JP4887166B2 - 組成物及び非晶性ポリオレフィン成形体 - Google Patents

組成物及び非晶性ポリオレフィン成形体 Download PDF

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Description

本発明は、プラスチック基材の表面硬度を改良するのに有用な活性エネルギー線硬化性の塗料に適した組成物や非晶性ポリオレフィン成形体に関する。更に詳しくは、プラスチック基材特に、非晶性ポリオレフィン基材への密着性に優れ、透明で耐擦傷性に優れた硬化皮膜が得られる塗料に適した組成物、及びそれを硬化させて得た皮膜を有し、光学部材用途、写真、印刷物の保護、OHP用途等に好適なフィルムやシート等の非晶性ポリオレフィン成形体に関する。
従来より、プラスチックフィルムやシート等の基材表面に、耐磨耗性や耐擦傷性等といった表面保護性能を付与する目的で、ハードコート層が設けられている。液晶等に代表されるディスプレイ用部材に用いられる透明性プラスチックフィルムには、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート等が多く用いられているが、昨今のディスプレイの需要の急成長、高性能化に伴い、これらのハードコート層に対し、より透明性が高い光学特性及び表面保護性能の向上が求められている。
しかしながら、プラスチック基材によってはハードコート層の密着性が悪く、特に、非晶性ポリオレフィン基材は、元来、低極性の樹脂であるが故に、他のプラスチック基材に比べハードコート層との密着性が悪いという欠点がある。
これらの問題に対し、例えば、ハードコート層材料に非晶性ポリオレフィン基材への密着性を付与するために特定の脂環構造を有する化合物を用いる検討も進められてはいるが、こちらについても硬度の点では満足のいくものは得られていない(特許文献1)。
特開平10−310621号公報
本発明の課題は、プラスチック基材、特に、非晶性ポリオレフィン基材への密着性に優れ、耐擦傷性や耐摩耗性等を付与する硬度を有し、表面保護性能に優れる硬化皮膜を成形し得る塗料に適した組成物を提供することにある。更に、該組成物を非晶性ポリオレフィン基材上に塗布した後に紫外線照射により硬化させて容易に成形することができ、基材との密着性に優れ、耐擦傷性や耐摩耗性等表面保護性能に優れる硬化皮膜を有するフィルムや、シート等の非晶性ポリオレフィン成形体を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリジエン骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートと、有機化合物で処理された無機微粒子とを含む組成物をプラスチック基材上に塗布乾燥した後に紫外線照射により硬化させることにより、基材への密着性に優れ、耐擦傷性や耐摩耗性等を付与する硬度を有し、表面保護性能に優れる硬化皮膜を形成できることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、1分子中に2個以上の水酸基を有するポリジエンポリオール(a1成分)、有機ポリイソシアネート(a2成分)、式(1)
Figure 0004887166
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、nは1〜4の整数を表す。)で示される化合物(a3成分)、及び1分子中に1個の水酸基と1個以上の重合性不飽和二重結合を有する化合物(a4成分)を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート(A成分)5〜50質量部と、有機化合物で処理された無機微粒子(B成分)5〜50質量部と、1分子中に重合性不飽和二重結合を2個以上有するA成分以外の化合物(C成分)20〜90質量部(但し、A、B、C、3成分の合計を100質量部とする。)と、光重合開始剤(D成分)とを含む組成物に関する。
また、本発明は、上記組成物を硬化させた硬化皮膜を有する非晶性ポリオレフィン成形体に関する。
本発明の塗料に適した組成物は、プラスチック基材、特に非晶性ポリオレフィン基材への密着性に優れ、耐擦傷性や耐摩耗性等を付与する硬度を有し、表面保護性能に優れる硬化皮膜を成形することができる。また、本発明の非晶性ポリオレフィン成形体は、上記塗料に適した組成物をフィルムやシート等の非晶性ポリオレフィン基材上に塗布乾燥した後に紫外線照射により硬化させて容易に成形することができる硬化皮膜を有し、基材と硬化皮膜の剥離が抑制され、耐久性を有し、耐擦傷性や耐摩耗性等表面保護性能に優れる。
本発明の塗料に適した組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート(A成分)5〜50質量部と、有機化合物で処理された無機微粒子(B成分)5〜50質量部と、1分子中に重合性不飽和二重結合を2個以上有するA成分以外の化合物(C成分)20〜90質量部(但し、A、B、C、3成分の合計を100質量部とする。)と、光重合開始剤(D成分)とを含むものである。
[ウレタン(メタ)アクリレート(A成分)]
上記ウレタン(メタ)アクリレート(A成分)は、ポリジエン骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートであり、組成物の硬化皮膜に基材への密着性を付与する成分である。かかるウレタン(メタ)アクリレート(A成分)は、1分子中に2個以上の水酸基を有するポリジエンポリオール(a1成分)と、有機ポリイソシアネート(a2成分)、式(1)
Figure 0004887166
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、nは1〜4の整数を表す。)で示される化合物(a3成分)、及び1分子中に1個以上の水酸基と1個以上の重合性不飽和二重結合を有する化合物(a4成分)を反応させて得られる。
1分子中に2個以上の水酸基を有するポリジエンポリオール(a1成分)は、得られる硬化皮膜の基材との密着性を付与する。a1成分としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、ヘキサジエン、オクタジエン等のアルカジエン類のポリジエンポリオール;シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン等の環状ジエン類のポリジエンポリオール;これらポリジエンポリオール類の主鎖や側鎖のビニル性二重結合に水素添加した水素化物等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、得られる硬化皮膜の基材との密着性及び硬度の点から、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、これらの水素化物の1種又は2種以上の組み合わせが好ましい。より好ましくはポリブタジエンポリオールである。
有機ポリイソシアネート(a2成分)は、(a1)の水酸基と反応させることで主鎖中に強靭なウレタン結合を導入し、得られる硬化皮膜の強度や表面保護性能を向上させる。a2成分としては、ウレタン(メタ)アクリレートの製造に一般的に使用されているものを用いることができる。具体的には、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート類;エチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート類;キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ポリイソシアネート類;これらのイソシアヌレート体、ビューレット体、アロハネート体等を挙げることができる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、得られる硬化皮膜の光学的特性の観点からイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネートが好ましい。より好ましくは、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネートである。
式(1)で示される化合物(a3成分)を用いることで、側鎖に官能基を導入することができ、A成分以外の他成分との相溶性の向上と、得られる硬化皮膜の表面保護性能が向上する。a3成分としては、式中、nは1〜4の整数を表すが、n=1のグリセリンモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
1分子中に1個の水酸基と1個以上の重合性不飽和二重結合を有する化合物(a4成分)は、得られる硬化皮膜の表面保護性能を向上させる成分である。a4成分としては、具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、これらとカプロラクトンとの化合物;シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸の反応物、ビス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス[2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル]−2−エトキシプロピルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、A成分以外の他成分との相溶性及び得られる基材の表面保護性能の観点から、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート(A成分)を製造する方法としては、特に制限されるものではないが、a1成分とa2成分及びa3成分とを反応させて、末端にイソシアネート基を有するウレタンオリゴマーを得た後に、これにa4成分を反応させる方法や、a2成分とa4成分とを反応させてイソシアネート基と重合性不飽和二重結合を有する化合物を得た後に、これにa1成分及びa3成分を反応させる方法等を挙げることができる。
A成分を製造する際の、a1成分、a2成分、a3成分及びa4成分の比率は特に限定されないが、a2成分に含まれる総イソシアネート基量と、a1成分、a3成分及びa4成分とに含まれる総水酸基量の比率は、0.7≦(a2のイソシアネート基総数)/(総水酸基数)≦1.0であることが好ましい。総水酸基数に対するイソシアネート基総数の比が0.7以上であれば、得られる硬化皮膜において基材、特に非晶性ポリオレフィン基材との密着性に優れ、1.0以下であれば、表面保護性能に優れる。
更に、1.5≦(a2のイソシアネート基総数)/(a1の水酸基数+a3の水酸基数)≦2.5であることが好ましい。a1成分とa3成分の合計の水酸基数に対するイソシアネート基総数の比が1.5以上であれば、得られる硬化皮膜において基材との密着性に優れ、2.5以下であれば、表面保護性能に優れる。より好ましくは1.8≦(a2のイソシアネート基総数)/(a1の水酸基数+a3の水酸基数)≦2.2である。a3成分の添加量は、a1成分とa3成分の合計100モル%中、20〜60モル%であることが好ましい。a3成分が20モル%以上であれば、硬化皮膜が表面保護性能を有する硬度を有し、製造工程におけるB成分等との相溶性に優れたものとなり、60モル%以下であれば密着性に優れる。より好ましくは30〜50モル%である。
このようなウレタン(メタ)アクリレート(A成分)の含有割合は、A成分、B成分及びC成分の合計100質量部中、5〜50質量部であり、好ましくは10〜35質量部の範囲である。A成分の含有量が、50質量部以下であれば硬化皮膜において耐擦傷性等の表面保護性能に優れ、5質量部以上であればプラスチック基材との密着性に優れたものとなる。
[有機化合物で処理された無機微粒子(B成分)]
本発明の組成物には、硬化皮膜に対し耐擦傷性等の表面保護性能を付与する目的で有機化合物で処理された無機微粒子(B成分)が用いられる。B成分の有機化合物で処理された無機微粒子としては、無機系の微粒子が有機系化合物によって表面処理されているものであればいずれであってもよいが、好ましくは、面積平均一次粒子径1〜300nmの無機系微粒子(b1成分)と、有機シラン化合物の加水分解生成物(b2成分)を縮合反応して得られる重合性不飽和二重結合含有無機微粒子である。
上記無機系微粒子(b1成分)としては、面積平均一次粒子径が1〜300nm、好ましくは5〜80nmの範囲であって、水又は有機溶剤等の分散媒にコロイド状態に分散したものが好ましい。無機系微粒子(b1成分)としては、得られる硬化皮膜の耐磨耗性、耐擦傷性の観点からシリカが好ましい。無機系微粒子(b1成分)の面積平均一次粒子径は、有機シラン化合物の加水分解生成物(b2成分)との反応時にゲル化を起こさないように1nm以上が好ましく、得られる硬化皮膜の透明性の観点から300nm以下が好ましい。
上記有機シラン化合物の加水分解生成物(b2成分)としては、具体的には、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビニルフェニレントリメトキシシラン、ビニルフェニレントリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリス(3−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、 N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルーγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン等の加水分解生成物を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、これらの化合物のエポキシ基やグリシジル基に(メタ)アクリル酸を付加したシラン化合物、アミノ基に(メタ)アクリロイルオキシ基を2個有する化合物をマイケル付加したシラン化合物、アミノ基やメルカプト基に(メタ)アクリロイルオキシ基及びイソシアネート基を有する化合物を付加したシラン化合物、イソシアネート基に(メタ)アクリロイルオキシ基及び水酸基を有する化合物を付加したシラン化合物の加水分解生成物等も用いることができる。
有機シラン化合物の加水分解生成物(b2成分)として最も好ましい化合物は、式(2)で表される単量体の加水分解生成物である。
Figure 0004887166
式(2)中、Xは(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニルフェニレン基又はビニル基を、R1は直接結合又は炭素数1〜8の直鎖型若しくは分岐型アルキレン基を、R2、R3は炭素数1〜8の直鎖型又は分岐型アルキル基を、aは1〜3の整数を、bは0〜2の整数を示し、a+bは1〜3の整数である。
式(2)で示される単量体としては、活性エネルギー線照射により重合活性を示す、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニルフェニレン基又はビニル基を有するシラン化合物が好適に用いられる。
このようなシラン化合物を用いることにより、A成分及びC成分との化学結合形成が可能な光硬化性のB成分とすることができ、得られる硬化皮膜に高度な耐擦傷性を付与することができる。
式(2)で示される単量体の具体例としては、例えば、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルフェニレントリメトキシシラン、ビニルフェニレントリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
この中でも、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランから選択されるシラン化合物は、A成分及びC成分との反応性が優れる点で特に好ましい。
このようなB成分は、無機系微粒子(b1成分)を分散媒に分散させた無機系微粒子(b1成分)分散液と有機シラン化合物の加水分解生成物(b2成分)との混合物を得た後、無機系微粒子(b1成分)の分散媒を常圧又は減圧下で該分散媒より極性の低い媒体と共に共沸留出させ、無機系微粒子(b1成分)の分散媒を極性の低い媒体に置換した後、加熱下で反応させることにより製造することができる。具体的方法として、以下の方法を挙げることができる。
無機系微粒子(b1成分)分散液と有機シラン化合物の加水分解生成物(b2成分)との混合物の調製は、無機系微粒子(b1成分)分散液と、有機シラン化合物の加水分解生成物(b2成分)とを混合するか、或いは、無機系微粒子(b1成分)分散液と有機シラン化合物と加水分解触媒とを混合し無機系微粒子(b1成分)の存在下で有機シラン化合物を加水分解生成物(b2成分)にすればよい。
より具体的には、アルコール溶媒等有機溶媒の存在下又は非存在下において、有機シラン化合物1モルに対して、加水分解触媒として0.5〜6モルの水、又は0.001〜0.1規定の塩酸又は酢酸水溶液等を加え、加熱下で攪拌しつつ、加水分解で生じるアルコールを系外に除去することにより、有機シラン化合物の加水分解生成物(b2成分)を調製する。その後、有機シラン化合物の加水分解生成物(b2成分)と無機系微粒子(b1成分)分散液とを混合する。或いは、無機系微粒子(b1成分)分散液に上記と同様に有機シラン化合物と加水分解触媒とを混合し、有機シラン化合物の加水分解生成物とすることにより、無機系微粒子(b1成分)分散液と有機シラン化合物の加水分解生成物(b2成分)との混合物を調製することができる。
このとき無機系微粒子(b1成分)と有機シラン化合物の加水分解生成物(b2成分)の混合割合としては、b1成分とb2成分の合計を100質量部としたとき、b1成分が5〜90質量部であることが好ましい。さらに好ましくは20〜80質量部である。5質量部以上であれば、得られる硬化皮膜の表面保護性能の点から好ましく、90質量部以下であれば、分散安定性及び硬化皮膜の強度という点で好ましい。
次に、無機系微粒子(b1成分)と有機シラン化合物の加水分解生成物(b2成分)との縮合反応は、まず、無機系微粒子(b1成分)の分散媒と縮合反応で生じる水を常圧又は減圧下で60〜100℃、好ましくは70〜90℃の温度で共沸留出させ、固形分濃度を50〜90質量%とする。
次に系内に無機系微粒子(b1成分)の分散媒より極性の低い溶媒を加え、この低極性溶媒、水、及び無機系微粒子(b1成分)の分散媒を更に共沸留出させながら60〜150℃、好ましくは80〜130℃の温度で固形分濃度を30〜90質量%、好ましくは50〜80質量%に保持しながら0.5〜10時間攪拌し縮合反応を行い、有機化合物で処理された無機微粒子(B成分)を得る。この際、反応を促進させる目的で、水、酸、塩基、塩等の触媒を用いてもよい。
このような有機化合物で処理された無機微粒子(B成分)の含有割合は、A成分、B成分及びC成分の合計量100質量部中、固形分として5〜50質量部の範囲であり、好ましくは10〜35質量部の範囲である。B成分の含有量が、50質量部以下であれば、得られる硬化皮膜が透明性に優れる。また、B成分の含有量が、5質量部以上であれば、得られる硬化皮膜が耐磨耗性及び耐擦傷性等の表面保護性能に優れる硬化を有する。
[1分子中に重合性不飽和二重結合を2個以上有するA成分以外の化合物(C成分)]
C成分としては、例えば、ジ(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、A成分以外のウレタンポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。具体的には、ジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(繰り返し単位n=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(繰り返し単位n=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール(繰り返し単位n=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)−2−エトキシプロピルイソシアヌレート等を例示することができる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を例示することができる。
その他、具体例として、ビスフェノールA型ジエポキシと(メタ)アクリル酸とを反応させたエポキシジ(メタ)アクリレート等のエポキシポリ(メタ)アクリレート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを反応させたウレタントリ(メタ)アクリレート、イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンヘキサ(メタ)アクリレート、ジシクロメタンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート、ジシクロメタンジイソシアネートとポリ(繰り返し単位n=6〜15)テトラメチレングリコールとのウレタン化反応物に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート等のウレタンポリ(メタ)アクリレート;トリメチロールエタンとコハク酸、(メタ)アクリル酸とを反応させたポリエステル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンとコハク酸、エチレングリコール、及び(メタ)アクリル酸とを反応させたポリエステル(メタ)アクリレート等のポリエステルポリ(メタ)アクリレート等を例示することができる。これらは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのうち、硬化皮膜の表面保護性能を向上させることができることから、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート等を好ましいものとして挙げることができる。また、組成物における他の成分との良好な相溶性を得るために、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート等を特に好ましいものとして挙げることができる。
このような1分子中に重合性不飽和二重結合を2個以上有するA成分以外の化合物(C成分)の含有割合は、A成分、B成分及びC成分の合計量100質量部中、20〜90質量部であり、好ましくは30〜80質量部の範囲である。C成分の含有量が90質量部以下であれば、硬化皮膜の基材との密着性に優れる。また、20質量部以上であれば、硬化皮膜の耐磨耗性及び耐擦傷性等の表面保護性能に優れる。
[光重合開始剤(D成分)]
本発明の組成物には、効率よく紫外線硬化法による硬化物を得る目的で、D成分が含有される。D成分の具体例としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、メチルベンゾイルホルメート、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン、2−(ジメチルアミノ)−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン等を挙げることができる。
これらの中でも、組成物の硬化性、及び得られる硬化皮膜の表面硬度に優れることから、ベンゾフェノン、メチルベンゾイルホルメート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンから選ばれる1種以上の化合物が更に好ましい。
光重合開始剤(D成分)の含有割合は特に限定されないが、A成分とB成分及びC成分の合計量100質量部に対して、0.01〜30質量部の範囲が好ましく、0.1〜15質量部の範囲がより好ましい。D成分の含有量が前記範囲内であれば、塗膜の硬化性が良好であり、その硬化皮膜は優れた耐擦傷性を示す。
本発明の塗料に適した組成物は、必要に応じて適宜溶剤成分(E成分)を含んでいてもよい。塗料として使用する組成物は溶剤成分を含まなくとも良好な膜を得られるが、溶剤成分により、組成物の均一な溶解性、分散安定性、粘度調整、基材に対する塗工作業性、得られる硬化皮膜の物性の均一性、基材に対する密着性、平滑性等の諸物性の改善を図ることができる。
かかる溶剤成分としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤;メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、カルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶剤;スワゾール1000(商品名、丸善石油化学社製)、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;シクロヘキサン等の環状炭化水素系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル等のエステル系溶剤などを挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、表面硬度向上の点より、プラスチック基材を侵食しない溶剤であるアルコール系溶剤及びエーテル系溶剤が好ましい。さらに好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルである。
溶剤成分の配合量は用途により異なり、例えば、非晶性ポリオレフィンフィルムを基材として用いる場合は、A成分、B成分及びC成分の合計100質量部に対して5〜1,000質量部が好ましく、塗装工程の条件に好適であることから10〜300質量部とすることがより好ましい。
本発明の塗料に適した組成物には、上記含有物の機能を阻害しない範囲で、その他添加剤を含有させることができる。かかる添加剤としては、具体的には、非反応性熱可塑性高分子、有機ベントン、ポリアミド、マイクロゲル、繊維素系樹脂等のようなレオロジー調節剤や、シリコーンに代表される表面調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機フィラー、有機フィラー、表面有機化処理した無機フィラー、垂れ止め剤、硬化収縮抑制剤等を挙げることができる。これら添加剤のうち、組成物の貯蔵安定性の向上や、硬化皮膜の変色や変質を抑制することができる点で、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤を使用することが好ましい。また、硬化皮膜の硬化収縮を低減することが可能なB成分以外の微粒子を添加してもよい。
本発明の組成物は、上記A成分〜D成分と、必要に応じて上記添加剤、上記溶媒と混合して、塗料としての適度な粘度に調製し、製造することができる。必要に応じて加熱してもよい。
本発明の塗料に適した組成物は各種プラスチック基材のハードコート層としての硬化皮膜の形成に好適に使用することができる。かかるプラスチック基材の材質としては、例えば、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、結晶性ポリオレフィン樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂等を挙げることができる。これらのうち、ノルボルネン系樹脂、シクロヘキサジエン系樹脂等のいわゆる環状オレフィン樹脂などの非晶性ポリオレフィン樹脂が基材として好適であり、その形状が、シート状、フィルム状等の薄状であることが特に好ましい。ノルボルネン系樹脂としては、JSR社製「ARTON」、日本ゼオン社製「ZEONOA」及び「ZEONEX」等が挙げられる。
このような基材に本発明の塗料に適した組成物の硬化皮膜を形成する方法としては、公知の塗工方法によりプラスチック基材上に塗膜を形成し、塗膜を硬化する方法を挙げることができる。塗料として用いる組成物の塗工方法としては、例えば、バーコーター塗装、メイヤーバー塗装、エアナイフ塗工、グラビア塗工、リバースグラビア塗工、マイクログラビアコート塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、ハケ塗り法、スプレー塗装、シャワーフロー塗装、ディップ塗装、又はカーテンコート法等を挙げることができる。塗膜形成に先立ち、塗工するフィルム等の基材表面に模様や凹凸を設け、また、密着性を向上させる接着剤等の易接着層を設けてもよい。
上記塗膜の硬化方法としては、加熱することによって溶剤成分を蒸発させた後、活性エネルギー線の照射によってラジカルを発生させ、ラジカル重合により硬化させる方法を挙げることができる。溶剤成分を蒸発させる条件に限定はないが、塗工膜厚や使用する溶剤の沸点に応じて適宜設定することできる。塗工膜厚10μmの時の例としては、40℃〜120℃の温度で30〜120秒の間で加熱を行うことが好ましい。ここでいう活性エネルギー線としては、α、β、γ線、及び紫外線等いずれであってもよいが、汎用性の点から紫外線が好ましい。紫外線発生源としては、実用性、経済性の面から、一般的に用いられている紫外線ランプを挙げることができる。紫外線ランプとしては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプや、マグネトロンを利用した無電極UVランプ等を例示することができる。活性エネルギー線照射は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中で行ってもよいが、空気中で行うこともできるため、簡便さから大気下で行うことが好ましい。
上記硬化により成形される硬化皮膜の厚さは、例えば、1〜50μmが好ましく、より好ましくは3〜20μm、更に好ましくは5〜10μmである。このような厚さの硬化皮膜は、耐擦傷性に優れる硬度と、基材との優れた密着性とを兼備することができ、好ましい。
本発明の非晶性ポリオレフィン成形体は、上記塗料に適した組成物を硬化させた硬化皮膜を有するものである。非晶性ポリオレフィン成形体としては、非晶性ポリオレフィンのフィルムや、シート等に、上記硬化皮膜を有するものが好ましい。更に、硬化皮膜上に反射防止層、紫外線・赤外線吸収層、選択波長吸収層、電磁波シールド層や防汚層等の機能層を備えたものであってもよい。
本発明の塗料に適した組成物を用いた硬化皮膜により被覆された非晶性ポリオレフィンフィルムについて、実施例を挙げて、以下に詳細に説明する。
実施例中の「部」は「質量部」、ヘイズ以外の「%」は「質量%」を表す。
[ウレタン(メタ)アクリレート(A成分)の合成]
[合成例1]
フラスコ、攪拌機、温度制御装置及びコンデンサーを備えた反応容器内に、ポリブタジエングリコール(NISSO PB G−1000:日本曹達社製)662部、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート(デスモジュールW:住友バイエル社製)265部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.4部を仕込み、攪拌しながら60℃に昇温した後、ジブチル錫ジラウレート0.3部を追加した後に、グリセリンモノメタクリレート(ブレンマーGLM:日本油脂社製)32部を1時間かけて滴下した。3時間攪拌を続けた後、ペンタエリスリトールトリアクリレート(アロニックスM−306:東亜合成社製)311部を2時間かけて滴下した。1時間かけて70℃に昇温した後、更に5時間攪拌を続け、ポリジエン骨格含有ウレタンアクリレート(NU−1)を得た。
[合成例2]
フラスコ、攪拌機、温度制御装置及びコンデンサーを備えた反応容器内に、ポリブタジエングリコール(NISSO PB G−1000:日本曹達社製)392部、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート(デスモジュールW:住友バイエル社製)265部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.3部を仕込み、攪拌しながら60℃に昇温した後、ジブチル錫ジラウレート0.2部を追加した後に、グリセリンモノメタクリレート(ブレンマーGLM:日本油脂社製)32部を1時間かけて滴下した。3時間攪拌を続けた。次に、ペンタエリスリトールトリアクリレート(アロニックスM−306:東亜合成社製)429部を2時間かけて滴下した。1時間かけて70℃に昇温した後、更に5時間攪拌を続け、ポリジエン骨格含有ウレタンアクリレート(NU−2)を得た。
[合成例3]
フラスコ、攪拌機、温度制御装置及びコンデンサーを備えた反応容器内に、ポリブタジエングリコール(NISSO PB G−1000:日本曹達社製)527部、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート(デスモジュールW:住友バイエル社製)265部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.4部を仕込み、攪拌しながら60℃に昇温した後、ジブチル錫ジラウレート0.3部を追加した後に、グリセリンモノメタクリレート(ブレンマーGLM:日本油脂社製)16部を1時間かけて滴下した。3時間攪拌を続けた。次に、ペンタエリスリトールトリアクリレート(アロニックスM−306:東亜合成社製)429部を2時間かけて滴下した。1時間かけて70℃に昇温した後、更に5時間攪拌を続け、ポリジエン骨格含有ウレタンアクリレート(NU−3)を得た。
[合成例4]
フラスコ、攪拌機、温度制御装置及びコンデンサーを備えた反応容器内に、ポリテトラメチレングリコール(PTG−850SN:保土ヶ谷化学社製)863部、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート(デスモジュールW:住友バイエル社製)530部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.49部を仕込み、攪拌しながら60℃に昇温した後、ジブチル錫ジラウレート0.33部を追加した。3時間攪拌を続けた後、4−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA:大阪有機化学社製)253部を2時間かけて滴下した。1時間かけて70℃に昇温した後、更に5時間攪拌を続け、ポリエーテル骨格含有ウレタンアクリレート(NU−4)を得た。
[有機化合物で処理された無機微粒子(B成分)の合成]
[合成例5]
撹拌機、温度計及びコンデンサーを備えた3リットルの4ツ口フラスコに、イソプロパノールシリカゾル(分散媒;イソプロパノール、SiO2濃度;30%、面積平均一次粒子径;12nm)(IPA−ST:日産化学工業社製)(以下、「IPA−ST」と略記する。)2,000部と、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503:信越シリコン社製)(以下、「KBM−503」と略記する。)382部を投入した。次いで、フラスコ内を撹拌しながら昇温させ、揮発成分の還流が始まると同時に純水150部を還流温度を維持するように徐々に滴下させ、滴下終了後、還流下で2時間撹拌しながら加水分解を行った。加水分解終了後、常圧状態でアルコール、水等の揮発成分を留出させ、固形分(IPA−STのSiO2を600部とKBM−503の317部の合計量917部)濃度が約60%の時点でトルエン600部を追加し、アルコール、水等をトルエンと一緒に共沸留出させた。更に、トルエン1,500部を追加し、完全に溶媒置換を行い、トルエン分散系とした。このときの固形分濃度は約40%であった。更に、トルエンを留出させながら110℃で4時間反応を行ない、固形分濃度を約60%とした。この後さらにプロピレングリコールモノメチルエーテル1000部を追加し、トルエンを蒸発留出させて溶媒置換を行い、プロピレングリコールモノメチルエーテル分散系とした。得られた重合性不飽和二重結合含有無機微粒子(以下、「SC−1」と略記する。)は、黄色状でニュートン流体の透明、粘稠な液体であり、25℃の粘度が30mPa・sであった。また、固形分濃度は加熱残分で50.0%であった。加熱残分は(加熱後の質量(g)/加熱前質量(g))×100(質量%)で示し、加熱条件は105℃で3時間である。
[実施例1]
A成分として合成例1で得られたNU−1を10.0部、C成分としてペンタエリスリトールトリアクリレート(アロニックスM−306:東亜合成社製)70.0部、B成分として合成例5で得られた有機化合物で処理された無機微粒子(SC−1)33.3部(固形分で20.0部)、D成分として2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907:チバスペシャリティケミカルス社製)2.4部を配合し、固形分60%になるようにE成分としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(ダワノールPM:協和発酵ケミカル社製)53.3部を加えた上で攪拌混合し、塗料用の組成物を得た。
この塗料用の組成物を非晶性ポリオレフィンフィルム(膜厚40μm)(アートン:JSR社製のノルボルネン系樹脂)に塗布し、100℃の熱風乾燥機で1分間加熱してプロピレングリコールモノメチルエーテルを蒸発させた。引き続き、高圧水銀灯を用い、積算光量1000mJ/cm2(波長320〜380nmの紫外線積算エネルギー量)の紫外線を照射し、硬化皮膜厚が8μmの被覆フィルムを得た。
得られた被覆フィルムについて、外観、密着性、硬度、耐擦傷性の評価を以下のように行った。その結果を表1に示す。
[外観]
得られた被覆フィルムについて、透明性をJIS K 7361に対応したヘイズメーターを用いてヘイズ値を測定した。測定結果に基づき以下の基準により、透明性を評価した。
○:ヘイズが1%以下。透明である。
×:ヘイズが1%を超える。透明ではない。
[密着性]
得られた被覆フィルムの硬化皮膜について、JIS K 5600に準拠し、4ヶ所に1mm間隔で縦、横6本の切れ目を入れて、4×25=100個の碁盤目を作った。セロハンテープ(セロテープ:ニチバン社製)をその表面に密着させた後、一気に剥がした際に剥離せず残存したマス目の個数により、密着性を評価した。
○:剥離なし。密着性良好。
×:剥離あり。密着性不良。
[硬度]
得られた被覆フィルムの硬化皮膜について、JIS K 5600に準拠し、三菱鉛筆ユニを用いて45°の角度で引っ掻き、傷のつかない最大鉛筆硬度に基づき評価した。
○:H以上。高硬度。
×:H未満。低硬度。
[耐擦傷性]
得られた被覆フィルムの硬化皮膜について、スチールウール#0000上に500g/cm2の荷重をかけて20往復させ、目視で観察した傷の状況により、耐擦傷性を評価した。
○:傷なし。耐擦傷性良好。
×:傷発生。耐擦傷性不良。
[実施例2〜5]
A成分、C成分を表1に示す成分又は量からなる組成とした他は、実施例1と同様にして塗料用の組成物を調製し、被覆フィルムを得た。得られた被覆フィルムについて、実施例1と同様にして、外観、密着性、硬度、耐擦傷性の評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例1〜8]
A成分、B成分、C成分、E成分を表1に示す成分又は量からなる組成とした他は、実施例1と同様にして塗料用の組成物を調製し、被覆フィルムを得た。得られた被覆フィルムについて、実施例1と同様にして、外観、密着性、硬度、耐擦傷性の評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0004887166
表中のB成分の欄の括弧内の数字は固形分量を示す。
表中の符号及び略号は、下記の通りである。
EP−1:ビスフェノールA骨格含有エポキシアクリレート(大阪有機化学社製、商品名ビスコート#540)
PETA:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(アロニックスM−306:東亜合成社製)
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(カヤラッドDPHA:日本化薬工業社製)
TAIC:トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート(アロニックスM−315:東亞合成社製)
PGM:プロピレングリコールモノメチルエーテル(ダワノールPM:協和発酵ケミカル社製)
結果からも、本発明の塗料に適した組成物を用いて形成された硬化皮膜は高硬度であり、透明性、密着性、耐擦傷性に優れることが明らかである。

Claims (4)

  1. 1分子中に2個以上の水酸基を有するポリジエンポリオール(a1成分)、有機ポリイソシアネート(a2成分)、式(1)
    Figure 0004887166
    (式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、nは1〜4の整数を表す。)で示される化合物(a3成分)、及び1分子中に1個の水酸基と1個以上の重合性不飽和二重結合を有する化合物(a4成分)を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート(A成分)5〜50質量部と、有機化合物で処理された無機微粒子(B成分)5〜50質量部と、1分子中に重合性不飽和二重結合を2個以上有するA成分以外の化合物(C成分)20〜90質量部(但し、A、B、C、3成分の合計を100質量部とする。)と、光重合開始剤(D成分)とを含む組成物。
  2. 1分子中に1個以上の水酸基と1個以上の重合性不飽和二重結合を有する化合物(a4成分)が、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートを含む請求項1記載の組成物。
  3. 有機化合物で処理された無機微粒子(B成分)が、面積平均一次粒子径1〜300nmの無機系微粒子(b1成分)と、有機シラン化合物の加水分解生成物(b2成分)を縮合反応して得られる重合性不飽和二重結合含有無機微粒子である請求項1又は2記載の組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の組成物を硬化させた硬化皮膜を有する非晶性ポリオレフィン成形体。
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