JP2023147173A - Cu合金の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性及び強度に優れたCu合金の製造方法を提供する。【解決手段】球状に成形されたCu粉末及び/又はCuM(ただし、Mは1種または2種以上の金属元素である)合金粉末からなる第1の金属粉末と、球状に成形されたM粉末からなる第2の金属粉末と、を混合して混合粉末を製造する第1ステップと、前記混合粉末を原料とした3D造形法により、母相がCuとMからなる合金相、又は、Cu相からなり、分散相がMの結晶粒からなる2相を有する母材Cu合金を製造する第2ステップと、前記第2ステップで製造された母材Cu合金に対して熱処理を行う第3ステップと、を有することを特徴とするCu合金の製造方法【選択図】図4

Description

本発明は、Cu合金の製造方法に関する。
高電圧向け電気接点材、抵抗溶接用電極としてCu製の部品が知られている。このCu製の部品は、スパークに弱いため、合金化による強度の向上が求められている。また、合金化の手法として、Cu,Mを含む溶湯を鋳造した溶製材とする方法が考えられる。
特開2018-178239号公報
しかしながら、溶製材は、導電性に優れるものの、強度については改善の余地があった。溶製材に含まれるMの濃度を上げることにより、強度は向上するが、Mの濃度を上げ過ぎると導電性が低下する。したがって、Cu,Mを含む溶製材では、導電性及び強度に優れたCu合金が得られない。
本発明は、導電性及び強度に優れたCu合金の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るCu合金の製造方法は、(1)球状に成形されたCu粉末及び/又はCuM(ただし、Mは1種または2種以上の金属元素である)合金粉末からなる第1の金属粉末と、球状に成形されたM粉末からなる第2の金属粉末と、を混合して混合粉末を製造する第1ステップと、前記混合粉末を原料とした3D造形法により、母相がCuとMからなる合金相、又は、Cu相からなり、分散相がMの結晶粒からなる2相を有する母材Cu合金を製造する第2ステップと、前記第2ステップで製造された母材Cu合金に対して熱処理を行う第3ステップと、を有することを特徴とする。
(2)前記第3ステップにおける熱処理の温度は、500℃以上1000℃以下であることを特徴とする上記(1)に記載のCu合金の製造方法。
(3)Mの融点が1700℃以上であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のCu合金の製造方法。
(4)該Cu合金中のMの濃度は1質量%以上であることを特徴とする上記(1)乃至(3)のうちいずれか一つに記載のCu合金の製造方法。
(5)前記第2ステップで得られる母材Cu合金は、前記分散相の結晶粒のうち長径が最大である最大結晶粒の長径が1μm以下であることを特徴とする上記(1)乃至(4)のうちいずれか一つに記載のCu合金の製造方法。
本発明の製造方法によれば、導電性及び強度に優れたCu合金を製造することができる。
母材3D造形体における研磨面のSEM画像である。 3D造形体(発明例2)における研磨面の光学顕微鏡画像である。 3D造形体(発明例5)における研磨面の光学顕微鏡画像である。 実施例及び比較例の強度及び導電性を示したグラフである。
本発明のCu合金の製造方法の一実施形態について説明する。Cu合金の製造方法は、混合粉末を製造する第1ステップと、母材Cu合金を製造する第2ステップと、第2ステップで製造された母材Cu合金に対して熱処理を行う第3ステップとを有する。
(第1ステップについて)
第1ステップは、球状に成形された純Cu粉末(以下、「純Cu粉末」を「Cu粉末」ともいう)及び/又はCuM合金粉末(以下、これらを特に区別する必要がない場合には、「CuM合金粉末等」ともいう)と、球状に成形されたM粉末とを混合した混合粉末を製造するステップである。CuM合金粉末等が「第1の金属粉末」に相当し、M粉末が「第2の金属粉末」に相当する
Mはメタルの意である。Mは、好ましくは、融点が1700℃以上の元素である。Mには、例えばV、Cr、Nb、W、Zr、Mo、Taのうち1種又は2種以上の金属元素を用いることができる。
球状を球形度で規定すると、好ましくは0.80以上である。静的自動画像分析装置を用いて、二次投影像における円相当径が10μm以上の粉末粒子1000個に対し球形度を測定し、これらの算術平均値を球形度と定義することができる。なお、球形度が1に近づくほど真円に近くなる。
CuM合金粉末等は、ガスアトマイズ法によって製造することができる。ガスアトマイズ法は、真空中で溶解した溶湯を、ノズルから鉛直下方に落下させ、周囲から不活性ガス(アルゴンガス、窒素ガス等)を吹き付けることで、小さな液滴に分断する方法であり、分断された溶融金属は、噴霧チャンバ内で落下する間に表面張力により球形化しながら凝固し、球状粉末が得られる。
なお、CuM合金粉末等を、純Cu粉末とCuM合金粉末との混合粉末とする場合には、それぞれの粉末をガスアトマイズ法で製造し、これらを混合すればよい。
本実施形態では、CuM合金粉末等の製造方法としてガスアトマイズ法を例示したが、本発明はこれに限るものではなく、ディスクアトマイズ法を用いることもできる。
原材料には、Cuからなる溶湯及び/又はCu,Mからなる溶湯が用いられる。原材料としてCuからなる溶湯を用いた場合、ガスアトマイズ法によって、球状に成形されたCu粉末が製造される。原材料としてCu,Mからなる溶湯を用いた場合、ガスアトマイズ法によって、球状に形成されたCuM合金粉末が製造される。
ガスアトマイズ法によってCuM合金粉末を製造する場合、M濃度が15質量%を超過すると、Mが析出してノズル閉塞を起こすおそれがある。ノズル閉塞を起こすと、溶湯が流れなくなり、アトマイズできなくなる。したがって、ガスアトマイズ法によってCuM合金粉末を製造する場合には、M濃度を15質量%以下に設定するのが望ましい。
球状のM粉末は、球形ではない不定形状のM粉末を原材料(以下、原料M粉末ともいう)とする球状化処理を行うことによって製造できる。原料M粉末の製造には、機械的粉砕法、噴霧法、還元法、電解法などを用いることができる。機械的粉砕法において、M塊が比較的大きい場合には、ジョークラッシャー、ハンマーミル、スタンプミル等を用いてM塊を粉砕することによって、原料M粉末を得ることができる。機械的粉砕法において、M塊が比較的小さい場合には、ボールミル、振動ミルなどを用いてM塊を粉砕することによって、原料M粉末を得ることができる。
球状化処理には、例えば、高周波誘導熱プラズマ法を用いることができる。高周波誘導熱プラズマ法は、高周波誘導コイルにより高周波磁場を励磁し、この高周波磁場内にプラズマガスを供給して、誘導的に高周波プラズマフレームを発生させるとともに、この高周波プラズマフレーム内に原料M粉末を供給することによって球状化粒子を製造する技術である。
ただし、球状化処理の方法は高周波誘導熱プラズマ法に限るものではない。例えば、高周波誘導熱プラズマ法に代えて、回転電極法(Rotating Electrode Process)を用いることもできる。回転電極法は、回転する電極を高温プラズマによって溶解させ、電極表面から遠心力によって吹き飛ばされた液滴を、電極周辺に配置したガスノズルから噴出するガスジェットによる空気力学的引張力によって球状化する技術である。なお、ガスアトマイズ法は、Mのような高融点金属を球状化するのに適さない。CuM合金は前出したノズル閉塞の問題があるが、通常の純金属であるMやMの濃度が高い一般のM合金の場合でも、これらは高融点なので溶解温度では耐火物が溶損し溶解自体が困難なためである。
球状のCuM合金粉末等及び球状のM粉末を混合して、M粉末が均一に分散した3D造形用混合粉末を製造する。
混合方法は、混合粉末が入った混合容器を作業者が揺らす手混合方式、混合粉末が入った混合容器を機械的に回転させる回転混合方式、攪拌翼を備えた撹拌機により混合粉末を攪拌させる攪拌混合方式など公知の方法を用いることができる。粉末が球状に形成されているため、流動性が高まり3D造形を行うことができる。
混合粉末には、不可避的不純物が含まれ得る。不可避的不純物には意図的に含有させなくても原料に微量に含まれている金属元素や、合金を得るために溶解や精錬している最中に雰囲気ガスや耐火物煉瓦などの界面より混入する非金属元素がある。この内特に代表的な金属元素としてはSiやFeやNiなどがあげられる。また、非金属介在物を生成する代表的な元素としてはCやOやNなどがあげられる。そして非金属介在物を生成する元素の含有率の上限は合計で0.1質量%以下とすることが好ましい。
(第2ステップについて)
母材Cu合金は、第1ステップで製造した混合粉末を原料とした3D造形法によって製造することができる。本明細書では、説明の便宜上、第2ステップ及び第3ステップで製造された製造物をそれぞれ、母材3D造形体及び3D造形体と定義する。
3D造形は、積層造形(Additive Manufacturing:AM)とも呼ばれており、EB(Electron Beam)、レーザを用いた積層法が良く知られている。これは、造形ステージ上に金属粉末層を形成して、この粉末層の所定部にビームを照射し、その後、上記粉末層の上に新たな粉末層を形成して、その所定部にビームを照射して焼結することで、下層の焼結部と一体となった焼結部を形成する。これを繰り返すことで、粉末から一層ずつ積層的に三次元形状を造形するものであり、従来の加工方法では困難であった複雑な形状を造形することが可能である。これらの手法によって、CAD等の形状データから所望の3次元形状の造形体を成形することができる。
母材3D造形体は、母相、分散相とからなる。母相は、CuM合金、又は、Cuからなる。Mの詳細は、上述したので説明を省略する。Mの結晶粒からなる分散相によって、分散強化機構が形成され、造形体の強度を向上させることができる。以下この点を詳述する。
分散相はMからなる結晶粒によって構成されており、この結晶粒は微細に形成されている。原料である混合粉末がCuM合金粉末及びM粉末の混合粉末である場合、分散相のMは、3D造形時のレーザ照射によって、CuM合金から分離して生成されたものである。CuM合金からMの一部が分離した場合には、CuM合金からなる母相及びMからなる分散相によって母材3D造形体が構成される。3D造形時のレーザ照射によって、CuM合金からMが全て分離した場合には、Cuからなる母相及びMからなる分散相によって母材3D造形体は構成される。原料である混合粉末がCu粉末及びM粉末の混合粉末である場合には、3D造形時のレーザ照射によって、Cuからなる母相及びMからなる分散相によって母材3D造形体が構成される。
母材3D造形体には、Cu,M以外の不可避的不純物が含まれ得るが、不可避的不純物の詳細については説明を繰り返さない。
微細に形成された結晶粒を母相に分散させることにより、母材3D造形体の強度を高めることができる。結晶粒のうち長径が最大である最大結晶粒を特定し、この最大結晶粒の長径が1μm以下の場合には、結晶粒が微細に形成されているものと評価することができる。
最大結晶粒は、例えば、母材3D造形体を表面研磨し、この研磨面のSEM画像から特定することができる。例えば、母材3D造形体が、CuM合金からなる母相及びMからなる結晶粒によって構成されている場合、SEM画像は白色の領域と灰色の領域とに色分けできる。この色分けは、目視によって行ってもよいし、画像処理(例えば、二値化処理)によって行ってもよい。互いに分断した白色の領域(つまり、互いに独立した多数の結晶粒)をSEM画像から特定し、これらの中から長径が最大の結晶粒を最大結晶粒として抽出することができる。
SEM画像の撮像面積は、少なくとも1000μm以上確保することが望ましい。撮像面積が過度に小さくなると、最大結晶粒を見落とすおそれがあるからである。
ここで、3D造形体に要求される強度に応じてMの濃度は変化する。なお強度は3D造形体の用途に応じて変わる。Mの目標濃度(以下、目標M濃度という)は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは15質量%以上75質量%以下、さらに好ましくは25質量以上50質量%以下である。M濃度が過度に低くなるとMの結晶粒からなる分散相による分散強化機構が低下し、所望の強度が得られなくなる。M濃度が過度に高くなると導電性の低いMの結晶粒からなる分散相の体積率が増加し、それに伴い導電性の高いCuで構成される母相の体積率が低下したり、あるいは母相がCu相からCuより導電性の低いCuM合金相に置き換わることから、造形体全体としては導電性が低下し所望の導電性が得られなくなる。
ここで、本実施形態の母材3D造形体は、微細なM粒子が多数分散した構造となっているため、これに比べ粗大なM粒子が少数分散した構造となっているCuM溶製材と比較して、強度が高い。一方、母材3D造形体は、CuM溶製材と比較して、導電性が低い。この導電性を高めるために、以下に説明する第3ステップの熱処理が実施される。
(第3ステップについて)
第2ステップで製造された母材3D造形体に対して熱処理を行い、3D造形体を製造する。
熱処理の温度は、好ましくは500℃以上1000℃以下であり、より好ましくは550℃以上950℃以下である。熱処理の温度を500℃以上に設定することにより、分散相におけるMの元素成分単相および/またはCuとMの元素成分との化合物が、十分に析出するため、3D造形体の導電性を高めることができる。熱処理の温度を1000℃以下に設定することにより、Mの母相への固溶が抑制される。
熱処理時間は、特に限定しないが、好ましくは1時間以上10時間以内である。熱処理時間を1時間以上に設定することによって、時効により、Mの元素成分単相および/またはCuとMの元素成分との化合物が十分に析出した組織が得られる。もっとも、時効時間が長くなると結晶粒が粗大化して、強度が低下するので、時効時間は10時間以下とすることが好ましい。また、時効時間が10時間以下である時効では、エネルギーコストが抑制される。
他の熱処理の条件は、特に限定しないが、好ましくは、不活性ガス(例えば、アルゴンガス)雰囲気下での熱処理が可能な雰囲気炉を用いることができる。当該雰囲気炉中で、母材3D造形体を所定の熱処理温度にて一定時間保持し、その後、炉冷を行うことが好ましい。不活性雰囲気中で熱処理を行い、炉冷することによって、母材3D造形体表面の酸化を防ぐことができる。
本実施形態の3D造形体の製造方法によれば、組成を変更することなく、強度及び導電性に優れた3D造形体を得ることができる。すなわち、母材3D造形体に対して所定の熱処理を行うだけで、導電性が溶製材と同レベルで、かつ、強度が溶製材よりも高い3D造形体を製造することができる。
(実施例1)
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。母材3D造形体(比較例1、2)、3D造形体(発明例1~8)及び溶製材(比較例3~5)について、導電性及び強度を比較した。なお、後述するように、溶製材(比較例3~5)の導電性及び強度については、文献値を引用した。
(比較例1、2について)
ガスアトマイズ法で製造したCu15Cr合金と、球状に形成されたCr粉末とを混合した混合粉末を用いて、立方体形状の母材3D造形体(比較例1、2)を製造した。比較例1では、混合粉末におけるCr濃度は25質量%(つまり、Cu25Cr)とし、比較例2では、混合粉末におけるCr濃度は50質量%(つまり、Cu50Cr)とした。Crの球状化処理は、ニイミ産業製のプラズマ球状化処理装置(型番:N-Plasma Melting)を用いて行った。3D造形は、EOS社製の3次元積層造形装置(商品名:EOS-M290)により行った。3D造形におけるエネルギー密度は、290J/mmとした。比較例1の3D造形体を表面研磨した後、研磨面のSEM画像(図1参照)を取得した。
SEM画像から目視により最大結晶粒を特定した。最大結晶粒の長径は、約0.5μmであり、1μmよりも十分小さかった。なお、点線の内側に最大結晶粒が存在する。
(発明例1~5について)
比較例1の母材3D造形体に対してアルゴンガス雰囲気下で熱処理を行い、発明例1~5の3D造形体を製造した。熱処理温度は、発明例1が500℃、発明例2が600℃、発明例3が700℃、発明例4が800℃、発明例5が900℃とした。加熱時間は5時間に統一した。発明例2及び5については、3D造形体を表面研磨した後、研磨面の光学顕微鏡画像(図2及び図3参照)を取得した。
なお、CuCr合金の3D造形体では、Cr濃度を増大させると強度が向上し、Cr濃度を低下させると強度が低下する。
(発明例6~8について)
比較例2の母材3D造形体に対してアルゴンガス雰囲気下で熱処理を行い、発明例6~8の3D造形体を製造した。熱処理温度は、発明例6が500℃、発明例7が700℃、発明例8が900℃とした。加熱時間は5時間に統一した。
(導電性について)
母材3D造形体、3D造形体を切断して、板状の試験片(3×2×60mm)を作製し、「JIS C 2525」に準拠した4端子法により、電気抵抗値(Ω)を測定した。測定には、アルバック理工社の装置「TER-2000RH型」を使用した。測定条件は、以下の通りである。
温度:25℃
電流:4A
電圧降下間距離:40mm
下記数式に基づき、電気抵抗率ρ(Ωm)を算出した。
ρ=R/I×S
この数式において、Rは試験片の電気抵抗値(Ω)であり、Iは電流(A)であり、Sは 試験片の断面積(m)である。電気伝導度(S/m)は、電気抵抗率ρの逆数から算出した。また、5.9×10 7 (S/m)を100%IACSとして、各試験片の電気伝導度(%IACS)を算出した。
比較例3の溶製材(Cu25Cr)、比較例4の溶製材(Cu30Cr)及び比較例5の溶製材(Cu40Cr)の導電性は、S Xiu, Y Ren, X Jun, J Wang, J Wang, Microstructure and properties of CuCr contact materials withdifferent Cr content, Trans.Nonferrous Met. Soc. China 21(2011), s389-s393から引用した。強度についても、同様である。
(強度について)
母材3D造形体及び3D造形体の強度は、「JIS Z 2244」に定めるビッカース試験によって評価した。ビッカース試験は、ダイヤモンドからなる角錐形圧子を試験片に押し付けることによって圧痕を形成し、この形成された圧痕を顕微鏡で観察し対角線の長さを測定することによって、硬さを評価する試験である。詳細については、JIS規格であるから省略する。
図4のグラフに、各発明例及び比較例の導電性及び強度を示した。比較例1および2と、発明例1~8とを比較して、母材3D造形体に対して所定の熱処理を施すだけで、導電性が飛躍的に向上した。比較例3~5と、発明例1~8とを比較して、母材3D造形体に対して所定の熱処理を施すだけで、導電性が溶製材と同レベルで、かつ、強度が溶製材よりも高くなることがわかった。
(実施例2)
実施例1とは異なる表1の金属粉末を用いて立方体状の母材3D造形体を製造し、アルゴンガス雰囲気下で、所定の熱処理を行った後、分散相の最大結晶粒の長径、電気伝導度、ビッカース硬さを測定した。3D造形体(母材3D造形体を含む)の製造方法、最大結晶粒の長径の測定方法、電気伝導度の測定方法、ビッカース硬さの測定方法は、実施例1と同様にした。
表1の「アトマイズ粉のM量」とは、第1の金属粉末であるアトマイズ粉に含まれるM(メタル)の含有量(質量%)のことであり、「合計M量」とは、混合粉末全体に含まれるMの含有量(質量%)のことである。例えば、発明例9は、V:0.2質量%及び残部がCuからなる第1の金属粉末(アトマイズ粉)と、Vからなる第2の金属粉末とを混合した混合粉末であって、Vの総含有量が17質量%の混合粉末を3D造形に用いる金属粉末とした。また、発明例11は、Cuのみからなる第1の金属粉末(純Cu粉末からなるアトマイズ粉)と、Taからなる第2の金属粉末とを混合した混合粉末であって、Taの総含有量が5質量%の混合粉末を3D造形に用いる金属粉末とした。
アトマイズ粉に添加する球状粉末は、ニイミ産業製のプラズマ球状化処理装置(型番:N-Plasma Melting)を用いて解砕粉を球状化することにより製造した。
真空アーク溶解法によって製造された立方体状の溶製材(100g)について、アルゴンガス雰囲気下で、所定の熱処理を行った後、分散相の最大結晶粒の長径、電気伝導度、ビッカース硬さを測定した。これらの測定方法は、実施例1と同じにした。
表1及び表2を比較参照して、発明例9~14の3D造形体は、熱処理された溶製材と比較しても、導電性及び強度が優れていることがわかった。

Claims (9)

  1. 球状に成形されたCu粉末及び/又はCuM(ただし、Mは1種または2種以上の金属元素である)合金粉末からなる第1の金属粉末と、球状に成形されたM粉末からなる第2の金属粉末と、を混合して混合粉末を製造する第1ステップと、
    前記混合粉末を原料とした3D造形法により、母相がCuとMからなる合金相、又は、Cu相からなり、分散相がMの結晶粒からなる2相を有する母材Cu合金を製造する第2ステップと、
    前記第2ステップで製造された母材Cu合金に対して熱処理を行う第3ステップと、
    を有することを特徴とするCu合金の製造方法。
  2. 前記第3ステップにおける熱処理の温度は、500℃以上1000℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のCu合金の製造方法。
  3. Mの融点が1700℃以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のCu合金の製造方法。
  4. 該Cu合金中のMの濃度は1質量%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のCu合金の製造方法。
  5. 該Cu合金中のMの濃度は1質量%以上であることを特徴とする請求項3に記載のCu合金の製造方法。
  6. 前記第2ステップで得られる母材Cu合金は、前記分散相の結晶粒のうち長径が最大である最大結晶粒の長径が1μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のCu合金の製造方法。
  7. 前記第2ステップで得られる母材Cu合金は、前記分散相の結晶粒のうち長径が最大である最大結晶粒の長径が1μm以下であることを特徴とする請求項3に記載のCu合金の製造方法。
  8. 前記第2ステップで得られる母材Cu合金は、前記分散相の結晶粒のうち長径が最大である最大結晶粒の長径が1μm以下であることを特徴とする請求項4に記載のCu合金の製造方法。
  9. 前記第2ステップで得られる母材Cu合金は、前記分散相の結晶粒のうち長径が最大である最大結晶粒の長径が1μm以下であることを特徴とする請求項5に記載のCu合金の製造方法。


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