JP2023507191A - 低減されたアクリルアミド含有量を有する液体コーヒー濃縮物を選択的透過膜での処理により調製するためのプロセス - Google Patents

低減されたアクリルアミド含有量を有する液体コーヒー濃縮物を選択的透過膜での処理により調製するためのプロセス Download PDF

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Abstract

低減したアクリルアミド含有量を有する液体コーヒー濃縮物を生産するためのプロセス。このプロセスは、低アロマの水性コーヒー抽出物を選択的透過膜と接触させて、抽出物のアクリルアミド含有量を低減させた後で、当該処理された抽出物を高アロマの水性コーヒー抽出物と組み合わせることを伴う。特に、本プロセスは、以下の工程:(a)第1のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を用意する工程と;(b)高アロマの水性コーヒー抽出物を用意する工程と;(c)低アロマの水性コーヒー抽出物を選択的透過膜と接触させて、第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を用意する工程と;(d)第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物と、高アロマの水性コーヒー抽出物とを組み合わせて、液体コーヒー濃縮物を用意する工程と、を含み、ここで、第2のアクリルアミド含有量は、第1のアクリルアミド含有量より低い。

Description

本発明は、低減されたアクリルアミド含有量を有する液体コーヒー濃縮物を生産するためのプロセスに関する。このプロセスは、低アロマの水性コーヒー抽出物を選択的透過膜と接触させて、抽出物のアクリルアミド含有量を低減させた後で、当該処理された抽出物を高アロマの水性コーヒー抽出物と組み合わせることを伴う。本発明はまた、本明細書に開示されるプロセスに従って生産された、低減されたアクリルアミド含有量を有する液体コーヒー濃縮物に関する。本発明は更に、低減されたアクリルアミド含有量を有する液体コーヒー濃縮物を凍結又は噴霧乾燥することによって調製された、可溶性コーヒーを提供する。そして、本発明は、低アロマの水性コーヒー抽出物のアクリルアミド含有量を低減させるための選択的透過膜の使用を提供する。
焙煎粉砕コーヒーを水で抽出して高コーヒー固形物の液体コーヒー濃縮物を得ることは、周知である。更に、このような濃縮物を噴霧乾燥又は凍結乾燥により乾燥させて可溶性飲料製品を得ることは、周知である。次いで、この液体コーヒー濃縮物及び可溶性飲料製品を、消費者の都合の良い時に温水で再構成して、コーヒー飲料を得ることができる。液体コーヒー濃縮物の工業生産は、コーヒーショップのブリューシステムよりも高温及び高圧を伴う。これにより、豆から得られる収量が多くなり、収益性が高くなるが、コーヒーに好ましくない加工フレーバーノートがつく可能性があるという副次的な悪影響がある。
より最近では、加工の最中に高温に供される食品製品は、多くの場合、高レベルのアクリルアミドを含有することが発見されている。例えば、焙煎プロセスの最初の数分の間に、コーヒー豆中には最高量のアクリルアミドが形成されることが見出されている。アクリルアミドは発がん物質である可能性があることから、食品業界は、食品中のアクリルアミドのレベルを低減させる取り組みを行う必要がある。したがって、コーヒーの製造中に蓄積するアクリルアミド量を低減させるための方策を実施することが望ましい。
欧州特許第0363529号は、焙煎粉砕コーヒー豆からコーヒー抽出物を得るときに、高い収量を得るための方法について開示している。特に、この方法は、短い加工時間で高温下において部分的に抽出されたコーヒーの加水分解に焦点を当てている。国際公開第2013/005145号は、未焙煎コーヒー中の、アスパラギン含有量を低減させること、及びアスパラギン酸含有量を低減させること、を含む、焙煎コーヒー中のアクリルアミドの含有量を低減させるための方法を開示している。国際公開第2017/004715号は、アクリルアミド形成を低減させるための適応的進化法によるアスパラギン低減酵母の開発及びその使用を開示している。
コーヒー中のアクリルアミドの低減は、アクリルアミドの形成に必要な前駆体であるアスパラギンの量を低減又は削減することによって達成することができる。米国特許第7220440号は、アスパラギン低減酵素、例えばアスパラギナーゼを未焙煎コーヒー豆に添加することを含む、未焙煎コーヒー豆中のアスパラギン量を低減させる方法を記載している。これによりアスパラギン量が低減され、続いて、焙煎時のアクリルアミド形成が低減される。この方法は未焙煎コーヒー豆の酵素処理を利用する。しかしながら、この方法は典型的には、最終コーヒー製品の全体的なアロマ及びフレーバーのプロファイルに悪影響を及ぼし得る「オフフレーバー」を生じる。更に、固定されていない酵素は、最終コーヒー製品において不注意(inadvertently)に容認できないほど保持され得る。
より最近では、アクリルアミドは、焙煎豆から得られたコーヒー抽出物から直接除去することができることが示されている。欧州特許第3254568号は、液体コーヒー抽出物又は可溶性コーヒー中のアクリルアミドを低減するための吸着性樹脂の使用を記載している。この方法では、液体コーヒー抽出物をカチオン性吸着樹脂の床上に流すことで、アクリルアミド含有量の低減を達成する。この方法は未焙煎豆での酵素活性に関連する問題のいくつかを回避する。しかしながら、特定のアロマ及びフレーバーのプロファイルを有するコーヒーの生産は正確かつ複雑なプロセスであり、任意の処理工程の追加は、最終コーヒー製品の特性に悪影響を及ぼし得る。したがって、吸着性樹脂で液体抽出物を処理することによって、抽出物中に存在するアロマ成分が変化する可能性があり、結果として、最終コーヒー製品の味に悪影響を及ぼす可能性がある。
欧州特許第0363529号明細書 国際公開第2013/005145号 国際公開第2017/004715号 米国特許第7220440号明細書 欧州特許第3254568号明細書
したがって、液体コーヒー濃縮物若しくは可溶性コーヒーを製造するための改善されたプロセスを提供すること、改善良されたコーヒー製品を提供すること、及び/又は先行技術に関連する問題の少なくともいくつかに取り組むこと、又はそれらの少なくとも商業的に利用可能な代替物を提供することが望ましい。したがって、本発明の目的は、先行技術と比較して、最終コーヒー製品のアロマ及びフレーバーのプロファイルに対する影響が低い、低減されたアクリルアミド含有量を有する、液体コーヒー濃縮物又は可溶性コーヒーを生産するプロセスを提供することである。
本発明者らは、抽出プロセスの様々な段階でアクリルアミド低減を行うことができることを特定した。特に、本発明者らは、有意なアクリルアミド含有量を有するものの重要なことにアロマ成分が少ないコーヒー抽出物に対し、アクリルアミドの低減を行うことによって、アロマ及びフレーバーの損失を低減することができることを見出した。このプロセスは、揮発性フレーバー成分が保存されるように、アロマ回収プロセスによって焙煎粉砕コーヒーから高アロマ抽出物を得ることを伴う。次いで、予め抽出された焙煎粉砕コーヒーに抽出を行って、低アロマの水性コーヒー抽出物を生産する。アクリルアミドの低減はこの低アロマ抽出物のみで行われる。結果として、アクリルアミド低減工程は、先行技術と比較して、全抽出物の全体的なアロマ及びフレーバーのプロファイルに対する影響が低い。処理後に、低アロマコーヒー抽出物は、高アロマ抽出物中に保存されたアロマ及びフレーバー成分と組み合わされて、液体コーヒー濃縮物を生成し得る。
本発明は、以下の考察から明らかになるように、従来技術の方法に勝る多数の利点を有する。本プロセスの利点の1つは、得られるコーヒー濃縮物のアクリルアミド量が低減されており、更に最終製品のアロマ及びフレーバープロファイルへの影響が先行技術で観察されている影響よりも低いことである。特に、低アロマ抽出物のみをアクリルアミド低減工程に供することによって、全抽出物のある割合のみが処理され、したがって最終コーヒー製品の特性への干渉は少ない。更に、アクリルアミド低減工程を実施する前にアロマ成分を回収することによって、望ましいアロマ化合物の大部分が保存され、したがって、先行技術と比較して得られるコーヒー製品の品質に対する影響を低くしてアクリルアミドを除去することができる。
第1の態様では、本発明は、液体コーヒー濃縮物を生産するためのプロセスを提供し、本プロセスは、以下の工程:
(a)第1のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を用意する工程と、
(b)高アロマの水性コーヒー抽出物を用意する工程と、
(c)低アロマの水性コーヒー抽出物を選択的透過膜と接触させて、第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を用意する工程と、
(d)第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物と、高アロマの水性コーヒー抽出物とを組み合わせて、液体コーヒー濃縮物を用意する工程と、を含み、
ここで、第2のアクリルアミド含有量は、第1のアクリルアミド含有量よりも低い。
「液体コーヒー濃縮物」とは、従来の固形物量のコーヒー飲料を得るための希釈に好適な可溶性コーヒー固形物を含む、濃縮液を意味する。液体コーヒー濃縮物は、コーヒー飲料を得るために自動販売機で希釈する、いわゆるバッグ・イン・ボックス製品として販売されることが多い。液体コーヒー濃縮物は、6~80重量%のコーヒー固形物、好ましくは10~65重量%、より多くは15~50重量%のコーヒー固形物を含む。
「水性コーヒー抽出物」とは、可溶性コーヒー化合物を含む溶液である。これらは焙煎粉砕コーヒー豆を、水、典型的には温水、又は蒸気と接触させることによって得られる。抽出に使用される温度及び圧力に応じて、焙煎粉砕コーヒーから得られた可溶性コーヒー化合物の収量は変動する。高温により、高収率で、焙煎粉砕コーヒー中の複合炭水化物が可溶性成分へと加水分解される。商業生産としては明らかに高収率が望ましいものの、高収率はまた、望ましくないフレーバーの生成及びアクリルアミドの抽出をもたらす。
「低アロマの水性コーヒー抽出物」とは、抽出物中に存在する化学成分に基づいて特徴付けられ得る。例えば、低アロマの水性コーヒー抽出物は、30:1未満の2,3ブタンジオンとエチルグアイアコールとの比率を有するものと見なされ得る。この抽出物は、多くの場合、二次抽出物と称される。同様に、高アロマの水性コーヒー抽出物は、30:1を超える2,3ブタンジオンとエチルグアイアコールとの比率に基づいて特徴付けられ得る。好ましくは、低アロマ抽出物中の2,3ブタンジオンとエチルグアイアコールとの比率は、高アロマ抽出物の最大半分(例えば、高アロマ抽出物における40:1と比較して、低アロマ抽出物の20:1)、より好ましくは最大1/3、より好ましくは1/4である。
好ましくは、第1のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物は、脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーの水性抽出によって得られる。「脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒー」とは、当該焙煎粉砕コーヒーが、それ以前に100~170℃、好ましくは120~150℃の温度における水中での抽出など、少なくとも1回の一次抽出工程に供されていることを意味する。あるいは、又は追加的に、脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーは、焙煎粉砕コーヒーを蒸気と接触させることを伴うプロセスなどの、アロマ回収プロセスに焙煎粉砕コーヒーを供することによって得ることができる。そのようなアロマ回収プロセスにより、蒸気から高アロマの水性コーヒー抽出物が得られる。アロマ回収プロセスでは、脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーもまた生産される。
好ましくは、第1のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物は、脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーの水性抽出によって得られ、これによって、水性抽出は、140~230℃、好ましくは160~200℃、好ましくは160~195℃の温度で行われる。コーヒーが既に一次抽出工程に供されている場合、これは二次コーヒー抽出物と見なされるであろう。そのような温度での滞留時間は、典型的には1分~30分である。得られた脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーは「使用済みコーヒー」と称されることが多い。
より好ましい実施形態では、水性抽出は、低アロマの水性三次コーヒー抽出物を提供する使用済みコーヒーを用いて、200℃超、好ましくは200~260℃、好ましくは210~230℃の温度で行われる。すなわち、この抽出は二次抽出工程から得られる使用済みコーヒーに対して行われるため、これは三次抽出物と見なされるであろう。理解されるように、一次工程、二次工程、及び三次工程の各々は、より厳しい(harsher)抽出条件を伴う。ある特定の実施形態では、水性抽出は、220℃~240℃の温度で行われる。ある特定の実施形態では、水性抽出は、221℃超の温度で行われる。そのような温度での滞留時間は、典型的には1分~15分である。そのような高温は、望ましくないオフフレーバー及びアクリルアミド含有量の高収率での生産に関連している。
誤解を避けるためであるが、一次コーヒー抽出物とは、それまでに抽出されていない(又はアロマ回収工程のみに供された)焙煎コーヒー豆の水性抽出によって得られる。二次コーヒー抽出物とは、それ以前に温水で抽出されている焙煎コーヒー豆の水性抽出によって得られる。三次コーヒー抽出物とは、それ以前に温水で2回抽出されている焙煎コーヒー豆の水性抽出によって得られる。抽出条件(すなわち、温度)は、典型的には、一次、二次、及び三次抽出工程の各々に伴って上昇する。
低アロマの水性コーヒーは、典型的には、二次若しくは三次抽出物、又はこれらの2つの組合せである。一実施形態では、第1のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物は、二次及び三次コーヒー抽出物の混合物である。
好ましくは、低アロマの水性コーヒー抽出物を選択的透過膜と接触させることは、逆浸透又はナノ濾過によって選択的透過膜を通じて低アロマの水性コーヒー抽出物を濾過することを含む。これにより、抽出物中の可溶性コーヒー固形物を処理するための高表面積が確保される。
好ましくは、選択的透過膜は、アクリルアミドに対して選択的である。好ましくは、選択的透過膜は、0.1~10nmの孔径を有する。好ましくは、選択的透過膜は、200Da、好ましくは100Daの分子量カットオフを有する。好ましくは、濾過の最中に最大3000kPa又は最大4000kPaの圧力が膜に対し適用される。
ある特定の実施形態では、第2のアクリルアミド含有量は、第1のアクリルアミド含有量よりも、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%低い。
ある特定の実施形態では、低アロマ水性二次コーヒー抽出物及び低アロマ水性三次コーヒー抽出物の両方は、本発明の第1の態様に従って処理され、逆浸透又はナノ濾過によって選択的透過膜を通じて抽出物を濾過し得る。
ある特定の実施形態では、低アロマの水性二次コーヒー抽出物のみ、又はあるいは低アロマの水性三次コーヒー抽出物のみが、本発明の第1の態様に従って処理され、抽出物は、逆浸透又はナノ濾過によって選択的透過膜を通じて濾過され得る。
第2の態様では、本発明は、第1の態様に記載のプロセスに従って得ることができる液体コーヒー濃縮物又は可溶性コーヒー製品を提供する。この生成物は、低レベルのアクリルアミドと連動した、より強力に加工されたコーヒー抽出物(すなわち、より高収率)の抽出プロファイルを有することを特徴とする。
好ましくは、本プロセスは、第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を濃縮する工程を更に含む。低固形物含有量は豆からのより高い抽出収率に関連し得るが、得られる有用な製品にはより高い固形分が必要である。
あるいは、本プロセスは乾燥させることによって可溶性コーヒー製品を生産する工程を更に含む。
好ましくは、本プロセスは、使用済み樹脂を再生することを更に含む。これにより本プロセスを連続して行うことができる。
ある特定の実施形態では、液体コーヒー濃縮物又は可溶性コーヒー製品は、2%~50重量%低減というアクリルアミド量の低減を有する。アクリルアミド量は、エレクトロスプレーイオン化(LC-ESI-MS/MS)を用いた検出方法として、質量分析(MS)を伴う液体クロマトグラフィー法(LC)によって測定することができ、関連抽出物の乾燥重量に基づいて測定される。
コーヒー製品は、未処理の一次抽出物を、処理された二次抽出物及び/又は三次抽出物と組み合わせることによって、好ましくは製造される。製品中の処理された抽出物と未処理抽出物の比率は、観察されるアクリルアミド量の低減に影響する。処理されたものの割合が高くなるほど、アクリルアミド含有量は低い。しかしながら、処理されたものの割合が大きくなるほど、製品の元々のフレーバーとの相違は大きくなる。
第3の態様では、本発明は、低アロマの水性コーヒー抽出物のアクリルアミド含有量を低減するための、選択的透過膜の使用を提供し、ここで、選択的透過膜は、アクリルアミドに対して選択的である。
本発明を、ここで更に説明する。以下の節において、本発明の異なる態様がより詳細に定義される。このように定義されている各態様は、反対のことが明示されていない限り、他の態様(単数又は複数)と組み合わされてもよい。特に、好ましい又は有利であることが示されているいずれの特徴も、好ましい又は有利であることが示されている他の特徴(単数又は複数)と組み合わされてもよい。
A.液体コーヒー濃縮物の生産プロセス
本発明は、低アロマの水性コーヒー抽出物に対してアクリルアミド低減工程を実施することが特に有利であるという発見に基づく。この抽出物は、典型的には、それ以前に少なくともアロマ回収プロセス及び一次抽出プロセスに供されている焙煎粉砕コーヒー豆から得られる。低アロマの水性コーヒー抽出物はこの脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーから得ることができる。続いて、抽出物からアクリルアミドを除去するために、低アロマの水性コーヒー抽出物を、選択的透過膜を通じて濾過する。本明細書の他の箇所で説明されるように、選択的透過膜は、分子及び/又はイオンの選択的濾過を可能にする微多孔性物理構造を有する。アクリルアミドに対して選択的である選択的透過膜を使用して、水性コーヒー抽出物からアクリルアミドを選択的に抽出することができる。
本発明の第1の態様に従って、液体コーヒー濃縮物を生産するためのプロセスが提供される。本プロセスは、以下の工程:
(a)第1のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を用意する工程と、
(b)高アロマの水性コーヒー抽出物を用意する工程と、
(c)低アロマの水性コーヒー抽出物を選択的透過膜と接触させて、第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を用意する工程と、
(d)第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物と、高アロマの水性コーヒー抽出物とを組み合わせて、液体コーヒー濃縮物を用意する工程と、を含み、
ここで、第2のアクリルアミド含有量は、第1のアクリルアミド含有量よりも低い。
本プロセスはいくつかの工程を含む。いくつかのこれらの工程は、連続的に実施されなければならないことは明らかであるが、これらの工程は、連続プロセス、バッチ式、又はその2つの組合せの一部として実施され得ることも理解されたい。
i.焙煎粉砕コーヒー
プロセスの工程(工程a)に従って、第1のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物が用意される。方法の更なる工程(工程b)に従って、高アロマの水性コーヒー抽出物もまた用意される。コーヒー抽出物は、当該技術分野において充分に確立された技術を用いて焙煎粉砕されたコーヒー生豆から得てもよい。コーヒー生豆は、複数の異なる種類のコーヒー豆の混合物であり得る。例えば、コーヒー生豆は、アラビカコーヒーとロブスタコーヒーとの混合物であり得る。焙煎コーヒー豆を粉砕するプロセスには、粉砕コーヒー豆の可能な限り大きな表面積を得ることと、抽出セル全体にわたって可能な限り低い圧力降下を得ることとの間の妥協点を求めることが必要となる。典型的には、粉砕コーヒー豆は最大2.0ミリメートルの平均サイズを有する。
ii.アロマ回収プロセス
コーヒーアロマをより良好に保存するために、本発明のアクリルアミド低減工程(工程c)は、低アロマの水性コーヒー抽出物に対して行われる。この工程は、濾過プロセス中に望ましいアロマが失われるのを回避し、処理を受ける抽出物の体積を低減しもする。
第1のアクリルアミド含有量を有するこの低アロマの水性コーヒー抽出物は、焙煎粉砕コーヒーをアロマ回収プロセス及び任意選択で一次抽出へと供し、残りの脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーに対し抽出工程を実施することによって得られる。アロマ回収プロセスは、後で使用するために保存することができる高アロマの水性コーヒー抽出物、及び抽出に使用することができる脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーの両方を用意する。したがって、脱アロマ後及び/又は使用済みの焙煎粉砕コーヒーに対して実施される抽出プロセスの開始前に、焙煎粉砕コーヒーに対しアロマ回収が行われることで、最も揮発性があり望ましいアロマが回収される。得られたアロマ富化蒸気は冷却条件下で凝縮され、保存されて、処理された低アロマの水性抽出物と後で組み合わされる。したがって、液体コーヒー濃縮物を生産するプロセスは、焙煎粉砕コーヒーをアロマ回収プロセスに供して、以下:(i)高アロマの水性コーヒー抽出物と、(ii)脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーと、を得ることを含む。
アロマ回収の例としては、蒸気ストリッピング、又は超臨界CO抽出が挙げられる。好ましくは、アロマ回収プロセスは、焙煎粉砕コーヒーを蒸気と接触させて、コーヒーからアロマをストリッピングし、続いて高アロマの水性コーヒー抽出物として蒸気からアロマを回収することを伴う。好ましくは、アロマ回収工程は、真空下で行われる。ある特定の実施形態では、アロマ回収プロセスは、焙煎粉砕コーヒーを蒸気と接触させ、蒸気から高アロマの水性コーヒー抽出物を回収することを伴う。
当業者に知られているように、高アロマのコーヒー抽出物は、半揮発性フレーバー化合物と比較して比較的多量の揮発性フレーバー化合物を有することにより、低アロマコーヒー抽出物と区別される。そのような化合物は、例えば、Clarke R.J.及びVitzthum O.G.(「Coffee Recent Developments」、2001年、ISBN 0-632-05553-7、第71頁、表3.3)から知られている。この表から、一方では、プロパナール、メチルプロパナール、及び2,3ブタンジオンは、測定可能な揮発性フレーバー化合物であることが明らかである。もう一方では、ピラジン化合物及びグアイアコール化合物は、半揮発性フレーバー化合物である。揮発性コーヒーフレーバー化合物の例として2,3-ブタンジオン、及び半揮発性コーヒーフレーバー化合物の例としてエチルグアイアコール(4-エチル2-メトキシフェノール)を考えると、これらの化合物が、特定のコーヒー抽出物中において30超の2,3-ブタンジオン対エチルグアイアコールの重量/重量比である場合、その抽出物は、高アロマコーヒー抽出物として説明することができる。その結果、低アロマコーヒー抽出物は、30未満の2,3-ブタンジオン対エチルグアイアコールの重量/重量比を有する。
iii.抽出物
低アロマの水性コーヒー抽出物は、任意の既知の抽出技術によって得てもよい。例えば、水性抽出物が、コーヒーの向流パーコレーター抽出によって調製されてもよい。低アロマの水性コーヒー抽出物は、脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーの水性抽出によって得てもよい。
例えば、ある特定の実施形態では、脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーは、1回以上の水性抽出工程に供されることで、1つ以上の水性コーヒー抽出物を生産する。脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーは、複数の抽出工程に供されることで、複数の抽出物を生産し得る。脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーは、100℃を超える温度で水性抽出に供されてもよい。好ましくは、脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーは、140℃を超える温度で水性抽出に供されてもよい。そのような温度での滞留時間は、典型的には1分~30分である。より好ましい実施形態では、水性抽出は、200℃超、好ましくは200~260℃の温度で行われる。ある特定の実施形態では、水性抽出は、220℃~240℃の温度で行われる。ある特定の実施形態では、水性抽出は、221℃超の温度で行われる。そのような温度での滞留時間は、典型的には、1分~15分、好ましくは3分~13分、より好ましくは3分~8分である。好ましくは、脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーの抽出は、少なくとも第1のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を提供する。低アロマの水性コーヒー抽出物は、好ましくは、本明細書に記載されるような二次及び/又は三次コーヒー抽出物である。第1のアクリルアミド含有量を有するこの低アロマの水性コーヒー抽出物は、アクリルアミド低減工程(工程c)に供されるものである。
抽出プロセス中に採用される高温により、特に200℃を超える三次抽出物を提供することによって、反応器内の圧力は変動し得る。したがって、ある特定の実施形態では、水性抽出は、約5~20気圧、好ましくは17~約14気圧の圧力で行われる。高温は、コーヒーの全体的なフレーバー及びアロマ特性に悪影響を及ぼし得るため、優れた信頼性を有する所定の期間内に反応時間を調節することが望ましい。
脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーを、170℃未満の温度で初回水性抽出(一次抽出)に供することで、一次アロマ富化抽出物を得ることができる。好ましくは、初回水性抽出は、100~170℃、より好ましくは140℃~170℃の温度で行われる。この初回抽出工程は、回収された高アロマの水性コーヒー抽出物と一緒に保存することができる、更なる水性コーヒー抽出物を生産する。個々の抽出物を組み合わせる前に、低アロマの水性コーヒー抽出物に対してアクリルアミド低減工程(工程c)を実施する一方で、アロマ富化抽出物を保存することができる。ある特定の実施形態では、初回抽出工程は、高アロマの水性コーヒー抽出物と、第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物とを組み合わせることができる、更なる水性コーヒー抽出物を生産する。
好ましい実施形態では、水性抽出は、好ましくは分割抽出として行われる。分割抽出のプロセスは周知である。この点に関する参考文献は国際公開第2007/043873号である。分割抽出方法では、焙煎粉砕コーヒーを水による一次抽出に供し、それによって一次アロマ富化抽出物を、最大2.5、好ましくは最大2.0、より好ましくは最大1.5、最も好ましくは最大1.0のドローオフ係数(draw-off factor)で得る。その後、任意選択で、第2の一次抽出物を得る。好ましくは、水対コーヒー比は、5.0~15である。より好ましくは、水対コーヒー比は10未満であり、最も好ましくは、水対コーヒー比は6.5~8.5である。
「ドローオフ(draw-off)係数」という用語は、一次抽出セルにおける、抽出物の質量と乾燥焙煎粉砕コーヒーの質量との比率を意味すると理解される。実際には、このドローオフ係数は、一方では第1の一次抽出物における充分な程度のコーヒーアロマ回収量と、他方では第1の一次抽出物の可能な限り少ない量との間で妥協することによって決定される。その物質のドローオフ係数は、焙煎コーヒーの粗度又は粉砕の程度、抽出セル、並びに特に、直列に配置されたパーコレーターの数、水対コーヒー比、サイクル時間、給水温度、及び最終製品の望ましい濃度などに応じて異なる。
分割抽出の実施形態では、第2の一次抽出物が一次抽出セルから回収され、この更なる抽出はまた、第1の一次抽出物のドローオフ及び保存後に一次抽出セル内で行われる。
次いで、一次抽出した焙煎粉砕コーヒーは、以降の抽出物が得られる(低アロマ水性コーヒー抽出物)更なる抽出セクションに供給される。任意選択的に、第2の一次抽出物をこの後続の抽出物に添加してもよい。任意選択的に、一次抽出した焙煎粉砕コーヒーを、それ以降の複数回の抽出工程に供することで、複数の後続の抽出物を生産してもよい。
一次及び後続の抽出は、一般的な抽出セルで実行することができる。好ましい実施形態では、一次抽出及び後続の抽出(複数可)の両方が、1つのパーコレーター又は直列に配置された複数のパーコレーターで実行される。特に、後続の抽出(複数可)は、少なくとも2個、好ましくは少なくとも4個の直列に接続されたパーコレーターで有利に実行される。原則として、一次抽出セクションで使用されるパーコレーターの数は少なくとも0.5個であり、これは、サイクル時間の50%において、パーコレーターが一次抽出セクションに接続されることを意味する。好ましくは、少なくとも1個又は2個のパーコレーターが一次抽出セクションに接続されている。
脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーが複数の抽出工程に供される実施形態では、工程(a)及び工程(b)で用意されるコーヒー抽出物は、それぞれ、複数の抽出物を、低アロマの水性コーヒー抽出物及び更なる高アロマの水性コーヒー抽出物へと分離することによって得てもよい。
iv.低アロマの水性コーヒー抽出物
第1のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物は、未希釈の又は未濃縮の抽出物である。抽出物は、概して、15重量%以下、好ましくは2~10重量%の乾燥物質固形分含有量を有する。好ましくは、アクリルアミド低減工程(工程c)が抽出物に対して行われ、不充分な希釈又は不充分な濃度に起因する抽出物の小さな変化は、本発明の実施から逸脱するものではないことが理解されよう。
最も好ましくは、アクリルアミド低減工程(工程c)に供される低アロマの水性コーヒー抽出物は、アロマ成分が低い抽出物であり、かなりのアクリルアミド含有量を示す。好ましくは、低アロマの水性コーヒー抽出物は、抽出プロセスで得られる他の抽出物のアクリルアミド含有量と比較して、高アクリルアミド含有量を有する。好ましくは、第1のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物は、抽出プロセスで得られる全ての抽出物中に存在するアクリルアミドの総量の10%を超える。好ましくは、第1のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物は、抽出プロセスで得られる全ての抽出物中に存在するアクリルアミドの総量の20%を超える。
v.アクリルアミド低減
本発明によれば、低アロマの水性コーヒー抽出物を、選択的透過膜と接触させる。低アロマの水性コーヒー抽出物を、選択的透過膜と接触させることで、第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を用意する。低アロマの水性コーヒー抽出物を選択的透過膜と接触させることは、逆浸透又はナノ濾過によって選択的透過膜を通じて低アロマの水性コーヒー抽出物を濾過することを含む。
本発明で使用され得る選択的透過膜は、サイズ排除の原理下において動作し、ここで、化合物の混合物は、分子サイズによって分離されてもよい。特定の細孔径及び分子量カットオフ(molecular weight cut-off:MWCO)によって区別される異なる種類の選択的透過膜が存在する。分子量カットオフは、膜の細孔径分布及び保持能力を説明するために濾過において使用され、既知の分子量を有する溶質の90%超が膜によって保持される、最低分子量(ダルトン)として定義される。除去する分子に好適な膜が選択される。膜の分子量カットオフに応じて、カットオフ値よりも低い分子量の分子は、膜を通過して透過物を形成することになる。分子量カットオフ値より高い分子量の分子は、膜によって保持されることで、保持液(retentate)を形成する。
逆浸透及びナノ濾過は、溶解した固形分を除去するために、液体流に圧力を適用して選択膜を通過させる膜濾過技術である。逆浸透は全ての膜濾過システムのうち最も微細なものであり、0.1nm程度の小さな粒子を除去することができる極めて小さな細孔を有する。逆浸透膜は100ダルトンの分子量カットオフを有し得る。ナノ濾過は、逆浸透よりわずかに粗い濾過を提供し、1nm程度の小さな粒子を除去する能力を有する。ナノ濾過膜は200ダルトンの分子量カットオフを有し得る。ある特定の実施形態では、選択的透過膜は、0.1~10nmの孔径を有する。ある特定の実施形態では、選択的透過膜は、200Daの分子量カットオフを有する。ある特定の実施形態では、選択的透過膜は、100Daの分子量カットオフを有する。
本発明で使用するための選択的透過膜は、アクリルアミドに対して選択的である。アクリルアミドは、選択的透過膜を通じて低アロマの水性コーヒー抽出物を濾過することによって分離することができる。その小さいサイズ及び高い可溶性のために、アクリルアミドは、膜を通して透過することができる。水性コーヒー抽出物からのアクリルアミドの分離に好適であるものであるならば任意の選択的透過膜を本発明で使用してもよいことが理解される。アクリルアミド分子は71.08g/molの分子量を有する。この分子量値は低アロマの水性コーヒー抽出物中の可溶性固形分の値よりもはるかに小さく、したがって、アクリルアミド分子は、分離した水と共に選択的透過膜を通過するが、一方で可溶性コーヒー固形物を含む残りの抽出物は、膜によって保持され、収集され得る。
本発明における使用に好適な膜は、セラミック材料又はポリマー材料により製造してもよく、渦巻形、中空繊維、又はチューブ型を含む、異なる形状を有する。ある特定の実施形態では、選択的透過膜は、有機材料又は無機材料である。好適な膜サイズは、生産プロセスのスケールに応じてさまざまであろう。例としては、SR3D(商標)Membrane(Koch Membrane Systems)が挙げられる。膜材料はTFC(登録商標)ポリアミドであってもよい。
本発明のプロセスは、他の望ましくない成分の分離にもまた好適であり得るという、追加の利点を有する。例えば、ある特定の実施形態では、選択的透過膜は、有機酸に対して選択的である。焙煎及び抽出などの上流プロセスの結果として、有機酸が形成される。これらの有機酸のいくつかが更に合成されることで、液体コーヒー濃縮物の化学的酸性化が引き起こされ、ひいては保存可能期間が減少する。低アロマコーヒー抽出物中に存在し、この方法で分離することができる有機酸の例としては、酢酸、ギ酸、乳酸、及びグリコール酸が挙げられる。したがって、選択的透過膜を通じて濾過することによって有機酸を除去することが望ましい場合がある。しかしながら、これらの化学種の任意の有意な除去は、コーヒーの味プロファイルに著しい影響を与えると予想されよう。したがって、ある特定の実施形態では、低アロマの水性コーヒー抽出物を選択的透過膜と接触させることで、低アロマの水性コーヒー抽出物から有機酸を低減又は除去する。
逆浸透及びナノ濾過はかなり効率的な精製技術である一方で、どちらも水がそれらの膜を通って移動するためのエネルギーを必要とする。これは、それらの微細孔が膜の保持液側に高濃度の塩及びその他の化合物をもたらすことから、水が膜を通って流れにくくなるこの浸透圧を水に乗り越えさせるために充分な圧力を加えなければならないからである。ある特定の実施形態では、濾過の最中に最大3000kPa又は最大4000kPaの圧力が膜に対し適用される。
ある特定の実施形態では、濾過工程はクロスフロー濾過を用いて実施され、この場合、流体流は膜の表面に対して接線方向である。他の実施形態では、濾過工程はデッドエンド濾過を用いて実行され、この場合、流体流は膜の表面に対して垂直方向である。濾過工程は、当業者に知られている任意の他の膜分画技術を用いて実施されてもよい。
選択的透過膜を通じて低アロマの水性コーヒー抽出物を濾過する工程は、2つの目的を提供することが理解される。濾過工程は、本明細書の他の箇所で説明されるように、アクリルアミド及び/又は有機酸などの重要な成分を分離するために使用することができる。更に、濾過工程を使用して、低アロマ水性抽出物を濃縮することができる。したがって、ある特定の実施形態では、低アロマの水性コーヒー抽出物を選択的透過膜と接触させることが、同時に、コーヒー抽出物を濃縮する。あるいは、濾過工程後に追加の濃縮工程を実施する必要があり得る。他の実施形態では、本プロセスは、第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を濃縮する工程を更に含む。第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物は、当該技術分野で既知の任意の濃縮プロセスによって更に濃縮されてもよい。例えば、抽出物は、蒸発によって、凍結濃縮によって、又は逆浸透などの更なる濾過技術によって、更に濃縮されてもよい。
本発明によれば、第1のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を選択的透過膜と接触させる工程(工程c)は、第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を生産する。第2のアクリルアミド含有量を有するこの低アロマ水性抽出物は、膜の保持液側に形成される。重要なことに、本発明によれば、第2のアクリルアミド含有量は、第1のアクリルアミド含有量よりも低い。言い換えれば、低アロマの水性抽出物中のアクリルアミドの量は、選択的透過膜と接触した後に低減される。ある特定の実施形態では、第2のアクリルアミド含有量は、第1のアクリルアミド含有量よりも、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%低い。膜と接触した後の低アロマの水性コーヒー抽出物(すなわち、膜の保持液側に形成された低アロマの水性コーヒー抽出物)のアクリルアミド含有量は、膜と接触する前の低アロマの水性コーヒー抽出物のアクリルアミド含有量よりも低い。特に好ましい実施形態では、選択的透過膜と接触した後、低アロマの水性コーヒー抽出物中にはアクリルアミドは一切存在しない。したがって、ある特定の実施形態では、第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物は、いかなるアクリルアミドも含まない。
ある特定の実施形態では、第1のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物は、第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を用意するために、選択的透過膜と接触させられ、ここで、第2のアクリルアミド含有量は、第1のアクリルアミド含有量よりも、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%低い。ある特定の実施形態では、第1のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物は、第1のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物よりも、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%低い第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を生産するのに充分な時間、選択的透過膜と接触させられる。
本プロセスは、選択的透過膜を通じて低アロマの水性コーヒー抽出物を濾過することを含む。濾過プロセスの効率を改善するため、保持液は再利用され、濾過プロセスへと複数回供されてもよい。ある特定の実施形態では、選択的透過膜を通じて低アロマの水性コーヒー抽出物を濾過する工程は、少なくとも更に1回繰り返される。ある特定の実施形態では、選択的透過膜を通じて低アロマの水性コーヒー抽出物を濾過する工程は、複数回繰り返される。他の実施形態では、本プロセスは、第1のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物よりも、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%低い第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を生産するのに充分な回数、選択的透過膜を通じて低アロマの水性コーヒー抽出物を濾過することを必要とする。
少なくとも50v/v%、より好ましくは75v/v%、最も好ましくは100%の低アロマの水性コーヒー抽出物を、選択的透過膜と接触させる。
vi.濃縮及び組合せ
プロセスの更なる工程(工程d)に従って、第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物と、高アロマの水性コーヒー抽出物とを組み合わせて、液体コーヒー濃縮物を用意する。2つのコーヒー抽出物は、概して、単純な混合によって組み合わされる。
本明細書の他の場所で言及されるように、初回水性抽出工程を170℃未満の温度で実施して、アロマを含む水性コーヒー抽出物を更に得る実施形態において、更なる水性コーヒー抽出物は、高アロマの水性コーヒー抽出物、及び第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物と組み合わせられてもよい。
本明細書の他の場所で言及されるように、脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーが複数の抽出工程に供され、複数の抽出物が低アロマの水性コーヒー抽出物及び更なる高アロマの水性コーヒー抽出物へと分離される実施形態では、更なる高アロマの水性コーヒー抽出物(複数可)は、工程(b)の高アロマの水性コーヒー抽出物、及び第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物と組み合わされてもよい。
ある特定の実施形態では、本プロセスは、組合せ工程の前に、第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を濃縮する工程を更に含む。言い換えれば、本プロセスは、第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を濃縮する更なる工程を工程(c)と工程(d)との間に含んでもよい。このような抽出物は、可溶性コーヒー固形物の望ましいレベルを達成するために濃縮する必要があり得る。例えば、2~20重量%の可溶性コーヒー固形物を含有する抽出物は、次いで、例としては蒸発によって、凍結濃縮によって、又は濾過によって、30~55%の固形物の濃度に達するまで、濃縮される。好ましい濃縮物は、6~80重量%のコーヒー固形物、好ましくは10~65重量%、より好ましくは15~50重量%のコーヒー固形物を含む。
濃縮物は、水分蒸発などの実質的な水除去工程を受けたことによって、抽出物と区別される。蒸発、凍結濃縮、及び濾過などの濃縮の方法は、当業者に周知である。好ましくは、第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を濃縮する工程は、蒸発器ユニット内で行われる。
次いで、回収された高アロマの水性コーヒー抽出物を、第2のアクリルアミド含有量を有する濃縮された低アロマの水性コーヒー抽出物と組み合わせて、液体コーヒー濃縮物を形成することができる。これにより、固形分濃度を損なうことなく抽出物のフレーバーが改善される。更に、濃縮された抽出物を高アロマ抽出物と組み合わせる前に低アロマ抽出物を濃縮することで、そうしなければ濃縮工程中に失われ得る高アロマ抽出物中のアロマを保存することが有利である。
したがって、一実施形態では、液体コーヒー濃縮物を生産するためのプロセスが提供され、本プロセスは、以下の工程:
(a)第1のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を用意する工程と、
(b)高アロマの水性コーヒー抽出物を用意する工程と、
(c)低アロマの水性コーヒー抽出物を選択的透過膜と接触させて、第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を用意する工程と、
(d)第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を濃縮する工程と、
(e)第2のアクリルアミド含有量を有する濃縮された低アロマの水性コーヒー抽出物と、高アロマの水性コーヒー抽出物とを組み合わせて、液体コーヒー濃縮物を用意する工程と、を含み、
ここで、第2のアクリルアミド含有量は、第1のアクリルアミド含有量よりも低い。
低アロマの水性コーヒー抽出物の部分(例えば、少なくとも50%)がアクリルアミド低減工程(工程c)に供された場合、未処理の低アロマの水性コーヒー抽出物は、処理された低アロマの水性コーヒー抽出物、すなわち濃縮前のものと、又は処理及び濃縮された低アロマの水性コーヒー抽出物、すなわち濃縮後のものと組み合わされてもよい。
本明細書の他の場所で言及されるように、アロマ回収プロセスから得られた高アロマの水性コーヒー抽出物は、後で使用するために保存されてもよい。好ましくは、高アロマの水性コーヒー抽出物を冷却し、25℃未満、より好ましくは10℃未満、最も好ましくは0℃未満の温度で保存する。保存後、高アロマの水性コーヒー抽出物は、更なる加工はせずに直接、第2のアクリルアミド含有量を有する濃縮された低アロマの水性コーヒー抽出物に添加されてもよい。高アロマの水性コーヒー抽出物は、第2のアクリルアミド含有量を有する濃縮された低アロマの水性コーヒー抽出物と合わせる前に、可能な限り短時間で保存し、好ましくは窒素などの不活性ガス雰囲気で冷却することが好ましい。これらの工程によって、アロマの損失及びアロマ分解は可能な限り限定される。
vii.乾燥
本発明の更なる実施形態によれば、本プロセスは、乾燥させることによって可溶性コーヒー製品を生産する工程を更に含んでもよい。ある特定の実施形態では、可溶性コーヒー製品は、可溶性粉末である。好ましくは、乾燥工程は、製品の保存されたアロマプロファイルを保持するのに役立つため、凍結乾燥である。好ましくは、粉末製品は、200~3000マイクロメートルの粒径を有する。噴霧乾燥はまた、乾燥方法としても使用することができる。
viii.液体コーヒー濃縮物/可溶性コーヒー製品
更なる態様では、本発明は、本明細書に記載のプロセスに従って得ることができる液体コーヒー濃縮物又は可溶性コーヒー製品を提供する。液体コーヒー濃縮物及び/又は可溶性コーヒー製品は、それらの低減されたアクリルアミド含有量を考慮して、他のコーヒー濃縮物及び可溶性コーヒー製品と区別される。例として、ある特定の実施形態では、本明細書に記載のプロセスに従って得ることができる液体コーヒー濃縮物は、未処理製品の場合と比較して、2~50%のアクリルアミド濃度が低減されている。別の実施形態では、本明細書に記載のプロセスに従って得ることができる可溶性コーヒー製品は、未処理製品の場合と比較して、2~50%未満のアクリルアミドを有する。
C:低アロマの水性コーヒー抽出物のアクリルアミド含有量を低減させるための選択的透過膜の使用
本発明の別の態様では、低アロマの水性コーヒー抽出物のアクリルアミド含有量を低減させるための選択的透過膜の使用が提供される。ある特定の実施形態では、本発明は、低アロマの水性コーヒー抽出物のアクリルアミド含有量を低減するための選択的透過膜の使用が提供され、ここで、選択的透過膜は、アクリルアミドに対して選択的である。言い換えれば、選択的透過膜は、水性コーヒー抽出物からのアクリルアミドの分離及び/又は抽出のために提供される。
本発明によれば、選択的透過膜は、低アロマの水性コーヒー抽出物のアクリルアミド含有量を低減するために使用される。本明細書の他の箇所で説明されるように、焙煎粉砕コーヒー豆をアロマ回収プロセスに供することで、アロマ成分を保存することが有利である。次いで、低アロマの水性コーヒー抽出物を得ることができ、この低アロマ抽出物に対してアクリルアミド低減を行うことができる。これにより、アクリルアミド低減プロセスは、先行技術と比較して、コーヒー製品の全体的なアロマ及びフレーバープロファイルに対する影響が確実に低くなる。
本明細書で提供される選択的透過膜の使用に関連した更なる利点は、低アロマの水性コーヒー抽出物のみが選択的透過膜と接触する点である。これは、抽出プロセスから得られた水性コーヒー抽出物の全てに対してアクリルアミド低減を実施する従来の方法とは、対照的である。選択的透過膜を抽出物の体積の一部と接触させることによって、全抽出物のうちある割合のみが処理され、したがって最終製品の特性との干渉が少ない。
本発明の第1の態様に関して記載された全ての実施形態は、本発明のこの更なる態様に等しく適用される。
好ましくは、選択的透過膜は、アクリルアミドに対して選択的である。好ましくは、選択的透過膜は、0.1~10nmの孔径を有する。好ましくは、選択的透過膜は、200Da、好ましくは100Daの分子量カットオフを有する。好ましくは、濾過の最中に最大3000kPa又は最大4000kPaの圧力が膜に対し適用される。
好ましい実施形態では、本使用は、低アロマの水性コーヒー抽出物を選択的透過膜と接触させることを含む。具体的な実施形態では、本使用は、逆浸透又はナノ濾過によって、選択的透過膜を通じて低アロマの水性コーヒー抽出物を濾過することを含む。他の実施形態では、本使用は、低アロマの水性コーヒー抽出物のアクリルアミド含有量を低減するのに充分な回数の逆浸透又はナノ濾過によって、選択的透過膜を通じて低アロマの水性コーヒー抽出物を濾過することを含む。ある特定の実施形態では、アクリルアミド含有量は、選択的透過膜と接触する前に、低アロマの水性コーヒー抽出物のアクリルアミド含有量と比較して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%低減される。
選択的透過膜はまた、他の望ましくない成分の吸着及び/又は分離に好適であり得る。例えば、ある特定の実施形態では、選択的透過膜は、有機酸に対して選択的である。ある特定の実施形態では、低アロマの水性コーヒー抽出物を選択的透過膜と接触させることで、低アロマの水性コーヒー抽出物から有機酸を低減又は除去してもよい。好ましい実施形態では、本使用は、低アロマの水性コーヒー抽出物から有機酸を低減又は除去するために、ナノ濾過によって選択的透過膜を通じて低アロマの水性コーヒー抽出物を濾過することを含む。好ましい実施形態では、水性コーヒー濃縮物の有機酸含有量を低減するための選択的透過膜の使用が提供される。
他の実施形態では、低アロマの水性コーヒー抽出物のアクリルアミド含有量及び/又は有機酸含有量を低減し、同時に低アロマの水性コーヒー抽出物を濃縮するための、選択的透過膜の使用が提供される。
次に、本発明を、以下の非限定的な図に関連して更に説明する。
本明細書に記載の方法工程の、例示的なフローチャートを示す。 三次抽出物における処理前及び処理後のアクリルアミド含有量を示す。 二次抽出物及び三次抽出物を組み合わせる処理の前及び後のアクリルアミド含有量を示す。 二次抽出物及び三次抽出物をナノ濾過膜を用いて濾過したときの、重要な有機酸における含有量の低減を示す。
第1の工程は、未加工のコーヒー生豆5の用意を含む。これらは、アラビカ豆若しくはロブスタ豆、又はこれらの混合物などの、任意の好適なコーヒー豆5であり得る。コーヒー豆は、望ましい焙煎豆を得るために、従来の焙煎プロセスを用いる焙煎工程10に供される。
焙煎豆は粉砕工程15に供される。粉砕は、典型的には、その後の抽出工程に応じて最終粒径及び分布が選択されるローラー型又はバール型グラインダを用いて行われる。例えば、パーコレーション抽出システムは約2マイクロメートルの平均粒径に依拠する傾向があるが、スラリーベースの加工システムは、約300マイクロメートルまでなど、より微細な粒子を好む場合がある。
次いで、焙煎粉砕コーヒーは、例えば蒸気を焙煎粉砕コーヒーに通すことを伴う、アロマ回収工程20に供される。蒸気を回収し、凝縮して、高アロマ抽出物25を用意する。高アロマ抽出物25は、以下で記載されるようにその後の使用のために確保される、又は工程の全てが並行して行われる連続プロセスで直接使用され得る。アロマ回収工程に供された焙煎粉砕コーヒーは、本プロセスによって脱アロマ化(dearomatised)される。
次いで、脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーは一次抽出工程30に送られ、ここで、圧力下において焙煎粉砕コーヒーを温水が通過することで、この水は100~170℃の温度になる。これにより、良好なフレーバープロファイル(低収量ではあるが)及び低熱生産マーカを有する、一次抽出物35を生産する。
次いで、焙煎粉砕コーヒーは二次抽出工程40に送られ、ここで、圧力下において焙煎粉砕コーヒーを温水が通過することで、この水は140~230℃の温度になる。これにより、アクリルアミドを含む中程度濃度の熱生産マーカを用いてではあるが、妥当なフレーバープロファイル及び良好な収量を有する二次抽出物45を生産する。
二次抽出工程40の後の焙煎粉砕コーヒー、いわゆる使用済みコーヒーを、三次抽出工程50に送ることができる。これは、典型的には、200~260℃の温度範囲で、二次抽出工程40よりも高温であり、かつ長時間であろう。この工程の後の焙煎粉砕コーヒーは、任意選択で熱エネルギーのために燃焼される廃棄物であろう。この三次抽出工程50からの三次抽出物55は、アクリルアミドの量を示す。
これまでに説明したプロセスは、4つの抽出物(25、35、45、55)を用意している。次いで、低アロマ抽出物であり、かつ必要に応じて二次抽出物45である三次抽出物55を、アクリルアミド低減工程60で選択的透過膜により処理して、製品中のアクリルアミド濃度を低減させる。高アロマ抽出物25及び一次抽出物35は、揮発性フレーバー成分の損失を回避するために、アクリルアミド低減工程60には供されない。
本プロセスは、任意選択的に、濃縮工程65を伴う。これは、抽出物の固形分を増加させるために、抽出物(35、45、55)のいずれかに対して行うことができる。必要に応じて、二次抽出物及び三次抽出物をアクリルアミド低減工程60の前に濃縮して、処理される抽出物の体積を減少させることができる。
このプロセスは混合工程70を伴う。これは、高アロマ抽出物25を、他の抽出物(35、45、55)とブレンドすることを伴う。抽出物は同時に又は順番にブレンドされ得る。混合工程70は、あらゆる(any)任意選択的な濃縮工程65の前又は後に実施することができる。
混合工程70の生成物は、温水で再構成してコーヒー飲料を形成するのに好適な、濃縮液体コーヒー抽出物75である。あるいは、濃縮液体コーヒー抽出物75は、噴霧乾燥又は凍結乾燥などによって乾燥することで、インスタントの可溶性コーヒー粉末80を生産することができる。
ここで、本発明は、以下の非限定的な実施例を参照して更に理解されよう。
実施例1
図2は、2種類の選択的な膜を用いて三次抽出物を濾過した際の、アクリルアミド含有量の低減を示す。両方のタイプの選択的な膜は、三次コーヒー抽出物中のアクリルアミドにおける少なくとも30%の低減を達成する。
実施例2
図3は、二次抽出物及び三次抽出物をナノ濾過膜を用いて濾過した際の、アクリルアミド含有量の低減を示す。少なくとも50%の低減が達成された。
実施例3
図4は、二次抽出物及び三次抽出物をナノ濾過膜を用いて濾過したときの、重要な有機酸の含有量の低減を示す。グリコール酸では46%、酢酸では65%、ギ酸では72%、及び乳酸の場合は80%の低減が達成された。これらの有機酸は全てコーヒーのフレーバー知覚に関連すると考えられる。
線の始点について、上から下に向かって、1番目(最大)は酢酸であり、2番目はギ酸であり、3番目は乳酸であり、4番目(最小)はグリコール酸であることに留意されたい。
本発明は、本明細書に記載の特定の実施形態による範囲内に限定されるものではない。実際に、本明細書に記載されたものに加えて、本発明の様々な修正が、前述の説明及び添付の図面から当業者には明らかになるであろう。そのような修正は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。更に、本明細書に記載された本発明の全ての態様及び実施形態は、必要に応じて本発明の他の態様から取られたもの(単独も含む)を含む、任意の及び全ての他の一貫した実施形態と広範に適用可能であり、組み合わせることができると考えられる。
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が関連する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
様々な刊行物及び特許出願が本明細書に引用されており、その開示は、その全体が参照により組み込まれる。

Claims (20)

  1. 液体コーヒー濃縮物を生産するためのプロセスであって、以下の工程:
    (a)第1のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を用意する工程と、
    (b)高アロマの水性コーヒー抽出物を用意する工程と、
    (c)前記低アロマの水性コーヒー抽出物を選択的透過膜と接触させて、第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物を用意する工程と、
    (d)前記第2のアクリルアミド含有量を有する低アロマの水性コーヒー抽出物と、前記高アロマの水性コーヒー抽出物とを組み合わせて、液体コーヒー濃縮物を用意する工程と、
    を含み、
    ここで、前記第2のアクリルアミド含有量は、前記第1のアクリルアミド含有量よりも低い、液体コーヒー濃縮物を生産するためのプロセス。
  2. 前記プロセスが、焙煎粉砕コーヒーをアロマ回収プロセスに供して、以下:
    (i)前記高アロマの水性コーヒー抽出物と、
    (ii)脱アロマ化した焙煎粉砕コーヒーと、
    を得ることを含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記アロマ回収プロセスが、前記焙煎粉砕コーヒーを蒸気と接触させ、前記蒸気から前記高アロマの水性コーヒー抽出物を得ることを含む、請求項2に記載のプロセス。
  4. 第1のアクリルアミド含有量を有する前記低アロマの水性コーヒー抽出物が、前記脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーの水性抽出によって得られ、ここで、前記水性抽出が、140℃超、好ましくは140~230℃の温度で行われる、請求項2又3に記載のプロセス。
  5. 第1のアクリルアミド含有量を有する前記低アロマの水性コーヒー抽出物が、前記脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーの水性抽出によって得られ、ここで、好ましくは前記水性抽出が、200~260℃の温度で行われる、請求項2~4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 前記脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーの水性抽出により第1のアクリルアミド含有量を有する前記低アロマの水性コーヒー抽出物を得る前に、第2のアクリルアミド含有量を有する前記低アロマの水性コーヒー抽出物及び前記高アロマの水性コーヒー抽出物と工程(d)において組み合わせられる、アロマを含む水性コーヒー抽出物を更に得るために、前記脱アロマ後の焙煎粉砕コーヒーを、170℃未満、好ましくは100~170℃の温度で初回水性抽出に供して、前記液体コーヒー濃縮物を用意する、請求項2~5のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. 前記低アロマの水性コーヒー抽出物を選択的透過膜と接触させることが、同時に、前記コーヒー抽出物を濃縮する、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 前記プロセスが、第2のアクリルアミド含有量を有する前記低アロマの水性コーヒー抽出物を濃縮する工程を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. 前記低アロマの水性コーヒー抽出物を選択的透過膜と接触させることが、逆浸透又はナノ濾過によって選択的透過膜を通じて前記低アロマの水性コーヒー抽出物を濾過することを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
  10. 濾過の最中に最大3000kPa又は最大4000kPaの圧力が前記膜に対し適用される、請求項9に記載のプロセス。
  11. 前記選択的透過膜が、アクリルアミドに対して選択的である、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
  12. 前記選択的透過膜が、有機酸に対して選択的である、請求項1~11のいずれか一項に記載のプロセス。
  13. 前記選択的透過膜が、0.1~10nmの孔径を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のプロセス。
  14. 前記選択的透過膜が、200Da、好ましくは100Daの分子量カットオフを有する、請求項1~13のいずれか一項に記載のプロセス。
  15. 前記第2のアクリルアミド含有量が、前記第1のアクリルアミド含有量よりも、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%低い、請求項1~14のいずれか一項に記載のプロセス。
  16. 前記液体コーヒー濃縮物を乾燥させることによって、可溶性コーヒー製品を生産する工程を更に含む、請求項1~15のいずれか一項に記載のプロセス。
  17. 請求項1~15のいずれか一項に記載のプロセスに従って得ることができる液体コーヒー濃縮物、又は請求項16に記載のプロセスに従って得ることができる可溶性コーヒー製品。
  18. 前記最終製品中のアクリルアミドの濃度が2~50重量%低減されている、請求項17に記載の液体コーヒー濃縮物又は可溶性コーヒー製品。
  19. 前記選択的透過膜が、アクリルアミドに対して選択的である、水性コーヒー濃縮物のアクリルアミド含有量を低減するための選択的透過膜の使用。
  20. 前記選択的透過膜が、有機酸に対して選択的である、水性コーヒー濃縮物の有機酸含有量を低減するための選択的透過膜の使用。
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