本発明は多くの異なる形態の実施形態が可能であるが、図面に示されており、本明細書では1つまたは複数の特定の実施形態を詳細に説明するが、本開示は本発明の原理の例示と見なされるべきであり、本発明を、示され、説明された特定の実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。以下の説明および図面のいくつかの図において、同じ参照番号は、図面のいくつかの図における同じ、類似の、または対応する部分を説明するために使用される。
本発明の実施形態によれば、CNT糸ケーブルが提供される。例えば、CNTケーブルが提供される。例えば、強力なCNTケーブルが提供される。例えば、軽量のCNTケーブルが提供される。例えば、強く、軽量のCNTケーブルが提供される。例えば、弾性CNTケーブルが提供される。
例えば、低無線周波数(RF)挿入損失を有するケーブルが提供される。例えば、約1ギガヘルツの周波数で約2.0デシベル/フィート以下のRF挿入損失を有するケーブルが提供される。例えば、約4ギガヘルツの周波数で約4.0デシベル/フィート以下のRF挿入損失を有するケーブルが提供される。例えば、中実銅線の挿入損失と同等の挿入損失を有するケーブルが提供される。例えば、高い導電率を有するケーブルが提供される。
図1は1つ以上のサブコアを含み、少なくとも1つのサブコアがCNT糸を含む、めっき付ねじりワイヤ110の写真100である。
図2A~2Dは、CNTケーブル200の構成要素を示す4つの概略図のセットである。図2Aにおいて、CNTケーブル200は、28 American Wire Gauge(AWG)高速CNTケーブル200を含む。図示のように、CNTケーブルは、一対のねじりワイヤ、第1のねじりワイヤ210Aおよび第2のねじりワイヤ210Bを含む。
ねじりワイヤ210A、210Bは、CNTケーブル200の電気層220を形成する遮蔽220によって遮蔽される。例えば、電気層220は、CNTケーブル200の外面220を含む。例えば、電気層200は、物理層(図示せず)によって囲まれている。例えば、電気層200は編組(図示せず)によって取り囲まれ、編組は電気層200を摩耗から保護するように構成される。
ねじり遮蔽ワイヤ210A、210Bのうちの少なくとも1つは、コアを備える。例えば、第1のねじりワイヤ210Aは、第1のコア230Aを含む。例えば、第2のねじりワイヤ210Bは、第2のコア230Bを含む。図示のように、第1のねじりワイヤ210Aは第1のコア230Aを含み、第2のねじりワイヤ210Bは第2のコア230Bを含む。例えば、ねじり遮蔽ワイヤ210A、210Bの少なくとも1つは、所望の数のサブコアを有する。
第1のコア230Aは、第1のめっき240Aによって取り囲まれている。第2のコア230Bは、第2のめっき240Bによって取り囲まれている。例えば、第1のめっき240Aおよび第2のめっき240Bのうちの1つ以上は銅めっきを含む。例えば、第1の銅めっき240Aおよび第2の銅めっき240Bのうちの1つ以上は、電気めっき型銅めっきを含む。例えば、第1のめっき240Aおよび第2のめっき240Bのうちの1つ以上は銀めっきを含む。例えば、第1のめっき240Aおよび第2のめっき240Bのうちの1つ以上は金めっきを含む。図示のように、第1のコア230Aは、第1の銅めっき240Aによって取り囲まれている。図示のように、第2のコア230Bは、第2の銅めっき240Bによって取り囲まれている。例えば、第1の銅めっき240Aおよび第2の銅めっき240Bのうちの1つ以上は、約15ミクロンまでの厚さを有する。
第1の銅めっき240Aは、3つのサブコア250A、250B、および250Cによって形成される表面の外側を周回する第1のめっき付外周を形成する。同様に、第2の銅めっき240Bは、3つのサブコア250D、250E、および250Fによって形成される表面の外側を周回する第2のめっき付外周を形成する。
例えば、第1のコア230Aおよび第2のコア230Bのうちの1つ以上は、多成分コアを含む。例えば、図示されるように、第1のコア230Aは、3つのサブコア250A、250B、および250Cを備える3軸の第1のコア230Aを備える。例えば、3つのサブコア250A、250B、および250Cは、ねじり合わされる。例えば、図示されるように、第2のコア230Bは、3つのサブコア250D、250E、および250Fを備える3軸の第2のコア230Bを備える。例えば、3つのサブコア250D、250E、および250Fは、ねじり合わされる。
例えば、サブコア250A~250Fのうちの1つ以上は糸(単糸)を含む。例えば、サブコア250A~250Fの1つ以上はCNT糸を含む。
例えば、第1のサブコア250A~250Fのうちの1つ以上は、化学的に延伸されたCNT糸(CSY)を含む。CSY前処理は、めっき層の導電性を最大にするための最適なテンプレートを提供するためにクロロスルホン酸を使用する酸洗浄を含む。CSY前処理酸は半導電性CNTをドープし、それにより導電率を増加させる。CSYはまた、糸を緻密化する。CSYはまた、CNTネットワーク接続性を改善する。
3つのサブコア250A、250B、および250Cは所望のゲージ(線規)を有する第1のねじりワイヤ210Aを形成するために、ともにねじり合わされる。例えば、3つのサブコア250A、250B、および250Cのうちの少なくとも1つは、所望の近似(おおよその)直径を有する。あるいは、7つの1.5texサブコア(図示せず)をねじり合わせて、28米国電線規格(28AWG)に従う第1のねじりワイヤ210Aを形成する。
図2Bは第1のねじりワイヤ210Aが1つのサブコア250Aを含み、第2のねじりワイヤ210Bが1つのサブコア250Bを含む、CNTケーブル200の代替実施形態を示す。また、遮蔽220、第1のコア230A、第2のコア230B、第1のめっき付外周240Aおよび第2のめっき付外周240Bも示されている。
図2Cは第1のねじりワイヤ210Aが4つのサブコア250A~250Dを含み、第2のねじりワイヤ210Bが4つのサブコア250E~250Hを含む、CNTケーブル200の代替実施形態を示す。また、遮蔽220、第1のコア230A、第2のコア230B、第1のめっき付外周240Aおよび第2のめっき付外周240Bも示されている。
図2Dは第1のねじりワイヤ210Aが7つのサブコア250A~250Gを含み、第2のねじりワイヤ210Bが4つのサブコア250H~250Nを含む、CNTケーブル200の代替実施形態を示す。また、遮蔽220、第1のコア230A、第2のコア230B、第1のめっき付外周240Aおよび第2のめっき付外周240Bも示されている。
最適な糸構成は、4つのサブコアを含む28本のAWG CNTワイヤを含む。この構成はめっき付外周を最大にしかつサブコアの数を最小にするという競合事項において優れたバランスを提供する。
本発明の実施形態は、約10メガジーメンス/メートル(MS/m)を超える導電率を有する。本発明の実施形態は、約20MS/mを超える導電率を有する。本発明の実施形態は、約20MS/m~58.5MS/mの導電率を有する。好ましくは、ファイバ(繊維)は軽量である。好ましくは、ファイバは高い引張強度を有する。
図3A~3Dは、従来技術のCNTワイヤ、本発明の実施形態による銅めっき付CNTワイヤ、本発明の実施形態による、化学的に延伸されたCNT糸(CSY)を使用して酸洗浄を実施することによって前処理されたCNTワイヤ、および本発明の実施形態による、銅めっき後のCSY前処理されたCNTワイヤを示す一組の4つの顕微鏡写真である。
図3Aは、約1.5tex(1.5グラム/キロメートル)の線密度を有する従来技術の裸の28 American Wire Gauge(28AWG)CNTワイヤの顕微鏡写真である。
図3Bは、本発明の実施形態による、銅めっき付約1.5 texの線密度を有する28 AWG CNTワイヤの顕微鏡写真である。
図3Cは、本発明の実施形態による、CSYを用いて前処理された、約10 texの線密度を有する裸の28AWG CNTワイヤの顕微鏡写真である。
図3Dは、本発明の実施形態による、CSYを使用して前処理され、銅めっき付、約10 texの線密度を有する28AWG CNTワイヤの顕微鏡写真である。
本発明の実施形態によるCSY前処理は、電気めっき中の大規模な表面欠陥を引き起こす核形成部位として作用する緩いCNT繊維を実質的に含まない表面を有する糸を生成する。本発明の実施形態による糸のCSY前処理は、めっき付表面の最終的な表面粗さには寄与しない最小の欠陥および最小の表面粗さを有する糸を生成する。めっき層の表面粗さは、本発明を実施する際に使用される電気めっき処理の際の条件の関数であると思われる。本発明の実施形態によるCSYによる前処理は、ワイヤを電気めっきするための理想的で滑らかな基板をもたらす。CSY前処理はまた、CNTケーブルの導電率を増加させる。
図4A~4Hは、約1.8ミクロンの平均粒径を有する24 American Wire Gauge(24AWG)ワイヤおよび約7.2ミクロンの平均粒径を有する28 American Wire Gauge(28AWG)ワイヤの両方について、小規模表面粗さおよび大規模表面欠陥の両方を示す8枚の顕微鏡写真のセットである。例えば、CNTケーブルは一対のねじりワイヤを含み、各ワイヤは、約10ミクロン以下の粒径を有する。例えば、CNTケーブルは一対のねじりワイヤを含み、各ワイヤは、約3ミクロン以下の粒径を有する。
小規模な表面粗さとは、約2000倍に拡大した場合に目に見える粗さを指す。大規模な表面欠陥は、約100倍に拡大した場合に目に見える表面欠陥を指す。
図4Aは、1.8ミクロンの平均粒径および低電流を有する24 AWGワイヤを使用する本発明の実施形態についての小規模表面粗さの顕微鏡写真である。
図4Bは、1.8ミクロンの平均粒径および高電流を有する24 AWGワイヤを使用する本発明の実施形態についての小規模表面粗さの顕微鏡写真である。
図4Cは、1.8ミクロンの平均粒径および低電流を有する24 AWGワイヤを使用する本発明の実施形態の大規模表面欠陥の顕微鏡写真である。
図4Dは、1.8ミクロンの平均粒径および高電流を有する24 AWGワイヤを使用する本発明の実施形態の大規模表面欠陥の顕微鏡写真である。
図4Eは、7.2ミクロンの平均粒径および低電流を有する28 AWGワイヤを使用する本発明の実施形態についての小規模表面粗さの顕微鏡写真である。
図4Fは、7.2ミクロンの平均粒径および高電流を有する28 AWGワイヤを使用する本発明の実施形態についての小規模表面粗さの顕微鏡写真である。
図4Gは、7.2ミクロンの平均粒径および低電流を有する28 AWGワイヤを使用する本発明の実施形態の大規模表面欠陥の顕微鏡写真である。
図4Hは、7.2ミクロンの平均粒径および高電流を有する28 AWGワイヤを使用する本発明の実施形態の大規模表面欠陥の顕微鏡写真である。
めっき付銅導電率は、表面粗さと負の相関を有することが分かる。めっき付銅導電率は、表面欠陥と負の相関を有することが分かる。本発明の実施形態による電気めっき中の銅堆積速度の低下は、めっき層の導電性を最大にする。本発明の実施形態によれば、銅堆積速度は、約12ミクロン/分以下である。
本発明の実施形態によれば、表面粗さを最小限に抑えることは、電気めっき処理中に、より低い銅堆積速度を使用することによって達成することができる。
本発明の実施形態によれば、表面欠陥を実質的に排除することは、電気めっき処理中に、より低い銅堆積速度を使用することによって達成することができる。
表1は、図4から抽出された実験的に得られたデータ(本発明の得られた実施形態の電気めっき電流および導電率[MS/m])を表形式で示す。
本発明の実施形態は、約10MS/mを超える導電率を有する。本発明の実施形態は、約20MS/mを超える導電率を有する。本発明の実施形態は、約20MS/m~58.5MS/mの導電率を有する。好ましくは、ファイバは軽量である。好ましくは、繊維は高い引張強度を有する。
図5A~5Bは、4つの異なる数のサブコアを含むねじりワイヤを使用するCNT糸ケーブルの挿入損失(デシベル[dB])に関するコンピュータシミュレーションデータを示す2つのグラフのセットである。図5Aおよび図5Bは、それぞれ、各ねじりワイヤに1、3、4、および7個のサブコアを備えるCNTケーブルの挿入損失を示す。メガヘルツ(MHz)の異なる周波数に対する従来技術のめっきされていないCNTワイヤの挿入損失と比較して。図5A~5Bはまた、それぞれ、従来技術の中実銅線の周波数の関数として測定された挿入損失を示す。
図5Aは1、3、4、および7個のサブコアを含み、1メートル当たり20メガジーメン(MS/m)の導電率を有する典型的な銅めっきを使用するCNTケーブルの挿入損失に関するコンピュータシミュレーションデータを示す。1つのサブコアを含むCNTケーブルは、約1,005ミクロンのめっき付外周を有する。3つのサブコアを含むCNTケーブルは、約1,108ミクロンのめっき付外周を有する。4つのサブコアを含むCNTケーブルは、約1,268ミクロンのめっき付外周を有する。7つのサブコアを含むCNTケーブルは、約1,257ミクロンのめっき付外周を有する。
図5Bは1、3、4、および7個のサブコアを含み、銅めっきで達成可能な最高導電率を表す58メガジーメン/メートル(MS/m)の導電率を有する典型的な銅めっきを使用するCNTケーブルの挿入損失に関するコンピュータシミュレーションデータを示す。
図6Aは28AWGワイヤ、24AWGワイヤ、22AWGワイヤおよび20AWGワイヤを使用する実施形態におけるCNT糸ケーブルのワイヤ重量を示す棒グラフであり、従来技術のCOTS銅ワイヤの同じ4本のワイヤの比較ワイヤ重量を示す。
28AWGワイヤを使用する実施形態におけるCNTケーブルの典型的な重量は、約0.06グラム/フィート(g/ft)である。24AWGワイヤを使用する実施形態におけるCNTケーブルの典型的な重量は、約0.12g/ftである。20AWGワイヤを使用する実施形態におけるCNTケーブルの典型的な重量は、約0.25g/ftである。
図6Bは、28AWGワイヤ、24AWGワイヤ、22AWGワイヤおよび20AWGワイヤを使用する実施形態のための従来技術のCOTSワイヤに対するCNT糸ケーブルの重量の減少を示す棒グラフである。既製ワイヤの銅に対するCNT糸ケーブルの重量の減少率は、約60%~約90%であった。
図7は、ギガヘルツ(GHz)単位の異なる周波数に対する従来技術のめっきされていない市販のCNTワイヤの挿入損失に対するCNT糸ケーブルの挿入損失(デシベル[dB])を示すグラフである。従来技術のめっきされていない市販のCNTワイヤの挿入損失は約2~4ギガヘルツ(GHz)を超える周波数に対して著しく増加するが、CNTケーブルの挿入損失は比較的安定したままである。
表2は、図7から抽出された、従来技術のめっきされていないCNTワイヤの挿入損失(dB/ft)に対するCNT糸ケーブルの実験的に得られたデータ(ギガヘルツ[GHz]単位の異なる周波数に対する挿入損失(dB/ft))を表形式で示す。
図8は、4つの異なる近似(おおよその)最小動作周波数で28 AWGめっきワイヤを使用するCNT糸ケーブルについての遮蔽導電率(メガジーメンス/メートル[MS/m])の関数としての全ワイヤ重量(グラム/フィート[g/ft])のグラフである。提示される近似最小動作周波数は、100メガヘルツ(MHz)、400MHz、800MHz、および1,200MHzである。図8はまた、従来技術のめっきされていないCNTワイヤおよび従来技術の市販の銅ワイヤについての対応するデータ点を示す。
本発明の実施形態は従来技術の銅ワイヤと比較して重量節約を維持しながら、従来技術のめっきされていないCNTワイヤの導電性を改善する。図8はまた、従来技術の銅線および従来技術のめっきされていないCNTワイヤについて測定された遮蔽導電率の関数として測定された遮蔽重量を示す。
本発明の実施形態の重みは、信号周波数にほぼ反比例する。本発明の実施形態によれば、より高い周波数で動作する信号ワイヤに必要とされるめっきはより少ない。
本発明の実施形態は、RF信号の表皮深さ閉じ込めを提供する。
電気めっき処理の本発明の実施形態による強化は、堆積速度および前処理を制御することのうちの1つまたは複数を含む。強化は、ワイヤの導電率を増加させること、およびケーブル全体の重量を減少させることのうちの1つ以上を達成する。本発明の実施形態によれば、銅堆積速度は、約12ミクロン/分以下である。
図9は、CNT糸ケーブルを製造するための方法900のフローチャートである。方法900におけるステップの順序は、図9に示された順序に限定されず、以下の文章で説明される。いくつかのステップは、最終結果に影響を及ぼすことなく、異なる順序で行うことができる。
ステップ910では、堆積速度を制御して、各ワイヤが1つ以上のサブコアを含み、少なくとも1つのサブコアがCNT糸を含む、一対のワイヤのそれぞれを取り囲むようにめっきが堆積される。次に、ブロック910は制御をブロック920に移す。
ステップ920では、めっき付ワイヤがねじり合わされる。例えば、ねじり工程は複数のサブコアをねじり合わせることを含み、それによって、各々が複数のサブコアを含む一対のねじりワイヤを生成する。例えば、ねじり工程は、多数のサブコアを制御することを含む。例えば、ねじり工程は、複数のサブコアの少なくとも1つの近似直径を制御することを含む。次に、ブロック920は、制御をブロック930に移す。
ステップ930において、めっき付ねじりワイヤは、めっき付ねじりワイヤを遮蔽するように構成された電気層で取り囲まれ、それによってCNTケーブルが生成される。次いで、ブロック930は、処理を終了する。
任意選択で、この方法は、堆積ステップの後で、周回ステップの前に実行される、めっき付ねじりワイヤの周りに誘電体を配置する追加のステップを含む。
任意選択で、この方法は、CNT糸ケーブルを化学的に前処理する、作成ステップの前に実行される追加のステップを含む。
例えば、前処理工程は、クロロスルホン酸を用いて酸洗浄を行うことによってCNT糸ケーブルを化学的に前処理することを含む。
例えば、堆積は、約12ミクロン/分以下の速度でめっきを堆積することを含む。
例えば、前処理工程は、CNT糸ケーブルを溶媒で処理することを含む。
例えば、溶媒は、アセトン、イソプロピルアルコール(IPA)、およびメタノールのうちの1つ以上を含む。
図10は、CNT糸ケーブルを製造するための方法1000のフローチャートである。方法1000におけるステップの順序は、図10に示された順序に限定されず、以下の説明で説明される。いくつかのステップは、最終結果に影響を及ぼすことなく、異なる順序で行うことができる。
ステップ1010では、クロロスルホン酸を使用して、CNT糸を含む複数のサブコアのうちの少なくとも1つが化学的に前処理される。次に、ブロック1010は、制御をブロック1020に移す。
堆積速度を制御するステップ1020では、めっきは各ワイヤがサブコアを含む一対のワイヤの各々を取り囲むように堆積される。次に、ブロック1020は、制御をブロック1030に移す。
ステップ1030において、誘電体が、めっき付ねじりワイヤの周りに配置される。次に、ブロック1030は、制御をブロック1040に移す。
ステップ1040において、いくつかのサブコアを制御し、複数のサブコアのうちの少なくとも1つの近似直径を制御し、めっき付ワイヤをねじり合わせる。次に、ブロック1040は、制御をブロック1050に移す。
ステップ1050において、誘電体は、めっき付ねじりワイヤを遮蔽するように構成された電気層で取り囲まれ、それによってCNTケーブルが生成される。次いで、ブロック1050は、処理を終了する。
本発明の実施形態は、多くの利点を提供する。堆積速度および前処理を制御することのうちの1つ以上を含む、電気めっき処理の本発明の実施形態による強化は、ワイヤ導電率を増大させること、および総ケーブル重量を低減することのうちの1つ以上を達成する。
本発明の実施形態によるCSYによる前処理は、ワイヤを電気めっきするための理想的で滑らかな基板をもたらす。
本発明の実施形態の重みは、信号周波数にほぼ反比例する。本発明の実施形態によれば、より高い周波数で動作する信号ワイヤに必要とされるめっきはより少ない。
本発明の実施形態は、RF信号の表皮深さ閉じ込めを提供する。
金属ワイヤと比較して、本発明の実施形態は設置、統合化、試験、および動作中に、曲げ、張力、および他の誘発された機械的歪みに対して、より弾力性がある。
めっきの厚さは、高周波信号の固有表皮深さに適合するように最適化され、従来技術の銅線の代わりに強力で軽量のCNTコアを使用することによって信号品質が実質的に影響を受けないことを保証する。
本発明の実施形態は、単一のねじりワイヤ対において、少なくとも約1.25ギガビット/秒(Gbit/s)のデータ転送速度を提供し、これは、約30 Mbit/sの最大データ速度に制限される電気めっき銅を欠く従来技術のケーブルの最大データ速度の40倍を超える。また、少なくとも約1.25 Gbit/sのデータ転送速度は、USB(Universal Serial Bus)2.0のデータ転送速度の3倍以上である。
本発明の実施形態は、従来技術の金属ワイヤよりも容易に曲がるように構成された繊維状CNTコアを含む。さらに、本発明の実施形態は、従来技術の金属ワイヤよりも小さい曲げ半径を有する繊維状CNTコアを含む。さらに、本発明の実施形態は従来技術の代替物よりも柔軟であり、より小さな空間に格納されることを可能にする。
本発明の実施形態は、従来技術の金属被覆ポリマーワイヤよりも効果的に電力を伝達することができる。本発明の実施形態は、約30メガヘルツ(MHz)を超える周波数においてでさえも、従来技術のめっきされていないCNTケーブルと比較して優れた導電率を有する。また、本発明の実施形態は、約30MHzを超える周波数を超える場合であっても、従来技術のめっきされていないCNTケーブルに比べて優れたRF挿入損失を有する。
銅めっき付CNT糸を使用する本発明の実施形態は銀、金、および銅のうちの1つまたは複数でめっき付CNT糸を使用する本発明の実施形態と比較して、同等の電気的性能を得る際に大きな重量節約を提供する。従来技術の銅導体と比較して、本発明の実施形態は非常に軽量であり、構成要素の重量を約72~82%減少させ、ケーブル全体の重量を約35~50%減少させる。
銅めっき糸を使用する本発明の実施形態はまた、銀および金のコストが高いため、著しい費用節約効果を有する。
本発明の実施態様は、4軸糸および3軸糸のうちの1つ以上を使用することで、標準の既製のケーブルの表面積よりも大きい全ケーブル表面積を提供する。糸の総数を3本または4本のうちの1本以上に制限することによって、寄生誘導が最小限に抑えられ、ケーブルの全RF挿入損失を最小限に抑えることができる。従来のねじりケーブルから逸脱する点として、本発明の実施形態によれば、3軸糸および4軸糸のうちの1つまたは複数は、それらの外面上にのみめっきされ、それによって、重量節約率を著しく低減することなく、めっき付ワイヤアーキテクチャの、より大きなワイヤ直径への拡張性を向上させる。また、本発明の実施形態によれば、CSY前処理は、めっき層の導電率を最大にするための最適なテンプレートを提供する。本発明の実施形態によれば、CSY前処理はめっきのためにCNT表面の幾何学的形状を最適に調整し、その結果、めっき層の導電率が最大になる。
約4.6~5メガパスカル立方メートル/kgまたは4.6~5MPa―m3/kgの強度を有する高強度ケーブルを提供する。
本発明等の変形の数は実質的に非限定的であることが、当業者によってさらに理解されるのであろう。したがって、上記の説明の主題は例示として解釈されるべきであり、限定的な意味で解釈されるべきではないことが意図される。
上記の代表的な実施形態は例示的な構成における特定の構成要素を用いて説明されてきたが、他の代表的な実施形態が異なる構成および/または異なる構成要素を使用して実装され得ることが、当業者によって理解されるのであろう。例えば、当業者であれば、本発明の機能を実質的に損なうことなく、特定のステップおよび特定の構成要素の順序を変更できることを理解するのであろう。例えば、2つのねじりワイヤは、異なる数のサブコアを有することができる。
本明細書で詳細に説明された代表的な実施形態および開示された主題は例および例示として提示されたものであり、限定として提示されたものではない。当業者であれば、記載された実施形態の形態および詳細に様々な変更を加えることができ、その結果、本発明の範囲内にある同等の実施形態が得られることを理解するのであろう。したがって、上記の説明の主題は例示として解釈されるべきであり、限定的な意味で解釈されるべきではないことが意図される。