JP2023112489A - 透析排液用成分測定装置及び方法 - Google Patents

透析排液用成分測定装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】透析排液中の被測定成分の濃度を精度よく測定可能な透析排液用成分測定装置及び方法を提供する。【解決手段】被測定成分は、第1波長の光で励起され第1波長と異なる第2波長の蛍光を発する成分である。透析排液用成分測定装置1は、透析排液に第1波長の光を照射する光源2と、透析排液により所定の散乱角度に散乱された散乱光を受光し散乱光の光強度を測定する散乱光測定部3と、第2波長の蛍光の光強度を測定する蛍光測定部4と、散乱光測定部3の測定結果を基に、透析排液中に含まれる被測定成分の濃度を演算し、演算結果を仮濃度として記憶部56に記憶する被測定成分濃度演算部51と、蛍光測定部4の測定結果を基に、透析排液中に被測定成分が含まれていることを検知する被測定成分検知部52と、被測定成分検知部52が被測定成分を検知したときのみ、仮濃度を被測定成分の濃度とする成分確認部53と、を備えた。【選択図】図2

Description

本発明は、透析排液用成分測定装置及び方法に関する。
血液浄化装置では、血液浄化器(ダイアライザとも呼称される)において、血液浄化膜を介して血液と透析液とを接触させることで、血液を浄化する。この際、血液中の特定の成分が透析液へと漏出し過ぎると、合併症等の不具合が発生するおそれがある。よって、このような不具合を避けるため、血液浄化器から排出された透析排液中の特定の成分の濃度を監視することが望まれる。
透析排液で監視が望まれる成分(被測定成分という)として、例えばアルブミンがある。特許文献1では、液中のアルブミンに対して光励起を行い、発生する蛍光を測定することで、アルブミンの濃度を測定する方法が開示されている。
特表2014-518517号公報
しかしながら、蛍光は光強度が小さく、特に、被測定成分の濃度が低いときには、測定精度が低下してしまうおそれがある。例えば、被測定成分がアルブミンである場合、このアルブミンは血液から漏出し過ぎてはならない成分であるため、通常はアルブミンの濃度はそれほど高くならないと考えられる。そのため、被測定成分の濃度が低い状態でも精度よく濃度を測定することが望まれる。
そこで、本発明は、透析排液中の被測定成分の濃度を精度よく測定可能な透析排液用成分測定装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施の形態に係る透析排液用成分測定装置は、血液浄化器から排出された透析排液中に含まれる被測定成分の濃度を測定する装置であって、前記被測定成分は、第1波長の光で励起され前記第1波長と異なる第2波長の蛍光を発する成分であり、前記透析排液に前記第1波長の光を照射する光源と、前記透析排液により散乱された前記第1波長の散乱光のうち、予め設定された所定の散乱角度に散乱された散乱光を受光し、当該散乱光の光強度を測定する散乱光測定部と、前記第2波長の蛍光の光強度を測定する蛍光測定部と、前記散乱光測定部の測定結果を基に、前記透析排液中に含まれる前記被測定成分の濃度を演算し、演算結果を仮濃度として記憶部に記憶する被測定成分濃度演算部と、前記蛍光測定部の測定結果を基に、前記透析排液中に前記被測定成分が含まれていることを検知する被測定成分検知部と、前記被測定成分検知部が前記透析排液中に前記被測定成分が含まれていることを検知したときのみ、前記被測定成分濃度演算部が演算した前記仮濃度を、前記被測定成分の濃度とする成分確認部と、を備えた。
本発明の一実施の形態に係る透析排液用成分測定方法は、血液浄化器から排出された透析排液中に含まれる被測定成分の濃度を測定する方法であって、前記被測定成分は、第1波長の光で励起され前記第1波長と異なる第2波長の蛍光を発する成分であり、光源から前記透析排液に前記第1波長の光を照射し、前記透析排液により散乱された前記第1波長の散乱光のうち、予め設定された所定の散乱角度に散乱された散乱光を受光し、当該散乱光の光強度を測定し、前記第2波長の蛍光の光強度を測定し、前記散乱光の光強度の測定結果を基に、前記透析排液中に含まれる前記被測定成分の濃度を演算し、演算結果を仮濃度として記憶し、前記蛍光の光強度の測定結果を基に、前記透析排液中に前記被測定成分が含まれていることを検知し、前記透析排液中に前記被測定成分が含まれていることを検知したときのみ、前記仮濃度を、前記被測定成分の濃度とする。
本発明によれば、透析排液中の被測定成分の濃度を精度よく測定可能な透析排液用成分測定装置及び方法を提供できる。
本発明の一実施の形態に係る透析排液用成分測定装置を用いた血液浄化装置の概略構成図である。 本発明の一実施の形態に係る透析排液用成分測定装置の模式図である。 本発明の一実施の形態に係る透析排液用成分測定方法のフロー図である。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
(血液浄化装置)
まず、本実施の形態に係る透析排液用成分測定装置を適用する血液浄化装置について説明する。図1は、本実施の形態に係る透析排液用成分測定装置を用いた血液浄化装置の概略構成図である。
図1に示すように、血液浄化装置10は、患者の血液を体外循環させる血液回路11と、血液回路11に設けられた血液浄化器12に供給液を供給する液供給流路13と、血液浄化器12からの排液を排出する排液流路14と、を備えている。図1の例では、液供給流路13が、血液浄化器12に透析液を供給する透析液流路13aである場合を示している。ただし、これに限らず、液供給流路13は、補充液を血液回路11に直接供給する補充液流路であってもよいし、透析液流路13aと補充液流路の両方を有していてもよい。
血液回路11は、例えば可撓性を有するチューブ等から構成される。血液回路11には、血液の流れにおける上流側から下流側にかけて、血液ポンプ111、血液浄化器12、エアトラップチャンバ112が順次設けられている。血液ポンプ111は、血液を送液する送液ポンプである。エアトラップチャンバ112は、血液から気泡を除去するためのものである。
透析液流路13aには、逆浸透膜(RO(Reverse Osmosis)膜)を用いて清浄な透析用水を製造するRO装置(不図示)から、透析用水が供給される。また、透析液流路13aには、A原液及びB原液の2種類の透析液原液が供給される。両原液は、それぞれ原液貯留タンク151に貯留されており、原液流路152を介して原液貯留タンク151から透析液流路13aにそれぞれA原液とB原液とが供給される。両原液流路152には、A原液またはB原液を送液する送液ポンプである原液注入ポンプ153がそれぞれ設けられている。透析液流路13aにて透析用水にA原液及びB原液が混合されることで、透析液が調製される。調製された透析液は、複式ポンプ16を介して血液浄化器12に導入される。なお、これに限らず、例えば、既にA原液とB原液とが混合された調整済みの透析液原液が供給されるように構成してもよい。また、透析用水と透析液原液とから透析液を調製する機構を省略し、外部から透析液が供給されるよう構成してもよい。つまり、血液浄化装置10は、透析用水と透析液原液とから透析液を調製する機構を有する個人用透析装置であってもよいし、多人数用透析液供給装置から透析液が供給される透析用監視装置であってもよい。
血液浄化器12から排出された透析排液は、排液流路14を通り排出される。複式ポンプ16は、透析液流路13aと排液流路14とにわたって設けられており、血液浄化器12に導入される透析液の量と、血液浄化器12から排出される排液の量が等しくなるように、ポンプ動作を行う。また、排液流路14には、複式ポンプ16をバイパスするように除水流路14aが設けられており、この除水流路14aに、除水ポンプ17が設けられている。除水ポンプ17を駆動すると、血液浄化器12に導入される透析液の量よりも、血液浄化器12から排出される排液の量が多くなり、血液からの除水が行われる。除水ポンプ17の送液量を調整することにより、血液からの除水量を調整することができる。
血液浄化装置10の排液流路14には、本実施の形態に係る透析排液用成分測定装置1が設けられている。透析排液用成分測定装置1は、除水流路14aが排液流路14に合流する位置よりも下流側の排液流路14に設けられている。なお、図1の構成はあくまで一例であり、血液浄化装置10の具体的な構成は適宜変更可能である。
(透析排液用成分測定装置1)
図2は、本実施の形態に係る透析排液用成分測定装置1の模式図である。透析排液用成分測定装置1は、血液浄化器12から排出された透析排液中に含まれる特定の被測定成分の濃度を測定する装置である。
被測定成分は、第1波長の光で励起され第1波長と異なる第2波長の蛍光を発する成分である。本実施の形態では、被測定成分がアルブミンである場合を説明する。つまり、透析排液用成分測定装置1は、例えば、透析排液中のアルブミンの濃度を測定する装置である。被測定成分がアルブミンである場合、励起光の波長である第1波長は、250nm以上330nm以下、より好ましくは275nm以上285nm以下となる。そして、アルブミンが発する蛍光の波長である第2波長は、300nm以上400nm以下となる。
ところで、蛍光の光強度は低く、特に被測定成分の濃度が低い場合には、十分な検知精度を確保することが困難になる場合がある。そこで、本発明者らは、被測定成分による散乱光の光強度を基に、被測定成分の濃度を測定することを考えた。しかし、散乱光の光強度のみを用いた場合、透析排液中に含まれる被測定成分以外の成分の影響や外部ノイズの影響等により、被測定成分を測定している散乱角度と同じ散乱角度の散乱光が生じてしまう場合がある。このような場合、被測定成分が漏出していないにもかかわらず、漏出していると判断されることになってしまう。本発明者らは、このような不具合を抑制するために鋭意検討を重ね、本発明に至った。
図2に示すように、透析排液用成分測定装置1は、光源2と、散乱光測定部3と、蛍光測定部4と、演算装置5と、を主に備えている。光源2は、被測定成分であるアルブミンを励起可能な第1波長の光を透析排液に照射する。ここでは、光源2として、波長280nmの紫外光を照射する発光ダイオードを用いた。本実施の形態では、光源2を、発光と非発光を所定の周期で繰り返すようにパルス駆動した。これにより、消費電力を低減し光源2として用いる発光ダイオードの寿命を延ばすことができ、さらに、ノイズの影響を抑制することも可能になる(ノイズの影響抑制については後述する)。
排液流路14には、流路が略一定の厚さとなるように薄く形成した平板状の測定部14bが設けられている。ここでは、光源2側から見て略楕円形状の測定部14bを形成した。光源2は、測定部14bの厚さ方向において測定部14bの中心部分と対向するように設けられている。測定部14bは、少なくとも第1波長及び第2波長の光を透過する(第1波長及び第2波長の透過率が十分に高い)材質で構成されている。また、光源2と測定部14bとの間には、レンズ6が設けられている。光源2から照射された光は、レンズ6により集光されて測定部14bへと入射する。ここでは、レンズ6により光源2からの光を平行光に変換して測定部14bへと入射するように構成した。
散乱光測定部3は、測定部14bへと入射した光が透析排液により散乱された第1波長(つまり光源2と同じ波長)の散乱光を複数の角度で受光し散乱光の光強度を測定する。本実施の形態では、散乱光測定部3は、透析排液により散乱された第1波長の散乱光のうち、予め設定された所定の散乱角度に散乱された散乱光を受光し、当該散乱光の光強度を測定する。このとき、散乱光を測定する散乱角度は、被測定成分(ここではアルブミン)による散乱が大きく、かつ、透析排液に含まれる他の成分(例えば尿酸やβ2-マイクログロブリンなど)の影響が小さい散乱角度を選択するとよく、予め実験等により求めておくとよい。より具体的には、予めアルブミンによる散乱パターンと、透析排液に含まれる他の物質の散乱パターンとを実験等により求めておき、実験等により求めた散乱パターンを参照して、透析排液に含まれる他の物質の影響を受けにくく、かつ、アルブミンの影響を受けやすい散乱角度(つまり、透析排液に含まれる他の物質による散乱光の光強度が小さくなり、かつ、アルブミンによる散乱光の光強度が大きくなる散乱角度)を求めておくとよい。
散乱光測定部3は、被測定成分(ここではアルブミン)による散乱光を受光するための散乱光用受光素子(PD)31と、透析排液を透過した透過光が散乱光用受光素子31に入射されないよう遮断する透過光マスク32と、所定の散乱角度の散乱光を散乱光用受光素子31に導く第1導光部材としてのレンズ33と、を有している。
散乱光用受光素子31としては、微弱な光信号も検出可能で、入射光に対する応答速度が速いフォトダイオードを用いるとよく、より好ましくは、アバランシェ・フォトダイオードを用いるとよい。これにより、散乱光の経時的な変化をとらえることができ、また微小な光量でも増倍率が高いため、受光感度を向上することができる。
本実施の形態では、散乱光用受光素子31は、測定部14bを挟んで、光源2と対向して配置されている。そのため、光源2からの光が測定部14bを透過した透過光が散乱光用受光素子31で受光されてしまわないように、測定部14bと散乱光用受光素子31との間に、透過光マスク32が設けられている。透過光マスク32は、透過光のみならず、被測定成分(ここではアルブミン)による蛍光も遮断するよう構成されているとよい。測定部14bで生じた所定の散乱角度の散乱光(すなわち、アルブミンによる散乱光)は、導光部材としてのレンズ33により集光されて散乱光用受光素子31に導かれる。図示の例では、導光部材として1つのレンズ33を用いているが、これに限らず、複数のレンズを用いてもよいし、ミラー等のレンズ以外の光学部材を用いてもよい。
また、図示していないが、散乱光測定部3は、レンズ33で集光された光を、第2波長の光を遮断して第1波長の光を通過させるフィルタを通して散乱光用受光素子31に導くように構成されていてもよい。この場合、フィルタとしては、光源2の発光波長の光を通過させるバンドパスフィルタを用いるとよく、波長が250nm以上330nm以下、より好ましくは275nm以上285nm以下の光を通過させるように構成されているとよい。これにより、レンズ33で集光された光から、アルブミンによる蛍光(及びノイズとなる光)を除くことができ、より精度の高い測定を行うことが可能になる。
また、本実施の形態では、光源2を発光と非発光を所定の周期で繰り返すパルス駆動としているが、散乱光測定部3は、光源2の発光時と非発光時との光強度の差を、散乱光による光強度として測定するよう構成されているとよい。これにより、ノイズの影響を抑制し、より精度の高い測定を行うことが可能になる。
蛍光測定部4は、測定部14bに第1波長の光を照射した際に発生する第2波長の蛍光の光強度を測定する。蛍光測定部4は、蛍光を受光する蛍光用受光素子(PD)41と、バンドパスフィルタ42と、測定部14で生じた蛍光を蛍光用受光素子41に導く第2導光部材としてのレンズ43と、を有している。バンドパスフィルタ42は、測定部14bと蛍光用受光素子41との間に設けられ、第1波長の光(透過光や散乱光)が蛍光用受光素子41に入射されないよう遮断して、蛍光による第2波長の光のみを通過させるフィルタの役割を果たす。バンドパスフィルタ42が通過させる波長は、第2波長と同じく、300nm以上400nm以下であるとよく、より好ましくはアルブミンの蛍光波長である340nm近傍の波長範囲(例えば、330nm以上350nm以下)であるとよい。蛍光は光強度が比較的小さいため、本実施の形態では、レンズ43により集光した光を蛍光用受光素子41で受光するように構成している。レンズ43は、測定部14bとバンドパスフィルタ42との間に設けられる。
蛍光用受光素子41としては、上記の散乱光用受光素子31と同様に、微弱な光信号も検出可能で、入射光に対する応答速度が速いフォトダイオードを用いるとよく、より好ましくは、アバランシェ・フォトダイオードを用いるとよい。これにより、蛍光の経時的な変化をとらえることができ、また微小な光量でも増倍率が高いため、受光感度を向上することができる。
また、本実施の形態では、光源2を発光と非発光を所定の周期で繰り返すパルス駆動としているが、蛍光測定部4は、光源2の発光時と非発光時との光強度の差を、蛍光による光強度として測定するよう構成されているとよい。信号処理部(演算装置5)にて所定周期の受光成分のみを取り出すことで、ノイズの影響を抑制し、より精度の高い測定を行うことが可能になる。
演算装置5には、被測定成分濃度演算部51、被測定成分検知部52、成分確認部53、被測定成分漏出量演算部54、警報部55、及び記憶部56が搭載されている。被測定成分濃度演算部51、被測定成分検知部52、成分確認部53、被測定成分漏出量演算部54、及び警報部55は、演算素子、メモリ、ソフトウェア、インターフェイス、ハードディスク等の記憶装置等を適宜組み合わせて実現されている。記憶部56は、メモリや、ハードディスク等の記憶装置における所定の記憶領域を用いて実現される。演算装置5は、例えば、血液浄化装置10の制御装置であってもよい。
被測定成分濃度演算部51は、散乱光測定部3の測定結果を基に、透析排液中に含まれる被測定成分(ここではアルブミン)の濃度を演算し、演算結果を仮濃度として、記憶部56に記憶する。被測定成分濃度演算部51は、例えば、予め求めた散乱光の光強度とアルブミンの濃度との関係を用い、散乱光測定部3で測定した散乱光の強度を基に、アルブミンの濃度(仮濃度)を演算する。なお、ここで被測定成分濃度演算部51の演算結果を仮濃度とするのは、アルブミン以外の成分による散乱光が散乱光測定部3で測定されているおそれがあるためである。
被測定成分検知部52は、蛍光測定部4の測定結果を基に、透析排液中に被測定成分(ここではアルブミン)が含まれていることを検知する。具体的には、被測定成分検知部52は、蛍光測定部4が測定した蛍光の光強度が予め設定した閾値以上であるときに、透析排液中にアルブミンが含まれていることを検知する。
成分確認部53は、被測定成分検知部52が透析排液中に被測定成分(ここではアルブミン)が含まれていることを検知したときのみ、被測定成分濃度演算部51が演算し記憶部56に記憶した仮濃度を、被測定成分(ここではアルブミン)の濃度とする。つまり、成分確認部53は、被測定成分濃度演算部51が演算した仮濃度がアルブミンの濃度であるかを確認する役割を果たす。このように、本実施の形態では、蛍光により透析排液中にアルブミンが含まれていることが検知された場合にのみ、散乱光を用いて演算した仮濃度をアルブミンの濃度として扱う。そして、被測定成分濃度演算部51により仮濃度が演算されている場合であっても、蛍光により透析排液中にアルブミンが含まれていることが検知されない場合には、仮濃度はアルブミンの濃度としては扱われず、アルブミンの濃度はゼロとして扱われる。これにより、アルブミンが漏出していないにもかかわらず、漏出していると判断されるといった不具合が抑制される。また、蛍光よりも光強度が大きい散乱光を用いてアルブミンの濃度を測定しているため、精度よくアルブミンの濃度を測定することができる。
被測定成分漏出量演算部54は、成分確認部53で確認された被測定成分(ここではアルブミン)の濃度(すなわち、被測定成分濃度演算部51で演算され、かつ、被測定成分検知部52で透析排液中に被測定成分が含まれていることが検知された被測定成分の濃度)と、透析排液の流量とを基に、治療開始からの被測定成分の漏出量を演算する。透析排液の流量は、複式ポンプ16及び除水ポンプ17の駆動量から求めてもよいし、排液流路14に流量センサを設けて測定してもよい。
より具体的には、被測定成分漏出量演算部54は、1分間の平均アルブミン濃度を演算し、その平均アルブミン濃度に透析排液の流量を掛け合わせることで、1分間当りのアルブミン漏出量を演算し、記憶部56に1分間毎に記憶する。そして、記憶部56に記憶した1分間当りのアルブミン漏出量を治療経過時間分全て足し合わせることで、治療開始からの被測定成分の漏出量を演算する。
警報部55は、成分確認部53で確認されたアルブミンの濃度が、予め設定した閾値以上であるとき、光や音、あるいはディスプレイの表示等の適宜な手段により警報を発する。また、本実施の形態では、警報部55は、被測定成分漏出量演算部54が求めたアルブミンの漏出量が、予め設定した閾値以上であるとき、光や音、あるいはディスプレイの表示等の適宜な手段により警報を発する。
(透析排液用成分測定方法)
図3は、本実施の形態に係る透析排液用成分測定方法のフロー図である。例えば、血液浄化治療の開始時に、図3のフローが開始される。
図3に示すように、本実施の形態に係る透析排液用成分測定方法では、まず、ステップS1にて、光源2から透析排液に第1波長(ここでは波長280nm)の光を照射し、ステップS2にて、散乱光測定部3の散乱光用受光素子31で散乱光を測定すると共に、蛍光測定部4の蛍光用受光素子41で第2波長(ここでは340nm)の蛍光の光強度を測定する。
その後、ステップS3にて、被測定成分濃度演算部51が、散乱光測定部3の測定結果を基に、透析排液中に含まれるアルブミンの濃度を演算し、仮濃度として記憶部56に記憶する。その後、ステップS4にて、被測定成分検知部52が、蛍光測定部4が測定した蛍光の光強度が、予め設定した閾値以上かを判定する。ステップS4にて、YES(Y)と判定された場合、透析排液中にアルブミンが含まれていることになるため、ステップS5にて、成分確認部53が仮濃度をアルブミンの濃度とした後、ステップS7に進む。ステップS4にて、NO(N)と判定された場合、透析排液中にアルブミンが含まれていないことになるため、ステップS6にて、成分確認部53がアルブミンの濃度をゼロとした後、ステップS7に進む。
ステップS7では、警報部55が、ステップS5またはステップS6で設定されたアルブミンの濃度が、予め設定した閾値以上かを判定する。ステップS7にてYES(Y)と判定された場合、ステップS8にて光や音等により警報を発し、ステップS9に進む。ステップS7でNO(N)と判定された場合、警報を発することなくステップS9に進む。
ステップS9では、被測定成分漏出量演算部54が、ステップS5またステップS6で設定されたアルブミンの濃度と、透析排液の流量とを基に、治療開始からのアルブミンの漏出量を演算する。より具体的には、上述のように、被測定成分漏出量演算部54は、1分間の平均アルブミン濃度を演算し、その平均アルブミン濃度に透析排液の流量を掛け合わせることで、1分間当りのアルブミン漏出量を演算して記憶部56に1分間毎に記憶する。そして、記憶部56に記憶した1分間当りのアルブミン漏出量を治療経過時間分全て足し合わせることで、治療開始からのアルブミンの漏出量を演算する。
その後、ステップS10にて、警報部55が、ステップS9で求めたアルブミンの漏出量が、予め設定した閾値以上かを判定する。ステップS10にてYES(Y)と判定された場合、ステップS11にて光や音等により警報を発し、ステップS12に進む。ステップS10でNO(N)と判定された場合、警報を発することなくステップS12に進む。
ステップS12では、演算装置5が、治療が終了したかを判定する。治療が終了したか否かは、例えば、透析用の制御装置からの信号により判定することができる。ステップS12でNO(N)と判定された場合、ステップS1に戻り、透析排液のアルブミン濃度の監視を継続する。ステップS12でYES(Y)と判定された場合、処理を終了する。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係る透析排液用成分測定装置1では、被測定成分が、第1波長の光で励起され第1波長と異なる第2波長の蛍光を発する成分であり、透析排液に第1波長の光を照射する光源2と、透析排液により散乱された第1波長の散乱光のうち、予め設定された所定の散乱角度に散乱された散乱光を受光し、当該散乱光の光強度を測定する散乱光測定部3と、第2波長の蛍光の光強度を測定する蛍光測定部4と、散乱光測定部3の測定結果を基に、透析排液中に含まれる被測定成分の濃度を演算し、演算結果を仮濃度として記憶部56に記憶する被測定成分濃度演算部51と、蛍光測定部4の測定結果を基に、透析排液中に被測定成分が含まれていることを検知する被測定成分検知部52と、被測定成分検知部52が透析排液中に被測定成分が含まれていることを検知したときのみ、被測定成分濃度演算部51が演算した仮濃度を、被測定成分の濃度とする成分確認部53と、を備えている。
蛍光よりも光強度が大きい散乱光を用いてアルブミンの濃度を測定することで、精度よくアルブミンの濃度を測定できる。なお、散乱光測定部3では、透析排液に含まれる被測定成分以外の成分の影響で散乱光が測定される場合も考えられるが、蛍光の測定による被測定成分の検知を併用することで、アルブミンが漏出していないにもかかわらず、漏出していると判断されるといった不具合を抑制することができる。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]血液浄化器(12)から排出された透析排液中に含まれる被測定成分の濃度を測定する装置であって、前記被測定成分は、第1波長の光で励起され前記第1波長と異なる第2波長の蛍光を発する成分であり、前記透析排液に前記第1波長の光を照射する光源(2)と、前記透析排液により散乱された前記第1波長の散乱光のうち、予め設定された所定の散乱角度に散乱された散乱光を受光し、当該散乱光の光強度を測定する散乱光測定部(3)と、前記第2波長の蛍光の光強度を測定する蛍光測定部(4)と、前記散乱光測定部(3)の測定結果を基に、前記透析排液中に含まれる前記被測定成分の濃度を演算し、演算結果を仮濃度として記憶部(56)に記憶する被測定成分濃度演算部(51)と、前記蛍光測定部(4)の測定結果を基に、前記透析排液中に前記被測定成分が含まれていることを検知する被測定成分検知部(52)と、前記被測定成分検知部(52)が前記透析排液中に前記被測定成分が含まれていることを検知したときのみ、前記被測定成分濃度演算部(51)が演算した前記仮濃度を、前記被測定成分の濃度とする成分確認部(53)と、を備えた、透析排液用成分測定装置(1)。
[2]前記被測定成分がアルブミンである、[1]に記載の透析排液用成分測定装置(1)。
[3]前記第1波長が、250nm以上330nm以下であり、前記第2波長が、300nm以上400nm以下である、[2]に記載の透析排液用成分測定装置(1)。
[4]前記光源(2)は、発光と非発光を所定の周期で繰り返し、前記散乱光測定部(3)は、前記光源(2)の発光時と非発光時との光強度の差を、前記散乱光による光強度として測定し、前記蛍光測定部(3)は、前記光源の発光時と非発光時との光強度の差を、前記蛍光による光強度として測定する、[1]乃至[3]の何れか1項に記載の透析排液用成分測定装置(1)。
[5]前記散乱光測定部(3)は、前記散乱光を受光するための散乱光用受光素子(31)と、前記透析排液を透過した透過光が前記散乱光用受光素子(31)に入射されないよう遮断する透過光マスク(32)と、前記所定の散乱角度の散乱光を前記散乱光用受光素子(31)に導く第1導光部材(33)と、を有する、[1]乃至[4]の何れか1項に記載の透析排液用成分測定装置(1)。
[6]前記蛍光測定部(4)は、前記蛍光を受光する蛍光用受光素子(41)と、前記第1波長の光が前記蛍光用受光素子(41)に入射されないよう遮断し、かつ前記第2波長の光を透過するフィルタ(42)と、を有する、[1]乃至[5]の何れか1項に記載の透析排液用成分測定装置(1)。
[7]前記蛍光測定部(4)は、前記蛍光を前記蛍光用受光素子(41)に導く第2導光部材(43)を有する、[6]に記載の透析排液用成分測定装置(1)。
[8]血液浄化器(12)から排出された透析排液中に含まれる被測定成分の濃度を測定する方法であって、前記被測定成分は、第1波長の光で励起され前記第1波長と異なる第2波長の蛍光を発する成分であり、光源(2)から前記透析排液に前記第1波長の光を照射し、前記透析排液により散乱された前記第1波長の散乱光のうち、予め設定された所定の散乱角度に散乱された散乱光を受光し、当該散乱光の光強度を測定し、前記第2波長の蛍光の光強度を測定し、前記散乱光の光強度の測定結果を基に、前記透析排液中に含まれる前記被測定成分の濃度を演算し、演算結果を仮濃度として記憶し、前記蛍光の光強度の測定結果を基に、前記透析排液中に前記被測定成分が含まれていることを検知し、前記透析排液中に前記被測定成分が含まれていることを検知したときのみ、前記仮濃度を、前記被測定成分の濃度とする、透析排液用成分測定方法。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
1…透析排液用成分測定装置
2…光源
3…散乱光測定部
31…散乱光用受光素子
32…透過光マスク
33…レンズ(第1導光部材)
4…蛍光測定部
41…蛍光用受光素子
42…バンドパスフィルタ(フィルタ)
43…レンズ(第2導光部材)
5…演算装置
51…被測定成分濃度演算部
52…被測定成分検知部
53…成分確認部
54…被測定成分漏出量演算部
55…警報部
56…記憶部
10…血液浄化装置
12…血液浄化器

Claims (8)

  1. 血液浄化器から排出された透析排液中に含まれる被測定成分の濃度を測定する装置であって、
    前記被測定成分は、第1波長の光で励起され前記第1波長と異なる第2波長の蛍光を発する成分であり、
    前記透析排液に前記第1波長の光を照射する光源と、
    前記透析排液により散乱された前記第1波長の散乱光のうち、予め設定された所定の散乱角度に散乱された散乱光を受光し、当該散乱光の光強度を測定する散乱光測定部と、
    前記第2波長の蛍光の光強度を測定する蛍光測定部と、
    前記散乱光測定部の測定結果を基に、前記透析排液中に含まれる前記被測定成分の濃度を演算し、演算結果を仮濃度として記憶部に記憶する被測定成分濃度演算部と、
    前記蛍光測定部の測定結果を基に、前記透析排液中に前記被測定成分が含まれていることを検知する被測定成分検知部と、
    前記被測定成分検知部が前記透析排液中に前記被測定成分が含まれていることを検知したときのみ、前記被測定成分濃度演算部が演算した前記仮濃度を、前記被測定成分の濃度とする成分確認部と、を備えた、
    透析排液用成分測定装置。
  2. 前記被測定成分がアルブミンである、
    請求項1に記載の透析排液用成分測定装置。
  3. 前記第1波長が、250nm以上330nm以下であり、
    前記第2波長が、300nm以上400nm以下である、
    請求項2に記載の透析排液用成分測定装置。
  4. 前記光源は、発光と非発光を所定の周期で繰り返し、
    前記散乱光測定部は、前記光源の発光時と非発光時との光強度の差を、前記散乱光による光強度として測定し、
    前記蛍光測定部は、前記光源の発光時と非発光時との光強度の差を、前記蛍光による光強度として測定する、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の透析排液用成分測定装置。
  5. 前記散乱光測定部は、前記散乱光を受光するための散乱光用受光素子と、前記透析排液を透過した透過光が前記散乱光用受光素子に入射されないよう遮断する透過光マスクと、前記所定の散乱角度の散乱光を前記散乱光用受光素子に導く第1導光部材と、を有する、
    請求項1乃至4の何れか1項に記載の透析排液用成分測定装置。
  6. 前記蛍光測定部は、前記蛍光を受光する蛍光用受光素子と、前記第1波長の光が前記蛍光用受光素子に入射されないよう遮断し、かつ前記第2波長の光を透過するフィルタと、を有する、
    請求項1乃至5の何れか1項に記載の透析排液用成分測定装置。
  7. 前記蛍光測定部は、前記蛍光を前記蛍光用受光素子に導く第2導光部材を有する、
    請求項6に記載の透析排液用成分測定装置。
  8. 血液浄化器から排出された透析排液中に含まれる被測定成分の濃度を測定する方法であって、
    前記被測定成分は、第1波長の光で励起され前記第1波長と異なる第2波長の蛍光を発する成分であり、
    光源から前記透析排液に前記第1波長の光を照射し、
    前記透析排液により散乱された前記第1波長の散乱光のうち、予め設定された所定の散乱角度に散乱された散乱光を受光し、当該散乱光の光強度を測定し、
    前記第2波長の蛍光の光強度を測定し、
    前記散乱光の光強度の測定結果を基に、前記透析排液中に含まれる前記被測定成分の濃度を演算し、演算結果を仮濃度として記憶し、
    前記蛍光の光強度の測定結果を基に、前記透析排液中に前記被測定成分が含まれていることを検知し、
    前記透析排液中に前記被測定成分が含まれていることを検知したときのみ、前記仮濃度を、前記被測定成分の濃度とする、
    透析排液用成分測定方法。
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