JP2023542165A - エピロビウム・フレイスケリ(epilobium fleischeri)抽出物の新規な利用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、プレバイオティクスとして使用するためのエピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium Fleischeri)抽出物に関する。【選択図】なし
Description
本発明は、プレバイオティクスとして使用するためのエピロビウム(Epilobium)抽出物、例えば好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium Fleischeri)抽出物に関する。
皮膚は、生物の最も外側の保護カバーであり、体内で最大の器官である。これはバリアとして機能し、外的要因から体を保護する。さらに、皮膚の表面には、皮膚マイクロバイオーム(しばしば皮膚微生物叢とも呼ばれる)を形成する多種多様な微生物が生息していることがよく知られている。常在微生物叢は表皮の上部に見られ、毛包及びその周辺に集まっている。人間の皮膚の微生物の大部分は、宿主に利益をもたらす細菌である(一般に常在菌又は善玉菌と呼ばれる)。このような常在菌は、一般的に、保護された生態的地位から恩恵を受けながら、宿主と平和的に共存している。しかしながら、微生物叢には、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus(S.aureus))、コリネバクテリウム・ツベルクロステアリカム(Corynebacterium tuberculostearicum(C.tuberculostearicum))、及びコリネバクテリウム・クロッペンステディ(Corynebacterium kroppenstedtii)などの有害な又は潜在的に有害な細菌(悪玉菌、病原性微生物とも呼ばれる)を含むか又はそれにさらされることもあり、後者の2つは、重大な感染でますます関与する「コリネフォルム(coryneform)」として定義されている日和見細菌のグループの一部である。病原性微生物は、特にその存在が特定の閾値を超えた場合、皮膚に存在している間に宿主に有害な場合がある。しかし、例えば摂取や皮膚の切り傷などにより人体に侵入すると、これらの細菌は明らかに有害になる可能性がある。そのため、善玉菌と悪玉菌の均衡状態が崩れると、病気になるきっかけになることがある。したがって、マイクロバイオームのバランスを得て維持すること、すなわち人体の表面、例えば皮膚を健康で感染のない状態に維持することは、多くの場合人々に望まれる。
マイクロバイオームの均衡は、1種以上の抗菌化合物を含む局所用組成物の適用により、例えば悪玉菌を減らすことによって達成することができる。しかしながら、そのような局所用組成物に含まれているほとんどの抗菌化合物は、全てではないとしても、選択的には作用しない。言い換えると、抗菌化合物は悪玉菌だけに選択的に作用するのではなく、善玉菌にも作用する。そのため、このような局所用組成物を使用すると、望ましくない善玉菌の数の減少を招くことが多い。さらに、そのような抗生物質化合物は、非常に望ましくない抗生物質耐性を助長する可能性がある。
皮膚の健康に良い影響を与えることが知られている細菌は、スタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis);マイクロコッカス・ユナネンシス(Micrococcus yunnanensis);コリネバクテリウム・グラヌロサム(Corynebacterium granulosum)、コリネバクテリウム・アコレンス(Corynebacterium accolens)である。
スタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)は、MRSAを含むスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)の臨床的に関連する菌株に対して強力な活性を持つバクテリオシンであるホミニシンを産生することが示されている。
スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)は、一般的によく知られている皮膚常在菌である。現在の研究からは、この細菌が健康なマイクロバイオームの重要な構成要素であり、病原性アクネ菌(C.acnes)の過剰なコロニー形成と炎症を抑制することによって、にきびに有益な役割も担っていることが繰り返し確認されている。
コリネバクテリウム・アコレンス(Corynebacterium accolens)は、生体内で皮膚表面のトリアシルグリセリドを加水分解し、抗肺炎球菌遊離脂肪酸を放出することができる。したがって、C.アコレンス(C.accolens)は、ヒトのマイクロバイオームを形成する上で有益な役割を果たす。
コリネバクテリウム・グラヌロサム(Corynebacterium granulosum)は、皮膚微生物叢の一部として、皮脂が多い場所で見られるが、アクネ菌(Cutibacterium acnes)よりもはるかに少ない存在量である。C.グラヌロサム(C.granulosum)は、角質層及び毛包においてアクネ菌(C.acnes)と共存するため、アクネ菌(C.acnes)はC.グラヌロサム(C.granulosum)と競合すると考えられる。丘疹膿疱性酒さ患者の皮膚微生物叢はC.グラヌロサム(C.granulosum)が減少していることが報告されており、これは、この種が潜在的な病原菌の増殖を回避することにより、正常な皮膚バリアを維持する上で重要な役割を果たしている可能性があることを示唆している。また、C.グラヌロサム(C.granulosum)が宿主の免疫系を刺激できることも示されている。
マイクロコッカス・ユナネンシス(Micrococcus yunnanensis)は、M.ルテウス(M.luteus)群の一部である。M.ルテウス(M.luteus)は非病原性種である。これらは、環境汚染物質の解毒又は生物分解のために使用することもできる。
他方で、皮膚の健康に悪影響を及ぼすことが知られている微生物は、スタフィロコッカス・カピティス(Staphylococcus capitis);コリネバクテリウム・ツベルクロステアリカム(Corynebacterium tuberculostearicum);ラウソネラ・クレベランデンシス(Lawsonella clevelandensis)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、及びC.クロッペンステディ(C.kroppenstedtii)である。
スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)は、主にアトピー性皮膚炎の発症に関連する皮膚病原菌としてよく知られている。
スタフィロコッカス・カピティス(Staphylococcus capitis)は、特に頭部及び頭皮の常在菌であり、皮脂腺と親和性を有しており、ナッツ(nut)は日和見病原菌としても知られており、にきびの形成に関与していると推定されている。
コリネバクテリウム・ツベルクロステアリカム(Corynebacterium tuberculostearicum)は親油性の種である。親油性コリネバクテリアは、入院患者の感染症に関与する可能性があり、しばしば抗菌薬に対して多剤耐性を示すことから、特に関連性の高いサブグループである。C.ツベルクロステアリカム(C.tuberculostearicum)は、皮膚細胞においてnf-κBを介して炎症カスケードを引き起こすことが示されているため、炎症性皮膚疾患に重要な役割を果たすとされている。
ラウソネラ・クレベランデンシス(Lawsonella clevelandensis)は最近発見された皮膚の常在菌叢の一部である。成人の鼻孔でよく見られ(鼻孔マイクロバイオーム)、これは病原性の低い細菌であると考えられる。しかしながら、L.クレベランデンシス(L.clevelandensis)による感染の発生は、様々なタイプの膿瘍の形成で観察されているため、通常の微生物学的方法ではおそらく過小評価されている。
コリネバクテリウム・クロッペンステディ(Corynebacteriumkroppenstedtii)は、日和見病原菌と考えられており、皮膚の発赤、炎症性皮膚疾患、及び酒さに関連している。
マイクロバイオームの一部としての個々の微生物の様々な役割及び特性に基づいて、これはよく均衡した健康的な組成を必要とする。人体における特定のメカニズムは、マイクロバイオームの均衡に貢献している。例えば、皮膚など人体の表面に豊富に存在する主要な細胞タイプの1つであるケラチノサイトは、抗菌ペプチド(自然な防御システム)を分泌し、これが悪玉菌からの攻撃に対する皮膚の下塗りになることが知られている。
しかし、マイクロバイオームの均衡は、悪玉菌よりも善玉菌の増殖を促進するプレバイオティクスを利用することによって達成又はサポートされる場合もある。したがって、プレバイオティクスの使用は、善玉菌から得られる利益の増加をもたらす。善玉菌は、例えば栄養素の利用可能性について悪玉菌と競合し、代謝物を分泌することによって、宿主に利益をもたらすとされている。
「エピロビウム・フレイスケリ(Epilobium Fleischeri)」などの「エピロビウム(Epilobium)」抽出物は、皮脂の調節、脂性皮膚の処置、及び生体内のアクネ菌(C.acnes)の低減に使用される化粧品成分である。しかしながら、その他のもの、例えば特に皮膚常在菌や潜在的な病原性微生物に対する効果については、何も知られていない。
今回、驚くべきことに、エピロビウム・フレイスケリ(Epilobium Fleischeri)抽出物を人体の表面に適用する場合に使用すると、マイクロバイオームの均衡が保たれることが見出された。このようにして得られるマイクロバイオームの均衡は、プレバイオティクスとして機能するエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium Fleischeri)抽出物により得られることも見出された。つまり、これは悪玉菌よりも善玉菌の増殖を優先的に促進する。
マイクロバイオームの均衡が保たれることの利益は、様々なメカニズムを通して起こり得るものであり、マイクロバイオームの均衡を提供する全ての物質がプレバイオティクスであることによって起こる必要はない。本出願における発明は、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物などのエピロビウム(Epilobium)抽出物が、プレバイオティクスとして挙動するという発見によるものであり、このことは本発明者らの知る限りこれまで知られていなかった。
したがって、第1の態様では、本発明は、人体の外表面に適用される場合のプレバイオティクスとしてのエピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物の使用に関する。
プレバイオティクス効果は、エピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物が、非処置対照、すなわちエピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物で処置されていない対照と比較して、皮膚マイクロバイオームにおいて、悪玉菌の増殖、例えば好ましくはスタフィロコッカス・カピティス(Staphylococcus capitis);コリネバクテリウム・ツベルクロステアリカム(Corynebacterium tuberculostearicum);ラウソネラ・クレベランデンシス(Lawsonella clevelandensis)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、及びC.クロッペンステディ(C.kroppenstedtii)のうちの少なくとも1つ、好ましくは全ての増殖と比較して、善玉菌の増殖、例えば好ましくはスタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis);マイクロコッカス・ユナネンシス(Micrococcus yunnanensis);キューティバクテリウム・グラヌロサム(Cutibacterium granulosum)、コリネバクテリウム・アコレンス(Corynebacterium accolens)のうちの少なくとも1つ、好ましくは全ての増殖を促進することを特徴とする。
別の態様では、本発明は、人体の表面に適用された際にマイクロバイオームの均衡を保つために使用するためのエピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物に関する。
エピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物が、皮膚マイクロバイオームにおいて、悪玉菌の増殖、例えば好ましくはスタフィロコッカス・カピティス(Staphylococcus capitis);コリネバクテリウム・ツベルクロステアリカム(Corynebacterium tuberculostearicum);ラウソネラ・クレベランデンシス(Lawsonella clevelandensis)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、及びC.クロッペンステディ(C.kroppenstedtii)のうちの少なくとも1つ、好ましくは全ての増殖と比較して、善玉菌の増殖、例えば好ましくはスタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis);マイクロコッカス・ユナネンシス(Micrococcus yunnanensis);キューティバクテリウム・グラヌロサム(Cutibacterium granulosum)、コリネバクテリウム・アコレンス(Corynebacterium accolens)のうちの少なくとも1つ、好ましくは全ての増殖を優先的に促進することが見出されたため、このようにして得られるマイクロバイオームの均衡は、プレバイオティクスとして機能するエピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物によるものである。
本明細書で使用されるエピロバム(Epilobum)抽出物という用語は、それぞれの花、葉、及び/又は茎の抽出から得られる、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)、エピロビウム・パルビフロラム(Epilobium Parviflorum)及び/又はエプリオビウム・アングスティフォリウム(Epliobium Angustifolium)などの任意のエピロビウム(Epilobium)種からのエピロバム(Epilobum)抽出物を包含する。
好適な抽出物は、特にエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)及びエピロビウム・アングスティフォリウム(Epilobium Angustifolium)の抽出物を包含する。本発明の全ての実施形態において最も好ましいのは、本明細書に示される全ての定義及び優先度を有するエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物である。
本発明によるエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物は、植物の花/葉及び茎の抽出によって得られ、DSM Nutritional productsからALPAFLOR(登録商標)ALP(登録商標)-SEBUMとして市販されている。
本発明による目的に適したエピロビウム・アングスティフォリウム(Epilobium Angustifolium)抽出物は、Luca sMeyer CosmeticsからDefenscalp(商標)として市販されている。
本発明による目的に適したエピロビウム・パルビフロラム(Epilobium Parviflorum)抽出物は、Kingherbsから市販されている。
好ましくは、本発明の全ての実施形態において、エピロビウム(Epilobium)抽出物は、水、エタノール、グリセリン、グリコール、又はそれらの混合物などの極性溶媒、好ましくは水による抽出によって調製される。
好ましくは、本発明によるエピロビウム(Epilobium)抽出物は水性抽出物である。そのような水性エピロビウム(Epilobium)抽出物は、好ましくは予め、より好ましくは熱風で乾燥させたそれぞれのエピロビウム(Epilobium)種の花、葉、及び/又は茎などの地上部分を粉砕し、その後乾燥植物を溶媒、好ましくはエタノール/水の混合物で抽出し、続いて例えば(真空)蒸留によってエタノールを除去してそれぞれの水性エピロビウム(Epilobium)抽出物を得る工程を含む方法によって調製することができる。
好ましくは、本発明の全ての実施形態において、エピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)は水性抽出物である。そのような水性エピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物は、好ましくは予め、より好ましくは熱風で乾燥させたそれぞれのエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium Fleischeri)の地上部分を粉砕し、その後乾燥植物を溶媒、好ましくはエタノール/水の混合物で抽出し、続いて例えば(真空)蒸留によってエタノールを除去して水性エピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物を得る工程を含む方法によって調製することができる。
本発明の全ての実施形態では、前記水性抽出物は、エピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物を含み、これは、例えば本発明による組成物への配合のために使用する前に、好ましくはグリセリン、クエン酸、及び防腐剤、例えばソルビン酸カリウムなどの追加の成分と混合することができる。
本発明によるエピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物は、人体の外表面に適用された場合に、マイクロバイオームの均衡を提供する。
エピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物に曝露すると善玉菌の数が増加するため、善玉菌によって分泌される代謝物も増加すると考えられる。理論に拘束されることを望むものではないが、これらの代謝物は、人体の自然防御システムに寄与すると考えられる。
したがって、さらなる態様では、本発明は、マイクロバイオームの均衡を保つことによって人体の外表面の自然防御システムを改善するための、エピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物の使用に関する。
したがって、別の態様では、本発明は、エピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物を人体の外表面に適用するステップを含む、マイクロバイオームの均衡を保つことによって人体表面の自然防御システムを改善する方法に関する。
本発明によるプレバイオティクス効果は、それを必要とする個体の皮膚マイクロバイオームにおける、スタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis);マイクロコッカス・ユナネンシス(Micrococcus yunnanensis);キューティバクテリウム・グラヌロサム(Cutibacterium granulosum)、コリネバクテリウム・アコレンス(Corynebacterium accolens)からなる群から選択される少なくとも1種の微生物、好ましくは全ての微生物の差分存在量が増加するという事実によって特徴付けられる。
本発明によるプレバイオティクス効果は、好ましくは、それを必要とする個体の皮膚マイクロバイオームにおける、スタフィロコッカス・カピティス(Staphylococcus capitis);コリネバクテリウム・ツベルクロステアリカム(Corynebacterium tuberculostearicum);ラウソネラ・クレベランデンシス(Lawsonella clevelandensis)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、及びC.クロッペンステディ(C.kroppenstedtii)からなる群から選択される少なくとも1種の微生物、好ましくは全ての微生物の差分存在量が減少するという事実によってさらに特徴付けられる。
したがって、さらなる態様では、本発明は、それを必要とする個体の皮膚マイクロバイオームにおける、スタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis);マイクロコッカス・ユナネンシス(Micrococcus yunnanensis);キューティバクテリウム・グラヌロサム(Cutibacterium granulosum)、コリネバクテリウム・アコレンス(Corynebacterium accolens)からなる群から選択される少なくとも1種の微生物、好ましくは全ての微生物の差分存在量を増加させるための、エピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物を含有するそれぞれ局所用組成物であるエピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物の使用にも関する。好ましくは、使用は、スタフィロコッカス・カピティス(Staphylococcus capitis);コリネバクテリウム・ツベルクロステアリカム(Corynebacterium tuberculostearicum);ラウソネラ・クレベランデンシス(Lawsonella clevelandensis)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、及びC.クロッペンステディ(C.kroppenstedtii)からなる群から選択される少なくとも1種の微生物、好ましくは全ての微生物の差分存在量の減少を同時に伴うことを包含する。
さらなる実施形態では、本発明は、スタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis);マイクロコッカス・ユナネンシス(Micrococcus yunnanensis);キューティバクテリウム・グラヌロサム(Cutibacterium granulosum)、コリネバクテリウム・アコレンス(Corynebacterium accolens)からなる群から選択される少なくとも1種の微生物、好ましくは全ての微生物の差分存在量を増加させることによる、人体の外表面を保護する方法であって、エピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物を前記外表面に局所適用するステップを含む方法も提供する。
本明細書で使用される人体の外表面という用語は、皮膚だけでなく頭皮(髪及び腋窩を含む)及び口腔も包含する。好ましくは、本発明の全ての実施形態では、本発明に従って処置される人体の外表面は、顔、首、及び/又は体の皮膚であり、最も好ましくは顔((側)頬、額、鼻、顎を含む)である。
本明細書で使用される「マイクロバイオームの均衡を保つ」という語句は、好ましくは、人体の表面、例えば皮膚、毛髪を含む頭皮、腋窩、及び口腔を、健康で感染のない状態に維持することを意味する。マイクロバイオームの均衡は、プレバイオティクスとして機能する、すなわち人体の表面で悪玉菌よりも善玉菌の増殖を優先的に促進するエピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物によって得られる。
本明細書で使用される「皮膚マイクロバイオーム」という用語は、例えば、額、前腕、頬、又は頭皮など(ただしこれらに限定されない)、個体の規定された皮膚領域にコロニーを形成する微生物群を指す。
本明細書で使用される「差分存在量」という用語は、2つの条件間の分類群の存在量の倍率変化の対数を指す。差分値を出力として与えるこの解析方法により、特定の生物学的又は臨床的状態に関連するマイクロバイオーム分類群を特定することができる。差分は、最低から最高までランク付けして並べ替えることができる。これらの「ランク付け」は、特徴と所定の共変量(すなわち処置又は時間)との相対的な関連性についての情報を与える。
本明細書で使用される「差分存在量」は、Morton et al.(Nat.Commun.,2019.10(1):p.2719、これは参照により本明細書に含まれる)で概説されているSongbirdと呼ばれるソフトウェアを使用することによって決定され、これはすなわち処置間の差異を試験する統計モデルを構築し、16S rRNAシーケンシングからの相対存在量データから出発して差分を計算することを可能にする。出力は、特定のメタデータカテゴリの特徴のランクを含むファイルである。ランクが高いほど、そのカテゴリ(すなわち処置)との相関が高い。
本明細書で使用される「差分存在量のそれぞれの減少の増加」という用語は、同じ個体のプラセボ処置されたそれぞれの対称皮膚領域の差分存在量と比較した場合の、特定の微生物の差分存在量のそれぞれの減少の増加として定義される。
本発明の全ての実施形態では、エピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物は、好ましくは、有効量のエピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物と、化粧品として許容される担体とを含む局所用組成物の形態で投与される。
「有効量」という用語は、望みの生理学的効果を得るために必要な量を指す。生理学的効果は、1回の適用用量によって、又は反復適用によって達成することができる。投与される用量は、当然、エピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物を含む具体的な組成物の生理学的特徴、並びにその投与形式及び経路;レシピエントの年齢、健康、及び体重;同時処置の種類;処置の頻度;並びに望まれる効果などの既知の因子に応じて変化する場合があり、当業者が調整することができる。
通常、本発明による局所用組成物中のエピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物の量は、局所用組成物の総重量を基準として0.001~10重量%、より好ましくは0.01~8重量%、さらに好ましくは0.1~7重量%、さらに好ましくは0.1~5重量%、さらにより好ましくは0.1~3重量%の範囲で選択される。さらに適切な範囲は、0.05~2重量%及び0.1~1重量%である。
本発明の全ての実施形態では、使用は治療的であっても非治療的であってもよい。しかしながら、好ましくは、使用は化粧品など非治療的なものである。
「化粧品として許容される担体」(本明細書では担体とも呼ばれる)という用語は、局所用化粧品組成物に従来使用されている全てのビヒクル/担体、すなわちケラチン組織への局所適用に適しており、優れた美的特性を有し、組成物中に存在する活性剤と適合性を有しており、不合理な安全性や毒性に関する懸念を引き起こさないものを指す。そのような担体は、当業者に周知である。
担体の正確な量は、エピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物、及び当業者が担体とは異なるものとして分類する他の任意選択的な成分(例えば他の有効成分)の実際の量に依存することになる。
有利な実施形態において、本発明による局所用組成物は、担体を、局所用組成物の総質量を基準として、約50%~約99%、好ましくは約60%~約98%、より好ましくは約70%~約98%、例えば特に約80%~約95%含む。
特に有利な実施形態において、担体は、さらに、少なくとも40質量%、より好ましくは少なくとも50質量%、最も好ましくは少なくとも55質量%、例えば特に約55~約90質量%の水からなる。
本発明による局所用組成物は、好ましくは、本明細書で示される全ての定義及び優先度で、エピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物を、化粧品として許容される担体と/担体中に混合することによって調製される。
本発明によるエピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物の使用は、治療的であっても非治療的であってもよい。好ましくは、使用は非治療的、すなわち化粧用途である。したがって、好ましくは、全ての実施形態では、局所用組成物は化粧用(非治療用)組成物である。
本出願において使用される「化粧品組成物」という用語は、Roempp Lexikon Chemie,10th edition 1997,Georg Thieme Verlag Stuttgart,New Yorkの「Kosmetika」の見出しの下に定義されている化粧品組成物、及びA.Domsch,“Cosmetic Compositions”,Verlag fuer chemische Industrie(ed.H.Ziolkowsky),4th edition,1992に開示されている化粧品組成物を指す。
本発明による適切な組成物は、リーブオン又はリンスオフ製品であり、人体に適用される任意の製品が含まれる。
組成物は、液体、ロージョン、クリーム、フォーム、スクラブ、ジェル、固形石鹸、又は化粧液の形態であってよく、或いは、フェイスマスク、パッド、又はパッチを介して道具を用いて適用することができる。そのような組成物の非限定的な例としては、リーブオンスキンロージョン及びクリーム、シャンプー、コンディショナー、シャワージェル、洗顔料、ボディウォッシュ、トイレバー、制汗剤、デオドラント、除毛剤、口紅、ファンデージョン、マスカラ、サンレスタンナー、及び日焼け止めロージョンが挙げられる。
本発明による好ましい組成物は、リーブオン組成物であり、より好ましくはエマルジョン又はゲルの形態である。
本発明の組成物(担体を含む)は、防腐剤/酸化防止剤、脂肪性物質/油、有機溶媒、シリコーン、増粘剤、軟化剤、乳化剤、消泡剤、石鹸、洗剤、芳香物質などの美的成分、界面活性剤、充填剤、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性若しくは両性のポリマー又はこれらの混合物、噴射剤、酸性化若しくは塩基性化剤、染料、着色料/着色剤、研磨剤、吸収剤、キレート剤及び/若しくは金属イオン封鎖剤、精油、皮膚清涼化剤、収斂剤、顔料又はこのような組成物に通常配合される任意の他の成分などの従来の補助剤及び添加剤を含み得る。
本発明によれば、本発明による組成物はまた、化粧品組成物に従来使用されているさらなる美容有効成分も含み得る。例示的な活性成分には、UVフィルター、炎症の予防又は軽減のための薬剤、安定剤、保湿剤、鎮静剤、及び/又はエネルギーを供給する薬剤、並びに弾力性及び皮膚のバリアを改善する薬剤が含まれる。
本発明の化粧品組成物での使用に適した、スキンケア業界で一般的に使用される化粧品賦形剤、希釈剤、補助剤、添加剤、並びに活性成分の例は、これらに限定されないが、例えば、the online INFO BASE(http://online.personalcarecouncil.org/jsp/Home.jsp)からアクセスできるPersonal Care Product Council(http://www.personalcarecouncil.org/)によるthe International Cosmetic Ingredient Dictionary&Handbookに記載されている。
活性成分並びに賦形剤、希釈剤、補助剤、添加剤などの必要な量は、所望の製品形態及び用途に基づいて、当業者が容易に決定することができる。追加の成分は、適切であると考えられる通りに、油性相に、水性相に、又は別々に添加されることが可能である。
本明細書で有用な化粧用活性成分は、場合によっては、複数の利益を提供することができる、又は複数の作用機序を介して作用することができる。
当然ながら、当業者は、本発明による組み合わせに本質的に関連する有利な特性が、想定される1つ以上の添加によって悪影響を受けない、又は悪影響を実質的に受けないように、上記の任意選択の追加の成分、補助剤、希釈剤及び添加剤、並びに/又はそれらの量を選択するように注意する。
組成物が、エマルジョン、例えば特にO/W-、W/O-、Si/W-、W/Si-、O/W/O-、W/O/W-、又はピッカリングエマルジョンなどのエマルジョンである場合、そのような化粧用エマルジョン中に存在する油相の量は、組成物の総重量を基準として好ましくは少なくとも10重量%、例えば10~60重量%の範囲、好ましくは15~50重量%の範囲、最も好ましくは15~40重量%の範囲である。
一実施形態では、本発明による組成物は、有利には、O/Wエマルジョンの存在下で水性相に分散された油性相を含む水中油型(O/W)エマルジョンの形態である。そのようなO/W型エマルジョンの調製は、当業者には周知である。
本発明による組成物がO/W型エマルジョンである場合、これは、有利には、ステアリン酸クエン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリルSE(自己乳化性)、ステアリン酸、ステアリン酸の塩、ポリグリセリル-3-メチルグリコースジステアレート(methylglycosedistearate)のリストから選択される少なくとも1種のO/W-又はSi/W-乳化剤を含む。さらに適切な乳化剤は、リン酸セチル(例えばDSM Nutritional Products Ltd.からのAmphisol(登録商標)Aとして)、リン酸ジエタノールアミンセチル(例えばDSM Nutritional Products Ltd.からのAmphisol(登録商標)DEAとして)、セチルリン酸カリウム(例えばDSM Nutritional Products Ltd.からのAmphisol(登録商標)Kとして)、セテアリル硫酸ナトリウム、オレイン酸リン酸ナトリウムグリセリル、水添植物性グリセリドリン酸、及びそれらの混合物などの、リン酸エステル及びその塩である。さらに適切な乳化剤は、ポリアルキレングリコールエーテル、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、セテアリルグルコシド、ラウリルグルコシド、デシルグルコシド、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ポリステアリン酸スクロース、及び水和ポリイソブテン(hydrated polyisobutene)である。さらに、1種又は複数の合成ポリマーを乳化剤として使用することができる。例えばPVPエイコセンコポリマー、アクリレート/C10~30アルキルアクリレートクロスポリマー、及びそれらの混合物である。
この少なくとも1種のO/W、それぞれSi/W乳化剤は、好ましくは、組成物の総重量に基づいて0.5~10重量%、特に0.5~6重量%の範囲、例えばより具体的には0.5~5重量%の範囲、例えば最も具体的には1~4重量%の範囲の量で使用される。
本発明による組成物で使用される特定の適切なO/W乳化剤には、リン酸エステル乳化剤、例えば有利にはリン酸8~10アルキルエチル、リン酸C9~15アルキル、セテアレス-2リン酸、セテアレス-5リン酸、セテス-8リン酸、セテス-10リン酸、リン酸セチル、C6~10パレス-4リン酸、C12~15パレス-2リン酸、C12~15パレス-3リン酸、セテアレス-2リン酸DEA、セチルリン酸DEA、オレス-3リン酸DEA、セチルリン酸カリウム、デセス-4リン酸、デセス-6リン酸、及びトリラウレス-4リン酸、並びにポリアルキレングリコールエーテル、例えば特にポリエチレンステアリルエーテル、例えばステアレス-2及びステアレス-21が含まれる。
本発明による組成物に使用されるO/W乳化剤の特に適切な分類は、ポリアルキレングリコールエーテルである。本発明の全ての実施形態において特に好ましいO/W乳化剤は、ポリエチレングリコールのステアリルエーテルであり、例えば最も好ましくは、ステアレス-2(ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル)又はステアレス-21(ポリオキシエチレン(21)ステアリルエーテル)並びにそれらの混合物である。そのようなポリアルキレングリコールエーテル乳化剤は、例えばCrodaでBrijの商品名で市販されている。
本発明による特に好ましいゲルは、水と、増粘剤、例えば好ましくはアクリレート増粘剤と、任意選択的なさらなる成分とを含む。そのようなゲル中の含水率は、好ましくは>85重量%、より好ましくは>90重量%である。
本発明による局所用組成物は、有利には防腐剤を含む。本発明の全ての実施形態における特に適切な防腐剤は、フェノキシエタノール及びエチルヘキシルグリセリン、並びにそれらの混合物である。存在する場合、防腐剤は、組成物の総重量を基準として好ましくは0.1~2重量%の量、より好ましくは0.5~1.5重量%の量で使用される。
本発明による組成物は、概して、3~10の範囲のpH、好ましくは4~8の範囲のpH、最も好ましくは5~8の範囲のpHを有する。pHは、当該技術分野における標準的な方法に従って、適切な酸、例えばクエン酸、又は塩基、例えば水酸化ナトリウム(例えば水溶液として)、トリエタノールアミン(TEA Care)、トロメタミン(Trizma塩基)、及びアミノメチルプロパノール(AMP-Ultra PC2000)を用いて望みの通りに容易に調整することができる。
以下の実施例は、本発明の組成物及び効果をさらに例示するために提供するものである。これらの実施例は、例示に過ぎず、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
[実施例]
[配合されたエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物による処置を用いた顔面マイクロバイオームに対するプレバイオティクス効果を実証するためのin vivo試験]
方法論的設定:28日間のin vivoプラセボ対照臨床試験において、表1で説明されているように、エピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)の花/葉/茎の抽出物を3%含むライトジェル製剤を1日2回、顔に適用した。エピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物による既知の皮脂減少効果を確認するために、処置前後の皮脂量を測定した。さらに、試験開始時と処置を行ってから28日後に、顔の様々な部位(額、鼻翼、前頬、横頬、及び顎)からマイクロバイオームの試料を採取した。抽出したDNAについて、16S rRNAシーケンシングを行った。16S rRNAシーケンシングから得られた結果は、Mortonらによって公開された「参照フレーム」アプローチに従って処理した(Nat.Commun.,2019.10(1):p.2719)。この方法により、微生物叢の変化と、これらの変化が時間と処置にどのように関連しているかを評価することができる。16Sシーケンスから得られる相対存在量データから出発して差分を計算するために、Songbirdと呼ばれるソフトウェアが採用されている。
[配合されたエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物による処置を用いた顔面マイクロバイオームに対するプレバイオティクス効果を実証するためのin vivo試験]
方法論的設定:28日間のin vivoプラセボ対照臨床試験において、表1で説明されているように、エピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)の花/葉/茎の抽出物を3%含むライトジェル製剤を1日2回、顔に適用した。エピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物による既知の皮脂減少効果を確認するために、処置前後の皮脂量を測定した。さらに、試験開始時と処置を行ってから28日後に、顔の様々な部位(額、鼻翼、前頬、横頬、及び顎)からマイクロバイオームの試料を採取した。抽出したDNAについて、16S rRNAシーケンシングを行った。16S rRNAシーケンシングから得られた結果は、Mortonらによって公開された「参照フレーム」アプローチに従って処理した(Nat.Commun.,2019.10(1):p.2719)。この方法により、微生物叢の変化と、これらの変化が時間と処置にどのように関連しているかを評価することができる。16Sシーケンスから得られる相対存在量データから出発して差分を計算するために、Songbirdと呼ばれるソフトウェアが採用されている。
結果:時間と処置に関する差分値は、以下の表2及び表3に報告されている。
「サンプリング位置」の列は、マイクロバイオームの試料が採取された顔の場所を示す。「切片」の列は、各微生物の開始点を示す。正の値は、対象の微生物が評価前に皮膚上にある程度存在していたことを意味する。「処置」の列は、特定の微生物が積極的な処置に関連しているかどうか、またどの程度関連しているかを意味する。報告された値は、参照としてのプラセボ評価した試料を使用してソフトウェアによって作成された差分の結果である。したがって、正の値は積極的な処置との正の相関を示す一方で、負の値は処置による負の相関を示す。「時間」の列は、処置とは無関係に、特定の微生物が時間とどのように関連しているかを示している。正の値は、微生物が時間の経過と共にその存在量を増加させる傾向があることを意味する。
まず、エピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物による処置がプラセボ処置(すなわち対照)と比較して正の相関を示すだけでなく、ヒトの皮膚マイクロバイオームに正の影響を与えることも知られるいくつかの種を特定した。これは、表2の「処置」の欄で正の差分値によって反映されているため、選択した種の増殖が処置によって有利になったと考えられる。
さらに、エピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物による処置がプラセボと比較して負の相関を示すだけでなく、ヒトの皮膚に負の作用又は潜在的に病原性の作用があることも知られる種を特定した。これは表3の「処置」の欄に示されている負の差分値によって反映されているため、選択された種の増殖は処置によって抑制又は低減されたと考えられる。
したがって、全体として、グループの結果として表2及び3に列挙されている種の処置に基づく結果を考慮すると、処置によって皮膚の健康に正の相関を持つ種の増殖と相対的存在量が有利になり、皮膚への負の影響又は病原性の可能性を持つ種が減少したため、皮膚にとってより健康な組成へのマイクロバイオームのシフトが明確に示されている。したがって、この処置は、一方では種の増殖の特定の調節を促進し、他方では阻害を促進し、その結果、顔のマイクロバイオームの正の再均衡がもたらされたと結論付けることができ、これはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)抽出物の適用によるプレバイオティクス効果であると考えることができる。
Claims (15)
- 人体の外表面に適用される場合のプレバイオティクスとしてのエピロビウム(Epilobium)抽出物の使用であって、プレバイオティクス効果が、それを必要とする個体の皮膚マイクロバイオームにおける、スタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis);マイクロコッカス・ユナネンシス(Micrococcus yunnanensis);キューティバクテリウム・グラヌロサム(Cutibacterium granulosum)、コリネバクテリウム・アコレンス(Corynebacterium accolens)からなる群から選択される少なくとも1種の微生物の差分存在量を非処置対照と比較して増加させることを特徴とする、使用。
- 前記エピロビウム(Epilobium)抽出物が、エピロビウム・フレイスケリ(Epilobium Fleischeri)、エピロビウム・アングスティフォリウム(Epilobium Angustifolium)、又はエピロビウム・パルビフロラム(Epilobium Parviflorum)の抽出物であり、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium Fleischeri)抽出物である、請求項1に記載の使用。
- 前記エピロビウム(Epilobium)抽出物が、それぞれのエピロビウム(Epilobium)植物の花/葉及び茎から得られる水性抽出物である、請求項1又は2に記載の使用。
- 前記人体の外表面が、皮膚、毛髪を含む頭皮、腋窩、及び口腔のうちの少なくとも1つであり、好ましくは顔である、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用。
- 前記エピロビウム(Epilobium)抽出物が、有効量のエピロビウム(Epilobium)抽出物と、化粧品として許容される担体とを含む局所用組成物の形態で投与される、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用。
- 前記局所用組成物が、前記局所用組成物の総重量を基準として0.001~10重量%、好ましくは0.01~8重量%、より好ましくは0.1~7重量%、さらに好ましくは0.1~5重量%、さらにより好ましくは0.1~3重量%の範囲のエピロビウム(Epilobium)抽出物を含む、請求項5に記載の使用。
- 前記局所用組成物がリーブオン組成物である、請求項5又は6に記載の使用。
- 前記リーブオン組成物がエマルジョン又はゲルの形態である、請求項7に記載の使用。
- 非治療的である、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用。
- 前記プレバイオティクス効果が、それを必要とする個体の皮膚マイクロバイオームにおける、スタフィロコッカス・カピティス(Staphylococcus capitis);コリネバクテリウム・ツベルクロステアリカム(Corynebacterium tuberculostearicum);ラウソネラ・クレベランデンシス(Lawsonella clevelandensis)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、及びC.クロッペンステディ(C.kroppenstedtii)からなる群から選択される少なくとも1種の微生物の差分存在量を非処置対照と比較して減少させることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の使用。
- 個体の皮膚マイクロバイオームにおける、スタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis);マイクロコッカス・ユナネンシス(Micrococcus yunnanensis);キューティバクテリウム・グラヌロサム(Cutibacterium granulosum)、コリネバクテリウム・アコレンス(Corynebacterium accolens)からなる群から選択される少なくとも1種の微生物、好ましくは全ての微生物の差分存在量を増加させるための方法であって、有効量のエピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium Fleischeri)抽出物をそれを必要とする体の外表面に局所投与するステップを含む、方法。
- 同時に、スタフィロコッカス・カピティス(Staphylococcus capitis);コリネバクテリウム・ツベルクロステアリカム(Corynebacterium tuberculostearicum);ラウソネラ・クレベランデンシス(Lawsonella clevelandensis)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、及びC.クロッペンステディ(C.kroppenstedtii)からなる群から選択される少なくとも1種の微生物、好ましくは全ての微生物の差分存在量を減少させる、請求項11に記載の方法。
- 個体の皮膚マイクロバイオームにおける、スタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis);マイクロコッカス・ユナネンシス(Micrococcus yunnanensis);キューティバクテリウム・グラヌロサム(Cutibacterium granulosum)、コリネバクテリウム・アコレンス(Corynebacterium accolens)からなる群から選択される少なくとも1種の微生物、好ましくは全ての微生物の差分存在量を増加させることによる、人体の外表面を保護する方法であって、エピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium Fleischeri)抽出物を前記外表面に適用するステップを含む方法。
- それを必要とする個体の皮膚マイクロバイオームにおける、スタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis);マイクロコッカス・ユナネンシス(Micrococcus yunnanensis);キューティバクテリウム・グラヌロサム(Cutibacterium granulosum)、コリネバクテリウム・アコレンス(Corynebacterium accolens)からなる群から選択される少なくとも1種の微生物の差分存在量を増加させるための、エピロビウム(Epilobium)抽出物、好ましくはエピロビウム・フレイスケリ(Epilobium Fleischeri)抽出物の使用。
- 付随してスタフィロコッカス・カピティス(Staphylococcus capitis);コリネバクテリウム・ツベルクロステアリカム(Corynebacterium tuberculostearicum);ラウソネラ・クレベランデンシス(Lawsonella clevelandensis)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、及びC.クロッペンステディ(C.kroppenstedtii)の差分存在量が低減される、請求項14に記載の使用。
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