JP2023526107A - 組織用クリップ適応取付又は後付セット - Google Patents

Abstract

【課題】本開示は、キャップアタッチメント（２）を備えた組織用クリップ適応取付又は後付セット（１）に関する。【解決手段】組織用クリップ適応取付又は後付セット（１）は、シャフトタイプの医療用内視鏡（３）の遠位端部に装着されるように、特には載置されるように設計され、この目的のため、好ましくは近位の装着又は載置部分（４）と好ましくは遠位の組織用クリップ保持部分（５）とを有する。近位の装着又は載置部分（４）および遠位の組織用クリップ保持部分（５）の領域において、少なくとも遠位方向に開放するキャビティ（６）が内部に形成され、半径方向外側を向く外周面（８）に、組織用クリップ（９）が半径方向に支持され、且つケーブルプル操作が可能な引き離しリング（１０）の形の引き離し装置によって遠位方向に変位させることができ、組織用クリップ保持部分（５）の半径方向外周面（８）に軸方向に摺動可能なように装着され、組織用クリップ（９）を移動させる。ケーブルプルは、少なくとも２つの連結又は係合点（１８）において、摺動力の伝達のため引き離しリング（１０）と直接接触する。【選択図】図１

Description

本開示は、キャップアタッチメントを備えた組織用クリップ適応取付又は後付セットに関し、当該組織用クリップ適応取付又は後付セットは、シャフトタイプの医療用内視鏡の遠位端部に装着又は嵌め込まれ／取り付けられるよう設計され、この目的のために、近位の装着／載置部分と遠位の組織用クリップ保持部分とを有する。この近位の装着／載置部分と遠位の組織用クリップ保持部分の領域において、遠位方向に開放するキャビティが内部に形成され、遠位の組織用クリップ保持部分の半径方向外側を向く周面の１つに、組織用クリップが半径方向に支持され、且つ内視鏡の近位端部から又は体外から好ましくは操作可能／作動可能な引き離し（ｐｕｌｌ－ｏｆｆ）装置によって半径方向に変位させることができる。この引き離し装置は、組織用クリップ保持部分の半径方向外周面に、軸方向に摺動可能に装着され、組織用クリップを導き／変位させ／移動させる引き離しリングの形である。

内視鏡は一般に視覚的探査、また場合によっては、患者の体腔の操作のための医療用作業ツールである。探査のために、内視鏡は一般には、内視鏡の（患者に面しており使用者には面していない）遠位端（内視鏡ヘッドとしても知られている）に光学装置を有する。操作のために、内視鏡は任意で、慣習的には患者の腔から外側へ突出している（使用者に面しており患者に面していない）近位内視鏡部分から延在する１つ以上の内部作業チャネル、又は、内視鏡ヘッドに対して隣接する可撓性又は硬性内視鏡シャフトを介した体外式内視鏡ハンドルを有しており、鉗子、アンカー、ハサミ、針、スリング、メス等の１つ以上の医療器具の体外式挿入又は供給が可能である。

このような内視鏡には任意で、少なくともオプティクスを収容／包含する内視鏡ヘッド上にキャップ又はスリーブを、例えば遠位の内視鏡ヘッドの外部で半径方向に取り付けることにより、付加的な能力を設け得る。本明細書においてキャップ又はスリーブは、一定の機能を有するか、又は一定の機能部材を備えている。これにより内視鏡は、元の機能すなわち探査に加え、及び／又は最小侵襲（医療）機器のための道（ａｃｃｅｓｓ）として、介入性又は外科的処置を行うために、内視鏡自体が（最小侵襲）器具として使用され得る。

キャップ（キャップアタッチメント）によって実装される付加的機能を備えた内視鏡は、先行技術から既に知られている。例えば独国公開特許１０２０１７１１２８９６号には、組織用クリップ取付セット又は後付セットが示されており、当該キャップアタッチメントは、引き離しリングにより組織用クリップをキャップアタッチメントから取り外すために内視鏡の遠位端に取り付けることができる。

内視鏡キャップのもう１つの例は、独国実用新案２０２００８００７７７４号に開示されている。当該内視鏡キャップは、内視鏡キャップの拡張スリーブに押しあてることのできる組織用クリップのための保持及び引き離し装置を有する。拡張スリーブの前縁には、開いた前方溝が配置されており、キャップのジャケット壁を両側に切り開いている。さらに内視鏡キャップは、軸方向正面のキャップ部分において、前方溝を半径方向に横切り、且つ内視鏡キャップの半径方向内側で作動する内視鏡チャネルへ摺動可能に挿入されるか又は挿入可能な、引き離し糸又は繊維を有する。

また、米国特許出願第２０１３／０３２５０３９号には、キャップ内に配される担体／引き離しリングに連結されており組織用クリップを変位させるアクチュエータケーブルの形の、近位の作動引き出し装置によって、組織用クリップを引き出すことができる内視鏡キャップが示される。

しかし、先行技術に開示された内視鏡キャップには、キャップ内部に導かれた引き離しリングは作業チャネルの利用可能な断面積を低減させるという欠点が常にある。対照的に、外周面を導かれ、引き離し糸により作動可能な引き離しリングは詰まりがちで、ひいては破損となり得る。

独国公開特許１０２０１７１１２８９６号 独国実用新案２０２００８００７７７４号 米国特許出願第２０１３／０３２５０３９号

本開示の目的及び目標は、先行技術の欠点を除去するか、少なくとも低減させることにある。特には、作業チャネルの利用可能な面積を（過度に）制限することなく、引き離しリングの詰まりのリスクを除去するか低減させる組織用クリップ適応取付又は後付セットが提供される。

当該目的及び目標は、請求項１の主題により、包括的な組織用クリップ適応取付又は後付セットに関する本開示により解決される。従って本開示は、可能な限り均一又は対称的な引き離しリングへの力の導入の理解に基づく。

本開示によると、組織用クリップ適応取付又は後付セットは、引き離し装置を作動させると、引き離しリングの周囲にわたって分配されるか、又は可能な限り対称的に引き離しリングに付与される軸力が加えられるように構成／作られる。

この目的のため、場合によっては、独立してクレームされ得る本開示の第１の実施形態によると、以下による、シンプルなプーリーの原理が建設的に適用される。
（第１の）ケーブルプル（ｃａｂｌｅ ｐｕｌｌ）端は（遠位に）静止保持され、
ケーブルプルの中央部分は（近位）荷重、具体的には引き離しリングに、長手方向に摺動可能に連結され、
もう１つの（第２の）ケーブルプル端は、（近位）荷重の方向に遠位のたわみの周囲で後方へ、場合によっては（近位方向に）遠位のたわみを越えて導かれる。

荷重、すなわち引き離しリング、に機能的に結合する中央部分は、荷重（引き離しリング）に対して実質的に対称的に力を付与するように、このように寸法が形成され及び／又は位置決めされ得るので、詰まりが回避される。具体的には、ケーブルプルの中央部分が、内視鏡／（分離する）内視鏡キャップの周方向に離れた（好ましくは対極にある）少なくとも２つのヒンジ箇所（結合ループ、取り付け点）で、荷重（引き離しリング）と（摺動）接触してもよい。その結果、ケーブルプルを引くと、中央部分はヒンジ箇所で長手方向に摺動するので、プーリーの原理に従い遠位方向に引き離しリングを変位させる。好ましくは、引き離しリング上の少なくとも２つのヒンジ箇所間のケーブルプル部分は、（好ましくは近位前側の）周方向に長手方向に導かれ、これによって、対応する周囲部分にわたって、引き離しリング力はさらに均一に引き離しリングへ導入され得る。

有利な実施形態が、従属クレームにおいてクレームされ、以下で説明される。

好ましい実施形態において、軸力は、既に示したように、引き離し装置の操作／作動中に、好ましくはその周囲で均一／一様に分布する少なくとも２つのヒンジ箇所／係合点で引き離しリングに作用することができる。ここでは、引き離し糸／引き繊維／引きケーブルが引き離しリングに対し連結（ループ状に）され、一方端部がキャビティから内視鏡の近位端部まで導かれ、他方端部は組織用クリップ保持部分に固定されるよう構成されると有利であり得る。特に好ましくは、引き離し糸を作動させると２つの係合点で引き離しリングを遠位方向に引くように、１本の引き離し糸がキャップアタッチメント上で導かれてもよい。これにより、ただ１本の（分岐のない）引き離し糸のみで少なくとも２つの係合点の引き離しリングを遠位方向に引くことができ、同時に、力をさらに均一に付加し、ひいてはより低い傾斜モーメントを確実とすることができる。

特に有利なさらなる発展によると、引き離し糸は、
好ましくは、内視鏡の近位端部から、内視鏡の内部（又は外部）作業チャネルを介して、キャビティへ、
（分離する内視鏡キャップの）キャビティから組織用クリップ保持部分に形成された第１の遠位半径方向貫通開口を経由して半径方向外側へ、
その後、引き離しリングに形成された第１の軸方向貫通開口を介して、
その後、（分離する）内視鏡キャップの外周面に沿って、そして、第１の軸方向貫通開口から好ましくは１８０度オフセットされた、引き離しリングに形成された第２の軸方向貫通開口を介して、さらに、
第１の半径方向貫通開口から好ましくは１８０度オフセットされた、組織用クリップ保持部分に形成された第２の遠位半径方向貫通開口を介して、キャビティへ導かれ、そこで引き離し糸は組織用クリップ保持部分（固定箇所）に固定されてもよい。

好ましくは、係合点に割り当てられた少なくとも２本の引き離し糸が、引き離しリングに配置されてもよい。これにより、同一の軸力が各係合点に実質的に付加され、傾斜モーメントが生じないことが確実となる。

引き離し糸は、２つ以上の係合点が構成されるように、キャップアタッチメントに沿って導かれ得ることも考えられる。ここで引き離し糸は、追加の係合点を得るために、さらなる半径方向貫通開口と軸方向貫通開口とを介して導かれてもよい。特には、たわみ点は、プーリーのように係合点間で遠位に配置又は構成されてもよい。特に有利な構成において、引き離し糸は、前縁を越えて内部へとキャビティ内へ入り、さらなる遠位半径方向貫通開口を介して再度外部へ出て、そしてそこから引き離しリング上の次の近位係合点まで進むよう構成されてもよい。

場合によっては、独立してクレームされ得る本開示の第２の別の実施形態によると、引き離しリングは、キャップアタッチメントに、好ましくはその組織用クリップ保持部分に留められた／固定された支持／軸受部材を有し、それらは例えば、遠位方向にスロープ／ピッチ（例えば、くさび形状の遠位前側又はスピンドル）を有する軸方向又は半径方向の外面を備えた支持リングと、組織用クリップ保持部分の外周面に沿って、軸方向に摺動可能且つ回転可能に装着され、支持部材／支持リングの遠位に（少なくとも部分的に）配置された摺動リングと、の形で与えられる。摺動リングは、支持リングのスロープと機能的に係合する断面（ｐｒｏｆｉｌｉｎｇ）を有する。

さらには、引き離し糸は、引き離し糸を（手動で）作動させると、支持リングのスロープとの摺動リングの断面の機能的な係合の結果として、引き離し糸が回転軸を中心として摺動リングを回転させ遠位方向に摺動リングを変位させるように、摺動リング上に配置される。

この目的のため、少なくとも１つのそれぞれのランプ／カム／支持くさびが、摺動リングに面している支持リングの前面と、支持リングに面している摺動リングの前面とに構成されると有利であり、当該くさびの方向は対向している。その結果、引き離し糸を作動させ、摺動リングが対応して支持リングに対して回転すると、支持リングと摺動リングとの間隔が軸方向に広がっていく。

別のさらなる発展によると、雌ねじが摺動リング上に構成されてもよく、当該雌ねじと係合する、対応するピッチを備えた雄ねじが支持リング上に構成されてもよい。その結果、引き離し糸を作動させると、支持リングと摺動リングとの間隔が軸方向に広がっていく。もちろん、雌ねじが支持リング上に構成され、当該雌ねじと係合する雄ねじが摺動リング上に構成されてもよく、その結果、引き離し糸を作動させると、支持リングと摺動リングとの間隔は軸方向に広がっていく。

さらには、少なくとも１本の引き離し糸が、遠位及び／又は近位方向に組織用クリップ保持部分に形成された軸方向溝に導かれると有利であり得、その結果、組織用クリップは取り外しの間に軸方向溝に導かれた引き離し糸を通過する。

本開示によると、少なくとも１本の引き離し糸は、好ましくは内視鏡シャフトに沿って側方に配置された別個の長手通路を経由して内視鏡の近位端部へ導かれてもよい。しかし、少なくとも１本の引き離し糸が、内視鏡の近位端部の方へ内視鏡の内部作業チャネル内で導かれることも考えられる。

組織用クリップ適応取付又は後付セットの最適化使用のために、キャップアタッチメントは、キャップアタッチメントに堅く結合され、好ましくはキャップアタッチメントとは一体の材料であり、且つ半径方向に、少なくとも部分的に、組織用クリップ保持部分に装着された組織用クリップを囲むキャップスリーブで構成されてもよい。

本開示について、好ましい構成例に基づく図面を用いて以下に詳細に説明する。
図１は、好ましい構成例による、内視鏡に固定された組織用クリップ適応取付又は後付セットの概略図を示す。 図２は、好ましい構成例による、組織用クリップ適応取付又は後付セットの側面図を示す。 図３は、好ましい構成例の変形例による、組織用クリップ適応取付又は後付セットの縦断面図を示す。 図４は、場合によっては独立してクレームされ得るさらなる構成例による、引き離し装置の部分概略図を示す。 図５は、場合によっては独立してクレームされ得るさらなる構成例による、引き離し装置の部分概略図を示す。 図６は、場合によっては独立してクレームされ得るさらなる構成例による、引き離し装置の部分概略図を示す。 図面は基本的に模式的であり、単に本開示の理解を助けることが意図されている。同じ要素には、同一の参照記号が設けられている。様々な構成例の特徴は、相互に変更可能である。

図１は、キャップアタッチメント２として構成されるか又はキャップアタッチメント２を有する、組織用クリップ適応取付又は後付セット１の概略図を示す。キャップアタッチメント２は、内視鏡３の遠位端部（内視鏡ヘッド）に載置されてもよく、特には、取り付けられるか嵌め込まれてもよい。図１に一部のみ示される内視鏡３は、上述の先行技術及び本出願の主題を成す記載からも知られるように、少なくとも１つの光学系と照明装置とが設置される遠位端に（可撓性又は硬性の）内視鏡シャフトを一般に有する。さらにはこのような内視鏡３は、内部作業チャネルを有する場合が多く、例えば、この内部作業チャネルを介して（最小侵襲）医療器具（例えば、鉗子、ハサミ等）を患者の腔に挿入することができる（図１に破線で示され表される）。最終的には、すすぎ装置が内視鏡３の遠位端（内視鏡ヘッド）に設けられてもよく、このすすぎ装置によりオプティクスを洗浄することができる。

既知の設計の内視鏡３はまた、近位端部に内視鏡ハンドルを有し、この内視鏡ハンドルに内視鏡３が保持され、操作を行うことができる。ここで、内視鏡３はハンドルの代わりにロボットへのインタフェースを有してもよいということに注目すべきである。

好ましい構成例による、組織用クリップ適応取付又は後付セット１又はキャップアタッチメント２は、近位の装着／載置部分４と遠位の組織用クリップ保持部分５とを有し、両部分は少なくとも部分的又は完全に軸方向に重なっていてもよい。上述のように、装着／載置部分４を備えた組織用クリップ適応取付又は後付セット１は、内視鏡３の遠位端部に一時的に装着又はそれぞれ嵌め込まれてもよい。この目的のため、装着／載置部分４は、可撓性の、好ましくは弾性の材料で作られたスリーブ又は袖口の形状で好ましくは形成される。あるいは、例えば少なくとも１つの長手方向のスロットを配置するか又は所定の本来備わっている可撓性の結果として、半径方向に拡張可能なプラスチックのスリーブから装着／載置部分４を製造することも可能である。さらには、装着／載置部分４は、内視鏡シャフトの遠位端部の、準軸方向の延在部を形成するように、遠位端部に嵌め込まれ、すなわち、特には内視鏡３の内部作業チャネルには挿入されないように設けられる。従って内視鏡３の内部作業チャネルは開いたままであり、医療器具の挿入に利用可能なままである。

ここで、キャップアタッチメント２も、他の方法で、例えば分離するキャップスリーブ、熱収縮チューブ、及び類似の結合部材を用いて、（市販の）内視鏡３の内視鏡ヘッドに連結可能であることが、言及されるべきである。

組織用クリップ保持部分５は、装着／載置部分４よりも好ましくは硬く（中空であり）、且つ一体の、特には一体の材料の、延在部として装着／載置部分４に好ましくは結合されるか、又は例えば接合又は溶接により装着／載置部分４に連結されるプラスチックのスリーブから成る。少なくとも組織用クリップ保持部分５は、空洞又はキャビティ６を内部に形成している。空洞又はキャビティ６は、例えば患者の組織を一時的に受けるために設けられ、遠位の前縁又は後縁７を形成する組織用クリップ保持部分５の遠位端において、半径方向外側を向く側面／外周面８と合流し、この側面／外周面８で組織用クリップ９（拡げられた状態）が軸方向に移動可能なように支持される。

ここで、この外周面８は（図１に示すような）最大の半径方向の外面であってもよく、又は、さらに半径方向外側に配置される周面にさらに覆われ／囲まれて、組織用クリップ９を受けるための（図１には示されていない）軸方向に延在する環状の隙間を形成してもよいことに注目すべきである。

図１で見て取れるように、組織用クリップ９は、これもまた組織用クリップ保持部分５の外周面８上で支持され／装着される引き離しリング１０に対し、近位の前面／縁で結合／取り付けられる。これにより、引き離しリング１０は次のように引き離し糸１１に連結される。すなわち、以下及び図２でさらに詳細に説明するように、手動で引き離し糸１１を作動させる（近位方向に引き離し糸１１を引く）と、引き離しリング１０が遠位方向に組織用クリップ保持部分５に沿って摺動し、これにより組織用クリップ９は遠位方向にシフト／変位する。換言すれば、引き離し糸１１が引かれると、引き離しリング１０と、ひいては組織用クリップ９とが、組織用クリップ保持部分５の軸方向に変位する。

図１に示すように、キャップスリーブ１２は、キャップアタッチメント２に配置／固定されてもよく、又は、キャップスリーブ１２はキャップアタッチメント２に堅く結合されてよく、特にはキャップアタッチメント２を備えた一体の材料であってもよい。このキャップスリーブ１２は、少なくとも部分的に組織用クリップ保持部分５に引っぱられる組織用クリップ９を囲むので、引き離しリング１０と引き離し糸１１とから成る引き離し装置を少なくとも部分的に保護することができる。

図３は、好ましい構成例による組織用クリップ適応取付又は後付セット１の長手断面を示す。

組織用クリップ保持部分５の（使用者から離れた方に面する）遠位端領域において、第１の半径方向貫通開口１３は、内キャビティ６と外周面８とを繋ぎ、キャビティ６内に導かれた引き離し糸１１が第１の半径方向貫通開口１３を介して導かれるよう、構成される。好ましい構成例において、引き離し糸１１は、その近位端部が、キャビティ６を介して内視鏡３の方へ延在し、例えばクリップ及び／又はストラップにより内視鏡３に一時的に配置される別個の長手通路１４を介して、内視鏡３の近位端部、すなわち好ましくは患者の中空臓器の外、まで導かれ、その結果、引き離し糸１１を、患者の中空臓器の外側から、好ましくは手動で操作／作動させることができる。あるいは、引き離し糸１１はキャビティ６を経由して内視鏡３の作業チャネル内へ、そしてそこから内視鏡３の近位端部まで導かれてもよい。さらなる代替手段として、内視鏡／内視鏡シャフトとは別で保持されるチューブ／チャネルへ引き離し糸を導くことも可能であり、そのため、キャップアタッチメントは、取り付けられたクリップ、チューブ、内部へ長手方向に導かれた引き離し糸と共に、均一な組織用クリップ適応取付又は後付セット１を形成し、その内部機能を損なうことなく任意のスマート機能として（市販の）内視鏡に付加することが可能である。

好ましい構成例において、上記のような引き離し糸１１は、キャビティ６から始まる第１の半径方向貫通開口１３を介して、組織用クリップ適応取付又は後付セット１の外面／周面へ半径方向に導かれ、そこから引き離しリング１０に形成された第１の軸方向貫通開口１５を介して近位に導かれる。続いて、引き離し糸１１は図２に示すように、組織用クリップ保持部分５の周囲を（スリーブ形状の）キャップアタッチメント２の外周面８に沿って（すなわち周方向に）進み、そして、引き離し糸１１は、第１の軸方向貫通開口１５に対して好ましくは１８０度オフセットされた引き離しリング１０に形成された第２の軸方向貫通開口１６を介して、組織用クリップ保持部分５の遠位端領域より遠位にある方向に導かれ、そこで、第１の半径方向貫通開口１３に対して好ましくは１８０度オフセットされた第２の半径方向貫通開口１７を介して、キャビティ６内へ戻され、（そこで）組織用クリップ保持部分５に留められる。

換言すれば、図３に示すように、引き離し糸１１の一方端は内視鏡３の近位端部に取り付けられ、引き離し糸１１の他方端は組織用クリップ保持部分５に取り付けられる。引き離し糸１１は、内視鏡３の近位端部から始まり、別個のチャネル若しくは作業チャネル（チューブ）を介して、又は内視鏡３のチャネルを介してその遠位端部の方へ導かれ、そしてそこから組織用クリップ適応取付又は後付セット１のキャビティ６内へ導かれる。組織用クリップ保持部分５の遠位端領域で、引き離し糸１１は第１の半径方向貫通開口１３を通過し外部へ出て、そこで引き離しリング外周面８に沿って近位に導かれ引き離しリング１０の第１の軸方向貫通開口１５を通り、それから外周面８に沿って引き離しリング１０の第２の軸方向貫通開口１６を介して再度遠位方向へ導かれる。組織用クリップ保持部分５の遠位端領域に形成された第２の半径方向貫通開口１７を介して、引き離し糸１１は、キャビティ６に再び入り、組織用クリップ保持部分５に取り付けられる。

この糸の誘導は基本的に、堅く固定された上部の糸端と、まずは上部のたわみ周辺に導かれ、それから下方へと延在する（作動）端と、その固定部分とたわみ部分との間に位置し、荷重に掛け渡される糸中央部分とによる、シンプルなプーリーに相当する。

使用者がこれより内視鏡３の近位端部で引き離し糸１１を作動させる場合、すなわち、図２の矢印Ａで示すような近位方向に引き離し糸１１を引く場合、軸力は２つの軸方向貫通開口１５、１６の領域において、少なくとも２つの係合点１８で引き離しリング１０に遠位方向へ作用し、最終的には、組織用クリップ９をその前縁７を越えて組織用クリップ保持部分５から取り外すために、組織用クリップ保持部分５の遠位端部の方へ引き離しリング１０をシフト／変位させる。軸力は少なくとも２つの係合点１８の各々で引き離しリング１０に作用するので、その中心軸／回転軸に対して引き離しリング１０を傾ける／ねじるという、軸力が付加されると１つの係合点のみで生じるいかなる傾斜モーメントも、除去又は少なくとも最小限とすることができ、これにより、組織用クリップ保持部分５上の引き離しリング１０の詰まりのリスクが低減される。

換言すれば、好ましい構成例又は好ましい構成例の変形例による組織用クリップ適応取付又は後付セット１の機能は、一般には以下のように説明することができる。第１に、本開示による組織用クリップ適応取付又は後付セット１は（一般に知られている）内視鏡３の遠位端部に取り付け／嵌め込まれる。内視鏡３の遠位端部は、嵌め込まれた組織用クリップ適応取付又は後付セット１と共に、既知の方向づけメカニズムによって、例えばボーデンケーブルの形で中空臓器の壁の方へ方向付けることができる。組織用クリップ適応取付又は後付セット１の遠位前側、すなわち（丸みを帯びていてもよい）遠位の前縁７が患者の中空臓器の壁の組織に押し付けられるとすぐに、患者の組織を組織用クリップ適応取付又は後付セット１のキャビティ６に引き込むことができる。これは、キャビティ６内に作られた負圧、及び／又は挿入した器具（鉗子、フック、組織アンカー、他）によりなされる。加えて、処置すべき患者の組織を互いに離れた２つの位置で把持し、これをキャビティ６に引き込むために、内視鏡３の内部作業チャネルを介して他の医療器具をキャビティ６へ導入することができる。このように、患者の組織をさらに容易に把持することができる。十分な組織がキャビティ６に引き込まれるとすぐに、組織用クリップ９は引き離し糸１１によって前縁７を越えて遠位方向に取り外され、前端７は組織用クリップ９とともに患者の組織を挟み込む。

図４～６は、上記構成例の、独立してクレームされ得る別の構成例による引き離し装置を概略的に示し、以下では、基本的には第１の構成例と異なる特徴のみが検討される。

引き離しリング１０は結果として２つの部品に作られ、キャップアタッチメント２に結合された静止支持リング／結合片１９と、支持リング１９に対して変位可能な摺動回転リング２０（以下、単に摺動リングと呼ぶ）とを有する。引き離し糸１１は、引き離し糸１１が周方向に少なくとも部分的に延在するように摺動リング２０の外周面に取り付けられ、その結果、摺動リング２０は、引き離し糸１１を作動させると、すなわち引き離し糸１１が近位方向に引かれると、回転軸を中心に回転する。

図４に示すように、摺動リング２０に面している支持リング１９の前面は、２つのランプ（ｒａｍｐ）／カム（ｃａｍ）／くさび形断面（ｗｅｄｇｅ ｐｒｏｆｉｌｅ）２１で構成される。加えて、支持リング１９に面している摺動リング２０の前面は、くさび形断面２１に対し反対方向に進む２つのランプ２２も有する。すなわち、図５及び６に示すように、支持リング１９又は摺動リング２０のそれぞれの端面はランプ面／断面で構成されており、摺動リング２０が支持リング１９に対して回転すると、ランプ面／断面、好ましくはランプ２１、２２が相互に摺動し、それによって摺動リング２０と支持リング１９とが互いに軸方向にますます引き離れるようになっている。摺動リング２０は、組織用クリップ保持部分５から組織用クリップ９を取り外すために、遠位方向に組織用クリップ９を押す。

上記の好ましい構成例において、引き離し糸１１は、外周面８と組織用クリップ９との間に導かれる。すなわち、引き離し糸１１は第１の半径方向貫通開口１３と第１の軸方向貫通開口１５との間、及び、第２の軸方向貫通開口１６と第２の半径方向貫通開口１７との間で、組織用クリップ９を通過し半径方向内側に進む。引き離し糸１１が内部で導かれる組織用クリップ保持部分５の外周面８で、それぞれの軸方向溝を構成し、その結果、組織用クリップ９は取り外しの間に軸方向溝に導かれた引き離し糸１１に軽く触れるようにすることも考えられる、

さらには、好ましい構成例において、引き離し糸１１は、作動させるときに２つの係合点１８が設定されるようにキャップアタッチメント２に沿って導かれる。

しかし代替的に、引き離し糸１１は、２つ以上の係合点が構成されるようにキャップアタッチメント２に沿って導かれてもよい。これは、追加の係合点を得るために引き離し糸１１がさらなる半径方向貫通開口と軸方向貫通開口とを介して導かれることを意味する。しかし、プーリーと同様に、たわみ点は係合点間に遠位に配置又は構成されなくてはならない。たわみ点を構成するために、引き離し糸１１は例えば、前縁７を内側へ越えてキャビティ６内へと入り、さらなる遠位半径方向貫通開口を介して再度外側へ出て、そしてそこから引き離しリング１０上の次の近位係合点まで導かれてもよい。

また、好ましい構成例において、引き離し糸１１はキャビティ６の領域の内部で、キャップアタッチメント２に固定される。しかし、引き離し糸１１が遠位で静止保持される限り、他の固定箇所も考えられる。従って、引き離し糸１１は外周面８の遠位に固定されてもよく、又はその遠位端に第２の半径方向貫通開口１７の断面積よりも広い断面積を備えたボディ又は結び目（ｎｏｄｅ）を有してもよく、ボディ又は結び目は、第２の半径方向貫通開口１７を通過した後、引き離し糸１１の遠位端が第２の半径方向貫通開口１７を通過できなくなるか又は静止保持されるように、構成されるか取り付けられる。

さらには、好ましい構成例において、引き離し糸１１は、軸方向貫通開口を介して係合点で導かれる。しかし、引き離し糸１１をたわませるために、***が引き離しリング１０上に構成又は配置されることが考えられる。

上述のように、好ましい構成例において、２つの係合点１８が、引き離し糸１１の誘導のために引き離しリング１０上に形成される。しかし、２つの係合点を構成する代わりとして、第２の引き離し糸が配置されるか、複数の係合点のための複数の引き離し糸がそれぞれ配置されてもよい。換言すれば、別個の引き離し糸が各係合点に関連付けられてもよい。

さらには、さらなる構成例において、支持リング１９と摺動リング２０とは、ランプ２１、２２を有する。あるいは、雌ねじが支持リング１９上に構成されてもよく、摺動リング２０上に構成される雄ねじと係合し、その結果、引き離し糸１１の作動による摺動リング２０の回転で、摺動リング２０は支持リング１９に対して遠位方向に変位される。雌ねじが摺動リング２０上に、雄ねじが支持リング１９上に構成されることも考えられる。

１ 組織用クリップ適応取付又は後付セット
２ キャップアタッチメント
３ 内視鏡
４ 装着／載置部分
５ 組織用クリップ保持部分
６ キャビティ
７ 前縁
８ 側面／外周面
９ 組織用クリップ
１０ 引き離しリング
１１ 引き離し糸
１２ キャップスリーブ
１３ 第１の半径方向貫通開口
１４ 長手通路
１５ 第１の軸方向貫通開口
１６ 第２の軸方向貫通開口
１７ 第２の半径方向貫通開口
１８ 係合点
１９ 支持リング
２０ 摺動リング
２１ 支持リング側ランプ／カム
２２ 摺動リング側ランプ／カム

Claims (7)

1. キャップアタッチメント（２）を備えた組織用クリップ適応取付又は後付セット（１）であって、
   前記組織用クリップ適応取付又は後付セット（１）は、シャフトタイプの医療用内視鏡（３）の遠位端部に装着されるよう、特には嵌め込まれるよう設計され、
   この目的のために、好ましくは近位の装着又は載置部分（４）と好ましくは遠位の組織用クリップ保持部分（５）とを有し、
   前記近位の装着又は載置部分（４）および前記遠位の組織用クリップ保持部分（５）の領域において、少なくとも遠位方向に開放するキャビティ（６）が内部に形成され、
   前記遠位の組織用クリップ保持部分の半径方向外側を向く周面（８）の１つに、組織用クリップ（９）が半径方向に支持され、且つ引き離しリング（１０）の形の引き離し装置によって前記遠位方向に変位され、前記引き離しリング（１０）は、ケーブルプルによって作動可能であり、前記組織用クリップ保持部分（５）の前記半径方向外周面（８）に軸方向に摺動可能に装着され、前記組織用クリップ（９）を移動させる、
   組織用クリップ適応取付又は後付セット（１）において、
   前記ケーブルプルは、少なくとも２つのヒンジ又は係合点（１８）において、摺動力の導入で前記引き離しリング（１０）と直接接触していることを特徴とする、
   組織用クリップ適応取付又は後付セット（１）。
2. 前記少なくとも２つのヒンジ又は係合点（１８）は、均等に、好ましくは互いに相対的に、半径方向に分布していることを特徴とする、請求項１に記載の組織用クリップ適応取付又は後付セット（１）。
3. 前記ケーブルプルは、前記キャップアタッチメント（２）の一方端に固定される引き離し糸（１１）であるか、前記引き離し糸（１１）を有し、
   前記ケーブルプルは、前記キャップアタッチメント（２）の前記一方端から始まり、
   前記２つの係合点（１８）の一方で、前記引き離しリング（１０）と長手方向に変位可能に係合され、
   前記一方の係合点から、前記２つの係合点（１８）の他方で、前記引き離しリング（１０）と長手方向に変位可能に係合され、
   前記キャップアタッチメント（２）の遠位端部の周囲で、好ましくは前記キャビティ（６）内で、近位方向へ前記他方の係合点から逸れ、そこから、前記内視鏡（３）の近位端部へ導かれることを特徴とする、請求項２に記載の組織用クリップ適応取付又は後付セット（１）。
4. 前記引き離し糸（１１）を作動させると、前記少なくとも２つの係合点（１８）で前記引き離しリング（１０）をプーリーと同様な方式で前記遠位方向に引くように、前記引き離し糸（１１）は、半径方向外側に面している前記キャップアタッチメント（２）の前記周面（８）上で、前記２つの係合点（１８）の前記一方と前記他方との間で摺動可能に長手方向へ導かれることを特徴とする、請求項３に記載の組織用クリップ適応取付又は後付セット（１）。
5. 前記引き離し糸（１１）は、前記２つの係合点（１８）の間で周囲部において、前記引き離しリング（１０）の近位の前面と摺接することを特徴とする、請求項４に記載の組織用クリップ適応取付又は後付セット（１）。
6. 前記引き離し糸（１１）は、前記キャビティ（６）から、
   前記組織用クリップ保持部分（５）に形成された第１の遠位半径方向貫通開口（１３）を経由して半径方向外側へ、
   前記外周面（８）に沿って前記引き離しリング（１０）に形成された第１の軸方向貫通開口（１５）を介して、そして
   前記第１の軸方向貫通開口（１５）から好ましくは１８０度オフセットされた、前記引き離しリング（１０）に形成された第２の軸方向貫通開口（１６）を介して、さらに、
   前記第１の半径方向貫通開口（１３）から好ましくは１８０度オフセットされた、前記組織用クリップ保持部分（５）に形成された第２の遠位半径方向貫通開口（１７）を介して、導かれることを特徴とする、請求項１に記載の組織用クリップ適応取付又は後付セット（１）。
7. 前記係合点（１８）に関連付けられた少なくとも２本の引き離し糸（１１）が、前記引き離しリング（１０）上に配置されることを特徴とする、請求項２に記載の組織用クリップ適応取付又は後付セット（１）。

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