JP2023139838A - 印刷装置および印刷装置におけるインク送液方法 - Google Patents

Abstract

【課題】吐出ヘッドに補給されるインクを貯留するバッファタンク内のインクの成分が沈降するのを抑制可能とする。【解決手段】、補給電磁弁Ｖｌ１が閉じるとともに戻り電磁弁Ｖｌ２が開くと、補給ポンプ９５１によって送液されるインクの補給電磁弁Ｖｌ１の通過が禁止される一方、当該インクの戻り電磁弁Ｖｌ２の通過が許容される。したがって、バッファタンク９５ａから補給配管９５ｂによって分岐点Ｊまで送液された後に分岐点Ｊからバッファタンク９５ａに戻り配管９６１によって送液される循環経路Ｃｃ２（第２循環経路）においてインクが循環される。【選択図】図５

Description

この発明は、インクを貯留するバッファタンクから吐出ヘッドに補給されたインクを吐出ヘッドから吐出する印刷技術に関する。

特許文献１の印刷装置は、吐出ヘッドに供給されるインクを貯留する供給タンクと、吐出ヘッドから回収されたインクを貯留する回収タンクとを備え、供給タンクから吐出ヘッドを介して回収タンクに向かってインクを送液することで、吐出ヘッドにインクを供給する。また、吐出ヘッドからのインクの吐出によってインクが消費されると、補給用のインクを貯留するタンク（メインタンク）から回収タンクにインクが送液される。

特開２０２０－０４４８２３号公報

ところで、インクを貯留するタンクを備えた印刷装置では、タンク内のインクの成分が沈降する場合があった。これに対して、特許文献１では、回収タンクから供給タンクへインクを送液する循環ポンプが設けられている。そのため、供給タンクから吐出ヘッドを介して回収タンクに到達したインクは、循環ポンプによって回収タンクから供給タンクへ戻される。こうして、吐出ヘッドを介して供給タンクと回収タンクとの間でインクが循環されることで、供給タンクおよび回収タンクでのインクの沈降が抑制されている。一方、補給用のインクを貯留するタンク（以下、「バッファタンク」と称する）に対しては、インクを循環する機構が設けられていない。そのため、バッファタンクに貯留されるインクの成分が沈降する場合があった。

この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、吐出ヘッドに補給されるインクを貯留するバッファタンク内のインクの成分が沈降するのを抑制可能とすることを目的とする。

本発明に係る印刷装置は、インクを吐出するノズルを有する吐出ヘッドと、吐出ヘッドに供給されるインクを貯留する供給タンクと、供給タンクと吐出ヘッドとを流路接続して、供給タンクから吐出ヘッドへインクを送液する供給配管と、吐出ヘッドから回収されるインクを貯留する回収タンクと、回収タンクと吐出ヘッドとを流路接続して、吐出ヘッドから回収タンクへインクを送液する回収配管と、回収タンクと供給タンクとを流路接続して、回収タンクから供給タンクへインクを送液する第１戻り配管と、回収タンクと供給タンクとの間において第１戻り配管に設けられて、回収タンクから供給タンクにインクを送液する循環ポンプと、回収タンクに補給されるインクを貯留するバッファタンクと、バッファタンクと回収タンクとを流路接続して、バッファタンクから回収タンクへインクを送液する補給配管と、バッファタンクと回収タンクとの間において補給配管に設けられて、バッファタンクから回収タンクへインクを送液する補給ポンプと、補給ポンプと回収タンクとの間において補給配管に設けられて、開くことで補給ポンプによるバッファタンクから補給配管を介した回収タンクへのインクの送液を許容し、閉じることで補給ポンプによるバッファタンクから補給配管を介した回収タンクへのインクの送液を遮断する第１電磁弁と、第１電磁弁と補給ポンプの間の位置において補給配管に設けられた分岐点と、バッファタンクとを流路接続して、補給配管の分岐点からバッファタンクにインクを送液する第２戻り配管と、分岐点とバッファタンクとの間において第２戻り配管に設けられて、開くことで分岐点からバッファタンクへの第２戻り配管を介したインクの送液を許容し、閉じることで分岐点からバッファタンクへの第２戻り配管を介したインクの送液を遮断する第２電磁弁と、循環ポンプを制御する循環ポンプ制御部、補給ポンプを制御する補給ポンプ制御部、第１電磁弁を制御する第１電磁弁制御部および第２電磁弁を制御する第２電磁弁制御部を有する制御部とを備え、循環ポンプがインクを回収タンクから供給タンクに向けて送液するように循環ポンプ制御部が循環ポンプを制御すると、インクが回収タンクから第１戻り配管を介して供給タンクに送液された後に供給配管を介して吐出ヘッドに送液されて、さらに吐出ヘッドから回収配管を介して回収タンクに送液される第１循環経路においてインクが循環され、第１電磁弁が開くように第１電磁弁制御部が第１電磁弁を制御しつつ、第２電磁弁が閉じるように第２電磁弁制御部が第２電磁弁を制御し、補給ポンプがインクをバッファタンクから回収タンクに向けて送液するように補給ポンプ制御部が補給ポンプを制御すると、インクが補給配管によってバッファタンクから第１電磁弁を介して回収タンクに送液される補給経路によってインクが回収タンクに補給される一方、第１電磁弁が閉じるように第１電磁弁制御部が第１電磁弁を制御しつつ、第２電磁弁が開くように第２電磁弁制御部が第２電磁弁を制御し、補給ポンプがインクをバッファタンクから分岐点に向けて送液するように補給ポンプ制御部が補給ポンプを制御すると、インクがバッファタンクから補給配管によって分岐点まで送液された後に分岐点からバッファタンクに第２戻り配管によって送液される第２循環経路においてインクが循環される。

本発明に係る印刷装置におけるインク送液方法は、インクを吐出するノズルを有する吐出ヘッドと、吐出ヘッドに供給されるインクを貯留する供給タンクと、供給タンクと吐出ヘッドとを流路接続して、供給タンクから吐出ヘッドへインクを送液する供給配管と、吐出ヘッドから回収されるインクを貯留する回収タンクと、回収タンクと吐出ヘッドとを流路接続して、吐出ヘッドから回収タンクへインクを送液する回収配管と、回収タンクと供給タンクとを流路接続して、回収タンクから供給タンクへインクを送液する第１戻り配管と、回収タンクと供給タンクとの間において第１戻り配管に設けられて、回収タンクから供給タンクにインクを送液する循環ポンプとを備えた印刷装置におけるインク送液方法であって、循環ポンプがインクを回収タンクから供給タンクに向けて送液することで、インクが回収タンクから第１戻り配管を介して供給タンクに送液された後に供給タンクから供給配管を介して吐出ヘッドに送液されて、さらに吐出ヘッドから回収配管を介して回収タンクに送液される第１循環工程と、回収タンクに補給されるインクを貯留するバッファタンクと回収タンクとを流路接続して、バッファタンクから回収タンクへインクを送液する補給配管に設けられた補給ポンプによってバッファタンクから補給配管を介して回収タンクへインクを送液する補給工程と、バッファタンクから、補給ポンプと回収タンクとの間において補給配管に設けられた分岐点に、補給ポンプによってインクを送液することで、インクがバッファタンクから補給配管によって分岐点まで送液された後に、分岐点とバッファタンクとを流路接続する第２戻り配管によって分岐点からバッファタンクに送液される第２循環工程とを備え、補給配管に対しては、分岐点と回収タンクとの間の位置において第１電磁弁が設けられて、第１電磁弁は、開くことで補給ポンプによるバッファタンクから補給配管を介した回収タンクへのインクの送液を許容し、閉じることで補給ポンプによるバッファタンクから補給配管を介した回収タンクへのインクの送液を遮断し、第２戻り配管に対しては、分岐点とバッファタンクとの間の位置において第２電磁弁が設けられて、第２電磁弁は、開くことで分岐点からバッファタンクへの第２戻り配管を介したインクの送液を許容し、閉じることで分岐点からバッファタンクへの第２戻り配管を介したインクの送液を遮断し、補給工程では、第１電磁弁が開くとともに第２電磁弁が閉じて、補給ポンプがバッファタンクから回収タンクに向けてインクを送液することで、インクが補給配管によってバッファタンクから第１電磁弁を介して回収タンクに送液され、第２循環工程では、第１電磁弁が閉じるとともに第２電磁弁が開いて、補給ポンプがバッファタンクから分岐点に向けてインクを送液することで、インクがバッファタンクから補給配管によって分岐点まで送液された後に分岐点から第２戻り配管によってバッファタンクに送液される。

このように構成された本発明では、インクが回収タンクから第１戻り配管を介して供給タンクに送液された後に供給配管を介して吐出ヘッドに送液されて、さらに吐出ヘッドから回収配管を介して回収タンクに送液される第１循環経路においてインクが循環される（第１循環工程）。これによって、供給タンクおよび回収タンクに貯留されるインクの成分の沈降が抑制される。また、バッファタンクと回収タンクとを接続する補給配管には、補給ポンプが取り付けられている。したがって、吐出ヘッドからのインクの吐出に伴ってインクが消費された場合には、補給ポンプによってバッファタンクから補給配管を介して回収タンクにインクを補給することができる（補給工程）。

特に本発明では、補給ポンプと回収タンクとの間において補給配管に設けられた分岐点とバッファタンクとを流路接続する第２戻り配管が設けられている。さらに、補給配管に対しては、分岐点と回収タンクとの間において第１電磁弁が設けられ、第２戻り配管に対しては、分岐点とバッファタンクとの間において第２電磁弁が設けられている。この第１電磁弁は、開くことで補給ポンプによるバッファタンクから補給配管を介した回収タンクへのインクの送液を許容し、閉じることで補給ポンプによるバッファタンクから補給配管を介した回収タンクへのインクの送液を遮断する。また、第２電磁弁は、開くことで分岐点からバッファタンクへの第２戻り配管を介したインクの送液を許容し、閉じることで分岐点からバッファタンクへの第２戻り配管を介したインクの送液を遮断する。したがって、第１電磁弁が開くとともに第２電磁弁が閉じると、補給ポンプによって送液されるインクの第１電磁弁の通過が許容される一方、当該インクの第２電磁弁の通過が禁止される。これによって、補給ポンプは、上記のように、バッファタンクから第１電磁弁を介して回収タンクにインクを補給できる。また、第１電磁弁が閉じるとともに第２電磁弁が開くと、補給ポンプによって送液されるインクの第１電磁弁の通過が禁止される一方、当該インクの第２電磁弁の通過が許容される。したがって、バッファタンクから補給配管によって分岐点まで送液された後に分岐点からバッファタンクに第２戻り配管によって送液される第２循環経路においてインクが循環される（第２循環工程）。その結果、吐出ヘッドに補給されるインクを貯留するバッファタンク内のインクの成分の沈降が抑制される。

さらに言えば、本発明では、バッファタンクから回収タンクへのインクの補給と、第２循環経路におけるインクの循環との両方の動作が、補給ポンプによって実行される。したがって、各動作に対応して２個のポンプを設ける構成と比較して、ポンプの個数を抑えることができるといった効果も奏される。

また、供給タンクに対して設けられて、供給タンク内のインクの液位である供給液位を検出する供給液位検出部と、回収タンクに対して設けられて、回収タンク内のインクの液位である回収液位を検出する回収液位検出部とをさらに備え、制御部は、供給液位検出部が検出した供給液位を取得する供給液位取得部と、回収液位検出部が検出した回収液位を取得する回収液位取得部とをさらに有し、第１電磁弁制御部は、供給液位検出部が検出した供給液位と、回収液位検出部が検出した回収液位とに基づき、第１電磁弁の開閉を制御し、第２電磁弁制御部は、供給液位検出部が検出した供給液位と、回収液位検出部が検出した回収液位とに基づき、第２電磁弁の開閉を制御するように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、供給タンク内のインクの液位（供給液位）と回収タンク内のインクの液位（回収液位）に応じて、回収タンクへのインクの補給や、第２循環経路におけるインクの循環を実行することができる。

また、供給液位検出部は、供給タンク内のインクの液位が第１供給閾値未満である第１供給液位範囲と、第１供給閾値より高い第２供給閾値未満であって第１供給閾値以上である第２供給液位範囲と、第２供給閾値より高い第３供給閾値未満であって第２供給閾値以上である第３供給液位範囲のいずれに位置するかを検出し、回収液位検出部は、回収タンク内のインクの液位が第１回収閾値未満である第１回収液位範囲と、第１回収閾値より高い第２回収閾値未満であって第１回収閾値以上である第２回収液位範囲と、第２回収閾値より高い第３回収閾値未満であって第２回収閾値以上である第３回収液位範囲のいずれに位置するかを検出するように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、供給タンク内の供給液位および回収タンク内の回収液位を少なくとも３段階で検出した結果に応じて、回収タンクへのインクの補給や、第２循環経路におけるインクの循環を実行することができる。

また、供給液位取得部が取得した供給液位が第２供給液位範囲であって、回収液位取得部が取得した回収液位が第２回収液位範囲あるいは第３回収液位範囲である場合には、第１電磁弁が閉じるように第１電磁弁制御部が第１電磁弁を制御し、第２電磁弁が開くように第２電磁弁制御部が第２電磁弁を制御して、第２循環経路においてインクが循環されるように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、供給タンクおよび回収タンクそれぞれのインクの量が多いタイミングを利用して、第２循環経路でインクの循環を行って、バッファタンク内のインクの沈降を抑えることができる。

この際、供給液位取得部が取得した供給液位が第２供給液位範囲であって、回収液位取得部が取得した回収液位が第３回収液位範囲である場合には、循環ポンプがインクを送液する出力が増大するように循環ポンプ制御部が循環ポンプを制御するように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、循環ポンプによって回収タンクから供給タンクに送液されるインクの量を増大させて、回収タンク内のインクが過多となるのを抑制できる。

また、供給液位取得部が取得した供給液位が第３供給液位範囲である場合には、第１電磁弁が閉じるように第１電磁弁制御部が第１電磁弁を制御し、第２電磁弁が開くように第２電磁弁制御部が第２電磁弁を制御して、第２循環経路においてインクが循環されるように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、供給タンク内のインクの量が多いタイミングを利用して、第２循環経路でインクの循環を行って、バッファタンク内のインクの沈降を抑えることができる。

この際、供給液位取得部が取得した供給液位が第３供給液位範囲であって、回収液位取得部が取得した回収液位が第１回収液位範囲あるいは第２回収液位範囲である場合には、循環ポンプがインクを送液する出力が減少するように循環ポンプ制御部が循環ポンプを制御するように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、循環ポンプによって回収タンクから供給タンクに送液されるインクの量を減少させて、供給タンク内のインクが過多となるのを抑制できる。

あるいは、供給液位取得部が取得した供給液位が第３供給液位範囲であって、回収液位取得部が取得した回収液位が第３回収液位範囲である場合には、循環ポンプが停止するように循環ポンプ制御部が循環ポンプを制御するように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、循環ポンプによって回収タンクから供給タンクへのインクの送液を停止させて、供給タンク内のインクが過多となるのを抑制できる。

また、供給液位取得部が取得した供給液位が第１供給液位範囲であって、回収液位取得部が取得した回収液位が第１回収液位範囲あるいは第２回収液位範囲である場合には、第１電磁弁が開くように第１電磁弁制御部が第１電磁弁を制御し、第２電磁弁が閉じるように第２電磁弁制御部が第２電磁弁を制御して、補給経路によってインクがバッファタンクに送液されるように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、供給タンク内のインクの量が少なくなったのに応じて、バッファタンクから回収タンクにインクが補給される。こうして回収タンクに補給されたインクは、循環ポンプによって回収タンクから供給タンクへ送液される。その結果、供給タンク内のインクの不足を解消できる。

この際、供給液位取得部が取得した供給液位が第１供給液位範囲であって、回収液位取得部が取得した回収液位が第２回収液位範囲である場合には、循環ポンプがインクを送液する出力が増大するように循環ポンプ制御部が循環ポンプを制御するように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、循環ポンプによって回収タンクから供給タンクに送液されるインクの量を増大させて、供給タンク内のインクの不足を解消できる。

また、供給液位取得部が取得した供給液位が第２供給液位範囲であって、回収液位取得部が取得した回収液位が第１回収液位範囲である場合には、第１電磁弁が開くように第１電磁弁制御部が第１電磁弁を制御し、第２電磁弁が閉じるように第２電磁弁制御部が第２電磁弁を制御して、第１循環経路においてインクが循環されるように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、回収タンク内のインクの量が少なくなったのに応じて、バッファタンクから回収タンクにインクが補給され、回収タンク内のインクの不足を解消できる。

また、供給液位取得部が取得した供給液位が第２供給液位範囲であって、回収液位取得部が取得した回収液位が第１回収液位範囲である場合には、循環ポンプがインクを送液する出力が減少するように循環ポンプ制御部が循環ポンプを制御するように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、循環ポンプによって回収タンクから供給タンクに送液されるインクの量を減少させて、回収タンク内のインクが過少となるのを抑制できる。

また、供給液位取得部が取得した供給液位が第１供給液位範囲であって、回収液位取得部が取得した回収液位が第３回収液位範囲である場合には、第１電磁弁が閉じるように第１電磁弁制御部が第１電磁弁を制御し、第２電磁弁が開くように第２電磁弁制御部が第２電磁弁を制御するように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、回収タンク内のインクの量が多い場合には、バッファタンクから回収タンクへのインクの補給を行わずに、回収タンク内のインクが過多となるのを抑制できる。

また、供給液位取得部が取得した供給液位が第１供給液位範囲であって、回収液位取得部が取得した回収液位が第３回収液位範囲である場合には、循環ポンプがインクを送液する出力が増大するように循環ポンプ制御部が循環ポンプを制御するように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、循環ポンプによって回収タンクから供給タンクに送液されるインクの量を増大させて、供給タンク内のインクの不足を解消できる。

ちなみに、第２循環経路におけるインクの循環では、インクの成分の沈降が抑制できる程度にインクが流動すればよい。そこで、補給ポンプによって送液されるインクが補給経路に沿ってバッファタンクから回収タンクに補給されるときの補給ポンプの出力より、補給ポンプによって送液されるインクが第２循環経路に沿って循環されるときの補給ポンプの出力が低くなるように、補給ポンプ制御部は補給ポンプを制御するように、印刷装置を構成してもよい。

以上のように、本発明によれば、吐出ヘッドに補給されるインクを貯留するバッファタンク内のインクの成分が沈降するのを抑制することが可能となる。

本発明に係る印刷装置を備えた印刷システムの一例を模式的に示す正面図。 図１の印刷システムが備える印刷装置を模式的に示す正面図。 ヘッドユニットが備える吐出ヘッドの底面を模式的に示す図。 吐出ヘッドと当該吐出ヘッドにインクを供給、回収、補給、循環させるインク供給・回収・補給・循環機構９の構成を模式的に示す図。 吐出ヘッドと当該吐出ヘッドにインクを供給、回収、補給、循環させるインク供給・回収・補給・循環機構９の構成を模式的に示す図。 印刷装置が備える電気的構成を示すブロック図。 インクの液位の検出態様を模式的に示す図。 制御部によって実行される循環モード制御の一例を示すフローチャート。 図８の循環モード制御において参照される循環モードデータの一例をテーブル形式で示す図。

図１は本発明に係る印刷装置を備えた印刷システムの一例を模式的に示す正面図である。図１および以下に示す図では、水平方向であるＸ方向、Ｘ方向に直交する水平方向であるＹ方向および鉛直方向であるＺ方向を適宜示す。図１に示すように、印刷システム１は、Ｘ方向に配列された印刷装置３および乾燥装置６を備える。この印刷システム１は、繰出ロール１１から巻取ロール１２へロール・トゥ・ロールで長尺帯状の印刷媒体Ｍを搬送する。なお、印刷媒体Ｍの素材は、ＯＰＰ(oriented polypropylene)あるいはＰＥＴ(polyethylene terephthalate)等のフィルムである。ただし、印刷媒体Ｍの素材はフィルムに限られず、紙等でもよい。かかる印刷媒体Ｍは可撓性を有する。また、以下では、印刷媒体Ｍの両面のうち、画像が印刷される面を表面Ｍ１と、表面Ｍ１の反対側の面を裏面Ｍ２と適宜称する。

印刷装置３は、繰出ロール１１から巻取ロール１２へ搬送される印刷媒体Ｍの表面Ｍ１に対してインクジェット方式で水性インクを吐出することで、印刷媒体Ｍの表面Ｍ１に画像を印刷する。かかる印刷装置３の詳細な構成は後述する。こうして画像が印刷された印刷媒体Ｍは、印刷装置３から乾燥装置６へ向けてＸ方向に搬送される。

乾燥装置６は乾燥炉６０を備え、繰出ロール１１から巻取ロール１２への搬送に伴って印刷装置３から搬出された印刷媒体Ｍを乾燥させる。乾燥炉６０内には、Ｘ方向に配列された２個の上段送風ユニット６１ｕと、これら上段送風ユニット６１ｕの下側でＸ方向に配列された２個の中段送風ユニット６１ｍと、これら中段送風ユニット６１ｍの下側でＸ方向に配列された２個の下段送風ユニット６１ｌとが具備されている。

印刷装置３の搬出口３１２から搬出された印刷媒体Ｍは、２個の上段送風ユニット６１ｕをＸ方向に通過した後に、１対のローラ６２によって２個の中段送風ユニット６１ｍへ向けて折り返される。続いて、印刷媒体Ｍは、２個の中段送風ユニット６１ｍをＸ方向に通過した後に、１対のエアターンバー６３によって２下段送風ユニット６１ｌに向けて折り返される。さらに、印刷媒体Ｍは、２個の下段送風ユニット６１ｌをＸ方向に通過した後に、乾燥装置６の外部へ搬出される。

上段送風ユニット６１ｕは、Ｘ方向に通過する印刷媒体ＭをＺ方向から挟むように配置された２個の送風チャンバ６４を有する。各送風チャンバ６４は、Ｘ方向に配列された複数のノズル６５を有し、各ノズル６５から温風（６０度以上の気体）を印刷媒体Ｍへ噴射する。こうして、印刷媒体Ｍは、上下に設けられた２個の送風チャンバ６４の間を通過しつつ、これら送風チャンバ６４のノズル６５から噴射された温風によって乾燥される。また、中段送風ユニット６１ｍおよび下段送風ユニット６１ｌのそれぞれも、上段送風ユニット６１ｕと同様に、印刷媒体ＭをＺ方向から挟む２個の送風チャンバ６４を有する。

ちなみに、上段送風ユニット６１ｕの具体的構成はここの例に限られない。例えば、上段送風ユニット６１ｕの上下の送風チャンバ６４のうち下側の送風チャンバ６４に代えて、Ｘ方向に配列された複数のローラを設けてもよい。かかる構成では、複数のローラによって印刷媒体Ｍの裏面Ｍ２を下側から支持しつつ、上側の送風チャンバ６４から印刷媒体Ｍの表面Ｍ１に温風を噴射できる。

図２は図１の印刷システムが備える印刷装置を模式的に示す正面図である。図２では、Ｘ方向の一方側Ｘ１および他方側Ｘ２を適宜示す。ここで、一方側Ｘ１は印刷装置３から乾燥装置９へ向う側であり、他方側Ｘ２は一方側Ｘ１の反対側である。印刷装置３は、筐体３１と、筐体３１内に配置されたカラー印刷部３２と、筐体３１内においてカラー印刷部３２の上方に配置された白印刷部３３と、筐体３１内に配置された複数のローラによって印刷媒体Ｍを搬送する搬送部４とを備える。

カラー印刷部３２は、搬送部４によって搬送される印刷媒体Ｍの上方において、印刷媒体Ｍの進行方向（他方側Ｘ２から一方側Ｘ１へ向かう方向）に配列された複数（６個）のヘッドユニット３２１を有する。複数のヘッドユニット３２１は、それぞれの下方を通過する印刷媒体Ｍの表面Ｍ１に上方から対向するノズルを有し、互いに異なる色のカラーインクをインクジェット方式でノズルから吐出する。ここで、カラーインクとは、白色以外のインクを意味し、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラック等のインクを含む。こうして、カラー印刷部３２の複数のヘッドユニット３２１は、それぞれの下方を通過する印刷媒体Ｍの表面Ｍ１に上方からカラーインクを吐出することで、印刷媒体Ｍの表面Ｍ１にカラー画像を印刷する。

また、白印刷部３３は、搬送部４によって搬送される印刷媒体Ｍの上方に配置された単一のヘッドユニット３３１を有する。ヘッドユニット３３１は、その下方を通過する印刷媒体Ｍの表面Ｍ１に上方から対向するノズルを有し、白インクをインクジェット方式でノズルから吐出する。こうして、白印刷部３３のヘッドユニット３３１は、その下方を通過する印刷媒体Ｍの表面Ｍ１に上方から白インクを吐出することで、印刷媒体Ｍの表面Ｍ１に白画像を印刷する。

筐体３１の他方側Ｘ２の側壁には搬入口３１１が開口する一方、筐体３１の一方側Ｘ１の側壁には搬出口３１２が開口している。そして、搬送部４は、上記のカラー印刷部３２および白印刷部３３を経由しつつ、搬入口３１１から搬出口３１２へ印刷媒体Ｍを搬送する。

この搬送部４は、カラー印刷部３２の下側に設けられた搬入部４１と、カラー印刷部３２の一方側Ｘ１に設けられた上昇搬送部４２と、カラー印刷部３２の上側に設けられた上方搬送部４３と、カラー印刷部３２の他方側Ｘ２に設けられた下降搬送部４４とを有する。搬入部４１は、搬入口３１１から搬入された印刷媒体Ｍをローラ４１１によって一方側Ｘ１に搬送し、上昇搬送部４２は、搬入部４１によって搬送されてきた印刷媒体Ｍをローラ４２１によって上側に搬送し、上方搬送部４３は、上昇搬送部４２によって搬送されてきた印刷媒体Ｍをローラ４３１によって他方側Ｘ２へ搬送し、下降搬送部４４は、上方搬送部４３によって搬送されてきた印刷媒体Ｍをローラ４４１によって下側に搬送する。

さらに、搬送部４は、カラー印刷部３２に対向する印刷媒体Ｍを下方から支持するカラー搬送部４５を有し、下降搬送部４４を通過した印刷媒体Ｍはカラー搬送部４５に進入する。このカラー搬送部４５は、他方側Ｘ２から一方側Ｘ１へ配列された複数のローラ４５１を有し、各ローラ４５１が印刷媒体Ｍの裏面Ｍ２に下方から接触する。こうして、カラー搬送部４５によって支持される印刷媒体Ｍの表面Ｍ１は上方を向き、カラー印刷部３２の各ヘッドユニット３２１は、この表面Ｍ１に上方から対向しつつカラーインクを吐出する。

また、搬送部４は、印刷媒体Ｍの進行方向においてカラー搬送部４５と下降搬送部４４との間に配置されたローラ４６１、４６２、４６３を有する。ローラ４６１は、印刷媒体Ｍを駆動する駆動ローラである。ローラ４６２、４６３は印刷媒体Ｍに従動して回転する従動ローラである。

さらに、搬送部４は、カラー搬送部４５から一方側Ｘ１に搬送されてきた印刷媒体Ｍを二回上下反転させる反転搬送部４７を有する。この反転搬送部４７は、駆動ローラ４７１を含む複数のローラ４７１～４７７を有し、これらローラ４７１～４７７が印刷媒体Ｍの裏面Ｍ２に接触しつつ、印刷媒体Ｍを二回上下反転させる。つまり、反転搬送部４７は、カラー搬送部４５から搬送された印刷媒体Ｍを、ローラ４７１、４７２によって下方向に向けて搬送し、さらに印刷媒体Ｍの進行方向をローラ４７２によって他方側Ｘ２に変更して搬送することにより、印刷媒体Ｍの表面Ｍ１と裏面Ｍ２とを上下反転させる。続いて、反転搬送部４７は、複数のローラ４７３によって印刷媒体Ｍを一方側Ｘ１から他方側Ｘ２に向けて搬送し、次いで、ローラ４７４～４７６によって印刷媒体Ｍを上方向に向けて搬送する。さらに、反転搬送部４７は、ローラ４７６によって印刷媒体Ｍの進行方向を一方側Ｘ１に変更することによって、印刷媒体Ｍの表面Ｍ１と裏面Ｍ２とを再び上下反転させるとともに、ローラ４７７によって印刷媒体Ｍを他方側Ｘ２から一方側Ｘ１に向けて搬送する。

また、搬送部４は、白印刷部３３に対向する印刷媒体Ｍを下方から支持する白搬送部４８を有し、反転搬送部４７によって二回上下反転された印刷媒体Ｍは白搬送部４８に進入する。この白搬送部４８は、印刷媒体Ｍの裏面Ｍ２に下側から接触するローラ４８１を有する。こうして、白搬送部４８によって支持される印刷媒体Ｍの表面Ｍ１は上方を向き、白印刷部３３のヘッドユニット３３１は、この表面Ｍ１に上方から対向しつつ白インクを吐出する。

また、搬送部４は、上方搬送部４３より上方に設けられた搬出部４９を有する。搬出部４９は、Ｘ方向の他方側Ｘ２から一方側Ｘ１へ配列された複数のローラ４９１を有する。この搬出部４９は、白搬送部４８により搬送されてきた印刷媒体Ｍを、複数のローラ４９１によって一方側Ｘ１へと搬送することで、筐体３１の搬出口３１２から乾燥装置６へ搬出する。

上記のように、印刷装置３のカラー印刷部３２および白印刷部３３は、ヘッドユニット３２１、３３１を有する。続いては、ヘッドユニット３２１、３３１が有する吐出ヘッドＨと当該吐出ヘッドＨにインクを供給、回収、補給、循環させるインク供給・回収・補給・循環機構９について説明する。このインク供給・回収・循環・補給機構９は、吐出ヘッドＨにインクを供給するインク供給機構９ａ、吐出ヘッドＨからインクを回収するインク回収機構９ｂ、回収したインクを再びインク供給機構９ａに戻すインク戻り機構９ｃ、インク回収機構９ｂにインクを補給するインク補給機構９ｄ、およびインク補給機構９ｄから分岐させたインクを再びインク補給機構９ｄに戻すインク戻り機構９ｅを含んで構成される。なお、ヘッドユニット３２１、３３１は共通する基本的構成を具備するとともに、インク供給・回収・補給・循環機構９の基本的な構成もヘッドユニット３２１、３３１で共通する。そこで、白インクを吐出するヘッドユニット３３１に関する構成について説明を行う。

図３はヘッドユニットが備える吐出ヘッドの底面を模式的に示す図であり、図４は吐出ヘッドと当該吐出ヘッドにインクを供給、回収、補給、循環させるインク供給・回収・補給・循環機構９の構成を模式的に示す図である。図３に示すように、ヘッドユニット３３１では、同一の色のインク（白インク）を吐出する複数の吐出ヘッドＨがＹ方向に一列に配列されており、各吐出ヘッドＨは底面視において矩形を有する。なお、複数の吐出ヘッドＨの配列態様は図３の例に限られず、複数の吐出ヘッドＨは千鳥状に配列されてもよい。

図４に示すように、吐出ヘッドＨはハウジングＨａを有し、ハウジングＨａの底面では、複数のノズルＨｎがＹ方向に千鳥状に配列されて開口する。ハウジングＨａの内部には、複数のノズルＨｎにそれぞれ連通する複数のキャビティＨｂと、複数のキャビティＨｂに連通するインク供給室Ｈｃとが設けられており、インク供給室Ｈｃから供給されたインクがキャビティＨｂに貯留される。また、各キャビティＨｂには圧電素子Ｅが設けられており、圧電素子Ｅが駆動信号（電気信号）に応じて変位することで、キャビティＨｂ内のインクに圧力変動を与える。この圧力変動によって、キャビティＨｂからインクが押し出されて、当該キャビティＨｂに連通するノズルＨｎからインクが吐出される。また、吐出ヘッドＨの上部では、インク流入口Ｈｄと、インク流出口Ｈｅとがそれぞれ開口し、インクは、インク供給機構９ａからインク流入口Ｈｄを介してインク供給室Ｈｃに流入し、インク供給室Ｈｃからインク流出口Ｈｅを介してインク回収機構９ｂへ向けて流出する。

インク供給機構９ａは、吐出ヘッドＨへ向けてインクを供給するインク供給部９１と、このインク供給部９１に対して付与する供給圧力を生成する圧力生成部９３とを含む。インク供給部９１は、吐出ヘッドＨへ供給するインクを貯留する供給タンク９１ａと、この供給タンク９１ａと吐出ヘッドＨとを流路接続して、供給タンク９１ａから供給されるインクを吐出ヘッドＨへ送液する供給配管９１ｂとを含む。

インク回収機構９ｂは、吐出ヘッドＨからインクを回収するインク回収部９２と、このインク回収部９２に対して付与する圧力を生成する圧力生成部９４とを含む。インク回収部９２は、吐出ヘッドＨから回収したインクを貯留する回収タンク９２ａと、この回収タンク９２ａと吐出ヘッドＨとを流路接続して、吐出ヘッドＨから回収したインクを回収タンク９２ａへ送液する回収配管９２ｂとを含む。供給タンク９１および回収タンク９２のそれぞれは、吐出ヘッドＨより上方に配置される。

インク戻り機構９ｃは、回収タンク９２ａと供給タンク９１ａとを流路接続して、回収タンク９２ａから供給タンク９１ａにインクを送液する戻り配管９０１と、この戻り配管９０１の途中の位置に介在された循環ポンプ９０２と、戻り配管９０１の途中の位置に介在され、循環ポンプ９０２と供給タンク９１との間に配置されたフィルタ９０３と、戻り配管９０１の途中の位置に介在され、フィルタ９０３と供給タンク９１ａとの間に配置されたデガッサ９０４とを備える。そして、循環ポンプ９０２は、回収タンク９２ａから供給タンク９１ａへインクを送り、フィルタ９０３は、循環ポンプ９０２から流出してデガッサ９０４に流入する前のインクから異物を除去し、デガッサ９０４はフィルタ９０３から流出して供給タンク９１ａに流入する前のインクに対して脱ガスを実行する。かかるインク戻り機構９ｃは、循環ポンプ９０２によって、回収タンク９２ａから戻り配管９０１を介して供給タンク９１ａに到る戻り経路Ｃａ１に沿ってインクを送ることができる。

インク供給機構９ａは、供給タンク９１ａに圧力Ｐ１（負圧）を与える供給側圧力生成部９３（以下、「圧力生成部９３」と適宜称する）を備える。この圧力生成部９３は、圧力タンク９３１と、圧力タンク９３１を排気して圧力タンク９３１に圧力Ｐ１を生成する排気ポンプ９３２と、圧力タンク９３１にその一端が接続された可撓性のチューブ９３３と、チューブ９３３の他端にその一端が連通可能に接続され、その他端が供給タンク９１ａ内の雰囲気に臨むように配置され、圧力タンク９３１内に生成された圧力を供給タンク９１ａに伝える圧力伝達配管９３４とを備える。そして、排気ポンプ９３２によって圧力タンク９３１内に生成された圧力Ｐ１が、チューブ９３３、圧力伝達配管９３４を介して供給タンク９１に与えられる。

これに対して、供給タンク９１ａ内では、インクの液面より上側に気体（空気）が溜まっている。つまり、供給タンク９１ａ内では、気液界面の下側にインクが貯留され、気液界面の上側に気体が存在する。したがって、圧力生成部９３によって、供給タンク９１ａ内の気液界面に圧力Ｐ１（負圧）が与えられることとなる。

また、インク供給機構９ａは、圧力生成部９３のチューブ９３３の他端と、圧力伝達配管９３４の一端との間に設けられた電磁弁Ｖｇ１を有する。この電磁弁Ｖｇ１は、圧力タンク９３１と供給タンク９１ａとの間の雰囲気を連通／遮断することで、圧力タンク９３１に生成された圧力Ｐ１の供給タンク９１ａへの付与／遮断を実行する。つまり、図４に示すように、電磁弁Ｖｇ１が開いた状態では、圧力タンク９３１と供給タンク９１ａとの間の雰囲気が連通し、圧力タンク９３１からチューブ９３３、圧力伝達配管９３４を通じて、供給タンク９１ａへの圧力Ｐ１の付与が実行される。一方、電磁弁Ｖｇ１が閉じた状態では、圧力タンク９３１と供給タンク９１ａとの間の雰囲気が遮断され、圧力タンク９３１から供給タンク９１ａへの圧力Ｐ１の付与が停止される。通電時において、電磁弁Ｖｇ１は、図４に示すように開いて、圧力タンク９３１と供給タンク９１ａとの間の雰囲気を連通させる。一方、非通電時において、電磁弁Ｖｇ１は閉じて、圧力タンク９３１と供給タンク９１ａとの間の雰囲気を遮断する。

また、インク供給機構９ａでは、圧力伝達配管９３４に逆止フィルタ９３５が介在されている。この逆止フィルタ９３５は、供給タンク９１から圧力タンク９３１へ向かう気体の通過を許容しつつ、供給タンク９１ａから圧力タンク９３１へ向かうインクの通過を禁止する。こうして、供給タンク９１ａからチューブ９３３へのインクの流入が逆止フィルタ９３５により防止されている。

インク回収機構９ｂは、回収タンク９２に圧力Ｐ２（負圧）を与える回収側圧力生成部９４（以下、「圧力生成部９４」と適宜称する）を備える。この圧力生成部９４は、圧力タンク９４１と、圧力タンク９４１を排気して圧力タンク９４１に圧力Ｐ２を生成する排気ポンプ９４２と、圧力タンク９４１にその一端が接続された可撓性のチューブ９４３と、このチューブ９４３の他端にその一端が連通可能に接続されており、その他端が回収タンク９２ａ内の雰囲気に臨むように配置され、圧力タンク９４１内に生成された圧力を回収タンク９２ａに伝える圧力伝達配管９４４と、を備える。そして、排気ポンプ９４２によって圧力タンク９４１内に生成された圧力Ｐ２がチューブ９４３、圧力伝達配管９４４を介して回収タンク９２に与えられる。

これに対して、回収タンク９２ａ内では、インクの液面より上側に気体（空気）が溜まっている。つまり、回収タンク９２ａ内では、気液界面の下側にインクが貯留され、気液界面の上側に気体が存在する。したがって、圧力生成部９４によって、回収タンク９２ａ内の気液界面に圧力Ｐ２（負圧）が与えられることとなる。

また、インク回収機構９ｂは、圧力付与部９４のチューブ９４３の他端と、圧力伝達配管９４４の一端との間に設けられた電磁弁Ｖｇ２を有する。この電磁弁Ｖｇ２は、圧力タンク９４１と回収タンク９２ａとの間の雰囲気を連通／遮断することで、圧力タンク９４１に生成された圧力Ｐ２の回収タンク９２ａへの付与／遮断を実行する。つまり、図４に示すように、電磁弁Ｖｇ２が開いた状態では、圧力タンク９４１と回収タンク９２ａとの間の雰囲気が連通し、圧力タンク９４１からチューブ９４３、圧力伝達配管９４４を通じて、回収タンク９２ａへの圧力Ｐ２の付与が実行される。一方、電磁弁Ｖｇ２が閉じた状態では、圧力タンク９４１と回収タンク９２ａとの間の雰囲気が遮断され、圧力タンク９４１から回収タンク９２ａへの圧力Ｐ２の供給が停止される。通電時において、電磁弁Ｖｇ２は、図４に示すように開いて、圧力タンク９４１と回収タンク９２ａとの間の雰囲気を連通させる。一方、非通電時において、電磁弁Ｖｇ２は閉じて、圧力タンク９４１と回収タンク９２ａとの間の雰囲気を遮断する。

また、インク回収機構９ｂは、圧力伝達配管９４４に逆止フィルタ９４５が介在されている。この逆止フィルタ９４５は、回収タンク９２ａから圧力タンク９４１へ向かう気体の通過を許容しつつ、回収タンク９２ａから圧力タンク９４１へ向かうインクの通過を禁止する。こうして、回収タンク９２ａからチューブ９４３へのインクの流入が逆止フィルタ９４５により防止されている。

さらに、回収タンク９２ａと供給タンク９１ａとの間には、回収タンク９２ａの雰囲気と供給タンク９１ａの雰囲気とを連通可能に接続される連通管９００が設けられている。さらに、この連通管９００には、回収タンク９２ａの雰囲気と供給タンク９１ａの雰囲気とを連通／遮断するための電磁弁Ｖｇ０が介在されている。つまり、図４に示すように、電磁弁Ｖｇ０が閉じた状態では、供給タンク９１ａの雰囲気と回収タンク９２ａの雰囲気とは遮断され、供給タンク９１ａ内の圧力Ｐ１と回収タンク９２ａ内の圧力Ｐ２とはそれぞれ独立した状態となる。一方、電磁弁Ｖｇ０が開いた状態では、供給タンク９１ａの雰囲気と回収タンク９２ａの雰囲気とが連通して、供給タンク９１ａおよび回収タンク９２ａのそれぞれの内部の圧力は等しくなる。通電時において、電磁弁Ｖｇ０は、図４に示すように閉じて、供給タンク９１ａの雰囲気と回収タンク９２ａの雰囲気とを遮断する。一方、非通電時において、電磁弁Ｖｇ０は開いて、供給タンク９１ａの雰囲気と回収タンク９２ａの雰囲気とを連通させる。

図４に示す状態では、圧力生成部９４が、チューブ９４３、電磁弁Ｖｇ２、圧力伝達配管９４４を通じて、回収タンク９２ａに付与する圧力Ｐ２は、圧力生成部９３が、チューブ９３３、電磁弁Ｖｇ１を介して供給タンク９１ａに付与する圧力Ｐ１より低い。この圧力Ｐ２と圧力Ｐ１との差によって、供給タンク９１ａから供給配管９１ｂを介して吐出ヘッドＨのインク供給室Ｈｃに流入し、さらに吐出ヘッドＨのインク供給室Ｈｃから回収配管９２ｂを介して回収タンク９２ａに到達する供給・回収経路Ｃｂ１に沿ってインクが送液される。また、供給・回収経路Ｃｂ１に沿って回収タンク９２ａに送液されたインクは、戻り経路Ｃａ１に沿って循環ポンプ９０２により供給タンク９１ａに戻される。こうして、供給タンク９１ａから吐出ヘッドＨを介して回収タンク９２ａに到達した後に供給タンク９１ａに戻る循環経路Ｃｃ１（戻り経路Ｃａ１＋供給・回収経路Ｃｂ１）でインクが循環される。

また、上述の通り、インク供給・回収・補給・循環機構９は、インク補給機構９ｄおよびインク戻り機構９ｅを含む。続いては、図５を併用して、インク補給機構９ｄおよびインク戻り機構９ｅについて説明する。ここで、図５は、図４と同様に、吐出ヘッドと当該吐出ヘッドにインクを供給、回収、補給、循環させるインク供給・回収・補給・循環機構９の構成を模式的に示す図である。ただし、図４と図５とでは、インク補給機構９ｄおよびインク戻り機構９ｅにおける電磁弁の状態が異なる。

インク補給機構９ｄは、インク回収機構９ｂの回収タンク９２ａにインクを補給するインク補給部９５を含む。このインク補給部９５は、回収タンク９２ａに補給されるインクを貯留するバッファタンク９５ａを含む。このバッファタンク９５ａは、供給タンク９１ａおよび回収タンク９２ａより多量のインクを貯留することができる。

さらに、インク補給部９５は、バッファタンク９５ａと回収タンク９２ａとを流路接続して、バッファタンク９５ａから回収タンク９２ａにインクを送液する補給配管９５ｂと、この補給配管９５ｂの途中の位置に介在されて、バッファタンク９５ａと回収タンク９２ａとの間に配置された補給ポンプ９５１と、補給配管９５ｂの途中の位置に介在され、補給ポンプ９５１と回収タンク９２ａとの間に配置された補給電磁弁Ｖｌ１とを含む。補給ポンプ９５１は、バッファタンク９５ａから回収タンク９２ａに向けて補給配管９５ｂに沿ってインクを送液する。これに対して、補給電磁弁Ｖｌ１は、図４に示すように開くことで、補給ポンプ９５１によるバッファタンク９５ａから補給配管９５ｂを介した回収タンク９２ａへのインクの送液を許容する。一方、補給電磁弁Ｖｌ１は、図５に示すように、閉じることで、補給ポンプ９５１によるバッファタンク９５ａから補給配管９５ｂを介した回収タンク９２ａへのインクの送液を遮断する。

また、インク補給部９５は、補給配管９５ｂの途中の位置に介在され、補給ポンプ９５１と補給電磁弁Ｖｌ１との間に配置されたフィルタ９５２と、補給配管９５ｂの途中の位置に介在され、フィルタ９５２と補給電磁弁Ｖｌ１との間に配置されたデガッサ９５３とを有する。フィルタ９５２は、補給ポンプ９５１から流出してデガッサ９５３に流入する前のインクから異物を除去し、デガッサ９５３はフィルタ９５２から流出して、補給電磁弁Ｖｌ１に流入する前のインクに対して脱ガスを実行する。

インク戻り機構９ｅは、インク戻り部９６を有する。インク戻り部９６は、補給配管９５ｂの途中の位置に設けられた分岐点Ｊと、バッファタンク９５ａとを流路接続して、分岐点Ｊからバッファタンク９５ａにインクを送液する戻り配管９６１を含む。分岐点Ｊは、補給ポンプ９５１と補給電磁弁Ｖｌ１との間の位置、より具体的にはデガッサ９５３と補給電磁弁Ｖｌ１との間の位置において補給配管９５ｂに設けられる。また、インク戻り部９６は、戻り配管９６１の途中の位置に介在され、分岐点Ｊとバッファタンク９５ａとの間に配置された戻り電磁弁Ｖｌ２を含む。戻り電磁弁ＶＬ２は、図５に示すように開くことで、分岐点Ｊからバッファタンク９５ａへの戻り配管９６１によるインクの送液を許容する一方、図４に示すように閉じることで、分岐点Ｊからバッファタンク９５ａへの戻り配管９６１によるインクの送液を遮断する。

かかる構成では、図４に示すように、補給電磁弁Ｖｌ１が開くとともに戻り電磁弁Ｖｌ２が閉じて、さらに補給ポンプ９５１がバッファタンク９５ａから補給配管９５ｂを介して回収タンク９２ａにインクを送液すると、インクがバッファタンク９５ａから補給電磁弁Ｖｌ１を介して回収タンク９２ａに到達する補給経路Ｃｓに沿ってインクが回収タンク９２ａに補給される。一方、図５に示すように、補給電磁弁Ｖｌ１が閉じるとともに戻り電磁弁Ｖｌ２が開いて、さらに補給ポンプ９５１がバッファタンク９５ａから分岐点Ｊにインクを送液すると、バッファタンク９５ａから分岐点Ｊまでの送液経路Ｃａ２に沿って補給配管９５ｂによって送液されたインクが、分岐点Ｊにおいて補給配管９５ｂから戻り配管９６１に分岐する。さらに、戻り配管９６１に分岐したインクは、分岐点Ｊから戻り電磁弁Ｖｌ２を介してバッファタンク９５ａに到達する戻り経路Ｃｂ２に沿って戻り配管９６１によって送液されて、バッファタンク９５ａに戻る。つまり、バッファタンク９５ａから補給配管９５ｂの分岐点Ｊに到達した後に、分岐点Ｊから戻り配管９６１を介してバッファタンク９５ａに戻る循環経路Ｃｃ２（送液経路Ｃａ２＋戻り経路Ｃｂ２）でインクが循環される。

また、インク供給・回収・補給・循環機構９は、供給タンク９１ａに貯留されるインクの液位Ｌｆ（供給液位）を検出する供給液位検出部９７と、回収タンク９２ａに貯留されるインクの液位Ｌｒ（回収液位）を検出する回収液位検出部９８とを有する。そして、次に説明するように、補給電磁弁Ｖｌ１、戻り電磁弁Ｖｌ２および循環ポンプ９０２の動作は、供給液位検出部９７により検出された供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆおよび回収液位検出部９８により検出された回収タンク９２ａ内のインクの液位Ｌｒに基づき制御される。

図６は印刷装置が備える電気的構成を示すブロック図である。図６に示すように、印刷装置３は、制御部８１および記憶部８２を備える。制御部８１は、ＣＰＵ(Central Processing Unit)あるいはＦＰＧＡ(Field-Programmable Gate Array)で構成される。この制御部８１は、循環ポンプ制御部８１１、補給ポンプ制御部８１２、補給電磁弁制御部８１３、戻り電磁弁制御部８１４、供給液位取得部８１５、回収液位取得部８１６および循環モード決定部８１７を有する。制御部８１がＣＰＵ等のプロセッサである場合には、制御部８１が所定のプログラムを実行することで、これらの機能部８１１～８１９の各制御が制御部８１に展開される。また、制御部８１がＦＰＧＡである場合には、これらの機能部８１１～８１９の機能を実行する論理回路がＦＰＧＡに実装される。

循環ポンプ制御部８１１は、循環ポンプ９０２を制御する。つまり、循環ポンプ９０２は、循環ポンプ制御部８１１の制御に基づき、始動、出力の増大、出力の減少あるいは停止を実行する。補給ポンプ制御部８１２は、補給ポンプ９５１を制御する。つまり、補給ポンプ９５１は、補給ポンプ制御部８１２の制御に基づき、始動、出力の増減、出力の減少あるいは停止を実行する。補給電磁弁制御部８１３は、補給電磁弁Ｖｌ１を制御する。つまり、補給電磁弁Ｖｌ１は、補給電磁弁制御部８１３の制御に基づき開閉する。戻り電磁弁制御部８１４は、戻り電磁弁Ｖｌ２を制御する。つまり、戻り電磁弁Ｖｌ２は、戻り電磁弁制御部８１４の制御に基づき開閉する。

供給液位取得部８１５は、供給液位検出部９７によって検出された供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆを取得する。また、回収液位取得部８１６は、回収液位検出部９８によって検出された回収タンク９２ａ内のインクの液位Ｌｒを取得する。これら供給液位検出部９７および回収液位検出部９８は、図７に示すように、インクの液位Ｌｆおよび液位Ｌｒを４段階で検出する。

図７はインクの液位の検出態様を模式的に示す図である。インクの液位の検出態様は、供給液位検出部９７と回収液位検出部９８とで共通するため、ここでは、供給液位検出部９７によって供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆを検出する態様について説明する。供給液位検出部９７は、互いに異なる高さＬＬ、ＬＭ、ＬＨにおける供給タンク９１ａ内のインクの有無を検出する３個のフロートセンサを有する。つまり、供給液位検出部９７は、第１高さＬＬ、第１高さＬＬより高い第２高さＬＭ、および第２高さＬＭより高い第３高さＬＨそれぞれの高さにおけるインクの有無によって、供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆの存在範囲を検出する。

第１高さＬＬ、第２高さＬＭおよび第３高さＬＨにおけるインクの有無と、インクの液位Ｌｆとの存在範囲の具体的な関係は次の通りである。つまり、図７の「Ｌｏｗ状態」の欄に示すように、第１高さＬＬ、第２高さＬＭおよび第３高さＬＨのいずれにもインクが存在しない場合には、供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆは、第１高さＬＬ未満の範囲Ｌｏｗに存在する。図７の「Ｍｉｄ状態」の欄に示すように、第１高さＬＬにインクが存在する一方、第２高さＬＭおよび第３高さＬＨにインクが存在しない場合には、供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆは、第１高さＬＬ以上であって第２高さＬＭ未満の範囲Ｍｉｄに存在する。図７の「Ｈｉｇｈ状態」の欄に示すように、第１高さＬＬおよび第２高さＬＭにインクが存在する一方、第３高さＬＨにインクが存在しない場合には、供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆは、第２高さＬＭ以上であって第３高さＬＨ未満の範囲Ｈｉｇｈに存在する。図７の「Ｏｖｆ状態」の欄に示すように、第１高さＬＬ、第２高さＬＭおよび第３高さＬＨのいずれにもインクが存在する場合には、供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆは、第３高さＬＨ以上の範囲Ｏｖｆに存在する。

そして、循環モード決定部８１７（図６）は、供給液位取得部８１５が供給液位検出部９７から取得した供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆと、回収液位取得部８１６が回収液位検出部９８から取得した回収タンク９２ａ内のインクの液位Ｌｒとに基づき、インク供給・回収・補給・循環機構９でインクを送液させる循環モードを制御する。

図８は制御部によって実行される循環モード制御の一例を示すフローチャートであり、図９は図８の循環モード制御において参照される循環モードデータの一例をテーブル形式で示す図である。図９の循環モードデータＤｍは、記憶部８２の循環モードデータ記憶部８２１に予め保存されており、循環モード決定部８１７は、記憶部８２の循環モードデータ記憶部８２１から循環モードデータＤｍを読み出して、これを参照する。

図８の循環モード制御のステップＳ１０１では、供給液位取得部８１５が供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆを供給液位検出部９７から取得する。また、ステップＳ１０２では、回収液位取得部８１６が回収タンク９２ａ内のインクの液位Ｌｒを回収液位検出部９８から取得する。なお、ステップＳ１０１、Ｓ１０２の実行順序はこの例に限られず、逆あるいは同時でもよい。

ステップＳ１０３では、循環モード決定部８１７は、供給液位取得部８１５が取得した供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆと、回収液位取得部８１６が取得した回収タンク９２ａ内のインクの液位Ｌｒとの組み合わせと、循環モードデータＤｍとに基づき、循環モードを決定する。図９に示すように、循環モードデータＤｍは、循環モード１～１１における循環ポンプ９０２、補給電磁弁Ｖｌ１および戻り電磁弁Ｖｌ２の動作を規定する。

図９に示すように、供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆが範囲Ｌｏｗであり、回収タンク９２ａ内のインクの液位Ｌｒが範囲Ｌｏｗである場合には、循環モード決定部８１７は、循環モード１を実行すると決定する。この循環モード１では、循環ポンプ制御部８１１は、循環ポンプ９０２の出力が維持されるように循環ポンプ９０２を制御し、補給電磁弁制御部８１３は、補給電磁弁Ｖｌ１が開くように補給電磁弁Ｖｌ１を制御し、戻り電磁弁制御部８１４は、戻り電磁弁Ｖｌ２が閉じるように戻り電磁弁Ｖｌ２を制御する。つまり、図４に示すように、インクがバッファタンク９５ａから補給電磁弁Ｖｌ１を介して回収タンク９２ａに到達する補給経路Ｃｓに沿って、バッファタンク９５ａから回収タンク９２ａにインクが補給される。

図９に示すように、供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆが範囲Ｌｏｗであり、回収タンク９２ａ内のインクの液位Ｌｒが範囲Ｍｉｄである場合には、循環モード決定部８１７は、循環モード２を実行すると決定する。この循環モード２では、循環ポンプ制御部８１１は、循環ポンプ９０２の出力が増大するように循環ポンプ９０２を制御し、補給電磁弁制御部８１３は、補給電磁弁Ｖｌ１が開くように補給電磁弁Ｖｌ１を制御し、戻り電磁弁制御部８１４は、戻り電磁弁Ｖｌ２が閉じるように戻り電磁弁Ｖｌ２を制御する。つまり、図４に示すように、上記の補給経路Ｃｓに沿って、バッファタンク９５ａから回収タンク９２ａにインクが補給される。また、循環ポンプ９０２の出力の増大によって、回収タンク９２ａから供給タンク９１ａへのインクの送液量が増大する。

図９に示すように、供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆが範囲Ｌｏｗであり、回収タンク９２ａ内のインクの液位Ｌｒが範囲Ｈｉｇｈである場合には、循環モード決定部８１７は、循環モード３を実行すると決定する。この循環モード３では、循環ポンプ制御部８１１は、循環ポンプ９０２の出力が増大するように循環ポンプ９０２を制御し、補給電磁弁制御部８１３は、補給電磁弁Ｖｌ１が閉じるように補給電磁弁Ｖｌ１を制御し、戻り電磁弁制御部８１４は、戻り電磁弁Ｖｌ２が開くように戻り電磁弁Ｖｌ２を制御する。つまり、図５に示すように、インクがバッファタンク９５ａから補給配管９５ｂによって分岐点Ｊまで送液されて戻り配管９６１に分岐した後に、戻り配管９６１によって戻り電磁弁Ｖｌ２を介してバッファタンク９５ａに戻される循環経路Ｃｃ２に沿って、インクが循環される。また、循環ポンプ９０２の出力の増大によって、回収タンク９２ａから供給タンク９１ａへのインクの送液量が増大する。

図９に示すように、供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆが範囲Ｍｉｄであり、回収タンク９２ａ内のインクの液位Ｌｒが範囲Ｌｏｗである場合には、循環モード決定部８１７は、循環モード４を実行すると決定する。この循環モード４では、循環ポンプ制御部８１１は、循環ポンプ９０２の出力が減少するように循環ポンプ９０２を制御し、補給電磁弁制御部８１３は、補給電磁弁Ｖｌ１が開くように補給電磁弁Ｖｌ１を制御し、戻り電磁弁制御部８１４は、戻り電磁弁Ｖｌ２が閉じるように戻り電磁弁Ｖｌ２を制御する。つまり、図４に示すように、上記の補給経路Ｃｓに沿って、バッファタンク９５ａから回収タンク９２ａにインクが補給される。また、循環ポンプ９０２の出力の減少によって、回収タンク９２ａから供給タンク９１ａへのインクの送液量が減少する。

図９に示すように、供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆが範囲Ｍｉｄであり、回収タンク９２ａ内のインクの液位Ｌｒが範囲Ｍｉｄである場合には、循環モード決定部８１７は、循環モード５を実行すると決定する。この循環モード５では、循環ポンプ制御部８１１は、循環ポンプ９０２の出力が維持されるように循環ポンプ９０２を制御し、補給電磁弁制御部８１３は、補給電磁弁Ｖｌ１が閉じるように補給電磁弁Ｖｌ１を制御し、戻り電磁弁制御部８１４は、戻り電磁弁Ｖｌ２が開くように戻り電磁弁Ｖｌ２を制御する。つまり、図５に示すように、インクがバッファタンク９５ａから補給配管９５ｂによって分岐点Ｊまで送液されて戻り配管９６１に分岐した後に、戻り配管９６１によって戻り電磁弁Ｖｌ２を介してバッファタンク９５ａに戻される循環経路Ｃｃ２に沿って、インクが循環される。

図９に示すように、供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆが範囲Ｍｉｄであり、回収タンク９２ａ内のインクの液位Ｌｒが範囲Ｈｉｇｈである場合には、循環モード決定部８１７は、循環モード６を実行すると決定する。この循環モード６では、循環ポンプ制御部８１１は、循環ポンプ９０２の出力が増大するように循環ポンプ９０２を制御し、補給電磁弁制御部８１３は、補給電磁弁Ｖｌ１が閉じるように補給電磁弁Ｖｌ１を制御し、戻り電磁弁制御部８１４は、戻り電磁弁Ｖｌ２が開くように戻り電磁弁Ｖｌ２を制御する。つまり、図５に示すように、上記の循環経路Ｃｃ２に沿って、インクが循環される。また、循環ポンプ９０２の出力の増大によって、回収タンク９２ａから供給タンク９１ａへのインクの送液量が増大する。

図９に示すように、供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆが範囲Ｈｉｇｈであり、回収タンク９２ａ内のインクの液位Ｌｒが範囲Ｌｏｗである場合には、循環モード決定部８１７は、循環モード７を実行すると決定する。この循環モード７では、循環ポンプ制御部８１１は、循環ポンプ９０２の出力が減少するように循環ポンプ９０２を制御し、補給電磁弁制御部８１３は、補給電磁弁Ｖｌ１が閉じるように補給電磁弁Ｖｌ１を制御し、戻り電磁弁制御部８１４は、戻り電磁弁Ｖｌ２が開くように戻り電磁弁Ｖｌ２を制御する。つまり、図５に示すように、上記の循環経路Ｃｃ２に沿って、インクが循環される。また、循環ポンプ９０２の出力の減少によって、回収タンク９２ａから供給タンク９１ａへのインクの送液量が減少する。

図９に示すように、供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆが範囲Ｈｉｇｈであり、回収タンク９２ａ内のインクの液位Ｌｒが範囲Ｍｉｄである場合には、循環モード決定部８１７は、循環モード８を実行すると決定する。この循環モード８では、循環ポンプ制御部８１１は、循環ポンプ９０２の出力が減少するように循環ポンプ９０２を制御し、補給電磁弁制御部８１３は、補給電磁弁Ｖｌ１が閉じるように補給電磁弁Ｖｌ１を制御し、戻り電磁弁制御部８１４は、戻り電磁弁Ｖｌ２が開くように戻り電磁弁Ｖｌ２を制御する。つまり、図５に示すように、上記の循環経路Ｃｃ２に沿って、インクが循環される。また、循環ポンプ９０２の出力の減少によって、回収タンク９２ａから供給タンク９１ａへのインクの送液量が減少する。

図９に示すように、供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆが範囲Ｈｉｇｈであり、回収タンク９２ａ内のインクの液位Ｌｒが範囲Ｈｉｇｈである場合には、循環モード決定部８１７は、循環モード９を実行すると決定する。この循環モード９では、循環ポンプ制御部８１１は、循環ポンプ９０２が停止するように循環ポンプ９０２を制御し、補給電磁弁制御部８１３は、補給電磁弁Ｖｌ１が閉じるように補給電磁弁Ｖｌ１を制御し、戻り電磁弁制御部８１４は、戻り電磁弁Ｖｌ２が開くように戻り電磁弁Ｖｌ２を制御する。つまり、図５に示すように、上記の循環経路Ｃｃ２に沿って、インクが循環される。また、循環ポンプ９０２の停止によって、回収タンク９２ａから供給タンク９１ａへのインクの送液が停止する。

図９に示すように、供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆが範囲Ｏｖｆである場合には、循環モード決定部８１７は、循環モード１０を実行すると決定する。この循環モード１０では、循環ポンプ制御部８１１は、循環ポンプ９０２が停止するように循環ポンプ９０２を制御し、補給電磁弁制御部８１３は、補給電磁弁Ｖｌ１が閉じるように補給電磁弁Ｖｌ１を制御し、戻り電磁弁制御部８１４は、戻り電磁弁Ｖｌ２が開くように戻り電磁弁Ｖｌ２を制御する。つまり、上述の循環経路Ｃｃ１でのインクの循環が停止し、循環経路Ｃｃ２でのインクの循環が動作する。

図９に示すように、回収タンク９２ａ内のインクの液位Ｌｒが範囲Ｏｖｆである場合には、循環モード決定部８１７は、循環モード１１を実行すると決定する。この循環モード１０では、循環ポンプ制御部８１１は、循環ポンプ９０２が停止するように循環ポンプ９０２を制御し、補給電磁弁制御部８１３は、補給電磁弁Ｖｌ１が閉じるように補給電磁弁Ｖｌ１を制御し、戻り電磁弁制御部８１４は、戻り電磁弁Ｖｌ２が開くように戻り電磁弁Ｖｌ２を制御する。つまり、上述の循環経路Ｃｃ１でのインクの循環が停止し、循環経路Ｃｃ２でのインクの循環が動作する。

そして、図８のフローチャートのステップＳ１０４では、上記のようにしてステップＳ１０３で決定された循環モードが実行される。

以上に説明する実施形態では、インクが回収タンク９２ａから戻り配管９０１（第１戻り配管）を介して供給タンク９１ａに送液された後に供給配管９１ｂを介して吐出ヘッドＨに送液されて、さらに吐出ヘッドＨから回収配管９２ｂを介して回収タンク９２ａに送液される循環経路Ｃｃ１（第１循環経路）においてインクが循環される（第１循環工程）。これによって、供給タンク９１ａおよび回収タンク９２ａに貯留されるインクの成分の沈降が抑制される。また、バッファタンク９５ａと回収タンク９２ａとを接続する補給配管９５ｂには、補給ポンプ９５１が取り付けられている。したがって、吐出ヘッドＨからのインクの吐出に伴ってインクが消費された場合には、補給ポンプ９５１によってバッファタンク９５ａから補給配管９５ｂを介して回収タンク９２ａにインクを補給することができる（補給工程）。

特にこの実施形態では、補給ポンプ９５１と回収タンク９２ａとの間において補給配管９５ｂに設けられた分岐点Ｊとバッファタンク９５ａとを流路接続する戻り配管９６１（第２戻り配管）が設けられている。さらに、補給配管９５ｂに対しては、分岐点Ｊと回収タンク９２ａとの間において補給電磁弁Ｖｌ１（第１電磁弁）が設けられ、戻り配管９６１に対しては、分岐点Ｊとバッファタンク９５ａとの間において戻り電磁弁Ｖｌ２（第２電磁弁）が設けられている。この補給電磁弁Ｖｌ１は、開くことで補給ポンプ９５１によるバッファタンク９５ａから補給配管９５ｂを介した回収タンク９２ａへのインクの送液を許容し、閉じることで補給ポンプ９５１によるバッファタンク９５ａから補給配管９５ｂを介した回収タンク９２ａへのインクの送液を遮断する。また、戻り電磁弁Ｖｌ２は、開くことで分岐点Ｊからバッファタンク９５ａへの戻り配管９６１を介したインクの送液を許容し、閉じることで分岐点Ｊからバッファタンク９５ａへの戻り配管９６１を介したインクの送液を遮断する。したがって、補給電磁弁Ｖｌ１が開くとともに戻り電磁弁Ｖｌ２が閉じると、補給ポンプ９５１によって送液されるインクの補給電磁弁Ｖｌ１の通過が許容される一方、当該インクの戻り電磁弁Ｖｌ２の通過が禁止される。これによって、補給ポンプ９５１は、上記のように、バッファタンク９５ａから補給電磁弁Ｖｌ１を介して回収タンク９２ａにインクを補給できる。また、補給電磁弁Ｖｌ１が閉じるとともに戻り電磁弁Ｖｌ２が開くと、補給ポンプ９５１によって送液されるインクの補給電磁弁Ｖｌ１の通過が禁止される一方、当該インクの戻り電磁弁Ｖｌ２の通過が許容される。したがって、バッファタンク９５ａから補給配管９５ｂによって分岐点Ｊまで送液された後に分岐点Ｊからバッファタンク９５ａに戻り配管９６１によって送液される循環経路Ｃｃ２（第２循環経路）においてインクが循環される（第２循環工程）。その結果、吐出ヘッドＨに補給されるインクを貯留するバッファタンク９５ａ内のインクの成分の沈降が抑制される。

さらに言えば、この実施形態では、バッファタンク９５ａから回収タンク９２ａへのインクの補給と、循環経路Ｃｃ２におけるインクの循環との両方の動作が、補給ポンプ９５１によって実行される。したがって、各動作に対応して２個のポンプを設ける構成と比較して、ポンプの個数を抑えることができるといった効果も奏される。

また、供給タンク９１ａに対して設けられて、供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆ（供給液位）を検出する供給液位検出部９７と、回収タンク９２ａに対して設けられて、回収タンク９２ａ内のインクの液位Ｌｒ（回収液位）を検出する回収液位検出部９８とが具備されている。一方、制御部８１は、供給液位検出部９７が検出したインクの液位Ｌｆを取得する供給液位取得部８１５と、回収液位検出部９８が検出したインクの液位Ｌｒを取得する回収液位取得部８１６とをさらに有する。そして、補給電磁弁制御部８１３（第１電磁弁制御部）は、供給液位検出部９７が検出したインクの液位Ｌｆと、回収液位検出部９８が検出したインクの液位Ｌｒとに基づき、補給電磁弁Ｖｌ１の開閉を制御し、戻り電磁弁制御部８１４（第２電磁弁制御部）は、供給液位検出部９７が検出したインクの液位Ｌｆと、回収液位検出部９８が検出したインクの液位Ｌｒとに基づき、戻り電磁弁Ｖｌ２の開閉を制御する。かかる構成では、供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆと回収タンク９２ａ内のインクの液位Ｌｒに応じて、回収タンク９２ａへのインクの補給や、循環経路Ｃｃ２におけるインクの循環を実行することができる。

また、供給液位検出部９７は、供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆが第１高さＬＬ（第１供給閾値）未満である範囲Ｌｏｗ（第１供給液位範囲）と、第１高さＬＬより第２高さＬＭ（高い第２供給閾値）未満であって第１高さＬＬ以上である範囲Ｍｉｄ（第２供給液位範囲）と、第２高さＬＭより高い第３高さＬＨ（第３供給閾値）未満であって第２高さＬＭ以上である範囲Ｈｉｇｈ（第３供給液位範囲）のいずれに位置するかを少なくとも検出する。また、回収液位検出部９８は、回収タンク９２ａ内のインクの液位Ｌｒが第１高さＬＬ（第１回収閾値）未満である範囲Ｌｏｗ（第１回収液位範囲）と、第１高さＬＬより第２高さＬＭ（高い第２回収閾値）未満であって第１高さＬＬ以上である範囲Ｍｉｄ（第２回収液位範囲）と、第２高さＬＭより高い第３高さＬＨ（第３回収閾値）未満であって第２高さＬＭ以上である範囲Ｈｉｇｈ（第３回収液位範囲）のいずれに位置するかを少なくとも検出する。かかる構成では、供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆおよび回収タンク９２ａ内のインクの液位Ｌｒを少なくとも３段階で検出した結果に応じて、回収タンク９２ａへのインクの補給や、循環経路Ｃｃ２におけるインクの循環を実行することができる。

また、供給液位取得部８１５が取得したインクの液位Ｌｆが範囲Ｍｉｄであって、回収液位取得部８１６が取得したインクの液位Ｌｒが範囲Ｍｉｄあるいは範囲Ｈｉｇｈである場合（循環モード５、６）には、補給電磁弁Ｖｌ１が閉じるように補給電磁弁制御部８１３が補給電磁弁Ｖｌ１を制御し、戻り電磁弁Ｖｌ２が開くように戻り電磁弁制御部８１４が戻り電磁弁Ｖｌ２を制御して、循環経路Ｃｃ２においてインクが循環される。かかる構成では、供給タンク９１ａおよび回収タンク９２ａそれぞれのインクの量が多いタイミングを利用して、循環経路Ｃｃ２でインクの循環を行って、バッファタンク９５ａ内のインクの沈降を抑えることができる。

この際、供給液位取得部８１５が取得したインクの液位Ｌｆが範囲Ｍｉｄであって、回収液位取得部８１６が取得したインクの液位Ｌｒが範囲Ｈｉｇｈである場合（循環モード６）には、循環ポンプ９０２がインクを送液する出力が増大するように循環ポンプ制御部８１１が循環ポンプ９０２を制御する。かかる構成では、循環ポンプ９０２によって回収タンク９２ａから供給タンク９１ａに送液されるインクの量を増大させて、回収タンク９２ａ内のインクが過多となるのを抑制できる。

また、供給液位取得部８１５が取得したインクの液位Ｌｆが範囲Ｈｉｇｈである場合（循環モード７、８、９）には、補給電磁弁Ｖｌ１が閉じるように補給電磁弁制御部８１３が補給電磁弁Ｖｌ１を制御し、戻り電磁弁Ｖｌ２が開くように戻り電磁弁制御部８１４が戻り電磁弁Ｖｌ２を制御して、循環経路Ｃｃ２においてインクが循環される。かかる構成では、供給タンク９１ａ内のインクの量が多いタイミングを利用して、循環経路Ｃｃ２でインクの循環を行って、バッファタンク９５ａ内のインクの沈降を抑えることができる。

この際、供給液位取得部８１５が取得したインクの液位Ｌｆが範囲Ｈｉｇｈであって、回収液位検出部９８が取得したインクの液位Ｌｒが範囲Ｌｏｗあるいは範囲Ｍｉｄである場合（循環モード７、８）には、循環ポンプ９０２がインクを送液する出力が減少するように循環ポンプ制御部８１１が循環ポンプ９０２を制御する。かかる構成では、循環ポンプ９０２によって回収タンク９２ａから供給タンク９１ａに送液されるインクの量を減少させて、供給タンク９１ａ内のインクが過多となるのを抑制できる。

あるいは、供給液位取得部８１５が取得したインクの液位Ｌｆが範囲Ｈｉｇｈであって、回収液位取得部８１６が取得したインクの液位Ｌｒが範囲Ｈｉｇｈである場合（循環モード９）には、循環ポンプ９０２が停止するように循環ポンプ制御部８１１が循環ポンプ９０２を制御する。かかる構成では、循環ポンプ９０２によって回収タンク９２ａから供給タンク９１ａへのインクの送液を停止させて、供給タンク９１ａ内のインクが過多となるのを抑制できる。

また、供給液位取得部８１５が取得したインクの液位Ｌｆが範囲Ｌｏｗであって、回収液位取得部８１６が取得したインクの液位Ｌｒが範囲Ｌｏｗあるいは範囲Ｍｉｄである場合（循環モード１、２）には、補給電磁弁Ｖｌ１が開くように補給電磁弁制御部８１３が補給電磁弁Ｖｌ１を制御し、戻り電磁弁Ｖｌ２が閉じるように戻り電磁弁制御部８１４が戻り電磁弁Ｖｌ２を制御して、補給経路Ｃｓによってインクがバッファタンク９５ａに送液される。かかる構成では、供給タンク９１ａ内のインクの量が少なくなったのに応じて、バッファタンク９５ａから供給タンク９１ａにインクが補給される。こうして回収タンク９２ａに補給されたインクは、循環ポンプ９０２によって回収タンク９２ａから供給タンク９１ａへ送液される。その結果、供給タンク９１ａ内のインクの不足を解消できる。

この際、供給液位取得部８１５が取得したインクの液位Ｌｆが範囲Ｌｏｗであって、回収液位取得部８１６が取得したインクの液位Ｌｒが範囲Ｍｉｄである場合（循環モード２）には、循環ポンプ９０２がインクを送液する出力が増大するように循環ポンプ制御部８１１が循環ポンプ９０２を制御する。かかる構成では、循環ポンプ９０２によって回収タンク９２ａから供給タンク９１ａに送液されるインクの量を増大させて、供給タンク９１ａ内のインクの不足を解消できる。

また、供給液位取得部８１５が取得したインクの液位Ｌｆが範囲Ｍｉｄであって、回収液位取得部８１６が取得したインクの液位Ｌｒが範囲Ｌｏｗである場合（循環モード４）には、補給電磁弁Ｖｌ１が開くように補給電磁弁制御部８１３が補給電磁弁Ｖｌ１を制御し、戻り電磁弁Ｖｌ２が閉じるように戻り電磁弁制御部８１４が戻り電磁弁Ｖｌ２を制御して、循環経路Ｃｃ１においてインクが循環される。かかる構成では、回収タンク９２ａ内のインクの量が少なくなったのに応じて、バッファタンク９５ａから回収タンク９２ａにインクが補給され、回収タンク９２ａ内のインクの不足を解消できる。

また、供給液位取得部８１５が取得したインクの液位Ｌｆが範囲Ｍｉｄであって、回収液位取得部８１６が取得したインクの液位Ｌｒが範囲Ｌｏｗである場合（循環モード４）には、循環ポンプ９０２がインクを送液する出力が減少するように循環ポンプ制御部８１１が循環ポンプ９０２を制御する。かかる構成では、循環ポンプ９０２によって回収タンク９２ａから供給タンク９１ａに送液されるインクの量を減少させて、回収タンク９２ａ内のインクが過少となるのを抑制できる。

また、供給液位取得部８１５が取得したインクの液位Ｌｆが範囲Ｌｏｗであって、回収液位取得部８１６が取得したインクの液位Ｌｒが範囲Ｈｉｇｈである場合（循環モード３）には、補給電磁弁Ｖｌ１が閉じるように補給電磁弁制御部８１３が補給電磁弁Ｖｌ１を制御し、戻り電磁弁Ｖｌ２が開くように戻り電磁弁制御部８１４が戻り電磁弁Ｖｌ２を制御する。かかる構成では、回収タンク９２ａ内のインクの量が多いタイミングを利用して、循環経路Ｃｃ２でインクの循環を行って、バッファタンク９５ａ内のインクの沈降を抑えることができる。

また、供給液位取得部８１５が取得したインクの液位Ｌｆが範囲Ｌｏｗであって、回収液位取得部８１６が取得したインクの液位Ｌｒが範囲Ｈｉｇｈである場合（循環モード３）には、循環ポンプ９０２がインクを送液する出力が増大するように循環ポンプ制御部８１１が循環ポンプ９０２を制御する。かかる構成では、循環ポンプ９０２によって回収タンク９２ａから供給タンク９１ａに送液されるインクの量を増大させて、供給タンク９１ａ内のインクの不足を解消できる。

以上に説明した実施形態では、印刷装置３が本発明の「印刷装置」の一例に相当し、制御部８１が本発明の「制御部」の一例に相当し、循環ポンプ制御部８１１が本発明の「循環ポンプ制御部」の一例に相当し、補給ポンプ制御部８１２が本発明の「補給ポンプ制御部」の一例に相当し、補給電磁弁制御部８１３が本発明の「第１電磁弁制御部」の一例に相当し、戻り電磁弁制御部８１４が本発明の「第２電磁弁制御部」の一例に相当し、供給液位取得部８１５が本発明の「供給液位取得部」の一例に相当し、回収液位取得部８１６が本発明の「回収液位取得部」の一例に相当し、戻り配管９０１が本発明の「第１戻り配管」の一例に相当し、循環ポンプ９０２が本発明の「循環ポンプ」の一例に相当し、供給タンク９１ａが本発明の「供給タンク」の一例に相当し、供給配管９１ｂが本発明の「供給配管」の一例に相当し、回収タンク９２ａが本発明の「回収タンク」の一例に相当し、回収配管９２ｂが本発明の「回収配管」の一例に相当し、バッファタンク９５ａが本発明の「バッファタンク」の一例に相当し、補給配管９５ｂが本発明の「補給配管」の一例に相当し、補給ポンプ９５１が本発明の「補給ポンプ」の一例に相当し、戻り配管９６１が本発明の「第２戻り配管」の一例に相当し、供給液位検出部９７が本発明の「供給液位検出部」の一例に相当し、回収液位検出部９８が本発明の「回収液位検出部」の一例に相当し、循環経路Ｃｃ１が本発明の「第１循環経路」の一例に相当し、補給経路Ｃｓが本発明の「補給経路」の一例に相当し、循環経路Ｃｃ２が本発明の「第２循環経路」の一例に相当し、吐出ヘッドＨが本発明の「吐出ヘッド」の一例に相当し、補給電磁弁Ｖｌ１が本発明の「第１電磁弁」の一例に相当し、戻り電磁弁Ｖｌ２が本発明の「第２電磁弁」の一例に相当する。

なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、供給液位検出部９７が供給タンク９１ａ内のインクの液位Ｌｆを検出するために用いる閾値は、上記の第１高さＬＬ、第２高さＬＭおよび第３高さＬＨの例に限られず、これより多くても少なくてもよい。

また、インク供給・回収・補給・循環機構９において実行できる循環モードのバリエーションは、図９の例に限られない。

また、循環経路Ｃｃ２（第２循環経路）におけるインクの循環では、インクの成分の沈降が抑制できる程度にインクが流動すればよい。そこで、補給ポンプ９５１によって送液されるインクが補給経路Ｃｓに沿ってバッファタンク９５ａから回収タンク９２ａに補給される場合（例えば、循環モード１、２、４）の補給ポンプ９５１の出力より、補給ポンプ９５１によって送液されるインクが循環経路Ｃｃ２に沿って循環される場合（例えば、循環モード５～９）の補給ポンプ９５１の出力が低くなるように、補給ポンプ制御部８１２は補給ポンプ９５１を制御してもよい。

本発明は、インクを貯留するバッファタンクから吐出ヘッドに補給されたインクを吐出ヘッドから吐出する印刷技の全般に適用可能である。

３…印刷装置
８１…制御部
８１１…循環ポンプ制御部
８１２…補給ポンプ制御部
８１３…補給電磁弁制御部（第１電磁弁制御部）
８１４…戻り電磁弁制御部（第２電磁弁制御部）
８１５…供給液位取得部
８１６…回収液位取得部
９０１…戻り配管（第１戻り配管）
９０２…循環ポンプ
９１ａ…供給タンク
９１ｂ…供給配管
９２ａ…回収タンク
９２ｂ…回収配管
９５ａ…バッファタンク
９５ｂ…補給配管
９５１…補給ポンプ
９６１…戻り配管（第２戻り配管）
９７…供給液位検出部
９８…回収液位検出部
Ｃｃ１…循環経路（第１循環経路）
Ｃｃ２…循環経路（第２循環経路）
Ｃｓ…補給経路
Ｈ…吐出ヘッド
Ｖｌ１…補給電磁弁（第１電磁弁）
Ｖｌ２…戻り電磁弁（第２電磁弁）

Claims (16)

1. インクを吐出するノズルを有する吐出ヘッドと、
   前記吐出ヘッドに供給される前記インクを貯留する供給タンクと、
   前記供給タンクと前記吐出ヘッドとを流路接続して、前記供給タンクから前記吐出ヘッドへ前記インクを送液する供給配管と、
   前記吐出ヘッドから回収される前記インクを貯留する回収タンクと、
   前記回収タンクと前記吐出ヘッドとを流路接続して、前記吐出ヘッドから前記回収タンクへ前記インクを送液する回収配管と、
   前記回収タンクと前記供給タンクとを流路接続して、前記回収タンクから前記供給タンクへ前記インクを送液する第１戻り配管と、
   前記回収タンクと前記供給タンクとの間において前記第１戻り配管に設けられて、前記回収タンクから前記供給タンクに前記インクを送液する循環ポンプと、
   前記回収タンクに補給される前記インクを貯留するバッファタンクと、
   前記バッファタンクと前記回収タンクとを流路接続して、前記バッファタンクから前記回収タンクへ前記インクを送液する補給配管と、
   前記バッファタンクと前記回収タンクとの間において前記補給配管に設けられて、前記バッファタンクから前記回収タンクへ前記インクを送液する補給ポンプと、
   前記補給ポンプと前記回収タンクとの間において前記補給配管に設けられて、開くことで前記補給ポンプによる前記バッファタンクから前記補給配管を介した前記回収タンクへの前記インクの送液を許容し、閉じることで前記補給ポンプによる前記バッファタンクから前記補給配管を介した前記回収タンクへの前記インクの送液を遮断する第１電磁弁と、
   前記第１電磁弁と前記補給ポンプの間の位置において前記補給配管に設けられた分岐点と、前記バッファタンクとを流路接続して、前記補給配管の前記分岐点から前記バッファタンクに前記インクを送液する第２戻り配管と、
   前記分岐点と前記バッファタンクとの間において前記第２戻り配管に設けられて、開くことで前記分岐点から前記バッファタンクへの前記第２戻り配管を介した前記インクの送液を許容し、閉じることで前記分岐点から前記バッファタンクへの前記第２戻り配管を介した前記インクの送液を遮断する第２電磁弁と、
   前記循環ポンプを制御する循環ポンプ制御部、前記補給ポンプを制御する補給ポンプ制御部、前記第１電磁弁を制御する第１電磁弁制御部および前記第２電磁弁を制御する第２電磁弁制御部を有する制御部と
   を備え、
   前記循環ポンプが前記インクを前記回収タンクから前記供給タンクに向けて送液するように前記循環ポンプ制御部が前記循環ポンプを制御すると、前記インクが前記回収タンクから前記第１戻り配管を介して前記供給タンクに送液された後に前記供給配管を介して前記吐出ヘッドに送液されて、さらに前記吐出ヘッドから前記回収配管を介して前記回収タンクに送液される第１循環経路において前記インクが循環され、
   前記第１電磁弁が開くように前記第１電磁弁制御部が前記第１電磁弁を制御しつつ、前記第２電磁弁が閉じるように前記第２電磁弁制御部が前記第２電磁弁を制御し、前記補給ポンプが前記インクを前記バッファタンクから前記回収タンクに向けて送液するように前記補給ポンプ制御部が前記補給ポンプを制御すると、前記インクが前記補給配管によって前記バッファタンクから前記第１電磁弁を介して前記回収タンクに送液される補給経路によって前記インクが前記回収タンクに補給される一方、
   前記第１電磁弁が閉じるように前記第１電磁弁制御部が前記第１電磁弁を制御しつつ、前記第２電磁弁が開くように前記第２電磁弁制御部が前記第２電磁弁を制御し、前記補給ポンプが前記インクを前記バッファタンクから前記分岐点に向けて送液するように前記補給ポンプ制御部が前記補給ポンプを制御すると、前記インクが前記バッファタンクから前記補給配管によって前記分岐点まで送液された後に前記分岐点から前記バッファタンクに前記第２戻り配管によって送液される第２循環経路において前記インクが循環される印刷装置。
2. 前記供給タンクに対して設けられて、前記供給タンク内の前記インクの液位である供給液位を検出する供給液位検出部と、
   前記回収タンクに対して設けられて、前記回収タンク内の前記インクの液位である回収液位を検出する回収液位検出部と
   をさらに備え、
   前記制御部は、前記供給液位検出部が検出した前記供給液位を取得する供給液位取得部と、前記回収液位検出部が検出した前記回収液位を取得する回収液位取得部とをさらに有し、
   前記第１電磁弁制御部は、前記供給液位検出部が検出した前記供給液位と、前記回収液位検出部が検出した前記回収液位とに基づき、前記第１電磁弁の開閉を制御し、
   前記第２電磁弁制御部は、前記供給液位検出部が検出した前記供給液位と、前記回収液位検出部が検出した前記回収液位とに基づき、前記第２電磁弁の開閉を制御する請求項１に記載の印刷装置。
3. 前記供給液位検出部は、前記供給タンク内の前記インクの液位が第１供給閾値未満である第１供給液位範囲と、前記第１供給閾値より高い第２供給閾値未満であって前記第１供給閾値以上である第２供給液位範囲と、前記第２供給閾値より高い第３供給閾値未満であって前記第２供給閾値以上である第３供給液位範囲のいずれに位置するかを検出し、
   前記回収液位検出部は、前記回収タンク内の前記インクの液位が第１回収閾値未満である第１回収液位範囲と、前記第１回収閾値より高い第２回収閾値未満であって前記第１回収閾値以上である第２回収液位範囲と、前記第２回収閾値より高い第３回収閾値未満であって前記第２回収閾値以上である第３回収液位範囲のいずれに位置するかを検出する請求項２に記載の印刷装置。
4. 前記供給液位取得部が取得した前記供給液位が前記第２供給液位範囲であって、前記回収液位取得部が取得した前記回収液位が前記第２回収液位範囲あるいは前記第３回収液位範囲である場合には、前記第１電磁弁が閉じるように前記第１電磁弁制御部が前記第１電磁弁を制御し、前記第２電磁弁が開くように前記第２電磁弁制御部が前記第２電磁弁を制御して、前記第２循環経路において前記インクが循環される請求項３に記載の印刷装置。
5. 前記供給液位取得部が取得した前記供給液位が前記第２供給液位範囲であって、前記回収液位取得部が取得した前記回収液位が前記第３回収液位範囲である場合には、前記循環ポンプが前記インクを送液する出力が増大するように前記循環ポンプ制御部が前記循環ポンプを制御する請求項４に記載の印刷装置。
6. 前記供給液位取得部が取得した前記供給液位が前記第３供給液位範囲である場合には、前記第１電磁弁が閉じるように前記第１電磁弁制御部が前記第１電磁弁を制御し、前記第２電磁弁が開くように前記第２電磁弁制御部が前記第２電磁弁を制御して、前記第２循環経路において前記インクが循環される請求項３ないし５のいずれか一項に記載の印刷装置。
7. 前記供給液位取得部が取得した前記供給液位が前記第３供給液位範囲であって、前記回収液位取得部が取得した前記回収液位が前記第１回収液位範囲あるいは前記第２回収液位範囲である場合には、前記循環ポンプが前記インクを送液する出力が減少するように前記循環ポンプ制御部が前記循環ポンプを制御する請求項６に記載の印刷装置。
8. 前記供給液位取得部が取得した前記供給液位が前記第３供給液位範囲であって、前記回収液位取得部が取得した前記回収液位が前記第３回収液位範囲である場合には、前記循環ポンプが停止するように前記循環ポンプ制御部が前記循環ポンプを制御する請求項６または７に記載の印刷装置。
9. 前記供給液位取得部が取得した前記供給液位が前記第１供給液位範囲であって、前記回収液位取得部が取得した前記回収液位が前記第１回収液位範囲あるいは前記第２回収液位範囲である場合には、前記第１電磁弁が開くように前記第１電磁弁制御部が前記第１電磁弁を制御し、前記第２電磁弁が閉じるように前記第２電磁弁制御部が前記第２電磁弁を制御して、前記補給経路によって前記インクが前記バッファタンクに送液される請求項３ないし８のいずれか一項に記載の印刷装置。
10. 前記供給液位取得部が取得した前記供給液位が前記第１供給液位範囲であって、前記回収液位取得部が取得した前記回収液位が前記第２回収液位範囲である場合には、前記循環ポンプが前記インクを送液する出力が増大するように前記循環ポンプ制御部が前記循環ポンプを制御する請求項９に記載の印刷装置。
11. 前記供給液位取得部が取得した前記供給液位が前記第２供給液位範囲であって、前記回収液位取得部が取得した前記回収液位が前記第１回収液位範囲である場合には、前記第１電磁弁が開くように前記第１電磁弁制御部が前記第１電磁弁を制御し、前記第２電磁弁が閉じるように前記第２電磁弁制御部が前記第２電磁弁を制御して、前記第１循環経路において前記インクが循環される請求項３ないし１０のいずれか一項に記載の印刷装置。
12. 前記供給液位取得部が取得した前記供給液位が前記第２供給液位範囲であって、前記回収液位取得部が取得した前記回収液位が前記第１回収液位範囲である場合には、前記循環ポンプが前記インクを送液する出力が減少するように前記循環ポンプ制御部が前記循環ポンプを制御する請求項１１に記載の印刷装置。
13. 前記供給液位取得部が取得した前記供給液位が前記第１供給液位範囲であって、前記回収液位取得部が取得した前記回収液位が前記第３回収液位範囲である場合には、前記第１電磁弁が閉じるように前記第１電磁弁制御部が前記第１電磁弁を制御し、前記第２電磁弁が開くように前記第２電磁弁制御部が前記第２電磁弁を制御する請求項３ないし１２のいずれか一項に記載の印刷装置。
14. 前記供給液位取得部が取得した前記供給液位が前記第１供給液位範囲であって、前記回収液位取得部が取得した前記回収液位が前記第３回収液位範囲である場合には、前記循環ポンプが前記インクを送液する出力が増大するように前記循環ポンプ制御部が前記循環ポンプを制御する請求項１３に記載の印刷装置。
15. 前記補給ポンプによって送液される前記インクが前記補給経路に沿って前記バッファタンクから前記回収タンクに補給されるときの前記補給ポンプの出力より、前記補給ポンプによって送液される前記インクが前記第２循環経路に沿って循環されるときの前記補給ポンプの出力が低くなるように、前記補給ポンプ制御部は前記補給ポンプを制御する請求項１ないし１４のいずれか一項に記載の印刷装置。
16. インクを吐出するノズルを有する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドに供給される前記インクを貯留する供給タンクと、前記供給タンクと前記吐出ヘッドとを流路接続して、前記供給タンクから前記吐出ヘッドへ前記インクを送液する供給配管と、前記吐出ヘッドから回収される前記インクを貯留する回収タンクと、前記回収タンクと前記吐出ヘッドとを流路接続して、前記吐出ヘッドから前記回収タンクへ前記インクを送液する回収配管と、前記回収タンクと前記供給タンクとを流路接続して、前記回収タンクから前記供給タンクへ前記インクを送液する第１戻り配管と、前記回収タンクと前記供給タンクとの間において前記第１戻り配管に設けられて、前記回収タンクから前記供給タンクに前記インクを送液する循環ポンプとを備えた印刷装置におけるインク送液方法であって、
    前記循環ポンプが前記インクを前記回収タンクから前記供給タンクに向けて送液することで、前記インクが前記回収タンクから前記第１戻り配管を介して前記供給タンクに送液された後に前記供給タンクから前記供給配管を介して前記吐出ヘッドに送液されて、さらに前記吐出ヘッドから前記回収配管を介して前記回収タンクに送液される第１循環工程と、
    前記回収タンクに補給される前記インクを貯留するバッファタンクと前記回収タンクとを流路接続して、前記バッファタンクから前記回収タンクへ前記インクを送液する補給配管に設けられた補給ポンプによって前記バッファタンクから前記補給配管を介して前記回収タンクへ前記インクを送液する補給工程と、
    前記バッファタンクから、前記補給ポンプと前記回収タンクとの間において前記補給配管に設けられた分岐点に、前記補給ポンプによって前記インクを送液することで、前記インクが前記バッファタンクから前記補給配管によって前記分岐点まで送液された後に、前記分岐点と前記バッファタンクとを流路接続する第２戻り配管によって前記分岐点から前記バッファタンクに送液される第２循環工程と
    を備え、
    前記補給配管に対しては、前記分岐点と前記回収タンクとの間の位置において第１電磁弁が設けられて、
    前記第１電磁弁は、開くことで前記補給ポンプによる前記バッファタンクから前記補給配管を介した前記回収タンクへの前記インクの送液を許容し、閉じることで前記補給ポンプによる前記バッファタンクから前記補給配管を介した前記回収タンクへの前記インクの送液を遮断し、
    前記第２戻り配管に対しては、前記分岐点と前記バッファタンクとの間の位置において第２電磁弁が設けられて、
    前記第２電磁弁は、開くことで前記分岐点から前記バッファタンクへの前記第２戻り配管を介した前記インクの送液を許容し、閉じることで前記分岐点から前記バッファタンクへの前記第２戻り配管を介した前記インクの送液を遮断し、
    前記補給工程では、前記第１電磁弁が開くとともに前記第２電磁弁が閉じて、前記補給ポンプが前記バッファタンクから前記回収タンクに向けて前記インクを送液することで、前記インクが前記補給配管によって前記バッファタンクから前記第１電磁弁を介して前記回収タンクに送液され、
    前記第２循環工程では、前記第１電磁弁が閉じるとともに前記第２電磁弁が開いて、前記補給ポンプが前記バッファタンクから前記分岐点に向けて前記インクを送液することで、前記インクが前記バッファタンクから前記補給配管によって前記分岐点まで送液された後に前記分岐点から前記第２戻り配管によって前記バッファタンクに送液される印刷装置におけるインク送液方法。
    

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