JP2023150234A - 光学積層体および光学積層体の製造方法 - Google Patents

光学積層体および光学積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄厚化を図ることができ、かつ、優れた光学性能を維持できる光学積層体および光学積層体の製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の実施形態による光学積層体は、厚みが20μm以下である透明層と;前記透明層の厚み方向に一方面に所定のパターンで直接設けられ、屈折率が1.25以下である多孔質層と;前記透明層に対して前記多孔質層と反対側に配置され、前記透明層と直接接触する接着層と;前記透明層に対して前記接着層と反対側に配置され、前記多孔質層を覆う粘着剤層と;を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、光学積層体および光学積層体の製造方法に関する。
光を伝搬する導光板に、屈折率が導光板よりも小さい低屈折率層を含む光学積層体を貼り付けて、導光板における光の伝搬を任意に制御することが知られている。このような低屈折率層をパターン化して、光学積層体に光取り出し機能を付与することが検討されている。例えば、基材と、基材上に設けられる可変屈折率抽出層とを備え、可変屈折率抽出層が、相対的に屈折率が小さい第1の物質が選択的に印刷される第1の領域と、相対的に屈折率が大きい第2の物質が第1の物質にオーバーコートされて形成される第2の領域とを含む、光学積層体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の光学積層体は、基材における可変屈折率抽出層と反対側の表面に粘着剤層が形成され、粘着剤層によって導光板に貼り付けられる。近年、導光板を備える光学製品の用途が多様化しており、光学製品の小型化、ひいては導光板に貼り付けられる光学積層体の薄型化が望まれている。しかし、特許文献1に記載の光学積層体は第1の物質が選択的に印刷される基材を含んでおり、当該光学積層体の薄型化を図ることは困難である。基材の薄型化や、基材を可変屈折率抽出層から剥離して除去することも検討されるが、基材の薄型化は光学積層体の製造安定性の観点から困難であり、当該基材を剥離すると可変屈折率抽出層が損傷する場合がある。また、当該基材を剥離して、可変屈折率抽出層に直接粘着剤層を設けると、可変屈折率抽出層の光学性能を十分に維持できないという問題がある。
国際公開第2014/031726号
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、薄厚化を図ることができ、かつ、優れた光学性能を維持できる光学積層体および光学積層体の製造方法を提供することにある。
本発明の実施形態による光学積層体は、厚みが20μm以下である透明層と;該透明層の厚み方向の一方面に所定のパターンで直接設けられ、屈折率が1.25以下である多孔質層と;該透明層に対して該多孔質層と反対側に配置され、該透明層と接触している接着層と;該透明層に対して該接着層と反対側に配置され、前記多孔質層を覆う粘着剤層と;を備えている。
1つの実施形態においては、上記透明層は、上記接着層を構成する成分が上記多孔質層に浸透することを抑制するバリア機能を有している。
1つの実施形態においては、上記透明層の空隙率が、上記多孔質層の空隙率よりも小さい。
1つの実施形態においては、上記粘着剤層は、23℃における貯蔵弾性率が1.0×10(Pa)以上である粘着剤で構成されている。
本発明の別の局面による光学積層体の製造方法は、基材上に厚みが20μm以下である透明層を形成する工程と;該透明層における基材と反対側の面に、屈折率が1.25以下である多孔質層をパターン形成する工程と;該多孔質層に対して透明層と反対側から多孔質層を覆うように、粘着剤層を形成する工程と;上記基材を上記透明層から剥離する工程と;該透明層における多孔質層と反対側の面に接着層を形成する工程と;を含んでいる。
1つの実施形態においては、上記基材を上記透明層から剥離するときの剥離力が、1N/25mm以下である。
本発明の実施形態によれば、薄厚化を図ることができ、かつ、優れた光学性能を維持できる光学積層体を実現することができる。
図1は、本発明の1つの実施形態による光学積層体の概略断面図である。 図2は、図1の光学積層体を備える光学製品の概略断面図である。 図3(a)~図3(e)は、本発明の1つの実施形態による光学積層体の製造方法を説明するための概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。最初に、光学積層体の全体構成の概略を説明し、次いで、光学積層体の構成要素を具体的に説明する。
A.光学積層体の全体構成
図1は本発明の1つの実施形態による光学積層体の概略断面図であり;図2は図1の光学積層体を備える光学製品の概略断面図である。図示例の光学積層体100は、厚みが20μm以下である透明層1と;透明層1の厚み方向の一方面に所定のパターンで直接設けられ、屈折率が1.25以下である多孔質層2と;透明層1に対して多孔質層2と反対側に配置され、透明層1と接触している接着層4と;透明層1に対して接着層4と反対側に配置され、多孔質層2を覆う粘着剤層3と;を備えている。このような構成では、多孔質層と接着層との間に透明層が配置され、該透明層の厚みが20μm以下であるので、光学積層体の薄厚化を図ることができ、かつ、多孔質層の屈折率を上記上限以下に維持することができる。そのため、光学積層体の優れた光学性能を十分に維持できる。透明層1の厚みは、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは4μm以下であり、代表的には0.1μm以上である。多孔質層2は、代表的には内部に空隙を有する。多孔質層2の屈折率は、好ましくは1.20未満、より好ましくは1.19以下、さらに好ましくは1.18以下であり、代表的には1.10以上である。屈折率は、特に断らない限り、波長550nmにおいて測定した屈折率をいう。
1つの実施形態において、透明層1の厚み方向の一方面の一部は、多孔質層2から露出していてもよい。前記露出部分は、粘着剤層3と接触している。そのため、粘着剤層3は、多孔質層2および透明層1と接触している。これにより、加工前の積層体のハンドリング時における多孔質層2に対する透明層1の剥離を抑制できる。粘着剤層3の屈折率は、代表的には多孔質層2の屈折率よりも大きい。粘着剤層3の屈折率は、1.25を超過し、好ましくは1.4以上であり、代表的には1.7以下である。
1つの実施形態において、透明層1は、接着層4を構成する成分が多孔質層2に浸透することを抑制するバリア機能を有するバリア層1aである。そのため、多孔質層の屈折率の上昇を安定して抑制できる。接着層4は、粘着剤層であってもよく、接着剤層であってもよい。
1つの実施形態において、透明層1の空隙率は、多孔質層2の空隙率よりも小さい。このような構成によれば、透明層1のバリア性能を十分に確保でき、接着層を構成する粘着剤または接着剤が多孔質層の空隙に入り込むことを安定して抑制できる。
透明層1の空隙率は、例えば15体積%以下、好ましくは10体積%以下であり、下限は例えば1体積%以上である。多孔質層2の空隙率は、例えば10体積%を超過し、好ましくは20体積%以上、より好ましくは30体積%以上、さらに好ましくは35体積%以上であり、例えば60体積%以下、好ましくは55体積%以下、より好ましくは50体積%以下、さらに好ましくは45体積%以下である。空隙率がこのような範囲であれば、多孔質層の屈折率を適切な範囲とすることができ、かつ、所定の機械的強度を確保することができる。空隙率は、エリプソメーターで測定した屈折率の値から、Lorentz‐Lorenz’s formula(ローレンツ-ローレンツの式)より空隙率を算出された値である。
1つの実施形態において、粘着剤層3は、23℃における貯蔵弾性率が1.0×10(Pa)以上である粘着剤で構成されている。粘着剤層3を構成する粘着剤の23℃における貯蔵弾性率は、好ましくは1.1×10(Pa)以上、より好ましくは1.2×10(Pa)以上である。粘着剤の貯蔵弾性率が上記下限以上であると、粘着剤層を構成する粘着剤が多孔質層の空隙に入り込むことを抑制できる。そのため、多孔質層の屈折率の上昇をより安定して抑制できる。貯蔵弾性率は、JIS K 7244-1「プラスチック-動的機械特性の試験方法」に記載の方法に準拠して、周波数1Hzの条件で、-50℃~150℃の範囲で昇温速度5℃/分で測定した際の、23℃における値を読み取ることにより求められる。粘着剤層3を構成する粘着剤の23℃における貯蔵弾性率の上限は、代表的には100×10(Pa)以下である。
以下、透明層、多孔質層、接着層、ならびに、粘着剤層について具体的に説明する。
B.透明層
透明層1は、光を透過可能である。透明層1の全光線透過率は、例えば70%~100%であり、好ましくは80%~99%である。透明層の全光線透過率が上記範囲であれば、光学積層体全体として優れた透明性を実現できる。その結果、光学積層体の用途における悪影響を抑制することができる。
透明層1は、光を透過可能であれば、任意の適切な構成を採用し得る。透明層1として、例えば、樹脂フィルム、無機薄膜が挙げられる。樹脂フィルムの材料として、例えば、ポリビニルアルコール(PVA);ポリメチルメタクルレート(PMMA)などの(メタ)アクリル系樹脂;ポリビニルアセタール樹脂;ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリウレタン系樹脂などの極性基を有する熱可塑性樹脂材料;アクリル系ハードコート樹脂材料、エポキシ系ハードコート樹脂材料、シリコーン系ハードコート樹脂材料などの熱もしくはUV硬化性樹脂材料が挙げられる。なお、(メタ)アクリル系とは、アクリル系および/またはメタクリル系をいう。樹脂フィルムの材料は、単独でまたは組み合わせて使用できる。また、前記樹脂フィルムは、樹脂組成単独でもよいし、前記樹脂フィルムの物性変化のために他の物質が添加されていてもよい。具体的には、PVA中への架橋構造導入のためにホウ酸化合物やシラン系化合物の添加が挙げられる。
無機薄膜の材料として、例えば、SiO、ZTO、ITO、IZO、TiO、Si、ZnO、AZO、Al、MgO、MgF、SiNが挙げられる。無機薄膜の材料は、単独でまたは組み合わせて使用できる。
C.多孔質層
多孔質層2は、透明層1の厚み方向の一方面に直接設けられており、所定のパターン形状を有している。多孔質層2は、代表的には、パターンを規定する複数の開口部21を有している。1つの実施形態では、多孔質層2は、透明層1の厚み方向と直交する所定方向の一方に向かうにつれて、単位面積あたりの開口割合が大きくなるグラデーションパターンを有している。開口部21は、任意の適切な形状およびサイズを採用し得る。多孔質層2がグラデーションパターンを有する場合、同一のサイズを有する開口部21を所定方向の一方に向かうにつれて疎となるように分布させてもよく、開口部21のサイズを所定方向の一方に向かうにつれて大きくなるように変更してもよい。
多孔質層2の全光線透過率は、例えば85%~99%であり、好ましくは87%~98%であり、より好ましくは89%~97%である。多孔質層2のヘイズは、例えば5%未満であり、好ましくは3%未満である。一方、ヘイズは、例えば0.1%以上であり、好ましくは0.2%以上である。このような多孔質層を所定の位置に設けることにより、光学積層体全体として優れた透明性を実現することができる。ヘイズは、例えば、以下のような方法により測定できる。
空隙層(多孔質層)を50mm×50mmのサイズにカットし、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所社製:HM-150)にセットしてヘイズを測定する。ヘイズ値については、以下の式より算出する。
ヘイズ(%)=[拡散透過率(%)/全光線透過率(%)]×100(%)
多孔質層2の厚みは、例えば30nm~5μmであり、好ましくは200nm~4μmであり、より好ましくは400nm~3μmであり、さらに好ましくは600nm~2μmである。多孔質層の厚みがこのような範囲であれば、可視光~赤外領域の光に対して多孔質層が効果的に全反射機能を示すことができる。
多孔質層2は、上記所望の特性を有する限りにおいて、任意の適切な構成が採用され得る。多孔質層は、好ましくは塗工または印刷により形成され得る。多孔質層を構成する材料としては、例えば、国際公開第2004/113966号、特開2013-254183号公報、および特開2012-189802号公報に記載の材料を採用し得る。代表例としては、ケイ素化合物が挙げられる。ケイ素化合物としては、例えば、シリカ系化合物;加水分解性シラン類、ならびにその部分加水分解物および脱水縮合物;シラノール基を含有するケイ素化合物;ケイ酸塩を酸やイオン交換樹脂に接触させることにより得られる活性シリカが挙げられる。有機ポリマー;重合性モノマー(例えば、(メタ)アクリル系モノマー、およびスチレン系モノマー);硬化性樹脂(例えば、(メタ)アクリル系樹脂、フッ素含有樹脂、およびウレタン樹脂)も挙げられる。これらの材料は、単独で用いてもよく組み合わせて用いてもよい。多孔質層は、このような材料の溶液または分散液を塗工または印刷等することにより形成され得る。
多孔質層における空隙(孔)のサイズは、空隙(孔)の長軸の直径および短軸の直径のうち、長軸の直径を指すものとする。空隙(孔)のサイズは、例えば、2nm~500nmである。空隙(孔)のサイズは、例えば2nm以上であり、好ましくは5nm以上であり、より好ましくは10nm以上であり、さらに好ましくは20nm以上である。一方、空隙(孔)のサイズは、例えば500nm以下であり、好ましくは200nm以下であり、より好ましくは100nm以下である。空隙(孔)のサイズの範囲は、例えば2nm~500nmであり、好ましくは5nm~500nmであり、より好ましくは10nm~200nmであり、さらに好ましくは20nm~100nmである。空隙(孔)のサイズは、目的および用途等に応じて、所望のサイズに調整することができる。空隙(孔)のサイズは、BET試験法により定量化できる。
空隙(孔)のサイズは、BET試験法により定量化できる。具体的には、比表面積測定装置(マイクロメリティック社製:ASAP2020)のキャピラリに、サンプル(形成された空隙層)を0.1g投入した後、室温で24時間、減圧乾燥を行って、空隙構造内の気体を脱気する。そして、上記サンプルに窒素ガスを吸着させることで吸着等温線を描き、細孔分布を求める。これによって、空隙サイズが評価できる。
上記内部に空隙を有する多孔質層としては、例えば、多孔質層、および/または空気層を少なくとも一部に有する多孔質層が挙げられる。多孔質層は、代表的には、エアロゲル、および/または粒子(例えば、中空微粒子および/または多孔質粒子)を含む。多孔質層は、好ましくはナノポーラス層(具体的には、90%以上の微細孔の直径が10-1nm~103nmの範囲内の多孔質層)であり得る。
上記粒子としては、任意の適切な粒子を採用し得る。粒子は、代表的には、シリカ系化合物からなる。粒子の形状としては、例えば、球状、板状、針状、ストリング状、およびブドウの房状が挙げられる。ストリング状の粒子としては、例えば、球状、板状、または針状の形状を有する複数の粒子が数珠状に連なった粒子、短繊維状の粒子(例えば、特開2001-188104号公報に記載の短繊維状の粒子)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。ストリング状の粒子は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。ブドウの房状の粒子としては、例えば、球状、板状、および針状の粒子が複数凝集してブドウの房状になったものが挙げられる。粒子の形状は、例えば透過電子顕微鏡で観察することによって確認できる。
以下、多孔質層の具体的な構成の一例について説明する。本実施形態の多孔質層は、微細な空隙構造を形成する一種類または複数種類の構成単位からなり、該構成単位同士が触媒作用を介して化学的に結合している。構成単位の形状としては、例えば、粒子状、繊維状、棒状、平板状が挙げられる。構成単位は、1つの形状のみを有していてもよく、2つ以上の形状を組み合わせて有していてもよい。以下においては、主として、多孔質層が、上記微細孔粒子どうしが化学的に結合している多孔体の空隙層である場合について説明する。
このような空隙層は、空隙層形成工程において、例えば微細孔粒子(多孔質粒子)どうしを化学的に結合させることにより形成され得る。なお、本発明の実施形態において「粒子」(例えば、上記微細孔粒子)の形状は特に限定されず、例えば球状でもよく他の形状でもよい。また、本発明の実施形態において、上記微細孔粒子は、例えば、ゾルゲル数珠状粒子、ナノ粒子(中空ナノシリカ・ナノバルーン粒子)、ナノ繊維等であってもよい。微細孔粒子は、代表的には無機物を含む。無機物の具体例としては、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。1つの実施形態においては、上記微細孔粒子は、例えばケイ素化合物の微細孔粒子(多孔質粒子)であり、上記多孔体は、例えばシリコーン多孔体である。上記ケイ素化合物の微細孔粒子は、例えば、ゲル状ケイ素化合物の粉砕体を含む。また、多孔質層および/または空気層を少なくとも一部に有する多孔質層の別形態としては、例えば、ナノファイバー等の繊維状物質からなり、該繊維状物質が絡まり合い空隙が形成されて層を成している空隙層がある。このような空隙層の製造方法は特に限定されず、例えば、上記微細孔粒子どうしが化学的に結合している多孔体の空隙層の場合と同様である。さらに別の形態としては、中空ナノ粒子やナノクレイを用いた空隙層、中空ナノバルーンやフッ化マグネシウムを用いて形成した空隙層が挙げられる。空隙層は、単一の構成物質からなる空隙層であってもよいし、複数の構成物質からなる空隙層であってもよい。空隙層は、単一の上記形態で構成されていてもよく、複数の上記形態を含んで構成されていてもよい。
本実施形態においては、多孔体の多孔質構造は、例えば、孔構造が連続した連泡構造体であり得る。連泡構造体とは、例えば上記シリコーン多孔体において、三次元的に孔構造が連なっていることを意味し、孔構造の内部空隙が連続している状態ともいえる。多孔質体が連泡構造を有することにより、空隙率を高めることが可能である。ただし、中空シリカのような独泡粒子(個々に孔構造を有する粒子)を使用する場合には、連泡構造を形成できない。一方、例えばシリカゾル粒子(ゾルを形成するゲル状ケイ素化合物の粉砕物)を使用する場合、当該粒子が三次元の樹状構造を有するために、塗工膜(ゲル状ケイ素化合物の粉砕物を含むゾルの塗工膜)中で当該樹状粒子が沈降および堆積することで、容易に連泡構造を形成することが可能である。多孔質層は、より好ましくは、連泡構造が複数の細孔分布を含むモノリス構造を有する。モノリス構造は、例えば、ナノサイズの微細な空隙が存在する構造と、同ナノ空隙が集合した連泡構造とを含む階層構造を意味する。モノリス構造を形成する場合、例えば、微細な空隙で膜強度を付与しつつ、粗大な連泡空隙で高い空隙率を付与し、膜強度と高空隙率とを両立することができる。このようなモノリス構造は、好ましくは、シリカゾル粒子に粉砕する前段階のゲル(ゲル状ケイ素化合物)において、生成する空隙構造の細孔分布を制御することにより形成され得る。また例えば、ゲル状ケイ素化合物を粉砕する際、粉砕後のシリカゾル粒子の粒度分布を所望のサイズに制御することにより、モノリス構造を形成することができる。
多孔質層は、例えば上記のようにゲル状化合物の粉砕物を含み、当該粉砕物同士が化学的に結合している。多孔質層における粉砕物同士の化学的な結合(化学結合)の形態は、特に制限されず、例えば架橋結合、共有結合、水素結合が挙げられる。
多孔質層における上記粉砕物の体積平均粒子径は、例えば0.05μm以上であり、好ましくは0.10μm以上であり、より好ましくは0.11μm以上である。一方、体積平均粒子径は、例えば1.00μm以下であり、好ましくは0.90μm以下であり、より好ましくは0.50μm以下である。体積平均粒子径の範囲は、例えば0.05μm~1.00μmであり、好ましくは0.10μm~0.90μmであり、より好ましくは0.11μm~0.55μmである。粒度分布は、例えば、動的光散乱法、レーザー回折法等の粒度分布評価装置、および走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)等の電子顕微鏡等により測定することができる。なお、体積平均粒子径は、粉砕物の粒度のバラツキの指標である。
ゲル状化合物の種類は、特に制限されない。ゲル状化合物としては、例えばゲル状ケイ素化合物が挙げられる。
また、多孔質層(空隙層)においては、例えば、含まれるケイ素原子がシロキサン結合していることが好ましい。具体例として、空隙層に含まれる全ケイ素原子のうち、未結合のケイ素原子(つまり、残留シラノール)の割合は、例えば50%未満であり、好ましくは30%以下であり、より好ましくは15%以下である。
D.接着層
接着層4は、詳しくは後述するが、光学積層体100を光学部材(代表的には導光板10)に貼り付けるために設けられる。接着層4は、透明層1における多孔質層2と反対側の面に設けられている。接着層4は、多孔質層2と接触していないため、その構成は特に制限されず、任意の適切な構成を採用し得る。接着層4は、上記の通り、粘着剤層であってもよく、接着剤層であってもよい。接着層4が粘着剤層である場合、粘着剤層3を第1粘着剤層3とし、接着層4を第2粘着剤層4aとして区別する。
第2粘着剤層4aを構成する粘着剤として、例えば(メタ)アクリル系粘着剤が挙げられる。第2粘着剤層4aの厚みは、例えば5μm以上200μm以下、好ましくは100μm以下である。
接着剤層を構成する接着剤として、例えば熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤が挙げられる。接着剤層の厚みは、例えば0.1μm以上200μm以下である。
E.粘着剤層(第1粘着剤層)
粘着剤層3は、詳しくは後述するが、光学積層体100を光学部材に貼り付けるために設けられる。つまり、光学積層体100は、2つの光学部材を接続可能な両面粘接着構成を有している。1つの実施形態において、粘着剤層3は、多孔質層2を埋め込むように覆っており、多孔質層2が有する開口部21を介して、透明層1と接触している。
粘着剤層3を構成する粘着剤としては、上記のような特性を有する限りにおいて任意の適切な粘着剤が用いられ得る。粘着剤としては、代表的には、アクリル系粘着剤(アクリル系粘着剤組成物)が挙げられる。アクリル系粘着剤組成物は、代表的には、(メタ)アクリル系ポリマーを主成分(ベースポリマー)として含む。(メタ)アクリル系ポリマーは、粘着剤組成物の固形分中、例えば50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上の割合で粘着剤組成物に含有され得る。(メタ)アクリル系ポリマーは、モノマー単位としてアルキル(メタ)アクリレートを主成分として含有する。なお、(メタ)アクリレートはアクリレートおよび/またはメタクリレートをいう。アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基としては、例えば、1個~18個の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。当該アルキル基の平均炭素数は、好ましくは3個~9個である。(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート以外に、カルボキシル基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、芳香環含有(メタ)アクリレート、複素環含有(メタ)アクリレート等のコモノマーが挙げられる。コモノマーは、好ましくはヒドロキシル基含有モノマーおよび/または複素環含有(メタ)アクリレートであり、より好ましくはN-アクリロイルモルホリンである。アクリル系粘着剤組成物は、好ましくは、シランカップリング剤および/または架橋剤を含有し得る。シランカップリング剤としては、例えばエポキシ基含有シランカップリング剤が挙げられる。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、過酸化物系架橋剤が挙げられる。このような粘着剤層またはアクリル系粘着剤組成物の詳細は、例えば特許第4140736号に記載されており、当該特許公報の記載は本明細書に参考として援用される。
粘着剤層3の厚みは、例えば3μm~30μm、好ましくは5μm~10μmである。粘着剤層の厚みがこのような範囲であれば、充分な密着力を有しつつ、光学積層体の薄型化を図ることができる。
F.光学積層体の製造方法
次に、1つの実施形態による光学積層体の製造方法について説明する。
図3(a)~図3(e)は、本発明の1つの実施形態による光学積層体の製造方法を説明するための概略断面図である。
1つの実施形態による光学積層体の製造方法は、基材5上に厚みが20μm以下である透明層1を形成する工程と;透明層1における基材5と反対側の面に、屈折率が1.25以下である多孔質層2をパターン形成する工程と;多孔質層2に対して透明層1と反対側から多孔質層2を覆うように粘着剤層3を形成する工程と;基材5を透明層1から剥離する工程と;透明層1における多孔質層2と反対側の面に接着層4を形成する工程と;を含んでいる。
当該方法では、図3(a)に示すように、まず、基材5上に、上記透明層1を任意の適切な方法で形成する。基材5は、多孔質層2のパターン形成が安定して実施可能となるように、透明層1および多孔質層2を支持できれば、その構成は特に制限されない。基材5として、任意の適切な樹脂フィルムが採用され得る。当該樹脂フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)などのセルロース系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系;ポリビニルアルコール系;ポリカーボネート系;ポリアミド系;ポリイミド系;ポリエーテルスルホン系;ポリスルホン系;ポリスチレン系;ポリノルボルネン系;ポリオレフィン系;(メタ)アクリル系;アセテート系が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。基材5の表面には、酸化銅膜などの無機薄膜が設けられていてもよい。
基材5の厚みは、例えば5μmを超過し、好ましくは10μm以上であり、例えば100μm以下である。
上記透明層1が樹脂フィルムから構成される場合、樹脂フィルムの材料が溶解された溶液を基材5上に塗工した後、当該塗膜を乾燥させて、透明層1(樹脂フィルム)を形成する。また、別途調製した透明層(樹脂フィルム)を基材に貼り付けることもできる。
上記透明層1が無機薄膜から構成される場合、無機薄膜の材料を、スパッタリングなどの成膜方法により基材5上に成膜して、透明層1(無機薄膜)を形成する。
次いで、図3(b)に示すように、透明層1における基材5と反対側の面に上記多孔質層2を、任意の適切な方法でパターン形成する。つまり、基材5により透明層1が支持された状態で、透明層1上に多孔質層2をパターン形成する。そのため、多孔質層2のパターン形成を安定して実施できる。
1つの実施形態において、当該工程は、代表的には、透明層上に多孔質層(空隙層)の前駆体である空隙構造を形成する前駆体形成工程、および、前駆体形成工程後に当該前駆体内部で架橋反応を起こさせる架橋反応工程、を含む。当該工程は、微細孔粒子を含む含有液(以下、「微細孔粒子含有液」または単に「含有液」という場合がある。)を作製する含有液作製工程、および、当該含有液を乾燥させる乾燥工程をさらに含み、前駆体形成工程において、乾燥体中の微細孔粒子どうしを化学的に結合させて前駆体を形成する。含有液は、特に限定されず、例えば、微細孔粒子を含む懸濁液である。なお、以下においては、主として、微細孔粒子がゲル状化合物の粉砕物であり、空隙層がゲル状化合物の粉砕物を含む多孔体(好ましくはシリコーン多孔体)である場合について説明する。ただし、多孔質層は、微細孔粒子がゲル状化合物の粉砕物以外である場合も、同様に形成することができる。
上記の方法によれば、例えば、非常に低い屈折率を有する多孔質層(空隙層)が形成される。その理由は、例えば以下のように推測される。ただし、当該推測は、多孔質層の形成方法を限定するものではない。
上記粉砕物は、ゲル状ケイ素化合物を粉砕したものであるため、粉砕前のゲル状ケイ素化合物の三次元構造が、三次元基本構造に分散された状態となっている。さらに、上記方法では、ゲル状ケイ素化合物の破砕物を透明層上に塗工または印刷することで、三次元基本構造に基づく多孔性構造の前駆体が形成される。つまり、上記の方法によれば、ゲル状ケイ素化合物の三次元構造とは異なる、粉砕物の塗工による新たな多孔構造(三次元基本構造)が形成される。このため、最終的に得られる空隙層においては、例えば空気層と同程度に機能する低屈折率を実現することができる。さらに、上記の方法においては、砕物同士を化学的に結合させるため、三次元基本構造が固定化される。このため、最終的に得られる空隙層は、空隙を有する構造であるにもかかわらず、十分な強度と可撓性とを維持することができる。多孔質層の具体的な構成および形成方法の詳細は、例えば国際公開第2019/151073号に記載されている。当該公報の記載は、本明細書に参考として援用される。
1つの実施形態において、当該工程は、上記した微細孔粒子含有液を所定のパターンに印刷して実施される。印刷方法として、例えばインクジェット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷が挙げられる。
次いで、図3(c)に示すように、多孔質層2を覆う粘着剤層3を任意の適切な方法で形成する。1つの実施形態において、粘着剤層3を構成する粘着剤を樹脂フィルムに塗布および乾燥して、樹脂フィルム上に粘着剤層3を形成した後、粘着剤層3を、多孔質層2を埋め込むように、多孔質層2および透明層1に貼り付ける。
次いで、図3(d)に示すように、基材5を透明層1から剥離する。基材5を透明層1から剥離するときの剥離力は、好ましくは1N/25mm以下、より好ましくは0.8N/25mm以下である。剥離力は、例えば下記の方法で測定される。
基材5と透明層1の積層フィルムを、50mm×140mmの短冊状にサンプリングを行い、前記サンプルの基材5側をガラス板に両面テープで固定する。PETフィルム(T100:三菱樹脂フィルム社製)にアクリル粘着層(厚み20μm)を貼合し、25mm×100mmにカットした粘着テープ片を、前記積層フィルムにおける、透明層側に貼合し、前記PETフィルムとのラミネートを行う。次に、前記サンプルを、オートグラフ引っ張り試験機(島津製作所社製:AG-Xplus)にチャック間距離が100mmになるようにチャッキングした後に、0.3m/minの引張速度で引っ張り試験を行う。50mmピール試験を行った平均試験力を、粘着ピール強度、すなわち粘着力とする。また、接着力も同一の測定方法で測定できる。本発明において、「粘着力」と「接着力」とに明確な区別はない。
1つの実施形態において、粘着剤層3が多孔質層2の開口部21を介して透明層1と接触しているので、基材5の剥離に伴って、透明層1が多孔質層2から剥離することを抑制できる。
次いで、図3(e)に示すように、透明層1における多孔質層2と反対側の面に接着層4を任意の適切な方法で形成する。1つの実施形態において、接着層4を構成する粘着剤または接着剤を樹脂フィルムに塗布および乾燥して、樹脂フィルム上に接着層4を形成した後、接着層4を透明層1に貼り付ける。また、粘着剤または接着剤を透明層に塗布して乾燥させ、接着層を形成することもできる。
以上によって、粘着剤層/多孔質層/透明層/接着層の構成を有する光学積層体が製造される。
G.光学積層体の使用形態
本発明の実施形態による光学積層体は、代表的には、導光板10を備える光学製品200に適用可能であり、導光板10を伝搬する光を別の光学部材に取り出し可能である。1つの実施形態においては、図2に示すように、光学積層体100は、接着層4によって導光板10に貼り付けられる。図示しないが、光学積層体100の粘着剤層3には、他の光学部材が貼り付けられている。
導光板10は、代表的には、光源11(代表的にはLED)から入射された光を、所定方向(図2における左右方向)に伝搬可能である。多孔質層2は、好ましくは、開口面積が相対的に小さい部分が導光板10の光源11側に位置し、かつ、開口面積が相対的に大きい部分が光源11と逆側に位置するように、配置されている。これによって、光学積層体100は、導光板10から光を均一に取り出すことができ、取り出した光を別の光学部材に伝搬することができる。また、上記のように、光学積層体100が薄型化されているので、カラーシフトが生じることを抑制できる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各特性の測定方法は以下の通りである。また、特に明記しない限り、実施例における「%」および「部」は質量基準である。
(1)屈折率
粘着剤層を多孔質層上に貼り合わせる前では、多孔質層を形成した後に25mm×50mmのサイズにカットしたものを、粘着剤を介してガラス板(厚み:3mm)の表面に貼合した。上記ガラス板の裏面中央部(直径20mm程度)を黒マジックで塗りつぶして、該ガラス板の裏面で反射しないサンプルとした。エリプソメーター(J.A.Woollam Japan社製:VASE)に上記サンプルをセットし、550nmの波長、入射角50~80度の条件で、屈折率を測定した。
一方で、粘着剤付きの構成での屈折率測定は、形成した多孔質層上に粘着剤層を貼り合わせした後に、プリズムカプラー(メトリコン社製)を用いて、透明層側からレーザー(λ=407nm)を入射し、全反射角度の測定値から407nmにおける屈折率を算出し、別途エリプソメーター(J.A.Woollam社製)により算出した屈折率の波長分散から、550nmにおける屈折率を換算した。
(2)光学耐久性
各実施例および各比較例で得られた光学積層体を、65℃95%RH(相対湿度)のオーブンに投入し、1000hの加熱加湿耐久性試験を行なった。前記加熱加湿耐久性試験後の初期からの屈折率上昇度合いを測定し、上昇幅が0.05以下の積層体を〇、上昇幅が0.05を超過する積層体を×とした。その結果を表1に示す。
[製造例1]多孔質層形成用塗工液の調製
(1)ケイ素化合物のゲル化
2.2gのジメチルスルホキシド(DMSO)に、ケイ素化合物の前駆体であるメチルトリメトキシシラン(MTMS)を0.95g溶解させて混合液Aを調製した。この混合液Aに、0.01mol/Lのシュウ酸水溶液を0.5g添加し、室温(23℃)で30分撹拌を行うことでMTMSを加水分解して、トリス(ヒドロキシ)メチルシランを含む混合液Bを生成した。
5.5gのDMSOに、28質量%のアンモニア水0.38g、および純水0.2gを添加した後、さらに、上記混合液Bを追添し、室温(23℃)で15分撹拌することで、トリス(ヒドロキシ)メチルシランのゲル化を行い、ゲル状ケイ素化合物を含む混合液Cを得た。
(2)熟成処理
上記のように調製したゲル状ケイ素化合物を含む混合液Cを、そのまま、40℃で20時間インキュベートして、熟成処理を行った。
(3)粉砕処理
つぎに、上記のように熟成処理したゲル状ケイ素化合物を、スパチュラを用いて数mm~数cmサイズの顆粒状に砕いた。次いで、混合液Cにイソブチルアルコール(IBA)を40g添加し、軽く撹拌した後、室温で6時間静置して、ゲル中の溶媒および触媒をデカンテーションした。同様のデカンテーション処理を3回行うことにより、溶媒置換し、混合液Dを得た。次いで、混合液D中のゲル状ケイ素化合物を粉砕処理(高圧メディアレス粉砕)した。粉砕処理(高圧メディアレス粉砕)は、ホモジナイザー(エスエムテー社製、商品名「UH-50」)を使用し、5ccのスクリュー瓶に、混合液D中のゲル状化合物1.85gおよびIBAを1.15g秤量した後、50W、20kHzの条件で2分間の粉砕で行った。
この粉砕処理によって、上記混合液D中のゲル状ケイ素化合物が粉砕されたことにより、混合液Dは、粉砕物のゾル液Eとなった。ゾル液Eに含まれる粉砕物の粒度バラツキを示す体積平均粒子径を、動的光散乱式ナノトラック粒度分析計(日機装社製、UPA-EX150型)にて確認したところ、0.10μm~0.30μmであった。さらに、0.75gのゾル液Eに対し、光塩基発生剤(和光純薬工業株式会社:商品名WPBG266)の1.5質量%濃度MEK(メチルエチルケトン)溶液を0.062g、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサンの5%濃度MEK溶液を0.036gの比率で添加し、多孔質層形成用塗工液を得た。
[製造例2]第1粘着剤層の調製
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート90.7部、N-アクリロイルモルホリン6部、アクリル酸3部、2-ヒドロキシブチルアクリレート0.3部、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を酢酸エチル100gと共に仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を55℃付近に保って8時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー溶液を調製した。得られたアクリル系ポリマー溶液の固形分100部に対して、イソシアネート架橋剤(日本ポリウレタン工業社製のコロネートL,トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネートのアダクト体)0.2部、ベンゾイルパーオキサイド(日本油脂社製のナイパーBMT)0.3部、γ-グリシドキシプロピルメトキシシラン(信越化学工業社製:KBM-403)0.2部を配合したアクリル系粘着剤溶液を調製した。次いで、上記アクリル系粘着剤溶液を、シリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製、厚さ:38μm)の片面に、乾燥後の第1粘着剤層の厚さが10μmになるように塗布し、150℃で3分間乾燥を行い、第1粘着剤層を形成した。得られた粘着剤の貯蔵弾性率は、1.3×10(Pa)であった。
[製造例3]第2粘着剤層の調製
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート99部、4-ヒドロキシブチルアクリレート1部、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1部を酢酸エチル100部と共に仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を55℃付近に保って8時間重合反応を行い、アクリル系ポリマーの溶液を調製した。得られたアクリル系ポリマー溶液の固形分100部に対して、イソシアネート架橋剤(三井武田ケミカル社製のタケネートD110N,トリメチロールプロパンキシリレンジイソシアネート)0.1部、ベンゾイルパーオキサイド(日本油脂社製のナイパーBMT)0.1部、γ-グリシドキシプロピルメトキシシラン(信越化学工業社製:KBM-403)0.2部を配合して、アクリル系粘着剤組成物の溶液を調製した。次いで、上記アクリル系粘着剤組成物の溶液を、シリコーン系剥離剤で処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレータフィルム:三菱化学ポリエステルフィルム(株)製,MRF38)の片面に塗布し、150℃で3分間乾燥を行い、セパレータフィルムの表面に厚さが12μmの第2粘着剤層を形成した。得られた粘着剤の貯蔵弾性率は、8.2×10(Pa)であった。
[実施例1]
基材(PET樹脂フィルム)上に、ポリビニルアルコール(PVA)水溶液を塗工した後、塗膜を乾燥させた。これによって、透明層としてのPVA層を基材上に形成した。PVA層の厚みは、3μmであった。
次いで、PVA層における基材と反対側の面に、製造例1の多孔質層形成用塗工液をグラビア印刷によってパターン塗工した後、塗膜を乾燥させた。これによって、パターン化された多孔質層をPVA層上に形成した。多孔質層のパターンは、幅方向の一方に向かうにつれて、単位面積あたりの開口割合が大きくなるグラデーション分布を有していた。多孔質層の屈折率は、1.19であった。多孔質層の厚みは、0.9μmであった。
次いで、製造例2で得られた第1粘着剤層を多孔質層に貼り付けた。
次いで、PET基材をPVA層から、剥離角度180°かつ剥離速度300mm/分で剥離した。このときの剥離力をオートグラフ引っ張り試験機によって測定した。その結果を表1に示す。
次いで、PVA層における多孔質層と反対側の面に、製造例3で得られた第2粘着剤層を貼り付けた。
以上によって、第1粘着剤層/多孔質層/透明層/第2粘着剤層の構成を有する光学積層体を得た。
[実施例2]
PVA水溶液に代えてポリメチルメタクルレート(PMMA)水溶液を用いて、透明層としてのPMMA層を基材上に形成したこと以外は、実施例1と同様にして、光学積層体を得た。
[実施例3]
PVA水溶液に代えてポリビニルアセタールのエタノール溶液を用いて、透明層としてのポリビニルアセタール層を基材上に形成したこと以外は、実施例1と同様にして、光学積層体を得た。
[実施例4]
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にCuOスパッタ膜が積層された基材を準備して、CuOスパッタ膜上にスパッタリングにより、透明層としてのSiO層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、光学積層体を得た。
[実施例5]
グラビア印刷に代えてインクジェット印刷により、製造例1の多孔質層形成用塗工液をパターン塗工したこと以外は、実施例1と同様にして、光学積層体を得た。
[比較例1]
厚み100μmの基材(シクロオレフィン(COP)フィルム;ZF16;日本ゼオン社製)上に、製造例1の多孔質層形成用塗工液をグラビア印刷によってパターン塗工した後、塗膜を乾燥させた。これによって、パターン化された多孔質層を基材上に形成した。
次いで、製造例2で得られた第1粘着剤層を多孔質層に貼り付けた。次いで、基材を多孔質層から剥離し、その剥離面に製造例3で得られた第2粘着剤層を貼り付けた。
以上によって、第1粘着剤層/多孔質層/第2粘着剤層の構成を有する光学積層体を得た。
[比較例2]
厚み30μmの基材(アクリル系樹脂フィルム)上に、製造例1の多孔質層形成用塗工液をグラビア印刷によってパターン塗工した後、塗膜を乾燥させた。これによって、パターン化された多孔質層を基材上に形成した。
次いで、製造例2で得られた第1粘着剤層を多孔質層に貼り付けた。次いで、基材における多孔質層と反対側の面に、製造例3で得られた第2粘着剤層を貼り付けた。
以上によって、第1粘着剤層/多孔質層/基材/第2粘着剤層の構成を有する光学積層体を得た。
Figure 2023150234000002
表1から明らかなように、本発明の実施例によれば、厚み20μm以下の透明層をパターン化された多孔質層と接着層との間に設けることにより、光学積層体において、薄厚化を図ることができ、かつ、優れた光学耐久性を実現できることがわかる。
本発明の実施形態による光学積層体は、各種光学製品に用いることができ、特に導光板を備える光学製品に好適に用いられ得る。
1 透明層
1a バリア層
2 多孔質層
21 開口部
3 粘着剤層
4 接着層
100 光学積層体
200 光学製品

Claims (6)

  1. 厚みが20μm以下である透明層と;
    前記透明層の厚み方向の一方面に所定のパターンで直接設けられ、屈折率が1.25以下である多孔質層と;
    前記透明層に対して前記多孔質層と反対側に配置され、前記透明層と接触している接着層と;
    前記透明層に対して前記接着層と反対側に配置され、前記多孔質層を覆う粘着剤層と;を備えている、光学積層体。
  2. 前記透明層は、前記接着層を構成する成分が前記多孔質層に浸透することを抑制するバリア機能を有している、請求項1に記載の光学積層体。
  3. 前記透明層の空隙率が、前記多孔質層の空隙率よりも小さい、請求項2に記載の光学積層体。
  4. 前記粘着剤層が、23℃における貯蔵弾性率が1.0×10(Pa)以上である粘着剤で構成されている、請求項1から3のいずれかに記載の光学積層体。
  5. 基材上に厚みが20μm以下である透明層を形成する工程と;
    前記透明層における前記基材と反対側の面に、屈折率が1.25以下である多孔質層をパターン形成する工程と;
    前記多孔質層に対して前記透明層と反対側から前記多孔質層を覆うように、粘着剤層を形成する工程と;
    前記基材を前記透明層から剥離する工程と;
    前記透明層における前記多孔質層と反対側の面に接着層を形成する工程と;を含んでいる、光学積層体の製造方法。
  6. 前記基材を前記透明層から剥離するときの剥離力が、1N/25mm以下である、請求項5に記載の光学積層体の製造方法。
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