JP2023128193A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】大型化することなく、ユーザが所望の光学フィルタの使用状態と非使用状態とを簡便に切り替えることが可能な撮像装置を提供する。【解決手段】撮像装置(100)は、撮像素子(121)と、光学フィルタ(160)と、光学フィルタを保持する保持部材(200)と、保持部材を移動させる駆動部(201)とを有し、光学フィルタは、駆動部により、撮像範囲(190)に挿入された第1位置と撮像範囲から退避した第2位置との間で移動し、第2位置において挿抜可能である。【選択図】図4
Description
本発明は、撮像装置に関する。
従来、減光フィルタ(NDフィルタ)などの光学フィルタを用いて撮像可能な撮像装置が知られている。特許文献1には、複数のNDフィルタを備え、NDフィルタが上下に進退可能な撮像装置が開示されている。特許文献2には、外付けの光学フィルタを装着可能な撮像装置が開示されている。
特許文献1に開示された撮像装置では、上下に光学フィルタが退避する空間が必要となるため、撮像装置が大型化してしまう。特許文献2に開示された撮像装置では、光学フィルタを交換する際に、レンズを取り外してから光学フィルタを取り外す必要があり、光学フィルタを簡便に切り替えることができない。
そこで本発明は、大型化することなく、ユーザが所望の光学フィルタの使用状態と非使用状態とを簡便に切り替えることが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての撮像装置は、撮像素子と、光学フィルタと、前記光学フィルタを保持する保持部材と、前記保持部材を移動させる駆動部とを有し、前記光学フィルタは、前記駆動部により、撮像範囲に挿入された第1位置と前記撮像範囲から退避した第2位置との間で移動し、前記第2位置において挿抜可能である。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、大型化することなく、ユーザが所望の光学フィルタの使用状態と非使用状態とを簡便に切り替えることが可能な撮像装置を提供することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各実施例において、共通する要素には同一の符号を付す。また各実施例は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の各実施例に限定されるものではない。また、後述する各実施例の一部を適宜組み合わせて構成してもよい。
まず、図1(a)、(b)を参照して、本発明の実施例1における撮像装置について説明する。図1(a)、(b)は、本実施例における撮像装置(カメラ本体)100の外観斜視図である。図1(a)は、撮像装置100を正面側から見た外観斜視図であり、撮像装置100に装着可能なレンズ装置(交換レンズ)104(図2参照)を外した状態を示している。図1(b)は、撮像装置100を背面側から見た外観斜視図である。なお本実施例は、レンズ装置104が撮像装置(カメラ本体)100に対して着脱可能な撮像システムについて説明するが、これに限定されるものではなく、カメラ本体とレンズ装置とが一体的に構成された撮像装置にも適用可能である。
撮像装置100は、ユーザが撮像装置100を安定して保持するためにユーザにより把持されるグリップ部(把持部)101を有する。グリップ部101の上部には、撮像開始のスイッチであるシャッター釦102が設けられている。撮像装置100の正面にはマウント部(レンズマウント)103が設けられており、レンズ装置104は、マウント部103を介して撮像装置100に着脱可能に構成されている。マウント部103の内側には、撮像範囲を規定する開口部190(図4(a)~(c)参照)が設けられている。マウント接点105は、撮像装置100とレンズ装置104との間で電気的に接続し、レンズ装置104への電力供給、および電気信号によるレンズ制御やレンズデータに関する通信を行う。レンズ装置104を交換する際には、レンズロック解除釦106を押下することで係止を解除し、レンズ装置104を取り外すことができる。
電源スイッチ107は、撮像装置100の電源をONまたはOFFする際に用いられる。メイン電子ダイヤル108およびサブ電子ダイヤル119は、時計回りおよび反時計回りに回転可能な回転操作部材であり、回転操作することで、絞りやシャッタースピードなどの各種設定値を変更することができる。モード切替ダイヤル109は、撮影モードを切り替えるための操作部であり、シャッタースピード優先撮影モード、絞り値優先撮影モード、動画撮影モードなどの種々のモードに切り替えるために用いられる。SET釦110は、押しボタンであり、主に選択項目の決定などに用いられる。
液晶モニタ111は、撮像装置100の各種設定画面や撮影画像の表示、ライブビュー画像の表示を行う。電子ビューファインダ112は、接眼可能なファインダであり、撮像装置100の各種設定画面や撮影画像の表示、ライブビュー画像の表示を行う。マルチファンクション釦113は、押しボタンであり、撮影に関する各種設定の切り替えをユーザが任意に割り当てて使用することができる。表示パネル114は、撮影モードやISO感度など撮像装置100の各種設定状態を表示する。また表示パネル114は、撮像装置100の電源がOFFの状態においても表示される。
アクセサリシュー115は、アクセサリ接点116を有し、外付のストロボやマイクなどの各種アクセサリを取り付けることができる。メディアスロット蓋(記録媒体蓋)173は開閉可能であり、開状態の際に内部のメディアスロット(記録媒体挿入部)172(図9参照)にSDカードなどの外部記録メディア(記録媒体)148(図2参照)を挿抜することができる。
次に、図2を参照して、撮像装置100の電気構成と動作について説明する。図2は、撮像装置100のブロック図であり、レンズ装置104が装着された状態を示す。なお、図1との共通部分は同符号で示す。
MPU130は、撮像装置100に内蔵された小型中央演算装置(制御部)である。MPU130には、時刻計測回路131、シャッター駆動回路132、スイッチセンス回路133、電源供給回路134、バッテリーチェック回路135、映像信号処理回路136、光学フィルタ駆動回路137、および圧電素子駆動回路145が接続されている。MPU130は、撮像装置100の動作制御を担い、入力情報の処理や各要素に対しての指示および制御を行う。MPU130は、EEPROMを有し、時刻計測回路131による時刻情報や各設定情報などを記憶することができる。
またMPU130は、マウント接点105を介して、レンズ装置104に内蔵されたレンズ制御回路138と通信を行う。これによりMPU130は、AF駆動回路139または絞り駆動回路140を介して、フォーカスレンズ141および電磁駆動絞り(開口絞り)142のそれぞれの動作制御が可能となる。なお図2において、レンズ装置104の撮像光学系として、フォーカスレンズ141の1枚のみを模式的に示しているが、実際には撮像光学系は多数のレンズ群により構成される。
AF駆動回路139は、例えばステッピングモータ(不図示)が接続され、フォーカスレンズ141を駆動する。MPU130は、撮像素子121から読み出されたフォーカス信号を用いて検出されたデフォーカス量に応じてフォーカスレンズ駆動量を算出し、フォーカスレンズ駆動量を含むフォーカス指令をレンズ制御回路138に送信する。フォーカス指令を受けたレンズ制御回路138は、AF駆動回路139を通じてフォーカスレンズ141の駆動を制御する。これにより、オートフォーカス(AF)が行われる。
絞り駆動回路140は、ステッピングモータ(不図示)などの絞りアクチュエータが接続され、電磁駆動絞り142において絞り開口を形成する不図示の複数の絞り羽根を駆動する。複数の絞り羽根が駆動されることで、絞り開口のサイズ(開口径)が変化し、光量が調節される。
MPU130は、撮像素子121から読み出された輝度信号から電磁駆動絞り142の絞り駆動量を算出し、絞り駆動量を含む絞り指令をレンズ制御回路138に送信する。すなわちMPU130は、レンズ制御回路138に対して電磁駆動絞り142を制御するための通信を行う。絞り指令を受けたレンズ制御回路138は、絞り駆動回路140を通じて電磁駆動絞り142の駆動を制御する。これにより、自動的に適切な絞り値(F値)が設定される。
機械式のフォーカルプレーンシャッター150は、シャッター駆動回路132により駆動する。撮像の際には、ユーザがシャッター釦102を押下した時点から、先幕シャッター(不図示)を走行させシャッターを開き、所望の露光時間に応じて、後幕シャッター(不図示)を走行させてシャッターを閉じることにより、撮像素子121への露光時間を制御する。
光学フィルタ160は、入射光を拡散させ、または特定の波長範囲を減衰させることで、画像に特殊な効果を与える光学素子である。光学フィルタ160は、入射光量を一定の割合で減衰させるNDフィルタ、偏光膜を利用して反射光を抑えるPolarized Light(PL)フィルタ、光を拡散することで柔らかな表現を行うソフトフィルタなどであるが、これらに限定されるものではない。光学フィルタ160は、光学フィルタ駆動回路137により駆動され、光学フィルタ160の位置を移動させることができる。なお、光学フィルタ160の詳細な構成については後述する。
撮像ユニット120は、主に、光学ローパスフィルタ122、光学ローパスフィルタ保持部材123、圧電素子(圧電部材)124、および撮像素子121がユニット化されて構成される。撮像素子121は、レンズ装置104を介して形成された被写体像(光学像)を光電変換する。本実施例において、撮像素子121はComplementary Metal-Oxide-Semiconductor(CMOS)センサであるが、これに限定されるものではない。撮像素子121として、Charge-Coupled Device(CCD)センサやCharge Injection Device(CID)センサなどを用いてもよい。撮像素子121の前方に配置された光学ローパスフィルタ122は、水晶からなる1枚の複屈折板であり、その形状は矩形状である。圧電素子124は、単板の圧電素子(ピエゾ素子)であり、MPU130の指示を受けた圧電素子駆動回路145により加振され、その振動を光学ローパスフィルタ122に伝えるように構成されている。この振動により、光学ローパスフィルタ122に付着した細かな塵埃を振り落とすことができる。
映像信号処理回路136は、撮像素子121から得られた電気信号に対するフィルタ処理やデータ圧縮処理などの画像処理全般を担う。映像信号処理回路136からのモニタ表示用の画像データは、液晶駆動回路144を介して液晶モニタ111および電子ビューファインダ112に表示される。また映像信号処理回路136は、MPU130の指示に従って、メモリコントローラ146を通じてバッファメモリ147に画像データを保存することもできる。また映像信号処理回路136は、JPEG等の画像データ圧縮処理を行うこともできる。連写撮影など連続して撮影が行われる場合、一旦バッファメモリ147に画像データを格納し、メモリコントローラ146を通して未処理の画像データを順次読み出すこともできる。これにより、映像信号処理回路136は、入力されてくる画像データの速度に関わらず、画像処理や圧縮処理を順次行うことができる。
メモリコントローラ146は、画像データを外部記録メディア148に記憶する機能、および外部記録メディア148に記憶されている画像データを読み出す機能を有する。外部記録メディア148は、撮像装置100に対して着脱可能なSDカードやCFカードなどであるが、これらに限定されるものではない。
スイッチセンス回路133は、各スイッチの操作状態に応じて入力信号をMPU130へ送信する。スイッチSW1(102a)は、シャッター釦102の第1ストローク(半押し)によりONする。スイッチSW2(102b)は、シャッター釦102の第2ストローク(全押し)によりONする。スイッチSW2(102b)がONされると、撮影開始の指示がMPU130に送信される。またスイッチセンス回路133には、メイン電子ダイヤル108、モード切替ダイヤル109、電源スイッチ107、SET釦110、およびマルチファンクション釦113などが接続されている。
MPU130は、アクセサリ通信制御回路118によって、アクセサリ接点116を介して不図示のアクセサリユニットの機能を利用するために情報通信を行う。電源供給回路134は、撮像装置100の各要素に対して、バッテリー(電池)143の電力を分配および供給する。また、バッテリー143にはバッテリーチェック回路135が接続されており、バッテリー143の残量情報などをMPU130に伝える。
次に、図3を参照して、撮像装置100の内部構成について説明する。図3は、撮像装置100の分解斜視図である。撮像装置100は、主に、フロントカバー10、トップカバー11、およびリアカバー12の外装によって覆われた構造を有し、各外装には操作部材や表示部材が取り付けられている。撮像光学系の光軸1000上には、被写体に近い順に、保持部材200、撮像ユニット120、およびメイン基板(制御基板)180が配置されており、保持部材200には光学フィルタ160を挿入することができる。光学フィルタ160は、NDフィルタ、PLフィルタ、ソフトフィルタ(ローパスフィルタ)などのいずれの光学部材を用いてもよい。また、光学フィルタ160が挿入されていない状態であっても、撮像装置100として正常に動作させることができる。
次に、図4(a)~(c)を参照して、光学フィルタ160の構成と切り替え時の動作について説明する。図4(a)~(c)は、光学フィルタ160の駆動時の説明図であり、光学フィルタ160および保持部材200に関する構成部品を撮像装置100の背面側から見た状態を示している。
光学フィルタ160は、保持部材200に挿入されて保持されている。保持部材200はギヤ形状200aを備えており、ギヤ形状200aを中心として回動可能にフロントカバー10に取り付けられる。またフロントカバー10には、光学フィルタ160を駆動させるためのモータ(アクチュエータ、駆動部)201が取り付けられ、モータ201の駆動軸にはウォームギヤ201aが装着されている。ウォームギヤ201aは、中間ギヤ202を介して保持部材200のギヤ形状200aへ回転力を伝達することで、保持部材200を回動させることができる。フロントカバー10の右側には、バッテリー143を収納するバッテリー格納部170が設けられている。
本実施例では、マルチファンクション釦113に光学フィルタ160の挿入/退避の切り替え機能を割り当てている。次に、ユーザの操作によって光学フィルタ160を駆動する際の動作について説明する。なお、光学フィルタ160の切り替え操作には、他のボタンやダイヤル、スイッチ、設定画面等を用いてもよい。
図4(a)は、撮像装置100のマウント部103の内側に設けられた開口部190に光学フィルタ160が挿入され、重畳している状態(挿入状態)を示す。開口部190は、撮像範囲を規定する。これにより、撮像素子121に入射する光は光学フィルタ160を通過し、光学フィルタ160の効果によって様々な撮影表現が可能となる。例えば、光学フィルタ160としてNDフィルタを挿入していた場合、入射光が減光され、明るい環境下においても長秒露光撮影や白飛びの抑制が可能になる。
図4(a)に示される挿入状態からマルチファンクション釦113を押下すると、スイッチセンス回路133により押下が検知される。このとき、MPU130からモータ201の駆動命令が送信され、光学フィルタ駆動回路137によってモータ201が回転を開始する。モータ201の回転は、ウォームギヤ201aからギヤ形状200aを介してギヤ形状200aに伝達され、ギヤ形状200aを備えた保持部材200が回動を開始する。図4(b)は、回動途中の状態(途中状態)を示す。
保持部材200は、図4(b)に示される途中状態を経て、図4(c)に示される退避状態に移動する。ギヤ形状200aの回動軸は、光軸1000より撮像装置100の底面側に配置されている。これにより、図4(b)に示されるように、トップカバー11などの内部部品に干渉せずに保持部材200を回動させることができる。同様に、モータ201も光軸1000より底面側に配置されることで、ギヤ形状200aまでの動力伝達距離が短くなり、駆動効率を高められる。
保持部材200は、図4(c)に示される退避状態の位置(第2位置)まで移動すると、位置センサ(不図示)の検知信号によって光学フィルタ駆動回路137がモータ201を停止させる。なお、位置センサとは、フォトリフレクタのような位置検出手段を指すが、駆動停止のタイミングはモータ201の回転角度の検知や、機械的なスイッチによる検知など、いずれの手段を用いてもよい。
図4(c)は、保持部材200が図4(a)の挿入状態に対して撮像ユニット120に平行な平面上を略90度回転して開口部190から退避した状態(退避状態)を示す。保持部材200が退避することで、レンズ装置104により集光された光は、光学フィルタ160を通過せずに撮像素子121へ入射する。
図5は、撮像装置100の断面図であり、図4(c)中のA-A線に沿った断面を示す。図5に示されるように、保持部材200は、開口部190とバッテリー格納部170との間、すなわち、開口部190とグリップ部101との間に退避する。保持部材200が挿入状態から略90度回転することで、光学フィルタ160の短辺がX方向(撮像装置100の横方向)と略平行となり、開口部190とバッテリー格納部170との間に収容することができる。
ユーザが光学フィルタ160を再度、開口部190に挿入させたい場合、図4(c)に示される退避状態でマルチファンクション釦113を押下することで、上述した動作と逆方向にモータ201が回転する。これにより光学フィルタ160は、図4(b)に示される途中状態を経て、図4(a)に示される挿入状態へ移動する。光学フィルタ160が図4(a)に示される挿入状態の位置(第1位置)まで移動すると、退避状態と同様に、位置センサ(不図示)の検知信号によって光学フィルタ駆動回路137がモータ201を停止させる。
以上の構成により、撮像装置100を大型化することなく光学フィルタ160を内蔵し、光学フィルタ160の挿入状態と退避状態を簡便に切り替えることが可能となる。
次に、図6(a)~(c)を参照して、撮像装置100の底面の構成および光学フィルタ160の挿抜時の動作について説明する。図6(a)~(c)は、光学フィルタ160を挿抜する際に撮像装置100を底面側から見た斜視図である。
図6(a)は、通常の使用状態における撮像装置100の底面を示している。撮像装置100の底面には、バッテリー格納部170にアクセスし、バッテリー143を挿抜する際に開閉するバッテリー蓋171が設けられている。また、近傍に保持部材200にアクセスし、光学フィルタ160を挿抜するための光学フィルタ蓋(蓋部材)210が設けられている。光学フィルタ蓋210は開閉可能に構成される。
図6(b)は、図4(c)に示される保持部材200の退避状態において、ユーザが光学フィルタ蓋210を開いた状態を示す。光学フィルタ蓋210の内側には、光学フィルタ160を交換するための開口部211が設けられており、退避した保持部材200と光学フィルタ160の短辺部が露出している。光学フィルタ蓋210と開口部211とにより、光学フィルタ160を撮像装置100の外部に挿抜可能な挿抜部が構成される。撮像装置100の底部(開口部211)には凹部10aが設けられており、ユーザは光学フィルタ160を摘んで取り出すことができる。なお、光学フィルタ160の取り出し構成は、これに限定されるものではない。例えば、光学フィルタ160を一度押し込むと係止が解除され、バネなどの付勢力によって押し出されるような取り出し構成を用いてもよい。
図6(c)は、光学フィルタ160を引き出した状態を示す。このようにユーザは、保持部材200に挿入された光学フィルタ160を挿抜することができ、使用したい種々のフィルタと取り替えることができる。本実施例では、バッテリー蓋171と光学フィルタ蓋210とを分けているが、共通の蓋部材を用いてもよい。以上の構成により、撮像装置100の底面から光学フィルタ160を交換することが可能となる。
次に、図7(a)~(c)を参照して、光学フィルタ蓋210の開閉時における内部機構の動作について説明する。図7(a)~(c)は、光学フィルタ蓋210の構成図である。
図7(a)は、図4(a)に示される保持部材200の挿入状態における光学フィルタ蓋210の周辺構成を示す。蓋係止部材(第1係止部材)220は、フロントカバー10に対して、矢印S21、S22の方向にスライド可能に支持される。光学フィルタ係止部材(第2係止部材)230は、フロントカバー10に対して矢印S31、S32方向に回動可能に支持される。蓋係止部材220と光学フィルタ係止部材230は、リンク機構で接続され連動して動作する。例えば、光学フィルタ係止部材230が矢印S31の方向に回動すると、蓋係止部材220は矢印S22の方向へ動く。逆に、蓋係止部材220が矢印S21の方向へスライドすると、光学フィルタ係止部材230は矢印S32の方向へ回動する。
蓋係止部材220は、矢印S21の方向にバネ(不図示)で付勢されており、光学フィルタ160が挿入状態にあるときは図7(a)に示される位置に保持される。このとき、蓋係止部材220の係止面220aが光学フィルタ蓋210の回動軸上に設けられた凸形状210aの直上に位置するように配置されている。凸形状210aが係止面220aに掛かることで、光学フィルタ蓋210の矢印S11の方向への回動が抑制される。この構成により、保持部材200が挿入状態にある場合、ユーザは光学フィルタ蓋210を開けることができないため、不用意に撮像装置100の内部への塵埃の侵入を防ぐことができる。
図7(b)は、図4(c)に示される保持部材200の退避状態における光学フィルタ蓋210の周辺構成を示す。保持部材200が矢印S42の方向に回動すると、保持部材200上に設けられたダボ形状200bが光学フィルタ係止部材230のカム形状230aを押し込み、光学フィルタ係止部材230を矢印S31の方向へ回動させる。このとき、連動して蓋係止部材220が矢印S22の方向へと移動する。その結果、係止面220aが凸形状210aの直上から退避し、光学フィルタ蓋210を矢印S11の方向へ回動することができるようになる。この構成により、ユーザは保持部材200が退避状態の場合に限り、光学フィルタ蓋210を開くことが可能となる。
図7(c)は、図7(b)の状態からユーザが光学フィルタ蓋210を開けた状態を示している。光学フィルタ蓋210をS11方向へ回動させると光学フィルタ蓋210に設けられた凸形状210aが、蓋係止部材220に設けられた斜面220bに沿って蓋係止部材220を矢印S22の方向へ押し込む。このとき、光学フィルタ係止部材230が連動して、図7(b)の状態から更に矢印S31の方向へ回動する。そして、光学フィルタ係止部材230上に設けられたフック形状230bがダボ形状200bに掛かる。これにより、保持部材200の矢印S41の方向への回動が抑制される。この構成により、ユーザが光学フィルタ160を保持部材200へ挿入する際、ユーザの押し込み力によって保持部材200が矢印S41の方向へ回動することを防ぐことができる。
図7(c)の状態からユーザが光学フィルタ蓋210を矢印S12の方向へ閉じると、凸形状210aが蓋係止部材220から離れ、バネ(不図示)によって蓋係止部材220が矢印S21の方向へ移動し、図7(b)に示される状態へ遷移する。フック形状230bがダボ形状200bから外れ、保持部材200が矢印S41の方向へ回動可能になる。
図7(b)の状態において、ユーザがマルチファンクション釦113を押下すると、保持部材200が矢印S41の方向へ回動する。このとき、ダボ形状200bがカム形状230aから離れることで、バネ(不図示)によって蓋係止部材220が矢印S21の方向へ移動して、図7(a)に示される状態へ遷移する。そして、係止面220aが凸形状210aの直上に掛かり、光学フィルタ蓋210を矢印S11の方向へ開くことができなくなる。
以上の構成により、保持部材200および光学フィルタ蓋210の状態に応じて、それぞれ適切なタイミングで係止と動作が可能となる。
次に、本発明の実施例2における撮像装置について説明する。実施例1では、1か所のグリップ部101を有する一般的な撮像装置100に適用した例を説明した。一方、本実施例では、2ヵ所の把持部を有する撮像装置100aについて説明する。なお、本実施例の撮像装置100aにおいて、実施例1の撮像装置100と共通の構成および動作については、同一の符号を用いて説明し、それらの詳細な説明は省略する。
まず、図8(a)、(b)を参照して、本実施例の撮像装置100aと実施例1の撮像装置100aとの差異について説明する。図8は、本実施例における撮像装置100aの斜視図である。図8(a)は撮像装置100aを正面側から見た外観斜視図であり、撮像装置100aに装着可能なレンズ装置104を外した状態を示している。図8(b)は、撮像装置100aを背面側から見た外観斜視図である。撮像装置100aは、正位置に構えた際に把持するグリップ部101、および、縦位置に構えた際にも把持できるグリップ部304を備える。なお、正位置と縦位置の把持状態についての詳細な説明は省略する。
次に、図9を参照して、本実施例における撮像装置100aの構成について説明する。図9は、撮像装置100aの分解斜視図である。撮像装置100aの外装は、実施例1の撮像装置100と同様に、主に、フロントカバー10、トップカバー11、およびリアカバー12によって構成される。バッテリー143は、撮像装置100aの下部に配置され、矢印S51の方向から挿抜が可能である。また、外部記録メディア148は、撮像装置100の側面部に設けられたメディアスロット172へ矢印S52の方向から挿入できる。メディアスロット172は、プッシュ型のレバーを有しており、レバーを押すことにより外部記録メディア148を着脱することができる。光軸1000上には、マウント部103と撮像ユニット120が設けられ、中間に本実施例における光学フィルタユニット320が配置される。
図10を参照して、本実施例における光学フィルタユニット320の構成について説明する。図10は、光学フィルタユニット320の分解斜視図である。光学フィルタユニット320を構成する部品は、ベース部材321に取り付けられる。光学フィルタ160は、保持部材322に保持される。保持部材322は、ラックギヤ形状322aを備えている。
保持部材322は、ガイド部材である上部レール323および下部レール324と係合し、光学フィルタ160を特定の方向へ駆動させることができる。保持部材322の下部には光学フィルタ160を駆動させるためのモータ(アクチュエータ、駆動部)325が配置され、駆動軸にはピニオンギヤ325aが取り付けられている。また、ベース部材321に設けられた軸に対して第1ギヤ326、第2ギヤ327、および第3ギヤ328が回転可能に取り付けられている。
次に、図11(a)~(c)を参照して、光学フィルタユニット320の状態遷移について説明する。図11(a)~(c)は、光学フィルタユニット320の駆動時の説明図である。図11(a)は、光学フィルタ160が開口部190に重畳している挿入状態を示す。図11(b)は、光学フィルタ160が挿入状態から退避状態に移動している途中状態を示す。図11(c)は、光学フィルタ160が開口部190から退避した退避状態を示す。
図11(a)の挿入状態において、ユーザがマルチファンクション釦113を押下すると、光学フィルタユニット320は退避状態へと移動を開始する。モータ325の回転は、第1ギヤ326、第2ギヤ327、および第3ギヤ328を介して、保持部材322のラックギヤ形状322aへ伝達される。光学フィルタ160は、上部レール323および下部レール324にガイドされながら、挿入状態(図11(a))から、途中状態(図11(b))を経て退避状態(図11(c))に到達する。退避状態まで到達した光学フィルタ160は、位置センサ(不図示)の検知信号を受け停止する。
ユーザが光学フィルタ160を再度、挿入させたい場合、図11(c)に示される退避状態でマルチファンクション釦113を押下することで、上述した動作と逆方向にモータ325が回転する。これにより、光学フィルタ160は図11(b)に示される途中状態を経て、図11(a)に示される挿入状態へ移動する。挿入状態まで到達した光学フィルタ160は、退避状態と同様に、位置センサ(不図示)の検知信号を受け停止する。以上の構成により、撮像装置100を大型化することなく光学フィルタ160を内蔵し、光学フィルタ160の挿入状態と退避状態を簡便に切り替えることが可能となる。
次に、図12(a)~(c)を参照して、挿入状態から退避状態への遷移における光学フィルタ160および保持部材322の撮像装置100内での配置について説明する。図12(a)~(c)は、撮像装置100aの断面図である。図12(a)は、フロントカバー10、光学フィルタ160、保持部材322、メディアスロット172、およびメイン基板(制御基板)180を撮像装置100aの背面側から見た図である。図12(b)は、光学フィルタ160が挿入状態の場合における図12(a)中のB-B線に沿った断面図である。図12(c)は、光学フィルタ160が退避状態の場合における図12(a)中のB-B線に沿った断面図である。
図12(c)に示されるように、退避状態において、光学フィルタ160は、グリップ部101とメディアスロット172またはメイン基板180との間に退避している。このように、撮像装置100aの大きさを拡大することなく、メイン基板180やメディアスロット172などの内部部品との干渉を避けて、光学フィルタ160を退避状態まで退避させることができる。
なお本実施例では、光学フィルタ160の交換手段について説明していないが、実施例1と同様に、光学フィルタ160の交換手段を設けてもよい。また実施例1において、光学フィルタ160を交換するための光学フィルタ蓋210は撮像装置100の底面部に設けられているが、本実施例において保持部材322が退避する撮像装置100を矢印S52の方向から見た面に設けてもよい。また、光学フィルタ蓋210をメディアスロット蓋173と一体化してもよい。
また本実施例において、実施例1と同様に、光学フィルタ蓋210の開閉時における内部機構の動作を実現することが可能である。
以上のように、各実施例において、光学フィルタ160は、モータ201により、撮像範囲(開口部190)に挿入された第1位置(挿入状態の位置)と、撮像範囲から退避した第2位置(退避状態の位置)との間で移動する。第1位置は光学フィルタ160が撮像範囲(光軸1000を含む撮像領域)を覆う位置であり、第2位置は光学フィルタ160が撮像範囲に重複しない位置である。光学フィルタ160は、第2位置において挿抜可能である。
好ましくは、撮像装置は光学フィルタを外部に挿抜可能な挿抜部を有し、挿抜部は撮像装置の底面に形成された開口部211を有する。また好ましくは、挿抜部には、凹部10aが設けられている。また好ましくは、光学フィルタの挿抜方向は、光学フィルタの長辺方向と略平行ある。また好ましくは、挿抜部は、開閉可能な蓋部材(光学フィルタ蓋210)を有する。また好ましくは、撮像装置は、保持部材200と連動する第1係止部材(蓋係止部材220)を有する。光学フィルタが第1位置にある場合には第1係止部材により蓋部材の開閉が規制され、光学フィルタが第2位置にある場合には第1係止部材が解除されて蓋部材の開閉が可能である。また好ましくは、撮像装置は、蓋部材と連動する第2係止部材(光学フィルタ係止部材230)を有する。蓋部材が開いている場合には第2係止部材により保持部材の移動が規制され、蓋部材が閉じている場合には第2係止部材が解除されて保持部材が移動可能である。また好ましくは、バッテリー蓋171または記録媒体蓋(メディアスロット蓋173)は、蓋部材の機能を兼ねる。また好ましくは、光学フィルタ160は、撮像素子121とマウント部103との間に配置されている。
各実施例によれば、大型化することなく、ユーザが所望の光学フィルタの使用状態(挿入状態)と非使用状態(退避状態)とを簡便に切り替えることが可能な撮像装置を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、前述した実施例では、ユーザによりマルチファンクション釦113が押下されることに応じて光学フィルタ160の挿抜を制御する構成について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、露出制御用のパラメータの1つとして光学フィルタ160の挿抜有無を調整できる場合は、被写体の明るさに応じて撮像装置100が自動的に光学フィルタ160の挿抜を行う構成であってもよい。
100 撮像装置
121 撮像素子
160 光学フィルタ
190 開口部(撮像範囲)
200、322 保持部材
201、325 モータ(駆動部)
121 撮像素子
160 光学フィルタ
190 開口部(撮像範囲)
200、322 保持部材
201、325 モータ(駆動部)
Claims (11)
- 撮像素子と、
光学フィルタと、
前記光学フィルタを保持する保持部材と、
前記保持部材を移動させる駆動部と、を有し、
前記光学フィルタは、
前記駆動部により、撮像範囲に挿入された第1位置と前記撮像範囲から退避した第2位置との間で移動し、
前記第2位置において挿抜可能であることを特徴とする撮像装置。 - 前記光学フィルタを外部に挿抜可能な挿抜部を更に有し、
前記挿抜部は、前記撮像装置の底面に形成された開口部を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記挿抜部には、凹部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
- 前記光学フィルタの挿抜方向は、前記光学フィルタの長辺方向と平行であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記挿抜部は、開閉可能な蓋部材を有することを特徴とする請求項2または3に記載の撮像装置。
- 前記保持部材と連動する第1係止部材を更に有し、
前記光学フィルタが前記第1位置にある場合、前記第1係止部材により前記蓋部材の開閉が規制され、
前記光学フィルタが前記第2位置にある場合、前記第1係止部材が解除され、前記蓋部材の開閉が可能であることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。 - 前記蓋部材と連動する第2係止部材を更に有し、
前記蓋部材が開いている場合、前記第2係止部材により前記保持部材の移動が規制され、
前記蓋部材が閉じている場合、前記第2係止部材が解除され、前記保持部材が移動可能であることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。 - バッテリーと、
前記バッテリーを挿抜する際に開閉するバッテリー蓋と、を更に有し、
前記バッテリー蓋は、前記蓋部材の機能を兼ねることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。 - 記録媒体を挿抜する際に開閉する記録媒体蓋を更に有し、
前記記録媒体蓋は、前記蓋部材の機能を兼ねることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。 - レンズ装置が着脱可能なマウント部を更に有し、
前記光学フィルタは、前記撮像素子と前記マウント部との間に配置されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の撮像装置。 - 前記光学フィルタは、NDフィルタ、PLフィルタ、またはソフトフィルタであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の撮像装置。
Priority Applications (2)
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2022032368A JP2023128193A (ja) | 2022-03-03 | 2022-03-03 | 撮像装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=87972085
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2022032368A Pending JP2023128193A (ja) | 2022-03-03 | 2022-03-03 | 撮像装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2023128193A (ja) |
-
2022
- 2022-03-03 JP JP2022032368A patent/JP2023128193A/ja active Pending
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