JP2023183000A - 難燃性塩化ビニル樹脂組成物 - Google Patents

難燃性塩化ビニル樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】酸素指数が40%以上の優れた難燃性を有し、電線やケーブルの被覆用途に適した硬度を示し得る難燃性塩化ビニル樹脂組成物を提供する。【解決手段】塩化ビニル系樹脂と、可塑剤と、無機難燃剤と、を含む難燃性塩化ビニル樹脂組成物であって、前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、前記可塑剤35~60質量部、及び前記無機難燃剤70~100質量部が含まれ、前記可塑剤は一般可塑剤と難燃性可塑剤の混合物であり、前記混合物の合計の含有量に対する、前記難燃性可塑剤の含有量が45質量%以上であり、JIS K 7201-2に準拠して測定した酸素指数が40以上である、難燃性塩化ビニル樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性塩化ビニル樹脂組成物に関する。
従来、塩化ビニル樹脂組成物は、自動車部品、電子・電気機器部品等の成形品材料や、通信ケーブル、電線等の被覆材等に使用されている。これら成形品材料や被覆材等には、難燃性が求められる場合がある。無機難燃剤を含有することにより難燃性が高められた難燃性塩化ビニル樹脂組成物としては、例えば特許文献1が挙げられる。
特開2019-070066号公報
プラスチック材料の難燃性を示す指標として、JIS K7201-2で定められた酸素指数が知られている。特許文献1に開示された難燃性塩化ビニル樹脂組成物の酸素指数は35%以上を実現しているが、40%以上を超えるものは開示されていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、酸素指数が40%以上の優れた難燃性を有し、電線やケーブルの被覆用途に適した硬度を示し得る難燃性塩化ビニル樹脂組成物を提供する。
[1] 塩化ビニル系樹脂と、可塑剤と、無機難燃剤と、を含む難燃性塩化ビニル樹脂組成物であって、前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、前記可塑剤35~60質量部、及び前記無機難燃剤70~100質量部が含まれ、前記可塑剤は一般可塑剤と難燃性可塑剤の混合物であり、前記混合物の合計の含有量に対する、前記難燃性可塑剤の含有量が45質量%以上であり、JIS K 7201-2に準拠して測定した酸素指数が40以上である、難燃性塩化ビニル樹脂組成物。
[2] 前記難燃性塩化ビニル樹脂組成物を、シート状に形成したとき、JIS K 7215に準拠し、デュロメータAタイプで測定した10秒後硬度が95以下である、[1]に記載の難燃性塩化ビニル樹脂組成物。
[3] 前記難燃性可塑剤がリン酸エステル系可塑剤である、[1]又は[2]に記載の難燃性塩化ビニル樹脂組成物。
[4] 前記無機難燃剤が三酸化アンチモン、硼酸亜鉛、炭酸カルシウムおよび金属水酸化物を含む[1]~[3]のいずれか一項に記載の難燃性塩化ビニル樹脂組成物。
[5] 前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、三酸化アンチモンを6質量部以上含む、[1]~[4]のいずれか一項に記載の難燃性塩化ビニル樹脂組成物。
[6] 前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、硼酸亜鉛を6質量部以上含む、[1]~[5]のいずれか一項に記載の難燃性塩化ビニル樹脂組成物。
本発明の難燃性塩化ビニル樹脂組成物にあっては、酸素指数が40%以上の優れた難燃性を有する。また、電線やケーブルの被覆用途に適した硬度を示し得る。
≪難燃性塩化ビニル樹脂組成物≫
本発明の第一実施形態は、塩化ビニル系樹脂と、可塑剤と、無機難燃剤と、を含む難燃性塩化ビニル樹脂組成物(以下、単に「PVC組成物」ということがある。)である。
本実施形態では、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、前記可塑剤35~60質量部、及び前記無機難燃剤70~100質量部が含まれることが好ましい。
無機難燃剤が上記範囲の含有量であると、優れた難燃性が得られる。
無機難燃剤の上記範囲の含有量は比較的に多いので、硬度が高くなる傾向にあるが、可塑剤の含有量を上記範囲とすることにより、電線やケーブルの被覆用途に適した硬度を得ることができる。
本実施形態に含まれる可塑剤は一般可塑剤と難燃性可塑剤の混合物であり、前記混合物の合計の含有量に対する、前記難燃性可塑剤の含有量は45質量%以上が好ましく、48質量%以上がより好ましく、51質量%以上がさらに好ましく、54質量%以上が最も好ましい。その上限値は特に制限されないが、可塑剤の効果をより高め、硬度を低減する観点から、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましく、60質量%以下が最も好ましい。
一般可塑剤としては、例えば、カルボン酸エステル系可塑剤、エポキシ化植物油等が挙げられ、カルボン酸エステル系可塑剤が好ましい。
カルボン酸エステル系可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル、テレフタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、クエン酸エステル、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、安息香酸エステル等が挙げられる。また、カルボン酸とグリコール等のアルコールからなる低分子ポリエステルやフタル酸ポリエステル等のポリエステルも一般可塑剤として使用できる。前記アルコールは、脂肪族、芳香族、ヘテロ環のいずれでもよい。
難燃性可塑剤としては、例えば、リン酸エステル系可塑剤、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸エステル等が挙げられ、優れた難燃性と硬度の低減を両立する観点から、リン酸エステル系可塑剤が好ましい。
リン酸エステル系可塑剤としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート等が挙げられる。
本実施形態の無機難燃剤は、三酸化アンチモン、硼酸亜鉛、炭酸カルシウムおよび金属水酸化物の4種を含むことが好ましい。金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。ここで、金属水酸化物は、金属の種類を区別せずにまとめて1種の無機難燃剤として扱う。本実施形態の金属水酸化物を構成する金属は1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
他の公知の無機難燃剤を含んでも構わないが、上記4種の無機難燃剤の組み合わせであると、優れた難燃性と、電線やケーブルの被覆用途に適した硬度とを両立することができるので、上記4種のみを含むことが最も好ましい。
無機難燃剤は粒子状で含まれることが通常であり、その粒子径は例えば0.1~30μm程度とすることができる。
本実施形態における上記4種の無機難燃剤の含有量としては、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、三酸化アンチモンの含有量は、好ましくは6~20質量部、より好ましくは8~17質量部、さらに好ましくは10~15質量部である。また、金属水酸化物の含有量は、好ましくは10~50質量部、より好ましくは20~40質量部、さらに好ましくは25~35質量部である。また、炭酸カルシウムの含有量は、好ましくは10~50質量部、より好ましくは20~40質量部、さらに好ましくは25~35質量部である。また、硼酸亜鉛の含有量は、好ましくは6~20質量部、より好ましくは8~17質量部、さらに好ましくは10~15質量部である。
本実施形態における上記4種の無機難燃剤の配合の質量比に関して、(金属水酸化物/三酸化アンチモン)は1.0~5.0が好ましく、2.0~4.0がより好ましく、2.5~3.5がさらに好ましい。また、(炭酸カルシウム/三酸化アンチモン)は1.0~5.0が好ましく、2.0~4.0がより好ましく、2.5~3.5がさらに好ましい。また、(硼酸亜鉛/三酸化アンチモン)は0.5~2.0が好ましく、0.7~1.5がより好ましく、0.8~1.2がさらに好ましい。
本実施形態の塩化ビニル樹脂組成物の難燃性を高めるだけでなく、電線やケーブルの被覆用途に適した低い硬度を実現する観点から、上記4種以外の無機難燃剤や無機充填剤(例えば酸化ケイ素)は含まれないか、含まれるとしても塩化ビニル樹脂組成物の総質量に対して1質量%未満であることが好ましい。
本実施形態の塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルの単独重合体(PVC)であってもよいし、共重合体であってもよい。共重合可能なモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、マレイン酸又はそのエステル、アクリル酸又はそのエステル、メタクリル酸又はそのエステル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
本実施形態の塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル単独重合体であることが好ましい。共重合体である場合、塩化ビニルに由来する繰り返し単位100質量部に対して、塩化ビニル以外の繰り返し単位の含有量は50質量部以下が好ましく30質量部以下がより好ましく、10質量部以下がさらに好ましい。
本実施形態の塩化ビニル系樹脂は、樹脂形成後に塩素化されていてもよい。
本実施形態の塩化ビニル系樹脂の平均重合度は特に制限されないが、例えば1000~4000が好ましく、1300~3000がより好ましく、1300~2000がさらに好ましい。上記好適な範囲であると電線やケーブルの被覆用途に適した硬度を得ることが容易になる。
ここで、塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、JIS K6720-2に準拠して測定される平均重合度である。平均重合度はK値から換算して求められる。K値は、JIS K7367-2(ISO1628-2)に準拠して測定された値である。
本実施形態のPVC組成物の総質量に対する塩化ビニル系樹脂の含有量は、25~53質量%が好ましく、30~50質量%がより好ましく、35~48質量%がさらに好ましく、40~45質量%が最も好ましい。上記好適な範囲であると、他の成分との配合割合が適正となり、充分な難燃性が得られ易い。
本実施形態のPVC組成物には、塩化ビニル系樹脂以外の樹脂が含まれてもよいが、本発明の効果を充分に得る観点から、塩化ビニル系樹脂以外の樹脂の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、5質量部以下がさらに好ましい。
本実施形態のPVC組成物には、本発明の効果が損なわれない範囲で、熱安定剤、加工助剤(滑剤)、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、結晶核剤、帯電防止剤、金属不活性化剤、抗菌剤、顔料などの任意の添加剤を配合してもよい。
熱安定剤としては、鉛系安定剤、錫系安定剤、銀系安定剤、カルシウム-マグネシウム-亜鉛系安定剤、カルシウム-亜鉛系安定剤、バリウム-亜鉛系安定剤、バリウム-カドミウム系安定剤、ハイドロタルサイト系安定剤が挙げられる。
熱安定剤は1種が含まれてもよく、2種以上が含まれてもよい。
熱安定剤の合計の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、1~10質量部が好ましく、2~8質量部がより好ましく、3~7質量部がさらに好ましい。
加工助剤としては、メチルアクリレート、メチルメタアクリレート等のアクリル系滑剤、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド系滑剤、パラフィンワックス、ポリオレフインワックス、エステルワックス、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス等のワックス類、ステアリン酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸、ステアリルアルコール、セチルアルコール等の高級アルコール、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸モノグリセリドなどの脂肪酸エステル、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の金属石けん、シリコーンオイル、プロセルオイル等のオイルが挙げられる。
加工助剤は1種が含まれてもよく、2種以上が含まれてもよい。
加工助剤の合計の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましく、1~5質量部がより好ましく、1~3質量部がさらに好ましい。
<PVC組成物の製造方法>
本発明に係るPVC組成物を製造する方法は特に制限されず、各成分が組成物中で均一になるように、常法により混合・混錬することにより得られる。
塩化ビニル系樹脂と可塑剤と無機難燃剤等を混合・混錬する方法としては、例えば、加圧ニーダーやバンバリーミキサー等を使用する方法が挙げられる。混合の際にはPVCの分解を防ぐ観点から、180℃以下の樹脂温度で混合・混錬することが好ましい。
<PVC組成物の形態>
本実施形態のPVC組成物の具体的な形態は、別の成形加工に供することが容易なペレット、ビーズ、粉体であってもよいし、プレス成形、射出成形、押出成形等の公知の成形法により成形された成形品であってもよい。
成形品としては、特に限定されず、例えば自動車部品、パーソナルコンピュータ、コピー機等の電子・電気機器部品、電線やケーブルの被覆材等が挙げられる。
本実施形態のPVC組成物は、難燃性が優れ、硬度が比較的低いので、特に電線やケーブルの被覆材として有用である。
<PVC組成物の物性>
(酸素指数)
本実施形態のPVC組成物をJIS K 7201-2:2021に規定されたIV形試験片に成形し、JIS K 7201-2:2021の手順A(上端点火)に準拠して測定した酸素指数は40以上である。酸素指数の上限値は特に制限されず、目安としては50以下が挙げられる。
(硬度)
本実施形態のPVC組成物をシート状に成形し、JIS K 7215:1986に準拠し、デュロメータAタイプで測定した10秒後硬度が95以下であることが好ましい。
ここで、10秒後硬度とは、圧子が試験片の表面に触れて押圧を開始した時点から、さらに押圧を続けて10秒後の測定値をいう。10秒後硬度が95以下であると、特に電線やケーブルの被覆材として有用である。
(比重)
本実施形態のPVC組成物をJIS K 7112:1999のA法(水中置換法)に準拠して測定した比重は1.6以下であることが好ましい。
(引張強さ)
本実施形態のPVC組成物をJIS K7127:1999に準拠して、試験片タイプ5を用いて測定した引張強さは、14MPa以上が好ましく、16MPa以上がより好ましく、18MPa以上がさらに好ましい。上限値は特に限定されず、例えば30MPa程度が目安として挙げられる。
(引張伸び)
本実施形態のPVC組成物をJIS K7127:1999に準拠して、試験片タイプ5を用いて測定した引張伸びは、150%以上が好ましく、200%以上がより好ましく、220%以上がさらに好ましい。上限値は特に限定されず、例えば300%程度が目安として挙げられる。
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明するが、本発明はこれら実施例だけに限定されるものではない。
表1に記載の原材料の詳細は次の通りである。
「重合度1300のPVC」は信越化学工業社製のTK-1300である。
「Ca-Mg-Zn系安定剤」はADEKA社製のアデカスタブRUP-103である。「フタル酸系可塑剤」はジェイ・プラス社製のDINPであり、一般可塑剤である。
「トリメリット酸エステル系可塑剤」はDIC社製のW-700であり、一般可塑剤である。
「リン酸エステル系可塑剤」は大八化学工業社製のCDPであり、難燃性可塑剤である。
「アクリル系加工助剤」は三菱ケミカル社製のメタブレンP-551Aである。
「三酸化アンチモン」は日本精鉱社製のPATOX-Mである。
「水酸化アルミニウム」は日本軽金属社製のスイサンカアルミニウムBF013である。
「炭酸カルシウム」は白石カルシウム社製のホワイトンSBである。
「硼酸亜鉛」は水澤化学工業社製のALCANEX FR-100である。
<組成物の調製>
表1に記載の量(質量部)で各原材料を二軸式混練機で混合し、PVC組成物を得た。例えば実施例1において、PVCの100質量部に対して、安定剤5質量部、フタル酸系可塑剤20質量部、リン酸エステル系可塑剤25質量部、アクリル系加工助剤2質量部、4種の無機難燃剤の合計80質量部を配合して目的のPVC組成物を得た。
<シートの作成>
各試験例のPVC組成物100gを155℃設定の3.5インチロールにて10分間混練して、0.5mm厚のシートを作成した。ここで作成したシートについて、ロールに通した方向(流れ方向)と、それに直交する方向を区別することができる。2枚のシートを準備し、各シートの流れ方向が互いに交差(クロス)した状態で重ねて、170℃にて4分間予熱した後、170℃、15MPaにて4分間加熱圧縮成形し、その後加圧したまま室温(25℃)までゆっくり冷却して、各試験が定める所定の厚さのシートを得て、酸素指数、硬度等の試験に供した。
<酸素指数の測定>
JIS K 7201-2:2021に準拠し、同規格が定めるIV形試験片を用い、手順A(上端点火)に従って酸素指数を測定した。
<10秒後硬度の測定>
JIS K 7215:1986に準拠し、同規格が定めるタイプAの圧子を用い、デュロメータ硬さを測定した。試験片は上述の通り作成したシートを用い、同規格が定める状態調節を行った後、圧子が試験片の表面に触れて押圧を開始した時点から、さらに押圧を続けて10秒後に測定した値を「10秒後の硬度」とした。
<比重>
上述の通り作成したシートを使用して、アルファミラージュ社製電子比重計MD-300Sを用いて比重を測定した。
<引張強さ>
上述の通り作成した厚さ1mmのシートをJIS K 7127:1999に規定された試験片タイプ5に打ち抜き、得られた試験片を23±1℃の環境に24時間静置した後、引張強さを測定した。引張強さは、JIS K 7127:1999に準拠し、引張速度毎分200mmで測定した。
<引張伸び>
上述の通り作成した厚さ1mmのシートをJIS K 7127:1999に規定された試験片タイプ5に打ち抜き、得られた試験片を23±1℃の環境に24時間静置した後、引張伸びを測定した。引張伸びは、JIS K 7127:1999に準拠し、引張速度毎分200mmで測定した。
Figure 2023183000000001
実施例1のPVC組成物にあっては、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、可塑剤を35~60質量部、無機難燃剤を70~100質量部で含むことにより、酸素指数40以上という優れた難燃性を示した。特に、難燃性可塑剤の一例であるリン酸エステル系可塑剤を可塑剤の総含有量(55質量部)に対して約56質量%(25質量部)を含むので、酸素指数が40以上となり、かつ、10秒後硬度が95以下となった。
一方、比較例1のPVC組成物にあっては、難燃性可塑剤の含有量が少ないので酸素指数が40以上とならなかった。また、比較例2~5のPVC組成物にあっては、無機難燃剤の含有量の影響により酸素指数が40以上とならなかった。
なお、参考例1~2のPVC組成物にあっては、酸素指数は40以上であったが、一般可塑剤と難燃性可塑剤のいずれか一方しか含有しないため、10秒後硬度が高く、電線やケーブルの被覆用途に適した硬度ではなかった。

Claims (6)

  1. 塩化ビニル系樹脂と、可塑剤と、無機難燃剤と、を含む難燃性塩化ビニル樹脂組成物であって、
    前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、前記可塑剤35~60質量部、及び前記無機難燃剤70~100質量部が含まれ、
    前記可塑剤は一般可塑剤と難燃性可塑剤の混合物であり、前記混合物の合計の含有量に対する、前記難燃性可塑剤の含有量が45質量%以上であり、
    JIS K 7201-2に準拠して測定した酸素指数が40以上である、難燃性塩化ビニル樹脂組成物。
  2. 前記難燃性塩化ビニル樹脂組成物を、JIS K 7215に準拠し、デュロメータAタイプで測定した10秒後硬度が95以下である、請求項1に記載の難燃性塩化ビニル樹脂組成物。
  3. 前記難燃性可塑剤がリン酸エステル系可塑剤である、請求項1又は2に記載の難燃性塩化ビニル樹脂組成物。
  4. 前記無機難燃剤が三酸化アンチモン、硼酸亜鉛、炭酸カルシウムおよび金属水酸化物を含む請求項3に記載の難燃性塩化ビニル樹脂組成物。
  5. 前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、三酸化アンチモンを6質量部以上含む、請求項4に記載の難燃性塩化ビニル樹脂組成物。
  6. 前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、硼酸亜鉛を6質量部以上含む、請求項5に記載の難燃性塩化ビニル樹脂組成物。
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