JP2023113852A - 進行性のbpdの処置のための肺サーファクタント及びステロイドを含む処置的組み合わせ物 - Google Patents

進行性のbpdの処置のための肺サーファクタント及びステロイドを含む処置的組み合わせ物 Download PDF

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Abstract

【課題】早産新生児において進行性の気管支肺異形成症(BPD)の処置に使用するための組成物を提供する。【解決手段】肺サーファクタントと0.1から1.5mg/kgまでで構成される用量のブデソニドとの組み合わせ物とする。【選択図】なし

Description

技術分野
本発明は、未熟児の疾患の処置のための組成物及びその方法に関する。特に、本発明は、早産新生児において進行性の気管支肺異形成症を治療するための、ステロイドと組み合わせた肺サーファクタントの使用に関する。
発明の背景
ヒトの肺は、肺の血液と気腔との間で気体を交換する肺胞と呼ばれる多数の小さな空気袋から構成されている。健康な個体では、この交換は、呼気の最後に肺が虚脱するのを防ぐタンパク質含有サーファクタント複合体の存在により媒介されている。
肺サーファクタント複合体は、主に脂質から構成され、少量の様々なタンパク質を含有する。この複合体が十分なレベル存在しないと、肺の機能不全が生じる。この症候群は呼吸窮迫症候群(RDS)と呼ばれ、一般に早産新生児がRDSに冒される。
RDSの処置の中心は、加工天然サーファクタントとして知られている動物の肺から抽出した外因性肺サーファクタント製剤による補充療法である。例えば、臨床診療で用いられる加工天然サーファクタントは、ブタの肺由来でCurosurf(登録商標)の商標で販売されているポラクタントアルファ、共にウシの肺由来のベラクタント(Surfacten(登録商標)又はSurvanta(登録商標))、ボバクタント(Alveofact(登録商標))、及び仔ウシの肺由来のカルファクタント(Infasurf(登録商標))である。
外因性肺サーファクタントは、現在、生理食塩水溶液中の懸濁液として気管内注入により、酸素での人工呼吸下に維持された挿管された早産児に対して、投与される。
上記療法は出生後生存率を大幅に高めたが、RDSを生き抜いた小児は、著しい死亡率、罹患率、及び医療資源の利用と関連する、未熟児の共通の深刻な合併症である、気管支肺異形成症(BPD)を発症するリスクが高い。出生前及び新生児ケアの両方における進歩にもかかわらず、この状態の発生率は上昇し続けている。BPDの管理及びそれに関連する問題は、新生児科医及び小児科医にとって依然として大きな課題である。BPDを予防及び治療するために多数の介入が提案されてきたが、多くは未だ証拠に基づいたものではない。現在の処置は、BPDの重症度を軽減しているように見えるが、その発生率にはほとんど影響を及ぼしていない。BPDは肺損傷の進行性の過程であり、その病態生理は当該疾患の異なる段階で変化する。したがって、その管理は単回介入の形態ではなさそうであり、むしろ当該疾患の異なる因子及び/又は段階を標的とするために使用される異なるストラテジーを用いた複合的なアプローチでありそうである。
この理由により、全体の管理計画を設計する際には、3つの継続的な段階で、BPDへの介入を分類することが有用である。それらは:i)BDPの予防、ii)進行性のBPDの処置、及びiii)確立したBPDの処置である(非特許文献1参照)。
RDSに罹患した新生児におけるBPDの予防は、出生前又は出生後数時間以内のコルチコステロイドの全身投与により管理されてきた。しかしながら、出生後のコルチコステロイド投与の有効性は、起こり得る有害な全身作用(例えば、高血圧、高血糖、消化管合併症、及び神経発達障害)によって相殺される。
全身投与に代わるものとして、吸入又は気管内注入によるコルチコステロイドの送達が、BDPの予防のために提案されてきている。
例えば、特許文献1には、高度な局所性~全身性抗炎症活性を有するコルチコステロイドと肺サーファクタントとの組み合わせを乳児に投与することによる、呼吸窮迫症候群を患う乳児におけるBPDの予防方法を開示している。
Yehら(非特許文献2)は、担体として肺サーファクタントであるSurvanta(登録商標)を用いたブデソニドの気管内注入を提案した。一方、Daniら(非特許文献3)は、Cursourf(登録商標)と組み合わせたベクロメタゾンジプロピオナートの気管内注入を提案していた。
しかしながら、これらのアプローチを介しても、多くの早産新生児集団はコルチコステロイドに曝露されるであろうし、そうでなく彼らがBPDを発症しないであろうとしても、多くに有益性はない(非特許文献4を参照のこと)。
一方、上記疾患は、強いかつ持続的な気道炎症、線維症、及び平滑筋肥大によって特徴付けられるので、確立したBDPにおけるコルチコステロイドの有効性について深刻な懸念が生じた。
このようにしてコルチコステロイドはそれを必要とする患者に投与されるので、出生後のコルチコステロイドは、進行性のBPDの処置における療法に役立てられてきた。
しかしながら、観察された副作用又は有効性の明確な徴候の欠如のために、デキサメタゾン及びヒドロコルチゾンの全身性の出生後投与は、現在では慣用的に推奨されていない。
米国特許出願公開第2010/0317636号明細書
Bowen Pら, Pediatrics and Child Health 2013, 24:1, 27-31 Pediatrics 2008, 121(5), e1310-e1318 Pediatr Pulmonol 2009, 44, 1159-1167 Bancalari E, Am J Respir Crit Care Med 2016, 193:1, 12
上記考察からみて、早産新生児における進行性のBPDの処置のためのより適合性のあるコルチコステロイドベースの医薬を開発する必要性が依然として存在している。
更に、吸入又は気管内注入のいずれかによって局所的に投与され得る医薬を提供することは有利であろう。
最終的には、肺の発達を促進可能な医薬を提供することは特に有利であろう。
発明の概要
本発明は、早産新生児において進行性の気管支肺異形成症(BPD)の処置に使用するための、0.1から1.5mg/kgまでで構成される用量のブデソニドと組み合わせた肺サーファクタントに関する。
好ましくは、本発明の組み合わせ物は、肺成熟のいくつかのタンパク質指標のmRNA発現、より好ましくは、サーファクタントタンパク質SP-A、SP-B及びSP-CのmRNA発現を増加させる。
有利には、当該組み合わせ物は、生後2日目から28日目まで、好ましくは生後5日目から15日目まで、より好ましくは生後7日目から10日目まで、投与される。
本発明はまた、早産新生児における気管支肺異形成症(BPD)の処置のための医薬の製造における、0.1から1.5mg/kgまでで構成される用量のブデソニドと組み合わせた、肺サーファクタントの使用に関する。有利には、当該組み合わせ物は、生後2日目から28日目まで、好ましくは生後5日目から15日目まで、より好ましくは生後7日目から10日目まで、投与される。
好ましくは、ブデソニドの用量は、0.2~1.0mg/kgの間で構成され得る。
本発明の医薬は、同時に、逐次的に、又は別々に、好ましくは固定された組み合わせ物としての同時投与で、投与できるだろう。
特定の実施態様では、当該医薬は、当該固定された組み合わせ物を含む吸入又は気管内投与用の医薬組成物の形態である。
更なる実施態様では、本発明は、進行性の気管支肺異形成症の処置方法であって、そのような処置を必要とする早産新生児への0.1から1.5mg/kgまでで構成される用量のブデソニドと組み合わせた肺サーファクタントの投与を含む方法に関し、ここで、当該組み合わせ物は、生後2日目から28日目まで、好ましくは生後5日目から15日目まで、より好ましくは生後7日目から10日目まで、投与される。
定義
用語「気管支肺異形成症(BPD)」とは、肺傷害が解決されていない又は異常に修復された結果である慢性肺疾患(CLD)としても知られる慢性的な肺の障害を意味する。
BPDは、典型的には、出生後初期の人工呼吸に起因する酸素毒性及び圧損傷の結果として肺傷害が持続する超低出生体重(VLBW)児に生じる。BPDの定義及び分類は、1967年のNorthwayらによるその最初の説明から変更されている。米国国立小児保健・人間発達研究所(NICHD)は、2001年の合意声明の中でBPDを定義した。この定義は、28日間の補給酸素を用い、次いで、妊娠32週未満で生まれた者については月経後年齢(PMA)36週若しくは退院時に、又は妊娠32週超で生まれた者については生後56日若しくは退院時に、必要とされる呼吸補助に応じて3段階の重症度を判別する。
より最近の定義によれば、BPDは肺の発達の阻止と主に考えられ得る(Jobe A et al Ped Res 1999, 46, 641参照)。
2001年に、Jobe Aら(Am J Respir Crit Care Med; 163(7) 1723-1729)は、「軽度」、「中程度」、及び「重度」のBPDについての具体的な基準を含む新たな定義を提案した。
軽度BDPは、28日間以上の補給酸素、及び、PMA36週若しくは退院時(出生時32週未満の乳児について)に又は56日目若しくは退院時(出生時32週以上の乳児について)に室内空気を必要とする疾患と定義されている。
中等度BDPは、28日間以上補給酸素、及び、PMA36週/退院時(32週未満について)に又は56日目/退院時(32週以上の乳児について)に30%未満の補給酸素の要求を必要とする疾患と定義されている。
重度BPDは、28日間以上補給酸素、及び、PMA36週/退院時(32週未満について)に又は56日目/退院時(32週以上について)に30%以上の酸素又は経鼻的CPAP若しくは人工呼吸の要求を必要とする疾患と定義されている。
初期BPDとして知られることもある「進行性のBPD」という用語は、確立したBDPにつながる慢性プロセスの初期段階を意味し、生後7日目から14日目までの酸素及び/又は人工呼吸器依存を特徴とする疾患を指す(Walsh MC et al Pediatrics 2006, 117, S52-S56)。
用語「加工天然サーファクタント」は、細かく刻まれた哺乳類の肺の脂質抽出物を意味する。製造プロセスで用いられる脂質抽出プロセスにより、親水性タンパク質SP-A及びSP-Dが失われる。これらの調製物は、可変量の2つの疎水性サーファクタント関連タンパク質SP-B及びSP-Cを有し、抽出方法に応じて、非サーファクタント脂質、タンパク質又は他の成分を含有し得る。
用語「ポラクタントアルファ」とは、極性脂質(主にリン脂質)並びにタンパク質であるSP-B及びSP-Cから実質的になる、ブタの肺から抽出される加工天然サーファクタントを意味する。ポラクタントアルファは、商標Curosurf(登録商標)で入手可能である。
用語「人工」肺サーファクタントは、天然の肺サーファクタントの脂質組成及び挙動を模倣するように処方された合成化合物(主にリン脂質及び他の脂質)の単なる混合物を意味する。これらは、肺サーファクタントタンパク質を含まない。
用語「再構成された」肺サーファクタント」とは、動物から単離された肺サーファクタントタンパク質/ペプチド、又は国際公開第95/32992号に記載されるものなどの組換え技術を介して製造されるタンパク質/ペプチド、又は国際公開第89/06657号、国際公開第92/22315号及び国際公開第00/47623号に記載されるものなどの合成肺サーファクタントタンパク質アナログが添加された人工肺サーファクタントを意味する。
用語「非侵襲的換気(NIV)術」は、経鼻的持続陽圧呼吸療法(経鼻的CPAP)のような挿管を必要とせずに呼吸をサポートする換気モダリティを定義する。他の非侵襲的換気術は、経鼻的間欠的陽圧換気術(NIPPV)、高流量鼻カニュラ(HFNC)、及び二相性気道陽圧法(BiPAP)である。
用語「呼吸器補助」とは、例えば、補給酸素の投与、人工呼吸器、及び経鼻的CPAPを含む、呼吸器疾患を治療するあらゆる介入を含む。
用語「処置」とは、患者における疾患又は状態(例えば、BPD)の治癒、症状緩和、症状軽減のための使用を意味する。
用語「予防」とは、患者における疾患又は状態(例えば、BPD)の進行の緩徐化及び/又は発症の遅延のための使用を意味する。
用語「早産新生児」、すなわち早産児には、妊娠期間が24~35週の超低出生体重(ELBW)、極低出生体重(VLBW)及び低出生体重(LBW)の新生児が含まれる。
用語「固定された組み合わせ物」とは、活性物質が固定された量比にある組み合わせ物を意味する。
「薬学的に許容し得る」とは、乳児に投与された際にアレルギー性の又は類似の不都合な反応を生じない媒体を意味する、本明細書で使用される用語である。
サーファクタント製剤についての「サーファクタント活性」とは、表面張力を低下させる能力として定義される。
外因性サーファクタント製剤のインビトロ有効性は、ヴィルヘルミー秤、パルセーティング気泡型表面張力計(Pulsating Bubble Surfactometer)、捕捉気泡型表面張力計(Captive Bubble Surfactometer)、及びキャピラリー表面張力計(Capillary Surfactometer)などの適当な装置を用いて、表面張力を低下させる能力を測定することにより、一般的に試験される。
外因性サーファクタント製剤のインビボ有効性は、公知の方法に従って早産動物モデルにおいて肺力学を測定することによって試験される。
本明細書の文脈において、用語「相乗的」とは、肺サーファクタントの活性にブデソニドの活性を加えたものが、サーファクタント又はブデソニド単独の活性によって予想されるよりも大きいことを意味する。
用語「ポラクタントアルファのバイオシミラーにより、ポラクタントアルファと治療的に同等であるが、ポラクタントアルファに関して少なくとも80%の組成の類似性、及びポラクタントアルファが80/mg/mlの濃度で水溶液中に懸濁された場合に室温で15mPas(cP)未満の粘度を有する、加工天然肺サーファクタントを意味する。粘度は公知の方法に従って決定することができる。
この複雑な一連の介入についてのプロトコルのスキーム 酸素負荷 圧量曲線から測定した40cm HOでの静的肺気量 肺重量 肺重量に対する肺気量 肺の乾湿重量比 肺成熟のmRNA指標SP-A、SP-B及びSP-C
発明の詳細な説明
本発明は、0.1mg/kg~1.5mg/kgの間で構成される用量のブデソニドを、ポラクタントアルファなどの肺サーファクタントと組み合わせて、該サーファクタントの表面活性を変えることなく進行性の気管支肺異形成症(BPD)を処置することができたという予期せぬ知見に部分的に基づく。
肺サーファクタントを特許請求した用量のブデソニドと組み合わせることの利点は、以下の知見から明らかとなる。
実に驚くべきことに、経鼻的CPAP換気を受けたRDSを有する早産の子ヒツジでの研究において、ブデソニドと組み合わせたポラクタントアルファなどの肺サーファクタントは、肺成熟のいくつかのタンパク質指標のmRNA発現を有意に増加させるが、予想外にも、肺サーファクタント単独ではそのようなmRNA発現に減少を引き起こしたことが見出された。
ブデソニドの添加はまた、肺サーファクタント単独と比較して、肺重量を減少させるだけではなく、肺気量を有意に増加させる。
肺重量の減少は、次に間葉系細胞及び成熟反応の喪失を示す水分の喪失と関連している。
更に、サーファクタントへのブデソニドの添加は、両方とも肺成熟の欠如の指標である気道壁厚及びコラーゲン沈着を減少させる。
ブデソニドは高親油性コルチコステロイドであるため、これは、全身性の吸収は軽微でありつつその粘膜吸収及びリン脂質細胞膜を通過する取り込みに有利であり得、このことは、当該組み合わせ物を早産新生児における処置用途に安全なものとする。
一方、肺サーファクタントはマランゴニ効果によるコルチコステロイドの拡散に有利であり得、このことは、その分布、それ故全ての関与する肺領域の到達に有利である。
現在使用されている又は今後呼吸窮迫系及び他の肺状態で使用するために開発されるどんな肺サーファクタントであっても、本発明での使用に好適であり得るだろう。これらには、加工天然、人工、及び再構成の肺サーファクタントが包含される。
現行の加工天然肺サーファクタントとしては、ウシ脂質肺サーファクタント(BLES(商標)、BLES Biochemicals,Inc.London,Ont)、カルファクタント(Infasurf(商標),Forest Pharmaceuticals,St.Louis,Mo.)、ボバクタント(Alveofact(商標),Thomae,Germany)、ウシ肺サーファクタント(肺サーファクタントTA(商標),Tokyo Tanabe,Japan)、ポラクタントアルファ(Curosurf(商標),Chiesi Farmaceutici SpA,Parma,Italy)、及びベラクタント(Survanta(商標),Abbott Laboratories,Inc.,Abbott Park,111)が挙げられるが、これらに限定されない。
再構成サーファクタントの例としては、欧州特許出願公開第2152288号明細書、国際公開第2008/011559号、国際公開第2013/120058号に開示された組成物、製品ルシナクタント(Surfaxin(商標),Windtree-Discovery Laboratories Inc.,Warrington,Pa.)、及び国際公開第2010/139442号の実施例2の表2に開示されている組成物を有する製品、すなわち
1.5%のSP-C33(leu)アセテート;
0.2%のMini-B(leu)アセテート;及び
50:50の重量比のDPPC:POPG
が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の医薬における使用のために選択される肺サーファクタントは、RDSに利用される肺サーファクタントと同じであっても異なっていてもよい。好ましい実施態様では、同じ肺サーファクタントが使用される。
好ましい実施態様では、肺サーファクタントは加工天然肺サーファクタントである。
より好ましくは、肺サーファクタントは、非常に低い粘度に恵まれ、それ故、少量の水性担体を用いて高濃度で投与することができるので、ポラクタントアルファ(Curosurf(商標))又は上で定義したそのバイオシミラーである。
別の実施態様では、肺サーファクタントは、国際公開第2010/139442号の実施例2の表2に開示されている組成物を有する再構成サーファクタントである。
投与されるべき肺サーファクタントの用量は、早産新生児の体重及び妊娠期間、並びに新生児の状態の重症度によって変動する。当業者は容易に、これらの因子を決定し、それに従って用量を調節することができる。
有利には、肺サーファクタントの用量は、100~200mg/kgであり得るだろう。
本発明の好適な実施態様では、100~200mg/kgの間で構成される用量のポラクタントアルファを使用することができるだろう。
好ましい実施態様では、用量は100mg/kgであり得るだろうが、別の好ましい実施態様では、用量は200mg/kgであり得るだろう。
有利には、ブデソニドの用量は、0.1~1.5mg/kgの間、より有利には0.2~1.0mg/kgの間、更により有利には0.25~1.0mg/kgの間で構成される。
特定の実施態様では、肺成熟への影響が主に追求される場合、ブデソニドの用量は、0.1~0.5mg/kgの間で構成され得るだろうが、他の実施態様では、ブデソニドの用量は、0.5~1.0mg/kgの間で構成され得るだろう。
好ましくは、本発明の組み合わせ物は、1~12cm 水の圧力での、非侵襲的換気術下に維持された、より好ましくは経鼻的CPAP下に維持された、更により好ましくは経鼻装置を付けた、早産新生児に投与される。
特許請求された用量の肺サーファクタントとブデソニドとの組み合わせ物は、逐次的に、別々に、又は一緒に投与され得る。有利には、これら2つの活性物質が一緒に投与される場合、それらは固定された組み合わせ物として投与される。
したがって、本発明はまた、進行性のBPDを処置するための医薬の製造における固定された組み合わせ物としての本発明の組み合わせ物の使用に関する。
医薬は、医薬組成物の形態であり得る。
当該製剤は、溶液、分散液、懸濁液、又は乾燥粉末の形態で投与され得る。好ましくは、当該組成物は、適切な生理学的に許容される溶媒中に懸濁された特許請求された組み合わせ物を含む。
より好ましくは、製剤は水溶液を含み、好ましくは無菌であり、これらはまた、pH緩衝剤並びに他の薬学的に許容し得る賦形剤(例えば、湿潤剤としてのポリソルベート20、ポリソルベート80又はソルビタンモノラウレート、及び等張化剤としての塩化ナトリウム)も含み得る。
製剤は、単回用量又は多回用量の容器(例えば、密封アンプル及びバイアル)に分配してもよく、又は使用直前に滅菌液体担体の添加のみを必要とする凍結又は凍結乾燥(freeze-dried)(凍結乾燥(lyophilized))状態で保存してもよい。
好ましくは、製剤は、単回使用バイアル中の緩衝化生理食塩(0.9%w/v塩化ナトリウム)水溶液中の滅菌懸濁液として供給される。
特許請求された製剤の投与は、公知の方法(例えば、気管内注入によって、スプレー投与によって、又はジェット超音波若しくは市販の一般的に利用可能なメッシュ振動ネブライザーによる吸入)に従って、実施され得る。
製剤が気管内注入により投与される場合、呼吸窮迫症候群の重症度に応じて、異なる方法が適切であり得る。例えば、特許請求された製剤は、気管内チューブを通して人工呼吸下に維持された早産新生児に投与され得る。
或いは、この製剤は、国際公開第2008/148469号に記載の手順に従って、気管内に配置された細いカテーテルと、経鼻的持続陽圧呼吸法(nCPAP)として知られている方法論に従ってマスク、プロング、又はチューブなどの専用の経鼻装置を通じて支持される新生児呼吸とを使用することによって投与され得る。
高い粘度は細いカテーテルを通してのサーファクタントの通過をより困難にするだろうから、後者のアプローチは、低い粘度を有するポラクタントアルファなどの外因性サーファクタントを用いてのみ可能であるだろう。
2つの組み合わされた活性物質が懸濁されている水性溶液の容量は、所望の濃度に依存する。
有利には、製剤の容量は、5.0ml以下、好ましくは4.5~2.0mlの間を含み、より好ましくは3.5~2.5mlの間であるべきである。
他の実施態様では、肺サーファクタント及びブデソニドを別々に投与する場合、個々の活性物質は別々に製剤化され得るだろう。この場合、2つの個々の活性物質は、無条件には同時に服用しなくてもよい。
そのような別々の投与の場合には、2つの個々の活性物質の処方物は、1つの適切な容器手段に同時に包装してもよい。適切な容器手段における成分のそのような別々の包装は、キットとしても記載される。
したがって、本発明はまた、a)第1の単位剤形中、100~200mg/kgの間で構成される用量の肺サーファクタント及び薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と、b)第2の単位剤形中、0.1から1.5mg/kgまでで構成される用量のブデソニド及び薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と、c)上記第1及び第2の剤形を収容するための容器手段と、を備える、進行性の気管支肺異形成症の処置のためのキットに関する。
当業者によって確立されるべき条件に従って、出生後の早産新生児に投与され得るだろう本発明の組み合わせ物は、どんな形態の進行性の気管支肺異形成症を処置するのにも適している。
投与頻度は、早産新生児の大きさ及び妊娠期間、並びに新生児の状態の重症度及び投与経路に応じて変動する。当業者は容易にそれを決定することが可能である。
例えば、本発明の医薬は、1日1回又は2回投与することができるだろう。
有利には、本発明の組み合わせは、生後2日目から28日目まで、好ましくは生後5日目から15日目まで、より好ましくは生後7日目から10日目まで、投与される。
上記時間間隔内において、処置効果を達成するために適切であると内科医(physician)又は他の医師(medical practitioner)が判断する期間、当該処置を継続することができる。
本発明の医薬を必要とする早産新生児は、呼吸窮迫症候群(RDS)を示していても示していなくてもよい。一実施態様では、本発明の医薬の投与は、肺サーファクタントを用いるか又は別の手段(例えば、換気)若しくはそれらの組み合わせによるそのような症候群の処置後に、RDSを示す新生児において開始される。
特定の実施態様では、本発明の医薬によって治療されるべき新生児は、呼吸補助を必要とするが必ずしも呼吸窮迫症候群を示すわけではない。これらの乳児は、RDSであると診断されていないか、又はRDS用の肺サーファクタントによって治療されていない。
妊娠期間24~35週の超低出生体重(ELBW)、極低出生体重(VLBW)、及び低出生体重(LBW)新生児を含む、全ての早産新生児が本発明の医薬の投与に適格であり得るだろう。好ましくは、この医薬は、BPDのより高い発生率を有することになる重症のRDSに罹患したVLBW新生児に投与される。
大まかに言えば、進行性のBPDの管理は、単独の介入形態でありそうではなく、むしろ複合的なアプローチであるため、内科医は、早産新生児が呼吸補助の併用並びに/又は他の適切な薬物(例えば、ビタミンA及び抗生物質)を必要とするかどうかも評価するだろう。
以下の実施例は、本発明を更に詳細に説明する。
実施例1-毛細管表面張力計によるブデソニドの存在下でのポラクタントアルファの表面活性のインビトロ評価
Calmia Medical,Inc.,USAから市販されている毛細管表面張力計により、ポラクタントアルファ単独と比較したポラクタントアルファ(2ml,1.0mgのブデソニド存在下)の表面活性を評価する。
2つの試料を調製する:一方は生理食塩水でリン脂質中1mg/mlの濃度への希釈によるポラクタントアルファ(1.5ml,80mg/ml)のバイアルから得、他方はブデソニド(2ml,1.0mg)のバイアルと混合し、食塩水で同濃度(1mg/mlリン脂質)に希釈したポラクタントアルファ(1.5ml,80mg/ml)のバイアルから得る。次いで、両溶液の0.5mlのサンプルを毛細管表面張力計において評価する。
毛細管表面張力計の原理は、ヒト末梢気道をシミュレートするものである。サンプルを、ヒト末梢気道の内径に類似の内径が0.25mmのガラスキャピラリーの狭部に導入する。一端では、毛細管はベローズ及び圧力変換器に接続されている。ベローズをゆっくり圧縮すると、圧力が上昇され記録される。上昇する圧力により、キャピラリーの狭部からサンプルが押し出される。空気が通り抜けるにつれて、圧力が急に低下する。サンプルが良好に機能する肺サーファクタントを含む場合、サンプル液は狭部に戻らない。ベローズを連続的に圧縮することにより得られる安定した気流は、抵抗を受けることがなく、記録される圧力はゼロとなる。一方、サンプルが良好に機能する肺サーファクタントを含まない場合、サンプル液は繰り返し戻る。
ブデソニドの存在下でのポラクタントアルファの挙動は、ポラクタントアルファ単独のものと統計的に区別がつかないことが判明し、これは、上記用量のブデソニドがサーファクタントの表面活性に影響を及ぼさないことを示している。
実施例2-BPDの子ヒツジモデルにおけるブデソニドの存在下でのポラクタントアルファの活性のインビボ評価
肺損傷を減少させるためのサーファクタント+ブデソニド処置の評価を用いる新生児蘇生及び肺損傷の研究についての実験を実施した。この実験は、胎仔の肺への伸展損傷が子宮内回復24時間後に2回目の換気に媒介される損傷を調節するかどうかを確認することを目的とした。
これは、胎仔の肺のプレコンディショニング又は耐性応答の可能性について試験するための研究であった。最初の伸展損傷後のブデソニドを用いる又はブデソニドを用いないサーファクタントでの処置は、胎仔の肺を保護する抗炎症効果をこのステロイドが持っているかどうかを試験するためのものであった。動物群には、CPAP曝露と、伸展損傷との比較のための初期曝露なしと、が含まれた。これらの群並びにそれらの特徴及び処置を表1に示す。表1の説明に、介入に関する詳細が示されている。図1は、この複雑な一連の介入についてのプロトコルの概略図である。
Figure 2023113852000001
表の説明
・CPAP:動物は、損傷介入に関連する麻酔及び手術についての対照として、5cm HO CPAPに15分間置いた。
・胎仔肺損傷の介入:あり=動物の頭部及び胸部を曝す;4.5mmの気管内チューブを気管に固定する。次いで、胎仔を、R=30、IT=1秒、PEEP=0、最大圧力55cm HOまでの100%加湿した窒素によって換気する。目標は、4分で7ml/kg、8分で12ml/kg、そして12分で15ml/kgの推定Vを達成することであった。総換気期間は15分であった。
・肺サーファクタント(Surf):CPAP又は胎仔の肺損傷介入後、3kgの体重と仮定して動物を100mg/kgのCurosurfで処置した。Curosurf+ブデソニドを生理食塩水で10mlに希釈した。気管内チューブを通してサーファクタントを与え、シリンジにより胎仔の肺液と混合した。サーファクタント処置後、サーファクタントの損失を防ぐために気管を結紮した。
・ブデソニド(Bud):10ml懸濁液中0.25又は1.0mg/kgのブデソニド及びサーファクタントを送達するために、1ml中に0.5mgの微粉化ブデソニドを含有するPulmicort Respules(Astra Zeneca,Sweden)をCurosurf+生理食塩水と混合した。
・24時間での換気試験:動物の頭部を再度曝し、4.5mmの気管内チューブを配置した。胎児の肺液を注射器によって吸引し、子ヒツジを分娩し、40の速度、0.45秒の吸気時間、5cm HOのPEEP、及び100%加湿された酸素を含む40cm HOの最大ピーク吸気圧で換気した。
この実験は46匹のヒツジ胎仔用に設計され、一匹の雌ヒツジは胎仔を有しておらず、また、一組の双子は単生児であったため、最終的な合計は44匹であった。実験手順は、他の全ての子ヒツジでうまくいった。1群あたりの動物の数は、それらの群の統計的検出力を高めるために、V15損傷の及びサーファクタントの群の動物を増やすように調整した。実験計画の重要な要素に関する具体的なコメントは以下である。
・15分での推定15ml/kg一回換気量を目標とした換気損傷は、55cm HOの最大圧力の使用にもかかわらず11~13ml/kgの容量を達成するのみであり、これは、胎仔の肺が未熟でサーファクタントが不足していたことを示す。
・V損傷の及びCPAPの群(出生時体重3kgと推定)に、生理食塩水により10mlに希釈した100mg/kgのCurosurf又はCurosurf+ブデソニドを投与した。肺機能の評価の前に、子宮内で24時間、処置が肺に留まることを確実にするために、処置後に気管を結紮した。
・ブデソニドは、0.5mg/mlのPulmicort Respulesとして使用し、胎仔の肺を曝すための標準化された無菌製品を得た。
・最初の介入及び処置の24時間後の分娩時に、気管内チューブを配置し、すべての自由に流れる胎仔肺液を注射器で抜き取った。CPAPに曝した肺から、大量の液体を回収した。胎仔の肺液はなく、少量の濃厚な分泌物のみがV損傷肺から吸引された。
・30分の分娩後換気期間は、全ての換気した子ヒツジで成功した。いくつかの肺は、肺組織及び胸膜ブレブ内に空気の集まりを有していたが、圧量曲線の大部分は成功した。
結果
群間の妊娠期間又は出生時体重には重大な差はなかった(表1)。これらの実験は、7つの群が存在するので分析が複雑である。ベースライン測定のための組織採取にのみ、なし+なしの動物を使用する。
酸素負荷
結果を図2に報告する。
動物を100%酸素で換気しながら動脈のPOとして測定した酸素負荷は、換気の24時間前に麻酔に曝されただけの無傷かつサーファクタント処理されていない換気された双子では、平均値54mmHgと非常に低かった。この結果は、子ヒツジが介入前に未熟な肺を有していたことを証明している。ブデソニドを用いる又はブデソニドを用いないサーファクタントにかかわらず、損傷は酸素負荷応答を消失させた。15分のCPAP+サーファクタントの処置は、380mmHgへの平均POの顕著な増加をもたらし、ブデソニドの添加は417mmHgの平均POをもたらし、これは、当該添加が酸素負荷をわずかに増加させることを示している。
非換気群では、かなり低いものの、増加した濃度のブデソニドの存在下でのわずかな改善傾向が、群の中央値の比較から理解することができる。
圧量曲線から測定した40cm H Oでの静的肺気量。
結果を図3に報告する。
肺気を含まない肺で膨張測定のための酸素吸着後に測定した体重に対して表した最大肺気量は、換気された双子の肺において低かった。CPAP+サーファクタントの群は、肺気量/kg体重が大きく増加し、ブデソニドはCPAP+サーファクタントと比較して肺気量を有意に増加させた。酸素負荷に関しては、V15損傷群の動物では、肺気量に大きな影響はなかった。
肺重量
結果を図4に報告する。
剖検時の群間の肺重量の大きな変化が驚くべきことに観察された。換気された双子、Vt15損傷+サーファクタント、及びCPAP+サーファクタントの肺重量は類似していた。しかしながら、各ブデソニド群では、肺重量はより低く、1.0mg/kgブデソニド群で最も大きな効果が示された。母体のステロイドへの胎仔の曝露による肺重量の大きな変化は、他の実験では決して測定されなかったため、観察された非常に大きな肺重量の変化はむしろ予想外のものである。
肺重量に対する肺気量
結果を図5に報告する。
注目に値することに、肺重量は、CPAP+サーファクタントの群に対してCPAP+サーファクタント+ブデソニドの群で減少したが、肺気量は増加した。したがって、肺容積と肺重量との比が示されている。この比率は、より多くのガスを保持するより軽い肺の複合効果を強調している。CPAP+ブデソニドの肺は、CPAPの肺よりも多くのガスを保持した。この比はまた、V15+サーファクタントの肺が肺ブデソニドに曝されたものよりも少ないガスを保持したことを示している。
肺の乾湿重量比
結果を図6に報告する。
ブデソニドに関連する肺重量のこれらの大きな変化は、主に24時間にわたる肺水分の損失であるにちがいない。水分のその喪失は、間葉系細胞及び成熟応答の喪失を示し得るだろう。
肺成熟のmRNA指標
mRNAをサーファクタントタンパク質(SP)A、B、C、及びDについて分析した。
サーファクタントタンパク質の発現が肺成熟の徴候であることは周知である。
SP-A、SP-B、及びSP-Cの結果を図7に報告する。
未操作対照及び換気された双子と比較して、CPAP+サーファクタントの群についてmRNAの一貫した減少があった。サーファクタントタンパク質mRNAのこの抑制は、かなり予想外である。興味深いことに、CPAP+サーファクタントとブデソニドとの組み合わせは、サーファクタントタンパク質を有意に増加させた。
実施例3-本発明による水性懸濁液の形態での処方物。
Figure 2023113852000002
実施例4-気道厚の測定
大小の気道の外観及び厚さは、CPAP及び人工呼吸の両方によって変化することが知られている。
特に、適切な肺成熟がないと、壁厚の増加及びコラーゲン沈着の増加が観察される。
したがって、大きな気道/細気管支の厚さ及びコラーゲン沈着を、Wang H et al Am J Physiol. Lung Cell Mol Physiol 2014,307,L295-L301に報告された方法に従って、高酸素に曝した子ヒツジにおいて、測定した。
1スライド画像当たり3箇所の測定、及び1動物当たり5枚のスライド画像、及び1群当たり4~6匹の動物を用いて、盲検化切片で厚さを測定した。
結果を表2に報告する。
人工呼吸を受けている動物は、肥厚した小さい気道及び大きい気道を有していた。更に、気道内のコラーゲンの定量により、人工呼吸を受けている動物において増加したコラーゲン染色が示された。
これに対して、CPAP+サーファクタント+ブデソニドの群で減少が観察され、CPAP+サーファクタント+ブデソニド0.25mg/kgの群で特に顕著であった。
Figure 2023113852000003

Claims (15)

  1. 早産新生児において進行性の気管支肺異形成症(BPD)の処置に使用するための、肺サーファクタントと0.1から1.5mg/kgまでで構成される用量のブデソニドとの組み合わせ物。
  2. 前記早産新生児の生後2日目から28日目まで投与される、請求項1に記載の使用ための組み合わせ物。
  3. 生後5日目から15日目まで投与される、請求項2に記載の使用ための組み合わせ物。
  4. 生後7日目から10日目まで投与される、請求項3に記載の使用のための組み合わせ物。
  5. 前記早産新生児が非侵襲的換気術下に維持されている、先行する請求項のいずれか一項記載の使用のための組み合わせ物。
  6. 前記非侵襲的換気術が経鼻的CPAPである、請求項5に記載の使用ための組み合わせ物。
  7. ブデソニドの前記用量が0.2~1.0mg/kgの間で構成される、先行する請求項のいずれか一項記載の使用のための組み合わせ物。
  8. ブデソニドの前記用量が0.1~0.5mg/kgの間で構成される、請求項1~6のいずれか一項記載の使用のための組み合わせ物。
  9. ブデソニドの前記用量が0.5~1.0mg/kgの間で構成される、請求項1~6のいずれか一項記載の使用のための組み合わせ物。
  10. 前記肺サーファクタント及びブデソニドが、同時に、逐次的に、又は別々に、投与される、先行する請求項のいずれか一項記載の使用のための組み合わせ物。
  11. 前記肺サーファクタントの前記用量が100~200mg/kgの間で構成される、先行する請求項のいずれか一項記載の使用のための組み合わせ物。
  12. 前記肺サーファクタントがポラクタントアルファ又はそのバイオシミラーである、先行する請求項のいずれか一項記載の使用のための組み合わせ物。
  13. 吸入又は気管内経路により医薬製剤として投与すべきものである、請求項1~12のいずれか一項記載の使用のための組み合わせ物。
  14. 前記医薬製剤が、薬学的に許容し得る担体を含む水性懸濁液の形態である、請求項13に記載の使用のための組み合わせ物。
  15. a)第1の単位剤形中の、100~200mg/kgの間で構成される用量の肺サーファクタントと薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と、
    b)第2の単位剤形中の、0.1から1.5mg/kgまでで構成される用量のブデソニドと薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と、
    c)前記第1及び第2の剤形を収容するための容器手段と
    を備える、進行性の気管支肺異形成症を処置するために使用するためのキット。
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