JP2023127020A - 記録装置、及び、記録方法 - Google Patents

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【課題】互いに異なるノズル列から吐出されるインクが混ざることを抑制しながら効率よくフラッシングを実行可能な技術を提供する。【解決手段】記録装置は、記録ヘッドと、走査方向に沿って前記記録ヘッドを移動させる走査を行う駆動部と、受容部と、制御部と、を備える。前記記録ヘッドの複数のノズル列は、前記走査方向へ順に並べられた第一ノズル列、第二ノズル列、及び、第三ノズル列を含む。前記記録ヘッドは、前記走査方向へ並べられた第一チップ及び第二チップを含む。前記第一チップは、前記第一ノズル列及び前記第二ノズル列を有する。前記第二チップは、前記第三ノズル列を有する。前記制御部は、フラッシング動作において、前記第一ノズル列と前記第二ノズル列とからインク滴が同時に吐出されないように前記インク滴を前記受容部に吐出させ、前記第一ノズル列と前記第二ノズル列の一方と前記第三ノズル列とから前記インク滴を同時に吐出させる。【選択図】図6

Description

本発明は、フラッシング動作を行う記録装置、及び、記録方法に関する。
記録装置として、キャリッジに搭載された記録ヘッドのノズル列から記録媒体にインク滴を吐出する印刷を行うインクジェットプリンターが知られている。インクジェットプリンターは、ノズル列の各ノズル開口においてインクが増粘することによりインク滴が正常に吐出されないことを防ぐため、印刷開始前や印刷動作中に印刷動作とは別にインク滴を噴射するというフラッシング動作を行っている。
特許文献1に示されるインクジェットプリンターは、フラッシングの実行に先立って印刷ヘッドをキャップの上部に停止させ、印刷ヘッドに所定のショット数のインク滴をキャップに向けて噴射させる。
特開2010-208255号公報
上述したインクジェットプリンターは、印刷ヘッドをキャップの上部まで移動させて停止させ、印刷ヘッドが停止している時にフラッシング動作を行い、印刷を行うために印刷ヘッドをキャップの上部から記録媒体上に移動させるという、一連の動作を行う。従って、この一連の動作を行うための時間が必要である。
本発明の記録装置は、
記録媒体にインク滴を吐出する複数のノズル列を有する記録ヘッドと、
走査方向に沿って前記記録ヘッドを移動させる走査を行う駆動部と、
前記走査において前記記録ヘッドの速度が変化している時に前記記録ヘッドから吐出される前記インク滴を受ける受容部と、
前記走査において前記記録ヘッドから前記受容部に前記インク滴を吐出させるフラッシング動作を制御する制御部と、を備え、
前記複数のノズル列は、前記走査方向へ順に並べられた第一ノズル列、第二ノズル列、及び、第三ノズル列を含み、
前記記録ヘッドは、前記走査方向へ並べられた第一チップ及び第二チップを含み、
前記第一チップは、前記第一ノズル列及び前記第二ノズル列を有し、
前記第二チップは、前記第三ノズル列を有し、
前記制御部は、前記フラッシング動作において、前記第一ノズル列と前記第二ノズル列とから前記インク滴が同時に吐出されないように前記インク滴を前記受容部に吐出させ、前記第一ノズル列と前記第二ノズル列の一方と前記第三ノズル列とから前記インク滴を同時に吐出させる、態様を有する。
また、本発明の記録方法は、
記録媒体にインク滴を吐出する複数のノズル列を有する記録ヘッドと、
走査方向に沿って前記記録ヘッドを移動させる走査を行う駆動部と、
前記走査において前記記録ヘッドの速度が変化している時に前記記録ヘッドから吐出される前記インク滴を受ける受容部と、を用いる記録方法であって、
前記複数のノズル列は、前記走査方向へ並べられた第一ノズル列、第二ノズル列、及び、第三ノズル列を含み、
前記記録ヘッドは、前記走査方向へ順に並べられた第一チップ及び第二チップを含み、
前記第一チップは、前記第一ノズル列及び前記第二ノズル列を有し、
前記第二チップは、前記第三ノズル列を有し、
前記走査において前記記録ヘッドから前記受容部に前記インク滴を吐出させるフラッシング動作において、前記第一ノズル列と前記第二ノズル列とから前記インク滴が同時に吐出されないように前記インク滴を前記受容部に吐出させ、前記第一ノズル列と前記第二ノズル列の一方と前記第三ノズル列とから前記インク滴を同時に吐出させる、態様を有する。
記録装置を含む記録システムの例を模式的に示す図。 記録ヘッドのノズル面と記録媒体上のドットパターンの例を模式的に示す図。 走査時における記録ヘッドの動きの例を模式的に説明するための図。 駆動信号に含まれる駆動波形の例を模式的に示す図。 フラッシング処理の例を模式的に示すフローチャート。 フラッシング動作の例を模式的に示す図。 フラッシング動作時において各ノズル列からインク滴が吐出される時間の例を模式的に示す図。 第一ノズル列及び第二ノズル列から記録媒体にインク滴を吐出した状況である吐出状況の例を模式的に示す図。 吐出状況に応じた時間比T1:T2及び時間比T3:T4の例を模式的に示す図。 フラッシング動作において単位時間当たり各ノズル列から受容部に吐出させるインクの総量を吐出状況に基づいて決定する例を模式的に示す図。
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
(1)本発明に含まれる技術の概要:
まず、図1~10に示される例を参照して本発明に含まれる技術の概要を説明する。尚、本願の図は模式的に例を示す図であり、これらの図に示される各方向の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。むろん、本技術の各要素は、符号で示される具体例に限定されない。「本発明に含まれる技術の概要」において、括弧内は直前の語の補足説明を意味する。
[態様1]
本技術の一態様に係る記録装置1は、図1~3に例示するように、記録ヘッド30、駆動部50、受容部(例えばフラッシングボックス70)、及び、制御部(例えばコントローラー10)を備える。前記記録ヘッド30は、記録媒体ME0にインク滴37を吐出する複数のノズル列33を有する。前記駆動部50は、走査方向D1に沿って前記記録ヘッド30を移動させる走査を行う。前記受容部(70)は、前記走査において前記記録ヘッド30の速度が変化している時に前記記録ヘッド30から吐出される前記インク滴37を受ける。前記制御部(10)は、前記走査において前記記録ヘッド30から前記受容部(70)に前記インク滴37を吐出させるフラッシング動作を制御する。ここで、前記複数のノズル列33は、前記走査方向D1へ順に並べられた第一ノズル列(例えばノズル列33C)、第二ノズル列(例えばノズル列33M)、及び、第三ノズル列(例えばノズル列33Y)を含んでいる。前記記録ヘッド30は、前記走査方向D1へ並べられた第一チップ41及び第二チップ42を含んでいる。前記第一チップ41は、前記第一ノズル列(33C)及び前記第二ノズル列(33M)を有している。前記第二チップ42は、前記第三ノズル列(33Y)を有している。前記制御部(10)は、前記フラッシング動作において、前記第一ノズル列(33C)と前記第二ノズル列(33M)とから前記インク滴37が同時に吐出されないように前記インク滴37を前記受容部(70)に吐出させ、前記第一ノズル列(33C)と前記第二ノズル列(33M)の一方と前記第三ノズル列(33Y)とから前記インク滴37を同時に吐出させる。
試験を行ったところ、走査において記録ヘッド30の速度が変化しているフラッシング動作時に一つのチップ40にある複数のノズル列33から同時に多くのインク滴37を吐出すると、これら複数のノズル列33から吐出されるインクが混ざる現象が生じることがあることが分かった。一方、前述のフラッシング動作時に別々のチップ40にそれぞれあるノズル列33から同時に多くのインク滴37を吐出しても、これらのノズル列33から吐出されるインクは混ざらないことが分かった。
上記態様1では、走査方向D1に沿って記録ヘッド30が移動している時にフラッシング動作が行われるので、フラッシング動作を含む一連の動作が効率よく行われる。ここで、フラッシング動作において、第一チップ41にある第一ノズル列(33C)と第二ノズル列(33M)とからは、同時にインク滴37が吐出されず、別々のタイミングでインク滴37が受容部(70)に吐出される。これにより、フラッシング動作において第一ノズル列(33C)と第二ノズル列(33M)とから吐出されるインクが混ざることが抑制される。一方、フラッシング動作において、第一チップ41にある第一ノズル列(33C)と第二ノズル列(33M)の一方と第二チップ42にある第三ノズル列(33Y)とからは、同時にインク滴37が受容部(70)に吐出される。
以上より、上記態様1は、互いに異なるノズル列から吐出されるインクが混ざることを抑制しながら効率よくフラッシングを実行可能な記録装置を提供することができる。例えば、第一ノズル列(33C)と第二ノズル列(33M)とから互いに異なる色のインク滴37が吐出される場合、混色を抑制しながら効率よくフラッシングを行うことができる。
ここで、ノズルはインク滴が噴射する小孔を意味し、ノズル列は複数のノズルの並びを意味する。
前記走査において前記記録ヘッドの速度が変化している時は、前記記録ヘッドが加速している時でもよいし、前記記録ヘッドが減速している時でもよい。
記録ヘッドは、第一チップ及び第二チップとは異なるチップを含んでいてもよい。
本願における「第一」、「第二」、…は、類似点を有する複数の構成要素に含まれる各構成要素を識別するための用語であり、順番を意味しない。
尚、上述した付言は、以下の態様においても適用される。
[態様2]
図3に例示するように、前記制御部(10)は、前記走査において前記記録ヘッド30が加速している時に前記フラッシング動作が行われるように前記記録ヘッド30から前記受容部(70)に前記インク滴37を吐出させてもよい。本態様は、記録ヘッド30から記録媒体ME0にインク滴37を吐出する直前にフラッシング動作が行われるので、互いに異なるノズル列から吐出されるインクが混ざることを抑制しながらさらに効率よくフラッシングを行うことができる。
尚、態様2には含まれないが、前記制御部は、前記走査において前記記録ヘッドが減速している時に前記フラッシング動作が行われるように前記記録ヘッドから前記受容部に前記インク滴を吐出させてもよい。
[態様3]
図2,3に例示するように、前記複数のノズル列33は、前記走査方向D1へ順に並べられた前記第一ノズル列(33C)、前記第二ノズル列(33M)、前記第三ノズル列(33Y)、及び、第四ノズル列(例えばノズル列33K)を含んでいてもよい。前記第二チップ42は、前記第三ノズル列(33Y)及び前記第四ノズル列(33K)を有していてもよい。前記制御部(10)は、前記フラッシング動作において、前記第三ノズル列(33Y)と前記第四ノズル列(33K)とから前記インク滴37が同時に吐出されないように前記インク滴37を前記受容部(70)に吐出させ、前記第三ノズル列(33Y)と前記第四ノズル列(33K)の一方と前記第二ノズル列(33M)とから前記インク滴37を同時に吐出させてもよい。
以上の場合、フラッシング動作において、第二チップ42にある第三ノズル列(33Y)と第四ノズル列(33K)とからは、同時にインク滴37が吐出されず、別々のタイミングでインク滴37が受容部(70)に吐出される。これにより、フラッシング動作において第三ノズル列(33Y)と第四ノズル列(33K)とから吐出されるインクが混ざることが抑制される。一方、フラッシング動作において、第二チップ42にある第三ノズル列(33Y)と第四ノズル列(33K)の一方と第一チップ41にある第二ノズル列(33M)とからは、同時にインク滴37が受容部(70)に吐出される。従って、上記態様は、互いに異なるノズル列から吐出されるインクが混ざることを抑制しながら効率よくフラッシングを行う好適な記録装置を提供することができる。
[態様4]
図8に例示するように、前記第一ノズル列(33C)から前記記録媒体ME0に前記インク滴37を吐出した状況を第一吐出状況(例えば第一記録率R1)とし、前記第二ノズル列(33M)から前記記録媒体ME0に前記インク滴37を吐出した状況を第二吐出状況(例えば第二記録率R2)とし、前記フラッシング動作において前記第一ノズル列(33C)から前記受容部(70)に前記インク滴37を吐出させる時間を時間T1とし、前記フラッシング動作において前記第二ノズル列(33M)から前記受容部(70)に前記インク滴37を吐出させる時間を時間T2とする。前記制御部(10)は、前記第一吐出状況(R1)と前記第二吐出状況(R2)とに基づいて前記時間T1と前記時間T2との時間比T1:T2を決定してもよく、前記フラッシング動作において前記時間比T1:T2に従って前記第一ノズル列(33C)と前記第二ノズル列(33M)の一方から前記受容部(70)に前記インク滴37を吐出させてもよい。
以上の場合、第一ノズル列(33C)及び第二ノズル列(33M)からのインク滴37の吐出状況に応じた時間比T1:T2に従って第一ノズル列(33C)と第二ノズル列(33M)の一方からインク滴37が受容部(70)に吐出される。従って、上記態様は、互いに異なるノズル列から吐出されるインクが混ざることを抑制しながらさらに効率よくフラッシングを行うことができる。
[態様5]
図10に例示するように、前記フラッシング動作において単位時間当たり前記第一ノズル列(33C)から前記受容部(70)に吐出させるインク36の総量を第一の量とし、前記フラッシング動作において前記単位時間当たり前記第二ノズル列(33M)から前記受容部(70)に吐出させるインク36の総量を第二の量とする。前記制御部(10)は、前記第一吐出状況(R1)に基づいて前記第一の量を決定してもよく、前記第二吐出状況(R2)に基づいて前記第二の量を決定してもよく、前記フラッシング動作において前記第一ノズル列(33C)から前記受容部(70)に前記第一の量となるように前記インク滴37を吐出させてもよく、前記フラッシング動作において前記第二ノズル列(33M)から前記受容部(70)に前記第二の量となるように前記インク滴37を吐出させてもよい。
以上の場合、第一ノズル列(33C)からのインク滴37の吐出状況に応じた第一の量のインク滴37が第一ノズル列(33C)から受容部(70)に吐出され、第二ノズル列(33M)からのインク滴37の吐出状況に応じた第二の量のインク滴37が第二ノズル列(33M)から受容部(70)に吐出される。従って、上記態様は、互いに異なるノズル列から吐出されるインクが混ざることを抑制しながらさらに効率よくフラッシングを行うことができる。
[態様6]
図8に例示するように、前記第一吐出状況は、前記記録媒体ME0において前回の前記フラッシング動作から記録が行われる領域の全画素PX1に対して前記第一ノズル列(33C)から前記インク滴37が着弾する画素PX1の比率(例えば第一記録率R1)でもよい。前記第二吐出状況は、前記記録媒体ME0において前記領域の全画素PX1に対して前記第二ノズル列(33M)から前記インク滴37が着弾する画素PX1の比率(例えば第二記録率R2)でもよい。前述の比率は、記録媒体ME0への記録時に各ノズル列33が使用された頻度を表す。従って、本態様は、互いに異なるノズル列から吐出されるインクが混ざることを抑制しながら効率よくフラッシングを行う好適な例を提供することができる。
尚、吐出状況は、上述の領域の全画素に対してノズル列からインク滴37が着弾する画素の比率に限定されない。態様6には含まれないが、吐出状況は、前回のフラッシング動作からノズル列が記録媒体に吐出したインクの総量、ノズル列が最後にインク滴を記録媒体に吐出してからの時間、ノズル列においてインク滴が正常に吐出されないノズルの数、等でもよい。例えば、第一吐出状況は、前回のフラッシング動作から第一ノズル列が記録媒体に吐出したインクの総量、第一ノズル列が最後にインク滴を記録媒体に吐出してからの時間、第一ノズル列においてインク滴が正常に吐出されないノズルの数、等でもよい。第二吐出状況は、前回のフラッシング動作から第二ノズル列が記録媒体に吐出したインクの総量、第二ノズル列が最後にインク滴を記録媒体に吐出してからの時間、第二ノズル列においてインク滴が正常に吐出されないノズルの数、等でもよい。
[態様7]
ところで、本技術の一態様に係る記録方法は、前記記録ヘッド30、前記駆動部50、及び、前記受容部(70)を用いる記録方法である。本記録方法は、前記走査において前記記録ヘッド30から前記受容部(70)に前記インク滴37を吐出させるフラッシング動作において、前記第一ノズル列(33C)と前記第二ノズル列(33M)とから前記インク滴37が同時に吐出されないように前記インク滴37を前記受容部(70)に吐出させ、前記第一ノズル列(33C)と前記第二ノズル列(33M)の一方と前記第三ノズル列(33Y)とから前記インク滴37を同時に吐出させる。
上記態様は、互いに異なるノズル列から吐出されるインクが混ざることを抑制しながら効率よくフラッシングを実行可能な記録方法を提供することができる。
さらに、本技術は、上述した記録装置を含むシステム、該システムの制御方法、上述した記録装置の制御プログラム、前述のシステムの制御プログラム、前述のいずれかの制御プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な媒体、等に適用可能である。また、上述した記録装置は、分散した複数の部分で構成されてもよい。
(2)記録装置を含む記録システムの具体例:
図1は、記録装置1を含む記録システムSY1を模式的に例示している。図1に示す記録システムSY1は記録装置1とホスト装置HO1を含んでいる。尚、記録システムSY1は図1に示されていない追加要素を含んでいてもよく、記録装置1は図1に示されていない追加要素を含んでいてもよい。図2は、記録ヘッド30のノズル面30aと記録媒体ME0上のドットパターンを模式的に例示している。図3は、記録ヘッド30を搭載しているキャリッジ52の動きの例を模式的に説明するための図である。図4は、駆動信号SG1に含まれる駆動波形P0~P4を模式的に例示している。図4において、駆動波形P0~P4を表すグラフの横軸は時間を示し、縦軸は駆動素子32に印加される電位を示している。また、「微振動」はノズル34からインク滴37が吐出されないことを意味し、「小インク滴」はノズル34から小ドット用のインク滴37が吐出されることを意味し、「中インク滴」はノズル34から中ドット用のインク滴37が吐出されることを意味し、「大インク滴」はノズル34から大ドット用のインク滴37が吐出されることを意味し、「FLインク滴」はノズル34からフラッシング用のインク滴37が吐出されることを意味する。
図1に示す記録装置1は、インクジェットプリンターの一種であるシリアルプリンターであり、記録ヘッド30の移動中に記録ヘッド30からインク滴37が吐出される主走査、及び、記録媒体ME0が移動する副走査を行う。前述の主走査は、図2,3に示す走査方向D1に沿って記録ヘッド30を移動させる走査の例である。図1に示す記録装置1は、制御部の例であるコントローラー10、発振回路20、半導体メモリーであるRAM21、通信I/F22、記憶部23、操作パネル24、記録ヘッド30、駆動部50、受容部の例であるフラッシングボックス70、等を備える。ここで、RAMはRandom Access Memoryの略称であり、I/Fはインターフェイスの略称である。コントローラー10、RAM21、通信I/F22、記憶部23、及び、操作パネル24は、バスに接続され、互いに情報を入出力可能とされている。
発振回路20は、水晶振動子等を備え、設定周波数の振幅を有するクロック信号CLKを生成し、該クロック信号CLKをコントローラー10に供給する。
コントローラー10は、プロセッサーであるCPU11、タイマー12、画像処理部13、駆動信号送信部15、等を備える。ここで、CPUは、Central Processing Unitの略称である。コントローラー10は、ホスト装置HO1、不図示のメモリーカード、等のいずれかから取得した印刷データDA1に基づいて、駆動部50による主走査及び副走査、並びに、記録ヘッド30によるインク滴37の吐出を制御する。印刷データDA1は、駆動信号SG1を生成するための記録データDA2に変換することが可能なデータであればよく、例えば、印刷画像IM0を示す画像データと記録データDA2への展開方法を示すコマンドデータとの組合せを適用することができる。ここで、Rは赤を意味し、Gは緑を意味し、Bは青を意味する。
コントローラー10は、SoC等により構成することができる。ここで、SoCは、System on a Chipの略称である。
CPU11は、記録装置1における情報処理や制御を中心的に行う装置であり、発振回路20からのクロック信号CLKにタイミングを合わせて動作する。CPU11は、タイマー12に設定時間をセットすることが可能である。
タイマー12は、設定時間を変更可能に保持し、CPU11から計時開始の指示が入力されると発振回路20からのクロック信号CLKに基づいて設定時間を計測し、設定時間の経過時にタイマー割り込み信号をCPU11に出力する。タイマー12は、フラッシング動作の時間管理に使用可能である。
画像処理部13は、ホスト装置HO1等からの印刷データDA1に基づいて記録データDA2を生成する。本具体例の記録データDA2は、図2に示す記録単位A0に含まれる各画素PX1のドットDT0の形成状態を表すラスターデータであるものとする。ラスターデータは、ドットの形成有無を表す2値データでもよいし、小中大の各ドットといった異なるサイズのドットに対応可能な3階調以上の多値データでもよい。2値データは、例えば、ドット形成に1、及び、ドット無しに0を対応させるデータとすることができる。各画素について2ビットで表現可能な4値データとしては、例えば、大ドット形成に3、中ドット形成に2、小ドット形成に1、及び、ドット無しに0を対応させるデータとすることができる。
画像処理部13は、解像度変換部、色変換部、ハーフトーン処理部、及び、ラスタライズ処理部を含んでいてもよい。解像度変換部は、ホスト装置HO1等からの印刷データDA1の解像度を設定解像度に変換する。印刷データDA1は、例えば、各画素にR、G、及び、Bの28階調や216階調の整数値を有する元画像データで表現される。ここで、Rは赤を意味し、Gは緑を意味し、Bは青を意味する。色変換部は、例えば、R、G、及び、Bの階調値とC、M、Y、及び、Kの各階調値との対応関係が規定された色変換ルックアップテーブルを参照し、設定解像度の元画像データを各画素PX1にC、M、Y、及び、Kの28階調や216階調の整数値を有するインク量データに変換する。ここで、Cはシアンを意味し、Mはマゼンタを意味し、Yはイエローを意味し、Kはブラックを意味する。インク量データは、画素PX1毎にインク36の使用量を表している。ハーフトーン処理部は、インク量データを構成する各画素PX1の階調値に対して例えばディザ法や誤差拡散法や濃度パターン法といった所定のハーフトーン処理を行うことにより階調値の階調数を減らし、記録データDA2と同じ階調数のハーフトーンデータを生成する。ラスタライズ処理部は、駆動部50でドットDT0が形成される順番にハーフトーンデータを並べ換えるラスタライズ処理を行うことにより記録データDA2を生成する。
むろん、ホスト装置HO1等から入力される印刷データDA1は、インク量データ、ハーフトーンデータ、等でもよい。また、記録装置1は、ホスト装置HO1等から記録データDA2を取得してもよい。
駆動信号送信部15は、発振回路20からのクロック信号CLKに基づいて所定周波数の共通駆動波形COMを生成する。共通駆動波形COMは、図4に示す駆動波形P0~P4を生成するために所定周波数で変動する電位を意味し、第一共通駆動波形(COM-Aとする。)、第二共通駆動波形(COM-Bとする。)、…のように複数に分けられてもよい。例えば、印刷用の駆動波形P0~P3を生成するための第一共通駆動波形COM-Aと、フラッシング用の駆動波形P4を生成するための第二共通駆動波形COM-Bとで、共通駆動波形COMを構成することが考えられる。駆動信号送信部15は、記録ヘッド30の駆動回路31に対して、記録ヘッド30の駆動素子32に印加する電圧信号に対応した駆動波形を含む駆動信号SG1を記録データDA2から生成して出力する。ここで、駆動信号送信部15は、記録データDA2に基づいて、駆動波形P0~P3のうち駆動素子32に伝える駆動波形を共通駆動波形COMから選択することにより、ドットDT0の形成状態に応じた駆動信号SG1を生成する。例えば、記録データDA2が「ドット形成」であれば、駆動信号送信部15はドット形成用のインク滴37を吐出させる駆動波形を含む駆動信号SG1を出力する。また、記録データDA2が4値データである場合、駆動信号送信部15は、記録データDA2が「大ドット形成」であれば大ドット用のインク滴37を吐出させる駆動波形P3(図4参照)を含む駆動信号SG1を出力し、記録データDA2が「中ドット形成」であれば中ドット用のインク滴37を吐出させる駆動波形P2を含む駆動信号SG1を出力し、記録データDA2が「小ドット形成」であれば小ドット用のインク滴37を吐出させる駆動波形P1を含む駆動信号SG1を出力する。尚、駆動信号送信部15は、記録データDA2が「ドット無し」であれば微振動用の駆動波形P0を含む駆動信号SG1を出力する。
また、駆動信号送信部15は、フラッシング動作時にフラッシング用のインク滴37を吐出させる駆動波形P4を含む駆動信号SG1を出力する。ここで、駆動信号送信部15は、ノズル列33毎に、フラッシング期間内であればフラッシング用の駆動波形P4を選択し、フラッシング期間外であれば微振動用の駆動波形P0を選択することにより、駆動信号SG1を生成する。
上記各部11~15は、ASICで構成されてもよく、RAM21から処理対象のデータを直接読み込んだりRAM21に処理後のデータを直接書き込んだりしてもよい。ここで、ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。
コントローラー10に制御される駆動部50は、キャリッジ駆動部51、ローラー駆動部55、及び、リニアエンコーダー60を備える。駆動部50は、キャリッジ駆動部51の駆動によりキャリッジ52を走査方向D1に沿って往復動作させ、ローラー駆動部55の駆動により記録媒体ME0を搬送経路59に沿って送り方向D3へ送る。従って、駆動部50は、主走査時に記録ヘッド30を走査方向D1に沿って移動させ、副走査時に記録ヘッド30と記録媒体ME0とを送り方向D3において相対的に移動させる。送り方向D3は、走査方向D1と交差する方向であり、例えば、走査方向D1に直交する方向である。図1において、送り方向D3は右方向であり、左側を上流側と呼び、右側を下流側と呼ぶことにする。キャリッジ駆動部51は、図3に示すように、走査方向D1に沿った往方向D11、及び、往方向D11とは反対の復方向D12へキャリッジ52を移動させる主走査をコントローラー10の制御に従って行う。尚、走査方向D1は、往方向D11と復方向D12を総称している。ローラー駆動部55は、搬送ローラー対56と排紙ローラー対57を含んでいる。ローラー駆動部55は、コントローラー10の制御に従って、搬送ローラー対56の駆動搬送ローラーと排紙ローラー対57の駆動排紙ローラーを回転させることにより記録媒体ME0を送り方向D3へ送る副走査を行う。記録媒体ME0は、印刷画像を保持する素材のことであり、紙、樹脂、金属、等で形成される。記録媒体ME0の材質は、特に限定されず、樹脂、金属、紙、等、様々な材質が考えられる。記録媒体ME0の形状も、特に限定されず、長方形、ロール状、等、様々な形状が考えられ、立体形状でもよい。
キャリッジ52には、記録ヘッド30が搭載されている。キャリッジ52には、インク滴37として吐出されるインク36が記録ヘッド30に供給されるインクカートリッジ35が搭載されてもよい。むろん、キャリッジ52外に設置されたインクカートリッジ35からチューブを介して記録ヘッド30にインク36が供給されてもよい。記録ヘッド30が設けられているキャリッジ52は、図示しない無端ベルトに固定され、ガイド53に沿って、往方向D11及び復方向D12へ移動可能である。ガイド53は、長手方向を走査方向D1に向けた長尺な部材である。キャリッジ駆動部51は、サーボモーターで構成され、コントローラー10からの指令に従ってキャリッジ52を往方向D11及び復方向D12へ移動させる。
記録ヘッド30から上流側にある搬送ローラー対56は、副走査時、ニップしている記録媒体ME0を駆動搬送ローラーの回転により記録ヘッド30の方へ送る。記録ヘッド30から下流側にある排紙ローラー対57は、副走査時、ニップしている記録媒体ME0を駆動排紙ローラーの回転により不図示の排紙トレイの方へ搬送する。ローラー駆動部55は、サーボモーターで構成され、コントローラー10からの指令に従って搬送ローラー対56と排紙ローラー対57を動作させ、記録媒体ME0を送り方向D3へ送る。
プラテン58は、搬送経路59の下側にあり、搬送経路59にある記録媒体ME0に接することにより記録媒体ME0を支持する。コントローラー10に制御される記録ヘッド30は、プラテン58に支持されている記録媒体ME0に向けてインク滴37を吐出することにより記録媒体ME0にインク36を付着させる。
リニアエンコーダー60は、図3に示すように、走査方向D1に沿って配置されたリニアスケール61、及び、キャリッジ52に配置されたリニアセンサー62を備えている。リニアスケール61は、黒色部分と透明部分とが繰り返されているラインパターンを有している。リニアセンサー62は、リニアスケール61に光を照射し、リニアスケール61から反射される光を電気信号であるエンコーダー信号に変換し、該エンコーダー信号をコントローラー10に出力する。コントローラー10は、リニアセンサー62から入力されるエンコーダー信号に基づいて走査方向D1におけるキャリッジ52の位置を検出可能である。
RAM21は、大容量で揮発性の半導体メモリーであり、ホスト装置HO1や不図示のメモリー等から受け入れた印刷データDA1等を格納する。通信I/F22は、ホスト装置HO1に有線又は無線で接続され、ホスト装置HO1に対して情報を入出力する。ホスト装置HO1には、パーソナルコンピューターやタブレット端末といったコンピューター、スマートフォンといった携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、等が含まれる。記憶部23は、ファームウェア等を記憶している。記憶部23には、フラッシュメモリーといった不揮発性半導体メモリー、ハードディスクといった磁気記憶装置、等を用いることができる。操作パネル24は、出力部25、入力部26、等を備えている。出力部25は、例えば、各種の指示に応じた情報や記録装置1の状態を示す情報を表示する液晶パネルといった表示部で構成される。出力部25は、これらの情報を音声出力してもよい。入力部26は、例えば、カーソルキーや決定キーといった操作キーといった操作入力部で構成される。入力部26は、表示画面への操作を受け付けるタッチパネル等でもよい。
記録ヘッド30は、インク滴37を吐出する複数のノズル34をノズル面30aに有し、プラテン58上の記録媒体ME0にインク滴37を吐出することにより印刷を行う。ノズル面30aは、インク滴37の吐出面である。記録ヘッド30は、駆動回路31、駆動素子32、等を備える。駆動回路31は、駆動信号送信部15から入力される駆動信号SG1に従って駆動素子32に電圧信号を印加する。駆動素子32には、ノズル34に連通する圧力室内のインク36に圧力を加える圧電素子、熱により圧力室内に気泡を発生させてノズル34からインク滴37を吐出させる駆動素子、等を用いることができる。記録ヘッド30の圧力室には、インクカートリッジ35からインク36が供給される。インクカートリッジ35とノズル列33の組合せは、インク36の色別に設けられる。圧力室内のインク36は、駆動素子32によってノズル34から記録媒体ME0に向かってインク滴37として吐出される。これにより、記録媒体ME0にインク滴37のドットDT0が形成される。記録ヘッド30が走査方向D1へ移動する間に記録データDA2に従ったドットDT0が形成され、記録媒体ME0が送り方向D3へ副走査1回分、送られることが繰り返されることにより、記録媒体ME0に印刷画像IM0が形成される。
図2,3に示す記録ヘッド30は、ノズル並び方向D4へ所定のノズルピッチの間隔で並んでいる複数のノズル34を含むノズル列33を複数、ノズル面30aに有している。各ノズル列33は、インク滴37を記録媒体ME0に向けて吐出する。図3に示すノズル並び方向D4は走査方向D1に直交しているが、ノズル並び方向D4は走査方向D1に直交せず斜めに交差していてもよい。言い換えると、ノズル並び方向D4は、図3に示すように送り方向D3と一致していてもよいし、送り方向D3から90°未満の範囲でずれていてもよい。各ノズル列33に含まれる複数のノズル34は、一列に並べられてもよいし、千鳥状すなわち二列に並べられてもよい。
図2に示す複数のノズル列33は、Cのインク滴37を吐出するためのノズル列33C、Mのインク滴37を吐出するためのノズル列33M、Yのインク滴37を吐出するためのノズル列33Y、及び、Kのインク滴37を吐出するためのノズル列33Kを含んでいる。ノズル面30aにおいて、ノズル列33C、ノズル列33M、ノズル列33Y、及び、ノズル列33Kは、走査方向D1へ順に並べられている。本具体例において、ノズル列33Cは第一ノズル列の例であり、ノズル列33Mは第二ノズル列の例であり、ノズル列33Yは第三ノズル列の例であり、ノズル列33Kは第四ノズル列の例である。ノズル列33C、ノズル列33M、ノズル列33Y、及び、ノズル列33Kは、復方向D12の順に配置されている。
複数のノズル列33を有する記録ヘッド30は、複数のチップ40に分けられている。複数のチップ40は、走査方向D1へ並べられた第一チップ41及び第二チップ42を含んでいる。図2に示す第二チップ42は、記録ヘッド30において第一チップ41から復方向D12に向かう位置にあり、第一チップ41から離隔している。第一チップ41は、ノズル列33Cとノズル列33Mを有している。第二チップ42は、ノズル列33Yとノズル列33Kを有している。従って、第一チップ41においてノズル列33Mはノズル列33Cよりも第二チップ42に近い位置にあり、第二チップ42においてノズル列33Yはノズル列33Kよりも第一チップ41に近い位置にある。走査方向D1において、ノズル列33Cとノズル列33Mとの間の距離L1は、ノズル列33Yとノズル列33Kとの間の距離L2と同じである。一方、走査方向D1において、第一チップ41のノズル列33Mと第二チップ42のノズル列33Yとの間の距離L3は、距離L1,L2よりも長い。
駆動部50は、走査方向D1に沿って記録ヘッド30を移動させる主走査、及び、走査方向D1と交差する副走査方向D2に沿って記録ヘッド30と記録媒体ME0とを相対的に移動させる副走査を行う。ここで、副走査方向D2は、送り方向D3とは反対の方向であり、副走査時に記録媒体ME0を基準として記録ヘッド30が相対的に移動する方向である。副走査方向D2は、走査方向D1と交差する方向であり、例えば、走査方向D1に直交する方向である。
記録装置1は、バンド印刷を行う場合、記録媒体ME0上の記録単位A0に対する主走査を行うことと、この主走査と次の主走査との間で記録媒体ME0を記録単位A0に相当する分、送り方向D3へ送る副走査を行うこととを、交互に繰り返す。主走査時、コントローラー10は、記録ヘッド30を往方向D11又は復方向D12へ移動させ、記録ヘッド30が記録媒体ME0に対向している時にノズル列33からインク滴37を記録媒体ME0に向けて吐出させる。記録媒体ME0上の記録単位A0にインク滴37が着弾することによりドットDT0が形成され、記録単位A0にドットDT0のパターンが印刷画像IM0として形成される。尚、記録装置1は、記録ヘッド30が往方向D11へ移動している場合と復方向D12へ移動している場合の両方で記録ヘッド30からインク滴37を記録媒体ME0に向けて吐出させる双方向記録を行ってもよい。また、記録装置1は、記録ヘッド30が復方向D12へ移動している場合に記録ヘッド30からインク滴37を吐出させず記録ヘッド30が往方向D11へ移動している場合に記録ヘッド30からインク滴37を記録媒体ME0に向けて吐出させる単方向記録を行ってもよい。いずれの場合も、記録媒体ME0には、副走査方向D2の順に、記録単位A0毎に印刷画像IM0が形成される。
また、記録装置1は、オーバーラップ印刷やインターレース印刷を行う場合、記録媒体ME0上の記録単位A0に対する主走査を行うことと、この主走査と次の主走査との間で記録媒体ME0を記録単位A0よりも少ない距離、送り方向D3へ送る副走査を行うこととを、交互に繰り返す。これにより、記録媒体ME0には、副走査方向D2の順に印刷画像IM0が形成される。
記録ヘッド30を搭載しているキャリッジ52の速度は、起動位置X1から定速開始位置X3まで増加し、定速開始位置X3から定速終了位置X4まで一定である定速度V1であり、定速終了位置X4から停止位置X6まで減少する。キャリッジ52が低速で加速又は減速している間はキャリッジ速度が安定しないので、記録ヘッド30から吐出されたインク滴37の着弾位置に乱れが起き易くなっている。本具体例では、記録ヘッド30からプラテン58上の記録媒体ME0にインク滴37を吐出する時にキャリッジ速度が定速度V1となるようにキャリッジ52の移動を制御して定速印刷を行うことにしている。この場合、キャリッジ速度が増加する加速領域AR3、及び、キャリッジ速度が減少する減速領域AR4は、記録ヘッド30から記録媒体ME0にインク滴37が着弾しない非記録領域AR12となる。ここで、加速領域AR3と減速領域AR4は、キャリッジ52の速度が変化する速度変化領域AR2に含まれる。また、キャリッジ速度が定速度V1である定速領域AR1は、記録ヘッド30から記録媒体ME0にインク滴37が着弾する記録領域AR11を含む。定速領域AR1は、非記録領域AR12の一部を含んでいてもよい。
尚、印刷の品質が確保される範囲で、記録装置1は、キャリッジ52が加速している最中にキャリッジ速度が最低速度以上になると加速印刷を行ってもよいし、キャリッジ52が減速している最中にキャリッジ速度が最低速度以上である場合に減速印刷を行ってもよい。加速印刷が行われる場合、加速領域AR3は、記録領域AR11の一部を含む。減速印刷が行われる場合、減速領域AR4は、記録領域AR11の一部を含む。
ところで、記録ヘッド30の各ノズル34の開口部においてインク36が増粘すると、ノズル34が詰まってインク滴37が吐出されなかったり、インク滴37の吐出方向が正常な方向からずれたりと、ノズル34からインク滴37が正常に吐出されなくなる。記録装置1は、これらの異常を防ぐため、印刷動作とは別に各ノズル34からインク滴37を吐出するというフラッシング動作を行っている。記録装置は記録ヘッド30をキャップの上部に停止させた状態でフラッシング動作を行うことが可能であるものの、このフラッシング動作を含む一連の動作には時間がかかる。記録装置は、一連の動作として、記録ヘッド30をキャップの上部まで移動させて停止させ、記録ヘッド30が停止している時にフラッシング動作を行い、印刷を行うために記録ヘッド30をキャップの上部から記録媒体ME0上に移動させる必要があるからである。
本具体例では、速度変化領域AR2にフラッシングボックス70を配置することにより、主走査において記録ヘッド30の速度が変化している時にフラッシング動作を行うことにしている。
図1,3に示す記録装置1は、主走査において記録ヘッド30の速度が変化している時に記録ヘッド30から吐出されるインク滴37を受けるフラッシングボックス70を非記録領域AR12に備えている。図3には、走査方向D1においてプラテン58の両側にフラッシングボックス70が配置されていることが示されている。これにより、キャリッジ52が加速する加速領域AR3である場合とキャリッジ52が減速する減速領域AR4である場合の両方においてフラッシング動作を行うことが可能である。ここで、加速領域AR3において行われるフラッシングを加速フラッシングと呼び、減速領域AR4において行われるフラッシングを減速フラッシングと呼ぶことにする。また、キャリッジ52は走査方向D1に沿って往復移動するので、キャリッジ52が往方向D11へ移動する主走査時には図3における右側のフラッシングボックス70だけ使用し、キャリッジ52が復方向D12へ移動する主走査時には図3における左側のフラッシングボックス70だけ使用してもよい。これにより、往方向D11への主走査時に記録ヘッド30から右側のフラッシングボックス70にインク滴37を吐出する加速フラッシングが行われ、復方向D12への主走査時に記録ヘッド30から左側のフラッシングボックス70にインク滴37を吐出する加速フラッシングが行われる。加速フラッシングでは、記録ヘッド30から記録媒体ME0にインク滴37を吐出する直前にフラッシング動作が行われる。従って、フラッシング直後の最良の状態で印刷が行われる。
むろん、記録装置1は、ノズル列33から記録媒体ME0にインク滴37を吐出した状況に応じて減速フラッシングを行ってもよい。
走査方向D1におけるフラッシングボックス70の長さは、長いほどフラッシング用のインク滴37を受けることができるものの、長いほど走査方向D1において記録装置1が大きくなる。従って、フラッシングボックス70に対向する全てのノズル列33からフラッシング用のインク滴37を吐出することができると、走査方向D1においてフラッシングボックス70を小さくすることができる。
ただ、試験を行ったところ、主走査において記録ヘッド30の速度が変化しているフラッシング動作時に一つのチップ40にある複数のノズル列33から同時に多くのインク滴37を吐出すると、これら複数のノズル列33から吐出されるインク36が混ざる現象が生じることがあることが分かった。互いに異なる色のインク36同士が混ざると、減法混色が生じ、その後に形成される印刷画像IM0の画質が低下する。図2,3に示す例では、第一チップ41のノズル列33C,33Mに由来するC及びMのインク36が混ざることがあり、第二チップ42のノズル列33Y,33Kに由来するY及びKのインク36が混ざることがある。一方、前述のフラッシング動作時に別々のチップ40にそれぞれあるノズル列33から同時に多くのインク滴37を吐出しても、これらのノズル列33から吐出されるインクは混ざらないことが分かった。例えば、第一チップ41のノズル列33Mと第二チップ42のノズル列33Yとに由来するM及びYのインク36は混ざらない。
以上の現象が生じるのは、一つのチップ40にある複数のノズル列33が同じノズル面30aに配置されているため、記録ヘッド30の速度変化時に多くのインク滴37が吐出されることによりノズル面30aに付着したインク36同士が該ノズル面30aを伝って混ざるためと推測される。一方、別々のチップ40にあるノズル列33同士については、ノズル面30aが分かれているため、インク36同士が混ざらないためと推測される。また、別々のチップ40にあるノズル列33M,33Yの間の距離L3が一つのチップ40にあるノズル列33同士の距離L1,L2よりも長いことも、別々のチップ40にあるノズル列33同士についてインク36同士の混ざりが生じ難い補助的な要因になると推測される。
そこで、本具体例では、一つのチップ40にある複数のノズル列33からインク滴37が同時に吐出されないようにインク滴37をフラッシングボックス70に吐出させ、別々のチップ40にそれぞれあるノズル列33からインク滴37を同時にさせることにしている。これにより、互いに異なるノズル列33から吐出されるインク36が混ざることを抑制しながら効率よくフラッシングが行われる。
図4に示すように、フラッシング用のインク滴を吐出するための駆動波形P4は、記録媒体ME0にドットDT0を形成するための駆動波形P1~P3よりも電位差が大きい。従って、単位時間当たりのインク滴37の吐出量は、フラッシング時の方がドット形成時よりも多い。最も電位差が小さい「微振動」の駆動波形P0があるのは、ノズル34からインク滴37が吐出されない場合に該ノズル34の開口部におけるインク36の増粘を抑制するためである。コントローラー10は、記録ヘッド30が記録媒体ME0に対向している時に記録データDA2に応じた駆動波形P0~P3を駆動回路31に出力し、記録ヘッド30がフラッシングボックス70に対向している時に駆動波形P4を駆動回路31に出力する。
(3)記録装置で行われるフラッシング処理の具体例:
図5は、フラッシング処理を模式的に例示している。フラッシング処理は、印刷開始前、及び、印刷動作中において前回のフラッシング処理から所定期間経過した時において、主走査が行われる直前に、図1に示すコントローラー10で行われる。図5に示すフラッシング処理は、ステップS102~S124の処理を含んでいる。以下、「ステップ」の記載を省略し、括弧内にステップの符号を示すことがある。図6は、フラッシング処理に従って行われるフラッシング動作を模式的に例示している。図6において、フラッシング開始位置X11は、主走査時にノズル列33が最初にフラッシングボックス70に対向する位置を示している。フラッシング交代位置X12は、主走査時に一つのチップ40においてインク滴37を吐出させるノズル列33を切り替えるおおよその位置を示している。フラッシング終了位置X13は、主走査時にノズル列33が最後にフラッシングボックス70に対向する位置を示している。図7は、フラッシング動作時において各ノズル列33からインク滴37が吐出される時間T1~T4を模式的に例示している。図5,7において、FLはフラッシングを意味し、C列はノズル列33Cを意味し、M列はノズル列33Mを意味し、Y列はノズル列33Yを意味し、K列はノズル列33Kを意味している。
図5~7に示す例において、コントローラー10は、第一チップ41のノズル列33C,33Mからインク滴37が同時に吐出されないようにインク滴37をフラッシングボックス70に吐出させ、ノズル列33C,33Mの一方と第二チップ42のノズル列33Yとからインク滴37を同時に吐出させる。また、コントローラー10は、第二チップ42のノズル列33Y,33Kからインク滴37が同時に吐出されないようにインク滴37をフラッシングボックス70に吐出させ、ノズル列33Y,33Kの一方と第一チップ41のノズル列33Mとからインク滴37を同時に吐出させる。
主走査においてキャリッジ52が起動位置X1から走査方向D1へ移動し始めると、フラッシング処理が開始する。図6に示すフラッシング開始位置X11にノズル列33Cが到達する前のタイミングt1において、コントローラー10は、図4に示す微振動用の駆動波形P0を含む駆動信号SG1を全てのノズル列33に対応する駆動回路31に出力しており、どのノズル列33からもインク滴37が吐出されない。
コントローラー10は、リニアエンコーダー60から入力されるエンコーダー信号に基づいて、ノズル列33Cがフラッシング用にCのインク滴37の吐出を開始するフラッシング開始位置X11を検出すると(S102)、処理をS104に進める。
S104において、コントローラー10は、図4に示す駆動波形P4を含む駆動信号SG1をノズル列33Cに対応する駆動回路31に出力することにより、ノズル列33Cからフラッシング用のインク滴37を吐出させる。S104の処理の開始時点は、図6に示すタイミングt2に相当する。
その後、図6に示すタイミングt3においてノズル列33Mがフラッシング開始位置X11に到達するが、コントローラー10は、第一チップ41においてCとMのインク36の混ざりを防ぐためにノズル列33MからMのインク滴37を吐出させない。ただ、第一チップ41がフラッシングボックス70に対向している時にノズル列33Mからフラッシング用のインク滴37を吐出させる必要がある。そこで、コントローラー10は、フラッシング開始位置X11とフラッシング終了位置X13との間においてインク滴37の吐出対象をノズル列33Cからノズル列33Mに切り替えるS110~S112の処理を後で行う。本具体例のコントローラー10は、図7に示すように、フラッシング動作において、ノズル列33Cからフラッシングボックス70にCのインク滴37を吐出させる時間T1とノズル列33Mからフラッシングボックス70にMのインク滴37を吐出させる時間T2とが同じになるように制御することにしている。図6には、フラッシング開始位置X11とフラッシング終了位置X13との間のフラッシング交代位置X12の付近でインク滴37の吐出対象がノズル列33Cからノズル列33Mに切り替わることが示されている。加速フラッシングが行われる場合、フラッシング交代位置X12は、フラッシング終了位置X13よりもフラッシング開始位置X11の方に近い位置となる。
本具体例の記録装置1は、フラッシング用のインク滴37の吐出対象がノズル列33Cからノズル列33Mに切り替わる前に第二チップ42のノズル列33Yがフラッシング開始位置X11に到達するように設計されている。そこで、コントローラー10は、図6に示すタイミングt1からの経過時間に基づいて、ノズル列33Yがフラッシング用にYのインク滴37の吐出を開始するフラッシング開始位置X11に到達するタイミングを計時すると(S106)、処理をS108に進める。タイミングt1からの経過時間は、図1に示す所定周波数の共通駆動波形COM、例えば、フラッシング用の駆動波形P4を生成するための第二共通駆動波形COM-Bをカウントすることにより計時することができる。また、S106において、コントローラー10は、リニアエンコーダー60から入力されるエンコーダー信号に基づいて、ノズル列33Yがフラッシング用のインク滴37の吐出を開始するフラッシング開始位置X11を検出してもよい。
S108において、コントローラー10は、駆動波形P4を含む駆動信号SG1をノズル列33Yに対応する駆動回路31に出力することにより、ノズル列33Yからフラッシング用のインク滴37を吐出させる。従って、タイミングt4において、第一チップ41のノズル列33Cと第二チップ42のノズル列33Yとからインク滴37が吐出することになる。
その後、図6に示すタイミングt5においてノズル列33Kがフラッシング開始位置X11に到達するが、コントローラー10は、第二チップ42においてYとKのインク36の混ざりを防ぐためにノズル列33KからKのインク滴37を吐出させない。ただ、第二チップ42がフラッシングボックス70に対向している時にノズル列33Kからフラッシング用のインク滴37を吐出させる必要がある。そこで、コントローラー10は、フラッシング開始位置X11とフラッシング終了位置X13との間においてインク滴37の吐出対象をノズル列33Yからノズル列33Kに切り替えるS114~S116の処理を後で行う。本具体例のコントローラー10は、図7に示すように、フラッシング動作において、ノズル列33Yからフラッシングボックス70にYのインク滴37を吐出させる時間T3とノズル列33Kからフラッシングボックス70にKのインク滴37を吐出させる時間T4とが同じになるように制御することにしている。図6には、フラッシング開始位置X11とフラッシング終了位置X13との間のフラッシング交代位置X12の付近でインク滴37の吐出対象がノズル列33Yからノズル列33Kに切り替わることが示されている。
ノズル列33YからYのインク滴37の吐出が開始した後、コントローラー10は、タイミングt1からの経過時間に基づいて、インク滴37の吐出対象をノズル列33Cからノズル列33Mに交代させるタイミングを計時すると(S110)、処理をS112に進める。このタイミングは、経過時間が図7における時間T1に到達したタイミングである。ここでも、タイミングt1からの経過時間は、図1に示す所定周波数の共通駆動波形COM、例えば、フラッシング用の駆動波形P4を生成するための第二共通駆動波形COM-Bをカウントすることにより計時することができる。また、S110において、コントローラー10は、リニアエンコーダー60から入力されるエンコーダー信号に基づいて、インク滴37の吐出対象をノズル列33Cからノズル列33Mに交代させるフラッシング交代位置を検出してもよい。
S112において、コントローラー10は、微振動用の駆動波形P0を含む駆動信号SG1をノズル列33Cに対応する駆動回路31に出力し、フラッシング用の駆動波形P4を含む駆動信号SG1をノズル列33Mに対応する駆動回路31に出力する。これにより、コントローラー10は、ノズル列33Cからフラッシング用のインク滴37を吐出させることを終了させ、ノズル列33Mからフラッシング用のインク滴37を吐出させる。従って、タイミングt5とタイミングt6との間において、インク滴37の吐出対象がノズル列33Cからノズル列33Mに切り替わる。
ノズル列33MからMのインク滴37の吐出が開始した後、コントローラー10は、タイミングt1からの経過時間に基づいて、インク滴37の吐出対象をノズル列33Yからノズル列33Kに交代させるタイミングを計時すると(S114)、処理をS116に進める。このタイミングは、経過時間が図7における時間T3に到達したタイミングである。ここでも、タイミングt1からの経過時間は、図1に示す所定周波数の共通駆動波形COM、例えば、フラッシング用の駆動波形P4を生成するための第二共通駆動波形COM-Bをカウントすることにより計時することができる。また、S114において、コントローラー10は、リニアエンコーダー60から入力されるエンコーダー信号に基づいて、インク滴37の吐出対象をノズル列33Yからノズル列33Kに交代させるフラッシング交代位置を検出してもよい。
S116において、コントローラー10は、微振動用の駆動波形P0を含む駆動信号SG1をノズル列33Yに対応する駆動回路31に出力し、フラッシング用の駆動波形P4を含む駆動信号SG1をノズル列33Kに対応する駆動回路31に出力する。これにより、コントローラー10は、ノズル列33Yからフラッシング用のインク滴37を吐出させることを終了させ、ノズル列33Kからフラッシング用のインク滴37を吐出させる。従って、タイミングt7とタイミングt8との間において、インク滴37の吐出対象がノズル列33Yからノズル列33Kに切り替わる。
ノズル列33KからKのインク滴37の吐出が開始した後、コントローラー10は、タイミングt1からの経過時間に基づいて、ノズル列33MからMのインク滴37を吐出させることを終了させるタイミングを計時すると(S118)、処理をS120に進める。このタイミングは、経過時間が図7における時間T2に到達したタイミングである。ここでも、タイミングt1からの経過時間は、図1に示す所定周波数の共通駆動波形COM、例えば、フラッシング用の駆動波形P4を生成するための第二共通駆動波形COM-Bをカウントすることにより計時することができる。また、S118において、コントローラー10は、リニアエンコーダー60から入力されるエンコーダー信号に基づいて、ノズル列33Mにインク滴37の吐出を終了させるフラッシング終了位置X13を検出してもよい。
S120において、コントローラー10は、微振動用の駆動波形P0を含む駆動信号SG1をノズル列33Mに対応する駆動回路31に出力することにより、ノズル列33MからMのインク滴37を吐出させることを終了させる。S120の処理の開始時点は、図6に示すタイミングt9に相当する。
ノズル列33MがMのインク滴37の吐出を終えた後、コントローラー10は、タイミングt1からの経過時間に基づいて、ノズル列33KからKのインク滴37を吐出させることを終了させるタイミングを計時すると(S122)、処理をS124に進める。このタイミングは、経過時間が図7における時間T4に到達したタイミングである。ここでも、タイミングt1からの経過時間は、図1に示す所定周波数の共通駆動波形COM、例えば、フラッシング用の駆動波形P4を生成するための第二共通駆動波形COM-Bをカウントすることにより計時することができる。また、コントローラー10は、タイミングt1からKのインク滴37の吐出を終了させるまでの時間をタイマー12にセットしておけば、タイマー12からのタイマー割り込み信号をトリガーとして処理をS124に進めてもよい。さらに、S122において、コントローラー10は、リニアエンコーダー60から入力されるエンコーダー信号に基づいて、ノズル列33Kにインク滴37の吐出を終了させるフラッシング終了位置X13を検出してもよい。
S124において、コントローラー10は、微振動用の駆動波形P0を含む駆動信号SG1をノズル列33Kに対応する駆動回路31に出力することにより、ノズル列33KからKのインク滴37を吐出させることを終了させる。S124の処理の開始時点は、図6に示すタイミングt10に相当する。
以上説明したように、走査方向D1に沿って記録ヘッド30が移動している時にフラッシング動作が行われるので、フラッシング動作を含む一連の動作が効率よく行われる。ここで、フラッシング動作において、一つのチップ40にある複数のノズル列33からは、同時にインク滴37が吐出されず、別々のタイミングでインク滴37がフラッシングボックス70に吐出される。これにより、フラッシング動作において一つのチップ40にある複数のノズル列33から吐出されるインク36が混ざることが抑制される。一方、フラッシング動作において、第一チップ41にあるノズル列33C,33Mの一方と第二チップ42にあるノズル列33Yとからは、同時にインク滴37がフラッシングボックス70に吐出される。また、フラッシング動作において、第二チップ42にあるノズル列33Y,33Kの一方と第一チップ41にあるノズル列33Mとからは、同時にインク滴37がフラッシングボックス70に吐出される。
以上より、本具体例の記録装置1は、互いに異なるノズル列から吐出されるインク同士が混ざること、例えば、混色を抑制しながら効率よくフラッシングを実行可能である。
(4)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、インクの色の組合せは、C、M、Y、及び、Kに限定されず、ホワイト、オレンジ、グリーン、無色、Cよりも低濃度のライトシアン、Mよりも低濃度のライトマゼンタ、Yよりも高濃度のダークイエロー、Kよりも低濃度のライトブラック、等を含んでいてもよい。むろん、記録装置1がC、M、Y、及び、Kの一部のインクを使用しない場合にも、本技術を適用可能である。
上述した実施形態では副走査時に副走査方向D2において記録ヘッド30が移動せず記録媒体ME0が移動したが、これに限定されない。副走査時、副走査方向D2において記録媒体ME0が移動せずに記録ヘッド30が移動してもよいし、副走査方向D2において記録媒体ME0と記録ヘッド30の両方が移動してもよい。
記録ヘッド30において走査方向D1へ並べられる複数のノズル列33の順番は、上述した例の順番に限定されない。むろん、走査方向D1へ並べられた複数のノズル列33の順番に応じて、第一ノズル列、第二ノズル列、第三ノズル列、及び、第四ノズル列への当てはめが変わる。例えば、復方向D12の順に、第一ノズル列としてのノズル列33K、第二ノズル列としてのノズル列33C、第三ノズル列としてのノズル列33M、及び、第四ノズル列としてのノズル列33Yが配置されてもよい。むろん、第一チップ41は走査方向D1へ並べられた3以上のノズル列33を有していてもよく、第二チップ42は走査方向D1へ並べられた3以上のノズル列33を有していてもよい。この場合、第一チップ41の3以上のノズル列33から第一ノズル列及び第二ノズル列に当てはめられるノズル列が選択されてもよいし、第二チップ42の3以上のノズル列33から第三ノズル列及び第四ノズル列に当てはめられるノズル列が選択されてもよい。
また、記録ヘッド30は、3以上のチップ40を含んでいてもよい。この場合、3以上のチップ40から第一チップ41及び第二チップ42に当てはめられるチップが選択されてもよい。
図8,9に例示するように、コントローラー10は、各ノズル列33から記録媒体ME0にインク滴37を吐出した状況に基づいて、一つのチップ40にある各ノズル列33からフラッシングボックス70にインク滴37を吐出させる時間の比を変更可能に決定してもよい。図8は、第一チップ41のノズル列33C,33Mから記録媒体ME0にインク滴37を吐出した状況を模式的に例示している。図9は、吐出状況に応じた時間比T1:T2及び時間比T3:T4を模式的に例示している。
ここで、ノズル列33Cから記録媒体ME0にCのインク滴37を吐出した状況を第一吐出状況とし、ノズル列33Mから記録媒体ME0にMのインク滴37を吐出した状況を第二吐出状況とし、ノズル列33Yから記録媒体ME0にYのインク滴37を吐出した状況を第三吐出状況とし、ノズル列33Kから記録媒体ME0にKのインク滴37を吐出した状況を第四吐出状況とする。各吐出状況は、例えば、図8に示すように、前回のフラッシング動作から記録媒体ME0において記録が行われる領域の全画素PX1に対してノズル列33からインク滴37が着弾する画素PX1の比率で表される。図8には、前述の領域の全画素PX1に対してノズル列33Cからインク滴37が着弾する画素PX1の比率として第一記録率R1が示され、前述の領域の全画素PX1に対してノズル列33Mからインク滴37が着弾する画素PX1の比率として第二記録率R2が示されている。さらに、図9に示すように、前述の領域の全画素PX1に対してノズル列33Yからインク滴37が着弾する画素PX1の比率を第三記録率R3とし、前述の領域の全画素PX1に対してノズル列33Kからインク滴37が着弾する画素PX1の比率を第四記録率R4とする。第一記録率R1は第一吐出状況の例であり、第二記録率R2は第二吐出状況の例であり、第三記録率R3は第三吐出状況の例であり、第四記録率R4は第四吐出状況の例である。これらの記録率(R1~R4)は、記録媒体ME0への記録時における各ノズル列33の使用頻度を表す。
また、図9に示すように、フラッシング動作において、ノズル列33Cからフラッシングボックス70にインク滴37を吐出させる時間を時間T1とし、ノズル列33Mからフラッシングボックス70にインク滴37を吐出させる時間を時間T2とし、ノズル列33Yからフラッシングボックス70にインク滴37を吐出させる時間を時間T3とし、ノズル列33Kからフラッシングボックス70にインク滴37を吐出させる時間を時間T4とする。
例えば、図8の上段に示すように、前回のフラッシング動作から記録媒体ME0において記録が行われる領域の100画素に、ノズル列33Cから吐出されたCのインク滴37のドットDT1を有する画素が25個存在するとする。この場合、第一記録率R1は、25%となる。また、図8の下段に示すように、前回のフラッシング動作から記録媒体ME0において記録が行われる領域の100画素に、ノズル列33Mから吐出されたMのインク滴37のドットDT2を有する画素が50個存在するとする。この場合、第二記録率R2は、50%となる。
コントローラー10は、ノズル列33C用の時間T1と、ノズル列33M用の時間T2と、の時間比T1:T2を、第一記録率R1と第二記録率R2に基づいて決定する。記録率が高い場合、ノズル34から頻繁にインク滴37が吐出されることから、ノズル34の開口部におけるインク36の増粘が比較的少ないと考えられる。記録率が低い場合、ノズル34からインク滴37が吐出される頻度が少ないことから、ノズル34の開口部におけるインク36の増粘が比較的多いと考えられる。そこで、時間比T1:T2は、例えば、R2:R1とすることができる。例えば、図8に示すようにR1<R2である場合、T1>T2となる。むろん、R1>R2である場合、T1<T2となる。また、コントローラー10は、ノズル列33Y用の時間T3と、ノズル列33K用の時間T4と、の時間比T3:T4を、第三記録率R3と第四記録率R4に基づいて決定する。時間比T3:T4は、例えば、R4:R3とすることができる。例えば、R3>R4である場合、T3<T4となる。むろん、R3<R4である場合、T3>T4となる。
コントローラー10は、図5に示すフラッシング処理に従って、フラッシング動作において時間比T1:T2に従ってノズル列33C,33Mの一方からフラッシングボックス70にフラッシング用のインク滴37を吐出させ、フラッシング動作において時間比T3:T4に従ってノズル列33Y,33Kの一方からフラッシングボックス70にフラッシング用のインク滴37を吐出させる。
以上により、前回のフラッシング動作から記録媒体ME0においてノズル列33C,33Mによりインク滴37が着弾した比率に応じた時間比T1:T2に従ってノズル列33C,33Mの一方からフラッシング用のインク滴37がフラッシングボックス70に吐出される。また、前回のフラッシング動作から記録媒体ME0においてノズル列33Y,33Kによりインク滴37が着弾した比率に応じた時間比T3:T4に従ってノズル列33Y,33Kの一方からフラッシング用のインク滴37がフラッシングボックス70に吐出される。
ノズル34の開口部におけるインク36の増粘が比較的少ないと考えられるノズル列33については、当該ノズル列33のフラッシング動作の時間が比較的短くなる。一方、ノズル34の開口部におけるインク36の増粘が比較的多いと考えられるノズル列33については、当該ノズル列33のフラッシング動作の時間が比較的長くなる。従って、図8,9に示す例は、互いに異なるノズル列33から吐出されるインクが混ざることを抑制しながらさらに効率よくフラッシングを行うことができる。
尚、各吐出状況は、前回のフラッシング動作からノズル列33が記録媒体ME0に吐出したインク36の総重量又は総容積、ノズル列33が最後にインク滴37を記録媒体ME0に吐出してからの時間、ノズル列33においてインク滴37が正常に吐出されないノズル34の数、等でもよい。例えば、前回のフラッシング動作からノズル列33Cが記録媒体ME0に吐出したインク36の総重量は第一吐出状況の例となり、前回のフラッシング動作からノズル列33Mが記録媒体ME0に吐出したインク36の総重量は第二吐出状況の例となり、前回のフラッシング動作からノズル列33Yが記録媒体ME0に吐出したインク36の総重量は第三吐出状況の例となり、前回のフラッシング動作からノズル列33Kが記録媒体ME0に吐出したインク36の総重量は第四吐出状況の例となる。
また、図10に例示するように、コントローラー10は、フラッシング動作において単位時間当たり各ノズル列33からフラッシングボックス70に吐出させるインク36の総量を吐出状況に基づいて決定してもよい。図10は、フラッシング動作において単位時間当たり各ノズル列33からフラッシングボックス70に吐出させるインク36の総量を吐出状況に基づいて決定する例を模式的に示している。図10には、中ドット用の駆動波形P2と大ドット用の駆動波形P3もフラッシング用に使用されることが示されている。駆動波形P3が選択される場合、駆動波形P2が選択される場合と比べて電位変化が多いので単位時間当たりノズル列33から吐出されるインク36の総量が多くなる。駆動波形P4が選択される場合、駆動波形P3が選択される場合と比べて電位変化が大きいので単位時間当たりノズル列33から吐出されるインク36の総量が多くなる。コントローラー10は、上述した記録率(R1~R4)に応じて駆動波形P2,P3,P4の中からフラッシングに使用する駆動波形を選択する。
例えば、前回のフラッシング動作から記録媒体ME0において記録が行われる領域の全画素PX1に対してノズル列33Cからインク滴37が着弾する画素PX1の比率である第一記録率R1が50%以上である場合、コントローラー10は駆動波形P2を選択する。第一記録率R1が25%以上50%未満である場合、コントローラー10は駆動波形P3を選択する。第一記録率R1が0%以上25%未満である場合、コントローラー10は駆動波形P4を選択する。コントローラー10が駆動波形を選択することによりフラッシング動作において単位時間当たりノズル列33Cからフラッシングボックス70に吐出させるインク36の総量は、第一の量の例である。コントローラー10がノズル列33C用に駆動波形を選択することは、第一吐出状況に基づいて第一の量を決定することの例である。
記録率が高い場合、ノズル34から頻繁にインク滴37が吐出されることから、ノズル34の開口部におけるインク36の増粘が比較的少ないと考えられる。そこで、フラッシング動作において単位時間当たりノズル列33Cから吐出されるインク36の総量が比較的少なくなる駆動波形P2を選択することできる。記録率が低い場合、ノズル34からインク滴37が吐出される頻度が少ないことから、ノズル34の開口部におけるインク36の増粘が比較的多いと考えられる。そこで、フラッシング動作において単位時間当たりノズル列33Cから吐出されるインク36の総量が比較的多くなる駆動波形P4を選択することができる。
前回のフラッシング動作から記録媒体ME0において記録が行われる領域の全画素PX1に対してノズル列33Mからインク滴37が着弾する画素PX1の比率である第二記録率R2が50%以上である場合、コントローラー10は駆動波形P2を選択する。第二記録率R2が25%以上50%未満である場合、コントローラー10は駆動波形P3を選択する。第二記録率R2が0%以上25%未満である場合、コントローラー10は駆動波形P4を選択する。コントローラー10が駆動波形を選択することによりフラッシング動作において単位時間当たりノズル列33Mからフラッシングボックス70に吐出させるインク36の総量は、第二の量の例である。コントローラー10がノズル列33M用に駆動波形を選択することは、第二吐出状況に基づいて第二の量を決定することの例である。ノズル列33Mについても、ノズル列33Cと同じ理由により駆動波形を選択することができる。
さらに、コントローラー10が駆動波形を選択することによりフラッシング動作において単位時間当たりノズル列33Yからフラッシングボックス70に吐出させるインク36の総量は、第三の量の例である。コントローラー10がノズル列33Y用に駆動波形を選択することは、第三吐出状況に基づいて第三の量を決定することの例である。コントローラー10が駆動波形を選択することによりフラッシング動作において単位時間当たりノズル列33Kからフラッシングボックス70に吐出させるインク36の総量は、第四の量の例である。コントローラー10がノズル列33K用に駆動波形を選択することは、第四吐出状況に基づいて第四の量を決定することの例である。ノズル列33Y,33Kについても、ノズル列33Cと同じ理由により駆動波形を選択することができる。
コントローラー10は、図5に示すフラッシング処理に従って、フラッシング動作において、ノズル列33Cからフラッシングボックス70に第一の量となるようにインク滴37を吐出させ、ノズル列33Mからフラッシングボックス70に第二の量となるようにインク滴37を吐出させ、ノズル列33Yからフラッシングボックス70に第三の量となるようにインク滴37を吐出させ、ノズル列33Kからフラッシングボックス70に第四の量となるようにインク滴37を吐出させる。
以上により、ノズル列33Cからのインク滴37の吐出状況に応じた第一の量のインク滴37がノズル列33Cからフラッシングボックス70に吐出される。ノズル列33Mからのインク滴37の吐出状況に応じた第二の量のインク滴37がノズル列33Mからフラッシングボックス70に吐出される。ノズル列33Yからのインク滴37の吐出状況に応じた第三の量のインク滴37がノズル列33Yからフラッシングボックス70に吐出される。ノズル列33Kからのインク滴37の吐出状況に応じた第四の量のインク滴37がノズル列33Kからフラッシングボックス70に吐出される。
ノズル34の開口部におけるインク36の増粘が比較的少ないと考えられるノズル列33については、当該ノズル列33から単位時間当たり吐出されるインク36の総量が比較的少なくなる。一方、ノズル34の開口部におけるインク36の増粘が比較的多いと考えられるノズル列33については、当該ノズル列33から単位時間当たり吐出されるインク36の総量が比較的多くなる。従って、図10に示す例は、互いに異なるノズル列33から吐出されるインクが混ざることを抑制しながらさらに効率よくフラッシングを行うことができる。
尚、図8,9に示す例と図10に示す例を組み合わせることも可能である。
(5)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、互いに異なるノズル列から吐出されるインクが混ざることを抑制しながら効率よくフラッシングを実行可能な技術等を提供することができる。むろん、独立請求項に係る構成要件のみからなる技術でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術及び上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
1…記録装置、10…コントローラー、30…記録ヘッド、31…駆動回路、32…駆動素子、33…ノズル列、34…ノズル、36…インク、37…インク滴、40…チップ、41…第一チップ、42…第二チップ、50…駆動部、51…キャリッジ駆動部、52…キャリッジ、55…ローラー駆動部、60…リニアエンコーダー、70…フラッシングボックス、AR1…定速領域、AR2…速度変化領域、AR3…加速領域、AR4…減速領域、AR11…記録領域、AR12…非記録領域、COM…共通駆動波形、D1…走査方向、D2…副走査方向、D3…送り方向、D4…ノズル並び方向、D11…往方向、D12…復方向、DT0,DT1,DT2…ドット、IM0…印刷画像、L1,L2,L3…距離、ME0…記録媒体、P0,P1,P2,P3,P4…駆動波形、PX1…画素、R1…第一記録率、R2…第二記録率、R3…第三記録率、R4…第四記録率、SG1…駆動信号、T1~T4…時間、V1…定速度、X1…起動位置、X3…定速開始位置、X4…定速終了位置、X6…停止位置、X11…フラッシング開始位置、X12…フラッシング交代位置、X13…フラッシング終了位置。

Claims (7)

  1. 記録媒体にインク滴を吐出する複数のノズル列を有する記録ヘッドと、
    走査方向に沿って前記記録ヘッドを移動させる走査を行う駆動部と、
    前記走査において前記記録ヘッドの速度が変化している時に前記記録ヘッドから吐出される前記インク滴を受ける受容部と、
    前記走査において前記記録ヘッドから前記受容部に前記インク滴を吐出させるフラッシング動作を制御する制御部と、を備え、
    前記複数のノズル列は、前記走査方向へ順に並べられた第一ノズル列、第二ノズル列、及び、第三ノズル列を含み、
    前記記録ヘッドは、前記走査方向へ並べられた第一チップ及び第二チップを含み、
    前記第一チップは、前記第一ノズル列及び前記第二ノズル列を有し、
    前記第二チップは、前記第三ノズル列を有し、
    前記制御部は、前記フラッシング動作において、前記第一ノズル列と前記第二ノズル列とから前記インク滴が同時に吐出されないように前記インク滴を前記受容部に吐出させ、前記第一ノズル列と前記第二ノズル列の一方と前記第三ノズル列とから前記インク滴を同時に吐出させる、記録装置。
  2. 前記制御部は、前記走査において前記記録ヘッドが加速している時に前記フラッシング動作が行われるように前記記録ヘッドから前記受容部に前記インク滴を吐出させる、請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記複数のノズル列は、前記走査方向へ順に並べられた前記第一ノズル列、前記第二ノズル列、前記第三ノズル列、及び、第四ノズル列を含み、
    前記第二チップは、前記第三ノズル列及び前記第四ノズル列を有し、
    前記制御部は、前記フラッシング動作において、前記第三ノズル列と前記第四ノズル列とから前記インク滴が同時に吐出されないように前記インク滴を前記受容部に吐出させ、前記第三ノズル列と前記第四ノズル列の一方と前記第二ノズル列とから前記インク滴を同時に吐出させる、請求項1又は請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記第一ノズル列から前記記録媒体に前記インク滴を吐出した状況を第一吐出状況とし、前記第二ノズル列から前記記録媒体に前記インク滴を吐出した状況を第二吐出状況とし、前記フラッシング動作において前記第一ノズル列から前記受容部に前記インク滴を吐出させる時間を時間T1とし、前記フラッシング動作において前記第二ノズル列から前記受容部に前記インク滴を吐出させる時間を時間T2として、
    前記制御部は、前記第一吐出状況と前記第二吐出状況とに基づいて前記時間T1と前記時間T2との時間比T1:T2を決定し、前記フラッシング動作において前記時間比T1:T2に従って前記第一ノズル列と前記第二ノズル列の一方から前記受容部に前記インク滴を吐出させる、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の記録装置。
  5. 前記第一ノズル列から前記記録媒体に前記インク滴を吐出した状況を第一吐出状況とし、前記第二ノズル列から前記記録媒体に前記インク滴を吐出した状況を第二吐出状況とし、前記フラッシング動作において単位時間当たり前記第一ノズル列から前記受容部に吐出させるインクの総量を第一の量とし、前記フラッシング動作において前記単位時間当たり前記第二ノズル列から前記受容部に吐出させるインクの総量を第二の量として、
    前記制御部は、前記第一吐出状況に基づいて前記第一の量を決定し、前記第二吐出状況に基づいて前記第二の量を決定し、前記フラッシング動作において前記第一ノズル列から前記受容部に前記第一の量となるように前記インク滴を吐出させ、前記フラッシング動作において前記第二ノズル列から前記受容部に前記第二の量となるように前記インク滴を吐出させる、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の記録装置。
  6. 前記第一吐出状況は、前記記録媒体において前回の前記フラッシング動作から記録が行われる領域の全画素に対して前記第一ノズル列から前記インク滴が着弾する画素の比率であり、
    前記第二吐出状況は、前記記録媒体において前記領域の全画素に対して前記第二ノズル列から前記インク滴が着弾する画素の比率である、請求項4又は請求項5に記載の記録装置。
  7. 記録媒体にインク滴を吐出する複数のノズル列を有する記録ヘッドと、
    走査方向に沿って前記記録ヘッドを移動させる走査を行う駆動部と、
    前記走査において前記記録ヘッドの速度が変化している時に前記記録ヘッドから吐出される前記インク滴を受ける受容部と、を用いる記録方法であって、
    前記複数のノズル列は、前記走査方向へ順に並べられた第一ノズル列、第二ノズル列、及び、第三ノズル列を含み、
    前記記録ヘッドは、前記走査方向へ並べられた第一チップ及び第二チップを含み、
    前記第一チップは、前記第一ノズル列及び前記第二ノズル列を有し、
    前記第二チップは、前記第三ノズル列を有し、
    前記走査において前記記録ヘッドから前記受容部に前記インク滴を吐出させるフラッシング動作において、前記第一ノズル列と前記第二ノズル列とから前記インク滴が同時に吐出されないように前記インク滴を前記受容部に吐出させ、前記第一ノズル列と前記第二ノズル列の一方と前記第三ノズル列とから前記インク滴を同時に吐出させる、記録方法。
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