JP2023156134A - 車両制御装置 - Google Patents

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国憲 熊谷
Kuninori Kumagai
聡 山中
Satoshi Yamanaka
崇志 松本
Takashi Matsumoto
昇吾 酒谷
Shogo Sakatani
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Abstract

【課題】カーブ走行時にばね上挙動のばたつきを抑制できる車両制御装置を提供する。【解決手段】車両制御装置1において、設定部26は、車両の前方のカーブを旋回するときの目標ロール角速度または目標ロール角加速度を設定する。目標ピッチモーメント演算部28は、設定された目標ロール角速度または目標ロール角加速度にもとづいて、車両がカーブを旋回するときの目標ピッチモーメントを演算する。減速度演算部30は、演算された目標ピッチモーメントにもとづいて、車両の減速度を演算する。【選択図】図7

Description

本発明は、カーブ走行時に車両を減速させる車両制御装置に関する。
車両の旋回時の目標ロール角と実ロール角の差に応じて、旋回時内側の後輪および旋回時外側の前輪に制動力を付与する車両の挙動制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2020-117216号公報
特許文献1の技術では、車両の旋回時のばね上挙動の変化を小さくすることはできるが、ばね上挙動のばたつきを抑制できない可能性がある。
本発明の目的は、カーブ走行時にばね上挙動のばたつきを抑制できる車両制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両制御装置は、車両の前方のカーブを旋回するときの目標ロール角速度または目標ロール角加速度を設定する設定部と、設定された前記目標ロール角速度または前記目標ロール角加速度にもとづいて、前記車両が前記カーブを旋回するときの目標ピッチモーメントを演算する目標ピッチモーメント演算部と、演算された前記目標ピッチモーメントにもとづいて、前記車両の減速度を演算する減速度演算部と、を備える。
本発明によれば、カーブ走行時にばね上挙動のばたつきを抑制できる。
実施の形態の車両制御装置を搭載した車両がカーブを走行する状況を示す図である。 図2(a)は、図1の車両と比較例の車両がカーブを走行中の舵角を示す図である。図2(b)は、図1の車両がカーブを走行中のロールレートと、第1および第2比較例の車両がカーブを走行中のロールレートを示す図である。図2(c)は、図1の車両がカーブを走行中の車速と、第1および第2比較例の車両がカーブを走行中の車速を示す図である。 車両がカーブを走行中の舵角、横ジャーク、ロール角速度、ピッチ角速度、前外輪荷重移動、ヨー角速度の一例を示す図である。 アブソーバ起因のピッチ発生メカニズムを説明するための車両の前面図である。 ピッチ発生メカニズムを説明するための車両の側面図である。 ピッチ、ヨー、ロールが連成した場合の車両の挙動を示す図である。 図1の車両制御装置の構成を示す図である。 ロールレートの予測値および目標値と舵角との関係の一例を示す図である。 図8に対応するロール角加速度の予測値および目標値と舵角との関係の一例を示す図である。 ロールレートとカーブの所定位置の車速との関係を示す図である。
図1は、実施の形態の車両制御装置1を搭載した車両50がカーブ60を走行する状況を示す。車両制御装置1は、カーブ60を走行する車両50を自動的に減速させる。車両50は、内燃機関のみで車両駆動力を発生する車両に限らず、内燃機関とモータとで車両駆動力を発生するハイブリッド車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)でもよいし、モータのみで車両駆動力を発生する電気自動車(BEV:Battry Electric Vehicle)や燃料電池車(FCEV:Fuel Cell Electric Vehicle)でもよい。車両50は、運転者によって運転される車両でもよいし、自動運転車でもよい。
車両50がカーブ60の手前の位置P1に到達したとき、減速制御の開始条件が満たされたことを想定する。減速制御の開始条件は、例えば、車両50が前進走行中、前方の所定距離内にカーブが存在し、運転者によるアクセルペダルとブレーキペダルの踏み込みがないことである。減速制御の開始条件が満たされると、車両制御装置1は、減速制御を開始し、車両50の減速度を演算し、カーブ60の入口P2から出口P3までにおいて、演算した減速度を車両50に発生させる。これにより、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作を必要とせず、車両50は、カーブ60の入口P2から出口P3までを適切な車速で走行できる。
ここで、カーブ60の走行中に車両50のロール角が大きくなり過ぎるか、または、ロールレート(以下、ロール角速度とも呼ぶ)が増減を繰り返すばたつきが発生すると、旋回挙動が不安定になり、乗り心地が悪化したり、乗員の安心感が低下したりする可能性がある。ロールレートは、車両50のばね上挙動を表す。車両50を減速させることで、ロール角を小さくし、ロールレートのばたつきも抑制できるが、乗り心地を重視し過ぎて速度を低下させ過ぎると、不自然な減速になってしまう可能性がある。過度な減速になった場合、再加速が必要になり、運転者の操作負担が増え、自動運転の場合には燃費または電費を悪化させる可能性もある。
図2(a)は、図1の車両50と比較例の車両がカーブ60を走行中の舵角を示す。図2(b)は、図1の車両50がカーブ60を走行中のロールレートp1と、第1および第2比較例の車両がカーブ60を走行中のロールレートp2,p3を示す。図2(c)は、図1の車両50がカーブ60を走行中の車速V1と、第1および第2比較例の車両がカーブ60を走行中の車速V2,V3を示す。図2(a)~(c)の横軸は時間であり、車両がカーブ60の入口P2を通過した時刻以降のグラフを示す。
第1比較例では、車速V2は、十分に低下されておらず、ロールレートp2にばたつきが発生している。第2比較例では、車速V3は、過度に低下しており、ロールレートp3にばたつきが発生していない。一方、実施の形態では、車速V1は、適度に低下しており、ロールレートp1にばたつきが発生していない。そのために、以下に詳述するように、車両制御装置1は、カーブ60を旋回するときの目標ロール角加速度を設定し、目標ロール角加速度を実現するように車両50を減速させる。
ここで、ばね上挙動のばたつきの発生メカニズムを説明する。図3は、車両がカーブを走行中の舵角、横ジャーク、ロール角速度、ピッチ角速度、前外輪荷重移動、ヨー角速度の一例を示す。横軸は時間であり、車両がカーブの入口を通過した時刻以降のグラフを示す。
車両が旋回を開始すると、以下の式(I)に示すように、横ジャークAy(ドット)が発生し、それによりロールが発生する(図3の(1))。pはロールレート[deg/s]を表し、Ayは横加速度[m/s^2]を表す。以下、「Ay(ドット)」等の「ドット」は、式(I)等に記載された文字Ay等の上の「・」を表す。「・」は、時間微分を表す。
Figure 2023156134000002
ロールにより、旋回起因の前傾ピッチが発生する(図3の(2))。前傾ピッチの発生メカニズムは後述する。旋回起因のピッチ運動方程式を以下の式(J)に示す。Myはピッチモーメント[Nm]を表し、ΔCはアブソーバ前後伸圧差[N]を表し、Kは旋回抵抗着力点距離[m]を表し、Fcrは旋回抵抗力[N]を表す。
Figure 2023156134000003
ピッチモーメントMyにより、以下の式(K)に示すように車両前方に荷重が移動する(図3の(3))。Wはタイヤ垂直荷重[N]を示す。
Figure 2023156134000004
以下の式(L)に示すように、荷重増加により前輪のコーナリングフォースが増加し、それによりヨー運動が促進される(図3の(4))。rはヨーレート[deg/s]を示し、Fyはタイヤコーナリングフォース[N]を示す。
Figure 2023156134000005
以下の式(M)に示すように、ヨーレートrの増加に伴い横ジャークAy(ドット)が増加し、それによりロールが再発生する(図3の(5))。mは車重[kg]を示し、Vは車速[km/h]を示し、βは車両すべり角[deg]を示す。
Figure 2023156134000006
このように、ロール挙動が2回発生し、バネ上挙動がばたつく。つまり、図3に示すように、ロールレートに複数のピークが現れる。
バネ上挙動のばたつきの一因として、既述の旋回起因の前傾ピッチの発生が挙げられる。実施の形態では、旋回起因の前傾ピッチの発生を抑制する。
旋回起因のピッチ運動方程式を以下の式(A)に示す。式(A)は、上記式(J)をより詳細に表した式であり、アブソーバ項ΔC|p|と、旋回抵抗項(h-lftanθfb)Fcrを含む。hは、車両重心高さ[m]を示し、lfは、車両重心からフロントタイヤまでの長さ[m]を示し、θfbは、瞬間回転角[deg]を示す。瞬間回転角θfbは、左右前輪におけるサスペンション機構の瞬間回転中心と左右前輪の接地点とを結ぶ線と、水平面との間の角度である。
Figure 2023156134000007
アブソーバ項について説明する。図4は、アブソーバ起因のピッチ発生メカニズムを説明するための車両の前面図である。図5は、ピッチ発生メカニズムを説明するための車両の側面図である。
ロールレートpにより、図4に示すように左右のアブソーバに減衰力が発生する。アブソーバの減衰力は、伸び側の方が大きいため、左右の減衰力の合力ΔCabfは下向きに働く。
図5に示すように、リアのアブソーバの減衰力の合力ΔCabrがフロントのアブソーバの減衰力の合力ΔCabfより小さくなるよう設計している場合を想定すると、以下の式(N)に示す前傾ピッチモーメントMyが発生する。tfは、フロントのトレッド長さ、trは、リアのトレッド長さを示す。lrは、車両重心からリアタイヤまでの長さを示す。
Figure 2023156134000008
旋回抵抗項について説明する。旋回抵抗力Fcrを以下の式(O)に示し、横加速度Ayを式(P)に示す。KfとKrは、コーナリングスティフネス[N/deg]を表し、lはホイールベース長さ[m]を表す。
Figure 2023156134000009
式(O)と式(P)の通り、旋回抵抗力Fcrは、車速Vに依存する。車速Vが大きく旋回抵抗力Fcrが大きいほど、図5および既述の式(A)からピッチモーメントMyが大きくなることが分かる。
実施の形態では、旋回中のピッチモーメントMyを小さくすることで、ばね上挙動のばたつきを抑制する。ピッチモーメントMyを小さくするためには、既述の式(A)より、アブソーバ減衰特性を変える、ロールレートpを小さくする、または、車速Vを低下させて旋回抵抗力Fcrを小さくする、という方法が考えられる。アブソーバ減衰特性を変えるためにはハード変更が必要になり、電動可変サスペンションを採用することも考えられるが、導入コストの増加や車載スペースの増加が背反となる。
他方、ロールレートpに関しては、下記式(B)からピッチ角θが大きいほどロールレートpが小さくなる傾向であることがわかる。式(B)は、ピッチ、ヨー、ロールが連成する運動方程式である。
Figure 2023156134000010
図6は、ピッチ、ヨー、ロールが連成した場合の車両の挙動を示す。式(B)と図6において、θはピッチ角[deg]を示し、φはロール角[deg]を示し、ψはヨー角[deg]を示す。φ(ドット)は、ロール角φの時間微分、すなわちロール角速度を示し、ψ(ドット)はヨー角ψの時間微分、すなわちヨー角速度を示す。なお、図6は、文献「G-Vectoringに基づいた減衰力制御によるロール感向上、平尾,山門(2011)」のFig.3に基づく。
ピッチ角θを大きくするには、減速度を強めればよい。また、減速度を強めることで旋回中の車速Vの低下量は大きくなるため、旋回抵抗力Fcrも小さくなる。
つまり、カーブの旋回開始時に減速度を強めることで、ハード変更による導入コストの増加といった背反なく、旋回中のピッチモーメントMyを小さくすることができ、結果としてばね上挙動のばたつきを抑制できる。また、ばたつきが抑制されたとする目標値を設定しておくことで、過度な減速による車速低下を抑制できる。
既述のように、ピッチモーメントMyの発生により前輪への荷重移動が起き、前輪コーナリングフォースが増大してヨー運動が促進され、横ジャーク、ロールが再発生することがばたつき挙動の発生メカニズムである。つまり、ばたつき挙動を抑制したい場合、ロールの再発生が起きないようなヨー運動、しいては前輪への荷重移動、つまりピッチ挙動を目標にすればよい。よって、ロールの再発生が起きないようなピッチモーメントMyを目標値にすればよい。
図7は、図1の車両制御装置1の構成を示す。車両制御装置1は、検出部10、演算部12および制御部14を備える。検出部10は、道路形状検出部20および車速検出部22を有する。
道路形状検出部20は、車両50の前方の道路形状を定期的に検出することでカーブ60を検出し、検出したカーブ60に関する情報を演算部12に出力する。具体的には、道路形状検出部20は、検出したカーブ60の最大の曲率と、カーブ60における最大の曲率の位置とを検出する。最大の曲率の位置を所定位置と呼ぶ。道路形状検出部20は、カーブ60の入口P2から所定位置までのカーブ60に沿った距離を検出する。道路形状検出部20は、現在位置からカーブ60の入口P2までの距離も定期的に検出する。なお、所定位置は、最大の曲率の位置に限らず、カーブ毎に実験やシミュレーションにより適宜定められてもよい。
道路形状検出部20は、たとえば、車両50に搭載された図示しないナビゲーションシステムから取得した、地図情報に含まれる車両50の現在位置の前方の道路の情報にもとづいて、曲率などのカーブ60に関する情報を検出する。
道路形状検出部20は、車両50に搭載された図示しない車載カメラで撮像された車両前方の道路の画像を取得し、その画像を画像認識することで、曲率などのカーブ60に関する情報を検出してもよい。
車速検出部22は、車速センサの出力信号に基づいて車両50の車速を定期的に検出し、検出した情報を演算部12に出力する。
演算部12は、減速制御の開始条件が満たされた場合、車両50の減速制御のための演算を実行する。演算部12は、記憶部24、設定部26、目標ピッチモーメント演算部28、および、減速度演算部30を有する。検出部10と演算部12の構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
記憶部24は、車両特性を予め記憶している。車両特性は、車両50の諸元であり、車両重量m、車両重心高さh、ヨー慣性モーメントIz、車両重心から前タイヤまでの長さlf、車両重心から後タイヤまでの長さlr、ホイールベース長さl、アブソーバ前後伸圧差ΔC、コーナリングスティフネスKf,Krを含む。
記憶部24は、車両50がカーブを旋回するときの目標ロール角加速度の複数の候補値も予め記憶している。複数の目標ロール角加速度の候補値のそれぞれは、カーブの曲率と、車両50の車速に関連付けられている。候補値のそれぞれは、カーブの曲率の区分と、車両50の車速の区分に関連付けられてよい。候補値のそれぞれは、車両重量などの車両特性に関連付けられてもよい。目標ロール角加速度の候補値は、カーブの曲率と車両50の車速によらず、1つの値であってもよい。目標ロール角加速度の候補値は、車両の車種毎に定められる。目標ロール角加速度の候補値は、車両50に乗った人がばね上のばたつきやふらつきを感じない値に、実験により適宜定められる。
図8は、ロールレートの予測値p11および目標値p12と舵角との関係の一例を示す。図9は、図8に対応するロール角加速度の予測値p11’および目標値p12’と舵角との関係の一例を示す。図8,9では、単位時間あたりに一定の角度で舵角が増加することを想定する。つまり、図8,9の横軸は、時間と等価である。
図8に示すように、ある車速のときのロールレートの予測値p11には、1つ目のピークP11と2つ目のピークP12が存在する。より低い車速のときのロールレートの目標値p12には、1つ目のピークP11aの後、2つ目のピークが存在しない。例えば、この状態をロールの再発生が起きない状態と定義する。この場合、目標とするロールレートの傾き、すなわち目標ロール角加速度は、図9の目標値p12’として示すように、1つ目のピーク後の値であり、負の値であると設定できる。目標ロール角加速度は、人がばね上のばたつきを感じなければ、ゼロであってもよいし、正の微小値であってもよい。図9では、ゼロである目標ロール角加速度を示す。
設定部26は、記憶部24に記憶された目標ロール角加速度の候補値をもとに、道路形状検出部20から出力されたカーブ60の曲率と、車速検出部22から出力された車両50の現在の車速とに応じて、前方のカーブ60を旋回するときの目標ロール角加速度を設定する。設定部26は、設定した目標ロール角加速度を目標ピッチモーメント演算部28に出力する。設定部26は、前方のカーブ60の曲率と現在の車速に関連付けられた候補値を目標ロール角加速度として設定する。記憶部24に記憶された候補値が1つである場合、設定部26は、その候補値を目標ロール角加速度として設定する。目標ロール角加速度は、カーブ60の所定位置での目標値である。
目標ピッチモーメント演算部28は、記憶部24に記憶された車両特性と、設定部26で設定された目標ロール角加速度にもとづいて、カーブ60を旋回するときの目標ピッチモーメントMyを演算する。目標ピッチモーメントMyは、カーブ60の所定位置での目標値である。
具体的には、目標ピッチモーメント演算部28は、目標ロール角加速度をロールレート変化Δpとみなし、以下の式(C)に示すように、ロールレート変化Δpから横ジャーク変化ΔAy(ドット)を演算する。Δは単位時間あたりの変化量を示す。
Figure 2023156134000011
次に、目標ピッチモーメント演算部28は、以下の式(D)に示すように、横ジャーク変化ΔAy(ドット)からヨー角加速度変化Δr(ドット)を演算する。
Figure 2023156134000012
次に、目標ピッチモーメント演算部28は、以下の式(E)に示すように、ヨー角加速度変化Δr(ドット)からタイヤ横力変化ΔFyf,ΔFyrを演算する。Izは、ヨー慣性モーメント[kgm^2]である。
Figure 2023156134000013
次に、目標ピッチモーメント演算部28は、以下の式(F)に示すように、タイヤ横力変化ΔFyf,ΔFyrから荷重移動量ΔWf,ΔWrを演算する。式(F)では、ΔFyf,ΔFyrをまとめてΔFと表記し、ΔWf,ΔWrをまとめてΔWと表記する。
Figure 2023156134000014
次に、目標ピッチモーメント演算部28は、以下の式(G)に示すように、荷重移動量ΔWf,ΔWrからサスペンション変位ΔSf,ΔSrを演算する。式(G)では、ΔSf,ΔSrをまとめてΔSと表記し、ΔWf,ΔWrをまとめてΔWと表記する。
Figure 2023156134000015
次に、目標ピッチモーメント演算部28は、以下の式(H)に示すように、サスペンション変位ΔSf,ΔSrからピッチ角変化Δθを演算する。
Figure 2023156134000016
このように、ピッチ角変化Δθは、ロールレート変化Δpの関数であり、Δθ=F(Δp)と表現できる。目標ピッチモーメント演算部28は、演算されたピッチ角変化Δθを目標ピッチモーメントMyとして設定し、目標ピッチモーメントMyを減速度演算部30に出力する。
減速度演算部30は、目標ピッチモーメント演算部28から出力された目標ピッチモーメントMyと、車速検出部22から出力された現在の車速と、道路形状検出部20から出力されたカーブ60の入口P2から所定位置までの距離と、記憶部24に記憶された車両特性とにもとづいて、車両50の減速度を演算する。減速度は、負の加速度である。
具体的には、減速度演算部30は、減速度とピッチ角θとの関係をもとに、式(B)からロールレートpを減速度の関数として演算する。減速度とピッチ角θとの関係は、車両特性にもとづいて公知の関係式により定められる。ピッチ角θは、カーブ60の入口P2で自動で減速した直後における予測されるピッチ角である。ロールレートpは、カーブ60の所定位置での予測されるロールレートである。φ(ドット)とψ(ドット)は、車両50の現在の車速でカーブ60の所定位置を通過したと仮定した場合の所定位置での予測される横加速度と、車両特性とにもとづいて、公知の関係式により演算できる。
減速度演算部30は、車両50の現在の車速をカーブ60の入口P2でのコーナー進入車速とみなし、コーナー進入車速と、カーブ60の入口P2から所定位置までのカーブ60に沿った距離とにもとづいて、減速による車両50の所定位置での車速を減速度の関数として予測する。減速度演算部30は、式(O)、(P)をもとに、予測した車速から旋回抵抗力Fcrを演算する。旋回抵抗力Fcrは、カーブ60の所定位置での予測される値である。
減速度演算部30は、式(A)と、減速度の関数として演算されたロールレートpと、減速度の関数として演算された旋回抵抗力Fcrとにもとづいて、式(A)を満たす減速度を演算し、得られた減速度を制御部14の制動力発生部32に出力する。減速度演算部30は、カーブ60の所定位置において目標ピッチモーメントMyを実現するための減速度を演算するとも言える。
制御部14は、車両50の走行を制御する。制動力発生部32は、車両50がカーブ60の入口P2に達した場合、減速度演算部30から出力された減速度で減速するように制動力を車両50に発生させる。制動力発生部32は、車両50がカーブ60の出口P3に達するまでの間、この制動力を車両50に発生させ続ける。制動力発生部32は、カーブ60の所定位置において目標ピッチモーメントMyを実現するように車両50を減速するとも言える。
制動力発生部32の構成は、車両50の構成に応じて適宜定めることができる。制動力発生部32は、接触摩擦により車輪に対して摩擦制動トルクを付与する摩擦ブレーキを含んでもよく、モータの回生発電により車輪に対して回生制動トルクを付与する回生ブレーキを含んでもよい。
図10は、ロールレートpとカーブ60の所定位置の車速との関係を示す。目標ロール角加速度を設定したことは、図10に示すロールレートpの目標値を設定したことと等価である。目標ロール角加速度を実現する目標ピッチモーメントMyを演算し、目標ピッチモーメントMyを実現する減速度で減速することで、旋回中のピッチモーメントを小さくできる。よって、ロールレートpのばたつきを抑制できる。つまり、カーブ走行時にばね上挙動のばたつきを抑制できる。また、目標ロール角加速度を設定することで、過度な減速も抑制できる。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。実施の形態はあくまでも例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば、実施の形態では、目標ロール角加速度を用いて目標ピッチモーメントMyを演算する例を示したが、目標ロールレートを用いて目標ピッチモーメントMyを演算してもよい。この変形例では、記憶部24は、車両50がカーブを旋回するときの目標ロールレートの候補値を予め記憶していてもよい。複数の目標ロールレートの候補値のそれぞれは、カーブの曲率と、車両50の車速に関連付けられてもよい。候補値のそれぞれは、車両特性に関連付けられてもよい。目標ロールレートの候補値は、1つの値であってもよい。設定部26は、車両50の前方のカーブ60の曲率と車両50の現在の車速とに応じて、カーブ60を旋回するときの目標ロールレートpを設定してもよい。目標ロールレートpも、カーブ60の所定位置での目標値である。目標ピッチモーメント演算部28は、記憶部24に記憶された車両特性と、設定部26で設定された目標ロールレートpにもとづいて、カーブ60を旋回するときの目標ピッチモーメントMyを演算してもよい。この場合、式(C)から式(H)においてΔがないものとして演算する。Δを除いた式(H)から得られるピッチ角θは、カーブ60の所定位置での目標値である。つまり、所定位置でのピッチ角θは、所定位置での目標ロールレートpの関数として表される。目標ピッチモーメント演算部28は、車両50の現在のピッチ角と所定位置でのピッチ角θとの差分Δθを目標ピッチモーメントMyとして演算する。減速度演算部30は、式(A)と、目標ロールレートpと、減速度の関数として演算された旋回抵抗力Fcrとにもとづいて、式(A)を満たす減速度を演算する。つまり、式(B)を用いず、式(A)のロールレートpとして目標ロールレートpを用いる。この変形例においても、実施の形態の効果が得られる。車両制御装置1の構成の自由度を向上することもできる。
1…車両制御装置、10…検出部、12…演算部、14…制御部、20…道路形状検出部、22…車速検出部、24…記憶部、26…設定部、28…目標ピッチモーメント演算部、30…減速度演算部、32…制動力発生部、50…車両。

Claims (1)

  1. 車両の前方のカーブを旋回するときの目標ロール角速度または目標ロール角加速度を設定する設定部と、
    設定された前記目標ロール角速度または前記目標ロール角加速度にもとづいて、前記車両が前記カーブを旋回するときの目標ピッチモーメントを演算する目標ピッチモーメント演算部と、
    演算された前記目標ピッチモーメントにもとづいて、前記車両の減速度を演算する減速度演算部と、
    を備えることを特徴とする車両制御装置。
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