JP2023137308A - 加熱架橋性粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂粒子含有樹脂コンパウンドの成形加工において加熱を行った場合に、樹脂粒子のブリードアウト及び/又は熱分解を抑制することができる、耐ブリードアウト性及び/又は耐熱性に優れ、粒径が揃っており、粒度分布が狭くシャープである加熱架橋性粒子及びその製造方法を提供すること。【解決手段】ビニル系単量体(A)を含む重合性単量体成分を重合して得られる重合体(C)と、ビニル系単量体(B)を含む重合性単量体成分を重合して得られる重合体(D)を複合させて得られる加熱架橋性粒子であり、前記ビニル系単量体(A)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基の少なくとも一方の官能基を分子構造中に有するビニル系単量体であり、前記ビニル系単量体(B)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基の少なくとも一方の官能基を分子構造中に有するビニル系単量体であり、前記ビニル系単量体(B)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基のうち、前記ビニル系単量体(A)が有している基と反応する基を少なくとも有する、加熱架橋性粒子。【選択図】なし

Description

本発明はビニル系単量体(A)を含む重合性単量体成分を重合して得られる重合体(C)と、ビニル系単量体(B)を含む重合性単量体成分を重合して得られる重合体(D)を複合させて得られる加熱架橋性粒子及びその製造方法に関する。
懸濁重合、シード重合、乳化重合、ソープフリー重合、分散重合等の重合方法、特に、シード重合や乳化重合等の重合方法で得られたサブミクロンオーダーの粒子径を有する樹脂粒子は、光拡散板や各種フィルム膜のアンチブロッキング剤、各種フィルム改質剤、各種電子デバイスの微小部位間のスペーサー用途、各種電池部材の造孔剤、電気接続を担う導電性微粒子のコア粒子など多岐に渡って使用されている。特に光学フィルム分野においては、ヘイズや光透過率などの光学特性への影響を考慮する必要があるため、シリカなどの無機粒子に比べて、樹脂微粒子は好適に使用されている。
例えば、特許文献1、2に記載される(メタ)アクリル系の単量体やスチレン系の単量体等を重合して得られる樹脂粒子は、粒径が揃っており(粒度分布が狭くシャープであり)、得られたフィルムの透明性が優れていることから、好適に使用されてきた。
特開昭62-121701号公報 特開平8-269146号公報
樹脂粒子を含む光学フィルム等の樹脂成型品を作製する方法としては、例えば、樹脂成型品を構成する樹脂と樹脂粒子を含む樹脂組成物を、混練し成型(押出成形等)する方法等が用いられている。それに伴い、樹脂粒子には、成型加工時の熱に対して、高度な耐性が要求されるようになってきた。
特許文献1に記載の樹脂粒子は、シード重合で作製されたもので、種粒子として非架橋の樹脂粒子が用いられている。そのため、高温での加工時に、種粒子のブリードアウトや熱分解を抑制できないおそれがあった。
特許文献2に記載の樹脂粒子は、優れた耐熱性を有しているが、その架橋剤の特徴から粒子の着色を抑制できず、光学フィルムには不適である。また、種粒子として非架橋の樹脂粒子が用いられているため、高温での加工時に、種粒子のブリードアウトや熱分解を抑制できないおそれがあった。
本発明が解決しようとする課題は、樹脂粒子含有樹脂コンパウンドの成形加工において加熱を行った場合に、樹脂粒子のブリードアウト及び/又は熱分解を抑制することができる、耐ブリードアウト性及び/又は耐熱性に優れ、粒径が揃っており、粒度分布が狭くシャープである加熱架橋性粒子及びその製造方法を提供することである。
本発明の加熱架橋性粒子は、高温での加工時に粒子内部で架橋反応が進行することで、加熱架橋性粒子内部の非架橋部のブリードアウト及び/又は熱分解が抑制されるものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の加熱架橋性粒子により、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には以下の通りである。
[項1] ビニル系単量体(A)を含む重合性単量体成分を重合して得られる重合体(C)と、ビニル系単量体(B)を含む重合性単量体成分を重合して得られる重合体(D)を複合させて得られる加熱架橋性粒子であり、
前記ビニル系単量体(A)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基の少なくとも一方の官能基を分子構造中に有するビニル系単量体であり、
前記ビニル系単量体(B)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基の少なくとも一方の官能基を分子構造中に有するビニル系単量体であり、
前記ビニル系単量体(B)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基のうち、前記ビニル系単量体(A)が有している基と反応する基を少なくとも有する、
加熱架橋性粒子。
[項2] 前記ビニル系単量体(A)は、少なくともエポキシ基と反応する基を含み、前記ビニル系単量体(B)は、少なくともエポキシ基を含む、項1に記載の加熱架橋性粒子。
[項3] 前記ビニル系単量体(A)は、少なくともエポキシ基を含み、前記ビニル系単量体(B)は、少なくともエポキシ基と反応する基を含む、項1に記載の加熱架橋性粒子。
[項4] 前記ビニル系単量体(A)は、(メタ)アクリル系単量体であることを特徴とする項1~3のいずれか1項に記載の加熱架橋性粒子。
[項5] 前記ビニル系単量体(B)は、(メタ)アクリル系単量体であることを特徴とする項1~4のいずれか1項に記載の加熱架橋性粒子。
[項6] 前記重合体(C)は、単官能(メタ)アクリル系単量体、単官能スチレン系単量体、多官能(メタ)アクリル系単量体及び多官能スチレン系単量体からなる群より選ばれる1種以上を含む重合性単量体成分を重合させて得られたものである、項1~5のいずれか1項に記載の加熱架橋性粒子。
[項7] 前記重合体(D)は、単官能(メタ)アクリル系単量体及び単官能スチレン系単量体からなる群より選ばれる1種以上を含む重合性単量体成分を重合させて得られたものである、項1~6のいずれか1項に記載の加熱架橋性粒子。
[項8] 下記式(1):
加熱架橋性粒子ゾル分低減率=(加熱架橋性粒子を不活性雰囲気下180℃で30分加熱処理後のゾル分率)/(加熱架橋性粒子ゾル分率)×100 ・・・(1)
より算出される加熱架橋性粒子ゾル分低減率が50%以下である、項1~7のいずれか1項に記載の加熱架橋性粒子。
[項9] 項1~8のいずれか1項に記載されている加熱架橋性粒子を加熱架橋した架橋粒子であって、
前記重合体(C)と前記重合体(D)が、以下の式(2):
-C(=O)-O-CH-CH(OH)- ・・・(2)
で表される構造で結合している、架橋粒子。
[項10] 樹脂コンパウンド添加剤として用いられる、項1~9のいずれか1項に記載の粒子。
[項11] 樹脂フィルム用貼り付き防止剤として用いられる、項1~10のいずれか1項に記載の粒子。
[項12] 前記樹脂フィルムが光学用途向け樹脂フィルムである、項11に記載の粒子。
[項13] (i)ビニル系単量体(A)を含む重合性単量体成分を重合して得られる重合体(C)を、ビニル系単量体(B)を含む重合性単量体成分と混合し、懸濁重合する、又は、
(ii)ビニル系単量体(B)を含む重合性単量体成分を重合して得られる重合体(D)を、ビニル系単量体(A)を含む重合性単量体成分と混合し、懸濁重合する、
加熱架橋性粒子の製造方法であって、
前記ビニル系単量体(A)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基の少なくとも一方の官能基を分子構造中に有するビニル系単量体であり、
前記ビニル系単量体(B)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基の少なくとも一方の官能基を分子構造中に有するビニル系単量体であり、
前記ビニル系単量体(B)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基のうち、前記ビニル系単量体(A)が有している基と反応する基を少なくとも有する、
加熱架橋性粒子の製造方法。
[項14] シード粒子を、ビニル系単量体(A)を含む重合性単量体成分で膨潤させたのち重合する加熱架橋性粒子の製造方法であって、
前記ビニル系単量体(A)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基の少なくとも一方の官能基を分子構造中に有するビニル系単量体であり、
前記シード粒子は、ビニル系単量体(B)を含む重合性単量体成分を重合して得られたものであり、
前記ビニル系単量体(B)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基のうち、前記ビニル系単量体(A)が有している基と反応する基を少なくとも有する、
加熱架橋性粒子の製造方法。
[項15] 項13又は14に記載の加熱架橋性粒子の製造方法で得られた加熱架橋性粒子を、加熱処理する、架橋粒子の製造方法。
本発明により、樹脂粒子含有樹脂コンパウンドの成形加工において加熱を行った場合に、樹脂粒子のブリードアウト及び/又は熱分解を抑制することができる、耐ブリードアウト性及び/又は耐熱性に優れ、粒径が揃っており、粒度分布が狭くシャープである加熱架橋性粒子及びその製造方法が提供される。
以下、本発明の加熱架橋性粒子、架橋粒子、加熱架橋性粒子の製造方法及び架橋粒子の製造方法について、詳細に説明する。本明細書において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルを、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートを、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及びメタクリロイルを、それぞれ意味する。
[加熱架橋性粒子]
本発明の加熱架橋性粒子は、ビニル系単量体(A)を含む重合性単量体成分を重合して得られる重合体(C)と、ビニル系単量体(B)を含む重合性単量体成分を重合して得られる重合体(D)を複合させて得られる加熱架橋性粒子であり、
前記ビニル系単量体(A)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基の少なくとも一方の官能基を分子構造中に有するビニル系単量体であり、
前記ビニル系単量体(B)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基の少なくとも一方の官能基を分子構造中に有するビニル系単量体であり、
前記ビニル系単量体(B)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基のうち、前記ビニル系単量体(A)が有している基と反応する基を少なくとも有する、
加熱架橋性粒子である。
<重合体(C)>
本発明の加熱架橋性粒子を構成する重合体(C)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基の少なくとも一方の官能基を分子構造中に有するビニル系単量体(A)を含む重合性単量体成分を重合して得られる。
(ビニル系単量体(A)を含む重合性単量体成分)
ビニル系単量体(A)を含む重合性単量体成分は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基の少なくとも一方の官能基を分子構造中に有するビニル系単量体(A)と、必要に応じて含まれるビニル系単量体(A)以外のビニル系単量体(a)(以下、「その他のビニル系単量体(a)」という場合がある。)から構成される。
ここで、エポキシ基と反応する基としては、特に限定されない。例えば、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、メルカプト基、イソシアネート基等からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。これらのうち、反応性や取扱い性等の観点から、カルボキシル基又は水酸基が好ましく、より好ましくは、カルボキシル基である。
ビニル系単量体(A)となり得るエポキシ基を分子構造内に有するビニル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン、(メタ)アクリル酸(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチル、4-ビニルフェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルフタレート、アリルグリシジルヘキサヒドロフタレート等からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。汎用性や取扱性等の観点から、(メタ)アクリル酸グリシジル及び/又は4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテルが好ましい。
ビニル系単量体(A)となり得るカルボキシル基を分子構造内に有するビニル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2-メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2-メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-アクリロイルオキシエチルコハク酸、2-アクリロイルオキシエチルフタル酸、o-ビニル安息香酸、m-ビニル安息香酸、p-ビニル安息香酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸等からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。汎用性や取扱性等の観点から、(メタ)アクリル酸、2-メタクリロイルオキシエチルコハク酸が好ましい。
ビニル系単量体(A)となり得る水酸基を分子構造内に有するビニル系単量体としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、o-ビニルフェノール、m-ビニルフェノール、p-ビニルフェノール、ビニルアルコール、アリルアルコール、グリセリンモノアリルエーテル、ネオペンチルグリコールモノアリルエーテル、о-アリルフェノール、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
ビニル系単量体(A)となり得るアミノ基を分子構造内に有するビニル系単量体としては、例えば、2-アミノエチル(メタ)アクリレート、2-アミノプロピル(メタ)アクリレート、2-アミノブチル(メタ)アクリレート、2-アミノ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、o-ビニルアニリン、m-ビニルアニリン、p-ビニルアニリン、アリルアミン、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
ビニル系単量体(A)となり得るメルカプト基を分子構造内に有するビニル系単量体としては、例えば、2-メルカプトエチル(メタ)アクリレート、メルカプトフェニル(メタ)アクリレート、2-メルカプトイソプロピル(メタ)アクリレート、2-ビニルベンゼンチオール、4-(メルカプトメチル)スチレン、4-メルカプトスチレン、4-ビニルフェニルメタンジチオール、2-(ビニルオキシ)-3-ブテン-2-チオール、2-(ビニルチオ)-3-ブテン-2-チオール等からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
ビニル系単量体(A)となり得るイソシアネート基を分子構造内に有するビニル系単量体としては、例えば、2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、ビニルイソシアネート、4-ビニルフェニルイソシアネート、4-ビニルフェニルチオイソシアネート、α、α-ジメチル-3-イソプロペニルベンジルイソシアネート、1-メチルエテニルイソシアネート、2-(ビニルオキシ)エチルイソシアネート、2-ビニルフェニルイソシアネート、2-イソプロペニルフェニルイソシアネート、2-(1-メトキシビニル)フェニルイソシアネート、2-(1-フェニルビニル)フェニルイソシアネート、4-ビニルベンジルイソシアネート等からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
ビニル系単量体(A)を含む重合性単量体成分に必要に応じて含まれる、その他のビニル系単量体(a)は特に限定されない。単官能(メタ)アクリル系単量体、単官能スチレン系単量体、多官能(メタ)アクリル系単量体、多官能スチレン系単量体の少なくとも1種以上を含むビニル系単量体成分であることがさらに好ましい。
単官能(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル(メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル)、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル等のエステルに結合しているアルキル基の炭素数が1~20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルなどの脂環構造をエステル部に有する(メタ)アクリル酸エステル等からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
これらの中でも、エステルに結合しているアルキル基の炭素数が1~10である、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシルからなる群より選ばれる1種以上が汎用的で好ましく、特に耐熱性が求められる用途においては、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルからなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
これら(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
単官能スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、エチルスチレン、t-ブチルスチレン、ビニルナフタレン、スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸塩(スチレンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸アンモニウム等)等からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
これらの中でも、スチレン、α-メチルスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種以上が好ましい。
これら単官能スチレン系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
多官能(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレンジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート(メタクリル酸アリル、アクリル酸アリル)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
これらの中でも、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレングリコールジメタクリレート)、アリル(メタ)アクリレート(メタクリル酸アリル)からなる群より選ばれる1種以上が好ましい。これら多官能(メタ)アクリル系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
多官能スチレン系単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルトルエン等からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。これらの多官能スチレン系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
その他のビニル系単量体(a)としては、上記の単量体以外に、(メタ)アクリルアミド系単量体、(メタ)アクリロニトリル系単量体、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル系単量体、酢酸ビニル等のカルボン酸ビニル系単量体、エチレン等のオレフィン系単量体、不飽和イミド系単量体、ビニル基を有するシランカップリング剤等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
ビニル系単量体(A)を含む重合性単量体成分における、ビニル系単量体(A)の含有量は、特に限定されない。重合性単量体成分全量を100質量%として、ビニル系単量体(A)の量を、例えば1質量%以上、好ましくは3質量%以上であり、例えば70質量%以下、好ましくは60質量%以下とすることができる。
ビニル系単量体(A)がエポキシ基を分子構造中に有するビニル系単量体である場合、その含有量は、重合性単量体成分全量を100質量%として、例えば1質量%以上、好ましくは3質量%以上であり、例えば70質量%以下、好ましくは60質量%以下とすることができる。
ビニル系単量体(A)がエポキシ基と反応する基を分子構造中に有するビニル系単量体である場合、その含有量は、重合性単量体成分全量を100質量%として、例えば1質量%以上、好ましくは3質量%以上であり、例えば50質量%以下、好ましくは40質量%以下とすることができる。
ビニル系単量体(A)は、ビニル系単量体(B)の分子構造中の官能基に応じて、エポキシ基を分子構造中に有するビニル系単量体及び/又はエポキシ基と反応する基を分子構造中に有するビニル系単量体とすることができる。前記ビニル系単量体(A)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基のうち、ビニル系単量体(B)が有している基と反応する基を少なくとも分子構造中に有するものとされる。
例えば、ビニル系単量体(B)がエポキシ基を分子構造中に有するビニル系単量体である場合、ビニル系単量体(A)は、エポキシ基と反応する基を分子構造中に有するビニル系単量体である。
また、例えば、ビニル系単量体(B)として、エポキシ基及びエポキシ基と反応する基の両者を分子構造中に有するビニル系単量体を用いる場合や、エポキシ基を分子構造中に有するビニル系単量体とエポキシ基と反応する基を分子構造中に有するビニル系単量体の両者を用いる場合、ビニル系単量体(A)は、エポキシ基及び/又はエポキシ基と反応する基のいずれかを分子構造中に有するビニル系単量体とすることができる。
本発明の一実施態様では、前記ビニル系単量体(A)として、少なくともエポキシ基と反応する基を分子構造内に含むビニル系単量体の1種以上を用い、前記ビニル系単量体(B)として、少なくともエポキシ基を分子構造内に含むビニル系単量体の1種以上を用いることが好ましい。
本発明の別の一実施態様では、前記ビニル系単量体(A)として、少なくともエポキシ基を分子構造内に含むビニル系単量体の1種以上を用い、前記ビニル系単量体(B)として、少なくともエポキシ基と反応する基を分子構造内に含むビニル系単量体の1種以上を用いることが好ましい。
本発明の一実施態様では、前記ビニル系単量体(A)として、(メタ)アクリル系単量体の1種以上を用いることが好ましい。
本発明において、重合体(C)は、ビニル系単量体(A)に加えて、単官能(メタ)アクリル系単量体、単官能スチレン系単量体、多官能(メタ)アクリル系単量体及び多官能スチレン系単量体からなる群より選ばれる1種以上を含む重合性単量体成分を重合させて得られたものであることが好ましい。特に、ビニル系単量体(A)に加えて、多官能(メタ)アクリル系単量体及び多官能スチレン系単量体からなる群より選ばれる1種以上を含む重合性単量体成分を重合させて得られたものであることが好ましい。
<重合体(D)>
本発明の加熱架橋性粒子を構成する重合体(D)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基の少なくとも一方の官能基を分子構造中に有するビニル系単量体(B)を含む重合性単量体成分を重合して得られる。前記ビニル系単量体(B)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基のうち、前記ビニル系単量体(A)が有している基と反応する基を少なくとも有する。
(ビニル系単量体(B)を含む重合性単量体成分)
ビニル系単量体(B)を含む重合性単量体成分としては、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基の少なくとも一方の官能基を分子構造中に有するビニル系単量体(B)と、必要に応じて含まれるビニル系単量体(B)以外のビニル系単量体(b)(以下、「その他のビニル系単量体(b)」という場合がある。)から構成される。ビニル系単量体(B)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基のうち、ビニル系単量体(A)が有している基と反応する基を少なくとも有する。
ビニル系単量体(B)としては、前記「(ビニル系単量体(A)を含む重合性単量体成分)」においてビニル系単量体(A)として挙げたビニル系単量体から選ばれる1種以上であって、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基のうち、ビニル系単量体(A)が有している基と反応する基を少なくとも有するビニル系単量体を用いることができる。
その他のビニル系単量体(b)としては、前記「(ビニル系単量体(A)を含む重合性単量体成分)」においてその他のビニル系単量体(a)として挙げたビニル系単量体から選ばれる1種以上を用いることができる。
ビニル系単量体(B)は、ビニル系単量体(A)の分子構造中の官能基に応じて、エポキシ基を分子構造中に有するビニル系単量体及び/又はエポキシ基と反応する基を分子構造中に有するビニル系単量体とすることができる。前記ビニル系単量体(B)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基のうち、ビニル系単量体(A)が有している基と反応する基を少なくとも分子構造中に有するものとされる。
例えば、ビニル系単量体(A)がエポキシ基を分子構造中に有するビニル系単量体である場合、ビニル系単量体(B)は、エポキシ基と反応する基を分子構造中に有するビニル系単量体である。
また、例えば、ビニル系単量体(A)として、エポキシ基及びエポキシ基と反応する基の両者を分子構造中に有するビニル系単量体を用いる場合や、エポキシ基を分子構造中に有するビニル系単量体とエポキシ基と反応する基を分子構造中に有するビニル系単量体の両者を用いる場合、ビニル系単量体(B)は、エポキシ基及び/又はエポキシ基と反応する基のいずれかを分子構造中に有するビニル系単量体とすることができる。
本発明の一実施態様では、ビニル系単量体(B)として、(メタ)アクリル系単量体の1種以上を用いることが好ましい。
本発明において、重合体(D)は、ビニル系単量体(B)に加えて、単官能(メタ)アクリル系単量体及び単官能スチレン系単量体からなる群より選ばれる1種以上を含む重合性単量体成分を重合させて得られたものであることが好ましい。特に、多官能(メタ)アクリル系単量体及び多官能スチレン系単量体等の、重合可能なエチレン性不飽和基を2つ以上有する多官能単量体を含まない重合性単量体成分を重合させて得られたものであることが好ましい。
<加熱架橋性粒子の構成>
本発明の加熱架橋性粒子は、前記重合体(C)と、前記重合体(D)を複合させて得られる。
本発明において、「複合」とは、単一粒子中に重合体(C)と重合体(D)が共存している状態を指し、その共存状態は特に限定されない。
また、複合させる手段(複合化手段)としては、特に限定されない。例えば、イオン結合、共有結合、水素結合、ファンデルワールス結合等による複合化、静電気力による複合化、圧着による物理的複合化、バインダー等の結着材を用いた複合化等が挙げられる。
加熱架橋性粒子中の重合体(C)と重合体(D)の配合比は、特に限定されない。
重合体(C)1質量部に対して、例えば重合体(D)100質量部以下、好ましくは50質量部以下、より好ましくは25質量部以下であり、例えば重合体(D)0.01質量部以上、好ましくは0.02質量部以上、より好ましくは0.04質量部以上とすることができる。重合体(C)1質量部に対して、重合体(D)100質量部超える又は0.01質量部未満の場合、目的とする加熱架橋性粒子を加熱した時の架橋反応が充分に進行しないおそれがある。
<加熱架橋性粒子に含まれる成分>
本発明の加熱架橋性粒子は、前記重合体(C)及び前記重合体(D)以外に、種々の成分を含むことができる。例えば、酸化防止剤(ヒンダードフェノール系、リン系、硫黄系、アミン系等)、紫外線吸収剤(ヒンダードアミン系等)、熱融着防止剤(シリカ粒子等)、重合体(C)及び重合体(D)以外の重合体、着色剤、充填剤等からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
<加熱架橋性粒子の体積平均一次粒子径/体積平均一次粒子径の変動係数>
本発明の加熱架橋性粒子の体積平均一次粒子径は、特に限定されない。目的や用途に応じて適宜設定することができる。例えば0.1μm以上、好ましくは0.15μm以上、より好ましくば0.2μm以上であり、例えば200μm以下、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下とすることができる。
本発明の加熱架橋性粒子の体積平均一次粒子径の変動係数は、特に限定されない。目的や用途に応じて適宜設定できる。例えば50%以下、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下とすることができる。
本発明において、体積平均一次粒子径及び体積平均一次粒子径の変動係数は、1μm以上の場合、コールターMultisizerTM3(ベックマン・コールター社製測定装置)によって、1μm未満の場合、レーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製「LS13320」)及びユニバーサルリキッドサンプルモジュールを用いることによって求められる。
コールターMultisizerTM3(ベックマン・コールター社製測定装置)により測定する場合において、測定は、ベックマン・コールター社発行のMultisizerTM3ユーザーズマニュアルに従って校正されたアパチャーを用いて実施するものとする。
なお、測定に用いるアパチャーは、測定する粒子の大きさによって、適宜選択する。Current(アパチャー電流)及びGain(ゲイン)は、選択したアパチャーのサイズによって、適宜設定する。例えば、50μmのサイズを有するアパチャーを選択した場合、Current(アパチャー電流)は-800、Gain(ゲイン)は4と設定する。
測定用試料としては、粒子0.1gを0.1質量%ノニオン性界面活性剤水溶液10ml中にタッチミキサー(ヤマト科学社製、「TOUCHMIXERMT-31」)及び超音波洗浄器(ヴェルヴォクリーア社製、「ULTRASONICCLEANERVS-150」)を用いて分散させ、分散液としたものを使用する。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く撹拌しておき、粒子を10万個測定した時点で測定を終了する。粒子の体積平均一次粒子径は、10万個の粒子の体積基準の粒度分布における算術平均である。
体積平均一次粒子径の変動係数(CV値)は、以下の式(1):
体積平均一次粒子径の変動係数=(粒子の体積基準の粒度分布の標準偏差÷粒子の体積平均一次粒子径)×100
によって算出する。
レーザー散乱・回折式粒度分布測定装置LS230(ベックマンコールター社製)により体積平均一次粒子径を測定する場合において、測定は、サンプルの分散媒として水を用い、サンプルの屈折率は重合体の屈折率を用いる。ここでいう体積平均一次粒子径は、算術平均により求められた数値である。また、変動係数は、前記式(1)から求められる数値であり、データの分布幅を表すものである。
<加熱架橋性粒子ゾル分率>
加熱架橋性粒子ゾル分率は、以下の方法により求めることができる。
加熱架橋性粒子を採取し、精密秤量して質量(W1g)を測定する。
その後、100質量部のトルエンに浸漬し、130℃で24時間還流下にて撹拌した後に、冷却して加熱架橋性粒子分散液を得る。
得られた加熱架橋性粒子分散液を遠心分離器にて18000rpmで30分間遠心分離し、上澄液を除去して不溶分を採取する。得られた不溶分を洗浄した後に、60℃の真空乾燥機で12時間乾燥し不溶分の質量(W2g)を測定する。
得られた質量(W1g)と(W2g)を用い、下記式:
(W1-W2)/W1×100
より、加熱架橋性粒子ゾル分率(%)を求める。
加熱架橋性粒子ゾル分率は、特に限定されない。例えば0.1%以上、好ましくは1%以上であり、100%以下である。
<加熱架橋性粒子ゾル分低減率>
加熱架橋性粒子ゾル分低減率は、前記加熱架橋性粒子ゾル分率及び前記架橋粒子ゾル分率を用い、下記式:
加熱架橋性粒子ゾル分低減率=(架橋粒子ゾル分率)/(加熱架橋性粒子ゾル分率)×100
より求めることができる。
加熱架橋性粒子ゾル分低減率の算出に際して用いる、架橋粒子ゾル分率は、以下の方法により求めることができる。
加熱架橋性粒子を、不活性雰囲気下において、180℃で30分加熱処理して架橋粒子を得る。不活性雰囲気は、窒素、二酸化炭素、希ガス等の不活性ガス雰囲気や、真空雰囲気等の、酸素を含まない雰囲気であれば特に限定されない。
架橋粒子を採取し、(加熱架橋性粒子ゾル分率)と同様にして、架橋粒子ゾル分率(%)を求める。
本発明において、加熱架橋性粒子ゾル分低減率は、50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましい。加熱架橋性粒子ゾル分率が50%超える場合、加熱架橋が充分に進行せず、加熱架橋性粒子含有樹脂コンパウンドの成形加工において加熱を行った場合に、加熱架橋性粒子のブリードアウト及び/又は熱分解が発生するおそれがある。
[加熱架橋性粒子の製造方法]
本発明の加熱架橋性粒子の製造方法(重合方法)は、公知の重合方法であれば特に限定されない。例えば、シード重合、懸濁重合、乳化重合、分散重合等の方法があげられる。
本発明においては、懸濁重合又はシード重合により加熱架橋性粒子を得る方法が好ましく用いられる。
<シード重合>
シード重合は、エチレン性不飽和単量体(以下、「モノマー」という場合がある。)を重合して得られた重合体微粒子をシード粒子として用い、媒体中で上記シード粒子にモノマーを吸収させ、シード粒子をモノマーで膨潤させてから、シード粒子内でモノマーを重合させる方法である。シード重合は、シード粒子を成長させることにより、元のシード粒子よりも大きな粒子径の樹脂粒子を得ることができる。
本発明の加熱架橋性粒子をシード重合で作成する場合において、シード重合に用いるシード粒子を得るためのモノマーの重合方法は、特に限定されない。分散重合、乳化重合、ソープフリー乳化重合(乳化剤としての界面活性剤を用いない乳化重合)、シード重合、懸濁重合等を用いることができる。
シード重合によって加熱架橋性粒子を得るためには、最初に略均一の粒子径のシード粒子を使用し、これらのシード粒子を略一様に成長させることが必要になる。原料となる略均一な粒子径のシード粒子は、ソープフリー乳化重合(界面活性剤を使用しない乳化重合)、界面活性剤を用いた乳化重合、分散重合、シード重合等の重合方法で重合することが好ましい。シード粒子の製造に際して用いられる界面活性剤としては、特に限定されないが、アニオン性界面活性剤の1種以上を用いることが好ましい。
シード粒子を得るための重合に際し、必要に応じて、重合開始剤を使用することができる。重合開始剤としては、特に限定されず、後述の重合開始剤を用いることができる。好ましくは、水溶性ラジカル重合開始剤の1種以上が用いられる。重合開始剤の使用量は、シード粒子を得るために使用するモノマー100質量部に対して0.1~2.0質量部の範囲内であることが好ましい。0.1質量部未満では反応速度が遅いため効率が悪く、2.0質量部より多いと重合開始剤残渣が過多となるおそれがある。
シード粒子を得るための重合に際し、必要に応じて、得られるシード粒子の重量平均分子量を調整するために、分子量調整剤を使用することができる。分子量調整剤としては、特に限定されないが、例えば、n-オクチルメルカプタン、tert-ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類;α-メチルスチレンダイマー;γ-テルピネン、ジペンテン等のテルペン類;クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類等からなる群より選ばれる1種以上を使用することができる。分子量調整剤の使用量を調整することで、得られるシード粒子の重量平均分子量を調整することができる。
シード粒子の体積平均粒子径は、加熱架橋性粒子の平均粒子径に応じて適宜調整できる。好ましくは0.01μm以上10μm以下の範囲とすることができる。
シード重合に際して、モノマーと水性媒体とを含む乳化液(以下、「乳化液」という場合がある。)にシード粒子を添加する。乳化液は、公知の方法により作製できる。例えば、モノマーを水性媒体に添加し、ホモジナイザー、超音波処理機、ナノマイザー(登録商標)等の微細乳化機により分散させることで、乳化液を得ることができる。
シード重合に際して、シード粒子に吸収させたモノマー100質量部に対し、下記の種々の界面活性剤の1種以上を0.3質量部以上15質量部以下の範囲で使用することが好ましい。界面活性剤の使用量が上記範囲より少ない場合には、重合安定性が低くなる恐れがある。また、界面活性剤の使用量が上記範囲より多い場合には、加熱架橋性粒子中の残存界面活性剤量が過剰となり、加熱架橋性粒子を媒体に分散させた場合に泡立ちが発生してしまうおそれがある。
シード重合に際して、シード粒子は、粒子の形態で乳化液に添加してもよく、水性媒体にシード粒子が分散された分散液の形態で乳化液に添加してもよい。シード粒子を乳化液へ添加した後、モノマーがシード粒子に吸収される。この吸収は、通常、乳化液を、室温(約25℃)で1~12時間撹拌することにより行うことができる。また、シード粒子へのモノマーの吸収を促進するために、乳化液を30~50℃程度に加温してもよい。
シード粒子は、モノマーを吸収することにより膨潤する。モノマーとシード粒子との混合比率は、シード粒子1質量部に対して、モノマーが例えば1質量部以上、好ましくは5質量部以上であり、例えば100質量部以下、好ましくは50質量部以下の範囲内とすることができる。モノマーの混合比率が上記範囲より小さくなると、重合による粒子径の増加が小さくなるので、製造効率が低下する。一方、モノマーの混合比率が上記範囲より大きくなると、モノマーが完全にシード粒子に吸収されず、水性媒体中で独自に乳化重合して、目的外の異常な粒子径の加熱架橋性粒子が生成されることがある。なお、シード粒子へのモノマーの吸収の終了は、光学顕微鏡の観察で粒子径の拡大を確認することにより判定できる。
次に、シード粒子に吸収されたモノマーを重合させることにより、加熱架橋性粒子分散液が得られる。また、モノマーをシード粒子に吸収させて重合させる工程を複数回繰り返すことにより加熱架橋性粒子分散液を得ることができる。
シード粒子に吸収されたモノマーを重合させる際には、必要に応じて重合開始剤を添加していてもよい。重合開始剤をモノマーに混合した後、得られた混合物を水性媒体中に分散させてもよいし、重合開始剤とモノマーとの両者を別々に水性媒体に分散させたものを混合してもよい。得られた乳化液中に存するモノマーの液滴の粒子径は、シード粒子の粒子径よりも小さい方が、モノマーがシード粒子に効率よく吸収されるので好ましい。
上記重合開始剤としては、特に限定されないが、後述の重合開始剤を用いることができる。好ましくは、重合開始剤は、モノマー100質量部に対して、0~3質量部の範囲内で使用されることが好ましい。好ましくは、水溶性ラジカル重合開始剤の1種以上が用いられる。
シード重合の重合温度は、モノマーの種類や、必要に応じて用いられる重合開始剤の種類等に応じて適宜設定できる。例えば25℃以上、好ましくは50℃以上であり、例えば110℃以下、好ましくは100℃以下とすることができる。
シード重合の重合時間は、モノマーの種類や、必要に応じて用いられる重合開始剤の種類等に応じて適宜設定できる。例えば1~12時間とすることができる。
シード重合は、重合に対して不活性なガス(例えば、窒素、二酸化炭素、希ガス等)の雰囲気下で行ってもよい。
シード重合に際しては、モノマー及び必要に応じて用いられる重合開始剤がシード粒子に完全に吸収された後に、昇温して行われるのが好ましい。
シード重合においては、加熱架橋性粒子の分散安定性を向上させるために、必要に応じて後述の分散剤を分散安定剤として重合反応系に添加することができる。分散安定剤としては、特に限定されないが、ポリビニルアルコール及び/又はポリビニルピロリドンを用いることが好ましい。分散安定剤の添加量は、モノマー100質量部に対して1質量部以上10質量部以下の範囲内であることが好ましい。
シード重合に際しては、重合反応における水性媒体中での乳化重合生成物(粒子径の小さすぎる加熱架橋性粒子等の粒子)の発生を抑えるために、亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸塩類、亜硫酸塩類、ハイドロキノン類、アスコルビン酸類、水溶性ビタミンB類、クエン酸、ポリフェノール類等からなる群より選ばれる1種以上の水溶性の重合禁止剤を用いることができる。重合禁止剤の添加量は、モノマー100質量部に対して、例えば0.002質量部以上0.2質量部以下の範囲内とすることができる。
<懸濁重合>
懸濁重合は、モノマーと水性媒体とを機械的に撹拌して、モノマーを水性媒体中に懸濁させて重合させる重合方法である。懸濁重合により生成する粒子は乳化重合と比較すると粒子径が大きく、粒子径分布がブロードになるという特徴がある。一方、ホモジナイザー、超音波処理機、ナノマイザー(登録商標)等の微細乳化機を用いることで、比較的シャープな粒子径分布を有する粒子を得ることも可能である。
本発明の加熱架橋性粒子を懸濁重合で作成する場合において、その実施方法は特に限定されない。例えば、重合体(D)を予め作成しておき、重合体(D)を、重合体(C)を構成するモノマー相(ビニル系単量体(A)を含む重合性単量体成分)に溶解又は分散し、これを重合することで加熱架橋性粒子を得ることができる。また、例えば、重合体(C)を予め作成しておき、重合体(C)を、重合体(D)を構成するモノマー相(ビニル系単量体(B)を含む重合性単量体成分)に溶解又は分散し、これを重合することで加熱架橋性粒子を得ることができる。
懸濁重合に際しては、後述の分散剤(無機系分散剤、高分子分散剤等)や後述の界面活性剤を後述の水性媒体に添加して、モノマーが懸濁・分散したエマルションを作成し、必要に応じて超音波ホモジナイザーや高圧乳化機等でさらに懸濁・微分散させてエマルション化し、所定の温度にて重合することで加熱架橋性粒子を得ることができる。
<乳化重合>
乳化重合は、水性媒体と、この媒体に溶解し難いモノマーと、界面活性剤(乳化剤)とを混合し、そこに水性媒体に溶解可能な重合開始剤を加えて重合を行う重合方法である。乳化重合は、得られる樹脂粒子の粒子径のばらつきが少ないという特徴がある。
本発明の加熱架橋性粒子を乳化重合で作製する場合において、その実施方法は特に限定されない。例えば、例えば、重合体(D)を予め作成しておき、重合体(D)と、水性媒体と、重合体(C)を構成するモノマーと、後述の界面活性剤を混合した後に、水性媒体に溶解可能な重合開始剤を加えて重合することで加熱架橋性粒子を得ることができる。
<分散重合>
分散重合は、分散安定剤を含んでいてもよい重合溶媒中にモノマーを分散させ、重合開始剤を加え、モノマーを重合させる方法である。重合時に粒子同士の合着を防ぐため、超音波の照射による撹拌下及び/又はマグネチックスターラー等の機械的撹拌装置による撹拌下で行うことが好ましい。分散重合は、粒子径を制御し易く、樹脂粒子を容易に得られるという特徴がある。
本発明の加熱架橋性粒子を分散重合で作製する場合において、その実施方法は特に限定されない。例えば、例えば、重合体(D)を予め作成しておき、分散安定剤を含んでいてもよい重合溶媒中に、重合体(D)と、重合体(C)を構成するモノマーと、後述の重合開始剤を加え、撹拌下において重合することで加熱架橋性粒子を得ることができる。
<重合時に用いられる成分等>
本発明の加熱架橋性粒子の製造方法(重合方法)においては、必要に応じて重合開始剤、界面活性剤(乳化剤)、分散剤等を用いることができる。
(重合開始剤)
本発明の加熱架橋性粒子を作製する際に用いられる重合開始剤としては、公知の重合開始剤を用いることができ、特に限定されない。
重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤、特に、熱重合開始剤が好ましい。例えば、過硫酸塩(例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等)、過酸化水素、有機過酸化物、ニトリル-アゾ系化合物等からなる群より選ばれる1種以上の重合開始剤があげられる。例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジメチルビス(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジメチルビス(tert-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、ビス(tert-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ビス(tert-ブチルパーオキシ)トリメチルシクロヘキサン、ブチル-ビス(tert-ブチルパーオキシ)バレラート、2-エチルヘキサンペルオキシ酸tert-ブチル、ジベンゾイルパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド及びtert-ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物;2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-イソプロピルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,3-ジメチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルカプロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,3,3-トリメチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4,4-トリメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-エトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-n-ブトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2-(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’-アゾビス(4-シアノペンタン酸)等のニトリル-アゾ系化合物;等からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
また、前記の過硫酸塩及び有機過酸化物の1種以上である重合開始剤と、ナトリウムスルホキシレートホルムアルデヒド、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、過酸化水素、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム、L-アスコルビン酸及びその塩、第一銅塩、第一鉄塩等からなる群より選ばれる1種以上の還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤を重合開始剤として使用してもよい。
これらの中でも、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、4,4’-アゾビス(4-シアノペンタン酸)、クメンハイドロパーオキサイド、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドからなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明において、重合開始剤の使用量は、その種類により相違するが、上記重合において使用する全てのモノマーの合計量100質量部に対して、例えば0.1質量部以上、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上であり、例えば5.0質量部以下、好ましくは3.0質量部以下、より好ましくは2.0質量部以下の範囲とすることができる。
(界面活性剤)
本発明の加熱架橋性粒子を作製する際に用いられる界面活性剤としては、公知の界面活性剤を用いることができ、特に限定されない。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上が用いられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム;ヒマシ油カリ石鹸等の脂肪酸石鹸;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸塩;アルカンスルホン酸塩;ジアルキルスルホコハク酸塩;アルキルリン酸エステル塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンスルホン化フェニルエーテルリン酸;ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、スピノマー(登録商標)Nass(東ソー・ファインケム社製)などのスチレンスルホン酸系の金属塩などや三洋化成工業社製のエレミノール(登録商標)のJS-20やRS-3000、第一工業製薬社製のアクアロン(登録商標)のKH-10、KH-1025、KH-05、HS-10、HS-1025、BC-0515、BC-10、BC-1025、BC-20、BC-2020、AR-1025、AR-2025、花王社製のラテムル(登録商標)のS-120、S-180A、S-180、PD-104、ADEKA社製のアデカリアソープ(登録商標)のSR-1025、SE-10N等;からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリエーテルポリオール、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン-オキシプロピレンブロックポリマー、また反応性を有しているものとして、アルキルエーテル系(市販品としては、例えば、ADEKA社製アデカリアソープER-10、ER-20、ER-30、ER-40、花王社製ラテムルPD-420、PD-430、PD-450など);アルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬社製アクアロンRN-10、RN-20、RN-30、RN-50、AN-10、AN-20、AN-30、AN-5065、ADEKA社製アデカリアソープNE-10、NE-20、NE-30、NE-40等);(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤社製RMA-564、RMA-568、RMA-1114等)等;からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等;からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイド、リン酸エステル系界面活性剤、亜リン酸エステル系界面活性剤等からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
これらの界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。界面活性剤は、得られる加熱架橋性粒子の粒子径や重合時におけるモノマーの分散安定性等を考慮して、その種類が適宜選択され、その使用量が適宜調整される。
本発明において、界面活性剤の使用量は、その種類により相違するが、上記重合において使用する全てのモノマーの合計量100質量部に対して、例えば0.01質量部以上、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、例えば20.0質量部以下、好ましくは15.0質量部以下、より好ましくは10.0質量部以下の範囲とすることができる。
(分散剤)
本発明の加熱架橋性粒子を作製する際に用いられる分散剤としては、公知の分散剤を用いることができ、特に限定されない。分散剤は、重合時に水性媒体を用いる場合において、モノマーの液滴やシード粒子の分散性を安定させるために用いることができる。
分散剤としては、例えば、部分けん化ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等の有機系分散剤;ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム等の無機系分散剤;等からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。無機系分散剤を用いる場合には、界面活性剤を併用することが好ましい。
これらの分散剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。分散剤は、得られる加熱架橋性粒子の粒子径や重合時におけるモノマーの分散安定性等を考慮して、種類が適宜選択され、使用量が適宜調整される。
(重合媒体)
本発明の加熱架橋性粒子を作製する際に用いられる重合媒体(重合溶媒)としては、公知の重合媒体を用いることができ、特に限定されない。水性媒体であっても、有機媒体(有機溶媒)であってもよい。
本発明では、水性媒体を用いることが好ましい。水性媒体としては、例えば、水単独、あるいは、水と低級アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)等の水溶性有機溶媒との混合物を使用することができる。水としては、水道水、工業用水、イオン交換水、純水等からなる群より選ばれる1種以上があげられる。廃液処理の点から水単独が好ましい。
水性媒体の使用量は、重合に際して使用する全モノマーの合計量100質量部に対して、200~2000質量部の範囲内、好ましくは300~1500質量部の範囲内とすることができる。水性媒体の使用量を上記範囲の下限以上とすることで、重合中のモノマー粒子等の安定性を保ち、重合後に加熱架橋性粒子の凝集物の発生を抑制することができる。水性媒体の使用量を上限以下とすることで、生産性が良好となりやすい。
本発明において、水性媒体の使用量は、その種類等により相違するが、上記重合において使用する全てのモノマーの合計量100質量部に対して、例えば200質量部以上、好ましくは300質量部以上であり、例えば2000質量部以下、好ましくは1500質量部以下の範囲とすることができる。
<加熱架橋性粒子の洗浄・乾燥・解砕・分級>
加熱架橋性粒子は、重合完了後、目的の用途等により必要に応じて、洗浄、乾燥、解砕、分級等を行うことができる。例えば、重合完了後、吸引濾過、遠心分離、加圧分離等の方法により水性媒体を含むケーキ(含水ケーキ)とし、必要により水及び/又は溶剤による洗浄工程を経た後に、乾燥工程で乾燥し、必要により解砕工程、分級工程を経て乾燥粉体として単離することができる。
洗浄工程における洗浄法は、特に限定されない。例えば、重合後に得られた水分散体を、遠心洗浄、クロスフローろ過洗浄等の手段により行うことができる。また、含水ケーキとした後に、水及び/又は溶剤に浸漬して脱液する工程を1回以上行うことができる。なお、界面活性剤(乳化剤)として、反応性界面活性剤(反応性乳化剤)を用いる場合等には、重合後に得られた水分散体の洗浄を省略することができる。
乾燥工程における乾燥法は、特に限定されない。例えば、真空(減圧)オーブン、スプレードライヤーによる噴霧乾燥法、凍結乾燥法、ドラムドライヤー等の加熱回転ドラムに付着させる乾燥法等を用いることができる。
分級工程における分級法は、特に限定されない。例えば、加熱架橋性粒子又は造粒体を、篩等を用いる公知の手段で分級することができる。分級工程は、前記第二の重合工程で得られた加熱架橋性粒子を分級する第一分級工程、及び前記解砕工程で得られた加熱架橋性粒子を分級する分級工程の少なくとも一方を含むことが好ましい。また、重合後に得られた水分散体を、必要に応じてアルコール、トルエン、ケトン等の有機溶媒に分散させ、分散状態で、篩網に通して粗大粒子を除去する分級工程を用いてもよい。
<加熱架橋性粒子の用途>
本発明の加熱架橋性粒子は、樹脂粒子含有樹脂コンパウンドの加熱成形加工における樹脂粒子のブリードアウト及び/又は熱分解を抑制することができる、耐ブリードアウト性及び/又は耐熱性に優れ、粒径が揃っており、粒度分布が狭くシャープである加熱架橋性粒子である。
このため、樹脂コンパウンド添加剤、例えば、各種のフィルム改質剤として好適に用いることができる。
また、本発明の加熱架橋性粒子は、樹脂フィルム用貼り付き防止剤(アンチブロッキング剤)、特に、光拡散フィルム(光拡散板)、防眩フィルム、反射防止フィルム、低反射フィルム等の光学用途向け樹脂フィルムの貼り付き防止剤として用いることができる。
また、本発明の加熱架橋性粒子は、光拡散剤、防眩剤、反射防止剤、低反射剤等として、樹脂コンパウンドに添加して用いることができる。
本発明の加熱架橋性粒子は、ヘイズや光透過率などの光学特性への影響を考慮する必要がある光学フィルム分野において、好適に使用することができる。
本発明の加熱架橋性粒子は、耐熱性及び透明性に優れ、粒度分布が狭く、粒子径が小さいことから、フィルム形成用樹脂組成物を作製する際に、添加量を増やしても、フィルムのヘイズ等に与える影響を抑えることができる。また、樹脂コンパウンド時にかかる熱負荷等に起因する樹脂メヤニの発生が抑制されており、歩留まりが悪化するおそれが少ない。
この加熱架橋性粒子を樹脂フィルム用貼り付き防止剤、特に光学用途向け樹脂フィルム用貼り付き防止剤として用いることで、高い透明性の光学部材、例えば、防眩フィルムや光拡散フィルム等の光学フィルムや光拡散板等を安定的に生産することが可能となる。
[架橋粒子及び架橋粒子の製造方法]
本発明の架橋粒子は、加熱架橋性粒子を加熱処理して、粒子内部で架橋反応を起こし、重合体(C)成分と重合体(D)成分が結合した架橋粒子を作成することができる。
例えば、重合体(C)が、エポキシ基を分子構造中に有するビニル系単量体(A)を含む重合性単量体成分を重合して得られる重合体(C)であり、重合体(D)が、エポキシ基と反応する基を分子構造中に有するビニル系単量体(B)を含む重合性単量体成分を重合して得られる重合体(D)である場合、架橋粒子は、重合体(C)と重合体(D)が、以下の式(2):
-C(=O)-O-CH-CH(OH)- ・・・(2)
で表される構造で結合したものとなっている。
加熱架橋性粒子の加熱処理条件は、特に限定されない。例えば、不活性雰囲気下において、135℃以上300℃以下の温度で、5~180分加熱処理することが好ましい。135℃未満又は5分未満の場合、加熱による架橋反応の進行が不十分になるおそれがある。300℃を超える又は180分を超える場合、加熱により重合体の熱分解が進行するおそれがある。
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を意味する。
[重合体(D)又は重合体(E)の製造]
<製造例1>
撹拌装置と温度計と冷却機構を兼ね備えた重合器に、イオン交換水270部及びスチレンスルホン酸ナトリウム0.84部を投入し、撹拌・混合して水相を作製した。
別の容器に、メタクリル酸メチル60部、グリシジルメタクリレート60部及び1-オクタンチオール2.4部を投入し、撹拌・混合してモノマー組成物を作製した。
モノマー組成物を重合器内の水相に投入し、重合器の窒素パージを5分間実施した後、80℃まで昇温し、80℃に到達した時点で、過硫酸カリウム0.6部をイオン交換水10部に溶解した溶液を投入した。そのあと、ふたたび窒素パージを5分間実施し、80℃で5時間撹拌・混合することにより、乳化重合反応させた。この後、100℃まで昇温し3時間保持してから冷却することによって、微粒子含有スラリー(固形分30質量%)状態の重合体(D-1)を得た。得られた重合体(D-1)の体積平均粒子径は187nmであった。
<製造例2>
メタクリル酸メチル60部、グリシジルメタクリレート60部及び1-オクタンチオール2.4部を、メタクリル酸メチル102部、グリシジルメタクリレート18部及び1-オクタンチオール2.4部とした以外は、製造例1と同様の手順で、微粒子含有スラリー(固形分30質量%)状態の重合体(D-2)を得た。得られた重合体(D-2)の体積平均粒子径は186nmであった。
<製造例3>
メタクリル酸メチル60部、グリシジルメタクリレート60部及び1-オクタンチオール2.4部を、メタクリル酸メチル102部、メタクリル酸18部及び1-オクタンチオール2.4部とした以外は、製造例1と同様の手順で、微粒子含有スラリー(固形分30質量%)状態の重合体(D-3)を得た。得られた重合体(D-3)の体積平均粒子径は183nmであった。
<製造例4>
メタクリル酸メチル60部、グリシジルメタクリレート60部及び1-オクタンチオール2.4部を、メタクリル酸メチル102部、4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル18部及び1-オクタンチオール2.4部とした以外は、製造例1と同様の手順で、微粒子含有スラリー(固形分30質量%)状態の重合体(D-4)を得た。得られた重合体(D-4)の体積平均粒子径は193nmであった。
<製造例5>
メタクリル酸メチル60部、グリシジルメタクリレート60部及び1-オクタンチオール2.4部を、メタクリル酸メチル120部及び1-オクタンチオール2.4部とした以外は、製造例1と同様の手順で、微粒子含有スラリー(固形分30質量%)状態の重合体(E)を得た。得られた重合体(E)の体積平均粒子径は178nmであった。
<製造例6>
製造例1で得られた重合体(D-1)を、真空オーブンに投入し、水分を蒸発させて乾固し、抽出物をミキサーで解砕して重合体(D-5)を得た。得られた重合体(D-5)の体積平均粒子径は8.2μmであった。
[加熱架橋性粒子及び架橋粒子の製造]
<測定方法>
(加熱架橋性粒子ゾル分率)
加熱架橋性粒子を採取し、精密秤量して質量(W1g)を測定した。
その後、100質量部のトルエンに浸漬し、130℃で24時間還流下にて撹拌した後に、冷却して加熱架橋性粒子分散液を得た。
得られた加熱架橋性粒子分散液を遠心分離器にて18000rpmで30分間遠心分離し、上澄液を除去して不溶分を採取した。得られた不溶分を洗浄した後に、60℃の真空乾燥機で12時間乾燥し不溶分の質量(W2g)を測定した。
下記式:
(W1-W2)/W1×100
より、加熱架橋性粒子ゾル分率(%)を求めた。
(架橋粒子ゾル分率)
加熱架橋性粒子を、酸素非存在下において、180℃で30分間加熱処理して架橋粒子を得た。
架橋粒子を採取し、<加熱架橋性粒子ゾル分率>と同様にして、架橋粒子ゾル分率(%)を求めた
(加熱架橋性粒子ゾル分低減率)
加熱架橋性粒子ゾル分率及び架橋粒子ゾル分率を用い、下記式:
(架橋粒子ゾル分率)/(加熱架橋性粒子ゾル分率)×100
より、加熱架橋性粒子ゾル分低減率を求めた。
<実施例1>
(加熱架橋性粒子の製造)
撹拌装置と温度計と冷却機構を兼ね備えた重合器に、イオン交換水200部、ラピゾール(登録商標)A-80(日油社製)0.1部、フォスファノールLO-529(東邦化学社製)0.1部、ノイゲンEA-167(第一工業製薬社製)0.1部及び亜硝酸ナトリウム0.02部を投入し、撹拌・混合して水相を作製した。
別の容器に、重合体(C)を構成するモノマーとして。メタクリル酸メチル55部、スチレン30部、メタクリル酸5部、エチレングリコールジメタクリレート10部、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.5部及びベンゾイルパーオキサイド0.2部を投入し、撹拌・混合して油相を作製した。
油相を重合器内の水相に投入し、TKホモミクサー(プライミクス社製)により8000rpmで10分間撹拌・混合してモノマー混合液を得た。このモノマー混合液に、製造例1で得られた重合体(D-1)を47部(固形分として)投入し、3時間撹拌して膨潤させた。
窒素パージを5分間実施した後に、55℃まで昇温し、55℃で5時間撹拌することにより、重合反応を行った。重合器内にスルファミン酸0.06部を添加し、撹拌・混合した後に、100℃まで昇温し100℃で3時間保持してから冷却してスラリーを得た。
得られたスラリーを、400Meshの網に通し、分級された加熱架橋性粒子含有スラリーを得た。得られた加熱架橋性粒子は、体積平均一次粒子径が0.369μm、体積平均一次粒子径の変動係数(CV値)が13.9%であった。
分級された加熱架橋性粒子スラリーを、噴霧乾燥機(坂本技研社製、機械名:スプレードライヤー、型式:アトマイザーテイクアップ方式、型番:TRS-3WK)を用いて、以下の装置条件下、噴霧乾燥することにより、加熱架橋性粒子造粒体を得た。
得られた加熱架橋性粒子(造粒体)のゾル分率は15%であった。
-噴霧乾燥機装置条件-
・分級された加熱架橋性粒子含有スラリー供給速度:25mL/min
・アトマイザ回転数:12000rpm
・風量:2m/min
・スプレードライヤー入口温度(スプレードライヤーに備えられた、加熱架橋性粒子を含むスラリーが噴霧されて導入される樹脂粒子を含むスラリー投入口の温度):150℃
・スプレードライヤー出口温度(スプレードライヤーに備えられた、加熱架橋性粒子の造粒体が排出される粉体出口温度):70℃
(架橋粒子の製造)
得られた加熱架橋性粒子の造粒体を、真空オーブンにて、不活性雰囲気下において、180℃で30分間加熱処理して架橋粒子を得た。
得られた架橋粒子のゾル分率は3%であった。
(加熱架橋性粒子ゾル分低減率)
加熱架橋性粒子のゾル分率及び加熱粒子のゾル分率から、加熱架橋性粒子ゾル分低減率を求めたところ、加熱架橋性粒子ゾル分低減率は20%であった。
<実施例2~5、比較例1~3>
重合体(C)のモノマー組成、重合体(D)又は重合体(E)の種類・添加量を、それぞれ表1に記載されたものとするほかは、実施例1と同様にして、表1に示す体積平均粒子径の加熱架橋性粒子を得た。また、実施例1と同様にして、加熱架橋性粒子のゾル分率、架橋粒子のゾル分率及び加熱架橋性粒子ゾル分低減率を求めた。結果を表1に示す。
<実施例6>
撹拌装置と温度計と冷却機構を兼ね備えた重合器に、イオン交換水200部、ピロリン酸マグネシウム10部及びラウリル硫酸ナトリウム0.04部を投入し、撹拌・混合して水相を作製した。
別の容器に、メタクリル酸メチル40部、アクリル酸ブチル20部、スチレン20部、エチレングリコールジメタクリレート10部、2-メタクリロイロキシエチルコハク酸1部、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.5部及び過酸化ベンゾイル0.2部を投入し、撹拌混合した後に、さらに重合体(D-5)を5部投入し、撹拌・混合して油相を作製した。
油相を重合器内の水相に投入し、ホモミクサー(プライミクス社製、卓上型、製品名「ホモミクサーMARK II 2.5型」)を用い、撹拌速度6500rpmで10分間撹拌・混合して、油相を水相中に分散させ、分散液を得た。この分散液を、60℃で6時間撹拌することにより、懸濁重合反応させ、さらに100℃に昇温して3時間撹拌することにより重合を完結させた。
次いで、重合器内の懸濁液を30℃まで冷却させた後、塩酸を加えて、ピロリン酸マグネシウムを分解した。
次いで、懸濁液を吸引ろ過し、ろ過の残渣をイオン交換水により洗浄、脱水して、60℃に設定した真空オーブンにて20時間乾燥し、体積平均粒子径8.200μmの加熱架橋性粒子を得た。また、実施例1と同様にして、加熱架橋性粒子のゾル分率、架橋粒子のゾル分率及び加熱架橋性粒子ゾル分低減率を求めた。結果を表1に示す。
表中の重合体(C)構成モノマーは、以下のとおりである。
MMA:メタクリル酸メチル
BA:アクリル酸ブチル
GMA:グリシジルメタクリレート
St:スチレン
EGDMA:エチレングリコールジメタクリレート
MAA:メタクリル酸
MAES:2-メタクリロイロキシエチルコハク酸

Claims (15)

  1. ビニル系単量体(A)を含む重合性単量体成分を重合して得られる重合体(C)と、ビニル系単量体(B)を含む重合性単量体成分を重合して得られる重合体(D)を複合させて得られる加熱架橋性粒子であり、
    前記ビニル系単量体(A)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基の少なくとも一方の官能基を分子構造中に有するビニル系単量体であり、
    前記ビニル系単量体(B)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基の少なくとも一方の官能基を分子構造中に有するビニル系単量体であり、
    前記ビニル系単量体(B)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基のうち、前記ビニル系単量体(A)が有している基と反応する基を少なくとも有する、
    加熱架橋性粒子。
  2. 前記ビニル系単量体(A)は、少なくともエポキシ基と反応する基を含み、前記ビニル系単量体(B)は、少なくともエポキシ基を含む、請求項1に記載の加熱架橋性粒子。
  3. 前記ビニル系単量体(A)は、少なくともエポキシ基を含み、前記ビニル系単量体(B)は、少なくともエポキシ基と反応する基を含む、請求項1に記載の加熱架橋性粒子。
  4. 前記ビニル系単量体(A)は、(メタ)アクリル系単量体であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の加熱架橋性粒子。
  5. 前記ビニル系単量体(B)は、(メタ)アクリル系単量体であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の加熱架橋性粒子。
  6. 前記重合体(C)は、単官能(メタ)アクリル系単量体、単官能スチレン系単量体、多官能(メタ)アクリル系単量体及び多官能スチレン系単量体からなる群より選ばれる1種以上を含む重合性単量体成分を重合させて得られたものである、請求項1~5のいずれか1項に記載の加熱架橋性粒子。
  7. 前記重合体(D)は、単官能(メタ)アクリル系単量体及び単官能スチレン系単量体からなる群より選ばれる1種以上を含む重合性単量体成分を重合させて得られたものである、請求項1~6のいずれか1項に記載の加熱架橋性粒子。
  8. 下記式(1):
    加熱架橋性粒子ゾル分低減率=(加熱架橋性粒子を不活性雰囲気下180℃で30分加 熱処理後のゾル分率)/(加熱架橋性粒子ゾル分率)×100 ・・・(1)
    より算出される加熱架橋性粒子ゾル分低減率が50%以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の加熱架橋性粒子。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載されている加熱架橋性粒子を加熱架橋した架橋粒子であって、
    前記重合体(C)と前記重合体(D)が、以下の式(2):
    -C(=O)-O-CH-CH(OH)- ・・・(2)
    で表される構造で結合している、架橋粒子。
  10. 樹脂コンパウンド添加剤として用いられる、請求項1~9のいずれか1項に記載の粒子。
  11. 樹脂フィルム用貼り付き防止剤として用いられる、請求項1~10のいずれか1項に記載の粒子。
  12. 前記樹脂フィルムが光学用途向け樹脂フィルムである、請求項11に記載の粒子。
  13. (i)ビニル系単量体(A)を含む重合性単量体成分を重合して得られる重合体(C)を、ビニル系単量体(B)を含む重合性単量体成分と混合し、懸濁重合する、又は、
    (ii)ビニル系単量体(B)を含む重合性単量体成分を重合して得られる重合体(D)を、ビニル系単量体(A)を含む重合性単量体成分と混合し、懸濁重合する、
    加熱架橋性粒子の製造方法であって、
    前記ビニル系単量体(A)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基の少なくとも一方の官能基を分子構造中に有するビニル系単量体であり、
    前記ビニル系単量体(B)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基の少なくとも一方の官能基を分子構造中に有するビニル系単量体であり、
    前記ビニル系単量体(B)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基のうち、前記ビニル系単量体(A)が有している基と反応する基を少なくとも有する、
    加熱架橋性粒子の製造方法。
  14. シード粒子を、ビニル系単量体(A)を含む重合性単量体成分で膨潤させたのち重合する加熱架橋性粒子の製造方法であって、
    前記ビニル系単量体(A)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基の少なくとも一方の官能基を分子構造中に有するビニル系単量体であり、
    前記シード粒子は、ビニル系単量体(B)を含む重合性単量体成分を重合して得られたものであり、
    前記ビニル系単量体(B)は、エポキシ基又はエポキシ基と反応する基のうち、前記ビニル系単量体(A)が有している基と反応する基を少なくとも有する、
    加熱架橋性粒子の製造方法。
  15. 請求項13又は14に記載の加熱架橋性粒子の製造方法で得られた加熱架橋性粒子を、加熱処理する、架橋粒子の製造方法。


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