JP2023140617A - 遠心ファン及び空気調和機 - Google Patents

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拓 岩瀬
Taku Iwase
翔一 田口
Shoichi Taguchi
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Abstract

【課題】圧力損失及び騒音の低減と、ハブ及び翼の一体成型とを両立可能な遠心ファンを提供する。【解決手段】遠心ファン100を構成する翼1は、吸込口31の内縁8より内側では、同一の翼1について、ハブ2側とシュラウド3側との間での3つの所定高さ位置における断面1A,1B,1Cの形状が重なりかつ一致するように構成されるとともに、ハブ2側からシュラウド3側に向かって小さくなるように、シュラウド3に対する出口角を有する。所定の翼1のうち、羽根車101の回転方向とは反対側の後縁とシュラウド3との第1交点は、前記後縁と前記ハブとの第2交点よりも反回転側に配置され、前記後縁上で前記第1交点と前記第2交点との間に配置される変曲点は、前記第1交点と前記第2交点とを通る直線よりも回転方向側に配置される。【選択図】図7

Description

本開示は、遠心ファン及び空気調和機に関する。
近年、空気調和機では、省エネ化、低騒音化及び低コスト化が同時に求められている。空気調和機の室内機では。低コストな遠心ファンの高効率化及び低騒音化が好ましい。遠心ファンの翼出口の速度分布の均一化は高効率化及び低騒音化のための有力な手段である。また、低コスト化のために遠心ファンはできるだけ少ない部品点数で製作することが好ましい。
特許文献1の要約書には「羽根後縁における羽根(6)とハブ(5)との連結位置である第一連結位置(6h)において該後縁に接する第一接線(21)が、羽根(6)の回転方向前側に向かってシュラウド(4)に接近する方向に延び且つ羽根(6)とシュラウド(4)との連結位置である第二連結位置(6s)において羽根後縁に接する第二接線(22)が、羽根(6)の回転方向前側に向かって上記ハブ(5)に接近する方向に延びるようにする。」ことが記載されている。
特開2007-205269号公報
高効率及び低騒音化のため、室内機の圧力損失の低減が考えられる。圧力損失の低減により、使用される遠心ファンには、小さな圧力上昇で大風量が求められる。そのような遠心ファンは、翼出口の流れがハブ側に偏る特性をもつ。これにより、翼出口側に配置された熱交換器の速度分布は偏り、効率向上及び騒音低減の効果が限定的である。また、送風ファンの製造コスト削減のためには、ハブ及び翼を一体成型できることが好ましい。しかし、特許文献1に記載の遠心ファンでは、ハブ及び翼を一体成型できるか否かについて記載されていない。
本開示が解決しようとする課題は、高効率及び低騒音化と、ハブ及び翼の一体成型とを両立可能な遠心ファン及び空気調和機の提供である。
本開示の遠心ファンは、ハブと、気体の吸込口を備えるシュラウドと、前記ハブと前記シュラウドとの間に配置される複数の翼と、を備える羽根車を備え、前記翼は、前記吸込口の縁より内側では、前記ハブ側から前記シュラウド側に向かって、同一の前記翼についての断面形状が一致するとともに、前記ハブ側から前記シュラウド側に向かって小さくなる前記シュラウドに対する出口角を有し、前記翼の回転方向とは反対側に配置される前記翼の後縁と前記シュラウドとの第1交点は、前記後縁と前記ハブの第2交点よりも反回転側に配置され、前記後縁上で前記第1交点と前記第2交点との間に配置される変曲点は、前記第1交点と前記第2交点とを通る直線よりも回転方向側に配置される。
本開示によれば、高効率及び低騒音化と、ハブ及び翼の一体成型とを両立可能な遠心ファン及び空気調和機を提供できる。
本開示の遠心ファンを備える室内機及び空気調和機を説明する図である。 従来の遠心ファンにおいて翼の出口でのシュラウド付近の流れ場を示す図であり、幅が相対的に小さい図である。 従来の遠心ファンにおいて翼の出口でのシュラウド付近の流れ場を示す図であり、幅が相対的に中程度図である。 従来の遠心ファンにおいて翼の出口でのシュラウド付近の流れ場を示す図であり、幅が相対的に大きい図である。 本開示の遠心ファンの斜視図である。 本開示の遠心ファンの後縁の形状を説明する図である。 従来の遠心ファンにおいて翼の出口でのシュラウド付近の流れ場を示す図である。 本開示の遠心ファンにおいて翼の出口でのシュラウド付近の流れ場を示す図である。 本開示の遠心ファンにおいて翼の後縁での速度三角形を説明する図であり、断面の高さ方向位置を説明す図である。 本開示の遠心ファンにおいて翼の後縁での速度三角形を説明する図であり、A1-A1線断面での速度三角形を示す図である。 本開示の遠心ファンにおいて翼の後縁での速度三角形を説明する図であり、C1-C1線断面での速度三角形を示す図である。 本開示の遠心ファンにおいて翼の後縁での速度三角形を説明する図であり、B1-B1線断面での速度三角形を示す図である。 本開示の遠心ファンにおいて翼の断面の重なりの状態を示す図である。 一体成型された翼及びハブの製造方法を説明する図であり、金型を用いた翼及びハブの成型時の図である。 一体成型された翼及びハブの製造方法を説明する図であり、金型を抜くときの図である。 別の実施形態において翼の後縁の形状を定義する変数についての説明図である。 別の実施形態において、数値流体解析によって計算された角度θsの定量的な効果を説明する図であり、軸動力の比を示すグラフである。 別の実施形態において、数値流体解析によって計算された角度θsの定量的な効果を説明する図であり、騒音の差を示すグラフである。 別の実施形態において、数値流体解析によって計算された角度θs+の定量的な効果を説明する図であり、軸動力の比を示すグラフである。 別の実施形態において、数値流体解析によって計算された角度θs+の定量的な効果を説明する図であり、騒音の差を示すグラフである。 別の実施形態において、数値流体解析によって計算された長さと外径との比の定量的な効果を説明する図であり、軸動力の比を示すグラフである。 別の実施形態において、数値流体解析によって計算された長さと外径との比の定量的な効果を説明する図であり、騒音の差を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら本開示を実施するための形態(実施形態と称する)を説明する。以下の一の実施形態の説明の中で、適宜、一の実施形態に適用可能な別の実施形態の説明も行う。本開示は以下の実施形態に限られず、異なる実施形態同士を組み合わせたり、本開示の効果を著しく損なわない範囲で任意に変形したりできる。また、同じ部材については同じ符号を付すものとし、重複する説明は省略する。更に、同じ機能を有するものは同じ名称を付すものとする。図示の内容は、あくまで模式的なものであり、図示の都合上、本開示の効果を著しく損なわない範囲で実際の構成から変更したり、図面間で一部の部材の図示を省略したり変形したりすることがある。
図1は、本開示の遠心ファン100を備える室内機300及び空気調和機400を説明する図である。空気調和機400は、室内機300及び室外機302を備える。室内機300は、遠心ファン100(後記)と、室内の気体(例えば空気)と熱交換する熱交換器5とを備える。室外機302は、外気と熱交換する熱交換器305と、冷媒を圧縮する圧縮機301と、冷媒を膨張させる膨張機構303とを備える。圧縮機301、熱交換器305、膨張機構303及び熱交換器5を配管306を通じて冷媒が流れることで、これらは冷凍サイクルとして機能する。冷媒の流通方向は、例えば、冷凍サイクルに備えられる三方弁(不図示)の制御によって実行できる。なお、空気調和機400は、1台の室外機302に対し、複数の室内機300が接続された、所謂冷暖同時マルチ型の空気調和機でもよい。
室内機300は、例えば、部屋の天井面RSに備えられ、空調された気体を4方向に吹き出す室内機(以下、適宜、4方向室内機という)である。遠心ファン100は、駆動によって空気等の気体を吹き出すものであり、羽根車101を備える。羽根車101は、複数の翼1と、ハブ2と、シュラウド3とを備える。翼1は、一体の間隔で配置される。ハブ2は例えば円板状を有する。シュラウド3は、円環状を有する。シュラウド3は、空気等の気体の吸込口31を備える。翼1は、ハブ2とシュラウド3との間に配置され、ハブ2とシュラウド3との間の方向に例えば同じ厚さで(例えば同じ断面形状で)形成される。本開示の例では、翼1とハブ2とは、例えば樹脂製の一体成型物である。これにより、羽根車101、遠心ファン及び室内機300の製造コストを削減できる。一体成型は、例えば、射出成型によって行うことができる。
室内機300は、シュラウド3への気体の吸込口31の側に、ベルマウス4を備える。ベルマウス4は、吸込口31に接続される側とは反対側に、室内の空気を吸い込む吸込口41を備える。室内機300は、翼1からの気体の出口61の側に熱交換器5を備え、熱交換器5の下流側に吹出口6を備える。ハブ2の縁とシュラウド3の縁との間に形成される出口61は、ハブ2とシュラウド3との間の長さとして幅b2を有する。室内機300は、ハブ2に接続されたモータ7を備える。モータ7の回転駆動により、羽根車101は、回転軸L0を回転軸として回転する。室内機300は、筐体200を備える。羽根車101を備える遠心ファン100、ベルマウス4、熱交換器5、モータ7等は筐体200に収容される。モータ7の回転駆動により、室内の空気は、流れS、流れTのように、ベルマウス4、隣接する翼1の間に形成される出口61、及び、熱交換器5を通過し、吹出口6より室内に吹き出される。
図2Aは、従来の遠心ファンにおいて翼1の出口でのシュラウド3付近の流れ場を示す図であり、幅b2が相対的に小さい図である。図2Bは、従来の遠心ファンにおいて翼1の出口でのシュラウド3付近の流れ場を示す図であり、幅b2が相対的に中程度の図である。図2Cは、従来の遠心ファンにおいて翼1の出口でのシュラウド3付近の流れ場を示す図であり、幅b2が相対的に大きい図である。従来の遠心ファンでは、後記する図4のような円筒展開図において、翼1は、ハブ2とシュラウド3との間で直線により図示される。以下、従来の遠心ファンというときは、この構造を有する遠心ファンを示す。また、図2A~図2Cは、図1での領域Xの部分において、出口61の幅b2(図1)を変数として数値流体解析によって計算したもので、速度ベクトルとの速度のコンター図である。図2A~図2Cにおいて、羽根車101の内部での速度は相対速度、羽根車101の外部での速度は絶対速度で示し、色が濃いほど速度が大きく、色が薄いほど速度が小さい(図2C参照)。
室内機300の高効率化及び低騒音化のために、熱交換器5に流入する気体の速度分布の均一化が図られる。具体的には例えば、幅b2の拡大化が考えられる。上記図1において流れSで示すように、気体の流れは、モータ7の軸方向から遠心ファン100によって半径方向に転向される。そして、図2A~図2Cに示すように、シュラウド3は曲率半径が小さいため、逆流を示す流れUが生じる。流れUは、幅b2が大きいほど、大きくなる。流れU2により、気体の流れに乱れが生じる。このため、速度分布の均一化のために図2のように単に幅b2を拡大しただけでは、流れU2が大きくなり、流れが乱れる。このため、幅b2を大きくするだけでは、流れUの存在により、熱交換器5を通る気体の速度分布の均一化には限界がある。
図3は、本開示の遠心ファン100の斜視図である。白抜き矢印で示される方向は、羽根車101の回転方向(特に断らない限り、以下同じ)である。遠心ファン100では、所定の翼1(複数の翼1のうちの1つの翼1に着目した場合の当該翼1)のうち、交点B(第1交点)は、交点A(第2交点)よりも反回転側に配置される。交点Bは、羽根車101の回転方向とは反対側の後縁TEとシュラウド3との交点である。後縁TEは、図示の例では、羽根車101の外側に露出する部分である。なお、翼1は、後縁TEと前縁FEとの間に形成される。交点Aは、後縁TEとハブ2との交点である。
図4は、本開示の遠心ファン100の後縁TEの形状を説明する図である。図4は、円筒形状の外観を有する遠心ファン100において、翼1を円筒表面に展開した円筒展開図である。後縁TE上で交点Bと交点Aとの間に配置される変曲点Cは、交点Bと交点Aとを通る直線L1よりも回転方向側に配置される。変曲点Cは、変曲点Cを境界に、接線の傾きが増加から減少に、又は減少から増加に転じる点である。
翼1を本開示のような形状にすることで、翼1の回転時、矢印M,Nのように、交点Aと変曲点Cとの間、及び、変曲点Cと交点Bとの間で、後縁TEが空気に作用する翼力の方向を変えることができる。この翼力の作用の方向の違いによって、矢印Nの翼力は、より下向きのシュラウド3側に向く。これにより、気体はシュラウド3側に押し付けられる作用を持つ。空気の粘性の影響によって、その作用は、翼1の圧力面PSの側だけでなく、負圧面SSの領域にも生じる。
図5Aは、従来の遠心ファンにおいて翼1の出口でのシュラウド3付近の流れ場を示す図である図5Aは、本開示の遠心ファン100において翼1の出口でのシュラウド3付近の流れ場を示す図である。図5A及び図5Bは、上記図2と同様にして取得したコンター図である。ただし、図5A及び図5Bは、紙面に対して垂直手前側の空気の流出量が多いほど色が濃くなるように示す(図5B参照)。
白丸で囲んだ領域X1,X2は紙面に対して垂直奥側への逆流を示している。本開示の作用により、領域X2での逆流は、色が薄く、従来の領域X1に比べて逆流が抑制されていることが確認できる。これにより、翼1の出口での速度分布を均一化でき、熱交換器5に流入する気体の速度分布を均一化できる。この結果、室内機300(図1)の高効率化及び低騒音化を実現できる。
図6Aは、本開示の遠心ファンにおいて翼1の後縁TEでの速度三角形を説明する図であり、断面の高さ方向位置を説明す図である。図6Bは、本開示の遠心ファンにおいて翼1の後縁TEでの速度三角形を説明する図であり、A1-A1線断面での速度三角形を示す図である。図6Cは、本開示の遠心ファンにおいて翼11の後縁TEでの速度三角形を説明する図であり、C1-C1線断面での速度三角形を示す図である。図6Dは、本開示の遠心ファンにおいて翼の後縁TEでの速度三角形を説明する図であり、B1-B1線断面での速度三角形を示す図である。
図6Aには、交点A,B及び変曲点Cのそれぞれの付近で、羽根車101の回転軸L0(図1)に垂直な方向への切断箇所が示される。これに加えて、交点A(図4)付近でのA1-A1線で切断した翼1の断面1A(図6B)、交点C付近でのC1-C1線で切断した翼1の断面1C(図6C)、及び、交点B付近でのB1-B1線で切断した翼1の断面1Bが示される(図6D)。断面1Aでの速度三角形において、矢印u2Aは周速度ベクトル、矢印w2Aは相対速度ベクトル、矢印c2Aは絶対速度ベクトルを示す。また、矢印cm2Aは、矢印w2Aと矢印c2Aとの交点に向かう、矢印u2Aから垂直に伸びるベクトルであり、半径方向速度ベクトルである。角度β2Aは、相対速度方向と円周方向とのなす角度である流れ角である。断面1C,1Bでの矢印u2C,w2C,c2C,cm2C,u2B,w2B,c2B,cm2B及び角度β2C,β2Bについても同様である。
上記のように、遠心ファン100に対する小さな圧力上昇で大風量の要求仕様では、翼1の出口の流れがハブ2側に偏る。そこで、本開示では、高効率化及び低騒音化の目的で、遠心ファン100は、翼1に流れを極力沿わせるように設計される。具体的には、翼1の出口61での流れのハブ2側への偏りにより、矢印cm2A,cm2C,cm2Bで示される半径方向速度ベクトルは、ハブ2側からシュラウド3側に向かって例えば漸近的に小さくなる。従って、翼1の出口61において、矢印w2A,w2C,w2Bで示される相対速度ベクトルのそれぞれにおいて、角度β2A,β2C,β2Bは、β2A>β2C>β2Bの関係となる。
図7は、本開示の遠心ファン100において翼1の断面1A,1B,1Cの重なりの状態を示す図である。図7は、上記図1において吸込口31の側から遠心ファン100を視たときの図である。羽根車101は外径D2を有する。図7には、図示の簡略化のために、周方向に複数配置される翼1のうち、隣接する2つの翼1のみが図示される。
翼1は、吸込口31を構成するシュラウド3の内縁8より内側の部分1aでは、同一の翼1について、ハブ2側(紙面奥側)とシュラウド3側(紙面手前側)との間での少なくとも2つ(図示の例では3つ)の所定高さ位置における断面1A,1B,1Cの形状が重なりかつ一致するように構成される。即ち、内縁8より内側では、断面1A,1B,1Cの形状は、図7に示すように、重なり、かつ、一致する。ここでいう一致は、厳密な一致に限定されず、気体の流れに影響を及ぼさない(特に、大きな影響を及ぼさない)程度の多少の違いは許容する「ほぼ一致」の概念を含む。
また、翼1は、ハブ2側からシュラウド3側に向かって小さくなるように出口角βb2A,βb2B,βb2Cを有する。出口角βb2A,βb2B,βb2Cは、断面1A,1B,1Cにおいて、環状(図7において円形状)のシュラウド3の接線に対する翼1A,1B,1Cのそれぞれの角度である。従って、翼1は、内縁8より外側の部分1bでは、β2A>β2C>β2B(図6B、図6C及び図6D参照)の関係に合致するように、出口角βb2A,βb2B,βb2Cが設定される。即ち、出口角βb2A,βb2B,βb2Cは、βb2A>βb2C>βb2Bが満たされるように、シュラウド3の接線に対する角度が、ハブ2側からシュラウド3側に向けて例えば漸近的に小さくなる。このことを換言すれば、翼1は、内縁8より外側の部分1bでは、同一の翼1についての断面1A,1B,1Cが少なくとも2つ(図示の例では3つ)の方向に延在するように構成される。図示の例では、断面1A,1B,1Cは、いずれも異なる方向に延在する。
図8Aは、一体成型された翼1及びハブ2の製造方法を説明する図であり、金型10,11を用いた翼1及びハブ2の成型時の図である。図8Bは、一体成型された翼1及びハブ2の製造方法を説明する図であり、金型10,11を抜くときの図である。金型10は、翼1のうちの部分1aを、金型11は、翼1のうちの部分1bを成型する。金型10と金型11との境界には、シュラウド3の内縁8が配置される。翼1は、ハブ2及びシュラウド3の外縁よりも内側に配置され、ハブ2及びシュラウド3の外側には突出していない。この場合でも、翼1が本開示の構造を有することで、金型10,11により、ハブ2と翼1とを一体成型できる。
なお、図8A及び図8Bでは図示していないが、金型10,11の上方には、ハブ2を成型するための別の金型(不図示)が配置される。従って、その別の金型と金型10,11との間に、翼1及びハブ2の一体成型物が形成される。
上記図7を参照して説明したように、部分1aは、重なり、かつ一致する断面1A,1B,1Cを有する。このため、金型10を図8Aのように配置して部分1aを成型した後、図8Bの黒矢印で示すように、例えば回転軸L0(図1)の方向にハブ2とは反対側に抜くことで、翼1のうちの部分1aを成型できる。
一方で、部分1bは、シュラウド3の接線に対する出口角βb2A,βb2B,βb2Cが、ハブ2側からシュラウド3側に向けて例えば漸近的に小さくなっている。従って、図8Aに示すように、部分1aを成型する金型10とは異なる金型11により、部分1aが成型される。成形後、図8Bに示すように、例えばハブ2の外側の方向に抜くことで、翼1のうちの部分1bを成型できる。ここでいう外側の方向とは、上記図7の矢印Yで示すように、部分1bの延在方向のうちハブ2の外側に向かう方向である。部分1bが曲面を含む場合、その曲面の接線方向である。図8A及び図8Bに示すように金型10,11を使用することで、翼1及びハブ2を一体成型でき、遠心ファン100及び室内機300(いずれも図1)の製造コストを削減できる。
以上の構造を有する遠心ファン100及び室内機300(図1)によれば、圧力損失及び騒音の低減と、翼1及びハブ2の一体成型とを両立できる。
図9は、別の実施形態において翼1の後縁TEの形状を定義する変数についての説明図である。角度θs(第1角度)は、交点Aと変曲点Cとを通る直線L2と、交点Aを通り羽根車101の回転軸L0(図1)と平行な直線L3とのなす角度としてのスキュー角である。角度θs+(第2角度)は、直線L2と、交点Bと変曲点Cとを通る直線L4とのなす角度としての追加スキュー角である。角度θs,θs+は、いずれも0°より大きく90°未満である。長さZsは、ハブ2と変曲点Cとの間の長さ(最短距離)である。
図10Aは、別の実施形態において、数値流体解析によって計算された角度θsの定量的な効果を説明する図であり、軸動力の比を示すグラフである。図10Bは、別の実施形態において、数値流体解析によって計算された角度θsの定量的な効果を説明する図であり、騒音の差を示すグラフである。数値流体解析の計算モデルは、図3及び図4に示す遠心ファン100(図1)を室内機300(図1)に搭載した状態である。羽根車101の外径D2(図7)は450mmであり、室内機300は一般的によく用いられる4方向室内機(複数の方向に吹き出す室内機の一例)である。
ただし、外径D2が500mm以下であれば、外径D2が450mmでなくても、図10の結果と同様の結果が示されると考えられる。また、遠心ファン100は、気体の流通方向をほぼ直角以上に変える。従って、遠心ファン100において圧力損失の増大及び高騒音が発生し易く、遠視ファン100を備える構造物(例えば室内機300)のうちの遠心ファン100以外の部分は、通常は、圧力損失及び騒音に影響し難い。このため、図10A及び図10Bに示す結果は、4方向室内機以外に使用された場合にも同様に適用できると考えられる。
図10A及び図10Bに示す実施形態では、角度θsのみを変更して、その他の形状及びパラメータは同一である。なお、この計算における角度θs+は35°、長さZsと外径D2との比(後記する比Zs/D2)は19%である。駆動力及び騒音は、同一風量の場合の回転速度の変化(低減又は増加)から、下記の式1及び式2を用いて算出される。図10A及び図10Bの各グラフの縦軸は、上記従来の遠心ファンとの比又は差として表示する。
(式1)
軸動力の比ΔL=(それぞれの計算結果から得られた本開示の軸動力/従来の遠心ファンで計算した軸動力)×(それぞれの計算結果から得られた本開示の回転速度/従来の遠心ファンで計算した回転数)
(式2)
騒音の差ΔLA=60×log(それぞれの計算結果から得られた本開示の回転速度/従来の遠心ファンで計算した回転速度)
図10Aに示すように、角度θsが42°以下であれば、比ΔLを100%以下にでき、従来の遠心ファンよりも小さい駆動力、即ち、高効率であることが確認できる。また、図10Bに示すように、角度θsが42°以下であれば、差ΔLAを0dB以下にでき、従来の遠心ファンよりも低騒音であることが確認できる。従って、遠心ファン100は、450mm以上500mm以下の外径D2を有する羽根車101を備え、角度θsを42°以下にすることで、高効率かつ低騒音を実現できる。
中でも、図10Aに示すように、角度θsが27°以上38°以下であれば、比ΔLをより小さくでき、より駆動力を小さくできることが確認できる。また、図10Bに示すように、角度θsが27°以上35°以下であれば、差ΔLAをより小さくでき、低騒音にできることが確認できる。これらの範囲のうち、特に、角度θsを30°以上35°以下にすることで、特に高効率にでき、かつ特に低騒音にでき、角度θsを33°にすることで、最も高効率にでき、かつ最も低騒音にできる。。
図11Aは、別の実施形態において、数値流体解析によって計算された角度θs+の定量的な効果を説明する図であり、軸動力の比を示すグラフである。図11Bは、別の実施形態において、数値流体解析によって計算された角度θs+の定量的な効果を説明する図であり、騒音の差を示すグラフである。計算モデルは、上記図10A及び図10Bに示した実施形態と同様である。図11A及び図11Bに示す実施形態では、角度θs+のみを変更して、その他の形状及びパラメータは同一である。角度θsは42°(比ΔLは100%、差ΔLAは0dB)、長さZsと外径D2との比(後記する比Zs/D2)は19%である。縦軸の計算方法は、図10A及び図10Bに示した実施形態と同様である。
図11Aに示すように、角度θs+が9°以上であれば、比ΔLを100%以下にでき、従来の遠心ファンよりも小さい駆動力、即ち、高効率であることが確認できる。また、図11Bに示すように、角度θs+が10°以上であれば、差ΔLAを0dB以下にでき、従来の遠心ファンよりも低騒音であることが確認できる。従って、遠心ファン100は、450mm以上500mm以下の外径D2を有する羽根車101を備え、角度θs+を10°以上にすることで、高効率かつ低騒音を実現できる。
中でも、図11Aに示すように、角度θs+が42°以下であれば、比ΔLをより小さくでき、より駆動力を小さくできることが確認できる。この場合の角度θs+の下限は、例えば32°である。また、図11Bに示すように、角度θs+が42°以下であれば、差ΔLAをより小さくでき、低騒音にできることが確認できる。この場合の角度θs+の下限は、例えば30°である。従って、特に、角度θs+を32°以上42°以下にすることで、特に高効率にでき、かつ特に低騒音にできる。
図12Aは、別の実施形態において、数値流体解析によって計算された長さZsと外径D2との比の定量的な効果を説明する図であり、軸動力の比を示すグラフである。図12Bは、別の実施形態において、数値流体解析によって計算された長さZsと外径D2との比の定量的な効果を説明する図であり、騒音の差を示すグラフである。計算モデルは、上記図10A及び図10Bに示した実施形態と同様である。図12に示す実施形態では、長さZs(図9)と外径D2(図7)との比のみを変更して、その他の形状及びパラメータは同一である。ここでいう比は、長さZsを外径D2で除算して得られた値(比Zs/D2)である。図12A及び図12Bに示す実施形態は、羽根車101の外径D2に対して、変曲点Cがハブ2とシュラウド3との間でどの高さ位置に存在するのが好ましいかを検討する。角度θsは42°(比ΔLは100%、差ΔLAは0dB)、角度θs+は35°である。縦軸の計算方法は、図10及び図11に示した実施形態と同様である。
図12Aに示すように、横軸の比Zs/D2が18.8以上22.6以下であれば、比ΔLを100%以下にでき、従来の遠心ファンよりも小さい駆動力、即ち、高効率であることが確認できる。また、図12Bに示すように、比Zs/D2が19.5以上22.3以下であれば、差ΔLAを0dB以下にでき、従来の遠心ファンよりも低騒音であることが確認できる。従って、遠心ファン100は、450mm以上500mm以下の外径D2を有する羽根車101を備え、比Zs/D2が19.5以上22.3以下であることで、高効率かつ低騒音を実現できる。
中でも、図12Aに示すように、比Zs/D2が19.7以上21.5以下であれば、比ΔLをより小さくでき、より駆動力を小さくできることが確認できる。また、図12Bに示すように、比Zs/D2が20.2以上21.6以下であれば、差ΔLAをより小さくでき、低騒音にできることが確認できる。これらの範囲のうち、特に、比Zs/D2を20.2以上21.5以下にすることで、特に高効率にでき、かつ特に低騒音にできる。
以上説明した本開示の遠心ファン100及び室内機300によれば、シュラウド3の内縁8から内側の翼1では、2つの所定高さ位置における断面形状が重なりかつ一致する2二次元形状とし、翼1の出口角をハブ2側からシュラウド3側にかけて漸近的に小さくなる断面にすることで、ハブ2と翼1とを一体成型できる。これにより、製造コストを低減できる。さらに、シュラウド3と変曲点Cとの間の後縁TEの形状を上記説明した形状にすることで、翼1出口での逆流を抑制できる。これにより、翼1出口での気体の速度分布を均一化でき、空気調和機400の高効率化及び低騒音化を図ることができる。
1 翼
10 金型
100 遠心ファン
101 羽根車
11 金型
1A 断面
1a 部分
1B 断面
1b 部分
1C 断面
2 ハブ
200 筐体
3 シュラウド
300 室内機
31 吸込口
400 空気調和機
41 吸込口
6 吹出口
61 出口
8 内縁
A 交点(第2交点)
B 交点(第1交点)
C 変曲点
PS 圧力面
RS 天井面
S 流れ
SS 負圧面
TE 後縁
Zs 長さ
β2A 角度
β2B 角度
β2C 角度
βb2A 出口角
βb2B 出口角
βb2C 出口角
ΔL 比
ΔLA 差
θs 角度(第1角度)
θs+(第2角度)

Claims (9)

  1. ハブと、
    気体の吸込口を備えるシュラウドと、
    前記ハブと前記シュラウドとの間に配置される複数の翼と、を備える羽根車を備え、
    前記翼は、
    前記吸込口の縁より内側では、同一の前記翼について、前記ハブ側と前記シュラウド側との間での少なくとも2つの所定高さ位置における断面の形状が重なりかつ一致するように構成されるとともに、
    前記ハブ側から前記シュラウド側に向かって小さくなるように出口角を有し、
    所定の前記翼のうち、前記羽根車の回転方向とは反対側の後縁と前記シュラウドとの第1交点は、前記後縁と前記ハブとの第2交点よりも反回転側に配置され、
    前記後縁上で前記第1交点と前記第2交点との間に配置される変曲点は、前記第1交点と前記第2交点とを通る直線よりも回転方向側に配置される
    ことを特徴とする遠心ファン。
  2. 前記羽根車は、450mm以上500mm以下の外径を有し、
    前記第2交点と前記変曲点とを通る直線と、前記第2交点を通り前記羽根車の回転軸と平行な直線と、のなす第1角度が42°以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の遠心ファン。
  3. 前記第1角度は30°以上35°以下である
    ことを特徴とする請求項2に記載の遠心ファン。
  4. 前記羽根車は、450mm以上500mm以下の外径を有し、
    前記第2交点と前記変曲点とを通る直線と、前記第1交点と前記変曲点とを通る直線とのなす第2角度が10°以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の遠心ファン。
  5. 前記第2角度は32°以上42°以下である
    ことを特徴とする請求項4に記載の遠心ファン。
  6. 前記羽根車は、450mm以上500mm以下の外径を有し、
    前記ハブと前記変曲点との間の長さを、前記羽根車の外径で除算して得られる値が19.5以上22.3以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の遠心ファン。
  7. 前記ハブと前記翼とは一体成型物である
    ことを特徴とする請求項1に記載の遠心ファン。
  8. 前記翼は、前記吸込口の縁より外側では、同一の前記翼についての前記断面が少なくとも2つの方向に延在するように構成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の遠心ファン。
  9. 駆動によって空気を吹き出す遠心ファンを備える室内機を備え、
    前記遠心ファンは、
    ハブと、
    気体の吸込口を備えるシュラウドと、
    前記ハブと前記シュラウドとの間に配置される複数の翼と、を備える羽根車を備え、
    前記翼は、
    前記吸込口の縁より内側では、同一の前記翼について、前記ハブ側と前記シュラウド側との間での少なくとも2つの所定高さ位置における断面の形状が重なりかつ一致するように構成されるとともに、
    前記ハブ側から前記シュラウド側に向かって小さくなるように出口角を有し、
    所定の前記翼のうち、前記羽根車の回転方向とは反対側の後縁と前記シュラウドとの第1交点は、前記後縁と前記ハブとの第2交点よりも反回転側に配置され、
    前記後縁上で前記第1交点と前記第2交点との間に配置される変曲点は、前記第1交点と前記第2交点とを通る直線よりも回転方向側に配置される
    ことを特徴とする空気調和機。
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