JP2023141499A - 金属加工油剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐腐敗性、潤滑性(切削性)、消泡性、及び安定性に優れた金属加工油剤組成物を提供すること。【解決手段】(A)アミノブタノール、アミノヘキサノール、アミノオクタノール及びアミノドデカノールからなる群から選ばれる1級アルカノールアミンを1~5質量%と、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、及びモノブチルモノエタノールアミンからなる群から選ばれる2級アルカノールアミンを2~8質量%と、及びトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、及びジエタノールモノイソプロパノールアミンからなる群から選ばれる3級アルカノールアミンを0.5~5質量%との混合物、(B)二塩基酸、直鎖脂肪酸、及び分岐飽和脂肪酸の混合物を合計8~10.5質量%、(C)C8~26分岐アルコールを1~8質量%、(D)パラフィン系鉱油を20~60質量%、(E)水を含有する、金属加工油剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は切削研削加工をはじめとし塑性加工などの金属加工へも広く適用できる水溶性金属加工油剤組成物に関するものである。
切削、研削加工分野に広く使用される切削油剤には鉱油をベースにした、不水溶性切削油剤と、鉱油、界面活性剤、有機アミン等を含有し、水に希釈して使用する水溶性切削油剤とがある。
そして、水溶性切削油剤においては、油剤の耐腐敗性能を向上させるために、防腐剤を添加したり、防腐効果のあるアミンを処方したりする。
しかしながら、近年の地球資源の節約、地球環境悪化防止の基に切削油剤においても、従来と比較し、一層の地球環境に優しい油剤、更にはできるだけ長期間使用に耐えうる油剤の開発が求められてきている。
従来、水溶性金属加工油には、例えば、脂肪酸アルカノールアミドエチレンオキサイド付加物とアルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂環式アミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸高級アルコール付加物を用いる水溶性切削油組成物(特許文献1)、ベンゾール系化合物とパラオキシ安息香酸エステル化合物を用いる水溶性研削油剤組成物(特許文献2)、第1級アルカノールアミンと、炭素原子数6~24のカルボン酸と、特定のアルキレンジアミンを含むもの(特許文献3)、芳香族アミンあるいは脂環式アミンを用いる水溶性金属加工油剤(特許文献4)、1級、2級、3級のアルキルアミン、芳香族ジアミンオキシアルキレン付加物、脂環式ジアミンオキシアルキレン付加物等を用いる水溶性切削研削油剤(特許文献5)、不飽和脂肪酸と複素環化合物を用いる水溶性金属加工油剤組成物(特許文献6)、炭素数4以上のアルキル基を持つアミンとシクロ環またはベンゼン環を持つアミンを用いる金属加工油剤組成物および金属加工方法(特許文献7)、アルキレンジアミンを用いる抗菌性水溶性切削油剤(特許文献8)、殺生剤としてアミノアルコールを用いる金属作動流体(特許文献9)などが知られている。
しかしながら、これらの水溶性金属加工油剤では、一般細菌には効果があるものの、黴、酵母に対しては十分な効果が得られない。また、効果があるものに付いては、ハロゲンを含有する化合物、多環芳香族化合物、フェノール系化合物あるいは金属塩を使用しており、PRTR対象物質となっている化合物もあり、人体に対しての影響が懸念される。
防腐剤、アミンは、油剤の耐腐敗性能を向上させるためには必要不可欠の化合物であった。
一方、切削性を向上させる手段として、例えば、潤滑作用を向上させる方法として、特定のパームオレイン油を用いた熱間圧延油および熱間圧延方法(特許文献10)、全構成成分の酸価とアミン価を特定の比率とした金属加工油剤組成物、それを用いた加工方法およびその金属加工方法により製造される金属加工部品(特許文献11)などが知られている。
しかしながら、これらの水溶性金属加工油剤では、一般切削加工では効果があるものの、重切削加工においては切削性能を満足しない。
特公平6-31388号公報 特公平7-37632号公報 特公平6-76590号公報 特許第2510233号 特開平9-316482号公報 特許第4836341号 特許第5255835号 特許第5204390号 特許第5670882号 特許第3320642号 特許第6355339号
本発明により、耐腐敗性、潤滑性(切削性)、消泡性及び、安定性に優れた金属加工油剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らによれば、特定のアミンと特定の脂肪酸、特定のアルコール、特定の鉱油を特定の比率で使用することにより、係る目的を達成できることがわかった。すなわち、本発明により、以下の金属加工油剤組成物、金属加工油剤及び金属加工方法を提供する:
1.(A)少なくとも1種の1級アルカノールアミン(A-1)と、少なくとも1種の2級アルカノールアミン(A-2)と、少なくとも1種の3級アルカノールアミン(A-3)と、
(B)少なくとも1種の二塩基酸(B-1)と、少なくとも1種の直鎖脂肪酸(B-2)と、少なくとも1種の分岐飽和脂肪酸(B-3)とを合わせて8~10.5質量%と、
(C)少なくとも1種の炭素数8~26の分岐アルコールを1~8質量%と、
(D)パラフィン系鉱油を20~60質量%と、
(E)水
を含有し、
(A-1)が、アミノブタノール、アミノヘキサノール、アミノオクタノール及びアミノドデカノールからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、(A-1)の含有量が1~5質量%であり、
(A-2)が、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モノブチルモノエタノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、(A-2)の含有量が2~8質量%であり、
(A-3)が、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジエタノールモノイソプロパノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、(A-3)の含有量が0.5~5質量%である、金属加工油剤組成物。
2.(B-1)が、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、5(or6)-カルボキシ-4-ヘキシル-2-シクロヘキセンオクタノイックアシッドからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(B-2)が、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オクタデセン酸、リノール酸、リノレン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、リシノレイン酸及びエルカ酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(B-3)が、イソノナン酸、ネオノナン酸、イソデカン酸、ネオデカン酸、イソトリデカン酸、ネオトリデカン酸、イソステアリン酸、及びイソアラキン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記1に記載の金属加工油剤組成物。
3.成分(B-1)を0.5~5質量%含有し、成分(B-2)を2.5~5質量%含有し、成分(B-3)を1~4質量%含有する、前記2に記載の金属加工油組成物。
4.成分(D)が、40℃の粘度において8~60mm2/sのパラフィン系鉱油である、前記1~3のいずれかに記載の加工油剤組成物。
5.前記1~4のいずれかに記載の金属加工油組成物を水で希釈した金属加工油剤。
6.前記1~4のいずれかに記載の金属加工油組成物あるいは前記5に記載の金属加工油剤を使用することを含む、金属加工方法。
本発明によれば、耐腐敗性、潤滑性(切削性)、消泡性、及び安定性に優れた金属加工油剤組成物を提供することが出来る。本発明の金属加工油剤組成物は耐硬水性にも優れる。本発明の金属加工油剤組成物は錆止め性にも優れる。
〔成分(A)〕
成分(A)は、少なくとも1種の1級アルカノールアミン(A-1)と、少なくとも1種の2級アルカノールアミン(A-2)と、少なくとも1種の3級アルカノールアミン(A-3)との混合物である。成分(A)は、原液安定性、錆止め性、及び耐腐敗性に寄与する。
1級アルカノールアミン(A-1)としては、アミノブタノール、アミノヘキサノール、アミノオクタノール、アミノドデカノール、2-(2-アミノエトキシ)エタノール、モノイソプロパノールアミン等があげられる。これらを単独で用いても、二種以上を併用してもよい。このうち、アミノブタノール、アミノヘキサノール、アミノオクタノール、アミノドデカノールが好ましい。
2級アルカノールアミン(A-2)としては、ジイソプロパノールアミン、2-(ブチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、メチルエタノールアミン、エチルエタノールアミン等があげられる。これらを単独で用いても、二種以上を併用してもよい。このうち、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モノブチルモノエタノールアミンが好ましい。
3級アルカノールアミン(A-3)としては、N-メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジエタノールモノイソプロパノールアミン、ブチルジエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、ジエチルイソプロパノールアミン等があげられる。これらを単独で用いても、二種以上を併用してもよい。このうち、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジエタノールモノイソプロパノールアミンが好ましい。
成分(A-1)の含有量は、組成物の全質量を基準として、1~5質量%が好ましく、2~5質量%であるのがより好ましい。1質量%以上であると、十分な耐腐敗性が得られる。5質量%以下であると、乳化安定性が良好である。
成分(A-2)の含有量は、組成物の全質量を基準として、2~8質量%が好ましく、3~7質量%であるのがより好ましい。2質量%以上であると、良好な原液安定性を発揮することができる。8質量%以下であると、切削性能を十分に向上させることができる。
成分(A-3)の含有量は、組成物の全質量を基準として、0.5~5質量%が好ましく、1~4質量%であるのがより好ましい。0.5質量%以上であると、十分な錆止め性を発揮することができる。5質量%以下であると、良好な原液安定性を発揮することができる。
成分(A-1)、(A-2)及び(A-3)の総量は、本発明の組成物の全質量を基準として10~18質量%であるのが好ましく、11~15.5質量%であるのがより好ましい。このような範囲で成分(A)を含むことによって、良好な乳化安定性、良好な原液安定性を保つことができる。
〔成分(B)〕
成分(B)は、少なくとも1種の二塩基酸(B-1)と、少なくとも1種の直鎖脂肪酸(B-2)と、少なくとも1種の分岐飽和脂肪酸(B-3)との混合物であって、その総量が、本発明の組成物の全質量を基準として、8~10.5質量%、好ましくは8.5~10質量%である。このような範囲で成分(B)を含むことによって、乳化安定性、錆止め性、消泡性、潤滑性を満足することができる。成分(B)は、特に、乳化安定性、錆止め性、消泡性に寄与する。
成分(B-1)の二塩基酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、5(or6)-カルボキシ-4-ヘキシル-2-シクロヘキセンオクタノイックアシッド(例えば、Ingevity製、「DIACID1550」)等があげられる。これらを単独で用いても、二種以上を併用してもよい。このうち、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、5(or6)-カルボキシ-4-ヘキシル-2-シクロヘキセンオクタノイックアシッドが好ましい。
成分(B-2)の直鎖脂肪酸としては、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、バクセン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、エイコサジエン酸、ミード酸、エルカ酸、ネルボン酸、エライジン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、及びリシノレイン酸等があげられる。これらを単独で用いても、二種以上を併用してもよい。このうち、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オクタデセン酸、リノール酸、リノレン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、リシノレイン酸及びエルカ酸が好ましい。ペラルゴン酸、ラウリン酸、オレイン酸、リシノレイン酸及びエルカ酸がより好ましい。
成分(B-3)の分岐脂肪酸としては、イソノナン酸、ネオノナン酸、イソデカン酸、ネオデカン酸、イソトリデカン酸、ネオトリデカン酸及びイソステアリン酸、イソアラキン酸等があげられる。これらを単独で用いても、二種以上を併用してもよい。このうち、ネオデカン酸、イソトリデカン酸、イソステアリン酸、又はこれらの2種以上の混合物が好ましい。ネオデカン酸、イソステアリン酸、又はこれらの混合物であるのがより好ましい。イソステアリン酸単独又はネオデカン酸とイソステアリン酸との混合物であるのが最も好ましい。
成分(B-1)の含有量は、組成物の全質量を基準として、0.5~5質量%が好ましく、2~4質量%であるのがより好ましい。0.5質量%以上であると、十分な錆止め性を発揮することができる。5質量%以下であると、耐硬水性を十分に向上させることができる。
成分(B-2)の含有量は、組成物の全質量を基準として、2.5~5質量%が好ましく、3~4質量%であるのがより好ましい。2.5質量%以上であると、良好な乳化安定性を発揮することができる。5質量%以下であると、消泡性能を十分に発揮することができる。
成分(B-3)の含有量は、組成物の全質量を基準として、1~4質量%が好ましく、1.5~3質量%であるのがより好ましい。この範囲であると、満足行くレベルの消泡性能を発揮することができる。
〔成分(C)〕
成分(C)は、少なくとも1種の炭素数8~26の分岐アルコールである。成分(C)は、特に低温での原液安定性に寄与する。成分(C)としては、カプリルアルコール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ラウリルアルコール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノリルアルコール、イコサノール、ヘンイコサノール、テトラコサノール、トリアコンタノールの分岐アルコール等があげられる。このうち、イソトリデカノール、イソテトラデカノール、イソペンタデカノール、イソテトラコサノールが好ましく、特に、イソテトラコサノールの中の2-デシル-1-テトラデカノールが最も好ましい。
成分(C)の含有量は、組成物の全質量を基準として、1~8質量%であり、3~7質量%であるのが好ましい。1質量%以上であると、低温での原液安定性を良好にすることができる。8質量%以下であると、良好な耐硬水性を発揮させることができる。
〔成分(D)〕
成分(D)は、パラフィン系鉱油である。成分(D)は、特に潤滑性に寄与する。成分(D)としては、40℃の動粘度が8~60mm2/sのパラフィン系鉱油が好ましい。なお、本明細書において、動粘度はJIS K 2283に従って測定することができる。
成分(D)の含有量は、組成物の全質量を基準として、20~60質量%であり、30~40質量%であるのが好ましい。20質量%以上であると、良好な潤滑性を発揮することができる。60質量%以下であると、希釈液の乳化安定性を良好にすることができる。
〔成分(E)〕
成分(E)は水である。成分(E)は原液安定性に寄与する。成分(E)の含有量は残部であり、具体的には、5~40質量%であるのが好ましく、10~30質量%であるのがより好ましい。
本発明の金属加工油剤組成物は、必要に応じて、ひまし脂肪酸重縮合物を含有する。特に2~6量体が好ましい。ひまし脂肪酸重縮合物の酸価(JIS K 2501に従って測定)は、30~100であるのが好ましい。2量体は主に乳化剤として、4、6量体は主に原液安定化剤として作用する。その含有量は、組成物の全質量を基準として、3~20質量%であるのが好ましく、5~15質量%であるのがより好ましい。このような範囲で含まれると、希釈液の乳化および、原液の安定性が優れる。
本発明の金属加工油剤組成物は、必要に応じて、潤滑助剤としての潤滑油を含有する。潤滑助剤としては、たとえば、合成エステル油、ポリオールエステル、アルキルベンゼン、天然油脂、ポリグリコール、ポリ-α-オレフィン、等があげられる。これらは、単品に限らず、複数種のブレンド油としても良い。好ましくは、合成エステル油、天然油脂が良い。合成エステル油としては、2-エチルヘキシルパルミテート、2-エチルヘキシルステアレート、あるいは2-エチルヘキシルオレエートが好ましい。
潤滑助剤としての潤滑油の含有量は、本発明の金属加工油剤組成物の全質量を基準として、3~20質量%であるのが好ましく、5~15質量%であるのがより好ましい。このような範囲で含まれると潤滑性が優れる。
本発明の金属加工油剤組成物は、必要に応じて、界面活性剤を含有する。界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤のいずれでもよい。アニオン界面活性剤、及びノニオン界面活性剤が好ましい。アニオン界面活性剤としては、ラウリルアルコールEO付加物の末端に酢酸を付加したラウリルエーテルカルボン酸、オレイルアルコールEO付加物の末端に酢酸を付加したオレイルエーテルカルボン酸等のエーテルカルボン酸が好ましい。エーテルカルボン酸のEO付加モル数は、2~10が好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、グリフィンの式であらわされるHLBが4~14のものが好ましい。例えば、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキル(アルケニル)エーテル(重量平均分子量700~2000程度);ラウリルアミンEO付加物、ココアミンEO付加物等の高級アミンのアルキレンオキサイド付加物;C12-14アルコールEO,PO付加物等の高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物等があげられる。界面活性剤は、単独で用いても二種以上を併用してもよい。
界面活性剤の含有量は、組成物の全質量を基準として、0.2~5質量%であるのが好ましく、0.5~2質量%であるのがより好ましい。このような範囲で含まれると希釈液の乳化安定性及び原液の安定性が優れる。
本発明の金属加工油剤組成物は、必要に応じて、ラウリルコハク酸、ステアリルコハク酸などの脂肪酸、石油スルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩、カルボン酸アミドなどを防錆剤として含んでも良い。
防錆剤の含有量は、組成物の全質量を基準として、0~20質量%であるのが好ましく、1~10質量%であるのがより好ましい。
また、本発明の金属加工油剤組成物は、必要に応じてシリコーン系消泡剤、アルコール系消泡剤、ベンゾトリアゾール系金属防食剤などを含んでも良い。
消泡剤及び金属防食剤の含有量は、組成物の全質量を基準として、それぞれ0.05~2質量%であるのが好ましく、0.1~1質量%であるのがより好ましい。
さらに、本発明の金属加工油剤組成物は、必要に応じてベンゾイソチアゾリン、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン、ブチルベンゾイソチアゾリン、金属ピリチオン塩(例えば、ソジウムオマジン、ジンクピリチオン)などの防腐剤、ラウリルアミン、オレイルアミンなどに代表されるアルキルアミンを防腐剤あるいは菌抑制剤として含んでも良い。
防腐剤あるいは菌抑制剤の含有量は、組成物の全質量を基準として、0.1~5質量%であるのが好ましく、0.2~2質量%であるのがより好ましい。
本発明の金属加工油剤組成物のpH(25℃)は、原液を純水で5質量%に希釈した液において、好ましくは7.0~11、さらに好ましくは8.5~11である。pHが7.0以上で、満足いく程度の防腐性を得ることができる。pHが11以下であると、皮膚刺激性を低く抑えることができる。pH調整剤としては、(A)成分以外のアミン、例えば、ジシクロヘキシルアミン、1,3ビスアミノシクロヘキサン、シクロヘキシルプロピルジアミン等の脂環式基を有するアミンやそのEO付加物、メタキシレンジアミン等の芳香族環式基を有するアミンや、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、ほう酸等の酸を用いることができる。
本発明の金属加工油剤組成物は、0.5質量%以上の濃度に水で希釈して使用するのが一般的である。
表1に示す組成の実施例及び比較例の組成物を調製した。
<評価手法>
(1)耐腐敗性
実施例または比較例の組成物を3重量%に希釈した液100mlに、下記の腐敗液を3質量%添加し、30℃、150rpmで28日間振盪培養後、生菌数(個/ml)を測定した。
腐敗液:腐敗劣化しているエマルション型切削液 50質量%
トリプトソイ培地 25質量%
ブドウ糖ペプトン培地 25質量%
上記を24時間エアーレーションし、活性化した腐敗液
一般細菌、黴、酵母、嫌気性菌の数あるいは汚染度をサンアイバイオチェッカー(三愛石油株式会社製)により評価した。一般細菌及び酵母については1mL中の菌数を、no、103個以下、103個、104個、105個、106個、107個、107個以上の8段階で評価した。黴及び嫌気性菌については汚染度を、no、軽度、中度、重度の4段階で評価した。
判定基準:黴、酵母、嫌気性菌については、noを合格とする。
一般細菌については、103個以下/mlを合格とする。
(2)潤滑性(切削性)
下記被削材を用いて、下記条件にてM6のタップ加工を行い、加工時に受ける切削抵抗を測定した。
被削工具:ロールタップ(OSG製 B-NRT RH7 M6×1.0)
被削材 :アルミニウム合金(AC8B-T6、300×200×30mm)
切削速度:10m/min
下穴 :5.48mmリーマ仕上げ,止まり穴
切削長 :20mm
濃度 :原液を水で5質量%に希釈
N数: 5
試験油剤:実施例又は比較例の組成物を水で5質量%に希釈したもの
給油方法 :下穴を試験油剤で満たす
評価方法: 切削抵抗(トルク[N・m])を測定
判定基準:切削トルクが2.9N・m以下を合格とする。
(3)消泡性
3Lギアポンプ循環式試験方法により評価した。
液量: 3L
流量: 17.4L/min
吐出圧力:0.6kgf/cm2
ノズル径:φ6.5mm
容器: 直径220mm、高さ300mm
希釈水: Ca:5ppmの調整水(塩化カルシウム2水塩1.8375mgを蒸留水で希釈し1Lとした水)
濃度: 原液をCa:5ppmの調整水で5質量%に希釈
液温: 25℃
判定基準: 最高泡高さが200mm以下を合格とする。
(4)原液安定性
実施例または比較例の組成物を、ろうそく瓶に入れ、-5℃、25℃、50℃の恒温槽内で168時間静置し、取り出した時の原液の状態を確認する。
判定基準:分離、固化等、外観変化がなければ合格とする。
(5)乳化安定性(希釈液の安定性)
実施例または比較例の組成物を、純水に5質量%となるように希釈し、栓付きメスシリンダーに100mL入れ、25℃、1日後の外観変化を確認する。
判定基準:乳化不良がなければ合格とする。
(6)耐硬水性
あらかじめ、カルシウム濃度が100ppmとなるように、純水に塩化カルシウム2水塩を溶かした水を準備し、この水に対して実施例または比較例の組成物を、5質量%となるように希釈し、マヨネーズ瓶に入れ、密閉して、25℃、1日後の外観変化を確認する。
判定基準:著しいスカムの発生、油分離がなければ合格とする。
(7)錆止め性
シャーレ(直径60mm高さ15mm)にドライカットしたFC200の切屑を20gはかり採り、各試料(希釈液)を25ml入れて、10分間静置し、その後資料をデカンテーションし、蓋をして室温で24時間放置する。24時間後の錆発生状況を目視にて観察した。
評価:発錆なし:○、約10%発錆:□、約50%発錆:△、全面発錆:×
Figure 2023141499000001
Figure 2023141499000002

Claims (6)

  1. (A)少なくとも1種の1級アルカノールアミン(A-1)と、少なくとも1種の2級アルカノールアミン(A-2)と、少なくとも1種の3級アルカノールアミン(A-3)と、
    (B)少なくとも1種の二塩基酸(B-1)と、少なくとも1種の直鎖脂肪酸(B-2)と、少なくとも1種の分岐飽和脂肪酸(B-3)とを合わせて8~10.5質量%と、
    (C)少なくとも1種の炭素数8~26の分岐アルコールを1~8質量%と、
    (D)パラフィン系鉱油を20~60質量%と、
    (E)水
    を含有し、
    (A-1)が、アミノブタノール、アミノヘキサノール、アミノオクタノール及びアミノドデカノールからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、(A-1)の含有量が1~5質量%であり、
    (A-2)が、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モノブチルモノエタノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、(A-2)の含有量が2~8質量%であり、
    (A-3)が、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジエタノールモノイソプロパノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、(A-3)の含有量が0.5~5質量%である、金属加工油剤組成物。
  2. (B-1)が、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、5(or6)-カルボキシ-4-ヘキシル-2-シクロヘキセンオクタノイックアシッドからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
    (B-2)が、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オクタデセン酸、リノール酸、リノレン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、リシノレイン酸及びエルカ酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
    (B-3)が、イソノナン酸、ネオノナン酸、イソデカン酸、ネオデカン酸、イソトリデカン酸、ネオトリデカン酸、イソステアリン酸、及びイソアラキン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の金属加工油剤組成物。
  3. 成分(B-1)を0.5~5質量%含有し、成分(B-2)を2.5~5質量%含有し、成分(B-3)を1~4質量%含有する、請求項2に記載の金属加工油組成物。
  4. 成分(D)が、40℃の粘度において8~60mm2/sのパラフィン系鉱油である、請求項1~3のいずれかに記載の加工油剤組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか1項記載の金属加工油組成物を水で希釈した金属加工油剤。
  6. 請求項1~4のいずれか1項記載の金属加工油組成物あるいは請求項5記載の金属加工油剤を使用することを含む、金属加工方法。
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