JP2023549640A - 網膜色素上皮に関与する疾患の治療及び/又は予防における治療活性物質としての新規化合物及びそれらの使用 - Google Patents

網膜色素上皮に関与する疾患の治療及び/又は予防における治療活性物質としての新規化合物及びそれらの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、網膜色素上皮が関与する疾患を治療及び/又は予防する方法であって、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、ラセミ混合物、対応するエナンチオマー、又は適切な場合には対応するジアステレオマーを投与することを含む、方法:【化1】TIFF2023549640000109.tif27151[式中、XはNH又はOのいずれかであり、R11、R12及びR13は、独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、メチル基、及びジフルオロメトキシ基からなる群より選択され、Aは、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)又は(VIII)の残基からなる群より選択され:【化2】TIFF2023549640000110.tif76151(式中、“*”は、分子の残りの部分への結合点を示し、R2、R3、R4、R5、R2I、R3I、R4I、R5I、R2II、R3II、R4II、R5II、R2III、R3III、R4III、R5III、R2IV、R3IV、R4IV、R5IV、R2V、R3V、R4V、R5V、R2VI、R3VI、R4VI及びR5VIは、独立して、水素原子、炭素原子数1乃至3の直鎖若しくは分岐アルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基及びジフルオロメトキシ基からなる群より選択され、式(VI)の残基において、R6は、水素原子、炭素原子数1乃至3の直鎖若しくは分岐アルキル基、トリフルオロメチル基、及び2,2,2-トリフルオロエチル基からなる群より選択される。)]【選択図】図1

Description

本発明は、網膜色素上皮に関与する疾患、特に、光受容体の萎縮又は喪失及び/又は網膜血管新生をも引き起こす可能性のある、網膜色素上皮の萎縮、変性又は死に至る疾患の治療及び/又は予防における治療活性物質としての新規化合物及びそれらの使用に関する。
網膜色素上皮(RPE)の変性及び死を伴う重大な疾患群は黄斑変性症である。黄斑変性症は、ブルッフ膜、脈絡膜、神経網膜及び/又は網膜色素上皮の異常に関連する中心視力の進行性消失を特徴とする。黄斑は網膜の中心部であり、直径約0.3~0.5cmを有する。黄斑は、錐体視細胞(cones)が高密度であるため、読書、運転又は顔認識などの活動に詳細な視覚を提供する。
いわゆる加齢黄斑変性症(AMD)は、黄斑変性の最も一般的な形態であり、視野の中心部における視力の進行性消失、色覚の変化、並びに暗順応及び感度の異常に関連する。AMDは先進国において、約2%の個人に影響を与える、不可逆的な視力喪失の主な原因である。AMDの有病率は年齢とともに増加し、その病因は多因子性である。
この疾患とその進行の主な原因には、機能的RPE細胞の喪失とそれらの基底膜であるブルッフ膜の変化がある。RPEは、光に敏感な光受容体と網膜に血液を供給する脈絡膜の間に位置する連続的な細胞単層である。RPE細胞は、エネルギーと成長因子を提供し、廃棄物を除去し、視覚サイクルの必須化合物をリサイクルすることにより、高度に代謝された光受容体に栄養を与える役割を果たしているため、RPEの消失は最終的に光受容体の障害と喪失につながる。
AMDの2つの主要な臨床症状は、乾性又は萎縮型(以下、乾性AMDと称する)及び湿性又は血管新生型(以下、湿性AMDと称する)として記述される。乾性AMDは網膜中心部又は黄斑の萎縮性細胞死に関連する。これら乾性AMD患者の約10乃至20%は、湿性又は血管新生型AMDとして知られる第2の形態にさらに進行する。これらAMDの進行段階において、RPEの萎縮(地図状萎縮)及び/又は脈絡膜血管に由来する新たな血管の成長(血管新生)が、さらに光受容体の死と中心視力の喪失をもたらす。読書、顔認識及び多くの日常業務の実行に不可欠である、この中心視力の喪失は、本質的に患者を周囲の世界から切り離す。
乾性AMD又は地図状萎縮(GA)として知られるその進行形態に対して認可された治療法は現在のところ存在せず、血管新生型AMDの多くの患者は、Lucentis(登録商法)などの抗VEGF剤を用いる最新の治療法にも関わらず、法的には失明となっている。根底にあるRPE損傷に起因する乾性AMDにおける視力喪失を治療するための薬理学的なアプローチは様々であるが、それらは全て、RPE細胞の喪失に起因する損傷を元に戻すというよりはむしろ、最初に損傷を引き起こすと考えられているメカニズム(例えば補体系)を制御することに向けられている。調査中の代替的なアプローチには、人工多能性幹細胞又は成熟したRPE細胞の移植が含まれる。
ドルーゼンは眼のブルッフ膜と網膜色素上皮の間に蓄積する、細胞外物質の小さな黄色又は白色の蓄積物である。ドルーゼンの存在は、加齢黄斑変性症の特徴である。ドルーゼンに関する最近の研究では、初期型及び後期型AMDの病因において、炎症及び他の免疫
介在型プロセス、特に補体活性化に関する役割を示唆する。欧州特許第2 302 076号明細書(EP 2 302 076)は、補体副経路の主要な阻害剤であるH因子タンパク質(HF1)はドルーゼン内に蓄積し、そして、網膜色素上皮により局所的に合成され、それゆえ、患者のAMD症状を軽減するのに有効な量で、変異型H因子の量、あるいは、H因子をエンコーディングする遺伝子の発現を減少させる、薬剤の投与を提供することを開示する。
米国特許第9’815’819号明細書(US 9’815’819)は、AMDを治療又は予防する方法として、補体副経路の活性化を調節し、好ましくは阻害する化合物に関する。
国際公開第2015/138628号(WO 2015/138628)は、AMD患者の網膜に抗炎症性ペプチドを送達することができ、そのために最適化されたAAVベクター構築物に関する。
オーストラリア特許第2019/226198号明細書(AU 2019/226198)は、移植に適するRPE細胞の実質的に精製された培養物(culture)を生成する方法を開示する。
中国特許第103656742号明細書(CN 103656742)は、AMD患者の網膜への移植のための、機能化された網膜色素上皮細胞移植片の調製方法に関する。
ロシア特許第2628697号明細書(RU 2628697)は、人工膜を使用せず、眼内移植時に高い生着率をもたらす、簡便で安定的な方法で、網膜色素上皮細胞から細胞層を製造する手順を開示している。
PCT/US19/68768号明細書は網膜ジストロフィー、すなわち網膜色素変性症における、網膜幹細胞及び前駆細胞に由来する光受容体の内因性再生を引き起こす小分子の適用について記載している。対照的に、本発明は、哺乳動物のRPE細胞の色素沈着及び/又は増殖を刺激することによる、RPE関連の眼疾患の治療及び/又は予防に関する。
湿性AMDの場合、血管内皮増殖因子の作用に拮抗する(抗VEGF)薬剤の開発に関して大きく進歩した。ただし、これらの治療法は、RPE層の損傷に対処せず、血管新生を抑制するのみである。また、これらは治癒的ではなく、疾患の現在の状態を維持することにのみ効果的である。
したがって、本発明の課題は、RPE関連疾患の治療及び/又は予防のための、そして特にAMD治療のための治療薬を提供することである。
この課題は、式(I)で表される化合物により解決される。より好ましい実施態様は、従属クレームの対象である。
式(I)で表される新規化合物が、哺乳動物のRPE細胞の色素沈着及び/又は増殖を刺激することが示されている。この内因性RPE細胞の色素沈着及び/又は増殖の刺激は、網膜の制御された修復及び再生を可能にする。したがって、本発明の化合物によって新たに正常RPE細胞を内因的に発生させることにより、視力の喪失の予防及び/又は視力の回復が可能である。よって、式(I)で表される化合物は、網膜色素上皮の萎縮、死又
は変性につながる疾患の治療及び/又は予防における治療活性物質として、すなわち、薬剤として有用である。
図1は、RPE化合物スクリーニングレジメンの模式図を示す図である。
この文脈中、用語「RPE細胞」は、眼のさらに分化した機能組織を支持又は生じさせる、任意の形態の増殖性及び非増殖性の網膜色素上皮細胞を包含する。RPE細胞は、滑らかで色素沈着しており、そして六角形の形状である。正常かつ完全に分化したRPE細胞は、光吸収色素メラニンを含むメラノソームを構築する。そのため、正常かつ機能的なRPE細胞の分化を促進する化合物は、色素沈着の存在につながる。
用語「哺乳動物のRPE細胞の増殖」は、RPE細胞増殖の制御された促進及び対応するRPE細胞数の増加を表す。
用語「予防」は、RPE関連疾患に関連する兆候及び症状、特に、疾患を発症するリスクを有する患者の視力喪失につながる黄斑変性症の予防又は軽減を指す。これらの患者において、素因は保持され得るが、疾患の兆候及び/又は症状は発生しないか又は発症するのに顕著に時間がかかる。さらに、一度発病した場合には、症状のさらなる悪化の予防も含まれる。
上述したように、本発明は、式(I)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩、ラセミ混合物、対応する互変異性体、対応するエナンチオマー、若しくは、該当する場合、対応するジアステレオマーに関する:
Figure 2023549640000002
[式中、
XはNH又はOのいずれかであり、
11、R12及びR13は、独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、メチル基、及びジフルオロメトキシ基からなる群より選択され、
Aは、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)又は(VIII)の残基からなる群より選択され:
Figure 2023549640000003
(式中、
“*”は、分子の残りの部分への結合点を示し、
、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R II、R II、R II、R II、R III、R III、R III、R III、R IV、R IV、R IV、R IV、R 、R 、R 、R 、R VI、R VI、R VI及びR VIは、独立して、水素原子、炭素原子数1乃至3の直鎖若しくは分岐アルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基及びジフルオロメトキシ基からなる群より選択され、
式(VI)の残基において、Rは、水素原子、炭素原子数1乃至3の直鎖若しくは分岐アルキル基、トリフルオロメチル基、及び2,2,2-トリフルオロエチル基からなる群より選択される。)]
用語「薬学的に許容される塩」とは、本発明による化合物が形成することができる、治療的に活性な非毒性の酸塩形態を表す。
本発明の一実施態様において、式(II)、(III)、(IV)、(V)の残基の環位置*の不斉中心又は式(VI)の側鎖上の不斉中心は、以下に示す立体配置を有し、式(Ii)の化合物である:
Figure 2023549640000004
[式中、
Aは、式(II)、(III)、(IV)、(V)又は(VI)の残基からなる群より選択され:
Figure 2023549640000005
式(VII)の残基の場合、本発明による化合物中のキラル中心**は、好ましくは、以下に示される立体配置を有する:
そして、X、R、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R II、R II、R II、R II、R III、R III、R III、R III、R IV、R IV、R IV、R IV、R 、R 、R 、R 及びRは、上記と同じ定義である。]
本発明の別の実施態様において、式(II)、(III)、(IV)又は(V)の残基の環位置*の不斉中心又は式(VI)の側鎖上の不斉中心は、以下に示す立体配置を有し、式(Iii)の化合物である:
Figure 2023549640000007
[式中、
Aは、式(II)、(III)、(IV)、(V)又は(VI)の残基からなる群より選択され:
Figure 2023549640000008
式(VII)の残基の場合、本発明による化合物中のキラル中心**は、好ましくは、以下に示される立体配置を有する:
そして、X、R、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R II、R II、R II、R II、R III、R III、R III、R III、R IV、R IV、R IV、R IV、R 、R 、R 、R 、R2VI、R3VI、R4VI、R5VI及びRは、上記と同じ定義である。]
好ましくは、式(I)で表される化合物中、残基R11、R12及びR13は、独立して、水素原子、塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択される。最も好ましくは、R11、R12及びR13のすべてが水素原子であるか、又はR11、R12及びR13の1つのみが塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択され、他の残基は水素原子である。これは、例えば、R11がフッ素原子であり、R12及びR13が両方とも水素原子であることを意味する。
本発明の一実施態様において、式(I)の化合物中、XはOであり、R、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R II、R II、R II、R II、R III、R III、R III、R III、R IV、R IV、R IV、R IV、R 、R 、R 、R 、R2VI、R3VI、R4VI、R5VI及びRは、上記と同じ定義である。
本発明の別の実施態様において、式(I)の化合物中、XはNHであり、R、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R II、R II、R II、R
、R III、R III、R III、R III、R IV、R IV、R IV、R IV、R 、R 、R 、R 、R2VI、R3VI、R4VI、R5VI及びRは、上記と同じ定義である。
残基Aは、好ましくは非置換又は一置換である。
非置換という用語は、R、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R II、R II、R II、R II、R III、R III、R III、R III、R IV、R IV、R IV、R IV、R 、R 、R 、R 、R2VI、R3VI、R4VI及びR5VIのすべてが水素であることを意味する。残基Aが一置換されている場合、R、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R II、R II、R II、R II、R III、R III、R III、R III、R IV、R IV、R IV、R IV、R 、R 、R 、R 、R2VI、R3VI、R4VI及びR5VIのうちの1つは、好ましくは、フッ素原子及び塩素原子からなる群より選択され、他の残基は水素原子である。一置換という用語は、式(VI)の残基におけるRを意味しない。したがって、式(VI)の残基において、一置換という用語は、R IV、R IV、R IV、R IVの1つが水素原子とは異なり、Rが水素原子、炭素原子数1乃至3の直鎖若しくは分岐アルキル基、トリフルオロメチル基、又は2,2,2-トリフルオロエチル基であることを意味する。
式(VI)の残基において、Rは、好ましくは水素原子又は炭素原子数1乃至3の直鎖若しくは分岐アルキル基であり、最も好ましくはメチル基である。
本発明の一実施態様は、式(Ia)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩、ラセミ混合物、対応するエナンチオマー、若しくは、該当する場合、対応するジアステレオマーに関する:
Figure 2023549640000010
(式中、
X、R11、R12,R13、R、R、R及びRは、上記と同じ定義である。)
好ましくは、式(Ia)で表される化合物中、残基R11、R12及びR13は、独立して、水素原子、塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択される。最も好ましくは、R11、R12及びR13のすべてが水素原子であるか、又はR11、R12及びR13の1つのみが塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択され、他の残基は水素原子である。
本発明の一実施態様において、式(Ia)の化合物中、XはOであり、R、R、R、Rは、上記と同じ定義であり、残基Aは、好ましくは非置換又は一置換である。
本発明の別の実施態様において、式(Ia)の化合物中、XはNHであり、R、R、R、Rは、上記と同じ定義であり、残基Aは、好ましくは非置換又は一置換である。
本発明の別の実施態様は、式(Ib)で表される化合物、又はその薬学的に許容される
塩、ラセミ混合物、対応するエナンチオマー、若しくは、該当する場合、対応するジアステレオマーに関する:
Figure 2023549640000011
(式中、
X、R11、R12,R13、R 、R 、R 及びR は、上記と同じ定義である。)
好ましくは、式(Ib)で表される化合物中、残基R11、R12及びR13は、独立して、水素原子、塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択される。最も好ましくは、R11、R12及びR13のすべてが水素原子であるか、又はR11、R12及びR13の1つのみが塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択され、他の残基は水素原子である。
本発明の一実施態様において、式(Ib)の化合物中、XはOであり、R 、R 、R 、R は、上記と同じ定義であり、残基Aは、好ましくは非置換又は一置換である。
本発明の別の実施態様において、式(Ib)の化合物中、XはNHであり、R 、R 、R 、R は、上記と同じ定義であり、残基Aは、好ましくは非置換又は一置換である。
本発明の別の実施態様は、式(Ic)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩、ラセミ混合物、対応するエナンチオマー、若しくは、該当する場合、対応するジアステレオマーに関する:
Figure 2023549640000012
(式中、
X、R11、R12,R13、R II、R II、R II及びR IIは、上記と同じ定義である。)
好ましくは、式(Ic)で表される化合物中、残基R11、R12及びR13は、独立して、水素原子、塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択される。最も好ましくは、R11、R12及びR13のすべてが水素原子であるか、又はR11、R12及びR13の1つのみが塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択され、他の残基は水素原子である。
本発明の一実施態様において、式(Ic)の化合物中、XはOであり、R II、R II、R II、R IIは、上記と同じ定義であり、残基Aは、好ましくは非置換又は
一置換である。
本発明の別の実施態様において、式(Ic)の化合物中、XはNHであり、R II、R II、R II、R IIは、上記と同じ定義であり、残基Aは、好ましくは非置換又は一置換である。
本発明の別の実施態様は、式(Id)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩、ラセミ混合物、対応するエナンチオマー、若しくは、該当する場合、対応するジアステレオマーに関する:
Figure 2023549640000013
(式中、
X、R11、R12,R13、R III、R III、R III、R IIIは、上記と同じ定義である。)
好ましくは、式(Id)で表される化合物中、残基R11、R12及びR13は、独立して、水素原子、塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択される。最も好ましくは、R11、R12及びR13のすべてが水素原子であるか、又はR11、R12及びR13の1つのみが塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択され、他の残基は水素原子である。
本発明の一実施態様において、式(Id)の化合物中、XはOであり、R III、R III、R III及びR IIIは、上記と同じ定義であり、残基Aは、好ましくは非置換又は一置換である。
本発明の別の実施態様において、式(Id)の化合物中、XはNHであり、R III、R III、R III、R IIIは、上記と同じ定義であり、残基Aは、好ましくは非置換又は一置換である。
本発明の別の実施態様は、式(Ie)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩、ラセミ混合物、対応するエナンチオマー、若しくは、該当する場合、対応するジアステレオマーに関する:
Figure 2023549640000014
(式中、
X、R11、R12,R13、R IV、R IV、R IV、R IV及びRは、上記と同じ定義である。)
好ましくは、式(Ie)で表される化合物中、残基R11、R12及びR13は、独立
して、水素原子、塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択される。最も好ましくは、R11、R12及びR13のすべてが水素原子であるか、又はR11、R12及びR13の1つのみが塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択され、他の残基は水素原子である。
本発明の一実施態様において、式(Ie)の化合物中、XはOであり、R IV、R IV、R IV、R IV及びRは、上記と同じ定義であり、残基Aは、好ましくは非置換又は一置換である。
本発明の別の実施態様において、式(Ie)の化合物中、XはNHであり、R IV、R IV、R IV、R IV及びRは、上記と同じ定義であり、残基Aは、好ましくは非置換又は一置換である。
本発明の別の実施態様は、式(If)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩、ラセミ混合物、対応するエナンチオマー、若しくは、該当する場合、対応するジアステレオマーに関する:
Figure 2023549640000015
(式中、
X、R11、R12,R13、R 、R 、R 及びR は、上記と同じ定義である。)
好ましくは、式(If)で表される化合物中、残基R11、R12及びR13は、独立して、水素原子、塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択される。最も好ましくは、R11、R12及びR13のすべてが水素原子であるか、又はR11、R12及びR13の1つのみが塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択され、他の残基は水素原子である。
本発明の一実施態様において、式(If)の化合物中、XはOであり、R 、R 、R 、R は、上記と同じ定義であり、残基Aは、好ましくは非置換又は一置換である。
本発明の別の実施態様において、式(If)の化合物中、XはNHであり、R 、R 、R 、R は、上記と同じ定義であり、残基Aは、好ましくは非置換又は一置換である。
本発明の別の実施態様は、式(Ig)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩、ラセミ混合物、対応するエナンチオマー、若しくは、該当する場合、対応するジアステレオマーに関する:
Figure 2023549640000016
(式中、
X、R11、R12,R13、R VI、R VI、R VI及びR VIは、上記と同じ定義である。)
好ましくは、式(Ig)で表される化合物中、残基R11、R12及びR13は、独立して、水素原子、塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択される。最も好ましくは、R11、R12及びR13のすべてが水素原子であるか、又はR11、R12及びR13の1つのみが塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択され、他の残基は水素原子である。
本発明の一実施態様において、式(Ig)の化合物中、XはOであり、R VI、R VI、R VI及びR VIは、上記と同じ定義であり、残基Aは、好ましくは非置換又は一置換である。
本発明の別の実施態様において、式(Ig)の化合物中、XはNHであり、R VI、R VI、R VI及びR VIは、上記と同じ定義であり、残基Aは、好ましくは非置換又は一置換である。
好ましくは、式(Ia)で表される化合物は、R11、R12、R13、R、R、R及びRが表1に示すとおりである、式(I)で表される化合物からなる群から選択される:
Figure 2023549640000017

Figure 2023549640000018
Figure 2023549640000019
Figure 2023549640000020
Figure 2023549640000021
Figure 2023549640000022
Figure 2023549640000023
好ましくは、式(Ib)で表される化合物は、R11、R12、R13、R 、R 、R 及びR が表2に示すとおりである、式(I)で表される化合物からなる群から選択される:
Figure 2023549640000024

Figure 2023549640000025
Figure 2023549640000026
Figure 2023549640000027
Figure 2023549640000028
Figure 2023549640000029
Figure 2023549640000030
好ましくは、式(Ic)で表される化合物は、X、R11、R12、R13、R II、R II、R II及びR IIが表3に示すとおりである、式(I)で表される化合物からなる群から選択される:
Figure 2023549640000031

Figure 2023549640000032
Figure 2023549640000033
Figure 2023549640000034
Figure 2023549640000035
Figure 2023549640000036
Figure 2023549640000037
好ましくは、式(Id)で表される化合物は、R11、R12、R13、R III、R III、R III、R IIIが表4に示すとおりである、式(I)で表される化合物からなる群から選択される:
Figure 2023549640000038

Figure 2023549640000039
Figure 2023549640000040
Figure 2023549640000041
Figure 2023549640000042
Figure 2023549640000043
Figure 2023549640000044
好ましくは、式(Ie)で表される化合物は、R11、R12、R13、R IV、R IV、R IV、R IV及びRが表5に示すとおりである、式(I)で表される化合物からなる群から選択される:
Figure 2023549640000045

Figure 2023549640000046
Figure 2023549640000047
Figure 2023549640000048
Figure 2023549640000049
Figure 2023549640000050
Figure 2023549640000051
好ましくは、式(If)で表される化合物は、R11、R12、R13、R 、R 、R 及びR が表6に示すとおりである、式(I)で表される化合物からなる群から選択される:
Figure 2023549640000052

Figure 2023549640000053
Figure 2023549640000054
Figure 2023549640000055
Figure 2023549640000056
Figure 2023549640000057
Figure 2023549640000058
好ましくは、式(Ig)で表されるアキラル化合物は、R11、R12、R13、R VI、R VI、R VI及びR VIが表7に示すとおりである、式(I)で表される化合物からなる群から選択される:
Figure 2023549640000059

Figure 2023549640000060
Figure 2023549640000061
Figure 2023549640000062
Figure 2023549640000063
Figure 2023549640000064
Figure 2023549640000065
特に良好な結果が、本発明による以下の化合物によって得ることができる。

Figure 2023549640000066
Figure 2023549640000067
Figure 2023549640000068
表現「キラルHPLC分解能より保持時間が短いエナンチオマー」は、対応する下記のキラル分離法に記載された条件を適用した場合に、キラルHPLCにおいて最初にエナンチオマーが出現することを意味する。本発明の文脈内において、短い保持時間を有するエナンチオマーを「第1のエナンチオマー」とも称し、長い保持時間を有するものを「第2のエナンチオマー」とも称する。
上述したように、本発明による化合物及び本発明による組成物は、RPE細胞の増殖及び/又は分化を促進する。したがって、本発明による化合物は、RPE関連疾患、特に視力の喪失につながる黄斑変性症群からのRPE疾患の治療及び/又は予防に使用され得る。最も好ましくは、前記疾患は、網膜血管新生及び/又は光受容体の死をさらにもたらし得る、網膜色素上皮の萎縮、変性又は死につながる疾患である。
本発明による化合物及び組成物は、RPE細胞の増殖及び/又は分化を誘導することにより、早期加齢黄斑変性症(AMD)、乾性AMD及び地図状萎縮症(GA)並びに湿性AMDからなる黄斑変性症群の群より選択される疾患の治療及び/又は予防において、特に有用である。したがって、本発明の化合物及び組成物により、RPE細胞の機能不全及び/又は損傷により引き起こされる視力の喪失の治療のみならず、内因性RPE細胞を修復又は再生することにより、病気により引き起こされるRPE細胞の損傷を元に戻すことが可能である。
本発明の式(I)で表される化合物は、とりわけ、乾性加齢黄斑変性症(乾性AMD)及び/又は湿性加齢黄斑変性症(湿性AMD)の発症を予防するため、初期AMDが湿性AMD又は地図状萎縮症(GA)などの進行型AMDに進行することを予防するため、GAの進行を遅らせる及び/又は予防するため、AMDからの視力の喪失を予防又は減少させるため、そして、既存の初期又は進行型の乾性若しくは湿性AMDによる視力喪失を改善するために、使用され得る。血管新生型AMD患者の治療のため、又は、血管新生型AMDの予防のため、抗VEGF療法と組み合わせて使用することもできる。
本発明による化合物及び組成物はまた、先天性脈絡膜欠如、ベスト病、常染色体劣性ベストロフィノパチー(ARB)、脳回転状萎縮症、ノースカロライナ黄斑ジストロフィー、中心性輪紋状脈絡膜ジストロフィー(CACD)、ソーズビー黄斑ジストロフィー、家族性優性ドルーゼン、クチクラ又は基底膜ドルーゼン、未熟児網膜症、近視性変性症、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)、中心性漿液性網膜症、網膜色素線条症、網膜剥離、網膜離断(断裂)、Vogt-小柳-原田病(VKH)、急性後部多発性斑状色素上皮症(APMPPE)、持続性プラコイド黄斑症(PPM)、リレントレスプラコイド脈絡網膜症(RPC)、蛇行性脈絡膜炎、蛇行状脈絡膜炎(多巣性セルピジノイド脈絡膜炎)、多発消失性白点症候群(MEWDS)又はバードショットブドウ膜炎(白斑性脈絡網膜炎)からなる群より選択される疾患の治療及び/又は予防に有用である。
本発明による化合物及び組成物は、先天性脈絡膜欠如の治療に特に有用である。先天性脈絡膜欠如は、通常男性に影響を及ぼす遺伝性の視覚障害であり、結果として暗所で見ることが困難になるなどの症状をもたらし、周辺視野の進行性の喪失、続いてトンネル視野をもたらす。先天性脈絡膜欠如は、眼における全ての網膜層の広範な喪失を含み得る。この障害は、通常、色素沈着した網膜上皮、網膜、及び脈絡膜の消耗(萎縮)を伴って、小児期に始まる。本発明による化合物を用いて、疾患を治療することが可能である。
本発明による化合物及び組成物は、脈絡膜新血管形成又は血管漏出をもたらす網膜疾患からなる群より選択される疾患の治療及び/又は予防において、特に有用である。前記網膜疾患は、好ましくは、トキソプラズマ症、トキソカラ症、風疹、ベーチェット病、脈絡膜血管腫、外傷、脈絡膜破裂、並びに特発性網膜炎-血管炎-動脈瘤及び視神経網膜炎(IRVAN)からなる群より選択される。
本発明による化合物及び組成物は、交感性眼炎、術後炎症、又は非動脈炎性虚血性視神経症などの網膜の炎症及び変性、並びに糖尿病、鎌状赤血球症又は放射線網膜症などの全身性疾患に関連する網膜変性を引き起こす網膜疾患からなる群より選択される疾患の治療及び/又は予防において、特に有用である。
さらなる実施態様において、本発明は、網膜色素上皮に関与する疾患の治療及び/又は予防に使用するための医薬組成物に関し、前記医薬組成物は、薬学的に許容される担体及び/又はアジュバント;そして、治療活性物質として式(I)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩、ラセミ混合物、対応する互変異性体、対応するエナンチオマー、若しくは、該当する場合、対応するジアステレオマーを含む。
Figure 2023549640000069
[式中、
XはNH又はOのいずれかであり、
11、R12及びR13は、独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、メチル基、及びジフルオロメトキシ基からなる群より選択され、
Aは、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)及び(VIII)の残基からなる群より選択され:
Figure 2023549640000070
(式中、
“*”は、分子の残りの部分への結合点を示し、
、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R II、R II、R II、R II、R III、R III、R III、R III、R IV、R IV、R IV、R IV、R 、R 、R 、R 、R VI、R VI、R VI及びR VIは、独立して、水素原子、炭素原子数1乃至3の直鎖若しくは分岐アルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基及びジフルオロメトキシ基からなる群より選択され、
式(VI)の残基において、Rは、水素原子、炭素原子数1乃至3の直鎖若しくは分岐アルキル基、トリフルオロメチル基、及び2,2,2-トリフルオロエチル基からなる群より選択される。)]
本発明による化合物又は組成物は、単独で、あるいは1以上の追加の治療薬と組み合わせて、患者に対して投与することができる。本明細書で使用される「患者」には、ヒト、非ヒト霊長類、ラット、マウス、ウサギ、野ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、及びブタなどの哺乳動物が挙げられ、好ましくはヒトである。
本発明による医薬組成物は、1以上の追加の治療薬を含み得る。
本発明の好ましい実施態様において、医薬組成物は、薬学的に許容される担体及び/又はアジュバント;及び上記に定義される式(I)で表される化合物、好ましくは、式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)又は(Ig)で表される化合物を含む。最も好ましくは、上記表1、表2、表3、表4、表5、表6又は表7に開示される、式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)又は(Ig)で表される化合物を含む。表8に開示される化合物が、特に好ましい。
好ましくは、前記医薬組成物は、放出制御特性を提供する。本明細書における用語「放出制御医薬組成物」は、本発明の化合物を含み、そして、同じ薬物を同じ量で含む、対応する即時放出(即効型)組成物の投与後、通常経験されるよりも、投与後の薬理学的応答がより長く継続するような投与形態に製剤化されている、任意の組成物又は投与形態を指す。放出制御は、使用するマトリクスに応じて、数ヶ月まで延長され得る。好ましくは、本発明による化合物の放出は、12ヶ月までの期間にわたって、最も好ましくは6ヶ月までの期間にわたって、理想的には3ヶ月までの期間にわたって起こり、例えば1乃至4週
間であり得る。そのような放出制御製剤は、患者の快適性を高め、コストを顕著に削減することをもたらす。
本発明による医薬組成物に使用されるマトリクス物質は、疎水性放出制御剤を含み得る。好ましくは、ただし限定されないが、ポリソルベート、ポリ酢酸ビニル分散体、エチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース(低、中又は高分子量)、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、三酢酸セルロース、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、及びポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)、ビーズワックス(蜜蝋)、カルナバワックス、パラフィンワックス、微結晶ワックス、及びオゾケライトなどのワックス類;セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール及びミリスチルアルコールなどの脂肪族アルコール類、及びグリセリルモノステアレートなどの脂肪酸エステル類;グリセロールモノオレエート、アセチル化モノグリセリド、トリステアリン、トリパルミチン、セチルエステルワックス、グリセリルパルミトステアレート、グリセリルベヘネート、又は硬化植物油から選択される。
本発明の化合物は、眼への局所適用、又は、例えば硝子体、脈絡膜上、網膜下(光受容体間)又は結膜下腔への眼内注射によるもの;眼の周囲の組織への挿入又は注射によって局所的なもの;経口経路を介して全身的なもの、又は、皮下、静脈内又は筋肉内注射によるもの;又はカテーテル又はインプラントを介するものを含むが、これらに限定されない多様な経路を通じて眼に送達することができる。最も好ましくは、本発明の化合物は、硝子体内又は脈絡膜上注射により送達される。硝子体内投与は、最小限の全身暴露で、眼内における化合物の高濃度をもたらす。脈絡膜上注射は、後部組織における本発明の化合物のより高い局所濃度を可能にし得、これは、より低い用量又はより少ない頻度の投薬を可能にする。局所眼科組成物の例は、点眼剤、軟膏、ゲル、溶液及び懸濁液である。
本発明の化合物は、眼科手術中、病理学的状態の発症直後、又は急性若しくは長期の状態の発生中など、その発生を予防するために、その状態の発症前に投与することができる。
意図する投与方法に応じて、本発明による化合物は、例えば、溶液、懸濁液及びエマルションなどの液体、錠剤(タブレット)、座薬、丸薬(ピル)、カプセル、粉末などの薬学的に許容される任意の投与形態に組み込まれ得、好ましくは正確な投与量の単回投与に適した投与形態に組み込まれ得るか、又は、連続制御投与のための持続放出投与形態に組み込まれ得る。最も好ましくは液体である。
液体の薬学的に投与可能な投与形態は、例えば、溶液、懸濁液、又はエマルションであることができ、好ましくは、担体中に本発明の化合物及び、水、生理食塩水、水性デキストロース、グリセロール、ヒアルロン酸、エタノール、DMSOなどの、任意の医薬アジュバントを含む懸濁液であり得る溶液又は懸濁液形態とすることになる。所望により、投与される医薬組成物はまた、湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝剤などの、非毒性の補助物質を少量含み得る。そのような助剤の典型的な例は、酢酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミン、及びトリエタノールアミンオレエートである。
本発明はまた、式(I)で表される化合物、好ましくは式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)又は(Ig)で表される化合物、又はその薬学的に許
容される塩、ラセミ混合物、対応するエナンチオマー、若しくは、該当する場合、対応するジアステレオマーを、網膜疾患を有する患者に対して、網膜疾患の治療に効果的な量で患者の眼に送達されるように、投与することを含む、RPE関連疾患の治療及び/又は予防の方法に関する。式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)及び(Ig)で表される化合物は、先に詳細に定義されている。
細胞培養
人工多能性幹細胞由来の胎児RPE(iPSC-fRPE)細胞はカリフォルニア大学サンタバーバラ校から入手し、(該細胞は)ヒト胎児RPE細胞から生成し、単離してiPSCに再ブログラムし、そして、分化させて細胞マーカーで選別してRPE前駆体を回収した。バイアルをドライアイスで冷凍して輸送し、-80℃で保管した。
表現型スクリーニングのために、iPSC-fRPE細胞を解凍し、2.2g/Lの重炭酸ナトリウム、0.25mg/mLのタウリン、0.02μg/mLのヒドロコルチゾン、0.013μg/mLのトリヨードサイロニン、0.1μg/mLのリポ酸、1%のMEM非必須アミノ酸、1%のペニシリン/ストレプトマイシン、2%のNeurocult SM1サプリメント(補助剤)及び1%のN1サプリメント(補助剤)を添加した1XMEM溶液を含むN1VA培地を備えるマトリゲル被覆フラスコ内で培養した。初期培養では、培養の最初の24時間、チアゾビビンを2μMにて培地に添加し、その後、培地を新鮮なN1VA培地と交換し、37℃、5%のCOにてさらに3日間培養した。
iPSC-fRPE細胞を、マトリゲル被覆96ウェルプレートの1ウェル当たり10,000細胞の密度にてN1VA培地に播種し、24時間培養し、0.1%DMSO中の最終濃度5μMにて試験化合物で処理した。各試験プレートの内部対照は、陰性対照として(a)0.1%DMSO、及び、陽性対照として(b)0.1%DMSO+10ng/mlのヒト組み換え型bFGF(幹細胞)であった。
RPE色素沈着を促進する化合物を特定するために、細胞を32日間維持し、培地交換計画(レジメン)に従い、試験又は対照化合物を含む培地で処理した(図1)。Cytation5 イメージングリーダー(BIOTEK)を用いて510nmの吸光度を測定することにより、色素沈着の程度を定量化した。最終的にプレートの内部DMSO対照と比較して、色素沈着値を報告した。
RPE細胞の増殖を評価するために、化合物で処理したRPE細胞の複製を5日目に固定し、ヘキスト33342で染色して、蛍光顕微鏡で生存細胞数を測定した。プレートの内部DMSO対照と比較して、細胞数を報告した。
本発明の化合物の調製
式(I)で表される化合物は、有機化学の分野で既知の合成方法、又は、当業者によく知られている改変とともに、以下に記載された方法にて調製され得る。本明細書で使用される出発物質は、市販されているか、あるいは、「有機合成方法の概要、vol.I-XlN」(ワイリー-インターサイエンス発行、ISSN:1934-4783)などの標準的な参考書に記載の方法など、当技術分野で既知の常法によって調製され得る。好ましい方法として、ただし限定されないが、以下に記載する方法が挙げられる。
スキームは、本発明の化合物の合成において有用な方法及びサポート例を代表するものである。いずれにせよ、それらは本発明の範囲を制限するものではない。
一般的方法-合成
方法1:
スキーム1:
Figure 2023549640000071
式中、R11、R12、R13及びAは、式(I)において記載されるとおりである。Rはヒドロキシ基であるか、又はRはホウ素原子と一緒になって4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン基を形成する。
一般式(I)で表される化合物(スキーム1)は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などのパラジウム触媒及び炭酸カリウムなどの塩基の存在下で、又は有機合成に係る当業化学者に既知のその他鈴木-宮浦カップリング反応条件で、一般式(XII)及び(XIII)で表される化合物から調製され得る。一般式(XII)で表される化合物は、当業化学者に既知の手順を用いて、一般式(X)で表される化合物を、一般式(XI)で表されるカルボン酸と反応させることにより調製され得る。粗中間体は、例えば、酢酸などの溶媒中での加熱などの条件を使用して最終的に脱水することができる。
方法2:
スキーム2:
Figure 2023549640000072
式中、R11、R12、R13及びAは、式(I)において記載されるとおりである。
一般式(I)で表される化合物(スキーム2)は、当業化学者に既知の手順を用いて、一般式(XIV)で表される化合物を、一般式(XI)で表されるカルボン酸と反応させることにより調製され得る。粗中間体は、例えば、酢酸などの溶媒中での加熱などの条件を使用して最終的に脱水することができる。
方法3:
スキーム3:
Figure 2023549640000073
式中、R11、R12及びR13は、式(I)において記載されるとおりである。
一般式(XIV)で表される化合物(スキーム3)は、当業化学者に既知の手順を用いて、一般式(XVIII)で表される化合物のニトロ基を還元することにより調製され得る。一般式(XVIII)で表される化合物は、1-((イソシアノメチル)スルホニル)-4-メチルベンゼン(XVII)などの試薬の存在下、炭酸カリウムなどの塩基の存在下で反応させることにより、一般式(XVI)で表されるアルデヒドから調製され得る。一般式(XVI)で表される化合物は、一般式(XV)で表される化合物がジクロロメタンなどの溶媒に溶解した溶液にアンモニアを室温でバブリングすることによって調製され得る。
方法4:
スキーム4:
Figure 2023549640000074
式中、R11、R12、R13及びAは、式(I)において記載されるとおりである。
一般式(I)で表される化合物(スキーム2)は、一般式(XIV)で表される化合物を、一般式(XIX)で表されるアルデヒドと、1,4-ジオキサンなどの溶媒中、パラ-トルエンスルホン酸などの酸の存在下、高温で反応させることによって調製され得る。
方法5:
スキーム5:
Figure 2023549640000075
式中、R11、R12、R13及びAは、式(I)において記載されるとおりである。Rはヒドロキシ基であるか、又はRはホウ素原子と一緒になって4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン基を形成する。
一般式(I)で表される化合物(スキーム1)は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などのパラジウム触媒及び炭酸カリウムなどの塩基の存在下で、又は有機合成に係る当業化学者に既知のその他鈴木-宮浦カップリング反応条件で、一般式(XXII)及び(XIII)で表される化合物から調製され得る。一般式(XXII)で表される化合物は、塩化ホスホリルのような脱水剤の存在下、一般式(XXI)で表される化合物を処理することによって調製され得る。一般式(XXI)で表される化合物は、塩化チオニルのような試薬を用いて一般式(XI)で表される化合物を対応する塩化アシルに変換し、それらを一般式(XX)で表される化合物と反応させることによって調製され得る。
分析手法
H NMRスペクトルを、5mm外径(o.d.)チューブ[Wilmad NMRチューブ(シグマ-アルドリッチ)、薄壁5mm、長さ7インチ]中、DMSO-d/CDOD/CDCl溶液にて300.0Kで記録し、Bruker Avance NMRS-400にて、Hに関して400MHzにて集めた。化学シフト(δ)は、CDCl(CDCl=7.26ppm)、DMSO-d(DMSO-d=2.5ppm)、CDOD(CDOD=3.3ppm)に対する相対値であり、ppmで表される。CDCl、DMSO-d、及びCDODの化学シフトは、テトラメチルシラン(TMS=0.00ppm)に対する相対値であり、ppmで表される。
分析用HPLC
分析用HPLC 方法A:
Zorbax SB-C18カラム(1.8μm 4.6*15mm、Rapid ResolutionカートリッジPN 821975-932)を、DAD/ELSD及びAgilent LC/MSD VL(G1956A)、SL(G1956B)質量分析計を備えたAgilent 1100シリーズLC/MSDシステムにおいて、移動相A:アセトニトリル、0.1%ギ酸;移動相B:水(0.1%ギ酸)を、以下のグラジエント
:0min-100%B;0.01min-100%B;1.5min-0%B;1.8min-0%B;1.81min-100%Bで使用し、3ml/分のフロー速度で操作した。
分析用HPLC 方法B:
UPLCカラムYMC Triart C18(33×2.1mm、3μm)カラムを、室温で1.0mL/分のフロー速度で操作した。試料は、下記移動相で溶出した:98%[水中10mM酢酸アンモニウム]及び2%[アセトニトリル]を0.75分間保持し、次いで1.0分間90%[水中10mM酢酸アンモニウム]及び10%[アセトニトリル]にし、さらに2.0分間2%[水中10mM酢酸アンモニウム]及び98%[アセトニトリル]にした。
キラル分析HPLC
キラル分析HPLC 方法A:Chiralpak IA(250*4.6、5μm)カラムを使用するキラルクロマトグラフィー;移動相としてヘキサン-IPA-MeOH、90-5-5;フロー0.6mL/分。
分取HPLC
分取HPLC 方法A:DAD及び質量検出器を備えたAgilent 1260 Infinityシステム;Waters SunFire C18 OBD Prep Column、100A、5μm、19mm*100mm、SunFire C18 Prep Guard Cartridge、100A、10μm、19mm*10mm;30-85% HO-メタノール、0-5分、フロー速度30mL/分)。
キラル分離法
キラル分離法A:Chiralpak IA-II(250*20、5mkm)カラムを用いたキラルクロマトグラフィー;移動相としてヘキサン-IPA-MeOH、80-10-10;フロー12mL/分。
キラル分離法B:SFCキラルクロマトグラフィー(リフレクトC-アミロースA(250×30mm)5μカラム、移動相としてCO-(MeOH中0.1%アンモニア)、35%-65%、P=110bar、フロー35g/分、T=35℃。
一般的な合成手順
合成手順A:
Figure 2023549640000076
カルボン酸(1.22mmol)のDMF(5mL)溶液に、エチルビス(プロパン-2-イル)アミン(1.44mmol、1.18当量)及びHATU(1.34mmol)を添加した。得られた混合物を室温で20分間撹拌し、続いて4-(1,3-オキサゾール-5-イル)ベンゼン-1,2-ジアミン(1.34mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、この懸濁液を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(50ml)で希釈し、NaHCO水溶液(2×20ml)及び塩水(ブライン)(2×10ml)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を酢酸(5ml)に溶解し、混合物を60℃で一晩撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(50ml)で希釈し、NaHCO水溶液で塩基性化し、塩
水(ブライン)(10ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、カラムとしてSunFireC18 100*19mm 5μm(溶離液として20-50%の0-5分の水-MeCN)及びフロー30ml/分を使用する分取HPLCによって精製した。
合成手順B:
Figure 2023549640000077
アルデヒド(1.43mmol)及び4-(1,3-オキサゾール-5-イル)ベンゼン-1,2-ジアミン(1.43mmol)を1,4-ジオキサン(5ml)中で混合した。得られた混合物を5分間撹拌し、続いて4-メチルベンゼン-1-スルホン酸(0.29mmol)を添加した。反応混合物を100℃で一晩撹拌した。次に、混合物を室温まで冷却し、蒸発乾固し、フラッシュクロマトグラフィーで精製した。
中間体の合成
4-アミノ-3-ニトロベンズアルデヒドの調製
Figure 2023549640000078
4-フルオロ-3-ニトロベンズアルデヒド(50.0g、295.67mmol)のジクロロメタン(1200mL)撹拌溶液に、アンモニアを0℃で30分間吹き込んだ。混合物を室温でさらに3時間撹拌し、濃縮して、4-アミノ-3-ニトロベンズアルデヒド(45.1g、271.47mmol、収率91.8%)を得た。
2-ニトロ-4-(1,3-オキサゾール-5-イル)アニリンの調製
Figure 2023549640000079
4-アミノ-3-ニトロベンズアルデヒド(45.1g、271.47mmol)のメタノール(800ml)溶液を、1-イソシアノメタンスルホニル-4-メチルベンゼン(79.5g、407.2mmol)及び炭酸カリウム(39.39g、285.04mmol)で処理した。反応混合物を還流下で90分間加熱した。次いで、冷却した溶液を濃縮し、水(750ml)で処理した。混合物を酢酸エチル(4×250ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水(ブライン)、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにて精製し、2-ニトロ-4-(1,3-オキサゾール-5-イル)アニリン(10.1g、49.23mmol、収率18.1%)を得た。
4-(1,3-オキサゾール-5-イル)ベンゼン-1,2-ジアミンの調製
Figure 2023549640000080
Pd(OH)(410.75mg、2.92mmol)(20%w/w)を、2-ニトロ-5-(1,3-オキサゾール-5-イル)アニリン(3.0 g、14.62mmol)のTHF(50mL)溶液に添加した。得られた混合物を水素雰囲気下、室温及び大気圧で一晩撹拌した。触媒を濾過により除去し、溶媒を蒸発させて、4-(1,3-オキサゾール-5-イル)ベンゼン-1,2-ジアミン(2.1g、11.99mmol、収率82%)を得た。
5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-[トリス(プロパン-2-イル)シリル]-1,3-オキサゾールの調製
Figure 2023549640000081
2-[トリス(プロパン-2-イル)シリル]-1,3-オキサゾール(2.07g、9.18mmol)の60ml乾燥THF撹拌溶液に、n-ブチルリチウムの2.5モル溶液(11.0mmol、4.4mL、1.2当量)をアルゴン下、-78℃で滴下した。得られた混合物を-78℃で1時間撹拌し、続いてTHF10ml中のトリス(プロパン-2-イル)ボレート(3.45g、18.37mmol、4.21ml、2.0当量)の溶液をこの温度で滴下した。反応混合物を-78℃で2時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。次いで、2,3-ジメチルブタン-2,3-ジオール(1.09g、9.18mmol)及び酢酸(827.29mg、13.78mmol、800.0μl、1.5当量)を添加した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。その後、懸濁液を蒸発させ、残渣を水で希釈した。生成物を酢酸エチルで抽出し、塩水(ブライン)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて、5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-[トリス(プロパン-2-イル)シリル]-1,3-オキサゾール(3.0g、純度85.0%、7.26mmol、収率79%)を得た。
N-(5-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)クロマン-3-カルボキサミドの調製
Figure 2023549640000082
クロマン-3-カルボン酸(2g、11.23mmol)をSOCl(2mL、28.09mmol)に溶解し、窒素雰囲気下、室温で24時間撹拌した。その後、反応混合物を真空中で濃縮し、窒素雰囲気下でジクロロメタン(10mL)で希釈し、蒸発プロセスを2回繰り返した。丸底フラスコに、ジクロロメタン(6mL)中の2-アミノ-4-ブロモフェノール(2.3g、12.36mmol)をピリジン(1mL、12.36mmol)と共に添加した。混合物を室温で15分間撹拌した。上記の新たに調製したクロマ
ン-3-カルボニルクロリド(2)を含有する第2の丸底フラスコに、室温で、ジクロロメタン(4mL)、続いてジクロロメタン中の2-アミノ-4-ブロモフェノール(1)を含有する上記混合物を添加した。合わせた反応混合物を室温で18時間撹拌した。粗反応混合物をジクロロメタンで抽出し、水で洗浄した。合わせた有機部分を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させた。粗生成物をアミンシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、N-(5-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)クロマン-3-カルボキサミド(3)(1.3g、33%)を得た。
5-ブロモ-2-(クロマン-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾールの調製
Figure 2023549640000083
N-(5-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)クロマン-3-カルボキサミド(2.5g、7.18mmol)の1,4-ジオキサン(2mL)攪拌溶液に、POCl(8mL、86.2mmol)を加え、反応混合物を密封し、110℃で2時間還流した。その後、反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、5-ブロモ-2-(クロマン-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール(800mg、33%)を得た。
化合物(1):「第1」(R)-5-(2-(クロマン-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)オキサゾール
Figure 2023549640000084
3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-カルボン酸(5.0g、28.07mmol)のDMF(200mL)溶液に、DIPEA(4.28g、33.13mmol、5.77ml、1.18当量)及びHATU(11.74g、30.88mmol)を加えた。得られた混合物を室温で20分間撹拌し、続いて4-(1,3-オキサゾール-5-イル)ベンゼン-1,2-ジアミン(5.41g、30.88mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、この混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(250mL)で希釈し、NaHCO水溶液(2×80mL)及び塩水(ブライン)(2×50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。さらに精製することなく、得られた粗生成物を酢酸(100mL)に溶解し、混合物を60℃で一晩撹拌した。得られた溶液を減圧下で蒸発させ、酢酸エチル(250mL)で希釈し、NaHCO水溶液で塩基性化し、塩水(ブライン)(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC方法Aを用いて精製して、5-(2-(クロマン-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)オキサゾールを得た。
キラル分離法Aを用いる5-(2-(クロマン-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)オキサゾールのキラル分離により、保持時間19.7分で特徴付けられる化合物(1)(603.3mg)を得た。
[α] 25=-12.00(c=0.25、MeOH)。
[M+H]m/z:318.2
H NMR(DMSO-d, 400MHz):δ(ppm)3.23(m,2H),3.59(m,1H),4.27(t,1H),4.59(d,1H),6.80(d,1H),6.88(t,1H),7.10(t,1H),7.17(d,1H),7.56(d,1H),7.62(m,2H),7.86(s,1H),8.41(s,1H),12.57(s,1H)。
X線により構造を確認した。
化合物(2):「第2」(S)-5-(2-(クロマン-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)オキサゾール
Figure 2023549640000085
3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-カルボン酸(5.0g、28.07mmol)のDMF(200mL)溶液に、DIPEA(4.28g、33.13mmol、5.77ml、1.18当量)及びHATU(11.74g、30.88mmol)を加えた。得られた混合物を室温で20分間撹拌し、続いて4-(1,3-オキサゾール-5-イル)ベンゼン-1,2-ジアミン(5.41g、30.88mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、この混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(250mL)で希釈し、NaHCO水溶液(2×80mL)及び塩水(ブライン)(2×50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。さらに精製することなく、得られた粗生成物を酢酸(100mL)に溶解し、混合物を60℃で一晩撹拌した。得られた溶液を減圧下で蒸発させ、酢酸エチル(250mL)で希釈し、NaHCO水溶液で塩基性化し、塩水(ブライン)(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC方法Aを用いて精製して、5-(2-(クロマン-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)オキサゾールを得た。
キラル分離法Aを用いる5-(2-(クロマン-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)オキサゾールのキラル分離により、保持時間27.4分で特徴付けられる化合物(2)(607.5mg)を得た。
[α] 25=+13.56(c=0.25、MeOH)。
[M+H]m/z:318.2
H NMR(DMSO-d、400MHz):δ(ppm)3.25(m,2H),3.59(m,1H),4.27(t,1H),4.59(m,1H),6.80(d,1H),6.88(t,1H),7.10(t,1H),7.17(d,1H),7.61(m,3H),7.86(d,1H),8.41(s,1H),12.63(s,1H)。
化合物(3):2-(2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-2-イル)-6-(1,3-オキサゾール-5-イル)-1H-1,3-ベンゾジアゾール
Figure 2023549640000086
2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-2-カルボン酸(0.2g)を合成手順Aと組み合わせて使用して、2-(2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-2-イル)-6-(1,3-オキサゾール-5-イル)-1H-1,3-ベンゾジアゾール(63mg、収率1
4.0%)を得た。
分析用HPLC 方法A。[M+H]m/z:304.2;Rt=2.35分
化合物(4):2-(7-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)-6-(1,3-オキサゾール-5-イル)-1H-1,3-ベンゾジアゾール
Figure 2023549640000087
7-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-カルボン酸(0.2g)を合成手順Aと組み合わせて使用して、2-(7-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)-6-(1,3-オキサゾール-5-イル)-1H-1,3-ベンゾジアゾール(68mg、収率15.1%)を得た。
分析用HPLC 方法A。[M+H]m/z:336.2;Rt=2.35分
化合物(5):2-(6-クロロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)-6-(1,3-オキサゾール-5-イル)-1H-1,3-ベンゾジアゾール
Figure 2023549640000088
6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-カルボニルクロリド(0.17g)を合成手順Aと組み合わせて使用して、2-(6-クロロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)-6-(1,3-オキサゾール-5-イル)-1H-1,3-ベンゾジアゾール(70mg、収率15.8%)を得た。
分析用HPLC 方法A。[M+H]m/z:352.0;Rt=2.54分
化合物(6):2-(6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)-6-(1,3-オキサゾール-5-イル)-1H-1,3-ベンゾジアゾール
Figure 2023549640000089
6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-カルボン酸(0.2g)を合成手順Aと組み合わせて使用して、2-(6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)-6-(1,3-オキサゾール-5-イル)-1H-1,3-ベンゾジアゾール(39mg、収率8.6%)を得た。
分析用HPLC 方法A。[M+H]m/z:354.2;Rt=2.47分
化合物(7):2-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-6-(1,3-オキサゾール-5-イル)-1H-1,3-ベンゾジアゾール
Figure 2023549640000090
2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルバルデヒド(0.098g)を合成手順Bと組み合わせて使用して、2-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-6-(1,3-オキサゾール-5-イル)-1H-1,3-ベンゾジアゾール(30mg、収率10%)を得た。
分析用HPLC 方法A。[M+H]m/z:302.2;Rt=1.94分
化合物(8):2-(3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)-7-フルオロ-5-(1,3-オキサゾール-5-イル)-1H-1,3-ベンゾジアゾール
Figure 2023549640000091
ステップ1:6-ブロモ-2-(3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)-4-フルオロ-1H-1,3-ベンゾジアゾール
3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-カルボン酸(3.95g、22.17mmol)のDMF(100mL)溶液に、エチルビス(プロパン-2-イル)アミン(3.38g、26.16mmol、4.56ml、1.18当量)及びHATU(9.27g、24.39mmol)を加えた。得られた混合物を20分間撹拌し、続いて5-ブロモ-3-フルオロベンゼン-1,2-ジアミン(5.0g、24.39mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。得られたものを減圧下で濃縮し、酢酸エチル(250mL)で希釈し、NaHCO水溶液(2×75mL)及び塩水(ブライン)(2×50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾別し、減圧下で濃縮した。さらに精製することなく、粗生成物を酢酸(100mL)に溶解し、混合物を60℃で一晩撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(250mL)で希釈し、NaHCO水溶液で塩基性化し、塩水(ブライン)(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにて精製し、6-ブロモ-2-(3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)-4-フルオロ-1H-1,3-ベンゾジアゾール(4.2g、12.1mmol、収率54.6%)を得た。
ステップ2:2-(3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)-7-フルオロ-5-2-[トリス(プロパン-2-イル)シリル]-1,3-オキサゾール-5-イル-1H-1,3-ベンゾジアゾール
5-ブロモ-2-(3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)-7-フルオロ-1H-1,3-ベンゾジアゾール(2.72g、7.83mmol)の40mL乾燥ジメトキシエタンと13.5mL水との攪拌溶液に、アルゴン下で、5-(4,4,5
,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-[トリス(プロパン-2-イル)シリル]-1,3-オキサゾール(5.5g、15.65mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(907.54mg、782.63μmol)及び炭酸カリウム(3.24g、23.48mmol)を添加した。反応混合物を室温で20分間、次いで80℃で一晩撹拌した。混合物を蒸発乾固させ、フラッシュクロマトグラフィーにて精製し、2-(3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)-7-フルオロ-5-2-[トリス(プロパン-2-イル)シリル]-1,3-オキサゾール-5-イル-1H-1,3-ベンゾジアゾール(2.9g、5.9mmol、収率75.4%)を得た。
ステップ3:2-(3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)-4-フルオロ-6-(1,3-オキサゾール-5-イル)-1H-1,3-ベンゾジアゾール
2-(3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)-7-フルオロ-5-2-[トリス(プロパン-2-イル)シリル]-1,3-オキサゾール-5-イル-1H-1,3-ベンゾジアゾール(2.9g、5.9mmol)の1.5mLTHF撹拌溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(7.71g、29.49mmol、8.54ml、5.0当量)のTHF溶液を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、蒸発させ、水で希釈した。酢酸エチルで抽出し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(SiO、移動相としてCHCl-MeCN)にて精製し、2-(3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)-4-フルオロ-6-(1,3-オキサゾール-5-イル)-1H-1,3-ベンゾジアゾール(1.3g、3.88mmol、収率65.7%)を得た。
分析用HPLC 方法A。[M+H]m/z:336.2;Rt=2.76分
化合物(9):2-(3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)-4-フルオロ-5-(1,3-オキサゾール-5-イル)-1H-1,3-ベンゾジアゾール
Figure 2023549640000092
4-ブロモ-3-フルオロベンゼン-1,2-ジアミン(1g)を、化合物12と同じ3つのステップの合成手順及びモル比で使用して、6-クロロ-2-(3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)-5-(1,3-オキサゾール-5-イル)-1H-1,3-ベンゾジアゾール(54mg)を得た。
分析用HPLC 方法A。[M+H]m/z:336.0;Rt=2.66分
化合物(10):「第2」2-(クロマン-3-イル)-6-(オキサゾール-5-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
Figure 2023549640000093
6-ブロモ-2-(クロマン-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(400mg、1.21mmol)の1,4-ジオキサン及び水(4:1)の混合(15mL)撹拌溶液に、5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)オキサゾール(261mg、1.33mmol)及びNaCO(258mg、2.43mmol)を封管中室温で添加した。得られた反応混合物を室温で20分間脱気し、続いてPdCl(dppf)-ジクロロメタン錯体(99mg、0.12mmol)を添加し、100℃で6時間撹拌した。反応混合物を濾過し、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、ラセミ体5-(2-(クロマン-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)オキサゾール(170mg、46%)を得た。
キラル分離法Bを用いる5-(2-(クロマン-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)オキサゾールのキラル分離により、保持時間11.3分で特徴付けられる「第2」2-(クロマン-3-イル)-6-(オキサゾール-5-イル)ベンゾ[d]オキサゾールを得た(120mg)。
分析用HPLC 方法B。[M+H]m/z:319.2;Rt=1.87分
化合物(11):「第1」2-(クロマン-3-イル)-6-(オキサゾール-5-イル)ベンゾ[d]オキサゾール
Figure 2023549640000094
6-ブロモ-2-(クロマン-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(400mg、1.21mmol)の1,4-ジオキサン及び水(4:1)の混合(15mL)撹拌溶液に、5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)オキサゾール(261mg、1.33mmol)及びNaCO(258mg、2.43mmol)を封管中室温で添加した。得られた反応混合物を室温で20分間脱気し、続いてPdCl(dppf)-ジクロロメタン錯体(99mg、0.12mmol)を添加し、100℃で6時間撹拌した。反応混合物を濾過し、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、ラセミ体5-(2-(クロマン-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)オキサゾール(170mg、46%)を得た。
キラル分離法Bを用いる5-(2-(クロマン-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)オキサゾールのキラル分離により、保持時間10.1分で特徴付けられる「第1」2-(クロマン-3-イル)-6-(オキサゾール-5-イル)ベンゾ[d]オキサゾールを得た(102mg)。
分析用HPLC 方法B。[M+H]m/z:319.2;Rt=1.87分
欧州特許第2 302 076号明細書(EP 2 302 076) 米国特許第9’815’819号明細書(US 9’815’819) 国際公開第2015/138628号(WO 2015/138628) オーストラリア特許第2019/226198号明細書(AU 2019/226198) 中国特許第103656742号明細書(CN 103656742) ロシア特許第2628697号明細書(RU 2628697) PCT/US19/68768号明細書
RPE細胞の増殖を評価するために、化合物で処理したRPE細胞の複製を5日目に固定し、ヘキスト33342で染色して、蛍光顕微鏡で生存細胞数を測定した。プレートの内部DMSO対照と比較して、細胞数を報告した。

Claims (23)

  1. 式(I)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩、ラセミ混合物、対応するエナンチオマー、若しくは、該当する場合、対応するジアステレオマー:
    Figure 2023549640000095
    [式中、
    XはNH又はOのいずれかであり、
    11、R12及びR13は、独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、メチル基、及びジフルオロメトキシ基からなる群より選択され、
    Aは、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)又は(VIII)の残基からなる群より選択され:
    Figure 2023549640000096
    (式中、
    “*”は、分子の残りの部分への結合点を示し、
    、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R II、R II、R II、R II、R III、R III、R III、R III、R IV、R IV、R IV、R IV、R 、R 、R 、R 、R VI、R VI、R VI及びR VIは、独立して、水素原子、炭素原子数1乃至3の直鎖若しくは分岐アルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基及びジフルオロメトキシ基からなる群より選択され、
    式(VI)の残基において、Rは、水素原子、炭素原子数1乃至3の直鎖若しくは分岐アルキル基、トリフルオロメチル基、及び2,2,2-トリフルオロエチル基からなる群より選択される。)]
  2. 式(I)で表される化合物中、式(II)、(III)、(IV)及び(V)の残基の環位置*の不斉中心又は式(VI)の残基の側鎖上の不斉中心は、以下の式(Ii)の化合物に示される立体配置を有する、請求項1に記載の化合物。
    Figure 2023549640000097
    [式中、
    X、R、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R II、R II、R II、R II、R III、R III、R III、R III、R IV、R IV、R IV及びR IVは、上記と同じ定義である。]
  3. 式(I)で表される化合物中の不斉中心**が、以下に示される立体配置を有する、請求項1に記載の化合物。
    [式中、
    、R 、R 、R 及びRは、上記と同じ定義である。]
  4. 式(I)で表される化合物中、式(II)、(III)、(IV)、(V)の残基の環位置*の不斉中心又は式(VI)の残基の側鎖上の不斉中心は、以下の式(Iii)の化合物に示される立体配置を有する、請求項1に記載の化合物。
    Figure 2023549640000099
    [式中、
    X、R、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R II、R II、R II、R II、R III、R III、R III、R III、R IV、R IV、R IV及びR IVは、上記と同じ定義である。]
  5. 式(I)で表される化合物中の不斉中心**が、以下に示される立体配置を有する、請求項1に記載の化合物。
    [式中、
    、R 、R 、R 及びRは、上記と同じ定義である。]
  6. 式(I)で表される化合物中、R11、R12及びR13は、独立して、水素原子、塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
  7. XがOである、請求項1に記載の化合物。
  8. XがNHである、請求項1に記載の化合物。
  9. 残基Aが非置換である、請求項1に記載の化合物。
  10. 残基Aが一置換である、請求項1に記載の化合物。
  11. 残基Aが一置換であり、R、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R II、R II、R II、R II、R III、R III、R III、R III、R IV、R IV、R IV、R IV、R 、R 、R 、R 、R VI、R VI、R VI及びR VIのうちの1つが、塩素原子及びフッ素原子からなる群より選択され、残りの残基が水素原子である、請求項10に記載の化合物。
  12. 式(I)の化合物が、化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10及び11からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。

    Figure 2023549640000101
    Figure 2023549640000102
  13. 有効成分として網膜色素上皮に関与する疾患の治療及び/又は予防に使用するための式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、ラセミ混合物、対応するエナンチオマー、
    若しくは、該当する場合、対応するジアステレオマー:
    Figure 2023549640000103
    [式中、
    XはNH又はOのいずれかであり、
    11、R12及びR13は、独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、メチル基、及びジフルオロメトキシ基からなる群より選択され、
    Aは、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)及び(VIII)の残基からなる群より選択され:
    Figure 2023549640000104
    (式中、
    “*”は、分子の残りの部分への結合点を示し、
    、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R II、R II、R II、R II、R III、R III、R III、R III、R IV、R IV、R IV、R IV、R 、R 、R 、R 、R VI、R VI、R VI及びR VIは、独立して、水素原子、炭素原子数1乃至3の直鎖若しくは分岐アルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基及びジフルオロメトキシ基からなる群より選択され、
    式(VI)の残基において、Rは、水素原子、炭素原子数1乃至3の直鎖若しくは分岐アルキル基、トリフルオロメチル基、及び2,2,2-トリフルオロエチル基からなる群より選択される。)]
  14. 式(I)の化合物が、化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10及び11からなる群より選択される、請求項13に記載の化合物。

    Figure 2023549640000105
    Figure 2023549640000106
  15. 網膜細胞が、網膜色素上皮細胞の増殖及び/又は分化を介して再生される、請求項13に記載の化合物。
  16. 網膜疾患が、網膜色素上皮の萎縮、変性又は死につながる疾患からなる群より選択される、請求項13に記載の化合物。
  17. 前記網膜疾患が、早期加齢黄斑変性症、乾性加齢黄斑変性症、地図状萎縮症(GA)及び湿性加齢黄斑変性症からなる群より選択される、請求項16に記載の化合物。
  18. 前記網膜疾患が、乾性加齢黄斑変性症である、請求項17に記載の化合物。
  19. 前記網膜疾患が、先天性脈絡膜欠如、ベスト病、常染色体劣性ベストロフィノパチー(ARB)、脳回転状萎縮症、ノースカロライナ黄斑ジストロフィー、中心性輪紋状脈絡膜ジストロフィー(CACD)、ソーズビー黄斑ジストロフィー、家族性優性ドルーゼン、クチクラ又は基底膜ドルーゼン、未熟児網膜症、近視性変性症、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)、中心性漿液性網膜症、網膜色素線条症、網膜剥離、網膜離断(断裂)、Vogt-小柳-原田病(VKH)、急性後部多発性斑状色素上皮症(APMPPE)、持続性プラコイド黄斑症(PPM)、リレントレスプラコイド脈絡網膜症(RPC)、蛇行性脈絡膜炎、蛇行状脈絡膜炎(多巣性セルピジノイド脈絡膜炎)、多発消失性白点症候群(MEWDS)又はバードショットブドウ膜炎(白斑性脈絡網膜炎)、トキソプラズマ症、トキソカラ症、風疹、ベーチェット病、脈絡膜血管腫、外傷、脈絡膜破裂、特発性網膜炎-血管炎-動脈瘤及び視神経網膜炎(IRVAN)、交感性眼炎、術後炎症、又は非動脈炎性虚血性視神経症、並びに、糖尿病、鎌状赤血球症又は放射線網膜症などの全身性疾患に関連する網膜変性からなる群より選択される、請求項13に記載の化合物。
  20. 治療活性物質として式(I)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩、ラセミ混合物、対応するエナンチオマー、若しくは、該当する場合、対応するジアステレオマー、並びに薬学的に許容される担体及び/又はアジュバントを含む、網膜色素上皮に関与する疾患の治療及び/又は予防に使用するための医薬組成物:
    Figure 2023549640000107
    [式中、
    XはNH又はOのいずれかであり、
    11、R12及びR13は、独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、メチル基、及びジフルオロメトキシ基からなる群より選択され、
    Aは、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)又は(VIII)の残基からなる群より選択され:
    Figure 2023549640000108
    (式中、
    “*”は、分子の残りの部分への結合点を示し、
    、R、R、R、R 、R 、R 、R 、R II、R II、R II、R II、R III、R III、R III、R III、R IV、R IV、R IV、R IV、R 、R 、R 、R 、R VI、R VI、R VI及びR VIは、独立して、水素原子、炭素原子数1乃至3の直鎖若しくは分岐アルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基及びジフルオロメトキシ基からなる群より選択され、
    式(VI)の残基において、Rは、水素原子、炭素原子数1乃至3の直鎖若しくは分岐アルキル基、トリフルオロメチル基、及び2,2,2-トリフルオロエチル基からなる群より選択される。)]
  21. 医薬製剤は、眼内注射、好ましくは硝子体内注射若しくは脈絡膜上注射、又は局所眼科適用に適する、請求項20に記載の医薬組成物。
  22. さらに、1以上の追加の治療薬を含む、請求項20に記載の医薬組成物。
  23. 医薬組成物は、放出制御特性を提供する、請求項20に記載の医薬組成物。
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