JP2023161216A - 包装材及び包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】リサイクル適性に優れ、且つ、耐熱性及び低温シール性を高いレベルでバランスよく達成することが可能な包装材及びそれを用いて得られる包装体を提供すること。【解決手段】本開示の一側面に係る包装材は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムと、ポリプロピレン系無延伸フィルムと、を少なくとも備え、ポリプロピレン系無延伸フィルムが、プロピレン単独重合体(A)、及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含有し、ポリプロピレン系無延伸フィルムの特定の測定方法により測定されるシール開始温度が、152~156℃である。【選択図】図1

Description

本開示は、包装材及び包装体に関する。
食品包装等の種々の包装材では、シーラントフィルムとして、剛性及び耐熱性に優れ、かつ安価であるポリプロピレン系無延伸フィルムが使用されることがある。
下記の特許文献1では、少なくともラミネート層およびシール層の2層よりなる積層ポリプロピレン系無延伸フィルムにおいて、シール強度等の特性が特定の範囲である積層ポリプロピレン系無延伸フィルムが開示されている。
特開2007-237641号公報
包装材には、従来、例えばハイレトルト条件である135℃の高温で加圧処理を行って殺菌及び滅菌を行うレトルト処理等に耐えられる耐熱性が求められている。
他方、近年、環境問題への意識の高まりから、包装材料にリサイクル適性を持たせるために、同一素材を使用した包装材料、いわゆるモノマテリアル包材への関心が高まっている。ポリプロピレン系フィルムをシーラント層として使用する場合には、ポリプロピレン系フィルムを基材として使用することが求められる。
しかし、例えば、二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、基材として従来使用されていた二軸延伸ポリアミドフィルム(ONy)及び二軸延伸ポリエステルフィルム(PET)等と比較して融点が低い。そのため、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを基材とした包装材は、製袋加工時にヒートシールを高温で行うことができない。しかし、従来のポリプロピレン無延伸フィルムをシーラント層として用いると、低温でのシール性が十分ではないことが本発明者らの検討で明らかとなった。
本開示の一側面は、上記事情に鑑みてなされたものであり、リサイクル適性に優れ、且つ、耐熱性及び低温シール性を高いレベルでバランスよく達成することが可能な包装材及びそれを用いて得られる包装体を提供する。
本開示の一側面に係る包装材は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムと、ポリプロピレン系無延伸フィルムと、を少なくとも備え、ポリプロピレン系無延伸フィルムが、プロピレン単独重合体(A)、及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含有し、ポリプロピレン系無延伸フィルムの以下の測定方法により測定されるシール開始温度が、152~156℃である。
<測定方法>
下記(A)~(D)工程を備え、(D)工程においてヒートシール強度が15N/15mm以上と判定されるまで、(A)工程にてシール温度を140℃から2℃ずつ高温に変更しながら(A)~(D)工程を繰り返し、(D)工程においてヒートシール強度が15N/15mm以上と初めて判定されたヒートシール温度をシール開始温度として採用する、測定方法。
(A)当該包装材のポリプロピレン系無延伸フィルム同士をシール圧0.2MPa、シール時間1秒、シール幅5mmでヒートシーラーによりヒートシールして試料を得る工程
(B)試料を15mm×80mmに切出し積層体を得る工程
(C)積層体について300mm/分で引張試験機を用いてヒートシール強度を測定する工程
(D)(C)工程で測定されたヒートシール強度が15N/15mm以上か否かを判定する工程
上記包装材は、ポリプロピレン系無延伸フィルムが、プロピレン単独重合体(A)、及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含有し、更に、シール開始温度が、152~156℃であることで、リサイクル適性に優れ、且つ、耐熱性及び低温シール性を高いレベルでバランスよく達成できる。このような効果は、シール開始温度が142℃以下のポリプロピレン系無延伸フィルムを用いた場合(例えば、上記特許文献1)では得ることができないものである。このような効果は、ポリプロピレンの同一素材で構成するレトルト用の包装材として好適な効果である。
一態様において、ポリプロピレン系無延伸フィルムは、プロピレン単独重合体(A)、及びプロピレン・エチレンランダム共重合体樹脂(B)を含有する、ヒートシール層である第一の層と、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)を含有する第二の層と、を備えていてよい。これにより、包装材は、優れた耐寒衝撃性を得やすい。
一態様において、第二の層におけるプロピレン・エチレンブロック共重合体(C)の含有量は、第二の層の全量を基準として、90~50質量%であり、第二の層におけるエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)の含有量は、第二の層の全量を基準として、10~50質量%であってよい。これにより、包装材は、優れた耐寒衝撃性を得やすい。
一態様において、ポリプロピレン系無延伸フィルムは、第二の層の第一の層とは反対側の面上に、プロピレン単独重合体(A)、及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含有する第三の層を更に備えていてよい。これにより、包装材は、歪みや反りを抑制できる傾向にある。
一態様において、上記包装材は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムが、上記包装材の最外層であり、二軸延伸ポリプロピレンフィルムが、165℃以上の融点を有していてよい。これにより、包装材は、ヒートシール時の熱収縮及び歪みを抑制できる傾向にある。
一態様において、上記包装材は、金属酸化物の蒸着層を有する樹脂フィルムを更に備えていてよい。一態様において、上記包装材は、レトルト処理又はボイル処理が施される包装体に使用されてよい。
本開示の一側面に係る包装体は、上記包装材から製袋される。
本開示の一側面によれば、リサイクル適性に優れ、且つ、耐熱性及び低温シール性を高いレベルでバランスよく達成することが可能な包装材及びそれを用いて得られる包装体が提供される。
図1は、本開示の第一実施形態に係る包装材の断面図である。 図2は、本開示の第二実施形態に係る包装材の断面図である。 図3は、本開示の第三実施形態に係る包装材の断面図である。 図4は、本開示の更に他の実施形態に係る包装材の断面図である。 図5は、本開示の更に他の実施形態に係る包装材の断面図である。 図6は、本開示の更に他の実施形態に係る包装材の断面図である。
以下、図面を参照しながら本開示の複数の実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[包装材]
<第一実施形態>
以下、第一実施形態に係る包装材について説明する。図1は、本実施形態に係る包装材10の断面図である。包装材10は、ポリプロピレン系無延伸フィルム21(以下、単に「フィルム21」ともいう。)と、接着層6と、二軸延伸ポリプロピレンフィルム7(以下、単に「フィルム7」ともいう。)と、をこの順序で備える。
{ポリプロピレン系無延伸フィルム}
フィルム21は、プロピレン単独重合体(A)、及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含有する第一の層1からなる。フィルム21のシール開始温度は、152~156℃である。
フィルム21のシール開始温度は、152~156℃である。シール開始温度が156℃超であると、製袋加工時にフィルム7が変形して製袋が行えず生産性が低下する。シール開始温度が152℃未満であると、耐熱性が低下し、例えば135℃のハイレトルト条件で加圧加熱処理を行った後に、包装袋の内面で融着が発生しやすくなる。
シール開始温度は、以下の測定方法により測定される。
(測定方法)
下記(A)~(D)工程を備え、(D)工程においてヒートシール強度が15N/15mm以上と判定されるまで、(A)工程にてシール温度を140℃から2℃ずつ高温に変更しながら(A)~(D)工程を繰り返し、(D)工程においてヒートシール強度が15N/15mm以上と初めて判定されたヒートシール温度をシール開始温度として採用する、測定方法。
(A)包装材10のフィルム同士21をシール圧0.2MPa、シール時間1秒、シール幅5mmでヒートシーラーによりヒートシールして試料を得る工程
(B)試料を15mm×80mmに切出し積層体を得る工程
(C)積層体について300mm/分で引張試験機を用いてヒートシール強度を測定する工程
(D)(C)工程で測定されたヒートシール強度が15N/15mm以上か否かを判定する工程
(プロピレン単独重合体(A))
プロピレン単独重合体(A)は、例えばチーグラー・ナッタ型触媒、メタロセン触媒、又はハーフメタロセン触媒を用いて、プロピレンを単独重合する方法により得ることができる。
プロピレン単独重合体(A)としては、以下の条件で示差走査熱量測定をした際の、融解開始温度が150℃以上、融点が155℃以上であるものを用いることができる。融解開始温度及び融点が共にこの範囲内である場合に、包装材10は、一層優れた耐熱性を有し、例えば高温でのレトルト処理を行った後に、包装袋の内面で融着が発生し難い傾向にある。
(示差走査熱量測定条件)
JIS K 7121に準拠し、25℃から230℃まで10℃/分で昇温した際の、DSC曲線の低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、融解ピークの低温側の曲線に接しかつ勾配が最大になるように引いた接線との交点を融解開始温度とし、融解ピークの頂点の温度を融点とする。
プロピレン単独重合体(A)としては、メルトフローレート(MFR:ISO 1133)(温度230℃、荷重2.16kg)が2.0~7.0g/10分の範囲であるものを用いることができる。メルトフローレートが下限値以上であることで、成形加工時の押出機負荷が小さくなり、加工速度が低下し難く優れた生産性を維持し易い。また、メルトフローレートが上限値以下であることで、包装材10は、優れた耐衝撃性を有し易い。
(プロピレン・エチレンランダム共重合体(B))
プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)は、例えばチーグラー・ナッタ型触媒、メタロセン触媒、又はハーフメタロセン触媒を用いて、プロピレンからなる主モノマー中にコモノマーとしてエチレンを共重合することにより得ることができる。
プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)としては、以下の条件で示差走査熱量測定(JIS K 7121)をした際の、融点が132~150℃の範囲であるものを用いることができる。融点がこの範囲内であるものを用いることで、包装材10は、耐熱性と低温シール性を一層高いレベルでバランスよく両立することができる傾向がある。
(示差走査熱量測定条件)
JIS K 7121に準拠し、25℃から230℃まで10℃/分で昇温した際の、DSC曲線の融解ピークの頂点の温度を融点とする。
プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)のエチレン含有量は、6質量%以下であることが好ましい。エチレン含有量が上限値以下であることで、低温シール性を維持しつつも耐熱性が過度に低下せず、レトルト処理後に包装袋の内面における融着を一層抑制できる傾向がある。この観点から、当該エチレン含有量は5.5質量%以下であってよく、4.5質量%以下であってよい。エチレン含有量の下限は特に限定されないが、低温シール性の観点から、3質量%とすることができる。
プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)のエチレン含有量は、社団法人日本分析学会 高分子分析懇談会編集 高分子分析ハンドブック(2013年5月10日,第3刷)の412~413ページに記載の、エチレン含有量の定量方法(IR法)に従い測定することができる。
フィルム21は、フィルム21の全量を基準として、プロピレン単独重合体(A)10~50質量%、及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)50~90質量%を含有することができる。プロピレン単独重合体(A)の含有量が10質量%以上であることで、フィルム21は、一層優れた耐熱性を維持し、レトルト処理後の内面の融着を抑制することができる。この観点から、当該含有量は15質量%以上であってよく、20質量%以上であってよい。プロピレン単独重合体(A)の含有量が50質量%以下であることで、すなわち、プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の含有量が少なくとも50質量%以上であることで、フィルム21は、一層優れた低温シール性を発現することができる。この観点から、プロピレン単独重合体(A)の含有量は45質量%以下であってよく、40質量%以下であってよい。以上の観点から、プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の含有量は、45~85質量%であってよく、40~80質量%であってよい。フィルム21のプロピレン単独重合体(A)とプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の含有量が上記範囲にあると、フィルム21が優れた耐熱性と低温シール性を有する傾向がある。その結果、包装材10は一層優れた耐熱性と低温シール性を両立することができる傾向がある。
フィルム21の厚さは、例えば包装材用のフィルムとして使用可能な範囲であれば特に制限されることはないが、フィルムが厚すぎる場合にはコストデメリットとなる。このため、フィルム21の厚さは、100μm以下とすることができ、50~70μmであってよい。
フィルム21を製造する方法は特に制限されるものではなく、公知の方法を使用することが可能である。例えば、熱成形加工の方法としては、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解又は分散混合後、溶剤を加熱除去する方法等が挙げられる。作業性を考慮した場合、単軸スクリュー押出機又は2軸スクリュー押出機を使用することができる。単軸押出機を用いる場合、スクリューとしては、フルフライトスクリュー、ミキシングエレメントを持つスクリュー、バリアフライトスクリュー、フルーテッドスクリュー等が挙げられ、これらを特に制限なく使用することができる。2軸混練装置としては、同方向回転2軸スクリュー押出機、異方向回転2軸スクリュー押出機等を用いることができ、またスクリュー形状としてはフルフライトスクリュー、ニーディングディスクタイプ等特に限定なく用いることができる。
上記方法において、フィルム21を単軸押出機又は2軸押出機等により溶融したのち、フィードブロック又はマルチマニホールドを介しTダイで製膜する方法を用いることが可能である。
得られたフィルム21は、後工程適性を向上する表面改質処理を必要に応じて適宜施されてよい。例えば、単体フィルム使用時の印刷適性向上や、積層使用時のラミネート適性向上のために、印刷面や基材と接触する面に対して表面改質処理を行ってよい。表面改質処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理等のフィルム表面を酸化させることにより官能基を生じさせる処理や、コーティングにより易接着層を形成するウェットプロセスによる改質処理が挙げられる。
{接着層}
接着層6を構成する接着剤成分としては、例えば、従来公知であるウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤、イソシアネート系接着剤、及びポリプロピレンの酸変性物などが挙げられる。
接着層6の厚さは、0.1~10μmであってよい。
{二軸延伸ポリプロピレンフィルム}
フィルム7は、包装材10の最外層に設けられている。これにより、包装材10の耐熱性が向上し、ヒートシール時やレトルト処理の熱変形が抑制されやすい。フィルム7の以下の条件で示差走査熱量測定をして測定される融点は、包装材の耐熱性が一層向上し、ヒートシール時やレトルト処理の熱変形が抑制されやすいことから、165℃以上、又は167℃以上であってよく、170℃以上であってよく、173℃以下であってよい。
(示差走査熱量測定条件)
JIS K 7121に準拠し、25℃から230℃まで10℃/分で昇温した際の、DSC曲線の融解ピークの頂点の温度を融点とする。
フィルム7に含まれるポリプロピレンとしては、例えば、ポリプロピレン単独重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体及びプロピレン・エチレンブロック共重合体が挙げられる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
フィルム7の厚さは、10μm以上であってよい。これにより、包装材10は、耐熱性を一層維持し易い。フィルム7の厚さの上限値は特に限定されないが、コストデメリットとなるため、40μmとすることができる。
フィルム7を製造する方法は特に制限されるものではなく、公知の方法を使用することが可能である。例えば、熱成形加工の方法としては、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解又は分散混合後、溶剤を加熱除去する方法等が挙げられる。作業性を考慮した場合、単軸スクリュー押出機又は2軸スクリュー押出機を使用することができる。単軸押出機を用いる場合、スクリューとしては、フルフライトスクリュー、ミキシングエレメントを持つスクリュー、バリアフライトスクリュー、フルーテッドスクリュー等が挙げられ、これらを特に制限なく使用することができる。2軸混練装置としては、同方向回転2軸スクリュー押出機、異方向回転2軸スクリュー押出機等を用いることができ、またスクリュー形状としてはフルフライトスクリュー、ニーディングディスクタイプ等特に限定なく用いることができる。
上記方法において、ポリプロピレン系樹脂を単軸押出機又は2軸押出機等により溶融したのち、フィードブロック又はマルチマニホールドを介しTダイで製膜する方法を用いることが可能である。
上記方法において、フィルムを製膜したのち、フィルムの縦方向(MD方向)および横方向(TD方向)に2~10倍の延伸処理を行うことが好ましい。延伸倍率が2倍以上であることにより、フィルム7は、一層耐熱性を得やすい。フィルム7の破断限界という観点からは、延伸倍率は15倍以下であることが好ましい。
フィルム7は、必要に応じて適宜後工程適性を向上する表面改質処理を施されてよい。例えば、印刷適性向上や、積層使用時のラミネート適性向上のために、印刷面や基材と接触する面に対して表面改質処理を行ってよい。表面改質処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理等のフィルム表面を酸化させることにより官能基を生じさせる処理や、コーティングにより易接着層を形成するウェットプロセスによる改質処理が挙げられる。
<第二実施形態>
以下、第二実施形態に係る包装材について説明する。以下で説明がない点については、不都合が生じない限り、第一実施形態に係る包装材と同様である。図2は、本実施形態に係る包装材11の断面図である。包装材11は、ポリプロピレン系無延伸フィルム22(以下、単に「フィルム22」ともいう。)と、接着層6と、フィルム7と、をこの順序で備える。フィルム22は、ヒートシール層である第一の層1と、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)を含有する第二の層2と、を備える。包装材11は、第二の層2を備えることで優れた耐寒衝撃性を得易い。
(プロピレン・エチレンブロック共重合体(C))
プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)は、第一工程でプロピレン重合体(C1)を製造し、次いで、第二工程で気相重合によりエチレン-プロピレン共重合体(C2)を製造して得られる共重合体であってよい。プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)は、プロピレン重合体末端とエチレン-プロピレン共重合体末端が結合されたブロック共重合体ではなく、一種のブレンド系の共重合体であってよい。包装材11は、第二の層がプロピレン・エチレンブロック共重合体(C)を含有することにより、優れた耐寒衝撃性を得易い。
プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)としては、メルトフローレート(MFR:ISO 1133)(温度230℃、荷重2.16kg)が0.5~2.5g/10分の範囲であるものを用いてよい。メルトフローレートが下限値以上であることで、成形加工時の押出機負荷が小さくなり、加工速度が低下し難く優れた生産性を維持し易い。メルトフローレートが上限値以下であることで、包装材11は、優れた耐寒衝撃性を得易い。
プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)は、上記プロピレン重合体(C1)90~60質量%及びエチレン-プロピレン共重合体(C2)10~40質量%を含有してよい。各成分がこの範囲であることにより、包装材11は、優れた耐寒衝撃性が得易い。この観点から、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)は、プロピレン重合体(C1)87.5~65質量%及びエチレン-プロピレン共重合体(C2)12.5~35質量%を含有してよく、プロピレン重合体(C1)85~70質量%及びエチレン-プロピレン共重合体(C2)15~30質量%を含有してよい。
プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)に含まれている、エチレン-プロピレン共重合体(C2)のエチレン含有量は、特に制限はないが、20~40質量%の範囲とすることができる。エチレン含有量が上限値以下であることで、生成物のタック性を抑制することができ、製造時に生成物のタックによる汚染がし難く優れた生産性を維持し易い。エチレン含有量が下限値以上であることで、包装材11は、優れた耐寒衝撃性を得易い。
(エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D))
エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)は、例えばヘキサン、ヘプタン、灯油等の不活性炭化水素、又はプロピレン等の液化α-オレフィン溶媒の存在下で行うスラリー重合法、無溶媒下の気相重合法などにより得ることができる。具体的には、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)は、公知の多段重合法を用いて得られる。すなわち、第1段の反応器でプロピレン及び/又はプロピレン-α-オレフィン重合体を重合した後、第2段の反応でプロピレンとα-オレフィンとの共重合により得ることができる、重合型高ゴム含有ポリプロピレン系樹脂である。包装材11は、第二の層2がエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)を含有することにより、更に優れた耐寒衝撃性を得易い。
エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)としては、メルトフローレート(MFR:ISO 1133)(温度230℃、荷重2.16kg)が0.5~3.5g/10分の範囲であるものを用いることができる。メルトフローレートが下限値以上であることで、成形加工時の押出機負荷が小さくなり、加工速度が低下し難く優れた生産性を維持し易い。メルトフローレートが上限値以下であることで、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)とエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)との相容性が良好となり、包装材11は、耐衝撃性を得易い。
エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)としては、プロピレン含有量とエチレン含有量の質量比(プロピレン含有量/エチレン含有量)が1.5~4の範囲であるものを用いることができる。上記範囲であることで、包装材11は、優れた耐寒衝撃性が得易い。
第二の層2は、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)90~50質量%及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)10~50質量%を含有してよい。プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)の含有量が50質量%以上であることで、包装材11は、一層優れた耐熱性を維持し易い。この観点から、当該含有量は60質量%以上であってよく、70質量%以上であってよい。プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)の含有量が90質量%以下であることで、すなわち、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)の含有量が少なくとも10質量%以上であることで、包装材11は、優れた耐寒衝撃性を発現することができる。この観点から、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)の含有量は87.5質量%以下であってよく、85質量%以下であってよい。以上の観点から、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)の含有量は、12.5~40質量%であってよく、15~30質量%であってよい。
フィルム22の厚さは、フィルム21と同様であってよい。第一の層1の厚さの割合は、フィルム22の厚さを基準として8~30%であってよい。第一の層1の厚さの割合が下限値以上であることで、一層優れた低温シール性を得易く、また上限値以下であることで、フィルムのヒートシール強度の低下を抑制することができ、実用性が得られ易い。この観点から、第一の層1の厚さの割合は、10~25%であってよい。
第二の層2の厚さは20μm以上であってよい。これにより、包装材11の耐寒衝撃性が維持され、低温保管時でも破袋し難い。この観点から、第二の層2の厚さは25μm以上であってよく、30μm以上であってよい。第二の層2の厚さの上限値は特に限定されないが、コストデメリットとなるため、50μmとすることができる。
<第三実施形態>
以下、第三実施形態に係る包装材について説明する。以下で説明がない点については、不都合が生じない限り、第一及び第二実施形態に係る包装材と同様である。図3は、本実施形態に係る包装材12の断面図である。包装材12は、ポリプロピレン系無延伸フィルム23(以下、単に「フィルム23」ともいう。)と、接着層6と、フィルム7と、をこの順序で備える。フィルム23は、ヒートシール層である第一の層1と、第二の層2と、プロピレン単独重合体(A)及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含有する第三の層3と、をこの順に備える。包装材12は、第三の層3を備えることで、フィルムの歪みやカールが抑制される傾向にある。
第三の層3に含まれるプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の融点は、135~150℃であってもよい。
第三の層3におけるプロピレン単独重合体(A)とプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の比率に特に制限はないが、フィルム成形後のフィルムカール抑制の観点から第一の層1と同様の比率であることが好ましい。
第一の層1の厚さは、フィルム23の厚さを基準として8~21%であってよい。第一の層の厚さの割合が下限値以上であることで、包装材12は、優れた低温シール性を得易く、また上限値以下であることで、フィルムのヒートシール強度の低下を抑制することができ、実用性が得られ易い。この観点から、第一の層1の厚さの割合は10~15%であってよい。
第二の層2の厚さは20μm以上であってよい。これにより、フィルム23の耐寒衝撃性が維持され、得られる包装体は、低温保管時でも破袋し難い。この観点から、第二の層2の厚さは25μm以上であってよく、30μm以上であってよい。第二の層2の厚さの上限値は特に限定されないが、コストデメリットとなるため、50μmとすることができる。
第一の層1と第三の層3の総厚は、フィルム23の厚さを基準として16~42%であってよい。第一の層1と第三の層3の総厚が下限値以上であることで、一層優れた低温シール性を得易く、また上限値以下であることで、フィルム23のヒートシール強度の低下を抑制することができ、実用性が得られ易い。この観点から、第一の層1と第三の層3の総厚の割合は20~35%であってよい。
以上、第一~第三実施形態に係る包装材について詳細に説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、包装材は更に他の基材を備えていてよい。図4~6は、それぞれ、本開示の更に他の実施形態に係る包装材の断面図である。図4に示す包装材13は、フィルム21、接着層4、基材5、接着層6及びフィルム7をこの順に備える。図5に示す包装材14は、フィルム22、接着層4、基材5、接着層6及びフィルム7をこの順に備える。図6に示す包装材15は、フィルム23、接着層4、基材5、接着層6及びフィルム7をこの順に備える。基材5としては、例えば、印刷紙、金属箔(AL箔)及び金属酸化物の蒸着層を有する樹脂フィルム(透明蒸着フィルム)が挙げられる。金属酸化物の蒸着層を有する樹脂フィルムは、例えば、ONy又はPETの表面に金属酸化物の蒸着層を設けたものであってよい。
本開示の包装材の製造方法は、包装材を構成するフィルムに接着剤を用いて貼合せる通常のドライラミネート法が好適に採用できるが、必要に応じてポリプロピレン系無延伸フィルムを基材上に直接押出ラミネートする方法も採用することができる。
本開示の包装材の積層構造は、包装体の要求特性、例えば包装する食品の品質保持期間を満たすバリア性、内容物の重量に対応できるサイズ・耐衝撃性、内容物の視認性等に応じて適宜調整することができる。
本開示の包装材は、耐熱性及び低温シール性を高いレベルで両立している。また、本開示の包装材は、レトルト用包装体として、沸水処理やレトルト処理等の過酷な処理にも好適に使用でき、また、ポリプロピレン系の同一素材で構成されているため、リサイクル適正にも優れる。
<包装体>
包装体は上記の包装材から製袋されてよく、その製袋様式に関してはとくに制限されない。例えば上記の包装材は、ポリプロピレン系無延伸フィルムをシール材とする、平袋、三方袋、合掌袋、ガゼット袋、スタンディングパウチ、スパウト付きパウチ、ビーク付きパウチ等に用いることが可能である。
以下に、本開示を実施例に基づいて具体的に説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。
<フィルムの作製>
(実施例1)
以下に示すプロピレン単独重合体(A)、プロピレン・エチレンランダム共重合体(B1)、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)及び二軸延伸ポリプロピレンフィルムを準備した。
(プロピレン単独重合体(A))
以下の条件で示差走査熱量測定をした際の、融解開始温度が153℃、融解ピーク温度が159℃であり、かつメルトフローレート(MFR:ISO 1133)(温度230℃、荷重2.16kg)が3.0g/10分であるプロピレン単独重合体。
(示差走査熱量測定条件)
JIS K 7121に準拠し、25℃から230℃まで10℃/分で昇温した際の、DSC曲線の低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、融解ピークの低温側の曲線に接しかつ勾配が最大になるように引いた接線との交点を融解開始温度とし、融解ピークの頂点の温度を融点とする。
(プロピレン・エチレンランダム共重合体(B1))
以下の条件で示差走査熱量測定をした際の融点が147℃、エチレン含有量が3.4質量%であるプロピレン・エチレンランダム共重合体。
(示差走査熱量測定条件)
JIS K 7121に準拠し、25℃から230℃まで10℃/分で昇温した際の、DSC曲線の融解ピークの頂点の温度を融点とする。
エチレン含有量の測定は、社団法人日本分析学会 高分子分析懇談会編集 高分子分析ハンドブック(2013年5月10日,第3刷)の412~413ページに記載の、エチレン含有量の定量方法(IR法)に従い行った。
(プロピレン・エチレンブロック共重合体(C))
メルトフローレート(MFR:ISO 1133)(温度230℃、荷重2.16kg)が1.8g/10分であり、プロピレン重合体81.5質量%及びエチレン-プロピレン共重合体18.5質量%を含有し、エチレン-プロピレン共重合体に含まれるエチレン含有量が36.2重量%であるプロピレン・エチレンブロック共重合体。
(エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D))
メルトフローレート(MFR:ISO 1133)(温度230℃、荷重2.16kg)が0.6g/10分であり、かつプロピレン含有量/エチレン含有量(質量比)が2.7であるエチレン・プロピレン共重合体エラストマー。
(二軸延伸ポリプロピレンフィルム(最外層))
示差走査熱量測定をした際の、融点が171℃、厚さ30μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡株式会社製:P2171 30μm厚)。融点は、プロピレン・エチレンランダム共重合体(B1)と同様にして測定される値である。
(二軸延伸ポリプロピレンフィルム(中間層))
示差走査熱量測定をした際の、融点が161℃、厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(フタムラ化学株式会社製:FOR 20μm厚)。融点は、プロピレン・エチレンランダム共重合体(B1)と同様にして測定される値である。
ポリプロピレン系無延伸フィルムの第一の層形成用に、プロピレン単独重合体(A)10質量%及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B1)90質量%をペレット状態で混合した樹脂混合体を準備した。ポリプロピレン系無延伸フィルムの第二の層形成用に、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)70質量%及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)30質量%をペレット状態で混合した樹脂混合体を準備した。各樹脂混合体を250℃に温調した押出機に供給し、溶融状態にて混錬して、フィードブロックを持つTダイ押出機にて第一の層の厚さが15μm、第二の層の厚さが45μmとなるように積層してポリプロピレン系無延伸フィルムを得た。ポリプロピレン系無延伸フィルムの第二の層の面上にウレタン系接着剤を用いて通常のドライラミネート法で、中間層となる二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)を貼り合わせた。二軸延伸ポリプロピレンフィルムのポリプロピレン系無延伸フィルムとは反対側の面上にウレタン系接着剤を用いて通常のドライラミネート法で、最外層となる二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)を貼り合せ、次の構成の実施例1のフィルムを作製した。
フィルム構成:OPP(最外層)/接着剤/OPP(中間層)/接着剤/ポリプロピレン系無延伸フィルムの第二の層/ポリプロピレン系無延伸フィルムの第一の層
(実施例2)
プロピレン単独重合体(A)とプロピレン・エチレンランダム共重合体(B1)の混合割合を、表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2のフィルムを作製した。
(実施例3)
プロピレン単独重合体(A)とプロピレン・エチレンランダム共重合体(B1)の混合割合を、表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3のフィルムを作製した。
(実施例4)
ポリプロピレン系無延伸フィルムの第一の層及び第三の層形成用に、プロピレン単独重合体(A)10質量%及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B1)90質量%をペレット状態で混合した樹脂混合体を準備した。ポリプロピレン系無延伸フィルムの第二の層形成用に、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)70質量%及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)30質量%をペレット状態で混合した樹脂混合体を準備した。各樹脂混合体を250℃に温調した押出機に供給し、溶融状態にて混錬して、フィードブロックを持つTダイ押出機にて第一の層と第三の層の厚さがそれぞれ10μm、第二の層の厚さが40μmとなるように積層し、ポリプロピレン系無延伸フィルムを得た。ポリプロピレン系無延伸フィルムの第三の層の面上にウレタン系接着剤を用いて通常のドライラミネート法で、中間層となる二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)を貼り合わせた。二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)のポリプロピレン系無延伸フィルムとは反対側の面上にウレタン系接着剤を用いて通常のドライラミネート法で、最外層となる二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)を貼り合せ、次の構成の実施例4のフィルムを作製した。
フィルム構成:OPP(最外層)/接着剤/OPP(中間層)/接着剤/ポリプロピレン系無延伸フィルムの第三の層/ポリプロピレン系無延伸フィルムの第二の層/ポリプロピレン系無延伸フィルムの第一の層
(実施例5)
プロピレン単独重合体(A)とプロピレン・エチレンランダム共重合体(B1)の混合割合を、表1に示すように変更したこと以外は、実施例4と同様にして実施例5のフィルムを作製した。
(実施例6)
プロピレン単独重合体(A)とプロピレン・エチレンランダム共重合体(B1)の混合割合を、表2に示すように変更したこと以外は、実施例4と同様にして実施例6のフィルムを作製した。
(比較例1)
プロピレン・エチレンランダム共重合体(B1)に代えて、以下のプロピレン・エチレンランダム共重合体(B2)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして比較例1のフィルムを作製した。
(プロピレン・エチレンランダム共重合体(B2))
示差走査熱量測定(JIS K 7121)をした際の、融点が131℃であるプロピレン・エチレンランダム共重合体。融点は、プロピレン・エチレンランダム共重合体(B1)と同様にして測定される値である。
(比較例2)
プロピレン単独重合体(A)とプロピレン・エチレンランダム共重合体(B2)の混合割合を、表2に示すように変更したこと以外は、比較例1と同様にして比較例2のフィルムを作製した。
(比較例3)
プロピレン単独重合体(A)のみを用いて第一の層及び第三の層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして比較例3のフィルムを作製した。
(比較例4)
プロピレン・エチレンランダム共重合体(B1)のみを用いて第一の層及び第三の層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして比較例4のフィルムを作製した。
<各種評価>
各例で得られたフィルムに対し以下の評価を行った。また、低温シール性と耐熱性の評価結果を以下の基準に沿って総合判定した。結果を表1及び2に示す。
[低温シール性評価]
低温シール性評価では、各例で得られたフィルムについて以下の測定方法によりシール開始温度を測定した。シール開始温度が低いほど、低温シール性が良好であると判断した。また、シール開始温度から、最外層の二軸延伸ポリプロピレンフィルムが変形しないシール温度である156℃までの温度範囲をシール可能な温度範囲として算出した。
<測定方法>
本測定方法は、下記(A)~(D)工程を備える。下記(D)工程においてヒートシール強度が15N/15mm以上と判定されるまで、下記(A)工程にてシール温度を140℃から2℃ずつ高温に変更しながら下記(A)~(D)工程を繰り返す。下記(D)工程においてヒートシール強度が15N/15mm以上と初めて判定されたヒートシール温度をシール開始温度として採用する。
(A)当該包装材のポリプロピレン系無延伸フィルム同士をシール圧0.2MPa、シール時間1秒、シール幅5mmでヒートシーラーによりヒートシールして試料を得る工程
(B)試料を15mm×80mmに切出し積層体を得る工程
(C)積層体について300mm/分で引張試験機を用いてヒートシール強度を測定する工程
(D)(C)工程で測定されたヒートシール強度が15N/15mm以上か否かを判定する工程
[耐熱性の評価]
耐熱性の評価では、各例で得られたフィルムの第一の層同士をヒートシールして積層体を得た。ヒートシールは、テスター産業(株)製のヒートシーラーを用いて、シール圧0.05MPa、シール時間30秒間、シール幅10mm、シール温度135℃の条件で行った。積層体を15mm幅×80mmに切出した。引張試験機((株)島津製作所製)を用いて切出した積層体のヒートシール部分の熱融着強度を測定した。測定は、300mm/分の引張速度でヒートシール部分をT字剥離することで行った。本測定では、熱融着強度が2.0N/15mm以下であれば、耐熱性が良好であると判断した。
[総合判定の基準]
○:ヒートシール立ち上がり温度が156℃以下であり且つ熱融着強度が2.0N/15mm以下である。
×:ヒートシール立ち上がり温度が158℃以上である又は熱融着強度が2.0N/15mm超である。
Figure 2023161216000002
Figure 2023161216000003
本開示の要旨は以下の[1]~[8]に存する。
[1]二軸延伸ポリプロピレンフィルムと、ポリプロピレン系無延伸フィルムと、を少なくとも備える包装材であって、
ポリプロピレン系無延伸フィルムが、プロピレン単独重合体(A)、及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含有し、
ポリプロピレン系無延伸フィルムの以下の測定方法により測定されるシール開始温度が、152~156℃である、包装材。
<測定方法>
下記(A)~(D)工程を備え、(D)工程においてヒートシール強度が15N/15mm以上と判定されるまで、(A)工程にてシール温度を140℃から2℃ずつ高温に変更しながら(A)~(D)工程を繰り返し、(D)工程においてヒートシール強度が15N/15mm以上と初めて判定されたヒートシール温度をシール開始温度として採用する、測定方法。
(A)当該包装材のポリプロピレン系無延伸フィルム同士をシール圧0.2MPa、シール時間1秒、シール幅5mmでヒートシーラーによりヒートシールして試料を得る工程
(B)試料を15mm×80mmに切出し積層体を得る工程
(C)積層体について300mm/分で引張試験機を用いてヒートシール強度を測定する工程
(D)(C)工程で測定されたヒートシール強度が15N/15mm以上か否かを判定する工程
[2]ポリプロピレン系無延伸フィルムが、プロピレン単独重合体(A)、及びプロピレン・エチレンランダム共重合体樹脂(B)を含有する、ヒートシール層である第一の層と、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)を含有する第二の層と、を備える、[1]に記載の包装材。
[3]第二の層におけるプロピレン・エチレンブロック共重合体(C)の含有量が、第二の層の全量を基準として、90~50%質量であり、
第二の層におけるエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)の含有量が、第二の層の全量を基準として、10~50質量%である、[2]に記載の包装材。
[4]ポリプロピレン系無延伸フィルムが、第二の層の第一の層とは反対側の面上に、プロピレン単独重合体(A)、及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含有する第三の層を更に備える、[2]又は[3]に記載の包装材。
[5]二軸延伸ポリプロピレンフィルムが、当該包装材の最外層であり、
二軸延伸ポリプロピレンフィルムが、165℃以上の融点を有する、[1]~[4]のいずれかに記載の包装材。
[6]金属酸化物の蒸着層を有する樹脂フィルムを更に備える、[1]~[5]のいずれかに記載の包装材。
[7]レトルト処理又はボイル処理が施される包装体に使用される、[1]~[6]のいずれかに記載の包装材。
[8][1]~[7]のいずれかに記載の包装材から製袋された包装体。
本開示の包装材は、ポリプロピレンの同一素材で構成する包装材として、耐熱性及び低温シール性を高いレベルで両立しており、例えば、レトルト用途に好適に使用できる。
1…第一の層、2…第二の層、3…第三の層、7…二軸延伸ポリプロピレンフィルム、10~15…包装材、21~23…ポリプロピレン系無延伸フィルム。

Claims (8)

  1. 二軸延伸ポリプロピレンフィルムと、ポリプロピレン系無延伸フィルムと、を少なくとも備える包装材であって、
    前記ポリプロピレン系無延伸フィルムが、プロピレン単独重合体(A)、及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含有し、
    前記ポリプロピレン系無延伸フィルムの以下の測定方法により測定されるシール開始温度が、152~156℃である、包装材。
    <測定方法>
    下記(A)~(D)工程を備え、前記(D)工程においてヒートシール強度が15N/15mm以上と判定されるまで、前記(A)工程にてシール温度を140℃から2℃ずつ高温に変更しながら前記(A)~(D)工程を繰り返し、前記(D)工程においてヒートシール強度が15N/15mm以上と初めて判定されたヒートシール温度をシール開始温度として採用する、測定方法。
    (A)当該包装材の前記ポリプロピレン系無延伸フィルム同士をシール圧0.2MPa、シール時間1秒、シール幅5mmでヒートシーラーによりヒートシールして試料を得る工程
    (B)前記試料を15mm×80mmに切出し積層体を得る工程
    (C)前記積層体について300mm/分で引張試験機を用いてヒートシール強度を測定する工程
    (D)前記(C)工程で測定されたヒートシール強度が15N/15mm以上か否かを判定する工程
  2. 前記ポリプロピレン系無延伸フィルムが、プロピレン単独重合体(A)、及びプロピレン・エチレンランダム共重合体樹脂(B)を含有する、ヒートシール層である第一の層と、プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)を含有する第二の層と、を備える、請求項1に記載の包装材。
  3. 前記第二の層における前記プロピレン・エチレンブロック共重合体(C)の含有量が、前記第二の層の全量を基準として、90~50質量%であり、
    前記第二の層における前記エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(D)の含有量が、前記第二の層の全量を基準として、10~50質量%である、請求項2に記載の包装材。
  4. 前記ポリプロピレン系無延伸フィルムが、前記第二の層の前記第一の層とは反対側の面上に、プロピレン単独重合体(A)、及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含有する第三の層を更に備える、請求項2又は3に記載の包装材。
  5. 前記二軸延伸ポリプロピレンフィルムが、当該包装材の最外層であり、
    前記二軸延伸ポリプロピレンフィルムが、165℃以上の融点を有する、請求項1又は2に記載の包装材。
  6. 金属酸化物の蒸着層を有する樹脂フィルムを更に備える、請求項1又は2に記載の包装材。
  7. レトルト処理又はボイル処理が施される包装体に使用される、請求項1又は2に記載の包装材。
  8. 請求項1又は2に記載の包装材から製袋された包装体。
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