JP2023163771A - 車両用前照灯 - Google Patents

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Abstract

【課題】 前方の視認性の低下を抑制し得る車両用前照灯を提供する。【解決手段】 車両用前照灯20は一対の灯具60と制御部COとを備え、制御部COは、一方の灯具60の一部の発光部65の出射光量の低下によって当該灯具が形成する一方の配光パターン230Aにおける一部の所定領域233の光の強度が低下する場合、他方の灯具60が形成する配光パターン250Aにおける光の強度が最も高い領域231を所定領域233に近づける。【選択図】 図1

Description

本発明は、車両用前照灯に関する。
車両用前照灯の灯具は、一般的に、車両の前方部位の左右のそれぞれに配置されている。左右の灯具の一方が点灯するが、他方が故障等の異常により非点灯になる場合、車両用前照灯全体の出射光量が低下して不足してしまう。そこで、下記特許文献1に開示されている車両用前照灯では、正常な一方の灯具の出射光量を増加させ、車両用前照灯全体の出射光量の不足を補填している。
特開2018-86913号公報
上記したように特許文献1では、正常な一方の灯具の出射光量を増加させ、車両用前照灯全体の出射光量の不足を補填しているが、一方の灯具からの出射光量がすでに最大で増加できない場合、車両用前照灯全体の出射光量の不足を補填できないことがある。このため、車両用前照灯全体の出射光量が低下し、前方の視認性が低下してしまう場合がある。
そこで本発明は、前方の視認性の低下を抑制し得る車両用前照灯を提供することを目的とする。
上記目的の達成のため、本発明の車両用前照灯は、車両の左右に配置され、それぞれが複数の光出射部を有する光源部を含む一対の灯具と、制御部と、を備え、前記制御部は、一方の前記灯具の一部の光出射部の出射光量の低下によって当該灯具が形成する一方の配光パターンにおける一部の所定領域の光の強度が低下する場合、他方の前記灯具が形成する他方の配光パターンにおける光の強度が最も高い領域を前記所定領域に近づけることを特徴とするものである。
この車両用前照灯では、一方の灯具の一部の光出射部の出射光量の低下によって一方の配光パターンにおける一部の所定領域の光の強度が低下する場合、所定領域は暗くなり、一方の配光パターンと他方の配光パターンとによって形成される所定配光パターンにおいて所定領域が位置する領域は暗くなる。そこで、この車両用前照灯では、制御部は、他方の配光パターンにおける光の強度が最も高い領域を所定領域に近づける。他方の配光パターンにおける光の強度が最も高い領域が所定領域に近づくと、当該領域が所定領域に近づかない場合よりも、所定配光パターンにおいて所定領域が位置する領域は明るくなり得る。従って、所定配光パターンにおいて所定領域が位置する領域に明るさが補填され、前方の視認性の低下を抑制し得る。
また、車両用前照灯は、それぞれの前記灯具の前記光源部から出射される前記光の向きを調整する一対のアクチュエータをさらに備え、前記制御部は、前記所定領域の前記光の強度が低下する場合、前記他方の配光パターンにおける前記光の強度が最も高い領域が前記所定領域に近づくように、前記他方の灯具の前記アクチュエータにより前記他方の灯具の前記光源部から出射される前記光の向きを変化させてもよい。
この構成では、アクチュエータによって、他方の配光パターンにおける光の強度が最も高い領域が所定領域に近づくように、他方の配光パターンが一方の配光パターンに対してスイブルまたはレベリングする。従って、他方の灯具の出射光量がすでに最大であっても、所定配光パターンにおいて所定領域が位置する領域を明るくし得る。
また、前記制御部は、前記所定領域の前記光の強度が低下する場合、前記他方の配光パターンにおける前記光の強度が最も高い領域が前記所定領域に近づくように、前記他方の灯具において強度が最も高い前記光を出射する前記光出射部を他の前記光出射部に切り替えてもよい。
この構成では、光出射部の切り替えによって、他方の配光パターンにおける光の強度が最も高い領域が所定領域に近づくように、他方の配光パターンが一方の配光パターンに対してスイブルまたはレベリングする。この場合、他方の配光パターンは、アクチュエータによって一方の配光パターンに対してスイブルまたはレベリングする場合に比べて、短時間にスイブルまたはレベリングし得る。従って、所定配光パターンにおいて所定領域が位置する領域を短時間に明るくし得る。
また、前記所定領域の前記光の強度が低下する場合は、前記制御部が、前記一方の灯具の前記光源部に温度ディレーティングを行う場合であってもよい。
或いは、前記所定領域の前記光の強度が低下する場合は、前記一方の灯具のうちの前記所定領域に向けて前記光を出射するはずの前記光出射部が前記光を出射しない場合であってもよい。
また、前記制御部は、前記所定領域の前記光の強度が低下する場合、前記所定領域において前記光の強度が低下したぶん前記光の強度が増加するように、前記他方の配光パターンにおける前記光の強度が最も高い領域を前記所定領域に近づけてもよい。
この構成によれば、所定領域における光の強度が低下したぶん所定配光パターンにおいて所定領域が位置する領域における前記光の強度が増加しない場合に比べて、所定配光パターンにおいて所定領域が位置する領域が明るくなり得、前方の視認性の低下を抑制し得る。
また、前記制御部は、前記所定領域の前記光の強度が低下する場合、前記他方の配光パターンにおける前記光の強度が最も高い領域を前記所定領域に一致させてもよい。
以上のように本発明によれば、前方の視認性の低下を抑制し得る車両用前照灯を提供できる。
本発明の実施形態における車両の全体の概略構成例を示す模式図である。 付加配光パターン用の灯具の発光部を概略的に示す正面図である。 図3(A)は一方の灯具ユニットの灯具からの光によって形成される一方の配光パターンを示す図であり、図3(B)は他方の灯具ユニットの灯具からの光によって形成される他方の配光パターンを示す図であり、図3(C)は図3(A)及び図3(B)に示す配光パターンの重ね合わせによって形成される所定の配光パターンを示す図である。 車両用前照灯の動作を示すフローチャートである。 図5(A)は一方の配光パターンにおける所定領域の位置を示す図であり、図5(B)は他方の配光パターンにおいて光の強度が最も高い領域を所定領域に近づけることの一例を示す図であり、図5(C)は図5(A)及び図5(B)に示す配光パターンの重ね合わせによって形成される配光パターンを示す図である。 図6(A)は一方の配光パターンにおける所定領域の位置を示す図であり、図6(B)は他方の配光パターンにおいて光の強度が最も高い領域を所定領域に近づけることの別の一例を示す図であり、図6(C)は図6(A)及び図6(B)に示す配光パターンの重ね合わせによって形成される配光パターンを示す図である。 図7(A)は変形例における一方の配光パターンを示す図であり、図7(B)は変形例における他方の配光パターンを示す図であり、図7(C)は図7(A)及び図7(B)に示す配光パターンの重ね合わせによって形成される配光パターンを示す図である。 図8(A)は一方の配光パターンにおける所定領域の位置を示す図であり、図8(B)は他方の配光パターンにおいて光の強度が最も高い領域を所定領域に近づけることの一例を示す図であり、図8(C)は図8(A)及び図8(B)に示す配光パターンの重ね合わせによって形成される配光パターンを示す図である。 図9(A)は一方の配光パターンにおける所定領域の位置を示す図であり、図9(B)は他方の配光パターンにおいて光の強度が最も高い領域を所定領域に近づけることの別の一例を示す図であり、図9(C)は図9(A)及び図9(B)に示す配光パターンの重ね合わせによって形成される配光パターンを示す図である。
以下、本発明に係る車両用前照灯の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができる。また、本発明は、以下に例示する実施形態における構成要素を適宜組み合わせてもよい。なお、以下で参照する図面では、理解を容易にするために、各部材の寸法を変えて示す場合がある。また、図面では、見易さのため、同様の構成要素については一部にのみ参照符号が付され、一部参照符号が省略される場合がある。
図1は、車両の全体の概略構成例を示す模式図である。図1に示すように、車両10は、車両用前照灯20と、検知装置30とを備える。本実施形態の車両用前照灯20は、自動車用の前照灯とされる。車両用前照灯20は、車両10の前方部位の左右のそれぞれに配置される一対の灯具ユニット40を備える。本明細書において「右」とは車両10の進行方向において右側を意味し、「左」とは車両10の進行方向において左側を意味する。
それぞれの灯具ユニット40は、形状が左右方向に概ね対称であることを除いて、同じ構成とされる。このため、以下において、一方の灯具ユニット40を用いて説明する。灯具ユニット40は、筐体50、灯具60,70、一対のアクチュエータ80、一対の温度センサ90、制御部CO、及びメモリMEを備える。
筐体50は、ハウジング及びアウターカバーを備える。ハウジングは前方に開口を有する箱状に構成され、当該開口を塞ぐようにアウターカバーがハウジングに固定される。こうして、筐体50にはハウジングとアウターカバーとによって囲われる収容空間が形成され、この収容空間には灯具60,70、一対のアクチュエータ80、及び一対の温度センサ90が収容される。アウターカバーは、灯具60,70から出射する光を透過する。制御部CO及びメモリMEは、筐体50の外に配置されるが、筐体50の収容空間に配置されてもよい。
灯具70は、ロービームの配光パターンを形成する光を車両10の前方に出射する。具体的には、一方の灯具ユニット40の灯具70からの光は、他方の灯具ユニット40の灯具70からの光と共に、ロービームの配光パターンを形成する。灯具70は、筐体61と光源部63とを備える。筐体61は、ハウジング及びアウターカバーを備える。ハウジングは前方に開口を有する箱状に構成され、当該開口を塞ぐようにアウターカバーがハウジングに固定される。こうして筐体61にはハウジングとアウターカバーとによって囲われる収容空間が形成され、光源部63は収容空間に収容される。また、収容空間には、ロービームの配光パターンが形成されるように、リフレクタや投影レンズ等の光学部材やシェード等が配置される。
灯具60は、ロービームの配光パターンに付加されてハイビームの配光パターンを形成する付加配光パターンを形成する光を車両10の前方に出射する。具体的には、一方の灯具ユニット40の灯具60からの光は、他方の灯具ユニット40の灯具60からの光と共に、付加配光パターンを形成する。灯具60は、筐体61と光源部63とを備える。
アクチュエータ80は、灯具60,70のそれぞれの筐体61に個別に接続され、灯具60,70のそれぞれの光源部63の上下左右方向の傾きを調節可能に構成されている。アクチュエータ80により、例えば、それぞれの光源部63の上下方向の傾きは0.01度から5度の範囲で、それぞれの光源部63の左右方向の傾きは1度から30度の範囲で、変化する。そして、それぞれの光源部63の傾きの変化量に合わせて、灯具60,70から出射される光の上下左右方向の傾き及び付加配光パターンやロービームの配光パターンの上下左右方向の傾きが変化する。なお、アクチュエータ80は、灯具60,70のそれぞれの筐体61を支持するブラケットに接続され、ブラケットの上下左右方向の傾きを調節することで、灯具60,70のそれぞれの光源部63の上下左右方向の傾きを同時に調節可能に構成されてもよい。
メモリMEは、情報を記録し、当該記録した情報を読み出し可能に構成される。メモリMEは、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の半導体記録媒体が好適であるが、光学式記録媒体や磁気記録媒体等の任意の形式の記録媒体を包含し得る。なお、「非一過性」の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く全てのコンピュータで読み取り可能な記録媒体を含み、揮発性の記録媒体を除外するものではない。なお、メモリMEは制御部COの内部に設けられてもよい。
制御部COは、例えば、マイクロコントローラ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large-scale Integrated Circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの集積回路やNC(Numerical Control)装置から成る。また、制御部COは、NC装置を用いた場合、機械学習器を用いたものであってもよく、機械学習器を用いないものであってもよい。制御部COは、車両用前照灯20の幾つかの構成を制御する。一方の灯具ユニット40の制御部COは、他方の灯具ユニット40の制御部COに電気的に接続されている。なお、それぞれの制御部COは、不図示のECU(Electronic Control Unit)に電気的に接続されてもよく、ECUを介して互いに接続されてもよい。
制御部COは、2つのアクチュエータ80に電気的に接続され、これらを制御することで、2つの光源部63の上下左右方向の傾きを個別に調節する。これらの傾きの調節によって、上記したように、左右の灯具60,70から出射される光の上下左右方向の傾き及び付加配光パターンやロービームの配光パターンの上下左右方向の傾きが調節される。
検知装置30は、車両10の前方部位において一対の筐体50の間に取り付けられる。検知装置30は、車両10の前方を撮影するカメラと、車両10の前方に存在する物体を検知するセンサとを備える。例えば、カメラとしてはCMOS(Complementary metal oxide semiconductor)カメラが挙げられ、センサとしてはミリ波レーダが挙げられる。ミリ波レーダは、前方に向かってミリ波を出射するともに、物体としての他車両で反射したミリ波を受信する。検知装置30は、カメラの撮影画像に係る信号とセンサの信号とを制御部COに出力する。制御部COは、これら信号から他車両の存在、車両10に対する当該他車両の位置、及び車両10から他車両までの距離を検知する。なお、検知装置30はECUを介して制御部COに電気的に接続されてもよく、検知装置30の信号はECUを介して制御部COに入力されてもよい。
次に、灯具60,70のそれぞれの光源部63について説明する。図2は、灯具60の光源部63を概略的に示す正面図である。光源部63は、複数の発光部65及び発光部65が実装される回路基板67を備える。それぞれの発光部65としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)を挙げることができる。灯具60の発光部65は、マトリックス状に配置されて上下方向及び左右方向に配列される。発光部65は、左右方向に256個、上下方向に64個並んでいるが、数は特に限定されるものではない。これら発光部65は、マイクロLEDであり、所謂マイクロLEDアレイであることが好ましい。一方、灯具70の発光部65は、図示による説明を省略するが、左右方向に一列にアレイ状に配列される。発光部65は、左右方向に10個並んでいるが、数は特に限定されるものではない。この発光部65は、出射面が上下方向に長尺な概ね長方形のLEDとされる。これら発光部65は、所謂LEDアレイであることが好ましい。なお、灯具70の発光部65は1つのみ配置され、出射面が左右方向に長尺な概ね長方形状のLEDとされてもよい。図1では、上記のように配列される灯具60,70のそれぞれの発光部65を図示の明確化のために簡単に図示している。
回路基板67は不図示の電源部に電気的に接続され、電源部は制御部COに電気的に接続されている。制御部COは、不図示のライトスイッチからの制御信号が入力されると、光を出射する発光部65が選択され、電源部及び回路基板67を介して発光部65への電流の供給を開始する。これにより、発光部65は、前方に向かって光を出射する。このような発光部65のそれぞれは、自発光して光を出射する光出射部である。また、制御部COは、電源部及び回路基板67を介して発光部65に供給される電流を制御する。電流の制御によって、発光部65に対する電力が制御される。これにより、発光部65の出射光量が調節される。ロービームが出射する際、左右の灯具70において、発光部65が選択され、出射光量が調節されると、一対の灯具ユニット40から出射する光によって形成されるロービームの配光パターンが変化し、ロービームの配光パターンにおける光の強度分布が調節される。また、ハイビームが出射する際、左右の灯具60,70から光が出射し、ロービームの配光パターンとともに、付加配光パターンが投影される。灯具60の発光部65の出射光量が調整されると、付加配光パターンが変化し、付加配光パターンにおける光の強度分布が調節される。
それぞれの発光部65は、光を出射すると発熱する。それぞれの発光部65の熱は、回路基板67に伝わる。供給される電力が大きいほど、それぞれの発光部65の出射光量及び発熱量が増加し、光源部63の温度は上昇する。なお、回路基板67の発熱量は発光部65全体の発熱量に比べて非常に少ないため、光源部63の温度は発光部65全体の発熱量を基にした温度とみなせる。
温度センサ90は、回路基板67に実装されており、光源部63の温度を推定する。このような温度センサ90としては、例えば、サーミスタを挙げることができる。温度センサ90は、回路基板67を介して制御部COに電気的に接続されており、推定した温度に係る温度信号を制御部COに出力する。温度センサ90の構成及び取り付け位置は、温度センサ90が光源部63の温度を推定できれば特に限定されるものではない。例えば、温度センサ90は、筐体61の収容空間に配置されてもよいし、それぞれの発光部65に取り付けられてもよいし、回路基板67に電気的に接続されている別の回路基板に実装されてもよい。
温度信号が制御部COに入力されると、制御部COは温度信号が示す温度Tが温度T1未満である場合には発光部65に対して温度ディレーティングを行わず、温度Tが温度T1以上の場合には発光部65に対して温度ディレーティングを行う。また、本実施形態の温度ディレーティングは、一方の灯具60の光源部63の温度を基に左右の発光部65のそれぞれに対して行われるのではない。本実施形態の温度ディレーティングは、一方の灯具60の光源部63の温度を基に一方の灯具60の発光部65に対して行われ、他方の灯具60の光源部63の温度を基に他方の灯具60の発光部65に対して行われる。また、温度ディレーティングは、一方の灯具70の光源部63の温度を基に一方の灯具70の発光部65に対して行われ、他方の灯具70の光源部63の温度を基に他方の灯具70の発光部65に対して行われる。つまり、温度ディレーティングは、それぞれの光源部63の温度を基にそれぞれの発光部65に対して個別に行われる。温度Tは光源部63の推定された温度であり、温度T1は例えば80℃といった所定値であり温度ディレーティングを開始する際の温度である。
温度Tが温度T1の場合、制御部COは、温度ディレーティングが行われない場合に供給される電力よりも小さい電力E1を発光部65に供給する。この場合、制御部COは、複数の発光部65のうちの電力E1よりも大きい電力を供給される発光部65に電力E1を供給し、当該発光部65に供給する電力を下げる。また、温度Tが温度T1よりも高い温度T2の場合、制御部COは、電力E1よりも小さい電力E2を発光部65に供給する。この場合、制御部COは、複数の発光部65のうちの電力E2よりも大きい電力を供給される発光部65に電力E2を供給し、当該発光部65に供給する電力を下げる。温度T1が80℃であれば、温度T2は例えば120℃である。温度Tが温度T1よりも大きく温度T2未満である場合、制御部COは、電力E1よりも小さく電力E2よりも大きい電力を発光部65に供給する。温度Tが温度T2以上の場合、制御部COは、例えば消灯を避けるために電力E2を発光部65に供給する。このように、制御部COは、温度Tが温度T1以上である場合に、温度Tに応じて電力Eを制御する。電力Eが下がると、それぞれの発光部65の出射光量及び発熱量が減少し、光源部63の温度は下降する。
次に、一対の灯具ユニット40のそれぞれの灯具60,70からの光によって形成されるハイビームの配光パターンについて説明する。以下では、一方の灯具ユニット40は左側に、他方の灯具ユニット40は右側に位置するものとして説明するが、それぞれは左右反対に位置してもよい。図3(A)は一方の灯具ユニット40の灯具60,70からの光によって形成される一方の配光パターン230A,230Lを示す図であり、図3(B)は他方の灯具ユニット40の灯具60,70からの光によって形成される他方の配光パターン250A,250Lを示す図である。また、図3(C)は配光パターン200A,200Lを示す図である。配光パターン200Aは、図3(A)に示す配光パターン230Aと図3(B)に示す配光パターン250Aとの重ね合わせによって形成される付加配光パターンである。配光パターン230Aは左側の灯具60からの光、配光パターン250Aは右側の灯具60からの光によって形成される。配光パターン200Lは、図3(A)に示す配光パターン230Lと図3(B)に示す配光パターン250Lとの重ね合わせによって形成されるロービームの配光パターンである。配光パターン230Lは左側の灯具70からの光、配光パターン250Lは右側の灯具70からの光によって形成される。配光パターン200A,200Lによってハイビームの配光パターンが形成される。
上記の各配光パターンは、車両10の例えば25m前方の仮想鉛直スクリーン上に形成される像の形状及び当該像における光の強度分布の双方を意味する。配光パターン230A,230Lのうちの左右方向における中心はV線よりも左側に位置し、配光パターン250A,250Lのうちの左右方向における中心はV線よりも右側に位置する。また、配光パターン200A,200Lのうちの左右方向における中心は、V線上に位置する。配光パターン230A,230Lは、配光パターン250A,250Lと概ね同じ高さ位置に位置すると共に、配光パターン250A,250Lの左側に位置する。また、配光パターン230Aの左縁側が配光パターン250Aに重ならず、配光パターン250Aの右縁側が配光パターン230Aに重ならないように、配光パターン230Aは配光パターン250Aに対して左側にずれて形成されている。従って、配光パターン230A,250Aのそれぞれは、それぞれが互いに重なる重畳領域271、及びそれぞれが重ならない非重畳領域273を含む。配光パターン230Aの非重畳領域273は人間の視覚的に他方の灯具60から出射する光が重なっていない領域とみなし得、配光パターン250Aの非重畳領域273は、人間の視覚的に一方の灯具60から出射する光が重なっていない領域とみなし得る。なお、配光パターン230L,250Lのそれぞれも、上記のようにずれており、重畳領域及び非重畳領域を含む。当該重畳領域及び非重畳領域は、図示の明確化のために、符号の記載を省略している。
それぞれの配光パターン230A,250Aにおいて、光の強度が最も高い領域を、領域231,251と呼んでいる。図3に示す領域231,251の位置は、例えば車両10が直進している状態における位置であり、この状態では領域231,251はV線上に位置し配光パターン200Aにおいて互いに重なる。配光パターン230A,250A,200Aでは、領域231,251から離れるほど強度は徐々に低くされる。従って、配光パターン230A,250A,200Aは、領域231,251側よりも縁側において暗くなる。領域231,251では、領域231,251を形成する光を出射する発光部65、つまり、強度が最も高い光を出射する発光部65には最も大きい電力が供給され、当該発光部65が最も発熱する。また、当該発光部65から離れる発光部65ほど、供給される電力が小さくなり、発熱は小さくなる。
次に、車両用前照灯20の動作について説明する。図4は、車両用前照灯20の動作を示すフローチャートである。図4に示すように、車両用前照灯20の動作は、ステップSP11からステップSP13を含むが、これに限定されるものではない。図4に示す開始の状態では、左右の灯具60,70から光が出射し、配光パターン200A,200Lが形成されているものとする。また、開始の状態では、左右の灯具60のそれぞれにおいて、温度センサ90が光源部63の温度を推定し、温度信号は左右それぞれの制御部COに入力しているものとする。
(ステップSP11)
本ステップでは、左右それぞれの制御部COは、左右の灯具60のそれぞれにおいて、左右の温度センサ90のそれぞれからの温度信号が示す温度Tが温度T1未満であれば、ステップSP11を繰り返す。また、図示はしないが、左右それぞれの制御部COは、それぞれの温度信号が示す温度Tが温度T1以上であれば、温度ディレーティングを左右の灯具60のそれぞれに個別に行い、制御フローを終了する。また、左右それぞれの制御部COは、左右の灯具60のどちらか一方において、温度Tが温度T1以上であれば、制御フローをステップSP12に進める。以下では、一方の光源部63の温度Tが温度T1以上であるため一方の発光部65に温度ディレーティングが行われ、他方の光源部63の温度Tが温度T1未満であるため他方の発光部65に温度ディレーティングが行われないものとして説明する。以下の各ステップにおける制御部COは、特段の説明がない限り、他方の制御部COとして説明する。
(ステップSP12)
本ステップでは、制御部COは、ステップSP13で説明する温度ディレーティングが行われる場合、当該温度ディレーティングの前に、領域251を一方の配光パターン230Aにおける後述する所定領域に近づける。この所定領域について図5を参照して説明する。
図5(A)は配光パターン230Aにおける所定領域233の位置を示す図であり、図5(B)は配光パターン250Aにおいて領域251を所定領域233に近づけることの一例を示す図である。また、図5(C)は、図5(A)に示す配光パターン230Aと図5(B)に示す配光パターン250Aとの重ね合わせによって形成される配光パターン200Aを示す図である。本実施形態の配光パターン230Aでは、領域231側よりも左右の縁側にて暗い傾向にある。一方の光源部63に温度ディレーティングが行われると、領域231は暗くなり、これに伴い配光パターン230Aの左右の縁側も暗くなる。図5(A)に示す所定領域233は、領域231以外で温度ディレーティングによって暗くなる領域の一部である。本実施形態の領域231は、左右方向において配光パターン230Aの右縁に寄っているため、配光パターン230Aの左縁側は、配光パターン230Aの右縁側よりも暗くなる領域が多い傾向にある。そこで、本実施形態の所定領域233は、領域231の左側に位置するものとして説明する。本ステップでは、所定領域233に係る信号が一方の制御部COから他方の制御部COに入力される。信号は、例えば、所定領域233が発生したこと、配光パターン200Aにおける所定領域233の位置、温度ディレーティング後における所定領域233の光の強度、温度ディレーティングによって低下する所定領域233の光の強度の低下量といった情報を含む。信号の入力により、他方の制御部COがこれら情報を把握しているとみなせる。本ステップでは、温度ディレーティング前であるため、所定領域233を破線で示している。所定領域233の光の強度は、温度ディレーティングが行われると低下し、温度ディレーティングによって強度が低下する領域231の光の強度よりも低くなる。従って、温度ディレーティングが行われる場合は、一方の灯具60の一部の発光部65の出射光量の低下によって一方の配光パターン230Aのうちの一部の所定領域233の光の強度が低下する場合とみなせる。
後述するように本ステップでは、図5(B)に示すように配光パターン250Aが左側スイブルする。このため、図3に示すスイブル前に比べて、本ステップにおける重畳領域271は左右において長くなり、非重畳領域273のそれぞれは左右において短くなる。本ステップでは、所定領域233は、図3に示すスイブル前において重畳領域271に位置するものとして説明する。図5では、見易さのため、図3に示すスイブル前における重畳領域271及び非重畳領域273の図示を省略している。
本ステップでは、制御部COは、他方の灯具60のアクチュエータ80によって他方の灯具60の筐体61を左側にスイブルさせる。これにより、配光パターン250Aにおける光の強度分布が変わらずに、図5(B)及び図5(C)に示すように配光パターン250Aが左側にスイブルし、領域251が所定領域233に近づく。アクチュエータ80による配光パターン250Aのスイブルをメカニカルスイブルと呼ぶ場合がある。領域251は、所定領域233に重なり一致することが好ましい。図5(B)及び図5(C)では、移動後の配光パターン250A及び領域251を実線で示し、移動前のそれぞれを破線で示している。また、図5(C)では、図の明確化のために、領域231の図示を省略している。所定領域233では、右縁側よりも領域231から最も離れた左縁側が暗い。このため、領域251は、左右方向において所定領域233の左縁に近づくことが好ましい。また、領域251は、左右方向において所定領域233の左縁と同じ位置に位置することがより好ましい。このように本ステップでは、制御部COは、他方の配光パターン250Aにおける光の強度が最も高い領域251が所定領域233に近づくように、他方の灯具60のアクチュエータ80により他方の灯具60の光源部63から出射される光の向きを変化させる。この構成では、アクチュエータ80によって、他方の配光パターン250Aにおける領域251が所定領域233に近づくように、他方の配光パターン250Aが一方の配光パターン230Aに対してスイブルする。従って、他方の灯具60の出射光量がすでに最大であっても、配光パターン200Aにおいて所定領域233が位置する領域を明るくし得る。
本ステップでは、一方の灯具60の筐体61、一対の灯具70の筐体61、及び配光パターン230A,230L,250Lはスイブルしない。
なお、本実施形態の制御部COは、非重畳領域273が設けられないように、アクチュエータ80のスイブルによって、配光パターン250A全体を配光パターン230A全体に重ねてもよい。このため、所定領域233がスイブル前に非重畳領域273に位置していても、或いはスイブル前に重畳領域271及び非重畳領域273にわたって位置していても、領域251が所定領域233の左縁に近づき得る。従って、配光パターン200Aにおいて所定領域233が位置する領域が明るくなり得る。
ところで、所定領域233がスイブル前に重畳領域271に位置するのであれば、本ステップでは、制御部COは発光部65の切り替えを行ってもよい。この切り替えについて、図6を参照して説明する。図6(A)は配光パターン230Aにおける所定領域233の位置を示す図であり、図6(B)は配光パターン250Aにおいて領域251を所定領域233に近づけることの別の一例を示す図である。また、図6(C)は、図6(A)に示す配光パターン230Aと図6(B)に示す配光パターン250Aとの重ね合わせによって形成される配光パターン200Aを示す図である。図6に示す各配光パターンは、図3に示すそれぞれと同じ位置に位置する。図6(C)では、図の明確化のために、領域231の図示を省略している。図6(B)及び図6(C)に示すように、本ステップでは、制御部COは、他方の配光パターン250Aにおける光の強度が最も高い領域251が左にスイブルして所定領域233に近づくように、他方の灯具60において強度が最も高い光を出射する発光部65を他の発光部65に切り替えてもよい。この場合、他方の灯具60のアクチュエータ80が駆動せず、配光パターン250Aもメカニカルスイブルしない。しかし、上記の切り替えによって、配光パターン250Aにおける光の強度分布が変わり、領域251が所定領域233に近づく。発光部65の切り替えによる領域251のスイブルを電子スイブルと呼ぶ場合がある。この構成では、発光部65の切り替えによって、他方の配光パターン250Aにおける領域251が所定領域233に近づくように、他方の配光パターン250Aが一方の配光パターン230Aに対してスイブルする。この場合、他方の配光パターン250Aは、アクチュエータ80によって一方の配光パターン230Aに対してメカニカルスイブルする場合に比べて、短時間にスイブルし得る。従って、配光パターン200Aにおいて所定領域233が位置する領域を短時間に明るくし得る。なお、図6では、一対の灯具60の筐体61、一対の灯具70の筐体61、及び配光パターン230A,230L,250Lも移動しない。
アクチュエータ80を用いる場合と発光部65を切り替える場合とのどちらであっても、制御部COは、所定領域233の光の強度が低下する場合、所定領域233の光の強度が低下したぶん配光パターン200Aにおいて所定領域233が位置する領域における光の強度が増加するように、他方の配光パターン250Aにおける領域251を所定領域233に近づけてもよい。この構成によれば、所定領域233の光の強度が低下したぶん所定の配光パターン200Aにおいて所定領域233が位置する領域における光の強度が増加しない場合に比べて、所定の配光パターン200Aにおいて所定領域233が位置する領域は明るくなり、前方の視認性の低下を抑制し得る。なお、制御部COは、所定領域233の光の強度が低下する場合、所定領域233の光の強度が低下量よりも所定の配光パターン200Aにおいて所定領域233が位置する領域における光の強度の増加量が多くなるように、他方の配光パターン250Aにおける領域251を所定領域233に近づけてもよい。
本ステップでは、制御部COは、領域251の移動量を車両10の走行速度に応じて大きくしてもよい。この場合、例えば、車両10のECUから速度に係る情報が制御部COに入力し、制御部COはその情報を利用する。
また、本ステップでは、制御部COは、領域251の移動量を他車両と車両10との距離に応じて大きくしてもよい。他車両が複数存在する場合には、車両10に最も近い車両である。他車両と車両10との距離の算出について、制御部COは、検知装置30のカメラとセンサとのそれぞれの信号から算出する。なお、制御部COは、他の方法で距離を算出してもよい。
上記したように、本ステップでは、制御部COは、一方の灯具60の一部の発光部65の出射光量の低下によって一方の配光パターン230Aのうちの一部の所定領域233の光の強度が低下する場合、他方の配光パターン250Aにおける光の強度が最も高い領域251を所定領域233に近づける。領域251が所定領域233に近づくと、左右それぞれの制御部COは、制御フローをステップSP13に進める。
(ステップSP13)
本ステップでは、一方の制御部COは、一方の灯具60の光源部63に温度ディレーティングを行う。これにより、光源部63の発熱量が減少し、光源部63の温度は下降する。また、一方の灯具60の一部の発光部65の出射光量が低下する。本実施形態の一部の発光部65は、領域231や所定領域233を形成する光を出射する発光部65を含む。
一方の制御部COが温度ディレーティングを行うと、所定領域233における光の強度が低下し、所定領域233は暗くなる。暗くなった所定領域233に対して、ステップSP12で説明したように、すでに配光パターン250Aにおける領域231が所定領域233に近づいている。従って、配光パターン200Aのうちの所定領域233が位置する領域では、温度ディレーティングが行われても、明るさの低下が抑制される。
なお、ステップSP13は、ステップSP12中に行われてもよい。またはステップSP13は、ステップSP12の開始と同時または開始の例えば1秒後に行われてもよい。また、ステップSP13は、ステップSP12の終了と同時または終了の例えば1秒後に行われてもよい。また、ステップSP13は、ステップSP12よりも先に終了してもよい。また、ステップSP12及びステップSP13の順番は入れ替わってもよい。
一方の制御部COが温度ディレーティングを行うと、制御フローは終了する。
以上説明したように、本実施形態の車両用前照灯20では、他方の制御部COは、一方の灯具60の一部の発光部65の出射光量の低下によって一方の灯具60が形成する一方の配光パターン230Aのうちの一部の所定領域233の光の強度が低下する場合、他方の灯具60が形成する他方の配光パターン250Aにおける光の強度が最も高い領域231を所定領域233に近づける。
この車両用前照灯20では、一方の灯具60の一部の発光部65の出射光量の低下によって一方の配光パターン230Aにおける一部の所定領域233の光の強度が低下する場合、所定領域233は暗くなり、配光パターン200Aにおいて所定領域233が位置する領域は暗くなる。そこで、この車両用前照灯20では、他方の制御部COは、他方の配光パターン250Aにおける光の強度が最も高い領域231を所定領域233に近づける。他方の配光パターン250Aにおける領域231が所定領域233に近づくと、当該領域が所定領域233に近づかない場合よりも、配光パターン200Aにおいて所定領域233が位置する領域は明るくなり得る。従って、配光パターン200Aにおいて所定領域233が位置する領域に明るさが補填され、前方の視認性の低下を抑制し得る。
なお、本実施形態では、所定領域233の光の強度が低下する場合は、一方の制御部COが、一方の灯具60の光源部63に温度ディレーティングを行う場合としたが、これに限定される必要はない。
例えば、所定領域233の光の強度が低下する場合は、一方の灯具60のうちの所定領域233に向けて光を出射するはずの発光部65が光を出射しない場合であってもよい。この場合としては、例えば、所定領域233に向けて光を出射するはずの発光部65が故障等の異常となっていることが挙げられる。発光部65が異常であると、この発光部65が光を出射する場合に比べて、電力が低下する。一方の制御部COは、電力の低下によって、発光部65が光を出射しないこと、及び複数の発光部65のなかにおける異常な発光部65がどれであるかを把握する。そして、一方の制御部COは他方の制御部COに信号を出力する。この信号には、例えば、異常な発光部65によって生じる所定領域233の配光パターン200Aにおける位置、電力低下後における所定領域233の光の強度、電力低下による所定領域233の光の強度の低下量といった情報が含まれる。そして、他方の制御部COは、制御フローをステップSP12に進める。ステップSP12にて、他方の制御部COが他方の配光パターン250Aにおける領域251を所定領域233に近づけると、制御フローが終了すればよい。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図7(A)は本変形例における配光パターン230Lにおける領域235を示す図であり、図7(B)は本変形例における配光パターン250Lにおける領域255を示す図である。また、図7(C)は図7(A)に示す配光パターン230Lと図7(B)に示す配光パターン250Lとの重ね合わせによって形成されるロービームの配光パターン200Lを示す図である。領域235,255は、それぞれの配光パターン230L,250Lにおいて、光の強度が最も高い領域である。領域235,255はV線上においてそれぞれが位置する配光パターン230L,250Lの上縁よりも下側に位置し配光パターン200Lにおいて互いに重なるものとして説明する。
次に本変形のフローチャートについて説明する。本変形例のフローチャートは、実施形態と同様にステップSP11からステップSP13を含むが、内容が異なる。ステップSP11において、左右それぞれの制御部COは、実施形態では左右の灯具60のそれぞれの温度を基に制御フローを進めているが、本変形例では左右の灯具70のそれぞれの温度を基に制御フローを進める点で異なる。以下では、一方の灯具70の発光部65に温度ディレーティングが行われ、他方の灯具70の発光部65に温度ディレーティングが行われないものとして説明する。以下の各ステップにおける制御部COは、特段の説明がない限り、他方の制御部COとして説明する。
図8(A)は配光パターン230Lにおける所定領域233の位置を示す図であり、図5(B)は配光パターン250Lにおいて領域255を所定領域233に近づけることの一例を示す図である。また、図8(C)は、図8(A)に示す配光パターン230Lと図8(B)に示す配光パターン250Lとの重ね合わせによって形成される配光パターン200Lを示す図である。本変形例の配光パターン230Lでは、領域231側よりも上下の縁側にて暗い傾向にある。一方の灯具70の光源部63に温度ディレーティングが行われると、領域235は暗くなり、これに伴い配光パターン230Lの上下の縁側も暗くなる。図8(A)に示す所定領域233は、領域235以外で温度ディレーティングによって暗くなる領域の一部である。本変形例の所定領域233は、上下方向において、カットラインである配光パターン230Lの上縁の周辺において領域231の上側に位置するものとして説明する。また、本ステップでは、所定領域233は、図7及び図8に示すレベリングの前後において重畳領域271に位置するものとして説明する。本ステップでは、実施形態と同様に、所定領域233に係る信号が一方の制御部COから他方の制御部COに入力される。
ステップSP12では、制御部COは、他方の灯具70のアクチュエータ80によって他方の灯具70の筐体61を上側にレベリングさせる。これにより、配光パターン250Lにおける光の強度分布が変わらずに、図8(B)及び図8(C)に示すように配光パターン250Lが上側にレベリングし、領域255が所定領域233に近づく。アクチュエータ80による配光パターン250Lのレベリングをメカニカルレベリングと呼ぶ場合がある。領域255は、上下方向において所定領域233に重なり一致することが好ましい。図8(B)及び図8(C)では、移動後の配光パターン250L及び領域255を実線で示し、移動前のそれぞれを破線で示している。図8(C)では、図の明確化のために、領域235の図示を省略している。所定領域233では、下縁側よりも領域231から最も離れた上縁側が暗い。このため、領域255は、上下方向において所定領域233の上縁に近づくことが好ましい。また、領域255は、上下方向において所定領域233の上縁と同じ位置に位置することがより好ましい。このように本ステップでは、制御部COは、他方の配光パターン250Lにおける光の強度が最も高い領域255が所定領域233に近づくように、他方の灯具70のアクチュエータ80により他方の灯具70の光源部63から出射される光の向きを変化させる。この構成では、アクチュエータ80によって、他方の配光パターン250Lにおける領域255が所定領域233に近づくように、他方の配光パターン250Lが一方の配光パターン230Lに対してレベリングする。従って、他方の灯具60の出射光量がすでに最大であっても、配光パターン200Lにおいて所定領域233が位置する領域を明るくし得る。
本ステップでは、一方の灯具70の筐体61、一対の灯具60の筐体61、及び配光パターン230Lはスイブルしない。
ところで、本変形例の灯具70の発光部65は、所謂マイクロLEDアレイであってもよい。この場合、所定領域233がレベリング前に重畳領域271に位置するのであれば、本ステップでは、制御部COは発光部65の切り替えを行ってもよい。この切り替えについて、図9を参照して説明する。図9(A)は配光パターン230Lにおける所定領域233の位置を示す図であり、図9(B)は配光パターン250Lにおいて領域255を所定領域233に近づけることの別の一例を示す図である。また、図9(C)は、図9(A)に示す配光パターン230Lと図9(B)に示す配光パターン250Lとの重ね合わせによって形成される配光パターン200Lを示す図である。図9に示す各配光パターンは、図7に示すそれぞれと同じ位置に位置する。図9(C)では、図の明確化のために、領域235の図示を省略している。図9(B)及び図9(C)に示すように、本ステップでは、制御部COは、他方の配光パターン250Lにおける光の強度が最も高い領域255が上にスイブルして所定領域233に近づくように、他方の灯具60において強度が最も高い光を出射する発光部65を他の発光部65に切り替えてもよい。この場合、他方の灯具70のアクチュエータ80が駆動せず、配光パターン250Lもメカニカルレベリングしない。しかし、上記の切り替えによって、配光パターン250Lにおける光の強度分布が変わり、領域255が所定領域233に近づく。発光部65の切り替えによる領域255のレベリングを電子レベリングと呼ぶ場合がある。この構成では、発光部65の切り替えによって、他方の配光パターン250Lにおける領域255が所定領域233に近づくように、他方の配光パターン250Lが一方の配光パターン230Lに対してレベリングする。この場合、他方の配光パターン250Lは、アクチュエータ80によって一方の配光パターン230Lに対してメカニカルレベリングする場合に比べて、短時間にレベリングし得る。従って、配光パターン200Lにおいて所定領域233が位置する領域を短時間に明るくし得る。なお、図9では、一対の灯具70の筐体61、及び配光パターン230Lも移動しない。
本変形例においても、アクチュエータ80を用いる場合と発光部65を切り替える場合とのどちらであっても、実施形態と同様に、制御部COは、所定領域233の光の強度が低下したぶん配光パターン200Lにおいて所定領域233が位置する領域における光の強度が増加するように、他方の配光パターン250Lにおける領域255を所定領域233に近づけてもよい。
また、本ステップでは、実施形態と同様に、制御部COは、領域255の移動量を車両10の走行速度に応じて大きくしてもよい。また、制御部COは、領域251の移動量を他車両と車両10との距離に応じて大きくしてもよい。
ステップSP13では、一方の制御部COは、一方の灯具70の光源部63に温度ディレーティングを行う。これにより、光源部63の発熱量が減少し、光源部63の温度は下降する。また、一方の灯具70の一部の発光部65の出射光量が低下する。本実施形態の一部の発光部65は、領域235や所定領域233を形成する光を出射する発光部65を含む。一方の制御部COが温度ディレーティングを行うと、制御フローは終了する。
なお、本変形例においても、実施形態と同様に、所定領域233の光の強度が低下する場合は、一方の灯具70のうちの所定領域233に向けて光を出射するはずの発光部65が光を出射しない場合であってもよい。
以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施形態では、所定領域233が領域231の左側に位置するものとして説明したが右側や上下に位置していてもよい。所定領域233が領域231の上下に位置する場合、変形例で説明したように、制御部COは、他方の灯具60のアクチュエータ80によって他方の灯具60の筐体61を上下にレベリングさせる。これにより、配光パターン250Aにおける光の強度分布が変わらずに、配光パターン250Aが上下にレベリングし、領域251が所定領域233に近づく。または、他方の灯具60のアクチュエータ80が駆動せず、制御部COは、他方の配光パターン250Aにおける光の強度が最も高い領域251が上下にレベリングして所定領域233に近づくように、他方の灯具60において強度が最も高い光を出射する発光部65を他の発光部65に切り替えてよい。
変形例では、所定領域233が領域235の上側に位置するものとして説明したが下側や左右に位置していてもよい。所定領域233が領域235の左右に位置する場合、実施形態で説明したように、制御部COは、他方の灯具70のアクチュエータ80によって他方の灯具70の筐体61を左右にスイブルさせる。これにより、配光パターン250Lにおける光の強度分布が変わらずに、配光パターン250Lが左右にスイブルし、領域255が所定領域233に近づく。または、他方の灯具70のアクチュエータ80が駆動せず、制御部COは、他方の配光パターン250Lにおける光の強度が最も高い領域255が左右にスイブルして所定領域233に近づくように、他方の灯具60において強度が最も高い光を出射する発光部65を他の発光部65に切り替えてよい。
制御部COは、実施形態で説明した付加配光パターンにおけるスイブルやレベリングと変形例で説明したロービームの配光パターンにおけるレベリングやスイブルとの両方を行ってもよい。
制御部COは、一対の灯具ユニット40のそれぞれに設けられているが、一対の灯具ユニット40で1つ設けられ、1つの制御部COが左右それぞれの灯具60,70を制御してもよい。
本実施形態の温度センサ90はそれぞれの発光部65から離れて配置されており、発光部65の熱が温度センサ90に伝わるまでに、熱の温度が下がることもある。従って、制御部COは、温度センサ90からの温度信号、及びそれぞれの発光部65と温度センサ90との距離を基に、光源部63の温度を推定してもよい。また、制御部COは、それぞれの発光部65の電力量を基に光源部63の温度を推定してもよい。
例えば、発光部65は、自発光して光を出射する光出射部であればよく、LEDやLD以外の発光部でもよい。この場合、制御部COは、電流の制御の代わりにそれぞれの発光部65に対する電圧を制御してもよい。電圧の制御によって、それぞれの発光部65に対する電力が制御される。これにより、それぞれの発光部65から出射する光の光量が調節され、配光パターンにおける光の強度分布が調節される。
灯具60の構成は、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)を用いて光源から出射する光を回折して所望の配光パターンを形成して前方に出射する構成であってもよい。また、灯具60の構成は、光源から出射する光をDMD(Digital Mirror Device)で反射させる構成であってもよいし、光源から出射する光が液晶パネルを透過する構成であってもよい。LCOSの場合、マトリックス状に配置された複数の液晶素子のそれぞれが光源からの光を反射することで光を出射する光出射部であると理解できる。DMDの場合、マトリックス状に配置された複数のミラーのそれぞれが光源からの光を反射して光を出射するため、それぞれのミラーが光出射部であると理解できる。液晶パネルの場合、マトリックス状に配置された複数の液晶素子のそれぞれが光源からの光を透過することで光を出射する光出射部であると理解できる。LCOSや、DMDや、液晶パネルにおいて、それぞれの光出射部に印加される電圧が制御される。電圧の制御によって、それぞれの光出射部に対する電力が制御される。これにより、LCOSのそれぞれの液晶素子の光の反射の状態が変化されたり、DMDのそれぞれのミラーの反射方向が変化したり、液晶パネルのそれぞれの液晶素子の透過率が変化される。当該変化によって、所望の配光パターンが形成され、それぞれの光出射部から出射する光の光量が調節され、当該配光パターンにおける光の強度分布が調節される。
灯具60,70のどちらか一方がマイクロLEDアレイで、他方がLEDアレイや出射面が左右方向に長尺な概ね長方形状のLEDとされてもよい。或いは、灯具60,70の両方がマイクロLEDアレイやLEDアレイや長方形状のLEDとされてもよい。
本発明によれば、前方の視認性の低下を抑制し得る車両用前照灯を提供され、自動車等の分野において利用可能である。
20・・・車両用前照灯
60,70・・・灯具
63・・・光源部
65・・・発光部
CO・・・制御部

Claims (7)

  1. 車両の左右に配置され、それぞれが複数の光出射部を有する光源部を含む一対の灯具と、
    制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、一方の前記灯具の一部の光出射部の出射光量の低下によって当該灯具が形成する一方の配光パターンにおける一部の所定領域の光の強度が低下する場合、他方の前記灯具が形成する他方の配光パターンにおける光の強度が最も高い領域を前記所定領域に近づける
    ことを特徴とする車両用前照灯。
  2. それぞれの前記灯具の前記光源部から出射される前記光の向きを調整する一対のアクチュエータをさらに備え、
    前記制御部は、前記所定領域の前記光の強度が低下する場合、前記他方の配光パターンにおける前記光の強度が最も高い領域が前記所定領域に近づくように、前記他方の灯具の前記アクチュエータにより前記他方の灯具の前記光源部から出射される前記光の向きを変化させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯。
  3. 前記制御部は、前記所定領域の前記光の強度が低下する場合、前記他方の配光パターンにおける前記光の強度が最も高い領域が前記所定領域に近づくように、前記他方の灯具において強度が最も高い前記光を出射する前記光出射部を他の前記光出射部に切り替える
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用前照灯。
  4. 前記所定領域の前記光の強度が低下する場合は、前記制御部が、前記一方の灯具の前記光源部に温度ディレーティングを行う場合である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用前照灯。
  5. 前記所定領域の前記光の強度が低下する場合は、前記一方の灯具のうちの前記所定領域に向けて前記光を出射するはずの前記光出射部が前記光を出射しない場合である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用前照灯。
  6. 前記制御部は、前記所定領域の前記光の強度が低下する場合、前記所定領域において前記光の強度が低下したぶん前記光の強度が増加するように、前記他方の配光パターンにおける前記光の強度が最も高い領域を前記所定領域に近づける
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用前照灯。
  7. 前記制御部は、前記所定領域の前記光の強度が低下する場合、前記他方の配光パターンにおける前記光の強度が最も高い領域を前記所定領域に一致させる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用前照灯。

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