JP2023521411A - (9r,13s)-13-{4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1h-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル}-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オンの結晶体 - Google Patents

(9r,13s)-13-{4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1h-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル}-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オンの結晶体 Download PDF

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Abstract

化合物(I)の結晶体が開示される。化合物(I)は、循環器疾患の治療における抗血栓塞栓薬剤として有用である。【選択図】なし

Description

産業上利用可能な分野
本発明は、一般に、(9R,13S)-13-{4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル}-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オンの結晶体に関する。本発明はまた、一般に、前記結晶体を含む医薬組成物、ならびに血栓塞栓性障害の治療における前記結晶体の使用方法およびこのような結晶体を調製するための方法に関する。
第XIa因子は、組織因子(TF)の第VII(FVII)因子への結合によりインビボで開始して第VIIa因子(FVIIa)を作成する血液凝固の調節に関連する血漿セリンプロテアーゼである。生じたTF:FVIIa複合体は、第IX因子(FIX)および第X因子(FX)を活性化し、第Xa因子(FXa)の産生を引き起こす。産生されたFXaは、この経路が組織因子経路阻害剤(TFPI)によって遮断される前には、プロトロンビンの少量のトロンビンへの変換を触媒する。次いで、血液凝固プロセスは、トロンビンの触媒量による第V因子、第VIII因子、および第XI因子のフィードバック活性化を介してさらに伝播される(Gailani, D. et al., Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol., 27:2507-2513 (2007).)。生じたトロンビンの崩壊は、フィブリノーゲンからフィブリンに変換して多量化し、血栓の構造的なフレームワークを形成し、血液凝固の重要な細胞構成成分である血小板を活性化する(Hoffman, M., Blood Reviews, 17:S1-S5 (2003))。それゆえ、第XIa因子は、この増幅ループの伝播において重要な役割を果たしており、それゆえ抗血栓療法の有力な因子である。
化合物(9R,13S)-13-{4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル}-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オンは、構造:
Figure 2023521411000001
(I)
を有し、本明細書では、「化合物(I)」と称される。化合物(I)、化合物(I)を調製するための方法、および化合物(I)を用いる治療方法は、参照によりその全体が本明細書に取り込まれる米国特許出願公開番号2016/0096839(以下、本明細書では、839’公報と称する)に開示されている。実施例88において、前記839’公報は、化合物(I)の合成を開示する。下記で例示される実施態様により、化合物(I)の結晶体を得ることができる。
化合物(I)は、血栓塞栓性障害を治療するために有用である。しかしながら、化合物(I)が患者の疾患を治療するために用いられる前に、前記患者に投与することができる医薬組成物;例えば、経口、粘膜、非経口、または経皮投与に適する製剤に製剤化されてなくはならない。経口投与のための製剤は、他の製剤より簡便で容易であるため好ましい。また、経口投与経路は、非経口投与の痛みと不快感を回避する。よって、経口投与のための製剤は、患者にとって好ましく、典型的には、投薬スケジュールとともに良好な患者コンプライアンスとなる。
典型的には、医薬組成物の製造の際、望ましい特性、例えば、溶出速度、溶解性、バイオアベイラビリティ、および/または保存安定性などのバランスを示す活性成分の結晶体が探索される。例えば、十分な溶解性とバイオアベイラビリティを有する結晶体が、医薬組成物の製造、調製、および/または保存の間に望ましくない溶解性および/またはバイオアベイラビリティプロファイルを示す別の結晶体に変換することを防ぐために、十分な安定性、溶解性、およびバイオアベイラビリティを有する活性成分の結晶体が探索される。さらに、活性成分が、例えば、調製工程中に単離され、および/または精製されることを可能にする活性成分の結晶体もまた探索されうる。
活性な医薬成分は、様々な物理的な結晶体(例えば、異なる結晶、アモルファス、水和物、または溶媒和物結晶体の液体または固体)で存在することができ、加工可能性(processability)、安定性、溶解性、バイオアベイラビリティ、薬物動態(例えば、吸収、分布、代謝、排出など)、およびそれを含む医薬組成物を変化させうる。化合物が特定の多形結晶体で存在するか、これだけの数の結晶体が特定の化合物(または塩結晶体)に存在するか、どのような工程がこれらの結晶体を生成しうるか、そして特定の多形がどのような特性を示しうるかを予測できない。医薬開発において、活性な医薬成分の利益的な物理的結晶体(例えば、固体、液体、結晶、水和物、溶媒和物、またはアモルファス結晶体の遊離塩基または塩)を調製し、同定することは重要である。よって、化合物(I)の特定の多形結晶体の必要性が残されている。
本発明は、驚くべきことに、医薬組成物で求められる特性のバランスを供する化合物(I)の少なくとも1つの結晶体を提供する。本発明はまた、他の重要な態様に関する。
本発明は、化合物(I)の結晶体を提供する。これらの結晶体の実施態様には、結晶体A、結晶体B、結晶体C、結晶体D、結晶体E、結晶体F、結晶体G、結晶体H、結晶体I、および結晶体Jとして本明細書で特徴付けられるものが含まれる。例えば、「結晶体A」などの特定の結晶体を特徴付けるための本明細書用いられる名称は、類似または同一の物理学的および化学的特徴を有るいずれか他の物質に関して限定するものと考慮されるべきではなく、これらの命名は、本明細書で示される形成における特徴に従って解釈されるべき単なる識別であると理解されるべきである。
図1Aは、化合物(I)の結晶体Aの実測された粉末X線回折パターン(PXRD)(室温でCuKα λ=1.541874Å)を示す。 図1Bは、化合物(I)の結晶体Aの赤外(IR)スペクトラム化合物(I)の結晶体Aを示す。 図1Cは、化合物(I)の結晶体Aの動的水蒸気吸着(DVS)等温線を示す:y軸:質量変化(%)、x軸:対象の相対湿度(RH)(%)。 図1Dは、化合物(I)の結晶体Aの動的水蒸気吸着(DVS)等温線を示す:y軸:質量変化(%)、x軸:時間(分)。 図2は、化合物(I)の結晶体Aの固体核磁気共鳴スペクトラル(ssNMR)を示す。 図3は、化合物(I)の結晶体Aの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。 図4は、化合物(I)の結晶体Aの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。 図5Aは、化合物(I)の結晶体Bの実測された粉末X線回折パターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)を示す。 図5Bは、化合物(I)の結晶体Bの赤外(IR)スペクトラムを示す。 図5Cは、化合物(I)の結晶体Bの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。 図6Aは、化合物(I)の結晶体Cの実測された粉末X線回折パターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)を示す。 図6Bは、化合物(I)の結晶体Cの赤外(IR)スペクトラムを示す。 図6Cは、化合物(I)の結晶体Cの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。 図7Aは、化合物(I)の結晶体Dの実測された粉末X線回折パターン(25℃でCuKα λ=1.541874Å)を示す。 図7Bは、化合物(I)の結晶体Dの赤外(IR)スペクトラムを示す。 図7Cは、化合物(I)の結晶体Dの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。 図8Aは、化合物(I)の結晶体Eの実測された粉末X線回折パターン(25℃でCuKα λ=1.541874Å)を示す。 図8Bは、化合物(I)の結晶体Eの赤外(IR)スペクトラムを示す。 図9Aは、化合物(I)の結晶体Fの実測された粉末X線回折パターン(25℃でCuKα λ=1.541874Å)を示す。 図9Bは、化合物(I)の結晶体Fの赤外(IR)スペクトラムを示す。 図9Cは、化合物(I)の結晶体Fの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。 図10Aは、化合物(I)の結晶体Gの実測された粉末X線回折パターン(25℃でCuKα λ=1.541874Å)を示す。 図10Bは、化合物(I)の結晶体Gの赤外(IR)スペクトラムを示す。 図11Aは、化合物(I)の結晶体Hの実測された粉末X線回折パターン(25℃でCuKα λ=1.541874Å)を示す。 図11Bは、化合物(I)の結晶体Hの赤外(IR)スペクトラムを示す。 図12は、化合物(I)の結晶体Iの実測された粉末X線回折パターン(25℃でCuKα λ=1.541874Å)を示す。 図13Aは、化合物(I)の結晶体Jの実測された粉末X線回折パターン(25℃でCuKα λ=1.541874Å)を示す。 図13Bは、化合物(I)の結晶体Jの赤外(IR)スペクトラムを示す。 図13Cは、化合物(I)の結晶体Jの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。 図13Dは、化合物(I)の結晶体Jの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。 図13Eは、化合物(I)の結晶体Jの動的水蒸気吸着(DVS)等温線を示す。
(発明の詳細な説明)
本発明の特徴と有利な点は、以下の詳細な説明を読むことにより当業者によってより容易に理解されうる。明確さのために別々の実施態様の文脈で上記および下記に記載される本発明のある特徴は、組み合わせて単一の実施例を形成してもよいことが理解されるべきである。逆に、簡潔さのために1つの実施態様の文脈で記載される本発明の様々な特徴は、それらの部分的な組み合わせを形成するように組み合わされてもよい。
単語「約」が前に記載される成分の量、重量パーセンテージ、温度などを表す全ての数値は、特定の数の上下のわずかな変動が、示される数値と実質的に同一の結果を達成するために用いられうるとして、近似値としてのみ理解されるべきである。よって、相反することを示していない限り、単語「約」の後にある数値パラメータは、得られることが所望される特性に応じて変動し得る近似値である。少なくとも、均等論の適用を請求項の範囲に限定しようとしない場合、各数値パラメータは、少なくとも、記載の有効数字の数を考慮し、通常の四捨五入を用いて解釈されるべきである。
全ての測定は、実験上の誤差が生じやすく、本発明の精神の範囲内である。
本明細書で用いられるように、「水和物」は、結晶構造に取り込まれる水をさらに含む分子の結晶体を意味する。水和物中の水分子は、規則的な配列および/または不規則な配列で存在していてもよい。水和物は、化学量論量または非化学量論量の水分子、例えば、一水和物、半水和物、またはこれらの混合物を含んでいてもよい。
本明細書で用いられるように、「室温」は、特に示されていない限り、25℃である。
本明細書で用いられる「溶媒和物」は、結晶格子構造に取り込まれた溶媒の分子をさらに含む分子、原子、および/またはイオンの結晶体を意味する。溶媒和物中の溶媒分子は、規則的な配列および/または不規則な配列で存在していてもよい。溶媒和物は、化学量論量または非化学量論量の溶媒分子を含んでいてもよい。
本明細書で用いられるように、「実質的に純粋な」は、結晶体に関して用いられる場合、化合物の重量に基づいて、化合物(I)の90、91、92、93、94、95、96、97、98、および99重量%以上を含み、また、約100重量%と同等であることをも含む、90重量%以上の純度を有する化合物を意味する。残りの物質として、その製造から生じる化合物の他の結晶体、反応不純物および/または処理不純物が含まれる。例えば、化合物(I)の結晶体は、出願時に公知であり、当該技術分野で一般に受け入れられている方法によって測定されると、90重量%以上の純度であり、物質の残りの10重量%未満の物質が、化合物(I)のアモルファスおよび/または他の結晶体、ならびに/あるいは反応不純物および/または処理不純物を含む場合、実質的に純粋であるとみなされてもよい。
本明細書で用いられるように、化合物(I)の「遊離塩基の無溶媒結晶体」は、実質的に純粋であり、溶媒和され、または水和されていない化合物(I)の親結晶体(すなわち、塩結晶体ではない)である。
本明細書で用いられるように、特定のピーク群から選択される多くのピーク「を含む」PXRDパターンは、特定のピーク群に含まれないさらなるピークを有するPXRDパターンを含むものとされる。例えば、A、B、C、D、E、F、G、H、I、およびJから選択される4個またはそれ以上、好ましくは、5個またはそれ以上の2θ値を含むPXRDパターンは、(a)A、B、C、D、E、F、G、H、I、およびJから選択される4個またはそれ以上、好ましくは、5個またはそれ以上の2θ値;ならびに(b)ピークA、B、C、D、E、F、G、H、I、およびJのうちの1個ではない0またはそれ以上のピークを有するPXRDパターンを含むものとされる。
反応不純物および/または処理不純物の存在は、例えば、クロマトグラフィー、核磁気共鳴分光法、質量分析法、および/または赤外分光法などの当該技術分野で公知の分析技術によって決定されてもよい。
本明細書で説明される定義は、参照により本明細書に取り込まれる特許、特許出願、および/または特許出願公報のいずれかで説明される定義より優先される。
本明細書で用いられる略語は、下記のとおり定義される:1回を「1x」、2回を「2x」、3回を「3x」、摂氏温度を「℃」、当量を「eq」、グラムを「g」、ミリグラムを「mg」、キログラムを「kg」、リットルを「L」、ミリリットルを「mL」、マイクロリットルを「μL」、規定を「N」、モルを「M」、ミリモルを「mmol」、分を「min」、時間を「h」、室温(例えば、約20、21、22、23、24、25℃)を「rt」、保持時間を「RT」、丸底フラスコを「RBF」、気圧を「atm」、ポンド毎平方インチを「psi」、濃度を「conc.」、重量を「wt.」、飽和を「sat」または「sat’d」、超臨界流体クロマトグラフィーを「SFC」、分子量を「MW」、融点を「mp」、エナンチオマー過剰率を「ee」、質量分析を「MS」または「Mass Spec」、エレクトロスプレーイオン化質量分析を「ESI」、高分解能を「HR」、高分解能質量分析を「HRMS」、液体クロマトグラフィー質量分析を「LCMS」、高速液体クロマトグラフィーを「HPLC」、逆相HPLCを「RP HPLC」、薄層クロマトグラフィーを「TLC」または「tlc」、核磁気共鳴分光法を「NMR」、核オーバーハウザー効果分光法を「nOe」、プロトンを「H」、デルタを「δ」、一重項を「s」、ニ重項を「d」、三重項を「t」、四重項を「q」、多重項を「m」、広域を「br」、ヘルツを「Hz」、ならびに当業者に慣用されている立体化学表記を「α」、「β」、「R」、「S」、「E」、および「Z」。
Figure 2023521411000002
Figure 2023521411000003
化合物(I)の結晶体A
1の実施態様において、化合物(I)は、結晶体Aを含む結晶物質として提供される。化合物(I)の結晶体Aは、無溶媒の結晶体である。
The 化合物(I)の結晶体Aは、アセトニトリル、アセトニトリル-水混合物、ブタノール、tert-ブタノール、エタノール、エタノール-水混合物、イソプロパノール、イソプロパノール-水混合物、メチルイソブチルケトン、ニトロメタン、およびメチル tert-ブチル エーテルなどの数種類の溶媒系によって生成することができる。1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Aは、溶媒系、例えば、水、ヘプタン、シクロヘキサン、メチル tert-ブチルエーテル、アセトニトリル、エタノール、イソプロピルエーテル、およびこれらの混合物により生成することができる。1の実施態様において、結晶体Aは、ジエチルエーテルおよびジメチルホルムアミドの混合物によって生成される。結晶体A固形物は、過剰量の化合物(I)を前記に記載の溶媒系中で攪拌するか、または貧溶媒の付加(例えば、水)および/または冷却により化合物(I)の飽和溶液から沈殿することによって取得することができる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Aは、図1Aで実質的に示される室温で2θ値(CuKα λ=1.5418Å)を含む粉末X線回折パターンによって特徴付けられる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Aは、5.0±0.2、5.3±0.2、8.2±0.2、10.0±0.2、10.7±0.2、10.9±0.2、13.0±0.2、14.6±0.2、15.1±0.2、16.1±0.2、17.2±0.2、19.0±0.2、19.5±0.2、20.5±0.2、21.5±0.2、22.9±0.2、および24.5±0.2から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上の2θ値を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体AのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Aは、
a)5.0±0.2、5.3±0.2、8.2±0.2、10.0±0.2、10.7±0.2、11.0±0.2、13.0±0.2、14.5±0.2、15.1±0.2、および16.1±0.2から選択される4個またはそれ以上の2θ値を含むPXRDパターン;ならびに
b)図1で実質的に示される、実測された粉末X線回折パターン
によって特徴付けられる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Aは、5.0±0.2、5.3±0.2、8.2±0.2、10.0±0.2、10.7±0.2、11.0±0.2、13.0±0.2、14.5±0.2、15.1±0.2、および16.1±0.2から選択される5個またはそれ以上の2θ値を含むPXRDパターンによって特徴付けられる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Aは、5.0±0.2、5.3±0.2、8.2±0.2、10.0±0.2、10.7±0.2、11.0±0.2、13.0±0.2、14.5±0.2、15.1±0.2、および16.1±0.2から選択される4個またはそれ以上の2θ値を含むPXRDパターンによって特徴付けられる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Aは、5.0±0.2、10.0±0.2、および10.7±0.2における2θ値を含むPXRDパターンによって特徴付けられる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Aは、2θ値:10.0±0.2、13.0±0.2、19.0±0.2、19.5±0.2、21.5±0.2、および24.5±0.2を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体AのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Aは、2θ値:5.0±0.2、8.2±0.2、10.0±0.2、10.7±0.2、10.9±0.2、13.0±0.2、19.0±0.2、19.5±0.2、21.5±0.2、および24.5±0.2を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体AのPXRDパターンは、室温で測定される。1の実施態様において、前記結晶体Aは、図1Bで実質的に示される室温における赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けることができる。
1の実施態様において、結晶体Aは、1677±2、1647±2、1607±2、1593±2、1586±2、1532±2、1481±2、1445±2、1429±2、1391±2、1325±2、1298±2、1286±2、1234±2、1223±2、1178±2、1120±2、1063±2、1029±2、1000±2、983±2、941±2、850±2、832±2、803±2、749±2、および692±2cm-1から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上のピークを有する赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体Aは、1677±2、1647±2、1607±2、1593±2、1586±2、1532±2、1481±2、1445±2、1429±2、1391±2、1325±2、1298±2、1286±2、1234±2、1223±2、1178±2、1120±2、1063±2、1029±2、1000±2、983±2、941±2、850±2、832±2、803±2、749±2、および692±2cm-1におけるピークを有する赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体Aは、図1Cで実質的に示される動的水蒸気吸着(DVS)等温線によって特徴付けることができる。1の実施態様において、結晶体Aは、図1Dで実質的に示される動的水蒸気吸着(DVS)等温線によって特徴付けることができる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Aは、25.7、26.8、58.2、114.3、121.0、158.7、160.2、および181.4からなる群から選択される3個またはそれ以上の共鳴(ppm)値を含む、図2で実質的に示される13C固体NMRスペクトラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Aは、図3で実質的に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体Aは、約261℃で吸熱ピークを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けることができる。
1の実施態様において、結晶体Aは、260.5℃で吸熱ピークを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けることができる。
1の実施態様において、結晶体Aは、図4で示される熱重量分析(TGA)サーモグラムと実質的に同一のものを示す。
1の実施態様において、前記結晶体は、結晶体Aを少なくとも90wt%有する。1の実施態様において、前記結晶体は、結晶体Aから必須としてなる。
別の態様において、化合物(I)の結晶体Aは、実質的に純粋である。
別の態様において、化合物(I)の結晶体は、結晶体Aから必須としてなる。この実施態様の結晶体は、化合物(I)の結晶体Aの重量に基づいて、少なくとも90wt%、好ましくは、少なくとも95wt%、より好ましくは、少なくとも99wt%を含みうる。
さらに別の実施態様において、化合物(I)の結晶体A;ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤を含む、医薬組成物が提供される。
なお別の実施態様において、医薬組成物は、化合物(I)の実質的に純粋な結晶体A;ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤を含む。
さらになお別の実施態様において、治療上の有効量の化合物(I)の結晶体Aが、少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤と組み合わせることにより、少なくとも1つの医薬組成物が提供される。
化合物(I)の結晶体B
化合物(I)の結晶体Bは、溶媒系、例えば、メタノール、メタノール-水混合物、酢酸エチル、および酢酸溶液により生成することができる。前記結晶体B固形物は、過剰量の化合物(I)を上記に記載の溶媒系中で攪拌することによって得ることができる。1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Bは、溶媒系、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、およびこれらの混合物などにより生成される。1の実施態様において、前記結晶体Bは、水およびメタノールの混合物中の結晶体Aから生成される。
1の実施態様において、化合物(I)は、結晶水和物結晶体Bとして上記に記載の方法を用いて供される。
1の実施態様において、結晶体Bは、図5Aで実質的に示される室温における2θ値(CuKα λ=1.541874Å)を含む粉末X線回折パターンによって特徴付けることができる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Bは、5.3±0.2、9.0±0.2、9.5±0.2、10.6±0.2、11.2±0.2、13.9±0.2、14.4±0.2、14.7±0.2、16.0±0.2、16.8±0.2、17.4±0.2、18.3±0.2、19.3±0.2、20.2±0.2、20.9±0.2、21.3±0.2、23.0±0.2、23.8±0.2、25.8±0.2、および26.1±0.2から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上の2θ値を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体BのPXRDパターンは、室温で特徴付けられる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Bは、2θ値:5.3±0.2、10.6±0.2、11.2±0.2、16.8±0.2、19.3±0.2、20.9±0.2、および23.8±0.2を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体BのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Bは、2θ値:5.3±0.2、9.0±0.2、9.5±0.2、10.6±0.2、11.2±0.2、14.4±0.2、14.7±0.2、16.0±0.2、16.8±0.2、17.4±0.2、18.3±0.2、19.3±0.2、20.9±0.2、21.3±0.2、23.0±0.2、および23.8±0.2を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体BのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、結晶体Bは、図5Bで実質的に示される室温における赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けることができる。
1の実施態様において、結晶体Bは、1682±2、1649±2、1607±2、1592±2、1532±2、1481±2、1444±2、1428±2、1389±2、1287±2、1235±2、1223±2、1176±2、1136±2、1127±2、1112±2、1054±2、1027±2、994±2、983±2、942±2、867±2、850±2、829±2、804±2、749±2、および690±2cm-1から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上のピークを有する赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体Bは、1682±2、1649±2、1607±2、1592±2、1532±2、1481±2、1444±2、1428±2、1389±2、1287±2、1235±2、1223±2、1176±2、1136±2、1127±2、1112±2、1054±2、1027±2、994±2、983±2、942±2、867±2、850±2、829±2、804±2、749±2、および690±2cm-1におけるピークを有する赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Bは、約235℃で吸熱ピークを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Bは、約234.6℃で吸熱ピークを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Bは、図5Cで実質的に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体は、結晶体Bを少なくとも90wt%有する。1の実施態様において、結晶体は、結晶体Bから必須としてなる。1の実施態様において、結晶体Bは、実質的に純粋である。
別の態様において、化合物(I)の結晶体は、結晶体Bから必須としてなる。この実施態様の結晶体は、化合物(I)の結晶体Bの重量に基づいて、少なくとも90wt%、好ましくは、少なくとも95wt%、より好ましくは、少なくとも99wt%を含みうる。
さらに別の実施態様において、化合物(I)の結晶体B;ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤を含む医薬組成物が提供される。
なお別の実施態様において、医薬組成物は、化合物(I)の実質的に純粋な結晶体B;ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤を含む。
さらになお別の実施態様において、治療上の有効量の化合物(I)の結晶体Bが少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤と組み合わされて、少なくとも1つの医薬組成物が提供される。
化合物(I)の結晶体C
1の実施態様において、化合物(I)は、結晶体Cを含む結晶物質として提供される。化合物(I)の結晶体Cは、遊離塩基の無溶媒結晶体である。
化合物(I)の結晶体Cは、溶媒系、例えば、ジエチルエーテル、水-ジメチルホルムアミド混合物、ジイソプロピルエーテル、水、1-ペンタノール、酢酸、およびメチル tert-ブチルエーテル溶液により生成することができる。例えば、結晶体C固形物は、貧溶媒(例えば、水)の付加および/または冷却によりジメチルホルムアミド(DMF)中の化合物(I)の飽和溶液から取得することができる。
1の実施態様において、結晶体Cは、図6Aで実質的に示される室温における2θ値(CuKα λ=1.541874Å)を含む粉末X線回折パターンによって特徴付けることができる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Cは、8.9±0.2、10.8±0.2、13.5±0.2、13.8±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、20.8±0.2、21.6±0.2、21.9±0.2、22.3±0.2、24.0±0.2、25.8±0.2、および26.6±0.2から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上の2θ値を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体CのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Cは、2θ値:10.8±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、20.8±0.2、21.6±0.2、22.3±0.2、24.0±0.2、および26.6±0.2を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体CのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Cは、2θ値:8.9±0.2、10.8±0.2、13.5±0.2、13.8±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、20.8±0.2、21.6±0.2、21.9±0.2、22.3±0.2、24.0±0.2、25.8±0.2、および26.6±0.2を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体CのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、結晶体Cは、図6Bで実質的に示される室温における赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けることができる。
1の実施態様において、結晶体Cは、1683±2、1536±2、1489±2、1457±2、1446±2、1388±2、1373±2、1363±2、1193±2、1119±2、1098±2、1065±2、1045±2、1032±2、867±2、842±2、832±2、813±2、802±2、および738±2cm-1から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上のピークを有する赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体Cは、1683±2、1536±2、1489±2、1457±2、1446±2、1388±2、1373±2、1363±2、1193±2、1119±2、1098±2、1065±2、1045±2、1032±2、867±2、842±2、832±2、813±2、802±2、および738±2cm-1におけるピークを有する赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けられる。1の実施態様において、結晶体Cは、約275℃で開始温度を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Cは、約277℃で吸熱ピークを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Cは、約276.9℃で吸熱ピークを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Cは、図6Cで実質的に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体は、結晶体Cを少なくとも90wt%有する。1の実施態様において、結晶体は、結晶体Cから必須としてなる。1の実施態様において、結晶体Cは、実質的に純粋である。
別の態様において、化合物(I)の結晶体は、結晶体Cから必須としてなる。この実施態様の結晶体は、化合物(I)の結晶体Cの重量に基づいて、少なくとも90wt%、好ましくは、少なくとも95wt%、より好ましくは、少なくとも99wt%を含みうる。
さらに別の実施態様において、化合物(I)の結晶体C;ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤を含む医薬組成物が提供される。
なお別の実施態様において、医薬組成物は、化合物(I)の実質的に純粋な結晶体C;ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤を含む。
さらになお別の実施態様において、治療上の有効量の化合物(I)の結晶体Cが少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤と組み合わされて、少なくとも1つの医薬組成物が提供される。
化合物(I)の結晶体D
1の実施態様において、化合物(I)は、結晶体Dを含む結晶物質として提供される。化合物(I)の結晶体Dは、遊離塩基の無溶媒結晶体である。
化合物(I)の結晶体Dは、溶媒系、例えば、1,4-ジオキサンにより生成することができる。1の実施態様において、結晶体Dは、1,4-ジオキサン中で生成される。
1の実施態様において、結晶体Dは、図7Aで実質的に示される室温における2θ値(CuKα λ=1.541874Å)を含む粉末X線回折パターンによって特徴付けることができる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Dは、4.9±0.2、5.5±0.2、6.0±0.2、10.3±0.2、10.9±0.2、13.5±0.2、15.7±0.2、18.3±0.2、18.7±0.2、19.5±0.2、20.7±0.2、21.8±0.2、22.5±0.2、23.2±0.2、24.3±0.2、25.0±0.2、25.7±0.2、26.6±0.2、28.0±0.2、および29.0±0.2から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上の2θ値を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体DのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Dは、2θ値:10.3±0.2、15.7±0.2、18.3±0.2、18.7±0.2、19.5±0.2、および21.8±0.2を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体DのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Dは、2θ値:4.9±0.2、5.5±0.2、6.0±0.2、10.3±0.2、10.9±0.2、13.5±0.2、15.7±0.2、18.3±0.2、18.7±0.2、19.5±0.2、20.7±0.2、21.8±0.2、22.5±0.2、23.2±0.2、24.3±0.2、25.0±0.2、25.7±0.2、26.6±0.2、28.0±0.2、および29.0±0.2を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体DのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、結晶体Dは、図7Bで実質的に示される室温における赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けることができる。
1の実施態様において、結晶体Dは、1678±2、1645±2、1605±2、1593±2、1582±2、1533±2、1516±2、1480±2、1451±2、1444±2、1404±2、1389±2、1303±2、1294±2、1285±2、1234±2、1222±2、1177±2、1120±2、1072±2、1028±2、1000±2、990±2、983±2、869±2、850±2、832±2、804±2、748±2、708±2、および692±2cm-1から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上のピークを有する赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体Dは、1678±2、1645±2、1605±2、1593±2、1582±2、1533±2、1516±2、1480±2、1451±2、1444±2、1404±2、1389±2、1303±2、1294±2、1285±2、1234±2、1222±2、1177±2、1120±2、1072±2、1028±2、1000±2、990±2、983±2、869±2、850±2、832±2、804±2、748±2、708±2、および692±2cm-1におけるピークを有する赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体Dは、約247℃で開始温度を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Dは、約250℃で吸熱ピークを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Dは、約250.2℃で吸熱ピークを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Dは、図7Cで実質的に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体は、結晶体Dを少なくとも90wt%有する。1の実施態様において、結晶体は、結晶体Dから必須としてなる。1の実施態様において、結晶体Dは、実質的に純粋である。
別の態様において、化合物(I)の結晶体は、結晶体Dから必須としてなる。この実施態様の結晶体は、化合物(I)の結晶体Dの重量に基づいて、少なくとも90wt%、好ましくは、少なくとも95wt%、より好ましくは、少なくとも99wt%を含みうる。
さらに別の実施態様において、化合物(I)の結晶体D;ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤を含む医薬組成物が提供される。
なお別の実施態様において、医薬組成物は、化合物(I)の実質的に純粋な結晶体D;ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤を含む。
さらになお別の実施態様において、治療上の有効量の化合物(I)の結晶体Dが少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤と組み合わされて、少なくとも1つの医薬組成物が提供される。
化合物(I)の結晶体E
1の実施態様において、化合物(I)は、結晶体Eを含む結晶物質として提供される。化合物(I)の結晶体Eは、遊離塩基の無溶媒結晶体である。
化合物(I)の結晶体Eは、溶媒系、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、およびこれらの混合物により生成することができる。1の実施態様において、結晶体Eは、ゆっくりの溶媒蒸発によりアセトニトリル中で生成される。
1の実施態様において、結晶体Eは、図8Aで実質的に示される室温における2θ値(CuKα λ=1.541874Å)を含む粉末X線回折パターンによって特徴付けることができる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Eは、4.0±0.2、6.7±0.2、7.0±0.2、7.4±0.2、9.4±0.2、11.0±0.2、12.5±0.2、14.4±0.2、14.9±0.2、15.2±0.2、18.8±0.2、19.7±0.2、20.2±0.2、21.5±0.2、22.4±0.2、23.2±0.2、および23.7±0.2から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上の2θ値を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体EのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Eは、2θ値:4.0±0.2、9.4±0.2、19.7±0.2、20.2±0.2、および23.7±0.2を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体EのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Eは、2θ値:4.0±0.2、6.7±0.2、7.0±0.2、7.4±0.2、9.4±0.2、11.0±0.2、12.5±0.2、14.4±0.2、14.9±0.2、15.2±0.2、18.8±0.2、19.7±0.2、20.2±0.2、21.5±0.2、22.4±0.2、23.2±0.2、および23.7±0.2を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体EのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、結晶体Eは、図8Bで実質的に示される室温における赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けることができる。
1の実施態様において、結晶体Eは、1678±2、1610±2、1590±2、1533±2、1486±2、1461±2、1442±2、1373±2、1366±2、1296±2、1218±2、1187±2、1161±2、1116±2、1097±2、1066±2、1031±2、1002±2、994±2、941±2、865±2、832±2、803±2、770±2、738±2、694±2、および651±2cm-1から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上のピークを有する赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体Eは、1678±2、1610±2、1590±2、1533±2、1486±2、1461±2、1442±2、1373±2、1366±2、1296±2、1218±2、1187±2、1161±2、1116±2、1097±2、1066±2、1031±2、1002±2、994±2、941±2、865±2、832±2、803±2、770±2、738±2、694±2、および651±2cm-1におけるピークを有する赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体は、結晶体Eを少なくとも90wt%有する。1の実施態様において、結晶体は、結晶体Eから必須としてなる。1の実施態様において、結晶体Eは、実質的に純粋である。
別の態様において、化合物(I)の結晶体は、結晶体Eから必須としてなる。この実施態様の結晶体は、化合物(I)の結晶体Eの重量に基づいて、少なくとも90wt%、好ましくは、少なくとも95wt%、より好ましくは、少なくとも99wt%を含みうる。
さらに別の実施態様において、化合物(I)の結晶体E;ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤を含む医薬組成物が提供される。
なお別の実施態様において、医薬組成物は、化合物(I)の実質的に純粋な結晶体E;ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤を含む。
さらになお別の実施態様において、治療上の有効量の化合物(I)の結晶体Eが少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤と組み合わされて、少なくとも1つの医薬組成物が提供される。
化合物(I)の結晶体F
1の実施態様において、化合物(I)は、結晶体Fを含む結晶物質として提供される。化合物(I)の結晶体Fは、遊離塩基の無溶媒結晶体である。
化合物(I)の結晶体Fは、溶媒系、例えば、イソプロピルエーテル、ピリジン、メチル tert-ブチルエーテル、およびこれらの混合物により、後の得られた溶媒和物固形物の脱溶媒和(例えば、ヘプタンまたはエタノール中におけるスラリー化による)により生成することができる。結晶体F固形物は、過剰量の化合物(I)をヘプタンまたはエタノール中で攪拌することによって取得することができる。1の実施態様において、結晶体Fは、固体化合物(I)をヘプタン中でスラリーにすることにより生成される。
1の実施態様において、結晶体Fは、図9Aで実質的に示される室温における2θ値(CuKα λ=1.541874Å)を含む粉末X線回折パターンによって特徴付けることができる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Fは、4.8±0.2、6.1±0.2、9.6±0.2、12.2±0.2、17.2±0.2、17.6±0.2、18.0±0.2、18.3±0.2、19.4±0.2、20.7±0.2、21.2±0.2、22.3±0.2、22.8±0.2、23.4±0.2、23.8±0.2、24.4±0.2、25.1±0.2、26.4±0.2、および28.8±0.2から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上の2θ値を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体FのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Fは、2θ値:9.6±0.2、18.0±0.2、21.2±0.2、23.4±0.2、および23.8±0.2を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体FのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Fは、2θ値:4.8±0.2、6.1±0.2、9.6±0.2、12.2±0.2、17.2±0.2、17.6±0.2、18.0±0.2、18.3±0.2、19.4±0.2、20.7±0.2、21.2±0.2、22.3±0.2、22.8±0.2、23.4±0.2、23.8±0.2、24.4±0.2、25.1±0.2、26.4±0.2、および28.8±0.2を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体FのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、結晶体Fは、図9Bで実質的に示される室温における赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けることができる。
1の実施態様において、結晶体Fは、1662±2、1604±2、1591±2、1542±2、1487±2、1400±2、1364±2、1087±2、1052±2、1037±2、1028±2、876±2、863±2、843±2、839±2、825±2、807±2、697±2、および688±2cm-1から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上のピークを有する赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体Fは、1662±2、1604±2、1591±2、1542±2、1487±2、1400±2、1364±2、1087±2、1052±2、1037±2、1028±2、876±2、863±2、843±2、839±2、825±2、807±2、697±2、および688±2cm-1におけるピークを有する赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体Fは、約237℃で開始温度を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Fは、約242℃で吸熱ピークを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Fは、約241.7℃で吸熱ピークを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Fは、図9Cで実質的に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体は、結晶体Fを少なくとも90wt%有する。1の実施態様において、結晶体は、結晶体Fから必須としてなる。1の実施態様において、結晶体Fは、実質的に純粋である。
別の態様において、化合物(I)の結晶体は、結晶体Fから必須としてなる。この実施態様の結晶体は、化合物(I)の結晶体Fの重量に基づいて、少なくとも90wt%、好ましくは、少なくとも95wt%、より好ましくは、少なくとも99wt%を含みうる。
さらに別の実施態様において、化合物(I)の結晶体F;ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤を含む医薬組成物が提供される。
なお別の実施態様において、医薬組成物は、化合物(I)の実質的に純粋な結晶体F;ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤を含む。
さらになお別の実施態様において、治療上の有効量の化合物(I)の結晶体Fが少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤と組み合わされて、少なくとも1つの医薬組成物が提供される。
化合物(I)の結晶体G
1の実施態様において、化合物(I)は、結晶体Gを含む結晶物質として提供される。
化合物(I)の結晶体Gは、溶媒系、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、水、およびこれらの混合物により生成することができる。1の実施態様において、結晶体Gは、アセトニトリルおよび水中の化合物(I)の溶液の結晶化によって生成される。
1の実施態様において、結晶体Gは、図10Aで実質的に示される室温における2θ値(CuKα λ=1.541874Å)を含む粉末X線回折パターンによって特徴付けることができる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Gは、4.4±0.2、6.2±0.2、10.7±0.2、12.5±0.2、13.2±0.2、16.7±0.2、17.6±0.2、18.1±0.2、18.7±0.2、19.0±0.2、19.6±0.2、20.9±0.2、21.6±0.2、22.0±0.2、23.0±0.2、23.5±0.2、24.1±0.2、24.8±0.2、25.1±0.2、および25.4±0.2から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上の2θ値を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体GのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Gは、2θ値:4.4±0.2、10.7±0.2、16.7±0.2、18.1±0.2、19.6±0.2、21.6±0.2、22.0±0.2、23.5±0.2、24.1±0.2、24.8±0.2、25.1±0.2、および25.4±0.2を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体GのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Gは、2θ値:4.4±0.2、6.2±0.2、10.7±0.2、12.5±0.2、13.2±0.2、16.7±0.2、17.6±0.2、18.1±0.2、18.7±0.2、19.0±0.2、19.6±0.2、20.9±0.2、21.6±0.2、22.0±0.2、23.0±0.2、23.5±0.2、24.1±0.2、24.8±0.2、25.1±0.2、および25.4±0.2を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体GのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、結晶体Gは、図10Bで実質的に示される室温における赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けることができる。
1の実施態様において、結晶体Gは、1680±2、1672±2、1609±2、1607±2、1535±2、1533±2、1488±2、1461±2、1441±2、1367±2、1118±2、1096±2、1066±2、1029±2、993±2、866±2、836±2、804±2、738±2、および694±2cm-1から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上のピークを有する赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体Gは、1680±2、1672±2、1609±2、1607±2、1535±2、1533±2、1488±2、1461±2、1441±2、1367±2、1118±2、1096±2、1066±2、1029±2、993±2、866±2、836±2、804±2、738±2、および694±2cm-1におけるピークを有する赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体は、結晶体Gを少なくとも90wt%有する。1の実施態様において、結晶体は、結晶体Gから必須としてなる。1の実施態様において、結晶体Gは、実質的に純粋である。
別の態様において、化合物(I)の結晶体は、結晶体Gから必須としてなる。この実施態様の結晶体は、化合物(I)の結晶体Gの重量に基づいて、少なくとも90wt%、好ましくは、少なくとも95wt%、より好ましくは、少なくとも99wt%を含みうる。
さらに別の実施態様において、化合物(I)の結晶体G;ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤を含む医薬組成物が提供される。
なお別の実施態様において、医薬組成物は、化合物(I)の実質的に純粋な結晶体G;ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤を含む。
さらになお別の実施態様において、治療上の有効量の化合物(I)の結晶体Gが少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤と組み合わされて、少なくとも1つの医薬組成物が提供される。
化合物(I)の結晶体H
1の実施態様において、化合物(I)は、結晶体Hを含む結晶物質として提供される。化合物(I)の結晶体Hは、遊離塩基酢酸メチル溶媒和物である。
化合物(I)の結晶体Hは、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、およびこれらの混合物により生成することができる。1の実施態様において、結晶体Hは、酢酸メチル中の化合物(I)の溶液の結晶化によって生成される。1の実施態様において、結晶体Hは、アモルファスの化合物(I)を酢酸メチル中で5℃にてスラリーにすることによって生成される。
1の実施態様において、結晶体Hは、図11Aで実質的に示される室温における2θ値(CuKα λ=1.541874Å)を含む粉末X線回折パターンによって特徴付けることができる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Hは、7.1±0.2、9.6±0.2、10.9±0.2、17.5±0.2、18.2±0.2、18.7±0.2、20.0±0.2、22.0±0.2、22.4±0.2、23.2±0.2、24.3±0.2、24.9±0.2、26.4±0.2、27.7±0.2、および29.6±0.2から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上の2θ値を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体HのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Hは、2θ値:9.6±0.2、10.9±0.2、20.0±0.2、22.0±0.2、23.2±0.2、24.3±0.2、24.9±0.2、および26.4±0.2を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体HのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Hは、2θ値:7.1±0.2、9.6±0.2、10.9±0.2、17.5±0.2、18.2±0.2、18.7±0.2、20.0±0.2、22.0±0.2、22.4±0.2、23.2±0.2、24.3±0.2、24.9±0.2、26.4±0.2、27.7±0.2、および29.6±0.2を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体HのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、結晶体Hは、図11Bで実質的に示される室温における赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けることができる。
1の実施態様において、結晶体Hは、1732±2、1694±2、1673±2、1534±2、1483±2、1461±2、1448±2、1433±2、1416±2、1377±2、1297±2、1283±2、1254±2、1223±2、1184±2、1113±2、1074±2、1041±2、1029±2、1001±2、873±2、850±2、844±2、831±2、814±2、803±2、および738±2cm-1から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上のピークを有する赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体Hは、1732±2、1694±2、1673±2、1534±2、1483±2、1461±2、1448±2、1433±2、1416±2、1377±2、1297±2、1283±2、1254±2、1223±2、1184±2、1113±2、1074±2、1041±2、1029±2、1001±2、873±2、850±2、844±2、831±2、814±2、803±2、および738±2cm-1におけるピークを有する赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体は、結晶体Hを少なくとも90wt%有する。1の実施態様において、結晶体は、結晶体Hから必須としてなる。1の実施態様において、結晶体Hは、実質的に純粋である。
別の態様において、化合物(I)の結晶体は、結晶体Hから必須としてなる。この実施態様の結晶体は、化合物(I)の結晶体Hの重量に基づいて、少なくとも90wt%、好ましくは、少なくとも95wt%、より好ましくは、少なくとも99wt%を含みうる。
さらに別の実施態様において、化合物(I)の結晶体H;ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤を含む医薬組成物が提供される。
なお別の実施態様において、医薬組成物は、化合物(I)の実質的に純粋な結晶体H;ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤を含む。
さらになお別の実施態様において、治療上の有効量の化合物(I)の結晶体Hが少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤と組み合わされて、少なくとも1つの医薬組成物が提供される。
化合物(I)の結晶体I
1の実施態様において、化合物(I)は、結晶体Iを含む結晶物質として提供される。
化合物(I)の結晶体Iは、結晶体Hを減圧下において室温で保存し、または結晶体Hを高温で保存することによって生成することができる。1の実施態様において、結晶体Iは、結晶体Hを加熱することによって生成される。
1の実施態様において、結晶体Iは、図12で実質的に示される室温における2θ値(CuKα λ=1.541874Å)を含む粉末X線回折パターンによって特徴付けることができる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Iは、7.2±0.2、9.9±0.2、11.2±0.2、15.5±0.2、16.0±0.2、18.5±0.2、19.4±0.2、20.1±0.2、20.6±0.2、22.2±0.2、22.6±0.2、24.0±0.2、24.6±0.2、25.5±0.2、および26.4±0.2から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上の2θ値を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体IのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Iは、2θ値:9.9±0.2、11.2±0.2、18.5±0.2、20.1±0.2、20.6±0.2、22.2±0.2、および22.6±0.2を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体IのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Iは、2θ値:7.2±0.2、9.9±0.2、11.2±0.2、15.5±0.2、16.0±0.2、18.5±0.2、19.4±0.2、20.1±0.2、20.6±0.2、22.2±0.2、22.6±0.2、24.0±0.2、24.6±0.2、25.5±0.2、および26.4±0.2を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体IのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、結晶体Iは、1682±2、1534±2、1485±2、1461±2、1380±2、1118±2、1106±2、1066±2、1041±2、1032±2、1002±2、865±2、832±2、および803±2cm-1から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上のピークを有する赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体Iは、1682±2、1534±2、1485±2、1461±2、1380±2、1118±2、1106±2、1066±2、1041±2、1032±2、1002±2、865±2、832±2、および803±2cm-1におけるピークを有する赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体は、結晶体Iを少なくとも90wt%有する。1の実施態様において、結晶体は、結晶体Iから必須としてなる。1の実施態様において、結晶体Iは、実質的に純粋である。
別の態様において、化合物(I)の結晶体は、結晶体Iから必須としてなる。この実施態様の結晶体は、化合物(I)の結晶体Iの重量に基づいて、少なくとも90wt%、好ましくは、少なくとも95wt%、より好ましくは、少なくとも99wt%を含みうる。
さらに別の実施態様において、化合物(I)の結晶体I;ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤を含む医薬組成物が提供される。
なお別の実施態様において、医薬組成物は、化合物(I)の実質的に純粋な結晶体I;ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤を含む。
さらになお別の実施態様において、治療上の有効量の化合物(I)の結晶体Iが少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤と組み合わされて、少なくとも1つの医薬組成物が提供される。
化合物(I)の結晶体J
1の実施態様において、化合物(I)は、化合物(I)は、結晶体Jを含む結晶物質として提供される。化合物(I)の結晶体Jは、遊離塩基の無溶媒結晶体である。
化合物(I)の結晶体Jは、溶媒系、例えば、エチレングリコール、1-ペンタノール、1-プロパノール、トリエチルアミン、水、エタノール、アセトン、プロパン-1,2-ジオール、およびこれらの混合物により生成することができる。1の実施態様において、結晶体Jは、結晶体Gの温度サイクルおよびアセトニトリル/水混合物中で高温にてよって生成される。結晶体J固形物は、過剰量の化合物(I)、例えば、結晶体GまたはHをヘプタンまたはアセトニトリル/水溶媒系中で攪拌することによって取得することができる。
1の実施態様において、結晶体Jは、図13Aで実質的に示される室温における2θ値(CuKα λ=1.541874Å)を含む粉末X線回折パターンによって特徴付けることができる。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Jは、7.4±0.2、9.0±0.2、11.3±0.2、11.7±0.2、12.5±0.2、14.8±0.2、15.1±0.2、15.5±0.2、16.1±0.2、17.6±0.2、18.4±0.2、18.8±0.2、19.3±0.2、23.3±0.2、24.4±0.2、26.2±0.2、26.6±0.2、27.7±0.2、28.2±0.2、および28.8±0.2から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上の2θ値を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体JのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Jは、2θ値:18.4±0.2、18.8±0.2、19.3±0.2、23.3±0.2、24.4±0.2、26.2±0.2、26.6±0.2、および28.8±0.2を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体JのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、化合物(I)の結晶体Jは、2θ値:7.4±0.2、9.0±0.2、11.3±0.2、11.7±0.2、12.5±0.2、14.8±0.2、15.1±0.2、15.5±0.2、16.1±0.2、17.6±0.2、18.4±0.2、18.8±0.2、19.3±0.2、23.3±0.2、24.4±0.2、26.2±0.2、26.6±0.2、27.7±0.2、28.2±0.2、および28.8±0.2を含むPXRDパターン(室温でCuKα λ=1.541874Å)によって特徴付けられ、前記結晶体JのPXRDパターンは、室温で測定される。
1の実施態様において、結晶体Jは、1678±2、1610±2、1584±2、1536±2、1525±2、1486±2、1462±2、1412±2、1392±2、1371±2、1346±2、1296±2、1286±2、1234±2、1223±2、1196±2、1165±2、1114±2、1099±2、1078±2、1065±2、1052±2、1034±2、999±2、867±2、858±2、841±2、833±2、814±2、800±2、789±2、736±2、703±2、および694±2cm-1から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上のピークを有する赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体Jは、1678±2、1610±2、1584±2、1536±2、1525±2、1486±2、1462±2、1412±2、1392±2、1371±2、1346±2、1296±2、1286±2、1234±2、1223±2、1196±2、1165±2、1114±2、1099±2、1078±2、1065±2、1052±2、1034±2、999±2、867±2、858±2、841±2、833±2、814±2、800±2、789±2、736±2、703±2、および694±2cm-1におけるピークを有する赤外(IR)スペクトラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体Jは、約266℃で開始温度を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。
1の実施態様において、結晶体は、結晶体Jを少なくとも90wt%有する。1の実施態様において、結晶体は、結晶体Jから必須としてなる。1の実施態様において、結晶体Jは、実質的に純粋である。
別の態様において、化合物(I)の結晶体は、結晶体Jから必須としてなる。この実施態様の結晶体は、化合物(I)の結晶体Jの重量に基づいて、少なくとも90wt%、好ましくは、少なくとも95wt%、より好ましくは、少なくとも99wt%を含みうる。
さらに別の実施態様において、化合物(I)の結晶体J;ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤を含む医薬組成物が提供される。
なお別の実施態様において、医薬組成物は、化合物(I)の実質的に純粋な結晶体J;ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤を含む。
さらになお別の実施態様において、治療上の有効量の化合物(I)の結晶体Jが少なくとも1つの医薬的に許容される担体および/または希釈剤と組み合わされて、少なくとも1つの医薬組成物が提供される。
1の実施態様において、結晶体は、結晶体A、結晶体B、結晶体C、結晶体D、結晶体E、結晶体F、結晶体G、結晶体H、結晶体I、および結晶体Jからなる群から選択される。1の実施態様において、結晶体は、結晶体B、結晶体C、結晶体D、結晶体E、結晶体F、結晶体G、結晶体H、結晶体I、および結晶体Jからなる群から選択される。1の実施態様において、結晶体は、結晶体A、結晶体Fおよび結晶体Jからなる群から選択される。1の実施態様において、結晶体は、結晶体Fおよび結晶体Jからなる群から選択される。
化合物(I)は、実施例1に従って調製されてもよい。結晶体は、例えば、適切な溶媒からの結晶化または再結晶化、凝華、融解物からの成長、別の相からの固体変換、超臨界流体からの結晶化、およびジェットスプレーを含む、様々な方法によって調製されてもよい。溶媒混合物からの結晶体の結晶化または再結晶化のための技術には、例えば、溶媒の蒸発、溶媒混合物の温度の低下、分子および/または塩の過飽和溶媒混合物の種結晶、溶媒混合物の凍結乾燥、および溶媒混合物への貧溶媒(対溶媒)の付加が含まれる。ハイスループット結晶化は、多形を含む結晶体を調製するために用いられてもよい。
薬物の結晶、薬物結晶の製造方法、および特徴付けは、Solid-State Chemistry of Drugs, S.R. Byrn, R.R. Pfeiffer, and J.G. Stowell, 2nd Edition, SSCI, West Lafayette, Indiana (1999)で説明されている。
溶媒を用いる結晶化技術について、1つまたはそれ以上の溶媒の選択は、典型的に、1つまたはそれ以上の因子、例えば、化合物の溶解性、結晶化技術、および溶媒の蒸気圧などに依存する。溶媒の組み合わせが用いられてもよく、例えば、化合物は、第1の溶媒に溶解させて溶液を得て、続いて貧溶媒を加えて化合物の溶液への溶解性を減少させ、結晶の形成を得られてもよい。貧溶媒は、化合物が低い溶解性を示す溶媒である。
結晶を調製するための1つの方法において、化合物は、適切な溶媒中で懸濁され、および/または攪拌されてスラリーが生成され、溶解を促進するために加熱されてもよい。用語「スラリー」は、本明細書で用いられるように、化合物の飽和溶液を意味し、さらなる量の化合物を含有して、一定の温度で化合物および溶媒の不均一な混合物が得られてもよい。
種結晶は、結晶化を促進するために結晶化混合物に加えられてもよい。種結晶化は、特定の多形の成長を調節し、または結晶生成物の粒径分布を調節するために用いられうる。よって、必要とされる種結晶の量の算出は、例えば、”Programmed Cooling of Batch Crystallizers,” J.W. Mullin and J. Nyvlt, Chemical Engineering Science, 1971, 26, 369-377に記載されるように、利用可能な種結晶のサイズおよび所望される平均生成粒径のサイズによる。一般に、小さいサイズの種結晶は、バッチ内で結晶の成長を効果的に調節することが必要とされる。小さいサイズの種結晶は、大きな結晶のふるい、微粉化または微粒化、あるいは溶液のミクロ結晶化によって調製されてもよい。結晶の微粉化または微粒化は、所望の結晶体の結晶化度に変化を生じないように留意すべきである(すなわち、アモルファスまたは別の結晶体への変化)。
冷却した結晶混合物は、減圧下で濾過されてもよく、単離された固形物は、適切な溶媒、例えば、冷却した再結晶化溶媒で洗浄され、窒素パージ下で乾燥されて所望の結晶体が得られてもよい。単離された固形物は、適当な分光学的技術または分析技術、例えば、固体核磁気共鳴、示差走査熱量測定、粉末X線回折などによって分析することにより生成物の好ましい結晶体の形成を確認してもよい。生じた結晶体は、典型的に、結晶化方法で元々用いられる化合物の重量に基づいて、約70重量%以上の単離された収率、好ましくは、90重量%以上の単離された収率の量で生成される。前記生成物は、必要に応じて、共微粉化されるか、またはメッシュスクリーンに通して生成物が分離されてもよい。
結晶体は、化合物(I)を調製するための最終工程の反応媒体から直接調製されてもよい。これは、例えば、最終工程において、化合物(I)が結晶化されうる溶媒または溶媒の混合物を用いることによって行われてもよい。あるいは、結晶体は、蒸留または溶媒付加技術によって得られてもよい。この目的のための適切な溶媒には、例えば、プロトン性極性溶媒(例えば、アルコール)および非プロトン性極性溶媒(例えば、ケトン)を含む前記の非極性溶媒および極性溶媒が含まれる。
試料中の1種類より多くの結晶体の存在は、粉末X線回折(PXRD)または固体核磁気共鳴分光法などの技術によって決定されうる。例えば、実験で測定したPXRDパターンをシミュレートしたPXRDパターンと比較してさらなるピークの存在は、試料中に1種類より多くの結晶体を示しうる。シミュレートしたPXRDは、単結晶x線データから算出されうる。Smith, D.K., "A FORTRAN Program for Calculating X-Ray Powder Diffraction Patterns," Lawrence Radiation Laboratory, Livermore, California, UCRL-7196 (April 1963)を参照のこと。
本発明による化合物(I)の結晶体は、様々な技術を用いて特徴付けられてもよく、これらの実施は当業者に周知である。前記結晶体は、固定された分析温度における単結晶の単位格子測定に基づき、単結晶x線回折を用いて特徴付けられ、区別されうる。単位格子の詳細な説明は、参照により本明細書に取り込まれる、Stout & Jensen, X-Ray Structure Determination: A Practical Guide, Macmillan Co., New York (1968), Chapter 3で供される。あるいは、結晶格子内の空間に関する原子の独特の配列は、実測された分別原子座標によって特徴付けられうる。結晶構造を特徴付けるための別の方法は、回折プロファイルが純粋な粉末物質を表すシミュレートされたプロファイルと比較され、両方が同一の分析温度で行われ、そして目的の結晶体の測定が一連の2θ値:(通常、4個またはそれ以上)として特徴付けられる、粉末X線回折解析によるものである。
結晶体を特徴付けるための他の方法は、例えば、結晶体の固体核磁気共鳴(ssNMR)、示差走査熱量測定、サーモグラフィーおよび肉眼観察が用いられてもよい。これらのパラメータはまた、目的の結晶体を特徴付けられるために組み合わせて用いられてもよい。
有用性
化合物(I)の結晶体およびその医薬組成物は、第XIa因子を阻害する際に有用でありうる。よって、本発明は、哺乳類における血栓塞栓性障害(すなわち、第XIa因子に関連する障害)の治療方法および/または予防方法を提供する。
本明細書の方法のいずれかにおける化合物(I)の結晶体およびその医薬組成物は、腎臓および/または肝臓疾患に罹っている患者を含む多種多様な患者集団における血栓事象を予防するために用いられうる。化合物(I)の結晶体およびその医薬組成物は、急性冠症候群、慢性冠症候群、深部静脈血栓症、不安定狭心症、心筋梗塞、心房細動、虚血性脳卒中、末梢閉塞性動脈症、一過性虚血性発作、脳卒中の再発予防、または肺塞栓症を含むが、これらに限定され得ない障害に罹っている患者を治療するために有用でありうる。化合物(I)の結晶体およびその医薬組成物は、不安定狭心症、急性冠症候群、心房細動、最初の心筋梗塞、再発性心筋梗塞、虚血性突然死、一過性虚血性発作、脳卒中、アテローム性動脈硬化症、末梢閉塞性動脈症、静脈血栓症、深部静脈血栓症、血栓静脈炎、動脈塞栓症、冠状動脈血栓症、脳動脈血栓症、脳塞栓症、腎臓塞栓症、肺塞栓症、および血液が血栓症を促進する人工的な表面に曝露される医療移植片、装置、または方法から生じる血栓症に罹っている患者の治療および/または予防のための方法における使用に有用でありうる。化合物(I)の結晶体およびその医薬組成物は、急性冠症候群、深部静脈血栓症、慢性冠症候群、または脳卒中の再発予防に罹っている患者の治療および/予防のための方法における使用に有用でありうる。
化合物(I)の結晶体およびその医薬組成物は、出血のリスクが高くない血栓塞栓性合併症のリスクを有する急性疾患の内科患者における静脈血栓塞栓症、あるいは膝もしくは股関節置換手術を受けた患者において肺塞栓症を生じうる深部静脈血栓症の患者の予防のために有用でありうる。化合物(I)の結晶体およびその医薬組成物は、慢性冠動脈疾患または末梢動脈疾患に罹っている患者において主な心血管事象(心血管系死、心筋梗塞、および脳卒中)のリスクを減少させるための適用に有用でありうる。化合物(I)の結晶体およびその医薬組成物は、非弁膜症性心房細動の患者における深部静脈血栓症および/または肺塞栓症(PE)または脳卒中の再発リスクを減少させるための適用に有用でありうる。
本明細書に記載の化合物(I)の結晶体は、医薬組成物に製剤化され、および/または治療方法および/または予防方法で用いられてもよく、前記結晶性化合物(I)は、結晶体A、結晶体B、結晶体C、結晶体D、結晶体E、結晶体F、結晶体G、結晶体H、結晶体I、結晶体J、またはこれらの組み合わせから選択される結晶体を有する。これらの方法には、以下に限定されないが、結晶性化合物(I)の単独の投与、または本明細書に記載の障害の治療に有用でありうる薬剤を含む1つまたはそれ以上の他の医薬的に活性な薬剤と組み合わせた投与が含まれ、前記結晶性化合物(I)は、結晶体A、結晶体B、結晶体C、結晶体D、結晶体E、結晶体F、結晶体G、結晶体H、結晶体I、結晶体J、またはこれらの組み合わせから選択される結晶体を有する。
「治療上の有効量」は、第XIa因子を阻害するために単独で投与されるか、組み合わせて投与される場合に有効である化合物(I)の結晶体の量が含まれるものとされる。化合物(I)が別の医薬と組み合わせて用いられる場合、本明細書に記載の化合物の組み合わせは、相乗効果の組み合わせを生じうる。相乗効果は、例えば、Chou et al., Adv. Enzyme Regul., 22:27-55 (1984)で記載されるように、組み合わせて投与された時の化合物の効果が、単一薬剤として単独で投与された時の化合物の相加効果より高い場合に生じる。一般に、相乗効果は、化合物の準最適な濃度で最も明確に示される。相乗効果は、各成分と比較して組み合わせのより低い細胞毒性、高い抗血栓効果、または他の有効な効果に関しうる。
本明細書で用いられるように、「治療する」または「治療」は、哺乳類、特に、ヒトにおける病状の治療を網羅し、(a)病状が哺乳類で生じることを予防すること(特に、このような哺乳類が病状に罹りやすいが、まだそれに罹ったと診断されていない場合);(b)病状を抑制すること、すなわち、その発症を抑止すること;および/または(c)病状を軽減すること、すなわち、病状の退縮を引き起こすことを含む。
本明細書で用いられるように、「予防」は、本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物のうちの少なくとも1つの治療上の有効量を、患者に投与することによって、病状の再発のリスクおよび/またはリスクの軽減を減少させ、および/または最小にするための病状の保護治療である。患者は、一般的な集団と比較して臨床的な病状に罹るリスクが高いことが公知の因子に基づいて予防的療法が選択されてもよい。予防的治療について、臨床的な病状の状態がすでに示されてもよく、または示されていなくてもよい。「予防的」治療は、(a)一次予防および(b)二次予防に分けることができる。一次予防は、臨床的病状をまだ示していない患者における病状のリスクを減少させ、または最小にするための治療として定義され、二次予防は、同一または類似の臨床的病状の再発または2回目の発症のリスクを最小にし、または減少させるものとして定義される。
本明細書で用いられるように、「予防」は、臨床的病状の発症の可能性を減少させることを目的とする、哺乳類、特に、ヒトにおける無症状の病状の予防的治療を網羅する。患者は、一般的な集団と比較して臨床的な病状に罹るリスクが高いことが公知の因子に基づいて予防的療法が選択される。
本明細書で用いられるように、「リスク減少」は、臨床的病状の発症頻度を低下させる療法を網羅する。そして、一次予防および二次予防療法は、リスク減少の例である。
一般に、血栓塞栓性障害は、血栓によって引き起こされる循環器疾患(すなわち、フィブリン形成、血小板活性化、および/または血小板凝集に関する疾患)である。本明細書で用いられる用語「血栓塞栓性障害」には、動脈心血管血栓塞栓性障害、静脈心血管血栓塞栓性障害、および心臓の小室における血栓塞栓性障害が含まれる。本明細書で用いられる用語「血栓塞栓性障害」にはまた、以下に限定されないが、不安定狭心症または他の急性冠症候群、心房細動、原発または再発の心筋梗塞、虚血性突然死、一過性虚血性発作、脳卒中、アテローム性動脈硬化症、末梢閉塞性動脈症、静脈血栓症、深部静脈血栓症、血栓静脈炎、動脈塞栓症、冠状動脈血栓症、脳動脈血栓症、脳塞栓症、腎臓塞栓症、肺塞栓症、ならびに(a)人工弁または他の移植片、(b)留置カテーテル、(c)ステント、(d)心肺バイパス、(e)血液透析、または(f)血液が血栓症を促進する人工的な表面に曝露される他の方法から生じる血栓症から選択される特定の障害が含まれる。血栓症には、閉塞(例えば、バイパス後)および再閉塞(例えば、経皮経管冠状動脈形成術中または後)が含まれることが留意される。血栓塞栓性障害は、以下に限定されないが、アテローム性動脈硬化症、外科手術または手術合併症、長期間の運動抑制、心房細動、先天性血栓性素因、がん、糖尿病、医薬またはホルモンの効果、および妊娠の合併症を含む状態から生じうる。本発明の化合物の抗凝血効果は、第XIa因子またはトロンビンの阻害によるものと考えられる。
前記方法は、好ましくは、医薬的に有効な量の本発明の新規な結晶を、好ましくは、1つまたはそれ以上の医薬的に許容される担体および/または賦形剤と組み合わせて患者に投与することを含む。活性成分ならびに担体および/または賦形剤の相対的な割合は、例えば、前記物質の溶解性および化学的な性質、選択される投与経路および標準的な医療行為によって決定されうる。
化合物(I)の結晶体は、錠剤、カプセル剤(これらの各々には、持続放出製剤または時間放出製剤が含まれる)、丸剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、懸濁液、シロップ、および乳濁液などの経口剤形で患者に投与されてもよい。それらはまた、医薬分野の当業者に周知の剤形全てを用いて、静脈内(ボーラスまたは注入)、腹腔内、皮下、または筋肉内結晶体で投与されてもよい。これらは単独で投与されてもよいが、一般に、選択される投与経路および標準的な医療行為に基づいて選択される医薬担体とともに投与される。
化合物(I)の結晶体の投薬レジメンは、当然、公知の因子、例えば、特定の薬剤ならびにその様式および投与経路の薬力学的性質;受容者の種、年齢、性別、健康、医学的状態、および重量;症状の性質および範囲;同時治療の種類;治療の頻度;投与経路、患者の腎臓および肝臓の機能、ならびに所望される効果などに応じて変動しうる。医師または獣医師は、血栓塞栓性障害の進行を抑止し、逆転し、または停止するために必要とされる薬物の有効量を決定し、処方することができる。明確に、いくつかの単位製剤がほぼ同時に投与されてもよい。予防または治療に最も適切な化合物(I)の結晶体の用量は、投与結晶体、選択される化合物の特定の結晶体、および治療中の特定の患者の生理学的に特徴によって変動しうる。広義には、低用量が最初に用いられ、必要に応じて、状況により所望される効果に達するまで少量ずつ増加されてもよい。
一般的な例として、成人において、適切な用量は、約0.001~約1000mg/kg体重、ならびにそこに含まれる範囲および具体的な用量の全ての組み合わせおよび部分的な組み合わせを範囲としてもよい。好ましい用量は、吸入により1日あたり約0.01~約100mg/kg体重、好ましくは、経口投与により1日あたり0.1~70、より好ましくは、0.5~20mg/kg体重、ならびに静脈内投与により1日あたり約0.01~約50、好ましくは、0.01~10mg/kg体重であってもよい。各具体的な症例において、用量は、治療される対象に特有の因子、例えば、年齢、重量、総合的な健康状態、および医薬品の有効性に影響を与えうる他の特徴によって決定されてもよい。化合物(I)の結晶体は、1回の1日用量で投与されてもよく、あるいは合計1日用量が、1日2回、3回、または4回の分割用量で投与されてもよい。
錠剤またはカプセル剤などの固形結晶体における経口投与について、化合物(I)の結晶体は、非毒性の医薬的に許容される不活性担体、例えば、乳糖、デンプン、ショ糖、グルコール、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、無水リン酸水素カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトールなどと組み合わせることができる。
好ましくは、活性成分に加え、固形製剤は、「賦形剤」と本明細書では称される多くのさらなる成分を含んでいてもよい。これらの賦形剤には、特に、希釈剤、結合剤、滑沢剤、流動促進剤、および崩壊剤が含まれる。着色剤が含まれてもよい。「希釈剤」は、本明細書で用いられるように、錠剤を圧縮のための実用的なサイズを作り出すために、原体を製剤にするための薬剤である。希釈剤の例は、乳糖およびセルロースである。「結合剤」は、本明細書で用いられるように、錠剤が圧縮後にインタクトな状態を保つことを補助し、ならびに粉末の流動性を改善するために、粉末物質に接着性を付与するために用いられる薬剤である。一般的な結合剤の例は、乳糖、デンプン、および様々な糖である。「滑沢剤」は、本明細書で用いられるように、錠剤の圧縮機への接着を防止することや圧縮またはカプセル化前の造粒の流動性を改善することを含むいくつかの機能を有する。滑沢剤は、多くの場合、疎水性物質である。しかしながら、崩壊が低下し、および/または薬物の溶解が遅延する薬剤を生じうるため、滑沢剤の過剰な使用は望ましくない。「流動促進剤」は、本明細書で用いられるように、造粒物質の流動性を改善することができる物質を意味する。流動促進剤の例には、タルクおよびコロイド状二酸化ケイ素が含まれる。「崩壊剤」は、本明細書で用いられるように、投与後の固形製剤の破壊または崩壊を促進するために製剤に添加される物質または物質の混合物である。崩壊剤として供されうる物質には、デンプン、クレイ、セルロース、アルギン酸、ゴム、および架橋ポリマーが含まれる。「スーパー崩壊剤(super-disintegrants)」と称される崩壊剤の一群は、一般に、固形製剤中で低レベル、典型的に、製剤の総重量に対して1~10重量%で用いられる。クロスカルメロース、クロスポビドン、およびデンプングリコール酸ナトリウムは、各々、架橋セルロース、架橋ポリマー、および架橋デンプンの例を示す。デンプングリコール酸ナトリウムは、30秒以下で7~12倍に膨張してそれを含む造粒物を効果的に崩壊する。
本発明に用いられる好ましい崩壊剤は、加工デンプン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、およびクロスポビドンを含む群から選択される。本発明においてより好ましい崩壊剤は、加工デンプン、例えば、デンプングリコール酸ナトリウムである。
好ましい担体には、本明細書に記載の固形医薬製剤を含有するカプセル剤または圧縮された錠剤が含まれる。好ましいカプセル剤または圧縮された錠剤結晶体は、一般に、治療上の有効量の化合物(I)の結晶体、ならびに1つまたはそれ以上の崩壊剤をカプセル剤の内容物の総重量または前記錠剤の総重量に対して約10重量%以上の量で含む。
好ましいカプセル製剤は、化合物(I)の結晶体を、1カプセル剤あたり約5~約1000mgの量で含みうる。好ましい圧縮された錠剤製剤は、化合物(I)の結晶体を、1錠剤あたり約5mg~約800mgの量で含む。より好ましい製剤は、1つのカプセル剤または圧縮された錠剤あたり約50~約200mgを含む。好ましくはカプセルまたは圧縮された錠剤医薬製剤は、治療上の有効量の化合物(I)の結晶体AおよびB;界面活性剤;崩壊剤;結合剤;滑沢剤;必要に応じて、さらなる医薬的に許容される賦形剤、例えば、希釈剤、流動促進剤などを含み;前記崩壊剤は、加工デンプン;クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、およびクロスポビドンから選択される。
液体結晶体における経口投与について、化合物(I)の結晶体は、経口の非毒性の医薬的に許容される不活性担体、例えば、エタノール、グリセロール、水のいずれかと組み合わせることができる。液体組成物は、前記組成物の口当たりをより良くするために、甘味料を含有していてもよい。甘味料は、糖、例えば、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、乳糖など、または糖代用物質、例えば、サイクラミン酸、サッカリン、アスパルテームなどから選択することができる。糖代用物質が甘味料として選択される場合、本発明の組成物で用いられる量は、糖が用いられる場合より実質的に少なくなる。これを考慮すると、甘味料の量は、約0.1~約50重量%、ならびにこれに含まれる範囲および特定の量の全ての組み合わせおよび部分的な組み合わせを範囲としうる。好ましい量は、約0.5~約30重量%の範囲である。
より好ましい甘味料は、糖、特に、ショ糖である。用いられる粉末のショ糖の粒径は、最終的な組成物の物理的な形およびその最終的な味の許容性に大きく影響を与えることが見出されている。ショ糖が構成成分として用いられる場合の好ましいショ糖の粒径は、200~325メッシュ米国標準スクリーン(mesh US Standard Screen)、ならびにこれに含まれる範囲および特定の粒径の全ての組み合わせおよび部分的な組み合わせを範囲とする。
滅菌注射溶液は、化合物(I)の結晶体を必要な量で適切な溶媒中に、必要に応じて、本明細書で列挙される様々な他の成分を含ませ、フィルター滅菌することによって調製されてもよい。一般に、分散剤は、滅菌した活性成分を、分散媒体およびいずれか他の必要な成分を含むベヒクルに含ませることによって調製されてもよい。滅菌注射溶液の調製のための滅菌散剤の場合、好ましい調製方法には、活性成分およびその以前にフィルター滅菌した溶液からのさらなる所望の成分の粉末を生じうる真空乾燥および凍結乾燥技術が含まれうる。
本発明の全ての結晶体は、化合物(I)が、例えば、溶解され、または懸濁されうる液体製剤の調製に用いられてもよい。溶解される場合、化合物(I)は、その結晶構造を喪失し、それゆえ、化合物(I)の溶液と考えられる。さらに、化合物(I)の結晶体は、固形製剤に含まれてもよい。
液体組成物はまた、医薬組成物の製剤化に従来から有用である他の成分を含む。このような構成成分の1つの例は、レシチンである。本発明の組成物における乳化剤としてのその用途は、0.05~1重量%ならびにそこに含まれる範囲および特定の量の全ての組み合わせおよび部分的な組み合わせを範囲とする。より好ましくは、乳化剤は、約0.1~約0.5重量%の量で用いられてもよい。用いられうる構成成分の他の例は、抗菌保存剤、例えば、安息香酸またはパラベン;懸濁剤、例えば、コロイド状二酸化ケイ素;抗酸化剤;局所経口麻酔薬;香料;および着色剤である。
本発明の組成物におけるこのような任意選択的構成成分およびそれらの使用レベルの選択は、当該技術常識の範囲内であり、以下で提供される実施例からより容易に理解される。
化合物(I)の結晶体は、標的となる薬物担体としての可溶性ポリマーとカップリングされてもよい。このようなポリマーには、ポリビニルピロリジンピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド-フェノール、ポリヒドロキシエチル-アスパルトアミドフェノール、またはポリエチレンオキシド-ポリリジン(パルミトリル残基で置換)が含まれうる。さらに、結晶性化合物(I)は、薬物の制御放出を達成するために有用である生物分解性ポリマーの一クラス、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸およびポリグリコール酸のコポリマー、ポリエプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロックコポリマーにカップリングされていてもよい。
化合物(I)の結晶体のゼラチンカプセル剤は、本明細書に記載される結晶性化合物(I)および液体または固形組成物を含んでいてもよい。ゼラチンカプセル剤はまた、粉末担体、例えば、乳糖、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸などを含みうる。同様の希釈剤は、圧縮された錠剤を調製するために用いることができる。錠剤およびカプセル剤の両方は、長時間にわたる医薬の連続放出を提供するために徐放製剤として製造することができる。錠剤は、不快な味をマスクし、その錠剤を雰囲気から保護するために糖コーティングまたはフィルムコーティングし、あるいは胃腸管における選択的な崩壊のために腸溶コーティングすることができる。
一般に、水、適切な油、生理食塩水、デキストロース(グルコース)水溶液、ならびに関連する糖溶液およびグリコール、例えば、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールは、非経口溶液に適する担体である。非経口溶液のための溶液は、結晶性化合物(I)を担体に溶解し、必要に応じて、緩衝物質を加えることによって調製される。抗酸化剤、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、またはアスコルビン酸の単独もしくは組み合わせは、適当な安定化剤である。クエン酸およびその塩ならびにEDTAナトリウムもまた用いられてもよい。非経口溶液はまた、保存剤、例えば、塩化ベンザルコニウム、メチル-もしくはプロピル-パラベン、およびクロロブタノールを含有しうる。
適切な医薬担体は、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co.に記載されており、この記載は、参照によりその全体が本明細書に取り込まれる。本発明の化合物の投与のために有用な医薬製剤は、以下で示すことができる。
化合物(I)の好ましい結晶体は、本発明の構成成分(a)として供されてもよく、独立して、上記に記載の剤形などのいずれの剤形であることもでき、上記に記載される様々な組み合わせで投与することもできる。下記の実施例において、構成成分(b)は、併用療法に適する本明細書に記載される1つまたはそれ以上の薬剤を示すものと理解されるべきである。
よって、本発明の構成成分(a)および(b)は、併用製剤として単一用量単位(すなわち、1つのカプセル、錠剤、粉末、または液体など中に一緒に合わせる)で一緒に製剤化されてもよい。構成成分(a)および(b)が単一用量単位で一緒に製剤化されない場合、構成成分(a)は、構成成分(b)と同時に、またはいずれの順序で投与されてもよく;例えば、本発明の構成成分(a)が最初に投与され、続いて構成成分(b)が投与されてもよく、またはそれらが逆の順序で投与されてもよい。構成成分(b)が1つより多くの薬剤を含む場合、これらの薬剤は、一緒に、またはいずれの順序で投与されてもよい。同時に投与されない場合、好ましくは、構成成分(a)および(b)は、約1時間未満離して投与されてもよい。好ましくは、構成成分(a)および(b)の投与経路は、経口である。構成成分(a)および構成成分(b)の両方は、同一の経路(すなわち、例えば、両方とも経口)または剤形で投与されることが所望されうるが、必要であれば、それらは、異なる経路(すなわち、例えば、併用剤の1つの構成成分が経口で投与され、別の構成成分が静脈内に投与されてもよい)または剤形でそれぞれ投与されてもよい。
よって、化合物(I)の結晶体は、単独で、または他の診断薬、抗凝血薬、抗血小板薬、線維素溶解薬、抗血栓薬、および/または線維素溶解促進薬と組み合わせて用いられてもよい。例えば、第XIa因子阻害剤と、一般的なヘパリン、低分子量ヘパリン、直接トロンビン阻害剤(すなわち、ヒルジン)、アスピリン、フィブリノーゲン受容体アンタゴニスト、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼおよび/または組織プラスミノーゲンアクチベーターとを組み合わせて投与することにより、抗血栓または血栓溶解効果または効率が向上しうる。本明細書に記載の結晶は、様々な動物、例えば、ヒト、ヒツジ、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ラット、およびマウスを含む霊長類における血栓合併症を治療するために投与されてもよい。第XIa因子の阻害は、血栓状態を有する個体の抗凝血療法のみではなく、例えば、保存された全血の血液凝固を防止するためや試験または貯蔵のための他の生物学的試料における血液凝固を防止するためなどに、血液凝固の阻害が必要とされてもよい。よって、本明細書に記載される化合物(I)の結晶体を含む第XIa因子阻害剤は、第XIa因子を含むか、含む疑いのある媒体、および血液凝固を阻害することが所望されうる媒体に加えるか、または接触させてもよい。
化合物(I)の結晶体は、降圧薬またはコレステロールもしくは脂質調節薬と組み合わせて、あるいは再狭窄、アテローム性動脈硬化症、または高血圧の治療で同時に用いられてもよい。高血圧の治療において本発明による化合物(I)の新規な結晶体と組み合わせて有用でありうる薬剤の例には、例えば、以下のクラスの化合物:ベータブロッカー、ACE阻害剤、カルシウムチャンネルアンタゴニスト、およびアルファ受容体アンタゴニストが含まれる。コレステロールレベルの上昇または脂質レベルの異常の治療において本発明による化合物と組み合わせて有用でありうる薬剤の例には、HMGCoAレダクターゼ阻害剤として公知の化合物またはフィブラート系化合物が含まれる。
ある実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物のいずれかにおいて、結晶性化合物(I)は、結晶体A、結晶体B、結晶体C、結晶体D、結晶体E、結晶体F、結晶体G、結晶体H、結晶体I、結晶体J、またはこれらの組み合わせから選択される結晶体を有する。ある実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物のいずれかにおいて、結晶性化合物(I)は、結晶体A、結晶体F、結晶体J、またはこれらの組み合わせから選択される結晶体を有する。ある実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物のいずれかにおいて、結晶性化合物(I)は、結晶体F、結晶体J、またはこれらの組み合わせから選択される結晶体を有する。ある実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物のいずれかにおいて、結晶性化合物(I)は、結晶体Aを含む。ある実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物のいずれかにおいて、結晶性化合物(I)は、結晶体Fを含む。ある実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物のいずれかにおいて、結晶性化合物(I)は、結晶体Jを含む。
ある実施態様において、本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、結晶性化合物(I)は、結晶体A、結晶体B、結晶体C、結晶体D、結晶体E、結晶体F、結晶体G、結晶体H、結晶体I、結晶体J、またはこれらの組み合わせから選択される結晶体を有する。ある実施態様において、本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、結晶性化合物(I)は、結晶体A、結晶体F、結晶体J、 またはこれらの組み合わせから選択される結晶体を有する。ある実施態様において、本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、結晶性化合物(I)は、結晶体F、結晶体J、またはこれらの組み合わせから選択される結晶体を有する。ある実施態様において、本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、結晶性化合物(I)は、結晶体Aを含む。ある実施態様において、本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、結晶性化合物(I)は、結晶体Fを含む。ある実施態様において、本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、結晶性化合物(I)は、結晶体Jを含む。
1つまたはそれ以上の滅菌容器中に化合物(I)の新規な結晶体を含む医薬組成物の治療上の有効量を含む、様々な障害の治療に有用でありうる医薬キットはまた、本発明の範囲内である。前記キットは、本開示物を備えていれば、当業者にとって容易に明らかである従来の医薬キット構成物をさらに含んでいてもよい。容器の滅菌は、当業者に周知の従来の滅菌方法を用いて行われてもよい。
本発明は、以下の実施例でさらに記載される。実施例の全ては、実際の例である。これらの実施例は、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
以下の実施例は、本明細書に開示の実施態様の理解を助けるためにさらに供され、実施例に関する当業者に周知の従来の方法の理解を前提とする。以下に記載の具体的な物質と条件は、本明細書で開示する実施態様の特定の態様を例示するものとし、その合理的な範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
(9R,13S)-13-{4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル}-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オンの結晶体は、下記に記載の手順を用いて、粉末X線回折(PXRD)、示差走査熱量測定(DSC)、動的水蒸気吸着(DVS)、およびサーモグラフィー分析(TGA)を含む様々な分析技術によって特徴付けた。
一般的な方法
一次多形スクリーニング
一次多形スクリーニングを様々な溶媒系中で行い、温度サイクル、急速冷却(crash cooling)、蒸発、および貧溶媒添加を用いた。該溶媒系は、新規のPXRDパターンが観察された溶媒系を含むおおまかな溶解性スクリーニングの結果に基づいて選択し、方法に関連する溶媒を含む溶解性が観察された。新規のPXRDパターンが同定された場合、該固形物をTG/DTA、DSC、FT-IRおよびH NMR(物質の量が可能である場合)により解析した。
飽和溶液実験
(i)急速冷却
飽和母液を4℃で冷蔵庫に約5日間置いた。回収した固形物をPXRDにより解析した。解析のための固形物がないか、または不十分な量であることが明らかな場合、該溶液を-18℃で冷凍庫に2日間置いた。固形物を単離し、PXRDにより解析した。PXRD解析は、40℃で約16時間乾燥させて繰り返した。
(ii)蒸発
飽和溶液を周囲温度および気圧で蒸発させた。得られた固形物をPXRDにより解析した。次いで、該固形物40℃で約16時間乾燥させ、PXRDにより再度解析した。
(iii)貧溶媒添加
貧溶媒を55℃で飽和母液に加えた。貧溶媒を滴下して加えた。得られた固形物を、貧溶媒の添加が完了したらすぐに遠心濾過(0.22μmのナイロンフィルター)により単離した。単離された固形物をPXRDにより解析し、そして40℃で約16時間乾燥させた後に再度解析した。
競合スラリー実験
競合スラリー実験は、より高い可溶性結晶体を消費して成長するより低い可溶性(最も安定な)結晶のための経路を供する溶液介在方法である(Bernstein, J. Polymorphism in Molecular Crystals. Clarendon Press, Oxford, 2006; Brittain, H. G., Polymorphism in Pharmaceutical Solids. Marcel Dekker, Inc., New York, 1999)。溶媒の選択は、多形変換の反応速度に影響を与え、多形結晶体間の熱力学的関係には影響を与えない(Gu, C. H., Young, V. Jr., Grant, D. J., J. Pharm. Sci. 2001, 90 (11), 1878-1890).
競合スラリー実験は、実験された条件で最も安定な結晶体を決めるために行うことができる。競合スラリー実験に用いることができる典型的な溶媒系を表1に記載する。
表1.
競合スラリー実験のための溶媒系
Figure 2023521411000004


粉末X線回折(PXRD)
PXRDデータは、Bruker C2(GADDS)General Area Detector Diffraction System(Bruker,ウィスコンシン州のマディソン)を用いて収集した。該照射は、Cu Kα(40KV,40mA)であった。試料-検出器距離は、15cmであった。試料を、密封した≦1mmの直径のガラスキャピラリー中に置いた。該キャピラリーをデータ収集中回転させた。透過データを、少なくとも1000sの試料照射時間で約2~32度の2θの範囲について収集した。生じた二次元回折秒角(arcs)を統合して従来の一次元PXRDパターン(0.05度の刻み幅)を作成した。あるいは、PXRD回折を、3~35°の2θの試料をスキャンするPIXcel検出器(128チャネル)を用いてPANalytical X’pert proを行った。該物質を穏やかに圧縮し、試料を支持するためのMylarポリマーフィルムを用いてマルチウェルプレート上に載せた。続いて、該マルチウェルプレートを該回折計に設置し、40kV/40mA発生設定を用いて透過モード(刻み幅0.0130°2θ,刻み時間18.87s)で動作させてCu K照射(α1 λ=1.54060Å;α2=1.54443Å;β=1.39225Å;α1:α2比=0.5)を用いて解析した。
示差走査熱量測定(DSC)
TA INSTRUMENT(登録商標)モデルQ2000、Q1000、または2920を用いてDSCデータを作成した。一般的なTA Instrumentsオープンパンを用いて測定した。約2~10mgの試料サイズを用いて、室温から300℃の窒素環境において10℃/分の加熱速度で測定した。DSCプロットを、吸熱ピークの下方を示しながら作成した。
あるいは、約5mgの物質を、アルミニウムDSCパンで重量を測定し、穴の開いたアルミニウム蓋で密封しないように封をした。続いて、該試料パンをSeiko DSC6200(冷却器を装備)に載せ、冷却し、20℃に保った。安定した熱フロー反応を得たら、試料および対照を10℃/分の走査速度で260、270、285、290、295、300、310、または330℃に加熱し、得られた熱フロー反応をモニターした。窒素をパージガスとして50cm/分の流速で用いた。
熱重量分析(TGA)
TA INSTRUMENT(登録商標)モデルQ5000、Q500、または2950を用いてTGAデータを作成した。一般的なTA Instrumentsオープンパンを用いて測定した。約10~30mgの試料サイズを用いて、室温から300℃の窒素環境において10℃/分の加熱速度で測定した。
動的水蒸気吸着(DVS)
約20mgの結晶体を動的水蒸気吸着装置(Surface Measurement Systems Ltd.)(SMS)に移した。重量変化を25℃で相対湿度(対象のRH%)と比較して記録した。
固体核磁気共鳴(SSNMR)
炭素-13交差分極マジック角回転(magic angle spinning)(CPMAS)固体NMR実験は、Bruker AV III装置を用いて400.13MHzのプロトン周波数で操作して行った。固形試料を4mm ZrOローターにて13KHzで回転させた。接触時間は、1.5~3ミリ秒であり、50~100%のプロトンチャネルで傾斜させた(A.E. Bennett et al, J. Chem. Phys., 1995, 103, 6951)(G. Metz, X. Wu and S.O. Smith, J. Magn. Reson. A., 1994, 110, 219-227)。緩和遅延(relaxation delay)をAPIの5xH Tで保った(典型的には、30秒)。プロトンデカップリングを、2.8マイクロ秒パルス(90KHz公称帯域幅)のTPPMシークエンスを用いて適用した。スペクトラル掃引幅は、100ppmで中央となる300ppmであった。2972のデータポイントを得て(20Hzのデジタル分解能を付与)、20Hzの線幅拡大のアポダイゼーション前に8192が0で埋まった。典型的には、1024~4096の自由誘導減衰を同時に加えた。該スペクトラルを3-メチルグルタル酸を用いてTMSに対して間接的に参照した((D. Barich, E. Gorman, M. Zell, and E. Munson, Solid State Nuc. Mag. Res., 2006, 30, 125-129)。約70mgの試料を各実験に用いた。温度を280Kに設定した。
赤外(IR)解析
ミクロ赤外全反射(ミクロATR)を用い、試料を適切なミクロATR装置および以下の測定条件を用いて解析した:
装置:Thermo Nexus 670 FTIR分光計
走査数:32
分解能:1cm-1
波長範囲:4000~400cm-1
検出器:KBrウィンドウを備えたDTGS
ビームスプリッター:KBr上のGe
ミクロATR装置:Si結晶を備えたHarrick Split Pea
実施例1:(9R,13S)-13-{4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル}-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オンの調製
Figure 2023521411000005
1A.
1-(ジフルオロメチル)-4-ニトロ-1H-ピラゾールの調製
CsCO(14.41g,44.2mmol)を、4-ニトロ-1H-ピラゾール(5.00g,44.2mmol)およびDMF(40mL)の溶液中に懸濁した。120℃に5分間加熱後、固形2-クロロ-2,2-ジフルオロ酢酸ナトリウム(13.48g,88mmol)を、20分かけて10等分に分けて加えた。反応は、10分間のさらなる加熱後に完了した。該混合物を、100mLの水を含む分液漏斗に加え、EtOで抽出した(2x50mL)。有機層を合わせて、濃縮した。順相クロマトグラフィーをヘキサン/EtOAcのグラジエントで溶出して精製して、1-(ジフルオロメチル)-4-ニトロ-1H-ピラゾール(6.99g,42.9mmol,収率97%)を清澄な無色の油状物として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 8.58 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.39 - 7.05 (t, J = 60 Hz, 1H).
1B.
(S)-tert-ブチル (1-(4-(1-(ジフルオロメチル)-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)ブタ-3-エン-1-イル)カルバメートの調製
を流入させた500mLのRBFに、(S)-tert-ブチル (1-(4-クロロピリジン-2-イル)ブタ-3-エン-1-イル)カルバメート(10g,35.4mmol)、1-(ジフルオロメチル)-4-ニトロ-1H-ピラゾール(6.34g,38.9mmol)、およびジオキサン(100mL)を加えた。該溶液をNで5分間泡立てた。次いで、Pd(OAc)(0.40g,1.7mmol)、ジ(アダマンタン-1-イル)(ブチル)ホスフィン(1.27g,3.5mmol)、KCO(14.7g,106mmol)、およびPvOH(1.08g,10.61mmol)を加えた。反応混合液をNで5分間泡立て、続いて反応混合物を100℃に3時間加熱した。その後、該溶液を室温に冷まし、水(200mL)を加えた。続いて、反応混合液をEtOAcで抽出した(2x200mL)。有機抽出物を合わせて、水(200mL)、食塩水(200mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧中で濃縮した。順相クロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAcのグラジエントで溶出)により精製して、(S)-tert-ブチル (1-(4-(1-(ジフルオロメチル)-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)ブタ-3-エン-1-イル)カルバメート(12.91g,31.5mmol,収率89%)をわずかに黄色の油状物として得た。MS(ESI) m/z: 410.4 [M+H]+. 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.80 (dd, J=5.1, 0.7 Hz, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 7.31 (dd, J=5.1, 1.5 Hz, 1H), 7.27 - 6.91 (t, J=58 Hz, 1H), 5.79 - 5.63 (m, 1H), 5.16 - 5.03 (m, 2H), 4.92 (d, J=5.9 Hz, 1H), 2.67 (t, J=6.4 Hz, 2H), 1.46 (br. s., 9H).
1C.
(S)-tert-ブチル (1-(4-(4-アミノ-1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)ブタ-3-エン-1-イル)カルバメートの調製
100mLの三ツ口のRBFに、MeOH(12mL)中の(S)-tert-ブチル (1-(4-(1-(ジフルオロメチル)-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)ブタ-3-エン-1-イル)カルバメート(0.78g,1.90mmol)の溶液および水(3mL)中のNHCl(1.02g,19mmol)の溶液を加えた。該溶液に、Fe(0.53g,9.49mmol)を加えた。反応混合液を65℃に3時間加熱した。水(50mL)を加えた。室温に冷却後、該混合物をセライト(登録商標)パッドに通して濾過し、MeOH(200mL)ですすいだ。濾液を減圧中で濃縮した。残渣を、EtOAC(100mL)および水(100mL)で分液処理した。有機層を分離し、水(100mL)、食塩水(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧中で濃縮した。順相クロマトグラフィー(DCM/MeOHのグラジエントで溶出)により精製して、(S)-tert-ブチル (1-(4-(4-アミノ-1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)ブタ-3-エン-1-イル)カルバメート(0.585g,1.54mmol,収率81%)を油状物として得た。MS(ESI) m/z: 380.1 [M+H]+. 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.70 (dd, J=5.0, 0.7 Hz, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.32 (dd, J=5.1, 1.5 Hz, 1H), 7.28 - 6.97 (t, J=58 Hz, 1H), 5.80 - 5.66 (m, 1H), 5.65 - 5.53 (m, 1H), 5.13 - 5.03 (m, 2H), 4.87 (br. s., 1H), 3.22 (br. s., 2H), 2.65 (t, J=6.5 Hz, 2H), 1.52 - 1.37 (m, 9H).
1D.
tert-ブチル ((S)-1-(4-(1-(ジフルオロメチル)-4-((R)-2-メチルブタ-3-エンアミド)-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)ブタ-3-エン-1-イル)カルバメートの調製
を流入させた三ツ口の250mLのRBFに、(S)-tert-ブチル (1-(4-(4-アミノ-1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)ブタ-3-エン-1-イル)カルバメート(5g,13.18mmol)、およびEtOAc(50ml)の溶液を加えた。該溶液を-10℃に冷却し、(R)-2-メチルブタ-3-エン酸(1.72g,17.13mmol)、ピリジン(4.26mL,52.7mmol)およびT3P(登録商標)(23.54mL,39.5mmol)を加えた。冷却槽を取り外し、該溶液を室温に加温し、20時間にわかり攪拌した。水(30mL)およびEtOAc(30mL)を加え、該混合物を30分間攪拌した。有機層を分離し、該水層をEtOAc(30mL)で抽出した。有機抽出物を合わせて、食塩水(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧中で濃縮した。順相クロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAcのグラジエントで溶出)により精製して、tert-ブチル ((S)-1-(4-(1-(ジフルオロメチル)-4-((R)-2-メチルブタ-3-エンアミド)-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)ブタ-3-エン-1-イル)カルバメート(5.69g,12.33mmol,収率94%)を得た。MS(ESI) m/z: 462.2 [M+H]+. 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.75 (dd, J=5.0, 0.6 Hz, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.32 (t, J=59 Hz, 1H), 7.28 (br. s., 1H), 7.20 (s, 1H), 5.97 - 5.85 (m, 1H), 5.78 - 5.65 (m, 1H), 5.56 - 5.44 (m, 1H), 5.28 - 5.19 (m, 2H), 5.12 (d, J=2.0 Hz, 2H), 4.91 - 4.82 (m, 1H), 3.20 - 3.11 (m, 1H), 2.72 - 2.62 (m, 2H), 1.48 - 1.43 (s, 9H), 1.33 (d, J=6.8 Hz, 3H).
1E.
tert-ブチル N-[(9R,10E,13S)-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-8-オキソ-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,10,14,16-ヘキセン-13-イル]カルバメートの調製
を流入させた2Lの三ツ口のRBFに、EtOAc(1300ml)中のtert-ブチル ((S)-1-(4-(1-(ジフルオロメチル)-4-((R)-2-メチルブタ-3-エンアミド)-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)ブタ-3-エン-1-イル)カルバメート(3g,6.50mmol)の溶液を加えた。該溶液をアルゴンで15分間パージした。グラブスII(1.38g,1.63mmol)を一度に加えた。反応混合液を24時間加熱還流した。室温に冷まし、該溶媒を除去し、残渣を順相クロマトグラフィー(DCM/MeOHのグラジエントで溶出)により精製して、tert-ブチル N-[(9R,10E,13S)-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-8-オキソ-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,10,14,16-ヘキセン-13-イル]カルバメート(2.13g,4.91mmol,収率76%)を黄褐色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 434.4 [M+H]+. 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.71 (d, J=5.1 Hz, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.44 - 7.40 (m, 1H), 7.36 (br. s., 1H), 7.27 (t, J=58 Hz, 1H), 6.87 (s, 1H), 6.49 - 6.39 (m, 1H), 5.78 (s, 1H), 4.80 (br. s., 2H), 3.18 - 3.08 (m, 1H), 3.08 - 2.98 (m, 1H), 2.06 - 1.93 (m, 1H), 1.51 (s, 9H), 1.19 (d, J=6.6 Hz, 3H).
1F.
tert-ブチル N-[(9R,13S)-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-8-オキソ-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-13-イル]カルバメートの調製
Pd/C(0.60g,0.570mmol)を、EtOH(100mL)中のtert-ブチル N-[(9R,10E,13S)-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-8-オキソ-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,10,14,16-ヘキセン-13-イル]カルバメート(2.46g,5.68mmol)の溶液を含む250mLのParr水素化フラスコに加えた。該フラスコをNでパージし、Hの55psiに加圧して、18時間攪拌させた。反応物をセライト(登録商標)に通して濾過し、濃縮して、tert-ブチル N-[(9R,13S)-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-8-オキソ-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-13-イル]カルバメート(2.17g,収率88%)を黄褐色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 436.3 [M+H]+. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 9.32 (s, 1H), 8.71 (d, J=5.0 Hz, 1H), 7.96 (t, J=58 Hz, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.32 (d, J=4.8 Hz, 1H), 7.22 (d, J=7.3 Hz, 1H), 4.66 (d, J=8.3 Hz, 1H), 2.62 (br. s., 1H), 1.88 (d, J=12.8 Hz, 1H), 1.77 - 1.59 (m, 2H), 1.42 - 1.28 (m, 9H), 1.15 (d, J=18.2 Hz, 2H), 0.83 (d, J=7.0 Hz, 3H).
1G.
(9R,13S)-13-アミノ-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オンの調製
ジオキサン(3.88mL,15.5mmol)中の4N HClを、MeOH(10mL)中のtert-ブチル N-[(9R,13S)-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-8-オキソ-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-13-イル]カルバメート(2.25g,5.2mmol)の溶液に加えた。反応物を室温で2時間攪拌させた。反応物を氷浴内で冷却し、MeOH(13.3mL,93.0mmol)中の7N NHを加えた。5分後、反応物をCHCl(80mL)で希釈し、形成された固形物を濾過した。濾液を濃縮して、(9R,13S)-13-アミノ-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オンを得た(1.3g,3.88mmol,収率75%)。MS(ESI) m/z: 336.3 [M+H]+. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 9.33 (s, 1H), 8.71 (d, J=5.0 Hz, 1H), 7.94 (t, J=58 Hz, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.32 (d, J=5.0 Hz, 1H), 4.01 (dd, J=10.2, 5.1 Hz, 1H), 2.63 - 2.53 (m, 1H), 1.90 - 1.69 (m, 2H), 1.53 - 1.36 (m, 2H), 1.16 - 1.00 (m, 1H), 0.85 (d, J=7.0 Hz, 3H).
1H.
(9R,13S)-13-{4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル}-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ [12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オンの調製
DMAc(4.6L)中の実施例2で調製した6-(5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル)ピリミジン-4-オール(230g,0.73mol)および粉末モレキュラ・シーブス4A(345g)を含む30Lのガラスリアクターに、DBU(162g,1.06mol)、HATU(350g,0.92mol)を逐次加えた。周囲温度で5分攪拌し、(9R,13S)-13-アミノ-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オン(275g,0.82mol)を加え、反応物を2時間攪拌し、その後、それをセライトベッドに通して濾過し、13.8Lの酢酸エチルで希釈した。続いて、水(6.9L)を加えた。水層を4.6Lの酢酸エチルで逆抽出した。有機層を合わせ、水(6.9L)、NaCl(6.9L)の飽和水溶液でさらに洗浄し、乾燥するまで蒸発させた。生じた物をDMAc(2.3L)中に溶解させた。DMACを多く含む層を、水(4.6L,0~10℃)を含むリアクターに20分かけてゆっくり加え、反応物を30分間攪拌し、濾過した。生じた湿った固形物を水(2.3L)でさらにスラリーにし、遠心分離した。次いで、該湿った固形物をTHF(9.2L)中に溶解させ、有機層を飽和NaCl溶液で2回洗浄した(4.6Lx2)。有機層を活性炭(69g)で処理し、セライトベッドに通して濾過した。該溶媒を蒸発して完全に留去した。生じた物を、最終的に55℃でTHF(1.85L)中に再度溶解させ、n-ヘプタン(6.9L)を15分かけて加えた。反応物を0~10℃に冷却し、30分間攪拌し、その後、これを濾過した。該湿ったケーキをn-ヘプタン(2.3L)で洗浄し、オーブンにて65℃で乾燥させて、405g(収率72%)の粗生成物(9R,13S)-13-{4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル}-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オンを得た。
結晶体Aの調製
上記の粗生成物をさらに処理して結晶体Aを得た。粗生成物の複数のバッチを合計1.5kgに合わせた。該粗生成物(1.5kg)を17.17LのACNおよび5.25Lの水の混合物中に溶解させた。該溶液を濾過し、2.2LのACNを加えた。反応物を65℃に加熱し、水(13.5L)を30分かけて加えた。結晶体Aの種結晶(15g)を加え、反応物をさらに30分間攪拌し、続いて水(9L)を30分かけて加えた。さらに2時間攪拌し、反応物を2時間かけて冷まし、周囲温度で20時間さらに攪拌した。次に、該スラリーを濾過し、得られた固形物を水(7.5L)中で再度スラリーにし、濾過した。該湿ったケーキを、オーブン(65℃)内にて軽く真空(450mmHg)下で乾燥させて、990g(84%)の(9R,13S)-13-{4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル}-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オンを結晶体Aとして得た。MS(ESI) m/z: 626.2 [M+H]+. 1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 9.41 (s, N-H), 8.85 (s, 1H), 8.74 (d, J=5.0, 1H), 8.74 (s, 1H), 7.96 (t, J=57.7 Hz, 1 H), 7.92 (d, J=2.4Hz, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.82 (dd, J=8.5, 2.4Hz, 1H), 7.75 (d, J=8.5Hz, 1H), 7.71 (br s, 1H), 7.43 (dd, J=5.0, 1.5Hz, 1H), 6.37 (s, 1H), 5.91 (bd, J=10.8Hz, 1H), 2.66 (m, 1H), 2.32 (m, 1H), 2.06 (m, 1H), 1.85 (m, 1H), 1.48 (m, 1H), 1.33 (m, 1H), 0.87 (d, J=6.8Hz, 3H), 0.35 (m, 1H).
結晶体Bの調製
結晶体Aを、240mgの結晶体Aを約10mLのMeOH中において室温で約19時間スラリーにすることにより結晶体Bに変換した。次いで、該スラリーをブフナー濾過により濾過し、該固形物を40℃で減圧下において約19時間乾燥させて結晶体Bを得た。
結晶体Cの調製
アモルファス(9R,13S)-13-{4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル}-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オンを、室温から4℃の温度サイクルによるか、ジエチルエーテル中の該化合物の溶液を出発物質として-18℃で開始し、貧溶媒ジメチルホルムアミドを加えて、結晶体Cが供された。
温度サイクル:約572mgのアモルファス(9R,13S)-13-{4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル}-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オン(1,4-ジオキサン中で凍結乾燥させて調製)を20mLバイアルに量り入れる。ジエチルエーテル(20mL)を加えた。該実験は、5℃~40℃の温度サイクルにし、各温度で3時間保ち、攪拌しながら0.2℃/分の加熱/冷却速度であった。約24時間後、該実験で一部試料を採取した。約1mLを、周囲温度で0.22μmのナイロン遠心分離フィルターに通して単離し、PXRDのより解析した。次いで、残ったスラリーを遠心分離濾過により単離し、該固形物を、周囲温度で減圧下において約24時間乾燥させた。
結晶体Cは、VT-PXRD解析で結晶体に変化のない無水で非吸湿性であった。
結晶体Dの調製
アモルファス(9R,13S)-13-{4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル}-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オンを、室温から4℃で温度サイクルにするか、または1,4-ジオキサン中の該化合物の溶液を出発物質として-18℃で開始して、結晶体Dを供する。約591mgの(9R,13S)-13-{4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル}-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オン(1,4-ジオキサン中で凍結乾燥させて調製)を20mLバイアルに量りとった。1.6mLの1,4-ジオキサンを加えた。該実験は、5℃~40℃の温度サイクルにし、各温度で3時間保ち、攪拌しながら0.2℃/分の加熱/冷却速度であった。約24時間後、さらに1mLの1,4-ジオキサンを加え、当該実験により厚いスラリーとなったことが観察された。約4日後、全体として温度サイクルし、該実験で一部試料を採取した。約1mLを、周囲温度で0.22μmのナイロン遠心分離フィルターに通して単離し、PXRDのより解析した。次いで、残ったスラリーを遠心分離濾過により単離し、20mLバイアルに移し、周囲温度で減圧下において約17時間乾燥させた。
結晶体Dを(0.1当量未満の1,4-ジオキサンを含む)無水結晶体として同定した。
結晶体Eの調製
アモルファス(9R,13S)-13-{4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル}-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オン(約500mg)をアセトニトリル(8mL)中に溶解させた。ある程度の沈殿が観察され;それゆえ、さらに10mLのアセトニトリルを加えた。生じた懸濁液を、0.45μmのPTFEフィルターを用いてシリンジ濾過し、2x20mLバイアルに分割し、周囲温度で蒸発させた。蒸発させた物質を、結晶体EとしてPXRDおよびTG/DTAにより解析した。
結晶体Eを、無水(0.1当量未満の1,4-ジオキサンを含む)の非吸湿性結晶体として同定した。
結晶体Fの調製
500mgのアモルファス(9R,13S)-13-{4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル}-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オン(1,4-ジオキサン中で凍結乾燥させて調製)を20mLバイアルに量りとった。ピリジン(1.7mL)を加えた。該実験は、5℃~40℃の温度サイクルにし、各温度で3時間保ち、攪拌しながら0.2℃/分の加熱/冷却速度であった。約3日後、該実験で一部試料を採取した。約1mLを、0.22μmのナイロン遠心分離フィルターにより単離した。続いて、全スラリーを遠心分離濾過により単離した。次に、該固形物を20mLバイアルに移した。該固形物を周囲温度で約5時間乾燥させた。該固形物に、10mLのエタノールを加え、該混合物を60℃でスラリーにし、5、6、および7日後に遠心分離濾過により一部試料を採取し、PXRD解析により結晶体Fを得た。
あるいは、アモルファス化合物を、室温から4℃の温度サイクルにかけ、またはメチルイソブチルケトン中の該化合物の溶液から-18℃で開始して、固形物を得て、次いで得られた固形物をヘプタンで5日間スラリーにして、結晶体Fを形成させた。574mgのアモルファス(9R,13S)-13-{4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル}-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オン(1,4-ジオキサン中で凍結乾燥により調製)を20mLバイアルに量り入れた。1.5mLのMIBKを加えた。該調製は、5℃~40℃の温度サイクルにし、各温度で3時間保ち、攪拌しながら0.2℃/分の加熱/冷却速度であった。約3日後、該実験で一部試料を採取した。約1mLを、0.22μmのナイロン遠心分離フィルターにより単離した。続いて、全スラリーを遠心分離濾過により単離した。次に、該固形物を周囲温度で約17時間乾燥させた。該固形物に、12.3mLのヘプタンを加えた。該反応物を60℃で約3日間スラリーにした。次いで、該調製物から一部試料を採取した。約1mLを0.22μmナイロン遠心分離濾過により単離した。続いて、全スラリーを遠心分離濾過により単離し、20mLバイアルに移し、周囲温度で減圧下において約4日間乾燥させて結晶体Fを得た。
結晶体Fを、無水(0.1当量未満の1,4-ジオキサンを含む)の非吸湿性結晶体として同定した。
結晶体Gの調製
結晶体Gは、アセトニトリルおよび水(70/30w/w)共溶媒系中の(9R,13S)-13-{4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル}-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オン溶液の結晶化によって調製した。
結晶体Hの調製
結晶体Hは、酢酸メチル(10容量部)中の(9R,13S)-13-{4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル}-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オン溶液の結晶化によって調製し、5℃で3日間保存した。
結晶体Iの調製
結晶体Iは、結晶体Hを60℃で真空下において3週間保存することによって調製した。
結晶体Jの調製
400mLのリアクターに、9.59gの(9R,13S)-13-{4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル}-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オンのアセトン溶媒和物、60.35gのアセトニトリル、および9.13gの水を加えて混合物を生成した。該混合物を300rpmで攪拌し、60℃に10分間加熱した。該混合物を60℃で6時間攪拌した。続いて、該混合物を室温まで冷まし、該固形物質を真空濾過により単離した。
実施例2:中間体6-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]ピリミジン-4-オールの調製
Figure 2023521411000006
2A.
4-クロロ-2-(テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリンの調製
Figure 2023521411000007
20mLのマイクロ波バイアルに、2-ブロモ-4-クロロアニリン(3g,14.53mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(5.53g,21.80mmol)、KOAc(3.66g,37.3mmol)、Pd(dppf)Cl-CHCl付加物(0.32g,0.44mmol)、およびDMSO(9mL)を加えた。生じた懸濁液をNでパージし、蓋をし、80℃で22時間加熱した。反応物を室温に冷ました。水を加えて、前記塩を溶解させ、続いて反応物を濾過した。残った固形物をDCM中に懸濁し、不可溶性固形物を濾過した。濾液を濃縮し、次いで順相クロマトグラフィーにより精製して、4-クロロ-2-(テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン(3.15g,収率86%)を白色の固形物として得た。MS(ESI) m/z:172.3 (M-C6H10+H)+. 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.54 (d, J=2.6 Hz, 1H), 7.13 (dd, J=8.8, 2.6 Hz, 1H), 6.52 (d, J=8.6 Hz, 1H), 4.72 (br. s., 2H), 1.34 (s, 12H).
2B.
4-クロロ-2-(6-メトキシピリミジン-4-イル)アニリンの調製
Figure 2023521411000008
4-クロロ-6-メトキシピリミジン(3.13g,21.62mmol)、4-クロロ-2-(テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン(7.31g,21.62mmol)、NaCO(2.29g,21.62mmol)、DME(86ml)、EtOH(10.81ml)、および水(10.81ml)を含むRBFに、コンデンサーを取り付けた。該混合物をアルゴンで数分間パージし、続いてPd(dppf)Cl-CHCl付加物(1.77g,2.16mmol)を加えた。該反応物を90℃で5時間加熱した。該反応物を室温に冷まし、水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、濃縮し、順相クロマトグラフィーにより精製して、4-クロロ-2-(6-メトキシピリミジン-4-イル)アニリン(2.86g,収率56.1%)を黄色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 236.0 (M+H)+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 8.78 (d, J=1.1 Hz, 1H), 7.49 (d, J=2.5 Hz, 1H), 7.15 (dd, J=8.8, 2.5 Hz, 1H), 6.99 (d, J=1.1 Hz, 1H), 6.67 (d, J=8.8 Hz, 1H), 5.89 (br. s., 2H), 4.03 (s, 3H).
2C.
4-{5-クロロ-2-[4-(トリメチルシリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]フェニル}-6-メトキシピリミジンの調製
Figure 2023521411000009
0℃でACN(90ml)中の4-クロロ-2-(6-メトキシピリミジン-4-イル)アニリン(1.5g,6.36mmol)の溶液に、亜硝酸3-メチルブチル(1.28mL,9.55mmol)を加え、続いてアジドトリメチルシラン(1.26mL,9.55mmol)を滴下して加えた。ガス発生が見られた。10分後、氷浴を取り外し、反応物を室温に温めた。(注意、アリールアジドは爆発する可能性がある)1時間後、エチニルトリメチルシラン(2.72mL,19.09mmol)およびCuO(0.09g,0.64mmol)を加え、該反応物をさらに1時間攪拌した。該反応物をEtOAcおよび飽和NHClの間で分液処理し、層を分離した。有機層を食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。順相クロマトグラフィーにより精製して、4-{5-クロロ-2-[4-(トリメチルシリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]フェニル}-6-メトキシピリミジン(2.13g,5.92mmol,収率93%)を黄色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 360.3 (M+H)+. 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.71 (d, J=1.1 Hz, 1H), 7.82 (d, J=2.2 Hz, 1H), 7.61 - 7.56 (m, 1H), 7.54 - 7.48 (m, 2H), 6.20 (d, J=1.1 Hz, 1H), 3.92 (s, 3H), 0.32 - 0.28 (m, 9H).
2D.
4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-メトキシピリミジンの調製
Figure 2023521411000010
ACN(28.9ml)中の4-{5-クロロ-2-[4-(トリメチルシリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]フェニル}-6-メトキシピリミジン(1.56g,4.33mmol)の溶液に、NCS(2.03g,15.17mmol)およびシリカゲル(6.51g,108mmol)を加えた。反応液を80℃で1時間攪拌した。次いで、該反応物を濾過してシリカゲルを除去し、収集したシリカゲルをEtOAcで洗浄した。濾液を水(2x)、食塩水で洗浄し、濃縮した。順相クロマトグラフィーにより精製して、4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-メトキシピリミジン(0.90g,収率64.5%)を黄色の泡状物として得た。MS(ESI) m/z: 322.3 (M+H)+. 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.70 (d, J=1.1 Hz, 1H), 7.75 (d, J=2.4 Hz, 1H), 7.66 - 7.55 (m, 2H), 7.50 (d, J=8.6 Hz, 1H), 6.52 (d, J=0.9 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H).
2E.
6-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]ピリミジン-4-オールの調製
Figure 2023521411000011
AcOH(6ml)中の4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-メトキシピリミジン(900mg,2.79mmol)の溶液に、水中で48%のHBr(3mL,26.5mmol)を加えた。該混合物を85℃で1時間攪拌した。反応物を乾燥するまで濃縮し、EtOAcと飽和NaHCO水溶液の間で分液処理した。該混合物を分離し、該水層をEtOAcで抽出した(2x)。有機層を合わせ、濃縮し、次いで残渣を順相クロマトグラフィーにより精製して白色の固形物を得た。該固形物をEtO中で懸濁し、濾過し、EtOで洗浄して、6-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]ピリミジン-4-オール(610mg,収率70.9%)を白色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 308.3 (M+H)+. 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.96 (s, 1H), 7.74 - 7.67 (m, 2H), 7.62 (dd, J=8.5, 2.3 Hz, 1H), 7.47 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.44 (d, J=0.9 Hz, 1H).
実施例3.
競合スラリー実験
溶媒(水、ヘプタン、シクロヘキサン、およびt-BMEから選択されるいずれか1つの単一溶媒,1mL)に、各10mgの5つの多形結晶体を加えてスラリーを生成する。該スラリーを、上記表1に記載される適切な温度で48時間攪拌する。300μLの飽和溶液を、48時間および1週間後に遠心分離フィルター(0.22μmナイロンフィルター)により単離する。生じた多形固形物をPXRDにより解析する。
実施例4:化合物(I)の結晶体AからJのPXRD、DSC、TGA、およびDVS解析
粉末X線回折(PXRD)
化合物(I)の結晶体AからJのPXRD解析を、上記に記載の方法を用いて行った。生じた回折パターンを図1、5、6A、7A、8A、9A、10A、11A、12、および13Aに示す。前記結晶体の特徴的なピークを下記の表2~11に示す。
表2
Figure 2023521411000012



表3
Figure 2023521411000013



表4
Figure 2023521411000014



表5
Figure 2023521411000015



表6
Figure 2023521411000016



表7
Figure 2023521411000017



表8
Figure 2023521411000018



表9
Figure 2023521411000019



表10
Figure 2023521411000020



表11
Figure 2023521411000021


示差走査熱量測定
結晶体A、B、C、D、F、およびJを、一般的な方法に記載の条件に従って示差走査熱量測定(DSC)により解析した。結晶体A、B、C、D、F、およびJの例示的なDSCサーモグラムを、それぞれ図3、5C、6C、7C、9C、および13Cに示す。例えば、図3の結晶体Aにより、約261℃での吸熱ピークが示された。別の例において、図13Cの結晶体Jにより、約266℃での吸熱ピークの開始が示された。
熱重量分析
結晶体AおよびJを、一般的な方法に記載の条件に従って熱重量分析(TGA)により解析した。結晶体AおよびJの例示的なTGAサーモグラムを、それぞれ図4および13Dに示す。例えば、図3Dの結晶体Jについて約250℃以下で重量の喪失はほとんど観察されず、約281℃で分解が生じ始めた。
動的水蒸気吸着
結晶体AおよびJを、一般的な方法に記載の条件に従って動的水蒸気吸着(DVS)により解析した。結晶体AおよびJのDVS等温線を図1C、1D、および13Eに示す。結晶体Aおよび結晶体Jの各々について、DVS解析により、前記結晶体が吸湿性を有さないことが示された。結晶体Aおよび結晶体Jの各々は、DVS解析後のPXRDおよびIRが実質的に同一であり、DVS条件後に変化を示さなかった。
実施例5:固体核磁気共鳴(ssNMR)分光法による化合物(I)の結晶体Aの特徴付け
結晶体Aについて図2に示される13C固体CPMASスペクトラムは、一般的な方法に記載の手順に従って収集した。結晶体Aの13C CPMAS化学シフト値を下記表12に示す:
表12
Figure 2023521411000022

実施例6:赤外(IR)分光法による化合物(I)の結晶体の特徴付け
IRスペクトラルは、一般的な方法に記載の手順に従って取得した。
結晶体Aは、図1Bに示されるIRスペクトラムを示した。結晶体Aの主なIR共鳴を以下に示す:
Figure 2023521411000023


(vs=非常に強い、s=強い、m=中間の強度)
結晶体Bは、図5Bに示されるIRスペクトラムを示した。結晶体Bの主なIR共鳴を以下に示す:
Figure 2023521411000024


(vs=非常に強い、s=強い、m=中間の強度)
結晶体Cは、図6Bに示されるIRスペクトラムを示した。結晶体Cの主なIR共鳴を以下に示す:
Figure 2023521411000025


(vs=非常に強い、s=強い、m=中間の強度)
結晶体Dは、図7Bに示されるIRスペクトラムを示した。結晶体Dの主なIR共鳴を以下に示す:
Figure 2023521411000026


(vs=非常に強い、s=強い、m=中間の強度)
結晶体Eは、図8Bに示されるIRスペクトラムを示した。結晶体Eの主なIR共鳴を以下に示す:
Figure 2023521411000027


(vs=非常に強い、s=強い、m=中間の強度)
結晶体Fは、図9Bに示されるIRスペクトラムを示した。結晶体Fの主なIR共鳴を以下に示す:
Figure 2023521411000028


(vs=非常に強い、s=強い、m=中間の強度)
結晶体Gは、図10Bに示されるIRスペクトラムを示した。結晶体Gの主なIR共鳴を以下に示す(vs=非常に強い、s=強い、m=中間の強度):1680vs、1672vs、1609m、1607m、1535m、1533m、1488m、1461m、1441m、1367m、1118m、1096m、1066m、1029m、993m、866m、836s、804m、738m、694m。
結晶体Hは、図11Bに示されるIRスペクトラムを示した。結晶体Hの主なIR共鳴を以下に示す(vs=非常に強い、s=強い、m=中間の強度):1732s、1694vs、1673s、1534m、1483m、1461m、1448m、1433m、1416m、1377m、1297m、1283m、1254m、1223m、1184m、1113m、1074m、1041m、1029s、1001m、873m、850m、844m、831vs、814m、803m、738m。
結晶体Jは、図13Bに示されるIRスペクトラムを示した。結晶体Jの主なIR共鳴を以下に示す(vs=非常に強い、s=強い、m=中間の強度):1678vs、1610m、1584m、1536m、1525m、1486m、1462m、1412m、1392m、1371m、1346m、1296m、1286m、1234m、1223m、1196m、1165m、1114m、1099m、1078m、1065m、1052m、1034s、999m、867m、858m、841s、833s、814m、800m、789m、736m、703m、694m。
本発明は、詳細に、その具体的な実施態様を参照して記載されているが、様々な変化と改変が、その精神と範囲から逸脱しない範囲内でなすことができることが当業者にとって明らかである。

Claims (15)

  1. 結晶体A、結晶体B、結晶体C、結晶体D、結晶体E、結晶体F、結晶体G、結晶体H、結晶体I、および結晶体Jから選択される、化合物(I):
    Figure 2023521411000029
    (I)
    の結晶体。
  2. 以下:
    a)5.0±0.2、5.3±0.2、8.2±0.2、10.0±0.2、10.7±0.2、10.9±0.2、13.0±0.2、14.6±0.2、15.1±0.2、16.1±0.2、17.2±0.2、19.0±0.2、19.5±0.2、20.5±0.2、21.5±0.2、22.9±0.2、および24.5±0.2から選択される、1個またはそれ以上の2θ値を含む、粉末X線回折パターン;
    b)図1Aで実質的に示される、実測された粉末X線回折パターン;
    c)1677±2、1647±2、1607±2、1593±2、1586±2、1532±2、1481±2、1445±2、1429±2、1391±2、1325±2、1298±2、1286±2、1234±2、1223±2、1178±2、1120±2、1063±2、1029±2、1000±2、983±2、941±2、850±2、832±2、803±2、749±2、および692±2cm-1から選択される1個またはそれ以上のピークを有する、赤外(IR)スペクトラム;
    d)図1Bで実質的に示される赤外(IR)スペクトラム;
    e)約261℃で吸熱ピークを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラム;
    f)図3で実質的に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラム;
    g)図4で実質的に示される熱重量分析(TGA)サーモグラム;ならびに/あるいは
    h)図1Cで実質的に示される動的水蒸気吸着(DVS)等温線
    のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる、請求項1に記載の結晶体A。
  3. 以下:
    a)5.3±0.2、9.0±0.2、9.5±0.2、10.6±0.2、11.2±0.2、13.9±0.2、14.4±0.2、14.7±0.2、16.0±0.2、16.8±0.2、17.4±0.2、18.3±0.2、19.3±0.2、20.2±0.2、20.9±0.2、21.3±0.2、23.0±0.2、23.8±0.2、25.8±0.2、および26.1±0.2から選択される1個またはそれ以上の2θ値を含む、粉末X線回折パターン;
    b)図5Aで実質的に示される、実測された粉末X線回折パターン;
    c)1682±2、1649±2、1607±2、1592±2、1532±2、1481±2、1444±2、1428±2、1389±2、1287±2、1235±2、1223±2、1176±2、1136±2、1127±2、1112±2、1054±2、1027±2、994±2、983±2、942±2、867±2、850±2、829±2、804±2、749±2、および690±2cm-1から選択される1個またはそれ以上のピークを有する、赤外(IR)スペクトラム;
    d)図5Bで実質的に示される、赤外(IR)スペクトラム;
    e)約235℃で吸熱ピークを有する、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラム;ならびに/あるいは
    f)図5Cで実質的に示される、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラム
    のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる、請求項1に記載の結晶体B。
  4. 以下:
    a)8.9±0.2、10.8±0.2、13.5±0.2、13.8±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、20.8±0.2、21.6±0.2、21.9±0.2、22.3±0.2、24.0±0.2、25.8±0.2、および26.6±0.2から選択される1個またはそれ以上の2θ値を含む、粉末X線回折パターン;
    b)図6Aで実質的に示される、実測された粉末X線回折パターン;
    c)1683±2、1536±2、1489±2、1457±2、1446±2、1388±2、1373±2、1363±2、1193±2、1119±2、1098±2、1065±2、1045±2、1032±2、867±2、842±2、832±2、813±2、802±2、および738±2cm-1から選択される1個またはそれ以上のピークを有する、赤外(IR)スペクトラム;
    d)図6Bで実質的に示される、赤外(IR)スペクトラム;
    e)約277℃で吸熱ピークを有する、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラム;ならびに/あるいは
    f)図6Cで実質的に示される、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラム
    のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる、請求項1に記載の結晶体C。
  5. 以下:
    a)4.9±0.2、5.5±0.2、6.0±0.2、10.3±0.2、10.9±0.2、13.5±0.2、15.7±0.2、18.3±0.2、18.7±0.2、19.5±0.2、20.7±0.2、21.8±0.2、22.5±0.2、23.2±0.2、24.3±0.2、25.0±0.2、25.7±0.2、26.6±0.2、28.0±0.2、および29.0±0.2から選択される1個またはそれ以上の2θ値を含む、粉末X線回折パターン;
    b)図7Aで実質的に示される、実測された粉末X線回折パターン;
    c)1678±2、1645±2、1605±2、1593±2、1582±2、1533±2、1516±2、1480±2、1451±2、1444±2、1404±2、1389±2、1303±2、1294±2、1285±2、1234±2、1222±2、1177±2、1120±2、1072±2、1028±2、1000±2、990±2、983±2、869±2、850±2、832±2、804±2、748±2、708±2、および692±2cm-1から選択される1個またはそれ以上のピークを有する、赤外(IR)スペクトラム;
    d)図7Bで実質的に示される、赤外(IR)スペクトラム;
    e)約250℃で吸熱ピークを有する、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラム;ならびに/あるいは
    f)図7Cで実質的に示される、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラム
    のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる、請求項1に記載の結晶体D。
  6. 以下:
    a)4.0±0.2、6.7±0.2、7.0±0.2、7.4±0.2、9.4±0.2、11.0±0.2、12.5±0.2、14.4±0.2、14.9±0.2、15.2±0.2、18.8±0.2、19.7±0.2、20.2±0.2、21.5±0.2、22.4±0.2、23.2±0.2、および23.7±0.2から選択される1個またはそれ以上の2θ値を含む、粉末X線回折パターン;
    b)図8Aで実質的に示される、実測された粉末X線回折パターン;
    c)1678±2、1610±2、1590±2、1533±2、1486±2、1461±2、1442±2、1373±2、1366±2、1296±2、1218±2、1187±2、1161±2、1116±2、1097±2、1066±2、1031±2、1002±2、994±2、941±2、865±2、832±2、803±2、770±2、738±2、694±2、および651±2cm-1から選択される1個またはそれ以上のピークを有する、赤外(IR)スペクトラム;ならびに/あるいは
    d)図8Bで実質的に示される、赤外(IR)スペクトラム
    のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる、請求項1に記載の結晶体E。
  7. 以下:
    a)4.8±0.2、6.1±0.2、9.6±0.2、12.2±0.2、17.2±0.2、17.6±0.2、18.0±0.2、18.3±0.2、19.4±0.2、20.7±0.2、21.2±0.2、22.3±0.2、22.8±0.2、23.4±0.2、23.8±0.2、24.4±0.2、25.1±0.2、26.4±0.2、および28.8±0.2から選択される1個またはそれ以上の2θ値を含む、粉末X線回折パターン;
    b)図9Aで実質的に示される、実測された粉末X線回折パターン;
    c)1662±2、1604±2、1591±2、1542±2、1487±2、1400±2、1364±2、1087±2、1052±2、1037±2、1028±2、876±2、863±2、843±2、839±2、825±2、807±2、697±2、および688±2cm-1から選択される1個またはそれ以上のピークを有する、赤外(IR)スペクトラム;
    d)図9Bで実質的に示される、赤外(IR)スペクトラム;
    e)約242℃で吸熱ピークを有する、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラム;ならびに/あるいは
    f)図9Cで実質的に示される、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラム
    のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる、請求項1に記載の結晶体F。
  8. 以下:
    a)4.4±0.2、6.2±0.2、10.7±0.2、12.5±0.2、13.2±0.2、16.7±0.2、17.6±0.2、18.1±0.2、18.7±0.2、19.0±0.2、19.6±0.2、20.9±0.2、21.6±0.2、22.0±0.2、23.0±0.2、23.5±0.2、24.1±0.2、24.8±0.2、25.1±0.2、および25.4±0.2から選択される1個またはそれ以上の2θ値を含む、粉末X線回折パターン;
    b)図10Aで実質的に示される、実測された粉末X線回折パターン;
    c)1680±2、1672±2、1609±2、1607±2、1535±2、1533±2、1488±2、1461±2、1441±2、1367±2、1118±2、1096±2、1066±2、1029±2、993±2、866±2、836±2、804±2、738±2、および694±2cm-1から選択される1個またはそれ以上のピークを有する、赤外(IR)スペクトラム;ならびに/あるいは
    d)図10Bで実質的に示される、赤外(IR)スペクトラム
    のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる、請求項1に記載の結晶体F。
  9. 以下:
    a)7.1±0.2、9.6±0.2、10.9±0.2、17.5±0.2、18.2±0.2、18.7±0.2、20.0±0.2、22.0±0.2、22.4±0.2、23.2±0.2、24.3±0.2、24.9±0.2、26.4±0.2、27.7±0.2、および29.6±0.2から選択される1個またはそれ以上の2θ値を含む、粉末X線回折パターン;
    b)図11Aで実質的に示される、実測された粉末X線回折パターン;
    c)1732±2、1694±2、1673±2、1534±2、1483±2、1461±2、1448±2、1433±2、1416±2、1377±2、1297±2、1283±2、1254±2、1223±2、1184±2、1113±2、1074±2、1041±2、1029±2、1001±2、873±2、850±2、844±2、831±2、814±2、803±2、および738±2cm-1から選択される1個またはそれ以上のピークを有する、赤外(IR)スペクトラム;ならびに/あるいは
    d)図12Bで実質的に示される、赤外(IR)スペクトラム
    のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる、請求項1に記載の結晶体H。
  10. 以下:
    a)7.2±0.2、9.9±0.2、11.2±0.2、15.5±0.2、16.0±0.2、18.5±0.2、19.4±0.2、20.1±0.2、20.6±0.2、22.2±0.2、22.6±0.2、24.0±0.2、24.6±0.2、25.5±0.2、および26.4±0.2から選択される1個またはそれ以上の2θ値を含む、粉末X線回折パターン;ならびに/あるいは
    b)図12で実質的に示される、実測された粉末X線回折パターン;
    のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる、請求項1に記載の結晶体I。
  11. 以下:
    a)7.4±0.2、9.0±0.2、11.3±0.2、11.7±0.2、12.5±0.2、14.8±0.2、15.1±0.2、15.5±0.2、16.1±0.2、17.6±0.2、18.4±0.2、18.8±0.2、19.3±0.2、23.3±0.2、24.4±0.2、26.2±0.2、26.6±0.2、27.7±0.2、28.2±0.2、および28.8±0.2から選択される1個またはそれ以上の2θ値を含む、粉末X線回折パターン;
    b)図13Aで実質的に示される、実測された粉末X線回折パターン;
    c)1678±2、1610±2、1584±2、1536±2、1525±2、1486±2、1462±2、1412±2、1392±2、1371±2、1346±2、1296±2、1286±2、1234±2、1223±2、1196±2、1165±2、1114±2、1099±2、1078±2、1065±2、1052±2、1034±2、999±2、867±2、858±2、841±2、833±2、814±2、800±2、789±2、736±2、703±2、および694±2cm-1から選択される1個またはそれ以上のピークを有する、赤外(IR)スペクトラム;ならびに/あるいは
    d)図13Bで実質的に示される、赤外(IR)スペクトラム;
    e)約266℃で開始温度を有する、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラム;
    f)図13Cで実質的に示される、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラム;
    g)図13Dで実質的に示される、熱重量分析(TGA)サーモグラム;ならびに/あるいは
    h)図13Eで実質的に示される、動的水蒸気吸着(DVS)等温線
    のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる、請求項1に記載の結晶体J。
  12. 以下:
    a)4.8±0.2、6.1±0.2、9.6±0.2、12.2±0.2、17.2±0.2、17.6±0.2、18.0±0.2、18.3±0.2、19.4±0.2、20.7±0.2、21.2±0.2、22.3±0.2、22.8±0.2、23.4±0.2、23.8±0.2、24.4±0.2、25.1±0.2、26.4±0.2、および28.8±0.2から選択される2個またはそれ以上の2θ値を含む、粉末X線回折パターン;
    b)図9Aで実質的に示される、実測された粉末X線回折パターン;
    c)1662±2、1604±2、1591±2、1542±2、1487±2、1400±2、1364±2、1087±2、1052±2、1037±2、1028±2、876±2、863±2、843±2、839±2、825±2、807±2、697±2、および688±2cm-1から選択される1個またはそれ以上のピークを有する、赤外(IR)スペクトラム;
    d)図9Bで実質的に示される、赤外(IR)スペクトラム;
    e)約242℃で吸熱ピークを有する、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラム;ならびに/あるいは
    f)図9Cで実質的に示される、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラム
    のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる、化合物(I):
    Figure 2023521411000030
    (I)
    の結晶体。
  13. 以下:
    a)7.4±0.2、9.0±0.2、11.3±0.2、11.7±0.2、12.5±0.2、14.8±0.2、15.1±0.2、15.5±0.2、16.1±0.2、17.6±0.2、18.4±0.2、18.8±0.2、19.3±0.2、23.3±0.2、24.4±0.2、26.2±0.2、26.6±0.2、27.7±0.2、28.2±0.2、および28.8±0.2から選択される2個またはそれ以上の2θ値を含む、粉末X線回折パターン;
    b)図13Aで実質的に示される、実測された粉末X線回折パターン;
    c)1678±2、1610±2、1584±2、1536±2、1525±2、1486±2、1462±2、1412±2、1392±2、1371±2、1346±2、1296±2、1286±2、1234±2、1223±2、1196±2、1165±2、1114±2、1099±2、1078±2、1065±2、1052±2、1034±2、999±2、867±2、858±2、841±2、833±2、814±2、800±2、789±2、736±2、703±2、および694±2cm-1から選択される1個またはそれ以上のピークを有する、赤外(IR)スペクトラム;ならびに/あるいは
    d)図13Bで実質的に示される、赤外(IR)スペクトラム;
    e)約266℃で開始温度を有する、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラム;
    f)図13Cで実質的に示される、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラム;
    g)図13Dで実質的に示される、熱重量分析(TGA)サーモグラム;ならびに/あるいは
    h)図13Eで実質的に示される、動的水蒸気吸着(DVS)等温線
    のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる、化合物(I):
    Figure 2023521411000031
    (I)
    の結晶体。
  14. 請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物(I)の結晶体、および医薬的に許容される担体または希釈剤を含む、医薬組成物。
  15. 治療を必要とする哺乳類における血栓症の治療方法であって、請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物(I)の結晶体の治療上の有効量を、前記哺乳類に投与することを含む、方法。
JP2022562082A 2020-04-10 2021-04-09 (9r,13s)-13-{4-[5-クロロ-2-(4-クロロ-1h-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル}-3-(ジフルオロメチル)-9-メチル-3,4,7,15-テトラアザトリシクロ[12.3.1.02,6]オクタデカ-1(18),2(6),4,14,16-ペンタエン-8-オンの結晶体 Pending JP2023521411A (ja)

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