JP2023135905A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のスカベンジポンプを備えた内燃機関において、ポンプ着脱作業性への影響を抑えた上で、各スカベンジポンプのオイル吸込み口の間の部位とクランクケースとの密着性を向上させる。【解決手段】複数のスカベンジポンプをポンプ軸方向で連結する前下方ボルトB1および後上方ボルトB2の間に、ポンプ上下方向に沿う中間ボルトB6によってポンプユニット50をクランクケースに固定する中間締結部68Cを配置し、中間締結部68Cは、複数のスカベンジポンプにおける一対のオイル吸込み口の間に配置され、ポンプ取付面23cから離隔する側への高さにおいて、中間締結部68Cにおける中間ボルトB6の締結座面68C1の高さは、前下方ボルトB1および後上方ボルトB2による前下方締結部67Fおよび後上方締結部67Rと重なる高さにあるか、前下方締結部67Fおよび後上方締結部67Rよりも高い位置にある。【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関に関する。
特許文献1には、複数のスカベンジポンプを備える内燃機関において、複数のスカベンジポンプを一体に連結したポンプユニットが、クランクケースにボルトで固定されることが記載されている。ポンプユニットをクランクケースに固定するボルトの位置は、複数のスカベンジポンプの並び方向で、各スカベンジポンプのオイル吸込み口の間に配置されている。この構成によれば、複数のスカベンジポンプの各オイル吸込み口の間の部位とクランクケースとの密着性を向上して気密を確保し、クランクシャフトによる動力伝達時の抵抗(オイル抵抗)を少なくすることができる。
特開2005-282568号公報
しかし、ポンプユニットをクランクケースに固定するボルトの高さは、クランクケースにおけるポンプユニットを取り付ける取付面に近い位置(低い位置)にある。このため、ポンプ着脱作業時には、ポンプ本体部に埋もれた位置に対してボルトを挿脱させることとなり、作業性の面で課題がある。
そこで本発明は、複数のスカベンジポンプを備える内燃機関において、ポンプ着脱作業性への影響を抑えた上で、各スカベンジポンプのオイル吸込み口の間の部位とクランクケースとの密着性を向上させることを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、クランクケース(20)と、前記クランクケース(20)から流下したエンジンオイルを吸い込んでオイルパン(40)に戻す複数のスカベンジポンプ(51L,51R)と、を備えた内燃機関において、前記複数のスカベンジポンプ(51L,51R)を第一方向に並べて、これらを前記第一方向に沿う複数の連結ボルト(Ba)によって連結して、一体のポンプユニット(50)を構成し、前記ポンプユニット(50)における前記複数の連結ボルト(Ba)の少なくとも一部(B1,B2)の間に、前記第一方向と交差する第二方向に沿う固定ボルト(B6)によって前記ポンプユニット(50)を前記クランクケース(20)に固定するユニット固定部(68C)を配置し、前記ユニット固定部(68C)は、前記複数のスカベンジポンプ(51L,51R)における前記第一方向に並ぶ一対のオイル吸込み口(72aL,72aR)の間に配置され、前記クランクケース(20)における前記ポンプユニット(50)を取り付けるポンプ取付面(23c)から前記第二方向で離隔する側への高さにおいて、前記ユニット固定部(68C)における前記固定ボルト(B6)の締結座面(68C1)の高さは、前記複数の連結ボルト(Ba)の少なくとも一部(B1,B2)によるユニット連結部(67F,67R)と重なる高さにあるか、前記ユニット連結部(67F,67R)よりも高い位置にある、ことを特徴とする内燃機関を提供する。
この構成によれば、複数のスカベンジポンプの隣り合うオイル吸込み口の間(ポンプユニットの内側)に、固定ボルトを用いたユニット固定部を備えることで、固定ボルトの締結力によって各オイル吸込み口とクランクケースとの密着性を向上させることができる。そのため、スカベンジポンプによるオイル吸込み量、オイル吐出量を増大させやすくなり、クランクケース内に発生するオイル抵抗(クランクシャフトによる動力伝達時の抵抗)を少なくすることができる。
固定ボルトの締結座面は、ユニット連結部と重なる高さかより高い位置に配置されるので、固定ボルトの締結座面が低い位置(ポンプ取付面に近い位置)にある場合と比べて、固定ボルトの締結座面がポンプユニットの着脱作業を行う側に近付くこととなり、固定ボルトの挿脱がしやすく、ポンプユニットの着脱作業を行いやすくすることができる。
請求項2に記載した発明は、一体の前記ポンプユニット50は、前記第一方向で一対の前記スカベンジポンプ(51L,51R)の間に配置されるフィードポンプ(51C)を備え、前記ユニット固定部(68C)は、前記第一方向から見て、前記フィードポンプ(51C)のポンプロータ(53C)を避けて配置されている。
この構成によれば、ポンプユニットを固定するユニット固定部が、第一方向(各スカベンジポンプの連結方向)から見て、一対のスカベンジポンプの間のフィードポンプのポンプロータを避けて配置されるので、ユニット固定部がロータ収容空間に切り欠かれず、固定ボルトによる締結剛性を高めることができる。このため、各オイル吸込み口とクランクケースとの密着性を向上させ、クランクシャフトによる動力伝達時のオイル抵抗を少なくすることができる。
請求項3に記載した発明は、前記ポンプユニット(50)は、前記クランクケース(20)側からオイルパン(40)側へのエンジンオイルの流通は許容し、逆方向のエンジンオイルの流通は規制するリードバルブ(90L,90R)を備え、前記リードバルブ(90L,90R)は、各スカベンジポンプ(51L,51R)のポンプハウジング(52L,52R)のバルブ締結部(95)に、バルブ固定ボルト(B7)によって締結され、前記バルブ締結部(95)における前記バルブ固定ボルト(B7)を締め込むネジ孔(96)は、前記クランクケース(20)内および前記オイルパン(40)内の一方にのみ開口する。
この構成によれば、バルブ締結部におけるネジ孔を通じてクランクケース内およびオイルパン内を連通させることがない。このため、クランクケース内の密閉性を高めることができ、クランクケース内に発生するオイル抵抗(クランクシャフトによる動力伝達時の抵抗)を少なくすることができる。
請求項4に記載した発明は、各スカベンジポンプ(51L,51R)のオイル吸込み口(72aL,72aR)は、前記クランクケース(20)の前記ポンプ取付面(23c)に取り付けられ、前記バルブ締結部(95)は、前記ポンプ取付面(23c)を超えて前記クランクケース(20)の内側に突出している。
この構成によれば、バルブ締結部がクランクケースの内側に突出することで、バルブ締結部の配置がリードバルブの配置に影響し難くなり、リードバルブの配置自由度を高めることができる。
請求項5に記載した発明は、前記オイルパン(40)内のオイル貯留空間(41)を前記ポンプ取付面(23c)よりも前記クランクケース(20)の内側に膨出させる空間膨出部(24)を備え、前記バルブ締結部(95)は、前記空間膨出部(24)内に配置されている。
この構成によれば、バルブ締結部がオイル貯留空間内に配置されることで、バルブ締結部のネジ孔を貫通形成したとしても、ネジ孔を通じてクランクケース内およびオイルパン内を連通させることがなく、クランクケース内の密閉性を高めることができる。ネジ孔を袋孔とする場合に比べて、ネジ孔の一端を閉塞する駄肉を無くし、ポンプユニットの軽量化を図ることができる。
本発明によれば、複数のスカベンジポンプを備える内燃機関において、ポンプ着脱作業性への影響を抑えた上で、各スカベンジポンプのオイル吸込み口の間の部位とクランクケースとの密着性を向上させることができる。
本発明の実施形態における自動二輪車の左側面図である。 上記自動二輪車のエンジンの右側面図であり、内部構成の概略を示す。 上記エンジンの要部の一部断面を含む右側面図である。 上記ポンプユニットの上面図である。 図4のV-V断面図である。 図4のVI-VI断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UP、が示されている。実施形態の明細書および図面において、左右一対の構成の符号から「L」、「R」を無くして総称することがある。
<車両全体>
図1に示すように、実施形態の自動二輪車(鞍乗り型車両)1は、前輪2および後輪3と、前輪2を支持するフロントフォーク4と、後輪3を支持するスイングアーム5と、フロントフォーク4およびスイングアーム5を支持する車体フレーム6と、車体フレーム6に支持されるエンジン(内燃機関、原動機)7と、を備えている。
図2を併せて参照し、実施形態のエンジン7は、クランクシャフト11の回転中心軸線(クランク軸線)C1を車幅方向(車両左右方向)に沿わせたV型4気筒エンジンである。エンジン7は、クランクケース20と、前傾シリンダ31および後傾シリンダ32と、を備えている。
クランクケース20は、クランクシャフト11を回転可能に支持している。図中矢印Fはエンジン運転時におけるクランクシャフト11の回転方向を示す。クランクケース20は、前部にクランクシャフト11を収容し、後部に変速機16を収容している。
クランクケース20は、クランクシャフト11のクランクピン12およびクランクウェブ(クランクアーム)13を収容するクランク室形成部21と、変速機16を収容するミッションケース部26と、を備えている。
クランクケース20の下部には、オイルパン40が下方から取り付けられている。クランク室形成部21の下部には、後に詳述するポンプユニット50が下方から取り付けられている。
前傾シリンダ31および後傾シリンダ32は、クランクケース20の前部上方に設けられている。前傾シリンダ31は、斜め上前方に向けて起立し、後傾シリンダ32は、斜め上後方に向けて起立している。前傾シリンダ31および後傾シリンダ32の各筒内には、それぞれピストン14が挿入されている。
各ピストン14は、それぞれコンロッド(コネクティングロッド)15を介してクランクシャフト11のクランクピン12に連結されている。ピストン14の往復動は、コンロッド15を介してクランクシャフト11の回転動に変換される。クランクシャフト11の回転駆動力は、不図示のクラッチを介して変速機16に伝達され、適宜変速がなされた後に、例えばチェーン式の動力伝達機構を介して後輪3に伝達される。
<密閉クランク室>
図2,図6を参照し、クランク室形成部21は、互いに独立した一対の密閉クランク室23を形成している。一対の密閉クランク室23は、車幅方向に並んでいる。各密閉クランク室23は、前傾シリンダ31および後傾シリンダ32における左右何れかの筒内とそれぞれ連通している。各密閉クランク室23は、クランクケース20内の隔壁によってミッションケース部26内およびオイルパン40内の各空間に対して仕切られている。
密閉クランク室23を形成し、後述するスカベンジポンプ51L,51Rによってクランクケース20の内圧を強制的に負圧にすることで、ピストン運動により引き起こされるポンピングロスが低減される。密閉クランク室23内の余分なエンジンオイルが排出されることで、クランクシャフト11によるオイル攪拌が低減されてフリクションロスが抑えられる。各密閉クランク室23には、クランクシャフト11が有する一対のクランクピン12の各々、各クランクピン12を支持する一対クランクウェブ13、および各クランクピン12に連結される一対のコンロッド15、がそれぞれ配置されている。
図4,図6を参照し、クランク室形成部21の下方を区画する下部隔壁22には、各密閉クランク室23を下方に開放する一対の開口23aが形成されている。下部隔壁22における各開口23aには、ポンプユニット50における一対のスカベンジポンプ(scavengeing pump)51L,51Rの各オイル吸込み口72aL,72aRが、それぞれ下方から接続されて連通している。図中符号23cは、はクランク室形成部21の下部隔壁22におけるポンプユニット50を取り付けるポンプ取付面、符号50cは、ポンプユニット50におけるポンプ取付面23cに対向(当接)する被取付面、をそれぞれ示す。ポンプ取付面23cおよび被取付面50cは、例えばエンジン7の車載状態において略水平に配置されている(図5参照)。ポンプ取付面23cおよび被取付面50cは、例えばエンジン7の車載状態において後下がりに傾斜して配置されてもよい(図6参照)。
図2,図3を参照し、オイルパン40は、クランクケース20の下方に取り付けられている。オイルパン40は、クランクケース20における略水平な下端面から下方に突出するように設けられている。オイルパン40は、上方に開口する容器状に形成されている。オイルパン40の上端開口部は、クランクケース20の下端開口部に下方から当接して結合されている。
オイルパン40内には、エンジンオイルを貯留するオイル貯留空間41が形成されている。オイル貯留空間41は、クランクケース20の下部空間(下部隔壁22よりも下方の空間)に連通している。クランクケース20の下部空間には、ポンプユニット50が配置されている。
<ポンプユニット>
図3~図6を参照し、ポンプユニット50は、クランク室形成部21の下部隔壁22の下面側に取り付けられている。ポンプユニット50は、複数のトロコイド歯形の内接歯車ポンプであるオイルポンプを車幅方向(クランク軸方向)に沿って並べている。ポンプユニット50は、左側から右側の順に、左スカベンジポンプ51L、フィードポンプ51Cおよび右スカベンジポンプ51Rを備えている。
左スカベンジポンプ51L、フィードポンプ51Cおよび右スカベンジポンプ51Rは、それぞれハウジング(ポンプハウジング)52L,52C,52Rの内部にロータ53L,53C,53Rを備えている。
各ロータ53L,53C,53Rは、対応するハウジング52L,52C,52R内の円筒空間で回転可能かつ平行移動不能に設けられた環状のアウターロータ54と、アウターロータ54の内側に配置されてアウターロータ54に対して偏心した軸線回りに回転可能に設けられたインナーロータ55と、を備えている。アウターロータ54は、内歯を有し、インナーロータ55は、内歯よりも数の外歯を有している。アウターロータ54およびインナーロータ55は、内歯と外歯との間に油室56を形成している。図示都合上、右スカベンジポンプ51Rのロータ53Rの側面視の図示は略す。
クランクシャフト11の回転に連動して駆動軸66が回転すると、アウターロータ54およびインナーロータ55が油室56の容積を変化させながら回転し、油室56内の流体を下流側に圧送する。
ポンプユニット50は、左スカベンジポンプ51L、フィードポンプ51Cおよび右スカベンジポンプ51Rが共用する単一のポンプボディ60および単一の駆動軸66を備えている。
ポンプボディ60は、左右外側にそれぞれ配置される左右分割体61,63と、左右分割体61,63間に配置される第一中間分割体62および第二中間分割体64と、を備えている。複数の分割体61~64は、左側から順に左分割体61、第一中間分割体62、第二中間分割体64および右分割体63の順に並んでいる。複数の分割体61~64は、車幅方向に沿う複数の連結ボルトBaによって互いに締結されて一体化されている。ポンプボディ60が車幅方向で複数の分割体61~64に分割されることで、各ポンプ51L,51C,51Rのポンプロータ57(アウターロータ54およびインナーロータ55)を組み付け可能である。ポンプロータ57は、各ポンプ51L,51C,51Rのロータ53L,53C,53Rに相当する構成である。実施形態の説明における「中間」とは、対象の両端間の中央のみならず、対象の両端間の内側の範囲を含むことを意味する。
複数の連結ボルトBaの配置について、図5に示すポンプユニット50の側面視(軸方向視)を参照して説明する。
複数の連結ボルトBaは、側面視でポンプロータ57の下端部の前方に離隔した位置に配置される前下方ボルトB1と、側面視でポンプロータ57の上部の後方に離隔した位置に配置される後上方ボルトB2と、側面視でポンプロータ57の下方に離隔した位置に配置される下方ボルトB3と、を備えている。
以下、ポンプユニット50の説明において、上端面(被取付面50c)に沿う前後方向をポンプ前後方向(第一方向)、上端面に直交する上下方向をポンプ上下方向、駆動軸66の軸方向をポンプ軸方向(又はポンプ左右方向、第二方向)、ということがある。以下の説明では、ポンプ前後方向、ポンプ上下方向、ポンプ左右方向が、それぞれ車両前後方向、車両上下方向、車両左右方向に沿うものとして説明する。
図3~図6を参照し、ポンプユニット50(ポンプボディ60)は、前下方ボルトB1の挿通孔を形成する円筒状の前下方締結部67Fと、後上方ボルトB2の挿通孔を形成する円筒状の後上方締結部67Rと、下方ボルトB3の挿通孔を形成する円筒状の下方締結部67Lと、を備えている。前下方締結部67F、後上方締結部67R、下方締結部67Lは、各スカベンジポンプ51L,51Rおよびフィードポンプ51Cを、複数の連結ボルトBaを用いて相互に連結するユニット連結部67Aを構成している。
図5を参照し、ポンプユニット50の側面視において、前下方ボルトB1と後上方ボルトB2との間には、各ポンプ51L,51C,51Rのポンプロータ57が配置されている。ポンプユニット50の側面視において、前下方ボルトB1と各ポンプ51L,51C,51Rのポンプロータ57との間には、ポンプユニット50の軸方向中間部をクランク室形成部21に締結し固定するための中間ボルトB6および中間締結部68Cが配置されている。中間ボルトB6および中間締結部68Cについては後に詳述する。
図3~図5を参照し、駆動軸66は、車幅方向に沿う軸線(ポンプ回転中心軸線)C2回りを回転可能に設けられている。駆動軸66は、左右端部がポンプボディ60の左右外側に突出している。例えば駆動軸66の右端部には、クランクシャフト11の回転が伝達される入力ギヤ36が一体回転可能に取り付けられている。例えば駆動軸66の左端部には、例えばウォータポンプ(不図示)等の他の補機類に回転を伝達する出力ギヤ(不図示)が一体回転可能に取り付けられている。駆動軸66は、左スカベンジポンプ51L、フィードポンプ51Cおよび右スカベンジポンプ51Rの各インナーロータ55を同軸に支持している。
<スカベンジポンプ>
図3~図6を参照し、左スカベンジポンプ51Lおよび右スカベンジポンプ51Rの各ハウジング52L,52Rは、それぞれのポンプロータ57(アウターロータ54およびインナーロータ55)を収容するロータ収容部70(図6参照)と、ロータ収容部70に連続するとともに互いに独立した吸入ポート71L,71Rおよび吐出ポート(不図示)と、を備えている。
左スカベンジポンプ51Lおよび右スカベンジポンプ51Rの各ロータ収容部70は、各ポンプロータ57の外形状に倣った円柱状の収容空間を形成している。各吸入ポート71L,71Rは、各オイル吸込み口72aL,72aRの下方に延びている。左スカベンジポンプ51Lおよび右スカベンジポンプ51Rの各ロータ収容部70は、各吸入ポート71L,71Rよりも下方に突出するように設けられている。下部隔壁22のポンプ取付面23cには、各オイル吸込み口72aL,72aRと連通する一対の開口23aが形成されている。
各吸入ポート71L,71Rの上端面(各オイル吸込み口72aL,72aRを形成する面)は、ポンプ取付面23cに対する被取付面50cとされている。各オイル吸込み口72aL,72aRは、平面視で略矩形状をなし、前後辺を車幅方向に沿わせて配置されている。被取付面50cの各オイル吸込み口72aL,72aRは、クランク室形成部21の下部隔壁22に形成された一対の開口23aにそれぞれ連通される。各吸入ポート71L,71Rは、各オイル吸込み口72aL,72aRからポンプロータ57の油室56まで延びるオイル流路をそれぞれ形成している。各吸入ポート71L,71Rのオイル流路は、各オイル吸込み口72aL,72aRおよび各開口23aを通じて、対応する密閉クランク室23にそれぞれ接続されている。
左スカベンジポンプ51Lおよび右スカベンジポンプ51Rの各吐出ポートは、対応するロータ収容部70の車幅方向外側にそれぞれオイル吐出口を有している(何れも不図示)。
<フィードポンプ>
図3~図6を参照し、フィードポンプ51Cのハウジング52Cは、ポンプロータ57(アウターロータ54およびインナーロータ55)を収容するロータ収容部70(図6参照)と、ロータ収容部70の下方に延びてストレーナ77に接続される吸入管75と、吸入管75と平行に下方に延びた後に前方に屈曲し、エンジン7の各部に至るオイルラインに接続される吐出管76と、を備えている。フィードポンプ51Cのロータ収容部70は、左右方向で左右スカベンジポンプ51L,51Rの各ロータ収容部70の間に挟まれ、側面視で左右スカベンジポンプ51L,51Rの各ロータ収容部70と重なるように設けられている。
ストレーナ77は、吸入管75の下方に延び、オイルパン40内に貯留されたエンジンオイルに浸漬されている。フィードポンプ51Cは、ストレーナ77を介してオイルパン40内のエンジンオイルを吸入し、このエンジンオイルを吐出管76からオイルラインに圧送する。図5中符号78は、吐出ポートの側部に接続されるリリーフバルブを示す。
<リードバルブ>
図4~図6を参照し、ポンプユニット50は、左右一対のリードバルブ90L,90Rを備えている。左右リードバルブ90L,90Rは、それぞれ左右同側の密閉クランク室23に対応して設けられている。左リードバルブ90Lは、左スカベンジポンプ51Lの吸入ポート71Lに設けられ、右リードバルブ90Rは、右スカベンジポンプ51Rの吸入ポート71Rに設けられている。左右リードバルブ90L,90Rは、各吸入ポート71L,71Rからポンプユニット50外のオイル貯留空間41へ向かう方向のエンジンオイルの流れを許容し、その逆方向の流れは規制する。
図6を参照し、左右リードバルブ90L,90Rは、各吸入ポート71L,71Rの各々のポート内外を連通する連通部92に設けられている。左右リードバルブ90L,90Rは、対応する密閉クランク室23の内圧に応じて連通部92を開閉する弁体93と、開弁時の弁体93の移動を規制するストッパ94と、を備えている。
連通部92は、各吸入ポート71L,71Rの前下壁71aを法線方向(前下がりに傾斜した前後方向)で貫通している。連通部92は、各吸入ポート71L,71R内(密閉クランク室23内)とオイルパン40内のオイル貯留空間41とを連通させる。連通部92は、吸入ポート71外(オイル貯留空間41内)に開口する第一開口92aと、吸入ポート71内(密閉クランク室23内)に開口する第二開口92bと、を備えている。
第一開口92aは、前下壁71aのポート外側の平面に沿って形成されている。第二開口92bは、前下壁71aよりもポート内側において、各オイル吸込み口72aL,72aRの前縁部から鉛直下方に延びる平面に沿って形成されている。第一開口92aと第二開口92bとの間には、側面視三角形状の空間Kが形成されている。空間Kは、鉛直方向から見て各オイル吸込み口72aL,72aRと重なる範囲のオイル流路から前方に突出している。
弁体93は、弾性変形可能な平板状の弾性片であり、連通部92の第一開口92aを閉塞するように配置されている。弁体93は、平面状の第一開口92aに沿って配置されている。弁体93は、第一開口92aの全体を前下壁71aの外側(オイル貯留空間41側)から閉塞している。弁体93は、矩形板状をなし、上下辺を車幅方向に沿わせるように配置されている。
図4を併せて参照し、弁体93の上辺部(一側縁部)は、前下壁71aの上方側に連設されたバルブ締結部95に、左右一対のバルブ固定ボルトB7によって締結固定されている。弁体93の下辺部(他側縁部)は、ポンプボディ60から離隔可能な自由端とされている。弁体93は、密閉クランク室23の内圧の上昇によって下辺側を前下壁71aから離隔させるように弾性変形可能である。これにより、連通部92を開いて密閉クランク室23とオイル貯留空間41とを連通可能である。
バルブ締結部95は、前下壁71aの上端部から、前下壁71aの傾斜に沿うように前上方に向けて突出している。バルブ締結部95は、ポンプ取付面23cよりも上方(ハウジングおよびロータを含むポンプ本体部と反対側)に突出(オーバーハング)している。バルブ締結部95は、ポンプ取付面23cを超えてクランクケース20の内側(クランクシャフト11に近い側)に突出している。バルブ締結部95における各バルブ固定ボルトB7を螺着するネジ孔96は、例えば、バルブ締結部95を貫通する貫通孔である。ネジ孔96は、バルブ締結部95の前下方側95a(バルブ固定ボルトB7を着脱する側、オイル貯留空間41側)に開口するとともに、バルブ締結部95の後上方側95b(密閉クランク室23側)にも開口している。
クランク室形成部21の下部隔壁22には、オイルパン40内のオイル貯留空間41をポンプ取付面23cよりもクランクケース20の内側に膨出させる空間膨出部24が形成されている。この空間膨出部24の内側に、バルブ締結部95が配置されている。バルブ締結部95は、前下方側95aおよび後上方側95bの両側部が、空間膨出部24内に配置されている。これにより、バルブ締結部95の各ネジ孔96は、バルブ締結部95の前下方側95aおよび後上方側95bにおける両開口が、密閉クランク室23に開口せず、何れもオイル貯留空間41に開口する。このため、各ネジ孔96を通じて密閉クランク室23側とオイル貯留空間41側とが連通することはなく、各ネジ孔96を通じて圧力ガスおよびエンジンオイルが流通することが抑えられる。
各ネジ孔96は、バルブ固定ボルトB7を着脱する側(前下方側95a、オイル貯留空間41側)のみに開口する袋孔であってもよい。この場合、バルブ締結部95の後上方側95b(密閉クランク室23側)に各ネジ孔96が開口しないので、空間膨出部24を設けなくても、各ネジ孔96を通じて密閉クランク室23側とオイル貯留空間41側とが連通することはない。各ネジ孔96を袋孔とした場合、バルブ締結部95の後上方側95bには、各ネジ孔96を閉塞するための凸状の駄肉部を要することがある。各ネジ孔96を貫通孔とすることで、これらを袋孔とする場合の駄肉部が不要となり、ポンプユニット50の軽量化が図られる。各ネジ孔96は、オイル貯留空間41側のみに開口する構成に限らず、密閉クランク室23側のみに開口する構成であってもよい。
各リードバルブ90L,90Rが開く向き(バルブ開口の向き)は、前下壁71aに沿う斜め後下方である。各リードバルブ90L,90Rが開く向きには、ポンプボディ60の前端部において前下方に突出する前下方締結部67Fが配置されている。各リードバルブ90L,90Rが開弁して密閉クランク室23側からオイル貯留空間41内にエンジンオイルが吐出されると、このエンジンオイルが前下方締結部67Fの外面に突き当たり、エンジンオイル内に含まれる空気の分離(気液分離)が図られる。
ストッパ94は、弁体93の法線方向視で弁体93と略同形同大の外形状を有している。ストッパ94は、オイル貯留空間41側から弁体93に重なるように配置されている。ストッパ94および弁体93は、互いの外形状が概ね一致するように配置されている。ストッパ94は、弁体93に対して間隔をあけて配置されている。ストッパ94の上辺部は、弁体93の上辺部とともに、左右一対のバルブ固定ボルトB7によってバルブ締結部95に締結固定されている。ストッパ94は、例えば軽量化のために、内周側に開口を有する枠状に形成されている。
<締結構造>
図4,図5を参照し、ポンプボディ60は、ポンプユニット50をクランクケース20の下部隔壁22に固定するための複数の締結部68F,68R,68Cを備えている。締結部68F,68R,68Cは、ポンプボディ60の前部に位置する前側締結部68Fと、ポンプボディ60の後部に位置する後側締結部68Rと、ポンプボディ60の軸方向中間部に位置する中間締結部68Cと、を備えている。
各締結部68F,68R,68Cは、それぞれ円筒状をなし、軸方向をポンプ取付面23c(シール面でもある)と直交させて配置されている。各締結部68F,68R,68Cは、対応する固定ボルトBbの挿通孔を形成している。各締結部68F,68R,68Cの上下端面は、ポンプ取付面23cと平行に形成されている。各締結部68F,68R,68Cの上端面は、ポンプ取付面23cと同一面上に配置されている。
各締結部68F,68R,68Cには、クランクケース20に締結するための固定ボルトBbがそれぞれ挿通され、これら各固定ボルトBbが、下部隔壁22に有する雌ネジ部にそれぞれ螺着されて締め込まれる。前側締結部68F、後側締結部68R、中間締結部68Cは、複数の固定ボルトBbを用いてポンプユニット50をクランクケース20に固定するユニット固定部68Aを構成している。
複数の固定ボルトBbは、前側締結部68Fに挿通される前側ボルトB4と、後側締結部68Rに挿通される後側ボルトB5と、中間締結部68Cに挿通される中間ボルトB6と、を備えている。各固定ボルトBbは、軸方向をポンプ上下方向に沿わせて配置されている。
前側締結部68Fは、左右スカベンジポンプ51L,51Rの各々において、各オイル吸込み口72aL,72aRの前辺側(一側縁側)の左右角部近傍に設けられている。各前側締結部68Fには、ポンプ取付面23cと直交する上下方向(以下、ポンプ上下方向という。)に沿って、下方から前側ボルトB4が挿通される。前側ボルトB4が下部隔壁22の雌ネジ部(不図示)に螺着し締め込まれることで、ポンプボディ60の前部がクランクケース20に締結固定される。
後側締結部68Rは、左右スカベンジポンプ51L,51Rの各々において、各オイル吸込み口72aL,72aRよりも後方に離隔した位置に設けられている。各後側締結部68Rには、ポンプ上下方向に沿って、下方から後側ボルトB5が挿通される。後側ボルトB5がクランク室形成部21の下部隔壁22の雌ネジ部(不図示)に螺着され締め込まれることで、ポンプボディ60の後部がクランクケース20に締結固定される。
ポンプ前後方向で前下方ボルトB1と後上方ボルトB2との間には、中間ボルトB6が配置されている。中間ボルトB6は、中間締結部68Cに対してオイルパン40側から挿通され、先端ネジ部がクランク室形成部21に形成された雌ネジ部(不図示)に螺着され締め込まれる。中間ボルトB6は、中間締結部68Cとともに、ポンプユニット50(ポンプボディ60)の軸方向の中間部に配置されている。
中間締結部68Cは、ポンプ左右方向において、左右スカベンジポンプ51L,51Rの各オイル吸込み口72aL,72aRの間に設けられている。中間締結部68Cには、ポンプ上下方向に沿って、下方から中間ボルトB6が挿通される。中間ボルトB6がクランク室形成部21の下部隔壁22の雌ネジ部(不図示)に螺着され締め込まれることで、ポンプボディ60の軸方向中間部がクランクケース20に締結固定される。
ポンプボディ60は軸方向に長く、このポンプボディ60の軸方向中間部を、複数の連結ボルトB1,B2,B3の間において中間ボルトB6で締結する。これにより、ポンプボディ60の内側(特に各オイル吸込み口72aL,72aRの間)で締結力を直接付与することができ、各オイル吸込み口72aL,72aRの密着性を高め、ポンプ性能の向上を図ることができる。
中間締結部68Cの下端に位置する締結座面68C1は、ポンプ上下方向でユニット連結部67A(前下方締結部67F)と重なる高さにあるか、ユニット連結部67A(前下方締結部67F)よりも下方(クランクケース20から離隔する側)に配置されている。中間ボルトB6を含む固定ボルトBbは、下方(クランクケース20と反対側)から着脱するため、中間締結部68Cの締結座面68C1が下方寄りに位置することは、ポンプユニット50の着脱作業性の向上に寄与する。
以上説明したように、上記実施形態におけるエンジン7は、密閉クランク室23を形成するクランク室形成部21と、クランク室形成部21の下部に取り付けられ、密閉クランク室23から流下したエンジンオイルを吸い込んでオイルパン40に戻す複数のスカベンジポンプ51L,51Rと、オイルパン40内のエンジンオイルを吸入してオイルラインに圧送するフィードポンプ51Cと、を備え、複数のスカベンジポンプ51L,51Rとフィードポンプ51Cとを車幅方向に並べて、これらを車幅方向に沿う複数の連結ボルトBaによって連結して、一体のポンプユニット50を構成し、ポンプユニット50における複数の連結ボルトBaの少なくとも一部(例えば前下方ボルトB1および後上方ボルトB2)の間に、ポンプ上下方向に沿う固定ボルトBb(中間ボルトB6)によってポンプユニット50をクランクケース20に固定するユニット固定部68A(中間締結部68C)を配置し、ユニット固定部68A(中間締結部68C)は、複数のスカベンジポンプ51L,51Rにおける車幅方向に並ぶ一対のオイル吸込み口72aL,72aRの間に配置され、クランクケース20におけるポンプユニット50を取り付けるポンプ取付面23cからポンプ上下方向で離隔する側への高さにおいて、ユニット固定部68A(中間締結部68C)における固定ボルトBb(中間ボルトB6)の締結座面68C1の高さは、複数の連結ボルトBaの少なくとも一部(前下方ボルトB1および後上方ボルトB2)によるユニット連結部67A(前下方締結部67Fおよび後上方締結部67R)と重なる高さにあるか、ユニット連結部67A(前下方締結部67Fおよび後上方締結部67R)よりも高い位置にある。
この構成によれば、複数のスカベンジポンプ51L,51Rの隣り合うオイル吸込み口72aL,72aRの間(ポンプユニット50の内側)に、固定ボルトBb(中間ボルトB6)を用いたユニット固定部68A(中間締結部68C)を備えることで、固定ボルトBb(中間ボルトB6)の締結力によって、各オイル吸込み口72aL,72aRの間の部位とクランクケース20との密着性を向上させることができる。
すなわち、ユニット固定部68A(中間締結部68C)が各オイル吸込み口72aL,72aRの間の部位になく、ポンプユニット50の外側にずれて配置されていると、以下の課題がある。すなわち、各オイル吸込み口72aL,72aRの間の部位のクランクケース20への密着性は、ポンプボディ60の剛性によって得ることになるため、ポンプボディ60の剛性を高める必要がある。
これに対し、各オイル吸込み口72aL,72aRの間の部位にユニット固定部68A(中間締結部68C)を配置することで、固定ボルトBb(中間ボルトB6)の締結力を各オイル吸込み口72aL,72aRの間の部位に直接付与することができる。このため、各オイル吸込み口72aL,72aRの間の部位のクランクケース20への密着性を確保した上で、ポンプボディ60の剛性の最適化を図ることができる。
そして、各オイル吸込み口72aL,72aRの間の部位のクランクケース20への密着性を向上させることで、スカベンジポンプ51L,51Rによるオイル吸込み量、オイル吐出量を増大させやすくなり、クランクケース20内に発生するオイル抵抗(クランクシャフト11による動力伝達時の抵抗)を少なくすることができる。
中間ボルトB6の締結座面68C1は、ポンプ取付面23cから下方に離隔する側の高さ(距離)において、ユニット連結部67A(前下方締結部67Fおよび後上方締結部67R)と重なる高さにあるか、より高い位置に配置されている。中間ボルトB6の締結座面68C1は、ポンプ取付面23cから下方に離隔する側の高さ(距離)において、軸線C2よりも高い位置にあり、かつ駆動軸66全体よりも高い位置にあり、さらにポンプロータ57全体よりも高い位置にある。
このような構成の場合、中間ボルトB6の締結座面68C1が低い位置(ポンプ取付面23cに近い位置)にある場合と比べて、中間ボルトB6の締結座面68C1がポンプユニット50の着脱作業を行う側に近付くこととなる。このため、中間ボルトB6をポンプ本体部に埋もれた位置に対して挿入、離脱させる構成に比べて、中間ボルトB6の挿脱がしやすく、ポンプユニット50の着脱作業を行いやすくすることができる。
上記エンジン7において、ユニット固定部68A(中間締結部68C)は、車幅方向から見て、各ポンプ51L,51R,51Cのポンプロータ57を避けて配置されている。特に、一体のポンプユニット50の軸方向中間部において、ユニット固定部68A(中間締結部68C)は、フィードポンプ51Cのポンプロータ53Cを避けて配置されている。
この構成によれば、ポンプユニット50を固定するユニット固定部68A(中間締結部68C)が、車幅方向(各ポンプ51L,51R,51Cの連結方向)から見てポンプロータ57を避けて配置されることで、ユニット固定部68A(中間締結部68C)がロータ収容空間に切り欠かれず、固定ボルトB4,B5,B6による締結剛性を高めることができる。このため、各オイル吸込み口72aL,72aRとクランクケース20との密着性を向上させ、クランクシャフト11による動力伝達時のオイル抵抗を少なくすることができる。
上記エンジン7において、ポンプユニット50は、クランクケース20側からオイルパン40側へのエンジンオイルの流通は許容し、逆方向のエンジンオイルの流通は規制するリードバルブ90L,90Rを備え、リードバルブ90L,90Rは、スカベンジポンプ51L,51Rのポンプハウジング52L,52Rのバルブ締結部95に、バルブ固定ボルトB7によって締結され、バルブ締結部95におけるバルブ固定ボルトB7を締め込むネジ孔96は、クランクケース20内およびオイルパン40内の一方に開口し、他方には開口しない。
この構成によれば、バルブ締結部95におけるネジ孔96を通じてクランクケース20内およびオイルパン40内を連通させることがない。このため、クランクケース20内の密閉性を高めることができ、クランクケース20内に発生するオイル抵抗(クランクシャフト11による動力伝達時の抵抗)を少なくすることができる。
上記エンジン7において、各スカベンジポンプ51L,51Rのオイル吸込み口72aL,72aRは、クランクケース20のポンプ取付面23cに取り付けられ、バルブ締結部95は、ポンプ取付面23cよりもクランクケース20側に突出している。
この構成によれば、バルブ締結部95がクランクケース20側に突出することで、バルブ締結部95の配置がリードバルブ90L,90Rの配置に影響し難くなり、リードバルブ90L,90Rの配置自由度を高めることができる。
上記エンジン7において、オイルパン40内のオイル貯留空間41をポンプ取付面23cよりもクランクケース20側に膨出させる空間膨出部24を備え、バルブ締結部95は、全体が空間膨出部24内に配置されている。
この構成によれば、バルブ締結部95の全体がオイル貯留空間41内に配置されることで、バルブ締結部95のネジ孔96を貫通形成したとしても、ネジ孔96を通じてクランクケース20内およびオイルパン40内を連通させることがなく、クランクケース20内の密閉性を高めることができる。ネジ孔96を袋孔とする場合に比べて、ネジ孔96の一端を閉塞する駄肉を無くし、ポンプユニット50の軽量化を図ることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、上記実施形態では、V型4気筒エンジンに本発明を適用しているが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。すなわち本発明は、密閉クランク室23を有する各種内燃機関に適用してもよい。また、変速機が別体の内燃機関に適用してもよい。
本実施形態の内燃機関は、自動二輪車以外の鞍乗り型車両に適用してもよい。前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪(四輪バギー等)の車両も含まれる。
原動機に電気モータを含む車両に適用してもよい。また、鞍乗り型車両以外の車両(乗用車、バス、トラック等)に適用してもよい。
さらに、本実施形態の内燃機関は車両に適用されるものであるが、本発明は車両への適用に限らず、航空機や船舶等の種々輸送機器、ならびに建設機械や産業機械等、様々な乗物や移動体に適用してもよい。さらに、本発明は、乗物以外でも内燃機関を備える機器であれば、例えば手押しの芝刈り機や清掃機等に広く適用可能である。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
7 エンジン(内燃機関)
20 クランクケース
23c ポンプ取付面
24 空間膨出部
40 オイルパン
41 オイル貯留空間
50 ポンプユニット
51L,51R スカベンジポンプ
53L,53R スカベンジポンプ用ポンプロータ
51C フィードポンプ
53C フィードポンプ用ポンプロータ
52L,52R ポンプハウジング
67F 前下方締結部(ユニット連結部)
67R 後上方締結部(ユニット連結部)
68C 中間締結部(ユニット固定部)
68C1 締結座面
72aL,72aR オイル吸込み口
90L,90R リードバルブ
95 バルブ締結部
96 ネジ孔
B1 連結ボルト
B2 連結ボルト
B6 固定ボルト
B7 バルブ固定ボルト
Ba 連結ボルト

Claims (5)

  1. クランクケース(20)と、
    前記クランクケース(20)から流下したエンジンオイルを吸い込んでオイルパン(40)に戻す複数のスカベンジポンプ(51L,51R)と、を備えた内燃機関において、
    前記複数のスカベンジポンプ(51L,51R)を第一方向に並べて、これらを前記第一方向に沿う複数の連結ボルト(Ba)によって連結して、一体のポンプユニット(50)を構成し、
    前記ポンプユニット(50)における前記複数の連結ボルト(Ba)の少なくとも一部(B1,B2)の間に、前記第一方向と交差する第二方向に沿う固定ボルト(B6)によって前記ポンプユニット(50)を前記クランクケース(20)に固定するユニット固定部(68C)を配置し、
    前記ユニット固定部(68C)は、前記複数のスカベンジポンプ(51L,51R)における前記第一方向に並ぶ一対のオイル吸込み口(72aL,72aR)の間に配置され、
    前記クランクケース(20)における前記ポンプユニット(50)を取り付けるポンプ取付面(23c)から前記第二方向で離隔する側への高さにおいて、前記ユニット固定部(68C)における前記固定ボルト(B6)の締結座面(68C1)の高さは、前記複数の連結ボルト(Ba)の少なくとも一部(B1,B2)によるユニット連結部(67F,67R)と重なる高さにあるか、前記ユニット連結部(67F,67R)よりも高い位置にある、ことを特徴とする内燃機関。
  2. 一体の前記ポンプユニット50は、前記第一方向で一対の前記スカベンジポンプ(51L,51R)の間に配置されるフィードポンプ(51C)を備え、
    前記ユニット固定部(68C)は、前記第一方向から見て、前記フィードポンプ(51C)のポンプロータ(53C)を避けて配置されている、請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記ポンプユニット(50)は、前記クランクケース(20)側からオイルパン(40)側へのエンジンオイルの流通は許容し、逆方向のエンジンオイルの流通は規制するリードバルブ(90L,90R)を備え、
    前記リードバルブ(90L,90R)は、各スカベンジポンプ(51L,51R)のポンプハウジング(52L,52R)のバルブ締結部(95)に、バルブ固定ボルト(B7)によって締結され、
    前記バルブ締結部(95)における前記バルブ固定ボルト(B7)を締め込むネジ孔(96)は、前記クランクケース(20)内および前記オイルパン(40)内の一方にのみ開口する、請求項1又は2に記載の内燃機関。
  4. 各スカベンジポンプ(51L,51R)のオイル吸込み口(72aL,72aR)は、前記クランクケース(20)の前記ポンプ取付面(23c)に取り付けられ、
    前記バルブ締結部(95)は、前記ポンプ取付面(23c)を超えて前記クランクケース(20)の内側に突出している、請求項3に記載の内燃機関。
  5. 前記オイルパン(40)内のオイル貯留空間(41)を前記ポンプ取付面(23c)よりも前記クランクケース(20)の内側に膨出させる空間膨出部(24)を備え、
    前記バルブ締結部(95)は、前記空間膨出部(24)内に配置されている、請求項3又は4に記載の内燃機関。
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