JP2023512662A - テキスタイルのパッド-蒸気カチオン化 - Google Patents

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Abstract

天然繊維含有テキスタイルをカチオン化及び染色するための方法及びシステムが記載される。方法は、定められた温度範囲(100℃超~110℃未満)で、かつ定められた一定期間(1分~10分)、塩基及びカチオン化剤でパディングしたテキスタイルを蒸気処理するステップを含む。塩基の存在下でのカチオン化剤は、2つのエポキシド基を生成することができる。本発明のハロゲン化カチオン化剤を使用する蒸気の存在下でのカチオン化ステップは、改善された染色を促進する。【選択図】なし

Description

本開示は、カチオン化テキスタイルとの染料の会合を改善するために使用され得る天然繊維含有(例えば、綿ベース)テキスタイルのカチオン化のためのプロセス及びシステムに関する。
テキスタイル染色は、布、糸及び繊維などのテキスタイル材料に顔料又は染料を適用するプロセスである。望ましくは、染色プロセスは、効率的かつ迅速であり、所望の程度の着色、並びに染料の退色及び色落ちに対する耐性(染色堅牢度)を有する染色されたテキスタイルを提供する。更に、染色プロセス及びそこで使用される材料は、好ましくは、その柔軟性、耐久性及び柔らかさ、滑らかさ、剛性のような触覚特性などの、テキスタイルの側面に悪影響を与えない。テキスタイルの材料(例えば、天然、合成又はそれらの混合物)及び所望の着色に応じて、様々な染料の種類が使用される。
綿用の一般的な染料は、負電荷を有する。しかしながら、水溶液中で、綿繊維の表面は、綿を構成するセルロース系材料のヒドロキシル基の存在に起因して、中性又は軽度の負電荷を有する。負に帯電した染料は、負に帯電したセルロース材料によってはじかれ、綿による染料のより少ない取り込みをもたらす。テキスタイルを染色するために、染料がはじかれないように、綿繊維の表面特性を変更しなければならない。綿ベースのテキスタイルの従来の染色は、染料を綿繊維の材料と会合させるための塩、アルカリ及び染料の混合物の使用を伴っている。塩は、綿繊維上の電荷を逆転させるために染料浴で一般的に使用され、アルカリは、染料が綿繊維の誘導された正荷電表面と反応し、それと会合することを可能にするために使用される。しかしながら、これらの従来のプロセスは、著しい量の水、エネルギー及び化学物質を消費し得、これは望ましくない。
塩及びアルカリ処理の代替として、カチオン性試薬を使用して綿繊維を改質するプロセスは、当該技術分野で既知である。適切な化学的性質を有するカチオン性試薬は、セルロース上の化学基と反応して、綿繊維の表面上に永久的なカチオン性(正)電荷を提供することができる(「カチオン性綿」)。綿繊維上の正の表面電荷は、それがより多様な染料と会合することを可能にし、また、様々な色の変動(例えば、色深度)を可能にすることができる。綿ベースのテキスタイルのカチオン化プロセスはまた、より少ない水、エネルギー及び化学物質を消費し得、それらを工業規模の操業に望ましくする。
カチオン化剤の1つの種類は、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(3-chloro-2-hydroxypropyl trimethyl ammonium chloride、CHTAC)である(例えば、米国特許第7,201,778号、Hashem,M.,et al.,Textile Res.J.,73:1017,2003を参照されたい)。CHTACは、塩基の存在下でセルロースのヒドロキシル基と反応することができる。第1のステップでは、CHTACを脱塩素して反応中間体エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(epoxypropyl trimethyl ammonium chloride、EPTAC)を形成し、この化合物のエポキシド基は、セルロースの脱プロトン化ヒドロキシル基と反応し、それによって、カチオン性塩化アンモニウム基をエーテル結合を通してセルロース骨格に共有結合させることができる。しかしながら、EPTACのエポキシド基を加水分解し、廃棄物である2,3-ジヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(2,3-DHTAC)を生成する水分子との競合反応がある。したがって、2,3-DHTACの形成は、望ましくは最小化される。低温及び長期間で、塩基及びカチオン化剤の存在下でテキスタイルの「バッチ」処理を実施することにより、カチオン化剤と繊維とのより良好な反応が可能になり、廃棄物の形成を最小化することができるが、そのような長期間の処理ステップは、商業的操業には実用的ではない。
カチオン性綿を生成及び染色するための塩、アルカリ及び水のような化学物質の使用を低減する試みは、テキスタイルの染色を改善するために行われる。したがって、本開示の方法及びシステムは、プロセス中の化学物質の使用を低減しながら、綿などの天然繊維を含むテキスタイルなどのテキスタイルのカチオン化を改善する。次いで、カチオン化テキスタイルは、染色プロセスにおいて改善された基材として使用して、より良好な色特性を有するテキスタイルを提供することができる。
本開示は、綿などの天然繊維を含むか又はそれに由来するテキスタイルのカチオン化を促進する方法及びシステムを提供する。本開示のプロセスは、その後のテキスタイル染色を促進し、着色などの染色されたテキスタイルの特性を改善する改善されたカチオン化テキスタイルを形成する。
本明細書に記載されるプロセスを使用して、テキスタイルのカチオン化は、良好な結果及び廃棄物の低減を伴う短期間で実施され得る。カチオン化剤の加水分解は最小化され、テキスタイルとのその反応が改善される。カチオン化テキスタイルのその後の染色は、望ましい着色及び染色堅牢度を提供する。次に、プロセスは、より少ない廃棄物を作り出すことによって試薬の使用を改善し、処理時間を最小化することによってエネルギーを節約し、全体的な工業的処理効率を改善する。更に、アルカリ金属水酸化物の存在下で2つのエポキシド基を生成することができる本開示のカチオン化剤は、本明細書に記載されるカチオン化方法と併せて使用される場合、モノハロゲン化化合物と比較して、処理されたテキスタイル上でより良好なカチオン化を提供することができる。
一態様では、本開示は、天然繊維又はその誘導体を含むテキスタイルをカチオン化するための方法を提供する。方法は、天然繊維又はその誘導体を含むテキスタイルを、アルカリ金属水酸化物と、アルカリ金属水酸化物の存在下で2つのエポキシド基を生成することができるハロゲン化化合物を含むカチオン化剤とを含む水溶液で処理するステップを含む。次に、テキスタイルは、カチオン化剤をテキスタイルと反応させるために、1分~10分の範囲の一定期間、100℃を超えるが110℃未満である温度で、蒸気を含む環境で処理される。
実施形態では、テキスタイルは、約2~8分の範囲の一定期間、蒸気を含む環境での温度又は100℃超~105℃未満の範囲の1つを超える温度まで加熱される。
実施形態では、テキスタイルは、約3~7分の範囲の一定期間、蒸気を含む環境での温度又は100℃超~104℃未満の範囲の1つを超える温度まで加熱される。
実施形態では、テキスタイルは、約4~6分の範囲の一定期間、蒸気を含む環境での温度又は100℃超~103℃未満の範囲の1つを超える温度まで加熱される。
いくつかの実施形態では、テキスタイルをアルカリ金属水酸化物及びカチオン化剤を含む水溶液で処理した後、水溶液の一部は、テキスタイルから機械的に除去される。
いくつかの実施形態では、水溶液で処理するステップ及び機械的に除去するステップは、35℃未満の温度で、かつ合計1分以下の一定期間行われる。
いくつかの実施形態では、水溶液で処理するステップ、機械的に除去するステップ及び蒸気を含む環境でテキスタイルを処理するステップは、1分~11分の範囲、1分~8分の範囲又は1分~8分の範囲など、合計11分以下の一定期間実行され得、それは、テキスタイルの良好なカチオン化及び組み込まれた窒素含有量を提供しながら、テキスタイルスループットを著しく強化し、それは順にその後の染色プロセスを促進する。
いくつかの実施形態では、蒸気処理後、次いでテキスタイルを酸含有溶液で中和する。その後、カチオン性テキスタイルは、パディング及び蒸気処理に使用される同じシステムを使用して、染料を含む組成物中で染色され得るか、又は異なるシステムを使用して染色され得る。
アルカリ金属水酸化物の存在下で2つのエポキシド基を生成することができる例示的なハロゲン化カチオン化剤は、例えば、ビス[(3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルジアルキルアンモニウム)アルキル]エーテルジクロリドなどのビスエーテルハロゲン化ジヒドロキシル化アンモニウム化合物である。実施形態では、溶液は、1.8:1~5:1又は2.0:1~4.5:1の範囲など、1:1超のアルカリ金属水酸化物対カチオン化剤のモル比を有する。そのようなビス系化合物は、本開示の方法と併せて使用される場合、同時に、望ましくは鮮やかな、目立つ、かつ長く持続する色を有する染色されたテキスタイルの形成を促進しながら、それらは、化学物質、水、エネルギー及び廃水の生成を著しく低減したカチオン化及び染色を促進することができるため好ましい。
別の態様では、本開示は、天然繊維又はその誘導体を含むテキスタイルをカチオン化及び染色するためのシステムを提供する。このシステムは、パディング浴中の水溶液での、天然繊維又はその誘導体を含むテキスタイルの処理を可能にするように構成されたパディング浴を含み、溶液は、アルカリ金属水酸化物及びカチオン化剤を含む。システムはまた、カチオン化剤をテキスタイルと反応させるために、1分~10分の範囲の一定期間、100℃を超えるが110℃未満である温度で、パディングされたテキスタイルを処理するように構成された蒸気処理装置を含む。
更なる実施形態では、システムはまた、パディング浴中での処理後にパディングされたテキスタイルから水溶液を除去するための溶液除去装置を含むことができ、システムは、約1分以下で、テキスタイルをパディング浴及び溶液除去装置を通して移動させることができるコンベヤ装置を含む。システムはまた、テキスタイルを酸含有溶液で中和するための中和浴を含み得る。システムは、本明細書に記載される処理方法を実行するようにプログラムされ得るコンピュータベースのコントローラなどのプロセスコントローラを含み得る。任意選択で、システムは、カチオン化テキスタイルを染色するための染料浴を含み得る。
テキスタイルのカチオン化及び染色のための例示的なシステムの図である。 冷バッチプロセスと比較した、異なる蒸気処理条件及び塩基対カチオン化剤比を使用した処理によって調製されたカチオン化綿上の窒素含有量のグラフである。
以下に記載される本発明の実施形態は、網羅的であること又は本発明を以下の詳細な説明に開示される正確な形態に限定することを意図するものではない。むしろ、実施形態は、当業者が本発明の原理及び実践を認識及び理解することができるように選択及び説明される。
本明細書で言及される全ての刊行物及び特許は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に開示される刊行物及び特許は、それらの開示のみ提供される。本明細書のいかなるものも、発明者らが、本明細書に引用される任意の刊行物及び/又は特許を含む、任意の刊行物及び/又は特許に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。
本開示又は添付の特許請求の範囲の任意の数値に先行して使用される「約」という用語は、その記載された数値においていくらかのわずかな不正確さを可能にし、この不正確さは、当該技術分野で理解され得るか、又はそのような数値を得るための測定方法(例えば、化学的又は物理的測定値など)からもたらされ得、本開示又は添付の特許請求の範囲の「約」という用語が先行していない任意の数値もまた同様に理解され得る。
「含む(comprising)」又は「含む(including)」として記載される本開示の方法及び組成物は、それぞれ、列挙されるステップ及び化合物を含み得、任意選択で、他のステップ及び構成成分を含み得る。本開示の方法又は組成物が「からなる」と記載されている場合、それらの方法又は組成物は、列挙されたステップ又は化合物を有するが、列挙されていないステップ又は化合物を含まない。「から本質的になる」という用語は、一般に、列挙された化合物を含む組成物を指し、他の列挙されていない化合物を含み得るが、実質的ではない量であり得る。例えば、そのような組成物は、1つ以上の他の列挙されていない構成成分を含むことができるが、全組成物の約1%(重量)超、約0.5%(重量)超又は約0.1%(重量)超の量ではない。列挙される構成成分「からなる」組成物では、列挙された構成成分以外の他の測定可能な量の構成成分が存在しないか、又はある特定のステップ「からなる」方法は、列挙されたもの以外のステップを含まない。
本開示は、綿などの天然繊維又はその誘導体を含むテキスタイルをカチオン化するための方法及びシステムを記載する。カチオン化プロセスは、比較的短期間で実施することができ、このプロセスは、低レベルの廃棄物を生成し、最小エネルギーを使用する。方法及びシステムは、アルカリ金属水酸化物と、アルカリ金属水酸化物の存在下で2つのエポキシド基を生成することができるハロゲン化化合物であるカチオン化剤とを含む水溶液(「パディング」溶液とも称され得る)中でテキスタイルを処理し、パディング処理は、1分以下の期間などで迅速に、かつ水溶液の加熱を必要としない周囲温度などの温度で行われ得る。パディング後、過剰な溶液をテキスタイルから除去し、次いで、テキスタイルを蒸気加熱装置に導入して、カチオン化剤のテキスタイルとの反応を引き起こす。蒸気処理はまた、ある程度迅速に、かつ定められた温度範囲で実行される。特に、テキスタイルは、1分~10分の範囲の一定期間、100℃を超えるが110℃未満である温度で、蒸気を含む環境で処理される。いくつかの実施形態では、より具体的な温度及び時間範囲が使用され得る。
有利には、冷バッチパディングプロセスに特徴的な長いパディング及び反応時間(一定期間の時間など)を必要とせずに、良好なカチオン化が達成される。代わりに、本開示の処理温度及び時間は、加水分解による試薬の損失を最小限に抑えながら、テキスタイルの良好なカチオン化を提供することが発見されている。所定の蒸気処理時間及び温度を使用する追加の利点として、水性パディング溶液は、典型的にはモノハロゲン化化合物(反応基に基づく)に使用されるよりも少ないアルカリ金属水酸化物を必要とする。
本開示のカチオン化方法は、テキスタイルを染料との会合のための優れた状態とし、染色プロセスは、順に、テキスタイルの良好な着色を提供することができる。テキスタイル染色は、異なるシステムを使用して、又は本明細書に記載されるパディング及び蒸気処理に使用される同じシステムを用いて実行され得る。
本開示による「システム」は、本開示の方法を実行することを可能にする装置(「システム部材」)を含む。システムは、以下の装置:処理溶液を保持するための浴(パディング浴、洗浄浴、中和浴及び/又は任意選択で染色浴);ローラを含むコンベヤなどのテキスタイル移動装置;ローラペアなどの溶液除去装置;蒸気発生器、ヒーター、バルビングを含む蒸気処理装置;コンピュータベースの動作ユニットなどの制御装置、のうちの1つ以上を含み得る。
本発明の方法のステップは、連続プロセス、半連続プロセス、バッチプロセス又はそれらの組み合わせを使用して実施され得る。
テキスタイルを処理するための1つの選択肢は、連続プロセスを使用することである。連続プロセスは、処理フローの停止を回避して物品を製造、処理又は生産するために使用されるフロー製品方法である。連続プロセスでは、処理又は製造中である物品は、移動している。テキスタイルの連続加工では、テキスタイルは、しばしば、2つ以上の処理領域(例えば、「処理ゾーン」)を通して移動されるシートの形態であり、シートは、移動されている間、各処理領域内の異なる化学的、機械的及び/又は物理的プロセスに供される。連続プロセスにおけるテキスタイルの移動は、連続プロセスにおいてテキスタイルの移動に接触し、容易にする、ローラを有するテキスタイルコンベヤなどのシステム装置を使用して容易にすることができる。連続プロセスは、本明細書に記載される本開示のシステムで実行することができる。
実施形態では、本開示の方法の2つ以上のステップは、連続プロセスとして説明され得る。例えば、塩基及びカチオン化剤の溶液中でテキスタイルをパディングし、パディングされたテキスタイルから溶液の一部を機械的に除去し、次いで、テキスタイルを蒸気処理するステップでは、テキスタイルは、処理ゾーンを通して連続的に移動され得、これは、移動中のテキスタイルの所定の処理を提供する。カチオン化及び染色(例えば、洗浄、中和及び/又は染色)のプロセスにおける他のステップも、連続的又は任意選択で非連続的として記載され得る。図1は、本開示の方法によるテキスタイルの連続処理に使用することができるシステムを示す。
半連続プロセスは、フロー製品操業(連続)が停止され、次いで、一定期間後に再開されるものを含み得る。いくつかの実施形態では、本開示の方法の2つ以上のステップは、半連続プロセスとして説明され得る。例えば、所望の処理条件に応じて、テキスタイルの移動を処理ゾーンで一定期間停止させ、次いで、再開して、テキスタイルを処理ゾーンから移動させることができる。本開示の方法は、半連続プロセスを使用することができ、テキスタイルの移動は、カチオン化剤とテキスタイルとの反応に好適な、本明細書に記載される一定期間及び温度で、蒸気処理装置内で停止され、次いで、テキスタイルの移動は、蒸気処理装置からテキスタイルを移動させるためにその期間の後に再開される。半連続プロセスは、本明細書に記載される本開示のシステムで実行することができる。
任意選択で、実施形態では、本開示の方法における1つ以上のステップは、バッチプロセスで実行され得る。例えば、本開示の処理ステップの前に、又は本開示の処理ステップの後に、テキスタイルは、連続プロセスではなくバッチプロセスでの使用のために構成されるように変更され得る。テキスタイルを切断することによって、次いで、1つ以上のバッチ処理ステップで使用されるテキスタイル部分を提供することによって、変更が行われてもよい。バッチプロセスでは、システムは、テキスタイルが、一方の装置から、他では連続プロセスの装置と関連付けられた他方のものに自動的に移動されないように構成された装置を含むことができる。例えば、バッチ処理ステップのための装置を含むシステムでは、他の点ではテキスタイルを連続プロセスである装置から別の装置に移送するコンベヤ装置などのシステムの特徴は、バッチ処理に使用されるシステムの装置の少なくともいくつかに存在しない場合がある。
本開示の実施形態では、テキスタイルが提供され、次いで、本明細書に記載されるステップに従って処理される。「テキスタイル」という用語は、繊維のネットワークを含み、かつ織テキスタイル、ニットテキスタイル及び不織テキスタイルを含む、テキスタイル系物品の全ての形態を包含することを意図する可撓性材料を指す。テキスタイルは、シート(布)又は細いより糸(紡ぎ糸)の形態であり得る。テキスタイルは、繊維含有材料のより糸の織り、編み、かぎ針編み、フェルト化又は三つ編の1つ以上のプロセスを一緒に含む技術分野で既知の技術によって形成することができる。例示的なテキスタイル基材は、1メートル超の幅及び最大100メートル以上の長さを有し得るテキスタイルの連続シートを提供するテキスタイルロールの形態で提供され得る。図1を参照すると、システムの他の構成要素に関して、処理されるテキスタイルロール10の配置が示されている。
本開示の方法によるカチオン化剤及び蒸気処理を使用してカチオン化されるテキスタイルは、天然繊維又はその誘導体を含む。テキスタイルの天然繊維は、綿、麻、苧麻、亜麻、黄麻、カポック、コイア、竹などの植物から得ることができる。植物生繊維を回転させて長いより糸を生成することができ、より糸は、織布の当該技術分野で既知であるように、織ること(より糸を織り交ぜる)、編むこと(紡ぎ糸を織り交ぜる)などによってテキスタイルに含まれ得る。不織布では、植物系繊維は、より糸又は紡ぎ糸に変換されないが、むしろ、不織布を生成するために互いに直接混ざり合っているか、又は他の繊維と直接混合される。
テキスタイル材料中の天然繊維は、セルロース若しくはセルロース系材料又はキチン、又はそれらの組み合わせ、又はそれらの誘導体などの天然に存在する多糖類などの天然ポリマーを含み得る。改質されたセルロースを含み得るセルロース又はセルロース材料、並びにキチン及びそれらの誘導体は、カチオン化剤との反応を可能にする化学物質を有する。セルロースは、各サブユニットに3つのヒドロキシル基を示す繰り返しグルコピラノースサブユニットからなる。キトサンは、各サブユニットに2つのヒドロキシル基及び1つのアミン基を示す繰り返しグリコサミンサブユニットからなる。これらの多糖類のヒドロキシル基は、水酸化物活性化カチオン化剤と反応性である。
セルロース材料には、木材パルプから生成されるレーヨン(ビスコース)及びレーヨンの形態であるリオセル(例えば、Tencel(商標))も含まれる。本開示に従って処理されたテキスタイル基質はまた、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体又はイミダゾリジノン修飾セルロースを含み得る。
テキスタイルは、天然繊維及び合成繊維のブレンドなどの、異なる材料のブレンド又は混合物であり得る。ブレンドは、ウール/綿ブレンド、シルク/綿ブレンド及びアンゴラ/綿ブレンドなどの、異なる種類の天然繊維のブレンドを含む。動物系材料には、コラーゲン繊維、ケラチン繊維、フィブロイン繊維又はそれらの混合物が含まれ得る。他の例示的なブレンドとしては、綿/ポリエステルブレンド、綿/ポリオレフィンブレンド、綿/ポリアクリロニトリルブレンド、綿/ポリアミドブレンド(例えば、綿/ナイロンブレンド)などのセルロース繊維及び合成繊維のブレンド、並びに綿/レーヨンブレンドなどのセルロース繊維及びセルロース誘導体繊維のブレンドが挙げられる。
テキスタイルが繊維のブレンドを含む場合、それは、好ましくは、約5%(重量)の綿などの天然繊維若しくはその誘導体及びより好ましくは約25%(重量)以上、約35%(重量)以上又は約40%(重量)以上の天然繊維(例えば、セルロース)若しくはその誘導体を有する。例示的なブレンドとしては、約5:95~約95:5、25:75~約25:75又は40:60~約60:40の範囲の、天然繊維(又はその誘導体、例えば、セルロース))対合成繊維の重量比率が含まれる。
織テキスタイルはまた、テキスタイル重量(重量/面積)に関して説明することができ、これは、1平方ヤード当たりのオンス又は1平方メートル当たりのグラムでしばしば表される。テキスタイル重量は、テキスタイル中の繊維の種類(複数可)及びそれらの特性、テキスタイルの織りの種類、並びにテキスタイルの仕上げによって影響を受け得る。例示的なテキスタイル重量は、典型的には、約50g/m~約1000g/m又は約100g/m~約750g/mの範囲である。
実施形態では、本開示のプロセスは、漂白されたテキスタイルを利用するか、又はプロセスは、テキスタイルを漂白するプロセスステップを更に含む。漂白されたテキスタイルは、天然の色、臭気及び他の場合テキスタイルの繊維が未加工の(天然)形態にあるときに存在する不純物をテキスタイルから除去した場合がある。酸化漂白は、典型的には、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、硫酸又はそれらの組み合わせなどの酸化漂白剤を使用して行われる。ハイドロサルファイトナトリウムは、しばしば、テキスタイルの還元的漂白に使用される。
任意選択の漂白ステップが行われる場合、テキスタイルは、漂白溶液による処理のための漂白浴に所望の一定期間置くことができる。例示的な漂白溶液には、水溶液中の過酸化水素又は次亜塩素酸ナトリウムが約0.5~5.0%(重量)の範囲の濃度で含まれる。漂白後、テキスタイルは、洗浄され、乾燥され得る。
本開示の方法は、アルカリ金属水酸化物(塩基)及びカチオン化剤を含む水性処理溶液でテキスタイルを処理するステップを含む。
塩基及びカチオン化剤を含む溶液によるテキスタイルの処理は、処理化合物(処理溶液又はパディング溶液)を含む水溶液がテキスタイルと接触して置かれる「パディング」プロセスと称され得る。しばしば、処理溶液は、テキスタイルが浸漬される容器(例えば、「パディング浴」又は単に「パッダー」)中に存在する。パディング浴では、テキスタイルは、処理溶液で飽和になり得る。塩基及びカチオン化剤は、テキスタイルの材料と接触する(かつその後のプロセスステップでは、活性化カチオン化剤は、蒸気の存在下でテキスタイルと反応する)。代替的に、水性処理溶液は、噴霧装置、ローラ又はブラシを使用して適用することができる。一般に、パディングは、1分以下などの短い一定期間行われる。
カチオン化剤は、本明細書で使用される場合、テキスタイルの薬剤と材料との間に共有結合をもたらす化学反応などによって、テキスタイル材料と会合することができる化合物を指す。反応は、テキスタイルに正の(カチオン性)電荷を付与する。
例示的なカチオン化剤としては、ハロゲン化及びヒドロキシル化アンモニウム化合物が挙げられる。塩基の存在下では、化合物は、脱ハロゲン化及び脱プロトン化されて、反応性グリシジル(エポキシ)中間体化合物を形成することができ、中間体化合物は、次いで、テキスタイル中のセルロース系材料のヒドロキシル基と反応することができる。キトサン含有テキスタイルのアミン基もまた、グリシジル含有アンモニウム化合物と反応させて、テキスタイルにカチオン化を提供することができる。本開示の方法及びシステムは、アルカリ金属水酸化物の存在下で2つのエポキシド基を生成することができるハロゲン化化合物を使用する。
例示的なカチオン化剤としては、以下の式Iのものなどの、ビスエーテルジハロゲン化ジヒドロキシル化アンモニウム化合物が挙げられ、
Figure 2023512662000001
式中、R及びR1’は独立して、メチレン、エチレン、プロピレンなどのようなC1-C6アルキレン基などのアルキレン(二価)基から選択され、R、R2’、R及びR3’は独立して、メチル、エチル、プロピルなどのようなC1-C6アルキル基などのアルキル(一価)基から選択され、R及びR4’は独立して、C1-C6アルキレンなどのアルキレン(二価)基から選択され、X~X’’’は独立して、Cl、Br又はIなどのハロゲン原子から選択される。
いくつかの実施形態では、ハロゲン化ヒドロキシル化アンモニウム化合物は、ビス[(3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルジアルキルアンモニウム)アルキル]エーテルジクロリド化合物である。R及びR1’は、メチレンであり、好ましくは、R、R2’、R及びR3’は独立して、メチル、エチル及びプロピルから選択され、R及びR4’は、好ましくは、メチレン、エチレン又はプロピレンである。例示的な化合物としては、ビス[(3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウム)エチル]エーテルジクロリド、ビス[(3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル-ジメチルアンモニウム)エチル]エーテルジクロリド及びビス[(3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルメチルエチル-アンモニウム)プロピル]エーテルジクロリドが挙げられる。例えば、米国特許出願公開第2015/0210627号を参照されたい。
実施形態では、処理溶液は、本明細書に記載される蒸気処理ステップにおける迅速な下流処理を促進する、所望の種類及び量の塩基及びカチオン化剤を含む。実施形態では、水性処理溶液中のカチオン化剤の濃度は、少なくとも約20g/Lであるが、好ましくは、125g/L以下である。好ましくは、水性処理溶液中のカチオン化剤の濃度は、約40~約105g/L、約50~約95g/L又は約55~約85g/Lの範囲である。
カチオン化剤の濃度は、モル濃度に関しても表すことができる。ジハロゲン化カチオン化剤の場合、水性処理溶液中の濃度は、少なくとも約0.05モルであり得る。好ましくは、ジハロゲン化カチオン化剤の濃度は、約0.05モル~約0.3モル、約0.1モル~約0.25モル、約0.125モル~約0.225モル又は約0.14モル~約0.2モルの範囲である。
有利には、所定の蒸気処理時間及び温度を適用することにより、水性パディング溶液は、一般に、モノハロゲン化化合物がカチオン化に使用される場合に使用されるものよりも少ない固形分試薬を必要とする。特に、このプロセスは、より少ないアルカリ金属水酸化物を必要とし、これは、それが廃棄物を低減し、染色プロセスの経済的効率を高めるために有益である。
例示的なアルカリ金属水酸化物塩基は、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムである。使用される塩基の量は、カチオン化剤の量、並びに蒸気処理時間及び温度によって決定することができる。実施形態では、水性処理溶液中の塩基の濃度は、少なくとも約10g/Lであるが、好ましくは、40g/L以下である。好ましくは、水性処理溶液中の塩基の濃度は、約15g/L~約35g/L又は約15g/L~約30g/Lの範囲である。ジハロゲン化カチオン化剤とともに使用される場合、モル濃度に関して表されると、水性処理溶液中の塩基の濃度は、少なくとも約0.25モル又は少なくとも約0.35モルであり得る。好ましくは、ジハロゲン化カチオン化剤が使用される場合の塩基の濃度は、約0.30モル~約1.0モル、約0.35モル~約0.9モル又は約0.40モル~約0.8モルの範囲である。
処理溶液中の塩基及びカチオン化剤の量はまた、塩基対カチオン化剤のモル比を参照して説明され得る。実施形態では、水溶液は、約1:1超又は約1.8:1超であるが、約5:1未満のアルカリ金属水酸化物対ジハロゲン化カチオン化剤のモル比を有し得る。好ましい態様では、アルカリ金属水酸化物対カチオン化剤のモル比は、約1.8:1~約5:1、約2.0:1~約4.75:1又は約2.25:1~約4.5:1の範囲である。
いくつかの実施様式では、水性処理溶液は、増粘剤(「移行防止剤」とも称される)を更に含む。本開示によれば、増粘剤の使用は、パディングされたテキスタイル中のカチオン化剤の固定化を改善することができ、それは順に、反応効率を改善し、次いで、カチオン化テキスタイルのその後の染色を改善する。例示的な増粘剤としては、ポリビニルメチルエーテル(例えば、約100,000の平均分子量を有する)、アルギン酸ナトリウム、Gaurガム、カルボキシメチルセルロース(carboxymethylcellulose、CMC)、低分子量セルロースエーテル、ポリエチレングリコール(例えば、8,000~10,000の範囲の平均分子量を有する)、ポリビニルカプロラクタム及びアクリルポリマーが挙げられ、アクリルポリマーは好ましい増粘剤である。好ましい増粘剤は、染料を妨害するべきではなく、色の鮮明性の損失を引き起こすべきではなく、十分な液安定性を有するべきであり、取り扱いのいかなる困難も引き起こすべきではなく、室温で良好な溶解性を有するべきであり、少量で良好な効果を提供するべきである。実施形態では、増粘剤は、約50~約350cPの範囲の粘度を提供するために、パディング浴に提供される。例示的な実施形態では、増粘剤は、水性パディング溶液中約2%~約20%(重量)又は約5%~約10%(重量)の範囲の量で使用され得る。
水性パディング溶液は、一般に、35℃以下の温度(複数可)で維持される。好ましくは、水性パディング溶液は、約15℃~約27℃又は約18℃~約25℃の範囲の温度である。
いくつかの例示的な実施様式では、方法は、連続プロセスであり、テキスタイルは、処理浴に供給され、テキスタイルは浴を通して移動され、次いで、浴を出る。実施形態では、パディングステップは、迅速に実行することができる。図1を参照すると、テキスタイルのシート12は、テキスタイルロール10から、カチオン化剤及び塩基を含む処理溶液22を保持するパディング浴20のパディング浴20に前進する。パディング浴20は、処理溶液22における前進テキスタイルシートの移動及び位置決めを容易にするためのローラセット(24a~24c)を含む。パディング浴中の滞留時間(「パディング時間」)は、テキスタイルの特定の部分が浴に入り、次いで、特定の部分がパディング浴を出るときに終了する時間によって定義される。典型的には、これは、0.5秒超、1秒超又は2秒超及び一般に1分未満、約45秒以下又は約30秒以下である。例示的なパディング時間は、1秒~1分、1秒~45秒、1秒~30秒、1秒~20秒、1秒~15秒、1秒~10秒又は2秒~5秒の範囲である。
実施形態では、パディング浴中のテキスタイルの滞留時間は、機械の速度並びにシステムの他の局面によって決定することができる。例えば、システムのテキスタイルコンベヤ装置が処理領域を通ってテキスタイルを移動させる速度と、処理領域を通る移動経路の長さとに基づいて、処理領域におけるテキスタイルの滞留時間が知られ得る。例示的なシステムでは、テキスタイルコンベヤ装置は、約20メートル/分~約50メートル/分の範囲の速度で、少なくともパディング浴を通してテキスタイルを移動させる。パディング浴を通る移動経路の例示的な長さは、約0.5メートル~約5メートル又は約1メートル~約4メートルの範囲であり得る。
パディングプロセスは、テキスタイルが処理溶液で「浸漬」又は「飽和」になることをもたらし得る。いくつかの実施様式では、テキスタイルが浴を出ると、過剰な処理溶液は、テキスタイルから除去され、パディング浴に戻され得る。図1を参照すると、テキスタイルは、処理溶液22から、ローラ対(26a、26b)を通して前進し、ローラ対はパディングされたテキスタイルに圧力を加えて過剰な処理溶液を除去し、これは、パディング浴20に戻される。しかしながら、十分な処理溶液をテキスタイル中に維持して、その後の蒸気処理ステップでテキスタイルと反応させるための量の塩基及びカチオン化剤を提供する。
パディングされたテキスタイルは、テキスタイル中に存在する水性処理溶液の量(「有効濃度」)に関して説明され得る。例えば、パディングされたテキスタイルは、パディング前の乾燥テキスタイルの重量で割った、テキスタイル中に存在する処理溶液の量(重量)である「湿潤ピックアップ」に関して言及され得る。一般に、パディングステップは、約50%を超える処理溶液の湿潤ピックアップを提供する。好ましくは、パディングステップは、約60%~約80%の範囲の処理溶液の湿潤ピックアップを提供する。例示的なシナリオでは、カチオン化剤が100g/Lのパディング浴中に存在し、70%の湿潤ピックアップがある場合、テキスタイル中のカチオン化剤の有効濃度は、70g/L又は7%である。
一般に、パディングプロセス及び飽和テキスタイルからの任意の過剰な処理溶液の除去は、ある程度迅速に実行され得、これは、テキスタイルのカチオン化及び染色の全体的なプロセスを促進する。
テキスタイルをパディングした後、それは、蒸気エネルギーをパディングされたテキスタイルに加えて、カチオン化剤のテキスタイルへの反応及び結合を促進する装置に導入される。図1を参照すると、テキスタイルのシート12は、ローラ対(26a、26b)から開口部32を通って蒸気処理装置30に前進する。蒸気処理装置30は、テキスタイルが蒸気チャンバを通って支持及び移動され得るローラセット(34a~34e)を含む。装置はまた、水容器と、導管(図示せず)を通して導入される蒸気を生成するために沸騰させるための体積の水を加熱することができる加熱エレメントとを含む蒸気発生器(図示せず)を有し得る。チャンバはまた、本開示による所望の温度で蒸気含有雰囲気を維持するための加熱エレメント(図示せず)を有し得る。蒸気処理ステップは、明確に定められた温度範囲で短い一定期間実施される。
蒸気プロセスは、蒸気チャンバ内の蒸気密度に関して説明され得る。蒸気の密度は、蒸気の温度若しくはその容器のサイズ又はその圧力に依存する。通常の大気圧での100℃で、蒸気(すなわち、乾燥蒸気)は、1立方センチメートル当たり0.0006グラム(600g/m)の密度を有する。本開示の方法において、チャンバ内の蒸気密度は、少なくとも0.0006g/cmである。しかしながら、蒸気チャンバは、典型的には、全ての水分子が気体状態である乾燥蒸気を含み、また水分子の一部がそれらのエネルギーを損失し、空気中の水滴に凝縮する湿潤蒸気も含む。任意選択で、本開示の方法で使用される蒸気は、湿潤蒸気の乾燥画分によるものと言及され得る。例えば、蒸気中の水分含有量が5質量%である場合、蒸気は、乾燥画分0.95で95%乾燥していると言われる。比較すると、通常の大気条件下では、最大約30グラムの水蒸気が、約35℃の温度で、1立方メートルの体積の空気中で存在し得ることに留意されたい。
蒸気チャンバに導入すると、パディングされたテキスタイルは、装置のために設定された蒸気温度まで迅速に加熱される。一般に、テキスタイルは、15秒未満又は10秒未満など、短い一定期間で所望の温度まで加熱される。テキスタイルは、所望の温度に達すると、蒸気チャンバを通って移動され得る。
テキスタイルは、蒸気チャンバ内の温度又は少なくとも100℃であるが、110℃未満である1つを超える温度まで加熱され、次いで、カチオン化剤をテキスタイルと反応させるために、1分~10分の範囲の一定期間、この温度で保持される。
好ましくは、テキスタイルは、蒸気チャンバ内の温度又は100℃超~約109℃、100℃超~約108℃、100℃超~約107℃、100℃超~約106℃、100℃超~約105℃、100℃超~約104℃、若しくは100℃超~約103℃の範囲の1つを超える温度まで加熱される。好ましくは、テキスタイルは、約1~約10分、約1~約9分、約2~約8分、約2~約7分、約3~約7分、約3~約6分又は約4~約6分の範囲の一定期間、蒸気中でこれらの範囲のうちのいずれか1つの温度で処理される。
例示的な加熱温度及び処理時間は、テキスタイルが、約2~約8分の範囲の一定期間、蒸気チャンバ中の温度又は100℃超~約105℃の範囲の1つを超える温度まで加熱される場合である。
別の例示的な加熱温度及び処理時間は、テキスタイルが、約3~約7分の範囲の一定期間、蒸気チャンバ内の温度又は100℃超~約104℃の範囲の1つを超える温度まで加熱される場合である。
別の例示的な加熱温度及び処理時間は、テキスタイルが、約4~約6分の範囲の一定期間、蒸気チャンバ中の温度又は100℃超~約103℃の範囲の1つを超える温度まで加熱される場合である。
本開示の蒸気処理温度及び時間は、そうでなければカチオン化剤を非機能的にしてしまうカチオン化剤の加水分解を最小限に抑えながら、カチオン化剤と反応性化学物質との迅速な反応を促進することができる。
任意選択で、処理されたテキスタイルは、テキスタイルとのカチオン化剤の反応効率に関して説明することができる。反応効率は、テキスタイルの重量単位当たりの反応したカチオン化剤の量(例えば、テキスタイル材料1グラム当たりのカチオン化剤mmol)によって表すことができる。反応効率(カチオン化度)は、カチオン化剤によって付与されるようなテキスタイルの窒素含有量の量によって決定することができる。例えば、本開示のプロセスは、テキスタイル1グラム当たり少なくとも約0.075mmolの窒素(カチオン化剤からの)を提供する。より典型的には、テキスタイル1グラム当たり少なくとも約0.085mmol、少なくとも約0.09mmol又は少なくとも約0.095mmolの窒素(カチオン化剤からの)が存在する。カチオン化剤の反応の決定は、ケルダール法又は燃焼法(例えば、Schwarzinger,C.,et al.(2002)Monatshefte fur Chemie 133:1-17、又はMa,W.,et al.(2017)Molecules,22:2235を参照されたい)などによって、テキスタイルへの添加されたアンモニウム基を分析することによって決定することができる。
カチオン化テキスタイルを蒸気処理した後、それは熱い水溶液で洗浄され得る。熱水洗浄は、パディング浴から持ち越された任意の未反応の若しくは加水分解されたカチオン化剤、塩基及び/又は他の任意選択の構成成分(例えば、増粘剤)の少なくとも一部を除去することができる。例えば、連続プロセスでは、蒸気処理されたテキスタイルは、開口部36を通って蒸気処理装置30を出ることができ、熱水浴40に供給され得る。熱水浴40は、熱水における前進テキスタイルシートの移動及び位置決めを容易にするためのローラセット(44a~44e)を含む。
熱い水溶液は、6~8の範囲のpHを有し得る。熱水浴の温度は、好ましくは、約70℃~約90℃の範囲又は更により好ましくは、約75℃~約85℃の範囲である。カチオン化テキスタイルは、約5分~15分の範囲の時間など、20分未満、15分未満の一定期間、熱水浴中に維持され得る。連続プロセスでは、テキスタイルを浴中のローラなどの浴を通して移動させることができ、次いで、テキスタイルは、所望の洗浄期間後に浴を出ることができる。洗浄されたテキスタイルは、テキスタイルから水を除去することなく中和浴に移され得る。
カチオン化されたテキスタイルが熱水洗浄された後、酸による処理によって中和され得る。酸は、テキスタイル中に存在する任意の残りの塩基と反応し、それによって、カチオン化テキスタイルを中和することができる。例えば、連続プロセスにおいて、図1を参照すると、洗浄されたカチオン化テキスタイルは、熱水浴40を出ることができ、熱水溶液を除去するためにローラ対(図示せず)を通過することによってなど、機械的に処理することができ、次いで、酸を含む水性組成物50を含む中和浴50に供給することができる。中和浴50は、浴の酸含有溶液中の前進テキスタイルシートの移動及び位置決めを容易にするためのローラセット(54a~54e)を含み得る。
酸含有溶液は、約4~約5の範囲の例示的なpHを有し得る。例えば、酸溶液は、酢酸、クエン酸若しくはシュウ酸又はそれらの組み合わせなどの弱酸を使用して形成され得る。酸の量は、使用される酸の種類に依存し得るが、例示的な酸は、1リットル当たり約1~約2グラムの範囲の濃度の酢酸である。酸処理溶液は、一般に、35℃以下の温度(複数可)で維持される。好ましくは、酸処理溶液は、約15℃~約27℃又は約18℃~約25℃の範囲の温度である。
カチオン化テキスタイルは、約5分~15分の範囲の時間など、20分未満、15分未満の一定期間、酸処理溶液中に維持され得る。連続プロセスでは、テキスタイルを浴中のローラなどの酸処理溶液を通して移動させることができ、次いで、テキスタイルは、所望の洗浄期間後に酸処理溶液を出ることができる。したがって、染色ステップ及び染色装置は、本開示の方法及びシステムの一部であってもよく、又はそうでなくてもよい。
本開示のシステム及び方法は、任意選択で、中和/酸処理後の間に冷水又は熱水洗浄の1つ以上のステップを含み得る。
カチオン化テキスタイルが中和された後、それは、染料溶液中で処理することによって染色され得る。染色プロセスは、パディング浴及び蒸気処理装置と同じシステムを使用して実行することができるか、又はパディング浴及び蒸気処理装置とは別個の異なるシステムで実行することができる。染色プロセスが、パディング/蒸気処理システムを有する施設とは異なる場所で染色施設などで、異なるシステムを使用して実行される場合、カチオン化テキスタイルは、その施設に輸送され、染色することができる。
テキスタイルを染色するステップを考察する目的で、染色浴を有するシステムを示す図1への参照がなされる。例えば、連続プロセスでは、中和されたカチオン化テキスタイルは、中和浴50を出ることができ、あらゆる過剰な酸溶液を除去するためにローラ対(図示せず)を通過させることによってなど、機械的に処理することができ、次いで、染料を有する組成物を含む染料浴60に供給することができる。染料浴60は、染料溶液中の前進テキスタイルシートの移動及び位置決めを容易にするためのローラセット(64a~64e)を含み得る。
カチオン化テキスタイルは、様々な染料を受け入れることができ、したがって、色提供のために良好な柔軟性を提供する。カチオン化テキスタイルは、テキスタイル結合カチオン化剤の正帯電四級化窒素と、例えば、アニオン性染料のアニオン性基との間の化学的相互作用によって、改善された染料会合を提供することができる。しかしながら、カチオン化テキスタイルはまた、テキスタイル結合カチオン化剤に依存しない方式で、染料をテキスタイルと会合させる他の染料の種類を受け入れることができる。
「染色」プロセスは、テキスタイルに色を付与するものであり、「染料」とは、本明細書に記載されるように、顔料もまた含み得るテキスタイルに色を提供する任意の物質を指す。染料は、化学反応、吸収、分散又はそれらの組み合わせによってテキスタイルの繊維と会合することができる。染料は、典型的には、日光、発汗、洗浄、ガス及びアルカリに対するそれらの耐性、異なる繊維に対するそれらの親和性、洗浄剤及び方法に対するそれらの反応、並びにそれらの溶解度及び用途方法が異なる。本開示の方法及びシステムを使用して作製されたカチオン化テキスタイルを着色するために使用され得る例示的な染料の種類としては、天然染料、塩基性(カチオン性)染料、直接(実質的)染料、硫黄染料、顔料染料、建染染料、反応性染料及び酸染料が挙げられる。
反応性染料は、テキスタイル繊維の1つ以上の化学基と反応することができる。反応性染料は、アルカリ溶液又は中性溶液から適用され得、それらは次いで別個のプロセスでアルカリ化される。染色中に熱処理を使用して、異なる色合いを発生させることもできる。染色後、テキスタイルを石鹸で洗浄して、いかなる未固定の染料も除去することができる。反応性染料は、セルロース繊維を含むカチオン性テキスタイル、並びにウール、シルク、ナイロン及びアクリルのブレンドを含むものに使用することができる。
直接染料は、媒染剤(染料固定剤)の使用を必要とせずに、セルロース繊維を直接着色することができる。直接染料は、セルロース繊維を含むカチオン性テキスタイル、並びにウール、シルク、ナイロン、レーヨンなどのブレンドを含むものに使用することができる。
硫黄染料は、水不溶性であり、還元剤及びアルカリpH(例えば、苛性ソーダ及び硫化ナトリウム)を使用して可溶性になる。染色は、色が繊維に浸透するように、大量の塩とともに高温で行われる。染色後、テキスタイルは、空気への曝露によって、又は化学物質を使用することによって酸化され、所望の色合いを提供する。過剰な染料及び化学物質は、完全に洗浄することによって除去することができる。硫黄染料は、光、洗浄及び発汗に対して堅牢であり、ほとんどの場合、綿及びリネンに使用される。
建染染料は、水中で不溶性であり、典型的には、アルカリ溶液の還元によって可溶性になり、それらをテキスタイル繊維に固着することを可能にする。その後の酸化又は空気への曝露は、染料をその不溶性形態に復元する。例示的な建染染料は、インディゴである。建染染料は、綿、リネン及びレーヨンのための最も堅牢な染料である。建染染料は、一般に、ウール、ナイロン、ポリエステル、アクリル及びモダクリルなどの他のテキスタイルを染色するために媒染剤とともに使用される。
顔料は厳密には染料ではないが、依然として、それらの優れた耐光性に起因して、綿、ウール及び他の人工繊維のようなテキスタイルの着色に使用される。顔料は、典型的には、樹脂を使用してテキスタイルの繊維に固着される。染色後、テキスタイルは高温に晒される。いくつかの実施形態では、本開示による染色ステップは、カチオン化テキスタイルを着色するために顔料を使用することができる。植物、動物又は鉱物源などの天然源から得られる天然染料は、カチオン化テキスタイルとともに使用することができる。直接印刷は、テキスタイル上に色パターンを適用するための最も一般的なアプローチである。着色されたテキスタイル上で行われる場合、それはオーバープリントとして知られている。所望のパターンは、ペースト形態でテキスタイル上に染料を押圧することによって生成される。印刷ペーストを調製するために、増粘剤を限られた量の水に添加し、染料をその中に溶解させる。以前は、デンプンが、印刷のための増粘剤として好ましいものであった。より最近では、海藻に由来するガム又はアルギン酸塩が、より良好な色の浸透を可能にし、かつ洗浄がより容易であるため、好ましい。ほとんどの顔料印刷は、樹脂、溶媒及び水の混合が増粘を生じるため、増粘剤なしで行われる。
カチオン化テキスタイルを染色するために使用されるいくつかの染料には、「反応性」又はアニオン性染料が含まれる。反応性のアニオン性染料は、スルホネート基又はカルボキシレート基などの1つ以上のアニオン性基を含み得る。例えば、アニオン性染料は、1つ以上のスルホン酸ナトリウム(-SONa)基を含み得る。1つ以上のアニオン性基は、可視スペクトル内の光を吸収し、かつ共役系を有する少なくとも1つの発色団/色担持基を有することができる染料分子中に存在し得る。一般的に使用されるアニオン性染料としては、アゾ化学、アントラキノン化学及びトリフェニルメタン化学に基づくものが挙げられる。アゾ染料は、基R-N=N-R’によって化学的に特徴付けられ、式中、R及びR’は、一般に、アリール基を含み、様々な化学置換基がアリール基に結合している。他のアニオン性染料には、ニトロ化学、アジン化学及びキノリン化学を有するものが含まれる。酸染料は、カルボン酸基、スルホン酸基又はリン酸基などの酸基を含み得るアニオン性染料の一種である。本開示の方法で使用され得るアニオン性染料は、Aspland,J.R.,(1997)Textile Dyeing and Coloration,American Association of Textile Chemists and Colorists,AATCC、Knutson,L.(1986)Synthetic Dyes for Natural Fiber,Interweave Press;Revised editionなどの様々な参考文献に記載されている。例としては、「反応性ブルー19」、「直接ブルー71」、「酸ブルー62」、「反応性レッドME4BL」など、色名並びに数字及び/若しくは文字が先行するか又は後に続く、「反応性」、「直接」及び「酸」と命名された染料が挙げられる。
いくつかの実施形態では、染色溶液中のアニオン性染料の濃度は、約0.001g/L~約5.0g/L、約0.01~約2g/Lの範囲であり、より濃縮された染料溶液は、テキスタイルにより強い染料の色を提供する。実施形態では、アニオン性染料溶液は、一般に、約30℃~約80℃の範囲の温度で維持される。染色は、約30分~約60分の範囲など、所望の一定期間実施され得る。図1を参照すると、染色後、テキスタイルは、洗浄され(図示せず)、次いで、ローラ72に巻かれ得る。
システムの1つ以上の部分の動作は、本明細書に記載されるように、処理方法を実行するようにプログラムされ得るコンピュータベースのコントローラなどのプロセスコントローラ(図示せず)を使用して制御することができる。
実施例1
綿布の迅速なパッド-蒸気カチオン化及び染色
漂白された綿布(A4サイズ)を、カチオン化剤ビス[(3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウム)エチル]エーテルジクロリド(ECOFAST(商標)Pure;Dow)の商品名で市販されている、ビス-CHPDMAEEDCとして注釈付き)及び水酸化ナトリウムを含む様々な溶液に浸した。ビス-CHPDMAEEDC及びNaOH塩基の濃度を表1に列挙する。
溶液は、周囲温度(20℃)であり、除去される前に、布を溶液中に約2~3秒間維持した。次いで、浸漬した布を、70%表示で2つのローラに通して、布から過剰な溶液を圧搾した。したがって、布上のカチオン化剤の有効濃度は、49g/L(0.119モル)であった。
これに続いて、様々な一定期間(5分、10分、15分、20分)、102℃の温度でパディングされた布の蒸気処理を行った。
対照標準として、カチオン化剤及び塩基(70gplのビス-CHPDMAEEDC及び20gplのNaOH)を、A4の綿布にパディングし、次いで、14時間の期間、低温(25℃)でバッチ反応させた。
蒸気処理後、カチオン化布を80℃の温度で10分、熱水で洗浄し、次いで、洗浄した布を、周囲条件(温度30℃)で10分、NaOH濃度当たり、酢酸(1.5g/L)を含む溶液中で中和した。カチオン化後、布上の窒素含有量を燃焼法によって評価した。
染色を、3%のReactofix Red ME4BL染料溶液及び15g/Lの炭酸ナトリウムを含む染料組成物中に2gmのカチオン化綿を置くことによって実行し、固定及び性能特性を改善した。染料溶液は温度60℃であり、布を30分間溶液中に維持した。これに続いて、冷洗浄及び中和、60℃で10分間熱洗浄、並びに次いで冷洗浄の洗浄プロセスを行った。迅速な蒸気処理の結果を比較し、対照標準として調製された綿布に対して標準化した(表1及び図2)。
Figure 2023512662000002
驚くべきことに、上記の結果は、ビス-カチオン化剤、限られた量の塩基、短い蒸気処理時間及び100℃に近い蒸気温度を使用すると、良好な染色(浴中のより少ない残留色により示される)、綿上の良好な窒素含有量及び良好な色強度を示した。

Claims (19)

  1. 天然繊維又はその誘導体を含むテキスタイルをカチオン化するための方法であって、
    天然繊維又はその誘導体を含むテキスタイルを、アルカリ金属水酸化物と、前記アルカリ金属水酸化物の存在下で2つのエポキシド基を生成することができるハロゲン化化合物を含むカチオン化剤とを含む水溶液で処理することと、
    1分~10分の範囲の一定期間、100℃超~110℃未満の範囲の温度で、蒸気を含む環境で前記テキスタイルを処理して、前記カチオン化剤を前記布と反応させることと、を含む、方法。
  2. 前記カチオン化剤が、ビスエーテルハロゲン化ジヒドロキシル化アンモニウム化合物である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記カチオン化剤が、以下の式を有し、
    Figure 2023512662000003
    式中、R及びR1’は独立して、アルキレン基から選択され、R、R2’、R及びR3’は独立して、アルキル基から選択され、R及びR4’は独立して、C1-C6アルキレンなどのアルキレン基から選択され、X~X’’’は独立して、ハロゲン原子から選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 及びR1’が独立して、メチレン、エチレン及びプロピレンから選択され、R、R2’、R及びR3’が独立して、メチル、エチル及びプロピルから選択され、R及びR4’が独立して、C1-C6アルキレンから選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記カチオン化剤が、ビス[(3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル-ジアルキルアンモニウム)アルキル]エーテルジクロリドである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記テキスタイルが、100℃超~107℃未満、100℃超~106℃未満、100℃超~105℃未満、100℃超~104℃未満の範囲又は100℃超~103℃未満の範囲の温度で、蒸気中で処理される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記テキスタイルが、1~10分、約1~9分、約2~8分、約2~7分、約3~7分、約3~6分又は約4~6分の範囲の一定期間、蒸気中で処理される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記水溶液で処理した後、前記水溶液の一部を前記布から機械的に除去することを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記水溶液で処理するステップ及び前記機械的に除去するステップが、35℃未満の1つ以上の温度で、かつ合計1分以下の一定期間実行される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記水溶液で処理するステップ及び前記機械的に除去するステップが、合計45秒以下、30秒以下、1秒~1分、1秒~45秒、1秒~30秒、1秒~20秒、1秒~15秒、1秒~10秒又は2秒~5秒の範囲の一定期間実行される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記水溶液で処理するステップ、前記機械的に除去するステップ及び蒸気を含む環境で前記布を処理するステップが、合計11分以下、10分以下、9分以下、8分以下、7分以下、若しくは6分以下の一定期間又は1分~11分、1分~10分、1分~9分、1分~8分、1分~7分、若しくは1分~6分の範囲の一定期間実行される、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記水溶液が、1:1を超える前記アルカリ金属水酸化物対前記カチオン化剤のモル比を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記アルカリ金属水酸化物対前記カチオン化剤の前記モル比が、1.8:1~5:1又は2.0:1~4.5:1の範囲内である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記水溶液が、増粘剤を更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 蒸気で処理した後、酸含有溶液中で前記布を中和することを更に含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 染料を含む組成物で前記布を染色することを更に含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 天然繊維又はその誘導体を含むテキスタイルをカチオン化及び染色するためのシステムであって、方法は、
    アルカリ金属水酸化物と、前記アルカリ金属水酸化物の存在下で2つのエポキシド基を生成することができるハロゲン化化合物を含むカチオン化剤とを含む水溶液を保持するように構成された、天然繊維又はその誘導体を含むテキスタイルを処理するためのパディング浴と、
    1分~10分の範囲の一定期間、100℃超~110℃未満の範囲の温度で、蒸気を含む環境で前記布を処理して、前記カチオン化剤を前記布と反応させることができる蒸気処理装置と、を含む、システム。
  18. 前記水溶液の一部を前記布から機械的に除去するためのローラ機構、
    酸含有溶液中で前記布を中和するための中和浴、
    のうちの1つ以上を更に含む、請求項17に記載のシステム。
  19. 前記水溶液による前記処理と前記機械的除去とを、35℃未満の1つ以上の温度で、かつ合計1分以下の一定期間で可能にするプロセスコントローラを更に含む、請求項17又は18に記載のシステム。
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