JP2023168911A - 銀ナノワイヤーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長さ及び径のばらつきが小さい、形状均一性が良好な銀ナノワイヤーの製造方法を提供する。【解決手段】イオン性誘導体と構造規定剤とポリオールを溶媒として含む第一溶液と、銀塩とポリオールを溶媒として含み、構造規定剤を含まない第二溶液とを準備する工程と、上記第一溶液に、上記第二溶液を滴下することにより供給する工程と、を含み、上記構造規定剤が、重量平均分子量が5000~35000の範囲である第一のポリビニルピロリドン(PVP1)と、重量平均分子量が500000~900000の範囲である第二のポリビニルピロリドン(PVP2)と、を含み、前記第一溶液中に含まれる前記第一のポリビニルピロリドン(PVP1)と前記第二のポリビニルピロリドン(PVP2)との割合(第一のポリビニルピロリドン(PVP1)/第二のポリビニルピロリドン(PVP2)[質量比])が30/70~80/20の範囲であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、銀ナノワイヤーの製造方法に関する。
タッチパネル等の透明電極に使用されるITO(酸化インジウムスズ)膜の代替となる高透明性・高導電性薄膜の原料として、銀ナノワイヤーが近年注目されている。斯かる銀ナノワイヤーは、一般に、ポリビニルピロリドンと、エチレングリコール等のポリオールの存在下に銀化合物を加熱する、いわゆるポリオール還元法によって製造されている(特許文献1、非特許文献1)。
このような銀ナノワイヤーに、粒状又は低アスペクト比の銀結晶等の不純物が含まれると、銀ナノワイヤー製品の導電性能を低下させるという問題がある。そこで、下記特許文献2には、少なくともアルカリ金属臭化物、第1のポリビニルピロリドン及びポリオールを混合したA液と、少なくとも銀塩、数平均分子量が上記第1のポリビニルピロリドンの数平均分子量よりも小さい第2のポリビニルピロリドン及びポリオールを混合したB液とを混合してC液を調製し、C液を加熱して銀ナノワイヤーを生成することにより、簡便なプロセスでありながら銀ナノワイヤーを高収率かつ高純度で製造する方法が開示されている。
また、下記特許文献3には、イオン性誘導体と、ポリオールを溶媒として含む第一溶液を80-200℃に保ち、この第一溶液中に、銀塩と、ポリオールを溶媒として含む第二溶液を、上記第一溶液中のイオン性誘導体のハロゲン原子の総モル数と1分間に供給される銀塩の金属原子のモル数との比(1分間に供給される銀塩の銀原子のモル数/イオン性誘導体のハロゲン原子の総モル数)が10より小さくなるように供給する、径が細く、且つ長さが長い銀ナノワイヤーの製造方法が開示されている。
米国特許第7,585,349号明細書 特開2020-66760号公報 国際公開第2017/057326号
Ducamp-Sanguesa, et al., J. Solid State Chem.,1992, 100, 272
特許文献2および特許文献3には、得られる銀ナノワイヤーの形状均一性については記載されていない。すなわち、形状のばらつき低減については着目されていない。
本発明の目的の一つは、長さ及び径のばらつきが小さい、形状均一性が良好な銀ナノワイヤーの製造方法を提供することにある。
同時に、本発明の目的の一つは、銀ナノワイヤーと副生成物の銀ナノ粒子と、を含む粗分散液から効率的に銀ナノワイヤーを精製することが可能な銀ナノワイヤーの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の実施態様を含む。
[1]イオン性誘導体と構造規定剤と、ポリオールを溶媒として含む第一溶液と、銀塩と、ポリオールを溶媒として含み、前記構造規定剤を含まない第二溶液とを準備する工程と、前記第一溶液に、前記第二溶液を滴下することにより供給し銀ナノワイヤーを合成する工程と、を含み、前記構造規定剤が、重量平均分子量が5000~35000の範囲である第一のポリビニルピロリドン(PVP1)と、重量平均分子量が500000~900000の範囲である第二のポリビニルピロリドン(PVP2)と、を含み、前記第一溶液中に含まれる前記第一のポリビニルピロリドン(PVP1)と前記第二のポリビニルピロリドン(PVP2)との割合(第一のポリビニルピロリドン(PVP1)/第二のポリビニルピロリドン(PVP2)[質量比])が30/70~80/20の範囲であることを特徴とする銀ナノワイヤーの製造方法。
[2]前記第一溶液に含まれる、前記第一のポリビニルピロリドン(PVP1)および第二のポリビニルピロリドン(PVP2)のN-ビニルピロリドンからなるモノマー単位総数と、前記第二溶液に含まれる銀塩中の銀原子のモル数との比(第一溶液に含まれる、第一のポリビニルピロリドン(PVP1)および第二のポリビニルピロリドン(PVP2)のN-ビニルピロリドンからなるモノマー単位総数/第二溶液に含まれる銀塩中の銀原子のモル数(NVP/Ag))が、0.1~100である、[1]に記載の銀ナノワイヤーの製造方法。
[3]前記ポリオールが、炭素原子数2~6であり、2~6価のアルコール化合物である、[1]又は[2]に記載の銀ナノワイヤーの製造方法。
[4]前記イオン性誘導体が、溶媒に溶解することによりハロゲンイオンを解離する化合物である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の銀ナノワイヤーの製造方法。
[5]さらに、再沈殿法により、合成により得られた粗分散液中の銀ナノワイヤーを精製する再沈洗浄工程を含み、前記再沈洗浄工程が以下の工程(a)(b)(c)からなる一連の操作を複数回反復する、[1]~[4]のいずれか一項に記載の銀ナノワイヤーの製造方法:(a)前記粗分散液又は後記再分散液に沈降溶媒を加えることによって銀ナノワイヤーを含む沈殿物を沈降させる沈降工程;(b)前記沈殿物が沈殿することにより生じた、銀ナノ粒子の少なくとも一部を含む上澄み液を除去する上澄み除去工程;(c)残存する沈殿物に比抵抗値3.3MΩ・cm以上の水を添加することにより沈殿物を水に再分散させて再分散液を得る再分散工程。
本発明によれば、長さ及び径のばらつきが小さい、形状均一性が良好な銀ナノワイヤーを製造できる。同時に、銀ナノワイヤー、および銀ナノ粒子を含む粗分散液から、効率的に銀ナノワイヤーを精製できる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)を説明する。
本明細書において「銀ナノワイヤー」とは、径がナノメーターオーダーのサイズを有する線状の金属銀であり、長軸方向の長さをa、短軸方向の長さ(径)をbとするとき、a/bで表されるアスペクト比が5以上であるものを意味し、10以上であることが好ましい。また、本明細書において「銀ナノ粒子」とは、上記「銀ナノワイヤー」を除いた、粒子状のものを意味し、アスペクト比5未満のものであり、銀ナノワイヤーの合成により副生する、上記「銀ナノワイヤー」を除いた粒子状のものを意味する。
本実施形態にかかる銀ナノワイヤーの製造方法は、イオン性誘導体と構造規定剤と、ポリオールを溶媒として含む第一溶液と、銀塩と、ポリオールを溶媒として含み、上記構造規定剤を含まない第二溶液とを準備する工程と、上記第一溶液に、上記第二溶液を滴下することにより供給し銀ナノワイヤーを合成する工程と、を含み、上記構造規定剤が、重量平均分子量が5000~35000の範囲である第一のポリビニルピロリドン(PVP1)と、重量平均分子量が500000~900000の範囲である第二のポリビニルピロリドン(PVP2)と、を含み、前記第一溶液中に含まれる上記第一のポリビニルピロリドン(PVP1)と上記第二のポリビニルピロリドン(PVP2)との割合(第一のポリビニルピロリドン(PVP1)/第二のポリビニルピロリドン(PVP2)[質量比])が30/70~80/20の範囲であることを特徴とする。
上記第一溶液に含まれる構造規定剤は、銀ナノワイヤーの合成段階でキャッピング剤として作用する。キャッピング剤とは、生成してくる核の特定の面に吸着する物質(イオン,界面活性剤など)であり、その面の成長速度を抑制して、生成する粒子の形状を制御する。銀のナノワイヤーの場合にはナノワイヤーの側面の部分に吸着するようなものを選ぶことにより、細くて長いナノワイヤーを得ることが出来る。キャッピング剤に関しては、例えば以下の非特許文献に概説されている。
・Xia, et al. Acc. Chem. Res. 2007, 40, 1067.
・是津信行, 日本結晶成長学会誌, 2010, 37, No. 4, 281
上記キャッピング剤(構造規定剤)としては、N-ビニルピロリドンをモノマー単位とするポリビニルピロリドン(PVP)を用いる。N-ビニルピロリドンのホモポリマーを用いることが好ましい。
本発明者が鋭意検討した結果、構造規定剤として高分子量と低分子量のポリビニルピロリドンを同時に使用すると、粒状又は低アスペクト比の銀結晶等の不純物の生成が抑制され、長さ及び径のばらつきが小さく、形状均一性が向上した銀ナノワイヤーを製造できることを見いだした。同時に、後述する再沈殿工程において、より効率よく銀ナノワイヤーを精製できることを見いだした。
そこで、本実施形態では、構造規定剤として異なる分子量(重量平均分子量)を有する2種類のポリビニルピロリドンを使用する。すなわち、第一の重量平均分子量Mw1を有する第一のポリビニルピロリドン(PVP1)と、第二の重量平均分子量Mw2を有する第二のポリビニルピロリドン(PVP2)と、を使用し、第一のポリビニルピロリドン(PVP1)の重量平均分子量が第二のポリビニルピロリドン(PVP2)の重量平均分子量より低く設定される。ここで、第一のポリビニルピロリドン(PVP1)の第一の重量平均分子量Mw1は5000~35000の範囲であり、5500~32000の範囲であるのが好適であり、6000~28000の範囲であるのがより好適である。また、第二のポリビニルピロリドン(PVP2)の第二の重量平均分子量Mw2は500000~900000の範囲であり、520000~880000の範囲であるのが好適であり、550000~850000の範囲であるのがより好適である。
上記第一溶液中に含まれる上記第一のポリビニルピロリドン(PVP1)と上記第二のポリビニルピロリドン(PVP2)との割合(第一のポリビニルピロリドン(PVP1)/第二のポリビニルピロリドン(PVP2)[質量比])は、30/70~80/20 の範囲である。この範囲内であれば、合成により得られる銀ナノワイヤーの形状均一性が良好(長さのσ1が10未満、径のσ2が3未満)であり、かつ、後述する再沈殿工程において、銀ナノワイヤーの精製効率が良好である。
第一のポリビニルピロリドン(PVP1)/第二のポリビニルピロリドン(PVP2)[質量比]が上記範囲より大きくなると、銀ナノワイヤーの平均長さが短くなり、銀ナノ粒子の副生率が高くなる傾向がある。また、後述する再沈殿工程において、沈降溶媒を添加後、銀ナノワイヤーが沈降し難いため精製効率が悪くなる傾向がある。
第一のポリビニルピロリドン(PVP1)/第二のポリビニルピロリドン(PVP2)[質量比]が上記範囲より小さくなると、銀ナノワイヤーの長さと径のばらつきが大きくなる傾向がある。また、再沈洗浄工程の初期において、分散液中に含まれるポリビニルピロリドン濃度の低減度合が遅くなり(高重量平均分子量のPVP2が低重量平均分子量のPVP1に比べて沈降溶媒に対する溶解度が低いことに基因すると推定される)、そのため銀ナノ粒子が上澄み液中に分散(銀ナノワイヤーの沈降時に、合成により副生した銀ナノ粒子の一部も同時に沈降することとなるが、その銀ナノ粒子は、分散液中のポリビニルピロリドン濃度が閾値以下になると、上澄み中に分散されるようになる)されるまでの再沈洗浄回数が増加し、精製効率が悪くなる傾向がある。なお、後述する比較例4の結果から、重量平均分子量が大きい第二のポリビニルピロリドン(PVP2)のみを用いると、ワイヤーへの成長が妨害されると推定される。
重量平均分子量の測定はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により行う。具体的には、日本分光社製LC-NetII/ADCと日本分光社製RI-2031 Plusを用いて、RI検出で行う。カラムはShodex OHpak SB-806M HQを使用する。展開溶媒は0.1M NaCl水溶液/アセトニトリル=55:45、流量1mL/minで行う。標準試料はAgilent Technologies製PEO calibration kitを用いて、構造規定剤の重量平均分子量を求める。
以上のように、構造規定剤として低重量平均分子量(第一の重量平均分子量Mw1)と高重量平均分子量(第二の重量平均分子量Mw2)のポリビニルピロリドンを同時に使用することにより形状均一性が向上した銀ナノワイヤーを製造でき、後述する再沈洗浄工程において、精製効率を改善することができる。
なお、上述したように、第二溶液には構造規定剤を含ませない。構造規定剤を含む第二溶液を用いると、銀ナノワイヤーの収率が低下する。その理由は、後述する比較例10より、溶媒であるポリオールに銀塩と構造規定剤を溶解させ、第二溶液を調製する段階で、銀塩の一部がポリオールにより還元され、構造規定剤により被覆され、銀ナノ粒子になり、その後第二溶液を第一溶液へ滴下しても第二溶液調製時に生成した銀ナノ粒子は銀ナノワイヤーには成長せず、その結果銀ナノワイヤーの収率が低くなると推定される。また、銀塩と構造規定剤とポリオールとが混合されると、混合液(第二溶液)の粘度が高くなるため、第一溶液への第二溶液の滴下の制御が困難になるので、それを防止するためでもある。
上記第一溶液に含まれるイオン性誘導体は、銀ナノワイヤーの生長に寄与する成分であり、溶媒に溶解してハロゲンイオンを解離できる化合物であれば適用でき、4級アンモニウム塩のハロゲン化物、金属ハロゲン化物が挙げられるが、金属ハロゲン化物が好適である。ハロゲンイオンとしては塩素イオン、臭素イオンの少なくとも一つであることが好ましく、塩素イオンを解離できる化合物を含むことがより好ましい。
4級アンモニウム塩のハロゲン化物としては、分子内の総炭素原子数が4~20の4級アルキルアンモニウム塩(4級アンモニウム塩の窒素原子に4つのアルキル基が結合しており、各アルキル基は同一でも異なっていても良い)のハロゲン化物が好ましく、例えば、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラプロピルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化オクチルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩化物や、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラプロピルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化オクチルトリメチルアンモニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム等の4級アンモニウム臭化物等が挙げられる。これらのいずれかを単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、4級アンモニウムヒドロキシドと塩化水素、臭化水素を反応させてアンモニウム塩にしたものを使用することができる。これらは室温で気体状態であるので、ポリオール溶媒中でそれらの水溶液を用いて中和しても良く、中和後に加熱することにより水や余分なハロゲン化水素を留去することもできる。
これらの中でも、分子内の総炭素原子数が4~16の4級アルキルアンモニウム塩のハロゲン化物が溶解性や使用効率の点でより好ましく、窒素原子に付くアルキル鎖で最も長いもので炭素原子数が12以下のもの、更に好ましくは8以下である4級アルキルアンモニウム塩のハロゲン化物が特に分子量がそれほど大きくならず、使用効率の点でさらに好ましい。得られるワイヤー形状の観点から、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラプロピルアンモニウム、臭化テトラプロピルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化オクチルトリメチルアンモニウム、臭化オクチルトリメチルアンモニウムが特に好ましい。
金属ハロゲン化合物としては、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、長周期律表の第3族から第12族の金属ハロゲン化物が挙げられる。
アルカリ金属ハロゲン化物としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどのアルカリ金属塩化物、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウムなどのアルカリ金属臭化物、などが挙げられる。アルカリ土類金属ハロゲン化物としては、塩化マグネシウム、塩化カルシウムが挙げられる。長周期律表の第3族から第12族の金属ハロゲン化物としては、塩化第二鉄、塩化第二銅、臭化第二鉄、臭化第二銅が挙げられる。これらのいずれかを単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、4級アンモニウム塩と金属ハロゲン化物を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも塩素イオンを解離する化合物を含むことが特にワイヤーの生成に好ましい。また、細い径のワイヤーを得るためには塩素イオンを解離する化合物と、臭素イオンを解離する化合物を併用することが好ましい。塩素イオンを解離する化合物の塩素原子の総モル数を(A)、臭素イオンを解離する化合物の臭素原子の総モル数を(B)とした場合、(A)/(B)のモル比が大きくなるとワイヤー径が太くなり、小さくなるとワイヤー径は細くなるものの小さくなり過ぎると球状粉の副生率が高くなる傾向がある。したがって、(A)/(B)のモル比は、2~8が好ましく、3~6がより好ましい。
また、上記第二溶液に含まれる銀塩としては、硝酸銀(AgNO)、ヘキサフルオロホスフェート銀(AgPF)、硼弗化銀(AgBF)、過塩素酸銀(AgClO)、塩素酸銀(AgClO)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)、フッ化銀(AgF)、炭酸銀(AgCO)、硫酸銀(AgSO)、酢酸銀(CHCOOAg)、トリフルオロ酢酸銀(CFCOOAg)が挙げられ、銀ナノワイヤーの製造効率及び目的の銀ナノワイヤーの形状が得られる観点から、硝酸銀、過塩素酸銀、塩素酸銀、フッ化銀、ヘキサフルオロホスフェート銀、硼弗化銀、トリフルオロ酢酸銀が好ましく、硝酸銀、ヘキサフルオロホスフェート銀、硼弗化銀、トリフルオロ酢酸銀が溶媒への溶解性の観点から、より好ましい。これらのいずれかを単独で使用しても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
上記第二溶液においては、銀塩の濃度が0.1~2.0mol/Lであるのが好適である。0.1mol/Lより小さい濃度では添加量が多くなるため生産性が悪くなり、2.0mol/Lより大きい濃度では第一溶液への添加時の銀濃度変化が大きくなるためワイヤー形状にばらつきが生じやすい。
上記第一溶液中に含まれる、上記第一のポリビニルピロリドン(PVP1)及び第二のポリビニルピロリドン(PVP2)のN-ビニルピロリドンからなるモノマー単位総数と、前記第二溶液に含まれる銀塩中の銀原子のモル数との比(第一溶液中に含まれる、第一のポリビニルピロリドン(PVP1)及び第二のポリビニルピロリドン(PVP2)のN-ビニルピロリドンからなるモノマー単位総数/第二溶液に含まれる銀塩中の銀原子のモル数(NVP/Ag))は、0.1~100であるのが好適であり、0.5~50であるのがより好適であり、1~10であるのがさらに好適である。0.1より少なくなると構造規定剤として不足であり銀ナノワイヤーの形状にばらつきが生じやすく、100より多くなると銀ナノワイヤーの成長を妨害し、銀ナノ粒子になりやすくなる。
上記第一溶液および上記第二溶液は、ポリオールを溶媒として含む。このポリオールは、還元剤としても機能し、還元剤により銀塩が還元され銀が析出する。このように、溶媒及び還元剤として兼用できるものを使用することが、安全性、経済性の点で好ましい。
上記ポリオールは、炭素原子数が2~6であり、2~6価のアルコール化合物である。具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール等の2価アルコール;グリセリン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパンのような4価のアルコール;ソルビトール等の6価アルコール等が挙げられ、これらのいずれかを単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。炭素原子数が2~6であり、2~6価のアルコール化合物を使用すると沸点が高く常圧で温度を上げられる点と還元性の点でより好ましい。ポリオールを溶媒として使用することにより還元剤を別に用いる必要性もなくなる。
上記ポリオールの中でも、高粘度にならないという観点で2価アルコールがさらに好ましく、その中でもエチレングリコール、プロピレングリコールが経済性の点で特に好ましい。
上記第一溶液及び第二溶液で溶媒として用いるポリオール量は特に限定されないが、第一溶液及び第二溶液で溶媒として用いるポリオールの合計使用量は、銀塩100質量部に対し、通常10000~100000質量部程度であり、好ましくは15000~60000質量部である。これよりも少ないと還元速度が遅くなり、多いと生産性が悪くなる傾向がある。
なお、水やエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノールのようなポリオール類の部分または全アルキルエーテル類のような反応にあまり悪影響を与えない溶媒を上記ポリオールに共存させることもできる。
本実施形態にかかる好ましい銀ナノワイヤーの製造方法は、本出願人が先に開示している特許文献3に記載の製造方法に準じ、イオン性誘導体と2つの異なる重量平均分子量を有する構造規定剤を含む第一溶液(溶媒としてポリオールを含む)を80~200℃に保ち、上記第一溶液に、銀塩(硝酸銀)を含む第二溶液(溶媒としてポリオールを含む)を、上記第一溶液中のイオン性誘導体のハロゲン原子の総モル数と1分間に供給される銀塩の銀原子のモル数とのモル比(1分間に供給される銀塩の銀原子のモル数/イオン性誘導体のハロゲン原子の総モル数)が10より小さくなるように、好ましくは1以下、より好ましくは0.22以下となるように、かつ、上記第一溶液中のイオン性誘導体のハロゲン原子の総モル数と銀塩の銀原子のモル数とのモル比(銀塩の銀原子のモル数/イオン性誘導体のハロゲン原子の総モル数)が10より小さくなるように供給する方法を適用することが、径が細く、且つ長さが長い銀ナノワイヤーを製造する上で好ましい。反応圧力は通常常圧(大気圧)である。
合成で得られる銀ナノワイヤーは、径がナノメーターオーダーのサイズを有する金属銀であり、線状(中空のチューブ状である銀ナノチューブを含む)の形状を有する導電性材料である。また、銀ナノワイヤーの金属銀は導電性能の点では金属酸化物を含まないほうが好ましいが、空気酸化が避けられない場合には一部(表面の少なくとも一部)に銀酸化物を含んでもよい。上記銀ナノワイヤー長軸方向の長さは、好ましくは平均1μm以上100μm以下、より好ましくは平均5μm以上50μm以下である。また、銀ナノワイヤーの短軸方向の長さ(径)は、好ましくは平均5nm以上90nm以下、より好ましくは平均10nm以上50nm以下である。
本明細書において、「形状均一性が良好」とは、銀ナノワイヤー長軸方向の長さの標準偏差σ1が10未満であり、銀ナノワイヤーの短軸方向の長さ(径)の標準偏差σ2が3未満であることを意味する。銀ナノワイヤーの長さ、とその標準偏差σ1は形状測定レーザマイクロスコープVK-X200(キーエンス株式会社製)を用い、任意に選択した100本の銀ナノワイヤーの寸法(長さ)を測定し、得られた測定値から平均長さ(算術平均値)及び長さのσ1が決定される。
また、銀ナノワイヤーの径、とその標準偏差σ2は、走査型電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて測定される。具体的には、電界放出形走査電子顕微鏡JSM-7500F(日本電子株式会社製)を用い、任意に選択した100本の銀ナノワイヤーの寸法(径)を測定し、得られた測定値から平均径(算術平均値)及び径のσ2が決定される。
(再沈洗浄工程)
以上のようにして生成した銀ナノワイヤーは、上記溶媒に分散して銀ナノワイヤー粗分散液を形成している。そこで、本実施形態にかかる銀ナノワイヤーの製造方法では、上記粗分散液中の銀ナノワイヤーを再沈殿法により再沈洗浄する工程を複数回反復して洗浄する。再沈洗浄工程は、以下の(a)(b)(c)の一連の工程からなる。すなわち、(a)→(b)→(c)の順序で実施する一連の工程を複数(n≧2)回反復する。2回目以降に(a)沈降工程を行う場合には、粗分散液の代わりに(c)再分散工程で得られた再分散液を用いる。
[(a)沈降工程]
上記銀ナノワイヤー粗分散液(以後、粗分散液ということがある)中には、目的物である銀ナノワイヤー以外に、合成溶媒、構造規定剤として用いる第一、第二のポリビニルピロリドン、合成時に副生する金属ナノ粒子などが混在するので、これらの不純物を除去する必要がある。粗分散液中は、銀ナノワイヤーおよび銀ナノ粒子等が分散した状態であるので、まず粗分散液に沈降溶媒を加えることによって銀ナノワイヤーを含む沈殿物を沈降させる(沈降工程)。沈殿物の沈降は静置により行うことができる。静置時間は5分~20分であることが好ましい。この範囲より静置時間が短すぎると沈殿物が沈降しきらないことがあり、長すぎると凝集が発生することがある。沈殿物には銀ナノワイヤーとともに一部の銀ナノ粒子が含まれる。
沈降溶媒は、構造規定剤の溶解性の低い貧溶媒であり、ケトン系溶媒、有機エステル系溶媒の少なくとも1種であることが好ましい。ケトン系溶媒とは、R-C(=O)-R’(R、R’はそれぞれ炭化水素基)で表される溶媒である。ケトン系溶媒の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノン等が挙げられる。有機エステル系溶媒とは、R’’-C(=O)-O-R’’’(R’’、R’’’はそれぞれ置換基を有してもよい炭化水素基)で表される溶媒である。有機エステル系溶媒の具体例としては酢酸エチル、酢酸-n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸アリル、酢酸-n-ブチル、プロピオン酸エチル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。これらの溶媒の中でも銀ナノワイヤーの沈降性とポリオール類に対する溶解性の観点からアセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸-n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸-n-ブチル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましく、後述の(c)再分散工程で水を用いるため、水との相溶性の観点からアセトンが最も好ましい。沈降溶媒の使用量としては使用した銀ナノワイヤー粗分散液100質量部に対して50質量部から2000質量部であることが好ましく、より好ましくは70質量部から600質量部である。
沈降溶媒(貧溶媒)には分散剤(高分子分散剤のうち非イオン系かつ貧溶媒に溶解する分散剤)を添加しても良い。例えば高級アルコールエーテル、アルキルフェニルエーテル、脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。これにより、当初の銀ナノワイヤー粗分散液だけでなく貧溶媒にも分散剤が溶解することになるので、銀ナノワイヤーの凝集をより抑制することができる。
[(b)上澄み除去工程]
上記(a)沈降工程により銀ナノワイヤーを含む沈殿物が生じることにより、上澄みが生じる。この上澄み中には、銀ナノワイヤー合成時に副生した銀ナノ粒子、粗分散液の分散媒(合成溶媒)に溶解している構造規定剤及び沈降溶媒などが含まれる。銀ナノ粒子の少なくとも一部を含む上澄みを沈殿物と分離、除去する(上澄み除去工程)。上澄み除去方法は特に限定されない。例えばデカンテーション処理により除去することもできるし、ポンプにより吸引除去することもできる。
[(c)再分散工程]
上澄みを分離、除去した残存物中の沈殿物には、銀ナノワイヤーとともに沈降した一部の銀ナノ粒子が含まれる。銀ナノワイヤーと金属ナノ粒子を分離するために、沈殿物にイオン交換水を添加することにより、沈殿物に含まれる銀ナノワイヤーと銀ナノ粒子を良溶媒である水に再分散させて再分散液を得る(再分散工程)。本明細書において「良溶媒」とは銀ナノワイヤーと銀ナノ粒子を均一に分散することができる分散媒、かつ構造規定剤を良好に溶解することができる溶媒、を意味する。
上記の通り(c)再分散工程の良溶媒としてイオン交換水を用いることにより、沈殿物中に銀ナノワイヤーと混在していた銀ナノ粒子を効率的に再分散させることができる。イオン交換水として比抵抗値が3.3MΩ・cm以上の水を用いると上記一連の工程の反復回数を少なくすることができ好ましい。比抵抗値が10MΩ・cm以上の水を用いることがより好ましく、比抵抗値が15MΩ・cm以上の水を用いることがさらに好ましい。
上記(c)再分散工程における水の使用量としては、沈降した銀ナノワイヤーを含む残液中の銀1質量部に対して25~400質量部であり、30~300質量部であることが好ましく、50~200質量部であることがより好ましい。25質量部未満であると銀ナノワイヤーの濃度が高すぎるため均一に再分散させることが難しく、400質量部を超えると沈降に必要な溶媒量が非常に多くなるため、再沈洗浄に多大な労力が必要となる。
上記の通り再沈洗浄工程では工程(a)(b)(c)からなる一連の操作を複数(n≧2)回反復する。この一連の操作を反復することにより粗分散液中の構造規定剤濃度が閾値以下となると、沈降溶媒を加えた後も銀ナノ粒子は上澄み中に良好に分散するようになるため、銀ナノ粒子と銀ナノワイヤーを分離することができる。
上記n回の沈降工程(a)で用いられる沈降溶媒は、n回とも同一の沈降溶媒を用いることもできるが、回数毎に異なる沈降溶媒を用いることもできる。n回目の沈降工程(a)で用いる沈降溶媒の使用量としては、その前に行われた(n-1)回目の再分散工程(c)で使用した水100質量部に対して50質量部から500質量部であることが好ましく、より好ましくは70質量部から300質量部である。また、初回の沈降工程(a)で用いる沈降溶媒の使用量は、粗分散液準備工程により準備された粗分散液中に水を含む場合は上記n回目の沈降工程(a)の使用量と同等量であることが好ましい。
なお、銀ナノワイヤー粗分散液中に水を含まなくても沈降溶媒を添加することにより銀ナノワイヤーを含む沈殿物は沈降する。その場合の沈降溶媒の添加量は、粗分散液100質量部に対して50質量部から500質量部であることが好ましく、より好ましくは70質量部から300質量部である。粗分散液中に水を含まない場合は、沈降溶媒として酢酸ブチルを使用することが好適である。
銀ナノワイヤーの再沈洗浄後は、さらに目的に応じた公知の銀ナノワイヤーの精製工程を行い、銀ナノワイヤーを含む導電性インクの調製等を行うことができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。なお、以下の実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
実施例1
<銀ナノワイヤー粗分散液の製造>
100mLポリ容器にプロピレングリコール66.7g(AGC株式会社製)を秤量し、銀塩として硝酸銀2.25g(0.013mol)(東洋化学工業株式会社製)を加えて室温遮光下で2時間撹拌することで硝酸銀溶液(第二溶液)を調製した。
メカニカルスターラー、定量ポンプ、還流管、温度計、窒素ガス導入管を備えた500mL四つ口セパラブルフラスコに、窒素ガス雰囲気下、プロピレングリコール300g、イオン性誘導体としての塩化ナトリウム0.028g(0.48mmol)(富士フイルム和光純薬株式会社製)および臭化ナトリウム0.012g(0.12mmol)(マナック株式会社製)、構造規定剤である第一のポリビニルピロリドン(PVP1)としてポリビニルピロリドンK30(Sokalan(登録商標)K30、Mw1=28000、BASF社製)3.6g、第二のポリビニルピロリドン(PVP2)としてポリビニルピロリドン(アルドリッチ社製、製品コード437190、Mw2=560000、以下A1とする)3.6gを仕込み、オイルバスを熱媒として150℃にて200rpmの回転数で1時間撹拌することにより完全に溶解させ、第一溶液を得た。先に調製した硝酸銀溶液(第二溶液)を定量ポンプに接続し、上記第一溶液へ温度150℃にて2.5時間かけて滴下することにより銀ナノワイヤーを合成した。滴下終了後さらに30分加熱撹拌を継続し反応を完結させた。第一溶液に含まれる、第一のポリビニルピロリドン(PVP1)および第二のポリビニルピロリドン(PVP2)のN-ビニルピロリドンからなるモノマー単位総数と、上記第二溶液に含まれる銀塩中の銀原子のモル数との比(第一溶液に含まれる、第一のポリビニルピロリドン(PVP1)および第二のポリビニルピロリドン(PVP2)のN-ビニルピロリドンからなるモノマー単位総数/第二溶液に含まれる銀塩中の銀原子のモル数(NVP/Ag)は4.9である。
得られた上記粗分散液の一部を、メタノールで120質量倍に希釈した後、清浄なガラス板上に一滴ドロップし、90℃のホットプレートにて乾燥させた。ガラス板を、レーザー顕微鏡(キーエンスVK-X200)を用いて3000倍の倍率で観察(測定視野:260μm×200μm)し、任意に選択した100本の銀ナノワイヤーを観察し、長さを計測した結果、平均長さは21μm、長さの標準偏差σ1は7.6であった。
また、上記粗分散液の一部に、50質量倍酢酸ブチルを添加し銀ナノワイヤーを沈降させた。その後上澄み液を除去し、沈殿物に50質量倍メタノールを添加し遠心分離機を用いて2000rpmで20分間処理する操作をさらに2回行い、系中に残存するPVP及び溶媒を洗浄した。得られた銀ナノワイヤーの形状をFE-SEM(日本電子株式会社製 JSM-7500F)を用いて任意に100点観察し、径を計測したところ平均径は28nm、径の標準偏差σ2は2.6であった。
<銀ナノワイヤー粗分散液の再沈洗浄>
得られた粗分散液のうち200gを1Lのポリ容器に入れ、マグネチックスターラーを用いて450rpmにて撹拌しながら酢酸ブチル(富士フイルム和光純薬株式会社製)200gを10分かけて添加した(初回の沈降工程(a))。10分攪拌を継続した後、撹拌を止め10分静置することで上澄み液と沈殿物とを分離させた。その後、デカンテーション操作により上澄みを80%(320g)除去した(初回の上澄み除去工程(b))。沈殿を含む残液に、比抵抗値15MΩ・cm以上のイオン交換水94gを添加し、10分撹拌を継続して沈殿を再分散させた(初回の再分散工程(c))。
次に、アセトン197gを10分かけて添加した(2回目の沈降工程(a))。450rpmにて10分撹拌を継続した後、撹拌を止め10分静置することで上澄み液と沈殿物とを分離させた。その後、デカンテーション操作により上澄みを全液量の80%(297g)除去した(2回目の上澄み除去工程(b))。上記イオン交換水94gを再度添加し(2回目の再分散工程(c))、以降2回目の工程(a)(b)(c)と同等の操作を4回繰り返した。その後、再沈洗浄工程における6回目の再分散工程(c)(以下、工程6cと記す)で得られた銀ナノワイヤー/水分散液をメタノールで300質量倍に希釈し、銀ナノワイヤー希薄分散液を作製した。
清浄なガラス板上に上記銀ナノワイヤー希薄分散液を一滴ドロップし、90℃のホットプレートにて乾燥させた。ガラス板を、レーザー顕微鏡(キーエンスVK-X200)を用いて3000倍の倍率で観察(測定視野:260μm×200μm)し、銀ナノワイヤーの数と銀ナノ粒子の数を計測した。分散液中の銀ナノワイヤー比(銀ナノワイヤー数/(銀ナノワイヤー数+銀ナノ粒子数))を算出したところ、ワイヤー比は95%超であった。
実施例2
構造規定剤PVP1としてポリビニルピロリドンK30(Sokalan(登録商標)K30、BASF社製)2.4g、構造規定剤PVP2としてポリビニルピロリドンA1(アルドリッチ社製)4.8gを用いて、第一溶液を調製した以外は実施例1同様の操作により銀ナノワイヤーを合成した。
得られた銀ナノワイヤーについて実施例1同様レーザー顕微鏡及び走査電子顕微鏡(FE-SEM)画像から長さおよび径を求めたところ、平均長さは20μm、長さの標準偏差σ1は8.4、平均径は27nm、径の標準偏差σ2は2.8であった。
また、合成により得られた銀ナノワイヤー粗分散液を実施例1同様の操作により再沈洗浄し、工程6c後のワイヤー比を算出したところ、ワイヤー比は93%であった。
実施例3
構造規定剤PVP1としてポリビニルピロリドンK30(Sokalan(登録商標)K30、BASF社製)5.4g、構造規定剤PVP2としてポリビニルピロリドンA1(アルドリッチ社製)1.8gを用いて、第一溶液を調製した以外は実施例1同様の操作により銀ナノワイヤーを合成した。
得られた銀ナノワイヤーについて実施例1同様レーザー顕微鏡及び走査電子顕微鏡(FE-SEM)画像から長さおよび径を求めたところ、平均長さは17μm、長さの標準偏差σ1は6.9、平均径は26nm、径の標準偏差σ2は2.2であった。
また、合成により得られた銀ナノワイヤー粗分散液を実施例1同様の操作により再沈洗浄し、工程6c後のワイヤー比を算出したところ、ワイヤー比は83%であった。
実施例4
構造規定剤PVP1としてポリビニルピロリドンK30(Sokalan(登録商標)K30、BASF社製)3.6g、構造規定剤PVP2としてポリビニルピロリドンK90(Sokalan(登録商標)K90、Mw2=550000,BASF社製)3.6gを用いて、第一溶液を調製した以外は実施例1同様の操作により銀ナノワイヤーを合成した。
得られた銀ナノワイヤーについて実施例1同様レーザー顕微鏡及び走査電子顕微鏡(FE-SEM)画像から長さおよび径を求めたところ、平均長さは11μm、長さの標準偏差σ1は4.0、平均径は22nm、径の標準偏差σ2は1.3であった。
また、合成により得られた銀ナノワイヤー粗分散液を実施例1同様の操作により再沈洗浄し、工程6c後のワイヤー比を算出したところ、ワイヤー比は81%であった。
実施例5
構造規定剤PVP1としてポリビニルピロリドンK30(Sokalan(登録商標)K30、BASF社製)3.6g、構造規定剤PVP2としてポリビニルピロリドンK120(Ashland社製、Mw2=850000)3.6gを用いて、第一溶液を調製した以外は実施例1同様の操作により銀ナノワイヤーを合成した。
得られた銀ナノワイヤーについて実施例1同様レーザー顕微鏡及び走査電子顕微鏡(FE-SEM)画像から長さおよび径を求めたところ、平均長さは11μm、長さの標準偏差σ1は4.0、平均径は23nm、径の標準偏差σ2は1.5であった。
また、合成により得られた銀ナノワイヤー粗分散液を実施例1同様の操作により再沈洗浄し、工程6c後のワイヤー比を算出したところ、ワイヤー比は95%超であった。
実施例6
構造規定剤PVP1としてポリビニルピロリドンK25(富士フイルム和光純薬株式会社製、Mw1=21000)3.6g、構造規定剤PVP2としてポリビニルピロリドンA1(アルドリッチ社製)3.6gを用いて、第一溶液を調製した以外は実施例1同様の操作により銀ナノワイヤーを合成した。
得られた銀ナノワイヤーについて実施例1同様レーザー顕微鏡及び走査電子顕微鏡(FE-SEM)画像から長さおよび径を求めたところ、平均長さは11μm、長さの標準偏差σ1は3.9、平均径は23nm、径の標準偏差σ2は1.7であった。
また、合成により得られた銀ナノワイヤー粗分散液を実施例1同様の操作により再沈洗浄し、工程6c後のワイヤー比を算出したところ、ワイヤー比は69%であった。
実施例7
構造規定剤PVP1としてポリビニルピロリドンK15(Ashland社製、Mw1=6000)3.6g、構造規定剤PVP2としてポリビニルピロリドンA1(アルドリッチ社製)3.6gを用いて、第一溶液を調製した以外は実施例1同様の操作により銀ナノワイヤーを合成した。
得られた銀ナノワイヤーについて実施例1同様レーザー顕微鏡及び走査電子顕微鏡(FE-SEM)画像から長さおよび径を求めたところ、平均長さは7.7μm、長さの標準偏差σ1は2.6、平均径は25nm、径の標準偏差σ2は1.7であった。
また、合成により得られた銀ナノワイヤー粗分散液を実施例1同様の操作により再沈洗浄し、工程6c後のワイヤー比を算出したところ、ワイヤー比は71%であった。
比較例1
構造規定剤PVP2としてポリビニルピロリドンA1(アルドリッチ社製)のみを7.2g用いて、第一溶液を調製した以外は実施例1同様の操作により銀ナノワイヤーを合成した。
得られた銀ナノワイヤーについて実施例1同様レーザー顕微鏡および走査電子顕微鏡(FE-SEM)画像から長さおよび径を求めたところ、平均長さは16μm、長さの標準偏差σ1は16、平均径は29nm、径の標準偏差σ2は9.2であった。実施例1、2、3と比較し、銀ナノワイヤーの形状のばらつきが大きかった。
また、合成により得られた銀ナノワイヤー粗分散液を実施例1同様の操作により再沈洗浄し、工程6c後のワイヤー比を算出したところ、ワイヤー比は37%で、再沈殿効率も悪かった。これは、高分子量PVP2のみ使用したためと考えられる。
比較例2
構造規定剤PVP1としてポリビニルピロリドンK30(Sokalan(登録商標)K30、BASF社製)のみを7.2g用いて、第一溶液を調製した以外は実施例1同様の操作により銀ナノワイヤーを合成した。
得られた銀ナノワイヤーについて実施例1同様レーザー顕微鏡および走査電子顕微鏡(FE-SEM)画像から長さおよび径を求めたところ、平均長さは11μm、長さの標準偏差σ1は3.2、平均径は22nm、径の標準偏差σ2は1.2であった。銀ナノワイヤーの形状のばらつきが小さかった。
しかし、実施例1同様の合成により得られた銀ナノワイヤー粗分散液の再沈洗浄工程において、2回目の沈降工程(a)でアセトン197gを添加、撹拌した後、10分静置しても、上澄み液と沈殿物とを分離できなかった。そのため、デカンテーション操作により上澄みを除去できなかった。これは、低重量平均分子量のポリビニルピロリドンK30はアセトンへの溶解度が高く、再沈洗浄工程における銀ナノワイヤーの沈降を妨害したためと考えられる。
比較例3
構造規定剤PVP2としてポリビニルピロリドンK90(Sokalan(登録商標)K90、BASF社製)のみを7.2g用いて、第一溶液を調製した以外は実施例1同様の操作により銀ナノワイヤーを合成した。
得られた銀ナノワイヤーについて実施例1同様レーザー顕微鏡および走査電子顕微鏡(FE-SEM)画像から長さおよび径を求めたところ、平均長さは15μm、長さの標準偏差σ1は8.3、平均径は24nm、径の標準偏差σ2は2.6であった。実施例4と比較し、銀ナノワイヤー形状のばらつきが大きかった。
また、合成により得られた銀ナノワイヤー粗分散液を実施例1同様の操作により再沈洗浄し、工程6c後のワイヤー比を算出したところ、ワイヤー比は64%で、実施例4と比較し、再沈殿効率も悪くなった。これは、再沈洗浄工程の初期において、高分子量PVP2のみ使用すると、粗分散液中のPVPの濃度の低減が遅くなり、そのため銀ナノ粒子が上澄み液中に分散されるまでの再沈殿回数が増加し、精製効率が悪くなったためと考えられる。
比較例4
構造規定剤PVP2としてポリビニルピロリドンK120(Ashland社製)のみを7.2g用いて、第一溶液を調製した以外は実施例1同様の操作により銀ナノワイヤーの合成を試みたが、合成物は銀ナノ粒子で、銀ナノワイヤーを合成できなかった。これは、高分子量PVP2のみ使用たためと考えられる。
比較例5
構造規定剤PVP1としてポリビニルピロリドンK25(富士フイルム和光純薬株式会社製)のみを7.2g用いて、第一溶液を調製した以外は実施例1同様の操作により銀ナノワイヤーを合成した。
得られた銀ナノワイヤーについて実施例1同様レーザー顕微鏡及び走査電子顕微鏡(FE-SEM)画像から長さおよび径を求めたところ、平均長さは7.6μm、長さの標準偏差σ1は3.3、平均径は23nm、径の標準偏差σ2は1.9であった。銀ナノワイヤーの形状のばらつきは小さかった。
しかし、合成により得られた銀ナノワイヤー粗分散液再沈洗浄工程において、2回目の沈降工程(a)でアセトン197gを添加、撹拌した後、10分静置しても、上澄み液と沈殿物とを分離できなかった。そのため、デカンテーション操作により上澄みを除去できなかった。これは、低分子量のポリビニルピロリドンK25のアセトンへの溶解度が高く、再沈洗浄工程における銀ナノワイヤーの沈降を妨害したためと考えられる。
比較例6
構造規定剤PVP1としてポリビニルピロリドンK30(Sokalan(登録商標)K30、BASF社製)0.36g、構造規定剤PVP2としてポリビニルピロリドンA1(アルドリッチ社製)6.84gを用いて、第一溶液を調製した以外は実施例1同様の操作により銀ナノワイヤーを合成した。
得られた銀ナノワイヤーについて実施例1同様レーザー顕微鏡画像から長さを求めたところ、平均長さは38μm、長さの標準偏差σ1は24であった。これは高分子量PVP2の使用量が多すぎたためと考えられる。長さの標準偏差が10以上と大きいため、径の測定は実施しなかった。
比較例7
構造規定剤PVP1としてポリビニルピロリドンK30(Sokalan(登録商標)K30、BASF社製)1.8g、構造規定剤PVP2としてポリビニルピロリドンA1(アルドリッチ社製)5.4gを用いて、第一溶液を調製した以外は実施例1同様の操作により銀ナノワイヤーを合成した。
得られた銀ナノワイヤーについて実施例1同様レーザー顕微鏡画像から長さを求めたところ、平均長さは26μm、長さの標準偏差σ1は12と長さのばらつきが大きくなった。これは高分子量PVP1の使用量が多すぎたためと考えられる。
比較例8
構造規定剤PVP1としてポリビニルピロリドンK15(Sokalan(登録商標)K15、BASF社製)のみを7.2g用いて、第一溶液を調製した以外は実施例1同様の操作により銀ナノワイヤーを合成した。
得られた銀ナノワイヤーについて実施例1同様レーザー顕微鏡および走査電子顕微鏡(FE-SEM)画像から長さおよび径を求めたところ、平均長さは4.1μm、長さの標準偏差σ1は1.5、平均径は42nm、径の標準偏差σ2は13であって、銀ナノワイヤー径のばらつきが大きかった。
また、合成により得られた銀ナノワイヤー粗分散液の再沈洗浄工程において、2回目の沈降工程(a)でアセトン197gを添加、撹拌した後、10分静置しても、上澄み液と沈殿物とを分離できなかった。そのため、デカンテーション操作により上澄みを除去できなかった。これは、低分子量のポリビニルピロリドンK15のアセトンへの溶解度が高く、再沈洗浄工程における銀ナノワイヤーの沈降を妨害したためと考えられる。
比較例9
構造規定剤PVP2としてポリビニルピロリドンK120(Ashland社製)3.6g、同時に構造規定剤PVP2としてポリビニルピロリドンA1(アルドリッチ社製)3.6gを用いて、第一溶液を調製した以外は実施例1同様の操作により銀ナノワイヤーの合成を試みたが、銀ナノワイヤーは得られなかった。これは、高分子量のPVP2の二種類を同時に使用したためと考えられる。
比較例10
100mLポリ容器にプロピレングリコール66.7gを秤量し、硝酸銀2.25g(0.013mol)と、構造規定剤である第一のポリビニルピロリドン(PVP1)としてK30(Sokalan(登録商標)K30、BASF社製)3.6g、を加えて室温遮光下で6時間撹拌することで第二溶液を調製した。
メカニカルスターラー、定量ポンプ、還流管、温度計、窒素ガス導入管を備えた500mL四つ口セパラブルフラスコに、窒素ガス雰囲気下、プロピレングリコール300g、イオン性誘導体としての塩化ナトリウム0.028g(0.48mmol)(富士フイルム和光純薬株式会社製)および臭化ナトリウム0.012g(0.12mmol)(マナック株式会社製)、構造規定剤である第二のポリビニルピロリドン(PVP2)としてポリビニルピロリドンA1(アルドリッチ社製) 3.6gを仕込み、オイルバスを熱媒として150℃にて200rpmの回転数で1時間撹拌することにより完全に溶解させ、第一溶液を得た。先に調製した第二溶液を定量ポンプに接続し、上記第一溶液へ温度150℃にて2.5時間かけて滴下することにより銀ナノワイヤーを合成した。滴下終了後さらに30分加熱撹拌を継続し反応を完結させた。第一溶液に含まれる第一のポリビニルピロリドン(PVP1)、および第二溶液に含まれる第二のポリビニルピロリドン(PVP2)、のそれぞれのN-ビニルピロリドンからなるモノマー単位総数と、前記第二溶液に含まれる銀塩中の銀原子のモル数との比(第一溶液に含まれる第一のポリビニルピロリドン(PVP1)、および第二のポリビニルピロリドン(PVP2)のN-ビニルピロリドンからなるモノマー単位総数/第二溶液に含まれる銀塩中の銀原子のモル数(NVP/Ag))は4.9である。
得られた銀ナノワイヤーについて実施例1同様レーザー顕微鏡から長さを求めたところ、平均長さは17μm、長さ標準偏差σ1は11.4で、銀ナノワイヤーの形状のばらつきが大きかった。
また、合成により得られた銀ナノワイヤー粗分散液を実施例1同様の操作により再沈洗浄し、工程6c後のワイヤー比を算出したところ、ワイヤー比は43%で、再沈殿効率も悪かった。これは、第二溶液中で、PVP1と硝酸銀の反応により銀ナノ粒子が多く生成してしまい、その後第一溶液に第二溶液を滴下しても銀ナノワイヤーに成長せず、合成による銀ナノワイヤーの収率が低くなったためだと考えられる。
以上に述べた実施例1~7及び比較例1~10の結果を表1にまとめる。
Figure 2023168911000001

Claims (5)

  1. イオン性誘導体と構造規定剤と、ポリオールを溶媒として含む第一溶液と、銀塩と、ポリオールを溶媒として含み、前記構造規定剤を含まない第二溶液と、を準備する工程と、
    前記第一溶液に、前記第二溶液を滴下することにより供給し銀ナノワイヤーを合成する工程と、を含み、
    前記構造規定剤が、重量平均分子量が5000~35000の範囲である第一のポリビニルピロリドン(PVP1)と、重量平均分子量が500000~900000の範囲である第二のポリビニルピロリドン(PVP2)と、を含み、前記第一溶液中に含まれる前記第一のポリビニルピロリドン(PVP1)と前記第二のポリビニルピロリドン(PVP2)との割合(第一のポリビニルピロリドン(PVP1)/第二のポリビニルピロリドン(PVP2)[質量比])が30/70~80/20の範囲であることを特徴とする銀ナノワイヤーの製造方法。
  2. 前記第一溶液に含まれる、前記第一のポリビニルピロリドン(PVP1)および第二のポリビニルピロリドン(PVP2)のN-ビニルピロリドンからなるモノマー単位総数と、前記第二溶液に含まれる銀塩中の銀原子のモル数との比(第一溶液に含まれる、第一のポリビニルピロリドン(PVP1)および第二のポリビニルピロリドン(PVP2)のN-ビニルピロリドンからなるモノマー単位総数/第二溶液に含まれる銀塩中の銀原子のモル数(NVP/Ag))が、0.1~100である、請求項1に記載の銀ナノワイヤーの製造方法。
  3. 前記ポリオールが炭素原子数2~6であり、2~6価のアルコール化合物である、請求項1又は2に記載の銀ナノワイヤーの製造方法。
  4. 前記イオン性誘導体が、溶媒に溶解することによりハロゲンイオンを解離する化合物である、請求項1又は2に記載の銀ナノワイヤーの製造方法。
  5. さらに、再沈殿法により、合成により得られた粗分散液中の銀ナノワイヤーを精製する再沈洗浄工程を含み、前記再沈洗浄工程が以下の工程(a)(b)(c)からなる一連の操作を複数回反復する、請求項1又は2に記載の銀ナノワイヤーの製造方法:(a)前記粗分散液又は後記再分散液に沈降溶媒を加えることによって銀ナノワイヤーを含む沈殿物を沈降させる沈降工程;(b)前記沈殿物が沈殿することにより生じた、銀ナノ粒子の少なくとも一部を含む上澄み液を除去する上澄み除去工程;(c)残存する沈殿物に比抵抗値3.3MΩ・cm以上の水を添加することにより沈殿物を水に再分散させて再分散液を得る再分散工程。

JP2022080296A 2022-05-16 2022-05-16 銀ナノワイヤーの製造方法 Pending JP2023168911A (ja)

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