JP2023117159A - 測定方法および電子顕微鏡 - Google Patents

測定方法および電子顕微鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】試料を傾けたり、電子線を偏向させたりすることなく電子線の照射角度を変更できる測定方法を提供する。【解決手段】本発明に係る測定方法は、電子線を放出する電子源と、電子線の通過を制限する照射系絞りを含み、電子線を収束して試料に照射するための照射系と、を含む電子顕微鏡における測定方法であって、照射系絞りの位置を第1位置に配置することによって、試料に入射する電子線の照射角度を第1照射角度とする工程と、照射系絞りの位置を第1位置とは異なる第2位置に配置することによって、試料に入射する前記電子線の照射角度を第1照射角度と異なる第2照射角度とする工程と、を含む。【選択図】図4

Description

本発明は、測定方法および電子顕微鏡に関する。
透過電子顕微鏡において、入射電子が特定の原子位置を通過する現象(電子チャネリング)を利用して、結晶中の不純物原子の位置等を特定するアルケミ(atom location by channeling enhanced microanalysis、ALCHEMI)が知られている。
例えば、特許文献1では、アルケミを実施することによって、材料の特性を決定づける結晶構造である主相のどの部位が添加された微量元素によって置換されているかを測定している。特許文献1では、試料に対する電子線の入射角度を変化させて、特性X線を検出し、入射角度の変化による特性X線の強度の違いから微量元素によって置換されている主相の部位を特定している。
特許文献1には、試料に対する電子線の入射角度を変化させる方法として、傾斜機構を有する試料ステージによって試料を傾斜させる方法と、偏向器によって電子線を傾斜させる方法と、が記載されている。
特開2019-124492号公報
試料に対する電子線の入射角度を変化させるために、試料ステージによって試料を傾斜させる場合、試料ステージは機械的に動作するため、試料の位置ずれを生じる場合がある。そのため、電子線の入射角度を変更するごとに分析位置がずれてしまう。
また、試料に対する電子線の入射角度を変化させるために、偏向器によって電子線を傾斜させる場合、電子線が光軸からずれてしまう場合がある。そのため、電子線の入射角度を変更するごとに収差補正装置などの光学系の調整を行わなければならない。
本発明に係る測定方法の一態様は、
電子線を放出する電子源と、
前記電子線の通過を制限する照射系絞りを含み、前記電子線を収束して試料に照射するための照射系と、
を含む電子顕微鏡における測定方法であって、
前記照射系絞りの位置を第1位置に配置することによって、前記試料に入射する前記電子線の照射角度を第1照射角度とする工程と、
前記照射系絞りの位置を前記第1位置とは異なる第2位置に配置することによって、前記試料に入射する前記電子線の照射角度を前記第1照射角度と異なる第2照射角度とする工程と、
を含む。
このような測定方法では、照射系絞りの位置を変えることによって電子線の照射角度を変更するため、照射角度を変更するために、試料を傾けたり、電子線を偏向させたりしな
くてもよい。
本発明に係る電子顕微鏡の一態様は、
電子線を放出する電子源と、
前記電子線の通過を制限する照射系絞りを含み、前記電子線を収束して試料に照射するための照射系と、
前記照射系絞りを制御する制御部と、
を含み、
前記制御部は、
前記照射系絞りの位置を第1位置に配置することによって、前記試料に入射する前記電子線の照射角度を第1照射角度とする処理と、
前記照射系絞りの位置を前記第1位置とは異なる第2位置に配置することによって、前記試料に入射する前記電子線の照射角度を前記第1照射角度と異なる第2照射角度とする処理と、
を行う。
このような電子顕微鏡では、照射系絞りの位置を変えることによって電子線の照射角度を変更できるため、照射角度を変更するために、試料を傾けたり、電子線を偏向させたりしなくてもよい。
本発明の一実施形態に係る電子顕微鏡の構成を示す図。 電子線を収束させて試料に照射した状態の光線図。 図2に示す光線図に対応するロンチグラム。 電子線を収束させて試料に照射した状態で照射系絞りの位置を変えたときの光線図。 図4に示す光線図に対応するロンチグラム。 電子線を収束させて試料に照射した状態で照射系絞りの位置を変えたときの光線図。 図6に示す光線図に対応するロンチグラム。 電子線を収束させて試料に照射した状態で照射系絞りの位置を変えたときの光線図。 図8に示す光線図に対応するロンチグラム。 制御部の処理の一例を示すフローチャート。 InPのEDSスペクトル。 InPのEDSスペクトル。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 電子顕微鏡
まず、本発明の一実施形態に係る電子顕微鏡について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電子顕微鏡100の構成を示す図である。
電子顕微鏡100は、電子源10と、照射系レンズ20と、照射系絞り22と、収差補正装置30と、試料ステージ40と、対物レンズ50と、中間レンズ60と、投影レンズ70と、撮像装置80と、X線検出器90と、制御部110と、を含む。
電子源10は、電子線を放出する。電子源10は、例えば、陰極から放出された電子を陽極で加速し電子線を放出する電子銃である。
照射系レンズ(コンデンサーレンズ)20は、電子源10から放出された電子線を収束して試料Sに照射する。照射系レンズ20は、例えば、複数配置されている。
照射系絞り22は、電子源10から放出された電子線の通過を制限する。照射系絞り22は、例えば、照射系レンズ(コンデンサーレンズ)20内に配置されたコンデンサー絞りである。照射系絞り22は、径の異なる複数の絞り孔を有している。また、照射系絞り22は、絞り孔の位置を移動させることができる。すなわち、照射系絞り22は、絞り孔の径の選択や絞り孔の位置の調整が可能な可動絞りである。
電子顕微鏡100は、照射系絞り22を移動させるための駆動部を備え、制御部110が駆動部を動作させることによって照射系絞り22(絞り孔)を移動させることができる。駆動部は、例えば、照射系絞り22を移動させるためのモーターなどの駆動装置を含む。
図示はしないが、電子顕微鏡100は、電子線を二次元的に偏向する偏向器を備えている。偏向器によって収束された電子線を二次元的に偏向させることによって、電子線で試料Sを走査できる。電子線で試料Sを走査し、試料Sを透過した電子を検出することによって、走査透過電子顕微鏡像(STEM像)を取得できる。
収差補正装置30は、照射系2の収差を補正する。収差補正装置30は、例えば、照射系2の球面収差を補正する球面収差補正装置である。収差補正装置30は、負の球面収差を作り出し、照射系2の正の球面収差を打ち消すことで、照射系2の球面収差を補正する。
電子顕微鏡100において試料Sに電子線を照射するための照射系2は、照射系レンズ20、照射系絞り22、収差補正装置30、および対物レンズ50の前方磁場を含む。
試料ステージ40は、試料Sを保持する。試料ステージ40は、例えば、試料ホルダー42に固定された試料Sを保持する。図示の例では、試料ステージ40は、対物レンズ50のポールピースの横から試料Sを挿入するサイドエントリーステージである。
対物レンズ50は、試料Sを透過した電子線で結像するための初段のレンズである。対物レンズ50は、図示はしないが、ポールピースを有しており、ポールピースの上極とポールピースの下極との間に磁場を発生させて電子線を収束させる。試料Sは、ポールピースの上極と下極の間に配置される。STEM像を取得する際には、電子線は、対物レンズ50の前方磁場で収束され、試料S上に微小なプローブを形成する。
中間レンズ60は、対物レンズ50の後焦点面に形成された電子回折パターンを拡大および転送する。投影レンズ70は、中間レンズ60によって拡大および転送された電子回折パターンを撮像装置80に投影する。
撮像装置80は、対物レンズ50の後焦点面または対物レンズ50の後焦点面に共役な面に配置されている。撮像装置80は、ロンチグラム(Ronchigram)を撮影することができる。撮像装置80は、例えば、ロンチグラムを二次元デジタル画像として記録可能なデジタルカメラである。ロンチグラムは、電子線を試料付近に収束させて、回折面(後焦点面)上にできる試料の投影像(図形)である。
電子顕微鏡100は、図示はしないが、試料Sを透過した電子を検出する検出器として、高角度散乱暗視野像(HAADF-STEM像)を取得するための円環状検出器や、明視野STEM像を取得するための明視野検出器などを備えている。
X線検出器90は、試料Sに電子線が照射されることにより試料Sから放出された特性X線を検出する。X線を検出する際には、X線検出器90は、試料Sの近傍に配置される。X線検出器90は、例えば、エネルギー分散型のX線検出器であり、EDS分析(energy dispersive Xray spectroscopy)を行うことができる。X線検出器90としては、例えば、シリコンドリフト検出器(Silicon Drift Detector、SDD)、Si(Li)検出器などを用いることができる。
制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)などの記憶装置と、を含む。記憶装置には、各種制御を行うためのプログラム、およびデータが記憶されている。制御部110の機能は、プロセッサでプログラムを実行することにより実現できる。
制御部110は、電子顕微鏡100の各部を制御する。制御部110は、例えば、照射系絞り22の位置を制御して、試料Sに照射される電子線の照射角度を調整する。制御部110は、電子線の照射角度の変更と、EDSスペクトルの取得と、を繰り返して、アルケミを実施することができる。アルケミを実施する処理の詳細については後述する。
2. 動作
電子顕微鏡100では、照射系2を用いて電子線を収束し、照射系絞り22の位置を制御することによって、試料Sに入射する電子線の照射角度を調整できる。
図2は、電子線EBを収束させて試料Sに照射した状態の光線図である。図3は、図2に示す光線図に対応するロンチグラムである。
図2に示すように、照射系2を用いて、電子線EBを円錐状に収束させて試料Sの1箇所に照射する。これにより、図3に示すように、ロンチグラムには、試料S上に収束される電子線EBの角度範囲に対応した円が確認できる。このとき、試料Sに照射される電子線EBの収束角2θを大きくすることで円が大きくなり、照射系絞り22で選択可能な電子線EBの照射角度の範囲を大きくできる。
図4、図6、および図8は、電子線EBを収束させて試料Sに照射した状態で、照射系絞り22の位置を変えたときの光線図である。図5は、図4に示す光線図に対応するロンチグラムである。図7は、図6に示す光線図に対応するロンチグラムである。図9は、図8に示す光線図に対応するロンチグラムである。
図4~図9に示すように、照射系絞り22の位置を変えることによって、試料Sに対する電子線EBの照射角度を変更できる。なお、電子線EBの照射角度は、電子線EBの入射角度と、電子線EBの入射方位と、で表される。電子線EBの入射角度は、試料Sの表面の垂線と試料Sに入射する電子線EBとがなす角度である。電子線EBの入射方位は、試料S表面の電子線EBの入射位置における、入射する電子線EBの試料S表面内の方向である。
照射系絞り22の位置は、電子線EBの照射角度に対応している。したがって、照射系絞り22の位置を変えることによって、電子線EBの照射角度を変更できる。
照射系絞り22の径は、電子線EBの照射角度の範囲に対応する。そのため、例えば、
照射系絞り22の絞り孔の径を小さくすることで、試料Sに照射される電子線EBの照射角度の範囲を狭くできる。すなわち、照射系絞り22の絞り孔の径を小さくすることで、円錐状に収束する電子線EBの収束角(頂角)を小さくできる。
3. アルケミ
電子顕微鏡100では、上述した電子線EBの照射角度の調整方法を用いて、アルケミを実施できる。電子顕微鏡100では、制御部110がアルケミを実施するための処理を行う。図10は、制御部110の処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ユーザーは、試料ホルダー42に試料Sをセットし、試料ステージ40に装着する。試料ホルダー42に固定された試料Sは、鏡筒内の試料室に配置される。試料室に配置された試料Sに電子線EBを照射し、試料Sの観察を開始する。そして、アルケミを実施したい傾斜量まで試料Sを傾斜させ、試料S上の分析位置に電子線EBを照射する。
制御部110は、図2に示すように、照射系2を制御して、電子線EBを円錐状に大きな収束角で収束させて、試料Sの分析位置に照射する(S10)。
次に、制御部110は、収差補正装置30を調整し、照射系2の収差補正を行う(S20)。
次に、制御部110は、照射系絞り22を初期位置(第1位置)に移動させる(S30)。これにより、照射系絞り22(絞り孔)の位置に応じた照射角度(第1照射角度)で試料Sに電子線EBが照射される。
次に、制御部110は、EDSスペクトルを取得する(S40)。電子顕微鏡100において、電子線EBが試料Sに照射されると、試料Sから特性X線が放出される。試料Sから放出された特性X線はX線検出器90で検出される。X線検出器90は検出されたX線をエネルギーで弁別し、EDSスペクトルを得る。制御部110は、得られたEDSスペクトルを取得し、EDSスペクトルを電子線EBの照射角度(照射系絞り22の位置)に対応づけて記憶装置に記憶する。
次に、制御部110は、あらかじめ設定されたすべての照射角度でEDSスペクトルを取得したか否かを判定する(S50)。制御部110は、すべての照射角度でEDSスペクトルを取得していないと判定した場合(S60のNo)、処理S30に戻って、照射系絞り22を第1位置から第2位置に移動させ、照射角度を第1照射角度から第2照射角度に変更する(S30)。このように、照射角度の変更は、照射系絞り22の位置を移動させることで行われるため、試料Sの位置ずれや電子線EBの軸ずれは生じない。したがって、照射角度を変更しても試料Sの位置の補正や収差補正装置30の調整は不要である。
制御部110は、EDSスペクトルを取得して、EDSスペクトルを照射角度に関連付けて記憶装置に記憶し(S40)、すべての照射角度でEDSスペクトルを取得したか否かを判定する(S50)。
制御部110は、あらかじめ設定されたすべて照射角度でEDSスペクトルを取得したと判定されるまで、照射系絞り22の移動(S30)、EDSスペクトルの取得(S40)、およびすべての照射角度でEDSスペクトルを取得したか否かの判定(S50)を繰り返す。
制御部110は、すべての照射角度でEDSスペクトルを取得したと判定した場合(S52のYes)、アルケミを実施する処理を終了する。
なお、上記では、制御部110がアルケミを実施するための処理S10、処理S20、処理S30、処理S40、処理S50、および処理S60を行う場合について説明したが、これらの処理の少なくとも一部をユーザーが手動で行ってもよい。
図11および図12は、InPのEDSスペクトルである。なお、図11に示すEDSスペクトルの測定条件と図12に示すEDSスペクトルの測定条件は、照射系絞り22の位置が異なっている点を除いて同じである。
図11および図12に示すように、照射系絞り22の位置を移動させることによって、InのL線とPのK線の強度比が大きく変化している。これは、電子チャネリングの効果によるものである。すなわち、この強度比の変化は、照射系絞り22の位置を移動させることによって、試料Sに対する電子線EBの照射角度が変化したことを表している。
4. 効果
電子顕微鏡100における測定方法は、照射系絞り22を第1位置に配置することによって試料Sに入射する電子線EBの照射角度を第1照射角度とする工程と、照射系絞り22を第1位置とは異なる第2位置に配置することによって試料Sに入射する電子線EBの照射角度を第1照射角度と異なる第2照射角度とする工程と、を含む。
このように電子顕微鏡100における測定方法では、照射系絞り22の位置を変えることによって電子線EBの照射角度を変更するため、照射角度を変更するために、試料Sを傾けたり、電子線EBを偏向させたりしなくてもよい。そのため、電子顕微鏡100における測定方法では、試料Sを傾斜させることによる分析位置のずれや、電子線EBを偏向させることによる光軸に対する電子線EBのずれが生じない。したがって、電子顕微鏡100では、電子線EBの照射角度を変更するごとに、分析位置のずれの補正や収差補正装置30の調整を行わなくてよい。
また、電子顕微鏡100では、照射系絞り22の位置を変えることによって照射角度を変更できるため、試料Sを傾斜させて照射角度を調整する場合と比べて、照射角度の細かい調整が可能である。
電子顕微鏡100における測定方法では、収差補正装置30を含む照射系2を用いて電子線EBを収束させる。そのため、電子顕微鏡100では、電子線EBを大きな収束角で試料Sの1点に正確に収束できる。
電子顕微鏡100における測定方法では、照射系2を用いて電子線EBを円錐状に収束させて試料Sの分析位置に照射する。また、電子線EBの照射角度を第1照射角度にした状態でX線検出器90でX線を検出して、第1スペクトルを取得する工程と、電子線EBの照射角度を第2照射角度にした状態でX線検出器90でX線を検出して、第2スペクトルを取得する工程と、を含む。電子顕微鏡100における測定方法では、上述したように、照射角度を変更するごとに、分析位置のずれの補正や収差補正装置30の調整を行わなくてもよいため、照射角度が異なる条件で得られた複数のスペクトルを容易に取得できる。
電子顕微鏡100では、制御部110は、照射系絞り22の位置を第1位置に配置することによって試料Sに入射する電子線EBの照射角度を第1照射角度とする処理と、照射系絞り22の位置を第1位置とは異なる第2位置に配置することによって試料Sに入射する電子線EBの照射角度を第1照射角度と異なる第2照射角度とする処理と、を行う。電子顕微鏡100では、照射系絞り22の位置を変えることによって電子線EBの照射角度
を変更できるため、照射角度を変更するために、試料Sを傾けたり、電子線EBを偏向させたりしなくてもよい。
電子顕微鏡100では、制御部110は、照射系2を用いて電子線EBを円錐状に収束させて試料Sの分析位置に照射する処理を行う。また、制御部110は、電子線EBの照射角度を第1照射角度にした状態でX線検出器90で得られた第1スペクトルを取得する処理と、電子線EBの照射角度を第2照射角度にした状態でX線検出器90で得られた第2スペクトルを取得する処理と、を行う。そのため、電子顕微鏡100では、制御部110が、照射角度が異なる条件で得られた複数のスペクトルを取得するため、容易にアルケミを実施できる。
5. 変形例
5.1. 第1変形例
上述した実施形態では、照射系絞り22がコンデンサー絞りである場合について説明したが、照射系絞り22は照射系2に組み込まれた絞りであればコンデンサー絞りに限定されない。
5.2. 第2変形例
上述した実施形態では、照射系絞り22を用いて電子線EBの照射角度を変更する手法をアルケミに適用した場合について説明したが、照射系絞り22を用いて電子線EBの照射角度を変更する手法を、アルケミ以外の分析に適用してもよい。
例えば、照射系絞り22を用いて電子線EBの照射角度を変更する手法を、試料Sに照射される電子線EBを試料Sの一点に固定し、電子線EBの入射角度をある角度範囲にわたって変更するビームロッキングに用いてもよい。
5.3. 第3変形例
上述した実施形態では、電子顕微鏡100が、透過電子顕微鏡(走査透過電子顕微鏡)である場合について説明したが、電子顕微鏡100は、走査電子顕微鏡であってもよい。
なお、上述した実施形態及び変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが可能である。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成を含む。実質的に同一の構成とは、例えば、機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成である。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…照射系、10…電子源、20…照射系レンズ、22…照射系絞り、30…収差補正装置、40…試料ステージ、42…試料ホルダー、50…対物レンズ、60…中間レンズ、70…投影レンズ、80…撮像装置、90…X線検出器、100…電子顕微鏡、110…制御部

Claims (8)

  1. 電子線を放出する電子源と、
    前記電子線の通過を制限する照射系絞りを含み、前記電子線を収束して試料に照射するための照射系と、
    を含む電子顕微鏡における測定方法であって、
    前記照射系絞りの位置を第1位置に配置することによって、前記試料に入射する前記電子線の照射角度を第1照射角度とする工程と、
    前記照射系絞りの位置を前記第1位置とは異なる第2位置に配置することによって、前記試料に入射する前記電子線の照射角度を前記第1照射角度と異なる第2照射角度とする工程と、
    を含む、測定方法。
  2. 請求項1において、
    前記照射系は、収差補正装置を含む、測定方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記照射系を用いて前記電子線を円錐状に収束させて前記試料の分析位置に照射する工程を含む、測定方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記電子顕微鏡は、前記試料に前記電子線が照射されることによって前記試料から放出されるX線を検出して、スペクトルを得るX線検出器を含み、
    前記電子線の照射角度を前記第1照射角度にした状態で前記X線検出器でX線を検出して、第1スペクトルを取得する工程と、
    前記電子線の照射角度を前記第2照射角度にした状態で前記X線検出器でX線を検出して、第2スペクトルを取得する工程と、
    を含む、測定方法。
  5. 電子線を放出する電子源と、
    前記電子線の通過を制限する照射系絞りを含み、前記電子線を収束して試料に照射するための照射系と、
    前記照射系絞りを制御する制御部と、
    を含み、
    前記制御部は、
    前記照射系絞りの位置を第1位置に配置することによって、前記試料に入射する前記電子線の照射角度を第1照射角度とする処理と、
    前記照射系絞りの位置を前記第1位置とは異なる第2位置に配置することによって、前記試料に入射する前記電子線の照射角度を前記第1照射角度と異なる第2照射角度とする処理と、
    を行う、電子顕微鏡。
  6. 請求項5において、
    前記照射系は、収差補正装置を含む、電子顕微鏡。
  7. 請求項5または6において、
    前記制御部は、前記照射系を用いて前記電子線を円錐状に収束させて前記試料の分析位置に照射する処理を行う、電子顕微鏡。
  8. 請求項5ないし7のいずれか1項において、
    前記試料に前記電子線が照射されることによって前記試料から放出されるX線を検出して、スペクトルを得るX線検出器を含み、
    前記制御部は、
    前記電子線の照射角度を前記第1照射角度にした状態で前記X線検出器で得られた第1スペクトルを取得する処理と、
    前記電子線の照射角度を前記第2照射角度にした状態で前記X線検出器で得られた第2スペクトルを取得する処理と、
    を行う、電子顕微鏡。
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