JP2024006529A - トナー粒子の製造方法 - Google Patents

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源弥 福島
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【課題】分離性能に優れ、かつ長時間運転が可能なサイクロン装置を用いたトナー粒子の製造方法を提供する。【解決手段】水系分散媒体にトナー粒子が分散されたトナー粒子分散液中の粗大粒子を除去する粗大粒子除去工程を有するトナー粒子の製造方法において、粗大粒子除去工程は、下記の(i),(ii)の工程(i)粗大粒子を破砕機構を有する破砕装置によって破砕し、破砕された粗大粒子を得る工程;(ii)サイクロン装置を用いて、破砕された粗大粒子を該トナー粒子分散液から除去する工程;を順に有し、工程(i)で破砕される前の該粗大粒子の長径をA(mm)、該工程(ii)で破砕された後の破砕された粗大粒子の長径をB(mm)、粗大粒子除去部材の該開口の幅をC(mm)としたときに以下の関係を満たすことを特徴とする。A≧8C(1)7C≧B≧C(2)【選択図】図1

Description

本開示は、電子写真法による画像形成に使用されるトナー粒子の製造方法に関する。
近年、複写機およびレーザービームプリンターなどの画像形成装置は省エネルギー化、印刷速度の高速化に対応するために、より低温で溶融するトナーが求められている。こうした要求に対し、離型剤や結晶性樹脂を多量に導入するために有利であり、トナー形状の制御がしやすい点などから、水系媒体中でトナー粒子を製造する湿式トナーが多く用いられている。
湿式トナーの製造方法として、重合性単量体等を使用した懸濁重合法、乳化重合凝集法や、結着樹脂等を溶剤中で造粒する溶解懸濁法等が提案されている。これらの湿式製法では、製造過程の中でスラリー中に、トナー粒子と共に規格外の粗大粒子が生成し、品質に影響を及ぼす場合があるため、粗大粒子を除去する必要がある。
製造工程で粗大粒子を除去する方法として、サイクロン装置が用いられることがあり、求められる性能もより高度なものになっている。サイクロン装置においては、連続生産性や分離能力向上が求められている。
特許文献1では、被処理物を破砕し、被処理物に含まれる材料の比重差を利用したサイクロン装置が開示されている。これにより、強固に結合したプラスチックボトルの口栓等の異種物質も確実に分離することができている。ただし、上記の方法をトナーの製造方法に応用しようとしても、トナー粒子と粗大粒子との比重差が少ないため、分離することが難しい。
特許文献2では、サイクロンの入り口配管に邪魔板のような構造物を有するサイクロン装置が開示されている。これにより、サイクロン装置の容器内を旋回した被処理物と、入り口配管から新たに供給される被処理物との衝突を抑制することで旋回力を高め、分離性能を向上させている。
特開2000-246135号公報 特公平2-60385号公報
しかしながら、上記のようなサイクロン装置では、その容器内を旋回した被処理物が邪魔板に衝突してしまい、入口配管から新たに供給される被処理物と合流して旋回力を高めるという効果を十分得られないという課題がある。また、邪魔板における付着物が発生し長時間運転できないという課題もある。そのため、さらに旋回力を高めて分離性能を向上させ、かつ付着が少なく長時間運転が可能なサイクロン装置を用いた処理方法が求められる。
本発明は、上述の如き問題を解決したサイクロン装置を用いるトナー粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、以下の方法を見出した。
すなわち、本発明は、水系分散媒体にトナー粒子が分散されたトナー粒子分散液中の粗大粒子を除去する粗大粒子除去工程を有するトナー粒子の製造方法において、
該粗大粒子除去工程は、下記の(i),(ii)の工程
(i)該粗大粒子を破砕機構を有する破砕装置によって破砕し、破砕された粗大粒子を得る工程;
(ii)サイクロン装置を用いて、該破砕された粗大粒子を該トナー粒子分散液から除去する工程;
を順に有し、
該サイクロン装置は粗大粒子除去部材を具備し、
該粗大粒子除去部材は、該破砕された粗大粒子を除去するための開口を有し、
該工程(i)で破砕される前の該粗大粒子の長径をA(mm)、該工程(ii)で破砕された後の該破砕された粗大粒子の長径をB(mm)、該粗大粒子除去部材の該開口の幅をC(mm)としたときに、以下の関係を満たすことを特徴とするトナー粒子の製造方法に関する。
A≧8C (1)
7C≧B≧C (2)
分離性能に優れ、かつ長時間運転が可能なサイクロン装置を用いた本発明により、効果的に粗大粒子を低減させたトナー粒子を提供することができる。
サイクロン装置の一例を示す概略図である。 サイクロン装置の一例を示す概略図である。 本発明に適応できる粗大粒子除去部材の一例を示す概略図である。 本発明に適応できる粗大粒子除去部材の一例を示す概略図である。 本発明に適応できる粗大粒子除去部材の一例を示す概略図である。
以下に、本発明の実施態様を具体的に説明する。
<サイクロン装置の特徴>
本発明のトナー粒子の製造方法は、水系分散媒体にトナー粒子が分散されたトナー粒子分散液中の粗大粒子を除去する粗大粒子除去工程を有するトナー粒子の製造方法において、
該粗大粒子除去工程は、下記の(i),(ii)の工程
(i)該粗大粒子を破砕機構を有する破砕装置によって破砕し、破砕された粗大粒子を得る工程;
(ii)サイクロン装置を用いて、該破砕された粗大粒子を該トナー粒子分散液から除去する工程;
を順に有し、
該サイクロン装置は粗大粒子除去部材を具備し、
該粗大粒子除去部材は、該破砕された粗大粒子を除去するための開口を有し、
該工程(i)で破砕される前の該粗大粒子の長径をA(mm)、該工程(ii)で破砕された後の該破砕された粗大粒子の長径をB(mm)、該粗大粒子除去部材の該開口の幅をC(mm)としたときに、以下の関係を満たすことを特徴とするものである。
A≧8C (1)
7C≧B≧C (2)
上記条件を満たすことで本発明の効果が得られる理由について、本発明者らは次のように考えている。図1および図2はサイクロン装置の概略図である。サイクロン装置は、天板2及び底板3を有し略円筒形の内周面を有する容器1を有する。サイクロン装置は容器1の上方において、天板2に平行な方向(例えば容器の略水平方向)から容器1の側面の周の接線方向に接続された処理液の入口配管4を有し、容器の下方に被処理液の出口配管5を有する。底板3の略中心に出口配管5が接続されている。これにより、容器内部には下向きの旋回流が生じる。旋回流により生じた遠心力により、処理液に含まれる粗粒は略円筒型の容器1の壁面を沿い、容器下部に運ばれる。
本開示において、略円筒形、略水平、略同一又は略中心とは、完全な円筒形、水平、同一、又は中心に限られるものではなく、本発明における効果を損なわない程度の誤差を含んでいてもよいことを示す。
サイクロン装置は、円筒形の容器1の内部に設けられ、出口配管5から上方に伸びた形状で粗大粒子除去部材8を有する。粗大粒子除去部材8により、入口配管4から出口配管5に向かう粗大粒子を捕集し、次工程に粗大粒子が混入するのを防止する。また旋回流により粗大粒子除去部材8に捕集された粗大粒子を粗大粒子除去部材8から離脱させ、粗大粒子除去部材8が清浄な状態を保てる。
一方、トナー粒子は、入口配管4から導入されると旋回流により容器1の中心軸側に配列され、粗大粒子除去部材8を通過して下降し、出口配管5から粗大粒子が分離除去された処理液として回収される。
上記のようなサイクロン装置で粗大粒子を分離除去するうえで、粗大粒子が8C(mm)以上に大きい場合、粗大粒子が容器内部の旋回流に上手く乗ることができず、粗大粒子に遠心力が働かないため除去部材8に衝突してしまう。これにより、粗大粒子除去部材8に付着が発生するため、連続運転時の粗大粒子の分離性が落ちてしまう。
本発明では、粗大粒子を破砕機構を有する破砕装置によって破砕し、粗大粒子の大きさをC(mm)以上7C(mm)以下にコントロールすることで、粗大粒子除去部材8への付着抑制することができ、連続運転時でも粗大粒子の分離性が維持できる。
本発明において、粗大粒子除去部材はパンチング孔およびメッシュ孔の少なくとも一方を有することが好ましい。それぞれの開口の幅C(mm)は、パンチング孔の場合は図3で示すように直径であり、メッシュ孔の場合は図4に示すような正方形では、その対角線の長さであり、図5のような長方形では、開口部の短辺に√2をかけた長さである。また、粗大粒子除去部材はウェッジワイヤースクリーンであることが好ましい。このときの開口の幅C(mm)は、図4に示すような正方形では、その対角線の長さであり、図5のような長方形では、開口部の短辺に√2をかけた長さである。
上記のような粗大粒子除去部材であると、容器内部の旋回流を抑制しにくいため、トナー粒子分散液中の粗大粒子を好適に分離可能となるため好ましい。また、粗大粒子除去部材はパンチング孔を有するものかウェッジワイヤースクリーンである場合、部材表面の平滑性が高いため、捕集した粗大粒子が部材表面に付着しにくく、より好ましい。
本発明では、破砕された粗大粒子の密度(g/cm3)は1.0以上であることが好ましい。破砕された粗大粒子の密度が1.0以上であれば、容器内部の旋回流によって粒子に遠心力が良好に働くため、粗大粒子除去部材への粗大粒子の付着が低減される。
また、本発明では、破砕された粗大粒子の密度(g/cm3)は1.7以下であることが好ましい。破砕された粗大粒子の密度が1.7を超えると、サイクロン装置の入口部で容器内部の旋回流に乗る前に粗大粒子が粗大粒子除去部材に衝突しやすくなり、付着を形成してしまいやすくなる。また、さらには1.6以下であることがより好ましい。
本発明では、サイクロン装置の入口における該トナー粒子分散液の流速(m/sec)は0.5以上4.0以下であることが好ましい。入口における該トナー粒子分散液の流速が0.5未満の場合、容器内部で粗大粒子の分離に必要な旋回流が生じにくくなることで、粗大粒子の分離性が悪化してしまいやすくなる。入口における該トナー粒子分散液の流速が4.0超の場合、粗大粒子除去部材にサイクロン装置の入口部で容器内部の旋回流に乗る前に粗大粒子が粗大粒子除去部材に衝突しやすくなり、付着を形成してしまいやすくなる。さらに好ましくは、サイクロン装置の入口におけるトナー粒子分散液の流速(m/sec)は1.0以上3.0以下である。
本発明では、粗大粒子除去部材の開口の幅C(mm)は1.0以上12.0以下であることが好ましい。粗大粒子除去部材の開口の幅Cが1.0未満の場合、処理液が通過する幅が小さいことで目詰まりがしやすく、付着が悪化しやすくなる。粗大粒子除去部材の開口の幅Cが12.0超の場合、粗大粒子除去部材を通過して出口配管に向かう流れが強くなり、容器内部で乱流が発生することで、旋回力が下がり分離能力も低下してしまいやすくなる。
また、粗大粒子除去工程では、トナー粒子分散液の温度がトナー粒子のガラス転移温度よりも高い場合、トナー粒子および粗大粒子が変形しやすくなるため、粗大粒子除去部材に付着が発生しやすい。このような場合においても、本発明の構成では粗大粒子除去部材への付着抑制することができ、連続運転時においても粗大粒子の分離性が維持できる。加えて、トナー粒子分散液の温度は90℃以下が好ましい。90℃を超える場合、トナー粒子分散液の分散媒は水であることから、温度を均一に保って送液するために大きな設備投資が必要である。
<トナーの構成材料>
本発明によって製造されるトナーの構成材料について具体的に説明する。
トナーの結着樹脂としてはスチレンアクリル系共重合体を挙げることができる。該スチレンアクリル系共重合体は、スチレン系単量体とアクリル系単量体(アクリル酸又はメタクリル酸及びそれらのアルキルエステル)との共重合体である。
ここで、スチレンアクリル系共重合体は、スチレンアクリル系共重合体のみから構成された状態で結着樹脂中に含有されていてもよいし、他の重合体などとのブロック共重合体、グラフト共重合体、又はそれらの混合物の状態で結着樹脂中に含有されていてもよい。
また、結着樹脂中のスチレンアクリル系重合体の含有量は、50質量%以上であり、80質量%以上100質量%以下であることが好ましい。結着樹脂が、スチレンアクリル系共重合体を含有することで、トナーの現像特性及び耐久性が向上する。
なお、結着樹脂には、該スチレンアクリル系共重合体以外に、トナーに用いられる公知の樹脂又は重合体を用いることができる。
スチレン系単量体としては、以下のものが挙げられる。
スチレン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、ジビニルベンゼンなど。
該スチレン系単量体は一種類で用いることもできるが、これらの中から選ばれる二種以上を組み合わせて用いることもできる。
該アクリル系単量体としては、以下のものが挙げられる。
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、iso-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、iso-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、n-アミルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、n-ノニルアクリレート、n-デシルアクリレート、n-ドデシルアクリレートのようなアクリル酸アルキルエステル類;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、iso-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、iso-ブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、n-アミルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、n-ノニルメタクリレート、n-デシルメタクリレート、n-ドデシルメタクリレートのようなメタクリル酸アルキルエステル類;
ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレートなどのアクリル酸ジエステル類;
アクリル酸、メタクリル酸など。
該アクリル系単量体は一種類で用いることもできるが、これらの中から選ばれる二種以上を組み合わせて用いることもできる。
結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、スチレン系単量体とアクリル系単量体の重合比率を調整することにより所望の範囲とすることができる。具体的には、スチレン系単量体とアクリル系単量体との重合比率(スチレン系単量体:アクリル系単量体)は、質量基準で、65:35~100:0であることが好ましく、70:30~85:15であることがより好ましい。該結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、25℃以上65℃以下であることが好ましい。
トナー粒子の製造時に使用する重合開始剤としては、過酸化物系重合開始剤、アゾ系重合開始剤など様々なものが使用できる。
有機系の過酸化物系重合開始剤としては、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイドが挙げられる。
有機過酸化物系重合開始剤の具体例としては、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ヘキシルパーオキシアセテート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、t-ヘキシルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルモノカーボネートなどのパーオキシエステル;
ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;1,1-ジ-t-ヘキシルパーオキシシクロヘキサンなどのパーオキシケタール;ジ-t-ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド;その他としてt-ブチルパーオキシアリルモノカーボネートなどが挙げられる。
無機系の過酸化物系重合開始剤としては、過硫酸塩、過酸化水素などが挙げられる。
また、アゾ系重合開始剤としては、2,2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル-2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)などが例示される。
なお、必要に応じてこれら重合開始剤を2種以上同時に用いることもできる。
該重合開始剤の使用量は、重合性単量体100.0質量部に対して、0.10質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
該トナー粒子は、極性樹脂を含有することもでき、極性樹脂としては、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。極性樹脂としてポリエステル系樹脂を用いることで、当該樹脂がトナー粒子の表面に偏在してシェルを形成した際に、当該樹脂自身のもつ潤滑性が期待できる。
ポリエステル系樹脂としては、アルコールモノマーとカルボン酸モノマーとの縮重合体が挙げられる。
該アルコールモノマーとしては、以下のものが挙げられる。
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)-ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンなどのビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン。
一方、カルボン酸モノマーとしては、以下のものが挙げられる。
フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸のような芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸のようなアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6~18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸のような不飽和ジカルボン酸類又はその無水物。
また、その他にも以下のモノマーを使用することが可能である。
ソルビット、ソルビタン、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルなどの多価アルコール類;トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物などの多価カルボン酸類。
該トナー粒子は、着色剤を含有してもよい。該着色剤としては、従来知られている種々の染料や顔料などが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、又は以下に示すイエロー、マゼンタ、及びシアン着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
イエロー着色剤としては、モノアゾ化合物、ジスアゾ化合物、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などが挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー74、93、95、109、111、128、155、174、180、185などが挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、モノアゾ化合物、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などが挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.ピグメントバイオレット19などが挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66などが挙げられる。
該トナーは、磁性トナーとして用いることができる。その場合には、トナー粒子に磁性体を含有させればよい。この場合、磁性体は着色剤の役割をかねることもできる。
該磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトのような酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属、又は、これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物が挙げられる。
該着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、及びトナー粒子中の分散性の観点から選択するとよい。該着色剤は、単独又は混合し、さらには固溶体の状態で用いることができる。
該着色剤の含有量は、結着樹脂又は結着樹脂を生成する重合性単量体100.0質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
本発明においては、離型剤としてワックスを含有してもよく、結着樹脂に含まれるスチレンアクリル系共重合体との相溶性と定着時の離型性の観点から、アルコール成分とカルボン酸成分との縮合物であるエステルワックスが好ましい。また、一官能または二官能のエステルワックスがより可塑性に優れるため好ましい。
一官能または二官能のエステルワックスは、一価もしくは二価の直鎖飽和アルコールと一価の直鎖飽和脂肪酸とのエステル、または一価もしくは二価の直鎖飽和脂肪酸と一価の直鎖飽和アルコールとのエステルが挙げられる。
一価の直鎖飽和アルコールとしては、炭素数6~24のアルコールが用いられ、以下の化合物を挙げることができるがこれに限定されるものではない。例えばヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノニルアルコール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが挙げられる。
二価の直鎖飽和アルコールとしては、炭素数6~24のジオールが用いられ、例えば以下の化合物を挙げることができるがこれに限定されるものではない。1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,16-ヘキサデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,20-イコサンジオール、1,22-ドコサンジオール、1,24-テトラコサンジオールが挙げられる。
一価の直鎖飽和脂肪酸としては、炭素数8~24のものが用いられ、以下の化合物を挙げることができるがこれに限定されるものではない。例えばヘキサン酸、オクチル酸、ノニル酸、デカン酸、ドデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸が挙げられる。
二価の直鎖飽和脂肪酸としては、炭素数8~24のジカルボン酸が用いられ、以下の化合物を挙げることができるがこれに限定されるものではない。例えばスベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、イコサン二酸、ドコサン二酸、テトラコサン二酸が挙げられる。
上記ワックスは、結着樹脂100.0質量部に対して1.0質量部以上30.0質量部以下使用するのが好ましい。
該トナー粒子は、エステルワックス以外にさらに炭化水素ワックスを含有してもよい。
炭化水素ワックスとしては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスのような脂肪族炭化水素ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;脂肪族炭化水素ワックスにスチレンやアクリル酸のようなビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類などが挙げられる。
炭化水素ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。
エステル系ワックス及び炭化水素ワックスの融点は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、60℃以上100℃以下であることがより好ましい。該熱特性を呈することにより、得られるトナーの低温定着性及び耐熱保存性の両立を確保しやすい。
トナー粒子は、荷電制御剤を含有してもよい。該荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。
有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、ノンメタルカルボン酸系化合物及びその誘導体、スルホン酸基、スルホン酸塩基、又は、スルホン酸エステル基を有するスルホン酸樹脂。
具体的には、負帯電用荷電制御剤として以下のものが挙げられる。
サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸などに代表される芳香族カルボン酸の金属化合物;スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体;アゾ染料又はアゾ顔料の金属塩又は金属錯体;ホウ素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンなど。
一方、正帯電用荷電制御剤としては以下のものが挙げられる。
四級アンモニウム塩、四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物;グアニジン化合物;ニグロシン系化合物;イミダゾール化合物など。
これらのうち、負帯電用荷電制御剤を用いることが多い。
また、該スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体としては、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸などに代表されるスルホン酸基含有ビニル系モノマーの単重合体又は他のビニル系モノマーと該スルホン酸基含有ビニル系モノマーの共重合体などが挙げられる。
該荷電制御剤の含有量は、結着樹脂又は結着樹脂を生成する重合性単量体100.0質量部に対して、0.01質量部以上20.0質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上10.0質量部以下であることがより好ましい。
該トナーは、画質向上の観点より、トナー粒子に外添剤が添加されていることが好ましい。外添剤としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、及び酸化アルミニウム微粒子のような無機微粒子が挙げられる。該無機微粒子は、シランカップリング剤、シリコーンオイル又はそれらの混合物のような疎水化剤で疎水化処理されていることが好ましい。外添剤の含有量は、トナー粒子100.0質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上3.0質量部以下であることがより好ましい。
<トナー粒子の製造方法>
上記トナー構成材料を用い、トナー製造過程で上記サイクロン装置を用いるトナー粒子の製造方法については、溶解懸濁法、乳化凝集法、懸濁重合法などが挙げられるが、以下では、懸濁重合法によるトナー粒子の製造法について、工程毎に説明する。
懸濁重合法とは、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成し、重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合してトナー粒子を得る製造方法である。
(重合性単量体組成物の調製工程)
重合性単量体および着色剤等を含む重合性単量体組成物を調製する。着色剤は予め媒体撹拌ミルなどで重合性単量体中に分散させた後に他の組成物と混合してもよいし、全ての組成物を混合した後に分散させてもよい。
(造粒工程)
無機分散安定剤を含む水系媒体に重合性単量体組成物を投入し、分散させることにより造粒し、重合性単量体組成物分散液を得る。造粒工程は例えば高剪断力を有する撹拌機を設置した竪型撹拌槽で行なうことができる。高剪断力を有する撹拌機としては特に限定されるものではないが、例えば、ハイシェアミキサー(IKA社製)、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業社製)、T.K.フィルミックス(特殊機化工業社製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)の如き市販のものを用いることができる。
無機分散安定剤としては、例えば、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸亜鉛等のリン酸金属塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄の金属水酸化物;等を挙げることができる。これらは、単独、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらは、水系媒体中に難水溶性無機微粒子として存在することにより分散安定剤としての機能を発揮する。
(反応工程)
上述のようにして得られた重合性単量体組成物分散液に中の重合性単量体を重合することにより、トナー粒子の分散液を得る。本発明における反応工程には、温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。
重合温度は40℃以上、一般的には50~90℃で行われる。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程後半に昇温してもよい。
撹拌に用いられる撹拌羽根は、重合性単量体組成物分散液を滞留させることなく浮遊させ、かつ槽内の温度を均一に保てるようなものならばどのようなものを用いても良い。撹拌羽根又は撹拌手段としては、パドル翼、傾斜パドル翼、三枚後退翼、プロペラ翼、ディスクタービン翼、ヘリカルリボン翼及びアンカー翼のごとき一般的な撹拌羽根、並びに、「フルゾーン」(神鋼パンテック社製)、「ツインスター」(神鋼パンテック社製)、「マックスブレンド」(住友重機社製)、「スーパーミックス」(佐竹化学機械工業社製)及び「Hi-Fミキサー」(綜研化学社製)などが挙げられる。
(粗大粒子除去工程)
反応工程にて重合性単量体を重合しトナー粒子を得る際に、少なからず粗大粒子と呼ばれる規格外の粒子が生成される。この粗大粒子は後の工程で装置を閉塞させる、あるいは製品に混入し品質弊害を引き起こす可能性がある。粗大粒子は、破砕機構を有する破砕装置によって破砕してから、上記サイクロン装置によって除去する。破砕装置としては、市販の破砕ポンプ(「KD125MS」(ハスクバーナーゼノア製)など)を好適に用いることができる。
(洗浄工程、固液分離工程)
トナー粒子表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、トナー粒子の分散液を酸またはアルカリで処理をする。この後、一般的な固液分離法により重合体粒子は液相と分離されるが、酸またはアルカリおよびそれに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水でトナー粒子を洗浄する。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離して湿潤トナー粒子を得る。
(乾燥工程)
得られた湿潤トナー粒子は、含まれる水および水系媒体等を除去するために乾燥させる。一般的な乾燥工程に用いられる乾燥手法としては、真空乾燥、流動層乾燥、気流式乾燥等、種々の乾燥方式を用いることができる。
(分級工程)
乾燥後、要求される粒度分布にするために、風力分級機などで分級を行なうことにより、所望のトナー粒子を得る。
(外添工程)
トナー粒子への各種特性付与を目的として外添剤とトナー粒子を混合することで、トナーを得ることができる。
<物性の測定方法>
(粗大粒子の長径A、B)
破砕される前の粗大粒子の長径A(mm)は、破砕処理を行う前のトナー粒子分散液を1kg採取し、1mmの目開きを持つ篩でろ過したときに篩に残った粗大粒子の平均長径とした。また、破砕された後の粗大粒子の長径B(mm)も同様に、破砕処理を行った後のトナー粒子分散液を1kg採取し、1mmの目開きを持つ篩でろ過したときに篩に残った粗大粒子の平均長径とした。
(ガラス転移温度)
トナー又は樹脂などのガラス転移温度(Tg)は、最大吸熱ピークのピーク温度の示差走査熱量測定によって得られた昇温時のリバーシングヒートフロー曲線において、比熱変化が出る前と出た後のベースラインを延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、リバーシングヒートフロー曲線におけるガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点の温度(℃)である。
<本発明の実施形態に含まれる構成>
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)水系分散媒体にトナー粒子が分散されたトナー粒子分散液中の粗大粒子を除去する粗大粒子除去工程を有するトナー粒子の製造方法において、
該粗大粒子除去工程は、下記の(i),(ii)の工程
(i)該粗大粒子を破砕機構を有する破砕装置によって破砕し、破砕された粗大粒子を得る工程;
(ii)サイクロン装置を用いて、該破砕された粗大粒子を該トナー粒子分散液から除去する工程;
を順に有し、
該サイクロン装置は粗大粒子除去部材を具備し、
該粗大粒子除去部材は該破砕された粗大粒子を除去するための開口を有し、
該工程(i)で破砕される前の該粗大粒子の長径をA(mm)、該工程(ii)で破砕された後の該破砕された粗大粒子の長径をB(mm)、該粗大粒子除去部材の該開口の幅をC(mm)としたときに以下の関係を満たすことを特徴とするトナー粒子の製造方法。
A≧8C (1)
7C≧B≧C (2)
(構成2)前記粗大粒子除去部材はパンチング孔およびメッシュ孔の少なくとも一方を有する構成1に記載のトナー粒子の製造方法。
(構成3)前記粗大粒子除去部材はウェッジワイヤースクリーンである構成1に記載のトナー粒子の製造方法。
(構成4)前記破砕された粗大粒子の密度(g/cm3)が1.0以上である構成1~3のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
(構成5)前記破砕された粗大粒子の密度(g/cm3)が1.7以下である構成1~4のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
(構成6)前記破砕された粗大粒子の密度(g/cm3)が1.6以下である構成1~4のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
(構成7)前記サイクロン装置の入口における前記トナー粒子分散液の流速(m/sec)を0.5以上4.0以下とする構成1~6のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
(構成8)前記サイクロン装置の入口における前記トナー粒子分散液の流速(m/sec)を1.0以上3.0以下とする構成1~6のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
(構成9)前記粗大粒子除去部材の前記開口の幅C(mm)が1.0以上12.0以下である構成1~8のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
以下、具体的な製造方法、実施例、比較例をもって本発明をさらに詳細に説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。
<実施例1>
分散媒(水系媒体):
反応容器中のイオン交換水1000質量部に、リン酸ナトリウム14質量部ならびに10%塩酸を4.5質量部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。T.K.ホモミクサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10質量部に7.8質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
重合性単量体組成物:
・スチレン 70質量部
・着色剤(カーボンブラック;Orion Engineerred Carbons社製、商品名「Printex35」) 7質量部
・荷電制御剤(オリエント社製:ボントロンE-89) 0.25質量部
上記材料をアトライタ分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、組成物を得た。
上記組成物に、
・スチレン 20質量部
・n-ブチルアクリレート 20質量部
・極性樹脂 10質量部
(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物と、テレフタル酸及びイソフタル酸との縮重合反応により得られた飽和ポリエステル樹脂;重量平均分子量が13000、酸価が8mgKOH/g、ガラス転移温度が74℃)
フィッシャートロプシュワックス
(シューマンサゾール社製、商品名「C80」:融点83.0℃) 9質量部
を加えた。
別容器中で上記材料を65℃に保温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t-ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂社製、商品名「パーヘキシルPV」、分子量:202、10時間半減期温度:53.2℃)10.0質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
造粒タンク中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、T.K.ホモミクサーにて10000rpmで5分間撹拌し、pH5.2で造粒した。その後、重合タンクに移して、重合工程をパドル撹拌翼で30回/分で撹拌しつつ70℃で4時間行った。その後、タンクの温度を90℃にし更に運転を行った。
重合反応終了後、トナー粒子の分散液25000kgを得た。トナー粒子の分散液25000kgを処理前タンクに移した。
(粗大粒子除去)
トナー粒子分散液を破砕ポンプであるKD125MS(ハスクバーナーゼノア製)を用いて破砕しながらポンプで移送し、図1に示すサイクロン装置に通過させ、処理後タンクに移送することで粗大粒子の除去処理を行った。
ここで、破砕される前の粗大粒子に関し、式(1)で示す8C(mm)を下回る粗大粒子は確認されなかった。また、破砕された後の粗大粒に関し、式(2)で示す7C(mm)以上の粗大粒子は確認されなかった。
また、処理後タンクの入口にはパンチングメタル丸穴孔径6mmを設置した。ポンプの周波数を調整し、処理液の流量が12000kg/hとなるようにした。サイクロンの入口配管4は、容器1のサイクロン装置のケーシングの接線に沿い接続されている。ここで、入口配管とは、被処理液をサイクロン装置に供給する配管のことである。粗粒除去部材はパンチングメタル6mm丸穴のものを使用した。
ポンプを1時間運転し、処理前タンクの処理液25000kgをサイクロンに通過させた。その後、サイクロン装置の天板を開放して粗大粒子除去部材を取り外し質量W1(kg)を測定した。運転前の粗大粒子除去部材の質量W0(kg)を測定しておき、以下の式から粗大粒子除去部材の付着質量W2(kg)を求めた。
1-W0=W2
処理後タンクの入り口に設置したパンチングメタル丸穴孔径6mmに残った粗大粒子を回収しサイクロン通過質量W3(kg)とした。
2、W3、およびその評価を表2に示す。
<実施例2~5>
表1に示すように粗大粒子除去部材の開口幅Cを変更したこと以外は、実施例1と同様の製造方法でトナー粒子分散液の粗粒除去を実施した。
<実施例6~13>
表1に示すようにトナー粒子分散液のサイクロン装置の入口流速を変更したこと以外は、実施例1と同様の製造方法でトナー粒子分散液の粗粒除去を実施した。
<実施例14>
着色剤として磁性体を70質量部(組成:Fe34、形状:球状、平均粒子径0.22μm、795.8kA/mにおける磁気特性;σs=68Am2/kg、σr=3.5Am2/kg)に変更し、粗大粒子の密度が1.60g/cm3になったこと以外は、実施例1と同様の製造方法でトナー粒子分散液の粗粒除去を実施した。
<実施例15>
着色剤として磁性体を72質量部(組成:Fe34、形状:球状、平均粒子径0.22μm、795.8kA/mにおける磁気特性;σs=68Am2/kg、σr=3.5Am2/kg)に変更し、粗大粒子の密度が1.61g/cm3になったこと以外は、実施例1と同様の製造方法でトナー粒子分散液の粗粒除去を実施した。
<実施例16>
着色剤として磁性体を80質量部(組成:Fe34、形状:球状、平均粒子径0.22μm、795.8kA/mにおける磁気特性;σs=68Am2/kg、σr=3.5Am2/kg)に変更し、粗大粒子の密度が1.70g/cm3になったこと以外は、実施例1と同様の製造方法でトナー粒子分散液の粗粒除去を実施した。
<実施例17>
着色剤として磁性体を82質量部(組成:Fe34、形状:球状、平均粒子径0.22μm、795.8kA/mにおける磁気特性;σs=68Am2/kg、σr=3.5Am2/kg)に変更し、粗大粒子が1.71g/cm3になったこと以外は、実施例1と同様の製造方法でトナー粒子分散液の粗粒除去を実施した。
<実施例18>
着色剤のカーボンブラックを6質量部に変更し、粗大粒子の密度を変更したこと以外は、実施例1と同様の製造方法でトナー粒子分散液の粗粒除去を実施した。
<実施例19>
着色剤のカーボンブラックを3質量部に変更し、粗大粒子の密度を変更したこと以外は、実施例1と同様の製造方法でトナー粒子分散液の粗粒除去を実施した。
<実施例20~29>
表1に示すように粗大粒子除去部材の種類と粗大粒子除去部材の開口幅Cを変更したこと以外は、実施例1と同様の製造方法でトナー粒子分散液の粗粒除去を実施した。
<実施例30、31>
表1に示すようにトナー粒子分散液の処理温度を変更したこと以外は、実施例1と同様の製造方法でトナー粒子分散液の粗粒除去を実施した。
<比較例1>
表1に示すように破砕させた後の粗大粒子の長径Bが7Cよりも大きいこと以外は、実施例1と同様の製造方法でトナー粒子分散液の粗粒除去を実施した。
<比較例2、3>
表1に示すようにトナー粒子分散液の処理温度を変更して、破砕させた後の粗大粒子の長径Bが7Cよりも大きいこと以外は、実施例1と同様の製造方法でトナー粒子分散液の粗粒除去を実施した。
Figure 2024006529000002
[評価]
表1の各値をもとに各実施例、比較例のサイクロン装置について、粗大粒子除去部材の付着、サイクロン通過の評価を行った。その結果を表2に示す。以下に評価の基準を示す。
(粗大粒子除去部材の付着の評価基準)
A:100g以下
B:100g超、300g以下
C:300g超、500g以下
D:500g超
(サイクロン通過の評価基準)
A:100g以下
B:100g超、200g以下
C:200g超、300g以下
D:300g超
Figure 2024006529000003
1:サイクロン装置の容器、2:サイクロン装置の天板、3:サイクロン装置の底板、4:入口配管、5:出口配管、6:粗大粒子排出配管、7:粗大粒子排出配管弁、8:粗大粒子除去部材、C:粗大粒子除去部材の開口幅

Claims (9)

  1. 水系分散媒体にトナー粒子が分散されたトナー粒子分散液中の粗大粒子を除去する粗大粒子除去工程を有するトナー粒子の製造方法において、
    該粗大粒子除去工程は、下記の(i),(ii)の工程
    (i)該粗大粒子を破砕機構を有する破砕装置によって破砕し、破砕された粗大粒子を得る工程;
    (ii)サイクロン装置を用いて、該破砕された粗大粒子を該トナー粒子分散液から除去する工程;
    を順に有し、
    該サイクロン装置は粗大粒子除去部材を具備し、
    該粗大粒子除去部材は該破砕された粗大粒子を除去するための開口を有し、
    該工程(i)で破砕される前の該粗大粒子の長径をA(mm)、該工程(ii)で破砕された後の該破砕された粗大粒子の長径をB(mm)、該粗大粒子除去部材の該開口の幅をC(mm)としたときに以下の関係を満たすことを特徴とするトナー粒子の製造方法。
    A≧8C (1)
    7C≧B≧C (2)
  2. 前記粗大粒子除去部材はパンチング孔およびメッシュ孔の少なくとも一方を有する請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  3. 前記粗大粒子除去部材はウェッジワイヤースクリーンである請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  4. 前記破砕された粗大粒子の密度(g/cm3)が1.0以上である請求項1または2に記載のトナー粒子の製造方法。
  5. 前記破砕された粗大粒子の密度(g/cm3)が1.7以下である請求項1または2に記載のトナー粒子の製造方法。
  6. 前記破砕された粗大粒子の密度(g/cm3)が1.6以下である請求項1または2に記載のトナー粒子の製造方法。
  7. 前記サイクロン装置の入口における前記トナー粒子分散液の流速(m/sec)を0.5以上4.0以下とする請求項1または2に記載のトナー粒子の製造方法。
  8. 前記サイクロン装置の入口における前記トナー粒子分散液の流速(m/sec)を1.0以上3.0以下とする請求項1または2に記載のトナー粒子の製造方法。
  9. 前記粗大粒子除去部材の前記開口の幅C(mm)が1.0以上12.0以下である請求項1または2に記載のトナー粒子の製造方法。
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