JP2023124239A - プラント - Google Patents

プラント Download PDF

Info

Publication number
JP2023124239A
JP2023124239A JP2022027887A JP2022027887A JP2023124239A JP 2023124239 A JP2023124239 A JP 2023124239A JP 2022027887 A JP2022027887 A JP 2022027887A JP 2022027887 A JP2022027887 A JP 2022027887A JP 2023124239 A JP2023124239 A JP 2023124239A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid
heat
post
reaction
crude
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022027887A
Other languages
English (en)
Inventor
英之 上地
Hideyuki Uechi
ハンジュン ソン
Hanjoon Song
圭司郎 斉藤
Keishiro Saito
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2022027887A priority Critical patent/JP2023124239A/ja
Priority to PCT/JP2023/003197 priority patent/WO2023162600A1/ja
Publication of JP2023124239A publication Critical patent/JP2023124239A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01KSTEAM ENGINE PLANTS; STEAM ACCUMULATORS; ENGINE PLANTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; ENGINES USING SPECIAL WORKING FLUIDS OR CYCLES
    • F01K23/00Plants characterised by more than one engine delivering power external to the plant, the engines being driven by different fluids
    • F01K23/02Plants characterised by more than one engine delivering power external to the plant, the engines being driven by different fluids the engine cycles being thermally coupled
    • F01K23/06Plants characterised by more than one engine delivering power external to the plant, the engines being driven by different fluids the engine cycles being thermally coupled combustion heat from one cycle heating the fluid in another cycle
    • F01K23/10Plants characterised by more than one engine delivering power external to the plant, the engines being driven by different fluids the engine cycles being thermally coupled combustion heat from one cycle heating the fluid in another cycle with exhaust fluid of one cycle heating the fluid in another cycle

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】合成物を生成するに際し、熱エネルギーを効率的に利用する。【解決手段】プラントは、特定物質を含む原料流体を発熱化学反応させて合成物を含む反応後流体を生成する合成反応器と、合成反応器における発熱化学反応により生じる熱を回収する熱媒体供給ラインと、熱媒体供給ラインで熱を回収した熱媒体流体を、熱源として利用する熱源利用設備と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、プラントに関する。
化石燃料の燃焼等にともなって排出される二酸化炭素の大気中への放出を抑えることが望まれている。これに対し、例えば、特許文献1には、二酸化炭素排出プラントから排出される二酸化炭素含有ガスに含まれる二酸化炭素と、副生水素排出プラントから排出される水素とを合成することによって、例えば、メタノール等の合成物を生成する合成プラントの構成が開示されている。
特開2020-189817号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、二酸化炭素と水素との反応を促進させるため、触媒が活性となる温度まで二酸化炭素と水素とを混合したガスを加熱する必要がある。また、反応後の合成物は、反応熱を含め、高温であるため、冷却する必要がある。さらに、得られた合成物の純度を高めるため、蒸留、精留等の工程を経ることもある。このように、合成物を生成するに際して行われる、加熱、冷却、蒸留といった工程では、熱エネルギーが必要となる。そして、このような合成プラントにおいては、熱エネルギーを効率的に利用することが望まれている。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、合成物を生成するに際し、熱エネルギーを効率的に利用することができるプラントを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示に係るプラントは、合成反応器と、熱媒体供給ラインと、熱源利用設備と、を備える。前記合成反応器は、特定物質を含む原料流体を発熱化学反応させて合成物を含む反応後流体を生成する。前記熱媒体供給ラインは、前記合成反応器における発熱化学反応により生じる熱を回収する。前記熱源利用設備は、前記熱媒体供給ラインで熱を回収した熱媒体流体を、熱源として利用する。
本開示に係るプラントは、燃料で駆動される駆動機と、前記駆動機の排ガス中の二酸化炭素を回収する回収部と、前記回収部で回収された前記二酸化炭素を含む原料流体を化学反応させて合成物を含む反応後流体を生成する合成反応器と、を備え、前記合成物を前記駆動機の前記燃料として用いる。
本開示に係るプラントは、原料流体を化学反応させて、合成物を含む粗製流体を生成する合成反応器と、前記粗製流体に熱を加えて蒸留し、前記合成物の濃度が高められた製品流体を得る蒸留器と、前記合成反応器と前記蒸留器との間から前記粗製流体を取り出す粗製流体払い出し配管と、前記蒸留器から蒸留後の前記製品流体を取り出す製品流体払い出し配管と、を備え、前記蒸留器で利用可能な熱量が多い場合、前記蒸留器で利用可能な熱量が少ない場合よりも、前記製品流体払い出し配管から取り出す前記製品流体の流量と前記粗製流体払い出し配管から取り出す前記粗製流体の流量の合計のうち、前記製品流体払い出し配管から取り出す前記製品流体の流量の割合を大きくする。
本開示に係るプラントは、流体を冷却し、一部を凝縮させる冷却部と、前記流体の液相を分離する分離器と、前記流体の液相を加熱し、少なくとも一部を気化させる加熱部と、前記加熱部で加熱された前記流体の液相を蒸留する蒸留器と、を備え、前記加熱部は、前記冷却部で発生する凝縮熱を用い、前記反応後流体の液相を加熱する。
本開示に係るプラントは、気相の原料流体を予熱する予熱器と、前記予熱器で予熱された前記原料流体を化学反応させて反応後流体を得る合成反応器と、を備え、前記予熱器では、高温側の前記反応後流体と低温側の前記原料流体の間の熱交換によって、前記反応後流体が冷却され、前記反応後流体の沸点は、前記原料流体の沸点よりも温度が高く、前記予熱器の高温側で、前記反応後流体の少なくとも一部が凝縮する。
本開示のプラントによれば、合成物を生成するに際し、熱エネルギーを効率的に利用することができる。
本開示の第一実施形態に係るプラントの構成を示す図である。 本開示の第二実施形態に係るプラントの構成を示す図である。 本開示の第三実施形態に係るプラントの構成を示す図である。 本開示の第四実施形態に係るプラントの構成を示す図である。
<第一実施形態>
以下、本開示の第一実施形態に係るプラントを図面に基づき説明する。
図1に示すように、プラント500Aは、ガスタービンコンバインドサイクルプラント部100と、合成処理部200Aと、を備えている。
(ガスタービンコンバインドサイクルプラント部の構成)
ガスタービンコンバインドサイクルプラント部100は、ガスタービン(駆動機)110と、排熱回収ボイラー120と、熱源利用設備140と、を備えている。
ガスタービン110は、空気圧縮機112と、燃焼器113と、タービン114と、を備えている。空気圧縮機112は、外部から取り込んだ空気を圧縮する。燃焼器113は、空気圧縮機112で圧縮された空気中で燃料Fを燃焼させて燃焼ガスを生成する。燃料Fは燃料圧縮機116で圧縮されて燃焼器113に供給される。タービン114は、燃焼器113で生成された高温高圧の燃焼ガスにより駆動される。タービン114のタービンローターと空気圧縮機112の圧縮機ローターとは相互に連結されて、ガスタービンローター115を構成している。ガスタービンローター115には、例えば、発電機117が接続されている。タービン114から排気された排ガスEGは、排熱回収ボイラー120に供給される。
排熱回収ボイラー120は、ガスタービン110から排出された排ガスEGの熱エネルギーを利用して蒸気を生成する。この排熱回収ボイラー120は、低圧節炭器(ECO-LP)121、低圧蒸発器122、中圧ポンプ124、高圧ポンプ123、第一高圧節炭器(ECO1-HP)125、中圧節炭器(ECO-IP)135、中圧蒸発器(EVA-IP)136、中圧過熱器(SH-IP)138、低圧過熱器(SH-LP)137、第二高圧節炭器(ECO-HP)125i、高圧蒸発器(EVA-HP)126、第一高圧過熱器(SH1-HP)127、再熱器(RH-IP)131、第二高圧過熱器(SH2-HP)128を有している。ここで、排熱回収ボイラー120中の排ガスEGが流れる方向で、ガスタービン110に近い側を上流側、その反対の煙突212に近い側を下流側とする。排熱回収ボイラー120の内部には、下流から上流に向かって、低圧節炭器121、低圧蒸発器122、第一高圧節炭器125、低圧過熱器137、中圧節炭器135、中圧蒸発器136、中圧過熱器138、第二高圧節炭器125i、高圧蒸発器126、第一高圧過熱器127、再熱器131、第二高圧過熱器128の順序で配置されている。
低圧節炭器121は、熱源利用設備140の復水器151から供給される水を加熱する。
低圧蒸発器122は、低圧節炭器121で加熱された水を蒸気にする。この実施形態で例示する低圧蒸発器122は、上部にドラムが配置された自然循環ボイラーである(以下、中圧蒸発器136及び高圧蒸発器126も同様)。
中圧ポンプ124は、低圧節炭器121で加熱された水を昇圧して中圧節炭器135に供給する。
中圧節炭器135は、中圧ポンプ124で昇圧された水を加熱する。
中圧蒸発器136は、中圧節炭器135で加熱された水をさらに加熱して蒸気にする。
高圧ポンプ123は、低圧節炭器121で加熱された水を昇圧して第一高圧節炭器125に供給する。
第一高圧節炭器125は、高圧ポンプ123で昇圧された水を加熱する。
第二高圧節炭器125iは、第一高圧節炭器125で加熱された高圧水を更に加熱する。
高圧蒸発器126は、第二高圧節炭器125iで加熱された高圧水を加熱して蒸気にする。
第一高圧過熱器127は、高圧蒸発器126で生成した蒸気を過熱する。なお、高圧蒸発器126は、排熱回収ボイラー120が有する複数の蒸発器、即ち、低圧蒸発器122、中圧蒸発器136、高圧蒸発器126のうち、最も圧力の高い蒸発器である。
第二高圧過熱器128は、第一高圧過熱器127で過熱した蒸気を更に過熱する。この第二高圧過熱器128により過熱された蒸気は、熱源利用設備140の高圧蒸気タービン141に供給される。
再熱器131は、熱源利用設備140の高圧蒸気タービン141から排出された蒸気を過熱する。再熱器131により過熱された蒸気は、熱源利用設備140の中圧蒸気タービン(原動機)142に供給される。
熱源利用設備140は、高圧蒸気タービン141、中圧蒸気タービン(原動機)142、低圧蒸気タービン143、復水器151、及び給水ポンプ153を備えている。
高圧蒸気タービン141、中圧蒸気タービン142及び低圧蒸気タービン143は、排熱回収ボイラー120で発生した蒸気を利用してそれぞれ駆動される。高圧蒸気タービン141のタービンローター、中圧蒸気タービン142のタービンローター、及び低圧蒸気タービン143のタービンローターは、相互に連結されて、一つのタービンローターRを成している。このタービンローターRは、発電機161に接続されている。
高圧蒸気タービン141は、排熱回収ボイラー120の第二高圧過熱器128により過熱された蒸気によって駆動される。中圧蒸気タービン142は、再熱器131により過熱された蒸気によって駆動される。低圧蒸気タービン143は、低圧過熱器137により過熱された蒸気及び中圧蒸気タービン142から排出された蒸気によって駆動される。
復水器151は、低圧蒸気タービン143から排出された蒸気を水に戻す。
給水ポンプ153は、復水器151中の水を排熱回収ボイラー120に戻す。具体的には、給水ポンプ153は、復水器151中の水を低圧節炭器121に戻す。
(合成処理部の構成)
合成処理部200Aは、分離部210と、予熱部220と、合成反応器230と、後処理部240と、を備えている。
分離部210は、排熱回収ボイラー120から排出される排ガスEGから、特定物質を含む一部の物質を分離する。本実施形態において、分離部210は、排ガスEGから、特定物質として二酸化炭素(CO)を分離する。分離部210は、吸収塔(吸収部)211と、煙突212と、再生塔(回収部)213と、冷却器214と、を備えている。
吸収塔211は、排ガスEGに含まれる特定物質としての二酸化炭素を、吸収液により吸収する。吸収液は、吸収塔211内に液滴状に供給され、吸収塔211内の排ガスEGと接触する。本実施形態において、吸収液としては、例えば、アミン化合物を含むものが用いられる。吸収液は、排ガス中に含まれる二酸化炭素を吸収し、吸収塔211内の底部に落下する。ここで、吸収液としては、二酸化炭素の吸収時に、相分離を引き起こす相分離型の吸収液を用いるのが好ましい。相分離型の吸収液は、二酸化炭素を吸収することで二酸化炭素の溶解量が多い相と、二酸化炭素の溶解量が少ない相と、に分離する。二酸化炭素を吸収した吸収液は再生塔213に送られる。
煙突212は、吸収塔211内で、吸収液によって二酸化炭素が吸収(除去)された残りの排ガスEGを、外部に放出する。
再生塔213は、二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素ガスを分離させることで、吸収液を再生させる。二酸化炭素は、再生塔213内の液相(吸収液)から気相へと移動する。本実施形態において、再生塔213には、外部から水素(H)が供給される。水素は、再生塔213内の底部の、吸収液が溜まっている部分に供給される。再生塔213内における二酸化炭素の分圧は、外部から水素が供給されることで低下する。再生塔213内における二酸化炭素の分圧が低下することで、二酸化炭素が低い温度で液相から気相に移動し、吸収液の再生を低温で行うことができる。
再生塔213は、再生塔213内の吸収液を加熱する熱交換器217を備える。熱交換器217は、外部から再生塔213内の吸収液よりも高温の流体F1が供給される。再生塔213内の吸収液は、外部から送り込まれる流体F1により加熱される。本実施形態において、流体F1として、低圧蒸気タービン143の中間段143mから抽気管700を通して抽気された低温(例えば60℃程度)の蒸気が、低温蒸気配管701を介して再生塔213に送り込まれる。再生塔213内では、低温蒸気配管701を通して低温の蒸気を送り込むことで、二酸化炭素を吸収した吸収液を加熱する。吸収液が加熱されることで、吸収液からの二酸化炭素の分離が促進される。
再生塔213は、二酸化炭素を分離することで再生された吸収液を、再生熱交換器215を介して吸収塔211に循環させる。また、再生塔213は、吸収液から分離させた二酸化炭素と、外部から供給した水素と、を含むガスを冷却器214に送り出す。
冷却器214は、二酸化炭素と水素とを含むガスを冷却することで、二酸化炭素と水素とを含むガスに含まれる吸収液成分を回収し、再生塔213に戻す。また、吸収液成分が除去された二酸化炭素及び水素を含むガスは、原料流体R1として、予熱部220の中間冷却圧縮機221に、送出配管800を通して送り込まれる。
予熱部220は、原料流体R1を合成反応器230に送り込むに先立ち予熱する。予熱部220は、中間冷却圧縮機221と、第一予熱器222と、第二予熱器223(予熱器、冷却部)と、第三予熱器224と、第四予熱器225と、を備えている。
中間冷却圧縮機221は、分離部210から送り出された、二酸化炭素と水素とを含む原料流体R1を圧縮する。本実施形態において、中間冷却圧縮機221は、三段の圧縮機221a~221cと、中間冷却器221p、221qと、を備えている。原料流体R1は、三段の圧縮機221a~221cを順次経ることで、段階的に圧縮される。
中間冷却器221p、221qは、一段目の圧縮機221aと二段目の圧縮機221bとの間、二段目の圧縮機221bと三段目の圧縮機221cとの間に配置されている。中間冷却器221p、221qは、後述する第一予熱器222に循環配管702を介して接続されている。循環配管702は、ポンプ702pにより、中間冷却器221p、221qと第一予熱器222との間で、循環流体F2を循環させる。中間冷却器221p、221qは、後述する第一予熱器222で温度が低下した循環流体F2により、原料流体R1を冷却する。中間冷却圧縮機221で圧縮されるとともに冷却された原料流体R1は、予熱配管801を通して第一予熱器222に送出される。
予熱配管801は、中間冷却圧縮機221と、合成反応器230との間に設けられている。予熱配管801は、中間冷却圧縮機221と、合成反応器230との間で、第一予熱器222、第二予熱器223、第三予熱器224、及び第四予熱器225を順次通るように配置されている。
第一予熱器222は、中間冷却器221p、221qで原料流体R1を冷却することによって温度上昇した循環流体F2の熱により、原料流体R1を予熱する。第一予熱器222で予熱された原料流体R1は、予熱配管801を通して第二予熱器223に送られる。
第二予熱器223は、後述する合成反応器230で生成された反応後流体としての粗製流体(流体)R2の排熱により、原料流体R1を予熱する。第二予熱器223は、粗製流体R2を冷却する第一冷却器241と第二冷却器(加熱部)242との間で、粗製流体R2の排熱により、原料流体R1を予熱する。第二予熱器223で予熱された原料流体R1は、予熱配管801を通して第三予熱器224に送られる。この際、第二予熱器223では、冷却される反応後流体としての粗製流体R2の一部が凝縮し始める。従って、凝縮熱を有効に活用して原料流体R1を予熱することができる。本実施形態で、原料流体R1は二酸化炭素、水素を主成分としており、沸点が低い。一方、合成反応器230で化学反応により生成する反応後流体としての粗製流体R2には、メタノールや水を多く含み、原料流体R1よりも沸点が高い。反応後流体としての粗製流体R2の一部が凝縮する一方、原料流体R1は気相の状態を維持して相変化せず、反応後流体としての粗製流体R2の凝縮熱を有効に活用して原料流体R1を効果的に加熱することができる。このように、第二予熱器223の高温側と低温側は、化学反応前後の同一流体であるにも関わらず、合成反応器230における化学反応で成分が変化することにより、沸点が高くなり、高温側の凝縮熱を用いて低温側の気相を加熱することが可能になる。
第三予熱器224は、低圧節炭器121に配管703、704を介して接続されている。低圧節炭器121側の配管703の端部(図1のA1)と、第三予熱器224側の配管704の一端部(図1のA2)とは接続されている。また、第三予熱器224側の配管704の他端部(図1のB1)は、後述する精留塔247に接続された低温蒸気配管701(図1のB2)に接続されている。第三予熱器224は、低圧節炭器121で加熱された水により、原料流体R1を予熱する。第三予熱器224で予熱された原料流体R1は、予熱配管801を通して第四予熱器225に送られる。
第四予熱器225は、後述する合成反応器230で生成された反応後流体としての粗製流体R2の排熱により、原料流体R1を予熱する。第四予熱器225は、合成反応器230から送り出された粗製流体R2の排熱により、原料流体R1を予熱する。第四予熱器225で予熱された原料流体R1は、予熱配管801を通して合成反応器230に送られる。
このように、中間冷却圧縮機221、第一予熱器222、第二予熱器223、第三予熱器224、及び第四予熱器225を経ることで、原料流体R1は、順次予熱され、例えば、250℃といった高温となる。
合成反応器230は、原料流体R1を化学反応させて反応後流体としての粗製流体R2を生成する。本実施形態では、合成反応器230は、特定物質としての二酸化炭素と、水素とを含む原料流体R1において、下式(1)の化学反応を生じさせ、合成物としてのメタノール(CHOH)と、水(HO)と、を得る。
CO+3H→CHOH+HO ・・・(1)
上式(1)の化学反応の際、エンタルピーの変化量は、ΔH=-49.4kJ/molとなり、発熱が生じる。つまり、合成反応器230における化学反応は、発熱がともなう発熱化学反応となる。
合成反応器230には、合成反応器230における発熱化学反応により生じる熱を回収する熱媒体供給ライン710が接続されている。熱媒体供給ライン710は、中圧節炭器135に配管711を介して接続されている。中圧節炭器135側の配管711の端部(図1のE1)と、熱媒体供給ライン710の一端部712(図1のE2)とは接続されている。熱媒体供給ライン710の他端部713(図1のE3)は、中圧過熱器138側の配管714(図1のE4)に接続されている。合成反応器230には、中圧節炭器135から熱媒体供給ライン710を通して、熱媒体流体Hとして、例えば240℃程度の中圧の水が供給される。
ところで、合成反応器230における化学反応では、高温条件下である方が化学物質の活性が高まる一方、ルシャトリエの法則により、平衡は、逆反応が促進される方向に移動する。つまり、合成反応器230における発熱反応では、温度が過度に高くなると、生成した合成物が原料に戻る反応が促進されてしまう。そのため、合成反応器230における化学反応には、最適な温度が存在する。
合成反応器230の熱媒体供給ライン710に、熱媒体流体Hとして、中圧節炭器135からの中圧の水を供給すると、合成反応器230内における発熱化学反応にともなう反応熱により、熱媒体供給ライン710の水は、加熱されて蒸発する。熱媒体供給ライン710内で、熱媒体流体Hとしての水は、飽和温度付近を維持しながら蒸発することによって、発熱化学反応により生じる大量の熱を回収する。このようにして、合成反応器230における発熱化学反応は、温度変化を抑えつつ、反応熱を効率良く回収しながら行われる。
熱媒体供給ライン710内で熱媒体流体Hとしての水が蒸発することで生成された蒸気は、他端部713を通して中圧過熱器138に供給される。中圧過熱器138に供給された蒸気は、再熱器131を経て、中圧蒸気タービン142に供給される。このように、合成反応器230における発熱化学反応による反応熱を回収することで熱媒体流体Hとしての水を蒸発させて得た蒸気により、熱源利用設備140の中圧蒸気タービン142を駆動している。
合成反応器230における上式(1)の化学反応により、合成物としてのメタノール(CHOH)と、水(HO)とを含む粗製流体R2が生成される。ここで、粗製流体R2は、発熱化学反応により温度上昇しており、原料流体R1よりも温度が高い。粗製流体R2は、粗製流体流通ライン811を通して、合成反応器230から後処理部240に送り出される。
後処理部240は、第一冷却器241と、第二冷却器242と、第三冷却器243と、第一分離器(分離器)244と、第二分離器(分離器)245と、蒸留塔(蒸留器)246と、精留塔247と、を備えている。粗製流体流通ライン811は、合成反応器230と、後処理部240とを接続している。粗製流体流通ライン811は、合成反応器230と、後処理部240との間で、第一冷却器241、第二冷却器242、及び第三冷却器243を順次通るように配置されている。また、粗製流体流通ライン811は、合成反応器230と第一冷却器241との間で、第四予熱器225を通るように配置されている。粗製流体流通ライン811は、第一冷却器241と第二冷却器242との間で、第二予熱器223を通るように配置されている。
合成反応器230から粗製流体流通ライン811に送り出された粗製流体R2は、第四予熱器225で原料流体R1を予熱することによって、温度が低下する。温度が低下した粗製流体R2は、第一冷却器241に送られる。
第一冷却器241は、後述する蒸留塔246に循環配管721を介して接続されている。循環配管721は、ポンプ721pにより、第一冷却器241と蒸留塔246との間で、循環流体F3を循環させる。第一冷却器241は、後述する蒸留塔246で温度が低下した循環流体F3により、粗製流体R2を冷却する。冷却された粗製流体R2は、粗製流体流通ライン811を通して、第二予熱器223に送出される。
第二予熱器223に送出された粗製流体R2は、原料流体R1を予熱することで、温度が低下する。温度が低下した粗製流体R2は、粗製流体流通ライン811を通して、第二冷却器242に送られる。
第二冷却器242には、後述する第二分離器245と蒸留塔246とを接続する粗製流体冷却ライン812が通っている。第二冷却器242は、粗製流体R2を、粗製流体冷却ライン812を通る製品流体R3により冷却する。冷却された粗製流体R2は、粗製流体流通ライン811を通して、第三冷却器243に送られる。
第三冷却器243では、適宜の冷却熱源により、粗製流体R2をさらに冷却する。冷却された粗製流体R2は、粗製流体流通ライン811を通して、第一分離器244に送られる。
第四予熱器225、第一冷却器241、第二予熱器223、第二冷却器242、第三冷却器243を経ることで、合成反応器230から粗製流体流通ライン811に送り出される粗製流体R2は順次冷却される。粗製流体R2が冷却されることで、粗製流体R2に含まれるメタノールと水のうち、沸点が高い水が、例えば第二予熱器223付近で、先行して凝縮し始める。
第一分離器244は、粗製流体流通ライン811を通して送り込まれた粗製流体R2の気相と液相とを分離する。第一分離器244に到達するまでに液化されておらず、第一分離器244で分離された粗製流体R2の気相(主に水素と二酸化炭素)は、その一部が、循環配管830を通して燃料圧縮機116に、燃料Fの一部として供給される。また、第一分離器244で分離された粗製流体R2の気相の他の一部は、リサイクル配管831を通して、圧縮機832で圧縮された後、予熱配管801に送り込まれる。
第一分離器244と第二分離器245とは、接続管833を介して接続されている。第一分離器244で分離された粗製流体R2の液相は、接続管833を介して、第二分離器245に送られる。接続管833には、膨張弁(膨張部)249が設けられている。第一分離器244から送り出された粗製流体R2は、膨張弁249で膨張することで、減圧される。
減圧された粗製流体R2は、第二分離器245でさらに気相と液相とに分離された後、粗製流体冷却ライン812を通して、蒸留塔246へと送られる。
粗製流体冷却ライン812は、第二分離器245と蒸留塔246との間で、第二冷却器242を通るように配置されている。第二分離器245から粗製流体冷却ライン812に送出された粗製流体R2(液相)は、第二冷却器242で、粗製流体流通ライン811を通る粗製流体R2と熱交換する。第二冷却器242において粗製流体流通ライン811を通る粗製流体R2は、その一部が凝縮することで、凝縮熱が生じている。一方、粗製流体冷却ライン812を通る粗製流体R2は、膨張弁249を経ることで、減圧されているため、沸点が低下している。このため、第二冷却器242において、粗製流体冷却ライン812を通る粗製流体R2が凝縮熱によって加熱されると、粗製流体冷却ライン812を通る粗製流体R2の気化が促進される。
蒸留塔246は、粗製流体R2を蒸留し、水よりも沸点が低いメタノールを合成物として抽出する。蒸留塔246では、粗製流体冷却ライン812を通して送り込まれる粗製流体R2が、循環配管721を通る循環流体F3と熱交換する。循環流体F3は、第一冷却器241で粗製流体R2を冷却することによって温度上昇している。蒸留塔246は、循環配管721を通る循環流体F3の熱により、粗製流体R2を加熱し、製品流体R3としての合成物であるメタノールのみを蒸発させる。蒸発したメタノール(製品流体R3)は、蒸留塔頂冷却器248で冷却され、凝縮成分が分離されて蒸留塔246に戻された後、精留塔247に送り込まれる。蒸留塔246内には、粗製流体R2から製品流体R3であるメタノールが抽出されることにより、水のみが残る。蒸留塔246内に残存した水は、外部に排出される。
精留塔247は、製品流体R3を精留し、水等の不純物を除去する。精留塔247に送り込まれた製品流体R3は、加熱配管731を通る蒸気により加熱される。加熱配管731は、低圧蒸気タービン143の中間段143mから低温の蒸気を抽気する抽気管700から分岐して設けられている。精留塔247内の製品流体R3は、加熱配管731を通る流体F1(低温の蒸気)により加熱され、製品流体R3としてのメタノールのみを精留する。精留塔247を経た製品流体R3は、精留塔頂冷却器250で後冷却され、凝縮成分が分離されて精留塔247に戻された後、外部に供給される。
(作用効果)
上述したようなプラント500Aにおいて、合成反応器230は、原料流体R1を用いて粗製流体R2,製品流体R3を生成する際、発熱化学反応を生じる。熱媒体供給ライン710は、合成反応器230における発熱化学反応により生じる熱を回収している。具体的には、合成反応器230における発熱化学反応による反応熱を回収することで熱媒体流体Hとしての水を蒸発させて蒸気を得ている。プラント500Aは、このようにして得た蒸気により、熱源利用設備140の中圧蒸気タービン142を駆動している。つまり、熱媒体供給ライン710で熱を回収した熱媒体流体Hは、熱源利用設備140の熱源として用いられている。
このように、合成反応器230における発熱化学反応により生じる熱を、熱源利用設備140の熱源として有効利用することにより、合成物である製品流体R3を生成するに際し、熱エネルギーを効率的に利用することができる。
また、熱媒体供給ライン710は、発熱化学反応により生じた熱を回収するため、合成反応器230で熱媒体流体Hを蒸発させている。
このような熱媒体流体Hの蒸発により、合成反応器230において、一定の温度で発熱化学反応により生じた熱を効率良く回収することができる。
さらに、熱源利用設備140は、熱媒体供給ライン710を経た熱媒体流体Hを用いて駆動される中圧蒸気タービン142をさらに備えている。
このように熱媒体供給ライン710を経た熱媒体流体Hを、熱源として利用することで、中圧蒸気タービン142を効率良く駆動することができる。
また、中圧蒸気タービン142は、熱媒体流体Hが膨張することによって駆動される。
これにより、熱媒体流体Hによって、中圧蒸気タービン142を効率良く駆動できる。
さらに、中圧蒸気タービン142を経て膨張することにより温度低下した熱媒体流体Hの熱を、原料流体R1の製造、予熱、蒸発に利用しているため、熱エネルギーを有効利用して、プラント500Aを効率良く運転することができる。即ち、以上のように、発熱化学反応により生じた熱を回収して蒸発させた熱媒体流体Hを中圧蒸気タービン142の駆動に用いて、温度が低下した後で原料流体R1の製造、予熱、蒸発に利用しているため、発熱化学反応により生じた熱を直接原料流体R1の製造、予熱、蒸発に利用する場合と比較して、低温の熱媒体流体Hで原料流体R1を製造、予熱、蒸発することができるので、熱エネルギーをより有効に利用することができるのである。
また、プラント500Aでは、再生塔213における吸収剤からの特定物質の分離に、中圧蒸気タービン142から取り出した熱を利用している。これにより、中圧蒸気タービン142から取り出した熱を有効利用して、再生塔213における吸収剤からの特定物質の分離を効率良く行うことができる。
さらに、上記吸収剤は、相分離型吸収液である。これにより、プラント500A内で大量に発生する比較的低温の熱を有効利用し、吸収剤からの特定物質の分離を行うことができる。したがって、プラント500Aの効率を高めることができる。
また、プラント500Aでは、第一分離器244と第二分離器245の上流の第二予熱器223において反応後流体R2の一部が凝縮するときの凝縮熱を用い、第一分離器244と第二分離器245の下流の反応後流体R2の液相を加熱し、少なくとも一部を気化している。したがって、大量の熱を必要とする気化を大量の熱を発生する凝縮の熱で行うことができるため、蒸留塔246に反応後流体R2を供給するに先立つ反応後流体R2の予熱を、効率良く行うことができる。
さらに、プラント500Aでは、膨張弁249で反応後流体R2を膨張させることで、反応後流体R2の圧力を低下させている。これにより、第二冷却器242の高温側、即ち、第一分離器244と第二分離器245の上流の反応後流体R2は、第二冷却器242の低温側、即ち、第一分離器244と第二分離器245の下流の反応後流体R2よりも圧力が高く、第二冷却器242の高温側の反応後流体R2が凝縮する温度を第二冷却器242の低温側の反応後流体R2が気化する温度よりも高くすることができ、第二冷却器242で大量に発生する凝縮熱を用いて、大量の熱を必要とする気化を実施することが可能となる。
また、プラント500Aでは、水素と、排ガスEGに含まれる二酸化炭素とを原料流体R1とし、粗製流体R2,製品流体R3を得ている。したがって、プラント500Aにおける二酸化炭素排出量を抑えることが可能となる。
さらに、プラント500Aでは、水素を外部から供給することによって、二酸化炭素を含むガスである排ガスEGから粗製流体R2,製品流体R3を得ている。したがって、水素のみを外部から供給するだけでよいため、容易にプラント500Aにおける二酸化炭素排出量を抑えることができる。
<第二実施形態>
次に、本開示の第二実施形態を図面に基づき説明する。この第二実施形態のプラントは、ヒートポンプを備える点で上述した第一実施形態のプラントと異なる。そのため、上述した第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。
図2に示すように、第二実施形態のプラント500Bは、ガスタービンコンバインドサイクルプラント部100と、合成処理部200Bと、を備えている。
この第二実施形態において、合成処理部200Bは、低圧蒸気タービン143の中間段143mに接続された抽気管700を備えておらず、この抽気管700に代えて、ヒートポンプ600を備えている。
ヒートポンプ600は、第一側配管610と、第二側配管620と、ポンプ610pと、ポンプ620pと、を備えている。第一側配管610は、精留塔247に接続されている。ポンプ610pは、第一側配管610に設けられ、ヒートポンプ600と精留塔247との間で、第一側配管610内の循環流体F4を循環させている。第二側配管620は、蒸留塔頂冷却器248、及び精留塔頂冷却器250に接続されている。ポンプ620pは、第二側配管620に設けられ、ヒートポンプ600と、蒸留塔頂冷却器248、及び精留塔頂冷却器250と、との間で、第二側配管620内の循環流体F5を循環させている。この第二実施形態の第一側配管610には、再生塔213内の熱交換器217に循環流体F4を供給する循環流体配管621が接続されている。なお、循環流体F4、循環流体F5としては、例えば水などを用いることができる。
ヒートポンプ600は、第二側配管620及びポンプ620pにより、蒸留塔頂冷却器248、及び精留塔頂冷却器250の排熱を回収する。そして、ヒートポンプ600は、この回収された排熱により、第一側配管610内の循環流体F4を昇温する。この昇温された循環流体F4の一部は、循環流体配管621を通して、再生塔213に送り込まれる。再生塔213内では、循環流体配管621を通して送り込まれた低温の蒸気により、二酸化炭素を吸収した吸収液が加熱され、吸収液が加熱されることで、吸収液からの二酸化炭素の分離が促進される。また、昇温された循環流体F4の残りは精留塔247内の熱交換器に送られ、精留塔247内の製品流体R3を加熱することにより、製品流体R3を精留し、水等の不純物を除去する。
上述したようなプラント500Bでは、精留塔247における精留、再生塔213における吸収剤からの特定物質の分離に、ヒートポンプ600によって回収した蒸留塔頂冷却器248、及び精留塔頂冷却器250の排熱を利用している。これにより、蒸留塔頂冷却器248、及び精留塔頂冷却器250の温度が低い排熱を有効利用して、精留塔247における精留、再生塔213における吸収剤からの特定物質の分離を効率良く行うことができる。
また、プラント500Bでは、上記第一実施形態と同様、合成反応器230における発熱化学反応により生じる熱を、熱源利用設備140の熱源として有効利用することにより、合成物である製品流体R3を生成するに際し、熱エネルギーを効率的に利用することができる。
(第一、第二実施形態の変形例)
上記第一実施形態では、抽気管700を備え、上記第二実施形態では、ヒートポンプ600を備えるようにしたが、これに限られない。
例えば、図3に示す変形例のように、プラント500Cの合成処理部200Cが、抽気管700と、ヒートポンプ600との双方を備えるようにしてもよい。
上述したようなプラント500Cでは、再生塔213における吸収剤からの特定物質の分離に、中圧蒸気タービン142から取り出した熱と、ヒートポンプ600によって回収した蒸留塔頂冷却器248、及び精留塔頂冷却器250の排熱と、の双方を利用することができる。これにより、再生塔213における吸収剤からの特定物質の分離を、より効率良く行うことができる。
<第三実施形態>
次に、本開示の第三実施形態に係るプラントを図面に基づき説明する。この第三実施形態のプラントは、粗製流体及び製品流体を貯留可能とした点で、上述した第一実施形態のプラントと異なる。そのため、上述した第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。
図4に示すように、第三実施形態のプラント500Dは、ガスタービンコンバインドサイクルプラント部100と、合成処理部200Dと、を備えている。この第三実施形態の合成処理部200Dは、貯留部401A~401Cを備えている。
貯留部401Aは、製品流体払い出し配管402Aを介して、精留塔頂冷却器250の出口側に接続されている。製品流体払い出し配管402Aは、蒸留器246による蒸留、及び精留塔頂冷却器250による精留後の製品流体R3を取り出す。貯留部401Aは、精留塔247を経た製品流体R3を貯留する。
貯留部401Bは、製品流体払い出し配管402Bを介して、蒸留塔頂冷却器248の出口側に接続されている。製品流体払い出し配管402Bは、蒸留器246による蒸留、後の製品流体R3を取り出す。貯留部401Bは、蒸留塔246を経た製品流体R3を貯留する。言い換えれば、貯留部401Bは、蒸留塔246を経て精留塔247を経ていない製品流体R3を貯留する。
貯留部401Cは、粗製流体払い出し配管402Cを介して、粗製流体冷却ライン812に接続されている。粗製流体払い出し配管402Cは、合成反応器230と蒸留器246との間から、粗製流体R2を取り出す。貯留部401Cは、粗製流体冷却ライン812を流れる粗製流体R2を貯留する。
貯留部401A~401Cに貯留された粗製流体R2、製品流体R3は、供給ポンプ403により、燃焼器113に送られ、ガスタービン110の燃料として用いられる。ここで、蒸留器246で利用可能な熱量が多い場合、蒸留器246で利用可能な熱量が少ない場合よりも、製品流体払い出し配管402A、402Bから取り出す製品流体R3の流量と粗製流体払い出し配管202Cから取り出す粗製流体R2の流量の合計のうち、製品流体払い出し配管402A、402Bから取り出す前記製品流体R3の流量の割合を大きくする。蒸留器246で利用可能な熱量が少ない場合、蒸留器246で利用可能な熱量が覆い場合よりも、製品流体払い出し配管402A、402Bから取り出す製品流体R3の流量と粗製流体払い出し配管202Cから取り出す粗製流体R2の流量の合計のうち、製品流体払い出し配管402A、402Bから取り出す前記製品流体R3の流量の割合を小さくする。
このように、粗製流体R2又は製品流体R3を、ガスタービン110の燃料として用いることにより、プラント500Dにおけるエネルギーを有効利用することができる。また、結果的に、原料流体に含まれる特定物質のプラント500D外への流出を抑えることが可能となる。
さらに、粗製流体R2、製品流体R3を貯留する貯留部401A~401Cを備えることで、必要に応じて、粗製流体R2又は製品流体R3を、ガスタービン110の燃料として用いることが可能となる。
ここで、ガスタービン110は、部分負荷では効率が低く、得られる動力や電力に対して発生する排熱が多い。電力等の動力の需要が小さい時間帯に、排熱を効果的に活用して粗製流体R2又は製品流体R3を貯留部401A~401Cに貯蔵し、電力等の動力の需要が大きい時間帯に、貯留部401A~401Cに貯蔵した粗製流体R2、製品流体R3を利用することで、動力や電力の需要に応じて動力や電力を発生させることが可能となる。
また、排ガスEGに含まれる二酸化炭素を原料として得た粗製流体R2、製品流体R3を、燃料として消費することで、プラント500Dからの二酸化炭素排出量を抑えることができる。
以上のように、プラント500Dでは、(1)ガスタービン110の排ガスから二酸化炭素を回収した吸収液と水素H2を再生塔213に供給して、(2)二酸化炭素と水素の混合ガスを取出して原料流体R1として合成反応器230に送り、(3)合成反応器230で合成物、即ち、メタノールを含む粗製流体R2を合成し、(4)この粗製流体R2や粗製流体R2を蒸留した製品流体R3をガスタービン110の燃料として用いる。
従って、炭素を、二酸化炭素、メタノールとして、プラント500D内でガスタービン、再生塔、合成反応器、ガスタービンの順に循環させ、二酸化炭素の外部への放出を抑えつつ、水素を外部から供給して発電を行うことができる。特に上記水素として、太陽電池や風力発電、地熱発電等の再生可能エネルギーで発生した電力を用いて水を電気分解して製造した再生可能エネルギー由来水素を用いると、二酸化炭素の外部への放出を抑えつつ、再生可能エネルギーで得たエネルギーを合成物、本例ではメタノールとして貯蔵し、電力需要が大きいときに合成物を燃料として用いることができる。
また、このようにすることによって、燃料を液体の合成物として貯蔵することができるので、水素を貯蔵する場合と比較して、小型の貯蔵タンクで容易に貯蔵することができ、小型で設備費が低いプラントで、エネルギー貯蔵を実現できる。
また、出力が不安定な再生可能エネルギーの出力が高いときや電力需要が小さいときには、合成物を貯蔵し、再生可能エネルギーの出力が低いときや電力需要が大きいときには、貯蔵した合成物を燃料として利用して発電することが可能となる。これにより、出力が不安定な再生可能エネルギーの出力変動や電力需要の変動を調整することが可能となる。
さらに、蒸留前の粗製流体R2を燃料として利用することにより、蒸留に必要な熱を節約し、プラント500Dの効率を高めることができる。また、粗製流体R2、精留塔247の上流の製品流体R3、精留塔247の下流の製品流体R3のうち、粗製流体R2が最も合成物の濃度が低く、次に精留塔247の上流の製品流体R3が合成物の濃度が低く、精留塔247の下流の製品流体R3が最も合成物の濃度が高い。合成物の濃度が高い流体ほど、精製に大量の熱を必要とする。そこで、利用可能な熱量に応じて、合成物の濃度が異なる粗製流体R2や製品流体R3を生成することが有効となる。即ち、利用可能な熱量が多いときは、合成物の濃度が高い製品流体R3を多く、利用可能な熱量が少ないときは、合成物の濃度が低い粗製流体R2を多く合成すると、利用可能な熱を高効率に活用して、効果的に合成物の濃度が異なる粗製流体R2や製品流体R3を合成することが可能となる。
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上記各実施形態では、水素と二酸化炭素を含む原料流体R1から、メタノールと水とを含む粗製流体R2、合成物としてのメタノールを製品流体R3として生成するようにしたが、これに限られない。例えば、水素と二酸化炭素を含む原料流体R1から、エタノール(COH)と水とを含む粗製流体R2を得て、製品流体R3としてエタノールを得ることもできる。また、水素と二酸化炭素を含む原料流体R1から、メタン(CH)と水とを含む粗製流体R2を得て、製品流体R3としてメタンを得ることもできる。
また、水素と一酸化炭素を含む原料流体R1を用いることもできる。この場合、水素と一酸化炭素を含む原料流体R1から、メタノールを含む粗製流体R2を得て、製品流体R3としてメタノールを得ることもできる。また、水素と一酸化炭素を含む原料流体R1から、ジメチルエーテル(CHOCH)と水とを含む粗製流体R2を得て、製品流体R3としてジメチルエーテルを得ることもできる。水素と一酸化炭素を含む原料流体R1から、炭化水素(CH2)と水とを含む粗製流体R2を得て、製品流体R3としてジメチルエーテルを得ることもできる。
さらに、窒素(N)と水素とを含む原料流体R1を用いることもできる。この場合、水素と窒素を含む原料流体R1から、アンモニア(NH)を含む粗製流体R2を得て、製品流体R3としてアンモニアを得ることもできる。これにより、プラントからの窒素排出量を抑えることが可能となる。
また、上記各実施形態および変形例では、中圧節炭器135から得た水を、熱媒体流体Hとして用いるようにしたが、熱媒体流体Hとしての水は、中圧節炭器135以外から得るようにしてもよい。
また、熱媒体流体Hとして、水以外にも、例えば、二酸化炭素、アルゴン、アンモニア、HFC-245fa(冷媒)、HFO-1233zd(冷媒)、HCFO-1224yd(冷媒)、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、トルエン等を用いることができる。
また、上記各実施形態および変形例では、駆動機がガスタービン、原動機が蒸気タービンの場合を示したが、これ以外でも、駆動機としてボイラー、レシプロ内燃機関、固体酸化物型燃料電池(SOFC)、等を採用することもできる。また、原動機として、有機ランキンサイクル、スターリングエンジン、レシプロ蒸気機関、等を採用することもできる。
さらに、上記各実施形態および変形例では、膨張部249の例として膨張弁を示したが、膨張弁の代わりに、タービンや、シリンダーとピストンとを備えるレシプロ式膨張機を採用し、反応後流体を減圧すると同時に動力を回収しても良い。
<付記>
各実施形態に記載のプラント500A~500Dは、例えば以下のように把握される。
(1)第1の態様に係るプラント500A~500Dは、特定物質を含む原料流体R1を発熱化学反応させて反応後流体R2、R3を生成する合成反応器230と、前記合成反応器230における発熱化学反応により生じる熱を回収する熱媒体供給ライン710と、前記熱媒体供給ライン710で熱を回収した熱媒体流体Hを、熱源として利用する熱源利用設備140と、を備える。
特定物質の例としては、二酸化炭素、一酸化炭素や窒素が挙げられる。
原料流体R1の例としては、特定物質の他に、水素を含んだものが挙げられる。
反応後流体R2、R3の例としては、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、炭化水素、メタン、アンモニア、及びこれらのうちの少なくとも一つと水とを含むものが挙げられる。
熱媒体流体Hの例としては、水、二酸化炭素、アルゴン、アンモニア、HFC-245fa、HFO-1233zd、HCFO-1224yd、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、トルエンが挙げられる。
このプラント500A~500Dにおいて、合成反応器230は、原料流体R1を用いて反応後流体R2、R3を生成する際、発熱化学反応を生じる。熱媒体供給ライン710は、合成反応器230における発熱化学反応により生じる熱を回収する。熱媒体供給ライン710で熱を回収した熱媒体流体Hは、熱源利用設備140の熱源として用いられる。このように、合成反応器230における発熱化学反応により生じる熱を、熱源利用設備140の熱源として有効利用することにより、合成物である反応後流体R2、R3を生成するに際し、熱エネルギーを効率的に利用することができる。
(2)第2の態様に係るプラント500A~500Dは、(1)のプラント500A~500Dであって、前記熱媒体供給ライン710は、発熱化学反応により生じた熱を回収するため、前記熱媒体流体Hを蒸発させる。
これにより、熱媒体流体Hの蒸発により、一定の温度で発熱化学反応により生じた熱を効率良く回収することができる。
(3)第3の態様に係るプラント500A~500Dは、(1)又は(2)のプラント500A~500Dであって、前記熱源利用設備140が、前記熱媒体供給ライン710を経た前記熱媒体流体Hを用いて駆動される原動機142をさらに備える。
これにより、熱媒体供給ライン710で熱を回収した熱媒体流体Hを、熱源として利用することで、原動機142を効率良く駆動することができる。
(4)第4の態様に係るプラント500A~500Dは、(3)のプラント500A~500Dであって、前記原動機142は、前記熱媒体流体Hが膨張することによって駆動される。
これにより、熱媒体流体Hが膨張することにより、原動機142を効率良く駆動できる。
(5)第5の態様に係るプラント500A~500Dは、(4)のプラント500A~500Dであって、前記原動機142を経て膨張することにより温度低下した前記熱媒体流体Hの熱が、前記原料流体R1の製造、予熱、蒸発、及び前記反応後流体R2、R3の蒸留のうちの少なくとも一つに利用される。
これにより、熱エネルギーを有効利用して、プラント500Aを効率良く運転することができる。
(6)第6の態様に係るプラント500A~500Dは、(3)から(5)の何れか一つのプラント500A~500Dであって、前記原料流体R1に含まれる前記特定物質を吸収剤により吸収する吸収部211と、前記吸収剤から前記特定物質を分離して回収する回収部213と、をさらに備え、前記回収部213は、前記原動機142から取り出した熱による加熱を行うことで、前記吸収剤から前記特定物質を分離させる。
これにより、回収部213における吸収剤からの特定物質の分離を、原動機142から取り出した熱を有効利用して、効率良く行うことができる。
(7)第7の態様に係るプラント500A~500Dは、(6)のプラント500A~500Dであって、前記吸収剤は、相分離型吸収液である。
これにより、吸収剤が相分離型吸収液であることで、プラント内で発生する比較的低温の熱を有効利用し、吸収剤からの特定物質の分離を行うことができる。
(8)第8の態様に係るプラント500A~500Dは、(1)から(7)の何れか一つのプラント500A~500Dであって、前記反応後流体R2を冷却し、一部を凝縮させる冷却器214と、前記冷却器214で冷却された前記反応後流体R2から前記反応後流体R2の液相を分離する分離器244、245と、前記反応後流体R2の液相を加熱する加熱部242と、前記加熱部242で加熱された前記反応後流体R2の液相を蒸留する蒸留器246と、をさらに備え、前記加熱部242は、前記冷却器214の排熱を用い、前記反応後流体R2の液相を加熱して、少なくとも一部を気化させる。
これにより、冷却器214の排熱を用い、反応後流体R2の液相を加熱して、少なくとも一部を気化させることで、蒸留器246に反応後流体R2を供給するに先立つ反応後流体R2の予熱を、効率良く行うことができる。
(9)第9の態様に係るプラント500A~500Dは、(8)のプラント500A~500Dであって、前記冷却器214の下流に、前記反応後流体R2を膨張させる膨張部249をさらに備え、前記加熱部242は、前記膨張部249で膨張された前記反応後流体R2を加熱する。
これにより、反応後流体R2が膨張することで、反応後流体R2の圧力が低下する。これにより、加熱部242で、反応後流体R2、R3が凝縮するときの凝縮熱を用いた反応後流体R2の加熱を、効率良く行うことができる。
(10)第10の態様に係るプラント500Dは、(1)から(9)の何れか一つのプラント500Dであって、前記反応後流体R2、R3を、燃料によって駆動される駆動機110の燃料として用いる。
駆動機110の例としては、ガスタービンが挙げられる。
このプラント500Dは、得られた反応後流体R2、R3を、駆動機110の燃料として用いることで、プラント500Dにおけるエネルギーを有効利用することができる。また、結果的に、原料流体にふくまれる特定物質のプラント500D外への流出を抑えることが可能となる。
(11)第11の態様に係るプラント500Dは、(10)のプラント500Dであって、前記燃料として用いる前記反応後流体R2、R3を貯留する貯留部401A~401Cをさらに備える。
これにより、反応後流体R2、R3を貯留することによって、必要に応じて、反応後流体R2、R3を駆動機110の燃料として用いることが可能となる。
(12)第12の態様に係るプラント500Dは、(10)又は(11)のプラント500Dであって、前記駆動機110の排ガスEGの熱を前記熱源利用設備140で利用する。
これにより、駆動機110の排ガスEGの熱を熱源利用設備140で利用することで、熱媒体供給ライン710で熱を回収した熱媒体流体Hを、熱源として利用することで、熱源利用設備140を効率良く駆動することができる。
(13)第13の態様に係るプラント500A~500Dは、(1)から(12)の何れか一つのプラント500A~500Dであって、前記原料流体R1は、前記特定物質としての二酸化炭素を含むガスである。
これにより、二酸化炭素を原料流体R1とし、粗製流体R2,製品流体R3を得ている。したがって、プラント500Aにおける二酸化炭素排出量を抑えることが可能となる。
(14)第14の態様に係るプラント500A~500Dは、(13)のプラント500A~500Dであって、前記特定物質としての前記二酸化炭素を、駆動機110の排ガスEGから回収する。
これにより、排ガスEGに含まれる二酸化炭素を原料流体R1とすることで、プラント500Aにおける排ガスEGにおける二酸化炭素排出量を抑えることが可能となる。
(15)第15の態様に係るプラント500A~500Dは、(1)から(14)の何れか一つのプラント500A~500Dであって、前記原料流体R1は、水素を含む。
これにより、水素を用いて、二酸化炭素を含むガスから反応後流体R2,R3を得ることができ、プラント500A~500Dにおける二酸化炭素排出量を抑えることができる。
(16)第16の態様に係るプラント500A~500Dは、(15)のプラント500A~500Dであって、前記水素は、外部から供給される。
これにより、水素を外部から供給することによって、二酸化炭素を含むガスから反応後流体R2,R3を得て、プラント500A~500Dにおける二酸化炭素排出量を抑えることができる。
(17)第17の態様に係るプラント500A~500Dは、燃料Fで駆動される駆動機110と、前記駆動機110の排ガスEG中の二酸化炭素を回収する回収部213と、前記回収部213で回収された前記二酸化炭素を含む原料流体R1を化学反応させて合成物を含む反応後流体R2、R3を生成する合成反応器230と、を備え、前記合成物を前記駆動機110の前記燃料Fとして用いる。
これにより、排ガスEG中の二酸化炭素を回収し、回収された二酸化炭素を含む原料流体R1から反応後流体R2、R3を得ることで、プラント500A~500Dにおける二酸化炭素排出量を抑えることが可能となる。しかも、反応後流体R2、R3に含まれる合成物を、駆動機110の燃料Fとして用いることで、駆動機110を効率良く駆動することができる。したがって、合成物である反応後流体R2、R3を生成するに際し、熱エネルギーを効率的に利用することができる。
(18)第18の態様に係るプラント500Dは、原料流体R1を化学反応させて、合成物を含む粗製流体R2を生成する合成反応器230と、前記粗製流体R2に熱を加えて蒸留し、前記合成物の濃度が高められた製品流体R3を得る蒸留器246と、前記合成反応器230と前記蒸留器246との間から前記粗製流体R2を取り出す粗製流体払い出し配管402Cと、前記蒸留器246から蒸留後の前記製品流体R3を取り出す製品流体払い出し配管402A、402Bと、を備え、前記蒸留器246で利用可能な熱量が多い場合、前記蒸留器246で利用可能な熱量が少ない場合よりも、前記製品流体払い出し配管402A、402Bから取り出す前記製品流体R3の流量と前記粗製流体払い出し配管202Cから取り出す前記粗製流体R2の流量の合計のうち、前記製品流体払い出し配管402A、402Bから取り出す前記製品流体R3の流量の割合を大きくする。
これにより、蒸留器246では、粗製流体R2に熱を加えて蒸留し、合成物の濃度が高められた製品流体R3を得る。蒸留器246の上流側の粗製流体R2に比較し、蒸留器246の下流側の製品流体は、合成物の濃度が高い。合成物の濃度を高めるほど、蒸留、精製に大量の熱を必要とする。そこで、蒸留器246で利用可能な熱量が多い場合には、製品流体R3の流量を増やし、蒸留器246で利用可能な熱量が少ない場合には、粗製流体R2の流量を増やすことで、プラント効率を高めることができる。
(19)第19の態様に係るプラント500A~500Dは、流体R2を冷却し、一部を凝縮させる冷却部223と、前記流体R2の液相を分離する分離器244、245と、前記流体R2の液相を加熱し、少なくとも一部を気化させる加熱部242と、前記加熱部242で加熱された前記流体R2の液相を蒸留する蒸留器246と、を備え、前記加熱部242は、前記冷却部223で発生する凝縮熱を用い、前記流体R2の液相を加熱する。
これにより、加熱部242は、冷却部223で発生する凝縮熱を用い、分離器244、245の下流側の流体R2の液相を加熱し、少なくとも一部を気化している。したがって、大量の熱を必要とする気化を大量の熱を発生する凝縮の熱で行うことができるため、蒸留器246に流体R2を供給するに先立つ流体R2の予熱を、効率良く行うことができる。
(20)第20の態様に係るプラント500A~500Dは、(19)のプラント500A~500Dであって、前記冷却部223で冷却された前記流体R2を膨張させる膨張部249をさらに備え、前記加熱部242は、前記膨張部249で膨張された前記流体R2を加熱する。
これにより、膨張部249で流体R2を膨張させることで、流体R2の圧力を低下させている。これにより、加熱部242の高温側、即ち、分離器244、245の上流側の流体R2は、加熱部242の低温側、即ち、分離器244、245の下流の流体R2よりも圧力が高くなっている。したがって、加熱部242の高温側で流体R2が凝縮する温度を、加熱部242の低温側で流体R2が気化する温度よりも高くすることができる。その結果、加熱部242では、大量に発生する凝縮熱を用いて、大量の熱を必要とする気化を実施することが可能となる。
(21)第21の態様に係るプラント500A~500Dは、(19)又は(20)のプラント500A~500Dであって、化学反応により、合成物を含む粗製流体R2を生成する合成反応器230を更に備え、前記粗製流体R2を前記流体として前記冷却部223に供給し、前記蒸留器246で合成物の濃度が高められた製品流体R3を得る。
これにより、合成反応器230で合成された粗製流体R2を膨張部249で膨張させることで、粗製流体R2の圧力を低下させている。これにより、加熱部242の高温側の粗製流体R2が凝縮する温度を、加熱部242の低温側の粗製流体R2が気化する温度よりも高くすることができる。その結果、加熱部242では、大量に発生する凝縮熱を用いて、大量の熱を必要とする粗製流体R2の気化を実施することが可能となる。これにより、蒸留器246で合成物の濃度が高められた製品流体R3を、効率良く得ることができる。
(22)第22の態様に係るプラント500A~500Dは、気相の原料流体R1を予熱する予熱器223と、前記予熱器223で予熱された前記原料流体R1を化学反応させて反応後流体R2を得る合成反応器230と、を備え、前記予熱器223では、高温側の前記反応後流体R2と低温側の前記原料流体R1の間の熱交換によって、前記反応後流体R2が冷却され、前記反応後流体R2の沸点は、前記原料流体R1の沸点よりも温度が高く、前記予熱器223の高温側で、前記反応後流体R2の少なくとも一部が凝縮する。
これにより、予熱器223における反応後流体R2の凝縮熱を有効に活用し、原料流体R1を予熱することができる。反応後流体R2の沸点は、原料流体R1の沸点よりも温度が高い。すると、予熱器223では、反応後流体R2の一部が凝縮する一方、原料流体R1は気相の状態を維持して相変化せず、反応後流体R2の凝縮熱を有効に活用して原料流体R1を効果的に加熱することができる。このように、予熱器223の高温側と低温側で、反応後流体R2は、化学反応前後の同一流体であるにも関わらず、合成反応器230における化学反応で成分が変化することにより、沸点が高くなり、高温側の凝縮熱を用いて低温側の気相を加熱することが可能になる。
(23)第23の態様に係るプラント500A~500Dは、(22)のプラント500A~500Dであって、前記反応後流体R2を冷却し、一部を凝縮させる冷却部223と、前記反応後流体R2の液相を分離する分離器244、245と、前記冷却部223で発生する凝縮熱を用いて前記反応後流体R2の液相を加熱し、少なくとも一部を気化させる加熱部242と、前記加熱部242で加熱された前記反応後流体R2の液相を蒸留し、合成物の濃度が高められた製品流体R3を得る蒸留器246と、を備える。
これにより、加熱部242は、冷却部223で発生する凝縮熱を用い、分離器244、245の下流側の反応後流体R2の液相を加熱し、少なくとも一部を気化している。したがって、大量の熱を必要とする反応後流体R2の気化を、大量の熱を発生する凝縮の熱で行うことができるため、蒸留器246に流体R2を供給するに先立つ流体R2の予熱を、効率良く行うことができる。したがって、蒸留器246で合成物の濃度が高められた製品流体R3を、効率良く得ることができる。
100…ガスタービンコンバインドサイクルプラント部 110…ガスタービン(駆動機) 112…空気圧縮機 113…燃焼器 114…タービン 115…ガスタービンローター 116…燃料圧縮機 117…発電機 120…排熱回収ボイラー 121…低圧節炭器 122…低圧蒸発器 123…高圧ポンプ 124…中圧ポンプ 125…第一高圧節炭器 125i…第二高圧節炭器 126…高圧蒸発器 127…第一高圧過熱器 128…第二高圧過熱器 131…再熱器 135…中圧節炭器 136…中圧蒸発器 137…低圧過熱器 138…中圧過熱器 140…熱源利用設備 141…高圧蒸気タービン 142…中圧蒸気タービン(原動機) 143…低圧蒸気タービン 143m…中間段 151…復水器 153…給水ポンプ 161…発電機 200A~200D…合成処理部 210…分離部 211…吸収塔(吸収部) 212…煙突 213…再生塔(回収部) 214…冷却器 215…再生熱交換器 217…熱交換器 220…予熱部 221…中間冷却圧縮機 221a~221c…圧縮機 221p、221q…中間冷却器 222…第一予熱器 223…第二予熱器(予熱器) 224…第三予熱器 225…第四予熱器 230…合成反応器 240…後処理部 241…第一冷却器 242…第二冷却器(加熱部、冷却部) 243…第三冷却器 244…第一分離器(分離器) 245…第二分離器(分離器) 246…蒸留塔(蒸留器) 247…精留塔 248…蒸留塔頂冷却器 249…膨張弁(膨張部) 250…精留塔頂冷却器 401A~401C…貯留部 402A、402B…製品流体払い出し配管 402C…粗製流体払い出し配管 403…供給ポンプ 500A~500D…プラント 600…ヒートポンプ 610…第一側配管 610p…ポンプ 620…第二側配管 620p…ポンプ 621…循環流体配管 700…抽気管 701…低温蒸気配管 702…循環配管 702p…ポンプ 703…配管 704…配管 710…熱媒体供給ライン 711…配管 712…一端部 713…他端部 714…配管 721…循環配管 721p…ポンプ 731…加熱配管 800…送出配管 801…予熱配管 811…粗製流体流通ライン 812…粗製流体冷却ライン 830…循環配管 831…リサイクル配管 832…圧縮機 833…接続管 249…膨張弁 EG…排ガス F…燃料 F1…流体 F2~F5…循環流体 H…熱媒体流体 R…タービンローター R1…原料流体 R2…粗製流体(反応後流体、流体) R3…製品流体(反応後流体)
第二予熱器223は、後述する合成反応器230で生成された反応後流体としての粗製流体(流体)R2の排熱により、原料流体R1を予熱する。第二予熱器223は、粗製流体R2を冷却する第一冷却器241と第二冷却器(加熱部)242との間で、粗製流体R2の排熱により、原料流体R1を予熱する。第二予熱器223で予熱された原料流体R1は、予熱配管801を通して第三予熱器224に送られる。この際、第二予熱器223では、冷却される反応後流体としての粗製流体R2の一部が凝縮し始める。従って、凝縮熱を有効に活用して原料流体R1を予熱することができる。本実施形態で、原料流体R1は二酸化炭素、水素を主成分としており、沸点が低い。一方、合成反応器230で化学反応により生成する反応後流体としての粗製流体R2、メタノールや水を多く含み、原料流体R1よりも沸点が高い。反応後流体としての粗製流体R2の一部が凝縮する一方、原料流体R1は気相の状態を維持して相変化せず、反応後流体としての粗製流体R2の凝縮熱を有効に活用して原料流体R1を効果的に加熱することができる。このように、第二予熱器223の高温側と低温側は、化学反応前後の同一流体であるにも関わらず、合成反応器230における化学反応で成分が変化することにより、沸点が高くなり、高温側の凝縮熱を用いて低温側の気相を加熱することが可能になる。
第三予熱器224は、低圧節炭器121に配管703、704を介して接続されている。低圧節炭器121側の配管703の端部(図1のA1)と、第三予熱器224側の配管704の一端部(図1のA2)とは接続されている。また、第三予熱器224側の配管704の他端部(図1のB1)は、後述する精留塔247に接続された加熱配管731(図1のB2)に接続されている。第三予熱器224は、低圧節炭器121で加熱された水により、原料流体R1を予熱する。第三予熱器224で予熱された原料流体R1は、予熱配管801を通して第四予熱器225に送られる。
第二予熱器223に送出された粗製流体R2は、原料流体R1を予熱することで、温度が低下する。温度が低下した粗製流体R2は、粗製流体流通ライン811を通して、第二冷却器242に送られる。
第二冷却器242には、後述する第二分離器245と蒸留塔246とを接続する粗製流体冷却ライン812が通っている。第二冷却器242は、粗製流体R2を、粗製流体冷却ライン812を通る粗製流体R2により冷却する。冷却された粗製流体R2は、粗製流体流通ライン811を通して、第三冷却器243に送られる。
第三冷却器243では、適宜の冷却熱源により、粗製流体R2をさらに冷却する。冷却された粗製流体R2は、粗製流体流通ライン811を通して、第一分離器244に送られる。
また、プラント500Aでは、第一分離器244と第二分離器245の上流の第二予熱器223において粗製流体R2の一部が凝縮するときの凝縮熱を用い、第一分離器244と第二分離器245の下流の粗製流体R2の液相を加熱し、少なくとも一部を気化している。したがって、大量の熱を必要とする気化を大量の熱を発生する凝縮の熱で行うことができるため、蒸留塔246に粗製流体R2を供給するに先立つ粗製流体R2の予熱を、効率良く行うことができる。
さらに、プラント500Aでは、膨張弁249で粗製流体R2を膨張させることで、粗製流体R2の圧力を低下させている。これにより、第二冷却器242の高温側、即ち、第一分離器244と第二分離器245の上流の粗製流体R2は、第二冷却器242の低温側、即ち、第一分離器244と第二分離器245の下流の粗製流体R2よりも圧力が高く、第二冷却器242の高温側の粗製流体R2が凝縮する温度を第二冷却器242の低温側の粗製流体R2が気化する温度よりも高くすることができ、第二冷却器242で大量に発生する凝縮熱を用いて、大量の熱を必要とする気化を実施することが可能となる。
ヒートポンプ600は、第一側配管610と、第二側配管620と、ポンプ610pと、ポンプ620pと、を備えている。第一側配管610は、精留塔247に接続されている。ポンプ610pは、第一側配管610に設けられ、ヒートポンプ600と精留塔247との間で、第一側配管610内の循環流体F4を循環させている。第二側配管620は、蒸留塔頂冷却器248、及び精留塔頂冷却器250に接続されている。ポンプ620pは、第二側配管620に設けられ、ヒートポンプ600と、蒸留塔頂冷却器248、及び精留塔頂冷却器250と、との間で、第二側配管620内の循環流体F5を循環させている。この第二実施形態の第一側配管610には、再生塔213内の熱交換器に循環流体F4を供給する循環流体配管621が接続されている。なお、循環流体F4、循環流体F5としては、例えば水などを用いることができる。
貯留部401Aは、製品流体払い出し配管402Aを介して、精留塔頂冷却器250の出口側に接続されている。製品流体払い出し配管402Aは、蒸留器246による蒸留、及び精留塔頂冷却器250による精留後の製品流体R3を取り出す。貯留部401Aは、精留塔247を経た製品流体R3を貯留する。
貯留部401Bは、製品流体払い出し配管402Bを介して、蒸留塔頂冷却器248の出口側に接続されている。製品流体払い出し配管402Bは、蒸留器246による蒸留後の製品流体R3を取り出す。貯留部401Bは、蒸留塔246を経た製品流体R3を貯留する。言い換えれば、貯留部401Bは、蒸留塔246を経て精留塔247を経ていない製品流体R3を貯留する。
貯留部401Cは、粗製流体払い出し配管402Cを介して、粗製流体冷却ライン812に接続されている。粗製流体払い出し配管402Cは、合成反応器230と蒸留器246との間から、粗製流体R2を取り出す。貯留部401Cは、粗製流体冷却ライン812を流れる粗製流体R2を貯留する。
貯留部401A~401Cに貯留された粗製流体R2、製品流体R3は、供給ポンプ403により、燃焼器113に送られ、ガスタービン110の燃料として用いられる。ここで、蒸留器246で利用可能な熱量が多い場合、蒸留器246で利用可能な熱量が少ない場合よりも、製品流体払い出し配管402A、402Bから取り出す製品流体R3の流量と粗製流体払い出し配管202Cから取り出す粗製流体R2の流量の合計のうち、製品流体払い出し配管402A、402Bから取り出す前記製品流体R3の流量の割合を大きくする。蒸留器246で利用可能な熱量が少ない場合、蒸留器246で利用可能な熱量が多い場合よりも、製品流体払い出し配管402A、402Bから取り出す製品流体R3の流量と粗製流体払い出し配管202Cから取り出す粗製流体R2の流量の合計のうち、製品流体払い出し配管402A、402Bから取り出す前記製品流体R3の流量の割合を小さくする。
このプラント500Dは、得られた反応後流体R2、R3を、駆動機110の燃料として用いることで、プラント500Dにおけるエネルギーを有効利用することができる。また、結果的に、原料流体にまれる特定物質のプラント500D外への流出を抑えることが可能となる。

Claims (23)

  1. 特定物質を含む原料流体を発熱化学反応させて合成物を含む反応後流体を生成する合成反応器と、
    前記合成反応器における発熱化学反応により生じる熱を回収する熱媒体供給ラインと、
    前記熱媒体供給ラインで熱を回収した熱媒体流体を、熱源として利用する熱源利用設備と、を備える
    プラント。
  2. 前記熱媒体供給ラインは、発熱化学反応により生じた熱を回収するため、前記熱媒体流体を蒸発させる
    請求項1に記載のプラント。
  3. 前記熱源利用設備は、前記熱媒体供給ラインを経た前記熱媒体流体を用いて駆動される原動機をさらに備える
    請求項1又は2に記載のプラント。
  4. 前記原動機は、前記熱媒体流体が膨張することによって駆動される
    請求項3に記載のプラント。
  5. 前記原動機を経て膨張することにより温度低下した前記熱媒体流体の熱が、前記原料流体の製造、予熱、蒸発、及び前記反応後流体の蒸留のうちの少なくとも一つに利用される
    請求項4に記載のプラント。
  6. 前記原料流体に含まれる前記特定物質を吸収剤により吸収する吸収部と、
    前記吸収剤から前記特定物質を分離して回収する回収部と、をさらに備え、
    前記回収部は、前記原動機から取り出した熱による加熱を行うことで、前記吸収剤から前記特定物質を分離させる
    請求項3から5の何れか一項に記載のプラント。
  7. 前記吸収剤は、相分離型吸収液である
    請求項6に記載のプラント。
  8. 前記反応後流体を冷却し、一部を凝縮させる冷却器と、
    前記冷却器で冷却された前記反応後流体から前記反応後流体の液相を分離する分離器と、
    前記反応後流体の液相を加熱する加熱部と、
    前記加熱部で加熱された前記反応後流体を蒸留する蒸留器と、をさらに備え、
    前記加熱部は、前記冷却器の排熱を用い、前記反応後流体の液相を加熱して、少なくとも一部を気化させる
    請求項1から7の何れか一項に記載のプラント。
  9. 前記冷却器の下流に、前記反応後流体を膨張させる膨張部をさらに備え、
    前記加熱部は、前記膨張部で膨張された前記反応後流体を加熱する
    請求項8に記載のプラント。
  10. 前記反応後流体を、燃料によって駆動される駆動機の前記燃料として用いる
    請求項1から9の何れか一項に記載のプラント。
  11. 前記燃料として用いる前記反応後流体を貯留する貯留部をさらに備える
    請求項10に記載のプラント。
  12. 前記駆動機の排ガスの熱を前記熱源利用設備で利用する
    請求項10又は11に記載のプラント。
  13. 前記原料流体は、前記特定物質としての二酸化炭素を含むガスである
    請求項1から12の何れか一項に記載のプラント。
  14. 前記特定物質としての前記二酸化炭素を、駆動機の排ガスから回収する
    請求項13に記載のプラント。
  15. 前記原料流体は、水素を含む
    請求項1から14の何れか一項に記載のプラント。
  16. 前記水素は、外部から供給される
    請求項15に記載のプラント。
  17. 燃料で駆動される駆動機と、
    前記駆動機の排ガス中の二酸化炭素を回収する回収部と、
    前記回収部で回収された前記二酸化炭素を含む原料流体を化学反応させて合成物を含む反応後流体を生成する合成反応器と、を備え、
    前記合成物を前記駆動機の前記燃料として用いる
    プラント。
  18. 原料流体を化学反応させて、合成物を含む粗製流体を生成する合成反応器と、
    前記粗製流体に熱を加えて蒸留し、前記合成物の濃度が高められた製品流体を得る蒸留器と、
    前記合成反応器と前記蒸留器との間から前記粗製流体を取り出す粗製流体払い出し配管と、
    前記蒸留器から蒸留後の前記製品流体を取り出す製品流体払い出し配管と、を備え、
    前記蒸留器で利用可能な熱量が多い場合、前記蒸留器で利用可能な熱量が少ない場合よりも、前記製品流体払い出し配管から取り出す前記製品流体の流量と前記粗製流体払い出し配管から取り出す前記粗製流体の流量との合計のうち、前記製品流体払い出し配管から取り出す前記製品流体の流量の割合を大きくする
    プラント。
  19. 流体を冷却し、一部を凝縮させる冷却部と、
    前記流体の液相を分離する分離器と、
    前記流体の液相を加熱し、少なくとも一部を気化させる加熱部と、
    前記加熱部で加熱された前記流体の液相を蒸留する蒸留器と、を備え、
    前記加熱部は、前記冷却部で発生する凝縮熱を用い、前記流体の液相を加熱する
    プラント。
  20. 前記冷却部で冷却された前記流体を膨張させる膨張部をさらに備え、
    前記加熱部は、前記膨張部で膨張された前記流体を加熱する
    請求項19に記載のプラント。
  21. 化学反応により、合成物を含む粗製流体を生成する合成反応器を更に備え、
    前記粗製流体を前記流体として前記冷却部に供給し、前記蒸留器で合成物の濃度が高められた製品流体を得る請求項19又は20に記載のプラント。
  22. 気相の原料流体を予熱する予熱器と、
    前記予熱器で予熱された前記原料流体を化学反応させて反応後流体を得る合成反応器と、を備え、
    前記予熱器では、高温側の前記反応後流体と低温側の前記原料流体の間の熱交換によって、前記反応後流体が冷却され、
    前記反応後流体の沸点は、前記原料流体の沸点よりも温度が高く、前記予熱器の高温側で、前記反応後流体の少なくとも一部が凝縮する
    プラント。
  23. 前記反応後流体を冷却し、一部を凝縮させる冷却部と、
    前記反応後流体の液相を分離する分離器と、
    前記冷却部で発生する凝縮熱を用いて前記反応後流体の液相を加熱し、少なくとも一部を気化させる加熱部と、
    前記加熱部で加熱された前記反応後流体の液相を蒸留し、合成物の濃度が高められた製品流体を得る蒸留器と、を備える
    請求項22に記載のプラント。
JP2022027887A 2022-02-25 2022-02-25 プラント Pending JP2023124239A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022027887A JP2023124239A (ja) 2022-02-25 2022-02-25 プラント
PCT/JP2023/003197 WO2023162600A1 (ja) 2022-02-25 2023-02-01 プラント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022027887A JP2023124239A (ja) 2022-02-25 2022-02-25 プラント

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023124239A true JP2023124239A (ja) 2023-09-06

Family

ID=87765631

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022027887A Pending JP2023124239A (ja) 2022-02-25 2022-02-25 プラント

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2023124239A (ja)
WO (1) WO2023162600A1 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000204053A (ja) * 1999-01-08 2000-07-25 Toshiba Corp 含酸素炭化水素合成プラント
JP5793325B2 (ja) * 2011-03-30 2015-10-14 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 温度制御システム、炭化水素合成反応装置、炭化水素合成反応システム
JP7412102B2 (ja) * 2019-07-24 2024-01-12 三菱重工業株式会社 ガスタービンプラント
JP6974402B2 (ja) * 2019-08-29 2021-12-01 三菱重工業株式会社 改質ガスを消費するプラント及び原料ガスを改質する方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2023162600A1 (ja) 2023-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN112585088B (zh) 使用液态含氧流体的高能量回收硝酸工艺
US20220099021A1 (en) Raw material fluid treatment plant and raw material fluid treatment method
RU2567282C2 (ru) Рекуперация тепла в химическом процессе и установке, в частности, синтеза аммиака
US5344627A (en) Process for removing carbon dioxide from combustion exhaust gas
US10858313B2 (en) Process for production of ammonia and derivatives, in particular urea
CN102959352A (zh) 二氧化碳和氢气的分离
EP1858803A1 (en) A process for the production of hydrogen with co-production and capture of carbon dioxide
CA2957838C (en) Process for production of ammonia and derivatives, in particular urea
JPH1172009A (ja) 発電システム
WO2023162600A1 (ja) プラント
KR101588929B1 (ko) 랭킨 사이클 장치 및 이를 포함하는 발전시스템
RU2786439C2 (ru) Способ производства азотной кислоты с высокой степенью регенерации энергии и применением жидкой кислородсодержащей текучей среды
RU2786439C9 (ru) Способ производства азотной кислоты с высокой степенью регенерации энергии и применением жидкой кислородсодержащей текучей среды
JP2023544978A (ja) ターボチャージャーを用いたメタン化
KR20230122308A (ko) 복합 발전 시스템 및 복합 발전 시스템의 구동 방법
JP2002004812A (ja) 熱供給システム
RU2020143805A (ru) Способ производства азотной кислоты с высокой степенью регенерации энергии и применением жидкой кислородсодержащей текучей среды
CN115479269A (zh) 一种提高煤电蒸汽热力循环效率的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230228