JP2023138342A - 紫外線吸収性光硬化型塗料組成物および硬化塗膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性、耐候性、加熱伸張性、表面硬度、および耐湿熱性に優れる硬化塗膜を形成可能な紫外線吸収性光硬化型塗料組成物の提供。【解決手段】本発明による紫外線吸収性光硬化型塗料組成物は、(A)紫外線吸収性基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー、および紫外線吸収性基と(メタ)アクリロイル基とを有する樹脂から選ばれる少なくとも1種の化合物、(B)前記(A)以外の3官能以下で重量平均分子量(Mw)が1,000以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、および(D)光重合開始剤を含有する紫外線吸収性光硬化型塗料組成物であって、前記(A)成分の含有量が、前記塗料組成物の固形分量に対して10質量%以上40質量%以下であり、前記(B)の含有量が、前記塗料組成物の固形分量に対して40質量%以上85質量%以下であり、前記塗料組成物が、(C)多官能(メタ)アクリレートモノマーをさらに含んでもよく、前記(C)成分の含有量が、前記塗料組成物の固形分量に対して15質量%以下であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線吸収性光硬化型塗料組成物に関する。また、本発明は、紫外線吸収性光硬化型塗料組成物から形成される硬化塗膜に関する。
従来、樹脂成型物の表面保護のためには樹脂成型物の表面に対してスプレー塗装により、表面保護コーティングを施す工程が必要であった。しかしながら、その様なスプレー塗装用のコーティング剤に含まれる溶剤の塗装時の飛散が環境負荷の観点から問題となっていた。その問題を解決する手法として、予め表面保護層を形成したフィルムを樹脂成型時に表面に貼り付けるインモールド成型等の熱成型技術が注目され実用化されている。この様なインモールド成型に対応するためにフィルム上に形成する保護層には熱成型性(加熱伸張性)が必要であるが、一般的に保護層として使用されるコーティング剤は架橋密度が高く加熱伸張性に乏しいという課題があった。
また、屋外で使用される建材等の外装材や樹脂成型物に表面保護層を形成する場合には耐候性も必要とされるため、表面保護層に紫外線カット性を付与することが検討されてきた。例えば、特許文献1では、表面保護層に紫外線吸収剤を添加することが提案されている。しかし、このような表面保護層では、長期間の使用の結果、紫外線吸収剤がブリードアウトするという課題があった。
特開2018-100396号公報
本発明者らは、紫外線吸収成分を樹脂骨格に組み込んだ樹脂を光硬化型塗料組成物に配合することで、長期間の使用後であってもブリードアウトを抑制し、耐候性や耐湿熱性に優れた硬化塗膜を形成できることを知見した。
また、硬化塗膜を表面保護層として用いる場合には、透明性や表面硬度等の性能も要求される。
したがって、本発明の目的は、透明性、耐候性、加熱伸張性、表面硬度、および耐湿熱性に優れる硬化塗膜を形成可能な紫外線吸収性光硬化型塗料組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、(A)紫外線吸収性基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー、および、紫外線吸収性基と(メタ)アクリロイル基とを有する樹脂から選ばれる少なくとも1種の化合物、(B)前記(A)以外の3官能以下で重量平均分子量(Mw)が1,000以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、および(D)光重合開始剤を含有し、(C)多官能(メタ)アクリレートモノマーをさらに含有してもよい紫外線吸収性光硬化型塗料組成物において、(A)~(C)成分の含有量を調節することにより、上記課題を解決できることを知見した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1] (A)紫外線吸収性基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー、および紫外線吸収性基と(メタ)アクリロイル基とを有する樹脂から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(B)前記(A)成分以外の3官能以下で重量平均分子量(Mw)が1,000以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、および
(D)光重合開始剤、
を含有する紫外線吸収性光硬化型塗料組成物であって、
前記(A)成分の含有量が、前記塗料組成物の固形分量に対して10質量%以上40質量%以下であり、
前記(B)成分の含有量が、前記塗料組成物の固形分量に対して40質量%以上85質量%以下であり、
前記塗料組成物が、(C)多官能(メタ)アクリレートモノマーをさらに含んでもよく、
前記(C)成分の含有量が、前記塗料組成物の固形分量に対して15質量%以下である、紫外線吸収性光硬化型塗料組成物。
[2] 前記(A)成分以外の紫外線吸収成分を含まない、[1]に記載の紫外線吸収性光硬化型塗料組成物。
[3] 前記(D)成分が、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤およびアルキルフェノン系光重合開始剤の少なくとも1種を含む、[1]または[2]に記載の紫外線吸収性光硬化型塗料組成物。
[4] 前記塗料組成物が、(E)熱可塑性成分をさらに含む、[1]~[3]のいずれかに記載の紫外線吸収性光硬化型塗料組成物。
[5] 前記(E)成分が、(メタ)アクリル樹脂を含む、[4]に記載の紫外線吸収性光硬化型塗料組成物。
[6] [1]~[5]のいずれかに記載の紫外線吸収性光硬化型塗料組成物から形成される、硬化塗膜。
本発明によれば、透明性、耐候性、加熱伸張性、表面硬度、および耐湿熱性に優れる硬化塗膜を形成可能な紫外線吸収性光硬化型塗料組成物を提供することができる。また、本発明によれば、このような紫外線吸収性光硬化型塗料組成物から形成される硬化塗膜を提供することもできる。
<紫外線吸収性光硬化型塗料組成物>
本発明による紫外線吸収性光硬化型塗料組成物(以下、単に「塗料組成物」ということがある)は、少なくとも、下記の(A)成分、(B)成分、および(D)成分を含むものであり、さらに、(C)成分、(E)成分、(F)成分および溶剤等を含んでもよい。本発明による塗料組成物から形成された硬化塗膜は、透明性、耐候性、加熱伸張性、表面硬度、および耐湿熱性に優れるものである。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートを表し、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基を表し、「(メタ)アクリル樹脂」とは、アクリル樹脂およびメタクリル樹脂を表す。「固形分」とは、塗料組成物から有機溶剤等の揮発成分を除いたものであり、硬化させたときに硬化塗膜を構成する成分を示す。以下、塗料組成物を構成する各成分について説明する。
((A)成分)
(A)成分は、紫外線吸収性基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー、および、紫外線吸収性基と(メタ)アクリロイル基とを有する樹脂から選ばれる少なくとも1種の化合物である。紫外線吸収性基は、光の吸収波長が200~400nm程度であり、かつ吸収係数が大きい基である。紫外線吸収性基としては、例えば、ベンゾトリアゾール骨格、ベンゾフェノン骨格、オキシベンゾフェノン骨格、トリアジン骨格、サリチル酸フェニル骨格、シアノ(メタ)アクリレート骨格が挙げられる。これらの中でも、硬化塗膜の透明性および耐候性の観点から、ベンゾトリアゾール骨格またはトリアジン骨格が好ましい。(A)成分は、1種の紫外線吸収性基を有してもよく、2種以上の紫外線吸収性基を有してもよい。
(A)成分における紫外線吸収性基の含有割合は、(A)成分100質量%に対して、好ましくは1~90質量%、より好ましくは1~50質量%、さらに好ましくは1~30質量%である。このような態様であると、硬化塗膜の透明性、耐候性、および表面硬度のバランスを良好に保つことができる。
(A)成分は、(メタ)アクリロイル基を有し、好ましくはアクリロイル基を有する。アクリロイル基は、メタクリロイル基と比較して、反応性がより良好である。このため、未反応基を原因とする耐候性の低下を防止することができる。
(A)成分における(メタ)アクリロイル基数は、好ましくは3~20、より好ましくは4~15である。このような態様であると、硬化塗膜の表面硬度を良好にする観点から好ましい。
(A)成分は、紫外線吸収性基および(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。すなわち(A)成分は、活性エネルギー線反応性紫外線吸収剤であるので、本発明の塗料組成物の光硬化時に硬化系に取り込まれる。このため、硬化塗膜は優れた紫外線カット性を示すとともに、(A)成分のブリードアウト等も抑制することができ、耐候性および耐湿熱性を向上させることができる。
紫外線吸収性基を有する(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、それぞれ紫外線吸収性基を有する、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。これらの中でも、紫外線吸収性基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。
前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、分子内にウレタン結合(-NHCOO-)、紫外線吸収性基および(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。この化合物は、例えば、ポリイソシアネートとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートと、任意に用いるポリオールとのウレタン化反応生成物である。この反応において、ポリイソシアネートとポリオールとからイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを合成し、そこに、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを付加させてもよい。また、ポリイソシアネートに代えて、あるいはポリイソシアネートとともに、イソシアネート基含有(メタ)アクリレート、例えば2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートを用いてもよい。
さらに、任意にその他の共重合可能な(メタ)アクリレート、例えばメチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートを用いてもよい。例えば、その他の共重合可能な(メタ)アクリレートを前記オリゴマー中の一部の(メタ)アクリロイル基と反応させることができる。
前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの構成成分である、ポリイソシアネート、イソシアネート基含有(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート、ポリオールおよびその他の共重合可能な(メタ)アクリレートの少なくともいずれかは、紫外線吸収性基を有する。
紫外線吸収性基を有する、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートおよびその他の共重合可能な(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(メタ)アクリロイルオキシアルキルフェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、より具体的には、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール](大塚化学製、「RUVA-93」)、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-(メタ)アクリロイルオキシ-5’-メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2’-(メタ)アクリロイルオキシ-5’-t-オクチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2’-(メタ)アクリロイルオキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(β-(メタ)アクリロイルオキシアルコキシ)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール化合物;2-ヒドロキシ-4-(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-((メタ)アクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-(メタ)アクリロイルオキシメチルアミノベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-[(メタ)アクリロイルオキシメトキシ]ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-(メタ)アクリロイルオキシメチルチオベンゾフェノン、2-(メタ)アクリロイルオキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-(メタ)アクリロイルオキシ-2’-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-[2-(メタ)アクリロイルオキシ]エトキシベンゾフェノン、2,2’-ジ(メタ)アクリロイルオキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジ(メタ)アクリロイルオキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2-(メタ)アクリロイルオキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-[3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ]ベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-[3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ]ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-4-[2-(メタ)アクリロイルオキシ]ブトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン化合物;2-(4,6-ジフェニル-1,2,5-トリアジン-2-イル)-5-[(メタ)アクリロイルオキシエトキシ]-フェノールなどのトリアジン化合物;2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル(メタ)アクリレートなどのシアノ(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。なお、これらの化合物は、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基等の置換基を有していてもよい。
その他、紫外線吸収性基を有する、ポリイソシアネート、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートおよびポリオールの具体例については、下記の(B)成分の欄に記載する各モノマーに、紫外線吸収基を付加したものが挙げられる。また、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマーおよびエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、それぞれ下記に記載した具体例であって、さらに紫外線吸収性基を有するオリゴマーが挙げられる。ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーは、分子内に1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有し、例えば、ポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸との脱水縮合物が挙げられる。ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマーは、分子内に1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有し、例えば、ポリエーテルポリオールと(メタ)アクリル酸との脱水縮合物が挙げられる。エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、分子内に1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有し、例えば、ポリグリシジルエーテル等のエポキシ基含有化合物のエポキシ基に(メタ)アクリル酸を付加した化合物が挙げられる。
(A)成分は、紫外線吸収性基および(メタ)アクリロイル基を有する樹脂でもよい。(A)成分の基本骨格となる樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。(メタ)アクリロイル基は、例えば、エステル結合を含む基、ウレタン結合を含む基、またはエポキシ基の開環による結合(-CH(OH)-CH-)を含む基を介して、前記樹脂に結合している。
(A)成分としては、具体的には、紫外線吸収性基と、カルボキシ基、ヒドロキシ基、イソシアネート基およびエポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基とを有する樹脂に、前記官能基と反応可能な基を有する(メタ)アクリレート及び/又は(メタ)アクリル酸を付加して得られる樹脂(A-1);カルボキシ基、ヒドロキシ基、イソシアネート基およびエポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する樹脂に、前記官能基と反応可能な基および紫外線吸収性基を有する(メタ)アクリレートを付加して得られる樹脂(A-2);カルボキシ基、ヒドロキシ基、イソシアネート基およびエポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する樹脂に、前記官能基と反応可能な基および紫外線吸収性基を有する化合物と、前記官能基と反応可能な基を有する(メタ)アクリレート及び/又は(メタ)アクリル酸とを付加して得られる樹脂(A-3)が挙げられる。
前記樹脂(A-1)としては、例えば、紫外線吸収性基を有する重合性モノマーと、(メタ)アクリル酸、カルボキシ基含有(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート、イソシアネート基含有(メタ)アクリレートおよびエポキシ基含有(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種の官能基含有化合物と、必要に応じてコモノマーとを共重合して得られる(メタ)アクリル樹脂に、前記官能基と反応可能な基を有する(メタ)アクリレート及び/又は(メタ)アクリル酸を付加して得られる樹脂が挙げられる。前記重合方法は、例えば、ラジカル重合方法が挙げられる。
前記官能基含有化合物における(メタ)アクリレート、および前記官能基と反応可能な基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸β-カルボキシエチル等のカルボキシ基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
コモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリルが挙げられる。
紫外線吸収性基を有する重合性モノマーとしては、紫外線吸収性基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。このような(メタ)アクリレートとしては、例えば、<化合物(A)>のオリゴマーの欄に記載した、紫外線吸収性基を有する、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートおよびその他の共重合可能な(メタ)アクリレートが挙げられる。
(A)成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定される重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000~50,000、より好ましくは10,000~30,000である。(A)成分のGPC法により測定される数平均分子量(Mn)は、好ましくは600~7,000、より好ましくは700~5,000である。また、Mw/Mnは、好ましくは1.5~9、より好ましくは2~7である。このような態様であると、(A)成分の、各種非反応性溶剤への溶解性および他の成分との相溶性が良好であり、活性エネルギー線硬化性塗料組成物の塗工性に優れている。また、硬化塗膜の表面硬度を良好にすることができる。
GPC法の測定条件を以下に記載する。
・装置:東ソー製HLC-8120GPC
・カラム:東ソー製Super H2000+H4000
(各内径6mm、長さ15cm)
・展開溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
・カラム恒温槽温度:40℃
・流速:0.5ml/min
・対照:単分散ポリスチレン
・検出器:屈折率検出器
(A)成分の含有量は、塗料組成物の固形分量に対して10質量%以上40質量%以下であり、好ましくは12質量%以上38質量%以下であり、より好ましくは15質量%以上35質量%以下である。(A)成分の含有量が上記数値範囲内であれば、塗膜の紫外線による硬化に影響を与えることなく、耐候性、表面硬度、紫外線カット性、および耐湿熱性が良好な硬化塗膜を得ることができる。
((B)成分)
(B)成分は、前記(A)成分以外の3官能以下のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーである。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、分子内にウレタン結合(-NHCOO-)と、分子内に官能基として3個以下の(メタ)アクリロイル基とを有する化合物である。この化合物は、例えば、ポリイソシアネートと、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートと、任意に用いるポリオールとのウレタン化反応生成物である。この反応において、ポリイソシアネートとポリオールとからイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを合成し、そこに、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを付加させてもよい。また、ポリイソシアネートに代えて、あるいはポリイソシアネートとともに、イソシアネート基含有(メタ)アクリレート、例えば2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートを用いてもよい。さらに、任意にその他の共重合可能な(メタ)アクリレート、例えばメチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートを用いてもよい。
ポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族系または脂環式系のポリイソシアネートが挙げられ、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネートメチル)-シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;これらの化合物のビューレット体、イソシアヌレート体またはアロファネート体;これらの化合物のイソシアネート基の一部をトリメチロールプロパン、トリシクロデカンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等のアルコール、δ-ラクタム等のアミド、フタルイミド等のイミド、カルボジイミド、エポキシド等で変性した化合物が挙げられる。
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル基含有単官能(メタ)アクリレート;グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有多官能(メタ)アクリレート;これらのアルキレンオキサイド変性体またはカプロラクトン変性体が挙げられる。
ポリオールとしては、例えば、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グリセリン、水添ビスフェノールA等の脂肪族または脂環式ポリオールが挙げられる。
(B)成分は、GPC法により測定される重量平均分子量(Mw)が1,000以上であり、好ましくは1,200以上20,000以下であり、より好ましくは1,500以上15,000以下、特に好ましくは、1,700以上10,000以下である。(B)成分の重量平均分子量(Mw)が上記数値範囲内であれば、硬化塗膜の表面硬度、加熱伸張性が良好となる。GPC法の測定条件は、(A)成分の測定条件と同様である。
(B)成分の含有量は、塗料組成物の固形分量に対して40質量%以上85質量%以下であり、好ましくは45質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは50質量%以上75質量%以下である。(B)成分の含有量が上記数値範囲内であれば、硬化塗膜の紫外線カット性と加熱伸張性のバランスに優れる
((C)成分)
(C)成分は、前記(A)~(B)成分以外の多官能(メタ)アクリレートモノマーである。多官能(メタ)アクリレートモノマーとは、分子内に官能基として2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を意味する。
2官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレートおよびネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートおよびポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;テトラフルオロエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のハロゲン置換アルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族ポリオールのジ(メタ)アクリレート;水添ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の水添ジシクロペンタジエン又はトリシクロデカンジアルカノールのジ(メタ)アクリレート;1,3-ジオキサン-2,5-ジイルジ(メタ)アクリレート〔別名:ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート〕等のジオキサングリコール又はジオキサンジアルカノールのジ(メタ)アクリレート;ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジアクリレート物、ビスフェノールFエチレンオキサイド付加物ジアクリレート物等のビスフェノールA又はビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート;ビスフェノールAジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物、ビスフェノールFジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物等のビスフェノールA又はビスフェノールFのエポキシジ(メタ)アクリレート;シリコーンジ(メタ)アクリレート;ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのジ(メタ)アクリレート;2,2-ビス[4-(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシフェニル]プロパン;2,2-ビス[4-(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシシクロヘキシル]プロパン;2-(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-5-エチル-5-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキサン〕のジ(メタ)アクリレート;トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート;等が挙げられる。これらは1種のみで用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
3官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3価以上の脂肪族ポリオールのポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種のみで用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の多官能(メタ)アクリレートモノマーの中でも、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、およびジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を用いることが好ましい。
(C)成分の含有量は、塗料組成物の固形分量に対して15質量%以下であり、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。また、塗料組成物は、(C)成分を含まなくてもよい。(C)成分の含有量が上記数値範以下であれば、硬化塗膜の柔軟性が向上し、加熱伸張性が良好となる。
((D)成分)
(D)成分は、光重合開始剤である。光重合開始剤は、特に限定されず、従来公知の紫外線硬化用の光重合開始剤を用いることができる。光重合開始剤としては、例えば、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、アルキルフェノン系光重合開始剤、ベンゾイルホルメート系重合開始剤、チオキサントン系重合開始剤、オキシムエステル系重合開始剤、ベンゾフェノン系重合開始剤等が挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドおよびビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
アルキルフェノン系光重合開始剤としては、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2-ジメチル-2-フェニルアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシル)-フェニル]-2-ヒドロキシ-メチルプロパノン、2-ヒドロキシ-1-(4-(4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル) ベンジル)フェニル)-2-メチルプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4’-モルホリノブチロフェノン、および2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン等が挙げられる。
ベンゾイルホルメート系光重合開始剤としては、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。
チオキサントン系光重合開始剤としては、イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
オキシムエステル系光重合開始剤としては、1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]およびエタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)等が挙げられる。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、4-クロロベンゾフェノン、および4,4′-ジアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
(D)成分の含有量は、塗料組成物の固形分量に対して好ましくは0.1質量%以上15.0質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上10.0質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%以上7.0質量%以下である。(D)成分の含有量が上記数値範囲内であれば、塗料組成物の硬化性が良好となる。
((E)成分)
(E)成分は、(A)成分~(C)成分以外の熱可塑性成分である。熱可塑性成分としては、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。具体的には、熱可塑性樹脂として、(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、およびポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、熱可塑性樹脂として(メタ)アクリル樹脂を用いることが好ましい。
(E)成分の含有量は、塗料組成物の固形分量に対して好ましくは1質量%以上30質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上20質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以上20質量%以下である。(E)成分の含有量が上記数値範囲内であれば、硬化塗膜の柔軟性が向上し、加熱伸張性が良好となる。
((F)成分)
(F)成分は、フッ素系レベリング剤である。本発明による塗料組成物には、硬化塗膜の水接触角を調節する目的でフッ素系レベリング剤を含有してもよい。硬化塗膜の水接触角を調節することで、硬化塗膜に特定の表面特性を付与することができる。具体的には、水接触角を高くすると、硬化塗膜の撥水性が向上し、防汚性や耐擦傷性が良好となる。また、水接触角を低くすると、硬化塗膜上への塗装や印刷、蒸着といった後加工によって形成される塗膜のリコート性(本発明の塗料組成物から得られる硬化塗膜と、硬化塗膜上に後加工により形成される塗膜との層間密着性)が良好となる。フッ素系レベリング剤の種類は特に限定されるものではなく、目的とする表面特性を付与するのに適したものを使用することが出来る。
このようなフッ素系レベリング剤の市販品としては、例えば、水接触角を高くする場合には「メガファックRS-56」、「メガファックRS-75」、「メガファックRS-76-E」、「メガファックRS-76-NS」、「メガファックRS-78」、「メガファックRS-90」(いずれもDIC株式会社製)、「KY-1203」、「KY-1207」、「KY-1211」(いずれも信越化学工業株式会社製)や、「フタージェント601ADH2」(株式会社ネオス製)、「オプツールDAC-HP」、「オプツールDAC-100」(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられる。また、水接触角を低くする場合には「フタージェント602A」、「フタージェント650AC」、「フタージェント681A」、「フタージェント684A」(いずれも株式会社ネオス製)などが挙げられる。
(F)成分の含有量は、塗料組成物の固形分量に対して好ましくは0.01質量%以上5質量%以下であり、より好ましくは0.03質量%以上3質量%以下であり、さらに好ましくは0.05質量%以上2質量%以下である。
(その他の成分)
本発明による塗料組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、上記(A)成分~(F)成分以外の他の成分を更に含んでもよい。その他の成分としては、帯電防止剤、重合禁止剤、非反応性希釈剤、つや消し剤、消泡剤、分散剤、沈降防止剤、レベリング剤、撥水撥油剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、密着性向上剤、光増感剤、抗菌剤、防カビ剤、抗ウイルス剤、シランカップリング剤、擦傷防止剤等を必要に応じて配合することができる。
<紫外線吸収性光硬化型塗料組成物の調製方法>
本発明による紫外線吸収性光硬化型塗料組成物は、上記の各成分を、従来公知の混合機、分散機、撹拌機等の装置を用いて、混合・撹拌することにより得られる。このような装置としては、たとえば混合・分散ミル、ホモディスパー、モルタルミキサー、ロール、ペイントシェーカー、ホモジナイザー等が挙げられる。
本発明においては、紫外線吸収性光硬化型塗料組成物を塗布に適した粘度に調整する等、必要に応じて溶剤で希釈することができる。溶剤としては、塗料組成物中の樹脂分を溶解するものであれば特に限定されない。具体的には、芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレンおよびエチルベンゼン)、エステル又はエーテルエステル(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルおよびメトキシブチルアセテート)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールのモノメチルエーテルおよびジエチレングリコールのモノエチルエーテル)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ-n-ブチルケトンおよびシクロヘキサノン)、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n-又はi-プロパノール、n-、i-、sec-又はt-ブタノール、2-エチルヘキシルアルコールおよびベンジルアルコール)、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等)、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド)などが挙げられる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
<硬化塗膜>
本発明による紫外線吸収性光硬化型塗料組成物から形成された硬化塗膜は、厚さ5μmの場合、JIS K 7136:2000に準拠して測定した濁度が、1%以下であることが好ましく、0.7%以下であることがより好ましい。また、当該硬化塗膜は、厚さ5μm以下の場合、JIS K 7361-1:1997に準拠して測定した全光線透過率が、90%以上であることが好ましい。濁度および全光線透過率が上記範囲内であれば、硬化塗膜は透明性に優れる。
本発明による紫外線吸収性光硬化型塗料組成物から形成された硬化塗膜は、厚さ5μmの場合、波長370nmの光の透過率が30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、15%以下であることがより好ましい。波長370nmの光の透過率が上記範囲内であれば、硬化塗膜は、紫外線カット性に優れる。
本発明による紫外線吸収性光硬化型塗料組成物から形成された硬化塗膜は、厚さ5μm、15mm×150mmの短冊状の試験片の場合、温度150℃の条件で測定した伸張性(伸張率)が30%以上であることが好ましく、33%以上であることがより好ましく、35%以上であることがさらに好ましい。伸張率の数値が上記範囲内であれば、硬化塗膜は、加熱時の伸張性に優れ、熱成型用加飾フィルム用、特にインモールド成型用加飾フィルム用として好適に用いることができる。伸張性の測定方法は、後述する実施例に記載の方法である。
<塗膜付き基材>
本発明による塗膜付き基材は、上記の硬化塗膜を基材上に備えるものである。基材は、特に限定されるものではなく、従来公知の基材を用いることができる。例えば、塗膜付き基材がインモールド成型用加飾フィルムである場合には、基材として、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ナイロンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメタクリル酸メチルフィルム等の熱可塑性樹脂フィルムを用いることができる。
本発明による塗膜付き基材は、多層に塗布する必要のある用途においては他の層をさらに備えてもよい。例えば、本発明による塗膜付き基材は、基材と硬化塗膜の間に他の層を備えていてもよく、硬化塗膜上に他の層を備えてもよい。本発明による塗膜付き基材における他の層としては、例えば、中塗り層、プライマー層、保護層等が挙げられる。これらの他の層は、1層のみで構成されていてもよく、多層で構成されていてもよい。
<塗膜付き基材の製造方法>
本発明による塗膜付き基材は、上記の紫外線吸収性光硬化型塗料組成物を基材の少なくとも一方の面に塗布する塗布工程と、
塗布工程の後、紫外線照射により上記の紫外線吸収性光硬化型塗料組成物を硬化させて硬化塗膜を形成する硬化工程と、
を含むものである。以下、各工程について、詳細に説明する。
(塗布工程)
塗布工程は、基材の片面に、従来公知の方法により、上記の塗料組成物を塗布する工程である。塗布には、例えば、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター(ナチュラルロールコーターおよびリバースロールコーター等)、エアナイフコーター、スピンコーターおよびブレードコーター等の塗布機が使用できる。これらの中でも、作業性および生産性の観点からグラビアコーターを用いた塗布方法が好ましい。
塗布膜厚は、硬化後の膜厚として、0.5~50μmであることが好ましい。乾燥性、硬化性の観点から更に好ましい上限は30μmであり、紫外線カット性や硬度の観点から更に好ましい下限は1μmである。
紫外線吸収性光硬化型塗料組成物を溶剤で希釈して使用する場合は、塗布後に乾燥工程を設けることが好ましい。乾燥方法としては、例えば熱風乾燥(ドライヤー等)が挙げられる。乾燥温度は、好ましくは10~200℃、塗膜の平滑性および外観の観点から更に好ましい上限は150℃、乾燥速度の観点から更に好ましい下限は30℃である。
(硬化工程)
硬化工程は、基材の塗布面に紫外線を照射して、塗布された塗料組成物を硬化させて、硬化塗膜を形成する工程である。紫外線で硬化させる方法としては、200~500nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、UV-LED等を用いて、紫外線を照射する方法等が挙げられる。紫外線の照射量は、塗料組成物の硬化性および硬化物の可撓性の観点から、好ましくは100~3,000mJ/cmであり、より好ましくは200~1,000mJ/cmである。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1~11、比較例1~7]
<紫外線吸収性光硬化型塗料組成物の調製>
まず、紫外線吸収性光硬化型塗料組成物の調製のために、以下の原材料を準備した。
・紫外線吸収性を有するアクリレート樹脂1:Mw:18,000、紫外線吸収性基:ベンゾトリアゾール骨格を含む基、その含有割合は樹脂1(固形分100質量%)に対して19質量%、アクリロイル基数:約4のウレタンアクリレート樹脂
・紫外線吸収性を有するアクリレート樹脂2:Mw:1,500、紫外線吸収性基:トリアジン骨格を含む基、その含有割合は樹脂2(100質量%)に対して2質量%、アクリロイル基数:6のウレタンアクリレート樹脂、根上工業株式会社製、商品名:アートレジンUN-3320HARU
・ウレタンアクリレート樹脂1:3官能、Mw:6,700、Miwon社製、商品名:MIRAMER PU3450
・ウレタンアクリレート樹脂2:3官能、Mw:2,000、ダイセル・オルネクス株式会社製、商品名:EBECRYL8701
・ウレタンアクリレート樹脂3:2官能、Mw:5,000、根上工業株式会社製、商品名:アートレジンUN-9000PEP
・ウレタンアクリレート樹脂4:2官能、Mw:10,400、Miwon社製、商品名:MIRAMER PU2560
・ウレタンアクリレート樹脂5:6官能、Mw:1,500、根上工業株式会社製、商品名:アートレジンUN-3320HA
・ウレタンアクリレート樹脂6:2官能、Mw:450、ダイセル・オルネクス株式会社製、商品名:EBECRYL4858
・ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート:3/4官能、(ダイセル・オルネクス)株式会社製、商品名:PETIA
・光重合開始剤1:アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、IGM Resins社製、商品名:Omnirad TPO-H
・光重合開始剤2:アルキルフェノン系光重合開始剤、IGM Resins社製、商品名:Omnirad 184
・アクリル樹脂:OH価:35.5mgKOH/g、DIC株式会社製、商品名:アクリディックAU-7005
・フッ素系レベリング剤1:フッ素含有光重合性樹脂、信越化学工業株式会社製、商品名:KY-1203
・フッ素系レベリング剤2:フッ素含有光重合性樹脂、株式会社ネオス製、商品名:フタージェント602A
・紫外線吸収剤:ベンゾトリアゾール系、BASF株式会社製、商品名:チヌビン479
・溶剤:メチルエチルケトン
続いて、表1および2に記載の配合に従って、各成分をホモディスパーを用いて混合・撹拌して、紫外線吸収性光硬化型塗料組成物を得た。
<塗膜付き基材の製造>
PETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名:コスモシャインA4360、厚さ100μm)に、上記で調製した紫外線吸収性光硬化型塗料組成物をバーコーターで1回塗布し、続いて80℃で1分間乾燥させた。さらに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射することで(照射量:300mJ/cm)、塗膜を硬化させ、硬化塗膜を形成し、塗膜付き基材を得た。なお、硬化膜厚が約5μmになるように調整した。
<性能評価>
(透明性)
上記で製造した塗膜付き基材について、ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製、NDH4000)を用いて、JIS K7136:2000に準拠して濁度(HZ)を測定し、JIS K7361-1:1997に準拠して全光線透過率(TT)を測定した。測定結果を表1および2に示した。濁度が1%以下であり、全光線透過率が90%以上であれば、透明性に優れていると評価した。
(紫外線カット性)
上記で製造した塗膜付き基材に対する波長370nmの光の透過率により、紫外線カット性を評価した。透過率の測定には、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製、SolidSpec-3700)を使用した。測定結果を表1および2に示した。透過率が30%以下であれば、紫外線カット性に優れていると評価した。
(加熱伸張性)
上記で製造した塗膜付き基材について、15mm×150mmの短冊状の試験片を作成した。続いて、恒温槽付きの引張試験機(島津製作所社製、AG-X plus)で(温度:150℃、チャック間距離:100mm、引張速度:10mm/分)の条件で引張り、目視で塗膜にクラックが入るまでの伸長率を測定した。測定結果を表1および2に示した。伸長率が30%以上であれば、加熱伸張性に優れていると評価した。
(鉛筆硬度)
上記で製造した塗膜付き基材について、JIS K5600-5-4:1999に準拠し、鉛筆引っかき試験機(株式会社安田製作所製、Nо.553-M)を用いて、硬度を測定した。具体的には、塗膜上に、鉛筆を45度の角度でセットし、750gの荷重をかけて5cm引っかき、傷が入らなかった鉛筆の硬さで評価した。評価結果を表1および2に示した。鉛筆硬度がF以上であれば、硬度が優れていると評価した。
(耐湿熱性)
上記で製造した塗膜付き基材について、15mm×150mmの短冊状の試験片を作成した。続いて試験片を、温度115℃、湿度98%RHに設定した高度加速寿命試験機(株式会社平山製作所製、PC-242HSR2)の中に15時間静置後に試験片を取り出した。その後、耐湿熱性試験後の試験片について、上記と同様にして濁度(HZ)を測定した。耐湿熱性試験前後の濁度の値の差(ΔHZ(%))を算出した。算出結果を表1および2に示した。ΔHZ(%)が0.3以下であれば、耐湿熱性に優れていると評価した。
(水接触角)
上記で製造した塗膜付き基材について、接触角計(共和界面科学株式会社製、DrоpMaster DM500)を用いて、塗膜上に純水1μlを滴下し、着滴してから10秒後の接触角を測定した。水接触角が100°以上であれば、硬化被膜の防汚性や耐擦傷性が良好と評価し、水接触角が80°以下であれば、硬化被膜上に後加工により形成される被膜のリコート性が良好であり、70°以下であれば、前記リコート性がより良好であると評価した。
Figure 2023138342000001
Figure 2023138342000002

Claims (6)

  1. (A)紫外線吸収性基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー、および、紫外線吸収性基と(メタ)アクリロイル基とを有する樹脂から選ばれる少なくとも1種の化合物、
    (B)前記(A)成分以外の3官能以下で重量平均分子量(Mw)が1,000以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、および
    (D)光重合開始剤、
    を含有する紫外線吸収性光硬化型塗料組成物であって、
    前記(A)成分の含有量が、前記塗料組成物の固形分量に対して10質量%以上40質量%以下であり、
    前記(B)成分の含有量が、前記塗料組成物の固形分量に対して40質量%以上85質量%以下であり、
    前記塗料組成物が、(C)多官能(メタ)アクリレートモノマーをさらに含んでもよく、
    前記(C)成分の含有量が、前記塗料組成物の固形分量に対して15質量%以下である、紫外線吸収性光硬化型塗料組成物。
  2. 前記(A)成分以外の紫外線吸収成分を含まない、請求項1に記載の紫外線吸収性光硬化型塗料組成物。
  3. 前記(D)成分が、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤およびアルキルフェノン系光重合開始剤の少なくとも1種を含む、請求項1に記載の紫外線吸収性光硬化型塗料組成物。
  4. 前記塗料組成物が、(E)熱可塑性成分をさらに含む、請求項1に記載の紫外線吸収性光硬化型塗料組成物。
  5. 前記(E)成分が、(メタ)アクリル樹脂を含む、請求項4に記載の紫外線吸収性光硬化型塗料組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の紫外線吸収性光硬化型塗料組成物から形成される、硬化塗膜。
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