JP2023111290A - 電波到来方向推定装置及び電波到来方向推定方法 - Google Patents

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Yuya Kaneko
健治 松下
Kenji Matsushita
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Kyoko Furuhashi
雄太 中川
Yuta Nakagawa
翔太 國方
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Abstract

【課題】装置全体の構成が大規模になることを抑制することができ、パイロット信号のような既知信号を利用せずに受信信号の電波到来方向を推定することができる、電波到来方向推定装置及び電波到来方向推定方法を提供する。【解決手段】電波到来方向推定装置及び電波到来方向推定方法によれば、送信アンテナからの電波を複数の受信アンテナで受信して複数の信号を取得する。複数の信号に基づいて定められる一の複素信号ベクトルと複数の複素重み係数ベクトルの内積に各合成信号が対応付けられるように、複数の信号に基づいて相異なる複数の合成信号を生成し、複数の合成信号ごとの電力を取得する。そして、複数の合成信号ごとの電力と複数の複素重み係数ベクトルに基づいて、送信アンテナと複数の受信アンテナの間で定義されるチャネル相関行列を推定し、チャネル相関行列に基づいて電波の到来方向を推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、電波到来方向推定装置及び電波到来方向推定方法に関する。
特許文献1に開示される技術によれば、複数のフェーズドアレイアンテナを構成する複数のアンテナ素子の内、各フェーズドアレイアンテナにおいて信号受信に使用する振幅分布を複数決定する。そして、決定された複数の振幅分布を信号受信毎に切り替え、異なるフェーズドアレイアンテナ間における受信信号の相関係数と、切り替えられる振幅分布とに基づき、受信信号の電波到来方向を推定する。
特開2018-54386号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術によれば、複数のフェーズドアレイアンテナを複数用意する必要があり、さらには、フェーズドアレイアンテナ毎にRF(Radio Frequency)回路が必要である。そのため、装置全体の構成が大規模になるという問題がある。また、パイロット信号のような既知信号が利用できない場合、フェーズドアレイアンテナ間の相関係数を求めることができないという問題がある。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、装置全体の構成が大規模になることを抑制することができ、パイロット信号のような既知信号を利用せずに受信信号の電波到来方向を推定することができる、電波到来方向推定装置及び電波到来方向推定方法を提供することにある。
本発明の態様に係る電波到来方向推定装置は、重み付き合成部と、電力測定部と、チャネル相関行列推定部と、到来方向推定部と、を備える。重み付き合成部には、送信アンテナからの電波を複数の受信アンテナで受信して得られる複数の信号が入力される。重み付き合成部は、複数の信号に基づいて定められる一の複素信号ベクトルと複数の複素重み係数ベクトルの内積に各合成信号が対応付けられるように、複数の信号に基づいて相異なる複数の合成信号を生成する。電力測定部は、複数の合成信号ごとの電力を取得する。チャネル相関行列推定部は、複数の合成信号ごとの電力と複数の複素重み係数ベクトルに基づいて、送信アンテナと複数の受信アンテナの間で定義されるチャネル相関行列を推定する。到来方向推定部は、チャネル相関行列に基づいて電波の到来方向を推定する。
本発明の態様に係る電波到来方向推定方法は、送信アンテナからの電波を複数の受信アンテナで受信して複数の信号を取得する。複数の信号に基づいて定められる一の複素信号ベクトルと複数の複素重み係数ベクトルの内積に各合成信号が対応付けられるように、複数の信号に基づいて相異なる複数の合成信号を生成し、複数の合成信号ごとの電力を取得する。そして、複数の合成信号ごとの電力と複数の複素重み係数ベクトルに基づいて、送信アンテナと複数の受信アンテナの間で定義されるチャネル相関行列を推定し、チャネル相関行列に基づいて電波の到来方向を推定する。
本発明によれば、装置全体の構成が大規模になることを抑制することができ、パイロット信号のような既知信号を利用せずに受信信号の電波到来方向を推定することができる、電波到来方向推定装置及び電波到来方向推定方法を提供することができる。
本実施形態に係る電波到来方向推定装置の構成を示すブロック図である。 第1変形例に係る電波到来方向推定装置の構成を示すブロック図である。 第2変形例に係る電波到来方向推定装置の構成を示すブロック図である。 第3変形例に係る電波到来方向推定装置の構成を示すブロック図である。 第4変形例に係る電波到来方向推定装置の構成を示すブロック図である。
以下、図面を用いて本実施形態に係る電波到来方向推定装置及び電波到来方向推定方法について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
[電波到来方向推定装置の構成例]
図1は、本実施形態に係る電波到来方向推定装置100の構成を示すブロック図である。電波到来方向推定装置100は、重み付き合成部30、電力測定部40、チャネル相関行列推定部50、到来方向推定部60、出力部70を備える。
電波到来方向推定装置100には、送信アンテナ10からの電波を複数の受信アンテナ20で受信して得られる複数の信号が入力される。図1では、複数の受信アンテナ20として、受信アンテナ20a,20b,20cが示されている。図1では、3台の受信アンテナによって送信アンテナ10からの電波を受信する例が示されているが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、受信アンテナの個数は、2台以上の任意の数であってもよい。
以下では、受信アンテナ20a,20b,20cが等間隔に配置され、リニアアレーアンテナを構成するものとして説明するが、これに限定されない。また、送信アンテナ10から送信される信号は、信号の振幅と位相の変化を表現するために複素数sで表すこととする。さらに、送信アンテナ10と受信アンテナ20a,20b,20cのそれぞれの間で定義される伝搬チャネル係数を、h、h、hで表すこととする。伝搬チャネル係数は、信号の振幅と位相の変化を表現するために複素数で表される。また、伝搬チャネル係数ベクトルを次の数1で表すこととする。なお、記号Tはベクトルあるいは行列の転置を表す。
Figure 2023111290000002
重み付き合成部30は、受信アンテナ20で受信した信号の振幅と位相の調整を行って合成する合成器を有する。図1では、合成器として、6台の合成器31a~31fが示されているが、本実施形態はこれに限定されない。後に説明するように、重み付き合成部30は、相異なる複数の合成信号を生成する機能を有していればよく、1台以上の合成器を有していればよい。
重み付き合成部30には、複数の受信アンテナ20からの複数の信号が入力される。重み付き合成部30は、入力された複数の信号に基づいて、相異なる複数の合成信号を生成する。
信号の振幅と位相の調整は、複素数表示した信号と、複素数表示した重み係数との積によって表現することができる。そこで、k番目の合成信号を生成するために用いる重み係数を成分に有するk番目の複素重み係数ベクトルを次の数2で表すこととする。
Figure 2023111290000003
数1及び数2を用いて、重み付き合成部30によって算出されるk番目の合成信号は、次の数3で表される。
Figure 2023111290000004
数3は、複素ベクトル同士の内積と解釈することができ、複素数のスカラーであるため、対応する振幅(後述する「k番目の合成信号の電力P」の平方根)と偏角θを用いて、次の数4で表すことができる。ただし、jは虚数単位である。
Figure 2023111290000005
伝搬チャネル係数ベクトルに複素数sを乗算したベクトルは、複数の信号に基づいて定められる一の複素信号ベクトルであるといえる。また、複素重み係数ベクトルを1つ定めるごとに、対応する合成信号を1つ定めることができるといえる。よって、重み付き合成部30は、複数の信号に基づいて定められる一の複素信号ベクトルと複数の複素重み係数ベクトルの内積に各合成信号が対応付けられるように、複数の信号に基づいて相異なる複数の合成信号を生成する。
電力測定部40は、重み付き合成部30が生成した相異なる複数の合成信号ごとの電力を取得する。電力測定部40は、合成信号の電力を、パワーメータ、パワーセンサ、スペクトラム・アナライザ、検波気及び電圧計などの測定器を用いて取得する。
数4に示される合成信号の電力は、合成信号と合成信号の複素共役との積で評価することができる。そのため、k番目の合成信号の電力Pは、次の数5で表すことができる。
Figure 2023111290000006
チャネル相関行列推定部50は、電力測定部40で取得した、複数の合成信号ごとの電力と、重み付き合成部30で用いた複数の複素重み係数ベクトルに基づいて、チャネル相関行列を推定する。
推定したいチャネル相関行列Rは、数1の伝搬チャネル係数ベクトルを用いて、次の数6で表すことができる。
Figure 2023111290000007
ここで、1~3番目までの複素重み係数ベクトルを並べて得られる行列「W123」および偏角差「θmn=θ-θ」(m,nは自然数)を用いると、数4に基づいて、次の数7で示される関係式が導かれる。
したがって、次の数8で示される関係式が導かれる。
したがって、未知数「θ12」および「θ13」を決定することができれば、定数倍「|s|」を除いて、チャネル相関行列Rを決定できることが分かる。
数8で示される関係式を導いたのと同様にして、4~6番目までの複素重み係数ベクトルを並べて得られる行列「W456」を用いて、次の数9で示される関係式が導かれる。
数8及び数9を用いると、次の数10で示される関係式が導かれる。
ここで、次の数11及び数12を定義する。
Figure 2023111290000012
Figure 2023111290000013
数10で示される関係式の両辺の対角成分を比較し、数11及び数12を用いて書き直すと、次の数13で示される関係式を得る。
Figure 2023111290000014
数13において、k番目の合成信号の電力Pは電力測定部40によって取得されており、行列Φの成分は、重み付き合成部30で用いた複素重み係数ベクトルに基づいて算出できる。したがって、数13における未知数は「θ12」および「θ13」のみである。よって、数13は、未知数「θ12」および「θ13」についての連立方程式となっている。よって、数13を解くことにより、未知数「θ12」および「θ13」を決定することができる。
数13を解く手法としては、ニュートン法、拡張ニュートン法などの方程式系を数値計算によって解くための反復法による求根アルゴリズムを用いることができる。例えば、拡張ニュートン法を用いる場合、次の数14で示される関数を定義する。
Figure 2023111290000015
ただし、数15のように未知数ベクトルを定義している。
Figure 2023111290000016
ここで、未知数ベクトルとして適当な初期値を設定し、次の数16で示される反復公式によって未知数ベクトルを反復して更新することで解を求めることができる。
Figure 2023111290000017
ただし、数16に登場する「J(θ)」は、数17のように定義されたヤコビ行列の疑似逆行列である。ヤコビ行列及び疑似逆行列は、未知数「θ12」および「θ13」の関数として陽に表すことができる。
Figure 2023111290000018
例えば、計算機イプシロン及び合成信号の電力の測定精度に基づいて微小な正の定数「ε」を定めて、未知数ベクトルを反復して更新する際の終了条件を、次の数18で示される条件とすることができる。
Figure 2023111290000019
なお、数16による更新量が十分に小さくなった時点で、数18に示す終了条件が満たされてしまうため、誤った解(数13の連立方程式を満たさない解)に未知数ベクトルが収束してしまう可能性が残る。そこで、数18に示す終了条件が満たされた際に、併せて次の数19で示される条件が成立するかどうかも確認する。
Figure 2023111290000020
ここで、微小な正の定数「ε」は、計算機イプシロン及び信号中の雑音レベルなどに基づいて定める。
上述のようにして、未知数「θ12」および「θ13」を決定する。その結果、数8に基づいて、チャネル相関行列Rに数「|s|」を乗算して得られる行列を決定することができる。
チャネル相関行列Rに乗算される数「|s|」は、絶対的な受信電力の推定には影響するが、受信アンテナ20に対する送信アンテナ10の方向による相対的な受信電力の変化を問題とする到来方向の推定には影響を与えない。したがって、チャネル相関行列推定部50は、チャネル相関行列Rに定数「|s|」を乗算して得られる行列を、推定したチャネル相関行列として、到来方向推定部60に出力する。
なお、上記の説明では、合成信号及び複素重み係数ベクトルの個数について特に言及しなかった。しかしながら、数13を用いて未知数を決定し、チャネル相関行列Rを決定するため、数10で示される関係式の両辺の対角成分に未知数「θ12」および「θ13」に係る項が登場するよう、数12に示す行列Φが選択される必要がある。そこで、複素重み係数ベクトルの数は、受信アンテナ20の個数以上であってもよい。すなわち、複数の合成信号の個数は受信アンテナ20の個数以上であってもよい。
また、数13を用いることによって未知数を決定する際の数値計算において、誤った解が得られることを回避して真の解を得るため、なるべく多くの複素重み係数ベクトルを用いて相異なる合成信号を生成するものであってもよい。そのため、複素重み係数ベクトルの数は、受信アンテナ20の個数の2倍以上であってもよい。すなわち、複数の合成信号の個数は受信アンテナ20の個数の2倍以上であってもよい。
また、チャネル相関行列推定部50は、所定時間ごとに繰り返しチャネル相関行列を推定するものであってもよい。例えば、送信アンテナ10からの電波の到来方向を時間的に継続して推定する場合には、チャネル相関行列の推定を繰り返し実行するものであってもよい。
その他、チャネル相関行列推定部50は、未知数「θ12」および「θ13」を決定する際に、ヤコビ行列の疑似逆行列を用いる拡張ニュートン法の代わりに、ヤコビ行列の任意の一行を削除して得られる正方行列の逆行列を用いるニュートン法を用いてもよい。
ニュートン法を用いる場合は、拡張ニュートン法に比べて電力の測定回数と計算負荷を減らせるものの、解に近い初期値から反復を開始しなければ解が収束しない恐れがある。しかしながら、チャネル相関行列が大きく変動せず、所定時間ごとに繰り返しチャネル相関行列を推定するような場合には、前回推定時の未知数「θ12」および「θ13」を初期値として採用することにより、解が収束しない場合を避けることができる。
その他、チャネル相関行列推定部50は、数13を反復法による求根アルゴリズムによって解く際、相異なる複素重み係数ベクトルの差が小さいほど、未知数「θ12」および「θ13」の初期値をゼロに近づけて設定するものであってもよい。または、相異なる複素重み係数ベクトルの差が所定値以下である場合に、未知数「θ12」および「θ13」の初期値をゼロに設定するものであってもよい。未知数「θ12」および「θ13」は、重み付け合成した合成信号の間の位相差であるため、相異なる複素重み係数ベクトルの差が小さい場合には、位相差も小さいと考えられる。したがって、「(θ12,θ13)」は、原点の近傍にあることが期待されることによる。
したがって、相異なる合成信号を生成する際に用いる複素重み係数ベクトルを設定する際に、複素重み係数ベクトル同士の差が小さく設定されるものであってもよい。
また、チャネル相関行列推定部50は、所定時間ごとに繰り返しチャネル相関行列を推定する際に、初回の推定において用いる相異なる合成信号の数と比較して、2回目以降の推定において用いる相異なる合成信号の数を小さくするものであってもよい。
トラッキングのように連続的にチャネル相関行列が変化していく場合、チャネル相関行列の推定で登場する未知数「θ12」および「θ13」は、連続的に変化する。したがって、初回の推定時に、なるべく多くの合成信号を用いて未知数「θ12」および「θ13」を決定するものであってもよい。そして、2回目以降の推定時には、前回の推定で決定した未知数「θ12」および「θ13」を初期値として用いて、数13を反復法による求根アルゴリズムによって解くものであってもよい。
到来方向推定部60は、チャネル相関行列推定部50によって推定したチャネル相関行列に基づいて、電波の到来方向を推定する。より具体的には、到来方向推定部60は、ビームフォーマ法、線形予測法、MUSIC法、ESPRIT法、Capon法、最小ノルム法の少なくともいずれかを含む推定方法を用いて、チャネル相関行列に基づいて電波の到来方向を推定する。
なお、移動端末に電波到来方向推定装置100が搭載される場合や、アンテナの周辺に移動体が存在し得る環境では、伝搬チャネルは時間とともに変動する。その場合、到来方向推定部60は、電波の到来方向の推定を定期的に実行するものであってもよい。
出力部70は、推定した電波の到来方向を出力する。
[電波到来方向推定装置の第1変形例]
図2は、第1変形例に係る電波到来方向推定装置101の構成を示すブロック図である。電波到来方向推定装置100とは異なり、電波到来方向推定装置101の重み付き合成部30は1台の合成器31aのみを有している。重み付き合成部30は、相異なる複数の合成信号を生成する機能を有していればよく、単一の合成器によって、相異なる複数の合成信号を順番に生成するものであってもよい。これに伴い、電波到来方向推定装置101の電力測定部40は1台の測定器41aのみを有し、相異なる複数の合成信号の電力を順番に取得するものであってもよい。
より具体的には、重み付き合成部30は、ある複素重み係数ベクトルに基づいて合成信号を生成した後、別の複素重み係数ベクトルに基づいて合成信号を生成するものであってもよい。生成された合成信号の電力は、電力測定部40によって順次取得され、図示しない記憶部等に記憶される。
相異なる複数の合成信号を生成する間、伝搬チャネル係数が変化しないと仮定することで、チャネル相関行列推定部50によってチャネル相関行列を推定でき、到来方向推定部60により電波の到来方向の推定を行うことができる。
[電波到来方向推定装置の第2変形例]
図3は、第2変形例に係る電波到来方向推定装置102の構成を示すブロック図である。電波到来方向推定装置102のように、電波の到来方向の推定を行う機能は、通信装置80に付随して実装されてもよい。
受信アンテナ20で受信した信号の振幅と位相の調整を行う重み付きの合成(上述した重み付き合成部30の機能)は、無線通信システムにおいてビームフォーミングを実現するための、増幅器と位相器と合成器を持つ一般的な指向性制御部35によって実現できる。指向性制御部35によって合成された信号を分配器37によって分岐し、一部を電力測定部40へ、他方をRF(Radio Frequency)入力を持つモデムなどの通信装置80に入力する。
通信装置80は、指向性を変更するために、例えば、あらかじめ定められた各増幅器と位相器の設定と対応付けられた指向性番号などの指向性制御信号を指向性制御部35に出力する。この場合、チャネル相関行列推定部50は指向性制御信号を複素重み係数ベクトルに対応付ける機能を有する。チャネル相関行列推定部50に入力される指向性制御信号が変わるたびに、対応する複素重み係数ベクトルと測定された電力を記録することで、チャネル相関行列推定部50によってチャネル相関行列を推定できる。そして、到来方向推定部60により電波の到来方向の推定を行うことができる。
推定した到来方向は通信装置80に入力されるものであってもよい。通信装置80は、受信電力が最大となる方向に指向性が向くように指向性を制御するものであってもよい。
[電波到来方向推定装置の第3変形例]
図4は、第3変形例に係る電波到来方向推定装置103の構成を示すブロック図である。電波到来方向推定装置103のように、電波の到来方向の推定を行う機能は、通信装置80に付随して実装され、かつ、信号の電力を測定する機能は、通信装置80で測定される受信信号強度によって代替されてもよい。
この場合、チャネル相関行列推定部50は受信信号強度を電力として対応付ける機能を有する。さらに、チャネル相関行列推定部50は指向性制御信号を複素重み係数ベクトルに対応付ける機能を有する。チャネル相関行列推定部50に入力される指向性制御信号が変わるたびに、対応する複素重み係数ベクトルと測定された電力を記録する。これにより、チャネル相関行列推定部50によってチャネル相関行列を推定でき、到来方向推定部60により電波の到来方向の推定を行うことができる。
推定した到来方向は通信装置80に入力されるものであってもよい。通信装置80は、受信電力が最大となる方向に指向性が向くように指向性を制御するものであってもよい。
[電波到来方向推定装置の第4変形例]
図5は、第4変形例に係る電波到来方向推定装置104の構成を示すブロック図である。電波到来方向推定装置104のように、電波の到来方向の推定を行う機能は、例えば、電波不感地帯を解消するために電波を中継する、リピータやブースタと呼ばれるような電波の再放射システムに付随して実装されてもよい。
この場合、到来方向推定部60が、指向性制御部35の各増幅器と位相器の設定を行うための指向性制御信号を出力する機能を有する。さらに、チャネル相関行列推定部50は指向性制御信号を複素重み係数ベクトルに対応付ける機能を有する。
[実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る電波到来方向推定装置及び電波到来方向推定方法によれば、送信アンテナからの電波を複数の受信アンテナで受信して複数の信号を取得する。複数の信号に基づいて定められる一の複素信号ベクトルと複数の複素重み係数ベクトルの内積に各合成信号が対応付けられるように、複数の信号に基づいて相異なる複数の合成信号を生成し、複数の合成信号ごとの電力を取得する。そして、複数の合成信号ごとの電力と複数の複素重み係数ベクトルに基づいて、送信アンテナと複数の受信アンテナの間で定義されるチャネル相関行列を推定し、チャネル相関行列に基づいて電波の到来方向を推定する。
これにより、装置全体の構成が大規模になることを抑制しつつ、パイロット信号のような既知信号を利用せずに受信信号の電波到来方向を推定することができる。
また、フェーズドアレイアンテナなどの指向性制御部35を利用し、アンテナ出力合成後の信号電力からチャネル相関行列を推定できる。その結果、RF回路を複雑化することなく、電波の到来方向を推定することができる。さらには、フェーズドアレイアンテナの指向性制御部35の利得と位相を複数回変更し、合成信号の電力を測定することで、RF信号の位相を直接測定することなくチャネル相関行列を推定できる。これにより、RF回路を複雑化することなく電波の到来方向を推定することができる。
さらには、鋭いビームを持ったアンテナで細かく方位角を変えて受信電力をサンプリングする必要がない。アンテナ数の次数の行列であるチャネル相関行列を推定し、電波の到来方向を推定するため、アンテナサイズや測定時間を増やすことなく高い角度分解能を得ることができる。
チャネル相関行列の推定や電波の到来方向の推定は、アンテナ数の次数程度の行列の演算によって行われる。そのため、汎用のCPUによって実現することが可能である。
また、本実施形態に係る電波到来方向推定装置及び電波到来方向推定方法によれば、チャネル相関行列の推定の際に解くべき連立方程式系のヤコビ行列やその疑似逆行列を、未知数の関数として陽に表すことができる。そのため、LUT(LookUp Table)などを用いることにより、チャネル相関行列の推定のための計算を高速化することができる。
本実施形態に係る電波到来方向推定装置及び電波到来方向推定方法によれば、合成信号の電力のみからチャネル相関行列を推定するため、既知のパイロット信号を利用したり受信信号のデータを復調したりする必要がない。そのため、例えば、純粋な増幅と転送を行う非再生中継器でも到来方向推定と指向性制御を行うことができる。
また、各アンテナをハイブリッド回路によって合成するのではなく、指向性制御部35で合成された合成信号の電力を測定することでチャネル相関行列を推定する。そのため、電波の到来方向を推定した後に指向性制御を行うことができる。これにより電波の送信元である基地局等にビームを向け、アンテナ利得を得ることができる。
さらに、各アンテナをハイブリッド回路によって合成するのではなく、複素重み係数ベクトルと対応付けられる利得と位相を変更できる指向性制御部によって合成する。そのため、指向性制御部の利得と位相の組み合わせを変更することで、容易に、4素子以上のアレーアンテナに対して適用することができる。
アンテナの指向性と対応する複素重み係数ベクトルは、数12に示す行列Φを計算することができれば、任意に選択可能である。そのため、あらかじめ決められた指向性パターンを複数持つ無線通信システムに付随させて、本実施形態に係る電波到来方向推定装置及び電波到来方向推定方法を実装することができる。さらには、特定の方向に指向性を向けながら、わずかに指向性を変化させてビームトラッキングを行うことができる。
また、本実施形態に係る電波到来方向推定装置及び電波到来方向推定方法によれば、複数の合成信号の個数は、複数の受信アンテナの個数以上であってもよい。これにより、複数の受信アンテナの個数以上であってもよい。これにより、チャネル相関行列の推定を行って、電波の到来方向を推定することができる。
さらに、本実施形態に係る電波到来方向推定装置及び電波到来方向推定方法によれば、複数の合成信号の個数は、複数の受信アンテナの個数の2倍以上であってもよい。これにより、チャネル相関行列の推定の際に解くべき連立方程式系が一意の解を有することが保証される。また、チャネル相関行列の推定の際に解くべき連立方程式系を解く際に、反復法による求根アルゴリズムを用いる場合であっても、誤った解に収束する可能性を減らすことができる。その結果、正しいチャネル相関行列を推定することが容易になる。そして、電波の到来方向を精度よく推定することができる。
また、本実施形態に係る電波到来方向推定装置及び電波到来方向推定方法は、所定時間ごとに繰り返しチャネル相関行列を推定するものであってもよい。これにより、送信アンテナ10からの電波の到来方向を時間的に継続して推定することができる。さらには、トラッキングのように連続的にチャネル相関行列が変化していく場合に、チャネル相関行列の推定の際に解くべき連立方程式系を解く際の計算コストを削減できる。
さらに、本実施形態に係る電波到来方向推定装置及び電波到来方向推定方法は、ビームフォーマ法、線形予測法、MUSIC法、ESPRIT法、Capon法、最小ノルム法の少なくともいずれかを含む推定方法を用いるものであってもよい。そして、これらの推定方法を用いて、チャネル相関行列に基づいて電波の到来方向を推定するものであってもよい。これにより、チャネル相関行列に基づいて電波の到来方向を推定する種々の手法を適用することができる。装置全体の構成が大規模になることを抑制しつつ、パイロット信号のような既知信号を利用せずに受信信号の電波到来方向を推定することができる。
上述の実施形態で示した各機能は、1又は複数の処理回路によって実装されうる。処理回路には、プログラムされたプロセッサや、電気回路などが含まれ、さらには、特定用途向けの集積回路(ASIC)のような装置や、記載された機能を実行するよう配置された回路構成要素なども含まれる。
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
10 送信アンテナ
20 受信アンテナ
30 重み付き合成部
40 電力測定部
50 チャネル相関行列推定部
60 到来方向推定部
100,101,102,103,104 電波到来方向推定装置
また、本実施形態に係る電波到来方向推定装置及び電波到来方向推定方法によれば、複数の合成信号の個数は、複数の受信アンテナの個数以上であってもよい。これにより、チャネル相関行列の推定を行って、電波の到来方向を推定することができる。

Claims (6)

  1. 送信アンテナからの電波を複数の受信アンテナで受信して得られる複数の信号が入力され、前記複数の信号に基づいて定められる一の複素信号ベクトルと複数の複素重み係数ベクトルの内積に各合成信号が対応付けられるように、前記複数の信号に基づいて相異なる複数の合成信号を生成する重み付き合成部と、
    前記複数の合成信号ごとの電力を取得する電力測定部と、
    前記複数の合成信号ごとの電力と前記複数の複素重み係数ベクトルに基づいて、前記送信アンテナと前記複数の受信アンテナの間で定義されるチャネル相関行列を推定するチャネル相関行列推定部と、
    前記チャネル相関行列に基づいて前記電波の到来方向を推定する到来方向推定部と、
    を備える電波到来方向推定装置。
  2. 前記複数の合成信号の個数は、前記複数の受信アンテナの個数以上である、請求項1に記載の電波到来方向推定装置。
  3. 前記複数の合成信号の個数は、前記複数の受信アンテナの個数の2倍以上である、請求項1又は2に記載の電波到来方向推定装置。
  4. 前記チャネル相関行列推定部は、所定時間ごとに繰り返し前記チャネル相関行列を推定する、請求項1から3のいずれか一項に記載の電波到来方向推定装置。
  5. 前記到来方向推定部は、ビームフォーマ法、線形予測法、MUSIC法、ESPRIT法、Capon法、最小ノルム法の少なくともいずれかを含む推定方法を用いて、前記チャネル相関行列に基づいて前記電波の到来方向を推定する、請求項1から4のいずれか一項に記載の電波到来方向推定装置。
  6. 送信アンテナからの電波を複数の受信アンテナで受信して複数の信号を取得し、
    前記複数の信号に基づいて定められる一の複素信号ベクトルと複数の複素重み係数ベクトルの内積に各合成信号が対応付けられるように、前記複数の信号に基づいて相異なる複数の合成信号を生成し、
    前記複数の合成信号ごとの電力を取得し、
    前記複数の合成信号ごとの電力と前記複数の複素重み係数ベクトルに基づいて、前記送信アンテナと前記複数の受信アンテナの間で定義されるチャネル相関行列を推定し、
    前記チャネル相関行列に基づいて前記電波の到来方向を推定する、電波到来方向推定方法。
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