JP2023136302A - 3-アミノベンゾイソチアゾール誘導体及びその製造方法 - Google Patents

3-アミノベンゾイソチアゾール誘導体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023136302A
JP2023136302A JP2022041840A JP2022041840A JP2023136302A JP 2023136302 A JP2023136302 A JP 2023136302A JP 2022041840 A JP2022041840 A JP 2022041840A JP 2022041840 A JP2022041840 A JP 2022041840A JP 2023136302 A JP2023136302 A JP 2023136302A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
general formula
isothiazole
aminobenzo
reaction
compound represented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022041840A
Other languages
English (en)
Inventor
靖宏 石綿
Yasuhiro Ishiwata
智人 正木
Tomohito Masaki
理俊 水村
Masatoshi Mizumura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2022041840A priority Critical patent/JP2023136302A/ja
Priority to CN202310193965.6A priority patent/CN116768817A/zh
Publication of JP2023136302A publication Critical patent/JP2023136302A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Thiazole And Isothizaole Compounds (AREA)

Abstract

【課題】新規化合物である3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-スルホンアミド誘導体及びその製造方法を提供する。【解決手段】下記一般式(3)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-スルホンアミド誘導体及びその製造方法。下記一般式(3)中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子、又は、ハロアルキル基を表す。JPEG2023136302000017.jpg3057【選択図】なし

Description

本開示は、3-アミノベンゾイソチアゾール誘導体及びその製造方法に関する。
3-アミノベンゾイソチアゾール誘導体は種々の用途に使用される。例えば、3-アミノベンゾイソチアゾール-5-スルホン酸が市販されており、医薬品、試薬等の中間体として有用とされている。3-アミノベンゾイソチアゾール-5-スルホン酸は、2-アミノベンゾニトリル(OABN)にスルホン酸基を導入し、硫化水素ガスの存在下、過酸化水素を作用させて得られる。しかしながら、3-アミノベンゾイソチアゾール-5-スルホン酸の水酸基を直接アミノ化する方法及びアミノ化された化合物は知られていない。
本発明者らの検討によれば、3-アミノベンゾイソチアゾール-5-スルホン酸におけるベンゾイソチアゾールの5位に存在するスルホン酸基部分がハロゲン化された3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-クロルスルホニル誘導体、及び上記クロルスルホニル基がスルファモイル化された3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-スルホンアミド誘導体はいずれも新規化合物である。
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、新規な3-アミノベンゾイソチアゾール誘導体を提供することである。
本開示の別の実施形態が解決しようとする課題は、新規な3-アミノベンゾイソチアゾール誘導体の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 下記一般式(3)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-スルホンアミド誘導体。

一般式(3)中、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子、又は、ハロアルキル基を表す。
<2> 下記一般式(2)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-クロルスルホニル誘導体。

一般式(2)中、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子、又は、ハロアルキル基を表す。
<3> 下記一般式(1)で表されるベンゾイソチアゾール誘導体と、ハロゲン化スルホン酸を含む反応溶媒とを反応させて、下記一般式(2-2)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-ハロゲン化スルホニル誘導体を得る工程を含み、上記反応溶媒全量に対するハロゲン化スルホン酸以外の溶媒の含有量が1質量%未満である、下記一般式(3)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-スルホンアミド誘導体の製造方法。

一般式(1)中、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子、又は、ハロアルキル基を表す。
一般式(2-2)中、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子、又は、ハロアルキル基を表し、Rはハロゲン原子を表す。
一般式(3)中、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子、又は、ハロアルキル基を表す。
<4> 上記一般式(2-2)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-ハロゲン化スルホニル誘導体を単離することなく、アンモニアを含む反応溶媒と反応させ、上記一般式(3)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-スルホンアミド誘導体を得る工程をさらに含む、<3>に記載の3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-スルホンアミド誘導体の製造方法。
<5> 上記アンモニアを含む反応溶媒は、アンモニア水、又は、アンモニア水とテトラヒドロフランとの混合溶媒である、<4>に記載の3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-スルホンアミド誘導体の製造方法。
<5> 上記一般式(2-2)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-ハロゲン化スルホニル誘導体と、アンモニアを含む反応溶媒との反応は、-10℃~5℃の温度条件下で行われる、<3>又は<4>に記載の3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-スルホンアミド誘導体の製造方法。
本発明の一実施形態によれば、新規な3-アミノベンゾイソチアゾール誘導体を提供することができる。
本開示の別の実施形態によれば、新規な3-アミノベンゾイソチアゾール誘導体の製造方法を提供することができる。
以下、本開示の内容について説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本開示の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明は以下の実施態様に限定されない。
本開示において「~」を用いて記載した数値範囲は、「~」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を表す。
本開示において記載される各成分の量は、当該成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、当該複数の物質の合計量を意味する。
本開示において段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合がある。
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
<一般式(3)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-スルホンアミド誘導体>
下記一般式(3)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-スルホンアミド誘導体(以下、「一般式(3)で表される化合物」とも称する)は新規化合物である。

一般式(3)中、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子、又は、ハロアルキル基を表す。
炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、tert-ブチル基が挙げられ、なかでも、メチル基又はエチル基が好ましく挙げられる。
ハロゲン原子としては、F、Cl、Br等が挙げられ、Cl又はFが好ましく挙げられる。
ハロアルキル基としては、上記アルキル基の水素原子の少なくとも1つがハロゲン原子に置換された基が挙げられ、-CFが好ましく挙げられる。
以下に、一般式(3)で表される化合物の具体例である例示化合物-1~例示化合物-9について、一般式(3)におけるR、R、及びRを明示することで開示するが、一般式(3)で表される化合物は、下記例示化合物に限定されない。
上記例示化合物のなかでも、合成適性の観点からは、R、R、及びRの全てが水素原子である例示化合物-1が好ましく挙げられる。
<一般式(2)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-クロルスルホニル誘導体>
下記一般式(2)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-クロルスルホニル誘導体(以下、「一般式(2)で表される化合物」とも称する)は新規化合物である。

一般式(2)中、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子、又は、ハロアルキル基を表す。
炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、tert-ブチル基が挙げられ、なかでも、メチル基又はエチル基が好ましく挙げられる。
ハロゲン原子としては、F、Cl、Br等が挙げられ、Cl又はFが好ましく挙げられる。
ハロアルキル基としては、上記アルキル基の水素原子の少なくとも1つがハロゲン原子に置換された基が挙げられ、-CFが好ましく挙げられる。
一般式(2)で表される化合物としては、合成適性の観点からは、R、R、及びRの全てが水素原子である化合物が好ましく挙げられる。
一般式(2)で表される化合物は、上記一般式(3)で表される化合物を合成する際の中間体として有用であり、一般式(2)におけるクロルスルホニル基のClをアミノ基に置換することで、一般式(3)で表される化合物が得られる。
<一般式(3)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-スルホンアミド誘導体の製造方法>
上記一般式(3)で表される化合物の製造方法には特に制限はなく、公知の合成方法により製造できる。
なかでも、収率がより高いという観点からは、以下に示す一般式(3)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-スルホンアミド誘導体の製造方法(以下、「本開示の製造方法」とも称する)により製造されることが好ましい。
本開示の製造方法は、下記一般式(1)で表されるベンゾイソチアゾール誘導体〔以下、「一般式(1)で表される化合物」とも称する)と、ハロゲン化スルホン酸を含む反応溶媒とを反応させて、下記一般式(2-2)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-ハロゲン化スルホニル誘導体を得る工程(I)を含み、上記反応溶媒全量に対するハロゲン化スルホン酸以外の溶媒の含有量が1質量%未満である。

一般式(1)中、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子、又は、ハロアルキル基を表す。
一般式(1)におけるR、R、及びRは、既述の一般式(2)で表される化合物におけるR、R、及びRと同じであり、好ましい例も同様である。
一般式(2-2)中、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子、又は、ハロアルキル基を表し、Rはハロゲン原子を表す。
一般式(2-2)におけるR、R、及びRは、既述の一般式(2)で表される化合物におけるR、R、及びRと同じであり、好ましい例も同様である。
一般式(2-2)におけるRは、ハロゲン原子を表し、ハロゲン原子としては、Cl、Brが挙げられ、反応性の観点からは、Clが好ましい。
一般式(2-2)におけるRがClである化合物が、既述の本開示の一般式(2)で表される化合物である。
〔工程I〕
工程Iにおける上記反応では、一般式(1)で表される化合物にハロゲン化スルホン酸基を導入する際には、ハロゲン化スルホン酸(HSOA、Aはハロゲン原子を表す)を含む反応溶媒を用いる。
ハロゲン化スルホン酸としては、クロルスルホン酸(HSOCl)、ブロムスルホン酸(HSOBr)等が挙げられ、より高い収率を期待できるという観点からは、クロルスルホン酸が好ましい。
クロルスルホン酸は液状であり、反応溶媒として用いることで、上記スキームの良好な反応性が得られる。従って、工程Iにおける反応溶媒は、クロルスルホン酸のみでよく、クロルスルホン酸以外の溶媒の併用は特に必要はない。併用し得る溶媒としては、ハロゲン系有機溶剤が挙げられる。反応溶媒全量に対するハロゲン化スルホン酸以外の溶媒の含有量は1質量%未満であることが、反応性及び副反応の抑制の観点から好ましく、不可避不純物としての溶媒を除き、ハロゲン化スルホン酸のみを反応溶媒として用いることがより好ましい。
なお、クロルスルホン酸は、水と接触すると激しく反応するため、反応溶媒に水を混入させないことが好ましい。
反応溶媒としてハロゲン化スルホン酸と一般式(1)で表される化合物とを反応させる工程Iの具体的な手順の一例を以下に記載する。
一般式(1)で表される化合物とハロゲン化スルホン酸との反応は、発熱反応であるため、反応容器内にハロゲン化スルホン酸を投入し、氷冷下で撹拌しながら、一般式(1)で表される化合物を添加する。
分割添加の速度は、8g/min~10g/minとすることができる。
反応は、反応容器内の液の温度(以下、液温とも称する)を20℃以下に維持しながら継続することが好ましい。反応容器内の温度は、0℃~20℃に維持することが好ましく、5℃~20℃に維持することがより好ましい。
一般式(1)で表される化合物を全量添加するまで、撹拌及び反応容器内の液温を上記温度に維持することを継続する。
一般式(1)で表される化合物に対する反応溶媒としてのハロゲン化スルホン酸の使用量は、質量換算で、一般式(1)で表される化合物:ハロゲン化スルホン酸の比率を1:6~1:6.5とすることができる。
一般式(1)で表される化合物を全量添加した後、反応容器内の温度を30℃~45℃、好ましくは35℃~40℃に昇温し、反応を継続することが好ましい。反応は、1時間~2時間継続することが好ましく、1時間~1.5時間継続することがより好ましい。
反応終了後、反応容器内の液温を10℃~20℃に冷却することが好ましく、12℃~15℃に冷却することがより好ましい。
別工程として、氷の中に食塩、濃塩酸、及びアセトンを適量添加して晶析液を調製することが好ましい。
得られた晶析液を満たした反応容器内の液温を-10℃~-2℃に冷却して撹拌を継続しながら、先に得た反応液の液温を10℃以下に維持しながら滴下することが好ましい。滴下速度は、20g/min~30g/minとすることができる。
滴下終了後、反応容器内の液温を0℃~12℃に維持して所定時間撹拌を行うことが好ましい。撹拌時間は、15分間~45分間とすることができる。
撹拌継続後、吸引ろ過を行って、一般式(2-2)で表される化合物を含む反応液から、残余の反応溶媒を除去する。反応溶媒等を吸引ろ過して除去した後に得られた固形分は、一般式(2)で表される化合物を含む。得られた一般式(2-2)で表される化合物を含む固形分は、単離、及び、乾燥することなく、後述の一般式(3)で示される化合物の合成に使用することができる。
工程Iにより得られた一般式(2-2)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-ハロゲン化スルホニル誘導体、好ましくは、一般式(2)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-クロルスルホニル誘導体は、不安定な化合物であるため、次工程である工程IIにおいては、一般式(2-2)で表される化合物は、工程Iの反応終了後、ハロゲン化スルホン酸を含む反応溶媒をろ過により除去した後、得られた化合物を、単離、及び、乾燥することなく、反応溶媒と分離された固形分をそのまま工程IIのスルファモイル化反応に供することが好ましい。
〔工程II〕
本開示の製造方法は、工程Iの次工程として、一般式(2-2)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-ハロゲン化スルホニル誘導体を単離することなく、アンモニアを含む反応溶媒と反応させ、既述の一般式(3)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-スルホンアミド誘導体を得る工程IIをさらに含むことが好ましい。
工程Iにより得られた一般式(2-2)で表される化合物に導入されたハロゲン化スルホニル基のハロゲン原子をアミノ化することにより、一般式(3)で表される化合物を得る。
工程IIでは、一般式(2-2)で表される化合物とアンモニアを含む反応溶媒との反応により、一般式(2-2)で表される化合物のハロゲン化スルホニル基におけるハロゲン原子部分がアミノ化され、一般式(3)で表される化合物が得られる。
アンモニアを含む反応溶媒としては、アンモニア水、アンモニア水と有機溶剤との混合溶媒が挙げられる。
反応溶媒としてのアンモニア水は、濃度が15質量%~50質量%が好ましく、20質量%~30質量%がより好ましい。
混合溶媒に用いられる有機溶剤としては、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
混合溶媒は、アンモニア水と有機溶媒との混合比率を、体積換算で0.5:1.5~1:1.3の範囲とすることができる。
工程IIにおける反応溶媒としては、アンモニア水、又は、アンモニア水とテトラヒドロフランとの混合溶媒が好ましい。
また、アンモニアの有機溶剤溶液(例えば、アンモニアの2-プロピルアルコール溶液等)を反応溶媒として用いてもよい。
まず、反応溶媒を反応容器内に投入し、反応容器内の液温を-10℃~5℃に維持しながら、撹拌を継続し、工程Iで得た一般式(2-2)で表される化合物を含む固形分の全量を添加する。
即ち、一般式(2-2)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-ハロゲン化スルホニル誘導体と、アンモニアを含む反応溶媒との反応は、-10℃~5℃の温度条件下で行われることが好ましい。
工程IIにおける、反応溶媒に含まれるアンモニアと一般式(2-2)で表される化合物との反応は、発熱反応であるため、反応容器内の温度を、例えば、予め0℃以下に冷却し、反応を開始させることが好ましい。
反応容器内の温度は-10℃~5℃とすることが好ましく、0℃~5℃に維持することがより好ましい。反応は、15分間~60分間撹拌を継続して行うことが好ましい。
その後、反応容器内の液温を15℃~30℃にて、50分間~90分間撹拌を継続することが好ましい。
次いで、反応系のpHを、pH7~8に下げるため、濃塩酸を、容器内の液温を20℃以下、好ましくは、10℃~20℃に保持して滴下し、その後、水を容器内の温度を20℃以下に維持しながら滴下する。水の滴下後、反応容器内の液温を20℃に維持して30分間撹拌した後、液温を5℃に降温し、さらに2時間撹拌する。
水の添加量は、濃塩酸の添加量に対し、体積換算で5倍量以上添加することが好ましく、6倍以上添加することがより好ましい。水の添加量には、特に制限はないが、体積換算で、6.5倍以下とすることができる。
その後、吸引ろ過を行い、一般式(3)で表される化合物を分取する。分取した固形物は、水にて洗浄を行って、一般式(3)で表される化合物の黄色結晶を得ることができる。
一般式(3)で表される化合物の存在は、NMR等で確認することができる。
なお、一般式(2)で表される化合物は、単離されてはいないが、下記反応スキームより、一般式(3)で示される化合物の中間体であり、下記構造を有することは明らかであり、一般式(2)で表される化合物が新規化合物であることは確認されている。下記一般式(3)及び一般式(2)におけるR、R、及びRは既述のとおりである。
本開示の一般式(3)で表される化合物、及び一般式(2)で表される化合物は、公知の化合物である3-アミノベンゾイソチアゾール-5-スルホン酸と同様に、種々の用途に好適に使用することができる。
また、本開示の製造方法によれば、一般式(3)で表される化合物を収率よく製造することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び、処理手順等は、趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。したがって、本開示の実施形態の範囲は以下に示す具体例に限定されない。
〔実施例1〕
<一般式(2)で表される化合物の合成:工程I>
クロルスルホン酸502.7gを反応容器内に投入し、氷冷下、撹拌を継続しながら、一般式(1)で表される化合物であって、R、R、及びRのいずれもが水素原子である下記化合物A 81.0gを、反応容器内の液温を20℃以下に維持しながら、分割添加した。
その後、反応容器内の液温を40℃に上げて1時間半、撹拌を継続しながら反応を行った。反応終了後、反応容器内の液温を15℃に冷却して、反応液を得た。
氷1320gの中に食塩80g、濃塩酸160mL(ミリリットル)、アセトン40mLを添加して、晶析液を調製した。得られた晶析液を別の反応容器に投入し、反応容器内の液温を-5℃として撹拌を継続しながら、先に得た反応液を、晶析液中に滴下した。
晶析液が投入された反応容器内の液温を10℃以下維持して、30分間撹拌を行った。撹拌終了後、析出した固形分を、吸引ろ過して、反応溶媒を除去し、固形分を分取した。濾過した一般式(2)で表される化合物である下記化合物Bの結晶を含む固形分は乾燥することなく、以下の工程IIにおいて、一般式(3)で表される化合物の合成に使用した。
<一般式(3)で表される化合物の合成:工程II>
反応容器内にアセトニトリル200mLを投入し、さらに25質量%アンモニア水170mLを添加した後、反応容器内の液温を0℃~5℃として撹拌を行って混合溶媒を得た。上記工程Iで得た化合物Bを含む固形分の全量を、反応容器内に、反応容器内の液温を0℃~5℃に維持しながら添加した。反応容器内の液温を0℃~5℃に維持しながら30分間撹拌し、その後、反応容器内の液温を20℃に昇温して、さらに1時間撹拌を行った。
次いで、反応系のpHをpH7~8に調整するため濃塩酸80mLを、反応容器内の液温を20℃以下に保持して滴下し、その後、さらに、水520mLを同温度で滴下した。
反応容器内の液温を20℃に維持して30分間撹拌した後、液温を5℃に降温して2時間撹拌した。撹拌終了後、吸引ろ過により固形分を分取し、水240mLにて洗浄を行なって、一般式(3)で表される化合物である下記例示化合物-1の黄色結晶を87.8g得た。
反応率は77%であり、収率は71%であつた。
<例示化合物-1の確認>
得られた黄色結晶の核磁気共鳴装置(NMR)により得たスペクトル:H-NMR(DMSO-d6)δ:8.37(s,2H)、8.25(s,2H)、7.54-7.59(d,2H)、7.32-7.37(d,2H)、7.24(s,2H)
NMRスペクトルにより、得られた化合物は、3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-スルホンアミドの構造を有することを確認した。
〔実施例2〕
<一般式(2)で表される化合物の合成:工程I>
実施例1の工程Iと同様にして、一般式(2)で表される化合物である上記化合物Bを含む固形分を得た。化合物Bの結晶を含む固形分は乾燥することなく、以下の工程IIにおいて、一般式(3)で表される化合物の合成に使用した。
<一般式(3)で表される化合物の合成:工程II>
アンモニアを2mol/L含む2-プロパノール溶液1130mLを、反応容器内に投入し、反応容器内の液温を0℃~5℃に維持しながら撹拌を行い、上記で得た化合物Bを含む固形分の全量を、反応容器内の液温を0℃~5℃に維持しながら添加した。液温を0℃~5℃として、30分間撹拌を行い、その後、液温を20℃に昇温して1時間撹拌を行った。
次いで、反応系のpHをpH7~8に調整するため濃塩酸80mLを、反応容器内の液温を20℃以下に保持して滴下し、その後、さらに、水520mLを同温度で滴下した。
反応容器内の液温を20℃に維持して30分間撹拌した後、液温を5℃に降温して2時間撹拌した。撹拌終了後、吸引ろ過により固形分を分取し、水240mLにて洗浄を行なって、一般式(3)で表される化合物の黄色結晶を61.8g得た。
反応率は76%であり、収率は50%であった。
実施例1と同様の条件にてNMRスペクトルを得たところ、得られた化合物は、例示化合物-1の構造を有することを確認した。
〔実施例3〕
<一般式(2)で表される化合物の合成:工程I>
実施例1の工程Iと同様にして、一般式(2)で表される化合物である上記化合物Bを含む固形分を得た。化合物Bの結晶を含む固形分は乾燥することなく、以下の工程IIにおいて、一般式(3)で表される化合物の合成に使用した。
<一般式(3)で表される化合物の合成:工程II>
イソプロピルアルコール200mL中に25質量%アンモニア水170mLを反応容器内に投入し、反応容器内の液温を0℃~5℃に維持しながら撹拌を行い、上記で得た化合物Bを含む固形分の全量を、液温を0℃~5℃に維持しながら添加した。液温を0℃~5℃として、30分間撹拌を行い、その後、反応容器内の液温を20℃に昇温して1時間撹拌を行った。
次いで、反応系のpHをpH7~8に調整するため濃塩酸80mLを、反応容器内の液温を20℃以下に保持して滴下し、その後、さらに、水520mLを同温度で滴下した。
反応容器内の液温を20℃に維持して30分間撹拌した後、液温を5℃に降温して2時間撹拌した。撹拌終了後、吸引ろ過により固形分を分取し、水240mLにて洗浄を行なって、一般式(3)で表される化合物の黄色結晶を68.0g得た。
反応率は67%であり、収率は55%であった。
実施例1と同様の条件にてNMRスペクトルを得たところ、得られた化合物は、例示化合物-1の構造を有することを確認した。
〔実施例4〕
<一般式(2)で表される化合物の合成:工程I>
実施例1の工程Iと同様にして、一般式(2)で表される化合物である上記化合物Bを含む固形分を得た。化合物Bの結晶を含む固形分は乾燥することなく、以下の工程IIにおいて、一般式(3)で表される化合物の合成に使用した。
<一般式(3)で表される化合物の合成:工程II>
テトラヒドロフラン200mLに25質量%アンモニア水170mLを混合して得た混合溶媒を反応容器内に投入し、反応容器の液温を0℃~5℃に維持しながら撹拌を行い、上記で得た化合物Bの全量を、液温を0℃~5℃に維持しながら添加した。液温を0℃~5℃として、30分間撹拌を行い、その後、液温を20℃に昇温して1時間撹拌を行った。
次いで、反応系のpHをpH7~8に調整するため濃塩酸80mLを、反応容器内の液温を20℃以下に保持して滴下し、その後、さらに、水520mLを同温度で滴下した。
反応容器内の液温を20℃に維持して30分間撹拌した後、液温を5℃に降温して2時間撹拌した。撹拌終了後、吸引ろ過により固形分を分取し、水240mLにて洗浄を行なって、一般式(3)で表される化合物の黄色結晶92.7gを得た。
反応率は86%であり、収率は75%であった。
実施例1と同様の条件にてNMRスペクトルを得たところ、得られた化合物は、例示化合物-1の構造を有することを確認した。
実施例1~実施例4に明らかな如く、各実施例の製造方法により、新規化合物である一般式(3)で表される化合物、及び、その中間体である一般式(2)で表される化合物を得ることができた。
また、各実施例の対比より、一般式(2)で示される化合物から一般式(3)で表される化合物を合成する工程IIでは、アンモニア水とアセトニトリルとの混合溶媒を用いた実施例1、及び、アンモニア水とテトラヒドロフランとの混合溶媒を用いた実施例4は、収率がより良好であることが分かる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(3)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-スルホンアミド誘導体。


    一般式(3)中、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子、又は、ハロアルキル基を表す。
  2. 下記一般式(2)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-クロルスルホニル誘導体。


    一般式(2)中、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子、又は、ハロアルキル基を表す。
  3. 下記一般式(1)で表されるベンゾイソチアゾール誘導体と、ハロゲン化スルホン酸を含む反応溶媒とを反応させて、下記一般式(2-2)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-ハロゲン化スルホニル誘導体を得る工程を含み、
    前記反応溶媒全量に対するハロゲン化スルホン酸以外の溶媒の含有量が1質量%未満である、下記一般式(3)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-スルホンアミド誘導体の製造方法。


    一般式(1)中、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子、又は、ハロアルキル基を表す。
    一般式(2-2)中、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子、又は、ハロアルキル基を表し、Rはハロゲン原子を表す。

    一般式(3)中、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子、又は、ハロアルキル基を表す。
  4. 前記一般式(2-2)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-ハロゲン化スルホニル誘導体を単離することなく、アンモニアを含む反応溶媒と反応させ、前記一般式(3)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-スルホンアミド誘導体を得る工程をさらに含む、請求項3に記載の3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-スルホンアミド誘導体の製造方法。
  5. 前記アンモニアを含む反応溶媒は、アンモニア水、又は、アンモニア水とテトラヒドロフランとの混合溶媒である、請求項4に記載の3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-スルホンアミド誘導体の製造方法。
  6. 前記一般式(2-2)で表される3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-ハロゲン化スルホニル誘導体と、アンモニアを含む反応溶媒との反応は、-10℃~5℃の温度条件下で行われる、請求項3又は請求項4に記載の3-アミノベンゾ[c]イソチアゾール-5-スルホンアミド誘導体の製造方法。
JP2022041840A 2022-03-16 2022-03-16 3-アミノベンゾイソチアゾール誘導体及びその製造方法 Pending JP2023136302A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022041840A JP2023136302A (ja) 2022-03-16 2022-03-16 3-アミノベンゾイソチアゾール誘導体及びその製造方法
CN202310193965.6A CN116768817A (zh) 2022-03-16 2023-03-02 3-氨基苯并异噻唑衍生物及其制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022041840A JP2023136302A (ja) 2022-03-16 2022-03-16 3-アミノベンゾイソチアゾール誘導体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023136302A true JP2023136302A (ja) 2023-09-29

Family

ID=87984861

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022041840A Pending JP2023136302A (ja) 2022-03-16 2022-03-16 3-アミノベンゾイソチアゾール誘導体及びその製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2023136302A (ja)
CN (1) CN116768817A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
CN116768817A (zh) 2023-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2724105C2 (ru) Способ синтеза молекул, содержащих функциональную группу нитрилоксида
PL210148B1 (pl) Sposób wytwarzania sulfonamidu
JPS60172984A (ja) 1,2,4−トリアゾロ〔1,5−a〕−ピリミジン−2−スルホニルクロライドの製造法
US6114541A (en) Method for the preparation of α-Bromo-Lactam derivatives
JP2023136302A (ja) 3-アミノベンゾイソチアゾール誘導体及びその製造方法
WO2001036383A1 (en) Process for the preparation of sulfamides
US7102010B2 (en) Process for producing 5-substituted oxazole compounds and 5-substituted imidazole compounds
US6545172B1 (en) Processes for the production of methyl dithiocarbazinate
JP2578797B2 (ja) N−(スルホニルメチル)ホルムアミド類の製造法
JPS5838242A (ja) N−置換メタクリルアミド及びアクリルアミドの製造方法
SU921466A3 (ru) Способ получени 1,2,3-тиадиазол-5-ил-мочевин
CA2218669C (en) A process for reducing dithiocarbazinate buildup in the preparation of methyl dithiocarbazinate
AU700620B2 (en) Process for the preparation of 5-aryl-2,4-dialkyl-3 h-1,2,4-triazole-3-thiones
US6589903B2 (en) Method of synthesizing complexes of platinum and alkenylpolysiloxane, especially of platinum and divinyltetramethyldisiloxane
EA010569B1 (ru) Способ получения хирально чистой кристаллической модификации натеглинида
JP4913589B2 (ja) 1,2−ベンズイソキサゾール−3−メタンスルホンアミドのワンポット製造法
CN107602483B (zh) 色瑞替尼中间体及其制备方法
EP3609877B1 (en) Process for the synthesis of firocoxib
JPH0579672B2 (ja)
JPH09124605A (ja) 3,4−ジヒドロカルボスチリルの製造方法
EP0131472A2 (en) 5-Mercapto-1,2,3-thiadiazoles composition and process for preparing the same
CN106432182B (zh) 特地唑胺中间体的合成方法
JP4447741B2 (ja) 1−(チアゾリン−2−イル)アゼチジン誘導体の製造法
JP4278316B2 (ja) ヒドラジン誘導体の製造方法
JP3266358B2 (ja) アルキルスルホナート誘導体の製造方法