JP2023154920A - バンドソー - Google Patents

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Ryoji Fujiwara
孝雄 峯岸
Takao Minegishi
梯 古川
Tei Furukawa
久仁夫 川又
Kunio Kawamata
涼二 鑛納
Ryoji Kono
亮 森口
Akira Moriguchi
哲也 浜川
Tetsuya Hamakawa
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Abstract

【課題】経験がなくても運転速度を効率良く自動調整し、共振周波数を予め計測しなくても共振を自動回避できるバンドソーを提供する。【解決手段】無端状の鋸刃24と、前記鋸刃24を掛け回す一対のホイール26と、一方の前記ホイール26に接続して回転駆動させる回転用モータ28を有する切断手段20と、前記切断手段20を切断方向に移動させる送り用モータ32を有する送り手段30を備えたバンドソー10において、切断時に発生する振動を検出する振動計測センサー40と、振動計測センサー40の測定値を周波数ごとに分解してピーク強度を表す周波数解析部80と、周波数解析部80のピーク強度がピーク設定値以上か、及び鋸刃ピッチの推定切削周波数と一致するか否かを判定する判定部60と、前記判定部60の判定に基づいて、前記回転用モータ28の回転速度と、前記送り用モータ32の回転速度の少なくとも一方を制御する制御部70を備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、大型構造物を無端状の鋸刃を用いて切断するバンドソーに関する。
大径の配管等の大型構造物の解体作業において、無端状の鋸刃を備えたバンドソーが利用されている。バンドソーは運転速度を誤ると鋸刃が欠けてしまうなどの不具合が生じるため、速度調整が難しく、経験豊富な熟練した運転員が行っている。こうした熟練者の高齢化及び減少や、最適な運転速度の技術の習得及び育成には時間がかかるため、従来、様々な運転速度を自動調整する技術がある。
バンドソーの切断時に発生する振動は、鋸刃の摩耗、寿命に影響を及ぼすため振動をできるだけ小さくする自動速度調整技術の確立が望まれている。本願の発明者は、切断時のフレームの振動を測定し、ある条件下で定常的な振動を確認した。この定常振動を分析したところフレームが振動し易い周波数での振動の増大、換言するとフレームの共振であることが判明した。
従来、鋸刃の共振を回避する技術として特許文献1の携帯用バンドソーがある。この技術は、既知の共振が起こる周波数(共振周波数)を予め計測しておき、この共振周波数から20%外れるように鋸刃の駆動モータの回転数を設定している。
しかしながら、切断物が大型構造物を対象とするバンドソーのフレームの場合、鋸刃昇降と連動して変化する鋸刃の駆動モータの高さ(鋸刃昇降位置)、床へのフレーム固定方法、床の剛性によって共振周波数が変化する。特許文献1のように事前に共振周波数を求めるためにはフレームを設置する度に鋸刃昇降位置を複数変更して計測するなどして手間がかかってしまう。
特開2020-1126号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点に鑑み、経験豊富な技術がなくても運転速度を効率良く自動調整し、共振周波数を予め計測しなくても共振を自動回避できるバンドソーを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するための第1の手段として、無端状の鋸刃と、前記鋸刃を掛け回す一対のホイールと、一方の前記ホイールに接続して回転駆動させる回転用モータを有する切断手段と、前記切断手段を切断方向に移動させる送り用モータを有する送り手段を備えたバンドソーにおいて、
切断時に発生する振動を検出する振動計測センサーと、
前記振動計測センサーの測定値を周波数ごとに分解してピーク強度を表す周波数解析部と、
前記周波数解析部のピーク強度がピーク設定値以上か、及び鋸刃ピッチの推定切削周波数と一致するか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定に基づいて、前記回転用モータの回転速度と、前記送り用モータの回転速度の少なくとも一方を制御する制御部を備えたことを特徴とするバンドソーを提供することにある。
上記第1の手段によれば、事前に共振周波数を計測することなく自動で共振を回避することができる。
本発明は、上記課題を解決するための第2の手段として、第1の手段において、鋸刃の高さ位置を検出する鋸刃鉛直位置計測センサーと、
前記鋸刃の水平位置を検出する鋸刃水平位置計測センサーと、
前記判定部は、前記振動計測センサーの測定値と振動設定値、前記鋸刃鉛直位置計測センサーの計測値と鋸刃高さ変化設定値、及び前記鋸刃水平位置計測センサーの計測値と鋸刃位置設定値を比較し、
前記制御部は、前記判定部の判定に基づいて、前記回転用モータの回転速度と、前記送り用モータの回転速度の少なくとも一方を制御することを特徴とするバンドソーを提供することにある。
上記第2の手段によれば、フレーム振動や鋸刃の位置ズレなど物理的な変化に基づいて周速度又は送り速度が最適となる制御を行うことができる。
本発明は、上記課題を解決するための第3の手段として、第2の手段において、前記鋸刃鉛直位置計測センサーは、前記切断手段の昇降フレームに取り付けて前記鋸刃の高さ位置を検出するレーザセンサーであることを特徴とするバンドソーを提供することにある。
上記第3の手段によれば、鋸刃の高さ位置の検出値から送りと逆方向への鋸刃の逃げ(以下、切り遅れ)が発生していることがわかる。
本発明は、上記課題を解決するための第4の手段として、第2の手段において、前記鋸刃水平位置計測センサーは、前記切断手段の昇降フレームに取り付けて前記鋸刃の水平位置を検出するレーザセンサーであることを特徴とするバンドソー10を提供することにある。
上記第4の手段によれば、鋸刃の水平位置の検出値から鋸刃の捩じれ、切り曲りが発生していることがわかる。
本発明は、上記課題を解決するための第5の手段として、第1又は第2の手段において、前記振動計測センサーは、前記送り手段を取り付けたフレーム本体の柱と上部フレームの接続箇所に設けたことを特徴とするバンドソーを提供することにある。
上記第5の手段によれば、鋸刃の振動が発生しているときにフレーム本体上で容易に検出することができる。
本発明によれば、事前に共振周波数を計測することなく、切断周波数による共振を自動で回避することができる。
また、フレーム振動や鋸刃の位置ズレなど物理的な変化に基づいて周速度又は送り速度が最適となる制御を行うことができる。
実施例1のバンドソーの構成概略図である。 実施例1のバンドソーを用いた処理フロー図である。 実施例2のバンドソーの構成概略図である。 高さ位置を検出する鋸刃鉛直位置計測センサーの説明図である。 水平位置を検出する鋸刃水平位置計測センサーの説明図である。 実施例2のバンドソーを用いた処理フロー図である。
本発明のバンドソーの実施形態について、図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
(実施例1)
[バンドソー10]
図1は、本発明のバンドソーの構成概略図である。
本発明のバンドソー10は、フレーム本体12と、無端状の鋸刃24と、鋸刃24を掛け回す一対のホイール26と、一方のホイール26に接続して回転駆動させる回転用モータ28を有する切断手段20と、切断手段20を切断方向に移動させる送り用モータ32を有する送り手段30と、切断時に鋸刃24に掛かる振動を検出する振動計測センサー40と、振動計測センサー40の測定値を周波数ごとに分解してピーク強度を表す周波数解析部80と、周波数解析部80のピーク強度がピーク設定値以上か、及び鋸刃ピッチの推定切削周波数と一致するか否かを判定する判定部60と、判定部60の判定に基づいて、回転用モータ28の回転速度と、送り用モータ32の回転速度の少なくとも一方を制御する制御部70を備えている。
フレーム本体12は、平面視矩形の上部及び下部フレーム13,14と、上部及び下部フレーム13,14の間で四隅側に位置する4本の柱15を有し全体形状を直方体状に形成している。このようなフレーム本体12には、切断手段20と、送り手段30等を配置している。
切断手段20は、鋸刃24と、一対のホイール26と、回転用モータ28と、これらを配置する昇降フレーム29を有している。昇降フレーム29はフレーム本体12の柱15に沿って昇降するフレームであり、鋸刃24を下降させて切断物を切断できる。昇降フレーム29は、フレーム本体12の長手方向の両端側に一対設けている。一対の昇降フレーム29は柱15に配置したガイドレールに係合するスライダを取り付けている。
送り手段30は、ボールネジ33と、昇降スライダと、送り用モータ32を有し、昇降フレーム29を柱15に沿って昇降移動させている。ボールネジ33はフレーム本体12の柱15よりも外側で柱15に沿って立設している。昇降フレーム29に配置した昇降スライダはボールネジ33に係合してボールネジ33の回転に合わせてボールネジ33の長手方向に沿って上下方向に移動する。送り用モータ32はボールネジ33を回転する駆動源である。このような送り手段30は、一対の昇降フレーム29の各フレームに配置して、送り用モータ32を同期制御して、昇降フレーム29の鋸刃24を水平面で回転した状態で昇降させることができる。
振動計測センサー40は、本体フレーム12に配置して切断時に発生する振動を検出する加速度センサーである。より詳細な振動計測センサー40の取り付け位置は、フレーム本体12の柱15上端と上部フレーム13の交点、すなわち接続箇所に取り付けている。振動計測センサー40の計測方向は、フレーム本体12の長手方向に配置している
このような振動計測センサー40は、切断中に発生する振動をフレーム本体の上部で感度良く検出することができる。
周波数解析部80は、振動計測センサーで計測した振動データ(測定値)を周波数ごとに分解して主要な振動周波数とその振動の強度(強弱)で表すフーリエ変換を高速で行うアルゴリズム(処理プログラム)である。
判定部60は、周波数解析部80のピーク強度がピーク設定値以上か、及び鋸刃ピッチの推定切削周波数と一致するか否かを判定する。
切断中にフレームに大きな定常振動が発生した際、その振動は切断抵抗の周期的な変動(以下、切削周波数ということあり)によって生じる共振の可能性がある。切断抵抗の周期的な変動は、切削屑が鋸刃から離れるとき、切断物の鋸刃が出入りするときに生じると考えられる。ここで切削周波数を次のように仮定する。
切削周波数fcut[Hz]=周速CV[m/sec]/鋸刃ピッチp[m]
フレーム共振の原因が切削周波数のみと仮定すると、フレームの共振周波数と算出した切削周波数fcutはほぼ一致するときにフレームの共振が生じる。
実際にフレーム振動を計測すると、大きな定常振動が発生した際、フレーム振動の共振周波数と算出した切削周波数fcutとほぼ同じ値を示した。またその際、フレーム振動のピーク周波数fpはフレームの共振周波数とほぼ同じ値であり、そのピーク強度の値は大きな定常振動が発生していない場合に比べ2倍以上であった。
そこで、計測したフレーム振動のピーク周波数fpのピーク強度が十分大きく、かつ計測したフレーム振動のピーク周波数fpが算出した切削周波数fcutとほぼ同じ値であるときは切削抵抗の周期的な変動に起因した共振が発生していると判定した。この理論に基づけばフレームの固有周波数を計測しなくても(フレームの固有周波数がわからなくても)、共振の発生有無を判定できる。
また一般論として、切削周波数の整数倍とフレームの共振周波数が一致すると共振が発生する。このため、計測したフレーム振動のピーク周波数fpは、算出した切削周波数fcutのN倍(Nは1以上の整数)のとき共振が発生していると判定する。
本発明では、以下の条件を満たすときにフレーム共振が発生していると判定している。
(i)加速度が大きい振動が安定して発生している。換言すると設定値以上の加速度が所定時間内に特定の回数以上検出されている。
(ii)フレームの振動データを周波数解析(FFT:Fast Fourier Transform)すると、ピーク設定値以上のピーク強度を持つ周波数がある。
(iii)鋸刃の回転速度及びピッチから算出したfcutとfpが次の関係を有している。
fp≒fcut×N
なお、Nは1以上の整数である。また鋸刃は、切断時の刃の振動を抑制するためにピッチが複数ある場合(コンビネーションピッチ)があり、この場合各ピッチが(iii)の関係を満たす必要がある。
なお判定部60には、鋸刃ピッチ(型番)、送り用モータ及び回転用モータの使用範囲(回転又は送り速度)などバンドソー10の運転条件が入力されている。
制御部70は、判定部60の判定に基づいて、回転用モータ28の回転速度と、送り用モータ32の回転速度の少なくとも一方を制御する。具体的に制御部70は、回転用モータ28のインバータに、送り用モータ32のサーボアンプにそれぞれ制御信号を送り、各速度を制御している。
[判定フロー]
上記構成による本発明のバンドソーを用いた判定フローについて、以下説明する。なお本実施形態の判定フローは鋸刃のピッチが2種類ある場合について以下説明する。
大きな定常振動が発生したとき、振動原因が共振であれば回転速度を調整し、切断物の構造由来であれば、送り速度を低下することにより対処することができる。
(ステップ1)
本発明のバンドソー10の運転中は、所定時間、本実施形態では30秒、振動計測センサー40により振動を収集する。
(ステップ2)
振動計測センサー40の測定値が振動設定値を超えたか否か判定する。
測定値が振動設定値に達していないときは、ステップ1に戻り、以降を繰り返す。
(ステップ3)
測定値が振動設定値に達しているとき、振動設定値超過の頻度を確認する。頻度とは、振動設定値超過の回数が所定時間でどのくらい発生するかをカウントするものである。本実施形態では一例として、所定時間(例えば30秒)中の振動設定値超過が30回を振動超過設定値としている。
測定値が振動超過設定値に達していないときは、ステップ1に戻り、以降を繰り返す。
(ステップ4)
振動超過設定値を超えているとき、定常振動が発生しているため、共振判定1を行う。周波数解析部80により振動計測センサー40の測定値を周波数ごとに分解して各周波数のピーク強度を表す。
共振判定1は、ピーク強度がピーク設定値以上であるか否かを判定する。
ピーク設定値は共振が発生していない場合に見られるピーク強度の2倍とした。
(ステップ5)
ピーク強度がピーク設定値に達していないとき、共振は発生していない。切断物の構造が複雑な場合など、複数の振動要因が重なり合い振動が大きくなったと推定し振動を低減するため送り速度を減速して(制御部70より送り用モータ32のサーボアンプを介して減速する制御信号を送り)、ステップ1に戻り、以降を繰り返す。
(ステップ6)
ピーク強度がピーク設定値を超えているとき、さらに第1のピッチに対する共振判定2を行う。共振判定2は、鋸刃ピッチの推定切削周波数と一致するか否か、すなわち計測ピーク周波数fpが切削周波数fcutとのN倍(Nは1以上の整数)であるか否かを判定する(第1のピッチ)。
(ステップ7)
共振判定2の条件を満たさないとき(NO)、第2のピッチに対する共振判定3を行う。共振判定3は、鋸刃ピッチの推定切削周波数と一致するか否か、すなわち計測ピーク周波数fpが切削周波数fcutとのN倍(Nは1以上の整数)であるか否かを判定する(第2のピッチ)。
共振判定3の条件を満たさないとき、切断周波数に起因した共振は発生していない。振動を小さくするため、送り速度を減速して(制御部70より送り用モータ32のサーボアンプを介して減速する制御信号を送り)、ステップ1に戻り、以降を繰り返す。
(ステップ8)
共振判定2又は共振判定3で条件を満たしているとき、共振が発生している。このため、回転速度を変更(加速又は減速)して共振を回避する。
(ステップ9)
回転速度の上限値に達していない場合には、制御部70より回転用モータ28のインバータを介して加速する制御信号を送り、加速する。その後、ステップ1に戻り、以降を繰り返す。
(ステップ10)
回転速度の上限値に達している場合には、制御部70より回転用モータ28のインバータを介して減速する制御信号を送り、減速する。その後、ステップ1に戻り、以降を繰り返す。
(実施例2)
図3は実施例2のバンドソーの構成概略図である。
実施例2のバンドソーは、鋸刃24の高さ位置を検出する鋸刃鉛直位置計測センサー50と、鋸刃24の水平位置を検出する鋸刃水平位置計測センサー51と、判定部は、振動計測センサー40の測定値と振動設定値、鋸刃鉛直位置計測センサー50の計測値と鋸刃高さ変化設定値、及び鋸刃水平位置計測センサー51の計測値と鋸刃位置設定値を比較し、制御部70は、判定部60の判定に基づいて、回転用モータ28の回転速度と、送り用モータ32の回転速度の少なくとも一方を制御する。
鋸刃鉛直位置計測センサー50は鋸刃24の高さ位置を、鋸刃水平位置計測センサー51は鋸刃24の水平位置を検出するレーザセンサーであり、両者は昇降フレーム29に取り付けた固定具52に配置している。固定具52は昇降フレーム29と共に昇降移動する。
図4は高さ位置を検出する鋸刃鉛直位置計測センサーの説明図である。同図中の鋸刃24は紙面と直交する方向に周回転している。鋸刃24の高さ位置を検出するセンサーは、鋸刃24の上端を間に挟むように一対のレーザセンサーを配置して、帯状のレーザ照射によって鋸刃24の上端が上方に移動するとレーザ照射が遮蔽されて照射量が変化することによって鋸刃24の高さ位置を検出することができる。これにより鋸刃24の切り遅れが確認できる。
図5は水平位置を検出する鋸刃水平位置計測センサーの説明図である。同図中の鋸刃24は紙面と直交する方向に周回転している。鋸刃24の水平位置を検出するセンサーは、鋸刃24の側面にレーザ照射できるように対向する位置にレーザ変位センサーを配置して、レーザ照射によって鋸刃24の側面とセンサー間の距離を検出する。この検出距離が鋸刃位置設定値を超える時、鋸刃24の垂直位置から負荷が掛かり、鋸刃24が捩れる水平位置ズレが生じたとして切り曲りを検出することができる。
判定部60は、振動計測センサー40の測定値と振動設定値、鋸刃鉛直位置センサー50の計測値と鋸刃高さ変化設定値、及び鋸刃水平位置計測センサー51の計測値と鋸刃位置設定値を比較する。
振動設定値は、振動計測センサー40による切断時の振動(応答加速度)計測において、鋸刃24が破損する前に突発的かつ瞬間的に増大した加速度値から設定している。その値は切屑や切削音が良好な切断時の数倍に相当する。
鋸刃の鋸刃高さ変化設定値は、所定時間の計測値から算出した鋸刃高さ平均値における最新と前回との差分である。この差分は送り速度変更時に急激に変化し、時間経過により緩やかに0に近づく。鋸刃高さ変化の設定値は、送りの自動加速量の半分以下とした。例えば、送りの自動化測量が0.25mm/minのとき、平均変化量閾値は0.125mmに設定している。また鋸刃位置設定値は試験で確認した正常切断時の水平位置変動範囲(±0.5mm)を超える設定にしている。
制御部70は、判定部60の判定に基づいて、回転用モータ28の回転速度と、送り用モータ32の回転速度の少なくとも一方を制御する。具体的に制御部70は、回転用モータ28のインバータに、送り用モータ32のサーボアンプにそれぞれ制御信号を送り、各速度を制御している。
その他の構成は図1に示すバンドソーと同一であり、同一符号を付している。
[処理フロー]
上記構成による実施例2のバンドソーを用いた判定フローについて、以下説明する。
図6は実施例2のバンドソーを用いた処理フロー図である。
(ステップ21)
本発明のバンドソー10の運転中は、所定時間、本実施形態では1秒、鋸刃水平位置計測センサー51により鋸刃位置を収集する。
(ステップ22)
鋸刃水平位置計測センサー51の測定値が鋸刃位置設定値を超えたか否か判定する。
(ステップ23)
測定値が鋸刃位置設定値以上のとき、鋸刃24が安定して切断できる状態(定常状態)ではなく鋸刃24の切り曲りが発生している。このとき送り速度及び回転速度を加速することは鋸刃24の不具合に大きく影響するため、送り用モータ32を停止して、回転用モータ28の運転を維持する。所定時間運転を継続する。
(ステップ24)
再度、鋸刃水平位置計測センサー51の測定値が鋸刃位置設定値を超えたか否か判定する。
(ステップ25)
測定値が鋸刃位置設定値以上のとき、定常状態ではなく過度の切り曲りが発生しているため、このまま継続してもいずれ鋸刃損傷などの不具合が発生する可能性が高く、何らかの鋸刃24の点検メンテナンスが必要であり、運転を停止する。
(ステップ26)
測定値が鋸刃位置設定値に達していないとき、所定時間運転を継続したことにより、鋸刃24の切り曲りが減少する傾向にあるため、送り用モータ32を減速(例えば、0.25mm/minなど)設定する。
(ステップ27)
鋸刃24の送りを再開して切断を行い、ステップ21以降を繰り返す。
(ステップ28)
測定値が鋸刃位置設定値に達してないとき、鋸刃24の切り曲りが発生していない。
また本発明のバンドソー10の運転中は、所定時間、本実施形態では30秒、振動計測センサー40により振動および鋸刃鉛直位置計測センサー50により鋸刃の高さを収集する。
(ステップ29)
振動計測センサー40の測定値が振動設定値を超えたか否か判定する。振動計測センサー40の測定値と振動設定値から判定部60により鋸刃破損の予兆を判定する。
(ステップ30)
測定値が振動設定値に達していないとき、鋸刃24の高さ変化を確認する。
高さがあらかじめ定めた鋸刃高さ変化設定値を超えているときは定常状態ではなく鋸刃の切り遅れが発生し、鋸刃の送り速度を増加すると鋸刃に過剰な負荷が掛かるため、ステップ21以降を繰り返す。
(ステップ31)
鋸刃24の高さ変化が鋸刃高さ変化設定値に達していないとき、定常状態で鋸刃24の送り速度を加速できる状態である。
鋸刃24の送り速度の上限値に達したか否か判定する。既に到達しているときには、ステップ21以降を繰り返す。
(ステップ32)
鋸刃24の送り速度の上限値に達していないとき、送り速度を加速(例えば、+0.25mm/minなど)して、ステップ21以降を繰り返す。
(ステップ33)
測定値が振動設定値に達しているとき、振動設定値超過の頻度を確認する。頻度とは、振動設定値超過の回数が所定時間でどのくらい発生するかをカウントするものである。本実施形態では一例として、所定時間(例えば30秒)中の振動設定値超過が30回を振動超過設定値としている。
(ステップ34)
振動超過設定値に達していないとき、鋸刃欠損の予兆である鋸刃24の突発的な振動が発生しており、送り速度が過剰な状況である。一方、定常振動は発生しておらず、鋸刃24の回転速度の上限値で運転できる状態である。
鋸刃24の回転速度が上限値に達したか否かを判定する。
(ステップ35)
既に上限値に到達しているときには送り速度を減速して、ステップ21以降を繰り返す。
(ステップ36)
上限値に達していないとき、回転速度を加速する。その後、ステップ21以降を繰り返す。
(ステップ37)
振動超過設定値に達しているとき、大きな定常振動が発生しているため、共振判定1を行う。周波数解析部80により振動計測センサー40の測定値を周波数ごとに分解して各周波数のピーク強度を表す。
共振判定1は、ピーク強度がピーク設定値以上であるか否かを判定する。
ピーク設定値は共振が発生していない場合に見られるピーク強度の2倍とした。
ピーク強度がピーク設定値に達していないとき、共振は発生していない。切断物の構造が複雑な場合など、複数の振動要因が重なり合い振動が大きくなったと推定し振動を低減するため送り速度を減速して(制御部70より送り用モータ32のサーボアンプを介して減速する制御信号を送り)、ステップ21に戻り、以降を繰り返す。
(ステップ38)
ピーク強度がピーク設定値を超えているとき、さらに第1のピッチに対する共振判定2を行う。共振判定2は、鋸刃ピッチの推定切削周波数と一致するか否か、すなわち計測ピーク周波数fpが切削周波数fcutとのN倍(Nは1以上の整数)であるか否かを判定する(第1のピッチ)。
(ステップ39)
共振判定2の条件を満たさないとき(NO)、第2のピッチに対する共振判定3を行う。共振判定3は、鋸刃ピッチの推定切削周波数と一致するか否か、すなわち計測ピーク周波数fpが切削周波数fcutとのN倍(Nは1以上の整数)であるか否かを判定する(第2のピッチ)。
共振判定3の条件を満たさないとき、切断周波数に起因した共振は発生していない。振動を小さくするため、送り速度を減速して(制御部70より送り用モータ32のサーボアンプを介して減速する制御信号を送り)、ステップ21に戻り、以降を繰り返す。
(ステップ40)
共振判定2又は共振判定3で条件を満たしているとき、共振が発生している。このため、回転速度を変更(加速又は減速)して共振を回避する。
(ステップ41)
回転速度の上限値に達していない場合には、制御部70より回転用モータ28のインバータを介して加速する制御信号を送り、加速する。その後、ステップ21に戻り、以降を繰り返す。
(ステップ42)
回転速度の上限値に達している場合には、制御部70より回転用モータ28のインバータを介して減速する制御信号を送り、減速する。その後、ステップ21に戻り、以降を繰り返す。
このような本発明によれば、事前に共振周波数を計測することなく切断周波数に起因した共振を自動で回避することができる。また、経験豊富な技術がなくても運転速度を効率良く自動調整できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
また、本発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
10 バンドソー
12 フレーム本体
13 上部フレーム
14 下部フレーム
15 柱
20 切断手段
24 鋸刃
26 ホイール
28 回転用モータ
29 昇降フレーム
30 送り手段
32 送り用モータ
33 ボールネジ
40 振動計測センサー
50 鋸刃鉛直位置計測センサー
51 鋸刃水平位置計測センサー
52 固定具
60 判定部
70 制御部
80 周波数解析部

Claims (5)

  1. 無端状の鋸刃と、前記鋸刃を掛け回す一対のホイールと、一方の前記ホイールに接続して回転駆動させる回転用モータを有する切断手段と、前記切断手段を切断方向に移動させる送り用モータを有する送り手段を備えたバンドソーにおいて、
    切断時に発生する振動を検出する振動計測センサーと、
    前記振動計測センサーの測定値を周波数ごとに分解してピーク強度を表す周波数解析部と、
    前記周波数解析部のピーク強度がピーク設定値以上か、及び鋸刃ピッチの推定切削周波数と一致するか否かを判定する判定部と、
    前記判定部の判定に基づいて、前記回転用モータの回転速度と、前記送り用モータの回転速度の少なくとも一方を制御する制御部を備えたことを特徴とするバンドソー。
  2. 請求項1に記載されたバンドソーであって、
    前記鋸刃の高さ位置を検出する鋸刃鉛直位置計測センサーと、
    前記鋸刃の水平位置を検出する鋸刃水平位置計測センサーと、
    前記判定部は、前記振動計測センサーの測定値と振動設定値、前記鋸刃鉛直位置計測センサーの計測値と鋸刃高さ変化設定値、及び前記鋸刃水平位置計測センサーの計測値と鋸刃位置設定値を比較し、
    前記制御部は、前記判定部の判定に基づいて、前記回転用モータの回転速度と、前記送り用モータの回転速度の少なくとも一方を制御することを特徴とするバンドソー。
  3. 請求項2に記載されたバンドソーであって、
    前記鋸刃鉛直位置計測センサーは、前記切断手段の昇降フレームに取り付けて前記鋸刃の高さ位置を検出するレーザセンサーであることを特徴とするバンドソー。
  4. 請求項2に記載されたバンドソーであって、
    前記鋸刃水平位置計測センサーは、前記切断手段の昇降フレームに取り付けて前記鋸刃の水平位置を検出するレーザセンサーであることを特徴とするバンドソー。
  5. 請求項1又は2に記載されたバンドソーであって、
    前記振動計測センサーは、前記送り手段を取り付けたフレーム本体の柱と上部フレームの接続箇所に設けたことを特徴とするバンドソー。
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