JP2023114076A - 被加工物の加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被加工物を効率的に加工しながら被研磨面の高い平坦性を実現できる被加工物の加工方法を提供する。【解決手段】第1面と第1面とは反対側の第2面とを有する板状の被加工物を加工する際に適用される被加工物の加工方法であって、被加工物を第2面側から研削ホイールで研削する研削ステップと、研削ステップの後、被加工物の被研削面を洗浄する洗浄ステップと、洗浄ステップの後、被加工物を被研削面側から研磨パッドで研磨する研磨ステップと、を含む。【選択図】図4
Description
本発明は、ウェーハのような板状の被加工物を加工する際に適用される被加工物の加工方法に関する。
小型で軽量なデバイスチップを実現するために、集積回路等のデバイスが表面側に設けられたウェーハを薄く加工する機会が増えている。例えば、ウェーハの表面側をチャックテーブルで保持し、砥粒を含む研削砥石が固定された研削ホイールと、チャックテーブルと、を互いに回転させて、純水等の液体を供給しながらウェーハの裏面側に研削砥石を押し当てることで、このウェーハが研削され薄くなる。
一方で、上述のような研削ホイール(研削砥石)でウェーハが研削されると、傷や歪を含むダメージ領域が被研削面に形成され、ウェーハの力学的な強度(抗折強度等)が不足し易い。そこで、ウェーハが研削された後には、このダメージ領域を除去するために、例えば、ウェーハの被研削面が研磨パッドで研磨される。近年では、このような加工が効率的に遂行されるように、研削と研磨とを連続的に実施できる構造の複合的な加工装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上述の複合的な加工装置では、研削ホイールが配置された研削用の領域から、研磨パッドが配置された研磨用の領域へとチャックテーブルが移動することで、ウェーハの研削と研磨とが連続的に実施される。しかしながら、研削された後のウェーハやチャックテーブルには、研削の際に発生した屑が僅かに残留していることがあり、その状態でウェーハが研磨されると、ウェーハが屑で削られ被研磨面の平坦性が低下してしまう。
よって、本発明の目的は、被加工物を効率的に加工しながら被研磨面の高い平坦性を実現できる被加工物の加工方法を提供することである。
本発明の一側面によれば、第1面と該第1面とは反対側の第2面とを有する板状の被加工物を加工する際に適用される被加工物の加工方法であって、該被加工物を該第2面側から研削ホイールで研削する研削ステップと、該研削ステップの後、該被加工物の被研削面を洗浄する洗浄ステップと、該洗浄ステップの後、該被加工物を該被研削面側から研磨パッドで研磨する研磨ステップと、を含む被加工物の加工方法が提供される。
本発明の別の一側面によれば、第1面と該第1面とは反対側の第2面とを有する板状の被加工物を加工する際に適用される被加工物の加工方法であって、該被加工物の該第1面側をチャックテーブルで保持する保持ステップと、該保持ステップの後、該チャックテーブルで保持された状態の該被加工物を該第2面側から研削ホイールで研削する研削ステップと、該研削ステップの後、該チャックテーブルで保持された状態の該被加工物の被研削面を該チャックテーブルとともに洗浄する洗浄ステップと、該洗浄ステップの後、該チャックテーブルで保持された状態の該被加工物を該被研削面側から研磨パッドで研磨する研磨ステップと、を含む被加工物の加工方法が提供される。
好ましくは、該洗浄ステップでは、洗浄用ノズルから洗浄用の流体を供給しながら、該洗浄用ノズルを該研磨パッドとともに移動させる。
本発明の一側面にかかる被加工物の加工方法では、被加工物を研削ホイールで研削した後、被加工物の被研削面を洗浄した上で、被加工物を研磨パッドで研磨するので、被加工物が研磨パッドで研磨される際には、研削の際に発生した屑が被研削面から十分に除去されている。
そのため、研削と研磨とが連続的に実施される状況でも、被研磨面の高い平坦性が実現される。すなわち、本発明の一側面にかかる被加工物の加工方法によれば、被加工物を効率的に加工しながら被研磨面の高い平坦性を実現できる。
同様に、本発明の別の一側面にかかる被加工物の加工方法では、被加工物を研削ホイールで研削した後、被加工物の被研削面をチャックテーブルとともに洗浄した上で、被加工物を研磨パッドで研磨するので、被加工物が研磨パッドで研磨される際には、研削の際に発生した屑が被研削面やチャックテーブルから十分に除去されている。
そのため、研削と研磨とが連続的に実施される状況でも、研磨パッドと被加工物との間への屑の巻き込み等が防止され、被研磨面の高い平坦性が実現される。すなわち、本発明の別の一側面にかかる被加工物の加工方法によれば、被加工物を効率的に加工しながら被研磨面の高い平坦性を実現できる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。本実施形態にかかる被加工物の加工方法では、まず、加工の対象となる円板状の被加工物に保護部材が貼付される(貼付ステップ)。図1は、円板状の被加工物11に保護部材21が貼付される様子を模式的に示す斜視図である。
被加工物11は、例えば、シリコン(Si)等の半導体で構成される円板状のウェーハである。つまり、この被加工物11は、円形状の表面(第1面)11aと、表面11aとは反対側の円形状の裏面(第2面)11bと、を有している。被加工物11の表面11a側は、互いに交差する複数のストリート(分割予定ライン)13で複数の小領域に区画されており、各小領域には、集積回路(IC:Integrated Circuit)等のデバイス15が形成されている。
本実施形態にかかる被加工物の加工方法では、この被加工物11の全体が薄くなるように、被加工物11が裏面11b側から加工される。より具体的には、本実施形態にかかる被加工物の加工方法では、被加工物11が裏面11b側から研削ホイールで研削された後に、研磨パッドで研磨される。
なお、本実施形態では、シリコン等の半導体で構成される円板状のウェーハが被加工物11として用いられているが、被加工物11の材質、形状、構造、大きさ等は、この態様に制限されない。例えば、他の半導体、セラミックス、樹脂、金属等の材料で構成される基板等が被加工物11として用いられ得る。同様に、デバイス15の種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等も、上述の態様に制限されない。被加工物11には、デバイス15が形成されていなくてもよい。
被加工物11に貼付される保護部材21は、代表的には、被加工物11と概ね同等の直径を持つ円形状の樹脂テープ(樹脂フィルム)、樹脂基板、被加工物11と同種又は異種のウェーハ等である。例えば、この保護部材21の表面21a側には、被加工物11に対する接着力を示す接着層が設けられている。そのため、図1に示されるように、保護部材21の表面21a側を被加工物11の表面11aに密着させることで、保護部材21は、被加工物11の表面11aに貼付される。
これにより、被加工物11が裏面11b側から加工される際に加わる衝撃が保護部材21で緩和され、表面11a側のデバイス15等が保護される。なお、接着層がなくとも被加工物11に対して保護部材21を密着させて固定できるようであれば、この保護部材21は、接着層を有していなくてよい。また、被加工物11が加工される際に加わる表面11a側への衝撃が問題にならない場合には、必ずしも被加工物11に保護部材21が貼付されなくてよい。
被加工物11の表面11aに保護部材21が貼付された後には、この保護部材21を介して被加工物11の表面11a側がチャックテーブルに保持される(保持ステップ)。図2は、保護部材21を介して被加工物11が加工装置2のチャックテーブル4に保持される様子を模式的に示す断面図である。なお、以下の各工程では、図2等に示される複合的な加工装置2が使用される。
加工装置2は、被加工物11を保持できるように構成されたチャックテーブル4を備えている。チャックテーブル4は、例えば、セラミックス等で構成される円板状の枠体6を含む。枠体6の上面側には、円形状の開口を上端に持つ凹部6aが形成されており、凹部6aには、セラミックス等で多孔質の円板状に構成された保持板8が固定されている。
保持板8の上面8aは、例えば、円錐の側面に相当する形状に構成されており、被加工物11等を保持する保持面として機能する。なお、円錐の頂点に相当する保持板8の上面8aの中心8bと、保持板8の上面8aの外周縁と、の高さの差(高低差)は、10μm~30μm程度である。本実施形態では、この保持板8の上面(保持面)8aに、保護部材21の裏面21bが接触する。
保持板8の下面側は、枠体6の内部に設けられた流路6bや、枠体6の外部に配置されたバルブ(不図示)等を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。そのため、保持板8の上面8aに保護部材21の裏面21bを接触させた状態で、バルブを開き、吸引源の負圧を作用させると、この保護部材21の裏面21bがチャックテーブル4により吸引される。すなわち、被加工物11は、その裏面11bが上方に露出するように、保護部材21を介してチャックテーブル4に保持される。
枠体6の下部には、モーター等の回転駆動源(不図示)が連結されている。チャックテーブル4は、この回転駆動源が生じる力によって、上面8aの中心8bが回転の中心となるように、鉛直方向に沿う軸、又は鉛直方向に対して僅かに傾いた軸の周りに回転する。また、枠体6は、モーター等の回転駆動源により回転できるターンテーブルに代表されるチャックテーブル移動機構(不図示)によって支持されており、チャックテーブル4は、このチャックテーブル移動機構が生じる力によって、水平方向に移動する。
保護部材21を介して被加工物11がチャックテーブル4で保持された後には、このチャックテーブル4で保持された状態の被加工物11が裏面11b側から研削される(研削ステップ)。図3は、チャックテーブル4に保持された被加工物11が研削される様子を模式的に示す断面図である。なお、図3では、説明の便宜上、一部の要素の側面が示されている。
図3に示されるように、加工装置2のチャックテーブル4よりも上方の位置には、研削ユニット10が配置されている。研削ユニット10は、例えば、筒状のスピンドルハウジング(不図示)を含む。スピンドルハウジングの内側の空間には、柱状のスピンドル12が収容されている。スピンドル12の下端部には、例えば、円板状のマウント14が設けられている。マウント14の下面には、マウント14と概ね直径が等しい円環状の研削ホイール16が、ボルト(不図示)等で固定されている。
研削ホイール16は、ステンレス鋼やアルミニウム等の金属で構成された円環状のホイール基台18を含む。ホイール基台18の円環状の下面には、このホイール基台18の周方向に沿って複数の研削砥石20が固定されている。すなわち、複数の研削砥石20は、環状に配列されている。各研削砥石20は、例えば、ダイヤモンド等で構成される砥粒が樹脂等で構成される結合剤中に分散された構造を有している。
スピンドル12の上端側には、モーター等の回転駆動源(不図示)が連結されている。研削ホイール16は、この回転駆動源が生じる力によって、鉛直方向に沿う軸、又は鉛直方向に対して僅かに傾いた軸の周りに回転する。スピンドルハウジングは、例えば、ボールねじ式の研削ユニット移動機構(不図示)によって支持されており、研削ユニット10は、この研削ユニット移動機構が生じる力によって、鉛直方向に移動する。
研削ホイール16の傍には、被加工物11と研削砥石20とが接触する部分に水等の研削用の液体(研削液)31を供給できる研削液供給ノズル22が配置されている。なお、この研削液供給ノズル22の代わりに、又は、研削液供給ノズル22とともに、液体31の供給に使用される研削液供給口が研削ホイール16等に設けられてもよい。
研削ユニット10(研削ホイール16)で被加工物11を研削する際には、まず、研削ユニット10の直下にチャックテーブル4が移動する。より具体的には、研削ホイール16を回転させた場合に、チャックテーブル4の中心8bの直上の空間を複数の研削砥石20が通るように、チャックテーブル移動機構がチャックテーブル4の水平方向の位置を調整する。
その後、チャックテーブル4と研削ホイール16とがそれぞれ回転し、研削ユニット10(研削ホイール16)が下降する。つまり、研削ホイール16と被加工物11とが相互に回転しながら、被加工物11の裏面11bと交差する鉛直方向に相対的に移動する。そして、この際には、研削液供給ノズル22から被加工物11や研削砥石20等に研削用の液体31が供給される。これにより、図3に示されるように、研削砥石20が裏面11b側から被加工物11に接触し、被加工物11の研削が開始される。
なお、具体的な研削の条件に大きな制限はない。例えば、研削砥石20が相対的に大きな砥粒で構成され、この研削砥石20で被加工物11が粗く研削される際には、チャックテーブル4の回転数が、100rpm~600rpm、代表的には、300rpmに設定され、研削ホイール16の回転数が、1000rpm~7000rpm、代表的には、4500rpmに設定され、研削ユニット10の下降の速さ(研削送り速度)が、1.0μm/s~10.0μm/s、代表的には、6.0μm/sに設定される。
また、研削砥石20が相対的に小さな砥粒で構成され、この研削砥石20で被加工物11が高い精度で研削される際には、チャックテーブル4の回転数が、100rpm~600rpm、代表的には、300rpmに設定され、研削ホイール16の回転数が、1000rpm~7000rpm、代表的には、4000rpmに設定され、研削ユニット10の下降の速さが、0.1μm/s~1.5μm/s、代表的には、0.5μm/sに設定される。
もちろん、相対的に大きな砥粒を含む研削砥石と、相対的に小さな砥粒を含む研削砥石と、の双方で被加工物11が研削されてもよい。すなわち、相対的に大きな砥粒を含む研削砥石を用いて被加工物11が粗く研削された後に、相対的に小さな砥粒を含む研削砥石を用いて被加工物11が高い精度で研削されてもよい。予め設定された仕上げ厚みまで被加工物11が薄くなると、研削ユニット10が上昇し、被加工物11の研削が終了する。
ところで、被加工物11が研削される際には、研削液供給ノズル22から液体31が供給され、研削の際に発生する屑の大部分は、この液体31によって被加工物11やチャックテーブル4から除去される。一方で、研削液供給ノズル22は、研削砥石20と被加工物11とが接触する部分への液体31の供給を主な目的として構成されており、必ずしも被加工物11及びチャックテーブル4の洗浄には最適化されていない。よって、被加工物11やチャックテーブル4に僅かな屑が残留してしまうことがある。
研削と研磨とが連続的に実施される構造の複合的な加工装置2では、研削された後の被加工物11がチャックテーブル4に保持された状態で移動し、そのまま研磨される。しかしながら、被加工物11やチャックテーブル4に屑が残留している状態で被加工物11が研磨されると、この屑によって被加工物11に傷が付き、被研磨面の平坦性が低下してしまうことがあった。
そこで、本実施形態では、被加工物11が研削された後に、チャックテーブル4で保持された状態の被加工物11の被研削面とチャックテーブル4とが洗浄される(洗浄ステップ)。図4は、被加工物11の被研削面11cとチャックテーブル4とが洗浄される様子を模式的に示す断面図である。なお、図4では、説明の便宜上、一部の要素の側面が示されている。
図4に示されるように、加工装置2のチャックテーブル4よりも上方の位置には、被加工物11の被研削面11c及びチャックテーブル4の洗浄に使用される洗浄用ノズル24が配置されている。洗浄用ノズル24は、例えば、ボールねじ式のノズル揺動機構(不図示)によって支持されており、このノズル揺動機構が生じる力によって水平方向に移動しながら、洗浄用の流体(洗浄流体)33を下方に噴射できる。洗浄用の流体33としては、例えば、水と空気とが混合された混合流体(二流体)が使用される。
洗浄用ノズル24で被加工物11の被研削面11cとチャックテーブル4とを洗浄する際には、まず、洗浄用ノズル24の直下にチャックテーブル4が移動する。より具体的には、ノズル揺動機構が洗浄用ノズル24をチャックテーブル4の中心8bの上方とチャックテーブル4の外周縁の上方との間で揺動させることができるように、チャックテーブル移動機構がチャックテーブル4の水平方向の位置を調整する。
その後、例えば、チャックテーブル4が10rpm~500rpm程度の回転数で回転している状態で、洗浄用ノズル24が0.05MPa~0.15MPa程度の高圧で流体33を噴射しながら揺動する。これにより、被加工物11の被研削面11cの全体とチャックテーブル4の露出している部分とに流体33が吹き付けられ、被研削面11c及びチャックテーブル4から屑が十分に除去される。
なお、本実施形態では、洗浄用ノズル24として、水と空気とが混合された混合流体を噴射できる、いわゆる二流体ノズルが使用されているが、洗浄用ノズル24として、洗浄用の液体(代表的には、水)をカーテン状に噴射してウォーターカーテンを形成できる、いわゆるウォーターカーテンノズルが使用されてもよい。
この場合には、例えば、ウォーターカーテンノズルは、所定の位置に固定され揺動しない。ウォーターカーテンノズルによって形成されるウォーターカーテンをくぐるようにチャックテーブル4が移動することで、被加工物11の被研削面11cの全体とチャックテーブル4の露出している部分とに液体が吹き付けられ、被研削面11c及びチャックテーブル4から屑が十分に除去される。
なお、このウォーターカーテンノズルは、加工装置2内の研削用の領域と研磨用の領域との境界の付近に配置されてもよい。この場合には、被加工物11の研削の際にウォーターカーテンノズルでウォーターカーテンを形成することにより、研削用の領域から研磨用の領域への屑の飛散が抑制される。
被加工物11の被研削面11cとチャックテーブル4とが洗浄された後には、チャックテーブル4で保持された状態の被加工物11が被研削面11c側から化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)等の方法で研磨される(研磨ステップ)。図5は、チャックテーブル4に保持された被加工物11が研磨される様子を模式的に示す断面図である。なお、図5では、説明の便宜上、一部の要素の側面が示されている。
図5に示されるように、加工装置2のチャックテーブル4よりも上方の位置には、研磨ユニット26が配置されている。研磨ユニット26は、例えば、筒状のスピンドルハウジング(不図示)を含む。スピンドルハウジングの内側の空間には、柱状のスピンドル28が収容されている。スピンドル28の下端部には、例えば、円板状のマウント30が設けられている。マウント30の下面には、円板状の研磨パッド32が、ボルト(不図示)等で固定されている。
研磨パッド32は、例えば、砥粒を含まない不織布や高分子発泡体等で円板状に構成され、その中央部には、砥粒を含む薬液等の研磨用の液体(研磨液)の供給に使用される研磨液供給口(不図示)が設けられている。研磨液供給口は、例えば、マウント30やスピンドル28に設けられた流路等を介して研磨液供給源に接続される。なお、研磨パッド32は、砥粒を含んでいてもよい。その場合には、研磨用の液体として、砥粒を含まない薬液等が使用される。
スピンドル28の上端側には、モーター等の回転駆動源(不図示)が連結されている。研磨パッド32は、この回転駆動源が生じる力によって、鉛直方向に沿う軸、又は鉛直方向に対して僅かに傾いた軸の周りに回転する。スピンドルハウジングは、例えば、ボールねじ式の研磨ユニット移動機構(不図示)によって支持されており、研磨ユニット26は、この研磨ユニット移動機構が生じる力によって、鉛直方向に移動する。
研磨ユニット26(研磨パッド32)で被加工物11の被研削面11cを研磨する際には、まず、研磨ユニット26の直下にチャックテーブル4が移動する。より具体的には、上方から見てチャックテーブル4に保持された被加工物11の被研削面11cの全体が研磨パッド32と重なるように、チャックテーブル移動機構がチャックテーブル4の水平方向の位置を調整する。
その後、チャックテーブル4と研磨パッド32とがそれぞれ回転し、研磨ユニット26(研磨パッド32)が下降する。つまり、研磨パッド32と被加工物11とが相互に回転しながら、被加工物11の被研削面11cと交差する鉛直方向に相対的に移動する。そして、この際には、研磨液供給口から被加工物11や研磨パッド32等に研磨用の液体が供給される。
これにより、図5に示されるように、研磨パッド32が被研削面11c側から被加工物11に接触し、被加工物11の研磨が開始される。なお、図5では、説明の便宜上、被研削面11cの一部に研磨パッド32が接触する様子が描かれているが、上述の通り、チャックテーブル4の上面8aの中心8bと、上面8aの外周縁と、の高さの差は小さい。そのため、実際には、被研削面11cの全体に研磨パッド32が接触する。
なお、具体的な研磨の条件に大きな制限はない。例えば、チャックテーブル4の回転数が、10rpm~600rpm、代表的には、500rpmに設定され、研磨パッド32の回転数が、200rpm~600rpm、代表的には、500rpmに設定され、研磨パッド32から被加工物11にかかる荷重が、10kPa~35kPa、代表的には、25kPaに設定される。予め設定された時間が経過すると、研磨パッド32が上昇し、被加工物11の研磨が終了する。
本実施形態では、被加工物11が研削された後、研磨される前に、被加工物11の被研削面11cやチャックテーブル4が洗浄され、研削の際に発生した屑が被研削面11cやチャックテーブル4から十分に除去される。よって、被研削面11cに残留している屑によって被加工物11に傷が付くことはない。また、チャックテーブル4に残留している屑が研磨パッド32と被加工物11との間に巻き込まれて被加工物11に傷が付くこともない。
以上のように、本実施形態にかかる被加工物の加工方法では、被加工物11を研削ホイール16で研削した後、被加工物11の被研削面11cをチャックテーブル4とともに洗浄した上で、被加工物11を研磨パッド32で研磨するので、被加工物11が研磨パッド32で研磨される際には、研削の際に発生した屑が被研削面11cやチャックテーブル4から十分に除去されている。
そのため、研削と研磨とが連続的に実施される状況でも、研磨パッド32と被加工物11との間への屑の巻き込み等が防止され、被研磨面の高い平坦性が実現される。すなわち、本実施形態にかかる被加工物の加工方法によれば、被加工物11を効率的に加工しながら被研磨面の高い平坦性を実現できる。
なお、本発明は、上述した実施形態の記載に制限されず種々変更して実施可能である。例えば、上述した実施形態では、研磨ユニット移動機構等とは独立したノズル揺動機構によって洗浄用ノズル24が水平方向に揺動するが、研磨ユニット移動機構等がノズル揺動機構として使用されてもよい。
図6は、ノズル揺動機構としても使用される研磨ユニット移動機構34を模式的に示す側面図である。図6に示されるように、研磨ユニット移動機構34は、水平方向に対して概ね平行な一対のガイドレール36を備えている。このガイドレール36は、例えば、柱状の支持構造(不図示)の正面側に固定されている。また、ガイドレール36には、水平移動プレート38がスライドできる態様で取り付けられている。
水平移動プレート38の背面側には、ボールねじを構成するナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、ガイドレール36に対して概ね平行なねじ軸40が回転できる態様で連結されている。ねじ軸40の一端部には、モーター等の回転駆動源42が接続されている。回転駆動源42によってねじ軸40を回転させることで、水平移動プレート38は、ガイドレール36に沿って移動する。
水平移動プレート38の正面側には、鉛直方向に対して概ね平行な一対のガイドレール44が固定されている。ガイドレール44には、鉛直移動プレート46がスライドできる態様で取り付けられている。
鉛直移動プレート46の背面側には、ボールねじを構成するナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、ガイドレール44に対して概ね平行なねじ軸48が回転できる態様で連結されている。ねじ軸48の一端部には、モーター等の回転駆動源50が接続されている。回転駆動源50によってねじ軸48を回転させることで、鉛直移動プレート46は、ガイドレール44に沿って移動する。
鉛直移動プレート46の正面側には、支持具52が設けられている。支持具52には、上述した実施形態の研磨ユニット26を構成するスピンドルハウジング54が支持されている。また、支持具52には、上述した実施形態の洗浄用ノズル24の基端側が支持されている。そのため、研磨ユニット移動機構34は、研磨ユニット26とともに洗浄用ノズル24を水平方向に揺動させることができる。
この変形例にかかる研磨ユニット移動機構34が使用される場合には、例えば、被加工物11の研磨の際(研磨ステップ)に、研磨ユニット移動機構34が研磨ユニット26を水平方向に揺動させる。これにより、被加工物11の全体を研磨パッド32で均等に研磨して、被研磨面の平坦性を更に高めることができる。
また、被加工物11やチャックテーブル4が洗浄される際(洗浄ステップ)には、研磨ユニット移動機構34が洗浄用ノズル24を水平方向に揺動させることになる。つまり、洗浄用ノズル24は、洗浄用の流体を供給している状態で研磨パッド32とともに移動する。
その他、上述の実施形態及び変形例にかかる構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施され得る。
11 :被加工物
11a :表面(第1面)
11b :裏面(第2面)
11c :被研削面
13 :ストリート(分割予定ライン)
15 :デバイス
21 :保護部材
21a :表面
21b :裏面
31 :液体(研削液)
33 :流体(洗浄流体)
2 :加工装置
4 :チャックテーブル
6 :枠体
6a :凹部
6b :流路
8 :保持板
8a :上面(保持面)
8b :中心
10 :研削ユニット
12 :スピンドル
14 :マウント
16 :研削ホイール
18 :ホイール基台
20 :研削砥石
22 :研削液供給ノズル
24 :洗浄用ノズル
26 :研磨ユニット
28 :スピンドル
30 :マウント
32 :研磨パッド
34 :研磨ユニット移動機構
36 :ガイドレール
38 :水平移動プレート
40 :ねじ軸
42 :回転駆動源
44 :ガイドレール
46 :鉛直移動プレート
48 :ねじ軸
50 :回転駆動源
52 :支持具
54 :スピンドルハウジング
11a :表面(第1面)
11b :裏面(第2面)
11c :被研削面
13 :ストリート(分割予定ライン)
15 :デバイス
21 :保護部材
21a :表面
21b :裏面
31 :液体(研削液)
33 :流体(洗浄流体)
2 :加工装置
4 :チャックテーブル
6 :枠体
6a :凹部
6b :流路
8 :保持板
8a :上面(保持面)
8b :中心
10 :研削ユニット
12 :スピンドル
14 :マウント
16 :研削ホイール
18 :ホイール基台
20 :研削砥石
22 :研削液供給ノズル
24 :洗浄用ノズル
26 :研磨ユニット
28 :スピンドル
30 :マウント
32 :研磨パッド
34 :研磨ユニット移動機構
36 :ガイドレール
38 :水平移動プレート
40 :ねじ軸
42 :回転駆動源
44 :ガイドレール
46 :鉛直移動プレート
48 :ねじ軸
50 :回転駆動源
52 :支持具
54 :スピンドルハウジング
Claims (3)
- 第1面と該第1面とは反対側の第2面とを有する板状の被加工物を加工する際に適用される被加工物の加工方法であって、
該被加工物を該第2面側から研削ホイールで研削する研削ステップと、
該研削ステップの後、該被加工物の被研削面を洗浄する洗浄ステップと、
該洗浄ステップの後、該被加工物を該被研削面側から研磨パッドで研磨する研磨ステップと、を含む被加工物の加工方法。 - 第1面と該第1面とは反対側の第2面とを有する板状の被加工物を加工する際に適用される被加工物の加工方法であって、
該被加工物の該第1面側をチャックテーブルで保持する保持ステップと、
該保持ステップの後、該チャックテーブルで保持された状態の該被加工物を該第2面側から研削ホイールで研削する研削ステップと、
該研削ステップの後、該チャックテーブルで保持された状態の該被加工物の被研削面を該チャックテーブルとともに洗浄する洗浄ステップと、
該洗浄ステップの後、該チャックテーブルで保持された状態の該被加工物を該被研削面側から研磨パッドで研磨する研磨ステップと、を含む被加工物の加工方法。 - 該洗浄ステップでは、洗浄用ノズルから洗浄用の流体を供給しながら、該洗浄用ノズルを該研磨パッドとともに移動させる請求項1又は請求項2に記載の被加工物の加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022016188A JP2023114076A (ja) | 2022-02-04 | 2022-02-04 | 被加工物の加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2022016188A JP2023114076A (ja) | 2022-02-04 | 2022-02-04 | 被加工物の加工方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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2022
- 2022-02-04 JP JP2022016188A patent/JP2023114076A/ja active Pending
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