化部103において温度最適化を行った場合に、下部温度最適化部103で算出された各ゾーンの基板Wの予測膜厚と、基板Wの目標膜厚とを比較する。そして、判定処理部101は、最適化された天板比率の予測膜厚が目標膜厚から所定の許容範囲以上離れている場合、および/または最適化された下部温度の予測膜厚が目標膜厚から所定の許容範囲以上離れている場合に、基板処理のプロセス領域の変更が必要と判定する。この判定に伴い、判定処理部101は、基板処理のプロセス領域の最適化を図る領域最適化指令をプロセス領域最適化部104に出力する。
領域最適化指令には、上部温度最適化部102および下部温度最適化部103のうち、最終的に予測膜厚を算出したほうの各ゾーンの予測膜厚が含まれる。例えば、最適化の処理において、先に下部温度を最適化した後に、天板比率を最適化した場合は、天板比率を最適化した場合の各ゾーンの予測膜厚が領域最適化指令に含まれる。
プロセス領域最適化部104は、この領域最適化指令に基づき、基板処理時に使用するゾーンを設定し直す処理を行う。プロセス領域の最適化は、最適化した天板比率および下部温度の予測膜厚と、天板比率のモデルおよび下部温度のモデルとを用いて、膜厚変化量を線形補間して鉛直方向に並ぶ各基板Wの膜厚変化量を算出するとよい(図2(B)も参照)。
そして、プロセス領域最適化部104は、各基板Wの膜厚変化量が許容範囲以上離れている領域について、基板処理を行わない領域に設定する。例えば、TOP側において各基板Wの最頂部から1枚または複数枚の基板Wについて膜厚変化量が大きい場合、プロセス領域最適化部104は、その基板Wを省いて基板処理を行うことを決定する。また例えば、BTM側において各基板Wの最底部から1枚または複数枚の基板Wについて膜厚変化量が大きい場合、プロセス領域最適化部104は、その基板Wを省いて基板処理を行うことを決定する。
以上の処理によって、制御部90は、天板比率および下部温度を含む温度調整を行うことが可能となる。また、制御部90は、最適化を行っても膜厚のずれが大きい基板Wがある場合に、その基板Wの領域を基板処理で使用しないように設定して、この情報をユーザに報知する。これにより、ユーザは、基板処理の実施前に、当該基板処理で使用しない範囲を認識できるため、そのゾーンに各基板Wを配置しないようにすることができる。なお、基板処理装置1は、基板処理に使用しない(予測膜厚がずれる)範囲に、ダミー基板を配置して基板処理を行ってもよい。
本実施形態に係る基板処理装置1は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下、温度調整方法の処理フローについて図6を参照しながら説明する。
基板処理装置1の制御部90は、基板処理における各基板Wの温度を調整するために、まず初期の最適化計算として、初期最適化演算部100により面間均一性調整および面内均一性調整を実施する(ステップS1)。これにより、制御部90は、処理容器10の各ゾーンの相対的な設定温度を得ると共に、各ゾーンにおけるTVS1~TVS3の温度条件(補正温度、実施期間等)が得られる。そして、ユーザは、算出された温度条件における基板処理において、各ゾーンの基板W(基板Ws1~Ws5)の実測膜厚を測定して、この実測膜厚を制御部90に入力する。
次に、判定処理部101は、基板処理後に測定された実測膜厚と、レシピ等により予め定められた目標膜厚とに基づき、実測膜厚が目標膜厚の許容範囲外にあるか否かを判定する(ステップS2)。実測膜厚が目標膜厚の許容範囲外(目標膜厚の許容範囲以内)にある場合(ステップS2:NO)には、算出された温度条件によって基板処理を実施しても、各基板W同士の間の膜厚に均一性があることになる。このため、判定処理部101は今回の温度調整方法を終了する。一方、実測膜厚が目標膜厚の許容範囲外にある場合(ステップS2:YES)には、算出された温度条件によって基板処理を実施すると、各基板W同士の間の膜厚にずれが生じることになる。よって、判定処理部101は、各基板Wの膜厚のずれの原因がどこにあるかを特定し、その箇所の温度の最適化を図るようにする。
具体的には、判定処理部101は、TOPのゾーンおける各基板Wの膜厚にずれがあるか否かを判定する(ステップS3)。上部側の基板Wの膜厚にずれがある場合(ステップS3:YES)は、ステップS4に進み、上部温度最適化部102により天板比率の最適化計算を行う。天板比率の最適化計算は、上記したように、天板比率のモデルを有する評価関数J(図5参照)を用いて二次計画法を解くことにより調整ノブ変化量を取得する。そして、上部温度最適化部102は、取得した調整ノブ変化量に基づく予測膜厚を算出する。一方、上部側の基板Wの膜厚にずれがない場合(ステップS3:NO)は、ステップS4を飛ばす。
次に、判定処理部101は、上部温度最適化部102で算出した予測膜厚、または初期最適化演算部100で算出した予測膜厚において、BTMのゾーンおける各基板Wの膜厚にずれがあるか否かを判定する(ステップS5)。下部側の基板Wの膜厚にずれがある場合(ステップS5:YES)は、ステップS6に進み、下部温度最適化部103により下部温度の最適化計算を行う。下部温度の最適化計算は、上記したように、下部温度のモデルを有する評価関数J(図5参照)を用いて二次計画法を解くことにより調整ノブ変化量を取得する。そして、下部温度最適化部103は、取得した調整ノブ変化量に基づく予測膜厚を算出する。一方、下部側の基板Wの膜厚にずれがない場合(ステップS5:NO)は、ステップS6を飛ばす。なお、制御部90は、ステップS3およびS4とステップS5およびS6の順序を逆にしてもよいことは勿論である。
その後、判定処理部101は、ステップS6で算出した予測膜厚と、目標温度とを比較して、各基板Wの膜厚が目標膜厚に近づかないか否か(すなわち、予測膜厚が目標膜厚の許容範囲外にあるか否か)を判定する(ステップS7)。この際の予測膜厚は、天板比率および/または下部温度を最適化したものである。したがって、各基板Wの予測膜厚が許容範囲以内にある場合(ステップS7:NO)、ステップS8を飛ばして今回の温度調整方法を終了する。
一方、各基板Wの予測膜厚が許容範囲外にある場合(ステップS7:YES)、プロセス領域最適化部104により基板処理において膜厚がずれる領域を除外する範囲を算出する(ステップS8)。例えば上記したように、プロセス領域最適化部104は、天板比率および/または下部温度を最適化した際の予測膜厚を線形補間することで、膜厚がずれる基板Wの範囲を算出し、その範囲の基板Wについて基板処理を行わないことを設定する。これにより、制御部90は、ユーザインタフェース95を介して基板処理を行う範囲をユーザに報知する。その結果、ユーザは、基板処理に有効な範囲をスムーズに認識でき、ウエハボート16に対する各基板Wのセット位置を調整することが可能となる。
以上のように、本実施形態に係る温度調整方法によれば、天井ヒータ52bまたは下部ヒータ20を有する構成でも、これらを加味した温度条件を良好に導出できる。そのため、基板処理装置1は、温度の最適化を図るために行う基板処理を繰り返して行わずに済み、スムーズに基板処理を開始することができる。そのため、基板処理装置1は、処理の効率化および低コスト化が促される。また、基板処理装置1は、基板処理において膜厚のずれが生じる領域を識別することで、その領域への基板の投入を事前に防ぐことが可能となり、基板処理の歩留まりを大幅に向上させることができる。
なお、本開示に係る基板処理装置1および温度調整方法は、上記の実施形態に限定されず、種々の変形例をとり得る。例えば、下部ヒータ20は、処理容器10よりも下方のマニホールド17を加熱するもの限定されず、ガスの流通等により温度低下し易い箇所である処理容器10の下部(例えば、BTMのゾーンの下側)を加熱するものでもよい。
また例えば、本実施形態に係る制御部90は、処理容器10の上部の温度を調整する際に、TOPの側方ヒータ52aの電力と、天井ヒータ52bの電力の比率である天板比率を算出し、天板比率に基づき制御を行っている。しかしながら、制御部90は、TOPの側方ヒータ52aの温度と天井ヒータ52bの温度を独立して制御してもよい。この場合、制御部90、処理容器10の上部の温度を最適化する計算において、天井ヒータ52bの温度を変化させた場合の膜厚変化量を示すモデルを用いればよい。
また、上記の実施形態では、基板処理装置1が天井ヒータ52bおよび下部ヒータ20の両方を有する構成について説明した。しかしながら、基板処理装置1は、天井ヒータ52bおよび下部ヒータ20のうちいずれか一方のみを有する構成としてもよい。この場合、制御部90は、備えているヒータ(天井ヒータ52bあるいは下部ヒータ20)に応じて、天板比率の最適化計算および下部温度の最適化計算のうち一方を実施すればよい。そして、制御部90は、天板比率の最適化計算および下部温度の最適化計算のうち一方を実施した後に、プロセス領域最適化部104によりプロセス領域の最適化を図る処理に移行する。この場合でも、基板処理装置1は、基板処理の温度条件を効率的かつ低コストで調整することができる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係る基板処理装置1(制御部90A)および温度調整方法について、図7および図8を参照しながら説明する。図7(A)に示すように、基板処理装置1の制御部90Aは、統合最適化演算部110、判定処理部101およびプロセス領域最適化部104を内部に構築する。そして、統合最適化演算部110は、面間均一性調整および面内均一性調整の計算において、予め天板比率および/または下部温度を加味した計算を行う。
具体的には、基板処理装置1は、TOPのゾーンからBTMのゾーンまでの温度を順番に一定量変化させることで生じる、TVS3の各パラメータの変化(温度、電力)の熱モデルを作成する。さらに図8に示すように、基板処理装置1は、この熱モデルに対して、温度を変化させるパラメータとして天板比率のモデル(上部温度モデル)と下部温度のモデル(下部温度モデル)とを加えた温度条件のモデルを作成する。すなわち、温度条件のモデルは、TOPのゾーンからBTMのゾーンまでの設定温度、天板比率、下部温度を加味したモデルとなる。
例えば、温度条件のモデルは、TVS1~TVS3を1℃変化させた場合における各ゾーンの膜厚変化量を、複数のスロット毎に記述したマップ情報としてメモリ92に記憶される。そして、このマップ情報には、天板比率を0.1倍上昇させた場合の膜厚変化量が複数のスロット毎に記載されると共に、下部温度を1℃上昇させた場合の膜厚変化量が複数のスロット毎に記載される。
統合最適化演算部110は、この温度条件のモデルを使用して、最適なTOPのゾーンからBTMのゾーンまでの温度条件(設定温度、天板比率、下部温度)を二次計画法により演算する。この場合、統合最適化演算部110は、天板比率のモデル、TVS1~TVS3の熱モデル、下部温度のモデルを、それぞれm1、m2、m3とした場合、図8の表は、行列上の行のパラメータとして表せる。そして、天板比率、温度条件、下部温度の変化量をそれぞれ行列上の列のパラメータu1、u2、u3(調整ノブ変化量)とすることで、第1実施形態と同様に評価関数J(図5(A)参照)を用いることができる。すなわち、統合最適化演算部110は、二次計画法を解くことにより評価関数Jが最小となるu1、u2、u3を得ることができる。
さらに、統合最適化演算部110は、算出された調整ノブ変化量(温度条件)に基づき基板処理を実施した際の実測膜厚を取得する。なお、取得する膜厚は、算出された調整ノブ変化量に基づくシミュレーションを行うことで、各基板Wの膜厚を予測した予測膜厚であってもよい。そして、判定処理部101は、TOP側の予測膜厚および/またはBTM側の予測膜厚が目標膜厚から離れている(許容範囲外にある)場合は、プロセス領域最適化部104によるプロセス領域の最適化を判定する。このプロセス領域の最適化の処理は、第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
第2実施形態に係る制御部90Aは、基本的には以上のように構成され、以下、温度調整方法について説明する。制御部90Aは、図7(B)に示すように温度調整方法において、まず統合最適化演算部110により天板比率および下部温度を加味した最適化計算を行う(ステップS11)。これにより、統合最適化演算部110は、最初から天板比率および下部温度を最適化した調整ノブ変化量が得られ、この調整ノブ変化量に基づき基板処理の予測膜厚を算出することができる。
その後、判定処理部101は、統合最適化演算部110が算出した予測膜厚と、目標膜厚とを比較することで、各基板Wの予測膜厚が目標膜厚の許容範囲外にあるか否かを判定する(ステップS12)。そして、各基板Wの予測膜厚が目標膜厚の許容範囲以内にある場合(ステップS12:NO)、鉛直方向に並ぶ各基板W同士の膜厚の均一化が図られていると見なして、ステップS13を飛ばし、この温度調整方法を終了する。
一方、各基板Wの予測膜厚が目標膜厚の許容範囲外にある場合(ステップS12:YES)、プロセス領域最適化部104により基板処理において膜厚がずれる領域を除外する範囲を算出する(ステップS13)。そして、制御部90は、ユーザインタフェース95を介して基板処理を行う範囲をユーザに報知する。これにより第2実施形態の温度調整方法でも、ユーザは、基板処理に有効な範囲をスムーズに認識でき、ウエハボート16に対する各基板Wのセット位置を調整することが可能となる。
このように、第2実施形態に係る基板処理装置1および温度調整方法は、面間均一性調整および面内均一性調整と共に、天板比率、下部温度の最適化を実施する。特に、制御部90は、測定された実測膜厚を入力として各基板Wの膜厚を監視することで、天井ヒータ52bおよび/または下部ヒータ20の温度条件をより精度よく算出できる。また、各基板Wの膜厚にずれが生じた場合には、プロセス領域の最適化を良好に行うことができる。
以上の実施形態で説明した本開示の技術的思想および効果について以下に記載する。
本開示の第1の態様は、複数の基板Wに膜を成膜する基板処理を行う処理容器10と、処理容器10の内部に収容された複数の基板Wを、予め設定された複数のゾーン毎に温調する温調部50と、温調部50の動作を制御する制御部90と、を備える基板処理装置1であって、温調部50は、処理容器10を天井から加熱する天井ヒータ52bと、処理容器10の下部または処理容器10よりも下側部分を加熱する下部ヒータ20とのうち、少なくとも一方を有し、制御部90は、温調部50が有する天井ヒータ52bおよび下部ヒータ20に対応して、天井ヒータ52bの温度の変化に基づく膜厚変化量の上部温度モデル、および下部ヒータ20の温度の変化に基づく膜厚変化量の下部温度モデルのうち少なくとも一方を保有しており、保有している上部温度モデルおよび/または下部温度モデルを用いて基板処理における複数の基板同士の膜厚を均一化するための複数のゾーン毎の温度条件を算出し、算出した温度条件により基板処理を実施した場合の複数の基板Wの膜厚を取得し、取得した膜厚と目標膜厚とを比較し、当該取得した膜厚が目標膜厚の許容範囲外にある場合に、比較に基づき複数の基板Wにおいて基板処理に適用するプロセス領域を設定する。
上記によれば、基板処理装置1は、基板処理の温度条件の設定において、複数の基板W同士における膜厚の面間均一性を図ることが可能な温度を効率的に設定できる。特に、基板処理装置1は、算出した温度条件による基板処理でも膜厚に大きなずれが生じる場合には、その領域を基板処理から省いたプロセス領域に設定することで、基板Wの無駄をなくすことができる。
また、制御部90は、予め保有する熱モデルに基づき複数のゾーン毎の初期の温度条件を算出し、初期の温度条件に基づき取得した膜厚が目標膜厚に対してずれている場合に、保有している上部温度モデルおよび/または下部温度モデルを用いて温度条件を最適化する。これにより、基板処理装置1は、複数の基板Wにおいて必要な箇所(上部温度や下部温度)の温度のみを良好に最適化することができる。
また、制御部90は、温度条件の最適化において、上部温度モデルおよび/または下部温度モデルと、取得した膜厚と目標膜厚の残差と、微修正係数と、調整ノブ変化量とを有する評価関数が最小となる調整ノブ変化量を算出する。これにより、制御部90は、上部温度モデルおよび/または下部温度モデルを用いた場合の温度条件をスムーズに算出することができる。
また、制御部90は、算出した調整ノブ変化量に基づき複数の基板Wの予測膜厚を演算し、予測膜厚と目標膜厚とを比較して、予測膜厚が目標膜厚の許容範囲外にあるか否かを判定する。これにより、制御部90は、天井ヒータ52bや下部ヒータ20を加味した最適化を行った場合に、膜厚のずれが解消しているか否かを簡単に判断することができる。
また、制御部90は、複数のゾーン毎の温度を調整するための熱モデルに対して上部温度モデルおよび/または下部温度モデルを加えた温度条件のモデルを予め保有しており、当該温度条件のモデルに基づき、複数のゾーン毎の温度条件を最適化する。このように温度条件のモデルを用いることで、制御部90は、複数のゾーン毎の温度条件の最適化をより迅速に行うことができる。
また、制御部90は、温度条件の最適化において、温度条件のモデルと、取得した膜厚と目標膜厚の残差と、微修正係数と、調整ノブ変化量とを有する評価関数が最小となる調整ノブ変化量を算出する。これにより、制御部90は、上部温度モデルおよび/または下部温度モデルを有する温度条件のモデルでも、温度条件をスムーズに算出することができる。
また、制御部90は、プロセス領域の設定において、取得した膜厚に基づき線形補間を行うことで、目標膜厚の許容範囲外に存在する基板を抽出する。これにより、制御部90は、複数の基板Wのうち基板処理を行わない基板Wの範囲を精度よく設定することができる。
また、制御部は、複数のゾーンのうち天井ヒータ52bに最も近いゾーンを加熱する側方ヒータ52aに給電する電力と、天井ヒータ52bに給電する電力との比率である天板比率に基づき天井ヒータ52bの温度を制御し、上部温度モデルは、天板比率を変化させた場合における膜厚変化量を表す情報である。これにより、基板処理装置1は、天井ヒータ52b側の温度の最適化をより精度よく行うことができる。
また、本開示の第2の態様は、複数の基板Wに膜を成膜する基板処理を行う処理容器10と、処理容器10の内部に収容された複数の基板Wを、予め設定された複数のゾーン毎に温調する温調部50と、を備える基板処理装置1の温度調整方法であって、温調部50は、処理容器10を天井から加熱する天井ヒータ52bと、処理容器10の下部または処理容器10よりも下側部分を加熱する下部ヒータ20とのうち、少なくとも一方を有するものであり、温度調整方法は、保有している温調部50が有する天井ヒータ52bおよび下部ヒータ20に対応して、天井ヒータ52bの温度の変化に基づく膜厚変化量の上部温度モデル、および下部ヒータ20の温度の変化に基づく膜厚変化量の下部温度モデルのうち少なくとも一方を用いて、基板処理における複数の基板W同士の膜厚を均一化するための複数のゾーン毎の温度条件を算出し、算出した温度条件により基板処理を実施した場合の複数の基板Wの膜厚を取得し、取得した膜厚と目標膜厚とを比較し、当該取得した膜厚が目標膜厚の許容範囲外にある場合に、比較に基づき複数の基板において基板処理に適用するプロセス領域を設定する。この場合でも、温度調整方法は、複数の基板W同士における膜厚の面間均一性を図ることが可能な温度を効率的に設定できる。
今回開示された実施形態に係る基板処理装置1および温度調整方法は、すべての点において例示であって制限的なものではない。実施形態は、添付の請求の範囲およびその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形および改良が可能である。上記複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
1 基板処理装置
10 処理容器
20 下部ヒータ
50 温調部
52b 天井ヒータ
90、90A 制御部
W 基板

Claims (9)

  1. 複数の基板に膜を成膜する基板処理を行う処理容器と、
    前記処理容器の内部に収容された前記複数の基板を、予め設定された複数のゾーン毎に温調する温調部と、
    前記温調部の動作を制御する制御部と、を備える基板処理装置であって、
    前記温調部は、前記処理容器を天井から加熱する天井ヒータと、前記処理容器の下部または前記処理容器よりも下側部分を加熱する下部ヒータとのうち、少なくとも一方を有し、
    前記制御部は、前記温調部が有する前記天井ヒータおよび前記下部ヒータに対応して、前記天井ヒータの温度の変化に基づく膜厚変化量の上部温度モデル、および前記下部ヒータの温度の変化に基づく膜厚変化量の下部温度モデルのうち少なくとも一方を保有しており、
    保有している前記上部温度モデルおよび/または前記下部温度モデルを用いて前記基板処理における前記複数の基板同士の膜厚を均一化するための前記複数のゾーン毎の温度条件を算出し、
    算出した前記温度条件により前記基板処理を実施した場合の前記複数の基板の膜厚を取得し、取得した膜厚と目標膜厚とを比較し、
    当該取得した膜厚が前記目標膜厚の許容範囲外にある場合に、比較に基づき前記複数の基板において前記基板処理に適用するプロセス領域を設定する、
    基板処理装置。
  2. 前記制御部は、予め保有する熱モデルに基づき前記複数のゾーン毎の初期の温度条件を算出し、
    前記初期の温度条件に基づき前記取得した膜厚が前記目標膜厚に対してずれている場合に、保有している前記上部温度モデルおよび/または前記下部温度モデルを用いて温度条件を最適化する、
    請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記制御部は、前記温度条件の最適化において、前記上部温度モデルおよび/または前記下部温度モデルと、前記取得した膜厚と前記目標膜厚の残差と、微修正係数と、調整ノブ変化量とを有する評価関数が最小となる前記調整ノブ変化量を算出する、
    請求項2に記載の基板処理装置。
  4. 前記制御部は、算出した前記調整ノブ変化量に基づき前記複数の基板の予測膜厚を演算し、前記予測膜厚と前記目標膜厚とを比較して、前記予測膜厚が前記目標膜厚の許容範囲外にあるか否かを判定する、
    請求項3に記載の基板処理装置。
  5. 前記制御部は、前記複数のゾーン毎の温度を調整するための熱モデルに対して前記上部温度モデルおよび/または前記下部温度モデルを加えた温度条件のモデルを予め保有しており、
    当該温度条件のモデルに基づき、前記複数のゾーン毎の温度条件を最適化する、
    請求項1に記載の基板処理装置。
  6. 前記制御部は、前記温度条件の最適化において、前記温度条件のモデルと、前記取得した膜厚と前記目標膜厚の残差と、微修正係数と、調整ノブ変化量とを有する評価関数が最小となる前記調整ノブ変化量を算出する、
    請求項5に記載の基板処理装置。
  7. 前記制御部は、前記プロセス領域の設定において、前記取得した膜厚に基づき線形補間を行うことで、前記目標膜厚の許容範囲外に存在する前記基板を抽出する、
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の基板処理装置。
  8. 前記制御部は、前記複数のゾーンのうち前記天井ヒータに最も近いゾーンを加熱する側方ヒータに給電する電力と、前記天井ヒータに給電する電力との比率である天板比率に基づき前記天井ヒータの温度を制御し、
    前記上部温度モデルは、前記天板比率を変化させた場合における前記膜厚変化量を表す情報である、
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の基板処理装置。
  9. 複数の基板に膜を成膜する基板処理を行う処理容器と、
    前記処理容器の内部に収容された前記複数の基板を、予め設定された複数のゾーン毎に温調する温調部と、を備える基板処理装置の温度調整方法であって、
    前記温調部は、前記処理容器を天井から加熱する天井ヒータと、前記処理容器の下部または前記処理容器よりも下側部分を加熱する下部ヒータとのうち、少なくとも一方を有するものであり、
    前記温度調整方法は、
    保有している前記温調部が有する前記天井ヒータおよび前記下部ヒータに対応して、前記天井ヒータの温度の変化に基づく膜厚変化量の上部温度モデル、および前記下部ヒータの温度の変化に基づく膜厚変化量の下部温度モデルのうち少なくとも一方を用いて、前記基板処理における前記複数の基板同士の膜厚を均一化するための前記複数のゾーン毎の温度条件を算出し、
    算出した前記温度条件により前記基板処理を実施した場合の前記複数の基板の膜厚を取得し、取得した膜厚と目標膜厚とを比較し、
    当該取得した膜厚が前記目標膜厚の許容範囲外にある場合に、比較に基づき前記複数の基板において前記基板処理に適用するプロセス領域を設定する、
    温度調整方法。
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