JP2023552833A - アンフェタミン中毒の治療のためのmGluR5拮抗薬の使用 - Google Patents

アンフェタミン中毒の治療のためのmGluR5拮抗薬の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、以下のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩に関する:薬物使用障害の治療において、薬物がアンフェタミン型覚醒剤であり;薬物使用障害患者による薬物使用の減少の治療において、薬物がアンフェタミン型覚醒剤であり;薬物使用障害患者による薬物使用の減少の治療において、薬物がアンフェタミン型覚醒剤であり;薬物使用障害患者による薬物使用の再発を予防する治療において、薬物がアンフェタミン型覚醒剤であり;薬物使用障害患者による薬物禁断を促進する治療において、薬物がアンフェタミン型覚醒剤であり;薬物使用障害患者による薬物使用の症状の治療において、薬物がアンフェタミン型覚醒剤である。

Description

本発明は薬物使用障害の治療におけるマボグルラントの使用に関し、ここで、薬物はアンフェタミン型覚醒剤である。
本発明は薬物使用障害の治療における、マボグルラントと称されるmGluR5拮抗薬又はその医薬的に許容される塩の使用に関し、薬物はアンフェタミン型覚醒剤であり、薬物使用障害患者による薬物使用の減少における治療において、薬物はアンフェタミン型覚醒剤であり、薬物使用障害患者による薬物使用の再発を予防するための治療において、薬物はアンフェタミン型覚醒剤であり、薬物使用障害患者による薬物禁断を促進するための治療において、薬物はアンフェタミン型覚醒剤であり、薬物使用障害に関連するうつ病又は不安の症状の治療において、薬物はアンフェタミン型覚醒剤である。
mGlu5受容体(mGluR5)は、様々な薬物乱用及び薬物探索行動の報酬効果に関与していると考えられている。ラットモデルにおいて、Gass et al.Neuropsychopharm 34 (2009) 820-830は、mGluR5拮抗薬である3-[(2-メチル-1,3-チアゾール-4-イル)エチニル]ピリジン(MTEP)が食物に対する全体的な応答を変えることなく、メタンフェタミン自己投与行動を用量依存的に減少させることを示した。MTEPはまた、キュー誘発性及び薬剤誘発性のメタンフェタミン探索行動の回復を用量依存的に防止したが、キュー誘発性の食物探索行動の回復を変化させなかった。Herrold et al.Eur Neuropsychopharm 23 (2013) 691-696は、2-メチル-6-(フェニルエチニル)-ピリジン(MPEP)又は3-[(2-メチル-1,3-チアゾール-4-イル)エチニル]ピリジン(MTEP)のいずれかの投与が、ラットにおけるメタンフェタミン条件付け場所嗜好性の発現の維持を阻害することを示した。
薬物がアンフェタミン型覚醒剤である薬物使用障害は、複雑な精神障害(例えば、DSM-5基準すなわち、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders.5th Edition,Washington,DC:American Psychiatric Association,2013を参照して定義される)であり、医学的、社会的及び経済的な悪影響を有する重大な世界的な健康問題に成長し続けている(Ling et al.Current Psychiatry,Vol.13,No.9,37-44)。
現在まで、この障害の治療に使用するために米国食品医薬品局(FDA)によって承認された薬剤は存在しない。したがって、それを治療するために使用することができる治療薬、特に、患者が禁断すると禁断を促進し、再発を減少させるのに有効な医薬品を特定する必要がある。
本発明は、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用に関し、
薬物使用障害の治療において、薬物がアンフェタミン型覚醒剤であり、
薬物使用障害患者による薬物使用の減少の治療において、薬物がアンフェタミン型覚醒剤であり、
薬物使用障害患者による薬物使用の再発を防止するための治療において、薬物がアンフェタミン型覚醒剤であり、
薬物使用障害患者による薬物禁断を促進するための治療において、薬物がアンフェタミン型覚醒剤であり、
薬物使用障害に関連するうつ病又は不安の症状の治療において、薬物はアンフェタミン型覚醒剤である。
研究デザイン。 スクリーニング、無作為化及び治療[n=被験者数]。 コカイン使用日数:コカイン使用日数の割合の平均(SE)を示す図である。*1日目~7日目にマボグルラント50mgを1日2回投与し、続いて8日目~14日目に100mgを1日2回投与し、次いで84日間に固定用量200mgを1日2回投与する。N=被験者数。 コカイン使用日数:治療期間にわたるコカイン使用日数の割合のベイズ解析の事後分布[n=被験者数]。因子として治療と、共変量としてコカインの過去の摂取を含むベイズモデルを用いて確率を得た。以前の分布は有益ではないと想定された。コカインの過去の摂取は、TFLBを用いて遡及的に評価した、スクリーニング来院前の28日間のコカイン使用日数の割合である。影付きの領域は、36.6%信頼度を有するマボグルラントとプラセボとの間の差≦-0.1を表す。点線は、マボグルラントとプラセボ(-0.087)との間で観察された差異を表し、P(θmavoglurant-θplacebo≦0|data)=0.999[PoC基準1を満たす(p>0.90)]、P(θmavoglurant-θplacebo≦-10%|data)=0.366[PoC基準2は満たされない(p<0.50)]である。 コカイン使用日数:治療期間にわたるコカイン使用日数の全体的な割合。 治療を因子とし、ベースラインコカイン使用を共変量とする共分散分析。 †治療、時間、及び固定された影響として時間相互作用及び共変量としてベースラインコカイン使用による治療を用いた反復測定のための線形混合モデル。非構造化共分散行列を用いた。ベースライン比率は、スクリーニング来院前28日間にわたって計算される。 CI=信頼区間、SE=標準誤差。 ベンゾイルエクゴニンの尿測定。週及び治療による対数変換した尿ベンゾイルエクゴニン(BE)の平均(SE)。BE=ベンゾイルエクゴニン、N=介入群の総被験者数。 治療及び週数別のアルコール離脱患者の累積割合。N=介入群の総被験者数、n=事前に設定した時点での禁断被験者数、m=評価可能な被験者数。来院時に欠席している被験者は非禁断である。 有害事象。N=介入群の総被験者数、n=有害事象がある対象数。AEs=有害事象。 飲酒量の減少に対するマボグルラントの効果:飲酒日数の割合の平均(SE)。N=被験者数。 飲酒量の減少に対するマボグルラントの効果:治療期間にわたるアルコール使用日数の全体的な割合。ベースライン比率は、スクリーニング来院前28日間にわたって計算される。*因子として治療と国を用い、共変量としてベースラインのコカイン使用を用いた共分散分析。†治療、時間、及び固定された影響としての時間相互作用及び共変量としてのベースラインの飲酒による治療を用いていた反復測定のための線形混合モデル。非構造化共分散行列を用いた。CI=信頼区間、SE=標準誤差。 治療及び週数によるコカイン禁断患者の累積割合。N=介入群の総被験者数、n=事前に設定した時点での禁断被験者数、m=評価可能な被験者数。来院時に欠席している被験者は非禁断である。 コカイン、ベンゾイルエクゴニン、ノルコカイン、コカエチレン、及びエチルグルクロニドの対数変換した毛髪薬物試験の要約。上記の化合物について、LLOQ及びULOQを下回る又は上回る患者はいなかった。反復測定は、統計の計算のために考慮されなかった。LLOQ未満の値をLLOQ/2として帰属させ、ULOQを超える値を対数変換の前に分析のためのULOQとして帰属させた。N=介入群の被験者の総数、n=打ち切りデータ(LLOQ未満の値及びULOQを超える値)を含む、欠損のない全ての観察結果。 器官別大分類(SOC)による有害事象。N=介入群の総被験者数、n=有害事象がある対象数。複数の有害事象を有する対象は、少なくとも1つの有害事象列において1回だけカウントされる。一次SOC内に複数の有害事象を有する対象は、そのSOC及び治療について1回だけカウントされる。 1週間のコカイン使用(TLFBによる)へのマボグルラントの効果:コカイン使用日数のウィークリーナンバーのヒートマップ。N=29(マボグルラント)、N=36(プラセボ)。N=介入群の総被験者数。ブラックボックスは、最小限のコカイン使用を有する被験者を示す。 抑うつ症状に対するマボグルラントの効果。来院と治療によるベックうつ評価尺度(BDI)総得点のベースラインからの平均(SE)変化。 不安に対するマボグルラントの効果。状態・特性不安尺度(STAI)におけるベースラインからの平均(SE)変化。BSL=ベースライン。 全般的機能に対するマボグルラントの効果:臨床全般印象(CGI)の改善。Wilcoxon検定:p<0.0001。 薬物動態:b.i.d.=1日2回、CV=変動係数、N=介入群の患者総数、SD=標準偏差、n=被験者数。
マボグルラントは、薬物使用障害と診断された患者を治療するための理想的な候補であり得、ここで、薬物はアンフェタミン型覚醒剤であり、以下の1つ以上のような、前記患者集団に対する治療上の利点を有する:
i)例えば、プラセボと比較して、例えば、尿検査によって[例えば、メタンフェタミンの代謝産物等の尿中のアンフェタミン型覚醒剤の代謝産物を測定するにより]評価されるように、若しくはタイムラインフォローバック自己報告[例えば、Sobell,L.C.,Sobell,M.B.(1996)Timeline Followback User’s Guide:A Calendar Method for Assessing Alcohol and Drug Use.Addiction Research Foundation,Toronto,Ontario,Canada;J.Anal.Toxicolo.,2002,26:393-400]のような標準化ツールを使用したアンフェタミン型の覚醒剤使用の自己報告により評価されるように、禁断を維持すること、又は、アンフェタミン型覚醒剤使用の量若しくは頻度を減少させることによって、アンフェタミン型覚醒剤の禁断を促進すること;
ii)例えば、プラセボと比較して、アンフェタミン型覚醒剤の使用への再発の減少させること、例えば、臨床試験などの治療プログラムにおいての再発までの時間又は患者の再発率を増加させる;
iii)例えば、プラセボと比較して、以下から選択される薬物がアンフェタミン型覚醒剤である薬物使用障害に関連する症状の1つ以上を(例えば、強度、持続時間、又は頻度を排除することによって、又は減少させることによって)軽減すること、ここで、:
a.例えば、ベックうつ評価尺度[Beck,A.T.et al.,(1961)Archives of General Psychiatry,4,561-571;Beck,A.T.etal.,(1988) Psychometric properties of the Beck Depression Inventory:Twenty-five years of evaluation.Clinical Psychology Review,8(1),77-100]から評価されるような、うつ症状;
b.例えば状態・特性不安尺度[Spielberger,C.D.(1989).State-Trait Anxiety Inventory:Bibliography(2ndEd.).PaloAlto,CA:Consulting Psychologists Press;Spielberger,C.D.et al.,(1983).Manual for State-Trait Anxiety Inventor]から評価されるような、不安症状。
iv)例えば、プラセボと比較して、治療中の患者の記憶力を向上させること、例えば、臨床試験(例えば、予定された診療所訪問時の患者の出席及び/又は臨床プロトコルからの脱落時間によって測定されるような)のような治療プログラムにおける患者の記憶力を向上させる;
v)例えば、臨床全般印象尺度重症度(CGI-S)及び臨床全般印象尺度改善(CGI-I)(Psychiatry,2007,4(7):28-37)から評価されるような、全体的な機能を改善すること;又は
vi)好ましい安全性プロファイル又は代謝プロファイルなどの好ましい治療プロファイル、例えば、精神医学的有害事象、遺伝毒性、又は心血管有害事象(例えば、血圧、心拍数、心電図パラメータ)に関連する好ましいプロファイルを有する;例えば、薬物がアンフェタミン型覚醒剤である薬物使用障害の処置で試された既知の治療薬と比較して、より良好な治療プロファイル(例えば、より少ない副作用、オフターゲット効果の減少、又は遺伝毒性などの毒性の減少)を有する。
本発明の実施形態は:
実施形態(a):
1a.薬物がアンフェタミン型覚醒剤である薬物使用障害の治療に使用するためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩。
2a.薬物がアンフェタミン型覚醒剤である薬物使用障害患者による薬物使用の低減に使用するためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩。
3a.薬物がアンフェタミン型覚醒剤である薬物使用障害患者による薬物使用の再発を予防するための治療に使用するためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩。
4a.薬物がアンフェタミン型覚醒剤である薬物使用障害患者による薬物禁断を促進するための治療において使用するためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩。
5a.薬物がアンフェタミン型覚醒剤である薬物使用障害に関連するうつ病又は不安の症状の治療に使用するためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩。
6a.実施形態1a~5aのいずれか一つに記載の使用のためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩であって、アンフェタミン型覚醒剤の使用方法がアンフェタミン型覚醒剤の吸入(すなわち、喫煙)、静脈内注射、経鼻吹送法(すなわち、スノーティング)、又は経口摂取である。
7a.実施形態1a~6aのいずれか一つに記載の使用のためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩であって、薬物使用障害は、***性パーソナリティ障害、境界性パーソナリティ障害、うつ病、不安症、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、双極性障害、強迫性障害又は過食性障害などの精神障害を併発する。
8a.実施形態1a~7aのいずれか一つに記載の使用のためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩であって、使用が標準化された心理学的治療と、例えば、個人レベル又は集団レベルで組み合わされる。
9a.実施形態1a~8aのいずれか一つに記載の使用のためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩であって、心理社会的療法若しくは行動療法又はその組み合わせ、特に随伴性マネージメントに基づく療法と併用される。
10a.実施形態9aに記載の使用のためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩であって、心理社会的療法又は行動療法はコンピュータ支援によるものである。
11a.実施形態1a~10aのいずれか一つに記載の使用のためのマボグルラント又はそれらの医薬的に許容される塩であって、マボグルラント又はそれらの医薬的に許容される塩は、スボレキサント、ブプロピオン、又はミルタザピン又はそれらの塩、特にミルタザピン又はその塩と組み合わせて投与される。
12a.実施形態1a~11aのいずれか一つに記載の使用のためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩はさらなる活性薬剤と組み合わせて投与され、例えば、さらなる活性薬剤は、抗うつ薬、抗精神病薬、及び精神安定剤からなる群から選択される。
13a.実施形態1a~12aのいずれか一つに記載の使用のためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩であって、患者は薬物使用障害に関連する遺伝的変異を有する。
14a.実施形態1a~13aのいずれか一つに記載の使用のためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩は、即放性形態又は放出調節形態で投与される。
15a.実施形態1a~14aのいずれか一つに記載の使用のためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩は50mg/b.i.d.~200mg/b.i.d.、特に50mg/b.i.d.、100mg/b.i.d.、又は200mg/b.i.d.、例えば、200mg/b.i.d.の量で投与される。
16a.実施形態15aに記載の使用のためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩は、食物とともに投与される。
17a.実施形態15a又は16aに記載の使用のためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩は、12時間の間隔を開けて午前中及び夕方に投与される。
18a.実施形態1a~17aのいずれかに記載の使用のためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩であって、薬物使用障害は過飲又はアルコール使用障害に関連する。
19a.実施例1a~18aのいずれかに記載の使用するためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩は、医薬組成物の形態で提供される。
20a.実施形態1a~18aのいずれかに記載の使用のためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩は、医薬的組み合わせの形態で提供される。
21a.実施形態1a~20aのいずれか一つに記載の使用のためのマボグルラント又はその薬学的に許容される塩であって、アンフェタミン型覚醒剤は、アンフェタミン、デキストロアンフェタミン、メタンフェタミン、メチルフェニデート、メトカチノン、フェネチリン、エフェドリン、プソイドエフェドリン、メチルフェニデート、3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン、ジエチルプロピオン、リスデキサンフェタミン、フェンテルミン、ベンズフェタミン、メフェンテルミン、ミドアムフェタミン、テナンフェタミン、4-ヒドロキシアンフェタミン及びメフェドロンからなる群から選択され、特にメタンフェタミンである。
22a.実施形態1a~20aのいずれか一つに記載の治療に使用するためのマボグルラント又はその薬学的に許容される塩であって、アンフェタミン型覚醒剤はメタンフェタミンである。
23a.実施形態1a~22aのいずれか一つに記載の治療に使用するためのマボグルラント又はその薬学的に許容される塩であって、薬物使用障害は軽度の薬物使用障害、中等度の薬物使用障害、又は重度の薬物使用障害である。
実施形態(b):
1b.薬物がアンフェタミン型覚醒剤である薬物使用障害を治療するための薬剤を製造するためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
2b.薬物がアンフェタミン型覚醒剤である薬物使用障害患者による薬物使用の低減における治療のための薬剤の製造のためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
3b.薬物がアンフェタミン型覚醒剤である薬物使用障害患者による薬物使用の再発を予防するための治療のための薬剤の製造のためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
4b.薬物がアンフェタミン型覚醒剤である薬物使用障害患者による薬物禁断を促進する治療のための薬剤の製造のためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
5b.薬物がアンフェタミン型覚醒剤である薬物使用障害に関連するうつ病又は不安の症状を治療するための薬剤を製造するためのマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
6b.実施形態1b~5bのいずれか一つに記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、アンフェタミン型覚醒剤の使用方法はアンフェタミン型覚醒剤の吸入(すなわち、喫煙)、静脈内注射、経鼻吹送法(すなわち、スノーティング)又は経口摂取である。
7b.実施形態1b~6bのいずれか一つに記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、薬物使用障害は、***性パーソナリティ障害、境界性パーソナリティ障害、うつ病、不安症、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、双極性障害、強迫性障害又は過食障害などの精神障害を併発する。
8b.実施形態1b~7bのいずれか一つに記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、使用が標準化された心理学的治療と、例えば、個人レベル又は集団レベルで組み合わされる。
9b.実施形態1b~8bのいずれか一つに記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、使用が心理社会的療法若しくは行動療法又はその組み合わせ、特に、随伴性マネージメントに基づく療法と組み合わされる。
10b.実施形態9bに記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、心理社会的療法又は行動療法がコンピュータ支援によるものである。
11b.実施形態1b~10bのいずれか一つに記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩は、スボレキサント、ブプロピオン又はミルタザピン、又はその塩、特にミルタザピン又はその塩と組み合わせて投与される。
12b.実施形態1b~11bのいずれか一つに記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩はさらなる活性薬剤と組み合わせて投与され、例えば、さらなる活性薬剤は、抗うつ薬、抗精神病薬及び精神安定剤からなる群から選択される。
13b.実施形態1b~12bのいずれか一つに記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、患者は薬物使用障害に関連する遺伝的変異を有する。
14b.実施形態1b~13bのいずれか一つに記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩は、即放性形態又は放出調節形態で投与される。
15b.実施形態1b~14bのいずれか一つに記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩は50mg/b.i.d.~200mg/b.i.d.、特に50mg/b.i.d.、100mg/b.i.d.又は200mg/b.i.d.、例えば、200mg/b.i.d.の量で投与される。
16b.実施形態15bに記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩は食物とともに投与される。
17b.実施形態15b又は16bに記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩は12時間の間隔を開けて午前中及び夕方に投与される。
18b.実施形態1b~17bのいずれかに記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、薬物使用障害は過飲又はアルコール使用障害に関連する。
19b.実施形態1bから18bのいずれかに記載のマボグルラント又はその医薬的に許容可能な塩の使用であって、マボグルラント又はその医薬的に許容可能な塩は、医薬組成物の形態で提供される。
20b.実施形態1b~18bのいずれかに記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩が医薬的組み合わせの形態で提供される。
21b.実施形態1b~20bのいずれか一つに記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、アンフェタミン型覚醒剤は、アンフェタミン、デキストロアンフェタミン、メタンフェタミン、メチルフェニデート、メトカチノン、フェネチリン、エフェドリン、プソイドエフェドリン、メチルフェニデート、3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン、ジエチルプロピオン、リスデキサンフェタミン、フェンテルミン、ベンズフェタミン、メフェンテルミン、ミドアムフェタミン、テナンフェタミン、4-ヒドロキシアンフェタミン及びメフェドロンからなる群から選択され、特にメタンフェタミンである。
22b.実施形態1b~20bのいずれか一つに記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、アンフェタミン型覚醒剤がメタンフェタミンである。
23b.実施形態1b~22bのいずれか一つに記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、薬物使用障害は、軽度の薬物使用障害、中等度の薬物使用障害又は重度の薬物使用障害である。
実施形態(c):
1c.薬物がアンフェタミン型覚醒剤である薬物使用障害を、それを必要とする患者に治療するための方法であって、有効量のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩を前記患者に投与することを含む。
2c.それを必要とする薬物使用障害患者による薬物使用の減少のための方法であって、薬物はアンフェタミン型覚醒剤であり、患者に有効量のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む。
3c.薬物使用障害患者による薬物使用への再発を防止するための方法であって、その薬物はアンフェタミン型覚醒剤であり、患者に有効量のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む。
4c.それを必要とする薬物使用障害患者による薬物禁断の促進のための方法であって、その薬物はアンフェタミン型覚醒剤であり、患者に有効量のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む。
5c.薬物使用障害に関連するうつ病又は不安の症状を治療するための方法であって、その薬物がアンフェタミン型覚醒剤であり、患者に有効量のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む。
6c.実施形態1c~5cのいずれか一つに記載の方法であって、アンフェタミン型覚醒剤の使用方法はアンフェタミン型覚醒剤の吸入(すなわち、喫煙)、静脈内注射、経鼻吹送法(すなわち、スノーティング)又は経口摂取である。
7c.実施形態1c~6cのいずれか一つに記載の方法であって、薬物使用障害は、***性パーソナリティ障害、境界性パーソナリティ障害、うつ病、不安症、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、双極性障害、強迫性障害、又は過食障害などの精神障害を併発する。
8c.実施形態1c~7cのいずれか一つに記載の方法であって、その使用は標準化された心理学的治療と、例えば、個人又は集団レベルで組み合わされる。
9c.実施形態1c~8cのいずれか一つに記載の方法であって、その使用は心理社会的療法若しくは行動療法又はそれらの組み合わせ、特に、随伴性マネージメントに基づく療法と組み合わされる。
10c.実施形態9cに記載の方法であって、心理社会的療法又は行動療法はコンピュータ支援によるものである。
11c.実施形態1c~10cのいずれか一つに記載の方法であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩は、スボレキサント、ブプロピオン又はミルタザピン、又はその塩、特にミルタザピン又はその塩と組み合わせて投与される。
12c.実施形態1c~11cのいずれか一つに記載の方法であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩はさらなる活性薬剤と組み合わせて投与され、例えば、さらなる活性薬剤が、抗うつ薬、抗精神病薬及び精神安定剤からなる群から選択される。
13c.実施形態1c~12cのいずれか一つに記載の方法であって、患者は薬物使用障害に関連する遺伝子変異を有する。
14c.実施形態1c~13cのいずれか一つに記載の方法であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩は、即放性形態又は放出調節形態で投与される。
15c.実施形態1c~14cのいずれか一つに記載の方法であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩は50mg/b.i.d.~200mg/b.i.d.、特に50mg/b.i.d.、100mg/b.i.d.又は200mg/b.i.d.、例えば、200mg/b.i.d.の量で投与される。
16c.実施形態15cに記載の方法であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩は食品とともに投与される。
17c.実施形態15c又は16cに記載の方法であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩は、12時間の間隔を開けて午前中及び及び夕方に投与される。
18c.実施形態1c~17cのいずれかに記載の方法であって、薬物使用障害は、過飲又はアルコール使用障害に関連する。
19c.実施形態1c~18cのいずれかに記載の方法であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩は、医薬医薬的組成物の形態で提供される。
20c.実施形態1c~18cのいずれかに記載の方法であって、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩は、医薬的組み合わせの形態で提供される。
21c.実施形態1c~20cのいずれか一つに記載の方法であって、アンフェタミン型覚醒剤は、アンフェタミン、デキストロアンフェタミン、メタンフェタミン、メチルフェニデート、メトカチノン、フェネチリン、エフェドリン、プソイドエフェドリン、メチルフェニデート、3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン、ジエチルプロピオン、リスデキサンフェタミン、フェンテルミン、ベンズフェタミン、メフェンテルミン、ミドアムフェタミン、テナンフェタミン、4-ヒドロキシアンフェタミン及びメフェドロンからなる群から選択され、特にメタンフェタミンである。
22c.実施形態1c~20cのいずれか一つに記載の方法であって、アンフェタミン型覚醒剤はメタンフェタミンである。
23c.実施形態1c~22cのいずれか一つに記載の方法であって、薬物使用障害は、軽度の薬物使用障害、中等度の薬物使用障害又は重度の薬物使用障害である。
[一般用語]
本明細書中で上述又は以下で使用される用語「薬物使用障害」とは、例えば、DSM-5基準(すなわち、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders.5thEdition,Washington,DC:American Psychiatric Association,2013)のような診断基準を参照して定義される「覚醒剤使用障害」を指し、その全内容、特に「覚醒剤使用障害」に関する節の内容は本明細書中に参照により組み込まれる。一実施形態では「薬物使用障害、ここで、薬物はアンフェタミン型覚醒剤である」という表現は「覚醒剤使用障害、ここで、覚醒剤はアンフェタミン型覚醒剤」を指し、特定の実施形態では「メタンフェタミン使用障害」を指す。一実施形態では「薬物使用障害、ここで、薬物はアンフェタミン型覚醒剤(以下、「覚醒剤」と呼ぶ)」という表現は、12ヶ月の期間内に生じる、以下のうちの少なくとも2つによって現れる、臨床的に顕著な障害又は苦痛をもたらす覚醒剤使用のパターンとして定義される:
1.覚醒剤は、意図されたよりも多くの量で、又は意図されたよりも長い期間にわたって摂取されることが多い。
2.覚醒剤の使用を減らすか、若しくは制御するための継続的な欲求又は失敗した努力が存在する。
3.覚醒剤を得るため、覚醒剤を使用するため、又はその効果から回復するために必要な活動に、多大な時間が費やされる。
4.覚醒剤の使用への渇望、強い願望、又は衝動。
5.仕事、学校、家庭での主要な役割義務を果たせない結果となる覚醒剤の再使用。
6.覚醒剤の効果によって引き起こされる、若しくは悪化する持続的又は反復的な社会的或いは対人的問題があるにもかかわらず、持続的な覚醒剤の使用。
7.覚醒剤の使用により、重要な社会的、職業的、又はレクリエーション活動が断念される又は減少する。
8.物理的に危険な状況での再発性の覚醒剤の使用。
9.覚醒剤覚醒剤によって引き起こされた若しくは悪化した可能性がある持続的又は再発性の身体的或いは心理的問題を有するという知識にもかかわらず、覚醒剤の使用が継続される。
10.次のいずれかによって定義される耐性:
1.中毒又は所望の効果を達成するために、覚醒剤の著しい増量に対する要求。
2.同量の覚醒剤の継続した使用での著しく減少した効果。
注:注意欠陥・多動性障害又はナルコレプシーの治療薬など、適切な医学的管理の下でのみ覚醒剤を服用している患者には、この基準は満たされていないと考えられる。
11.以下のいずれかによって現れる離脱:
a)覚醒剤の特徴的な禁断症状:
i)覚醒剤の長期使用の中止(又は減少);
ii)覚醒剤の使用を中止(又は減らす)してから数時間から数日以内に発達する不快な気分と、以下の生理学的変化の2つ(又はそれ以上):疲労;鮮明で不快な夢;不眠症又は過眠症;食欲の増加;精神運動遅滞又は精神運動性激越。
b)覚醒剤は、離脱症状を緩和又は回避するために服用される。
注:注意欠陥・多動性障害又はナルコレプシーの治療薬など、適切な医学的管理の下でのみ覚醒剤を服用している患者には、この基準は満たされていないと考えられる。
「薬物使用障害」は以下の3つのカテゴリーに分けることができる:軽度(例えば、DSM-5基準を参照して定義される2~3の症状の存在)、中等度(例えば、DSM-5基準を参照して定義される4~5の症状の存在)及び重度(例えば、DSM-5基準を参照して定義される6以上の症状の存在)、ここで、本明細書で使用される「薬物使用障害」という用語は、本明細書で定義される「覚醒剤使用障害」、特に、「メタンフェタミン使用障害」などの「薬物使用障害、ここで、薬物はアンフェタミン型覚醒剤である」を指す。一実施形態において、本明細書で使用される「薬物使用障害」は、「軽度の薬物使用障害」、「中等度の薬物使用障害」及び「重度の薬物使用障害」を指し、本明細書で上述されたように、用語「薬物使用障害」は、本明細書で定義されるように、「覚醒剤使用障害」、特に、「メタンフェタミン使用障害」などの「薬物使用障害、ここで、薬物はアンフェタミン型覚醒剤である」を指す。
用語「薬物使用障害患者」は、本明細書で定義されるような薬物使用障害と診断された患者を指し、すなわち、本明細書で上述されるように、本明細書で使用される用語「薬物使用障害」は、本明細書で定義されるような「覚醒剤使用障害」、特に、「メタンフェタミン使用障害」などの「薬物使用障害、ここで、薬物はアンフェタミン型覚醒剤である」を指す。
一実施形態において、用語「薬物使用障害患者」とは、薬物使用障害と診断された患者を指し、ここで、薬物はアンフェタミン型覚醒剤(例えば、メタンフェタミン)であり、例えば、少なくとも1日間、例えば、3日間以上禁断されている患者である。用語「禁断中の薬物使用障害患者」とは、アンフェタミン型覚醒剤からの禁断において、例えば、少なくとも1日間、薬物使用障害[すなわち、本明細書中上記で述べたように、すなわち、本明細書中で使用される用語「薬物使用障害」とは、本明細書中で定義される「覚醒剤使用障害」、特に、「メタンフェタミン使用障害」等の「薬物がアンフェタミン型覚醒剤である薬物使用障害」、]と診断された患者を指す。用語「過度の飲酒に関連する薬物使用障害」は、本明細書で定義される薬物使用障害と診断された患者[すなわち、上記で述べたように、本明細書において使用される用語「薬物使用障害」は、本明細書で定義される「覚醒剤使用障害」を指し、特に「メタンフェタミン使用障害」等の「薬物がアンフェタミン型覚醒剤である薬物使用障害]、]及びアルコール依存症者(すなわち、大酒飲み)である患者を指す。http://drugabuse.com/library/alcohol-abuse/で説明されているように、アルコール依存症者は常に飲むわけではなく、例えば、週に1回しか飲まないかもしれないが、飲酒する場合には大量に飲む場合があり、アルコール中毒を患うなどの問題を引き起こす。明確にするために、本明細書では、アルコール依存症者は、アルコール使用障害患者ではない(すなわち、DSM-5基準を参照して定義されるアルコール使用障害の基準を満たさない)。用語「ヘビードリンカー」は、例えば、重度のアルコール使用パターンを有する人を指す。米国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)によると、薬物乱用・精神衛生管理庁(SAMHSA)は、「重度のアルコール使用」を、過去1ヶ月の5日以上の過飲と定義している。NIAAAは、過飲を、血中アルコール濃度(BAC)レベルを0.08g/dLにする飲酒パターンと定義する。これは、典型的には女性において4杯のアルコール飲料及び男性において5杯のアルコール飲料の後に、約2時間で起こる。薬物乱用・精神衛生管理庁(SAMHSA)は、過去1ヶ月の少なくとも1日に、同一の機会(すなわち、同時に、又は互いに数時間以内)に、男性において5杯以上のアルコール飲料又は女性において4杯以上のアルコール飲料として「過飲」を定義する。本明細書で使用される用語「アルコール」は、例えば、「飲料」、「アルコール飲料」又は「飲酒」に関して、エチルアルコール(すなわち、エタノール)を指す。本明細書で使用される用語「飲酒」、「飲料」、又は「アルコール飲料」は、人間が消費することを目的とした蒸留酒又はブレンドなどの「標準飲料」という内容において理解され、ここで、「標準飲料」は12gのエタノールに等しい。
「アルコール使用障害に関連する薬物使用障害」という用語は、本明細書で定義される薬物使用障害と診断されている患者を指す[すなわち、本明細書で上述したように、本明細書で使用される用語「薬物使用障害」は本明細書で定義される「覚醒剤使用障害」、特に、「メタンフェタミン使用障害」等の「薬物がアンフェタミン型覚醒剤である薬物使用障害」であり、アルコール使用障害とも診断されている患者を指す[すなわち、例えば、DSM-5基準を参照して、すなわち、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders.5thEdition,Washington,DC:American Psychiatric Association,2013、特に、「アルコール使用障害」の節の内容が本明細書に参照により取り込まれる全体の内容に従って定義されるように、アルコール使用障害の基準を満たす]。
本明細書で使用されるように用語「アンフェタミン型覚醒剤」は、例えば、アンフェタミン、アンフェタミンの類似体又は誘導体などのフェニルエチルアミン構造を含む化合物、並びにメチルフェニデート、メトカチノン、フェネチリン、エフェドリン、プソイドエフェドリン、メチルフェニデート及び3,4-メチレンジオキシメタンフェタミンなどの構造的に異なるが類似の効果を有する化合物を指す。実施形態において、アンフェタミン型覚醒剤は例えば、アンフェタミン、デキストロアンフェタミン、メタンフェタミン、メチルフェニデート、メトカチノン、フェネチリン、エフェドリン、プソイドエフェドリン、メチルフェニデート、3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン、ジエチルプロピオン、リスデキサンフェタミン、フェンテルミン、ベンズフェタミン、メフェンテルミン、ミドアムフェタミン、テナンフェタミン、4-ヒドロキシアンフェタミン又はメフェドロン、特にメタンフェタミンからなる群から選択される。
本明細書で使用される用語「アンフェタミン型覚醒剤の使用」は、アンフェタミン型覚醒剤の消費を指す。
本明細書で用いられる用語「薬物使用の低減すること」又は「薬物使用の低減」は、本明細書で定義されるように、例えば、尿検査[例えば、メタンフェタミンの代謝物など、尿中のアンフェタミン型覚醒剤の代謝物を測定することによる]によって評価されるか、又はTimeline Follow-Back自己報告[例えば、Sobell LC,Sobell MB,1996年,Timeline Follow User’s guide:A Calendar Method for Assessing Alcohol and Drug Use.Addiction Research Foundation,Ontario,Canada,Ontario,J.Anal.Toxicolo.,2002,26:393-400]のような標準化された自己報告ツールとともに使用する自己報告されたアンフェタミン型覚醒剤[例えば、メタンフェタミン]の使用を用いて評価される、薬物がアンフェタミン型覚醒剤である、薬物使用の量又は頻度を減らすことを意味する。
本明細書で使用される用語「薬物禁断」又は「薬物からの禁断」は、例えば、本明細書で定義されるようなアンフェタミン型覚醒剤を服用しないことを指す。「薬物禁断を促進すること」又は本明細書で使用される用語「薬物禁断の促進」は、例えば、本明細書で定義されるようなアンフェタミン型覚醒剤使用からの禁断を維持するのを助けることを指し、特に、本明細書で定義されるアンフェタミン型覚醒剤を服用しない少なくとも1日後、例えば、少なくとも1週間、2週間、3週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月又はそれ以上、特に少なくとも1週間又はそれ以上、例えば2週間の期間、アンフェタミン型覚醒剤使用からの禁断を維持することを助けることを指す。
本明細書で使用される用語「薬物使用の再発」又は「薬物消費の再発」は、例えば、アンフェタミン型覚醒剤禁断期間後、例えば、少なくとも1日以上、例えば、3日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月又はそれ以上のアンフェタミン型覚醒剤禁断期間後のアンフェタミン型覚醒剤の摂取(すなわち、アンフェタミン型覚醒剤を服用すること)を指す。
本明細書で使用される用語「薬物使用の再発を予防」又は「薬物消費の再発を予防」は、例えば、患者がアンフェタミン型覚醒剤の摂取を停止した後、特にアンフェタミン型覚醒剤を服用しなかった1日以上後の、本明細書で定義される薬物使用障害患者によるアンフェタミン型覚醒剤摂取の予防を指す。いくつかの実施形態では、この用語がアンフェタミン型覚醒剤摂取の永続的な停止を包含する。他の実施形態では、この用語が本発明の化合物を投与されていない対象による再開までの時間と比較した、アンフェタミン型覚醒剤摂取の再開の遅延を包含する。再開の遅延は例えば、日(例えば、2、3、4、5、6、7日)、週(例えば、1、2、3週間)、月(例えば、1、2、3、4、5、6ヶ月)、又はそれ以上であり得る。
本明細書中で使用される用語「抗うつ薬」は、うつ病の治療に一般的に使用される活性成分、例えば、セロトニン再摂取阻害剤[SSRI、例えば、フルオキセチン、シタロプラム、サートラリン、パロキセチン、エスシタロプラム、フルボキサミン、ビラゾドン、ボルチオキセチン]、セロトニン及びノルエピネフリン再摂取阻害剤[SSRI、例えば、ベンラファキシン、デュロキセチン、デスベンラファクシン、ミルナシプラン、レボミルナシプラン]、ブプロピオン、三環系抗うつ剤[例えば、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、ドキセピン、デシプラミン、イミプラミン、プロトリプチリン、トリミプラミン、クロミプラミン]、四環系抗うつ剤[例えば、マプロチリン、ミアンセリン、ミルタザピン、チプチリン]、又はモノアミンオキシダーゼ阻害薬[MAOI、イソカルボキサジド、フェネルジン、セレギリン、トラニルシプロミン]を指す。一実施形態では、抗うつ薬がセロトニン再摂取阻害剤[SSRI、例えば、フルオキセチン、シタロプラム、セルトラリン、パロキセチン、エスシタロプラム、フルボキサミン、ビラゾドン、ボルチオキセチン]、セロトニン及びノルエピネフリン再摂取阻害剤[SSRI、例えば、ベンラファキシン、デュロキセチン、デスベンラファキシン、ミルナシプラン、レボミルナシプラン]、ブプロピオン、三環系抗うつ剤[例えば、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、ドキセピン、デシプラミン、イミプラミン、プロトリプチリン、トリミプラミン、クロミプラミン]、四環系抗うつ剤[例えば、マプロチリン、ミアンセリン、ミルタザピン、セチプチリン]、モノアミンオキシダーゼ阻害剤[MAOI、例えば、イソカルボキサジドジーン、フェネルジン、セレギリン、トラニルシプロミン]及びセイヨウオトギリソウからなる群から選択される。別の実施形態では、抗うつ薬がフルオキセチン、シタロプラム、セルトラリン、パロキセチン、エスシタロプラム、フルボキサミン、ビラゾドン、ボルチオキセチン、ベンラファキシン、デュロキセチン、デスベンラファキシン、ミルナシプラン、レボミルナシプラン、ブプロピオン、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、ドキセピン、デシプラミン、イミプラミン、プロトリプチリン、トリミプラミン、クロミプラミン、マプロチリン、ミアンセリン、ミルタザピン、セチプチリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、セレギリン、トラニルシプロミン、及びセイヨウオトギリソウ、又はそれらの塩からなる群から選択される。別の実施形態では、抗うつ薬がフルオキセチン、シタロプラム、セルトラリン、パロキセチン、エスシタロプラム、フルボキサミン、ビラゾドン、ボルチオキセチン、ベンラファキシン、デュロキセチン、デスベンラファキシン、ミルナシプラン、レボミルナシプラン、ブプロピオン、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、ドキセピン、デシプラミン、イミプラミン、プロトリプチリン、トリミプラミン、クロミプラミン、マプロチリン、ミアンセリン、ミルタザピン、セチプチリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、セレギリン及びトラニルシプロミン、又はそれらの塩からなる群から選択される。
本明細書で使用される用語「精神安定剤」は、ベンゾジアゼピン等の不安を阻害する薬物[例えば、アルプラゾラム、ブロマゼパム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼペート、ジアゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、テマゼパム、トリアゾラム]又は抗ヒスタミン剤[例えば、ヒドロキシジン]を指す。一実施形態においては、精神安定剤はアルプラゾラム、ブロマゼパム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼペート、ジアゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、テマゼパム、トリアゾラム、及びヒドロキシジン、又はそれらの塩からなる群から選択される。
本明細書で使用される用語「抗精神病薬」は、統合失調症などの精神病性障害を治療するために使用される神経弛緩薬を指す。一実施形態では、抗精神病薬が、例えば、定型抗精神病薬及び非定型抗精神病薬からなる群から選択される。別の実施形態では、抗精神病薬が定型抗精神病薬である。さらに別の実施形態では、抗精神病薬は非定型抗精神病薬である。本明細書で使用される用語「定型抗精神病薬」は、例えば、ブチロフェノン[例えば、ハロペリドール]、ジフェニルブチルピペリジン[例えば、ピモジド、フェノチアジン[例えば、クロルプロマジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、トリフルオペラジン]、及びチオキサンテン[例えば、チオチキセン]からなる群から選択される第1世代抗精神病薬を指す。一実施形態では、定型抗精神病薬がハロペリドール、ピモジド、クロルプロマジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、トリフルオペラジン、及びチオチキセン、又はそれらの塩からなる群から選択される。本明細書で使用される用語「非定型抗精神病薬」は、例えば、ベンズアミド[例えば、スルトプリド]、ベンズイソオキサゾール/ベンズイソチアゾール[例えば、ルラシドン、パリペリドン、リスペリドン]、フェニルピペラジン/キノリノン[例えば、アリピプラゾール、ブレクスピプラゾール、カリプラジン]、三環式[例えば、クロザピン、オランザピン、クエチアピン、アセナピン、ゾテピン]からなる群から選択される第2世代抗精神病薬を指す。一実施形態では、非定型抗精神病薬は、スルトプリド、ルラシドン、パリペリドン、リスペリドン、ブレクスピプラゾール、カリプラジン、クロザピン、オランザピン、クエチアピン、アセナピン及びゾテピン、又はそれらの塩からなる群から選択される。特に、抗精神病薬は、リスペリドン、アリピプラゾール及びハロペリドールからなる群から選択される。
本明細書で使用される用語「社会心理療法又は行動療法」は、認知行動療法[例えば、Arch.Gen.Psychiatry 1999;56:493-502に記載されるような]、対人関係療法[例えば、Psychol Addict Behav 2009;23(1):168-174に記載されるような]、随伴性マネージメントに基づく療法[例えば、Psychol Addict Behav 2009;23(1):168-174;J.Consul.Clin.Psychol.2005;73(2):354-59、又は、Case Reports in Psychiatry,Vol.2012,Article ID 731638に記載されているような]、コミュニティー強化アプローチに基づく治療[例えば、Drug Alcohol Depend 2004;74:1-13に記載されているような]、動機づけ面接に基づく治療(例えば、J.Consul.Clin.Psychol.2001;69(5): 858-62に記載されているように)、動機づけ強化に基づく治療[例えば、Drug Alcohol Depend 2007,91:97-101に記載されているような]、又は超越瞑想に基づく治療などの瞑想に基づく治療[例えば、Addiction 2004;99(7):862-874又はJ.Consul.Clin.Psychol.2000;68(3):515-52に記載されているような]、特に、随伴性マネージメントに基づく療法が参照されるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される用語「標準化された心理的治療」又は「標準化された心理的支援」は、例えば、週に1回の、標準的なカウンセリングセッション、特にアンフェタミン型覚醒剤消費に焦点を当てたカウンセリングを指す。
本明細書で使用される「社会心理療法又は行動療法はコンピュータに支援される」という表現における用語「コンピュータ支援」は、オンラインツール、スマートフォン、ワイヤレスデバイス、又は健康アプリなどの電子ツールの使用を含む社会心理療法又は行動療法を指す。一実施形態において、本明細書で使用される「社会心理療法又は行動療法はコンピュータに支援される」という表現における用語「コンピュータ支援」が、「コンピュータ実装」[すなわち、社会心理療法又は行動療法がコンピュータ実装される]と理解されるべきである。
用語「食品とともに投与される」は、例えば、カロリー含有量を有する任意の食品、固体又は液体を指す。マボグルラント又はその医薬的に許容される塩の投与量は、例えば、食事の30分前から、例えば、摂取の1時間後までの間に、対象に投与されてもよい。特に、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩の投与は、食物を摂取した直後から摂取の約30分後まで起こる。
用語「遺伝的変異」は、参照配列(例えば、一般的に見出される及び/又は野生型配列)に対する遺伝子配列の変化を指す。遺伝的変異は、組換え事象、又は点変異及びスプライス部位の変異などの置換/欠失/挿入事象などの突然変異であってもよい。一実施形態では、遺伝的変異がmGluR5の遺伝的変異である。
本明細書で使用される用語「治療する」、「治療すること」、「治療」、又は「療法」は、有益な又は所望の結果、例えば、臨床結果を得ることを意味する。有益な又は所望の結果は、本明細書で定義されるアンフェタミン型覚醒剤からの禁断における、特に本明細書で定義される薬物使用障害患者による、本明細書で定義される薬物使用障害に関連する不安症状又は抑うつ症状等の本明細書で定義される薬物使用障害患者の1以上の症状、の軽減を含むが、これらに限定されない。治療の一態様は、例えば、前記治療が患者に対して最小の副作用を有するべきであり、例えば、使用される薬剤が、例えば、以前に知られている治療計画の副作用を生じさせることなく、高い安全性を有するべきである。用語「軽減」は、例えば、本明細書で使用されるように、状態の症状に関して、患者における状態の症状の頻度及び大きさのうちの少なくとも1つを低減することを指す。
本明細書で使用される用語「対象」は、哺乳類生物、好ましくはヒト(男性又は女性)を指す。
本明細書で使用される用語「患者」は、罹患しており、治療から恩恵を受ける対象を指す。
本明細書で使用されるように、対象[患者]が生物学的に、医学的に、又は生活の質においてそのような治療から恩恵を受ける場合、対象は治療を「必要とする」。
用語「医薬組成物」は、対象に影響を及ぼす特定の状態[すなわち、疾患、障害若しくは症状、又はそれらの臨床症状の少なくとも1つ]を治療するために、対象に投与される少なくとも1つの活性成分又は治療剤を含有する混合物又は溶液を指すと本明細書では定義される。
本明細書で使用されるように、用語「医薬的に許容される添加剤」は、当業者に知られているような、任意の及び全ての溶媒、分散媒、被覆剤、界面活性剤、抗酸化剤、防腐剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩類、防腐剤、薬物安定剤、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、着香料、色素など、及びそれらの組み合わせを含む(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,22ndEd.Mack Printing Company,2013,pp.1049-1070を参照)。任意の従来の担体が活性成分と不適合である場合を除いて、治療用又は医薬的組成物におけるその使用が企図される。
用語「薬物」、「有効成分」、「活性成分」、「医薬的に活性な成分」、「活性剤」又は「治療剤」は、遊離型又は医薬的に許容される塩の形態の化合物、特に本明細書で特定されるタイプの化合物を意味すると理解されるべきである。特に、本明細書[例えば、上記の実施形態のいずれかにおいて、又は本明細書の以下の特許請求の範囲のいずれかにおいて]で使用される、さらなる活性薬剤と組み合わせたマボグルラント又はその医薬的に許容される塩への言及は、例えば、抗うつ薬、抗精神病薬及び精神安定剤からなる群から選択される、少なくとも1つのさらなる活性薬剤と組み合わせたマボグルラントを指す。
用語「即放性形態」は、インビボ投与の直後に活性薬物を放出するように設計された医薬組成物を指す。
用語「放出調節形態」は、活性薬物を直ぐには放出せず、持続的、遅延性、連続性、漸進的、持続性、又はパルス性放出を提供し、したがって、薬物血漿レベルを即放性形態とは異なるように変化させる医薬組成物を指す。用語「放出調節形態」は、制御放出形態、持続放出形態、延長放出形態、及び長時間作用形態、特に持続放出形態として記載される形態を包含する。
用語「組み合わせ」又は「医薬的組み合わせ」は、1つの単位剤形[例えば、カプセル、錠剤、カプレット又は微粒子]における固定された組み合わせ、固定されていない組み合わせ、又は本発明の化合物と1つ以上の組み合わせ相手[例えば、さらなる「医薬的活性成分」、「治療剤」又は「助剤」とも呼ばれる、本明細書において特定される別の薬物]とが、同時に独立して又は、特に、これらの時間間隔により、組み合わせ相手が共同的効果、例えば相乗効果を示すことができる場合には、時間間隔内で別々に投与されてもよい、併用投与のための部分のキットのいずれかを指す。本明細書で使用される用語「同時投与」又は「併用投与」などは、それを必要とする単一の対象[例えば、患者]への選択された併用相手の投与を包含することを意味し、薬剤が必ずしも同じ投与経路によって又は同時に投与されるわけではない治療計画を含むことが意図される。「固定された組み合わせ」という語は、活性成分、例えば本発明の化合物及び1つ以上の組み合わせ相手の両方が単体又は投薬量の形態で同時に投与されることを意味する。「固定されていない組み合わせ」という用語は活性成分、例えば、本発明の化合物及び1つ以上の組み合わせ相手の両方とも、別々の物として、同時に、又は具体的な期限なしに連続して、患者に投与され、そのような投与は、患者の体内の2つの化合物の治療上有効な濃度を提供することを意味する。
本発明の化合物は別々に、同じ若しくは異なる投与経路によって、又は他の薬剤と同じ医薬組成物中で一緒に投与されてもよい。本発明の併用療法において、本発明の化合物及び他の治療剤は、同じ又は異なる製造業者によって製造及び/又は製剤化されてもよい。さらに、本発明の化合物及び他の治療剤は併用療法にまとめられてもよい:(i)併用製品の医師への公表前(例えば、本発明の化合物及び他の治療剤を含むキットの場合);(ii)投与直前に医師自身による(又は医師の指導の下);(iii)患者自身における、例えば、本発明の化合物及び他の治療剤の連続投与の間。
本明細書で使用される場合、本発明の文脈において(特に特許請求の範囲の文脈において)使用される用語「a」、「an」、「the」及び類似の用語は本明細書で別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈されるべきである。
本明細書で提供される任意の及び全ての例、又は例示的な言葉(例えば、「など」)の使用は単に本発明をより明瞭にすることを意図しており、別途請求される本発明の範囲に制限を課すものではない。
本明細書で使用されるように、上記及び下記で使用される化合物(I)と代替的に命名される本発明の化合物は、下記式のマボグルラントとしても知られるmGluR5拮抗薬(-)-(3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-4-m-トリルエチニルオクタヒドロインドール-1-カルボン酸メチルエステルであり、(-)-(3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-4-[2-(3-メチルフェニル)エチニル]ペーヒドロインドール-1-カルボン酸メチルエステルであり:

これは、例えば、国際公開第2003/047581号の、例えば、実施例1に記載されているように、又は国際公開第2010/018154号に記載されているように調製することができる。参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2003/047581号はまた7頁に記載されているように、インビトロの生物学的データを記載している。本明細書で使用されるように、「マボグルラント」は遊離型を指し、「その医薬的に許容される塩」への任意の言及は、その医薬的に許容される酸付加塩を指す。本明細書で使用される場合、用語「マボグルラント又はその塩、例えば医薬的に許容されるその塩」は本発明の文脈(特に、上記又は下記の実施形態のいずれか、及び特許請求の範囲の文脈)で使用されるように、したがって、本明細書で別段の指示がない限り、遊離型及び医薬的に許容されるその塩の両方を包含すると解釈されるべきである。
一実施形態において、化合物(I)は、同位体標識型を表すことも意図される。選択された原子質量又は質量数を有する原子によって1つ以上の原子が置き換えられることを除いて、同位体標識化合物は、上記の式によって示される構造を有する。本発明の化合物に組み込むことができる同位体は、例えば、水素の同位体、すなわち、以下の式の化合物を含む:

それぞれのR、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22及びR23は、独立して、H又は重水素から選択され;化合物中に少なくとも1つの重水素が存在する。他の実施形態では、化合物中に複数の重水素原子が存在する。
さらに、特定の同位体、特に重水素(すなわち、H又はD)の組み込みは、より高い代謝安定性、例えば、増加した生体内半減期若しくは減少した必要用量、又は治療指数若しくは許容性の改善から生じる特定の治療上の利点を与えるかもしれない。この文脈における重水素は、本発明の化合物の置換基とみなされることが理解される。重水素の濃度は、同位体濃縮係数によって定義されてもよい。本明細書で使用される用語「同位体濃縮係数」は、特定の同位体の同位体存在度と天然存在度との間の比率を意味する。本発明の化合物中の置換基が重水素であると示される場合、そのような化合物は、に少なくとも3500(指定された重水素原子での52.5%の重水素の取り込み)、少なくとも4000(60%の重水素の取り込み)、少なくとも4500(67.5%の重水素の取り込み)、少なくとも5000(75%の重水素の取り込み)、少なくとも5500(82.5%の重水素の取り込み)、少なくとも6000(90%の重水素の取り込み)、少なくとも6333.3(95%の重水素の取り込み)、少なくとも6466.7(97%の重水素の取り込み)、少なくとも6600(99%の重水素の取り込み)、又は少なくとも6633.3(99.5%の重水素の取込み)の指定された重水素原子ごとの同位体濃縮係数を有する。用語「同位体濃縮係数」は、重水素について記載したのと同じ様式で任意の同位体に適用することができることを理解すべきである。
本発明の化合物に組み込むことができる同位体の他の例は、重水素、炭素、窒素、酸素及びフッ素以外の水素の同位体、例えばそれぞれH、11C、13C、14C、15N、18Fを含む。したがって、本発明は例えば、H及び14Cなどの放射性同位体、又はH及び13Cなどの非放射性同位体が存在するものを含む、前述の同位体のいずれかの1つ又は複数を組み込む化合物を含むことを理解すべきである。このような同位体標識化合物は代謝研究(14Cを用いる)、反応速度研究(例えば、H又はHを用いる)、陽電子放出断層撮影(PET)又は薬物若しくは基質組織分布アッセイを含む単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)などの検出若しくは画像化技術、又は患者の放射性治療に有用である。特に、18F又は標識化合物は、PET又はSPECTの研究に特に望ましいかもしれない。同位体標識化合物は、当業者に公知の従来の技術によって、又は先に使用された非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用することによって、本発明の化合物の記載された調製と類似のプロセスによって一般に調製することができる。
本明細書で使用されるように、用語「遊離型」又は「複数の遊離型」はそれぞれの化合物の塩基遊離型又は酸遊離型などの無塩型の化合物、例えば、本明細書で規定される化合物(例えば、マボグルラント、又は例えば、本明細書で定義されるさらなる医薬的活性成分)を指す。
本明細書で使用されるように、用語「塩」、「複数の塩」又は「塩形態」はそれぞれの化合物、例えば、本明細書で規定される化合物(例えば、マボグルラント又は本明細書で定義されるさらなる医薬的活性成分)の酸付加塩又は塩基付加塩を指す。「塩」は、特に「医薬的に許容される塩」を含む。用語「医薬的に許容される塩」は、化合物の生物学的有効性及び特性を保持し、典型的には生物学的に又は他の点で望ましくないものではない塩を指す。本明細書で規定される化合物(例えば、マボグルラント又は本明細書で定義されるさらなる医薬的活性成分)はアミノ基及び/若しくはカルボキシル基又はそれに類似する基の存在により、酸性塩及び/又は塩基性塩を形成可能であってもよい。本発明の化合物は酸付加塩を形成することができ、したがって、本明細書で使用されるように、マボグルラントの医薬的に許容される塩という用語はマボグルラントの医薬的に許容される酸付加塩を意味する。
医薬的に許容される酸付加塩は、無機酸及び有機酸で形成することができる。
塩を誘導することができる無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。
塩を誘導することができる有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸などが挙げられる。
医薬的に許容される塩基付加塩は、無機及び有機塩基を用いて形成することができる。
塩を誘導することができる無機塩基としては、例えば、アンモニウム塩及び周期表の列I~XIIからの金属が挙げられる。特定の実施形態では、塩はナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛、及び銅に由来し、特に適切な塩にはアンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、及びマグネシウム塩が含まれる。
塩を誘導することができる有機塩基としては、例えば、第一級、第二級及び第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などが挙げられる。特定の有機アミンとしては、イソプロピルアミン、ベンザチン、コリネート、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リジン、メグルミン、ピペラジン及びトロメタミンが挙げられる。
医薬的に許容される塩は、従来の化学的方法によって、塩基性又は酸性部分から合成することができる。一般に、そのような塩は、遊離酸型の化合物を化学量論量の適切な塩基(例えば、Na、Ca、Mg、又はK水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩など)と反応させることによって、又は遊離塩基型の化合物を化学量論量の適切な酸と反応させることによって調製することができる。このような反応は、典型的には水中若しくは有機溶媒中で、又はこれら2つの混合物中で実施される。一般に、実施可能な場合、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、又はアセトニトリルなどの非水性媒体の使用が望ましい。さらなる好適な塩の一覧は、例えば、“Remington’s Pharmaceutical Sciences”,22nd dition,Mack Publishing Company(2013)、及び“Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use”by Stahl and Wermuth(Wiley-VCH,Weinheim,2011,2ndedition)に見られる。
本明細書中で規定される化合物(例えば、マボグルラント又は例えば本明細書中で定義されるさらなる医薬活性成分)は、例えば、従来の経路、特に、当該技術分野で公知の医薬技術(例えば、「Remington Essentials of Pharmaceutics,2013,1stEdition,edited by Linda Felton,published by Pharmaceutical Press 2012,ISBN 978 0 85711 105 0;in particular Chapter 30)に従って製造され得る錠剤、カプセル、カプレット又は粒子の形態のような経口経路により投与することができ、医薬品賦形剤は、例えば、「Handbook of Pharmaceutical Excipients,2012,7thEdition,edited by Raymond C.Rowe,Paul J.Sheskey,Walter G.Cook and Marian E.Fenton,ISBN 978 0 85711 027 5」に記載されているようなものである。特に、国際公開第2014/199316号は、マボグルラントを含む製剤、特にその放出調節製剤を記載しており、より具体的にはその中の実施例、好ましい実施形態及び特許請求の範囲の参照により、本明細書に取り込まれる。
本発明の医薬組成物又は組み合わせは、1mg~300mg、特に50mg~200mg、例えば50mg~100mg、より具体的には200mg(遊離型のマボグルラントの量を指し、その塩が使用される場合、その量は、特にマボグルラントは遊離型に応じて適合される)の範囲の量のマボグルラントを含む単位剤形(例えば、錠剤、カプセル、カプレット又は微粒子)であり得る。上述の使用/治療方法について、適切な用量は例えば、年齢、体重、性別、投与経路又は使用される塩などの様々な要因に応じて変動してもよい。例えば、50~70kg体重の患者において、示される1日用量は、例えば、200mg/b.i.dである(マボグルラントの遊離型の量を指し、その塩が使用される場合、その量は、それに応じて適合される)。
略語
EtG=エチルグルクロニド
DSM5=精神障害の診断と統計マニュアル、第5版
CUD=コカイン使用障害
BE=ベンゾイルエクゴニン
PK=薬物動態
TLFB=タイムラインフォローバック
mg=ミリグラム
bid=b.i.d=1日2回(2度)
ECG=心電図
SoA=標準治療
C-SSRS=コロンビア自殺重症度評価尺度
BDI=ベックうつ評価尺度
STAI=状態・特性不安尺度(2つの構成要素:State又はS-anxiety及びTrait又はT-anxiety)
CGI=臨床全般印象(2つの成分:CGI-S[評価された疾患重症度]、CGI-I[ベースラインからの評価された変化])も評価した。
FDA=食品医薬品局
SE=標準誤差
Θ=コカイン使用日数の推定割合
LLOQ=定量下限LLOQ
ULOQ=定量上限ULOQ
以下の実施例は、本発明の範囲を限定することなく、本発明を説明するのに役立つ。
実施例1:コカインである覚醒剤が薬物である薬物使用障害を有する患者におけるマボグルラントの効果を評価する臨床試験
試験デザイン
これは、第2相無作為化試験、患者及び研究者盲検試験、プラセボ対照試験、並行群間試験であった。
治験参加者
精神障害の診断と統計マニュアル、第5版(DSM5)に従いコカイン使用障害(CUD)と診断された患者は、主要な投与経路として鼻腔内コカインを使用した場合、1つ以上のベンゾイルエクゴニン(BE)に対する陽性尿スクリーニングによって確認されたように最近コカインを使用し、コカイン依存症の治療を求めており、コカイン使用を減らすか中止したいと望んでいた場合、組み入れに適格であった。
コカイン以外の任意の他の覚醒剤に対する中等度又は重度の薬物使用障害の現在の診断を受けている患者又は薬物使用障害に対して現在治療を受けている患者を試験から除外した。
治験の手順
本研究はCUD患者に実施され、約21日間のスクリーニング期間、その後の7日間のベースライン期間、98日間の外来治療期間、及び最終治験薬投与から約14日後に、治験来院の終了評価から構成された(エラー!参照元が見つかりません。A)。試験治療は、食物とともに1日2回(約12時間隔で隔てて)行った。マボグルラント治療群[放出調節製剤として提供されるマボグルラント(遊離型)(例えば、国際公開第2014/199316号)]の患者については、漸増療法を14日間実施し(1日目から7日目まで50mg b.i.d.及び8日目から14日目まで100mg b.i.d.)、その後200mg b.i.d.を84日間実施した。
評価項目
主要評価項目は、タイムラインフォローバック[TLFB]コカイン自己報告報告により評価した治療期間中のコカイン使用日数の割合である。副次評価項目は、コカイン代謝物ベンゾイルエクゴニン(BE)の対数変換定量測定、安全性評価(各来院時の臨床パラメータ、自殺念慮、有害事象[AE]及び重篤な有害事象[SAE])、並びに血漿中のマボグルラントの投与前及び投与後レベルについての週1回の尿分析を含んだ。探索的評価項目は、臨床全般印象(CGI;2成分:CGI-S[評価された疾患重症度]、CGI-I[ベースラインからの評価された変化])を含んだ。
統計解析
主要評価項目については、コカイン使用日数の割合についてベイズ分析を実施した。これは、正規分布を有する連続的な結果であると仮定された。治療期間にわたるコカイン使用日数の割合を、共変量としてベースライン使用を伴う共分散(ANCOVA)モデルの分析を用いて分析した。反復測定のための線形混合モデル(MM RM)を用いた時系列データ(週ごとの使用及び月ごとの使用)の分析を通して、経時的な消費のプロファイルを処置群間で比較した。モデルはマボグルラントとプラセボとの間のコカイン使用日数の割合の差が0未満であり、それが-10%未満である事後確率を評価した。10%の日数の差は最小限の臨床的に関連する効果であるとみなされ、20%の差はこの症状の文献に基づいて非常に有望な効果であろう。試験は、以下の2つの概念実証(PoC)基準が満たされた場合、有効性の陽性シグナルを示すとみなされた:
マボグルラントとプラセボのコカイン使用日数の割合の差が<0である確率は少なくとも90%であった
マボグルラントとプラセボのコカイン使用日数の割合の差が-10%未満である確率は少なくとも50%であった
マボグルラントとプラセボとの間の差の推定値には、90%CI値及びP値が与えられた。データの分布が正常とみなされない場合は、他のモデルを用いて感度分析を実施した。
バイタルサイン、心電図(ECG)及び臨床検査評価のデータを、処置及び来院/時間ごとにまとめた。マボグルラントの血漿濃度を、投与前及び朝の投与後2時間(±1時間)のサンプリングウィンドウで記録し、血漿について濃度の要約統計量を提供した。
コカイン使用日数の割合の標準偏差を32%と仮定して、対象数68例(マボグルラント群31例、プラセボ群37例)を決定した。安全性以外の理由で試験を中止した患者は、中止率が予想よりも高かった(20%高い)場合、差し替えられてもよい。マボグルラントがプラセボと同等であれば、試験終了時の標的有効性(成功)に達する確率は10%であり、マボグルラントとプラセボとの真の差が-20%未満であれば>85%であった。1群あたり24人の患者のサンプルサイズ(解析から除外された患者の20%を仮定)について、真の差が<-20%であれば、成功の確率は>80%であった。
参加者
計71患者が無作為に選ばれ、33例がマボグルラントに、38例がプラセボに無作為に割り選ばれた(エラー!参照元が見つかりません。B)。マボグルラントに無作為に選ばれた33人の患者のうち、2人の患者は治療されなかった。プラセボ群に無作為に選ばれた38人の患者のうち、1人は治療されなかった。したがって、合計で68人の患者が治療された(マボグルラントで31人、プラセボで37人)。全体として、17人の患者が主に彼ら自身の決定のため-3人は未治療であり、14人は中止のために研究を完了しなかった。患者の大部分は白人(98.5%)、男性(82.4%)、18~57歳であった。
主要評価項目の解析
主要評価項目は、治療期間(治療の1日目~最終日)中のTLFBによるコカイン使用日数の割合であった。各対象について、コカイン使用日数の割合は、治療期間中のコカイン使用日数を、治療期間、すなわち、完了者については98日で割り、試験治療の早期中止の場合、1日目と最終投与日との間の日数を割ることによって計算した。コカイン消費量は、試験全体の間、TLFBを用いて毎日記録した(はい/いいえ)。
副次評価項目の解析
有効性(薬理学)
定量的尿測定
1週間当たり2回の尿サンプルは、BE(コカイン代謝産物)の対数変換定量測定を提供した。全治療期間にわたる陽性尿サンプルの割合を、2サンプルt検定を用いて、マボグルラント群とプラセボ群との間で比較した。対数変換された定量的尿BE値の週間プロファイルは、ベースライン共変量が含まれていないことを除いて、使用日の週間比率に使用されたモデルと同様の混合モデルを使用して分析された。
飲酒
アルコール摂取は、TLFBを用いて対象によって記録された。飲料の数を毎日記録した。全試験治療期間中のアルコール摂取日数の割合を、ANCOVAモデルを用いて、治療を因子とし、国及び過去のアルコール摂取を共変量として、群間で比較した。過去のアルコール摂取は、TLFBを用いて遡及的に評価されたスクリーニング来院の28日前のアルコールの割合であった。マボグルラントとプラセボとの差について、推定値及び関連する95% CIを得た。同じ分析を、毎週の飲酒回数について繰り返した。
禁断
対象は14週間の治療期間を完了し、最後のx週間(x=1、2、3..、14)が禁断であった場合、治療の最後のx週間は禁断であるとみなされた。対象が14週間完了しなかった場合、それは禁断ではないとみなされた。
安全性
バイタルサイン(血圧、脈拍数、体温)、ECG、及び臨床検査値のデータを、治療、対象、来院/時間ごとに一覧表にし、異常にフラグを立てた(範囲が利用可能であれば)。
有害事象
有害事象に関して得られた全ての情報は、治療及び対象ごとに表示される。有害事象がある対象の数及び百分率は、治療別に内訳とともに、身体系及びPT別に集計される。身体系内に複数のAEを有する対象は、この身体系及び治療の全体に対して1回だけカウントされた。
薬物動態
PK分析セットをこの分析に使用された。従来のPKパラメータは、限られたサンプリングスケジュールのため計算されなかった。マボグルラント血漿濃度データは、処置、対象、及び来院/サンプリング時点ごとに提供される。記述的要約統計量は、LLOQ未満の濃度の頻度(n,%)を含む、処置及び来院/サンプリング時点によって提供される。血漿中濃度を、投与前及び2±1時間のサンプリング窓で朝の投与後に一覧表にし、血漿についての濃度の要約統計量を提供する。データは、全母集団PKモデルの一部である。LLOQ未満の濃度は、要約統計量においてゼロとして扱われた。データセットがゼロ値を含んでいた場合、幾何平均は報告されなかった。
探索的評価項目の解析
毛髪分析
毛髪分析は、尿サンプル採取の補助として使用され、薬物使用歴の記録に役立った。毛髪試料を、ベースライン及び試験終了時に採取した。3cm未満の毛髪若しくは漂白及び/又は染色された毛髪(近位4cm)を有する患者は、この評価から除外した。長い毛の先端のみが漂白された場合、サンプルを収集した。
定量的尺度を対数変換し、試験終了時とベースライン時との間の個々の比を計算し、治療、対象及び来院/時間ごとに一覧表にした。経時的な対数変換データプロファイルを調査し、処置群間で比較し、毛髪中、尿中のコカインとアルコール測定値との間の関係を評価し、タイムラインフォローバックを評価した。
要約統計量は、治療及び来院/時間によって提供した。対数変換された定量的尺度における傾向を可視化するためのヒートマップが作成された。分析される化合物の対数変換された定量的尺度と、タイムラインフォローバックコカイン及びアルコール尺度との間の関係を調査するために、試験結果の最後のための散布図を作成した。線形関係が観察された場合、回帰直線を散布図に当てはめた。試験週末の結果を、タイムラインフォローバック情報に使用した。
LLOQ及びULOQの取り扱い
毛髪分析定量パラメータが数値のみを有することを確実にするために、打ち切り値を、以下のように帰属させた
・LLOQ未満の以下の値をLLOQ/2に置き換えた。
・ULOQを超える値は、ULOQに置き換えた。
要約統計、推論分析及びプロット(特殊記号付き)には、帰属値を使用した。LLOQ未満の値及びULOQ超の値は、そのようなものとしてリストに示された。
要約(図S2)には、それぞれLLOQ未満及びULOQ超の値の頻度(n、%)が含まれていた。いずれかの時点で、いずれかの治療群の帰属データの割合が20%を超えていた場合には、いくつかの時点で一部の治療群では定量限界外の値の割合が20%を超えていたこと、また、そのような場合には要約統計量が大きく偏っていたことを示す脚注を要約統計表に加えた。全ての治療群及び時点にわたって、所与の尺度についての帰属データの割合が50%を超えた場合、要約統計は提供されず、データは一覧表にされただけであった。
禁断
対象は14週間の治療期間を完了し、最後のx週間(x=1、2、3..、14)が禁断であった場合、治療の最後のx週間は禁断であるとみなされた。対象が14週間完了しなかった場合、それは禁断ではないとみなされた。禁断に基づく二値応答変数を計算した。
これが第III相CUD試験における重要な評価項目であるため、この分析は禁断率を知らせるために追加された。禁断に基づく二値応答変数を計算した。
臨床アウトカム評価
臨床アウトカム評価(COA)
患者報告アウトカム及び介護者が評価したアウトカムなどの臨床アウトカム評価は、各評価が実施されるべき時期を詳細に評価及び記録するための特定の方法であった。安全性評価は、以下に規定される。
患者報告アウトカムは以下を含む:
1.TLFBコカインは、毎日のコカイン摂取量の推定値を得るコカイン評価法であり、臨床集団及び非臨床集団で評価された。カレンダーを使用して、人々は、インタビュー日から12ヶ月まで変化し得る特定の期間にわたる毎日のコカイン使用の遡及的推定値を提供する。想起を強くするために、いくつかの記憶補助を使用することができる(例えば、カレンダー;主要な日付は、コカイン使用を報告するためのアンカーとしての役割を果たす)。コカインTLFBは、様々なコカイン使用群で良好な心理測定的特性を有することが示されており、個人のコカイン使用についての広範囲の情報(例えば、コカイン使用のパターン、変動性、及び大きさ)を提供する変数を生成することができる。この方法は、コカイン使用の比較的正確な推定値が必要な場合、特に治療の前後に完全に使用する場合)に推奨される。臨床的には、クライアントの変化に対するモチベーションを高めるために、自分のコカイン消費についてのフィードバックを提供するために、TLFBを使用することができる。
2.TLFBアルコールは、毎日の飲酒の推定値を得る飲酒評価法であり、臨床集団及び非臨床集団で評価された。カレンダーを使用して、人々は、インタビュー日から12ヶ月まで変化し得る特定の期間にわたる毎日の飲酒の遡及的推定を提供する。想起を強くするために、いくつかの記憶補助を使用することができる(例えば、カレンダー;主要な日付は、飲酒を報告するためのアンカーとしての役割を果たす;標準的な飲酒転換)。アルコールTLFBは様々な飲酒者群で良好な心理測定的特性を有することが示されており、個人の飲酒に関する広範囲の情報(例えば、飲酒のパターン、変動性、及び大きさ)を提供する変数を生成することができる。この方法は飲酒の比較的正確な推定値が必要な場合、特に飲酒日(すなわち、高リスク日と低リスク日)の全体像が必要な場合(治療前/治療後の飲酒の評価)に使用することが推奨される。臨床的には、クライアントの変化へのモチベーションを高めるために、自分の飲酒に関するフィードバックを提供するために、TLFBを使用することができる。全体として、アルコールTLFB法は飲酒の比較的正確な描写を提供し、臨床的及び研究的有用性の両方を有する。
BDI-IIは、ベースラインのうつ病の重症度及び治療に対する反応性を測定におけるプライマリケアに使用するために、英国国立医療技術評価機構によって承認された機器である。
STAIは、不安の現在の症状の存在及び重症度、並びに不安になる一般化された傾向を測定するための評価ツールである。この尺度には2つの下位尺度がある。まず、状態不安尺度(S-Anxiety)は不安、緊張、神経質、心配の主観的感覚、自律神経系の活性化/覚醒を測定する項目を用いて、回答者が「現在」どのように感じているかを質問し、不安の現在の状態を評価する。特性不安尺度(T-Anxiety)は、平穏、自信、及び安全性の一般的な状態を含む、「不安傾向」の比較的安定した側面を評価する。
C-SSRS:コロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)は、自殺念慮及び自殺行動を前向きに評価する質問表である。C-SSRSは、予定外の来院を含む各来院時にまとめなければならない。対象の反応を調査するために半構造化面接を使用するC-SSRSは、その管理において訓練及び認証を受けた個人によって管理された。最初の治験来院時に、C-SSRSの「ベースライン/スクリーニング」バージョンをまとめた。このバージョンでは、対象の生涯及び所定の期間中の自殺念慮及び自殺行動を評価する。その後の来院時に、「最後の来院以来」バージョンをまとめた。スクリーニング及び/又はベースライン後のいずれかの時点で、C-SSRSの自殺希望セクションの項目4又は項目5のスコアが「はい」であるか、又は自殺行動セクションのいずれかの項目のスコアが「はい」である場合、対象は、さらなる評価及び/又は治療のためにメンタルヘルスケアの専門家に委なければならない。治験薬の投与を中止するかどうかの決定は、対象が委ねられたメンタルヘルスケアの専門家と協議の上、治験責任医師が行うものとした。さらに、全ての生命を脅かす事象は重篤な有害事象として報告しなければならない。例えば、対象が自殺行動セクションの質問の1つに「はい」と答えた場合、その事象が生命を脅かすものであった場合には、重篤な有害事象を報告しなければならない。「非自殺自傷行動」(自殺行動の項にも含まれる質問)の全ての事象は、AEとして報告され、適切な重症度グレードに割り当てられた。
介護者が評価したアウトカム:
臨床全般印象(CGI)は、精神障害を有する患者の治療研究における症状の重症度、治療応答及び治療の有効性を測定する評価尺度である。CGIは、患者の病歴、心理社会的状況、症状、行動の知見、及び患者の機能するための能力に対する症状の影響を含む、全ての利用可能な情報を考慮する、臨床医が決定した全体的な集約尺度を提供する。CGIは、研究中の疾患及び治療の進行の可能性を熟知している経験豊富な臨床医によって評価される。CGIは、臨床的な変化が投薬によるものである、又は投薬によるものではないという臨床医の信念に関係なく、また、症状の病因を考慮することなく評価される。上述のように、CGIは、疾患の重症度を評価するCGI-Severityと、治療の開始(ベースライン)からの変化を評価するCGI-Improvementの2つの要素を有する。
欠測値の処理/打ち切り/中止
試験治療の早期中止の場合、主要変数の計算は、TLFBデータが利用可能な期間及び試験治療が行われた時期の両方で行われた。TLFB完了ガイドラインに従った来院の間と来院時の治験責任医師のチェックの間に欠測データは予想されなかった。感度解析については、不完全なプロファイルを縦断的解析に含めた
結果
主要評価項目
コカインTLFBによって評価されたように、マボグルラント/プラセボの98日間投与後、コカイン使用を減少させる事後確率は<0の処置差に対して≧99.0%であり、<-10%の処置差について≧36.6%であった。群間差(mavoglurant-placebo)は統計学的に有意であった(P=0.021)(エラー!参照元が見つかりません。A及びエラー!参照元が見つかりません。A)。
a)一次分析(エラー!参照元が見つかりません。B)
PoC基準
1.治療期(14週間)のベイズ解析P(θmavoglurant-θplacebo<0|データ)=0.999[PoC基準1が満たされる(P>0.90)]
2.P(θmavoglurant-θplacebo<?10%|データ)=0.366[PoC基準2が満たされていない(P<0.50、群間差は8.7%<10%)]
b)補足的分析:MMRMは、コカイン使用の月間割合において群間の差を示した。月ごとの割合は、2、3、及び4ヵ月目で統計的に異なっていた。2ヵ月目では8%の差(P=0.042)に達し、3ヵ月目では14%の差(P=0.003)に達した(エラー!参照元が見つかりません。C)。
二次評価項目及び探索的評価項目
マボグルラントは、プラセボと比較して、尿コカイン(BE)によって評価されるように、コカイン消費を有意に減少させた(P=0.025)(エラー!参照元が見つかりません。)。
マボグルラントは、CGIによって評価されたように、プラセボと比較して有意に増強された臨床的改善と関連していた(「非常に」及び「とても」改善:マボグルラントについて90.9%対プラセボについて46.6%)(エラー!参照元が見つかりません。3C)。ベースラインからの改善(CGI-I)は、プラセボと比較して、マボグルラントについて非常に有意であった(P<0.001)。
ベースラインからコカインに費やされた金額に基づいて、マボグルラント群(41.4%)対プラセボ群(16.7%)の患者の大部分は、自己報告(TLFB)及び陰性尿BEによって定義されるように、試験の最後の3週間でコカイン禁断症状を示した(P=0.040)(図S1)。同様の結果が禁酒についても観察された(図4)。
STAI及びBDIによって評価されたように、マボグルラントは、不安及び抑うつ症状を減少させたが、プラセボとの差は統計的に有意ではなかった(S-AnxietyについてP=0.144、T-AnxietyについてP=0.425;BDI-IIについてP=0.696)(エラー!参照元が見つかりません。3A;図S3B)。
毛髪分析において、コカイン及びその代謝産物であるアンフェタミンは、プラセボと比較してベースラインからより高い減少を示した(図S2)。
TLFBで評価したように、マボグルラントはアルコール摂取量を減少させたが、プラセボとの差は統計的に有意ではなかった(P=0.072)(図6;図7)。
安全性及び副作用
試験期間中に死亡例は報告されず(図5)、バイタルサイン、心電図、臨床安全性検査値に有意な所見は認められなかった。コロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)によって評価されるように、ごく少数の患者が活動性自殺念慮を有していた。発現率の高いAEは中枢神経系に関連していた(図S3)。全体的なAE発現率はマボグルラント群とプラセボ群で同等であったが、マボグルラント群では精神症状発現率が高かった。薬物関連のAEは、数日後に消失することが観察された。薬物動態の結果を図S3Dに示す。
結果のまとめ
治療終了時(EOT)のマボグルラントによるコカイン使用減少の事後確率は、治療差<0に対して≧99.0%、治療差<-10%に対して≧36.6%であった。マボグルラントとプラセボとの間の差は統計的に有意であった(P=0.021)。EOTでは、尿中のBEレベルがプラセボと比較して有意に低かった(P=0.025)。抑うつ症状及び不安症状が有意性はなく減少し、全体的な機能は、プラセボ群(46.6%)に対して、治療群においては90.9%の患者で有意に改善した(P<0.001)。マボグルラントは安全で忍容性も良好であり、患者の79%がEOTで試験を完了した。
本発明者らのデータ(上で参照し、以下に示す図を参照されたい)はマボグルラントがCUD患者において安全であり、良好な耐容性を有し、マボグルラント群において、良好な耐容性を有し、離脱がなく、死亡もSAEもないことを示す。マボグルラントはCUD患者においてコカイン消費を有意に減少させた。PoC基準2は満たされなかったが、この理由はマボグルラントがコカイン使用量の減少に及ぼす影響が経時的に増加し、試験終了時に最も明確であったことに留意することが重要である。あらかじめ定義された統計学的分析は効果が最も顕著であった最後の月だけではなく、患者がマボグルラントを投与されている時を含んだ。プラセボ群(16.7%)と比較して、マボグルラント群(41.4%)の患者の大部分は自己報告(TLFB)及び陰性尿BEによって定義されるように、試験の最後の3週間でコカイン使用をやめた(P=0.040)。マボグルラントの98日間投与後の尿中BE濃度はプラセボと比較して低く、TLFBによる評価の結果を確認した。臨床全般改善度で測定された全般的機能の改善は、マボグルラントの投与に伴うコカインの使用量の減少と一致していた。マボグルラント群の全体的な機能は、98日目にプラセボ群よりも改善され、コカイン減少と一致した。マボグルラント群では、90.9%の患者が98日目に「非常に」又は「とても」改善されたのに対し、プラセボ群では46.6%であった。
実施例2:薬物が覚醒剤であり、覚醒剤がアンフェタミン型覚醒剤(例えば、メタンフェタミン)である、薬物使用障害を有する患者におけるマボグルラントの効果を評価する臨床試験、
試験デザイン
これは、薬物がアンフェタミン型覚醒剤(例えば、メタンフェタミン)である、薬物使用障害患者における無作為化、対象及び治験責任医師盲検、並行群間比較、プラセボ対照試験である。本試験は、約21日間のスクリーニング期間とそれに続く7日間のベースライン;98日間の外来患者治療期間(14日間の漸増用量療法とそれに続く84日間の維持用量)、最後の治験薬投与の約14日後の治験来院評価からなる。試験における各患者の総期間は、約20週間までである。
試験来院(1~112日目):試験来院は、1週間に2回の頻度の外来環境で行われる。これらの訪問の間、尿サンプルは、安全性/有効性評価とともに薬物スクリーニング(及び他の薬物代謝産物)のために収集される。
スクリーニング(-28~-8日目):安全性検査及び他の臨床試験を含み、患者の最初の適格性を決定する。スクリーニング時に適格基準を満たす患者は、ベースライン評価のために入院する。
ベースライン(-7~-1日目):安全性評価に加えて、様々な尺度及び質問表に対する患者の自己評価を含む。ベースライン時に、アンフェタミン型覚醒剤(例えば、メタンフェタミン)の使用の自己報告歴(TLFB)及び2つの尿サンプルを、2つの異なる日に採取し、無作為化の3日前に第2のサンプルを採取し、アンフェタミン型覚醒剤(例えば、メタンフェタミン)の使用からの禁断を実証する。
処置(1~98日目):ベースラインの後、1日目に、適格な患者を、マボグルラント(遊離型)又はプラセボのいずれかに1:1の比でランダムに割り当てる
・A群-マボグルラント(遊離型):最初の2週間の漸増療法:1日目~7日目に50mgを1日2回、8日目~14日目に100mgを1日2回、続いて200mgを1日2回84日間投与
本試験で評価するために選択した用量(200mg/b.i.d/放出調節製剤)を、完了したマボグルラント試験からの安全性、忍容性及び薬物動態データに基づいて選択した。
・B群:対応するプラセボ。
試験薬:放出調節製剤(例えば、国際公開第2014/199316号)で提供され、1日2回(b.i.d.)、朝と夕方(約12時間隔であけられた)に食物とともに摂取されたマボグルラント(遊離型)。試験評価又はPK/尿サンプル採取を含む全ての朝の外来通院について、試験薬は、試験センターで患者によって自己投与され、試験職員によって監督される。最近、標準的な朝食は、研究センターで提供され、患者が彼/彼女の薬物摂取中に摂取する。
治療期間中、患者はまた、SoAあたり投与前及び投与後2±1時間に、様々な尺度及び質問票による評価、並びに安全性評価及び薬物動態サンプリングを受ける。
尿サンプル(1~113日目):サンプルは週に2回、研究センターで収集され、例えば、火曜日及び金曜日又は月曜日及び木曜日又は火曜日の朝及び木曜日の午後の少なくとも48時間隔てた試験。サンプル採取を職員が観察し、アンフェタミン型覚醒剤(例えば、メタンフェタミン)代謝産物の存在について定量的に評価する。試験実施中に尿サンプルを採取する:14週間治療中の患者からの28サンプル(漸増の1~2週目の4サンプル);3~14週目の24サンプル(維持用量);15~16週目の4サンプル(フォローアップ)及び最後に試験来院の最後の1サンプル。患者が診療所に通院しなかった場合、又は予定された検査日にサンプルを提供することを拒否した場合、明示的な欠席が認められない限り(例えば、病気、他の個人的理由)、サンプルは陽性とみなされる。とり残った、又は拒絶されたサンプルの場合、可能な限り翌日にサンプルが収集される。
投薬及び治験実施計画書の遵守を保証するための臨床的支援:
服薬遵守:患者はPK採取日及び尿サンプリング評価を含む他の全ての日の朝用量の治験薬投与時、試験場所にいる。最近、治験薬の自己投与は治験担当者によって監督され、服薬が飲み込まれた後、口内チェックによって服薬遵守が保証される。服薬遵守を監視するために、患者には、治験薬の投与を記録するための個々の投薬日誌(小冊子)が提供される。服薬遵守は、少なくとも週に1回、錠剤計数を用いて、治験責任医師及び/又は治験担当者によって監視される。服用量の遵守は、患者の投薬日記自己報告データを、返送されたボトル又はブリスター(包装形態による)中の錠剤の総数と比較することによって検証される。服用した錠剤の総量を、治療段階中に服用する予定の総量で割ったものとして、アドヒアランスを計算する。治験責任医師が適切であると感じた場合には、外来患者の期間中に患者に連絡をとり、コンプライアンスを確認してもよい。
母集団
薬物がアンフェタミン型覚醒剤(例えば、メタンフェタミン)である薬物使用障害の診断を含んだ18~65歳の患者が本研究に登録される。
統計モデル及び解析方法
主要変数は治療期間(1~98日目)中のアンフェタミン型覚醒剤(例えば、メタンフェタミン)の使用日数の割合である。
各患者について、アンフェタミン型覚醒剤(例えば、メタンフェタミン)の使用日数の割合は、治療期間中のアンフェタミン型覚醒剤(例えば、メタンフェタミン)の使用日数、すなわち、完了者については98日、及び試験治療の早期中止の場合、1日目と最終投与日との間の日数を割ることによって計算される。それは連続変数と考えられる。アンフェタミン型覚醒剤(例えば、メタンフェタミン)の摂取量を、試験全体の間、TLFBを用いて毎日(はい/いいえ)記録する。
ベイズ分析はアンフェタミン型覚醒剤(例えば、メタンフェタミン)の使用日数の割合について行われる。これは、正規分布誤差を伴う連続的なアウトカムであると仮定される。治療因子とアンフェタミン型覚醒剤(メタンフェタミンなど)の過去の消費量を共変量とした線形モデルを当てはめる。事前情報は、全てのパラメータに対して使用されない。アンフェタミン型覚醒剤(例えばメタンフェタミン)の過去の消費は、スクリーニング来院前3ヶ月にわたるアンフェタミン型覚醒剤(例えばメタンフェタミン)の使用日数の割合であり、TLFBを用いて評価される。
事前情報は、全てのパラメータに対して使用されない。アンフェタミン型覚醒剤(例えばメタンフェタミン)の過去の消費はスクリーニング来院前3ヶ月にわたるアンフェタミン型覚醒剤(例えばメタンフェタミン)の使用日数の割合であり、これはTLFBを用いて評価される。このモデルはアンフェタミン型覚醒剤(メタンフェタミンなど)の使用日数の割合の差がマボグルラントとプラセボの間で<0であり、それが<-10%である事後確率を評価する。この症状に関する文献に基づくと、日数の10%の差は臨床的に重要な最小限の効果とみなされ、20%の差は非常に有望な効果であると考えられる。試験は、以下の2つの基準が満たされる場合、有効性の良い兆候を示す:
1.アンフェタミン系覚醒剤(メタンフェタミンなど)の使用日数の割合が、マボグルラントとプラセボの間の差が<0となる少なくとも90%確率がある
2.アンフェタミン系覚醒剤(メタンフェタミンなど)の使用日数の割合が、マボグルラントとプラセボの間の差が<10%となる少なくとも50%確率がある
データの分布が正規でない場合、感度分析は負の二項回帰のような、他のモデルを用いて行われる。さらに、反復測定のための混合モデルを用いた縦断的データ(週1回の使用)の分析を通して、経時的な消費のプロファイルを治療群間で比較する。
副次変数は、治療期間にわたる陰性UDSの割合を含み、主要変数と同じ方法で分析される。安全性及びPKは、本試験の副次評価項目である。

Claims (19)

  1. 薬物使用障害を治療するための薬剤を製造するための、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、前記薬物はアンフェタミン型覚醒剤である、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
  2. 薬物使用障害患者による薬物使用の低減における治療のための薬剤の製造のための、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、前記薬物はアンフェタミン型覚醒剤である、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
  3. 薬物使用障害患者による薬物使用の再発を予防するための治療のための薬剤の製造のための、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、前記薬物はアンフェタミン型覚醒剤である、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
  4. 薬物使用障害患者による薬物禁断を促進する治療のための薬剤の製造のための、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、前記薬物はアンフェタミン型覚醒剤である、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
  5. 薬物使用障害に関連するうつ病又は不安の症状を治療するための薬剤を製造するための、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用であって、前記薬物はアンフェタミン型覚醒剤である、マボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
  6. 前記アンフェタミン型覚醒剤の使用方法が、アンフェタミン型覚醒剤の吸入(すなわち、喫煙)、静脈内注射、経鼻吹送法(すなわち、スノーティング)又は経口摂取である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
  7. 前記薬物使用障害が、***性パーソナリティ障害、境界性パーソナリティ障害、うつ病、不安症、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、双極性障害、強迫性障害又は過食性障害などの精神障害を併発する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
  8. 前記使用が標準化された心理学的治療と、例えば、個人又は集団レベルで組み合わされる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
  9. 前記使用が心理社会的療法若しくは行動療法又はその組み合わせ、特に、随伴性マネージメントに基づく療法と組み合わせられる、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
  10. 前記心理社会的療法又は行動療法がコンピュータ支援によるものである、請求項9に記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
  11. マボグルラント又はその医薬的に許容される塩が、スボレキサント、ブプロピオン、若しくはミルタザピン又はその塩、特にミルタザピン又はその塩と組み合わせて投与される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
  12. マボグルラント又はその医薬的に許容される塩がさらなる活性薬剤と組み合わせて投与され、例えば、前記さらなる活性薬剤が、抗うつ薬、抗精神病薬及び精神安定剤からなる群から選択される、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
  13. 前記患者が、薬物使用障害に関連する遺伝的変異を有する、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
  14. マボグルラント又はその医薬的に許容される塩が、即放性形態又は放出調節形態で投与される、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
  15. マボグルラント又はその医薬的に許容される塩が50mg/b.i.dから200mg/b.i.d、特に50mg/b.i.d、100mg/b.i.d又は200mg/b.i.d.、例えば、200mg/b.i.d.の量で投与される、請求項1~14のいずれか一項に記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
  16. 前記薬物使用障害が、過食飲酒又はアルコール使用障害に関連する、請求項1乃至15のいずれか一項に記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
  17. 前記アンフェタミン型覚醒剤が、アンフェタミン、デキストロアンフェタミン、メタンフェタミン、メチルフェニデート、メトカチノン、フェネチリン、エフェドリン、プソイドエフェドリン、メチルフェニデート、3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン、ジエチルプロピオン、リスデキサンフェタミン、フェンテルミン、ベンズフェタミン、メフェンテルミン、ミドアムフェタミン、テナンフェタミン、4-ヒドロキシアンフェタミン及びメフェドロン、特にメタンフェタミンからなる群から選択される、請求項1乃至16のいずれか一項に記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
  18. 前記アンフェタミン型覚醒剤がメタンフェタミンである、請求項1乃至16のいずれか一項に記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
  19. 前記薬物使用障害が、軽度の薬物使用障害、中等度の薬物使用障害又は重度の薬物使用障害である、請求項1乃至18のいずれか一項に記載のマボグルラント又はその医薬的に許容される塩の使用。
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