JP2023531607A - フェノール化合物及び単糖ファミリーの化合物を含むエラストマー組成物 - Google Patents

フェノール化合物及び単糖ファミリーの化合物を含むエラストマー組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、少なくとも1種のエラストマー、少なくとも1種のフェノール化合物及び単糖ファミリーの少なくとも1種の化合物に基づくゴム組成物であって、前記フェノール化合物の芳香族核が、少なくとも1個の炭化水素置換基で置換されており、前記フェノール化合物のモル質量が、最大で1000g/molに等しい、前記ゴム組成物に関する。

Description

本発明は、エラストマーに基づくゴム組成物、該組成物を含む複合材料、該組成物又は該複合材料を含む完成品又は半完成品、並びに該組成物又は該複合材料を含む空気式タイヤに関する。
空気式タイヤの強化のためのプライは、通常、ゴム混合物及び強化コードを含み、そのコードは金属性であることが多く、表面を真鍮で被覆されている。これらのプライは、空気式タイヤの回転中、高い応力に曝されるので、ゴム混合物と強化要素の間の接着は、非常に重要な特性であることが理解される。
接着機能は一般に、ゴム混合物に対して特定の配合を課し、特に高含量の硫黄及び酸化亜鉛、少量のステアリン酸、コバルト塩の存在、並びに遅延作用促進剤の使用が必要である。しかし、高硫黄含量のこれらの加硫系は、特に早計の架橋を回避するためには、半完成品の製造中の大きな制約となる。
したがって、前記組成物に硫黄を含まずに済ませることを可能にすると同時に、強化ケーブルに対する良好な接着を可能にするゴム組成物を配合することが、空気式タイヤの製造者にとって有利である。
国際出願第2017/081387号及び国際出願第2017/081388号は、官能性ジエンポリマーを含むポリマーマトリックスに基づくゴム組成物及び複合材料を提示している。この官能性ジエンポリマーは、少なくとも2個の隣接しているヒドロキシ官能基で置換されている、少なくとも1個の芳香族基を担持している。ゴム組成物の架橋は、加硫系又は1種若しくは複数のペルオキシド化合物に基づく系を用いて実施される。金属に対するゴム組成物の良好な接着特性が得られるが、グラフト化ポリマーの使用を必要とする。したがって、接着特性を改善するためのより簡単な解決策があれば有利になるはずである。
特開第2011252107号は、金属に対して良好に接着するゴム組成物を記載しており、この組成物は、ジエンエラストマー及びコバルト塩を含む。没食子酸又は没食子酸水和物は、コバルト塩の溶解を促進する。組成物は、硫黄ベース系で架橋される。この組成物は、良好な接着特徴を有しているが、硫黄及びコバルト塩の両方を使用する。
国際出願第2019/122586号は、特定のフェノール化合物を含み、架橋系が硫黄を含まず、金属強化剤に対して優れた接着特性を有するゴム組成物を教示している。
国際出願第2020/058613号及び国際出願第2020/058614号は、金属強化剤に対して優れた接着特性を有する高モル質量ポリフェノール化合物を含むゴム組成物を記載している。しかし、このタイプの化合物は高価である場合があり、空気式タイヤにおける使用に関して利用性が低い。
本出願人は、絶え間ない研究により、言及した問題を解決することを可能にし、金属支持体に対する接着に関して非常に良好な性能を示すゴム組成物を発見した。
本発明は、以下の点で表される実施形態の少なくとも1つに関する。
1.少なくとも1種のジエンエラストマー、強化フィラー、少なくとも1種又は複数のラジカル重合開始剤に基づく架橋系、少なくとも1個の炭化水素基で置換されているフェノール基を含む最大で1000g/molに等しいモル質量を有する少なくとも1種のフェノール化合物に基づくゴム組成物であって、前記炭化水素基が、酸素原子により中断及び/又は置換されており、1個又は複数のヘテロ原子により中断及び/又は置換されていてもよく、前記ゴム組成物がさらに、アルドース及びケトースから選択される単糖ファミリーの少なくとも1種の化合物を含む、ゴム組成物。
2.フェノール化合物のフェノール基が、1個又は複数のヘテロ原子により中断及び/又は置換されていてもよい少なくとも2個の炭化水素基で置換されており、炭化水素基のうち少なくとも1個が、酸素原子により中断及び/又は置換されており、2個の炭化水素基が、それらが結合しているフェノール基の芳香族環の炭素原子と一緒になって、1個又は複数のヘテロ原子により中断及び/又は置換されていてもよい環を形成することができる、実施形態1によるゴム組成物。
3.フェノール化合物が、一般式(I)
Figure 2023531607000001
[式中、
- G1は、ヒドロキシル、カルボキシル若しくはアルコキシ基、又は水素原子を表し、
- G2は、ヒドロキシル、カルボキシル若しくはカルボニル基、又は水素原子を表し、
- G3は、ヒドロキシル、カルボキシル、ヒドロゲノカルボニル(hydrogenocarbonyl)、カルボキシアルキル、カルボキシアルキレン、アルコキシ、アミノ、アミノアルキル、アミド若しくはビニル基、又は水素原子を表す]
に相当し、
置換基G1~G3のうち少なくとも1個が、酸素原子を含み、前記フェノール化合物のモル質量が、最大で1000g/molに等しく、ゴム組成物が、アルドース及びケトースから選択される単糖ファミリーの少なくとも1種の化合物をさらに含む、
実施形態1~2のいずれか1つによるゴム組成物。
4.前記フェノール化合物が、少なくとも2個のヒドロキシ基で置換されている、実施形態1~3のいずれか1つによるゴム組成物。
5.前記フェノール化合物が、少なくとも1個のカルボキシル基で置換されている、実施形態1~4のいずれか1つによるゴム組成物。
6.前記フェノール化合物が、少なくともヒドロキシ基に対してパラ位において置換されている、実施形態1~5のいずれか1つによるゴム組成物。
7.前記フェノール化合物が、ヒドロキシ基に対してパラ位においてカルボキシル基で置換されている、実施形態6によるゴム組成物。
8.G1、G2及びG3が、独立に、ヒドロキシル及びカルボキシル基並びに水素原子から選択され、優先的には独立に、ヒドロキシル及びカルボキシル基から選択される、実施形態3~7のいずれか1つによるゴム組成物。
9.前記フェノール化合物のモル質量が、800g/mol未満、優先的には600g/mol未満、非常に好ましくは400g/mol未満、非常に優先的には220g/mol未満である、実施形態1~8のいずれか1つによる組成物。
10.前記フェノール化合物が、1,4-ジヒドロキシ-2-ナフトエ酸、クルクミン、レスベラトロール、ダイゼイン、ゲニステイン、アピゲニン、ウンベリフェロン、l-チロシン、グアヤコール、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒド、イソバニリン、サリチル酸、アセトアミノフェン、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、コーヒー酸、5-アミノサリチル酸、3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,5-ジヒドロキシテレフタル酸、バニリン、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、プロトカテク酸、4-ヒドロキシイソフタル酸、2,3,4-トリヒドロキシ安息香酸、3-O-メチル没食子酸、4,5-ジヒドロキシフタル酸、2,4,5-トリヒドロキシ安息香酸及びそれらの混合物から選択される、実施形態1によるゴム組成物。
11.前記フェノール化合物が、アセトアミノフェン、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、コーヒー酸、5-アミノサリチル酸、3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,5-ジヒドロキシテレフタル酸、バニリン、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、プロトカテク酸、4-ヒドロキシイソフタル酸、2,3,4-トリヒドロキシ安息香酸、3-O-メチル没食子酸、4,5-ジヒドロキシフタル酸、2,4,5-トリヒドロキシ安息香酸及びそれらの混合物から選択される、実施形態1によるゴム組成物。
12.前記フェノール化合物が、コーヒー酸、没食子酸、プロトカテク酸、4-ヒドロキシイソフタル酸、2,3,4-トリヒドロキシ安息香酸、3-O-メチル没食子酸、4,5-ジヒドロキシフタル酸、2,4,5-トリヒドロキシ安息香酸及びそれらの混合物から選択され、優先的にはコーヒー酸、没食子酸及びプロトカテク酸から選択される、実施形態1によるゴム組成物。
13.フェノール化合物の含量が、0.1~25phrの間である、実施形態1~12のいずれか1つによる組成物。
14.単糖ファミリーの化合物が、トリオース、テトロース、ペントース及びヘキソースから、優先的にはペントース及びヘキソースから選択される、実施形態1~13のいずれか1つによる組成物。
15.単糖ファミリーの化合物が、フルクトース、プシコース、ソルボース、タガトース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース及びタロースから選択され、優先的にはフルクトース、グルコース、マンノース及びガラクトースから選択され、非常に優先的にはフルクトース及びグルコースから選択される、実施形態14よる組成物。
16.単糖ファミリーの化合物の含量が、0.1~15phrの間、好ましくは0.1~10phrの間である、実施形態1~15のいずれか1つによる組成物。
17.コバルト塩を含まないか、又はそれを1phr未満含有する、実施形態1~16のいずれか1つによる組成物。
18.強化フィラーが、カーボンブラック、シリカ、又はカーボンブラック及びシリカの混合物を含む、実施形態1~17のいずれか1つによるゴム組成物。
19.強化フィラーの含量が、20~200phrの間である、実施形態1~18のいずれか1つによるゴム組成物。
20.1種又は複数のペルオキシド化合物に基づく架橋系の前記ペルオキシド化合物が、0.01~10phrを占める、実施形態1~19のいずれか1つによるゴム組成物。
21.硫黄分子を含まないか、又はそれを1phr未満含む、実施形態1~20のいずれか1つによる組成物。
22.金属性表面を有する部品及び実施形態1~21のいずれか1つによる組成物に少なくとも基づく、複合材料。
23.部品が、少なくとも1ミリメートルに等しい長さを有する、実施形態1~22による複合材料。
24.部品が、スレッド又はケーブルである、実施形態22及び23のいずれか1つによる複合材料。
25.部品の金属性表面が、部品の残部とは異なる材料から作製されている、実施形態22~24のいずれか1つによる複合材料。
26.前記部品の金属性表面が、鉄、銅、亜鉛、スズ、アルミニウム、コバルト、ニッケル及びこれらの金属の少なくとも1種を含む合金からなる群から選択される金属を含む、実施形態22~25のいずれか1つによる複合材料。
27.金属性表面の金属が、鉄、銅、スズ、亜鉛又はこれらの金属の少なくとも1種を含む合金から選択され、優先的には真鍮、鋼、亜鉛及び青銅からなる群から選択される、実施形態22~26のいずれか1つによる複合材料。
28.実施形態1~21のいずれか1つによる組成物又は実施形態22~27のいずれか1つによる複合材料を含む、完成品又は半完成品。
29.実施形態1~21のいずれか1つによる組成物又は実施形態22~27のいずれか1つによる複合材料を含む、空気式タイヤ。
30.実施形態1~21のいずれか1つによる組成物又は実施形態22~27のいずれか1つによる複合材料を含む内層を含む、空気式タイヤ。
定義
「に基づく組成物」という表現は、使用される様々な構成物のインサイチュでの反応の混合物及び/又は生成物を含む組成物を意味すると理解されるべきであり、これらの(ベース)構成物のいくつかは、開始時に調製されたままの組成物を改変する組成物の様々な製造段階中に、少なくとも部分的に互いに反応することができ、及び/又はそのように反応することが企図される。したがって、本発明のために用いられる組成物は、非架橋状態と架橋状態では異なることがある。
本発明の目的では、「エラストマー100質量部(parts by weight)当たりの質量部(part by weight)」(又はphr)という表現は、エラストマー100質量部(parts by mass)当たりの質量部(part by mass)を意味すると理解されるべきである。
本発明の文書において、別段明確に示されない限り、示されるすべての百分率(%)は、質量百分率(%)である。
さらに、「a~bの間」という表現により示される値のあらゆる間隔は、a超からb未満に及ぶ値の範囲(すなわち限界値a及びbは除外される)を表す一方、「a~b」という表現により示される値のあらゆる間隔は、aからbまでに及ぶ値の範囲を意味する(すなわち厳密な限界値a及びbを含む)。本発明の文書において、値の間隔が、「a~b」という表現によって示されている場合、「a~bの間」という表現によって表されている間隔も優先的に示されている。
本説明で言及される炭素を含む化合物は、化石起源又はバイオベース起源であり得る。後者の場合、それらはバイオマスから部分的若しくは完全に誘導することができ、又はバイオマスから誘導された再生可能な出発材料から得ることができる。ポリマー、可塑剤、フィラーなどが、特に該当する。
エラストマー
本発明による組成物は、少なくとも1種のジエンエラストマー、好ましくは高度不飽和ジエンエラストマーを含む。
「ジエンエラストマー」又は「ゴム」(2つの用語は、公知の通り同義であり、交換可能である)という用語は、ジエンモノマー(2つの共役又は非共役炭素-炭素二重結合を担持するモノマー)から少なくとも部分的に得られるエラストマー(すなわち、ホモポリマー又はコポリマー)を意味すると理解されるべきことが想起される。本願では、ジエンエラストマーは、定義によれば非熱可塑性である。
ジエンエラストマーは、大部分の場合においてマイナスのTg、すなわち0℃未満の値を有するので、公知の通り、「本質的に不飽和」と呼ばれるもの及び「本質的に飽和」と呼ばれるものの2つの分類に分類され得る。
「本質的に不飽和」のジエンエラストマーは、15%(mol%)超の含量のジエン起源の単位(共役ジエン)を有する共役ジエンモノマーから少なくとも部分的に得られるジエンエラストマーを指すと理解される。「本質的に不飽和」のジエンエラストマーの分類では、「高度不飽和」のジエンエラストマーは、特に、50%超の含量のジエン起源の単位(共役ジエン)を有するジエンエラストマーを指す。
それとは対照的に、「本質的に飽和」のジエンエラストマーという用語は、常に15%(mol%)未満の低含量又は非常に低含量のジエン起源の単位を有するエラストマー、例えばブチルゴム、例えばジエンとEPDMタイプのα-オレフィンのコポリマーを指す。
これらの定義を前提として、本発明による組成物において使用することができる「ジエンエラストマー」という用語は、先の分類のいずれであれ、以下を指す。
(a)4~18個の炭素原子を含有する共役又は非共役ジエンモノマーのあらゆるホモポリマー、
(b)4~18個の炭素原子を含有する共役又は非共役ジエンモノマーと、少なくとも1種の他のモノマーとのあらゆるコポリマー。
その他のモノマーは、エチレン、オレフィン、又は共役若しくは非共役ジエンであってもよい。このようなコポリマーの例として、エチレン-ブタジエンゴム(EBR)を挙げることができる。
さらに特には、「本発明による組成物において使用することができるジエンエラストマー」という表現は、以下を意味することが企図される。
(a1)4~12個の炭素原子を含有する共役ジエンモノマーの重合によって得られるあらゆるホモポリマー、
(b1)互いに共役した1つ若しくは複数のジエン、又は8~20個の炭素原子を含有する1つ若しくは複数の芳香族ビニル化合物と共役した1つ若しくは複数のジエンの共重合によって得られるあらゆるコポリマー、
(c1)エチレン及び3~6個の炭素原子を含有するα-オレフィンと、6~12個の炭素原子を含有する非共役ジエンモノマーとの共重合によって得られる三元コポリマー、例えばエチレン及びプロピレンと、上記のタイプの非共役ジエンモノマー、特に1,4-ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン又はジシクロペンタジエンなどとから得られたエラストマー、
(d1)イソブテンとイソプレンのコポリマー(ジエンブチルゴム)及びそのハロゲン化したもの、特にこのタイプのコポリマーの塩素化又は臭素化したもの。
1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジ(C1-C5アルキル)-1,3-ブタジエン、例えば2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジエチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-エチル-1,3-ブタジエン又は2-メチル-3-イソプロピル-1,3-ブタジエン、アリール-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン及び2,4-ヘキサジエンは、共役ジエンとして特に適している。使用に適した芳香族ビニル化合物の例として、スチレン、オルト-、メタ-又はパラ-メチルスチレン、「ビニルトルエン」の市販混合物、パラ-(tert-ブチル)スチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン及びビニルナフタレンが挙げられる。
コポリマーは、99質量%~20質量%の間のジエン単位及び1質量%~80質量%の間の芳香族ビニル単位を含有し得る。
高度不飽和タイプの少なくとも1種のジエンエラストマー、特に天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、ポリブタジエン(BR)、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマー及びこれらのエラストマーの混合物からなる群から選択されるジエンエラストマーを使用することが好ましい。このようなコポリマーは、より優先的には、ブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)、イソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)、及びこのようなコポリマーの混合物からなる群から選択される。
好ましくは、以下が適切である。ポリブタジエン、特に1,2-単位の含量が4%~80%の間のもの若しくはcis-1,4-単位の含量が80%超のもの、ポリイソプレン、ブタジエン/スチレンコポリマー、特にスチレンの含量が5質量%~50質量%の間、さらに特には20%~40%の間であり、ブタジエン部分の1,2-結合の含量が4%~65%の間であり、trans-1,4-結合の含量が20%~80%の間であるもの、ブタジエン/イソプレンコポリマー、特にイソプレン含量が5質量%~90質量%の間であり、ガラス転移温度が-40℃~-80℃であるもの、又はイソプレン/スチレンコポリマー、特にスチレン含量が5質量%~50質量%の間であり、Tgが-25℃~-50℃の間であるもの。
ブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーの場合、スチレン含量が5質量%~50質量%の間、さらに特には10質量%~40質量%の間であり、イソプレン含量が15質量%~60質量%の間、さらに特には20質量%~50質量%の間であり、ブタジエン含量が5質量%~50質量%の間、さらに特には20質量%~40質量%の間であり、ブタジエン部分の1,2-単位の含量が4%~85%の間であり、ブタジエン部分のtrans-1,4-単位の含量が6%~80%の間であり、イソプレン部分の1,2-と3,4-単位の含量が5%~70%の間であり、イソプレン部分のtrans-1,4-単位の含量が10%~50%の間であり、より一般的にはTgが-20℃~70℃の間であるあらゆるブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーが、特に適している。
エラストマーは、あらゆる微細構造を有することができ、その微細構造は、使用される重合条件、特に修飾剤及び/又はランダム化剤の有無、並びに使用される修飾剤及び/又はランダム化剤の量に応じて決まる。エラストマーは、例えば、分散液又は溶液中で調製することができ、カップリング剤及び/若しくは星状分岐剤、又は官能化剤を用いて、カップリングさせ、及び/若しくは星状分岐させるか、又は官能化させることができる。
カーボンブラックのカップリングについて挙げることができる例として、C-Sn結合又はアミノ化官能基を含む官能基、例えばベンゾフェノンなどが挙げられ、無機強化フィラー、例えばシリカへのカップリングについて挙げることができる例として、シラノール官能基又はシラノール末端を有するポリシロキサン官能基(例えば、仏国特許第2740778号又は米国特許第6013718号に記載されている通り)、アルコキシシラン基(例えば、仏国特許第2765882号又は米国特許第5977238号に記載されている通り)、カルボキシル基(例えば、国際出願第01/92402号又は米国特許第6815473号、国際出願第2004/096865号又は米国特許第2006/0089445号に記載されている通り)又はポリエーテル基(例えば、欧州特許第1127909号又は米国特許第6503973号に記載されている通り)が挙げられる。官能化エラストマーの他の例として、エポキシ化タイプのエラストマー(例えばSBR、BR、NR又はIR)を挙げることもできる。
上記のポリマーのTgは、公知の通り、例えばDSC(示差走査熱量測定)によって、本願で別段具体的に示されない限りASTM規格D3418(1999)に従って測定される。
架橋系
架橋は一般に、ゴム組成物の弾性特性を改善する。架橋系は、特にエラストマーと反応して、ゴム組成物の架橋をもたらすことが企図される。
好ましくは、本発明によるゴム組成物は、硫黄分子を含まないか、又はそれを1phr未満、好ましくは0.5phr未満、より優先的には0.2phr未満含有する。非常に優先的には、組成物は、架橋剤としていかなる硫黄分子も含まない。
架橋系は、少なくとも1種のラジカル重合開始剤に基づく。
ラジカル重合開始剤は、本発明によるゴム組成物の重合に必要なフリーラジカル源である。これらの開始剤は、当業者に周知であり、特に、例えば国際出願第2002/22688号及び仏国特許第2899808号、並びにDenisovらの文献(Handbook of free radical initiators, John Wiley & Sons, 2003)に記載されている。
好ましくは、本発明によれば、少なくとも1種のラジカル重合開始剤は、ペルオキシド、アゾ化合物、レドックス(酸化/還元)系及びそれらの混合物からなる群から、好ましくはペルオキシド、アゾ化合物及びそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、少なくとも1種のラジカル重合開始剤は、ペルオキシド又はいくつかのペルオキシドの混合物である。少なくとも1種のラジカル重合開始剤は、例えば国際出願第2017103387号に記載されている通り、当業者に公知のあらゆるペルオキシドであり得る。当業者に周知のペルオキシドの中でも、本発明の文脈では、有機ペルオキシドを使用することが好ましい。前記ペルオキシド化合物は、優先的には0.01~10phrを占める。
「有機ペルオキシド」という用語は、-O-O-基(2個の酸素原子が単共有結合によってつながっている)を含む有機化合物、すなわち炭素を含有する化合物を意味すると理解される。
架橋プロセス中、有機ペルオキシドは、その不安定なO-O結合で分解して、フリーラジカルを生じる。これらのフリーラジカルは、架橋結合を生じることを可能にする。
一実施形態によれば、有機ペルオキシドは、ジアルキルペルオキシド、モノペルオキシカーボネート、ジアシルペルオキシド、ペルオキシケタール及びペルオキシエステルからなる群から選択される。
好ましくは、ジアルキルペルオキシドは、ジクミルペルオキシド、ジ(t-ブチル)ペルオキシド、t-ブチルクミルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-アミルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサ-3-イン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-アミルペルオキシ)ヘキサ-3-イン、α,α’-ジ[(t-ブチルペルオキシ)イソプロピル]ベンゼン、α,α’-ジ[(t-アミルペルオキシ)イソプロピル]ベンゼン、ジ(t-アミル)ペルオキシド、1,3,5-トリ[(t-ブチルペルオキシ)イソプロピル]ベンゼン、1,3-ジメチル-3-(t-ブチルペルオキシ)ブタノール及び1,3-ジメチル-3-(t-アミルペルオキシ)ブタノールからなる群から選択される。
ジクミルペルオキシドと、1,3-及び1,4-イソプロピルクミルクミルペルオキシドの混合物(例えば、Arkemaから商標Luperox(登録商標)DC60で販売されている)も有利である。
ある特定のモノペルオキシカーボネート、例えばOO-tert-ブチルO-(2-エチルヘキシル)モノペルオキシカーボネート、OO-tert-ブチルO-イソプロピルモノペルオキシカーボネート及びOO-tert-アミルO-(2-エチルヘキシル)モノペルオキシカーボネートを使用することもできる。
ジアシルペルオキシドの中でも、好ましいペルオキシドは、ベンゾイルペルオキシドである。
ペルオキシケタールの中でも、好ましいペルオキシドは、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル4,4-ジ(t-ブチルペルオキシ)バレレート、エチル3,3-ジ(t-ブチルペルオキシ)ブチレート、2,2-ジ(t-アミルペルオキシ)プロパン、3,6,9-トリエチル-3,6,9-トリメチル-1,4,7-トリペルオキシノナン(又はメチルエチルケトンペルオキシド環式三量体)、3,3,5,7,7-ペンタメチル-1,2,4-トリオキセパン、n-ブチル4,4-ビス(t-アミルペルオキシ)バレレート、エチル3,3-ジ(t-アミルペルオキシ)ブチレート、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1-ジ(t-アミルペルオキシ)シクロヘキサン及びそれらの混合物からなる群から選択される。
好ましくは、ペルオキシエステルは、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート及びtert-ブチルペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエートからなる群から選択される。
特に好ましくは、有機ペルオキシドは、ジクミルペルオキシド、アリール又はジアリールペルオキシド、ジアセチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ジ(tert-ブチル)ペルオキシド、tert-ブチルクミルペルオキシド、2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、n-ブチル4,4’-ジ(tert-ブチルペルオキシ)バレレート、O,O-(t-ブチル)O-(2-エチルヘキシル)モノペルオキシカーボネート、tert-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、tert-ブチルペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、1,3(4)-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン及びそれらの混合物からなる群から、より優先的にはジクミルペルオキシド、n-ブチル4,4’-ジ(tert-ブチルペルオキシ)バレレート、O,O-(t-ブチル)O-(2-エチルヘキシル)モノペルオキシカーボネート、tert-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、tert-ブチルペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、1,3(4)-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン及びそれらの混合物からなる群から選択される。
好ましい態様では、本発明によるゴム組成物は、1種又は複数のペルオキシド化合物に基づく上記のもの以外の架橋系を含まない。組成物は、優先的には、当業者に公知のあらゆる加硫促進剤又は活性化剤を含まないか、又はそれを1phr未満、好ましくは0.5phr未満、より優先的には0.2phr未満含有する。
強化フィラー
空気式タイヤの製造に使用され得るゴム組成物を強化する能力について公知のあらゆるタイプの強化フィラー、例えば有機フィラー、例えばカーボンブラック、無機強化フィラー、例えばシリカ、又はこれらの2つのタイプのフィラーのブレンド、特にカーボンブラックとシリカのブレンドが使用され得る。
すべてのカーボンブラック、特に空気式タイヤに従来使用されているHAF、ISAF又はSAFタイプのブラック(「タイヤグレード」ブラック)は、カーボンブラックとして適している。後者のタイプの中でも、さらに特には、100、200若しくは300シリーズ(ASTMグレード)の強化カーボンブラック、例えばN115、N134、N234、N326、N330、N339、N347若しくはN375ブラック、又は標的とする用途に応じて、より高級なシリーズのブラック(例えばN660、N683又はN772)が挙げられる。カーボンブラックは、例えば、マスターバッチの形態で、既にイソプレンエラストマーに組み込まれていることがある(例えば、国際出願第97/36724号又は国際出願第99/16600号を参照されたい)。
カーボンブラック以外の有機フィラーの例として、例えば国際出願第2006/069792号、国際出願第2006/069793号、国際出願第2008/003434号及び国際出願第2008/003435号に記載されている官能化ポリビニル有機フィラーを挙げることができる。
本願では、「無機強化フィラー」という用語は、定義によれば、カーボンブラックとは対照的に「ホワイトフィラー」、「クリアフィラー」又はさらに「非ブラックフィラー」としても公知のあらゆる無機又は鉱物フィラー(色及びその起源、天然又は合成に関係なく)を意味すると理解されるべきであり、これは、中間カップリング剤以外のいかなる手段も用いずに、それ自体単独で、空気式タイヤの製造を企図されたゴム組成物を強化することができ、換言すれば、その強化役割において、従来のタイヤグレードのカーボンブラックを置き換えることができ、このようなフィラーは、一般に、公知の通りヒドロキシル(-OH)基がその表面に存在することによって特徴付けられる。
無機強化フィラーが提供される物理的状態は、粉末、ミクロビーズ、顆粒、ビーズの形態、又は他の適切なあらゆる高密度化形態であるか否かを問わず、重要ではない。当然のことながら、「無機強化フィラー」は、例えば本明細書で以下に記載される様々な無機強化フィラー、特に高度分散性シリカ及び/又はアルミナフィラーの混合物も意味すると理解される。
シリカタイプの鉱物フィラー、特にシリカ(SiO2)、又はアルミナタイプの鉱物フィラー、特にアルミナ(Al23)は、特に無機強化フィラーとして適している。使用されるシリカは、当業者に公知のあらゆる強化シリカ、特に共に450m2/g未満、好ましくは30~400m2/gのBET表面積及びCTAB比表面積を示すあらゆる沈降又はヒュームドシリカであってもよい。高分散性沈降シリカ(「HDS」)として、例えば、Degussa製のUltrasil 7000及びUltrasil 7005シリカ、Rhodia製のZeosil 1165MP、1135MP及び1115MPシリカ、PPG製のHi-Sil EZ150Gシリカ、Huber製のZeopol 8715、8745及び8755シリカ、又は国際出願第03/16837号に記載されている、高い比表面積を有するシリカが挙げられる。
使用される無機強化フィラーは、特にシリカである場合、好ましくは45~400m2/gの間、より優先的には60~300m2/gの間のBET表面積を有する。
優先的には、強化フィラー(カーボンブラック及び/又は無機強化フィラー、例えばシリカ)の全含量は、20~200phrの間、より優先的には30~150phrの間であり、最適な全含量は、公知の通り、標的とされる具体的な用途に応じて異なり、例えば、自転車用タイヤに関して予想される強化レベルは、当然のことながら、高速で持続的に走行することができるタイヤ、例えばオートバイ用タイヤ、旅客車両用タイヤ又は作業車両、例えば大型車用タイヤに関して必要とされるレベル未満である。
本発明の優先的な実施形態によれば、30~150phrの間、より優先的には50~120phrの間の有機フィラー、特にカーボンブラックを含み、シリカを含んでいてもよい強化フィラーが使用され、シリカは、存在する場合、好ましくは20phr未満、より優先的には10phr未満(例えば0.1~10phrの間)の含量で使用される。
或いは、本発明の別の優先的な実施形態によれば、30~150phrの間、より優先的には50~120phrの間の無機フィラー、特にシリカを含み、カーボンブラックを含んでいてもよい強化フィラーが使用され、カーボンブラックは、存在する場合、好ましくは20phr未満、より優先的には10phr未満(例えば0.1~10phrの間)の含量で使用される。
無機強化フィラーをエラストマーにカップリングさせるために、公知の通り、無機フィラー(その粒子の表面)とエラストマーとの間に化学的及び/又は物理的性質の満足なつながりを提供することを企図された、少なくとも二官能性のカップリング剤(又は結合剤)、特に二官能性のオルガノシラン又はポリオルガノシロキサンが使用され得る。
特に、「対称」又は「非対称」と呼ばれるシランポリスルフィドが、例えば、国際出願第03/002648号(又は米国特許出願第2005/016651号)及び国際出願第03/002649号(又は米国特許出願第2005/016650号)などに記載されている通り、それらの特定の構造に応じて使用され得る。
さらに特には、シランポリスルフィドの例として、ビス((C1-C4)アルコキシル(C1-C4)アルキルシリル(C1-C4)アルキル)ポリスルフィド(特に、ジスルフィド、トリスルフィド又はテトラスルフィド)、例えばビス(3-トリメトキシシリルプロピル)又はビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドなどが挙げられる。これらの化合物の中でも、特に、TESPTと略される式[(C25O)3Si(CH2322のビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、又はTESPDと略される式[(C25O)3Si(CH23S]2のビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドが使用される。優先的な例として、ビス(モノ(C1-C4)アルコキシルジ(C1-C4)アルキルシリルプロピル)ポリスルフィド(特に、ジスルフィド、トリスルフィド又はテトラスルフィド)、さらに特には、例えば米国特許出願第2004/132880号に記載されているビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィドも挙げられる。
アルコキシシランポリスルフィド以外のカップリング剤として、特に、二官能性POS(ポリオルガノシロキサン)、又は例えば国際出願第02/30939号及び国際出願第02/31041号に記載されているヒドロキシシランポリスルフィド、又は例えば国際出願第2006/125532号、国際出願第2006/125533号及び国際出願第2006/125534号などに記載されているアゾジカルボニル官能基を担持するシラン若しくはPOSが挙げられる。
本発明によるゴム組成物におけるカップリング剤の含量は、優先的には4~12phrの間、より優先的には4~8phrの間である。別の態様では、本発明によるゴム組成物は、いかなるカップリング剤も含まない。
当業者は、本発明の節に記載される無機強化フィラーに等価なフィラーとして、別の性質、特に有機的性質の強化フィラーが使用され得るが、ただしこの強化フィラーは、無機層、例えばシリカで被覆されているか、又はその表面に、被覆剤又はカップリング剤の存在下若しくは非存在下で、フィラーとエラストマーとの間に結合を確立することを可能にする官能性部位、特にヒドロキシル部位を含むことを理解されよう。
フェノール化合物
本発明による組成物は、少なくとも1個の炭化水素基で置換されているフェノール基を含む最大で1000g/molに等しいモル質量を有する少なくとも1種のフェノール化合物を含み、前記炭化水素基は、酸素原子により中断及び/又は置換されており、1個又は複数のヘテロ原子により中断及び/又は置換されていてもよい。
「ヘテロ原子」という用語は、水素原子及び炭素原子とは異なる少なくとも一価の原子、優先的には窒素及び酸素から選択される原子を意味することが企図される。
好ましくは、フェノール化合物のフェノール基は、1個又は複数のヘテロ原子により中断及び/又は置換されていてもよい少なくとも2個の炭化水素基で置換されており、炭化水素基のうち少なくとも1個は、酸素原子により中断及び/又は置換されており、2個の炭化水素基は、それらが結合しているフェノール基の芳香族環の炭素原子と一緒になって、1個又は複数のヘテロ原子により中断及び/又は置換されていてもよい環を形成することができる。
優先的には、フェノール化合物は、一般式(I)
Figure 2023531607000002
[式中、
- G1は、ヒドロキシル、カルボキシル若しくはアルコキシ基、又は水素原子を表し、
- G2は、ヒドロキシル若しくはカルボキシル基、又は水素原子を表し、
- G3は、ヒドロキシル、カルボキシル、ヒドロゲノカルボニル、カルボキシアルキル、カルボキシアルキレン、アルコキシ、アミノ、アミノアルキル、アミド若しくはビニル基、又は水素原子を表す]
に相当し、
置換基G1~G3のうち少なくとも1個は、酸素原子を含み、前記フェノール化合物のモル質量は、最大で1000g/molに等しい。
「カルボキシル基」又は「カルボン酸官能基」という用語は、炭素原子が二重結合を介して酸素原子に連結しており、単結合を介してヒドロキシ基-OHに連結している、式-COOHの基を意味する。
「カルボキシアルキル基」という用語は、式-Cn2n-COOHのラジカルを意味し、ここでnは、有利には1~15、優先的には1~10、非常に優先的には1~5、好ましくは1~3の範囲の整数である。
「アルコキシ基」という用語は、式-OCn2n+1の基を意味し、ここでnは、1~10、非常に優先的には1~5、好ましくは1~3の範囲の整数を表す。
「ヒドロゲノカルボニル基」という用語は、炭素原子が二重結合を介して酸素原子に連結しており、単結合を介して水素原子に連結している、式-CHOの基を意味する。
「アミノ基」という用語は、式-NH2の基を意味する。
「アミノアルキル基」という用語は、式-Cn2n-NH2のラジカルを意味し、ここでnは、有利には1~15、優先的には1~10、非常に優先的には1~5、好ましくは1~3の範囲の整数である。
好ましくは、フェノール化合物は、少なくとも2個のヒドロキシ基で置換されている。好ましくは、G1、G2及びG3は、独立に、ヒドロキシル若しくはカルボキシル基、又は水素原子を表し、優先的には独立に、ヒドロキシル又はカルボキシル基を表す。
有利には、フェノール化合物は、少なくとも1個のカルボキシル基で置換されている。
有利には、フェノール化合物は、少なくともヒドロキシ基に対してパラ位において置換されている。「パラ位において置換されている」という用語は、当業者に公知の通り、前記フェノール化合物の芳香族核が、4位において置換されており、前記ヒドロキシ基が、1位に存在するとみなされ、1位~6位が、前記芳香族核を構成する炭素原子に対応することを意味する。驚くべきことに、本出願人は、フェノール化合物が少なくともヒドロキシ基に対してパラ位において置換されている場合、本発明による組成物の接着特性が特に改善されることを発見した。接着特性は、前記フェノール化合物が、ヒドロキシ基に対してパラ位においてカルボキシル基で置換されている場合、特に有利である。
好ましい実施形態に関係なく、フェノール化合物のモル質量は、最大で1000g/mol、好ましくは800g/mol未満、優先的には600g/mol未満、非常に好ましくは400g/mol未満、非常に優先的には220g/mol未満、非常に優先的には200g/mol未満、又はさらには180g/molに等しい。
本発明の必要のために使用されるフェノール化合物の中でも、1,4-ジヒドロキシ-2-ナフトエ酸、クルクミン、レスベラトロール、ダイゼイン、ゲニステイン、アピゲニン、ウンベリフェロン、l-チロシン、グアヤコール、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒド、イソバニリン、サリチル酸、アセトアミノフェン、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、コーヒー酸、5-アミノサリチル酸、3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,5-ジヒドロキシテレフタル酸、バニリン、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、プロトカテク酸、4-ヒドロキシイソフタル酸、2,3,4-トリヒドロキシ安息香酸、3-O-メチル没食子酸、4,5-ジヒドロキシフタル酸、2,4,5-トリヒドロキシ安息香酸及びそれらの混合物を挙げることができる。
これらの化合物の中でも、特に好ましいものは、アセトアミノフェン、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、コーヒー酸、5-アミノサリチル酸、3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,5-ジヒドロキシテレフタル酸、バニリン、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、プロトカテク酸、4-ヒドロキシイソフタル酸、2,3,4-トリヒドロキシ安息香酸、3-O-メチル没食子酸、4,5-ジヒドロキシフタル酸、2,4,5-トリヒドロキシ安息香酸及びそれらの混合物である。優先的には、化合物は、コーヒー酸、没食子酸、プロトカテク酸、4-ヒドロキシイソフタル酸、2,3,4-トリヒドロキシ安息香酸、3-O-メチル没食子酸、4,5-ジヒドロキシフタル酸、2,4,5-トリヒドロキシ安息香酸及びそれらの混合物から選択され、優先的にはコーヒー酸、没食子酸及びプロトカテク酸から選択される。
非常に好ましくは、フェノール化合物は、没食子酸である。
本発明によるゴム組成物は、有利には、0.1~25phr、優先的には2~15phrのフェノール化合物を含む。0.1phr未満では、フェノール化合物は、本発明によるゴム組成物の接着特性に対して注目すべき効果はない。25phrを超えると、それ以上の著しい利益は観察されない。
単糖ファミリーの化合物
本発明によるゴム組成物は、アルドース及びケトースから選択される単糖ファミリーの少なくとも1種の化合物を含む。
単糖は、炭水化物モノマーである。アルドースは、カルボニル官能基がアルデヒドである単糖である。ケトースは、カルボニル官能基がケトンである単糖である。
ペルオキシドベースの架橋系で架橋されたゴム組成物における、特定のフェノール化合物と単糖ファミリーの化合物の組合せにより、金属部品に対する優れた接着を得ることが可能になることが発見された。
好ましくは、単糖ファミリーの化合物は、トリオース、テトロース、ペントース及びヘキソースから、優先的にはペントース及びヘキソースから選択される。好ましくは、単糖ファミリーの化合物は、フルクトース、プシコース、ソルボース、タガトース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース及びタロースから選択され、優先的にはフルクトース、グルコース、マンノース及びガラクトースから選択され、非常に優先的にはフルクトース及びグルコースから選択される。
好ましくは、単糖ファミリーの化合物の含量は、0.1~15phrの間、好ましくは0.1~10phrの間である。
様々な添加剤
本発明によるゴム組成物はまた、当業者に公知であり、一般に空気式タイヤのためのゴム組成物、特に本願で引き続き定義される内層の組成物において使用される通常の添加剤、例えば可塑剤(可塑化油及び/又は可塑化樹脂)、前述のもの以外の強化若しくは非強化フィラー、顔料、保護剤、例えばオゾン劣化防止(antiozone)ワックス、化学的オゾン劣化防止剤若しくは酸化防止剤、疲労防止剤、又は強化樹脂(例えば、国際出願第02/10269号に記載されるものなど)などのすべて又は一部を含むことができる。
これらの組成物はまた、カップリング剤に加えて、カップリング活性化物質、無機フィラーを被覆するための薬剤、又はより一般的には、公知の通り、ゴムマトリックスにおけるフィラーの分散を改善することにより及び組成物の粘度を低下させることにより、生状態で加工される能力を改善することができる加工助剤を含有することができ、これらの薬剤は、例えば、加水分解性シラン、例えばアルキルアルコキシシラン(例えば、オクチルトリエトキシシラン又はオクテオ(octeo)シラン)、ポリオール、ポリエーテル、第一級、第二級若しくは第三級アミン、又はヒドロキシル化若しくは加水分解性ポリオルガノシロキサンである。
驚くべきことに、強化ケーブルに対する本発明による組成物の非常に良好な接着は、コバルト塩を使用する必要がなく得られる。したがって、本発明による組成物は、優先的には当業者に公知の、その公知の効果が接着の改善であるコバルト塩を含まず、又はそれを1phr未満、好ましくは0.5phr未満、より優先的には0.2phr未満、非常に優先的には0.1phr未満を含有する。
ゴム組成物の調製
本発明によるゴム組成物は、当業者に周知の調製段階を使用して、適切なミキサーで製造される。
- すべての必須の構成物、特にエラストマーマトリックス、フェノール化合物、フィラー並びに任意の様々な他の添加剤が、適切なミキサー、例えば標準的内部ミキサー(例えば「バンバリー」タイプのもの)に導入される間に、単一の熱機械ステップで実施され得る熱機械作業又は混練段階。エラストマーへのフィラーの組込みは、熱機械的に混練しながら1回又は複数回に分けて実施され得る。フィラー、特にカーボンブラックが、例えば国際出願第97/36724号又は国際出願第99/16600号に記載されている通り、マスターバッチの形態で完全に又は部分的にエラストマーに既に組み込まれている場合、そのフィラーは、直接混練されているマスターバッチであり、適切な場合には、マスターバッチ形態ではないその他のエラストマー又はフィラーが組成物に存在し、また、任意の様々な他の添加剤が組み込まれる。
熱機械混練は、110℃~200℃の間、好ましくは130℃~185℃の間の最大温度までの高温で、一般に2~10分の間にわたって行われる。
- その後、機械作業の第2の段階は、第1の段階中に得られた混合物をより低い温度、典型的には120℃未満、例えば40℃~100℃の間に冷却した後で、外部ミキサー、例えばオープンミル中で行うことができる。
架橋が行われる場合には、当業者の知識に従って、第1又は第2の段階中に任意の架橋系が添加される。ペルオキシドに基づく架橋系は、典型的に、第2の段階中に添加される。
そうして得られた最終組成物は、その後例えば、特に研究室での特徴付けのためにシート若しくはプレートの形態でカレンダー加工されるか、又はゴム半製品(又は形状を有する(profiled)要素)の形態で押し出される。
組成物は、生状態(架橋前)若しくは硬化状態(架橋後)のいずれかであってもよく、又は空気式タイヤに使用され得る半製品であってもよい。
硬化は、一般に130℃~200℃の間の温度において圧力下で、特に考慮される組成物の硬化温度、採用された架橋系、架橋動態、又は空気式タイヤのサイズの関数として変わり得る十分な時間、例えば5~90分の間、当業者に公知の方法で行うことができる。
複合材料
本発明はまた、本発明による金属性表面を有する部品及びゴム組成物に少なくとも基づく複合材料に関する。
「少なくとも本発明による部品及び組成物に基づく」複合材料という表現は、部品及び前記組成物を含む複合材料であって、組成物が、複合材料の様々な製造段階中に、特に組成物の架橋中に、又は組成物を架橋する前の複合材料の製造中に、部品の表面と反応することができた複合材料を意味すると理解されるべきである。
前記部品は、完全に又は部分的に金属性であり得る。
部品の金属性表面は、前記部品の少なくとも一部、有利にはすべての表面を構成し、本発明による組成物と接触するように企図される。
本発明による組成物は、部品の少なくとも一部、有利には前記部品のすべてを被覆する。
部品は、有利には、部分的に又は完全に金属性であり、金属部分は、少なくとも金属性表面を含む。好ましくは、部品は、金属から完全に作製されている。
本発明の第1の変形形態によれば、部品の金属性表面は、部品の残部とは異なる材料から作製されている。換言すれば、部品は、金属性表面を形成する金属層で少なくとも部分的に、有利には全体的に被覆されている材料から作製されている。少なくとも部分的に、有利には全体的に金属性表面で被覆されている材料は、金属性又は非金属性であり、好ましくは金属性の性質である。
本発明の第2の変形形態によれば、部品は、同じ材料から作製されており、この場合、部品は、金属性表面の金属と同一の金属から作製されている。
本発明の一実施形態によれば、金属性表面は、鉄、銅、亜鉛、スズ、アルミニウム、コバルト、ニッケル、及びこれらの金属の少なくとも1種を含む合金からなる群から選択される金属を含む。合金は、例えば、二元又は三元合金、例えば鋼鉄、青銅及び真鍮であり得る。好ましくは、金属性表面の金属は、鉄、銅、スズ、亜鉛、又はこれらの金属の少なくとも1種を含む合金である。より優先的には、金属性表面の金属は、鋼鉄、真鍮(Cu-Zn合金)、亜鉛又は青銅(Cu-Sn合金)、さらにより好ましくは真鍮又は亜鉛、非常に好ましくは真鍮である。
本願では、「金属性表面の金属は、以下に示される金属である」という表現は、金属性表面が、以下に示される金属から作製されていることを意味する。例えば、先に書かれている「金属性表面の金属は、真鍮である」という表現は、金属性表面が、真鍮から作製されていることを意味する。ある特定の金属は、周囲空気と接触すると酸化を受けるので、金属は、ステンレス鋼を除いて部分的に酸化され得る。
金属性表面が鋼から作製されている場合、鋼は、優先的には炭素鋼又はステンレス鋼である。鋼が炭素鋼である場合、その炭素含量は、好ましくは0.01%~1.2%の間、又は0.05%~1.2%の間、又は0.2%~1.2%の間、特に0.4%~1.1%の間である。鋼がステンレスである場合、鋼は、好ましくは少なくとも11%のクロム及び少なくとも50%の鉄を含む。
部品は、あらゆる形状であり得る。好ましくは、部品は、スレッド又はケーブルの形態で提供される。
本発明の特定の実施形態によれば、部品は、少なくとも1ミリメートルに等しい長さを有する。長さは、部品の最長寸法を意味する。少なくとも1ミリメートルに等しい長さを有する部品として、例えば、車両のための空気式タイヤ、例えばスレッド様要素(モノフィラメント又はケーブル)及び非スレッド様要素に使用される強化要素を挙げることができる。
本発明の特に優先的な実施形態によれば、複合材料は、部品が強化要素を構成し、本発明による組成物が強化要素をコーティングしている、強化された構造体である。
特に優先的な実施形態によれば、複合材料は、強化要素、及び強化要素が包埋されているカレンダー加工ゴムを含む強化された製品であり、各強化要素は、本発明の実施形態のいずれか1つに従って既に定義されている部品、及び本発明によるゴム組成物を含むカレンダー加工ゴムからなる。この実施形態によれば、強化要素は、一般に、中心方向に沿って隣り合わせで配置させる。したがって、空気式タイヤで想定される用途では、複合材料は、空気式タイヤの強化材を構成し得る。
本発明による複合材料は、生状態(ゴム組成物の架橋前)又は硬化状態(ゴム組成物の架橋後)であり得る。複合材料は、部品を本発明によるゴム組成物と接触させた後に硬化する。
複合材料は、以下のステップを含むプロセスにより製造され得る。
- 本発明による組成物の二層を作製するステップ、
- 二層の間に部品を配置することにより、二層に部品を挟むステップ、
- 適切な場合、複合材料を硬化するステップ。
或いは、複合材料は、層の一部の上に部品を配置することによって製造され得、次に層は、それ自体が折り畳まれて、全長又は長さの一部にわたってそうして挟まれている部品を被覆する。
層は、カレンダー加工により生成され得る。複合材料の硬化中に、ゴム組成物は架橋される。
複合材料が、空気式タイヤにおける強化材として使用されることを企図される場合、複合材料の硬化は、一般に、空気式タイヤのケーシングの硬化中に行われる。
完成品又は半完成品
本発明の主題はまた、本発明による組成物又は複合材料を含む完成品又は半完成品である。「完成品」という用語は、そのまま使用され得る物品、例えばコンベヤーベルトを意味する。「半完成品」という用語は、最終製品に組み込まれることが企図された物品、例えば空気式タイヤのための強化されたプライなどを意味する。
空気式タイヤ
本発明の別の主題である空気式タイヤは、本発明による組成物又は複合材料を含むという必須の特色を有する。空気式タイヤは、生状態(ゴム組成物の架橋前)又は硬化状態(ゴム組成物の架橋後)であり得る。一般に、空気式タイヤの製造中、組成物又は複合材料は、空気式タイヤを硬化するステップの前に、生状態(すなわちゴム組成物の架橋前)で空気式タイヤの構造体に配置される。
本発明は、特に、旅客車両タイプの自動車、SUV(スポーツユーティリティビークル)、又は二輪車(特にオートバイ)、又は航空機、或いはバン、大型車、すなわち地下鉄の電車、バス、大型道路運送車両(貨物自動車、牽引車、トレーラー)、又は路上外走行車、例えば農業用車両若しくは建設車などから選択される産業車両に備えられることを企図された空気式タイヤに関する。
空気式タイヤにおいては、以下の3つのタイプの領域を定義することが可能である。
・ 周囲空気と接触する半径方向外側領域、この領域は、本質的に、空気式タイヤのトレッド及び外側壁からなる。外側壁は、クラウンとビードとの間において、クラウンからビードに伸びるカーカス強化部の領域を完全に又は部分的に被覆するように、空気式タイヤの内部空洞に対するカーカス強化部の外部に位置するエラストマー層である。
・ 膨張ガスと接触する半径方向内側領域、この領域は、一般に、膨張ガスに対して気密の層からなり、これは、時として内側気密層又は内部ライナーとして公知である。
・ 空気式タイヤの内領域、すなわち外側領域と内側領域との間における領域。この領域は、ここで空気式タイヤの内層と呼ばれる層又はプライを含む。これらは、例えば、周囲空気又は空気式タイヤの膨張ガスと接触しないカーカスプライ、トレッド副層、空気式タイヤベルトプライ又は他のあらゆる層である。
本説明で定義される組成物は、特に、空気式タイヤの内層に十分に適している。
したがって、本発明はまた、本発明による組成物又は複合材料を含む内層を含む空気式タイヤに関する。本発明によれば、内層は、カーカスプライ、クラウンプライ、ビードワイヤーフィリング、クラウンフィート、デカップリング層、トレッド下層及びこれらの内層の組合せからなる群から選択され得る。好ましくは、内層は、カーカスプライ、クラウンプライ、ビードワイヤーフィリング、クラウンフィート、デカップリング層及びこれらの内層の組合せからなる群から選択される。
以下の手順を使用して、異なるゴム組成物を調製する。ジエンエラストマー及び次に混合物のその他のすべての構成物を、内部ミキサーに逐次的に導入し(最終的な充填度:およそ70体積%)、その初期容器温度はおよそ60℃である。次に、最大「低下」温度が150℃に達するまで、熱機械作業を1ステップで実施する。そうして得られた混合物を回収し、外部ミキサー(均一仕上げ機(homofinisher))で30℃において冷却し、すべてのものを混合する。
調製したゴム組成物を、表1に示す。
Figure 2023531607000003
すべての組成物をphrで示す
(1)天然ゴム
(2)N347
(3)Sigma-Aldrichによって供給された
組成物「T1」は、特定のフェノール化合物も単糖ファミリーの化合物も含有していないことに留意されたい。組成物「T2」は、特定のフェノール化合物だけを含み、一方、組成物「T3」は、単糖ファミリーの化合物、この場合は6個の炭素原子を有するアルドースだけを含む。組成物「C1」は、特定のフェノール化合物とケトースファミリーの化合物の両方を含み、組成物「C2」は、特定のフェノール化合物及びアルドースファミリーの化合物の両方を含む。
ゴム組成物と部品の間の結合の質は、ASTM規格D2229に基づく試験によって決定し、この試験では、架橋されたゴム組成物から、金属性表面を有する個々のスレッドの切片を引っ張り出すのに必要な力を測定する。この目的では、複合材料を、一方は、金属性表面を有する部品として空気式タイヤ分野で従来使用されている強化剤である2.30NF22タイプの金属強化剤を含有し、他方は、架橋されたゴム組成物を含むエラストマー混合物を含有する試験片の形態で調製する。
試験片の調製
以下のプロトコールに従って、試験片の形態の複合材料を調製するために、ゴム組成物を使用する。
硬化前に互いに重ねた2つのプレートからなるゴムのブロックを生成する。ブロックの2つのプレートは、同じゴム組成物からなる。ブロックの生成中に、強化剤を、生状態の2つのプレートの間に等距離で離して閉じ込めると同時に、その後の引張り試験に十分な長さを有する強化剤の端部を、これらのプレートのいずれかの側面上に突き出させたままにする。次に、強化剤を含むブロックを、標的とする試験条件に適合させた型に入れ、当業者の裁量に任せる。例えば本発明の場合、ブロックを、組成物に従って25分~90分の範囲の時間にわたって、170℃において5.5トンの圧力下で硬化させる。
強化剤は、真鍮でコーティングされた0.6ミリメートルの鋼スレッドからなる2.30NF22ケーブルである。真鍮コーティングの厚さは、200nm~1μmである。
本発明による組成物を用いてそうして調製した試験片は、本発明による複合材料に相当する。
接着試験
硬化が完了したら、そうして架橋したブロック及び強化剤からなる試験片を、所与の速度及び所与の温度で(例えば、本発明の場合、100mm/分及び周囲温度で)、各切片を別個に試験することを可能にするように適合させた、引張り試験機の顎部に置く。
接着レベルは、試験片から各切片の強化剤を剥離する「剥離」力を測定することによって特徴付けられる。
結果は、試験された試験片のものと同一の性質の強化剤を含有し、かつ表1で示されるゴム組成物「T1」を含有する対照試験片に対して100をベースとして、表す。
自由裁量によって100に設定した対照試験片についての値を超える値は、改善された結果、すなわち、自由裁量によって値が100に設定されている対照試験片の剥離力よりも大きい剥離力を示す。
Figure 2023531607000004
表2は、対照試験片及び本発明による試験片で実施した接着試験の結果を示す。
T2とT1の比較によって、没食子酸を単独で使用することにより、強化剤に対する材料の接着を改善することが可能になることに留意されたい。
実施例における特定のフェノール化合物、この場合没食子酸と、単糖ファミリーの化合物であるグルコース又はフルクトースとの組合せにより、強化剤に対するゴム組成物の接着を大幅に改善することが可能になる。
Figure 2023531607000006
[式中、
- G1は、ヒドロキシル、カルボキシル若しくはアルコキシ基、又は水素原子を表し、
- G2は、ヒドロキシル、カルボキシル若しくはカルボニル基、又は水素原子を表し、
- G3は、ヒドロキシル、カルボキシル、ヒドロゲノカルボニル(hydrogenocarbonyl)、カルボキシアルキル、カルボキシアルキレン、アルコキシ、アミノ、アミノアルキル、アミド若しくはビニル基、又は水素原子を表す]
に相当し、
置換基G1~G3のうち少なくとも1個が、酸素原子を含み、前記フェノール化合物のモル質量が、最大で1000g/molに等しく、ゴム組成物が、アルドース及びケトースから選択される単糖ファミリーの少なくとも1種の化合物をさらに含む、
実施形態1~2のいずれか1つによるゴム組成物。
4.前記フェノール化合物が、少なくとも2個のヒドロキシ基で置換されている、実施形態1~3のいずれか1つによるゴム組成物。
5.前記フェノール化合物が、少なくとも1個のカルボキシル基で置換されている、実施形態1~4のいずれか1つによるゴム組成物。
Figure 2023531607000007
[式中、
- G1は、ヒドロキシル、カルボキシル若しくはアルコキシ基、又は水素原子を表し、
- G2は、ヒドロキシル若しくはカルボキシル基、又は水素原子を表し、
- G3は、ヒドロキシル、カルボキシル、ヒドロゲノカルボニル、カルボキシアルキル、カルボキシアルキレン、アルコキシ、アミノ、アミノアルキル、アミド若しくはビニル基、又は水素原子を表す]
に相当し、
置換基G1~G3のうち少なくとも1個は、酸素原子を含み、前記フェノール化合物のモル質量は、最大で1000g/molに等しい。
「カルボキシル基」又は「カルボン酸官能基」という用語は、炭素原子が二重結合を介して酸素原子に連結しており、単結合を介してヒドロキシ基-OHに連結している、式-COOHの基を意味する。
「カルボキシアルキル基」という用語は、式-Cn2n-COOHのラジカルを意味し、ここでnは、有利には1~15、優先的には1~10、非常に優先的には1~5、好ましくは1~3の範囲の整数である。

Claims (15)

  1. 少なくとも1種のジエンエラストマー、強化フィラー、少なくとも1種又は複数のラジカル重合開始剤に基づく架橋系、少なくとも1個の炭化水素基で置換されているフェノール基を含む最大で1000g/molに等しいモル質量を有する少なくとも1種のフェノール化合物に基づくゴム組成物であって、前記炭化水素基が、酸素原子により中断及び/又は置換されており、1個又は複数のヘテロ原子により中断及び/又は置換されていてもよく、前記ゴム組成物がさらに、アルドース及びケトースから選択される単糖ファミリーの少なくとも1種の化合物を含む、前記ゴム組成物。
  2. フェノール化合物のフェノール基が、1個又は複数のヘテロ原子により中断及び/又は置換されていてもよい少なくとも2個の炭化水素基で置換されており、炭化水素基のうち少なくとも1個が、酸素原子により中断及び/又は置換されており、2個の炭化水素基が、それらが結合しているフェノール基の芳香族環の炭素原子と一緒になって、1個又は複数のヘテロ原子により中断及び/又は置換されていてもよい環を形成することができる、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. フェノール化合物が、一般式(I)
    Figure 2023531607000005
    [式中、
    - G1は、ヒドロキシル、カルボキシル若しくはアルコキシ基、又は水素原子を表し、
    - G2は、ヒドロキシル、カルボキシル若しくはカルボニル基、又は水素原子を表し、
    - G3は、ヒドロキシル、カルボキシル、ヒドロゲノカルボニル、カルボキシアルキル、カルボキシアルキレン、アルコキシ、アミノ、アミノアルキル、アミド若しくはビニル基、又は水素原子を表す]
    に相当し、
    置換基G1~G3のうち少なくとも1個が、酸素原子を含み、前記フェノール化合物のモル質量が、最大で1000g/molに等しく、ゴム組成物が、アルドース及びケトースから選択される単糖ファミリーの少なくとも1種の化合物を含む、
    請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記フェノール化合物が、少なくとも2個のヒドロキシ基で置換されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  5. 前記フェノール化合物が、少なくとも1個のカルボキシル基で置換されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  6. 前記フェノール化合物が、ヒドロキシ基に対してパラ位において置換されており、優先的にはヒドロキシ基に対してパラ位においてカルボキシル基で置換されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  7. 1、G2及びG3が、独立に、ヒドロキシル及びカルボキシル基並びに水素原子から選択され、優先的には独立に、ヒドロキシル及びカルボキシル基から選択される、請求項3~6のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  8. 前記フェノール化合物が、1,4-ジヒドロキシ-2-ナフトエ酸、クルクミン、レスベラトロール、ダイゼイン、ゲニステイン、アピゲニン、ウンベリフェロン、l-チロシン、グアヤコール、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒド、イソバニリン、サリチル酸、アセトアミノフェン、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、コーヒー酸、5-アミノサリチル酸、3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,5-ジヒドロキシテレフタル酸、バニリン、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、プロトカテク酸、4-ヒドロキシイソフタル酸、2,3,4-トリヒドロキシ安息香酸、3-O-メチル没食子酸、4,5-ジヒドロキシフタル酸、2,4,5-トリヒドロキシ安息香酸及びそれらの混合物から選択される、請求項1に記載のゴム組成物。
  9. フェノール化合物の含量が、0.1~25phrの間である、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 単糖ファミリーの化合物が、トリオース、テトロース、ペントース及びヘキソースから、優先的にはペントース及びヘキソースから選択される、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 単糖ファミリーの化合物が、フルクトース、プシコース、ソルボース、タガトース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース及びタロースから選択され、優先的にはフルクトース、グルコース、マンノース及びガラクトースから選択され、非常に優先的にはフルクトース及びグルコースから選択される、請求項10に記載の組成物。
  12. 単糖ファミリーの化合物の含量が、0.1~15phrの間、好ましくは0.1~10phrの間である、請求項1~11のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 少なくとも、金属性表面を有する部品及び請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物をベースとする複合材料。
  14. 請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物又は請求項13に記載の複合材料を含む、完成品又は半完成品。
  15. 請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物又は請求項13に記載の複合材料を含む、空気式タイヤ。
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