JP2023149001A - 圧縮機及び冷凍装置 - Google Patents

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Daisuke Hiratsuka
寛 日比野
Hiroshi Hibino
幹也 笠井
Mikiya Kasai
善紀 安田
Yoshiaki Yasuda
優作 木村
Yusaku Kimura
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Abstract

【課題】軸受に加わる荷重を回転軸の回転中に調整可能な圧縮機の提供。【解決手段】軸受と、前記軸受に直接又は油を介して接触する回転軸と、前記回転軸に締結されたロータと、前記ロータと径方向で対向するように配置されたステータとを有し、前記回転軸を回転させるモータと、前記回転軸の回転により駆動される圧縮機構と、前記モータから前記回転軸に対して軸方向に加えるスラスト荷重を、前記回転軸の回転中に変更する変更部と、備える、圧縮機。【選択図】図5

Description

本開示は、圧縮機及び冷凍装置に関する。
圧縮機では、回転子に圧入されたクランク軸の上下振動によって、異常音が発生することがある。この異常音の発生を防止する技術として、回転子の上端部をステータコアの上端面よりも上方へ突出させる方法がある。回転子の上端部をステータコアの上端面よりも上方へ突出させることで、回転子とクランク軸を下方へ付勢するプルフォースが発生するので、クランク軸の上下振動を抑制でき、異常音の発生を防止できる(例えば、特許文献1参照)。
特開平10-89252号公報
ロータに締結された回転軸を支持する軸受は、半径方向と軸方向の荷重を支持できるように構成され、回転軸の軸方向の荷重が大きいと、損失を発生させる。従来の圧縮機では、異常音を抑制できる大きさのプルフォースを与えるようにモータの位置が製造時に設定される。そのため、製造時に予め設定されたモータの位置によっては、回転軸の回転中に軸受に加わる荷重が大きすぎ、軸受の損失が増加する場合がある。
圧縮機では、ロータの上部空間と下部空間の圧力差が大きくなり、冷媒ガスの脈動に合わせてロータが変動すると異音が発生する。圧力差は回転トルクに比例して大きくなるので、トルクが大きいほど異音が発生しやすい。また、脈動が多くなると異音が発生しやすくなるため、回転数が大きい場合にも異音が発生しやすい。
本開示は、軸受に加わる荷重を回転軸の回転中に調整可能な圧縮機及び冷凍装置を提供する。
本開示の一態様として、
軸受と、
前記軸受に直接又は油を介して接触する回転軸と、
前記回転軸に締結されたロータと、前記ロータと径方向で対向するように配置されたステータとを有し、前記回転軸を回転させるモータと、
前記回転軸の回転により駆動される圧縮機構と、
前記モータから前記回転軸に対して軸方向に加えるスラスト荷重を、前記回転軸の回転中に変更する変更部と、備える、圧縮機が提供される。
この構成によれば、軸受に加わる荷重を回転軸の回転中に調整可能な圧縮機を提供できる。
上記の圧縮機において、
前記変更部は、前記圧縮機構を駆動する回転トルクに応じて、前記スラスト荷重を変更してもよい。
この構成によれば、圧縮機構を駆動する回転トルクの大きさ等に応じて、軸受に加わる荷重を回転軸の回転中に調整できる。
上記の圧縮機において、
前記変更部は、前記回転トルクが相対的に大きい時に、前記回転トルクが相対的に小さい時よりも、前記スラスト荷重を大きくしてもよい。
この構成によれば、前記回転トルクが相対的に大きい時、前記回転トルクが相対的に小さい時よりも、前記軸受に加わる荷重を大きく調整できる。これにより、例えば、前記回転トルクが相対的に小さい時に軸受に発生する損失を低減でき、前記回転トルクが相対的に大きい時に回転軸の軸方向の振動に伴って発生する異常音を抑制できる。
上記の圧縮機において、
前記変更部は、前記ロータに設けられた永久磁石によって、前記スラスト荷重を変更してもよい。
この構成によれば、前記ロータに設けられた永久磁石の磁力等よって、軸受に加わる荷重を回転軸の回転中に調整できる。
上記の圧縮機において、
前記変更部は、前記永久磁石の残留磁束密度を変更する手段を含み、
前記永久磁石は、前記変更部により残留磁束密度を変更可能な第1永久磁石を含んでもよい。
この構成によれば、前記変更部は、前記第1永久磁石の残留磁束密度を変更できる。
上記の圧縮機において、
前記変更部は、前記第1永久磁石の残留磁束密度を変更することで、前記スラスト荷重を変更してもよい。
この構成によれば、前記第1永久磁石の残留磁束密度の変更によって、軸受に加わる荷重を回転軸の回転中に調整できる。
上記の圧縮機において、
前記永久磁石は、前記第1永久磁石と、前記第1永久磁石に対して前記圧縮機構の側とは反対側に設けられて前記変更部により残留磁束密度を変更できない第2永久磁石とを含み、
前記変更部は、前記第1永久磁石の残留磁束密度を変更することで、前記スラスト荷重を変更してもよい。
この構成によれば、例えば、前記変更部は、前記第1永久磁石の残留磁束密度を減少させることで、軸受に加わる荷重を回転軸の回転中に大きな値に調整でき、前記第1永久磁石の残留磁束密度を増加させることで、軸受に加わる荷重を回転軸の回転中に小さな値に調整できる。
上記の圧縮機において、
前記永久磁石は、前記第1永久磁石と、前記第1永久磁石に対して前記圧縮機構の側に設けられて前記変更部により残留磁束密度を変更できない第2永久磁石とを含み、
前記変更部は、前記第1永久磁石の残留磁束密度を変更することで、前記スラスト荷重を変更してもよい。
この構成によれば、例えば、前記変更部は、前記第1永久磁石の残留磁束密度を増加させることで、軸受に加わる荷重を回転軸の回転中に大きな値に調整でき、前記第1永久磁石の残留磁束密度を減少させることで、軸受に加わる荷重を回転軸の回転中に小さな値に調整できる。
上記の圧縮機において、
前記変更部は、前記永久磁石の位置を変更することで、前記スラスト荷重を変更してもよい。
この構成によれば、前記ロータに設けられた永久磁石の位置の変更によって、軸受に加わる荷重を回転軸の回転中に調整できる。
上記の圧縮機において、
前記軸受は、滑り軸受であり、
前記スラスト荷重は、前記回転軸から前記滑り軸受に向かう向きに加わってもよい。
この構成によれば、滑り軸受に加わる荷重を回転軸の回転中に調整できる。
上記の圧縮機において、
前記軸受は、転がり軸受でもよい。
この構成によれば、転がり軸受に加わる荷重を回転軸の回転中に調整できる。
本開示の一態様として、
上記の圧縮機を備える冷凍装置が提供される。
この構成によれば、軸受に加わる荷重を回転軸の回転中に調整可能な圧縮機を備える冷凍装置を提供できる。
空気調和装置の一例を示す図である。 本実施形態の圧縮機の一例を示す断面図である。 モータの断面形状の一例を模式的に示す図である。 電力変換装置と制御装置の構成例を示す図である。 モータの第1構成例を部分的に示す断面図である。 モータの第2構成例を部分的に示す断面図である。 モータの第3構成例を部分的に示す断面図である。 モータの第4構成例を部分的に示す断面図である。 モータの第5構成例を部分的に示す断面図である。 モータの第6構成例を部分的に示す断面図である。 モータの第7構成例を部分的に示す断面図である。 モータの第8構成例を部分的に示す断面図である。
以下、本開示の圧縮機及び冷凍装置を適用した実施形態について説明する。
<実施形態>
実施形態として、室内の冷房及び暖房を行う空気調和装置の例を説明する。図1は、空気調和装置1の配管系統図である。図1に示すように、空気調和装置1は、電力変換装置10、制御装置150、及び冷媒回路50を含む。空気調和装置1は冷凍装置の一例である。冷媒回路50は、モータ100Aを備える圧縮機200を含む。電力変換装置10と、制御装置150と、モータ100Aとは、モータ装置100を構成する。
<冷媒回路>
冷媒回路50は、冷媒が充填された閉回路である。冷媒回路50には、圧縮機200、四方切換弁60、室外熱交換器70、膨張弁80、及び室内熱交換器90が設けられている。
圧縮機200には、種々の圧縮機を採用できる。圧縮機200の一例としては、スクロール型圧縮機やロータリ型圧縮機などが挙げられる。圧縮機200は、モータ100Aを含む。モータ100Aは、例えば、IPMモータ(Interior Permanent Magnet Motor)である。モータ100Aには、電力変換装置10から三相の交流電力が供給される。
室外熱交換器70は、室外空気と冷媒とを熱交換させる熱交換器である。室内熱交換器90は、室内空気と冷媒とを熱交換させる熱交換器である。膨張弁80は、いわゆる電子膨張弁である。
四方切換弁60は、第1~第4のポートを有した弁である。四方切換弁60は、第1状態(図1に実線で示す状態)と第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換えることができる。第1状態では、第1のポートが第3のポートと連通し且つ第2のポートが第4のポートと連通する。第2状態では、第1のポートが第4のポートと連通し且つ第2のポートが第3のポートと連通する。
冷媒回路50では、圧縮機200の吐出ポートが四方切換弁60の第1のポートに接続され、吸入ポートが四方切換弁60の第2のポートに接続されている。冷媒回路50では、四方切換弁60の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器70、膨張弁80、及び室内熱交換器90が配置されている。空気調和装置1では、冷房運転と暖房運転とを切り換える場合には、四方切換弁60を切り換える。
図2に本実施形態の圧縮機200を断面図で示す。圧縮機200は、空気調和装置1の冷媒回路50に設けられる(図1参照)。圧縮機200は、冷媒回路50において、冷媒を圧縮する。圧縮機200は、図2に示すように、モータ100A、圧縮機構3、及びケーシング4を含む。
ケーシング4は、圧縮機構3とモータ100Aを収容する容器である。ケーシング4は、モータ100Aのステータ110を支持する支持部材である。モータ100Aの回転軸101は鉛直方向に延びるように配置され、圧縮機構3に連結されている。回転軸101の一方の端部である第1端部(図示の例では、下端)は、圧縮機構3に設けられた軸受3aによって回転自在に保持されている。回転軸101の他方の端部である第2端部(図示の例では、上端)には、軸受は設けられていない。言い換えれば、第2端部は、軸受によって保持されていない。
軸受3aは、回転軸101の一方の端部である第1端部を回転自在に支持する。回転軸101の第1端部は、軸受3aに直接又は油を介して接触する。軸受3aは、例えば、滑り軸受である。しかし、軸受3aは、回転軸101に直接又は油を介して接触する軸受であれば、転がり軸受等の他の形式の軸受でもよい。
ケーシング4は、密閉容器である。ケーシング4は、鉄等の金属によって形成されている。ケーシング4は、例えば、金属板(鉄等の板材)に、いわゆるロール加工を施して円筒状の部材を形成し、その円筒状部材の両端に鏡板(鉄等の金属)を溶接することで形成できる。
圧縮機構3は、流体(この例では冷媒)を圧縮する。圧縮機構3には、種々の流体機械を採用可能である。例えば、圧縮機構3には、ロータリ式圧縮機構、スクロール式圧縮機構等を採用することができる。この例では、圧縮機構3は、ケーシング4の側面に設けられた吸入管3bから流体を吸入し、圧縮した流体をケーシング4内に吐出する。ケーシング4内に吐出された流体冷媒は、吐出管3cを介して吐出される。圧縮機構3は、回転軸101の回転により駆動されることで、流体を圧縮する。
<モータ100Aの構成>
モータ100Aは、回転電気機械の一例である。モータ100Aは、圧縮機構3を駆動する。図3にモータ100Aの断面形状を模式的に示す。モータ100Aは、磁石埋込型の回転電気機械である。モータ100Aは、図3に示すように、ステータ110及びロータ120を有し、回転軸101を回転させる。図3では、ケーシング4を省くが、ケーシング4もモータ100Aの一部と見なしてよい。
回転軸101は、ロータ120を支持する支持部材である。回転軸101は、鉄等の金属で形成されている。回転軸101は、圧縮機構3にも連結されている。
以下の説明においては、軸方向とは回転軸101の軸心の方向を意味する。径方向とは軸方向と直交する方向を意味する。外周側とは軸心から遠離する側を意味する。内周側とは軸心に近接する側をそれぞれ意味する。また、軸方向視とは、軸方向において視ることをいう。
<ステータ110>
ステータ110は、ロータ120と径方向で対向するように配置されている。ステータ110は、ステータコア111及び巻線112を含む。
ステータコア111は、多数のプレート部材が、軸方向に積層されて構成されている。ステータコア111は、いわゆる積層コアである。ステータコア111を構成する多数のプレート部材は、例えば電磁鋼板によって構成されている。各プレート部材は、例えば、電磁鋼板をプレス加工することで製造できる。ステータコア111を製造する際には、多数のプレート部材同士は、例えば、カシメによって、互いに固定される。
ステータコア111は、1つのバックヨーク部111Aと、複数のティース部111Bとを含む。バックヨーク部111Aは、ヨークの一例である。
バックヨーク部111Aは、ステータコア111の外周側の部分であり、円筒状の部材である。バックヨーク部111Aは、軸方向から見た平面形状が環状である。
ティース部111Bは、バックヨーク部111Aの内周側に突出して径方向に伸びる直方体状の部分である。この例では、ティース部111Bは、6つある。各々のティース部111Bには、例えば、集中巻方式で巻線112が巻回される。相互に隣接するティース部111B間の空間は、巻線112を収容するためのコイル用スロット111Cである。
<ロータ120>
ロータ120は、回転軸101に締結されている。ロータ120は、ロータコア121及び永久磁石122を含む。ロータコア121は、回転軸101が挿入される貫通孔121Aと、永久磁石122を収容するスロット121Bとを含む。スロット121Bは、磁石収容部の一例である。この例では、ロータ120は、4つの永久磁石122を含む。なお、ここでは、一例として、ステータ110が6つのティース部111Bを含み、ロータ120が4つの永久磁石122を含む、4極6スロット型のモータ100Aについて説明するが、ティース部111Bと永久磁石122の数は、これらに限定されない。モータ100Aは、集中巻き方式の場合、ティース部111Bと永久磁石122の数が異なっていればよい。
ロータコア121は、多数のプレート部材が、軸方向に積層されて構成されている。ロータコア121は、いわゆる積層コアである。プレート部材は、電磁鋼板によって構成されている。プレート部材は、例えば、電磁鋼板をプレス加工することで製造できる。ロータコア121を製造する際には、多数のプレート部材同士は、例えば、カシメによって、互いに固定される。ロータコア121は、軸方向視における中心部を軸方向に貫通する貫通孔121Aを有する。貫通孔121Aには、回転軸101が圧入される。
永久磁石122は、ロータ120に設けられている。この例では、永久磁石122は、ロータ120に形成されたスロット121Bに収容されている。ここでは、一例として、永久磁石122が直方体状であり、4つの永久磁石122が軸方向視でロータコア121の貫通孔121Aを囲む正方形の四辺に沿って配置される形態について説明する。4つの永久磁石122は、貫通孔121Aの中心軸に対して点対称に配置される。しかしながら、永久磁石122は、このような配置に限られず、例えば、V字状等の配置であってもよい。
なお、図3は、永久磁石122がロータコア121に埋め込まれた構成を例示し、モータ100Aは、いわゆる埋め込み磁石型同期電動機として例示されている。しかし、本実施形態の圧縮機に適用可能なモータは、表面磁石型同期電動機であってもよい。また、図3は、モータ100Aがいわゆるインナーロータ型の構成を採用する場合を例示する。しかし、本実施形態の圧縮機に適用可能なモータは、アウターロータ型の構成を採用した電動機でもよい。また、図3は、巻線112が集中巻でティース部111Bに設けられている構成を例示する。しかし、本実施形態の圧縮機に適用可能なモータは、巻線112の構成として分布巻を採用した電動機でもよい。
<電力変換装置>
図4は、電力変換装置10と制御装置150の構成を示す図である。電力変換装置10は、図4に示すように、コンバータ回路11、直流リンク部12、及びインバータ回路13を含む。電力変換装置10は、単相の交流電源20から供給された電圧(以下、電源電圧vin)を所定の交流電圧に変換する。電力変換装置10は、変換によって得た交流電圧をモータ100Aに供給する。
コンバータ回路11は、ブリッジ状に結線された4個のダイオードD1,D2,D3,D4を含む。コンバータ回路11は、リアクトルLを介して交流電源20に接続されている。コンバータ回路11は、電源電圧vinを全波整流する。
直流リンク部12は、コンデンサCを有している。コンデンサCは、コンバータ回路11の出力ノードに接続されている。
インバータ回路13は、6つのスイッチング素子Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Szと、6つの還流ダイオードDu,Dv,Dw,Dx,Dy,Dzとを有している。スイッチング素子Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Szは、互いにブリッジ結線されている。詳しくは、インバータ回路13は、3つのスイッチングレグを含む。
それぞれのスイッチングレグは、2つのスイッチング素子が直列に接続されて形成されている。3つのスイッチングレグの各々は、上アームのスイッチング素子Su,Sv,Swと下アームのスイッチング素子Sx,Sy,Szとの中点が、モータ100Aの各相u相,v相,w相のコイル(図示を省略)にそれぞれ接続されている。それぞれのスイッチング素子Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Szには、還流ダイオードDu,Dv,Dw,Dx,Dy,Dzがひとつずつ逆並列に接続されている。
インバータ回路13は、入力ノードが直流リンク部12のコンデンサCの両端に接続されている。インバータ回路13では、スイッチング素子Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Szがスイッチング動作(オンオフ動作)を行うことによって、直流電圧vdcを所定の交流電圧(三相)に変換する。インバータ回路13は、前記変換によって得た交流電圧(三相)をモータ100Aに供給する。
<制御装置150>
制御装置150は、モータ100Aの回転数が、与えられた指令値(以下、回転数指令値ω*という)に収束するように、インバータ回路13におけるスイッチング動作を制御する。換言すると、制御装置150は、インバータ回路13の出力電圧を制御する。
制御装置150は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、入出力インターフェース、及び内部バス等を含むコンピュータによって実現される。制御装置150は、座標変換部151、電流制御部152、PWM演算部153、及びメモリ154を有する。制御装置150は、制御部の一例である。座標変換部151、電流制御部152、及びPWM演算部153は、制御装置150が実行するプログラムの機能を機能ブロックとして示したものである。また、メモリ154は、制御装置150のメモリを機能的に表したものである。
座標変換部151は、いわゆるdq変換を行ってモータ100Aのd軸電流id及びq軸電流iqを導出する。座標変換部151は、dq変換を行う際に、u相電流iu、w相電流iw、及びモータ100Aのロータ120の電気角(モータ位相θm)を用いる。u相電流iu及びw相電流iwは、例えば、電流センサを設けることで検出することができる。座標変換部151は、d軸電流id及びq軸電流iqを電流制御部152に出力する。
電流制御部152は、モータ100Aの回転数の検出値(回転数検出値ωd)とモータ2Aの回転数の指令値(回転数指令値ω*)との偏差εに基づいて、モータ2Aの回転トルクの指令値(トルク指令値τ*)を生成する。電流制御部152は、偏差εを零に収束させるトルク指令値τ*を生成する。トルク指令値τ*は、圧縮機構3を駆動する回転トルクの指令値である。
電流制御部152は、例えば、偏差εに基づくPI制御又はPID制御の実行によって(P:比例、D:積分、I:微分)、トルク指令値τ*を生成する。電流制御部152は、トルク指令値τ*に基づいて、d軸電流指令値id*及びq軸電流指令値iq*の生成等の処理を行う。また、電流制御部152は、u相電流iu及びw相電流iwに基づいて、ロータ120の回転角を検出する。言い換えると、電流制御部152は、位置センサを使用せずにモータ100Aの回転数を制御する、いわゆる位置センサレス制御を行う。
また、電流制御部152は、d軸電流指令値id*とd軸電流idとの偏差、及びq軸電流指令値iq*とq軸電流iqとの偏差がそれぞれ小さくなるように、d軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*を導出し、PWM演算部153に出力する。
PWM演算部153は、スイッチング素子Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Szのオンとオフの切り替えを制御する制御信号を生成する。この例では、PWM演算部153は、モータ位相θm、直流電圧vdc、d軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*に基づいて、スイッチング素子Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Szの各々に供給される制御信号のデューティ比を設定する。
制御信号が出力されると、各スイッチング素子Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Szは、設定されたデューティ比でスイッチング動作(オンオフ動作)を行い、インバータ回路13からモータ100Aの巻線112に電流が流れる。PWM演算部153は、制御信号を周期的に更新する。
電流制御部152は、モータ100Aの回転数制御のためにインバータ回路13からモータ100Aの巻線112に供給される第1電流("モータ駆動電流I1"とも称する)を制御する。交流のモータ駆動電流I1が巻線112に流れることで、ロータ120及び回転軸101をステータ110に対して相対的に回転させる交番磁界H1が発生する。モータ駆動電流I1の電流値は、永久磁石122の残留磁束密度Brを変更しない電流値に設定される。
電流制御部152は、永久磁石122の残留磁束密度Brを変更するためにインバータ回路13からモータ100Aの巻線112に供給される第2電流("変更電流I2"とも称する)を制御する。変更電流I2が巻線112に流れることで、永久磁石122の残留磁束密度Brを変更する磁界(変更磁界H2)が発生する。変更電流I2の電流値の絶対値は、永久磁石122の残留磁束密度Brを変更しないモータ駆動電流I1の電流値の絶対値よりも大きい。
メモリ154は、座標変換部151、電流制御部152、及びPWM演算部153が処理を実行するために利用するプログラムやデータ等を格納する。
図5は、モータの第1構成例を部分的に示す断面図である。図5は、回転軸101の軸方向に平行な断面であって、回転軸101に対して径方向の片側断面を示す。回転軸101の一方の端部は、軸受3a(図2参照)によって回転自在に支持されている。スラスト荷重Fは、図5に示すモータ2Aから回転軸101に対して軸方向に加える力を表す。これらの説明は、後述の他の構成例に援用される。
図5に示すモータ2Aは、上述のモータ100Aの一構成例である。モータ2Aは、永久磁石122(図3参照)として、第1永久磁石41及び第2永久磁石42を備える。複数の永久磁石122は、それぞれ、第1永久磁石41及び第2永久磁石42を備える。第1永久磁石41及び第2永久磁石42は、ロータコア121に形成されたスロット22に収容されている。スロット22は、上述のスロット121B(図3参照)に相当する。ロータ120は、ロータコア121の一方の端面である第1端面(図示の例では、下面)に設けられた第1端板52と、ロータコア121の他方の端面である第2端面(図示の例では、上面)に設けられた第2端板51とを有する。
ロータコア121の軸方向の長さd2は、ステータコア111の軸方向の長さd1よりも長い。しかし、長さd2は、長さd1と同じでも長さd1よりも短くてもよい。また、ロータ120の軸方向の中心位置c2は、ステータコア111の軸方向の中心位置c1と同じである。しかし、中心位置c2は、中心位置c1に対して軸受3a側に又は軸受3a側とは反対側に位置してもよい。
第1永久磁石41は、可変の残留磁束密度Br1を有する永久磁石である。第1永久磁石41の残留磁束密度Br1は、変更電流I2がステータ110の巻線112に流れることで変化する。
第2永久磁石42は、第1永久磁石41に対して圧縮機構3(図2参照)の側とは反対側に設けられ、残留磁束密度Br2を有する永久磁石である。第2永久磁石42は、巻線112に流れる変更電流I2により残留磁束密度Br2を変更できない永久磁石である。
初期状態では、第1永久磁石41及び第2永久磁石42は、着磁可能な上限値まで着磁されている。また、初期状態では、モータ2Aから回転軸101に対して軸方向に加えるスラスト荷重Fが最小となる位置に、ステータ110及びロータ120の軸方向の位置関係は設定されている。この場合、軸方向において、ロータ120の中心から一端までの磁束密度の平均値と、ロータ120の中心から他端までの磁束密度の平均値は略等しい。
電流制御部152は、トルク指令値τ*が所定の閾値Thよりも大きな高負荷回転領域のとき、第1永久磁石41の残留磁束密度Br1が減少するように、変更電流I2を減少させる。これにより、第1永久磁石41の磁力が弱まるので、高負荷回転領域でのスラスト荷重Fが増大する。スラスト荷重Fの増大により、圧力変動に伴う回転軸101の軸方向の振動が抑制されるので、高負荷回転領域で発生する異常音を抑制できる。この場合、軸方向において、ロータ120の中心から一端までの磁束密度の平均値と、ロータ120の中心から他端までの磁束密度の平均値は異なる。
一方、電流制御部152は、トルク指令値τ*が所定の閾値Thよりも小さな低負荷回転領域のとき、第1永久磁石41の残留磁束密度Br1が増加するように、変更電流I2を増加させる。これにより、第1永久磁石41の磁力が強まるので、低負荷回転領域でのスラスト荷重Fが減少する。スラスト荷重Fの減少により、軸受3aに加わる荷重が低下するので、低負荷回転領域で軸受3aに発生する損失を低減できる。この場合、軸方向において、ロータ120の中心から一端までの磁束密度の平均値と、ロータ120の中心から他端までの磁束密度の平均値は略等しい。
このように、モータ2Aを備える圧縮機200は、スラスト荷重Fを回転軸101の回転中に変更する変更部として、第1永久磁石41、第2永久磁石42、電力変換装置10及び制御装置150を備える。変更部は第1永久磁石41の残留磁束密度Br1を変更可能に構成される。言い換えると、変更部は、軸方向において、ロータ120の中心から一端までの磁束密度の平均値と、ロータ120の中心から他端までの磁束密度の平均値との比率を変更可能に構成される。この変更部によって、圧縮機構3を駆動する回転トルクの大きさ等に応じて、軸受3aに加わる荷重を回転軸101の回転中に調整できる。また、この変更部によれば、回転軸101の回転トルクが相対的に大きい時、回転軸101の回転トルクが相対的に小さい時よりも、軸受3aに加わる荷重を大きく調整できる。これにより、変更部は、低負荷回転領域で軸受3aに発生する損失の低減と高負荷回転領域で回転軸101の軸方向の振動に伴って発生する異常音の抑制との両立を実現できる。
また、第1永久磁石41の残留磁束密度Br1は変更電流I2の値によって複数の値に変更可能なため、スラスト荷重Fも運転中に複数の値に調整できる。その結果、異常音の抑制に必要な最低限のプルフォースを運転状況に応じて、与えることが可能になり、過剰な軸受損失の発生を防ぐことができる。
図6は、モータの第2構成例を部分的に示す断面図である。第2構成例において、上述の構成例と同様の構成、作用及び効果についての説明は、上述の説明を援用することで省略又は簡略する。
図6に示すモータ2Bは、上述のモータ100Aの一構成例である。モータ2Bは、永久磁石122(図3参照)として、第1永久磁石41及び第2永久磁石42を備える。モータ2Bは、第2永久磁石42が第1永久磁石41に対して圧縮機構3(図2参照)の側に設けられる点で、モータ2Aの構成と相違する。
初期状態では、第1永久磁石41及び第2永久磁石42は、比較的低い残留磁束密度で着磁されている。また、初期状態では、モータ2Aから回転軸101に対して軸方向に加えるスラスト荷重Fが最小となる位置に、ステータ110及びロータ120の軸方向の位置関係は設定されている。
電流制御部152は、トルク指令値τ*が所定の閾値Thよりも大きな高負荷回転領域のとき、第1永久磁石41の残留磁束密度Br1が増加するように、変更電流I2を増加させる。これにより、第1永久磁石41の磁力が強まるので、高負荷回転領域でのスラスト荷重Fが増大する。スラスト荷重Fの増大により、圧力変動に伴う回転軸101の軸方向の振動が抑制されるので、高負荷回転領域で発生する異常音を抑制できる。
一方、電流制御部152は、トルク指令値τ*が所定の閾値Thよりも小さな低負荷回転領域のとき、第1永久磁石41の残留磁束密度Br1が減少するように、変更電流I2を減少させる。これにより、第1永久磁石41の磁力が弱まるので、低負荷回転領域でのスラスト荷重Fが減少する。スラスト荷重Fの減少により、軸受3aに加わる荷重が低下するので、低負荷回転領域で軸受3aに発生する損失を低減できる。
このように、モータ2Bを備える圧縮機200は、スラスト荷重Fを回転軸101の回転中に変更する変更部として、第1永久磁石41、第2永久磁石42、電力変換装置10及び制御装置150を備える。したがって、モータ2Aの場合と同様に、変更部は、低負荷回転領域で軸受3aに発生する損失の低減と高負荷回転領域で回転軸101の軸方向の振動に伴って発生する異常音の抑制との両立を実現できる。
図7は、モータの第3構成例を部分的に示す断面図である。第3構成例において、上述の構成例と同様の構成、作用及び効果についての説明は、上述の説明を援用することで省略又は簡略する。
図7に示すモータ2Cは、上述のモータ100Aの一構成例である。モータ2Cは、第1永久磁石41の少なくとも一部が第2端板51に埋まっている点で、モータ2Bの構成と相違する。モータ2Cの場合も、モータ2Bの場合と同様に、変更部は、低負荷回転領域で軸受3aに発生する損失の低減と高負荷回転領域で回転軸101の軸方向の振動に伴って発生する異常音の抑制との両立を実現できる。
なお、図7に示すモータ2Cにおいて、第2永久磁石42の少なくとも一部が第1端板52に埋まっても、モータ2Bの場合と同様の効果が得られる。また、図5に示すモータ2Aにおいて、第1永久磁石41の少なくとも一部が第1端板52に埋まっても、又は、第2永久磁石42の少なくとも一部が第2端板51に埋まっても、モータ2Bの場合と同様の効果が得られる。
図8は、モータの第4構成例を部分的に示す断面図である。第4構成例において、上述の構成例と同様の構成、作用及び効果についての説明は、上述の説明を援用することで省略又は簡略する。
図8に示すモータ2Dは、上述のモータ100Aの一構成例である。モータ2Dは、スロット22に埋まる永久磁石が径方向で分割される点で、モータ2Aの構成と相違する。図8は、第1永久磁石41が第2永久磁石42の径方向の外周側に位置する構成を例示する。第1永久磁石41が第2永久磁石42の径方向の外周側に位置することで、変更電流I2が流れる巻線112に第1永久磁石41が近づくので、第1永久磁石41の残留磁束密度を変更する精度が向上する。モータ2Dの場合も、モータ2Aの場合と同様に、変更部は、低負荷回転領域で軸受3aに発生する損失の低減と高負荷回転領域で回転軸101の軸方向の振動に伴って発生する異常音の抑制との両立を実現できる。
図9は、モータの第5構成例を部分的に示す断面図である。第5構成例において、上述の構成例と同様の構成、作用及び効果についての説明は、上述の説明を援用することで省略又は簡略する。
図9に示すモータ2Eは、上述のモータ100Aの一構成例である。モータ2Eは、第1永久磁石41を備えるが第2永久磁石42を備えない点で、モータ2Aの構成と相違する。
第1永久磁石41の軸方向の長さは、ロータコア121の軸方向の長さと略等しい。第1永久磁石41が軸方向に異なる残留磁束密度で着磁されることで、一部のみが減磁した永久磁石が得られる。モータ2Aは、ステータ110の外周側に設けられたコイル160を備える。コイル160は、ステータ110のうち軸方向で軸受3a側のステータ部分の外周側に設けられている。コイル160の軸方向の長さは、巻線112の軸方向の長さよりも短い。
電流制御部152は、トルク指令値τ*が所定の閾値Thよりも大きな高負荷回転領域のとき、第1永久磁石41のうち軸方向で軸受3a側の磁石部分の残留磁束密度Br1が減少するように、コイル160に流す変更電流I2を減少させる。これにより、第1永久磁石41のうち軸方向で軸受3a側の磁石部分の磁力が弱まるので、高負荷回転領域でのスラスト荷重Fが増大する。スラスト荷重Fの増大により、圧力変動に伴う回転軸101の軸方向の振動が抑制されるので、高負荷回転領域で発生する異常音を抑制できる。
一方、電流制御部152は、トルク指令値τ*が所定の閾値Thよりも小さな低負荷回転領域のとき、第1永久磁石41のうち軸方向で軸受3a側の磁石部分の残留磁束密度Br1が増加するように、コイル160に流す変更電流I2を増加させる。これにより、第1永久磁石41の軸方向で軸受3a側の磁石部分の磁力が強まるので、低負荷回転領域でのスラスト荷重Fが減少する。スラスト荷重Fの減少により、軸受3aに加わる荷重が低下するので、低負荷回転領域で軸受3aに発生する損失を低減できる。
このように、モータ2Eを備える圧縮機200は、スラスト荷重Fを回転軸101の回転中に変更する変更部として、第1永久磁石41、コイル160、電力変換装置10及び制御装置150を備える。したがって、モータ2Eの場合も、モータ2Aの場合と同様に、変更部は、低負荷回転領域で軸受3aに発生する損失の低減と高負荷回転領域で回転軸101の軸方向の振動に伴って発生する異常音の抑制との両立を実現できる。
図10は、モータの第6構成例を部分的に示す断面図である。第6構成例において、上述の構成例と同様の構成、作用及び効果についての説明は、上述の説明を援用することで省略又は簡略する。
図10に示すモータ2Fは、上述のモータ100Aの一構成例である。モータ2Fは、第1永久磁石41及び第3永久磁石43を備えるが第2永久磁石42を備えない点で、モータ2Aの構成と相違する。
第1永久磁石41は、巻線112に流す変更電流I2が第1電流値で減磁する。第3永久磁石43は、巻線112に流す変更電流I2が第2電流値(第1電流値よりも高い電流値)で減磁する。この場合、第1電流値の変更電流I2を巻線112に流すと、第1永久磁石41の残留磁束密度の減少幅は、第3永久磁石43の残留磁束密度の減少幅よりも大きいので、第3永久磁石43の磁力が第1永久磁石41の磁力よりも高くなり、スラスト荷重Fが増大する。つまり、モータ2Fは、モータ2Aの変形例である。スロット22に配置される永久磁石の個数は、2個に限られず、3個以上でもよい。
電流制御部152は、トルク指令値τ*が所定の閾値Thよりも大きな高負荷回転領域のとき、第1永久磁石41の残留磁束密度Br1が減少するように、第1電流値の変更電流I2を巻線112に流す。これにより、第1永久磁石41の磁力が弱まるので、高負荷回転領域でのスラスト荷重Fが増大する。スラスト荷重Fの増大により、圧力変動に伴う回転軸101の軸方向の振動が抑制されるので、高負荷回転領域で発生する異常音を抑制できる。
一方、電流制御部152は、トルク指令値τ*が所定の閾値Thよりも小さな低負荷回転領域のとき、第1永久磁石41の残留磁束密度Br1が増加するように、第1電流値の変更電流I2を巻線112に流すことを停止する。これにより、第1永久磁石41の磁力が強まるので、低負荷回転領域でのスラスト荷重Fが減少する。スラスト荷重Fの減少により、軸受3aに加わる荷重が低下するので、低負荷回転領域で軸受3aに発生する損失を低減できる。
このように、モータ2Fを備える圧縮機200は、スラスト荷重Fを回転軸101の回転中に変更する変更部として、第1永久磁石41、第3永久磁石43、電力変換装置10及び制御装置150を備える。したがって、モータ2Aの場合と同様に、変更部は、低負荷回転領域で軸受3aに発生する損失の低減と高負荷回転領域で回転軸101の軸方向の振動に伴って発生する異常音の抑制との両立を実現できる。
図11は、モータの第7構成例を部分的に示す断面図である。第7構成例において、上述の構成例と同様の構成、作用及び効果についての説明は、上述の説明を援用することで省略又は簡略する。
図11に示すモータ2Gは、上述のモータ100Aの一構成例である。モータ2Gは、第2永久磁石42の位置変更によってスラスト荷重Fを変更する点で、モータ2Aの構成と相違する。
モータ2Gは、スロット22に沿ってスライドする第2永久磁石42と、第2永久磁石42のスライド量を調整するスライド調整機構44とを有する。スライド調整機構44は、例えば、スプリング等の弾性体である。スロット22は、回転軸101の軸方向に対して傾斜するようにロータコア121に形成されている。このような構成により、ロータ120の回転数が増加するほど、第2永久磁石42に作用する遠心力が増大し、第2永久磁石42は、軸受3aから離れる方向にスロット22に沿ってスライドする。一方、ロータ120の回転数が減少するほど、第2永久磁石42に作用する遠心力が減少し、第2永久磁石42は、軸受3aに近づく方向にスロット22に沿ってスライドする。
高負荷回転領域において、第2永久磁石42が軸受3aから離れる方向にスロット22に沿ってスライドすることで、スロット22のうち軸受3aに近い側のスロット部分の磁束密度が減少するので、高負荷回転領域でのスラスト荷重Fが増大する。スラスト荷重Fの増大により、圧力変動に伴う回転軸101の軸方向の振動が抑制されるので、高負荷回転領域で発生する異常音を抑制できる。
一方、低負荷回転領域において、第2永久磁石42が軸受3aに近づく方向にスロット22に沿ってスライドすることで、スロット22のうち軸受3aに近い側のスロット部分の磁束密度が増加するので、低負荷回転領域でのスラスト荷重Fが減少する。スラスト荷重Fの減少により、軸受3aに加わる荷重が低下するので、低負荷回転領域で軸受3aに発生する損失を低減できる。
このように、モータ2Gを備える圧縮機200は、スラスト荷重Fを回転軸101の回転中に変更する変更部として、第2永久磁石42及びスライド調整機構44を備える。したがって、モータ2Aの場合と同様に、変更部は、低負荷回転領域で軸受3aに発生する損失の低減と高負荷回転領域で回転軸101の軸方向の振動に伴って発生する異常音の抑制との両立を実現できる。
なお、スライド調整機構44は、スロット22に沿って第2永久磁石42を押す又は引っ張る電磁スイッチでもよい。電流制御部152は、トルク指令値τ*が所定の閾値Thよりも大きな高負荷回転領域のとき、第2永久磁石42が軸受3aから離れる方向にスロット22に沿ってスライドするように電磁スイッチを動作させる電流を電磁スイッチに流す。これにより、スロット22のうち軸受3aに近い側のスロット部分の磁束密度が減少するので、高負荷回転領域でのスラスト荷重Fが増大する。スラスト荷重Fの増大により、圧力変動に伴う回転軸101の軸方向の振動が抑制されるので、高負荷回転領域で発生する異常音を抑制できる。
一方、電流制御部152は、トルク指令値τ*が所定の閾値Thよりも小さな低負荷回転領域のとき、第2永久磁石42が軸受3aに近づく方向にスロット22に沿ってスライドするように電磁スイッチを動作させる電流を電磁スイッチに流す。これにより、スロット22のうち軸受3aに近い側のスロット部分の磁束密度が増加するので、低負荷回転領域でのスラスト荷重Fが減少する。スラスト荷重Fの減少により、軸受3aに加わる荷重が低下するので、低負荷回転領域で軸受3aに発生する損失を低減できる。
したがって、スライド調整機構44がスプリングの場合と同様に、変更部は、低負荷回転領域で軸受3aに発生する損失の低減と高負荷回転領域で回転軸101の軸方向の振動に伴って発生する異常音の抑制との両立を実現できる。
図12は、モータの第8構成例を部分的に示す断面図である。第8構成例において、上述の構成例と同様の構成、作用及び効果についての説明は、上述の説明を援用することで省略又は簡略する。
図12に示すモータ2Hは、上述のモータ100Aの一構成例である。モータ2Hは、第2永久磁石42とスライド調整機構44との位置関係が入れ替えられた点で、モータ2Gの構成と相違する。
スライド調整機構44は、例えば、スロット22に沿って第2永久磁石42を押す又は引っ張る電磁スイッチである。電流制御部152は、トルク指令値τ*が所定の閾値Thよりも大きな高負荷回転領域のとき、第2永久磁石42が軸受3aから離れる方向にスロット22に沿ってスライドするように電磁スイッチを動作させる電流を電磁スイッチに流す。一方、電流制御部152は、トルク指令値τ*が所定の閾値Thよりも小さな低負荷回転領域のとき、第2永久磁石42が軸受3aに近づく方向にスロット22に沿ってスライドするように電磁スイッチを動作させる電流を電磁スイッチに流す。
したがって、モータ2Gの場合と同様に、変更部は、低負荷回転領域で軸受3aに発生する損失の低減と高負荷回転領域で回転軸101の軸方向の振動に伴って発生する異常音の抑制との両立を実現できる。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
1 空気調和装置
2A,2B,2C,2D,2E,2F,2G,2H モータ
3 圧縮機構
3a 軸受
3b 吸入管
3c 吐出管
4 ケーシング
10 電力変換装置
11 コンバータ回路
12 直流リンク部
13 インバータ回路
20 交流電源
22 スロット
41 第1永久磁石
42 第2永久磁石
43 第3永久磁石
44 スライド調整機構
50 冷媒回路
51 第1端板
52 第2端板
60 四方切換弁
70 室外熱交換器
80 膨張弁
90 室内熱交換器
100 モータ装置
100A モータ
101 回転軸
110 ステータ
111 ステータコア
111A バックヨーク部
111B ティース部
112 巻線
120 ロータ
121 ロータコア
121A 貫通孔
121B スロット
122 永久磁石
150 制御装置
151 座標変換部
152 電流制御部
153 PWM演算部
154 メモリ
160 コイル
200 圧縮機

Claims (12)

  1. 軸受と、
    前記軸受に直接又は油を介して接触する回転軸と、
    前記回転軸に締結されたロータと、前記ロータと径方向で対向するように配置されたステータとを有し、前記回転軸を回転させるモータと、
    前記回転軸の回転により駆動される圧縮機構と、
    前記モータから前記回転軸に対して軸方向に加えるスラスト荷重を、前記回転軸の回転中に変更する変更部と、備える、圧縮機。
  2. 前記変更部は、前記圧縮機構を駆動する回転トルクに応じて、前記スラスト荷重を変更する、請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記変更部は、前記回転トルクが相対的に大きい時に、前記回転トルクが相対的に小さい時よりも、前記スラスト荷重を大きくする、請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記変更部は、前記ロータに設けられた永久磁石によって、前記スラスト荷重を変更する、請求項1から3のいずれか一項に記載の圧縮機。
  5. 前記変更部は、前記永久磁石の残留磁束密度を変更する手段を含み、
    前記永久磁石は、前記変更部により残留磁束密度を変更可能な第1永久磁石を含む、請求項4に記載の圧縮機。
  6. 前記変更部は、前記第1永久磁石の残留磁束密度を変更することで、前記スラスト荷重を変更する、請求項5に記載の圧縮機。
  7. 前記永久磁石は、前記第1永久磁石と、前記第1永久磁石に対して前記圧縮機構の側とは反対側に設けられて前記変更部により残留磁束密度を変更できない第2永久磁石とを含み、
    前記変更部は、前記第1永久磁石の残留磁束密度を変更することで、前記スラスト荷重を変更する、請求項5に記載の圧縮機。
  8. 前記永久磁石は、前記第1永久磁石と、前記第1永久磁石に対して前記圧縮機構の側に設けられて前記変更部により残留磁束密度を変更できない第2永久磁石とを含み、
    前記変更部は、前記第1永久磁石の残留磁束密度を変更することで、前記スラスト荷重を変更する、請求項5に記載の圧縮機。
  9. 前記変更部は、前記永久磁石の位置を変更することで、前記スラスト荷重を変更する、請求項4に記載の圧縮機。
  10. 前記軸受は、滑り軸受であり、
    前記スラスト荷重は、前記回転軸から前記滑り軸受に向かう向きに加わる、請求項1から9のいずれか一項に記載の圧縮機。
  11. 前記軸受は、転がり軸受である、請求項1から9のいずれか一項に記載の圧縮機。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の圧縮機を備える冷凍装置。
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