JP2023107439A - 板状ワークの絞り加工方法 - Google Patents

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Kazutaka Iida
拓明 白▲濱▼
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Abstract

【課題】割れ及びしわの発生を防止しつつ、絞り加工で板状ワークに突出部を成形可能とする。【解決手段】プレス加工としての絞り加工を板状ワーク10に施して、板状ワーク10に突出部3を成形するための方法は、絞り加工により、突出部3よりも大きく膨出させた膨出部11を板状ワーク10に成形する第一プレス工程S1と、膨出部11が成形された板状ワーク10にプレス加工を施して、膨出部11を突出部3に成形し直す第二プレス工程S2とを具備する。第一プレス工程S1で、膨出部11の一部に、膨出部11の面取りとなる傾斜面部12を成形する。【選択図】図2

Description

本発明は、板状ワークの絞り加工方法に関し、特に板状ワークに突出部を絞り加工で成形するための技術に関する。
例えば自動車のボデー外板をプレス加工で成形するに際しては、成形自由度の高さや工数の少なさひいては低コスト化の観点から、絞り加工がしばしば用いられる。
一方で、例えば図1に示すように、シャープな三次元形状をなす突出部3(図1では、三つの平面部4~6の間の角部7を例示している)を有するプレス加工品1を、平坦なブランク材から絞り加工で成形しようとする場合、突出部3における割れの発生が問題となる。
この種の問題を解決するため、例えば特許文献1には、ブランク材としての金属板に凸形状部を絞り加工で成形する際に、凸形状部が最終製品形状よりも大きな予備成形品に金属板を成形する第一絞り成形(オーバードロー成形とも称される。)工程と、第一絞り成形工程で得た予備成形品を、予備成形品よりも最終製品形状に近い形状に成形する際に、凸形状部の一部を変形させる第二絞り成形工程とを備えた、絞り加工品の製造方法が開示されている。
特開2021-37356号公報
特許文献1に記載のように、一回目のプレス加工(第一絞り成形工程)で、凸形状部を最終製品形状よりも大きく成形することによって、凸形状部の例えば頂部に力が集中して割れが生じる事態を可及的に防止し得る。しかしながら、一方で、この方法だと、必要以上に凸形状部を大きく膨らませて成形することになるため、一回目のプレス加工終了時と、二回目のプレス加工終了時とで、凸形状部の断面実長差(例えば図8に示す一回目のプレス加工終了時における凸形状部30aの断面実長L31と、二回目のプレス加工終了時における凸形状部30bの断面実長L41との差)が非常に大きくなる。そのため、二回目のプレス加工で凸形状部を最終製品形状に成形し直すと、断面実長差(図8でいえばL41-L31)の分だけ最終製品形状に対する余肉が生じ、この余肉がしわの発生要因となる。断面実長差が大きいほど、しわが生じ易くなる。
以上の事情に鑑み、本明細書では、割れ及びしわの発生を防止しつつ、絞り加工で板状ワークに突出部を成形可能とすることを、解決すべき技術課題とする。
前記課題の解決は、本発明に係る板状ワークの絞り加工方法によって達成される。すなわち、この絞り加工方法は、プレス加工としての絞り加工を板状ワークに施して、板状ワークに突出部を成形するための方法であって、絞り加工により、突出部よりも大きく膨出させた膨出部を板状ワークに成形する第一プレス工程と、膨出部が成形された板状ワークにプレス加工を施して、膨出部を突出部に成形し直す第二プレス工程とを具備した板状ワークの絞り加工方法において、第一プレス工程で、膨出部の一部に、膨出部の面取りとなる傾斜面部を成形する点をもって特徴付けられる。
なお、ここでいう膨出部の面取りとは、膨出部のうち傾斜面部を除いた部分から想定される、面取り部がないとした場合の膨出部(面取り前の膨出部)について、当該膨出部の頂部を含む凸曲面部を傾斜面部に置き換えることをいうものとする。
このように、本発明に係る絞り加工方法では、板状ワークに突出部を絞り加工で成形するに際して、突出部よりも大きく膨出させた膨出部を板状ワークに成形すると共に、膨出部の一部に、膨出部の面取りとなる傾斜面部を成形するようにした。このように膨出部に当該膨出部の面取りとなる傾斜面部を設けることで、第一プレス工程後の板状ワークの膨出部のうち傾斜面部を通る断面の実長を、従来の膨出部の対応する断面の実長よりも短くすることができる。よって、第二プレス工程後の板状ワークの断面実長との差を従来に比べて小さくして、第二プレス工程時のしわの発生を防止することが可能となる。また、傾斜面部は膨出部の一部であるから、傾斜面部を設けたとしても膨出部による割れの発生防止効果を享受できることに変わりない。以上より、本発明に係る絞り加工方法によれば、割れだけでなくしわの発生を防止しつつ、絞り加工で板状ワークに突出部を成形することが可能となる。
また、本発明に係る絞り加工方法において、突出部は、二つの平面部の間に形成されるエッジ部、又は三つの平面部の間に形成される角部であってもよい。また、この場合、第一プレス工程で、エッジ部又は角部の一部をなすように傾斜面部を成形してもよい。
本発明に係る絞り加工方法は、絞り加工で板状ワークに突出部を割れやしわの発生なく成形可能とするものであるから、二つの平面部の間に形成されるエッジ部や、三つの平面部の間に形成される角部を絞り加工で成形する場合に好適である。また、この種のエッジ部や角部を成形する際、第一プレス工程で、エッジ部又は角部の一部をなすように傾斜面部を成形することによって、傾斜面部を、角部を形成する少なくとも一つの平面部又は二つの平面部間に形成される辺部に近い位置に設けることができる。これにより、第二プレス工程時における板状ワークの変形量を最小限に抑えつつ割れやしわの発生を抑止することができるので、歩留まり向上(プレス加工の安定性向上)だけでなく、プレス品質の向上を図ることも可能となる。
また、上述のようにエッジ部又は角部の一部をなすように傾斜面部を成形する場合、本発明に係る絞り加工方法において、第一プレス工程で、傾斜面部と、平面部又は二つの平面部の間に形成される辺部との傾斜角度差が10°以上でかつ30°以下となるように、傾斜面部を成形してもよい。
このように、傾斜面部と、平面部又は辺部との傾斜角度差を適当な範囲内(10°以上でかつ30°以下)に収めることによって、第一プレス工程時、絞り加工を受けて変形中の板状ワークを、プレス金型により面(プレス金型に設けられた傾斜面部の成形面)で受け易くなる。よって、割れの発生をより効果的に防止することができる。もちろん、上記傾斜角度差の上限値を適当な大きさ以下(30°以下)に留めておけば、膨出部(第一プレス工程終了時)と突出部(第二プレス工程終了時)との断面実長差を許容範囲内に収めることができるので、しわの発生を効果的に防止することが可能となる。
また、上述のようにエッジ部又は角部の一部をなすように傾斜面部を成形する場合、本発明に係る絞り加工方法において、第一プレス工程で、傾斜面部の断面実長から、平面部又は二つの平面部の間に形成される辺部の断面実長を減じた値である断面実長差が、平面部又は辺部の断面実長の20%以下となるように、傾斜面部を成形してもよい。
このように、傾斜面部と、平面部又は辺部との断面実長差を20%以下とすることによって、第二プレス工程時における成形のし直しで、最終製品形状となる突出部をしわの発生なく安定的に成形することが可能となる。よって、プレス加工における歩留まりの更なる向上を図ることが可能となる。
以上のように、本発明によれば、割れ及びしわの発生を防止しつつ、絞り加工で板状ワークに突出部を成形することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る絞り加工方法で得られたプレス加工品の要部拡大斜視図である。 第一プレス工程に係る絞り加工により得られた板状ワーク(中間プレス加工品)の要部拡大斜視図である。 傾斜面部の作成手順を概念的に説明するための要部拡大斜視図である。 第一プレス工程に使用されるプレス成形装置の要部A-A断面図である。 図4に示すプレス成形装置を用いた絞り加工の一例を示す図で、板状ワークが絞り加工を受けている最中の状態を示す要部A-A断面図である。 第一プレス工程終了時における板状ワークの要部A-A断面図(実線:傾斜面部を有する膨出部、二点鎖線:傾斜面部がないとした場合の膨出部)と、第二プレス工程終了時における板状ワークの要部A-A断面図(二点鎖線)である。 第一プレス工程終了時における板状ワークの要部B-B断面図(実線)と、第二プレス工程終了時における板状ワークの要部B-B断面図(二点鎖線)である。 従来の絞り加工方法のうち一回目のプレス加工終了時における凸形状部の要部A-A断面図(実線)と、二回目のプレス加工終了時における凸形状部の要部A-A断面図(二点鎖線)である。
以下、本発明の一実施形態に係る板状ワークの絞り加工方法の内容を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る絞り加工方法で得られたプレス加工品1の要部拡大斜視図を示している。図1に示すように、このプレス加工品1は、基部2と、基部2から板厚方向の一方側に突出した突出部3とを一体に有する。本実施形態では、基部2から三つの平面部4~6が互いに隣り合う位置に立設している。また、三つの平面部4~6の間に角部7が設けられている。この角部7が突出部3に相当する。
この場合、角部7の頂点部7aから延びる第一辺部8aが第一平面部4と第二平面部5との間に形成される。また、角部7の頂点部7aから延びる第二辺部8bが第二平面部5と第三平面部6との間に形成され、角部7の頂点部7aから延びる第三辺部8cが第三平面部6と第一平面部4との間に形成される(何れも図1を参照)。
また、この場合、角部7の頂点部7aと、基部2と第一平面部4と第二平面部5との間の第一頂点部9aとが、第一辺部8aを介して相互につながっている。また、角部7の頂点部7aと、基部2と第二平面部5と第三平面部6との間の第二頂点部9bとが、第二辺部8bを介して相互につながっている。また、角部7の頂点部7aと、基部2と第三平面部6と第一平面部4との間の第三頂点部9cとが、第三辺部8cを介して相互につながっている(何れも図1を参照)。
なお、上述した各平面部4~6は、完全に平坦である必要はなく、曲率の小さな曲面形状であってもよい。同様に、上述した各辺部8a~8cは、長手方向に直交する断面において、ある程度の曲率を有してもよい。言い換えると、各辺部8a~8cが所定の曲率を示す曲面(R面)で構成されていてもよい。また、各辺部8a~8cは長手方向に沿って完全に直線形状である必要はなく、長手方向である程度の曲率で湾曲した形状をなしてもよい。各頂点部7a,9a~9cについても同様に、ある程度の曲率を示す凸曲面で構成されていてもよい。
上記形状のプレス加工品1は、板状ワーク10(後述する図4を参照)に絞り加工を施して、突出部3よりも膨出させた膨出部11(図2を参照)を成形する第一プレス工程S1と、膨出部11が成形された板状ワーク10(中間プレス加工品)にプレス加工を施して、膨出部11を突出部3(ここでは角部7)に成形し直す第二プレス工程S2とを少なくとも経て製造される。
(S1)第一プレス工程
本工程S1では、板状ワーク10に絞り加工を施して、最終製品形状である突出部3よりも膨出させた膨出部11(図2及び図6を参照)を、板状ワーク10のうち突出部3が最終的に形成される部位に成形する。本実施形態では、膨出部11は、図2及び図6に示すように、概ね凸曲面形状をなし、突出部3としての角部7を構成する何れの平面部4~6よりも突出側に位置している(図6中の実線及び二点鎖線で示すA-A断面図、及び、図7中の実線及び二点鎖線で示すB-B断面図を参照)。
また、本工程S1では、膨出部11の一部に、膨出部11の面取りとなる傾斜面部12を成形する(図2及び図6を参照)。本実施形態では、絞り加工により、板状ワーク10に膨出部11を成形すると共に、膨出部11の一部に傾斜面部12を成形する。この場合、傾斜面部12は、膨出部11の頂部11a(図6中の二点鎖線で示している)を面取りするように成形される。また、この場合、本実施形態では、傾斜面部12が角部7の頂点部7aをなすように傾斜面部12を成形している。図2及び図6では、角部7の頂点部7aが、傾斜面部12の周縁部12a上に位置するように、傾斜面部12を成形する場合を例示している。
また、本実施形態では、第二辺部8b及び第三辺部8cに比べて第一辺部8aに近づく向きに傾斜面部12を傾けた状態で傾斜面部12を成形している(図2を参照)。この場合、傾斜面部12と第一辺部8aとの傾斜角度差θ(図6を参照)は、例えば10°以上でかつ30°以下に設定するのがよい。
また、傾斜面部12の断面実長と、第二プレス工程S2終了時における角部7の断面実長との差(断面実長差)が、角部7の断面実長の20%以下となるように、傾斜面部12の寸法(範囲)を設定するのがよい。本実施形態に示す形態でいえば、図6に示すように、傾斜面部12の第一辺部8aに沿った断面(A-A断面)で見た場合、傾斜面部12の断面実長L11から、対応する基部2及び第一辺部8aの断面実長L21を減じた値が、断面実長L21の20%以下となるように、傾斜面部12の所定方向の寸法を設定するのがよい。また、図7に示すように、傾斜面部12の第一辺部8aに直交する向きの断面(B-B断面)で見た場合、第一平面部4と第二平面部5、及び傾斜面部12の断面実長L12から、第一平面部4、第二平面部5、及び第一辺部8aの断面実長L22を減じた値が、断面実長L22の20%以下となるように、傾斜面部12の所定方向の寸法を設定するのがよい。もちろん、上述した数値範囲は一例に過ぎず、例えば板状ワーク10の材質、板厚等によって適宜変更することが肝要である。
なお、本図示例では、傾斜面部12を平坦形状としているが、傾斜面部12の形態、位置、及びサイズは上述した事項には限られない。第二プレス工程S2におけるしわの発生を抑制する効果を享受し得る限りにおいて、傾斜面部12が任意の形態、位置、及びサイズを採り得ることはもちろんである。
次に、傾斜面部12の作成手順(設計手順)の一例を図3に基づいて説明する。
まず、図3に示すように、膨出部11を、便宜的に三つの曲面部13a~13cで作成する(手順1)。この場合、第一曲面部13aと第二曲面部13bとの間に第一辺部14aが形成されると共に、第二曲面部13bと第三曲面部13cとの間に第二辺部14bが形成され、第三曲面部13cと第一曲面部13aとの間に第三辺部14cが形成される。また、膨出部11の頂部11a(ここでは頂点部11a)と、基部2と第一曲面部13aと第二曲面部13bとの間の第一頂点部15aとが、第一辺部14aを介して相互につながると共に、頂点部11aと、基部2と第二曲面部13bと第三曲面部13cとの間の第二頂点部15bとが、第二辺部14bを介して相互につながり、かつ、頂点部11aと、基部2と第三曲面部13cと第一曲面部13aとの間の第三頂点部15cとが、第三辺部14cを介して相互につながっている。
上述のように膨出部11を作成した後、製品形状としての角部7の頂点部7aと、膨出部11の頂点部11a同士を結ぶ第一仮想直線L1を描く(手順2)。そして、手順2で作製した第一仮想直線L1に対して直交する第二仮想直線L2を描く(手順3)。図3では、第一仮想直線L1に直交しかつ角部7の頂点部7aを通るように第二仮想直線L2を描いている。然る後、第二仮想直線L2と膨出部11との交点二つP1,P2を求める(手順4)。図3では、膨出部11の第二辺部14bと第三辺部14cと、第二仮想直線L2との交点P1,P2を求めている。最後に、手順1~4で得た交点P1,P2と、膨出部11の第一頂点部15aとを結んで得られる三角形を傾斜面部12とする(手順5)。あるいは、上記三角形を含む仮想平面で膨出部11を切断して得た断面を傾斜面部12とする。このようにして、製品形状(角部7)及び膨出部11に基づいて、傾斜面部12が作成される。
図4は、板状ワーク10に第一プレス工程S1に係る絞り加工を施すためのプレス成形装置20の断面図を示している。この断面図は、最終製品形状としてのプレス加工品1の第一辺部8aに沿ったA-A断面と同じ位置の断面図である。このプレス成形装置20は、下型21と、上型22と、ブランクホルダ(図示は省略)とを有する。下型21と上型22は、互いに対応する形状のプレス成形面23,24をそれぞれ向かい合う位置に有している。この場合、下型21のプレス成形面23のうち傾斜面部12の成形領域23aの上端部が、プレス成形面23のうちで最も高い位置(上型22に最も近い位置)となっている(図4を参照)。なお、ここでいう「上」と「下」は、プレス方向の理解を助けるために便宜的に設定しているに過ぎない。プレス成形装置20の実際の設置態様及び使用態様は上述した事項に限定されないことはもちろんである。
次に、図4に示すプレス成形装置20を用いたプレス加工(絞り加工)の一例を、図4及び図5に基づいて説明する。
まず図4に示すように、下型21上の所定位置にブランク材としての板状ワーク10を配置する。この時点では、板状ワーク10は凹凸のない平坦な形状をなし、図示しないブランクホルダと上型22とで図示していない部分を保持されている。また、下型21のプレス成形面23とは離れた状態にある。図4に示す状態から、板状ワーク10を下方向に相対移動させて、下型21のプレス成形面23に押し付ける。この場合、板状ワーク10を下降させてもよいし、下型21を上昇させてもよい。
上述した動作により、板状ワーク10は最初にプレス成形面23のうちで最も高い部位に押し付けられる。ここで、本実施形態では、プレス成形面23の上記最も高い位置から傾斜面部12の成形領域23aが連続して設けられている(図4を参照)。そのため、板状ワーク10は上記最も高い部位に押し付けられた後、傾斜面部12の成形領域23aに面接触の状態で押し付けられた状態で絞り加工が進行する(図5を参照)。よって、板状ワーク10に負荷が集中する事態を極力回避して絞り加工が実施された結果、割れの発生なく、膨出部11及び傾斜面部12を一体に有する板状ワーク10(中間プレス加工品)が得られる。
(S2)第二プレス工程
本工程S2では、膨出部11及び傾斜面部12が成形された板状ワーク10(中間プレス加工品)にプレス加工を施して、傾斜面部12を含む膨出部11を最終製品形状となる突出部3(本実施形態では角部7)に成形し直す。これにより、図1に示すプレス加工品1が得られる。なお、第二プレス工程S2に採用し得るプレス加工手段は原則として任意であり、例えば曲げ加工が用いられる。
以上述べたように、本実施形態に係る板状ワーク10の絞り加工方法では、板状ワーク10に突出部3を絞り加工で成形するに際して、突出部3よりも大きく膨出させた膨出部11を板状ワーク10に成形すると共に、膨出部11の一部に、膨出部11の面取りとなる傾斜面部12を成形するようにした。このように膨出部11の面取りとなる傾斜面部12を設けることで、第一プレス工程S1後の板状ワーク10の膨出部11の断面実長L11を従来の膨出部の断面実長(例えば図8に示す凸形状部30aの断面実長L31)よりも短くすることができる。よって、第二プレス工程S2後の板状ワーク10の断面実長L21との差を従来に比べて小さくして、第二プレス工程S2時のしわの発生を防止することが可能となる。また、傾斜面部12は膨出部11の一部であるから、傾斜面部12を設けたとしても膨出部11による割れの発生防止効果を享受できる。以上より、本実施形態に係る板状ワーク10の絞り加工方法によれば、割れ及びしわの発生を防止しつつ、絞り加工で板状ワーク10に突出部3(角部7)を成形することが可能となる。
また、本実施形態では、三つの平面部4~6の間に形成される角部7を本発明に係る絞り加工方法の対象(突出部3)とし、第一プレス工程S1で、角部7の一部をなすように傾斜面部12を成形したので(図2を参照)、傾斜面部12と各平面部4~6又は各辺部8a~8cとの距離(ここでは第一辺部8aとの距離)を縮めることができる。よって、この傾斜面部12を角部7に成形し直す際の板状ワーク10の変形量を最小限に抑えつつ割れやしわの発生を抑止することができる。よって、プレス加工品1のプレス品質の向上を図ると共に、上述したプレス加工を安定的に実施することが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明に係る板状ワークの絞り加工方法は、その趣旨を逸脱しない範囲において、上記以外の構成を採ることも可能である。
例えば、上記実施形態では、三つの平面部4~6の間に形成される角部7を、絞り加工で成形すべき突出部3とした場合を例示したが、もちろん本発明の適用対象はこれには限られない。例えば第一平面部4と第二平面部5との間に形成されるエッジ部(第一辺部8aと、第一平面部4の第一辺部8a近傍領域及び第二平面部5の第一辺部8a近傍領域)を本発明の適用対象としてもよい。すなわち、図示は省略するが、第一プレス工程S1で、絞り加工により第一平面部4と第二平面部5との間のエッジ部よりも大きく膨出させたエッジ膨出部を板状ワーク10に成形すると共に、エッジ膨出部の一部に、エッジ膨出部の面取りとなる傾斜面部を成形し、第二プレス工程S2では、エッジ膨出部が成形された板状ワーク10にプレス加工を施して、エッジ膨出部を突出部3としてのエッジ部に成形し直してもよい。これにより、エッジ部における割れ及びしわの発生を防止しつつ、絞り加工でエッジ部を含む形状に板状ワーク10を成形することが可能となる。
もちろん、本発明の適用対象は角部7とエッジ部とに限られない。板状ワーク10に突出部3を絞り加工で成形する限りにおいて、突出部3の形態は任意である。また、突出部3の数やサイズについても任意である。
また、上記実施形態では、一つの突出部3に対し一つの膨出部11及び傾斜面部12を成形する場合を例示したが、もちろんこれには限られない。例えば図示は省略するが、突出部3の形態によっては、一つの突出部3に対し二つ以上の膨出部11を設けてもよい。また、各膨出部11につき一つ又は二つ以上の傾斜面部12を成形してもよい。
また、上記実施形態では、第二プレス工程S2に曲げ加工を採用する場合を例示したが、もちろんこれには限られない。傾斜面部12を有する膨出部11を突出部3に成形し直すことが可能な限りにおいて、任意のプレス加工手段が採用可能である。
また、本発明に係る絞り加工方法は、一般に絞り加工を適用可能な材質、形状、寸法の板状ワーク全般に適用可能である。むしろ、割れやしわの問題で一般的には絞り加工が難しいと考えられている形態ないし寸法の突出部3を板状ワークに絞り加工で成形する場合についても、本発明に係る絞り加工方法であれば適用し得る。
1 プレス加工品
2 基部
3 突出部
4 第一平面部
5 第二平面部
6 第三平面部
7 角部
7a 頂点部
8a 第一辺部
8b 第二辺部
8c 第三辺部
9a 第一頂点部
9b 第二頂点部
9c 第三頂点部
10 板状ワーク
11 膨出部
11a 頂部
12 傾斜面部
12a 周縁部
13a,13b,13c 曲面部(膨出部)
14a,14b,14c 辺部(膨出部)
15a,15b,15c 頂点部(膨出部)
20 プレス成形装置
21 下型
22 上型
23,24 プレス成形面
23a 傾斜面部の成形領域
30a 凸形状部
30b 凸形状部
L1,L2 仮想直線
L11,L12 断面実長(第一プレス工程後)
L21,L22 断面実長(第二プレス工程後)
θ 傾斜角度差

Claims (2)

  1. プレス加工としての絞り加工を板状ワークに施して、前記板状ワークに突出部を成形するための方法であって、
    絞り加工により、前記突出部よりも大きく膨出させた膨出部を前記板状ワークに成形する第一プレス工程と、
    前記膨出部が成形された板状ワークにプレス加工を施して、前記膨出部を前記突出部に成形し直す第二プレス工程とを具備した板状ワークの絞り加工方法において、
    前記第一プレス工程で、前記膨出部の一部に、前記膨出部の面取りとなる傾斜面部を成形することを特徴とする、板状ワークの絞り加工方法。
  2. 前記突出部は、二つの平面部の間に形成されるエッジ部、又は三つの平面部の間に形成される角部であって、
    前記第一プレス工程で、前記エッジ部又は前記角部の一部をなすように前記傾斜面部を成形する、請求項1に記載の絞り加工方法。
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