JP2023104331A - 染毛用前処理剤および染毛用前処理方法 - Google Patents

染毛用前処理剤および染毛用前処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】染毛処理の前に毛髪に塗布することで、染色性および均染性を向上させ、あわせて、染色堅牢性を向上させつつ、地肌汚れの抑制にも優れ、さらに、毛髪の滑らかさおよび弾力感を付与する染毛用前処理剤および染毛用前処理方法を提供する。【解決手段】下記式(X)で示されるエーテルアルコール(A)を10~60質量%と、水とを含み、前記エーテルアルコール(A)と水との質量比((A):水)が1:9~3:2である、染毛用前処理剤。TIFF2023104331000014.tif14135〔式中、Rは炭素数1~5のアルキル基を示し、nは1または2を示す。〕【選択図】なし

Description

本発明は、染毛用前処理剤および染毛用前処理方法に関する。
現在、染毛剤の主流となっている酸化染毛剤(アルカリカラー)は、染色力および染毛後の毛髪の色持ちに優れるが、毛髪の損傷程度によっては色むらが生じたり、染毛時のダメージによりパサつき、指通りが悪くなるという問題がある。
タール色素を含む酸性染毛料(ヘアマニキュア)は、染毛時のダメージやかぶれの心配が少なく、手軽に使用できるため消費者に受け入れられ、市場に占める割合が高まっている。しかしながら、酸性染毛料は、染色力や均染性の低さ、染毛後の毛髪の色持ちの悪さが問題となっている。特に、染色力については、ベンジルアルコール、2-ベンジルオキシエタノールといった浸透促進剤等の技術開発が進み、向上した一方、頭皮等の地肌が汚れるといった問題が生じている。
このような背景から、酸化染毛剤では、均染性、パサつき、指通りの向上が求められ、酸性染毛料では、均染性、染毛後の毛髪の色持ちに優れ、地肌汚れのないものが求められている。
これまでの技術として、例えば、特許文献1では、酸性染毛料による染毛の染色性を向上させ、かつ染毛後の毛髪の色持ちを良くする酸性染毛料用前処理組成物が開示されている。特許文献2では、酸性染毛料の染色性および堅牢性の向上を目的とした毛髪の損傷の少ない前処理剤が開示されている。特許文献3では、酸性染毛料による染毛染色の立ち上がりを速くし、均一に染色させ、または酸化染毛剤による毛髪の損傷を少なくし、毛髪に艶や潤いを付与する染毛用前処理剤が開示されている。
特開2000-169344号公報 特開2007-126384号公報 特開平11-139940号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、染色力は上がるものの、毛髪の損傷がかなり大きかった。一方、特許文献2の技術では、毛髪損傷が少なく、酸性染毛料の染色性及び堅牢性を向上させる効果はあったものの、均染性については満足な品質ではなかった。また、特許文献3の技術では、染料が毛髪に接する前に、特定のケラチン加水分解物またはその誘導体等を特定量含有する染毛料前処理剤で毛髪の損傷部位を保護し、均染性の向上を図っていたが、特定のケラチン加水分解物等が毛髪の損傷部分のみに吸着するため、健康な部分との均一性に乏しく、充分な均染性は得られなかった。
このようなことから、本発明は、染毛処理の前に毛髪に塗布することで、染色性および均染性を向上させ、あわせて、染色堅牢性を向上させつつ、地肌汚れの抑制にも優れ、さらに、毛髪の滑らかさおよび弾力感を付与する染毛用前処理剤および染毛用前処理方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、以下の構成を有する染毛用前処理剤および染毛用前処理方法は上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えば以下の[1]~[8]である。
[1]下記式(X)で示されるエーテルアルコール(A)を10~60質量%と、水とを含み、前記エーテルアルコール(A)と水との質量比((A):水)が1:9~3:2である、染毛用前処理剤。
Figure 2023104331000001
〔式中、Rは炭素数1~5のアルキル基を示し、nは1または2を示す。〕
[2]水溶性エステル類(B)を0.1~5質量%含む、[1]に記載の染毛用前処理剤。
[3]アミノ酸類(C)を0.001~0.2質量%含む、[1]または[2]に記載の染毛用前処理剤。
[4]ヒドロキシ酸類(D)を0.1~3質量%含む、[1]~[3]のいずれかに記載の染毛用前処理剤。
[5]ミスト状またはフォーム状で毛髪に塗布する、[1]~[4]のいずれかに記載の染毛用前処理剤。
[6]白髪の染毛に用いられる、[1]~[5]のいずれかに記載の染毛用前処理剤。
[7]剤型が非乳化型である、[1]~[6]のいずれかに記載の染毛用前処理剤。
[8][1]~[7]のいずれかに記載の染毛用前処理剤を毛髪に塗布する工程(I)、工程(I)の後、染毛用前処理剤が塗布されたままの毛髪に、さらに酸性染毛料または酸化染毛剤を毛髪に塗布する工程(II)を有する、染毛用前処理方法。
本発明は、染毛処理の前に毛髪に塗布することで、染色性および均染性を向上させ、あわせて、染色堅牢性を向上させつつ、地肌汚れの抑制にも優れ、さらに、毛髪の滑らかさおよび弾力感を付与する染毛用前処理剤および染毛用前処理方法を提供することができる。
次に本発明の染毛用前処理剤および染毛用前処理方法について具体的に説明する。
<染毛用前処理剤>
本発明の染毛用前処理剤は、下記式(X)で示されるエーテルアルコール(A)を10~60質量%と、水とを含み、前記エーテルアルコール(A)と水との質量比((A):水)が1:9~3:2である。
Figure 2023104331000002
〔式中、Rは炭素数1~5のアルキル基を示し、nは1または2を示す。〕
なお、本発明における各成分の含有量は、染毛用前処理剤を100質量%とした場合の含有量を示している。
本発明の染毛用前処理剤は、毛髪の染毛処理の前に毛髪に塗布して用いることができる。
毛髪の染毛処理としては、例えば、酸性染毛料および酸化染毛剤による染毛処理が挙げられる。
本発明の染毛用前処理剤は、酸性染毛料または酸化染毛剤による染毛処理の前に毛髪に塗布して用いることができる。
本発明の染毛用前処理剤は、染色性および均染性の向上効果と地肌汚れ抑制効果との両立に優れることから、酸性染毛料による染毛処理の前に用いることが好ましい。
<エーテルアルコール(A)>
本発明の染毛用前処理剤は、下記式(X)で示されるエーテルアルコール(A)を10~60質量%、好ましくは20~50質量%、より好ましくは30~40質量%と、水とを含み、前記エーテルアルコール(A)と水との質量比((A):水)が1:9~3:2、好ましくは、1:4~1:1、より好ましくは3:7~2:3である。
Figure 2023104331000003
〔式中、Rは炭素数1~5のアルキル基を示し、nは1または2を示す。〕
本発明において、上記式(X)で示されるエーテルアルコール(A)を成分(A)とも記す。
成分(A)が前記範囲内で含まれていると、染色性および均染性を向上させ、染色堅牢性の向上、滑らかさ、地肌汚れの抑制にも優れる。
成分(A)が前記下限量より少ないと、染色性および均染性の向上の効果が得られにくく、染色堅牢性の向上、滑らかさ、地肌汚れの抑制の効果も得られにくい傾向がある。
成分(A)が前記上限量より多いと、毛髪に染色された色味が、染色前に想定した色味と異なってしまう場合がある。
成分(A)と水との質量比((A):水)が前記範囲内であると、染色性および均染性を向上させ、染色堅牢性の向上、滑らかさ、地肌汚れの抑制にも優れる。
成分(A)と水との質量比((A):水)が前記範囲外であると、染色性および均染性の向上の効果が得られにくく、染色堅牢性の向上、滑らかさ、地肌汚れの抑制の効果も得られにくい傾向がある。また、毛髪に染色された色味が、染色前に想定した色味と異なってしまう場合がある。
上記式(X)において、Rは炭素数1~5のアルキル基を示し、Rが炭素数2~5であることが好ましく、Rが炭素数2~4であることがより好ましい。
上記式(X)において、nは1または2を示し、nが2であることが好ましい。
本発明において、成分(A)としては、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテルおよびジエチレングリコールモノアルキルエーテルが挙げられる。
成分(A)として、具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールブチルモノエーテルが挙げられる。
これらの中でも、成分(A)が、エチレングリコールモノブチルエーテルおよびジエチレングリコールモノエチルエーテルから選択される少なくとも1種であることが好ましく、ジエチレングリコールモノエチルエーテルがより好ましい。
成分(A)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
<水溶性エステル類(B)>
本発明の染毛用前処理剤は、水溶性エステル類(B)を好ましくは0.1~5質量%、より好ましくは0.5~2質量%含む。
本発明において、水溶性エステル類とは、アルコール、水、界面活性剤水溶液等の水系溶剤に、0.5質量%以上溶解するエステル類のことを指す。
本発明において、水溶性エステル類(B)を成分(B)とも記す。
成分(B)が前記範囲内であると、染色性および均染性、滑らかさが向上するため好ましい。
成分(B)が前記下限量より少ないと、染色性および均染性の向上効果が得られにくい場合や、滑らかさの向上効果が得られにくい場合がある。
成分(B)が前記上限量より多いと、毛髪に染色された色味が、染色前に想定した色味とやや異なってしまう場合や、染毛後の毛髪が硬く感じる場合がある。
成分(B)としては、例えば、コハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ビスエトキシジグリコール、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル-10、テトラデカン二酸ポリグリセリル-10が挙げられる。
これらの中でも、染色性および均染性、滑らかさの向上に優れることから、成分(B)が、コハク酸ジエトキシエチルおよびコハク酸ビスエトキシジグリコールから選択される少なくとも1種であることがより好ましく、コハク酸ジエトキシエチルがさらに好ましい。
成分(B)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
<アミノ酸類(C)>
本発明の染毛用前処理剤は、アミノ酸類(C)を好ましくは0.001~0.2質量%、より好ましくは0.01~0.1質量%含む。
本発明において、アミノ酸類とは、アミノ酸とその塩を指す。
アミノ酸類(C)が前記範囲内であると、染色性と弾力感が向上するため好ましい。
アミノ酸類(C)が前記下限量より少ないと、染色性および弾力感の向上効果が得られにくい場合がある。
アミノ酸類(C)が前記上限量より多いと、毛髪に染色された色味が、染色前に想定した色味とやや異なってしまう場合や、染毛後の毛髪が硬く感じたり、べたつきを感じることがある。
アミノ酸類(C)としては、例えば、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン(スレオニン)、トリプトファン、バリン、ヒスチジン、チロシン、システイン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン酸、グルタミン、プロリン、グリシン、アラニン、アルギニン、テアニン、オルニチン、シトルリン、タウリン、およびこれらの塩が挙げられる。
これらの中でも、染色性および弾力感の向上に優れることから、アミノ酸類(C)が、グリシン、アルギニンから選択される少なくとも1種であることがより好ましく、グリシンおよびアルギニンを併用することがさらに好ましい。
アミノ酸類(C)として、グリシンおよびアルギニンを併用する場合は、グリシンとアルギニンとの質量比(グリシン:アルギニン)がより好ましくは200:1~5:1、さらに好ましくは100:1~5:1である。
グリシンとアルギニンとの質量比(グリシン:アルギニン)が上記範囲内であると、染色性および弾力感の向上に優れるため好ましい。
アミノ酸類(C)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
<ヒドロキシ酸類(D)>
本発明の染毛用前処理剤は、ヒドロキシ酸類(D)を好ましくは0.1~3質量%、より好ましくは0.5~1.5質量%含む。
本発明において、ヒドロキシ酸類とは、ヒドロキシ酸とその塩を指す。また、ヒドロキシ酸とは、ヒドロキシ基を有するカルボン酸のことをいう。
ヒドロキシ酸類(D)が前記範囲内であると、染色性および染色堅牢性が向上するため好ましい。
ヒドロキシ酸類(D)が前記下限量より少ないと、染色性および染色堅牢性の向上効果が得られにくい場合がある。
ヒドロキシ酸類(D)が前記上限量より多いと、毛髪に染色された色味が、染色前に想定した色味とやや異なってしまい、染色性および染色堅牢性向上効果が得にくい場合や、染毛後の毛髪が硬く感じたり、べたつきを感じることがある。
ヒドロキシ酸類(D)としては、例えば、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、およびこれらの塩が挙げられる。
これらの中でも、染色性および染色堅牢性の向上に優れることから、ヒドロキシ酸類(D)が、乳酸およびグリコールから選択される少なくとも1種であることがより好ましく、乳酸であることがさらに好ましい。
なお、酸化染毛剤による染毛処理の場合には、本発明の染毛用前処理剤は、ヒドロキシ酸類(D)により、毛髪をより酸性にすることで、主にアルカリ性で用いられる酸化染毛剤の染色効果を抑制する可能性があることから、ヒドロキシ酸類(D)を配合しない、あるいはヒドロキシ酸類(D)の含有量が0.1質量%未満であることが好ましい。
ヒドロキシ酸類(D)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
<pH>
本発明の染毛用前処理剤は、pHが2~10であることが好ましい。
本発明の染毛用前処理剤において、ヒドロキシ酸類(D)を配合していない場合は、pHが3~5であることが好ましい。ヒドロキシ酸類(D)を配合した場合は、pHが2~5であることが好ましく、pHが2~4であることがより好ましい。
《その他成分》
本発明の染毛用前処理剤は、水を含む。水として、具体的には、水道水、イオン交換水、蒸留水、精製水および天然水が挙げられ、殺菌済みのものが好ましい。
本発明の染毛用前処理剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記成分以外に任意の成分を含有することができる。任意の成分としては、例えば、保湿剤、生薬類、キレート剤、防腐剤、酸化防止剤、清涼剤、帯電防止剤、ビタミン類、タンパク質、香料、抗菌剤、増粘剤、乳化剤、乳化安定剤、界面活性剤、高級アルコール、シリコーン類、油剤、溶剤、および色素が挙げられる。
本発明の染毛用前処理剤は、任意の成分として、具体的には、可溶化剤としてPEG-60水添ヒマシ油;防腐剤としてフェノキシエタノール;気泡剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル、ラウラミンオキシドを用いることができる。
《製法等》
本発明の染毛用前処理剤は、上述した各成分を上述の量で使用する以外は、例えば公知の方法で、撹拌、混合、加熱、溶解、分散等することによって製造することができ、製造方法は特に限定されない。製造方法としては各成分を均一に混合するために、加熱条件下で行ってもよい。加熱条件下で製造する場合の温度としては、例えば75~85℃が挙げられる。
《剤型》
本発明の染毛用前処理剤の状態としては、例えば、固形、液状、クリーム状、ジェル状、ローション状、エアゾールフォーム状、ポンプフォーム状、スクイズフォーム状、およびミスト状が挙げられる。これらの中でも、本発明の染毛用前処理剤の状態としては、毛髪への塗布のしやすさや付着しやすさの観点から、ミスト状およびポンプフォーム状が好ましい。
本発明の染毛用前処理剤は、染色性を向上させるという効果を充分に発揮し、剤を安定に保つという観点から、剤型が非乳化型であることが好ましい。
本発明の染毛用前処理剤の外観は、例えば、透明または不透明な外観が挙げられるが、本発明の染毛用前処理剤は各種配合成分を均一に混合する観点から、透明な外観が好ましい。
《使用方法》
本発明の染毛用前処理剤は、使用方法は特に限定されず、例えば、毛髪に塗布またはスプレーして使用することができる。
本発明の染毛用前処理剤は、毛髪の根元部分にもムラなく塗布する観点から、ミスト状またはフォーム状で毛髪に塗布することが好ましく、ミスト状がより好ましい。
本発明の染毛用前処理剤は、毛髪が乾燥している状態でも、濡れている状態でも使用することができる。
本発明の染毛用前処理剤は、用途について特に制限はないが、染色性および均染性の向上に優れることから、白髪の染毛に用いられることが好ましい。
本発明の染毛用前処理剤は、酸性染毛料による白髪の染毛処理の前に、毛髪に塗布することがより好ましい。
また、本発明の染毛用前処理剤は、ブリーチ等して髪色が明るくなった黒髪の酸性染毛料による染毛処理の前に、毛髪に塗布することも好ましい。
<染毛用前処理方法>
本発明の染毛用前処理方法は、本発明の染毛用前処理剤を毛髪に塗布する工程(I)、工程(I)の後、染毛用前処理剤が塗布されたままの毛髪に、さらに酸性染毛料または酸化染毛剤を毛髪に塗布する工程(II)を有する。
工程(I)では、毛髪が乾燥している状態でも、濡れている状態でも、本発明の染毛用前処理剤を毛髪に塗布することができる。
工程(I)の後、毛髪の水洗や洗浄の工程を行わず、染毛用前処理剤が塗布されたままの毛髪に、さらに酸性染毛料または酸化染毛剤を毛髪に塗布する工程(II)を行うことが好ましい。
工程(I)の後、工程(II)を行うまでの時間は、特に限定されないが、工程(I)の後、好ましくは5秒~60秒、より好ましくは5秒~30秒放置した後、工程(II)を行うことが染色性および均染性を向上させる効果を充分に発揮するという観点から好ましい。
工程(II)は、染毛用前処理剤が塗布されたままの毛髪に、さらに酸性染毛料を毛髪に塗布する工程であることで、染毛用前処理剤が毛髪へ浸透すると同時に、酸性染毛料を一緒に毛髪のより内部へと浸透させることから、染色性および均染性向上効果を十分に得るために好ましい。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
<実施例1~81、比較例1~10>
実施例および比較例では、表1に記載の市販品を使用した。
Figure 2023104331000004
表2~表9に示す処方で各成分を常法により混合(精製水に各成分を添加して均一に混合)することにより染毛用前処理剤を製造した。
製造した染毛用前処理剤を、後述する(1)~(6)の官能評価の試料とした。
(1)および(2)の官能評価は、必須の評価項目とした。(3)~(6)の官能評価は、任意の評価項目とした。
なお、表中の処方の数値は、染毛用前処理剤を100質量%とした場合の、各成分の質量%を表しており、純分換算した値を示す。
〔前処理〕
人毛白髪毛束(BM-W-A:株式会社ビューラックス製)1gに対し、試料の染毛用前処理剤1gをコームで塗布して均一になじませ、15秒間放置した。
〔染毛処理(i):実施例1~81および比較例1~8〕
上述の前処理をした毛束に、酸性染毛料(カラーストーリー オアシック M-B 株式会社アリミノ製)1gを刷毛で均一に塗布し、40℃で15分間放置した。15分経過後、毛束を35℃程度の流水で1分間すすぎ、シャンプー(シェルパ デザインサプリ D-2 シャンプー:株式会社アリミノ製)1gを用いて洗浄した。洗浄後、35℃程度の流水で1分間すすぎ、毛束をドライヤーで乾燥させ、仕上げた。
〔染毛処理(ii):比較例9~10〕
上述の前処理をした毛束を35℃程度の流水で1分間すすぎ、タオルドライしてから染毛処理に用いた以外は、染毛処理(i)と同様に行った。
〔染毛処理(iii):コントロール〕
上述の前処理をせずに酸性染毛料で染毛処理した毛束をコントロールとした。
人毛白髪毛束(BM-W-A:株式会社ビューラックス製)1gに対し、酸性染毛料(カラーストーリー オアシック M-B 株式会社アリミノ製)1gを刷毛で均一に塗布し、40℃で15分間放置した。15分経過後、毛束を35℃程度の流水で1分間すすぎ、シャンプー(シェルパ デザインサプリ D-2 シャンプー:株式会社アリミノ製)1gを用いて洗浄した。洗浄後、35℃程度の流水で1分間すすぎ、毛束をドライヤーで乾燥させ、仕上げた。
〔染毛試験〕
試料の染毛用前処理剤で前処理した後に、酸性染毛料で染毛処理(i)または(ii)を行った毛束と、上述の前処理をせずに酸性染毛料で染毛処理(iii)を行ったコントロールの毛束とを比較して、(1)および(2)の必須の官能評価を行った。また、(4)および(5)の官能評価も行った。
〔染色堅牢性試験:実施例1~81および比較例1~10〕
試料の染毛用前処理剤で前処理した後に、酸性染毛料で染毛処理(i)または(ii)を行った毛束、および前処理せずに酸性染毛料で染毛処理(iii)を行ったコントロールの毛束を5%ラウレス硫酸ナトリウム水溶液100gに浸漬し、30℃で30分間振とうした。その後、35℃程度の流水で1分間すすぎ、風乾させ、仕上げた。
仕上げた毛束について、酸性染毛料で染毛処理(i)または(ii)を行っていた毛束と、前処理せずに酸性染毛料で染毛処理(iii)を行っていたコントロールの毛束とを比較して、(3)の官能評価を行った。
〔地肌汚れ抑制試験〕
地肌汚れ抑制試験(i):実施例1~81および比較例1~8
試料の染毛用前処理剤0.05gを上腕内側部に直径約1.0cmの円形状に塗布し、約15秒間放置した。この染毛用前処理剤塗布部分に重なるように、酸性染毛料(カラーストーリー オアシック M-B 株式会社アリミノ製)を0.1g円形状に塗布し、15分間放置し、35℃程度の流水で1分間すすぎ、風乾させた。
地肌汚れ抑制試験(ii):比較例9~10
試料の染毛用前処理剤0.05gを上腕内側部に直径約1.0cmの円形状に塗布し、約15秒間放置した。その後、35℃程度の流水で1分間すすぎ、タオルドライしてから、染毛用前処理剤塗布部分に重なるように、酸性染毛料(カラーストーリー オアシック M-B 株式会社アリミノ製)を0.1g円形状に塗布した以外は、地肌汚れ抑制試験(i)と同様に行った。
地肌汚れ抑制試験(iii):コントロール
試料の染毛用前処理剤を上腕内側部に塗布しなかったこと以外は、地肌汚れ抑制試験(i)と同様に行った。
地肌汚れ抑制試験(i)または(ii)を行った後の上腕内側部と、(iii)を行った後の上腕内側部とを比較して、(6)の官能評価を行った。
<官能評価>
(1)~(6)の官能評価は、専門パネラー(美容師)10名が1人ずつ評価を行った。評価は項目ごとに記載した下記の評価点基準による10名の平均点を算出し、平均点に基づいて以下のとおり評価した。
◎:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均点が3.5点以上である。
○:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均点が2.5点以上3.5点未満である。
△:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均点が1.5点以上2.5点未満である。
×:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均点が1.5点未満である。
<評価項目>
(1)染色性
4点:非常に良く染まっていて、前処理剤の染色性向上効果が高い
3点:やや染まりが良くて、前処理剤の染色性向上効果がやや高い
2点:染まりに差が感じられず、前処理剤の染色性向上効果がない
1点:想定した色味が得られず、前処理剤が染色性を阻害した
(2)均染性
4点:非常に染まりが均一で、前処理剤の均染性向上効果が高い
3点:やや染まりが均一で、前処理剤の均染性向上効果がやや高い
2点:染まりの均一さに差が感じられず、前処理剤の均染性向上効果がない
1点:染まりが均一ではなく、前処理剤が均染性を阻害した
(3)染色堅牢性
4点:色落ちが非常に少なく、前処理剤の染色堅牢性向上効果が高い
3点:色落ちがやや少なく、前処理剤の染色堅牢性向上効果がやや高い
2点:色落ちの程度に差がなく、前処理剤の染色堅牢性向上効果がない
1点:色落ちが多く、染まりが薄くなっており、前処理剤が染色堅牢性を阻害した
(4)滑らかさ
毛束に指を通した時の指通りを滑らかさとし、触感で評価した。
4点:毛髪が全くひっかからず、滑らかさの向上効果が高い
3点:毛髪があまりひっかからず、滑らかさの向上効果がやや高い
2点:毛髪のひっかかりに差がない
1点:毛髪がコントロールの毛束よりひっかかり、滑らかではない
(5)弾力感
毛束を曲げたときに感じる指への応力を弾力感とし、触感で評価した。
4点:指へかかる応力が非常に強く、弾力感の向上効果が高い
3点:指にかかる応力が強く、弾力感の向上効果がやや高い
2点:指にかかる応力に差が無い
1点:指にかかる応力がコントロールの毛束より弱く、弾力感が無い
(6)地肌汚れ抑制効果
4点:地肌が汚れ難く、前処理剤の地肌汚れ抑制効果が高い
3点:地肌がやや汚れ難く、前処理剤の地肌汚れ抑制効果がやや高い
2点:地肌汚れの程度に差がなく、前処理剤の地肌汚れ抑制効果がない
1点:地肌汚れが多く、前処理剤が地肌汚れを促進した
Figure 2023104331000005
Figure 2023104331000006
Figure 2023104331000007
Figure 2023104331000008
Figure 2023104331000009
Figure 2023104331000010
Figure 2023104331000011
Figure 2023104331000012
実施例1~81で製造した染毛用前処理剤は、(1)~(6)の評価項目において良好な結果となった。実施例81は、特に良好な結果となった。
本発明の染毛用前処理剤は、染毛処理の前に毛髪に塗布することで、染色性および均染性を向上させ、あわせて、染色堅牢性を向上させつつ、地肌汚れの抑制にも優れ、さらに、毛髪の滑らかさおよび弾力感を付与する染毛用前処理剤であることがわかる。
比較例1および3で製造した染毛用前処理剤は、成分(A)が規定量より少ないため、染色性が向上しなかった。また、染色堅牢性は向上せず、地肌汚れの抑制効果も無く、毛髪の弾力感も乏しかった。
比較例2および4で製造した染毛用前処理剤は、成分(A)が規定量より多いため、染色性が向上しなかった。また、染色堅牢性は向上せず、毛髪の滑らかさおよび弾力感も乏しかった。
比較例5~8で製造した染毛用前処理剤は、成分(A)が配合されていないため、染色性および均染性が向上しなかった。
比較例9および10で行った染毛用前処理方法では、工程(I)の後、本発明の染毛用前処理剤が塗布された毛髪を流水ですすいだことにより、工程(II)を経なかった。そのため、染色性および均染性が向上しなかった。

Claims (8)

  1. 下記式(X)で示されるエーテルアルコール(A)を10~60質量%と、
    水とを含み、
    前記エーテルアルコール(A)と水との質量比((A):水)が1:9~3:2である、染毛用前処理剤。
    Figure 2023104331000013
    〔式中、Rは炭素数1~5のアルキル基を示し、nは1または2を示す。〕
  2. 水溶性エステル類(B)を0.1~5質量%含む、請求項1に記載の染毛用前処理剤。
  3. アミノ酸類(C)を0.001~0.2質量%含む、請求項1または2に記載の染毛用前処理剤。
  4. ヒドロキシ酸類(D)を0.1~3質量%含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の染毛用前処理剤。
  5. ミスト状またはフォーム状で毛髪に塗布する、請求項1~4のいずれか一項に記載の染毛用前処理剤。
  6. 白髪の染毛に用いられる、請求項1~5のいずれか一項に記載の染毛用前処理剤。
  7. 剤型が非乳化型である、請求項1~6のいずれか一項に記載の染毛用前処理剤。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の染毛用前処理剤を毛髪に塗布する工程(I)、
    工程(I)の後、染毛用前処理剤が塗布されたままの毛髪に、さらに酸性染毛料または酸化染毛剤を毛髪に塗布する工程(II)を有する、染毛用前処理方法。
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