JP2000204053A - 含酸素炭化水素合成プラント - Google Patents

含酸素炭化水素合成プラント

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JP2000204053A
JP2000204053A JP11003540A JP354099A JP2000204053A JP 2000204053 A JP2000204053 A JP 2000204053A JP 11003540 A JP11003540 A JP 11003540A JP 354099 A JP354099 A JP 354099A JP 2000204053 A JP2000204053 A JP 2000204053A
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methanol
reactor
stream
liquid
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Kenji Ide
健志 出
Keiji Murata
圭治 村田
Hakaru Ogawa
斗 小川
Hiroko Onoda
裕子 小野田
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Toshiba Corp
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  • Feeding, Discharge, Calcimining, Fusing, And Gas-Generation Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応熱除去が容易でガス拡散性に優れ、高い
パーパス収率と空時収量が達成できる含酸素炭化水素合
成プラントを提供する。 【解決手段】 流動床反応器2に合成用ガス23と超臨
界ヘキサン20bが供給され、超臨界ヘキサン20b中
に微粒触媒10が分散して流動床を形成する。合成用ガ
ス23が微粒触媒10と接触しながら流動床中を通過す
ることにより、メタノールの合成反応が生じる。残った
未反応ガスや、メタノール、水などの生成物、超臨界ヘ
キサンなどは、排出流30として外部に排出され、熱交
換器11,12、冷却器14により20℃程度まで冷却
されて凝縮し、気液液分離器4において、未反応ガス相
22a、液体ヘキサン相20a、メタノール/水混合液
相24aに相分離する。未反応ガス22や液体ヘキサン
20はプラント内を循環して再利用され、メタノール/
水混合液24は精留装置6で精留される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタノール、ジメ
チルエーテル等の含酸素炭化水素を接触水素化方法によ
り合成する含酸素炭化水素合成プラントおよびその方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、含酸素炭化水素の一種であるメ
タノールの工業的な合成方法としては、一酸化炭素また
は二酸化炭素と水素とを原料とし、所定の反応条件下で
触媒反応させる接触水素化方法が知られている。含酸素
炭化水素の一種であるジメチルエーテルの合成の場合、
メタノール合成触媒と脱水触媒を併用し、上記のメタノ
ール合成反応とメタノールの脱水縮合反応を組合わせる
方法が一般的である。ここで、これらの合成方法は、触
媒反応プロセスの相違から、原料を気相で反応させる気
相合成法と、原料を液相で反応させる液相合成法とに分
けられる。
【0003】以下、図16、17を参照して、含酸素炭
化水素合成プラントの従来例について説明する。
【0004】[気相合成法]まず、図16を参照して、
含酸素炭化水素合成プラントの従来例の一つである気相
合成法を用いたメタノールの合成方法について説明す
る。ここで、図16は、気相合成法を用いたメタノール
合成プラントの一例を示す図である。この図16に示す
ように、気相合成法を用いたメタノール合成プラント
は、一酸化炭素または二酸化炭素と水素とを含む原料ガ
ス7を反応させてメタノールを合成するための反応器2
01と、この反応器201から排出された排出ガスに含
まれるメタノールを取り出すための分離器202とを備
えている。
【0005】このプラントにおいて、原料ガス21は、
ガス圧縮機203および熱交換器204,205を介し
て反応器201に供給されるようになっており、また、
反応器201から排出された排出ガスは、熱交換器20
4を介して分離器202に供給されるようになってい
る。そして、分離器202によりメタノールが取り出さ
れた後に残る未反応ガス22は、その一部がパージガス
として外部に排出された後、ガス圧縮機206を介して
原料ガス21の供給流路に戻されるようになっている。
【0006】ここで、反応器201は、外部容器211
と、この外部容器211内に上部空間212および下部
空間213を形成するように外部容器211内中央に設
けられた触媒充填部214とを有している。このうち、
触媒充填部214は、上部空間212と下部空間213
とを連通する内管215aと、この内管215aのまわ
りを囲むように設けられた外管215bとからなる複数
の二重管215を有しており、各二重管215の内管2
15aと外管215bとの間に形成された環状流路に
は、直径が数mm程度の粒状触媒(銅−亜鉛系触媒)2
20が固定床として充填されている。なお、二重管21
5の外管215bはその上端部および下端部にて互いに
接続されており、また、各二重管215の外管215b
と外部容器211との間の空間216には、外部から供
給された冷却水が流れている。
【0007】このような反応器201において、その下
部空間213に供給された原料ガス21および未反応ガ
ス22からなる合成用ガス23は、各二重管215の内
管215a内を上昇して上部空間212に到達した後、
上部空間212から各二重管215の内管215aと外
管215bとの間の環状流路を通過して下降し、この通
過中に粒状触媒220に接触し、メタノール合成反応が
生じる。ここで生成したメタノール、水、および未反応
ガス8は、各二重管215の外管215bの下端部で集
められ、排出ガス230として外部に排出される。ま
た、メタノール合成反応によって発生した反応熱は、各
二重管215の外管215bと外部容器211との間の
空間216を流れる冷却水によって除去される。
【0008】なお、反応器201における具体的な合成
方法としては、一酸化炭素と水素とを原料ガスとし、亜
鉛−クロム系触媒を用いて所定の反応条件下(反応温
度:320℃〜380℃、反応圧力:34MPa〜40
MPa)で反応させる高圧合成法や、一酸化炭素と水素
とを原料ガスとし、銅−亜鉛系触媒を用いて所定の反応
条件下(反応温度:250℃〜300℃、反応圧力:5
MPa〜15MPa)で反応させる低圧合成法等があ
る。また、二酸化炭素と水素とを原料ガスとする方法と
しては、銅−亜鉛系触媒を用いて所定の反応条件下で反
応させる方法が知られている(特開平6−178938
号公報および特開平5−168936号公報等参照)。
【0009】このような気相合成法において、含酸素炭
化水素合成の合成反応は、発熱を伴うとともにモル数が
減少する平衡反応であり、化学平衡上、低温高圧である
ほど有利な反応であるので、反応を有利に進めるために
は、反応熱の除去を十分に行わなければならない。しか
しながら、一般に、気相合成法では、反応器201内の
触媒層での熱伝達率が低いために、熱拡散効果が小さ
く、反応熱の除去を効率良く行うことができない。その
ため、原料ガスの急激な温度上昇を防止しようとすると
合成収率が低く抑えられてしまう。また、少しでも熱拡
散効果を高めるために反応器を図16のような熱交換型
にすると、反応器の構造が複雑になり、大型化が難し
く、コストが増大してしまう。さらに、気相合成法で
は、触媒の表面に付着した高級炭化水素や炭素等が脱離
しにくく、このため、触媒の被毒により触媒が劣化しや
すいという問題がある。
【0010】[液相合成法]次に、図17を参照して、
含酸素炭化水素合成プラントの別の従来例の一つである
液相合成法を用いたメタノールの合成方法について説明
する。ここで、図17は、液相合成法を用いたメタノー
ル合成プラントの一例を示す図である。この図17に示
すように、液相合成法を用いたメタノール合成プラント
は、一酸化炭素または二酸化炭素と水素とを含む原料ガ
ス21を反応させてメタノールを合成するための反応器
241と、この反応器241から排出された排出ガスに
含まれるメタノールを取り出すための分離器242とを
備えている。
【0011】このプラントにおいて、原料ガス21は、
ガス圧縮機243および熱交換器244を介して反応器
241に供給されるようになっており、また、反応器2
41から排出された排出ガスは、熱交換器244を介し
て分離器242に供給されるようになっている。そし
て、分離器242によりメタノールが取り出された後に
残る未反応ガス21は、その一部がパージガスとして外
部に排出された後、ガス圧縮機245を介して原料ガス
21の供給流路に戻されるようになっている。
【0012】ここで、反応器241は、外部容器251
と、この外部容器251内の下方に設けられた合成用ガ
ス供給部252とを有しており、外部容器251内に
は、鉱物油等の液体溶媒に直径がサブμm〜数十μm程
度の粉末触媒(銅−亜鉛系触媒)を分散させた触媒縣濁
液260がスラリー床として収容されている。
【0013】このような反応器241において、その外
部容器251内に合成用ガス供給部252を介して供給
された原料ガス21および未反応ガス22からなる合成
用ガス23は、粉末触媒を分散させた触媒縣濁液260
内を通過し、この通過中にメタノール合成反応が生じ
る。ここで生成したメタノール、水、および未反応ガス
22などは、触媒縣濁液260を通過した後、排出ガス
230として反応器241の外部容器251の上方から
外部に排出される。また、反応器241には、触媒縣濁
液260を循環させる外部循環路253が設けられてお
り、この外部循環路253上には、冷却器254、サー
ジタンク255、およびポンプ256が設けられてい
る。そして、メタノール合成反応によって発生した反応
熱は、外部循環路253上の冷却器254で触媒縣濁液
260を冷却することによって除去される。
【0014】なお、反応器241における具体的な合成
反応としては、米国のエアプロダクツアンドケミカルズ
(Air Products and Chemicals)社により、H2 /CO
/CO2 を原料ガスとするメタノール合成方法が提案さ
れている(特公平6−60112号公報および特開平5
−97732号公報等参照)。また、三井東圧化学株式
会社は、一酸化炭素を含まないH2 /CO2 を原料ガス
とするメタノール合成法を提案している(特開平3−1
51337号公報、特開平3−258737号公報、お
よび特許第2764114号公報等参照)。さらに、日
本鋼管株式会社により、微粒メタノール合成触媒と微粒
脱水触媒を分散させた触媒縣濁液111を用い、H2
CO/CO2 を原料ガスとしてジメチルエーテルを合成
する方法が提案されている(特開平10−180083
号公報および特開平9−286754号公報等参照)。
【0015】このような液相合成法では、粉末触媒を分
散させた触媒縣濁液260内に原料ガス21を通過させ
て含酸素炭化水素を合成するので、触媒縣濁液260を
介して反応熱を除去することができ、温度調節が容易で
ある。しかしながら、このような液相合成法を用いた含
酸素炭化水素の合成法では、原料ガスの液体への溶解度
および液体中での拡散係数が小さいので反応が拡散律速
となり、原料ガスが触媒縣濁液260内に分散した粉末
触媒の表面まで到達しにくく、その結果反応速度が小さ
くなるという欠点がある(すなわち、空時収量が低下し
てしまう)。
【0016】また、反応によって生成するメタノールと
親和性の高い溶媒を用いて収率の向上をねらった液相メ
タノール合成法に関する研究も行われている。これは、
生成したメタノールを同時に溶媒中に溶解させることで
平衡を崩し、平衡値以上のパーパス収率を得ようとする
ものである(“Continuous Operation of the BertyRea
ctor for the Solvent Methanol Process” in Ind. En
g. Chem. Res. 1991,30, 1413-1418)。一方、二酸化炭
素を原料としたメタノール合成法では、反応により目的
成分であるメタノールが生成すると同時に等モルの水が
生成するが、液相プロセスにおいては、この水の存在
が、触媒上で熱力学的平衡の妨げになる。そこで、反応
温度(200〜250℃)程度でも熱分解が起こらない
極性の高いジエチレングリコールジエチルエーテル等の
親水性のエーテルを用いることによって高いパーパスメ
タノール収率を得る研究が行われている(特許第271
3684号公報等参照)。
【0017】これらの液相合成プロセスを連続的に運転
するには、溶媒を逐次反応器から取り出し、溶媒に溶解
した含酸素炭化水素を分離する必要がある。しかし、こ
れらの研究において、含酸素炭化水素を効率良く溶媒か
ら分離する方法については提案されておらず、このた
め、収率を大きく向上させるプロセスを構築するには至
っていない。さらに、メタノールと親和性の高い溶媒を
用いたこれらの液相合成法は、上述した液相合成法と同
様、原料ガスの液体への溶解度および液体中での拡散係
数が小さいので、原料ガスが触媒縣濁液内に分散した粉
末触媒の表面まで到達しにくく、その結果反応速度が小
さくなるという欠点がある(すなわち、空時収量が低下
してしまう)。
【0018】一方、工業技術院等により、メタノール水
溶液とほとんど溶解し合わないドデカン等を反応溶媒と
して用い、反応容器から反応溶媒とメタノール水溶液を
液体で取り出す液相合成法が提案されている。(“Effe
ctive Liquid-Phase Methanol Synthesis Utilizing Li
quid-Liquid Separation” in Energy Convers. Mgmt
Vol.36, No.6-9, pp.581-584, 1995,特開平9−227
423号および特開平7−53421号公報等参照)。
この液相合成法では、反応温度(250℃程度)で生成
したメタノール、水が液相となる条件下でメタノールの
合成を行う必要があるため、反応圧力(原料ガス分圧+
メタノール蒸気圧+水蒸気圧の和)は非常に高く、15
MPa程度となる。このため、原料ガスの圧縮動力が大
きく、合成効率が低下する。さらに、上述した液相合成
法と同様、原料ガスの液体への溶解度および液体中での
拡散係数が小さいので反応が拡散律速となり、原料ガス
が触媒縣濁液内に分散した粉末触媒の表面まで到達しに
くく、その結果反応速度が小さくなるという欠点がある
(すなわち、空時収量が低下してしまう)。
【0019】また、米国のブルックヘブン(Brookhave
n)国立研究所により、天然ガスの部分酸化法により得
られる合成ガスを原料とし、揮発性の液体触媒を用いる
低温液相反応によりメタノールを合成する方法が開発さ
れている。この反応プロセスは、反応温度が120℃と
極めて低いので、化学平衡上高いパーパス収率が得ら
れ、未反応ガスの再循環が不要となる可能性がある。し
かし、微量の二酸化炭素または水等によって触媒が失活
するため、これらを原料ガスから完全に除去する前処理
工程が必要となり、原料精製コストがかさむという欠点
がある。
【0020】また、合成反応を超臨界状態で行う従来例
として、ワックスの製造法がある(特開平7−1453
88号、特開平9−255594号、および特開平6−
172223号公報等参照)。これは、水素と一酸化炭
素との混合ガスを超臨界流体中でフィッシャー- トロッ
プシュ合成反応用触媒に接触させ、高い選択率でワック
スを生成するものである。この方法では、超臨界状態
(または液相)において、オレフィンなどの不飽和炭化
水素化合物を少量存在させることで、フィッシャー- ト
ロップシュ合成反応で得られる炭化水素化合物の生成物
分布がシュルツ-フローリー分布に全く従わず、ワック
ス(炭素数20以上の飽和炭化水素化合物)が非常に高
い選択率で得られ、結果的にワックスを高効率に製造す
ることができる。
【0021】しかし、これらの公知例においては、水素
と一酸化炭素の混合ガスを含酸素炭化水素合成用触媒に
接触させてメタノール等の含酸素炭化水素を生成する合
成法については何も触れてはいない。また、生成物が炭
素数の多い炭化水素化合物であるため、反応溶媒と生成
物との分離は容易であり、その分離操作についても何ら
検討していない。
【0022】一方、合成反応によって得られた目的生成
物を反応混合物から抽出するのに、抽出溶媒として超臨
界流体を用いる例として、イソプロピルアルコールの製
造方法がある(特開平8−291092号参照)。これ
は、強酸性の固体触媒の存在下に、プロピレンと水とを
高温高圧の下で直接液相水和させてイソプロピルアルコ
ールを製造する方法において、反応器から流出した液相
反応混合物を超臨界流体(炭素数が3もしくは4の飽和
炭化水素)と接触させてイソプロピルアルコールを抽出
するものである。この公知例において、超臨界流体は単
なる生成物の抽出剤であって、超臨界流体中で合成反応
を行うものではないため、この公知例の方法をメタノー
ル合成方法に適用することはできない。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
含酸素炭化水素合成プラントにおける、気相合成法や液
相合成法を用いた含酸素炭化水素の合成方法には、解決
すべき問題点が存在している。
【0024】まず、気相合成法を用いた含酸素炭化水素
の合成方法には、反応熱の除去を効率良く行うことがで
きないという問題点がある。このため、原料ガスの急激
な温度上昇を防止しようとすると、パーパス収率が低く
抑えられてしまう。さらに、触媒の表面に付着した高級
炭化水素や炭素等が脱離しにくく、このため、触媒の被
毒により触媒が劣化しやすいという問題点がある。
【0025】一方、液相合成法を用いた含酸素炭化水素
の合成方法においては、反応熱の除去は容易であるが、
原料ガスの液体への溶解度および液中での拡散係数が小
さいことから、反応速度が低下し、空時収量が抑えられ
てしまうという問題点がある。また、含酸素炭化水素と
親和性の高い溶媒を使用することによってパーパス収率
の向上を図った液相合成法の場合には、溶媒を逐次反応
器から取り出し、溶媒に溶解した含酸素炭化水素を分離
する必要がある。しかし、含酸素炭化水素を効率良く溶
媒から分離する方法については提案されておらず、この
ため、収率を大きく向上させるプロセスを構築するには
至っていない。
【0026】本発明は、これらの問題点を解決するため
に提案されたものであり、一つには、反応熱除去が容易
でガス拡散性に優れ、高いパーパス収率と空時収量が達
成できる含酸素炭化水素合成プラントを提供することを
目的とする。さらに、触媒の劣化を効果的に抑制できる
含酸素炭化水素合成プラントを提供することも目的の一
つである。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の含酸素炭化水素合成プラントは、基本的
に、触媒を充填し、原料ガスと不活性な溶媒を供給して
含酸素炭化水素を生成する反応器と、この反応器からの
排出流を、未反応ガス流、生成物流、および溶媒流に分
離する分離装置を備えており、この分離装置における排
出流の相分離によって、未反応ガスや溶媒を再利用可能
にすると共に、生成物から含酸素炭化水素を容易に抽出
可能にするものである。
【0028】請求項1記載の発明は、上記のような反応
器と分離装置を備えた含酸素炭化水素合成プラントにお
いて、溶媒と分離装置に特徴を有するものである。すな
わち、溶媒は、前記反応器の条件において前記反応器で
生成した前記含酸素炭化水素を溶解する溶媒を含む溶媒
である。また、分離装置は、前記排出流の冷却、および
液体溶媒と相分離する別の抽出液と前記排出流との接
触、という2つの方式の中から選択された一つ以上の方
式を用いて前記生成物流と前記溶媒流とに分離するよう
に構成される。
【0029】このプラントにおいては、反応によって生
成した含酸素炭化水素に対して溶媒による抽出作用が働
くため、触媒表面で生成した含酸素炭化水素は触媒表面
からすばやく脱離して溶媒に溶解し、触媒表面の含酸素
炭化水素濃度が低下して平衡が崩れ、含酸素炭化水素合
成反応が進行する。この結果、熱力学的制限が緩和さ
れ、含酸素炭化水素合成反応のパーパス収率は気相反応
における平衡値を大きく超えることが可能になる。こう
した溶媒による抽出効果は、溶媒が超臨界状態あるいは
準超臨界状態(超臨界状態に近い状態)のとき大きくな
る。さらに、排出流の冷却による凝縮を利用して生成物
流と溶媒流とに液液分離するか、あるいは、液体溶媒と
相分離する別の抽出液で液体生成物を抽出するので、液
体溶媒から含酸素炭化水素などの生成物を効率よく分離
することができる。また、溶媒の沸点が含酸素炭化水素
のそれと近い場合でも、溶媒から含酸素炭化水素を効率
よく分離することが可能である。したがって、溶媒を精
製するエネルギーが不要となり効率が向上する。さら
に、触媒の表面に付着した高級炭化水素や炭素などが脱
離しやすくなるので、触媒の劣化を抑制することができ
る。
【0030】請求項2〜5記載の発明は、請求項1記載
の含酸素炭化水素合成プラントにおいて、分離装置とし
て、より限定的な特徴を持つ少なくとも一つの分離装置
を備えるものである。請求項2記載の発明において、分
離装置は、前記排出流を冷却して前記排出流に含まれる
前記生成物と前記溶媒を凝縮させて液体生成物と液体溶
媒とし、前記液体生成物と前記液体溶媒が相分離する温
度において前記生成物流と前記溶媒流とに分離するよう
に構成される。このプラントにおいては、排出流を冷却
して排出流に含まれる生成物と溶媒を凝縮させて液体生
成物と液体溶媒とし、液体溶媒と液体生成物が相分離す
る温度において生成物流と溶媒流とに液液分離するの
で、液体溶媒から含酸素炭化水素などの生成物を効率よ
く分離することができる。
【0031】請求項3記載の発明において、分離装置
は、前記排出流を冷却して前記排出流に含まれる前記生
成物と前記溶媒を凝縮させて液体生成物と液体溶媒の混
合液体とし、前記液体溶媒と相分離する別の抽出液を前
記排出流および前記混合液体のいずれかに接触させて前
記液体生成物を抽出することによって、前記生成物流と
前記溶媒流とに分離するように構成される。このプラン
トにおいては、分離条件において含酸素炭化水素を含む
液体生成物と相分離しない溶媒、あるいは相分離しても
液体溶媒相側への含酸素炭化水素の溶解が無視できない
溶媒を反応溶媒に用いた場合でも、排出流を生成物流と
溶媒流とに容易に分離することができる。すなわち、排
出流を冷却して排出流に含まれる生成物と溶媒を凝縮さ
せて液体生成物と液体溶媒の混合液体とし、液体溶媒と
相分離する別の抽出液によって液体生成物を抽出するの
で、液体溶媒から含酸素炭化水素などの生成物を効率よ
く分離することができる。
【0032】請求項4記載の発明において、分離装置
は、前記排出流を冷却して液体生成物と液体溶媒が相分
離する温度とし、前記生成物流と前記溶媒流とに分離す
るように構成される。このプラントにおいては、反応器
中の溶媒が運転条件で液体の場合について、請求項2の
プラントと同様の作用が得られる。請求項5記載の発明
において、分離装置は、液体溶媒と相分離する別の抽出
液を前記排出流に接触させて液体生成物を抽出し、前記
生成物流と前記溶媒流とに分離するように構成される。
このプラントにおいては、反応器中の溶媒が運転条件で
液体の場合について、請求項3のプラントと同様の作用
が得られる。
【0033】請求項6記載の発明は、請求項2または4
記載の含酸素炭化水素合成プラントにおいて、溶媒流と
相分離した生成物流の相中に排出流を直接供給すること
を特徴としている。このプラントにおいては、排出流中
の生成物が液体生成物相に溶解する速度が向上する。そ
の結果、含酸素炭化水素を溶媒から効率よく分離できる
ので、分離装置のコンパクト化が可能である。
【0034】請求項7記載の発明は、請求項3または5
記載の含酸素炭化水素合成プラントにおいて、抽出液を
予め冷却した後、排出流に直接接触させてこの排出流を
冷却し、排出流に含まれる生成物と溶媒を直接接触凝縮
させることを特徴としている。このプラントにおいて
は、予め冷却した抽出液と排出流を接触させることによ
り、排出流の冷却、生成物や溶媒の凝縮、生成物の抽出
を効率よく行うことができる。その結果、分離装置のコ
ンパクト化が可能である。さらに、例えば、冷却された
抽出液を排出流中にスプレーすれば、抽出液と排出流の
接触面積を大きくすることができるため、効率をより向
上でき、分離装置をよりコンパクト化できる。
【0035】請求項8記載の発明は、請求項3または5
記載の含酸素炭化水素合成プラントにおいて、溶媒流と
相分離した抽出液の相中に前記排出流を供給することを
特徴としている。このプラントにおいては、抽出液と排
出流を接触させることにより生成物の抽出を効率よく行
うことができる。その結果、分離装置のコンパクト化が
可能である。さらに、例えば、排出流を抽出液中にバブ
リングすれば、抽出液と排出流との接触面積を大きくす
ることができるため、生成物の抽出をより効率よく行う
ことができ、分離装置をよりコンパクト化できる。
【0036】請求項9記載の発明は、請求項3、5、
7、8のいずれか一つに記載の含酸素炭化水素合成プラ
ントにおいて、抽出液として水を用いることを特徴とし
ている。このプラントにおいては、有機系液体溶媒と抽
出液の水が容易に相分離し、かつ、水溶性である含酸素
炭化水素の抽出液への抽出効率が向上する。その結果、
分離装置のコンパクト化が可能である。
【0037】請求項10記載の発明は、請求項1〜9の
いずれか一つに記載の含酸素炭化水素合成プラントにお
いて、生成物流と相分離した溶媒流を精留装置に供給
し、溶媒から生成物を分離することを特徴としている。
このプラントにおいては、溶媒流に溶解している含酸素
炭化水素を高純度まで回収できるため、含酸素炭化水素
の回収率が向上する。また、溶媒流中に残存する含酸素
炭化水素の濃度を小さくすることができるので、精留後
の溶媒を反応溶媒として再利用すれば、反応によって生
じた含酸素炭化水素を多量に溶解でき、パーパス収率が
向上する。
【0038】請求項11記載の発明は、請求項1〜10
のいずれか一つに記載の含酸素炭化水素合成プラントに
おいて、溶媒流と相分離した生成物流を精留装置に供給
し、生成物と溶媒を精留分離することを特徴としてい
る。上記構成の含酸素炭化水素合成プラントにおいて
は、生成物である含酸素炭化水素に溶解している溶媒を
高純度まで回収できるので、溶媒の回収率が向上する。
その結果、追加供給する溶媒量が減少し、ランニングコ
ストが低下する。
【0039】請求項12記載の発明プラントは、請求項
3、5、7、8、9のいずれか一つに記載の含酸素炭化
水素合成プラントにおいて、生成物を抽出した後の抽出
液を精留装置に供給し、抽出液と生成物と溶媒を分離す
ることを特徴としている。このプラントにおいては、液
体溶媒と液体生成物が相分離しない場合、あるいは、相
分離しても、液体溶媒相に生成物が多量に溶解するか、
液体生成物相に溶媒が多量に溶解してしまう場合でも、
溶媒と生成物を効率よく分離することができる。
【0040】請求項13記載の発明は、請求項1〜12
のいずれか一つに記載の含酸素炭化水素合成プラントに
おいて、溶媒が、「ペンタン、ペンテン、ペンチン、ヘ
キサン、ヘキセンを含む炭素数4〜7の飽和炭化水素お
よび不飽和炭化水素水素、テトラエチレングリコールジ
メチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエー
テルを含む炭素数4〜14の含酸素炭化水素、スクアラ
ン、ドデカン、およびベンゾフェノン、からなるグルー
プ」の中から選択された材料を含むことを特徴としてい
る。これらの材料の一つを溶媒として用いてもよいが、
いずれか一つ以上の材料を含む混合溶媒を用いることも
できる。そのような溶媒を使用することにより、反応に
よって生成した含酸素炭化水素に対して優れた抽出作用
が得られる。
【0041】請求項14記載の発明は、請求項13記載
の含酸素炭化水素合成プラントにおいて、排出流から生
成物流と溶媒流とを分離する温度が0℃〜150℃の範
囲内であることを特徴としている。この温度条件によ
り、溶媒として上述した材料を使用する場合に、排出流
から生成物流と溶媒流とを効率よく分離することができ
る。なお、より好ましい温度条件は、0℃〜40℃の範
囲内である。
【0042】請求項15記載の発明は、請求項10〜1
2のいずれか一つに記載の含酸素炭化水素合成プラント
において、溶媒が、請求項13記載のグループの中から
選択された材料を含み、精留装置の作動圧力が0.1M
Pa以上、作動温度が50℃〜200℃の範囲内である
ことを特徴としている。このような溶媒および精留装置
の作動条件により、溶媒と生成物を効率よく分離するこ
とができる。なお、より好ましい作動圧力条件は、0.
3MPa〜1.5MPaの範囲内である。
【0043】請求項16記載の発明は、上述したような
反応器と分離装置を備えた含酸素炭化水素合成プラント
において、分離装置が精留装置であり、溶媒が、請求項
13記載のグループの中から選択された材料を含むこと
を特徴としている。このプラントにおいては、精留装置
によって、生成物と溶媒を効率よく精留分離することが
でき、請求項1記載のプラントと同様の効果が得られ
る。
【0044】請求項17記載の発明は、請求項16記載
の含酸素炭化水素合成プラントにおいて、精留装置の作
動圧力が0.1MPa以上、作動温度が50℃〜200
℃の範囲内であることを特徴としている。このような溶
媒および精留装置の作動条件により、請求項15記載の
プラントと同様に、溶媒と生成物を効率よく分離するこ
とができる。なお、より好ましい作動圧力条件は、0.
3MPa〜1.5MPaの範囲内である。
【0045】請求項18記載の発明は、請求項1〜17
のいずれか一つに記載の含酸素炭化水素合成プラントに
おいて、未反応ガス流を反応器に再循環させることを特
徴としている。請求項19記載の発明は、請求項1〜1
8のいずれか一つに記載の含酸素炭化水素合成プラント
において、溶媒流を反応器に再循環させることを特徴と
している。これらのプラントにおいては、プラント内で
未反応ガス流や溶媒流をリサイクルすることができるた
め、外部から供給する未反応ガスや溶媒の量を少なくす
ることができる。
【0046】請求項20記載の発明は、請求項1〜19
のいずれか一つに記載の含酸素炭化水素合成プラントに
おいて、反応器に、熱を除去する冷却器が設けられてい
ることを特徴としている。このプラントにおいては、反
応器を大型化して溶媒だけでは反応熱を除去しきれなく
なった場合でも、冷却器で反応器の反応熱を回収するこ
とにより、反応器内を均一に近い温度に維持でき、触媒
が局所的に高温になることを防止できるため、触媒の劣
化を抑制できる。したがって、反応器を大型化して含酸
素炭化水素合成反応のパーパス収率を上げ、かつパーパ
ス生産量を上げることができる。
【0047】請求項21記載の発明は、請求項1〜20
のいずれか一つに記載の含酸素炭化水素合成プラントに
おいて、反応器に、触媒および溶媒を循環させる循環路
が設けられていることを特徴としている。このプラント
においては、反応器内の触媒および溶媒を循環させるこ
とにより、溶媒による反応熱の回収効率を向上できる。
その結果、反応器内を均一に近い温度に維持でき、触媒
が局所的に高温になることを防止できるため、触媒の劣
化を抑制できる。
【0048】請求項22記載の発明は、請求項21記載
の含酸素炭化水素合成プラントにおいて、循環路上に、
触媒および溶媒を冷却する冷却器が設けられていること
を特徴としている。このプラントにおいては、請求項2
0記載のプラントと同様に、反応器を大型化して溶媒だ
けでは反応熱を除去しきれなくなった場合でも、冷却器
で反応器の反応熱を回収することにより、反応器内を均
一に近い温度に維持でき、触媒が局所的に高温になるこ
とを防止できるため、触媒の劣化を抑制できる。
【0049】請求項23〜27記載の発明は、請求項1
〜22のいずれか一つに記載の含酸素炭化水素合成プラ
ントにおいて、反応器における溶媒の分圧が溶媒の臨界
圧近傍以上となる溶媒を用いることを特徴としている。
このようなプラントにおいては、合成用ガスが触媒表面
まで拡散移動し易く、(みかけの)反応速度を大きくす
ることができる。また、触媒表面で生成した酸素炭化水
素合成は触媒表面からすばやく脱離して超臨界溶媒に溶
解する。すなわち、触媒表面の含酸素炭化水素合成濃度
が低下し、反応が進行する。これらの結果、熱力学的制
限が緩和され、含酸素炭化水素合成のパーパス収率は気
相反応や液相反応における平衡値を大きく超えることも
可能となる。さらに、触媒の表面に付着した高級炭化水
素や炭素などが脱離し易いため、触媒の劣化を抑制する
ことができる。
【0050】このようなプラントにおいては、請求項2
4に記載のように、反応器における溶媒の分圧が溶媒の
臨界圧に対して0.8〜1.6倍の範囲内となることが
好ましいが、より好ましくは、0.9〜1.3倍の範囲
内である。また、請求項25に記載のように、反応器に
おける温度が溶媒の臨界温度近傍以上となることが好ま
しい。さらに、請求項26に記載のように、反応器にお
ける温度と溶媒の臨界温度との差が0℃〜100℃の範
囲内であることが好ましいが、より好ましくは、0℃〜
60℃の範囲内である。そしてまた、請求項27に記載
のように、反応器において超臨界状態となることが好ま
しい。
【0051】請求項28〜32記載の発明は、上記のよ
うな、触媒を充填し、原料ガスと不活性な溶媒を供給し
て含酸素炭化水素を生成する反応器と、この反応器から
の排出流を、未反応ガス流、生成物流、および溶媒流に
分離する分離装置を備えた含酸素炭化水素合成プラント
において、溶媒に特徴を有するものである。すなわち、
溶媒は、前記反応器の条件において前記反応器で生成し
た前記含酸素炭化水素を溶解する溶媒と、前記反応器の
条件において超臨界状態となる溶媒とを含む。
【0052】このようなプラントにおいては、反応によ
って生成した含酸素炭化水素に対してそれを溶解する溶
媒による抽出作用が働くため、触媒表面で生成した含酸
素炭化水素は触媒表面からすばやく脱離して溶媒に溶解
し、触媒表面の含酸素炭化水素濃度が低下して平衡が崩
れ、含酸素炭化水素合成反応が進行する。それと同時
に、反応器の条件において超臨界状態となった溶媒が、
優れた熱拡散効果を示すため、合成反応により生じた熱
を速やかに除去することができる。したがって、溶媒の
相乗効果により、含酸素炭化水素合成のパーパス収率を
向上することができる。さらに、超臨界流体は抽出性に
優れるので、触媒の表面に付着した高級炭化水素や炭素
などが脱離し易く、触媒の劣化を抑制することができ
る。
【0053】そして、請求項30に記載のように、反応
器の条件において、反応器で生成した前記含酸素炭化水
素を溶解する前記溶媒が液相であることが好ましい。ま
た、請求項31に記載のように、反応器の条件において
超臨界状態となる溶媒が、ペンタン、ペンテン、ペンチ
ン、ヘキサン、ヘキセン、ヘプタンを含む炭素数4〜7
の飽和炭化水素および不飽和炭化水素からなるグループ
の中から選択された材料であることが好ましい。さら
に、請求項32に記載のように、反応器の条件において
反応器で生成した含酸素炭化水素を溶解する溶媒が、テ
トラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールジメチルエーテルを含む炭素数4〜14の
含酸素炭化水素グループの中から選択された材料である
ことが好ましい。
【0054】請求項33〜36記載の発明は、触媒を充
填し、酸化炭素と水素とを含有する原料ガスと不活性な
溶媒を供給して含酸素炭化水素を生成する反応器と、反
応器から排出された排出流から反応によって生じた含酸
素炭化水素を取り出す分離装置とを備えた含酸素炭化水
素合成プラントにおいて、触媒の構造に特徴を有するも
のである。すなわち、請求項33に記載のように、触媒
の内部に原料ガスと溶媒および反応によって生じた含酸
素炭化水素を含む生成物を拡散させる流路がある触媒を
用いるか、あるいは、請求項34に記載のように、原料
ガスが接触する触媒表面に、運転条件において溶媒が毛
管凝縮しない大きさの多数の空孔を持つ表面構造を有す
る触媒を用いるものである。
【0055】このようなプラントにおいては、触媒粒子
の外部表面だけでなく触媒粒子の内部表面や空孔内表面
でも含酸素炭化水素合成反応が起きる。すなわち、実質
的な反応面積が増大するため反応速度が向上する。この
結果、パーパス収率や空時収量を向上させることができ
る。なお、このようなプラントにおいては、請求項28
に記載のように、触媒の気孔率が20%〜60%の範囲
内であり、流路の平均内径が10μm〜1000μmの
範囲内であることが好ましいが、流路の平均内径は、よ
り好ましくは、10μm〜200μmの範囲内である。
また、請求項35に記載のように、空孔の平均孔径が1
0nm〜200nmの範囲内であることが好ましいが、
より好ましくは、10nm〜50nmの範囲内である。
さらに、請求項36に記載のように、溶媒は、請求項1
3記載のグループの中から選択された材料を含むことが
好ましい。
【0056】請求項37〜39記載の発明は、請求項1
〜36のいずれか一つに記載の含酸素炭化水素合成プラ
ントにおいて、反応器内に、流動床、噴流床、あるい
は、スラリー床を形成することを特徴としている。これ
らのプラントにおいては、反応器内の熱抵抗や拡散抵抗
が、固定床などに比べて小さく、また、原料ガスが触媒
と接触しやすい。その結果、含酸素炭化水素合成の収率
や空時収量が向上し、反応器をコンパクト化することが
できる。
【0057】
【発明の実施の形態】以下には、本発明に係る含酸素炭
化水素合成プラントの複数の実施の形態について、図1
〜図14を参照してそれぞれ説明する。なお、以下の各
実施の形態では、説明の簡略化の観点から、一酸化炭素
や二酸化炭素などの酸化炭素と水素とを原料として含酸
素炭化水素の一種であるメタノールを合成するメタノー
ル合成プラントについて説明する。
【0058】[1.第1の実施の形態] [1−1.構成]まず、本発明に係る含酸素炭化水素合
成プラントの第1の実施の形態として、メタノール合成
プラントの一つの実施の形態を、図1に基づき説明す
る。ここで、図1は、プラント全体を示す概略図であ
る。
【0059】図1に示すメタノール合成プラントは、ま
ず、ガス圧縮機1、流動床反応器2、触媒捕集器3、気
液液分離器4、気液分離器5、精留装置6を有してい
る。このうち、流動床反応器2は、下部入口に多孔板7
を有しており、この多孔板7の上方には微粒触媒10が
収容されている。この微粒触媒10には、銅−亜鉛系の
メタノール合成触媒を微粒化したものが使用される。ま
た、多孔板7には、微粒触媒10の粒径よりも小さい多
数の孔が設けられている。さらに、微粒触媒10が外部
に流出するのを可能な限り防止するため、流動床反応器
2の上部は外方に向けて膨らんでおり、流路断面が拡大
している。また、流動床反応器2に供給される反応溶媒
としては、ヘキサン(液体ヘキサン20)を用いてい
る。なお、このプラントはさらに、熱交換器11〜1
3、冷却器14,15、およびポンプ16などを有して
いる。
【0060】[1−2.動作原理・作用]次に、本実施
の形態のメタノール合成プラントにおける動作原理およ
び作用について、流体の流れに沿って説明する。まず、
水素、一酸化炭素、二酸化炭素を主成分とする原料ガス
21は、未反応ガス22と共にガス圧縮機1で反応圧力
まで加圧・混合されて合成用ガス23とされる。この合
成用ガス23は、熱交換器11で予熱された後、流動床
反応器2にその下部から供給される。一方、反応溶媒で
ある液体ヘキサン20は、熱交換器12で予熱されて超
臨界状態(超臨界ヘキサン20b)となり、流動床反応
器2にその下部から供給されて、原料ガス21と未反応
ガス22からなる合成用ガス23と合流する。
【0061】流動床反応器2においては、多孔板7の多
数の孔を介して超臨界ヘキサン20bが供給されること
により、この多孔板7の上に収容された微粒触媒10が
超臨界ヘキサン20b中に分散し、流動床を形成する。
この流動床反応器2は、通常、圧力:5〜20MPa、
温度:200〜350℃で運転される。ヘキサンの臨界
圧、臨界温度は、2.97MPa、234.25℃であ
るため、流動床反応器2に導入するヘキサンの流量など
を調整することで容易にヘキサンを超臨界状態(超臨界
ヘキサン20b)とすることができる。そして、このよ
うな超臨界ヘキサン20bと共に流動床反応器2内に供
給される合成用ガス23が、超臨界ヘキサン20bと自
由に混合し、微粒触媒10と接触しながら流動床中を通
過することにより、この通過中にメタノールの合成反応
が生じる。
【0062】また、この流動床反応器2内で反応せず残
った未反応ガスや、反応で生成したメタノール、水など
の生成物、超臨界ヘキサンなどは、排出流30として流
動床反応器2の上方から外部に排出される。この排出流
30は、ほとんど圧力を保持したまま、触媒捕集器3、
2つの熱交換器11,12、および冷却器14を通っ
て、気液液分離器4に送られる。その途中、排出流30
と共に搬出された微粒触媒10は、触媒捕集器3で捕集
され、流動床反応器2に戻される。
【0063】また、触媒捕集器3を出た排出流30は、
熱交換器11および熱交換器12において、合成用ガス
23および液体ヘキサン20とそれぞれ熱交換して温度
低下した後、さらに冷却器14で20℃程度まで冷却さ
れる。この結果、排出流30中のメタノール、水、超臨
界ヘキサンは凝縮し、気液液分離器4において、上方か
ら、未反応ガス相22a、液体ヘキサン相20a、メタ
ノール/水混合液相24aの3相に相分離する。
【0064】この場合、気液液分離器4で相分離した液
体ヘキサン20は、ポンプ16で抜き取られ、熱交換器
12で予熱されて超臨界状態(超臨界ヘキサン20b)
となり、流動床反応器2に送られる。また、気液液分離
器4で相分離した未反応ガス22は、熱交換器13およ
び冷却器15でさらに冷却され、その結果、残存してい
たヘキサン、メタノール、水などが凝縮して気液分離器
5で除去された後、熱交換器13を通って予熱され、ガ
ス圧縮機1に戻る。この気液分離器5で気液分離された
液体ヘキサン、液体メタノール、水は、気液液分離器4
に戻されるか、あるいは、そのまま適当な圧力まで減圧
された後、精留装置6に送られる。一方、気液液分離器
4の底部に相分離したメタノール/水混合液相24aか
ら抜き取られたメタノール/水混合液24は、適当な圧
力まで減圧された後、精留装置6に送られる。精留装置
6では、メタノール/水混合液24からの精留により、
最終的に製品メタノールが得られる。
【0065】なお、上記のような気液液分離器4による
排出流30の相分離は容易である。すなわち、液体ヘキ
サン20とメタノール/水混合液24は、40℃程度以
下の温度において相分離し、界面を有する。したがっ
て、排出流30を、未反応ガス流31(未反応ガス2
2)、溶媒流32(液体ヘキサン20)、および生成物
流33(メタノール/水混合液24)に容易に分離する
ことができる。ただし、各相には各相の主成分以外の成
分も若干量含まれており、メタノール/水混合液中24
には微量のヘキサンが混入している。
【0066】また、本実施の形態における精留装置6の
主目的の一つは、メタノール/水混合液中24中のメタ
ノールと水と若干量のヘキサンを分離することであり、
メタノールとヘキサンの分離は沸点差が大きくなる0.
5MPa前後で行うのが望ましい。なお、圧力0.5M
Paにおける沸点は、およそヘキサン130℃、メタノ
ール110℃、水150℃になる。常圧では、沸点がヘ
キサン68.8℃、メタノール64.7℃で、その差は
小さいため、効率よく蒸溜するのは困難である。ただ
し、メタノール、水、ヘキサンの精製には精留以外に膜
分離法、化学的および物理的吸収法、吸着法など、別の
精製法を用いることもできる。
【0067】[1−3.効果]本実施の形態のメタノー
ル合成プラントでは、上記のように、溶媒である液体ヘ
キサン20から、メタノール/水混合液24を容易に分
離することができるため、溶媒を精製するエネルギーが
不要となり、効率を向上できる。
【0068】また、一般に、超臨界流体は気相に比べて
高い熱伝導率と熱容量を有し、熱拡散効果が大きいが、
本実施の形態では、流動床反応器2において合成用ガス
23と超臨界ヘキサン20bの混合流体中に微粒触媒1
0が分散して流動床が形成されている。したがって、流
動床反応器2の微粒触媒10表面で合成反応により生じ
た熱は、超臨界ヘキサン20bによってすみやかに除去
され、触媒が局所的に高温になることを防止できる。そ
してまた、反応熱による反応温度の上昇が小さいため、
反応器内を均一に近い温度に維持できると共に、温度制
御も容易である。この結果、パーパス収率を上げること
ができ、さらに、超臨界流体中の気体の拡散係数が大き
いことから、合成用ガス23が触媒表面まで拡散移動し
易いため、(みかけの)反応速度を大きくすることがで
きる。
【0069】一方、流動床反応器2内で生成したメタノ
ールは反応条件下で超臨界ヘキサン20bに溶解する。
すなわち、触媒表面で生成したメタノールは触媒表面か
らすばやく脱離して超臨界ヘキサン20bに溶解するの
で、触媒表面のメタノール濃度が低下し、反応が進行す
る。さらに、超臨界ヘキサン20bを含め、超臨界流体
は本質的に抽出性に優れているので、触媒の表面に付着
した高級炭化水素や炭素などが脱離し易い。そのため、
触媒の劣化を抑制することができる。
【0070】[1−4.変形例]なお、以上のような第
1の実施の形態の変形例としては、次のような構成が考
えられる。例えば、気液液分離器4における温度が十分
低く、未反応ガス流中に含まれる溶媒蒸気や生成物蒸気
(メタノール、水など)の濃度が小さい場合には、未反
応ガス22処理用の熱交換器13、冷却器15、気液分
離器5を省くことができる。この場合には、気液液分離
器4からの未反応ガス22をガス圧縮機1に直接供給す
ることが可能となる。また、パーパス収率が充分高く、
未反応ガス流量が充分小さい場合には、気液液分離器4
からガス圧縮機1に至る未反応ガス22のリサイクルラ
インは不要となる。
【0071】[2.第2の実施の形態] [2−1.構成]次に、本発明に係る含酸素炭化水素合
成プラントの第2の実施の形態として、メタノール合成
プラントの一つの実施の形態を、図2に基づき説明す
る。ここで、図2は、プラント全体を示す概略図であ
る。
【0072】図2に示すメタノール合成プラントは、基
本的に前述した第1の実施の形態とほぼ同様の構成を有
しており、構成の一部を変更したものであるため、同一
部分には同じ符号を付し、異なる箇所のみ説明を加え
る。この図2に示すメタノール合成プラントは、反応溶
媒として、ヘキサンの代わりにペンタン(液体ペンタン
40)を用いると共に、気液液分離器4にポンプ41を
介して水42を供給し、この水42をメタノールの抽出
液として利用するように構成したものである。
【0073】[2−2.動作原理・作用]次に、本実施
の形態のメタノール合成プラントにおける動作原理およ
び作用について、流体の流れに沿って説明する。なお、
このプラントの動作原理および作用は、前述した第1の
実施の形態と同様の部分が多いため、ここでは、主とし
て、異なる動作原理および作用の詳細について説明す
る。
【0074】まず、このプラントにおいて、反応溶媒で
ある液体ペンタン40は、熱交換器8で予熱されて超臨
界状態(超臨界ペンタン40b)となり、流動床反応器
2にその下部から供給される。この流動床反応器2にお
いて、超臨界ペンタン40bは、第1の実施の形態にお
ける超臨界ヘキサン20bと全く同様に使用される。す
なわち、この超臨界ペンタン40b中に微粒触媒10が
分散して形成された流動床中で合成用ガス23を通過さ
せることにより、メタノールの合成反応が生じる。
【0075】また、この流動床反応器2内の未反応ガス
や生成物、超臨界ペンタンなどが、排出流30として流
動床反応器2の上方から外部に排出され、この排出流3
0が、触媒捕集器3、2つの熱交換器11,12、およ
び冷却器14を通って気液液分離器4に送られる点や、
その途中で排出流30中の微粒触媒10が捕集され、流
動床反応器2に戻される点なども、超臨界流体の種類を
除けば、第1の実施の形態における排出流30の流れと
同様である。そして、これらの熱交換器11,12、お
よび冷却器14による冷却の結果、排出流30中のメタ
ノール、水、超臨界ペンタンは凝縮し、気液液分離器4
において、上方から、未反応ガス相22a、液体ペンタ
ン相40a、メタノール/水混合液相24aの3相に相
分離する。
【0076】しかしながら、この場合、液体ペンタン4
0とメタノール/水混合液24は、相分離するものの、
液体ペンタン相40a中に溶解するメタノール量は小さ
くないので、冷却による凝縮だけを利用して液体ペンタ
ンとメタノールを高純度で分離するのは難しい。これに
対して、本実施の形態においては、気液液分離器4にポ
ンプ41を介して水42を供給するように構成してお
り、この水42によって、液体ペンタンとメタノールを
高純度で分離することができる。すなわち、気液液分離
器4内に供給された水42によって、メタノール/水混
合液相24a中のメタノール濃度を低下させ、液体ペン
タン相40a中のメタノールをメタノール/水混合液相
24a側に抽出することができる。
【0077】また、気液液分離器4で相分離した液体ペ
ンタン40が、ポンプ16で抜き取られ、熱交換器12
で予熱されて超臨界状態(超臨界ペンタン40b)とな
り、流動床反応器2に送られる点や、気液液分離器4で
相分離した未反応ガス22が、熱交換器13、冷却器1
5、および気液分離器5によってリサイクルされる点な
どは、第1の実施の形態と同様である。さらに、気液分
離器5で気液分離された液体ペンタン、液体メタノー
ル、水が、気液液分離器4に戻されるか、あるいは、そ
のまま減圧された後、図示していない精留装置6に送ら
れる点や、気液液分離器4のメタノール/水混合液相2
4aから抜き取られたメタノール/水混合液24が、減
圧された後に精留装置6に送られる点なども、第1の実
施の形態と同様である。
【0078】なお、上述したように、気液液分離器4に
メタノールの抽出液として新たに水42を供給すること
により、液体ペンタン40とメタノール/水混合液24
は相分離し、界面を有する。したがって、このプラント
においても、第1の実施の形態と同様に、排出流30
を、未反応ガス流31(未反応ガス22)、溶媒流32
(液体ペンタン40)、生成物流33(メタノール/水
混合液24)に容易に分離することができる。
【0079】[2−3.効果]本実施の形態において
も、前述した第1の実施の形態と同様の効果が得られ
る。まず、本実施の形態のメタノール合成プラントで
は、上記のように、溶媒である液体ペンタン40から、
メタノール/水混合液24を容易に分離することができ
るため、溶媒を精製するエネルギーが不要となり、効率
を向上できる。
【0080】また、流動床反応器2の触媒表面で合成反
応により生じた熱は、超臨界ペンタン40bによってす
みやかに除去され、触媒が局所的に高温になることを防
止できる。そしてまた、反応熱による反応温度の上昇が
小さいため、反応器内を均一に近い温度に維持できると
共に、温度制御も容易である。この結果、パーパス収率
を上げることができ、さらに、超臨界流体中の気体の拡
散係数が大きいことから、合成用ガス23が触媒表面ま
で拡散移動し易いため、(みかけの)反応速度を大きく
することができる。
【0081】一方、触媒表面で生成したメタノールは触
媒表面からすばやく脱離してペンタンに溶解するので、
触媒表面のメタノール濃度が低下し、反応が進行する。
さらに、前述したように、超臨界流体は本質的に抽出性
に優れているので、触媒の表面に付着した高級炭化水素
や炭素などが脱離し易く、触媒の劣化を抑制することが
できる。
【0082】なお、溶媒としてペンタンを用いた本実施
の形態においては、メタノール/水混合液相24aに水
42を加える分だけ、メタノール/水混合液24中のメ
タノール濃度が小さくなり、メタノールと水の精留工程
に必要なエネルギ−は、第1の実施の形態のようにヘキ
サンを用いた場合に比べて増加する。しかしその一方
で、ペンタンはメタノールとの親和性が高く、流動床反
応器2において触媒表面で生成したメタノールをすばや
く脱離・溶解するため、触媒表面のメタノール濃度が低
下し、反応が進行する。その結果、溶媒としてペンタン
を用いた場合のメタノール合成のパーパス収率は、ヘキ
サンを用いた場合よりも向上する。
【0083】[3.第3の実施の形態] [3−1.構成]次に、本発明に係る含酸素炭化水素合
成プラントの第3の実施の形態として、メタノール合成
プラントの一つの実施の形態を、図3に基づき説明す
る。ここで、図3は、プラント全体を示す概略図であ
る。
【0084】図3に示すメタノール合成プラントは、前
述した第1の実施の形態と共通の部分が多いため、同一
部分には同じ符号を付し、異なる箇所のみ説明を加え
る。この図3に示すメタノール合成プラントは、まず、
ガス圧縮機1、スラリー床反応器51、触媒捕集器3,
52、気液分離器5,53、液液分離器54、精留装置
6,熱交換機11〜13、冷却器14,15,55など
から構成されている。
【0085】また、反応溶媒としては、スラリー床反応
器51での運転条件において、蒸気圧が低くかつメタノ
ールを溶解する不活性な液体であるという特徴を持つス
ラリー床合成用溶媒60を使用している。さらに、この
スラリー床合成用溶媒60は、液液分離器54での分離
条件でメタノール/水混合液24と相分離して界面がで
きるという特徴を持つ溶媒でもある。これらの特徴を持
つスラリー床合成用溶媒60として、具体的には、ドデ
カン等を使用することができる。また、前述したスラリ
ー床反応器51内には、このスラリー床合成用溶媒60
中に微粒触媒10を高分散させてなる触媒縣濁液61
が、スラリー床として収容されている。さらに、スラリ
ー床反応器51内の下部には、合成用ガス23を供給す
るための合成用ガス供給部56が配置されている。
【0086】[3−2.動作原理・作用]次に、本実施
の形態のメタノール合成プラントにおける動作原理およ
び作用について、流体の流れに沿って説明する。まず、
水素、一酸化炭素、二酸化炭素を主成分とする原料ガス
21は、未反応ガス22と共にガス圧縮機1で反応圧力
まで加圧・混合されて合成用ガス23とされる。この合
成用ガス23は、熱交換器11で予熱された後、スラリ
ー床反応器51にその下部から供給される。
【0087】このスラリー床反応器51は、通常、圧
力:5〜20MPa、温度:200〜350℃で運転さ
れる。スラリー床反応器51の下部では、合成用ガス供
給部56から供給された合成用ガス23が触媒縣濁液6
1中を均一にバブリングすることにより、この合成用ガ
ス23の気泡62が触媒縣濁液61の中を微粒触媒と接
触しながら上昇する間にメタノールの合成反応が生じ
る。
【0088】また、このスラリー床反応器51内の反応
で生成し、スラリー床合成用溶媒60に溶解しなかった
メタノール、水などの生成物と、スラリー床合成用溶媒
60の蒸気や反応せず残った未反応ガスを主成分とする
触媒縣濁液61中の気泡62はスラリー床反応器51の
上部に設けた空間で集められて、排出流30としてスラ
リー床反応器51の上方から外部に排出される。この排
出流30は、ほとんど圧力を保持したまま、触媒捕集器
3、熱交換器11、および冷却器14を通って、気液分
離器53に送られる。その途中、排出流30と共に搬出
された微粒触媒10は、触媒捕集器3で捕集され、スラ
リー床合成用溶媒60と混合して触媒縣濁液61にな
り、スラリー床反応器51に戻される。
【0089】また、触媒捕集器3を出た排出流30は、
熱交換器11において合成用ガス23と熱交換して温度
低下した後、さらに冷却器14で20℃程度まで冷却さ
れる。この結果、排出流30中のメタノール、水、スラ
リー床合成用溶媒の蒸気は凝縮し、気液分離器53にお
いて、未反応ガス22と、メタノール、水、スラリー床
合成用溶媒60の混合溶液63とに分離される。このう
ち、混合溶液63は、液液分離器54に送られる。そし
て、未反応ガス22は、熱交換器13、冷却器15でさ
らに冷却され、その結果、残存していたスラリー床合成
用溶媒、メタノール、水などが凝縮して気液分離器5で
除去された後、熱交換器13を通って予熱され、圧縮機
1に戻る。
【0090】一方、スラリー床反応器51より触媒縣濁
液61の一部を別の排出流34として抜き取り、触媒縣
濁液61中の微粒触媒10を他方の触媒捕集器52で捕
集する。この触媒捕集機52で捕集された微粒触媒10
は、スラリー床合成用溶媒60と混合して触媒縣濁液6
1になり、スラリー床反応器51に戻される。ここで、
触媒捕集器52を出た排出流34は、反応で生成したメ
タノール、水などの生成物が溶解したスラリー床合成用
溶媒である。この排出流34は、熱交換器12において
スラリー床合成用溶媒60と熱交換して温度低下した
後、さらに冷却器55で20℃程度まで冷却されて、液
液分離器54に送られる。
【0091】そして、液液分離器54においては、冷却
器55で冷却された排出流34および気液分離器53よ
り送られてきた混合溶液63が、スラリー床合成用溶媒
相60aとメタノール/水混合液相24aの2相に相分
離する。この場合、液液分離器54で相分離したスラリ
ー床合成用溶媒60は、ポンプ16で抜き取られ、熱交
換器12で予熱されてから、2つの触媒捕集器3,52
で捕集された微粒触媒10と混合されて触媒縣濁液61
となり、スラリー床反応器51に送られる。また、液液
分離器54の底部に相分離したメタノール/水混合液相
24aから抜き取られたメタノール/水混合液24は、
適当な圧力まで減圧された後、精留装置6に送られる。
精留装置6では、メタノール/水混合液24からの精留
により、最終的に製品メタノールが得られる。
【0092】なお、上記のような気液分離器5,53と
液液分離器54による排出流30,34の相分離は容易
である。すなわち、上述したように、本実施の形態で使
用するスラリー床合成用溶媒は、温度を下げればメタノ
ール/水混合液と界面を有する。したがって、気液分離
器5,53と液液分離器54を組み合わせることによっ
て、排出流30,34を、未反応ガス流31(未反応ガ
ス22)、溶媒流32(スラリー床合成用溶媒60)、
および生成物流33(メタノール/水混合液24)に容
易に分離することができる。ただし、スラリー床合成用
溶媒60の種類によっては、各相には各相の主成分以外
の成分が若干量含まれており、メタノール/水混合液2
4中に微量のスラリー床合成用溶媒が混入する場合があ
る。
【0093】また、本実施の形態における精留装置6の
主目的の一つは、微量のスラリー床合成用溶媒が混入し
たメタノール/水混合液24からメタノールと水と若干
量のスラリー床合成用溶媒を分離することである。この
場合、本実施の形態で使用しているスラリー床合成用溶
媒60は、前述したように、スラリー床反応器51での
運転条件において、蒸気圧が低くかつ反応条件でメタノ
ールを溶解する不活性な液体であるという特徴を持つ溶
媒である。一般的にこのような溶媒としては高分子量の
高沸点溶媒が使われるので、スラリー床合成用溶媒とメ
タノールと水とを蒸留によって高純度に分離することは
容易である。ただし、メタノール、水、スラリー床合成
用溶媒の精製には、精留以外にも、膜分離法、化学的お
よび物理的吸収法、吸着法など、別の精製法を用いるこ
とができる。あるいは、これらの精製法と蒸留法を併用
することにより、効果的にメタノールを精製できる可能
性もある。
【0094】また、本実施の形態で使用しているスラリ
ー床合成用溶媒60は、スラリー床反応器51での運転
条件においてメタノールとの親和性が高く、スラリー床
反応器51内において触媒表面で生成したメタノールを
すばやく脱離・溶解する。この結果、触媒表面のメタノ
ール濃度が低下し、反応が進行し、メタノール合成のパ
ーパス収率が気相合成よりも向上する。
【0095】しかし、溶媒中のメタノールの濃度が上る
と、そのような効果が薄れるため、効率良く溶媒中のメ
タノールを除去し、精製しなければならない。この場
合、触媒捕集器で触媒を分離した溶媒を精留装置に直接
送り、メタノールを精製する方法が考えられるが、この
ような方法では、熱容量が大きい溶媒まで精留しなけれ
ばならなく、これは、含酸素炭化水素合成プラントの効
率を低下させる原因になる。これに対して、本実施の形
態では、分離装置として気液分離器5,53と液液分離
器54を組み合わせて、予め微粒触媒10を分離した排
出流30,34中からスラリー床合成用溶媒60を分離
した後のメタノール/水混合液24からメタノールの精
製を行うことによって上記の問題を解決している。ただ
し、気液分離器5,53で分離された混合溶液63は、
液液分離器54に送られることなく、そのまま適当な圧
力まで減圧された後、精留装置6に送られてもよい。
【0096】[3−3.効果]以上説明した本実施の形
態においても、前述した第1、第2の実施の形態と同様
の効果が得られる。すなわち、まず、本実施の形態のメ
タノール合成プラントでは、上記のように、溶媒である
スラリー床合成用溶媒60から、メタノール/水混合液
24を容易に分離することができるため、溶媒を精製す
るエネルギーが不要となり、効率を向上できる。
【0097】また、一般に、スラリー床合成用溶媒は、
反応条件において液相で気相に比べて高い熱伝導率と熱
容量を有し、熱拡散効果が大きいが、本実施の形態で
は、スラリー床反応器51において合成用ガス23とス
ラリー床合成用溶媒60の混合流体中に微粒触媒10が
分散してスラリー床が形成されている。したがって、ス
ラリー床反応器51の微粒触媒10表面で合成反応によ
り生じた熱は、スラリー床合成用溶媒60によってすみ
やかに除去され、触媒が局所的に高温になることを防止
できる。そしてまた、反応熱による反応温度の上昇が小
さいため、反応器内を均一に近い温度に維持できると共
に、温度制御も容易である。この結果、パーパス収率を
上げることができる。
【0098】一方、スラリー床反応器51内で生成した
メタノールは反応条件下でスラリー床合成用溶媒60に
溶解する。すなわち、触媒表面で生成したメタノールは
触媒表面からすばやく脱離してスラリー床合成用溶媒6
0に溶解するので、触媒表面のメタノール濃度が低下
し、反応が進行する。その結果、熱力学的制限が緩和さ
れるため、メタノール合成のパーパス収率が気相反応に
おける平衡値を大きく超えることも可能となる。さら
に、スラリー床合成用溶媒は、本質的に高級炭化水素や
炭素に対する抽出性に優れているので、触媒の表面に付
着した高級炭化水素や炭素などが脱離し易い。そのた
め、触媒の劣化を抑制することができる。
【0099】[4.第4の実施の形態] [4−1.構成]次に、本発明に係る含酸素炭化水素合
成プラントの第4の実施の形態として、メタノール合成
プラントの一つの実施の形態を、図4に基づき説明す
る。ここで、図4は、プラント全体を示す概略図であ
る。
【0100】図4に示すメタノール合成プラントは、基
本的に前述した第3の実施の形態とほぼ同様の構成を有
しており、構成の一部を変更したものであるため、同一
部分には同じ符号を付し、異なる箇所のみ説明を加え
る。この図4に示すメタノール合成プラントは、反応溶
媒として、第3の実施の形態におけるスラリー床合成用
溶媒60とは別のスラリー床合成用溶媒70を用いると
共に、液液分離器54にポンプ41を介して水42を供
給し、この水42をメタノールの抽出液として利用する
ように構成したものである。
【0101】スラリー床合成用溶媒70は、液液分離器
54での分離条件でメタノール/水混合液24と相分離
して界面ができないか、あるいは界面ができてもこの溶
媒相中にメタノールが多く溶解する親メタノール性の溶
媒で、かつ同条件で水と相分離して界面ができる溶媒で
ある。この特徴を持つスラリー合成用溶媒70として、
具体的には、テトラエチレングリコールジメチルエーテ
ル等を使用することができる。また、このプラントのス
ラリー床反応器51内には、このスラリー床合成用溶媒
70中に微粒触媒10を高分散させてなる触媒縣濁液7
1が、スラリー床として収容されている。
【0102】[4−2.動作原理・作用]次に、本実施
の形態のメタノール合成プラントにおける動作原理およ
び作用について、流体の流れに沿って説明する。なお、
このプラントの動作原理および作用は、前述した第3の
実施の形態と同様の部分が多いため、ここでは、主とし
て、異なる動作原理および作用の詳細について説明す
る。
【0103】まず、スラリー床反応器51において、反
応溶媒であるスラリー床合成用溶媒70は、第3の実施
の形態におけるスラリー床合成用溶媒60と全く同様に
使用される。すなわち、このスラリー床反応器51内に
収容された触媒縣濁液71中で合成用ガス23をバブリ
ングさせることにより、メタノールの合成反応が生じ
る。
【0104】また、このスラリー床反応器51における
触媒縣濁液71中の気泡72が、上部の空間で集められ
て、排出流30として上方から外部に排出され、この排
出流30が、触媒捕集器3、熱交換器11、および冷却
器14を通って気液分離器53に送られる点や、その途
中で排出流30中の微粒触媒10が捕集され、触媒縣濁
液71としてスラリー床反応器51に戻される点など
も、スラリー床合成用溶媒の種類を除けば、第3の実施
の形態における排出流30の流れと同様である。そし
て、この熱交換器11、および冷却器14による冷却の
結果、排出流30中のメタノール、水、スラリー床合成
用溶媒の蒸気が凝縮し、気液分離器53において、未反
応ガス22とメタノール、水、スラリー床合成用溶媒の
混合溶液73に分離する点や、この混合溶液73が液液
分離器54に送られる一方で、未反応ガス22が、熱交
換器13、冷却器15、および気液分離器5によってリ
サイクルされる点などは、第3の実施の形態と同様であ
る。ただし、気液分離器53で分離された混合溶液73
は、液液分離器54に送られることなく、そのまま適当
な圧力まで減圧された後、精留装置6に送られてもよ
い。
【0105】また、このプラントにおいて、気液分離器
5で気液分離されたスラリー床合成用溶媒、液体メタノ
ール、水の混合溶液73は、気液分離器53に戻され
る。ただし、気液分離器5で分離された混合溶液73
は、気液分離器53に戻されることなく、第3の実施の
形態のように、液液分離器54に送られてもよく、ある
いは、そのまま適当な圧力まで減圧された後、精留装置
6に送られてもよい。
【0106】一方、スラリー床反応器51より触媒縣濁
液71の一部を排出流34として抜き取り、触媒縣濁液
71中の微粒触媒10を触媒捕集器52で捕集して触媒
縣濁液71としてスラリー床反応器51に戻す点や、触
媒捕集器52を出た排出流34が、熱交換器12および
冷却器55を通って液液分離器54に送られる点は、第
3の実施の形態と同様である。
【0107】そして、液液分離器54においては、冷却
器55で冷却された排出流34および気液分離器53よ
り送られてきた混合溶液73がスラリー床合成用溶媒相
70aとメタノール/水混合液相24aの2相に相分離
する。しかしながら、この場合、スラリー床合成用溶媒
相70aに溶解するメタノール量は小さくないので、冷
却による凝縮だけを利用してスラリー床合成用溶媒70
とメタノールを高純度で分離するのは難しい。これに対
して、本実施の形態においては、液液分離器54にポン
プ41を介して水42を供給するように構成しており、
この水42によって、スラリー床合成用溶媒70とメタ
ノールを高純度で分離することができる。すなわち、液
液分離器54内に供給された水42によって、メタノー
ル/水混合液相24a中のメタノール濃度を低下させ、
スラリー床合成用溶媒相70a中のメタノールをメタノ
ール/水混合液相24a側に抽出することができる。
【0108】また、液液分離器54で相分離したスラリ
ー床合成用溶媒70が、ポンプ16で抜き取られ、熱交
換器12で予熱された後、2つの触媒捕集器3,52で
捕集された微粒触媒10と混合して触媒縣濁液71とし
てスラリー床反応器51に送られる点や、液液分離器5
4の底部に相分離したメタノール/水混合液相24aか
ら抜き取られたメタノール/水混合液24が、減圧され
た後に精留装置6に送られる点なども、第3の実施の形
態と同様である。
【0109】なお、上述したように、液液分離器54に
メタノールの抽出液として新たに水42を供給すること
により、スラリー床合成用溶媒70とメタノール/水混
合液24は相分離し、界面を有する。したがって、この
プラントにおいても、第3の実施の形態と同様に、排出
流30,34を、未反応ガス流31(未反応ガス2
2)、溶媒流32(スラリー床合成用溶媒70)、生成
物流33(メタノール/水混合液24)に容易に分離す
ることができる。
【0110】[4−3.効果]本実施の形態において
も、前述した第1〜第3の実施の形態と同様の効果が得
られる。すなわち、まず、本実施の形態のメタノール合
成プラントでは、上記のように、溶媒であるスラリー床
合成用溶媒70から、メタノール/水混合液24を容易
に分離することができるため、溶媒を精製するエネルギ
ーが不要となり、効率を向上できる。
【0111】また、スラリー床反応器51の触媒表面で
合成反応により生じた熱は、スラリー床合成用溶媒70
によってすみやかに除去され、触媒が局所的に高温にな
ることを防止できる。そしてまた、反応熱による反応温
度の上昇が小さいため、反応器内を均一に近い温度に維
持できると共に、温度制御も容易である。この結果、パ
ーパス収率を上げることができる。
【0112】一方、触媒表面で生成したメタノールは触
媒表面からすばやく脱離してスラリー床合成用溶媒70
に溶解するので、触媒表面のメタノール濃度が低下し、
反応が進行する。その分だけ熱力学的制限が緩和される
ため、メタノール合成のパーパス収率が気相反応におけ
る平衡値を大きく超えることも可能となる。さらに、前
述したように、スラリー床合成用溶媒は、本質的に高級
炭化水素や炭素に対する抽出性に優れているので、触媒
の表面に付着した高級炭化水素や炭素などが脱離し易
く、触媒の劣化を抑制することができる。
【0113】なお、溶媒としてテトラエチレングリコー
ルジメチルエーテル等のスラリー床合成用溶媒70を用
いた本実施の形態においては、メタノール/水混合液相
24aに水42を加える分だけ、メタノール/水混合液
24中のメタノール濃度が小さくなる。その結果、メタ
ノールと水の精留工程に必要なエネルギ−は、第3の実
施の形態のようにスクアラン等のスラリー床合成用溶媒
60を用いた場合に比べれば増加する可能性がある。し
かしその一方で、テトラエチレングリコールジメチルエ
ーテル等のスラリー床合成用溶媒70は、第3の実施の
形態のようなスクアラン等のスラリー床合成用溶媒60
に比べてメタノールとの親和性が高く、スラリー床反応
器51において触媒表面で生成したメタノールをすばや
く脱離・溶解するため、触媒表面のメタノール濃度が低
下し、反応が進行する。その結果、溶媒としてスラリー
床合成用溶媒70を用いた場合のメタノール合成のパー
パス収率は、スラリー床合成用溶媒60を用いた場合よ
りも向上する。
【0114】[5.第5の実施の形態] [5−1.構成]次に、本発明に係る含酸素炭化水素合
成プラントの第5の実施の形態として、メタノール合成
プラントの一つの実施の形態を、図5に基づき説明す
る。ここで、図5は、プラント全体を示す概略図であ
る。
【0115】図5に示すメタノール合成プラントは、基
本的に前述した第1の実施の形態とほぼ同様の構成を有
しており、構成の一部を変更したものであるため、同一
部分には同じ符号を付し、異なる箇所のみ説明を加え
る。この図5に示すメタノール合成プラントは、流動床
反応器2中の含酸素炭化水素生成反応における反応熱を
除去するための冷却器81を設けたものである。この冷
却器81は、流動床反応器2中を上部から下部へ冷却水
が流れるように設けられた数本の冷却管82、この冷却
管82に冷却水を供給する管、および熱回収で生成され
た水蒸気83を冷却管82から流動床反応器2の外部に
排出する管によって構成されている。
【0116】[5−2.動作原理・作用]以上のような
本実施の形態のメタノール合成プラントにおける動作原
理および作用は、基本的に第1の実施の形態と同様であ
るが、このプラントにおいては、特に、流動床反応器2
に冷却器81を設けたことにより、次のような作用が得
られる。
【0117】まず、前述したように、流動床反応器2
は、通常、圧力:5〜20MPa、温度:200〜35
0℃で運転される。ヘキサンの臨界圧、臨界温度は、
2.97MPa、234.25℃であるので、流動床反
応器2に導入するヘキサンの流量などを調整することで
容易にヘキサンを超臨界状態とすることができる。この
場合に、流動床反応器2内に供給される合成用ガス23
は超臨界ヘキサン20bと自由に混合し、微粒触媒10
と接触しながら流動床中を通過し、この通過中にメタノ
ールの合成反応が生じる。このため、この場合、微粒触
媒10は、メタノールの合成反応による反応熱で加熱さ
れるが、運転温度の200〜350℃以上にならないよ
うに、冷却管82と直接接触して除熱されるか、あるい
は、超臨界ヘキサン20bによって除熱され、超臨界ヘ
キサン20bが冷却管82で冷却される。その結果、冷
却管82内の冷却水は、反応熱を回収して水蒸気83と
なり、運転温度である200〜350℃近くまで昇温さ
れる。冷却管82内のこの水蒸気83は、流動床反応器
2の外部に排出され、原料ガス21や未反応ガス22の
圧縮動力や精留装置6の熱源などとして利用され、冷却
される。そして、冷却されて凝縮した水は、再び冷却水
として流動床反応器2の内部の冷却管82に戻される。
【0118】なお、この流動床反応器2内の未反応ガス
や生成物、超臨界ヘキサンなどが、排出流30として流
動床反応器2の上方から外部に排出される点や、それに
続く分離プロセスなどは、第1の実施の形態と全く同様
である。そして、気液液分離器4で相分離した未反応ガ
ス22、液体ヘキサン20、メタノール/水混合液24
は、第1の実施の形態と同様に扱われ、最終的に製品メ
タノールが得られる。
【0119】[5−3.効果]本実施の形態のメタノー
ル合成プラントでは、前述した第1の実施の形態と同様
の効果が得られることに加えて、さらに、流動床反応器
2に冷却器81を設けたことにより、次のような効果が
得られる。
【0120】すなわち、メタノールのパーパス収率を上
げ、かつパーパス生産量を上げるために、流動床反応器
2を大きくし、あるいは、合成ガス流量を大きくする
と、超臨界ヘキサン20bだけでは反応熱を除去しきれ
ず、流動床反応器2内の温度ムラが大きくなる可能性が
ある。特に、合成用ガス23が流動床反応器2の下部よ
り上部に向かって微粒触媒10と接触しながら移動して
メタノール合成が進むために、流動床反応器2の上部に
行くほど微粒触媒10や合成用ガス23、超臨界ヘキサ
ン20bの温度が高くなりやすい。これに対して、本実
施の形態のプラントでは、流動床反応器2に冷却器81
を設けており、流動床反応器2内に縦配置した複数本の
冷却管82中に上部から下部に向かって冷却水を流すこ
とにより、反応熱を効率よく回収することができる。そ
の結果、流動床反応器2内を均一に近い温度に維持で
き、触媒が局所的に高温になることを防止できるため、
触媒の劣化を抑制できる。かつ、上記のメタノール合成
反応に最も適した温度で反応させることができるため、
流動床反応器2を大型化しながら冷却器を設けない場合
に比べてパーパス収率を向上することができる。
【0121】[6.第6の実施の形態] [6−1.構成]次に、本発明に係る含酸素炭化水素合
成プラントの第6の実施の形態として、メタノール合成
プラントの一つの実施の形態を、図6に基づき説明す
る。ここで、図6は、プラント全体を示す概略図であ
る。
【0122】図6に示すメタノール合成プラントは、基
本的に前述した第3の実施の形態とほぼ同様の構成を有
しており、構成の一部を変更したものであるため、同一
部分には同じ符号を付し、異なる箇所のみ説明を加え
る。この図6に示すメタノール合成プラントは、スラリ
ー床反応器51中の含酸素炭化水素生成反応における反
応熱を除去するための冷却器81を設けたものである。
この冷却器81は、前述した第5の実施の形態と同様の
構成を有している。
【0123】[6−2.動作原理・作用]以上のような
本実施の形態のメタノール合成プラントにおける動作原
理および作用は、基本的に第3の実施の形態と同様であ
るが、このプラントにおいては、特に、スラリー床反応
器51に冷却器81を設けたことにより、次のような作
用が得られる。
【0124】まず、前述したように、スラリー床反応器
51は、通常、圧力:5〜20MPa、温度:200〜
350℃で運転される。スラリー床反応器51の下部で
は、合成用ガス23が触媒縣濁液61中を均一にバブリ
ングするようになっており、触媒縣濁液61の中を合成
用ガス23の気泡62が微粒触媒10と接触しながら上
昇する間にメタノールの合成反応が生じる。
【0125】この場合、微粒触媒10は、メタノールの
合成反応による反応熱で加熱されるが、運転温度の20
0〜350℃以上にならないように、スラリー床合成用
溶媒60を介して、あるいは、冷却管82と直接接触し
て除熱される。その結果、冷却管82内の冷却水は、反
応熱を回収して水蒸気83となり、運転温度である20
0〜350℃近くまで昇温される。冷却管82内のこの
水蒸気83は、スラリー床反応器51の外部に排出さ
れ、原料ガス21や未反応ガス22の圧縮動力や精留装
置6の熱源などとして利用され、冷却される。そして、
冷却されて凝縮した水は、再び冷却水としてスラリー床
反応器51の内部の冷却管82に戻される。
【0126】なお、このスラリー床合成器51内の、生
成物、スラリー床合成用溶媒60の蒸気や未反応ガスを
主成分とする触媒縣濁液61中の気泡62が、排出流3
0としてスラリー床反応器51の上方から外部に排出さ
れる点や、スラリー床反応器51より生成物が溶解した
触媒縣濁液61の一部を排出流34として抜き取る点、
およびそれに続く分離プロセスなどは、第3の実施の形
態と全く同様である。そして、気液分離器5,53と液
液分離器54で相分離した未反応ガス22、スラリー床
合成用溶媒60、メタノール/水混合液24は、第3の
実施の形態と同様に扱われ、最終的に製品メタノールが
得られる。
【0127】[6−3.効果]本実施の形態のメタノー
ル合成プラントでは、前述した第3の実施の形態と同様
の効果が得られることに加えて、さらに、スラリー床反
応器51に冷却器81を設けたことにより、次のような
効果が得られる。
【0128】すなわち、メタノールのパーパス収率を上
げ、かつパーパス生産量を上げるために、スラリー床反
応器51を大きくし、あるいは、合成ガス流量を大きく
すると、スラリー床合成用溶媒60だけでは反応熱を除
去しきれず、スラリー床反応器51内の温度ムラが大き
くなる可能性がある。特に、合成用ガス23がスラリー
床反応器51の下部より上部に向かって微粒触媒10と
接触しながら移動してメタノール合成が進むために、ス
ラリー床反応器51の上部に行くほど触媒縣濁液61や
合成用ガス23の温度が高くなりやすい。これに対し
て、本実施の形態のプラントでは、スラリー床反応器5
1に冷却器81を設けており、スラリー床反応器51内
に縦配置した複数本の冷却管82中に上部から下部に向
かって冷却水を流すことにより、反応熱を効率よく回収
することができる。この結果、スラリー床反応器25内
を均一に近い温度に維持でき、触媒が局所的に高温にな
ることを防止できるため、触媒の劣化を抑制できる。か
つ、上記のメタノール合成反応に最も適した温度で反応
させることができるため、スラリー床反応器51を大型
化しながら冷却器を設けない場合に比べてパーパス収率
を向上することができる。
【0129】[7.第7の実施の形態] [7−1.構成]次に、本発明に係る含酸素炭化水素合
成プラントの第7の実施の形態として、メタノール合成
プラントの一つの実施の形態を、図7に基づき説明す
る。ここで、図7は、プラント全体を示す概略図であ
る。
【0130】図7に示すメタノール合成プラントは、基
本的に前述した第1の実施の形態とほぼ同様の構成を有
しており、構成の一部を変更したものであるため、同一
部分には同じ符号を付し、異なる箇所のみ説明を加え
る。この図7に示すメタノール合成プラントは、反応器
として、流動床反応器2に代えて噴流床反応器84を用
いると共に、反応溶媒として、ヘキサン/ペンタン混合
溶媒90を用いたものである。また、噴流床反応器84
内には、微粒触媒10が収容されており、この微粒触媒
10には、第1の実施の形態と同様に、銅−亜鉛系のメ
タノール合成触媒を微粒化したものが使用されている。
【0131】[7−2.動作原理・作用]次に、本実施
の形態のメタノール合成プラントにおける動作原理およ
び作用について、流体の流れに沿って説明する。まず、
水素、一酸化炭素、二酸化炭素を主成分とする原料ガス
21は、未反応ガス22と共にガス圧縮機1で反応圧力
まで加圧・混合されて合成用ガス23とされる。この合
成用ガス23は、熱交換機11で予熱された後、噴流床
反応器84に供給される。一方、反応溶媒である液体ヘ
キサン/ペンタン混合溶媒90は、熱交換器12で予熱
されて超臨界状態(超臨界ヘキサン/ペンタン混合溶媒
90b)となり、その中に微粒触媒10が高分散して触
媒縣濁溶媒91となる。この触媒縣濁溶媒91が、原料
ガス21と未反応ガス22からなる合成用ガス23と合
流して、噴流床反応器84にその下部から供給される。
【0132】この噴流床反応器84は、通常、圧力:5
〜20MPa、温度:200〜350℃で運転される。
前述したように、ヘキサンの臨界圧、臨界温度は、2.
97MPa、234.25℃であり、また、ペンタンの
臨界圧、臨界温度は、3.37MPa、196.5℃で
あるため、ヘキサン/ペンタン混合溶媒の流量などを調
整することで容易に液体ヘキサン/ペンタン混合溶媒9
0を超臨界状態(超臨界ヘキサン/ペンタン混合溶媒9
0b)とすることができる。この場合に、臨界圧、臨界
温度等の超臨界流体としての物性は、超臨界ヘキサンと
超臨界ペンタンの間になり、ヘキサンとペンタンの混合
比によって決まる。そして、このような超臨界ヘキサン
/ペンタン混合溶媒90b中に微粒触媒10を高分散さ
せた触媒縣濁溶媒91と共に噴流床反応器84に送られ
た合成用ガス23が、噴流床反応器84下部で触媒縣濁
溶媒91と自由に混合し、微粒触媒10と接触しながら
触媒縣濁溶媒91と共に噴流床反応器84中を通過する
ことにより、この通過中にメタノールの合成反応が生じ
る。
【0133】また、この噴流床反応器84内で反応せず
残った未反応ガスや、反応で生成したメタノール、水な
どの生成物と、それらを含む触媒縣濁溶媒91(超臨界
ヘキサン/ペンタン混合溶媒90b+微粒触媒10)な
どは、排出流30として噴流床反応器84の上方から外
部に排出される。この排出流30は、ほとんど圧力を保
持したまま、触媒捕集器3、2つの熱交換器11,1
2、および冷却器14を通って、気液液分離器4に送ら
れる。その途中、排出流30中の触媒縣濁溶媒91を構
成する微粒触媒10は触媒捕集器3で捕集される。そし
て、捕集された微粒触媒10は、超臨界ヘキサン/ペン
タン混合溶媒90bと混合され、触媒縣濁溶媒91とし
て噴流床反応器84に戻される。
【0134】また、触媒捕集器3を出た排出流16は、
熱交換器11および熱交換器12において、合成用ガス
23および液体ヘキサン/ペンタン混合溶媒90とそれ
ぞれ熱交換して温度低下した後、さらに冷却器14で2
0℃程度まで冷却される。この結果、排出流30中のメ
タノール、水、超臨界ヘキサン/ペンタン混合溶媒は凝
縮し、気液液分離器4において、上方から、未反応ガス
相22a、液体ヘキサン/ペンタン混合溶媒相90a、
メタノール/水混合液相24aの3相に相分離する。
【0135】この場合、気液液分離器4で相分離した液
体ヘキサン/ペンタン混合溶媒90は、ポンプ16で抜
き取られ、熱交換器12で予熱されて超臨界状態の超臨
界ヘキサン/ペンタン混合溶媒90bとなる。この超臨
界ヘキサン/ペンタン混合溶媒90bは、触媒捕集器3
で捕集された微粒触媒10と混合され、触媒縣濁溶媒9
1として噴流床反応器84に送られる。また、気液液分
離器4で相分離した未反応ガス22は、熱交換器13お
よび冷却器15でさらに冷却され、その結果、残存して
いたヘキサン、ペンタン、メタノール、水などの蒸気が
凝縮して気液分離器5で除去された後、熱交換器13を
通って予熱され、ガス圧縮機1に戻る。この気液分離器
5で気液分離された液体ヘキサン、液体ペンタン、液体
メタノール、水は、気液液分離器4に戻されるか、ある
いは、そのまま適当な圧力まで減圧された後、精留装置
6に送られる。一方、気液液分離器4の底部に相分離し
たメタノール/水混合液相24aから抜き取られたメタ
ノール/水混合液24は、適当な圧力まで減圧された
後、精留装置6に送られ、最終的に製品メタノールが得
られる。
【0136】なお、本実施の形態では、上記のように反
応溶媒にヘキサン/ペンタン混合溶媒を用いることによ
り、パーパス収率を向上させると共に排出流30の相分
離を容易にしている。この点について以下に説明する。
【0137】まず、溶媒としてヘキサンを用いた場合に
は、液体ヘキサンとメタノール/水混合液が、40℃程
度以下の温度において相分離し、界面を有するため、排
出流30を、未反応ガス流31(未反応ガス)、溶媒流
32(液体ヘキサン)、生成物流33(メタノール/水
混合液)に容易に分離することができる。しかし、ヘキ
サンは、ペンタンに比べてメタノールとの親和性が弱
く、触媒表面に生成したメタノールの抽出力が弱くなる
ため、パーパス収率がペンタンの場合に比べて低くな
る。一方、パーパス収率を上げることができるペンタン
を溶媒として用いた場合には、液体ペンタンとメタノー
ル/水混合液の相分離がしずらい。このため、前述した
第2の実施の形態では、分離装置に水を供給することに
よってメタノール/水混合液相中のメタノール濃度を下
げて、液体ペンタン相中のメタノールをメタノール/水
混合液相中に抽出しており、メタノール/水混合液を精
留する時に水が多くなる分だけ効率が低下する。
【0138】これに対して、本実施の形態においては、
反応溶媒にヘキサン/ペンタン混合溶媒90を用いるこ
とにより、ヘキサンとペンタンのそれぞれの利点を得る
ことができ、パーパス収率を向上させながら、しかも、
排出流30を、未反応ガス流31(未反応ガス22)、
溶媒流32(液体ヘキサン/ペンタン混合溶媒90)、
生成物流33(メタノール/水混合液24)に容易に分
離することができる。ただし、各相には各相の主成分以
外の成分も若干量含まれており、メタノール/水混合液
18中には微量のペンタンが、また、液体ヘキサン/ペ
ンタン混合溶媒90中にはメタノールが混入している。
いずれにせよ、反応溶媒の液体ヘキサン/ペンタン混合
溶媒90の混合比を適度な割合にすることによって、パ
ーパス収率を向上させながら、エネルギー効率を落とす
ことなく精留して製品メタノールを得ることができる。
【0139】また、触媒性能が劣化してきた場合には、
触媒捕集器3で捕集された微粒触媒10を図示していな
い触媒再活性化装置に送り、水素等の還元ガス、あるい
は不活性ガスと還元ガスの混合ガス中で200〜300
℃に加熱することによって再活性化処理することができ
る。再活性化した微粒触媒10を超臨界ヘキサン/ペン
タン混合溶媒90bと混合して触媒縣濁溶媒91として
噴流床反応器39に戻すというような触媒の再生が容易
になる。あるいは、微粒触媒10を再活性化せずに新し
い微粒触媒10と交換することも可能である。
【0140】[7−3.効果]本実施の形態のメタノー
ル合成プラントでは、前述した第1、第2の実施の形態
とほぼ同様の効果が得られることに加えて、さらに、次
のような効果が得られる。すなわち、上述したように、
微粒触媒10は、超臨界ヘキサン/ペンタン混合溶媒9
0bと共に、触媒縣濁溶媒91として噴流床反応器84
の内外を循環する。この場合、合成用ガス23が微粒触
媒10と共に移動することになるため、合成用ガス23
と微粒触媒10の接触時間が長くなり、パーパス収率が
向上する。また、触媒捕集器3で捕集した微粒触媒10
の再活性化もしくは新触媒の導入を行うことにより、プ
ラントの連続運転が容易に可能となる。
【0141】[7−4.変形例]なお、以上のような第
7の実施の形態の変形例として、同様に噴流床反応器8
4を用いながら、反応溶媒として、第1の実施の形態と
同様にヘキサンを用いることも可能である。また、反応
溶媒として、第2の実施の形態と同様に反応溶媒をペン
タンとし、気液液分離器4にメタノールの抽出液として
別に水42を供給するように構成してもよい。すなわ
ち、第1、第2の実施の形態に係る各プラントにおい
て、流動床反応器2に代えて本実施の形態の噴流床反応
器84を使用する構成が可能である。逆に、第1、第2
の実施の形態に係る各プラントにおいて、反応溶媒とし
てヘキサン/ペンタン混合溶媒を用いることも可能であ
る。
【0142】また、上記のような微粒触媒10を再活性
化する手法もしくは新触媒を導入する手法は、前述した
第1〜第6の実施の形態にも同様に適用可能である。す
なわち、第1〜第6の実施の形態に係る各プラントにお
いても、触媒捕集器3あるいは触媒捕集器52で捕集し
た微粒触媒10の再活性化もしくは新触媒の導入を行う
ことができる。
【0143】[8.第8の実施の形態] [8−1.構成]次に、本発明に係る含酸素炭化水素合
成プラントの第8の実施の形態として、メタノール合成
プラントの一つの実施の形態を、図8に基づき説明す
る。ここで、図8は、プラント全体を示す概略図であ
る。
【0144】図8に示すメタノール合成プラントは、基
本的に前述した第2の実施の形態とほぼ同様の構成を有
しており、構成の一部を変更したものであるため、同一
部分には同じ符号を付し、異なる箇所のみ説明を加え
る。この図8に示すメタノール合成プラントは、気液液
分離器4にメタノールの抽出液として供給する水42
に、精留装置6でメタノール/水混合液24から分離さ
れた水を利用するものである。すなわち、このプラント
においては、精留装置6でメタノール/水混合液24か
らメタノールを精製する際に副精製物として生じる水
が、ポンプ41で気液液分離器4に送られるようになっ
ている。
【0145】[8−2.動作原理・作用]以上のような
本実施の形態のメタノール合成プラントにおける動作原
理および作用は、基本的に第2の実施の形態と同様であ
るが、このプラントにおいては、特に、メタノールの抽
出液として利用する水42を、プラント内部から供給で
きる。そして、このように、プラント内部から供給した
水により、プラントの外部から水を供給した場合と同様
に、液体ペンタン40とメタノール/水混合液24を容
易に相分離させることができ、その結果、流動床反応器
2からの排出流30を、未反応ガス流31(未反応ガス
22)、溶媒流32(液体ペンタン40)、および生成
物流33(メタノール/水混合液24)に容易に分離で
きる。
【0146】[8−3.効果]本実施の形態のメタノー
ル合成プラントでは、前述した第2の実施の形態と同様
の効果が得られることに加えて、さらに、気液液分離器
4に供給する水42に、精留装置6で生じた水を利用す
ることにより、次のような効果が得られる。
【0147】すなわち、上述の水42をプラントの外部
から供給した場合、特に、大型プラントではその水のコ
ストを無視できない。水資源が貴重な地域でプラントを
使用する場合にはなおさらこの問題が重要になってく
る。これに対して、本実施の形態では、気液液分離器4
から生成物流33(メタノール/水混合液24)を精留
装置6へ送ってメタノール、水、液体ペンタンの精留を
行う際に、この精留装置6から排出される水の一部をメ
タノールの抽出液である水42として再利用することに
よって上記の問題を解決している。
【0148】なお、溶媒としてペンタンを用いた本実施
の形態においては、第2の実施の形態と同様に、メタノ
ール/水混合液相24aに水を加える分だけ、メタノー
ル/水混合液24中のメタノール濃度が小さくなり、メ
タノールと水の精留工程に必要なエネルギ−は、ヘキサ
ンを用いた場合に比べて増加する。しかし、本実施の形
態で、抽出液である水42として再利用する分について
は、精留装置で水を精製する際に水の純度を上げる必要
はないため、それによってメタノールと水の精留工程に
必要なエネルギ−が大きく増加することはない。
【0149】[9.第9の実施の形態] [9−1.構成]次に、本発明に係る含酸素炭化水素合
成プラントの第9の実施の形態として、メタノール合成
プラントの一つの実施の形態を、図9に基づき説明す
る。ここで、図9は、プラント全体を示す概略図であ
る。
【0150】図9に示すメタノール合成プラントは、基
本的に前述した第4の実施の形態とほぼ同様の構成を有
しており、構成の一部を変更したものであるため、同一
部分には同じ符号を付し、異なる箇所のみ説明を加え
る。この図9に示すメタノール合成プラントは、スラリ
ー床反応器51中の含酸素炭化水素生成生成反応におけ
る反応熱を除去するために、スラリー床反応器51内の
触媒縣濁液71をスラリー床反応器51の外部に取り出
して冷却するようにしたものである。すなわち、触媒縣
濁液71を冷却する冷却器101と、触媒縣濁液71を
スラリー床反応器51の内外で循環させるスラリーポン
プ102とを設け、このスラリーポンプ102によって
触媒縣濁液71を外部に取り出して冷却器101で冷却
した後、再びスラリー床反応器51に戻すようにしたも
のである。
【0151】[9−2.動作原理・作用]以上のような
本実施の形態のメタノール合成プラントにおける動作原
理および作用は、基本的に第4の実施の形態と同様であ
るが、このプラントにおいては、特に、スラリー床反応
器51に冷却器101を設けたことにより、次のような
作用が得られる。
【0152】まず、前述したように、スラリー床反応器
51は、通常、圧力:5〜20MPa、温度:200〜
350℃で運転される。スラリー床反応器51の下部で
は、合成用ガス23が触媒縣濁液71中を均一にバブリ
ングするようになっており、触媒縣濁液71の中を合成
用ガス23の気泡72が微粒触媒10と接触しながら上
昇する間にメタノールの合成反応が生じる。このため、
触媒縣濁液71の温度は上に行くほど高くなる。
【0153】本実施の形態では、反応熱で温度が上がっ
た触媒縣濁液71を、スラリー床反応器51中の上部
で、触媒縣濁液71の液面より下から取り出し、冷却器
101で冷却した後、スラリー床反応器51下部から反
応器内に戻す。そして、スラリー床反応器51内の温度
が、運転温度の200〜350℃を越えないように、冷
却器101での除熱量を調整する。この場合、冷却器1
01では、触媒縣濁液71と熱交換することによって水
蒸気が生成されるが、この水蒸気は、原料ガス21や未
反応ガス22の圧縮動力や精留装置6の熱源などとして
利用される。
【0154】なお、このスラリー床合成器51内の、生
成物、スラリー床合成用溶媒70の蒸気や未反応ガスを
主成分とする触媒縣濁液71中の気泡72が、排出流3
0としてスラリー床反応器51の上方から外部に排出さ
れる点や、スラリー床反応器51より生成物が溶解した
触媒縣濁液71の一部を排出流34として抜き取る点、
およびそれに続く分離プロセスなどは、第4の実施の形
態と全く同様である。そして、気液分離器5,53と液
液分離器54で相分離した未反応ガス22、スラリー床
合成用溶媒70、メタノール/水混合液24は、第4の
実施の形態と同様に扱われ、最終的に製品メタノールが
得られる。
【0155】[9−3.効果]本実施の形態のメタノー
ル合成プラントでは、前述した第4の実施の形態と同様
の効果が得られることに加えて、さらに、スラリー床反
応器51に冷却器101を設けたことにより、次のよう
な効果が得られる。
【0156】すなわち、メタノールのパーパス収率を上
げ、かつパーパス生産量を上げるために、スラリー床反
応器51を大きくし、あるいは、合成ガス流量を大きく
すると、スラリー床合成用溶媒70だけでは反応熱を除
去しきれず、スラリー床反応器51内の温度ムラが大き
くなる可能性がある。特に、合成用ガス23がスラリー
床反応器51の下部より上部に向かって微粒触媒10と
接触しながら移動してメタノール合成が進むために、ス
ラリー床反応器51の上部に行くほど触媒縣濁液71や
合成用ガス23の温度が高くなりやすい。これに対し
て、本実施の形態では、スラリー床反応器51の上部か
ら触媒縣濁液71を抜き出して冷却し、スラリー床反応
器51の下部に戻すことによって、スラリー床反応器5
1内を均一に近い温度に維持できるとともに、温度制御
も容易である。この結果、上記のメタノール合成反応に
最も適した温度で反応させることができるため、スラリ
ー床反応器51を大型化しながら同様の冷却器を設けな
い場合に比べてパーパス収率を向上することができる。
【0157】なお、第6の実施の形態のような冷却器8
1をスラリー床反応器51に設けた場合にも、本実施の
形態と同様の効果が得られが、冷却器101をスラリー
床反応器51外部に設けている本実施の形態では、冷却
器81をスラリー床反応器51に組み込んだ第6の実施
の形態よりもスラリー床反応器51の構成を単純にする
ことができる。このことは、メタノール合成プラントを
大型化した場合にコストダウンにつながり、かつ、同じ
メタノール生産量であればコンパクトな反応器にするこ
とが可能である。また、本実施の形態の冷却方法によれ
ば、スラリー床反応器51中の触媒縣濁液71の撹拌効
果も得られるため、スラリー床合成用溶媒70中に触媒
が均一に分散され、反応に対して触媒を有効に作用させ
ることができる。
【0158】[10.第10の実施の形態] [10−1.構成]次に、本発明に係る含酸素炭化水素
合成プラントの第10の実施の形態として、メタノール
合成プラントの一つの実施の形態を、図10に基づき説
明する。ここで、図10は、プラント全体を示す概略図
である。
【0159】図10に示すメタノール合成プラントは、
基本的に前述した第8の実施の形態とほぼ同様の構成を
有しており、構成の一部を変更したものであるため、同
一部分には同じ符号を付し、異なる箇所のみ説明を加え
る。この図10に示すメタノール合成プラントは、精留
装置6より排出された水を過冷却器111で冷却した
後、気液液分離器4内の上部に設けた噴霧器112でス
プレーするようにしたものである。また、この噴霧器1
12は、排出流供給部113の近傍に配置されている。
【0160】[10−2.動作原理・作用]以上のよう
な本実施の形態のメタノール合成プラントにおける動作
原理および作用は、基本的に第8の実施の形態と同様で
あるが、このプラントにおいては、特に、精留装置6よ
り排出された水を過冷却器111で冷却した後、メタノ
ールの抽出液である水42として、気液液分離器4内の
上部に設けた噴霧器112でスプレーすることにより、
この水42を、反応で生成したメタノール、水などの生
成物、超臨界ペンタンなどの排出流30と直接接触させ
ることができる。以下には、この作用について説明す
る。
【0161】まず、流動床反応器2からの排出流30
は、触媒捕集器3で微粒触媒10を捕集された後、熱交
換器11および熱交換器12において合成用ガス23、
液体ペンタン40とそれぞれ熱交換して温度低下した
後、気液液分離器4に供給される。また、精留装置6よ
り排出された水は、過冷却器111で10℃以下まで冷
やされた後、メタノールの抽出液である水42として、
気液液分離器4の上部よりこの分離器に供給される。そ
して、気液液分離器4の内部において、その上部に設け
られた噴霧器112により水42が噴霧状に噴射され、
噴霧器112の近傍に配置された排出流供給部113か
ら供給される排出流30と直接接触する。この結果、排
出流30は、20℃程度まで冷却されて、メタノール、
水、超臨界ペンタンが凝縮して未反応ガス相22a、液
体ペンタン相40a、メタノール/水混合液相24aの
3相に相分離し、同時に排出流30中のメタノールが水
42中に溶解する。あるいはまた、排出流30と水42
を気液液分離器4に入る前に混合し、排出流30を冷却
しながら気液液分離器4に供給するように構成してもよ
い。
【0162】なお、以上のように分離された未反応ガス
22、液体ペンタン40、メタノール/水混合液相24
は、精留装置6から排出された水を過冷却器111で冷
却することを除けば、前述した第8の実施の形態と同様
に扱われ、最終的に製品メタノールが得られる。ただ
し、精留装置6から排出された液体ペンタンは、ポンプ
114で加圧してから気液液分離器4から抜き取られた
液体ペンタン40と合流して熱交換器114で予熱され
て超臨界状態となり、流動床反応器2に戻される。
【0163】[10−3.効果]本実施の形態のメタノ
ール合成プラントでは、前述した第2、第8の実施の形
態と同様の効果が得られる。すなわち、メタノールの抽
出液として新たに水42を気液液分離器4に供給するこ
とによる効果は、第2の実施の形態と同様であり、ま
た、その水42に精留装置6から排出される水の一部を
使うことによる効果は第8の実施の形態と同様である。
【0164】これらの効果に加えて、本実施の形態で
は、さらに、気液液分離器4に供給する水42を過冷却
器111で冷却し、気液液分離器4内の噴霧器112で
スプレーして、排出流30と直接接触させることによ
り、次のような効果が得られる。まず、第2、第8の実
施の形態では、排出流30と水42は、気液液分離器4
中で相分離した液体ペンタン40とメタノール/水混合
液24との界面でしか接触していない。これに対して、
本実施の形態では、供給口113から供給される排出流
30に対して冷却された水42を噴霧状に噴射すること
により、水42と排出流30の接触度を高めている。こ
の結果、水42と排出流30の接触面積が広くなり、排
出流30の冷却効率が向上するだけでなく、液体ペンタ
ン40中に溶解しているメタノールの抽出速度が速くな
り、液体ペンタン相とメタノール/水混合液相にそれぞ
れにメタノールが分配され、平衡に達するのが速くな
る。本実施の形態を採用することによって、メタノール
合成プラントのメタノール生成速度を速くした場合で
も、確実に液体ペンタン40とメタノール/水混合液2
4を分離することができる。また、本実施の形態では、
上記のように、気液液分離器4内で排出流30を十分に
冷却可能であるため、第8の実施の形態において排出流
30の供給ライン上に配置されていた冷却器14が不要
となっている。
【0165】[11.第11の実施の形態] [11−1.構成]次に、本発明に係る含酸素炭化水素
合成プラントの第11の実施の形態として、メタノール
合成プラントの一つの実施の形態を、図11に基づき説
明する。ここで、図11は、プラント全体を示す概略図
である。
【0166】図11に示すメタノール合成プラントは、
基本的に前述した第1の実施の形態とほぼ同様の構成を
有しており、構成の一部を変更したものであるため、同
一部分には同じ符号を付し、異なる箇所のみ説明を加え
る。この図11に示すメタノール合成プラントは、未反
応ガスと反応で生成したメタノール、水などの生成物、
超臨界ヘキサンなどの排出流30を気液液分離器4に供
給する際に、その排出流供給部121を、気液液分離器
4中で3相(上方から、未反応ガス相22a、液体ヘキ
サン相20a、メタノール/水混合液相24a)に相分
離したメタノール/水混合液相24a中に配置し、この
メタノール/水混合液相24a中で排出流30をバブリ
ングさせるようにしたものである。
【0167】[11−2.動作原理・作用]以上のよう
な本実施の形態のメタノール合成プラントにおける動作
原理および作用は、基本的に第1の実施の形態と同様で
あるが、このプラントにおいては、特に、次のような作
用が得られる。まず、流動床反応器2からの排出流30
は、触媒捕集器3で微粒触媒10を捕集された後、熱交
換器11および熱交換器12において合成用ガス23、
液体ヘキサン20とそれぞれ熱交換して温度低下した
後、さらに冷却器14で20℃程度まで冷却され、気液
液分離器4に供給される。この結果、排出流30中のメ
タノール、水、超臨界ヘキサンは凝縮し、気液液分離器
4において、上方から、未反応ガス相22a、液体ヘキ
サン相20a、メタノール/水混合液相24aの3相に
相分離する。この場合、排出流30は、気液液分離器4
内のメタノール/水混合液相24a中に配置された排出
流供給部121から供給され、上方に向かってバブリン
グする。
【0168】このバブリングにより、排出流30とメタ
ノール/水混合液相24aを十分に接触させて、排出流
30中のメタノールをメタノール/水混合液相24aに
溶解させることができる。また、メタノール/水混合液
相24aに溶解しない液体ヘキサン20と未反応ガス2
2は、他の上相に分離される。バブリングの起点となる
供給部121の位置は、メタノール/水混合液相24a
と液体ヘキサン相20aの界面より下で、メタノール/
水混合液24を抜き取る分離器の底から離れた位置にす
る。そうすることによって、メタノール/水混合液相2
4aの下部では必要以上にバブリングによる撹拌が起こ
らず、抜き取るメタノール/水混合液24中にヘキサン
や未反応ガスが混入することを防止できる。なお、気液
液分離器4で相分離した未反応ガス22、液体ヘキサン
20、メタノール/水混合液24は、第1の実施の形態
と同様に扱われ、最終的に製品メタノールが得られる。
【0169】[11−3.効果]本実施の形態のメタノ
ール合成プラントでは、前述した第1の実施の形態と同
様の効果が得られることに加えて、さらに、次のような
効果が得られる。すなわち、排出流30を気液液分離器
4に供給する際に、気液液分離器4中に3相に相分離し
ているメタノール/水混合液相24a中を起点として排
出流30をバブリングさせることにより、メタノール/
水混合液24と排出流30の接触度を高めている。この
結果、メタノール/水混合液24と排出流30の接触面
積が広くなり、排出流30中のメタノールや水の、メタ
ノール/水混合液相24a中への溶解速度が速くなり、
気液液分離器4の上部より排出流30を導入して自然拡
散で未反応ガス22、液体ヘキサン20、メタノール/
水混合液24に分離する場合に比べて分離速度が向上す
る。したがって、メタノール合成プラントのメタノール
生成速度を速くした場合でも、確実に液体ヘキサン20
とメタノール/水混合液24を分離することができる。
【0170】[12.第12の実施の形態] [12−1.構成]次に、本発明に係る含酸素炭化水素
合成プラントの第12の実施の形態として、メタノール
合成プラントの一つの実施の形態を、図12に基づき説
明する。ここで、図12は、プラント全体を示す概略図
である。
【0171】図12に示すメタノール合成プラントは、
基本的に前述した第1の実施の形態とほぼ同様の構成を
有しており、構成の一部を変更したものであるため、同
一部分には同じ符号を付し、異なる箇所のみ説明を加え
る。この図12に示すメタノール合成プラントは、気液
液分離器4で相分離した液体ヘキサン20を、ヘキサン
精留用の精留装置131で精留すると共に、メタノール
精留用の精留装置6から排出された液体ヘキサン20に
ついても、溶媒として流動床反応器2に送るようにした
ものである。
【0172】[12−2.動作原理・作用]以上のよう
な本実施の形態のメタノール合成プラントにおける動作
原理および作用は、基本的に第1の実施の形態と同様で
あるが、このプラントにおいては、特に、気液液分離器
4で相分離した液体ヘキサン20が、ポンプ16で抜き
取られ、ヘキサン精留用の精留装置131で精留された
後、メタノール精留用の精留装置6から排出された液体
ヘキサン20と合流する。合流した液体ヘキサン20
は、熱交換器12で予熱されて超臨界ヘキサン20bと
された後、流動床反応器2に送られ、次の反応に利用さ
れる。
【0173】[12−3.効果]本実施の形態のメタノ
ール合成プラントでは、前述した第1の実施の形態と同
様の効果が得られることに加えて、さらに、次のような
効果が得られる。まず、第1の実施の形態について記載
したように、液体ヘキサンとメタノール/水混合液は、
40℃程度以下の温度において相分離し、界面を有す
る。したがって、排出流30を、未反応ガス流31(未
反応ガス22)、溶媒流32(液体ヘキサン20)、生
成物流(メタノール/水混合液24)に容易に分離する
ことができる。ただし、各相には各相の主成分以外の成
分も若干量含まれており、液体ヘキサン20中には、微
量のメタノールが溶解している。あるいは、その溶解し
たメタノールのためにさらに微量の水が混入している。
そのため、このような混入物を含む液体ヘキサンを超臨
界状態にして流動床反応器2に送ることになるが、その
超臨界ヘキサン20b中に含まれているメタノールや水
の濃度(分圧)が高くなると、メタノール合成反応の妨
げとなり、パーパス収率が低下してしまう。
【0174】これに対して、本実施の形態では、気液液
分離器4で相分離した液体ヘキサン20を精留装置13
1で精留することで、この液体ヘキサン20に溶解して
いるメタノール等の濃度を下げてから、超臨界ヘキサン
20bとして流動床反応器2に供給することができる。
この結果、精留装置131を用いないで液体ヘキサン2
0を再利用する含酸素炭化水素合成プラントよりもパー
パス収率が向上する。また、精留装置6から排出された
液体ヘキサンを流動床反応器2に戻すことによって反応
溶媒であるヘキサンを完全にリサイクルでき、ヘキサン
を新たに供給する必要がなくなる。この結果、製品メタ
ノール単価を下げることができる。
【0175】[13.第13の実施の形態] [13−1.構成]次に、本発明に係る含酸素炭化水素
合成プラントの第13の実施の形態として、メタノール
合成プラントの一つの実施の形態を、図13に基づき説
明する。ここで、図13は、プラント全体を示す概略図
である。
【0176】図13に示すメタノール合成プラントは、
基本的に前述した第1の実施の形態とほぼ同様の構成を
有しており、構成の一部を変更したものであるため、同
一部分には同じ符号を付し、異なる箇所のみ説明を加え
る。この図13に示すメタノール合成プラントは、第1
の実施の形態において未反応ガスとの反応で生成したメ
タノール、水などの生成物、ヘキサンなどの排出流30
を適当な圧力まで減圧してから、精留装置141に直接
送って、未反応ガス、メタノール、水、ヘキサンに分離
し、ヘキサンと未反応ガスを再び流動床反応器2に戻す
ようにしたものである。
【0177】[13−2.動作原理・作用]以上のよう
な本実施の形態のメタノール合成プラントにおける動作
原理および作用は、基本的に第1の実施の形態と同様で
あるが、このプラントにおいては、特に、次のような作
用が得られる。まず、流動床反応器2からの排出流30
は、触媒捕集器3で微粒触媒10を捕集された後、熱交
換器11および熱交換器12において合成用ガス23、
液体ヘキサン20とそれぞれ熱交換して温度低下した
後、さらに冷却器14で20℃程度まで冷却され、精留
装置141の運転圧力まで減圧した後、精留装置141
に送られる。この途中で、排出流30とともに搬出され
た微粒触媒10が、触媒捕集器3で捕集され、流動床反
応器2に戻される点は、第1の実施の形態と同様であ
る。そして、以上のような、2つの熱交換器11,12
および冷却器14による冷却の結果、排出流30中のメ
タノール、水、超臨界ヘキサンは凝縮されて混合液体と
なり、この混合液体が、精留装置141で精留される。
この場合、精留装置141の運転条件は、作動圧力:
0.1MPa以上、好ましくは、0.3MPa以上1.
5MPa以下であり、また、作動温度:50℃〜200
℃、である。
【0178】さらに、精留装置141で精留された液体
ヘキサン20は、ポンプ16で加圧され、熱交換器12
で予熱されて超臨界状態(超臨界ヘキサン20b)とさ
れてから、流動床反応器2に送られる。また、未反応ガ
ス22は、ガス圧縮機1に戻される。
【0179】なお、精留装置141は、上述したよう
に、圧力:0.1MPa以上、好ましくは0.3MPa
以上1.5MPa以下、作動温度:50℃〜200℃の
条件で、ヘキサンとメタノール、水に最も効率良く精留
することができる。常圧では、ヘキサンとメタノールの
沸点が近いため(ヘキサン68.8℃、メタノール6
4.7℃)、効率よく分離するのが困難であり、全圧が
0.3MPa以上1.5MPa以下でヘキサンとメタノ
ールの沸点に差が開き(全圧がおよそ0.5MPaの場
合、ヘキサン130℃、メタノール110℃)、120
℃程度を境にして効率よく精留することが可能である。
多少圧力を上げてヘキサンとメタノールの沸点差を大き
くとる場合もある。一方、3MPa以上にすると各成分
の沸点が高くなりすぎて効率が下がり、また、メタノー
ルと水の沸点が近づいてしまい、分離するのが困難にな
る。ただし、メタノール、水、ヘキサンの精製は、本実
施の形態で述べた蒸溜を使った精製法に限らず、精留以
外にも、膜分離法、化学的および物理的吸収法、吸着法
など、別の精製法を用いることもできる。
【0180】[13−3.効果]本実施の形態のメタノ
ール合成プラントでは、第1〜第12の実施の形態とは
異なり、未反応ガスと、反応で生成したメタノール、水
などの生成物と、ヘキサンなどの排出流30を分離器を
使うことなく精留装置141に直接送って未反応ガス、
メタノール、水、ヘキサンに精留している。このため、
本実施の形態のメタノール合成プラントは、コンパクト
化が可能で、設置場所が狭くても設置可能であり、か
つ、分離装置とその周辺機器が不要な分、低コスト化す
ることができる。その一方で、メタノールと水だけでな
く、熱容量の大きい液体ヘキサンを大量に精留しなけれ
ばならないため、従来のメタノール合成プラントのよう
にメタノールと水と未反応ガスに分離する場合よりも、
エネルギー効率が悪くなる。そのため、本実施の形態の
メタノール合成プラントは、火力発電所等に適用する場
合、すなわち、メタノール合成プラント以外のプラント
の廃熱が大量に有り、その利用が可能な場合に特に有効
である。
【0181】[14.第14の実施の形態] [14−1.構成]次に、本発明に係る含酸素炭化水素
合成プラントの第14の実施の形態として、メタノール
合成プラントの一つの実施の形態を、図14に基づき説
明する。ここで、図14は、プラント全体を示す概略図
である。
【0182】図14に示すメタノール合成プラントは、
基本的に前述した第2の実施の形態とほぼ同様の構成を
有しており、構成の一部を変更したものであるため、同
一部分には同じ符号を付し、異なる箇所のみ説明を加え
る。この図14に示すメタノール合成プラントは、第2
の実施の形態において、反応溶媒としてヘキサン/テト
ラエチレングリコールジメチルエーテル混合溶媒150
を用いたものである。テトラエチレングリコールジメチ
ルエーテルは反応器で生成したメタノールを溶解する液
体溶媒、ヘキサンは反応器の条件において超臨界状態と
なる溶媒である。以下では、テトラエチレングリコール
ジメチルエーテルをTEGDMEと略す。
【0183】[14−2.動作原理・作用]次に、本実
施の形態のメタノール合成プラントにおける動作原理お
よび作用について、流体の流れに沿って説明する。な
お、このプラントの動作原理および作用は、前述した第
2の実施の形態と同様の部分が多いため、ここでは、主
として、異なる動作原理および作用の詳細について説明
する。
【0184】まず、このプラントにおいて、ヘキサン/
TEGDME混合溶媒150は、熱交換器12で250
℃程度まで予熱された後、流動床反応器2にその下部か
ら供給されて、原料ガス21と未反応ガス22からなる
合成用ガス23と合流する。反応溶媒の一つであるヘキ
サンの臨界温度は234.25℃であり、熱交換器12
で予熱されて容易に超臨界状態になるが、TEGDME
の臨界温度は遥かに高く、ほとんどが液体のままである
(この温度では、蒸気圧は0.1MPa以下である)。
流動床反応器2においては、収容された微粒触媒10が
超臨界ヘキサンと液体TEGDME中に分散し、流動床
を形成する。超臨界ヘキサン/液体TEGDME混合溶
媒150bと共に流動床内に供給される合成用ガス23
が、超臨界ヘキサンと自由に混合し、微粒触媒10と接
触しながら流動床中を通過することにより、メタノール
の合成反応が生じる。
【0185】また、この流動床反応器2内で反応せずに
残った未反応ガスや、反応で生成したメタノール、水な
どの生成物、超臨界ヘキサン、液体TEGDMEなど
は、排出流30として流動床反応器2の上方から外部に
排出される。この排出流30は、触媒捕集器3、2つの
熱交換器11,12、および冷却器14を通って、気液
液分離器4に送られる。その途中、排出流30と共に搬
出された微粒触媒10は、触媒捕集器3で捕集され、流
動床反応器2に戻される。
【0186】また、触媒捕集器3を出た排出流30は、
熱交換器11および熱交換器12において、合成用ガス
23および液体ヘキサン/TEGDME混合溶媒150
とそれぞれ熱交換して温度低下した後、さらに冷却器1
4で20℃程度まで冷却される。この結果、排出流30
中のメタノール、水、超臨界ヘキサンは凝縮し、気液液
分離器4において、上方から、未反応ガス相22a、液
体ヘキサン/TEGDME相150a、メタノール/水
混合液相24aに相分離する。
【0187】気液液分離器4で相分離した液体ヘキサン
/TEGDME混合溶媒150は、ポンプ16で抜き取
られ、熱交換器12で予熱された後、流動床反応器2に
送られる。また、気液液分離器4で相分離した未反応ガ
ス22は、熱交換器13および冷却器15でさらに冷却
され、その結果、残存していたヘキサン、TEGDM
E、メタノール、水などが凝縮して気液分離器5で除去
された後、熱交換器13を通ってガス圧縮機1に戻る。
この気液分離器5で気液分離された液体ヘキサン、液体
TEGDME、液体メタノール、水は、気液液分離器4
に戻されるか、あるいは、そのまま適当な圧力まで減圧
された後、精留装置6に送られる。一方、気液液分離器
4の底部に相分離したメタノール/水混合液相24aか
ら抜き取られたメタノール/水混合液24は、適当な圧
力まで減圧された後、図示されていない精留装置6に送
られる。精留装置6では、メタノール/水混合液24か
らの精留により、最終的に製品メタノールが得られる。
【0188】なお、気液液分離器4から抜き取った液体
ヘキサン/TEGDME混合溶媒150を、図示してい
ない別の精留装置に供給し、溶解したメタノールをさら
に除去すれば、より高純度の溶媒精製が可能である。特
に、液体TEGDMEは、大量のメタノールを溶解する
が、その分、溶解したメタノールを分離することが難し
く、TEGDMEの精留装置を設けるのが得策である。
【0189】[14−3.効果]本実施の形態のメタノ
ール合成プラントでは、上記のように、溶媒である液体
ヘキサン/TEGDMEから、メタノール/水混合液2
4を容易に分離することができるため、溶媒を精製する
エネルギーが不要(あるいは低減される)ので、効率を
向上できる。
【0190】また、一般に、超臨界流体は気相に比べて
高い熱伝導率と熱容量を有し、熱拡散効果が大きいが、
本実施の形態では、流動床反応器2において合成用ガス
23と超臨界ヘキサンの混合流体中に微粒触媒10が分
散して流動床が形成されている。したがって、流動床反
応器2の微粒触媒10表面で合成反応により生じた熱は
超臨界ヘキサンによって速やかに除去され、触媒が局所
的に高温になることを防止できる。そしてまた、反応熱
による反応温度の上昇が小さいため、反応器内を均一に
近い温度に維持できると共に、温度制御も容易である。
この結果、パーパス収率を上げることができ、さらに、
超臨界流体中の気体の拡散係数が大きいことから、合成
用ガス23が触媒表面まで拡散移動し易いため、(みか
けの)反応速度を大きくすることができる。
【0191】一方、流動床反応器2内で生成したメタノ
ールは、反応条件下で液体TEGDMEに多量に溶解す
る。したがって、流動床中に液体TEGDMEが少量で
も共存すれば、触媒表面で生成したメタノールは、主に
TEGDMEに溶解するので、触媒表面のメタノール濃
度が低下し、反応が進行する。その結果、熱力学的制限
が緩和されるため、メタノール合成のパーパス収率が気
相反応における平衡値を大きく超えることも可能とな
る。
【0192】以上述べたように、反応溶媒として超臨界
ヘキサン/液体TEGDME混合溶媒150bを用いる
ことにより、両方の溶媒の利点を得ることができる。す
なわち、優れた熱拡散効果と物質拡散効果を有する超臨
界ヘキサン中でメタノール合成反応が生じるので、パー
パス収率を上げることができ、かつ、(みかけの)反応
速度を大きくすることができる。
【0193】また、生成したメタノールが液体TEGD
MEに溶解して熱力学的制限が緩和されるため、メタノ
ール合成のパーパス収率がさらに向上し、気相反応にお
ける平衡値を大きく超えることも可能となる。さらに、
超臨界流体は抽出性に優れるので、触媒の表面に付着し
た高級炭化水素や炭素などが脱離し易く、このため、触
媒の劣化を抑制することができる。
【0194】[14−4.変形例]なお、以上のような
第14の実施の形態の変形例として、反応溶媒にペンタ
ン/TEGDME混合溶媒やヘキサン/トリエチレング
リコールジメチルエーテルなどを用いても同様の効果を
得ることができる。また、第7の実施の形態のように噴
流床反応器を用いることも可能である。さらに、第3、
第4の実施の形態において、スラリー合成用溶媒60,
70として、TEGDMEやトリエチレングリコールジ
メチルエーテル等を使用し、合成用ガス23と共に超臨
界ヘキサンあるいは超臨界ペンタン等をバブリングする
ことも可能である。
【0195】[15.微粒触媒]上述したような第1〜
第14の実施の形態のメタノール合成プラントにおい
て、微粒触媒としては、例えば、その内部に、合成用ガ
スと、反応溶媒および反応によって生じたメタノールや
水等の生成物を拡散させる流路を持つ微粒触媒を用いる
こともできる。また、溶媒に超臨界流体を用いる場合に
は、原料ガスが接触する触媒表面に、各反応器の運転条
件において超臨界相流体が毛管凝縮しない大きさの多数
の空孔を持つ微粒触媒を用いることもできる。
【0196】ここでは、一例として、反応溶媒に超臨界
ヘキサンを用いた場合に適用可能な、上記の特徴を持つ
微粒触媒160について、図15および図16に基づき
説明する。まず、図15は、微粒触媒160の一つの粒
子を簡単にモデル化した図である。超臨界ヘキサン20
b中に高分散させた微粒触媒160は、内部に合成用ガ
ス23および反応によって生じたメタノールや水等の生
成物を拡散させる流路161を多数持つ多孔質構造にな
っている。この流路161の平均内径は10μm〜20
0μm程度であり、微粒触媒160の気孔率は、平均で
40%程度である。このような構造を持つ微粒触媒16
0においては、触媒粒子の外部表面162a以外に、触
媒粒子の内部表面162bでもメタノール合成反応が起
きるので、触媒表面162全体の反応面積が増大し、反
応速度が向上する。この結果、反応器への合成用ガス2
3の供給速度を上げた場合でも、高いパーパス収率を維
持できる。
【0197】次に、図16は、図15に示した微粒触媒
160の触媒表面162を拡大してモデル化した図であ
る。微粒触媒160の合成用ガス23と接触する触媒表
面162には、運転条件において超臨界ヘキサン20b
が毛管凝縮しない大きさの空孔163a(平均内径:1
0nm〜50nm)が多数存在している。このような触
媒表面162を持つ微粒触媒160は、触媒表面162
の主表面(外部表面162a、内部表面162b)以外
に、空孔内表面164aでもメタノール合成反応が起き
るので、反応面積が増大し、反応速度が向上する。この
結果、反応器への合成用ガス23の供給速度を上げた場
合でも、高いパーパス収率を維持できる。
【0198】なお、触媒の製造法によっては、空孔16
3aより径が小さい空孔163b(内径:10nm以
下)も存在する。このような空孔163bにおいては、
超臨界ヘキサンが毛管凝縮し、液体ヘキサン20にな
る。この液体ヘキサン20中を合成ガス23や生成物が
拡散しなければならないため、この空孔内表面164b
におけるメタノール合成反応速度は低下する。しかしな
がら、前述した適切な大きさの流路161と、適切な大
きさの多数の空孔163aの存在は、それより小さい径
を持つ空孔163bにおける反応速度の低下が問題とな
らないほど、メタノール合成反応速度の向上に十分に寄
与し得る。
【0199】上述したように、平均内径:10μm〜2
00μmの流路161があり、合成ガス23と接触する
その触媒表面162に、平均内径:10nm〜50nm
の空孔163aを多数持つ構造の微粒触媒160を用い
ることで、反応溶媒に凝縮が起きやすい超臨界ヘキサン
を用いる場合でも、触媒の表面積を大きくすることがで
き、かつ、空孔内163a内でも溶媒のヘキサンが超臨
界状態で存在するため、合成ガスや生成物の拡散の妨げ
にならない。したがって、そのような微粒触媒160を
用いることにより、メタノール合成反応速度が向上し、
パーパス収率が向上するだけでなく、合成ガスの流量を
増やした場合でも高いパーパス収率を維持できる。すな
わち、高い空時収量のメタノール合成プラントにするこ
とができる。
【0200】[16.他の実施の形態]なお、本発明
は、上記の第1〜第14の実施の形態に限定されるもの
ではなく、他にも多種多様な形態が実施可能である。例
えば、反応器や分離装置などの主要機器の具体的な構成
は適宜選択可能であり、熱交換器や冷却器などの付属的
機器の具体的な構成も適宜選択可能である。また、プラ
ント全体の具体的な構成も適宜選択可能である。
【0201】さらに、上記の説明においては、一酸化炭
素や二酸化炭素などの酸化炭素と水素とを原料として含
酸素炭化水素の一種であるメタノールを合成するメタノ
ール合成プラントについて説明したが、本発明は、メタ
ノールの合成に限定されるものではなく、各種の含酸素
炭化水素の合成に使用される各種の含酸素炭化水素合成
プラントに同様に適用可能であり、同様に優れた効果が
得られるものである。
【0202】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
反応熱除去が容易でガス拡散性に優れ、高いパーパス収
率と空時収量が達成できる含酸素炭化水素合成プラント
を提供することができる。さらに、触媒の劣化を効果的
に抑制できる含酸素炭化水素合成プラントを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による含水素炭化水素合成プラントの第
1の実施の形態を示す概略図である。
【図2】本発明による含水素炭化水素合成プラントの第
2の実施の形態を示す概略図である。
【図3】本発明による含水素炭化水素合成プラントの第
3の実施の形態を示す概略図である。
【図4】本発明による含水素炭化水素合成プラントの第
4の実施の形態を示す概略図である。
【図5】本発明による含水素炭化水素合成プラントの第
5の実施の形態を示す概略図である。
【図6】本発明による含水素炭化水素合成プラントの第
6の実施の形態を示す概略図である。
【図7】本発明による含水素炭化水素合成プラントの第
7の実施の形態を示す概略図である。
【図8】本発明による含水素炭化水素合成プラントの第
8の実施の形態を示す概略図である。
【図9】本発明による含水素炭化水素合成プラントの第
9の実施の形態を示す概略図である。
【図10】本発明による含水素炭化水素合成プラントの
第10の実施の形態を示す概略図である。
【図11】本発明による含水素炭化水素合成プラントの
第11の実施の形態を示す概略図である。
【図12】本発明による含水素炭化水素合成プラントの
第12の実施の形態を示す概略図である。
【図13】本発明による含水素炭化水素合成プラントの
第13の実施の形態を示す概略図である。
【図14】本発明による含水素炭化水素合成プラントの
第14の実施の形態を示す概略図である。
【図15】図1から図14に示す微粒触媒の一例を示す
説明図である。
【図16】図15に示す触媒表面を説明するための説明
図である。
【図17】気相合成法を用いた従来のメタノール合成方
法を説明するための概略図である。
【図18】液相合成法を用いた従来のメタノール合成方
法を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1…ガス圧縮機 2…流動床反応器 3,52…触媒捕集器 4…気液液分離器 5,53…気液分離器 6…精留装置 7…多孔板 10…微粒触媒 11〜13…熱交換器 14,15,55…冷却器 16,41,114…ポンプ 20…液体ヘキサン 20a…液体ヘキサン相 20b…超臨界ヘキサン 21…原料ガス 22…未反応ガス 22a…未反応ガス相 23…合成用ガス 24…メタノール/水混合液 24a…メタノール/水混合液相 30…排出流 31…未反応ガス流 32…溶媒流 33…生成物流 40…液体ペンタン 40a…液体ペンタン相 40b…超臨界ペンタン 42…水 51…スラリー床反応器 54…液液分離器 56…合成用ガス供給部 60,70…スラリー床合成用溶媒 61,71…触媒縣濁液 62,72…気泡 63,73…混合溶液 81…冷却器 82…冷却管 83…水蒸気 84…噴流床反応器 90…液体ヘキサン/ペンタン混合溶媒 90a…液体ヘキサン/ペンタン混合溶媒相 90b…超臨界ヘキサン/ペンタン混合溶媒 91…触媒縣濁溶媒 101…冷却器 102…スラリーポンプ 111…過冷却器 112…噴霧器 113…排出流供給部 121…排出流供給部 131,141…精留装置 150…液体ヘキサン/テトラエチレングリコールジメ
チルエーテル混合溶媒 150a…液体ヘキサン/テトラエチレングリコールジ
メチルエーテル混合溶媒相 150b…超臨界ヘキサン/液体テトラエチレングリコ
ールジメチルエーテル混合溶媒 160…微粒触媒 161…流路 162…触媒表面 162a…外部表面 162b…内部表面 163a,163b…空孔 164a,164b…空孔内表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 斗 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 小野田 裕子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 4G068 AA01 AB11 AC01 AC03 AC09 AD20 AF12 AF31 4H006 AA04 AC41 AD11 AD16 AD18 BA05 BA07 BA14 BA85 BB11 BB15 BB16 BB31 BC10 BC11 BC51 BC52 BD32 BD52 BD84 BE20 BE40 BE41 FE11 4H039 CA60 CB20 CL35

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化炭素と水素とを原料として含酸素炭
    化水素を合成する含酸素炭化水素合成プラントにおい
    て、 触媒を充填し、酸化炭素と水素とを含有する原料ガスと
    不活性な溶媒を供給して含酸素炭化水素を生成する反応
    器と、 前記反応器から排出された排出流を、反応せずに残った
    未反応ガスに富む未反応ガス流と、前記反応器で生成し
    た生成物に富む生成物流と、前記溶媒に富む溶媒流とに
    分離する分離装置を備え、 前記溶媒は、前記反応器の条件において前記反応器で生
    成した前記含酸素炭化水素を溶解する溶媒を含む溶媒で
    あり、 前記分離装置は、前記排出流の冷却、および液体溶媒と
    相分離する別の抽出液と前記排出流との接触、という2
    つの方式の中から選択された一つ以上の方式を用いて前
    記生成物流と前記溶媒流とに分離するように構成されて
    いることを特徴とする含酸素炭化水素合成プラント。
  2. 【請求項2】 前記分離装置として、前記排出流を冷却
    して前記排出流に含まれる前記生成物と前記溶媒を凝縮
    させて液体生成物と液体溶媒とし、前記液体生成物と前
    記液体溶媒が相分離する温度において前記生成物流と前
    記溶媒流とに分離するように構成された少なくとも一つ
    の分離装置を備えることを特徴とする請求項1記載の含
    酸素炭化水素合成プラント。
  3. 【請求項3】 前記分離装置として、前記排出流を冷却
    して前記排出流に含まれる前記生成物と前記溶媒を凝縮
    させて液体生成物と液体溶媒の混合液体とし、前記液体
    溶媒と相分離する別の抽出液を前記排出流および前記混
    合液体のいずれかに接触させて前記液体生成物を抽出す
    ることによって、前記生成物流と前記溶媒流とに分離す
    るように構成された少なくとも一つの分離装置を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の含酸素炭化水素合成プ
    ラント。
  4. 【請求項4】 前記分離装置として、前記排出流を冷却
    して液体生成物と液体溶媒が相分離する温度とし、前記
    生成物流と前記溶媒流とに分離するように構成された少
    なくとも一つの分離装置を備えることを特徴とする請求
    項1記載の含酸素炭化水素合成プラント。
  5. 【請求項5】 前記分離装置として、液体溶媒と相分離
    する別の抽出液を前記排出流に接触させて液体生成物を
    抽出し、前記生成物流と前記溶媒流とに分離するように
    構成された少なくとも一つの分離装置を備えることを特
    徴とする請求項1記載の含酸素炭化水素合成プラント。
  6. 【請求項6】 前記溶媒流と相分離した前記生成物流の
    相中に前記排出流を供給するように構成されていること
    を特徴とする請求項2または4に記載の含酸素炭化水素
    合成プラント。
  7. 【請求項7】 前記抽出液を予め冷却した後、前記排出
    流に直接接触させてこの排出流を冷却し、この排出流に
    含まれる前記生成物と前記溶媒を直接接触凝縮させるよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項3または5
    に記載の含酸素炭化水素合成プラント。
  8. 【請求項8】 前記溶媒流と相分離した前記抽出液の相
    中に前記排出流を供給するように構成されていることを
    特徴とする請求項3または5に記載の含酸素炭化水素合
    成プラント。
  9. 【請求項9】 前記抽出液として水を用いることを特徴
    とする請求項3、5、7、8のいずれか一つに記載の含
    酸素炭化水素合成プラント。
  10. 【請求項10】 前記生成物流と相分離した前記溶媒流
    を精留装置に供給し、前記溶媒と前記生成物を分離する
    ように構成されていることを特徴とする請求項1乃至9
    のいずれか一つに記載の含酸素炭化水素合成プラント。
  11. 【請求項11】 前記溶媒流と相分離した前記生成物流
    を精留装置に供給し、前記生成物と前記溶媒を分離する
    ように構成されていることを特徴とする請求項1乃至1
    0のいずれか一つに記載の含酸素炭化水素合成プラン
    ト。
  12. 【請求項12】 前記生成物を抽出した後の前記抽出液
    を精留装置に供給し、前記抽出液と前記生成物と前記溶
    媒を分離するように構成されていることを特徴とする請
    求項3、5、7、8、9のいずれか一つに記載の含酸素
    炭化水素合成プラント。
  13. 【請求項13】 前記溶媒は、ペンタン、ペンテン、ペ
    ンチン、ヘキサン、ヘキセンを含む炭素数4〜7の飽和
    炭化水素および不飽和炭化水素水素、テトラエチレング
    リコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジ
    メチルエーテルを含む炭素数4〜14の含酸素炭化水
    素、スクアラン、ドデカン、およびベンゾフェノン、か
    らなるグループの中から選択された材料を含むことを特
    徴とする請求項1乃至12のいずれか一つに記載の含酸
    素炭化水素合成プラント。
  14. 【請求項14】 前記排出流から前記生成物流と前記溶
    媒流とを分離する温度が0℃〜150℃の範囲内である
    ことを特徴とする請求項13記載の含酸素炭化水素合成
    プラント。
  15. 【請求項15】 前記溶媒は、ペンタン、ペンテン、ペ
    ンチン、ヘキサン、ヘキセンを含む炭素数4〜7の飽和
    炭化水素および不飽和炭化水素水素、テトラエチレング
    リコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジ
    メチルエーテルを含む炭素数4〜14の含酸素炭化水
    素、スクアラン、ドデカン、およびベンゾフェノン、か
    らなるグループの中から選択された材料を含み、前記精
    留装置の作動圧力が0.1MPa以上、作動温度が50
    ℃〜200℃の範囲内であることを特徴とする請求項1
    0乃至12のいずれか一つに記載の含酸素炭化水素合成
    プラント。
  16. 【請求項16】 酸化炭素と水素とを原料として含酸素
    炭化水素を合成する含酸素炭化水素合成プラントにおい
    て、 触媒を充填し、酸化炭素と水素とを含有する原料ガスと
    不活性な溶媒を供給して含酸素炭化水素を生成する反応
    器と、 前記反応器から排出された排出流から、反応せずに残っ
    た未反応ガスに富む未反応ガス流と、前記反応器で生成
    した生成物に富む生成物流と、前記溶媒に富む溶媒流と
    に分離する精留装置を備え、 前記不活性な溶媒は、ペンタン、ペンテン、ペンチン、
    ヘキサン、ヘキセンを含む炭素数4〜7の飽和炭化水素
    および不飽和炭化水素水素、テトラエチレングリコール
    ジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエ
    ーテルを含む炭素数4〜14の含酸素炭化水素、スクア
    ラン、ドデカン、およびベンゾフェノン、からなるグル
    ープの中から選択された材料を含むことを特徴とする含
    酸素炭化水素合成プラント。
  17. 【請求項17】 前記精留装置の作動圧力が0.1MP
    a以上、作動温度が50℃〜200℃の範囲内であるこ
    とを特徴とする請求項16記載の含酸素炭化水素合成プ
    ラント。
  18. 【請求項18】 前記未反応ガス流を前記反応器に再循
    環させるように構成されていることを特徴とする請求項
    1乃至17のいずれか一つに記載の含酸素炭化水素合成
    プラント。
  19. 【請求項19】 前記溶媒流を前記反応器に再循環させ
    るように構成されていることを特徴とする請求項1乃至
    18のいずれか一つに記載の含酸素炭化水素合成プラン
    ト。
  20. 【請求項20】 前記反応器には、熱を除去する冷却器
    が設けられていることを特徴とする請求項1乃至19の
    いずれか一つに記載の含酸素炭化水素合成プラント。
  21. 【請求項21】 前記反応器には、前記触媒および前記
    溶媒を循環させる循環路が設けられていることを特徴と
    する請求項1乃至20のいずれか一つに記載の含酸素炭
    化水素合成プラント。
  22. 【請求項22】 前記循環路上には、前記触媒および前
    記溶媒を冷却する冷却器が設けられていることを特徴と
    する請求項21記載の含酸素炭化水素合成プラント。
  23. 【請求項23】 前記溶媒として、前記反応器における
    その溶媒の分圧がその溶媒の臨界圧近傍以上となる溶媒
    を用いることを特徴とする請求項1乃至22のいずれか
    一つに記載の含酸素炭化水素合成プラント。
  24. 【請求項24】 前記溶媒として、前記反応器における
    その溶媒の分圧がその溶媒の臨界圧に対して0.8〜
    1.6倍の範囲内となる溶媒を用いることを特徴とする
    請求項23記載の含酸素炭化水素合成プラント。
  25. 【請求項25】 前記溶媒として、前記反応器における
    温度がその溶媒の臨界温度近傍以上となる溶媒を用いる
    ことを特徴とする請求項請求項1乃至24のいずれか一
    つに記載の含酸素炭化水素合成プラント。
  26. 【請求項26】 前記溶媒として、前記反応器における
    温度とその溶媒の臨界温度との差が0℃〜100℃の範
    囲内である溶媒を用いることを特徴とする請求項25記
    載の含酸素炭化水素合成プラント。
  27. 【請求項27】 前記溶媒として、前記反応器において
    超臨界状態となる溶媒を用いることを特徴とする請求項
    1乃至22のいずれか一つに記載の含酸素炭化水素合成
    プラント。
  28. 【請求項28】 前記溶媒は、前記反応器の条件におい
    て前記反応器で生成した前記含酸素炭化水素を溶解する
    溶媒と、前記反応器の条件において超臨界状態となる溶
    媒とを含むことを特徴とする請求項1乃至27のいずれ
    か一つに記載の含酸素炭化水素合成プラント。
  29. 【請求項29】 酸化炭素と水素とを原料として含酸素
    炭化水素を合成する含酸素炭化水素合成プラントにおい
    て、 触媒を充填し、酸化炭素と水素とを含有する原料ガスと
    不活性な溶媒を供給して含酸素炭化水素を生成する反応
    器と、 前記反応器から排出された排出流を、反応せずに残った
    未反応ガスに富む未反応ガス流と、前記反応器で生成し
    た生成物に富む生成物流と、前記溶媒に富む溶媒流とに
    分離する分離装置を備え、 前記溶媒は、前記反応器の条件において前記反応器で生
    成した前記含酸素炭化水素を溶解する溶媒と、前記反応
    器の条件において超臨界状態となる溶媒とを含むことを
    特徴とする含酸素炭化水素合成プラント。
  30. 【請求項30】 前記反応器の条件において、前記反応
    器で生成した前記含酸素炭化水素を溶解する前記溶媒が
    液相であることを特徴とする請求項28または29に記
    載の含酸素炭化水素合成プラント。
  31. 【請求項31】 前記反応器の条件において超臨界状態
    となる前記溶媒が、ペンタン、ペンテン、ペンチン、ヘ
    キサン、ヘキセン、ヘプタンを含む炭素数4〜7の飽和
    炭化水素および不飽和炭化水素からなるグループの中か
    ら選択された材料であることを特徴とする請求項28乃
    至30のいずれか一つに記載の含酸素炭化水素合成プラ
    ント。
  32. 【請求項32】 前記反応器の条件において前記反応器
    で生成した前記含酸素炭化水素を溶解する前記溶媒が、
    テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチ
    レングリコールジメチルエーテルを含む炭素数4〜14
    の含酸素炭化水素グループの中から選択された材料であ
    ることを特徴とする請求項28乃至31のいずれか一つ
    に記載の含酸素炭化水素合成プラント。
  33. 【請求項33】 触媒を充填し、酸化炭素と水素とを含
    有する原料ガスと不活性な溶媒を供給して含酸素炭化水
    素を生成する反応器と、前記反応器から排出された排出
    流から反応によって生じた含酸素炭化水素を取り出す分
    離装置とを備えた含酸素炭化水素合成プラントにおい
    て、 前記触媒の内部に前記原料ガスと前記溶媒および前記含
    酸素炭化水素を含む生成物を拡散させる流路があり、前
    記触媒の気孔率が20%〜60%の範囲内であり、前記
    流路の平均内径が10μm〜1000μmの範囲内であ
    ることを特徴とする含酸素炭化水素合成プラント。
  34. 【請求項34】 触媒を充填し、酸化炭素と水素とを含
    有する原料ガスと不活性な溶媒を供給して含酸素炭化水
    素を生成する反応器と、前記反応器から排出された排出
    流から反応によって生じた含酸素炭化水素を取り出す分
    離装置とを備えた含酸素炭化水素合成プラントにおい
    て、 前記原料ガスが接触する前記触媒表面に、運転条件にお
    いて前記溶媒が毛管凝縮しない大きさの多数の空孔を持
    つ表面構造を有することを特徴とする含酸素炭化水素合
    成プラント。
  35. 【請求項35】 前記空孔は、平均孔径が10nm〜2
    00nmの範囲内であることを特徴とする請求項34記
    載の含酸素炭化水素合成プラント。
  36. 【請求項36】 前記溶媒は、ペンタン、ペンテン、ペ
    ンチン、ヘキサン、ヘキセンを含む炭素数4〜7の飽和
    炭化水素および不飽和炭化水素水素、テトラエチレング
    リコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジ
    メチルエーテルを含む炭素数4〜14の含酸素炭化水
    素、スクアラン、ドデカン、およびベンゾフェノン、か
    らなるグループの中から選択された材料を含むことを特
    徴とする請求項33乃至35のいずれか一つに記載の含
    酸素炭化水素合成プラント。
  37. 【請求項37】 前記反応器内において、前記触媒と前
    記溶媒で流動床が形成されることを特徴とする請求項1
    乃至36のいずれか一つに記載の含酸素炭化水素合成プ
    ラント。
  38. 【請求項38】 前記反応器内において、前記触媒と前
    記溶媒で噴流床が形成されることを特徴とする請求項1
    乃至36のいずれか一つに記載の含酸素炭化水素合成プ
    ラント。
  39. 【請求項39】 前記反応器内において、前記溶媒中に
    前記触媒を分散させたスラリー床が形成されることを特
    徴とする請求項1乃至36のいずれか一つに記載の含酸
    素炭化水素合成プラント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005030686A1 (ja) * 2003-09-30 2005-04-07 Nippon Steel Corporation 有機化合物の製造方法
JP2012072080A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Tokyo Electric Power Co Inc:The スラリー床型の二酸化炭素固定化反応装置
JP2013046890A (ja) * 2011-08-29 2013-03-07 Air Liquide Japan Ltd ガス供給システムおよびガス供給方法
WO2023162600A1 (ja) * 2022-02-25 2023-08-31 三菱重工業株式会社 プラント

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