JP2024000144A - 車両の警報装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】乗員への警報を抑制しつつ、リスクに係る事象についての認識を促すように警報出力を改善する。【解決手段】車両の警報装置10は、警報出力デバイス25~28と、リスクに係る事象を検出する事象検出デバイス21~22と、事象検出デバイス21~22によるリスクの検出結果に応じて、警報出力デバイス25~28からの警報出力を制御する制御部34と、乗員によるリスクの認識状態を検出する認識検出デバイス23~24と、を有する。制御部34は、事象検出デバイス21~22による検出結果に基づいて、警報を出力するリスクがあると判断し、かつ、認識検出デバイス23~24の検出結果に基づいて、乗員によるリスクの認識の有無についてあると判断している場合において、さらに乗員によるリスクの認識度を判定する。制御部34は、認識度が高くない場合には、警報出力デバイス25~28から警報を出力する。【選択図】図2

Description

本発明は、車両の警報装置に関する。
自動車といった車両は、道路を走行する。道路は、他の自動車、モータサイクル、自転車、パーソナルモビリティなどの他の車両も走行する。
特に、モータサイクルや自転車は、走行中の車線の端を走行しながら、自車の近くを追い抜くことがある。
このようなリスクに係る事象が生じる場合、車両のドライバといった乗員は、それを確かに認識して自車を走行させることが望まれる。
特開2020-067711号公報 特開2020-013179号公報
このために、自動車といった車両では、リスクに係る事象が生じている場合にそれを警報する音を乗員へ出力することが考えられる。自動車では、各種の車両の警報装置が提案されている(特許文献1、2)。
しかしながら、特許文献1のようにリスクを検出した場合に警報を出力したり、特許文献2のようにリスクについての乗員の認識がない場合に警報を出力したり、したとしても、乗員がそのリスクを確かに認識している認識状態にあるとは限らない。
たとえば、警報などに基づいて乗員がリスクを認識することがあったとしても、乗員は、そのリスクを軽視している可能性がある。この場合、車両の警報装置は、乗員がリスクを確かに認識するまで、警報を継続して出力したり、繰り返しに出力したり、するとよい。
この他にもたとえば、リスクについての警報が頻繁に出力される場合には、乗員は、警報が出力されていないことに基づいてリスクが存在していないと独自に判断してしまう可能性がある。
また、警報の出力が継続的なものになると、乗員は、その警報をわずらわしく感じてしまうことになる。
煩わしさを感じた乗員は、警報が出力されることがないように車両の警報装置の設定を変更してしまう可能性がある。警報が出力できないように設定が変更されてしまうと、車両の警報装置は、警報を出力できなくなってしまう。
このように車両の警報装置には、乗員への警報出力を抑制しつつ、リスクに係る事象については確かな認識を促すことができるように警報を出力するように改善する、ことが求められる。
本発明の一形態に係る車両の警報装置は、車両の乗員に対して警報を出力する警報出力デバイスと、前記車両のリスクに係る事象を検出する事象検出デバイスと、前記事象検出デバイスによる前記車両のリスクの検出結果に応じて、前記警報出力デバイスからの警報出力を制御する制御部と、前記車両の乗員によるリスクの認識状態を検出する認識検出デバイスと、を有し、前記制御部は、前記事象検出デバイスによる前記車両のリスクの検出結果に基づいて、警報を出力するリスクがあると判断し、かつ、前記認識検出デバイスの検出結果に基づいて、前記車両の乗員によるリスクの認識があると判断している場合において、乗員によるリスクの認識度を判定し、認識度が高くない場合には前記警報出力デバイスから警報を出力する。
本発明では、事象検出デバイスによる車両のリスクの検出結果に基づいて、警報を出力するリスクがあると判断し、認識検出デバイスの検出結果に基づいて、車両の乗員によるリスクの認識の有無についてあると判断している場合において、さらに、乗員によるリスクの認識度を判定する。そして、認識度が高くない場合には、警報出力デバイスから警報を出力する。これにより、乗員は、既に認識しているリスクに係る事象についての警報を受けて、そのリスクについて再確認をしたり、リスクについて確かに認識したり、することができる。乗員は、たとえば既に認識はしているが軽視しているようなリスクについて、リスクについて認識していない場合のように警報を受けることにより、そのリスクについての認識を改める機会を得ることができる。
このように本発明では、乗員への警報出力を抑制しつつ、リスクに係る事象については確かに乗員により認識され得るように警報を出力することができる。
図1は、本発明の第一実施形態に係る車両の警報装置が適用可能な自動車の走行状況の一例の説明図である。 図2は、図1の自動車において車両の警報装置として機能する制御系の説明図である。 図3は、図1の自動車の車室の前部の模式的な説明図である。 図4は、図2の制御系による警報出力制御のフローチャートである。 図5は、図2のメモリに記録される乗員状態のログデータの一例の説明図である。 図6は、図5のリスク認識に基づく乗員の状態変化を判定するために用いる認識状態判定テーブルの一例の説明図である。 図7は、左右のドアミラー用のミラー表示デバイスでの警報出力の一例の説明図である。 図8は、図2の制御系による警報出力の終了制御のフローチャートである。 図9は、本発明の第二実施形態での、リスクに係る事象のリスクレベルに応じた認識度の閾値の設定制御のフローチャートである。 図10は、事象についての複数のリスクレベルと、各々に応じた認識度の閾値との対応関係の一例の説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係る車両の警報装置が適用可能な自動車1の走行状況の一例の説明図である。
図1の自動車1は、車両の一例である。自動車1は、二車線の道路の左レーン2を走行している。自車の後方では、他の移動体としての第一モータサイクル4が左レーン2を走行している。さらに他の移動体としての第二モータサイクル5は、右レーン3を走行している。
このような走行環境において、第一モータサイクル4や第二モータサイクル5は、自車を追い抜いてゆくことがある。第二モータサイクル5は、自車とは異なる右レーン3を走行する。これに対し、第一モータサイクル4は、自車が走行している左レーン2を走行する可能性がある。第一モータサイクル4は、図中に破線矢印で示すように、自車である自動車1の近くを通過する可能性がある。
このようなリスクに係る事象が生じる場合、自動車1のドライバといった乗員は、そのリスクを十分に認識しながら自車を走行させることが望まれる。乗員は、左右のドアミラーによる左右の視野6、7を確認しながら、自車を走行させることが望まれる。
また、自動車1では、このようなリスクなどについて警報する車両の警報装置を設けることが望まれる。乗員は、警報が出力されるまではそのリスクを軽視していたとしても、警報が出力されることにより、リスクやリスクに係る事象を十分に認識するようになる、と期待できる。
しかしながら、たとえば図1のような走行環境が続けて生じる場合には、車両の警報装置は、繰り返しに警報を出力することになる。乗員は、繰り返しに出力され続ける警報を、わずらわしく感じでしまう可能性がある。煩わしさを感じた乗員は、警報が出力されないように車両の警報装置の設定を変更してしまう可能性がある。警報が出力されないように設定が変更されてしまうと、車両の警報装置は、警報を出力できなくなってしまう。
このように自動車1の車両の警報装置には、乗員のわずらわしさを低減しつつ、リスクに係る事象についての認識が乗員において十分に得られることが期待できるように改善する必要がある。
図2は、図1の自動車1において車両の警報装置として機能する制御系10の説明図である。
図2の制御系10は、車外監視装置11、乗員監視装置12、警報制御装置13、出力制御装置14、操作装置15、および、これらが接続される車ネットワーク16、を有する。
車ネットワーク16は、自動車1のためのたとえばCAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)に準拠した有線の通信ネットワークでよい。車ネットワーク16は、LANなどの通信用ネットワーク、無線方式の通信ネットワークなどを使用したり、これらを組合せたりしたものでもよい。車ネットワーク16に接続される装置は、たとえば送信先を指定した暗号化パケットを車ネットワーク16へ出力し、自身宛ての暗号化パケットを車ネットワーク16から取得してよい。これにより、車ネットワーク16に接続される装置は、他の装置との間で情報を送受できる。
車ネットワーク16には、この他にも、自動車1の走行を制御する駆動装置、操舵装置、制動装置、走行制御装置、空調装置、無線通信装置、などが接続されてよい。走行制御装置は、乗員による走行についての操作を支援したり、自律的に走行を制御したり、してよい。無線通信装置は、たとえば道路の近くに設けられた基地局との間で無線通信路を確立し、確立している無線通信路を通じてサーバ装置などとの間で通信データを送受してよい。
車外監視装置11には、自動車1の周辺を検出するために、たとえば車外カメラ21、車外Lidar22、が接続される。
車外カメラ21は、たとえば自動車1の車室40やドアミラーの位置において、車外を撮像するように設けられてよい。車外カメラ21には、たとえば単眼カメラ、ステレオカメラ、360度カメラがある。たとえば左右のドアミラーの位置に設けられる車外カメラ47(21),48(21)は、自動車1の左右側面に沿って、自動車1の後方を撮像するように設けられてよい。車室の後部において後ろ向きに設けられる車外カメラ21は、自動車1の後側を撮像できる。自動車1の後側の撮像画像は、ルームミラーの位置に設けられるミラー表示デバイス27、ドライバの前のダッシュボード41に設けられるメータ表示デバイス25、に表示してよい。
車外Lidar22は、車外をレーザスキャンして、自動車1の周囲の空間情報を生成する。車外Lidar22が出力したレーザ光は、車外の物体により反射されて、車外Lidar22により受光される。
そして、車外監視装置11は、車外カメラ21の撮像画像や、車外Lidar22による空間情報を取得する。車外監視装置11は、取得した周辺情報から、自動車1の周囲にある他の移動体や障害物といった物体を抽出する。この場合、車外カメラ21および車外Lidar22は、事象検出デバイスとして、警報出力デバイスから警報を出力する可能性がある事象を検出することになる。
車外監視装置11は、抽出した各物体についてのリスクを判定してもよい。たとえば自動車1が進行している方向にある障害物は、自動車1の走行に影響を与える可能性が高い。また、自動車1と同じ左レーン2において追い抜こうとしてる第一モータサイクル4は、自動車1の走行に影響を与える可能性が高い。車外監視装置11は、これらの事象についてのリスクを高いと判定してよい。これに対し、路肩にある固定物は、自動車1の走行に影響を与える可能性が低い。車外監視装置11は、このような事象についてのリスクを低いと判定してよい。
車外監視装置11は、車外カメラ21や車外Lidar22による検出情報とともに、これらの生成情報を、周辺情報として、車ネットワーク16へ出力する。
乗員監視装置12には、自動車1の車室にいる乗員を監視するために、たとえば車内カメラ23、車内ミリ波センサ24、が接続される。乗員監視装置12には、マイクロホン、スピーカが接続されてもよい。
車内カメラ23は、たとえば自動車1の車室の前部において、後向きに設置される。車内カメラ23は、自動車1の車室にいるドライバを含む複数の乗員を撮像することが可能である。
車内ミリ波センサ24は、たとえば自動車1の車室の上部において、下向き設置される。車内ミリ波センサ24は、車室をレーザスキャンして、車室の空間情報を生成する。車内ミリ波センサ24は、自動車1の車室とそこにいる乗員とによる空間情報を生成する。
そして、乗員監視装置12は、車内カメラ23の撮像画像や、車内ミリ波センサ24による空間情報を取得する。乗員監視装置12は、取得した車内情報から、車室にいる乗員などを抽出する。
乗員監視装置12は、抽出した乗員についての脈拍数、呼吸数、瞳孔のサイズ、視線方向、などの生体情報を生成してよい。
乗員監視装置12は、車内カメラ23や車内ミリ波センサ24による検出情報とともに、これらの生体情報を、乗員の認識状態を示す情報として、車ネットワーク16へ出力する。
出力制御装置14と操作装置15とは、自動車1の車室にいる乗員のためのユーザインタフェースを構成する。出力制御装置14には、たとえばメータ表示デバイス25、センタ表示デバイス26、ミラー表示デバイス27、音出力デバイス28、が接続される。操作装置15には、タッチパネルデバイス29、が接続される。
図3は、図1の自動車1の車室40の前部の模式的な説明図である。
図3には、車室40を画成する部材として、自動車1の車幅方向に延在するダッシュボード41、ダッシュボード41の左右両側に位置する一対のAピラー42,43、が示されている。
メータ表示デバイス25は、ダッシュボード41の右側または左側の部分において、たとえばステアリング44と重なる位置に設けられる。メータ表示デバイス25は、ドライバに対して自車の走行に関する状態などを表示してよい。
センタ表示デバイス26は、ダッシュボード41の中央部分に設けられる。センタ表示デバイス26は、たとえば車両の警報装置の出力可否の設定画面などを表示してよい。
ミラー表示デバイス27は、ダッシュボード41の右上部および左上部に設けられる。右側のミラー表示デバイス45(27)は、たとえば右側のAピラー42の外側となるドアミラーの位置に設けられる右側の車外カメラ47(21)により撮像した自車の右後方の画像を表示してよい。左側のミラー表示デバイス46(27)は、たとえば左側のAピラー43の外側となるドアミラーの位置に設けられる左側の車外カメラ48(21)により撮像した自車の左後方の画像を表示してよい。この他にもミラー表示デバイス27は、たとえばルームミラーの位置にも設けられてよい。
音出力デバイス28は、たとえばスピーカである。音出力デバイス28は、たとえばダッシュボード41の内部に隠して設けられてよい。
そして、出力制御装置14は、車ネットワーク16から表示に関する情報を取得する。出力制御装置14は、取得した情報に基づいて、メータ表示デバイス25、センタ表示デバイス26、およびミラー表示デバイス27の表示を制御する。また、出力制御装置14は、音出力デバイス28から、合成音声、警報音を出力する。
タッチパネルデバイス29は、センタ表示デバイス26と重ねて設けられてよい。タッチパネルデバイス29は、センタ表示デバイス26の表示画面に対する乗員の操作を検出する。
そして、操作装置15は、センタ表示デバイス26の表示画面に対する乗員の操作に応じた操作情報を生成し、車ネットワーク16へ出力する。
警報制御装置13は、たとえば自車の走行に関連するリスクが高い事象がある場合、またはリスクの可能性がある事象がある場合、自動車1に乗車しているドライバといった乗員に対して、各種の警報を出力する制御を実行する。
警報制御装置13は、入出力部(I/O)31、タイマ(Timer)32、メモリ(Memory)33、ECU34、および、これらが接続される内部バス35、を有する。なお、図中に示す他の装置も、警報制御装置13と同様の内部構造を有してよい。
入出力部31は、車ネットワーク16に接続される。入出力部31は、車ネットワーク16を通じた他の装置との情報の送受を制御する。
タイマ32は、時間、時刻を計測する。
メモリ33は、ECU34により実行されるプログラムや各種の情報を、記録する。メモリ33に記録されているプログラムは、記録媒体に記録されていたものであっても、伝送媒体を通じて取得したものであってもよい。
ECU34は、中央処理装置(CPU)の一種である。ECU34は、メモリ33に記録されているプログラムを実行する。これにより、ECU34は、車両の警報装置としての動作を制御する制御部として機能する。
ECU34は、車両の警報装置の制御部として、車ネットワーク16を通じて接続されている操作装置15から取得する操作情報に基づいて、警報出力についての設定を実行する。ECU34は、たとえば警報対象を設定してよい。また、ECU34は、警報出力の有無を設定してよい。設定情報は、メモリ33に記録される。ECU34は、メモリ33に記録されている設定情報にしたがって乗員に対する警報出力を制御する。
警報を出力するように設定されている場合、警報制御装置13のECU34は、車ネットワーク16を通じて接続されているたとえば車外監視装置11、乗員監視装置12、出力制御装置14を用いて、警報出力制御を実行する。
ここで、ECU34は、車外監視装置11から取得する情報を、周辺情報として取得して、リスクに係る事象の有無を検出したり、リスクに係る事象のリスクの程度が警報を出力する必要があるものであるか否かを判定したり、してよい。この場合、車外カメラ21、車外Lidar22、および、車外監視装置11は、車外におけるリスクに係る事象を検出する事象検出デバイスとして機能する。
ECU34は、乗員監視装置12から情報を取得して、乗員によるリスクに係る事象の認識の有無を、事象検出デバイスによる車両のリスクの検出結果に応じて判定してよい。この場合、車内カメラ23、車内ミリ波センサ24、および、乗員監視装置12は、乗員の認識状態を検出する認識検出デバイスとして機能する。
また、ECU34は、乗員監視装置12から情報を取得して、ドライバといった乗員による警報対象についての認識の程度を示す認識度を、事象検出デバイスによる車両のリスクの検出結果に応じて判定してよい。この場合、車内カメラ23、車内ミリ波センサ24、および、乗員監視装置12は、乗員によるリスクに係る事象の認識を検出する認識検出デバイスとして機能する。
ECU34は、警報出力を指示する情報を生成して、車ネットワーク16を通じて出力制御装置14へ出力する。出力制御装置14は、メータ表示デバイス25、センタ表示デバイス26、ミラー表示デバイス27、および音出力デバイス28の中から、取得した情報に適した警報出力デバイスを選択して警報を出力する。たとえば音出力デバイス28を選択する場合、出力制御装置14は、音出力デバイス28から、自動車1の乗員に対して警報を出力するための警報音または警報メッセージを出力する。ミラー表示デバイス27を選択する場合、出力制御装置14は、自動車1の乗員に対して警報を出力するために、ミラー表示デバイス27の表示を通常表示とは異なる強調表示に切り替える。メータ表示デバイス25、またはセンタ表示デバイス26を選択する場合、出力制御装置14は、自動車1の乗員に対して警報を出力するために、リスクに係る事象についての画像などをそれらのデバイスに表示するように表示を切り替える。この場合、メータ表示デバイス25、センタ表示デバイス26、ミラー表示デバイス27、音出力デバイス28、および、出力制御装置14は、自動車1の乗員に対してリスクについての警報を出力する警報出力デバイスとして機能する。また、ECU34は、警報出力デバイスからの警報出力を制御することができる。なお、警報出力デバイスは、少なくとも、ミラー表示デバイス、および音出力デバイス、を含むのが望ましい。
図4は、図2の制御系10による警報出力制御のフローチャートである。
警報制御装置13のECU34は、リスクに係る事象についての警報を出力するために、図4の警報出力制御を繰り返し実行する。
なお、図4の警報出力制御の処理の一部は、図2の制御系10の他の装置、たとえば車外監視装置11、乗員監視装置12、または出力制御装置14が実行してもよい。
ステップST1は、警報出力の設定が出力可能とされているか否かを判断するステップである。警報制御装置13のECU34は、メモリ33から警報出力の設定を取得して、警報が出力可能とされているか否かを判断する。警報が出力可能に設定されている場合、ECU34は、処理をステップST2へ進める。警報が出力不可に設定されている場合、ECU34は、警報を出力することなく、本制御を終了する。
ステップST2は、自車の周辺情報を取得するステップである。ECU34は、たとえば車外監視装置11から自車の周辺情報を取得する。この場合の周辺情報には、たとえば、車外カメラ21による自車の周辺の撮像画像、車外Lidar22による自車の周辺の空間情報、が含まれる。周辺情報には、撮像画像や空間情報に基づいて抽出された車外の物体の情報が含まれてもよい。
ステップST3は、リスクとなる事象を検出して判定するステップである。
ECU34は、まず、取得した自車の周辺情報から車外の物体の情報を抽出して、または自車の周辺情報に含まれている車外の物体の情報を取得する。ECU34は、複数の車外の物体の情報を取得してよい。
次に、ECU34は、車外の各物体についてのリスクの程度を判定する。たとえば自動車1が進行している方向にある車外の障害物は、自動車1の走行に影響を与える可能性が高い。また、自動車1と同じ左レーン2において追い抜こうとしてる車外の第一モータサイクル4は、自動車1の走行に影響を与える可能性が高い。たとえば第一モータサイクル4の画像解析に基づく速度と自車の速度との速度差が閾値以上である場合に、第一モータサイクル4が自車を追い抜こうとしていると判定してよい。ECU34は、これらの事象を、リスクとなる事象と判定してよい。これに対し、自車の進行方向にはない路肩にある固定物は、自動車1の走行に影響を与える可能性が低い。自動車1と異なる右レーン3において追い抜こうとしてる車外の第二モータサイクル5は、自動車1の走行に影響を与える可能性が低い。ECU34は、これらの事象を、リスクとなる事象として判定しなくてもよい。これにより、ECU34は、制御部として、事象検出デバイスの検出に基づいて、警報を出力すると判定されている事象についての、リスクの程度を判定できる。
ステップST4は、警報すべきリスクに係る事象の有無を判断するステップである。ECU34は、たとえばステップST3において自動車1の走行に影響を与える可能性が高いと判断した車外の物体の有無を判断する。これにより、ECU34は、制御部として、事象検出デバイスの検出に基づいて、警報出力デバイスから警報を出力する事象についての検出の有無を判定することができる。自動車1の走行に影響を与える可能性が高いと判断した車外の物体がある場合、ECU34は、警報すべきリスクとなる事象があると判断し、処理をステップST5へ進める。ステップST3において自動車1の走行に影響を与える可能性が高いと判断した車外の物体が1つもない場合、ECU34は、警報すべきリスクとなる事象がないと判断し、警報を出力することなく、本制御を終了する。
ステップST5は、警報を出力すべきと判定している事象についての、乗員による認識の有無を判定するステップである。
ECU34は、乗員監視装置12から情報を取得して、乗員によるリスクに係る事象の認識の有無を判定してよい。乗員は、たとえばミラー表示デバイス27を視認することにより、第一モータサイクル4を認識する。ECU34は、乗員監視装置12から取得する情報に基づいて、乗員がミラー表示デバイス27を視認しているか否かを判定することにより、乗員による警報すべきリスクに係る事象についての認識有無を判定してよい。ECU34は、リスクに係る事象に応じて異なる判定制御を実行してよい。これにより、ECU34は、制御部として、事象検出デバイスにより警報出力デバイスから警報を出力する事象が検出されている場合に、認識検出デバイスの検出に基づいて、乗員によるリスクに係る事象の認識の有無を判定できる。
ステップST6は、乗員がリスクに係る事象を認識しているか否かを判断するステップである。ECU34は、たとえばステップST5の認識の有無の判定結果に基づいて、乗員がリスクに係る事象を認識しているか否かを判断してよい。乗員がリスクに係る事象を認識している場合、ECU34は、処理をステップST8へ進める。これに対し、乗員がリスクに係る事象を認識していない場合、ECU34は、処理をステップST7へ進める。
ステップST7は、リスクに係る事象を認識していない乗員に対して、警報を出力するステップである。ECU34は、警報出力を指示する情報を生成して、車ネットワーク16を通じて出力制御装置14へ出力する。
この場合、乗員がリスクに係る事象を認識していないため、ECU34は、少なくとも音による警報出力を指示する情報を生成する。出力制御装置14は、音出力デバイス28を選択して、音出力デバイス28から警報音または警報メッセージを出力する。
また、ECU34は、音による警報出力の指示とともに、リスクに係る事象を強調表示する警報出力の指示を含む情報を生成してもよい。出力制御装置14は、たとえばミラー表示デバイス27を選択して、ミラー表示デバイス27においてリスクに係る事象を強調表示させる。
少なくとも音による警報が出力されることにより、ECU34は、制御部としての処理により乗員がリスクに係る事象を認識していないと判定する場合には、警報出力デバイスから警報を出力することができる。また、リスクを認識していない乗員は、未認識のリスクに係る事象があることについての注意喚起を少なくとも音により明確に受けることができる。乗員は、たとえばミラー表示デバイス27を視認して、第一モータサイクル4が追い抜こうとしている状況を認識することが可能になる。その後、ECU34は、本制御を終了する。
ステップST8は、リスクに係る事象を認識している乗員についての、リスクに係る事象の認識度を判定するステップである。
ECU34は、たとえば、ステップST5で乗員監視装置12から取得している乗員の認識状態を示す生体情報に基づいて、またはそれをメモリ33に蓄積したログデータに基づいて、乗員によるリスクの認識度を判定してよい。乗員は、たとえば車外の物体にリスクがあると十分に認識している場合、脈拍数が高くなったり、呼吸数が増えたり、瞳孔のサイズが大きくなったり、することがある。また、第一モータサイクル4が自車を追い抜こうとしていることを認識していると、乗員は、ミラー表示デバイス27を凝視するように視認し続けたり、繰り返し視認したり、する。
ECU34は、これらのリスク認識による乗員の状態変化に基づいて、乗員についての、リスクに係る事象の認識度を判定してよい。
このようにECU34は、乗員がリスクに係る事象についての認識あると判定する場合には、さらにその後にその認識度を判定する。ECU34は、認識検出デバイスにより検出される乗員の認識状態に基づいて、警報を出力すると判定しているリスクに係る事象についての乗員の認識度を判定することができる。
ステップST9は、乗員によるリスクの認識度の値が、認識度の閾値以上であるか否かを判断する。
ECU34は、ステップST8において判定した乗員によるリスクの認識度の値が、閾値以上である場合、警報を出力することなく、本制御を終了する。これにより、ECU34は、リスクに係る事象について乗員が既に高い認識度にあると判定できる場合には、警報出力デバイスから警報を出力しないようにできる。
ステップST8において判定した認識度が閾値以上ではない場合、ECU34は、処理をステップST10へ進める。これにより、ECU34は、乗員がリスクに係る事象についての認識しているもののその認識度が高いものではない場合には、警報出力デバイスから警報を出力するようにできる。
ステップST10は、乗員によるリスクの認識度に応じた警報を出力する制御を実行するステップである。
ECU34は、ステップST8において判定した乗員によるリスクの認識度に応じた警報を出力するための指示情報を生成して、車ネットワーク16を通じて出力制御装置14へ出力する。
この場合、乗員がリスクに係る事象があることを認識しているため、ECU34は、少なくとも音によらない警報出力を指示する情報を生成するとよい。ECU34は、リスクに係る事象を強調表示する警報出力の指示を含む情報を生成するとよい。出力制御装置14は、ECU34からの指示情報に基づいて、音出力デバイス28以外の、たとえば左右のミラー表示デバイス45,46(27)を選択する。出力制御装置14は、選択した左右のミラー表示デバイス45,46(27)において、リスクに係る事象を強調表示させる。
ステップST8において判定する乗員の認識度を3種類以上に分ける場合、ECU34は、認識度が低くなるほど強調の程度を高めるように、強調表示の程度を認識度に応じて変化させてよい。たとえば、出力制御装置14は、リスクに係る事象を、拡大して表示したり、輝度を相対的に高めて表示したり、警報マークを付加して表示したり、することにより強調して表示することができる。ECU34は、認識度が低くなるほど、リスクに係る事象を拡大して表示したり、明るく表示したり、より強い警報マークを付加したり、してよい。
また、ECU34は、左右のミラー表示デバイス45,46(27)ではなく、たとえはルームミラーの位置に設けられる他のミラー表示デバイス27、メータ表示デバイス25、センタ表示デバイス26、またはこれらの組み合わせにおいて、リスクに係る事象を強調表示してもよい。これにより、ECU34は、認識検出デバイスの検出結果から得られる乗員の生体情報の変化に基づいて、乗員の認識度を取得し、取得した乗員の生体情報に基づく乗員の認識度が閾値より低い場合には、警報出力デバイスから警報を出力することができる。
その後、ECU34は、本制御を終了する。
このようにECU34は、認識検出デバイスの検出結果に基づいて自動車1の乗員がリスクを認識していると判断できる場合でも、その認識度が高くない場合には、乗員がリスクを認識していないと判断する場合と同様に、警報出力デバイスから警報を出力する。ただし、この場合の警報出力は、乗員がリスクを認識していないと判断する場合と比べて、警報の内容を抑えたものとしている。具体的には、リスクを認識している乗員に対して警報を出力する場合には、少なくとも音出力デバイス28を除いて、ミラー表示デバイス27において、認識度に応じた強調表示を出力する。また、警報が少なくとも音によらないものとされることにより、乗員は、既に認識している認識状態にあるリスクに係る事象について、過度な警報を受けないで済む。
しかも、このようにミラー表示デバイス27において、リスクに係る事象についての強調表示がなされることにより、それを視認した乗員は、その事象のリスクについてより強く認識するようになる。乗員は、たとえば追い抜こうとしている状況にある第一モータサイクル4が、ミラー表示デバイス27において強調表示されることにより、そのリスクに係る事象を十分に認識するようになる。
次に、上述した本実施形態での警報出力制御の具体例について、さらに詳しく説明する。
図5は、図2のメモリ33に記録される乗員状態のログデータ51の一例の説明図である。
図5の乗員状態のログデータ51は、乗員監視装置12が乗員の生体情報として生成した複数の脈拍数が、それに対応する時刻とともに、記録されている。脈拍数は、乗員の認識状態を判定するための指標として用いることができる。
このような乗員状態のログデータ51は、リスク認識に基づく乗員の状態変化を判定して、さらに乗員によるリスクの認識度を判定するために使用することが可能である。
また、乗員によるリスクの認識度の判定には、複数種類の乗員状態のログデータ51に基づいて総合的に判断するとよい。
警報制御装置13のECU34は、乗員監視装置12が新たな脈拍数を取得すると、それを取得して、その取得時刻とともに、図5の乗員状態のログデータ51に追加記録してよい。ECU34は、タイマ32から、取得時刻を取得してよい。
また、図5の乗員状態のログデータ51は、メモリ33の使用領域を制限するために、たとえば1分といった一定時間に対応するデータのみを記録するものであってもよい。この場合、乗員状態のログデータ51に最大数の脈拍数が記録されているとき、警報制御装置13のECU34は、最も古い脈拍数と時刻とを、最新のものにより上書きしてよい。
そして、図5の乗員状態のログデータ51には、その一例として、最新の4組の脈拍数とそれに対応する時刻とが記録されている。そして、警報制御装置13のECU34が、ステップST5の処理を、たとえば第一時刻「12(時):23(分):05(秒)」において実行したものとする。
この場合、警報制御装置13のECU34は、ステップST8の乗員の認識度の判定処理において、図5の乗員状態のログデータ51において第一時刻(Tdetect)の前後の時刻となる三番目と四番目との脈拍数を取得する。
ECU34は、第一時刻の後である四番目の脈拍数「108」から、第一時刻の前である三番目の脈拍数「104」を除算して、脈拍数のリスク認識による状態変化の値として「+4」を演算する。
このようにECU34は、認識検出デバイスにより検出される乗員の認識状態についての、制御部の判定処理の前後におけるリスク認識による状態変化を取得できる。
なお、ECU34は、ステップST5の乗員によるリスクに係る事象の認識の有無の判定タイミングの前後の生体情報の値を演算するのではなく、ステップST3のリスク事象の有無の判定タイミングの前後の生体情報の値を演算してもよい。
また、ECU34は、判定タイミングの後の生体情報との演算において、判定タイミングの前の複数の生体情報の値の平均値または代表値を用いてもよい。
図6は、図5のリスク認識に基づく乗員の状態変化を判定するために用いる認識状態判定テーブル52の一例の説明図である。
図6の認識状態判定テーブル52は、メモリ33に記録されてよい。図6の認識状態判定テーブル52には、乗員の脈拍数の変化の段階として、0以下、+1、・・・、+10の複数の段階が含まれている。
そして、図6の認識状態判定テーブル52では、乗員の脈拍数の変化の段階ごとに、段階が上がるにつれて大きくなる認識度の値が対応付けられている。たとえば乗員の脈拍数の変化の段階が0以下であって、乗員がリスクをリスクに係る事象として認識していない場合、認識度の値として0が対応付けられている。乗員の脈拍数の変化の段階が+1である場合、認識度の値として10が対応付けられている。そして、乗員の脈拍数の変化の段階が+10以上であって、乗員がリスクをリスクに係る事象として認識している場合、認識度の値として100が対応付けられている。
このように認識状態判定テーブル52を用いることにより、ECU34は、乗員のリスク認識に基づくリスク認識による状態変化を、乗員がリスクに係る事象を十分に認識している段階(+10)を含む3以上の段階に判定することができる。
ECU34は、ステップST8の乗員の認識度の判定処理において、上述した演算などによる乗員の脈拍数の変化の段階を用いて、それに対応する認識度の値を取得する。図5の例では、ECU34は、乗員の脈拍数の変化の段階として「+4」を用いて、図6の認識状態判定テーブル52から、認識度の値として「40」を取得する。
また、図6において、認識度を判定する閾値は、たとえば「75」としてよい。
ECU34は、ステップST9において、認識状態判定テーブル52に基づいて得られる認識度の値がこの閾値以上であると判断すると、警報を出力しない。
逆に、認識状態判定テーブル52に基づいて得られる認識度の値がこの閾値以上ではないと判断すると、ECU34は、警報を出力する。この場合の警報は、たとえば認識度が低いほど警報を過大にするように、認識度の値に応じたものとしてよい。
たとえば認識度の値として「40」を取得している場合、ECU34は、閾値「75」以上ではないと判断し、警報を出力する。
これに対し、認識度の値がたとえば「80」を取得している場合、ECU34は、閾値「75」以上であると判断し、警報を出力しない。
図7は、左右のドアミラー用のミラー表示デバイス45(27),46(27)での警報出力の一例の説明図である。
図7の上段には、車外カメラ21による自車の後方の撮像画像(Rear View)60が示されている。
警報制御装置13から特段の指示がない場合、出力制御装置14は、車外監視装置11から撮像画像60を取得し、図中に破線の切出枠61,62で示すようにその一部を切り出す。これにより、出力制御装置14は、図7の中段に示すように、左側のドアミラー用のミラー表示デバイス46(27)に表示する画像(Left Mirror)64を生成する。また、出力制御装置14は、右側のドアミラー用のミラー表示デバイス45(27)に表示する画像(Right Mirror)63を生成する。左側のドアミラー用のミラー表示デバイス46(27)に表示する画像64には、破線の切出枠61と同様に、自車と同じ左レーン2において追い越しをかけようとしている第一モータサイクル4が含まれている。このような第一モータサイクル4は、リスクに係る事象となる。右側のドアミラー用のミラー表示デバイス45(27)に表示する画像63には、破線の切出枠62と同様に、隣接する右レーン3を走行する第二モータサイクル5が含まれる。ただし、ここでの第一モータサイクル4と第二モータサイクル5とは、撮像画像60での切り出し範囲での占有率と同様のサイズまたは占有率により表示されている。
警報制御装置13から強調表示の指示があると、出力制御装置14は、警報を要するリスクに係る事象、ここでは第一モータサイクル4を拡大して強調表示するように表示を切り替える。出力制御装置14は、図7の下段左側に示すように、左側のドアミラー用のミラー表示デバイス46(27)に表示する画像65を切り替える。画像65では、画像64と比べて、第一モータサイクル4が拡大して表示されている。出力制御装置14は、たとえば、撮像画像60からの、左側のドアミラー用のミラー表示デバイス46(27)に表示する画像のための切出枠61を小さくする処理をして、表示画像65での第一モータサイクル4の占有率を大きくしてよい。この他にもたとえば、出力制御装置14は、撮像画像60からの切出枠61そのものは変更することなく、切出後の画像において第一モータサイクル4を含む部分を拡大してもよい。
認識度に応じた警報出力をする場合、出力制御装置14は、警報制御装置13からの強調表示の程度の指示に基づいて表示を替えてよい。出力制御装置14は、低い認識度の下での強い強調表示の指示があると、図7の下段右側に示すように、第一モータサイクル4を拡大するとともにその輝度を周囲より相対的に高くするようにしてよい。この場合、左側のドアミラー用のミラー表示デバイス46(27)には、強い強調表示の画像66が表示される。出力制御装置14は、たとえば認識度「低」の場合に、強い強調表示を実行して図7の下段右側の強い強調表示の画像66を表示し、認識度「中」の場合に、弱い強調表示を実行して図7の下段左側の弱い強調表示の画像65を表示してよい。
このように、出力制御装置14は、警報制御装置13のECU34から強調表示の指示があると、既にリスクを認識している乗員に対してリスクに係る事象を警報出力するために、認識度に応じた強調表示をミラー表示デバイス27へ出力できる。
また、出力制御装置14は、ECU34の指示情報に基づく認識度に応じた強調表示のために、左右のミラー表示デバイス45,46(27)以外での表示を追加したり、各表示を強調表示したりしてよい。出力制御装置14は、たとえばルームミラーの位置に設けられる他のミラー表示デバイス27、メータ表示デバイス25、センタ表示デバイス26、またはこれらの組み合わせにおいて、リスクに係る事象を表示してよい。
これにより、ECU34は、警報出力デバイスから、取得した乗員の生体情報に基づく乗員の認識度に応じて異なる警報を出力することができる。
次に、強調表示を開始した後の、強調表示の終了制御について説明する。
図8は、図2の制御系10による警報出力の終了制御のフローチャートである。
警報制御装置13のECU34は、図8の警報出力の終了制御を繰り返し実行する。
なお、図8の警報出力の終了制御は、図2の制御系10の他の装置、たとえば出力制御装置14が実行してもよい。
ステップST21は、強調表示中であるか否かを判断するステップである。警報制御装置13のECU34は、図4のステップST10において、出力制御装置14へ強調表示を指示する。ECU34は、ステップST10を実行する際に、強調表示中を示すフラグをメモリ33に記録してよい。この場合、ECU34は、該フラグがメモリ33に記録されているか否かに基づいて、強調表示中であるか否かを判断してよい。
ステップST22は、自車の最新の周辺情報を取得するステップである。ECU34は、車外監視装置11から、たとえばステップST10の処理後の最新の周辺情報を取得する。
ステップST23は、リスクに係る事象についての自車からの実距離を推定するステップである。ECU34は、ステップST22で取得している最新の周辺情報に基づいて、強調表示中のリスクに係る事象についての、自車からの実距離を推定する。自車の近くにある物体は、それが自車から遠くにある場合と比べて、撮像画像60や空間情報において、大きな範囲を占める。ECU34は、たとえば撮像画像60における強調表示中のリスクに係る事象の占有率を演算し、その占有率に基づいて自車からの実距離を推定することができる。
ステップST24は、リスクに係る事象の実距離が、強調表示での対応位置より近いか否かを判断するステップである。ECU34は、たとえば撮像画像60における強調表示中のリスクに係る事象の占有率と、左側のドアミラー用のミラー表示デバイス46(27)に表示する画像での同一物の占有率と、を比較する。そして、撮像画像60における占有率が、ミラー表示デバイス27に表示する画像のもの以上である場合、ECU34は、リスクに係る事象の実距離が、強調表示での対応位置より近いと判断し、処理をステップST26へ進める。それ以外の場合、すなわちリスクに係る事象の実距離が、強調表示での対応位置より近いと判断しない場合、ECU34は、処理をステップST25へ進める。
ステップST25は、リスクに係る事象が、表示範囲の外へ移動したか否かを判断するステップである。ECU34は、たとえば、最新の撮像画像60において、強調表示中のリスクに係る事象が、左側のドアミラー用のミラー表示デバイス46(27)に表示する画像の切り出し範囲の外へ移動したか否かを判断する。
そして、切り出し範囲の外へ移動していない場合、ECU34は、処理をステップST22へ戻す。ECU34は、ステップST24またはステップST25においてYesと判断するまで、ステップST22からステップST25までの処理を繰り返す。
ステップST26は、リスクに係る事象についての乗員の認識状態を再確認するステップである。ECU34は、現時点での乗員のリスク認識による状態変化の情報に基づいて、たとえば上述した図4のステップST8からステップST9と同等の処理を実行する。これにより、ECU34は、リスクに係る事象についての乗員による現時点での認識度を再判定することができる。
そして、乗員による現時点での認識度が閾値以上の「高」である場合、ECU34は、処理をステップST27へ進める。それ以外の場合、ECU34は、処理をステップST24へ戻す。この場合、左側のドアミラー用のミラー表示デバイス46(27)の表示は、乗員が閾値以上の「高」の認識度となるまで、リスクに係る事象についての強調表示を継続する。
これにより、ECU34は、リスクに係る事象の実距離が、強調表示での対応位置より近くなり、かつ、乗員がそれを認識度「高」で認識している場合おいて、処理をステップST27へ進めることになる。リスクに係る事象の実距離が、強調表示での対応位置より近くなっても、乗員がそれを軽視していて認識度が閾値以上の「高」とならない場合には、強調表示が継続されることになる。ここで、処理をステップST24へ戻す場合には、ECU34は、強調をさらに高めるように表示を切り替えてもよい。ECU34は、警報音を出力するようにしてもよい。
ステップST27は、強調表示を終了する処理を実行するステップである。ECU34は、強調表示を終了する指示を生成して、車ネットワーク16を通じて出力制御装置14へ出力する。
出力制御装置14は、たとえばミラー表示デバイス27におけるリスクに係る事象の強調表示を終了する。ミラー表示デバイス27の表示は、たとえば図7の下段のものから、中段のものへ切り替わる。
このようにECU34は、たとえばステップST24からステップST27の処理へ進む場合では、リスクに係る事象が強調表示に対応する位置より近づいてきたことに基づいて、強調表示を終了してミラー表示デバイス27を通常表示へ戻す。リスクに係る事象は、強調表示された状態での位置から自車へ近づくように表示される。
この他にもたとえばステップST26からステップST27の処理へ進む場合では、リスクに係る事象が強調表示に対応する位置に到達する前にミラー表示デバイス27の通常表示範囲から外へ移動したことに基づいて、強調表示を終了してミラー表示デバイス27を通常表示へ戻す。リスクに係る事象は、強調表示された状態から、表示されない状態へ変化する。
このようにECU34は、ミラー表示デバイスから認識度に応じた強調表示により警報を出力した後、リスクに係る事象が強調表示に対応する位置より近づいてきているか否かと、リスクに係る事象がミラー表示デバイスの通常表示範囲から外へ移動したか否かと、を判断する。そして、リスクに係る事象が強調表示に対応する位置より近づいてきている場合、または、リスクに係る事象がミラー表示デバイスの通常表示範囲から外へ移動している場合には、ECU34は、強調表示を終了してミラー表示デバイスを通常表示へ戻すことができる。
以上のように、本実施形態では、自動車1のリスクに係る事象を検出する認識検出デバイスの検出結果に基づいて自動車1の乗員がリスクを認識していると判断できる場合であっても、さらに乗員の認識度を判定する。そして、認識度が高くない場合には、警報出力デバイスから警報を出力する。これにより、乗員は、認識しているリスクに係る事象についての警報に基づいて、乗員が認識していないリスクと同様に、確かに認識するようになる。車両の警報装置としての制御系10は、乗員がわずらわしく感じてしまうような警報出力となってしまうことを抑制しつつ、リスクに係る事象については確かに乗員により認識され得るように警報を出力することができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る自動車1の車両の警報装置を説明する。以下の説明では、上述した実施形態との相違点について主に説明する。上述した実施形態と同様の構成および処理については、その説明を省略する。
図9は、本発明の第二実施形態での、リスクに係る事象のリスクレベルに応じた認識度の閾値の設定制御のフローチャートである。
警報制御装置13のECU34は、図9の認識度の閾値の設定制御を繰り返し実行する。
なお、図9の認識度の閾値の設定制御は、図2の制御系10の他の装置、たとえば出力制御装置14が実行してもよい。
ステップST31において、ECU34は、リスク事象についての情報を取得する。ここでは、ECU34は、図4のステップST3またはステップST4による情報を、取得してよい。これらのステップによる情報には、検出されたリスクに係る事象の情報や、そのリスクについての警報の要否についての情報、が含まれ得る。
ステップST32において、ECU34は、ステップST31で取得している情報から、1つの事象を選択する。警報が必要とされる自動車1のリスクに係る事象は、単独とは限らない。
ステップST33において、ECU34は、ステップST32で選択した事象についてのリスクレベルを判定する。リスクレベルについては、後述する。
ステップST34において、ECU34は、未処理の事象の有無を判断する。そして、未処理の事象が残っている場合、ECU34は、処理をステップST32へ戻す。ECU34は、ステップST31で取得している情報に含まれるすべての事象についてのリスクレベルを判定するまで、ステップST32からステップST34の処理を繰り返す。ステップST31で取得している情報に含まれるすべての事象についてのリスクレベルを判定すると、ECU34は、処理をステップST35へ進める。
ステップST35において、ECU34は、判定したすべてのリスクレベルから最大レベルのものを選択する。
ステップST36において、ECU34は、ステップST35において選択した最大のリスクレベルに対応する閾値を選択する。この閾値は、図4のステップST9や、図8のステップST26での認識度のレベル判断に用いられるものである。
図10は、事象についての複数のリスクレベルと、各々に応じた認識度の閾値との対応関係の一例の説明図である。
図10には、「低」、「中」、「高」の3段階のリスクレベルと、各々のリスクレベルに対応する閾値とが示されている。リスクレベル「低」には、閾値75が対応付けられている。リスクレベル「中」には、閾値55が対応付けられている。リスクレベル「高」には、閾値35が対応付けられている。図10の情報は、メモリ33に記録されてよい。
ECU34は、図9の処理により、図10の情報から、最大のリスクレベルに対応する閾値を選択する。
そして、ECU34は、図4のステップST9や、図8のステップST26での認識度のレベル判断において、選択した閾値を用いる。
選択された閾値は、図6の認識状態判定テーブル52から選択された認識度の値と、比較される。この場合、生体情報と間接的に比較されることになる。
以上のように、本実施形態では、ECU34は、警報を出力すると判定されている事象についての、リスクの程度を判定する。本実施形態では、乗員のリスク認識による状態変化とともに、判定した事象のリスクの程度を用いて、これらに応じた認識度を判定する。
たとえば閾値として「75」を設定している状態で、認識度の値としてたとえば「60」を取得すると、ECU34は、認識度の値が閾値以上ではないと判断し、警報を出力する。
これに対し、閾値として「55」を設定している状態で、認識度の値としてたとえば「60」を取得すると、ECU34は、認識度の値が閾値以上であると判断し、警報を出力しない。
これにより、ECU34は、たとえば判定される事象そのもののリスクの程度が高くなるほど、乗員のリスク認識による状態変化に基づく認識度と比較される閾値を小さくして、警報を積極的に出力するように判定を調整することができる。
ECU34は、事象検出デバイスの検出結果に基づいて車両のリスクについてのリスクレベルを判定し、判定した車両のリスクのリスクレベルに応じた閾値を、取得した乗員の生体情報に基づく乗員の認識度の比較判断に用いることができる。
以上の実施形態は、本発明に好適な実施形態の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更が可能である。
1…自動車(車両)、2…左レーン、3…右レーン、4…第一モータサイクル、5…第二モータサイクル、6,7…視野、10…制御系(車両の警報装置)、11…車外監視装置、12…乗員監視装置、13…警報制御装置、14…出力制御装置、15…操作装置、16…車ネットワーク、21…車外カメラ(事象検出デバイス)、22…車外Lidar(事象検出デバイス)、23…車内カメラ(認識検出デバイス)、24…車内ミリ波センサ(認識検出デバイス)、25…メータ表示デバイス(警報出力デバイス)、26…センタ表示デバイス(警報出力デバイス)、27…ミラー表示デバイス(警報出力デバイス)、28…音出力デバイス(警報出力デバイス)、29…タッチパネルデバイス、31…入出力部、32…タイマ、33…メモリ、34…ECU、35…内部バス、40…車室、41…ダッシュボード、42…右側のAピラー、43…左側のAピラー、44…ステアリング、45…右側のミラー表示デバイス、46…左側のミラー表示デバイス、47…右側の車外カメラ、47…左側のドアミラーの位置にある車外カメラ、48…左側のドアミラーの位置にある車外カメラ、51…ログデータ、52…認識状態判定テーブル、53…認識度判定テーブル、54…事象リスク判定テーブル、60…撮像画像、61,62…切出枠、63…右側のドアミラー用のミラー表示デバイスに表示する画像、64…左側のドアミラー用のミラー表示デバイスに表示する画像、65…弱い強調表示の画像、66…強い強調表示の画像


Claims (6)

  1. 車両の乗員に対して警報を出力する警報出力デバイスと、
    前記車両のリスクに係る事象を検出する事象検出デバイスと、
    前記事象検出デバイスによる前記車両のリスクの検出結果に応じて、前記警報出力デバイスからの警報出力を制御する制御部と、
    前記車両の乗員によるリスクの認識状態を検出する認識検出デバイスと、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記事象検出デバイスによる前記車両のリスクの検出結果に基づいて、警報を出力するリスクがあると判断し、かつ、前記認識検出デバイスの検出結果に基づいて、前記車両の乗員によるリスクの認識の有無についてあると判断している場合において、乗員によるリスクの認識度を判定し、認識度が高くない場合には前記警報出力デバイスから警報を出力する、
    車両の警報装置。
  2. 前記制御部は、
    前記認識検出デバイスの検出結果から得られる乗員の生体情報の変化に基づいて、乗員によるリスクの認識度の値を取得し、
    取得した乗員の生体情報に基づく乗員によるリスクの認識度の値が閾値より低い場合には、前記警報出力デバイスから警報を出力する、
    請求項1記載の、車両の警報装置。
  3. 前記制御部は、
    前記事象検出デバイスの検出結果に基づいて前記車両のリスクについてのリスクレベルを判定し、
    判定した前記車両のリスクのリスクレベルに応じた閾値を、取得した乗員の生体情報に基づく乗員によるリスクの認識度の値との比較判断に用いる、
    請求項2記載の、車両の警報装置。
  4. 前記制御部は、
    前記警報出力デバイスから、取得した乗員の生体情報に基づく乗員によるリスクの認識度の値に応じて異なる警報を出力する、
    請求項2または3記載の、車両の警報装置。
  5. 前記警報出力デバイスは、少なくとも、ミラー表示デバイス、および音出力デバイス、を含み、
    前記制御部は、
    リスクを認識していない乗員に対して警報を出力する場合には、少なくとも前記音出力デバイスから音による警報を出力し、
    リスクを認識している乗員に対して警報を出力する場合には、前記音出力デバイスを除いて、少なくとも前記ミラー表示デバイスから認識度に応じた強調表示による警報を出力する、
    請求項4記載の、車両の警報装置。
  6. 前記制御部は、
    前記ミラー表示デバイスから認識度に応じた強調表示により警報を出力した後、
    リスクに係る事象が強調表示に対応する位置より近づいてきているか否かと、リスクに係る事象が前記ミラー表示デバイスの通常表示範囲から外へ移動したか否かと、を判断し、
    リスクに係る事象が強調表示に対応する位置より近づいてきている場合、または、リスクに係る事象が前記ミラー表示デバイスの通常表示範囲から外へ移動している場合には、強調表示を終了して前記ミラー表示デバイスを通常表示へ戻す、
    請求項5記載の、車両の警報装置。


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